説明

ネットワークを利用した通話録音装置及び音声集約装置

【課題】 小型かつ低コストで実現可能であり保守不要な通話録音装置を提供する。
【解決手段】 駆動機構を介することなく読み書き可能な内蔵不揮発メモリ(25)と、外部通話端末とローカル通話端末とを接続する音声ネットワークに分岐接続される回線分岐部(21)と、IPネットワークを介して音声集約装置に接続される通信インターフェース部(27)と、音声ネットワークから通話データを取得する通話データ取得部(22)と、呼情報を取得する呼情報取得部(23)と、通話データを内蔵不揮発メモリに蓄積すると共に、呼情報から終話を検出して音声集約装置に通知し、さらに音声集約装置から終話の通知とは非同期的に通話データの受信要求を受信した際に、内蔵不揮発メモリに蓄積された通話データを音声集約装置に送信すると共に、送信済みの通話データを内蔵不揮発メモリから削除する制御部(24)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを利用した通話録音装置及び音声集約装置に関する。より詳しくは、例えば顧客通話端末と事業者通話端末との間でなされた音声通話を事業者通話端末側でそれぞれ局所的に録音蓄積すると共に、中央の音声集約装置により録音蓄積された通話音声をアーカイブ及び検索再生させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客と事業者との間でなされた音声通話を事業者側において録音する各種技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、コールセンタにおけるオペレータの通話内容をデータ化して録音すると共に検索するための、中央集中型通話録音システムを開示する。
【0004】
一般に、事業者が運営するコールセンタ等の構内には、公衆電話交換回線網(Public Switched Telephone Network:PSTN)からの発信及び着信が集中する交換機(PBX)が設置され、この交換機により音声通話が構内の複数の固定電話に分配される。このため、この交換機から分岐する通話録音サーバを設ければ、通話を録音蓄積することができる。
【0005】
一方、特許文献2は、事業者から顧客へ発呼されるアウトバウンドコールを大量に行なうための分散型通話録音システムを開示する。
【特許文献1】特開2006−94260号公報
【特許文献2】特開2005−210227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、商取引に伴って顧客と音声通話を行なう事業者が、本社及び複数の支社等に限定されている場合には、各支社に本社と同種の従来の通話録音サーバを設置すればよい。しかしながら、従来の通話録音サーバは、大型かつ高価であるため、多数の小規模拠点(一例として、損害保険代理店等)に設置するには設置スペースの面からもコスト面からも適さない。また、仮に設置できたとしても、従来の通話録音サーバは、ハードディスクやファン等を駆動するための駆動機構を備え、これら駆動機構はハードウエア故障が頻発する箇所であるため、多数の小規模拠点で実施される保守のためのコストが高騰する。
【0007】
また、これら多数の小規模拠点において、顧客に対してオペレータが適切な対応を行なえたか否かの情報を、事業体が適時正確に把握でき、同時にオペレータ側で録音された通話データに無断でアクセスさせないことが、セキュリティ上からもコンプライアンス上からも要請される。特に、多数の小規模拠点におけるオペレータが社員でなく、アウトソース先の社外の契約者であった場合(例えば、代理店従業員やコールセンター・サポートセンターの外注オペレータ等)には、オペレータの電話応対をモニターすることの要請が一層高まることとなる。
【0008】
他方、中央の事業体が例えばインターネット等のオープンなネットワークを介して拠点で録音された通話データを収集しようとする場合には、拠点において録音された通話データが外部に漏洩されるリスクが不可避であり、さらに、拠点側から中央の事業体側への大容量の音声データの送信によって輻輳が発生した場合には、事業体が取得すべき通話音声が送信中に損失するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてされたものであり、その目的は、通話音声取得に特化した、小型かつ低コストで実現でき、保守不要な通話録音装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、全拠点の通話録音装置から録音された通話をネットワークの状況や中央サーバの負荷の状況に拘わりなく確実に収集することができる通話録音装置及び通話集約装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、拠点側で録音された音声通話に無断でアクセスされ得ず、またその滅失、故意による改竄、削除等が有効に防止される通話録音装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、インターネット等のオープンネットワークを介して録音された通話が通話集約装置に送信される際にも、録音された通話の秘匿性が保証される通話録音装置及び音声集約装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある特徴によれば、音声ネットワーク上の通話を録音する通話録音装置であって、ケーシングと、該ケーシング内に内蔵され、駆動機構を介することなく読み書き可能な内蔵不揮発メモリと、外部通話端末とローカル通話端末とを接続する音声ネットワークに分岐接続される回線分岐部と、IPネットワークを介して音声集約装置に接続される通信インターフェース部と、前記音声ネットワークから通話データを取得する通話データ取得部と、前記音声ネットワークから呼情報を取得する呼情報取得部と、取得された前記通話データを前記内蔵不揮発メモリに蓄積すると共に、取得された前記呼情報から終話を検出して前記音声集約装置に通知する制御部とを具備し、前記制御部は、前記音声集約装置から、前記終話の通知とは非同期的に前記通話データの受信要求を受信した際に、前記内蔵不揮発メモリに蓄積された前記通話データを前記音声集約装置に送信すると共に、送信済みの通話データを前記内蔵不揮発メモリから削除することを特徴とする通話録音装置が提供される。
【0014】
これにより、通話音声取得に特化した、小型かつ低コストで実現でき、保守不要な通話録音装置が実現される。通話録音装置内に蓄積された通話データは、音声集約装置に転送された後実質的に遅滞なく削除されるので、通話データ漏洩が防止される。また、音声集約装置側からは終話通知とは非同期的に通話データの受信要求が通知されるので、音声集約装置側で輻輳が発生することにより通話データの損失も防止される。
【0015】
前記制御部は、前記呼情報取得部により呼情報が取得される都度、取得された呼情報のそれぞれをリアルタイムで前記音声集約装置に送信してよい。
【0016】
これにより、受信された呼情報を、音声集約装置側において、例えばCTI(Computer Telephony Integration)プロトコルを実装したプログラムと連動することにより、リアルタイムムで出力することができる。
【0017】
上記通話録音装置はさらに、前記外部通話端末からの着信が検出されると、発信元通話端末に対して、通話録音の承諾を求める音声により自動応答し、通話録音の承諾を示す情報が前記外部通話端末から入力された場合にのみ、前記制御部に、前記外部通話端末から発話された通話データの前記内蔵不揮発メモリへの蓄積を指示する自動音声応答部を具備してよい。
【0018】
前記自動音声応答部は、通話録音の承諾を示す情報が前記外部通話端末から入力されなかった場合に、前記制御部に、前記ローカル通話端末から発話された通話データのみの前記内蔵不揮発メモリへの蓄積を指示してよい。
