ネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法
【課題】電文の処理に関するログ情報をより簡便に管理することのできるネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法の提供を目的とする。
【解決手段】複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムであって、第一の中継処理装置は、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加し、第二の中継処理装置は、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録することにより上記課題を解決する。
【解決手段】複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムであって、第一の中継処理装置は、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加し、第二の中継処理装置は、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録することにより上記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法に関し、特に電文の処理に関するログ情報を管理するネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の中継処理装置によってリレー的に電文が中継されるネットワークシステムにおいて、従来は各中継処理装置がそれぞれに備えられたログファイルに電文に関するログ情報を記録していた。
【0003】
図1は、従来のネットワークシステムにおけるログ情報の管理形態を示す図である。図1において中継処理装置500a、500b、及び500c(以下、総称する場合「中継処理装置500」という。)は、それぞれ電文を中継する中継処理装置である。図中、中継処理装置500の間の実践の矢印は、電文αの経路(ルート)を示す。また、破線の矢印は電文βの経路(ルート)を示す。すなわち、電文αは、中継処理装置500a及び500cによって中継されている。電文βは、中継処理装置500a、500b、及び500cによって中継されている。斯かる場合、従来、電文αに関するログ情報は、中継処理装置500aのログファイル510aと中継処理装置500cのログファイル510cとに書き込まれていた。また、電文βに関するログ情報は、中継処理装置500aのログファイル510a、中継処理装置500bのログファイル510bのログファイル、及び中継処理装置500cのログファイル510cに書き込まれていた。なお、図1では、中継処理装置500における電文の処理開始時刻と処理終了時刻とが電文のログ情報として記録されている例が示されている。
【特許文献1】特開平11−341060号公報
【特許文献2】特開平8−279848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図1に示されるような形態によれば、中継処理装置500ごとにログファイルを備える必要がある。したがって、中継処理装置ごとにログ情報を記録するための処理が必要とされ、その処理時間によってネットワークシステム全体の性能を劣化させる可能性があった。
【0005】
また、ログファイルが各中継処理装置に分散されて配置されているために、障害発生時には、障害発生の原因となった中継処理装置を特定するために、各中継処理装置のログファイルを個別にチェックしたり、又は各中継処理装置のログファイルをマージして調査したりといった煩雑な作業が必要とされていた。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、電文の処理に関するログ情報をより簡便に管理することのできるネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムであって、第一の中継処理装置は、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加し、第二の中継処理装置は、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録することを特徴とする。
【0008】
このようなネットワークシステムでは、電文の処理に関するログ情報をより簡便に管理することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電文の処理に関するログ情報をより簡便に管理することのできるネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図2は、本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成例を示す図である。図2におけるネットワークシステム1は、複数台のログ取得中継処理装置10a、10b、及び10c(以下、総称する場合「ログ取得中継処理装置10」という。)と、複数台の中継処理装置20A1、20A2、20B1〜20B4、20C1、20C2、及び20D1(以下、総称する場合「中継処理装置20」という。)と、集中管理装置30とより構成されている。図中において、ログ取得中継処理装置10又は中継処理装置20の間を結ぶ実線はネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)を示す。
【0011】
ログ取得中継処理装置10及び中継処理装置20は、電文を中継する装置である。すなわち、ネットワークシステム1において、電文は、ログ取得中継処理装置10又は中継処理装置20によってリレー的に中継される。
【0012】
ネットワークシステム1は、「エリア」と呼ばれる概念によって論理的に分割される。図中では、エリアA、エリアB、エリアC、及びエリアDに分割された例が示されている。エリアAには、中継処理装置20A1及び20A2(以下、総称する場合「中継処理装置20A」という。)が含まれる。エリアBには、中継処理装置20B1〜20B4(以下、総称する場合「中継処理装置20B」という。)が含まれる。エリアCには、中継処理装置20C1及び20C2(以下、総称する場合「中継処理装置20C」という。)が含まれる。エリアDには、中継処理装置D1が含まれる。
【0013】
各エリア間は、ログ中継処理装置10によって接続される。言い換えれば、エリアとは、ログ中継処理装置10によって分割されたネットワークシステムであると言える。
【0014】
ログ取得中継処理装置10と中継処理装置20とは、電文を中継する機能を有する点においては共通するが、電文に関するログ情報の取り扱いにおいて異なる。すなわち、ログ取得中継処理装置10aは、ログファイル110aに、ログ取得中継処理装置10bは、ログファイル110bに、ログ取得中継処理装置10cは、ログファイル110cにそれぞれログ情報を記録するが、中継処理装置20は、ログ情報をログファイルへ記録するのではなく、電文の所定の位置(例えば、電文の後ろ)に付加(記録)する。
【0015】
この点について更に詳しく説明する。図3は、本発明の実施の形態におけるログ情報の管理形態の概要を示す図である。
【0016】
図3において、中継処理装置20a及び20bは、図2に示されるものと同様の中継処理装置20である。図3では、電文αと電文βとが中継される例が示されている。電文αは、中継処理装置20a及びログ中継処理装置10の順番で中継される。電文βは、中継処理装置20a、中継処理装置20b、及びログ中継処理装置10の順番で中継される。
