説明

ニードルアダプタ及びそのニードルアダプタを用いたオートサンプラ

【課題】インジェクションポートを有する流路切替バルブを一般的な流路切替バルブで構成することができるようにする。
【解決手段】流路切替バルブ7の6つの配管接続ポート27は全て同一の構造をもつ接続用穴27aにより構成さている。接続用穴27aはステータ36の上面の同一平面内に均一に配置されている。1つの接続用穴27aにニードルアダプタ42がネジの螺合によって装着されインジェクションポート8を構成する。接続用穴27aにニードルアダプタ42が装着されることで、ニードルアダプタ42に挿入されたニードル6をその接続用穴27aの底部からロータ32と対向する面まで延びた流路27bに接続することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料を吸引したニードルを挿入させて試料を注入させるためのニードルアダプタ及びそのニードルアダプタを用いたオートサンプラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフの分析流路に試料を注入するオートサンプラは、試料を吸引するニードルのほか、複数のポートを有しそれらのポート間の接続を切り替える流路切替バルブを備えている。流路切替バルブは、液体クロマトグラフの分析流路に配管を介して接続されたポートを備えているとともに、ニードルを挿入させて接続するためのインジェクションポートを構成するポートを備えている。流路切替バルブはそれらのポート間を接続してインジェクションポートにニードルから試料を注入することにより、試料を液体クロマトグラフの分析流路へ導入するようになっている(特許文献1参照。)。そのようなオートサンプラの流路構成の一例を図5に示す。
【0003】
図5のオートサンプラは、複数の配管接続用ポート50aと1つのインジェクションポート用ポート50bを備えそれらのポート間の接続を切り替える流路切替バルブ50を備えている。インジェクションポート用ポート50bにはニードルアダプタ52が装着されており、ニードル6によって試料を注入するためのインジェクションポートを構成している。さらに、このオートサンプラは、流路切替バルブ50の配管接続用ポート50aに配管を介して接続されたニードル6及びシリンジポンプ10を備えている。ニードル6は流路切替バルブ50によってシリンジポンプ10と接続されることにより、先端からの液の吸引や吐出を行なうことができる。
【0004】
ニードル6はニードルアダプタ52の位置や装置内に設置されたラック4上の試料バイアル2の位置及び洗浄機構13の洗浄ポート16の位置へ移動することができる。ニードル6は試料バイアル2の内部に先端を挿入して試料を吸引してサンプルループ12に滞留させた後、ニードルアダプタ52の位置へ移動し試料をインジェクションポートに注入する。
【0005】
流路切替バルブ50の2つの配管接続ポート50aに液体クロマトグラフの分析流路を構成する上流側分析流路18と下流側分析流路22に接続されている。上流側分析流路18は移動相を送液するための送液ポンプ20を備え、下流側分析流路22は分析カラム24や検出器(図示略)を備えている。ニードルアダプタ52にニードル6を挿入して接続し、上流側分析流路18−ニードル6−下流側分析流路22と繋がるように流路切替バルブ50の状態を切り替えることで、ニードル6先端から吸引した試料を移動相によって分析カラム24へ導くことができる。
【0006】
流路切替バルブ50の構造の一例を図6の断面図を用いて説明する。
配管接続用ポート27はステータ36の上面に設けられた接続用穴27aおよび流路27bにより構成され、インジェクションポート用ポートもステータ36の上面に設けられた接続用穴55および流路55aにより構成されている。バルブボディ26の内部には、円柱形状のロータ32が一方の円形面がステータ36の上面側を向いた状態で収容されている。ロータ32の他方の円形面にシャフト30の一端が連結されており、シャフト30の他端はバルブボディ26の下面側から外部へ延びて外部に配置されている駆動機構(図示略)により駆動される。
【0007】