【0019】
これにより、外部からの発信者が承諾した場合にのみ通話を録音することが可能となるので、発信者のプライバシー保護に資する。
【0020】
上記通話録音装置はさらに、前記通話データ取得部により取得された通話データを、VPN(Virtual Private Network)又はhttpsプロトコルに基づき暗号化する暗号化部を具備してよい。
【0021】
これにより、通話録音装置と音声集約装置との間のIP網を介した通話データ転送の秘匿性が保証され、第三者への通話データ漏洩が防止される。
【0022】
上記通話録音装置は、前記通話データ取得部により取得された通話データを録音再生する機構を内蔵しないことが好適である。
【0023】
本発明の他の特徴によれば、複数の通話録音装置により録音された通話データを集約する音声集約装置であって、IPネットワークを介して前記通話録音装置に接続される通信インターフェース部と、前記通話録音装置から終話情報を受信し、受信された終話情報を受付キューに順次投入する受付キュー制御部と、前記受付キューから1つの終話情報を取り出し、該終話情報に対応する通話データを受信可能なタイミングを決定し、決定されたタイミングで、前記終話情報の受信とは非同期的に前期通話データの受信要求を前期通話録音装置に送信するスケジュール制御部と、前記通話データの受信要求に応答して前記通話録音装置が転送する前記通話データを受信する音声データ受信部と、受信された前記通話データを記憶装置に格納する音声データ格納部と、前記通話データの受信完了の際に、前記通話録音装置内に蓄積された転送済みの通話データの削除を指示する通信制御部とを具備することを特徴とする音声集約装置が提供される。
【0024】
これにより、通話音声取得に特化した、小型かつ低コストで実現でき、保守不要な通話録音装置が実現される。通話録音装置内に蓄積された通話データは、音声集約装置に転送された後実質的に遅滞なく削除されるので、通話データ漏洩が防止される。また、音声集約装置側からは終話通知とは非同期的に通話データの受信要求が通知されるので、音声集約装置側で輻輳が発生することにより通話データの損失も防止される。
【0025】
上記音声集約装置はさらに、前記通話録音装置から呼情報を受信し、受信された呼情報を、通話単位で1レコードエントリーを構成して呼情報テーブルに登録する呼情報制御部を具備してよい。
【0026】
これにより、受信された呼情報を、音声集約装置側において、例えばCTIプロトコルを実装したプログラムと連動することにより、リアルタイムムで出力することができる。
【0027】
本発明の他の特徴によれば、音声ネットワーク上の通話を通話録音装置により録音する通話録音方法であって、外部通話端末とローカル通話端末とを接続する音声ネットワークに分岐接続される回線分岐部から通話データを取得するステップと、前記回線分岐部から呼情報を取得するステップと、取得された前記通話データを、ケーシング内に内蔵され、駆動機構を介することなく読み書き可能な前記内蔵不揮発メモリに蓄積すると共に、取得された前記呼情報から終話を検出して、IPネットワークを介して接続される音声集約装置に通知するステップと、前記音声集約装置から、前記終話の通知とは非同期的に前記通話データの受信要求を受信した際に、前記内蔵不揮発メモリに蓄積された前記通話データを前記音声集約装置に送信すると共に、送信済みの通話データを前記内蔵不揮発メモリから削除するステップとを含むことを特徴とする通話録音方法が提供される。
【0028】
本発明の他の特徴によれば、複数の通話録音装置により録音された通話データを音声集約装置に集約する音声集約方法であって、IPネットワークを介して接続される前記通話録音装置から終話情報を受信し、受信された終話情報を受付キューに順次投入するステップと、前記受付キューから1つの終話情報を取り出し、該終話情報に対応する通話データを受信可能なタイミングを決定し、決定されたタイミングで、前記終話情報の受信とは非同期的に前期通話データの受信要求を前期通話録音装置に送信するステップと、前記通話データの受信要求に応答して前記通話録音装置が転送する前記通話データを受信するステップと、受信された前記通話データを記憶装置に格納するステップと、前記通話データの受信完了の際に、前記通話録音装置内に蓄積された転送済みの通話データの削除を指示するステップとを含むことを特徴とする音声集約方法が提供される。
【0029】
本発明の他の特徴によれば、通話録音装置への音声ネットワーク上の通話録音処理を、前記通話録音装置に内蔵されるコンピュータに実行させるための通話録音プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、外部通話端末とローカル通話端末とを接続する音声ネットワークに分岐接続される回線分岐部から通話データを取得する処理と、前記回線分岐部から呼情報を取得する処理と、取得された前記通話データを、ケーシング内に内蔵され、駆動機構を介することなく読み書き可能な内蔵不揮発メモリに蓄積すると共に、取得された前記呼情報から終話を検出して、IPネットワークを介して接続される音声集約装置に通知する処理と、前記音声集約装置から、前記終話の通知とは非同期的に前記通話データの受信要求を受信した際に、前記内蔵不揮発メモリに蓄積された前記通話データを前記音声集約装置に送信すると共に、送信済みの通話データを前記内蔵不揮発メモリから削除する処理とを含む処理をコンピュータに実行させるためのものであることを特徴とするプログラムが提供される。
【0030】
本発明の他の特徴によれば、複数の通話録音装置により録音された通話データを集約する音声集約処理を、コンピュータに実行させるための音声集約プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、IPネットワークを介して接続される前記通話録音装置から終話情報を受信し、受信された終話情報を受付キューに順次投入する処理と、前記受付キューから1つの終話情報を取り出し、該終話情報に対応する通話データを受信可能なタイミングを決定し、決定されたタイミングで、前記終話情報の受信とは非同期的に前期通話データの受信要求を前期通話録音装置に送信する処理と、前記通話データの受信要求に応答して前記通話録音装置が転送する前記通話データを受信する処理と、受信された前記通話データを記憶装置に格納する処理と、前記通話データの受信完了の際に、前記通話録音装置内に蓄積された転送済みの通話データの削除を指示する処理とを含む処理をコンピュータに実行させるためのものであることを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、通話音声取得に特化した小型化通話録音専用装置が提供される。本発明に係る通話録音装置は、低コストで実現できかつ保守不要であるため、多数の小規模拠点に設置するのに好適であり、例えば顧客と事業者間でなされた各種通話の各拠点での録音蓄積を確実にすることができる。
【0032】
また、本発明に係る通話録音装置は、外部から着脱不能な内蔵不揮発メモリに通話を蓄積すると共に、中央の音声集約装置においてスケジューリングされた音声集約装置起動の通話音声受信要求に応じて蓄積された通話データを音声集約装置に送信し、受信が確認された時点で送信された通話データを削除するので、音声集約装置は、全拠点の通話録音装置から録音された通話を確実に収集することができると共に、通話録音装置に録音蓄積された通話はローカルで許可なく再生され得ず、またその滅失、故意による改竄、削除等が、有効に防止される。
【0033】
さらに、本発明に係る通話録音装置側で録音される通話が暗号化されるので、インターネット等のIPネットワークを介して録音された通話が音声集約装置に送信される際にも、録音された通話の秘匿性が保証される。
【0034】