【0017】
斯かる場合、中継処理装置20aは、電文αに関するログ情報を電文αの後ろに付加する。また、電文βのログ情報は、電文βの後ろに付加する。図中において、電文α51、電文β52は、それぞれについて中継処理装置20aによってログ情報が付加された例を示す。なお、図中では、中継点、処理開始時刻、及び処理終了時刻がログ情報として記録される例が示されている。中継点は、中継処理装置20又はログ取得中継処理装置10を識別するための情報(以下「中継点識別情報」という。)であり、例えば、IPアドレス等、ネットワークシステム1上において一意の識別情報である。なお、図中において「a」は中継処理装置20aを、「b」は、中継処理装置20bを、「c」は、ログ取得中継処理装置10を示す。処理開始時刻は、当該中継処理装置20又は当該ログ中継処理装置10において、当該電文に関して処理が開始された時刻又は当該電文が受信された時刻である。処理終了時刻は、処理開始時刻は、当該中継処理装置20又は当該ログ中継処理装置10において、当該電文に関して処理が終了した時刻又は当該電文が送出された時刻である。
【0018】
電文βについては、中継処理装置20bを通過する際に、更に中継処理装置20bによってログ情報が付加される。図中において、電文β53は、中継処理装置20bの中継点、処理開始時刻及び処理終了時刻が更に付加された例を示す。
【0019】
ログ取得中継処理装置10は、各電文に記録されたログ情報を取得し、当該ログ情報をログファイル110に記録する。図中では、電文α及び電文βのログ情報がログファイル110に記録された例が示されている。ログ取得中継処理装置10は、ログ情報の取得後、電文から当該ログ情報を削除する。
【0020】
なお、ログ取得中継処理装置10は、エリア外に出て行く(エリアをまたがって中継される)電文についてのみログ情報の取得、及びログファイル110への記録を行う。これにより、同じ電文に関するログ情報が分散されるのを防止する。例えば、図2において、ログ取得中継処理装置10cは、エリアB内の中継処理装置20Bより電文を受信し、当該電文をエリアC内の中継処理装置20C送信するときに当該電文に付加されているログ情報をログファイル110cに記録する。一方、ログ取得中継処理装置10cは、エリアB内の中継処理装置20Bより電文を受信し、エリアB内の中継処理装置20Bに当該電文を送信する場合は、ログ情報の取得は行わず、中継処理装置20と同様にログ情報を当該電文の後ろに付加(追加)する。したがって、電文のエリアからの出口となったログ取得中継処理装置10では、当該電文に関して当該エリア内におけるログ情報が管理される。
【0021】
各ログ取得中継処理装置10は、エリアをまたがって中継される電文を中継した際、当該電文の中継を集中管理装置30に通知する。これにより、集中管理装置30には、電文ごとに、エリアへの入り口となったログ取得中継処理装置110の中継点識別情報と、エリアからの出口となったログ取得処理装置110の中継点識別情報とが管理される。なお、図2では、集中管理装置30は、全エリアに対して一台であってもよいし、エリアごとに一台であってもよい。エリアごとに一台割り当てる場合、集中管理装置30を統合する装置を設けることにより、ログ情報の管理を更に階層化させてもよい。
【0022】
図4は、本発明の実施の形態におけるログ取得中継処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図4のログ取得中継処理装置は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100と、補助記憶装置102と、メモリ装置103と、演算処理装置104と、インタフェース装置105とを有するように構成される。
【0023】
ログ取得中継処理装置での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介してダウンロードするようにしてもよい。
【0024】
補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。例えば、補助記憶装置102にはログファイル110が記録される。メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。演算処理装置104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってログ取得中継処理装置に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0025】
なお、中継処理装置20、集中管理装置30についても図4と同様のハードウェアによって構成すればよい。
【0026】
以下、ネットワークシステム1の処理手順について説明する。図5は、本実施の形態のネットワークシステムにおける電文の中継処理の処理手順を説明するための図である。本実施の形態では、電文がエリアA−エリアB−エリアCの順に中継される場合において、特にエリアB内における処理について説明する。
【0027】
ログ取得中継処理装置10aは、エリアAの中継処理装置10AよりエリアB内へ伝送が要求される電文を受信すると(S101)、当該電文の中継処理を実行し、例えば、ログ取得中継処理装置10aの中継点識別情報、中継処理の処理開始時刻及び処理終了時刻をログ情報として電文に付加する(S102)。なお、中継処理において障害等(例えば、メモリ等の資源不足等)が発生した場合は、障害情報もログ情報の一部として電文に付加される。続いて、ログ取得中継処理装置10aは、行き先判定ロジックに従い、エリアB内においてログ取得中継処理装置10aと接続されているいずれかの中継処理装置20Bにログ情報が付加された電文を送信する(S103)。なお、行き先判定ロジックとは、電文の送信先を判定するためのロジックをいう。電文の送信先は、送信先の候補となる中継処理装置20の負荷に基づいて判定してもよいし、予め定められた順番に応じて判定するようする等、各種の方法を適用可能である。
【0028】
なお、ログ中継処理装置10aは、例えば、電文を受信したときに当該電文を一意に識別する情報(電文識別情報)と、ログ中継処理装置10aの中継点識別情報とを集中管理装置30に送信する。これに応じ、集中管理装置30は、当該電文識別情報と、当該中継点識別情報とを関連付けて記憶装置に記録し、管理する(S401)。
【0029】
続いて、ログ取得中継処理装置10aより電文の送信を受けた中継処理装置20Bは、当該電文について中継処理を実行し、例えば、中継処理装置20の中継点識別情報、中継処理の処理開始時刻及び処理終了時刻をログ情報として電文に付加する(S201)。中継処理において障害等が発生した場合は、障害情報もログ情報の一部として電文に付加される。続いて、ログ取得中継処理装置10aは、行き先判定ロジックに従い、次の中継処理装置20Bにログ情報が付加された電文を送信する(S202)。なお、ステップS201及びS202は、電文を中継した各中継処理装置20Bにおいて実行される。したがって、電文には、各中継処理装置20Bのログ情報が中継された順番で付加される。
【0030】
中継処理装置20Bによって中継された電文が、ログ取得中継処理装置10cに到達すると、ログ取得中継処理装置10cは、ログ情報をも含めた電文の長さが規定値を超えていないか否か判定し(S301)、規定値を超えている場合は、電文を分割する(S302)。但し、電文の分割は必ずしも行われなくても良い。
【0031】