ロータ32の一方の円形面とステータ36の下面は直接接触するように設置されている。ロータ32はステータ36上面の隣接するポート間を接続するためのポート間接続流路38が設けられており、シャフト30が回転することで、ロータ32も回転し、流路が切り替わる。また、ロータ32とステータ36の液密性を高めるために、ロータ32はバネ34によってステータ36へ押し付けられている。
【0008】
ステータ36の上面の接続用穴27の底部は流路27bによってステータ36の下面に通じており、インジェクションポート用ポート穴55の底部も流路55aによってステータ36の下面に通じている。接続用穴27は配管の先端部に装着された配管固定部材40をネジの螺合によって固定することができ、配管固定部材40を固定することで配管を流路27bに接続することができる。インジェクションポート用ポート穴55はニードルアダプタ52をネジの螺合によって固定することができる。ニードルアダプタ52はニードル6を挿入するための孔52aを備え、その穴52aの底部にニードルシール52bが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−215118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の例では、ニードルからインジェクションポートに注入した試料が通過する流路の容積を低減して、液体クロマトグラフで得られる検出ピークがブロードになることを抑制するために、流路切替バルブ50のインジェクションポート用ポート穴55にニードルアダプタ52が直接的に装着されている。配管接続部材40とニードルアダプタ52は構造が異なるため、インジェクションポート用ポート50bを配管接続用ポート50aとは別途設けておく必要があった。そのため、インジェクションポート用ポート50bを有する流路切替バルブ50を一般的な流路切替バルブ7で構成することができず、オートサンプラを構成する部品点数が多くなっていた。
【0011】
そこで、本発明は、インジェクションポートを有する流路切替バルブを一般的な流路切替バルブで構成することができるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るニードルアダプタは、複数の配管接続用ポートを備えた流路切替バルブの配管接続用ポートの1つに装着され、ニードルを挿入させてニードルの先端から試料を注入させるためのインジェクションポートを構成するものである。該ニードルアダプタは、流路切替バルブに接続される通常配管と同じ外径をもつダミー配管、ダミー配管をポートに固定するためのポート固定部、ニードル先端を保持してニードルとダミー配管とを接続するニードルシール及びポート固定部に取り付けられニードルシールを保持するためのニードルシールハウジングを備え、ポート固定部は、配管接続用ポートに配管を接続するための配管接続部材のポートへの固定部分と同一の形状を備えてダミー配管を配管接続用ポートに接続する構造となっていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明のニードルアダプタにおいては、ポート固定部とニードルシールハウジングが同一素材により一体的に形成されたものであってもよく、さらには、ダミー配管、ポート固定部、ニードルシール及びニードルシールハウジングがニードルシール形成用の弾性材料により一体的に形成されたものであってもよい。そうすることで、ニードルアダプタを構成する部品点数が少なくなり、コストの低減を図ることができる。
【0014】
本発明に係るオートサンプラは、シリンジポンプと、水平方向と垂直方向への移動が可能であり、試料を収容した試料容器の位置へ移動してその試料容器内へ先端部を挿入し、シリンジポンプの吸引動作により試料を吸引するニードルと、複数の配管接続用ポートを備え、配管接続用ポートの1つに上記ニードルアダプタが装着されてインジェクションポートを構成している流路切替バルブを備えたものである。
【0015】