従って、本発明に係る通話録音装置及び音声集約装置からなる通話録音システムによれば、顧客及び事業者間の各種通話の録音及び適時の解析が容易に実現され、事業者のコンプライアンス向上に資する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0036】
本実施形態に係る通話録音装置の備える機能は音声通話取得に特化したものであり、好適には、録音された音声通話の検索再生機能は有しない。音声通話は、好適には、ケーシング内に内蔵され、外部からは着脱不能な不揮発性メモリのみに蓄積記録され、音声通話がサーバに転送された後遅滞なく削除されてよい。好適には、通話録音装置から転送される音声通話は、通話録音装置内で暗号化されてよい。
【0037】
一方、本実施形態に係る音声集約サーバは、多数の通話録音装置からの通話音声の受信を適切にスケジューリングし、音声集約サーバ側からの起動で非同期的に通話音声の受信要求を通話録音装置側に送信する。好適には、集約された通話音声は、音声集約サーバ側で、検索され再生され得る。
【0038】
<本実施形態の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る通話録音システムのネットワーク構成の一例を示す。通話録音システムは、PSTN(公衆電話網)1、通話録音装置2、拠点通話端末3、顧客通話端末4、音声集約サーバ5、IP網6、外部記憶装置7、PC8、LAN9を具備する。
【0039】
通話録音装置2は、録音されるべき顧客との音声通話を行なうオペレータが所在する多数の拠点等に設置され、PSTN1等の公衆電話交換回線網を介して顧客通話端末4に接続されると共に、例えばインターネットやLAN/WAN等のイントラネット等のIP(Internet Protocol)網を介して音声集約サーバ5に接続され、顧客通話端末4及び拠点通話端末3間の音声通話を録音する。代替的に、通話録音装置2は、交換機(PBX)3aを介して、固有の内線番号がそれぞれ付与された複数の拠点通話端末3bに接続されてよい。
【0040】
また、図1における通話録音装置2は、PSTN1等の公衆電話交換回線網を介して顧客通話端末4に接続されているが、これに替えて、或いはこれに加えて、VoIP(Voice Over Internet Protocol)ネットワーク等の音声パケット通信ネットワークを介して、IP電話機能を備える顧客IP通話端末に接続されてよく、この場合、通話録音装置2は、顧客IP通話端末及び拠点通話端末3間の音声通話を録音することができる。顧客通話端末4は、固定電話機或いは携帯電話機のいずれであってもよい。
【0041】
音声集約サーバ5は、中央集中型で、多数の通話録音装置2を管理する1つ又は複数の管理機構(例えば本社機構)に設置され、インターネットやLAN/WAN等のイントラネット等のIP網を介して通話録音装置2に接続されると共に、LANやイーサネット(登録商標)等のローカル配線を介して、例えばNAS(Network Appliance Storage)等の外部記憶装置7及びPC8に接続される。外部記憶装置7は、音声集約サーバ5に集約された通話音声データを蓄積保存する大容量記憶装置であり、PC8は、ブラウザ機能を有し、外部記憶装置7に集積された音声通話データを適宜検索及び表示する。代替的に、外部記憶装置7及びPC8は、音声集約サーバ5に直接接続されてもよい。
【0042】
図2は、本発明の実施形態に係る通話録音装置2の詳細構成の一例を示す。通話録音装置2は、回線分岐部21と、音声取得処理部22と、回線情報取得部23と、CPU部24と、内蔵記憶媒体25と、暗号化部26と、通信インターフェース部27とを具備する。
【0043】
回線分岐部21は、顧客通話端末4と拠点通話端末3とを接続するPSTN1に分岐接続される。回線分岐部21は、通話線28から分岐されることで、顧客通話端末4とローカルの拠点通話端末3との間の音声通話及び回線情報のすべてを取得可能であり、通話線28上に伝送される通話音声情報及び回線情報をそれぞれ、音声取得処理部22及び回線情報取得部23に供給する。回線分岐部21は、通話線28をハードウエア的にリレーする機構を備え、電源オフ時には通話線28上の通話音声や回線情報の伝送を拠点通話端末3にスルーし、電源オン時にのみこれらの通話音声や回線情報を通話録音装置2内にも分岐供給する。
【0044】
音声取得処理部22は、回線分岐部21から供給される音声通話を受信し、必要に応じて例えばMP3等の公知の音声圧縮技術を用いて圧縮する。
【0045】
回線情報取得部23は、回線分岐部21から供給される回線情報を受信する。
【0046】
この回線情報は、好適には、回線分岐部21から回線情報が供給される都度、CPU部24を介してそれぞれリアルタイムに音声集約サーバ5に送信されてもよく、代替的に、1つの通話単位にまとめて音声集約サーバ5に送信されてもよい。
【0047】
ここで、回線情報とは、少なくとも、呼情報を含み、この呼情報は、例えば、着信開始情報(着信開始タイムスタンプを含む)、発信開始情報(発信開始タイムスタンプを含む)、通話開始情報(通話開始タイムスタンプを含む)、通話終了情報(通話終了タイムスタンプを含む)等の呼制御情報と、発信元電話番号、発信先電話番号、発信元チャネル番号、発信者番号、着信チャネル番号、着信電話番号(着信先内線番号等)等の呼識別情報とを含み、好適には、CTI(Computer Telephony Integration)プロトコルを実装した音声集約サーバ5上ないしPC8上で稼動するCTIプログラムと連動して、表示装置上にこれらの呼情報をリアルタイムに表示してよい。
【0048】
CPU部24は、回線情報取得部23により取得された通話音声を、内蔵記憶媒体25に記憶蓄積すると共に、通話の終話を呼情報に基づき検出して、終話を音声集約サーバ5に通知する。
【0049】
CPU部24はまた、音声集約サーバ5から、終話の通知とは非同期的に通話音声の受信要求を受信した際に、内蔵記憶媒体25に蓄積記憶された通話音声を読み出して、通信インターフェース部27を介してIP網6上の音声集約サーバ5に、好適にはファイル転送プロトコルに従って送信する。一方、回線情報のパケットデータ量は通話音声データと比較して極小さく、受信の都度音声集約サーバ5に送出してもコンテンションを生じないため、CPU部24は、好適には、回線情報の受信の都度、回線情報を記憶媒体25に記憶蓄積することなく、リアルタイムでIP網6上の音声集約サーバ5に送出してよい。リアルタイムで回線情報を音声集約サーバ5に送信することにより、回線情報の受信を音声集約サーバ5を管理するPC8上のCTIプログラムと連動させ、電話網や通話の状況を、音声集約サーバ5側のPC8の表示装置上にリアルタイムで表示させることができる。
【0050】
代替的に、CPU部24は、通話音声と共に対応する回線情報を内蔵記憶媒体25に記憶蓄積し、通話音声と同時にIP網6上の音声集約サーバ5に送出してよい。
【0051】
CPU部24はさらに、蓄積記録された通話音声を内蔵記憶媒体25から削除(消去)する。この削除動作は、好適には、音声集約サーバ5からの通話音声の受信完了要求、すなわち内蔵記憶媒体25からの削除要求に従ってCPU部24が実行するが、代替的に、通話音声及び回線情報を音声集約サーバ5に送出し、音声集約サーバ5からのデータ受信に対するACKを受信した後、CPU部24が実行してもよい。
【0052】
内蔵記憶媒体25は、通話録音装置2のケーシング内に内蔵され、通話音声を記憶するための不揮発性メモリであり、例えばフラッシュメモリ、CF(Compact Flash)メモリ、DRAM、メモリスティック等であってよい。この不揮発性メモリに、例えばハードディスクドライブ等のデータ読み書きに駆動機構を要する記憶手段を用いた場合には、この駆動機構の故障により保守が必要となってしまうため、本実施形態に係る不揮発性メモリは、駆動機構を介することなく記憶されたデータの読み書きが可能であり、また、例えばUSBポートを介してローカルに読み出すことができないよう構成することが好適である。