続いて、ログ取得中継処理装置10cは、電文の中継処理を行い、行き先判定ロジックに従って判定される電文の送信先が、エリアB内の中継処理装置20Bであるか否かを判定する(S303)。電文の送信先がエリアB内の中継処理装置20Bである場合、例えば、ログ取得中継処理装置10cの中継点識別情報、中継処理の処理開始時刻及び処理終了時刻をログ情報として電文に付加する(S304)。中継処理において障害等が発生した場合は、障害情報もログ情報の一部として電文に付加される。続いて、ログ取得中継処理装置10cは、行き先判定ロジックに従い、次の中継処理装置20Bにログ情報が付加された電文を送信する(S305)。
【0032】
一方、電文の送信先がエリアB外の中継処理装置20(例えば、エリアC内における中継処理装置20C)である場合、ログ取得中継処理装置10cは、電文に付加(蓄積)されているログ情報の履歴をログファイル110cに出力する(S306)。続いて、ログ取得中継処理装置10cは、電文に付加されているログ情報を電文から削除する(S307)。これによって、当該電文は、ログ情報が付加される前の状態に戻る。続いて、ログ取得中継処理装置10cは、当該電文の電文識別情報と、ログ中継処理装置10bの中継点識別情報とを集中管理装置30に送信する(S308)。これに応じ、集中管理装置30は、当該電文識別情報と、当該中継点識別情報とを関連付けて記憶装置に記録し、管理する(S402)。なお、集中管理装置30では、ステップS401において取得した情報と、ステップS402において取得した情報とを電文識別情報に基づいて関連付けて管理する。これにより、集中管理装置30では、当該電文について、エリアBにおける入り口となったログ取得中継処理装置10aと、出口となったログ取得中継処理装置10cとを特定することが可能となる。
【0033】
続いて、ログ取得中継処理装置10cは、当該電文をエリアCの中継処理装置20Cに送出する(S309)。なお、ログ取得中継処理装置10cは、エリアBにおいては出口となり、エリアCにおいては入り口となる。したがって、ステップS309において中継処理装置20Cに送出する前に、ログ取得中継処理装置10cは、ログ取得中継処理装置10aがステップS101〜S103において行った処理をエリアCの入り口として実行する。
【0034】
次に、電文に付加されたログ情報に基づいてネットワークシステム1の障害調査を行うための処理について説明する。図6は、本実施の形態のネットワークシステムにおける障害調査処理を説明するための図である。
【0035】
図5においては便宜上説明を省略したが、エリアBからの出口となるログ取得中継処理装置10cは、電文よりログ情報の履歴を取得すると(S311)、当該ログ情報の履歴を解析し、当該電文の中継に関する障害の有無を判定する(S312)。例えば、ログ情報に障害情報が含まれている場合、或る中継処理装置20の処理時間が規定値を超えている場合、又は二つの中継処理装置20の間の伝送時間が規定値を超えている場合等は、障害有りと判定する。或る中継処理装置20の処理時間については、ログ情報の履歴のうち、当該中継処理装置20のログ情報において、処理開始時刻と処理終了時刻とに基づいて算出すればよい。また、伝送時間については、ログ情報の履歴に記録されている、前の中継処理装置20の処理終了時刻と次の中継処理装置20の処理開始時刻とに基づいて算出すればよい。
【0036】
障害が検出されなかった場合は、図5において説明したような通常の中継処理が実行される。一方、障害が検出された場合、ログ取得中継処理装置10cは、障害の検出を集中管理装置30に通知する(S313)。この際、少なくとも、障害が検出された中継処理装置20の中継点識別情報が通知される。また、当該電文のエリアB内における経路情報も通知されてもよい。経路情報は、例えば、当該電文が通過した順に中継点識別情報が並べられた情報をいい、ログ情報の履歴に基づいて作成される。
【0037】
障害の検出の通知を受けた集中管理装置30は、障害調査用の電文(以下「調査電文」という。)を作成する(S411)。
【0038】
図7は、調査電文の例を示す図である。図7において調査電文60は、電文種別識別子、調査対象識別子、調査内容、及び経路情報等を含む。電文種別識別子は、当該電文が調査電文60であることをログ取得中継処理装置10及び中継処理装置20に識別させるための情報である。例えば、この値が「1」であれば、当該電文は調査電文60であると識別される。調査対象識別子は、障害が検出された中継処理装置20の中継点識別情報である。調査内容は、例えば、メモリの使用状況の取得、バッファ使用状況の取得、又はディスクアクセスエラー回数の取得等、調査対象とされた中継処理装置20に実行させる調査処理の内容(調査情報取得処理の実行命令)である。経路情報は、障害が検出された電文に係る経路情報である。
【0039】
続いて、集中管理装置30は、経路情報に基づいて、エリアBでの入り口となったログ取得中継処理装置10aに調査電文60を送信することにより、調査電文60のエリアBへの送信を指示する(S412)。
【0040】
調査電文60を受信したログ取得中継処理装置10aは、調査電文60に含まれている経路情報に従って、次の中継処理装置20Bに調査電文60を送信する(S111)。中継処理装置20Bは、調査電文60を受信すると、調査電文60に含まれている調査対象識別子に基づいて自らが調査対象であるか否かを判定する(S211)。調査対象で無い場合、中継処理装置20Bは、経路情報に従って次の中継処理装置20Bに調査電文60を送信する(S214)。調査対象である場合、中継処理装置20Bは、調査電文60に指定されている調査内容に従って、調査を実行し、その結果として調査情報(例えば、メモリの使用状況、バッファ使用状況、又はディスクアクセスエラー回数等)を取得する(S212)。続いて、中継処理装置20Bは、当該調査情報を調査電文60に付加する(S213)。
【0041】
図8は、調査情報が付加された調査電文の例を示す図である。図8において、調査電文60aの最後には調査情報が付加されている。
【0042】
続いて、中継処理装置20Bは、経路情報に従って次の中継処理装置20Bに調査電文60aを送信する(S214)。
【0043】
経路情報に従って調査電文60aが中継された結果、エリアBの出口のログ取得中継処理装置10cが調査電文60a(調査情報取得済電文)を受信すると(S314)、ログ取得中継処理装置10cは、調査電文60aを集中管理装置30に送信する(S315)。
【0044】
集中管理装置30は、調査電文60aを受信すると、調査電文60aに付加された調査情報に基づいて、障害の原因等の調査を実行する(S413)。障害の調査は、集中管理装置30によって自動的に行われても良いし、管理者等によって行われても良い。
【0045】
なお、調査電文60において経路情報は必ずしも必要ではない。この場合、通常の行き先判定ロジックに従って、調査電文60は、調査対象の中継処理装置20Bに伝送される。但し、経路情報に従って調査電文60を伝送することにより、障害が検出された際と同じ経路を再現させることができる。
【0046】
次に、ログ情報に基づいて障害の発生が検出された場合や、調査情報に基づいて障害の原因が確認された場合等に、当該障害を回復するために実行される処理について説明する。図9は、本実施の形態のネットワークシステムにおける障害回復処理を説明するための図である。
【0047】
まず、集中管理装置30は、ログ情報又は調査情報等に基づいて障害回復用の電文(以下「障害回復電文」という。)を作成する(S421)。
【0048】