流路切替バルブの各配管接続用ポートが同一平面内において円周方向に均一にかつ前記平面に対して一定角度傾斜して配置されている場合には、インジェクションポートが鉛直向きに配置されるように流路切替バルブを傾斜して配置することが好ましい。そうすれば、ニードルの駆動を複雑にすることなく、水平方向と垂直方向への駆動でインジェクションポートにニードルを挿入して接続することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のニードルアダプタは、ダミー配管をポートに固定するためのポート固定部が配管接続用ポートに配管を接続するための配管接続部材のポートへの固定部分と同一の形状であり、ダミー配管を配管接続用ポートに接続する構造となっているので、配管接続用ポートに配管接続部材と同様に固定することができる。これにより、ニードルアダプタを装着するための特別の構造を有するポートを流路切替バルブに設ける必要がなくなり、一般的な流路接続バルブの1つのポートをインジェクションポートとすることができる。
【0017】
本発明のオートサンプラは、複数の配管接続用ポートを備え、1つの配管接続用ポートに上記ニードルアダプタが装着されてインジェクションポートを構成している流路切替バルブを備えたものであるので、インジェクションポート用の専用の構造を有する流路切替バルブを必要とせず、一般的な流路接続バルブの1つのポートをインジェクションポートとすることができる。これにより、オートサンプラを構成する部品点数の低減を図ることができ、コストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】オートサンプラの一実施例を概略的に示す流路構成図である。
【図2】同実施例のインジェクションポートを備えた流路切替バルブの構造を示す断面図であり、(A)は配管接続部材及びニードルアダプタを固定していない状態、(B)は配管接続部材及びニードルアダプタを固定した状態である。
【図3】同実施例の流路切替バルブのポートに配管又はニードルを接続するための接続部材を示す図であり、(A)は配管を接続するための接続部材の断面図、(B)はニードルアダプタの断面図である。
【図4】ニードルアダプタの他の例を示す断面図である。
【図5】同実施例の洗浄機構に用いられている流路切替バルブの構造を示す断面図である。
【図6】従来のオートサンプラの一例を概略的に示す流路構成図である。
【図7】従来のオートサンプラのインジェクションポートを備えた流路切替バルブの構造を示す断面図であり、(A)は配管接続部材及びニードルアダプタを固定していない状態、(B)は配管接続部材及びニードルアダプタを固定した状態である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
液体クロマトグラフの分析流路に試料を注入するオートサンプラの一実施例を、図1を用いて説明する。
6つの配管接続用ポート27を備えた流路切替バルブ7が設けられている。配管接続用ポート27の1つにニードルアダプタ42が装着されてインジェクションポート8を構成している。他の配管接続用ポート27には、洗浄機構13を構成する流路切替バルブ14の1つのポート、シリンジポンプ10、ニードル6の基端、上流側分析流路18及び下流側分析流路22がそれぞれ配管により接続されている。
【0020】
流路切替バルブ7により、ニードル6の基端に接続された流路は上流側分析流路18又はシリンジポンプ10のいずれかに接続され、インジェクションポート8は洗浄機構13を構成する流路切替バルブ14の1つのポート又は下流側分析流路22のいずれかに接続される。そして、ニードル6と上流側分析流路18が接続されているときはインジェクションポート8と下流側分析流路22が接続され、ニードル6とシリンジポンプ10が接続されているときはインジェクションポート8と洗浄機構13を構成する流路切替バルブ14の1つのポートが接続される。
【0021】
ニードル6はニードル駆動部(図示略)によって水平面内方向と垂直方向への移動が可能である。ニードル6の移動可能範囲内に、複数のバイアル2を保持することができるサンプルラック4を設置するためのラック設置部26のほか、インジェクションポート8と洗浄ポート16が配置されている。
【0022】
試料のサンプリングを行なう際は、ニードル6とシリンジポンプ10が接続された状態でニードル6がサンプリング対象のバイアル2上の位置へ移動した後で下降することによってバイアル2内へ進入し、シリンジポンプ10が吸引駆動されることによりニードル6の先端からバイアル2内の試料を吸入する。ニードル6の基端に接続された流路上にサンプルループ12が設けられており、吸入した試料はサンプルループ12内に保持される。
【0023】