【0053】
暗号化部26は、CPU部24に制御され、内蔵記憶媒体25に記憶された通話音声を読み出し、音声集約サーバ5に送出する前に、音声パケット化された通話音声を暗号化する。代替的に、通話音声が内蔵記憶媒体25に記憶される前に暗号化して、暗号化された通話音声を内蔵記憶媒体25に格納してもよい。
【0054】
好適には、暗号化部26は、内蔵ソフトウエアに実装されてよく、これにより、通話録音装置2のハード部品点数を削減すると共に、外付け装置により暗号化する場合と異なり、作為的な暗号解読を防止することができる。
【0055】
好適には、音声パケット化されIP網に送出される通話音声の暗号化手法として、例えばIPSecプロトコルを用いて可能とするVPN(Virtual Private Network)機能を使用してよく、代替的に、HTTPプロトコルにSSLによる暗号化を付加したhttps(Hyper Transfer Protocol Security)等の暗号化機能を使用してもよい。
【0056】
通信インターフェース部27は、IP網6への通信インターフェースを提供し、IP網6を介してCPU部24と音声集積サーバ5との間のデータ通信を可能とする。
【0057】
変形例として、通話録音装置2は、さらに、例えば公知のIVR(Interactive Voice Response)機能を利用して、顧客通話端末4からの着信の検出により、発信元である顧客通話端末4に対して、例えば「この通話は録音されます。承諾される方はプッシュボタンの1を押して下さい。」等の通話録音の承諾を求める音声により自動応答する自動音声応答部(図示されない)を具備し、この自動音声王頭部は、通話録音の承諾を示す信号(例えば、プッシュボタンの1)が入力された場合にのみ、CPU部24に、顧客通話端末4から発話された通話データの内蔵記憶媒体25への蓄積を指示してよい。
【0058】
この自動音声応答機能により、顧客が承諾した場合にのみ通話を録音することが可能となり、発信者のプライバシー保護が向上する。
【0059】
さらに、好適には、自動音声応答部は、通話録音が承諾されなかった場合にも、拠点通話端末3から発話される通話データは一律に内蔵記憶媒体25に蓄積記憶してよく、これにより、通話録音が承諾されなかった場合にも、顧客とオペレータとの通話の概略を把握することができる。
【0060】
図3、図4、及び図5は、本実施形態に係る通話録音装置2の実装の一例を示す。図3ないし図5に示される構成は、すべて例示であって、本実施形態に係る通話録音装置2は他のあらゆる実装形態を採用し得ることは当然に理解される。図3に示されるハードウエア及びソフトウエア構成例において、通話録音装置2は、その外装がケーシングで囲繞され、このケーシングは、4回線分を収容可能な4つの回線ポート21と、LAN/WAN接続用のポート235と、ポートの使用状況を表示する表示部211と、非常時に通話録音装置2をリセットするためのリセットスイッチ213と、例えばAC100Vに接続される電源部215と、非常時のメンテナンス用のシリアルポート233とを含む。ハードウエアに実装される機構として、CPU217と、メモリ25と、装置の正常稼動を監視するタイマであるWDT(Watch Dog Timer)219と、計時専用チップであるRTC(Real Time Clock)221とを備え、ソフトウエアに実装される機能として、通話音声のファイル転送を行なうFTP(File Transfer Protocol)サーバ/クライアント223、サーバとクライアントとの間で時刻同期を行なうNTP(Network Time Protocol)クライアント225、クライアント遠隔制御に係るTelnet227、IPアドレスの動的割り当てに係るDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)クライアント229、音声圧縮機能231、暗号化機能26とを備えてよい。RTC221は、バックアップ用の内蔵コンデンサないし電池を利用して、通話録音装置の非通電時にも時刻を連続的に管理する。
【0061】
図4は、通話録音装置2の実装の一例の正面斜視図を示す。通電時に点灯するLED211aと、各回線ポートの使用時にそれぞれ点灯するLED211b、211c、211d、211eと、通信インターフェース部27用のポートの使用時に点灯するLED221fが装置正面に設けられている。
【0062】
図5は、通話録音装置2の実装の一例の背面斜視図を示す。電源に接続される電源部用コネクタ215と、LAN/WAN接続用のポート235と、4回線分を収容可能な4つの回線ポート21a、21b、21c、21dが装置背面に設けられている。LAN/WAN接続用のポート235は、通話録音装置2と通話集約装置5とのIP網を介したデータ通信に使用される。
【0063】
図4及び図5から理解されるように、通話録音装置2は、例えばUSBポート等の端子を備えないので、内蔵記憶媒体25に記録蓄積された通話音声を、オペレータ等が無断で読み出したり、更新したりすることができない。また、その他余分な端子を備えないので、外部からの無断アクセスが最小化される。
【0064】
本実施形態に係る通話録音装置2は、横置き及び縦置きのいずれも可能な構造であるため、設置及びメンテナンスが容易となる。一例として、寸法は、幅320mm、奥行き225mm、高さ43mmであってよい。図4、図5の例では、4回線分を収容する装置を示したが、回線が5回線以上に増設された場合にも、装置2を複数積み上げて設置することができるので、ほとんど設置面積が増えることはない。
【0065】
通話録音装置2内には、ハードディスクドライブやファンが搭載されていないので、これらを駆動するための駆動機構を必要とせず、従って、駆動機構の故障に起因する通話録音装置2の保守が不要となる。また、万一装置が故障しても拠点のオペレータ等が通話録音装置2内部に触ることができず、また、内蔵された不揮発メモリのみに通話音声が録音されるので、拠点のオペレータ等が録音された通話音声にアクセスしてこれらを再生したり、改竄削除等することができない。好適には、通話録音装置2のケーシングは、例えばセキュリティネジ等の特殊ネジによる螺合により組み立てられてよく、これにより、オペレータ等が無断でケーシングを分解して装置内部に触れることが防止される。
【0066】
不揮発メモリに蓄積記憶される通話音声は、音声集約サーバ5に送信された後は不揮発メモリから削除されるので、不揮発メモリの容量は、例えば2〜10日分、より好適には4〜7日分の通話音声を蓄積可能な容量、通話音声圧縮手法や通話頻度に依存するが一例として1GB〜2GB程度の容量で足りる。
【0067】
図6は、本発明の実施形態に係る音声集約サーバ5の機能構成の一例を示す。
【0068】
音声集約サーバ5は、受付キュー制御部51と、スケジュール制御部52と、音声受信部53と、音声格納処理部54と、CPU部55と、暗号化制御部56と、通信制御部57とを具備する。
【0069】
受付キュー制御部51は、通話録音装置2から送信される終話を示す終話情報を受信し、受付キュー(待ち行列)に順次投入する。2つの音声集約サーバ5は、多数の通話録音装置2を管理するため、この待ち行列には、非同期的に、多数の通話録音装置2からの終話情報が入力される。
【0070】
スケジュール制御部52は、この受付キューから、1つの終話情報を取り出し、例えば音声集約サーバ5内の負荷やネットワーク上のトラフィックや障害等を考慮して、この取り出された終話情報に対応する通話音声を受信することが可能なタイミングを決定し、この決定されたタイミングで、すなわち、終話情報の受信とは非同期的に、通話音声の送信を要求する受信要求を、通話録音装置2に送信する。多数の通話録音装置2からデータ容量の大きい通話音声がランダムに音声集約サーバ5に送信されると、音声集約サーバ5側で輻輳が発生してしまう。これに対し、音声集約サーバ5からの起動により、通話音声の受信要求を通話録音装置2に送信することでこの輻輳発生を防止することができる。