図10は、障害回復電文の例を示す図である。図10において障害回復電文70は、電文種別識別子、障害回復対象識別子、障害回復処理内容、及び経路情報等を含む。電文種別識別子は、当該電文が障害回復電文70であることをログ取得中継処理装置10及び中継処理装置20に識別させるための情報である。例えば、この値が「2」であれば、当該電文は障害回復電文70であると識別される。障害回復対象識別子は、障害の回復対象とされる中継処理装置20の中継点識別情報である。障害回復処理内容は、例えば、メモリ、バッファ等のクリアや、パラメータの変更等、障害回復対象とされた中継処理装置20に実行させる障害回復処理の内容(障害回復処理の実行命令)である。経路情報は、障害が検出された電文に係る経路情報である。
【0049】
続いて、集中管理装置30は、経路情報に基づいて、当該電文についてエリアBでの入り口となったログ取得中継処理装置10aに障害回復電文70を送信することにより、障害回復電文70のエリアBへの送信を指示する(S422)。
【0050】
障害回復電文70を受信したログ取得中継処理装置10aは、障害回復電文70に含まれている経路情報に従って、次の中継処理装置20Bに障害回復電文70を送信する(S121)。中継処理装置20Bは、障害回復電文70を受信すると、障害回復電文70に含まれている障害回復対象識別子に基づいて自らが障害回復対象であるか否かを判定する(S221)。障害回復対象で無い場合、中継処理装置20Bは、経路情報に従って次の中継処理装置20Bに障害回復電文70を送信する(S224)。障害回復対象である場合、中継処理装置20Bは、障害回復電文70に指定されている障害回復処理内容に従って、障害回復処理を実行する(S222)。続いて、中継処理装置20Bは、障害回復状況を示す情報(例えば、メモリの使用状況、バッファ使用状況、又はディスクアクセスエラー回数等)を取得し(S222)、当該障害回復状況情報を障害回復電文70に付加する(S223)。
【0051】
図11は、障害回復状況情報が付加された障害回復電文の例を示す図である。図11において、障害回復電文70aの最後には障害回復状況情報が付加されている。
【0052】
続いて、中継処理装置20Bは、経路情報に従って次の中継処理装置20Bに障害回復電文70aを送信する(S224)。
【0053】
経路情報に従って障害回復電文70aが中継された結果、エリアBの出口のログ取得中継処理装置10cが障害回復電文70a(障害回復済電文)を受信すると(S321)、ログ取得中継処理装置10cは、障害回復電文70aを集中管理装置30に送信する(S322)。
【0054】
集中管理装置30は、障害回復電文70aを受信すると、障害回復電文70aに付加された障害回復状況情報に基づいて、障害の回復状況等の確認を実行する(S423)。障害回復状況の確認は、集中管理装置30によって自動的に行われても良いし、管理者等によって行われても良い。
【0055】
なお、図6及び図9において、集中管理装置30が行っていた処理を、エリアの出口となるログ取得中継処理装置10cが行ってもよい。
【0056】
上述したように、本実施の形態におけるネットワークシステム1によれば、ログ情報は、中継処理装置20において電文に付加され、ログ取得中継処理装置10においてのみログファイル110へ書き込まれる。したがって、中継処理装置20におけるログファイル書き込み機能を省略することができる。また、中継処理装置20におけるログ情報の書き込み時間が省略でき、ネットワークシステム全体における電文の通過時間を短縮することができる。
【0057】
また、経由した順番で中継処理装置20のログ情報が付加されていくため、複数の中継処理装置20からログ情報を回収したり、マージしたりすることなく電文に付加されたログ情報を解析するだけで、当該電文の経路や各中継点における通過時刻を把握することができる。したがって、ログ情報の回収やマージに必要とされる時間や手間を省略することができ、タイムリーなネットワークの監視と、障害発生時の迅速な対応が可能となる。
【0058】
また、調査時や障害回復処理時には、調査電文60又は障害回復電文70に経路情報を付加し、当該経路情報に従って調査電文60又は障害回復電文70を中継させるため、障害が発生時と同一の経路を再現させることができ、障害発生時により近い状態において調査情報の取得、障害回復処理を実行することができる。
【0059】
また、エリア内での電文通過経路は、電文がエリアから出た際のログ取得中継処理装置10に保存され、電文がエリアに入った際及び出た際のログ取得中継処理装置10の中継点識別情報は集中管理装置30に取得されているため、エリア内を通過した全ての電文の通過経路を効率よく管理することができる。すなわち、仮に、全てのログ情報を集中管理装置30で管理しようとすると、集中管理装置30のディスク容量が圧迫されたり、集中管理装置30へのネットワーク負荷が高くなったりすることが考えられる。
【0060】
なお、集中管理装置30を統合する、統合集中管理装置を階層的に設置する事により、複数エリアを通過する全ての電文について通過経路を管理するようにしてもよい。この場合、複数エリアに関わる障害発生についても経路のトレース、障害情報の収集、障害の修復を行うことが可能となる。
【0061】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0062】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムであって、
第一の中継処理装置は、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加し、
第二の中継処理装置は、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録することを特徴とするネットワークシステム。
(付記2)
前記ネットワークシステムは、前記第二の中継処理装置によって複数のエリアに分割され、
前記第二の中継処理装置は、前記エリアをまたがって中継される前記電文に付加されている前記ログ情報を前記記憶装置に記録することを特徴とする付記1記載のネットワークシステム。
(付記3)
前記第一の中継処理装置は、当該第一の中継処理装置を識別する識別情報を前記ログ情報に含めて前記電文に付加することを特徴とする付記1又は2記載のネットワークシステム。
(付記4)
前記電文に付加されている前記ログ情報に基づいて当該ネットワークシステムの障害を検出し、前記障害を調査するための調査情報取得処理の実行命令と前記調査情報取得処理を実行させる前記中継処理装置の識別情報とが付加された調査電文を作成し、前記調査電文を前記中継処理装置に中継させる調査電文作成装置を有し、
前記識別情報に係る前記中継処理装置は、前記調査情報取得処理の実行命令に従って前記調査情報を取得することを特徴とする付記3記載のネットワークシステム。
(付記5)
前記電文に付加されている前記ログ情報に基づいて当該ネットワークシステムの障害を検出し、前記障害を回復するための障害回復処理の実行命令と前記障害回復処理を実行させる前記中継処理装置の識別情報とが付加された障害回復電文を作成し、前記障害回復電文を前記中継処理装置に中継させる障害回復電文作成装置を有し、
前記識別情報に係る前記中継処理装置は、前記障害回復処理の実行命令に従って前記障害回復処理を実行することを特徴とする付記3又は4記載のネットワークシステム。
(付記6)
前記ログ情報に含まれている前記中継処理装置の識別情報に基づいて前記電文の経路を特定し、前記経路を示す経路情報が付加された電文を作成し、前記経路情報が付加された電文を前記中継処理装置に中継させる電文作成装置を有し、