サンプリングした試料を液体クロマトグラフの分析流路中に注入する際は、ニードル6と上流側分析流路18が接続され、ニードル6がインジェクションポート8に挿入される。これにより、上流側分析流路18−サンプルループ12−下流側分析流路22が直列に接続され、液体クロマトグラフの分析流路が構成される。上流側分析流路18から送液ポンプ20によって移動相が送液され、サンプルループ12内に保持されていた試料が移動相とともに下流側分析流路22へ導かれる。下流側分析流路22には、分離カラム24や検出器(図示略)が設けられており、試料が分析カラム24で成分ごとに分離され、各成分が検出器により検出される。ここで、ニードル6、ニードル駆動部(図示略)、シリンジポンプ10及びサンプルループ12は、試料のサンプリングを行なうためのサンプリング機構を構成している。
【0024】
洗浄機構13は流路切替バルブ14や洗浄ポート16を備えている。ニードル6を洗浄液の入った洗浄ポート16内に挿入してニードル6の内面や外面の洗浄を行なうことができる。また、インジェクションポート8内にニードル6を挿入するとともにインジェクションポート8を流路切替バルブ14に設けられたドレインポートに接続しておき、シリンジポンプ10内に洗浄液を吸入してニードル6の先端からインジェクションポート8に吐出することで、シリンジポンプ10からインジェクションポート8までの間の流路内の洗浄を行なうこともできる。
【0025】
次に、流路切替バルブ7の構造について図2を用いて説明する。
流路切替バルブ7の6つの配管接続ポート27は全て同一の構造であり、ステータ36の上面の同一平面内に均一に配置されている。この実施例においては、各接続用穴27は配置されている平面の中心を通る軸に対して一定角度ずつ傾斜して設けられている。
【0026】
バルブボディ26の内部に円柱形状のロータ32が一方の円形面がバルブボディ26の上面側を向いた状態で収容されている。ロータ32の他方の円形面中央にシャフト30の一端が連結されており、シャフト30の他端はバルブボディ26の下面側から外部へ延び、駆動機構(図示略)によって回転駆動されるようになっている。
【0027】
ロータ32は、ステータ36の隣接するポート間を接続するためのポート間接続流路38が設けられている。ステータ36の上面に設けられた接続用穴27の底部は流路27bの一端に通じている。各流路27bはロータ32と対向する面まで延びており、ロータ32のポート間接続流路38と接続されうる位置に引き出されている。ステータ36はバルブボディ26で保持され、ステータ36とロータ32の互いに対向する面の間の液密性を高めるために、ロータ32はバネ34によってステータ36の上面側へ付勢されている。
【0028】
各接続用穴27の内周面27aには、配管接続部材40及びニードルアダプタ42の外周面に切られたネジと螺合するネジが切られている。1つの接続用穴27にニードルアダプタ42がネジの螺合によって装着されインジェクションポート8を構成する。接続用穴27にニードルアダプタ42が装着されることで、ニードルアダプタ42に挿入されたニードル6をその接続用穴27の底部からロータ32と対向する面まで延びた流路27bに接続することができる。残りの接続用穴27には配管の先端に装着された配管接続部材40をネジの螺合によって固定する。配管接続部材40を接続用穴27に固定することで、その接続用穴27の底部からロータ32に対向する面まで延びた流路27aに配管を接続することができる。
【0029】
この流路切替バルブ7は、シャフト30を一定角度だけ回転させることによってロータ32のポート間接続流路38の位置が変更され、ポート間接続流路38によって接続される隣接ポートが変更される。
【0030】
流路切替バルブ7の設置部28は水平方向に対して一定角度だけ傾斜して設けられており、ニードルアダプタ42が装着される接続用穴27の中心軸を鉛直向きに向けて配置されるようになっている。接続用穴27に装着されるニードルアダプタ42のニードル挿入部はその中心軸上に設けられている。これにより、ニードル6をニードルアダプタ42の上方から垂直方向へ下降させる駆動のみによってニードルアダプタ42のニードル挿入部に挿入することができる。
【0031】
配管接続部材40とニードルアダプタ42の構造の一例について図3を用いて説明する。