【0071】
この通話音声の受信要求は、複数の通話録音装置2に対して逐一巡回して送信すべき通話音声の有無を問い合わせるポーリング方式であってよい。また、スケジュール制御部52の行なう受信要求の送信は、任意のスケジューリング手法に基づいてよい。例えば、FIFO(First In First Out)で受付キューから取り出した順にポーリング要求をスケジューリングしてもよいし、代替的に、特定の識別子(通話録音装置2、発信元電話番号、通話開始時間帯等)に基づいて優先順位付けしてスケジューリングしてもよい。
【0072】
音声受信部53は、送出された通話音声の受信要求に応答して通話録音装置2が送信する通話音声データ(ファイル転送の場合には通話音声ファイル)を受信し、暗号化制御部56に指示して受信された音声通話データを復号化し、復号化された通話音声データを音声格納処理部54に受け渡す。
【0073】
音声格納処理部54は、外部記憶装置7に、復号化された通話音声データを蓄積記憶する。
【0074】
通信制御部57は、各部から通話録音装置2や外部記憶装置7等に対するIP網を介したデータ送受信を媒介する。
【0075】
CPU部55は、音声受信部53により通話音声データの受信が完了した際に、受信完了を示すコマンドであって、通話録音装置2に内蔵記憶媒体25からの送信済み通話音声の削除を要求する制御データを、通話録音装置2に送信する。代替的に、CPU部55は、通話音声データの受信完了時にACK信号のみを通話録音装置2に送信してもよい。さらに、CPU部55は、受付キュー制御部51、スケジュール制御部52、音声受信部53、音声格納処理部54、暗号化制御部56、通信制御部57の各部の制御を行なうと共に、音声集約サーバ5の負荷を監視する。
【0076】
<本実施形態に係る通話録音システムの制御フロー及び処理手順>
図7は、通話録音装置2と音声集約サーバ5との間の通話音声の転送に係る制御フローを模式的に説明する。
【0077】
通話録音装置2において発話が検出されると(S71)、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の内蔵記憶媒体25への録音が開始され(S72)、終話が検出されると(S73)、この終話が音声集約サーバ5に通知される。
【0078】
音声集約サーバ5において、終話の通知により受付処理が起動され(S74)、終話の通知すなわち通話音声データの転送準備完了を示す情報が受付キューに投入され、スケジューリングされる(S75)。音声集約サーバ5は、この終話情報を受付キューから取り出し、例えば自装置内やネットワークの負荷や、通話開始から終了までのタイムスタンプにより把握され得る通話音声のデータ量等に基づいて、通話音声データの受信要求を通話録音装置2に対していつ送出するかを決定する。このスケジューリングに基づき通話音声データの受信要求が通話録音装置2に送信される(S76)。
【0079】
通話音声データの受信要求が受信されると通話録音装置2内で受付処理が起動され(S77)、内蔵記憶媒体25から要求された通話音声データが読み出されて、音声集約サーバ5に転送され(S78)、音声集約サーバ5側で受信され、外部記憶装置7に格納される(S79)。この外部記憶装置7への格納が完了すると、音声集約サーバ5は、通話音声データの受信が完了したことを示す情報を通話録音装置2に通知し(S80)、この通話音声データの受信完了の通知により、通話録音装置2は、内蔵記憶媒体25から受信完了が通知された通話音声データを削除する。
【0080】
図8及び図9は、顧客通話端末4と拠点通話端末3との間での音声通話と対応する呼情報送信のシーケンスの一例を示す。
【0081】
図8は、顧客通話端末4から拠点通話端末3に着信した場合を示す。図8において、顧客通話端末4から拠点通話端末3宛て着信(81,82)されると、通話録音装置2は、この呼情報を解析して着信を検出する(ステップS81)。着信が検出されると、通話録音装置2は、入力された呼情報から、着信開始情報83、発信者番号84、着信チャネル番号85、着信電話番号86を生成し、自装置の識別子をそれぞれ付加して非同期的に音声集約サーバ5に送出する(以下の各呼情報に関しても同様に自装置の識別子が付加される)。
【0082】
拠点通話端末3がオフフック等により応答すると(87)、通話開始情報88を音声集約サーバ5に送出すると共に、CPU部24の制御により内蔵記憶媒体25内への通話音声の録音が開始される(ステップS82)。顧客通話端末4或いは拠点通話端末3がオンフック等により終話(89)すると、通話終了情報90を音声集約サーバ5に送出すると共に、呼情報を解析して終話を検出し、CPU部24の制御により内蔵記憶媒体25内への通話音声の録音が終了される(ステップS83)。
【0083】
図9は、拠点通話端末3から顧客通話端末4宛て発信した場合を示す。図9において、拠点通話端末3から顧客通話端末4宛て発信(91)されると、通話録音装置2は、この呼情報を解析して着信を検出する(ステップS91)。発信が検出されると、通話録音装置2は、入力された呼情報から、発信開始情報92、発信元チャネル番号93、発信元電話番号94、発信先電話番号95を生成し、自装置の識別子をそれぞれ付加して非同期的に音声集約サーバ5に送出する。
【0084】
顧客通話端末4がオフフック等により応答すると(96)、通話開始情報97を音声集約サーバ5に送出すると共に、CPU部24の制御により内蔵記憶媒体25内への通話音声の録音が開始される(ステップS92)。顧客通話端末4或いは拠点通話端末3がオンフック等により終話(98)すると、通話終了情報99を音声集約サーバ5に送出すると共に、呼情報を解析して終話を検出し、CPU部24の制御により内蔵記憶媒体25内への通話音声の録音が終了される(ステップS93)。
【0085】
音声集約サーバ5により受信された各種呼情報、すなわち着信開始情報83、発信者番号84、着信チャネル番号85、着信電話番号86、通話開始情報88、通話終了情報(終話情報)90、発信開始情報92、発信元チャネル番号93、発信元電話番号94、発信先電話番号95、通話開始情報97、通話終了情報99は、CPU部55により呼情報テーブルに登録されて管理される。この呼情報テーブルは、音声集約サーバ5の一時的内部記憶、例えばRAMやキャッシュメモリ上に構成され、必要に応じて外部記憶装置にバックアップデータとして書き出されてよい。さらに、呼情報テーブルは、外部記憶装置7に履歴としてログされてもよい。
【0086】
拠点通話端末3に着信した場合の1回分の通話単位に対応する着信開始情報83、発信者番号84、着信チャネル番号85、着信電話番号86、通話開始情報88、通話終了情報(終話情報)90が呼情報テーブル上の1つのレコードエントリーを構成し、各レコードエントリーは少なくとも通話録音装置2の識別子を有する。通話開始情報88及び通話終了情報90は少なくともそれぞれの事象のタイムスタンプを含む。同様に、拠点通話端末3から発信した場合の1回分の通話に対応する発信開始情報92、発信元チャネル番号93、発信元電話番号94、発信先電話番号95、通話開始情報97、通話終了情報(終話情報)99がテーブル上の1つのレコードエントリーを構成し、各レコードエントリーは少なくとも通話録音装置2の識別子を有数R。通話開始情報97及び通話終了情報99は少なくともそれぞれの事象のタイムスタンプを含む。CPU部55は、この呼情報テーブルのレコードエントリー中、通話終了情報90、99が付加されていないレコードエントリーを、通話中の状態として管理し、通話終了情報90,99が付加されたレコードエントリーを、スケジュール制御部52により通話音声データ受信要求送出のスケジューリングの対象として管理する。