前記中継処理装置は、前記経路情報が付加された電文を、当該経路情報に従って中継することを特徴とする付記3乃至5いずれか一項記載のネットワークシステム。
(付記7)
前記第二の中継処理装置は、前記電文の中継に応じ、所定のコンピュータに前記電文の識別情報と当該中継処理装置の識別情報とを送信し、
前記所定のコンピュータは、前記電文の識別情報と前記中継処理装置の識別情報とを関連付けて記憶装置に記録することを特徴とする付記1乃至6いずれか一項記載のネットワークシステム。
(付記8)
ネットワークシステムにおいて電文を中継する中継処理装置であって、
前記電文を中継するときに当該中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加することを特徴とする中継処理装置。
(付記9)
前記中継処理装置は、当該中継処理装置を識別する識別情報を前記ログ情報に含めて前記電文に付加することを特徴とする付記8記載の中継処理装置。
(付記10)
複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムにおけるログ情報管理方法であって、
第一中継処理装置が、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加する手順と、
第二の中継処理装置が、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録する手順とを有することを特徴とするログ情報管理方法。
(付記11)
ネットワークシステムにおいて電文を中継する中継処理装置に、
前記電文を中継するときに当該中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加させる手順を実行させるためのログ情報管理プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】従来のネットワークシステムにおけるログ情報の管理形態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるログ情報の管理形態の概要を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるログ取得中継処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】本実施の形態のネットワークシステムにおける電文の中継処理の処理手順を説明するための図である。
【図6】本実施の形態のネットワークシステムにおける障害調査処理を説明するための図である。
【図7】調査電文の例を示す図である。
【図8】調査情報が付加された調査電文の例を示す図である。
【図9】本実施の形態のネットワークシステムにおける障害回復処理を説明するための図である。
【図10】障害回復電文の例を示す図である。
【図11】障害回復状況情報が付加された障害回復電文の例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 ネットワークシステム
10a、10b、10c ログ取得中継処理装置
20A1、20A2、20B1、20B2、20B3、20B4、20C1、20C2、20D1 中継処理装置
30 集中管理装置
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 演算処理装置
105 インタフェース装置
110、110a、110b、110c ログファイル
500a、500b、500c 中継処理装置
510a、510b、510c ログファイル
B バス
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法に関し、特に電文の処理に関するログ情報を管理するネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の中継処理装置によってリレー的に電文が中継されるネットワークシステムにおいて、従来は各中継処理装置がそれぞれに備えられたログファイルに電文に関するログ情報を記録していた。
【0003】
図1は、従来のネットワークシステムにおけるログ情報の管理形態を示す図である。図1において中継処理装置500a、500b、及び500c(以下、総称する場合「中継処理装置500」という。)は、それぞれ電文を中継する中継処理装置である。図中、中継処理装置500の間の実践の矢印は、電文αの経路(ルート)を示す。また、破線の矢印は電文βの経路(ルート)を示す。すなわち、電文αは、中継処理装置500a及び500cによって中継されている。電文βは、中継処理装置500a、500b、及び500cによって中継されている。斯かる場合、従来、電文αに関するログ情報は、中継処理装置500aのログファイル510aと中継処理装置500cのログファイル510cとに書き込まれていた。また、電文βに関するログ情報は、中継処理装置500aのログファイル510a、中継処理装置500bのログファイル510bのログファイル、及び中継処理装置500cのログファイル510cに書き込まれていた。なお、図1では、中継処理装置500における電文の処理開始時刻と処理終了時刻とが電文のログ情報として記録されている例が示されている。
【特許文献1】特開平11−341060号公報
【特許文献2】特開平8−279848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図1に示されるような形態によれば、中継処理装置500ごとにログファイルを備える必要がある。したがって、中継処理装置ごとにログ情報を記録するための処理が必要とされ、その処理時間によってネットワークシステム全体の性能を劣化させる可能性があった。
【0005】
また、ログファイルが各中継処理装置に分散されて配置されているために、障害発生時には、障害発生の原因となった中継処理装置を特定するために、各中継処理装置のログファイルを個別にチェックしたり、又は各中継処理装置のログファイルをマージして調査したりといった煩雑な作業が必要とされていた。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、電文の処理に関するログ情報をより簡便に管理することのできるネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムであって、第一の中継処理装置は、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加し、第二の中継処理装置は、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録することを特徴とする。
【0008】
このようなネットワークシステムでは、電文の処理に関するログ情報をより簡便に管理することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電文の処理に関するログ情報をより簡便に管理することのできるネットワークシステム、中継処理装置、及びログ情報管理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図2は、本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成例を示す図である。図2におけるネットワークシステム1は、複数台のログ取得中継処理装置10a、10b、及び10c(以下、総称する場合「ログ取得中継処理装置10」という。)と、複数台の中継処理装置20A1、20A2、20B1〜20B4、20C1、20C2、及び20D1(以下、総称する場合「中継処理装置20」という。)と、集中管理装置30とより構成されている。図中において、ログ取得中継処理装置10又は中継処理装置20の間を結ぶ実線はネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)を示す。