配管接続部材40は円柱形状のポート固定部40aを備えている。ポート固定部40aの外周に接続用穴27の内周面27aに切られたネジと螺合する螺合部40bが設けられている。ポート固定部40aの一端がフェルール46によって配管の先端部分に係止される。フェルール46により係止されたポート固定部40aは配管を軸として回転可能である。ポート固定部40aのフェルール46とは反対側にナット部40cが設けられており、ナット部40cを回転させることでネジの螺合によって配管接続部材40を接続用穴27内に固定し、配管を流路27bに接続する。
【0032】
ニードルアダプタ42は配管接続部材40のポート固定部40と同じ大きさと形状をもつポート固定部42a、ポート固定部42aの外周に設けられた螺合部42b、ニードルシールハウジング42c、ダミー配管42d、ニードルシール固定ナット42e、ニードルシール43及びフェルール48により構成されている。ダミー配管42dは配管接続部材40によって他の配管接続用ポート7aに接続される配管と同じ外径をもつものである。
【0033】
ダミー配管42dの先端部にフェルール48が取り付けられている。ポート固定部42aは内側にダミー配管42dを貫通させた状態でフェルール48によって係止されている。ニードルシールハウジング42cは、ポート固定部42aのフェルール48とは反対側に設けられている。ニードルシールハウジング42cは上面が開口した凹部を有し、その凹部内にニードルシール43が収容されている。ニードルシール43は樹脂などの弾性材料で構成されており、ニードルシール43の中央部に、上方から下降してきたニードル6の先端を保持するとともにニードル6の先端から吐出された液を通す流路となる貫通孔が設けられている。ニードルシールハウジング42cの凹部の底面にニードルシール43の貫通孔とダミー配管42dとを導通させる貫通孔が設けられている。
【0034】
ニードルシールハウジング42cの上部に、ニードルシールを固定するためのニードルシール固定ナット42eが取り付けられている。ニードルシール固定ナット42eは一方の面に凹部を有し、その凹部の内周面にネジが切られている。ニードルシールハウジング42cの外周に設けられた螺合部42bはニードルシール固定ナット42eの内周面に切られたネジと螺合するネジが切られている。ニードルシールハウジング42cの上面側にニードルシール固定ナット42eが装着されている。ニードルシール固定ナット42eの中央部は開口しており、ニードルシール43の中央部に設けられた窪みとともにニードルを挿入するためのニードル挿入部44を構成している。
【0035】
ニードルアダプタ42のポート固定部42aの螺合部42bを接続用穴27の内周面27aに切られたネジと螺合させて固定することにより、ニードルアダプタ42を配管接続用ポートに装着することができる。ニードルアダプタ42を配管接続用ポートに装着すると、ダミー配管42cがその接続用穴27の底部の流路27aに接続される。
【0036】
配管接続部材40のポート固定部40aとニードルアダプタ42のポート固定部42aは同じ形状を有しているため、同じ構造をもつ接続用穴27に固定することができる。したがって、ニードルアダプタ42を取り付けるための専用の構造を持つインジェクションポート用ポートを配管接続用ポートとは別に設ける必要がない。図4はインジェクションポート8を必要としない流路切替バルブの断面を示しているが、流路切替バルブ7と同一の構造を有しており、設置部29の形状が異なっているだけである。このように、用途の異なる流路切替バルブに対して同じ構造のバルブを使用できるようにすれば、部品点数を減らすことができ、コストの低減を図ることができる。
すなわち、複数の配管接続ポートを備えた流路切替バルブをいずれか1つの配管接続ポートの中心軸が鉛直方向を向くように配置し、中心軸が鉛直方向を向いた配管接続ポートにニードルアダプタ42をその中心軸が鉛直方向を向くように装着することで、ニードル挿入部44が鉛直上向きに配置されたインジェクションポート8を構成することができる。
【0037】
なお、ニードルアダプタ42は、図4に示されているように、図3(B)のポート固定部42a、ニードルシールハウジング42c、ダミー配管42d、ニードルシール43及びフェルール48の全ての要素が、例えば一体成型によって、ニードルシール形成用の弾性材料により一体的に形成されたものであってもよい。その場合には、ニードルシール42eを固定しておく必要がなくなるため、ニードルシール固定ナット42eに相当する部材が不要となる。