【0087】
図10及び図11は、通話録音装置2及び音声集約サーバ5での処理シーケンスと、両者の間での呼情報の伝送のタイムシーケンスの一例を示す。
【0088】
図10は、顧客通話端末4から拠点通話端末3に着信した場合を示す。図10において、通話録音装置2での処理開始後(ステップS101)、顧客通話端末4から拠点通話端末3に着信すると、通話録音装置2において、受話が検出されるとともに(ステップS102)、着信時間を含む着信開始情報83が音声集約サーバ5に通知され、音声集約サーバ5での処理開始後(ステップS105)、通知された着信開始情報83が、呼情報テーブルに格納される(ステップS106)。
【0089】
オペレータが拠点通話端末3からオフフック等により応答すると、通話録音が開始されると共に(ステップS103)、応答時間(通話開始時間)を含む通話開始情報88が音声集約サーバ5に通知され、音声集約サーバ5において通知された通話開始情報88が、呼情報テーブルに格納される(ステップS107)。
【0090】
顧客通話端末4又は拠点通話端末3のいずれかから終話すると、この終話が検出され、録音が終了すると共に(ステップS104)、通話終了情報90が音声集約サーバ5に通知され、音声集約サーバ5において通知された通話終了情報90が受信され、呼情報テーブルに格納されると共に受付キューに投入される(ステップS108、S109)。
【0091】
次に、音声集約サーバ5において、受付キュー(待ち行列)から1つの通話終了情報が取り出され(ステップS111)、スケジューリング後、通話音声受信要求101が通話録音装置2に通知され(ステップS112)、通話録音装置2において通話音声受信要求が受信される(ステップS115)。通話録音装置2のCPU部24は、内蔵記憶媒体25に格納された通話音声データを読み出して、音声ファイル102として音声集約サーバ5に転送し(ステップS116)、音声集約サーバ5側において通話音声ファイルの受信が開始される(ステップS113)。通話音声ファイルの受信が終了すると、通話音声ファイルの受信完了103が通話録音装置2に通知され(ステップS114)、通話録音装置2側において、内蔵記憶媒体25に蓄積された送信済みの通話音声データが削除される(ステップS117)。
【0092】
図11は、拠点通話端末3から顧客通話端末4に発信した場合を示す。図11において、通話録音装置2での処理開始後(ステップS121)、拠点通話端末3から顧客通話端末4に発信すると、通話録音装置2において、発信が検出されるとともに(ステップS122)、発信時間を含む発信開始情報92が音声集約サーバ5に通知され、音声集約サーバ5での処理開始後(ステップS125)、通知された発信開始情報92が、呼情報テーブルに格納される(ステップS126)。
【0093】
顧客が顧客通話端末4からオフフック等により応答すると、通話録音が開始されると共に(ステップS123)、応答時間(通話開始時間)を含む通話開始情報97が音声集約サーバ5に通知され、音声集約サーバ5において通知された通話開始情報97が、呼情報テーブルに格納される(ステップS127)。
【0094】
顧客通話端末4又は拠点通話端末3のいずれかから終話すると、この終話が検出され、録音が終了すると共に(ステップS124)、通話終了情報99が音声集約サーバ5に通知され、音声集約サーバ5において通知された通話終了情報99が受信され、呼情報テーブルに格納されると共に受付キューに投入される(ステップS128、S129)。
【0095】
次に、音声集約サーバ5において、受付キュー(待ち行列)から1つの通話終了情報が取り出され(ステップS131)、スケジューリング後、通話音声受信要求101が通話録音装置2に通知され(ステップS132)、通話録音装置2において通話音声受信要求が受信される(ステップS135)。通話録音装置2のCPU部24は、内蔵記憶媒体25に格納された通話音声データを読み出して、音声ファイル102として音声集約サーバ5に転送し(ステップS136)、音声集約サーバ5側において通話音声ファイルの受信が開始される(ステップS133)。通話音声ファイルの受信が終了すると、通話音声ファイルの受信完了103が通話録音装置2に通知され(ステップS134)、通話録音装置2側において、内蔵記憶媒体25に蓄積された送信済みの通話音声データが削除される(ステップS137)。
【0096】
なお、本実施形態は、利用者が拠点通話端末3及び顧客通話端末4を介して行なう入力方式及び手段を特に限定するものではない。これら入力手段は、利用者からの直接入力を受け付けてもよく、あるいは例えばUSBメモリやICカードなどに例示される外部記録媒体に記憶されたシーケンスを入力として受け付けてもよく、また任意のファイルとして予め格納されたデータを入力として受け付けてもよい。
【0097】
変形例として、音声集約サーバ5側から、VPNを利用して、通話録音装置2に定期的にアクセスし、通話録音装置2のヘルスチェック(正常稼動チェック)を行なってもよい。VPNを利用して音声集約サーバ5のIPアドレス及びパスワード等をチェックすることで、真正な音声集約サーバ5からのIP網を介した通話録音装置2へのアクセスを許容し、他方不正なエンティティからのアクセスを拒絶することができる。また、音声集約サーバ5から通信インターフェース部27経由で内蔵記憶媒体25にアクセスし、通話音声をリアルタイムにモニターしてもよい。
【0098】
他の変形例として、拠点通話端末3やPBXがオペレータの不在時に電話を転送する機能を備える場合に、転送前に拠点通話端末3に入力された顧客通話端末4からの通話音声を内蔵記憶媒体25に蓄積記憶するよう構成してもよく、これにより、例えば営業時間外のコールセンター等での状況も把握することが可能となる。
【0099】
<本実施形態に係る通話録音システムのハードウエア構成>
図12は、本実施形態に係る音声集約サーバ5のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図12に示されるコンピュータ装置110である音声集約サーバ5において、CPU111は、ROM114および/またはハードディスクドライブ116に格納されたプログラムに従い、RAM115を一次記憶用ワークメモリとして利用して、システム全体を制御する。さらに、CPU111は、マウス112aまたはキーボード112を介して入力される利用者の指示に従い、ハードディスクドライブ116に格納されたプログラムに基づき、本実施形態に係る通話録音処理を実行する。ディスプレイインタフェイス113には、CRTやLCDなどのディスプレイが接続され、CPU111が実行する通話録音処理のための入力待ち受け画面、処理経過や処理結果、検索結果などが表示される。リムーバブルメディアドライブ117は、主に、リムーバブルメディアからハードディスクドライブ116へファイルを書き込んだり、ハードディスクドライブ116から読み出したファイルをリムーバブルメディアへ書き込む場合に利用される。リムーバブルメディアとしては、フロッピディスク(FD)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、DVD−ROM、DVD−R、DVD−R/W、DVD−RAMやMO、あるいはメモリカード、CFカード、スマートメディア、SDカード、メモリスティックなどが利用可能である。
【0100】
プリンタインタフェイス118には、レーザビームプリンタやインクジェットプリンタなどのプリンタが接続される。ネットワークインタフェイス119は、コンピュータ装置をネットワークへ接続するためのインターフェースである。
【0101】
なお、本実施形態に係る音声集約サーバ5に対する入力手段は、マウス112aあるいはキーボード112に限定されることなく、任意のポインティングデバイス、例えばトラックボール、トラックパッド、タブレットなどを適宜用いることができる。携帯情報端末を本実施形態に係るサーバ装置に接続される端末装置として用いる場合には、入力部をボタンやモードダイヤル等で構成してもよい。