【0011】
ログ取得中継処理装置10及び中継処理装置20は、電文を中継する装置である。すなわち、ネットワークシステム1において、電文は、ログ取得中継処理装置10又は中継処理装置20によってリレー的に中継される。
【0012】
ネットワークシステム1は、「エリア」と呼ばれる概念によって論理的に分割される。図中では、エリアA、エリアB、エリアC、及びエリアDに分割された例が示されている。エリアAには、中継処理装置20A1及び20A2(以下、総称する場合「中継処理装置20A」という。)が含まれる。エリアBには、中継処理装置20B1〜20B4(以下、総称する場合「中継処理装置20B」という。)が含まれる。エリアCには、中継処理装置20C1及び20C2(以下、総称する場合「中継処理装置20C」という。)が含まれる。エリアDには、中継処理装置D1が含まれる。
【0013】
各エリア間は、ログ中継処理装置10によって接続される。言い換えれば、エリアとは、ログ中継処理装置10によって分割されたネットワークシステムであると言える。
【0014】
ログ取得中継処理装置10と中継処理装置20とは、電文を中継する機能を有する点においては共通するが、電文に関するログ情報の取り扱いにおいて異なる。すなわち、ログ取得中継処理装置10aは、ログファイル110aに、ログ取得中継処理装置10bは、ログファイル110bに、ログ取得中継処理装置10cは、ログファイル110cにそれぞれログ情報を記録するが、中継処理装置20は、ログ情報をログファイルへ記録するのではなく、電文の所定の位置(例えば、電文の後ろ)に付加(記録)する。
【0015】
この点について更に詳しく説明する。図3は、本発明の実施の形態におけるログ情報の管理形態の概要を示す図である。
【0016】
図3において、中継処理装置20a及び20bは、図2に示されるものと同様の中継処理装置20である。図3では、電文αと電文βとが中継される例が示されている。電文αは、中継処理装置20a及びログ中継処理装置10の順番で中継される。電文βは、中継処理装置20a、中継処理装置20b、及びログ中継処理装置10の順番で中継される。
【0017】
斯かる場合、中継処理装置20aは、電文αに関するログ情報を電文αの後ろに付加する。また、電文βのログ情報は、電文βの後ろに付加する。図中において、電文α51、電文β52は、それぞれについて中継処理装置20aによってログ情報が付加された例を示す。なお、図中では、中継点、処理開始時刻、及び処理終了時刻がログ情報として記録される例が示されている。中継点は、中継処理装置20又はログ取得中継処理装置10を識別するための情報(以下「中継点識別情報」という。)であり、例えば、IPアドレス等、ネットワークシステム1上において一意の識別情報である。なお、図中において「a」は中継処理装置20aを、「b」は、中継処理装置20bを、「c」は、ログ取得中継処理装置10を示す。処理開始時刻は、当該中継処理装置20又は当該ログ中継処理装置10において、当該電文に関して処理が開始された時刻又は当該電文が受信された時刻である。処理終了時刻は、処理開始時刻は、当該中継処理装置20又は当該ログ中継処理装置10において、当該電文に関して処理が終了した時刻又は当該電文が送出された時刻である。
【0018】
電文βについては、中継処理装置20bを通過する際に、更に中継処理装置20bによってログ情報が付加される。図中において、電文β53は、中継処理装置20bの中継点、処理開始時刻及び処理終了時刻が更に付加された例を示す。
【0019】
ログ取得中継処理装置10は、各電文に記録されたログ情報を取得し、当該ログ情報をログファイル110に記録する。図中では、電文α及び電文βのログ情報がログファイル110に記録された例が示されている。ログ取得中継処理装置10は、ログ情報の取得後、電文から当該ログ情報を削除する。
【0020】
なお、ログ取得中継処理装置10は、エリア外に出て行く(エリアをまたがって中継される)電文についてのみログ情報の取得、及びログファイル110への記録を行う。これにより、同じ電文に関するログ情報が分散されるのを防止する。例えば、図2において、ログ取得中継処理装置10cは、エリアB内の中継処理装置20Bより電文を受信し、当該電文をエリアC内の中継処理装置20C送信するときに当該電文に付加されているログ情報をログファイル110cに記録する。一方、ログ取得中継処理装置10cは、エリアB内の中継処理装置20Bより電文を受信し、エリアB内の中継処理装置20Bに当該電文を送信する場合は、ログ情報の取得は行わず、中継処理装置20と同様にログ情報を当該電文の後ろに付加(追加)する。したがって、電文のエリアからの出口となったログ取得中継処理装置10では、当該電文に関して当該エリア内におけるログ情報が管理される。
【0021】
各ログ取得中継処理装置10は、エリアをまたがって中継される電文を中継した際、当該電文の中継を集中管理装置30に通知する。これにより、集中管理装置30には、電文ごとに、エリアへの入り口となったログ取得中継処理装置110の中継点識別情報と、エリアからの出口となったログ取得処理装置110の中継点識別情報とが管理される。なお、図2では、集中管理装置30は、全エリアに対して一台であってもよいし、エリアごとに一台であってもよい。エリアごとに一台割り当てる場合、集中管理装置30を統合する装置を設けることにより、ログ情報の管理を更に階層化させてもよい。
【0022】
図4は、本発明の実施の形態におけるログ取得中継処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図4のログ取得中継処理装置は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100と、補助記憶装置102と、メモリ装置103と、演算処理装置104と、インタフェース装置105とを有するように構成される。
【0023】
ログ取得中継処理装置での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介してダウンロードするようにしてもよい。
【0024】
補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。例えば、補助記憶装置102にはログファイル110が記録される。メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。演算処理装置104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってログ取得中継処理装置に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0025】
なお、中継処理装置20、集中管理装置30についても図4と同様のハードウェアによって構成すればよい。
【0026】
以下、ネットワークシステム1の処理手順について説明する。図5は、本実施の形態のネットワークシステムにおける電文の中継処理の処理手順を説明するための図である。本実施の形態では、電文がエリアA−エリアB−エリアCの順に中継される場合において、特にエリアB内における処理について説明する。
【0027】