【0038】
図4の例のほか、ニードルアダプタ42は、例えばポート固定部42aとフェルール48が同一素材により一体的に形成されたものであってもよいし、ポート固定部42a、ニードルシールハウジング42c及びニードルシール43が同一素材により一体的に形成されたものであってもよいし、ポート固定部42a、ニードルシールハウジング42c及びダミー配管42dが同一素材により一体的に形成されたものであってもよい。
【0039】
なお、以上の実施例では、流路切替バルブ7の各ポートがそれらが配置されている平面の中心を通る軸に対して一定角度ずつ傾斜して設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、全てのポートが鉛直向きに設けられているものであってもよい。その場合には、流路切替バルブ7を水平に配置していずれか1つの接続用穴27にニードルアダプタ42を装着するだけで、インジェクションポート8のニードル挿入部44を鉛直上向きに配置することができる。
【符号の説明】
【0040】
2 バイアル
4 ラック
6 ニードル
7 流路切替バルブ
7a 配管接続用ポート
8 インジェクションポート
10 シリンジポンプ
12 サンプルループ
13 洗浄機構
14 低圧流路切替バルブ
16 洗浄ポート
18 上流側分析流路
20 送液ポンプ
22 下流側分析流路
24 カラム
26 バルブボディ
27 配管接続ポート
28 設置部
30 シャフト
32 ロータ
34 バネ
36 ステータ
38 ポート間接続流路
40 配管接続部材
42 ニードルアダプタ
42a ポート固定部
42b 螺合部
42c ニードルシールハウジング
42d ダミー配管
42e ニードルシール固定ナット
43 ニードルシール
44 ニードル挿入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配管接続用ポートを備えた流路切替バルブの前記配管接続用ポートの1つに装着され、ニードルを挿入させて前記ニードルの先端から試料を注入させるためのインジェクションポートを構成するニードルアダプタであり、該ニードルアダプタは、前記流路切替バルブに接続される通常配管と同じ外径をもつダミー配管、前記ダミー配管を前記ポートに接続するためのポート固定部、前記ニードル先端を保持して前記ニードルと前記ダミー配管とを接続するニードルシール及び前記ポート固定部に取り付けられ前記ニードルシールを保持するためのニードルシールハウジングを備え、前記ポート固定部は、前記配管接続用ポートに配管を接続するための配管接続部材の前記ポートへの固定部分と同一の形状を備えて前記ダミー配管を前記配管接続用ポートに接続する構造となっていることを特徴とするニードルアダプタ。
【請求項2】
前記ニードルアダプタの前記ポート固定部と前記ニードルシールハウジングは同一素材により一体的に形成されたものである請求項1に記載のニードルアダプタ。
【請求項3】
前記ニードルアダプタの前記ダミー配管、前記ポート固定部、前記ニードルシール及び前記ニードルシールハウジングは前記ニードルシール形成用の弾性材料により一体的に形成されたものである請求項2に記載のニードルアダプタ。
【請求項4】
シリンジポンプと、水平方向と垂直方向への移動が可能であり、試料を収容した試料容器の位置へ移動してその試料容器内へ先端部を挿入し、前記シリンジポンプの吸引動作により試料を吸引するニードルと、複数の配管接続用ポートを備え、前記配管接続用ポートの1つに請求項1から3のいずれか一項に記載のニードルアダプタが装着されてインジェクションポートを構成している流路切替バルブを備えたオートサンプラ。
【請求項5】
前記流路切替バルブの各配管接続用ポートは同一平面内において円周方向に均一にかつ前記平面に対して一定角度傾斜して配置されており、前記インジェクションポートが鉛直向きに配置されるように前記流路切替バルブが傾斜して配置されている請求項4に記載のオートサンプラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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