【0102】
また、図12に示した本実施形態に係る音声集約サーバ5のハードウエア構成は一例に過ぎず、その他の任意のハードウエア構成を用いることができることはいうまでもない。
【0103】
殊に、本実施形態に係る通話録音処理の全部又は一部は、上記コンピュータ端末装置110あるいはPDA等の携帯情報端末装置等によって実現されてもよく、コンピュータ端末装置等とサーバー装置とをBluetooth(登録商標)等の無線、あるいはインターネット(TCP/IP)、公共電話網(PSTN)、統合サービス・ディジタル網(ISDN)等の有線通信回線で相互接続した、インターネットあるいは任意の周知のローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)からなるネットワークシステムによって通話録音処理の一部又は全部が実現されてもよい。
【0104】
以上のとおり、本実施形態によれば、通話音声取得に特化した小型化通話録音専用装置が提供される。この通話録音装置は、低コストで実現できかつ保守不要であるため、多数の小規模拠点に設置するのに好適であり、例えば顧客と事業者間でなされた各種通話の各拠点での録音蓄積を確実にすることができる。
【0105】
また、本実施形態に係る通話録音装置は、外部から着脱不能な内蔵不揮発メモリに通話を蓄積すると共に、中央の音声集約装置においてスケジューリングされた音声集約装置起動の通話音声受信要求に応じて蓄積された通話データを音声集約装置に送信し、受信が確認された時点で送信された通話データを削除するので、音声集約装置は、全拠点の通話録音装置から録音された通話を確実に収集することができると共に、通話録音装置に録音蓄積された通話はローカルで許可なく再生され得ず、またその滅失、故意による改竄、削除等が、有効に防止される。
【0106】
さらに、本実施形態に係る通話録音装置側で録音される通話が暗号化されるので、インターネット等のIPネットワークを介して録音された通話が音声集約装置に送信される際にも、録音された通話の秘匿性が保証される。
【0107】
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含み、その要旨を逸脱しない範囲で多様な改良ないし変更が可能である。例えば、担当者携帯電話は、証券、銀行、保険等の営業担当者や、その他不動産、旅行等の他の業種の担当者によって使用されてよく、あらゆるタイプの商取引、さらには通常の商取引以外の通話にも適用され得る。さらに、本発明の範囲は、請求項1により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の一実施形態に係る通話録音システムのネットワーク構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1における通話録音装置2の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1における通話録音装置2のハードウエア及びソフトウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図1における通話録音装置2の一例を示す正面斜視図である。
【図5】図4の通話録音装置2の一例を示す背面斜視図である。
【図6】図1における音声集約サーバ5の機能構成を示すブロック図である。
【図7】通話録音装置2と音声集約サーバ5間の制御及びデータフローの一例を示す概略図である。
【図8】顧客通話端末4から拠点通話端末3に着信した場合の通話録音終了までの処理及びタイムシーケンスを示す図である。
【図9】拠点通話端末3から顧客通話端末4宛てに発信した場合の通話録音終了までの処理及びタイムシーケンスを示す図である。
【図10】顧客通話端末4から拠点通話端末3に着信した場合の通話音声削除までの処理及びタイムシーケンスを示す図である。
【図11】拠点通話端末3から顧客通話端末4宛てに発信した場合の通話音声削除までの処理及びタイムシーケンスを示す図である。
【図12】本発明の各実施形態に係る通話録音システムにおける音声集約サーバ5のハードウエア構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
PSTN 1
通話録音装置 2
拠点通話端末 3
顧客通話端末 4
音声集約サーバ 5
IP網 6
外部記憶装置 7
PC 8
回線分岐部 21
音声取得処理部 22
回線情報取得部 23
CPU部 24、55
内蔵記憶媒体 25
暗号化部 26
通信インターフェース部 27
通話線 28
受付キュー制御部 51
スケジュール制御部 52
音声受信部 53
音声格納処理部 54
暗号化制御部 56
通信制御部 57

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声ネットワーク上の通話を録音する通話録音装置であって、
ケーシングと、
該ケーシング内に内蔵され、駆動機構を介することなく読み書き可能な内蔵不揮発メモリと、
外部通話端末とローカル通話端末とを接続する音声ネットワークに分岐接続される回線分岐部と、
IPネットワークを介して音声集約装置に接続される通信インターフェース部と、
前記音声ネットワークから通話データを取得する通話データ取得部と、
前記音声ネットワークから呼情報を取得する呼情報取得部と、
取得された前記通話データを前記内蔵不揮発メモリに蓄積すると共に、取得された前記呼情報から終話を検出して前記音声集約装置に通知する制御部とを具備し、
前記制御部は、前記音声集約装置から、前記終話の通知とは非同期的に前記通話データの受信要求を受信した際に、前記内蔵不揮発メモリに蓄積された前記通話データを前記音声集約装置に送信すると共に、送信済みの通話データを前記内蔵不揮発メモリから削除する
ことを特徴とする通話録音装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記呼情報取得部により呼情報が取得される都度、取得された呼情報のそれぞれをリアルタイムで前記音声集約装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の通話録音装置。
【請求項3】
上記通話録音装置はさらに、
前記外部通話端末からの着信が検出されると、発信元通話端末に対して、通話録音の承諾を求める音声により自動応答し、通話録音の承諾を示す情報が前記外部通話端末から入力された場合にのみ、前記制御部に、前記外部通話端末から発話された通話データの前記内蔵不揮発メモリへの蓄積を指示する自動音声応答部を具備する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通話録音装置。
【請求項4】
前記自動音声応答部は、通話録音の承諾を示す情報が前記外部通話端末から入力されなかった場合に、前記制御部に、前記ローカル通話端末から発話された通話データのみの前記内蔵不揮発メモリへの蓄積を指示する
ことを特徴とする請求項3に記載の通話録音装置。
【請求項5】
上記通話録音装置はさらに、前記通話データ取得部により取得された通話データを、VPN(Virtual Private Network)又はhttpsプロトコルに基づき暗号化する暗号化部を具備する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の通話録音装置。
【請求項6】
上記通話録音装置は、前記通話データ取得部により取得された通話データを録音再生する機構を内蔵しない
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の通話録音装置。
【請求項7】