ログ取得中継処理装置10aは、エリアAの中継処理装置10AよりエリアB内へ伝送が要求される電文を受信すると(S101)、当該電文の中継処理を実行し、例えば、ログ取得中継処理装置10aの中継点識別情報、中継処理の処理開始時刻及び処理終了時刻をログ情報として電文に付加する(S102)。なお、中継処理において障害等(例えば、メモリ等の資源不足等)が発生した場合は、障害情報もログ情報の一部として電文に付加される。続いて、ログ取得中継処理装置10aは、行き先判定ロジックに従い、エリアB内においてログ取得中継処理装置10aと接続されているいずれかの中継処理装置20Bにログ情報が付加された電文を送信する(S103)。なお、行き先判定ロジックとは、電文の送信先を判定するためのロジックをいう。電文の送信先は、送信先の候補となる中継処理装置20の負荷に基づいて判定してもよいし、予め定められた順番に応じて判定するようする等、各種の方法を適用可能である。
【0028】
なお、ログ中継処理装置10aは、例えば、電文を受信したときに当該電文を一意に識別する情報(電文識別情報)と、ログ中継処理装置10aの中継点識別情報とを集中管理装置30に送信する。これに応じ、集中管理装置30は、当該電文識別情報と、当該中継点識別情報とを関連付けて記憶装置に記録し、管理する(S401)。
【0029】
続いて、ログ取得中継処理装置10aより電文の送信を受けた中継処理装置20Bは、当該電文について中継処理を実行し、例えば、中継処理装置20の中継点識別情報、中継処理の処理開始時刻及び処理終了時刻をログ情報として電文に付加する(S201)。中継処理において障害等が発生した場合は、障害情報もログ情報の一部として電文に付加される。続いて、ログ取得中継処理装置10aは、行き先判定ロジックに従い、次の中継処理装置20Bにログ情報が付加された電文を送信する(S202)。なお、ステップS201及びS202は、電文を中継した各中継処理装置20Bにおいて実行される。したがって、電文には、各中継処理装置20Bのログ情報が中継された順番で付加される。
【0030】
中継処理装置20Bによって中継された電文が、ログ取得中継処理装置10cに到達すると、ログ取得中継処理装置10cは、ログ情報をも含めた電文の長さが規定値を超えていないか否か判定し(S301)、規定値を超えている場合は、電文を分割する(S302)。但し、電文の分割は必ずしも行われなくても良い。
【0031】
続いて、ログ取得中継処理装置10cは、電文の中継処理を行い、行き先判定ロジックに従って判定される電文の送信先が、エリアB内の中継処理装置20Bであるか否かを判定する(S303)。電文の送信先がエリアB内の中継処理装置20Bである場合、例えば、ログ取得中継処理装置10cの中継点識別情報、中継処理の処理開始時刻及び処理終了時刻をログ情報として電文に付加する(S304)。中継処理において障害等が発生した場合は、障害情報もログ情報の一部として電文に付加される。続いて、ログ取得中継処理装置10cは、行き先判定ロジックに従い、次の中継処理装置20Bにログ情報が付加された電文を送信する(S305)。
【0032】
一方、電文の送信先がエリアB外の中継処理装置20(例えば、エリアC内における中継処理装置20C)である場合、ログ取得中継処理装置10cは、電文に付加(蓄積)されているログ情報の履歴をログファイル110cに出力する(S306)。続いて、ログ取得中継処理装置10cは、電文に付加されているログ情報を電文から削除する(S307)。これによって、当該電文は、ログ情報が付加される前の状態に戻る。続いて、ログ取得中継処理装置10cは、当該電文の電文識別情報と、ログ中継処理装置10bの中継点識別情報とを集中管理装置30に送信する(S308)。これに応じ、集中管理装置30は、当該電文識別情報と、当該中継点識別情報とを関連付けて記憶装置に記録し、管理する(S402)。なお、集中管理装置30では、ステップS401において取得した情報と、ステップS402において取得した情報とを電文識別情報に基づいて関連付けて管理する。これにより、集中管理装置30では、当該電文について、エリアBにおける入り口となったログ取得中継処理装置10aと、出口となったログ取得中継処理装置10cとを特定することが可能となる。
【0033】
続いて、ログ取得中継処理装置10cは、当該電文をエリアCの中継処理装置20Cに送出する(S309)。なお、ログ取得中継処理装置10cは、エリアBにおいては出口となり、エリアCにおいては入り口となる。したがって、ステップS309において中継処理装置20Cに送出する前に、ログ取得中継処理装置10cは、ログ取得中継処理装置10aがステップS101〜S103において行った処理をエリアCの入り口として実行する。
【0034】
次に、電文に付加されたログ情報に基づいてネットワークシステム1の障害調査を行うための処理について説明する。図6は、本実施の形態のネットワークシステムにおける障害調査処理を説明するための図である。
【0035】
図5においては便宜上説明を省略したが、エリアBからの出口となるログ取得中継処理装置10cは、電文よりログ情報の履歴を取得すると(S311)、当該ログ情報の履歴を解析し、当該電文の中継に関する障害の有無を判定する(S312)。例えば、ログ情報に障害情報が含まれている場合、或る中継処理装置20の処理時間が規定値を超えている場合、又は二つの中継処理装置20の間の伝送時間が規定値を超えている場合等は、障害有りと判定する。或る中継処理装置20の処理時間については、ログ情報の履歴のうち、当該中継処理装置20のログ情報において、処理開始時刻と処理終了時刻とに基づいて算出すればよい。また、伝送時間については、ログ情報の履歴に記録されている、前の中継処理装置20の処理終了時刻と次の中継処理装置20の処理開始時刻とに基づいて算出すればよい。
【0036】
障害が検出されなかった場合は、図5において説明したような通常の中継処理が実行される。一方、障害が検出された場合、ログ取得中継処理装置10cは、障害の検出を集中管理装置30に通知する(S313)。この際、少なくとも、障害が検出された中継処理装置20の中継点識別情報が通知される。また、当該電文のエリアB内における経路情報も通知されてもよい。経路情報は、例えば、当該電文が通過した順に中継点識別情報が並べられた情報をいい、ログ情報の履歴に基づいて作成される。
【0037】
障害の検出の通知を受けた集中管理装置30は、障害調査用の電文(以下「調査電文」という。)を作成する(S411)。
【0038】
図7は、調査電文の例を示す図である。図7において調査電文60は、電文種別識別子、調査対象識別子、調査内容、及び経路情報等を含む。電文種別識別子は、当該電文が調査電文60であることをログ取得中継処理装置10及び中継処理装置20に識別させるための情報である。例えば、この値が「1」であれば、当該電文は調査電文60であると識別される。調査対象識別子は、障害が検出された中継処理装置20の中継点識別情報である。調査内容は、例えば、メモリの使用状況の取得、バッファ使用状況の取得、又はディスクアクセスエラー回数の取得等、調査対象とされた中継処理装置20に実行させる調査処理の内容(調査情報取得処理の実行命令)である。経路情報は、障害が検出された電文に係る経路情報である。
【0039】
続いて、集中管理装置30は、経路情報に基づいて、エリアBでの入り口となったログ取得中継処理装置10aに調査電文60を送信することにより、調査電文60のエリアBへの送信を指示する(S412)。
【0040】