複数の通話録音装置により録音された通話データを集約する音声集約装置であって、
IPネットワークを介して前記通話録音装置に接続される通信インターフェース部と、
前記通話録音装置から終話情報を受信し、受信された終話情報を受付キューに順次投入する受付キュー制御部と、
前記受付キューから1つの終話情報を取り出し、該終話情報に対応する通話データを受信可能なタイミングを決定し、決定されたタイミングで、前記終話情報の受信とは非同期的に前期通話データの受信要求を前期通話録音装置に送信するスケジュール制御部と、
前記通話データの受信要求に応答して前記通話録音装置が転送する前記通話データを受信する音声データ受信部と、
受信された前記通話データを記憶装置に格納する音声データ格納部と、
前記通話データの受信完了の際に、前記通話録音装置内に蓄積された転送済みの通話データの削除を指示する通信制御部とを具備する
ことを特徴とする音声集約装置。
【請求項8】
上記音声集約装置はさらに、
前記通話録音装置から呼情報を受信し、受信された呼情報を、通話単位で1レコードエントリーを構成して呼情報テーブルに登録する呼情報制御部を具備する
ことを特徴とする請求項7に記載の音声集約装置。
【請求項9】
音声ネットワーク上の通話を通話録音装置により録音する通話録音方法であって、
外部通話端末とローカル通話端末とを接続する音声ネットワークに分岐接続される回線分岐部から通話データを取得するステップと、
前記回線分岐部から呼情報を取得するステップと、
取得された前記通話データを、ケーシング内に内蔵され、駆動機構を介することなく読み書き可能な内蔵不揮発メモリに蓄積すると共に、取得された前記呼情報から終話を検出して、IPネットワークを介して接続される音声集約装置に通知するステップと、
前記音声集約装置から、前記終話の通知とは非同期的に前記通話データの受信要求を受信した際に、前記内蔵不揮発メモリに蓄積された前記通話データを前記音声集約装置に送信すると共に、送信済みの通話データを前記内蔵不揮発メモリから削除するステップとを含む
ことを特徴とする通話録音方法。
【請求項10】
上記通話録音方法はさらに、
前記呼情報を、該呼情報が取得される都度、取得された呼情報のそれぞれをリアルタイムで前記音声集約装置に送信するステップを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の通話録音方法。
【請求項11】
上記通話録音方法はさらに、
前記外部通話端末からの着信が検出されると、発信元通話端末に対して、通話録音の承諾を求める音声により自動応答し、通話録音の承諾を示す情報が前記外部通話端末から入力された場合にのみ、前記外部通話端末から発話された通話データを前記内蔵不揮発メモリへ蓄積するステップを含む
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の通話録音方法。
【請求項12】
前記自動音声応答を行なうステップにおいて、通話録音の承諾を示す情報が前記外部通話端末から入力されなかった場合に、前記ローカル通話端末から発話された通話データのみが前記内蔵不揮発メモリへ蓄積される
ことを特徴とする請求項11に記載の通話録音方法。
【請求項13】
上記通話録音方法はさらに、取得された通話データを、VPN(Virtual Private Network)又はhttpsプロトコルに基づき暗号化するステップを含む
ことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか記載の通話録音方法。
【請求項14】
上記通話録音方法は、取得された通話データを録音再生する機構を内蔵しない
ことを特徴とする請求項9ないし13のいずれか記載の通話録音方法。
【請求項15】
複数の通話録音装置により録音された通話データを音声集約装置に集約する音声集約方法であって、
IPネットワークを介して接続される前記通話録音装置から終話情報を受信し、受信された終話情報を受付キューに順次投入するステップと、
前記受付キューから1つの終話情報を取り出し、該終話情報に対応する通話データを受信可能なタイミングを決定し、決定されたタイミングで、前記終話情報の受信とは非同期的に前期通話データの受信要求を前期通話録音装置に送信するステップと、
前記通話データの受信要求に応答して前記通話録音装置が転送する前記通話データを受信するステップと、
受信された前記通話データを記憶装置に格納するステップと、
前記通話データの受信完了の際に、前記通話録音装置内に蓄積された転送済みの通話データの削除を指示するステップとを含む
ことを特徴とする音声集約方法。
【請求項16】
上記音声集約方法はさらに、
前記通話録音装置から呼情報を受信し、受信された呼情報を、通話単位で1レコードエントリーを構成して呼情報テーブルに登録するステップを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の音声集約方法。
【請求項17】
通話録音装置への音声ネットワーク上の通話録音処理を、前記通話録音装置に内蔵されるコンピュータに実行させるための通話録音プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、
外部通話端末とローカル通話端末とを接続する音声ネットワークに分岐接続される回線分岐部から通話データを取得する処理と、
前記回線分岐部から呼情報を取得する処理と、
取得された前記通話データを、ケーシング内に内蔵され、駆動機構を介することなく読み書き可能な内蔵不揮発メモリに蓄積すると共に、取得された前記呼情報から終話を検出して、IPネットワークを介して接続される音声集約装置に通知する処理と、
前記音声集約装置から、前記終話の通知とは非同期的に前記通話データの受信要求を受信した際に、前記内蔵不揮発メモリに蓄積された前記通話データを前記音声集約装置に送信すると共に、送信済みの通話データを前記内蔵不揮発メモリから削除する処理とを含む処理をコンピュータに実行させるためのものである
ことを特徴とするプログラム。
【請求項18】
複数の通話録音装置により録音された通話データを集約する音声集約処理を、コンピュータに実行させるための音声集約プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、
IPネットワークを介して接続される前記通話録音装置から終話情報を受信し、受信された終話情報を受付キューに順次投入する処理と、
前記受付キューから1つの終話情報を取り出し、該終話情報に対応する通話データを受信可能なタイミングを決定し、決定されたタイミングで、前記終話情報の受信とは非同期的に前期通話データの受信要求を前期通話録音装置に送信する処理と、
前記通話データの受信要求に応答して前記通話録音装置が転送する前記通話データを受信する処理と、
受信された前記通話データを記憶装置に格納する処理と、
前記通話データの受信完了の際に、前記通話録音装置内に蓄積された転送済みの通話データの削除を指示する処理とを含む処理をコンピュータに実行させるためのものである
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−283233(P2008−283233A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123004(P2007−123004)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【特許番号】特許第4099515号(P4099515)
【特許公報発行日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(593222595)デジタルテクノロジー株式会社 (18)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】