調査電文60を受信したログ取得中継処理装置10aは、調査電文60に含まれている経路情報に従って、次の中継処理装置20Bに調査電文60を送信する(S111)。中継処理装置20Bは、調査電文60を受信すると、調査電文60に含まれている調査対象識別子に基づいて自らが調査対象であるか否かを判定する(S211)。調査対象で無い場合、中継処理装置20Bは、経路情報に従って次の中継処理装置20Bに調査電文60を送信する(S214)。調査対象である場合、中継処理装置20Bは、調査電文60に指定されている調査内容に従って、調査を実行し、その結果として調査情報(例えば、メモリの使用状況、バッファ使用状況、又はディスクアクセスエラー回数等)を取得する(S212)。続いて、中継処理装置20Bは、当該調査情報を調査電文60に付加する(S213)。
【0041】
図8は、調査情報が付加された調査電文の例を示す図である。図8において、調査電文60aの最後には調査情報が付加されている。
【0042】
続いて、中継処理装置20Bは、経路情報に従って次の中継処理装置20Bに調査電文60aを送信する(S214)。
【0043】
経路情報に従って調査電文60aが中継された結果、エリアBの出口のログ取得中継処理装置10cが調査電文60a(調査情報取得済電文)を受信すると(S314)、ログ取得中継処理装置10cは、調査電文60aを集中管理装置30に送信する(S315)。
【0044】
集中管理装置30は、調査電文60aを受信すると、調査電文60aに付加された調査情報に基づいて、障害の原因等の調査を実行する(S413)。障害の調査は、集中管理装置30によって自動的に行われても良いし、管理者等によって行われても良い。
【0045】
なお、調査電文60において経路情報は必ずしも必要ではない。この場合、通常の行き先判定ロジックに従って、調査電文60は、調査対象の中継処理装置20Bに伝送される。但し、経路情報に従って調査電文60を伝送することにより、障害が検出された際と同じ経路を再現させることができる。
【0046】
次に、ログ情報に基づいて障害の発生が検出された場合や、調査情報に基づいて障害の原因が確認された場合等に、当該障害を回復するために実行される処理について説明する。図9は、本実施の形態のネットワークシステムにおける障害回復処理を説明するための図である。
【0047】
まず、集中管理装置30は、ログ情報又は調査情報等に基づいて障害回復用の電文(以下「障害回復電文」という。)を作成する(S421)。
【0048】
図10は、障害回復電文の例を示す図である。図10において障害回復電文70は、電文種別識別子、障害回復対象識別子、障害回復処理内容、及び経路情報等を含む。電文種別識別子は、当該電文が障害回復電文70であることをログ取得中継処理装置10及び中継処理装置20に識別させるための情報である。例えば、この値が「2」であれば、当該電文は障害回復電文70であると識別される。障害回復対象識別子は、障害の回復対象とされる中継処理装置20の中継点識別情報である。障害回復処理内容は、例えば、メモリ、バッファ等のクリアや、パラメータの変更等、障害回復対象とされた中継処理装置20に実行させる障害回復処理の内容(障害回復処理の実行命令)である。経路情報は、障害が検出された電文に係る経路情報である。
【0049】
続いて、集中管理装置30は、経路情報に基づいて、当該電文についてエリアBでの入り口となったログ取得中継処理装置10aに障害回復電文70を送信することにより、障害回復電文70のエリアBへの送信を指示する(S422)。
【0050】
障害回復電文70を受信したログ取得中継処理装置10aは、障害回復電文70に含まれている経路情報に従って、次の中継処理装置20Bに障害回復電文70を送信する(S121)。中継処理装置20Bは、障害回復電文70を受信すると、障害回復電文70に含まれている障害回復対象識別子に基づいて自らが障害回復対象であるか否かを判定する(S221)。障害回復対象で無い場合、中継処理装置20Bは、経路情報に従って次の中継処理装置20Bに障害回復電文70を送信する(S224)。障害回復対象である場合、中継処理装置20Bは、障害回復電文70に指定されている障害回復処理内容に従って、障害回復処理を実行する(S222)。続いて、中継処理装置20Bは、障害回復状況を示す情報(例えば、メモリの使用状況、バッファ使用状況、又はディスクアクセスエラー回数等)を取得し(S222)、当該障害回復状況情報を障害回復電文70に付加する(S223)。
【0051】
図11は、障害回復状況情報が付加された障害回復電文の例を示す図である。図11において、障害回復電文70aの最後には障害回復状況情報が付加されている。
【0052】
続いて、中継処理装置20Bは、経路情報に従って次の中継処理装置20Bに障害回復電文70aを送信する(S224)。
【0053】
経路情報に従って障害回復電文70aが中継された結果、エリアBの出口のログ取得中継処理装置10cが障害回復電文70a(障害回復済電文)を受信すると(S321)、ログ取得中継処理装置10cは、障害回復電文70aを集中管理装置30に送信する(S322)。
【0054】
集中管理装置30は、障害回復電文70aを受信すると、障害回復電文70aに付加された障害回復状況情報に基づいて、障害の回復状況等の確認を実行する(S423)。障害回復状況の確認は、集中管理装置30によって自動的に行われても良いし、管理者等によって行われても良い。
【0055】
なお、図6及び図9において、集中管理装置30が行っていた処理を、エリアの出口となるログ取得中継処理装置10cが行ってもよい。
【0056】
上述したように、本実施の形態におけるネットワークシステム1によれば、ログ情報は、中継処理装置20において電文に付加され、ログ取得中継処理装置10においてのみログファイル110へ書き込まれる。したがって、中継処理装置20におけるログファイル書き込み機能を省略することができる。また、中継処理装置20におけるログ情報の書き込み時間が省略でき、ネットワークシステム全体における電文の通過時間を短縮することができる。
【0057】
また、経由した順番で中継処理装置20のログ情報が付加されていくため、複数の中継処理装置20からログ情報を回収したり、マージしたりすることなく電文に付加されたログ情報を解析するだけで、当該電文の経路や各中継点における通過時刻を把握することができる。したがって、ログ情報の回収やマージに必要とされる時間や手間を省略することができ、タイムリーなネットワークの監視と、障害発生時の迅速な対応が可能となる。
【0058】
また、調査時や障害回復処理時には、調査電文60又は障害回復電文70に経路情報を付加し、当該経路情報に従って調査電文60又は障害回復電文70を中継させるため、障害が発生時と同一の経路を再現させることができ、障害発生時により近い状態において調査情報の取得、障害回復処理を実行することができる。
【0059】
また、エリア内での電文通過経路は、電文がエリアから出た際のログ取得中継処理装置10に保存され、電文がエリアに入った際及び出た際のログ取得中継処理装置10の中継点識別情報は集中管理装置30に取得されているため、エリア内を通過した全ての電文の通過経路を効率よく管理することができる。すなわち、仮に、全てのログ情報を集中管理装置30で管理しようとすると、集中管理装置30のディスク容量が圧迫されたり、集中管理装置30へのネットワーク負荷が高くなったりすることが考えられる。
【0060】
なお、集中管理装置30を統合する、統合集中管理装置を階層的に設置する事により、複数エリアを通過する全ての電文について通過経路を管理するようにしてもよい。この場合、複数エリアに関わる障害発生についても経路のトレース、障害情報の収集、障害の修復を行うことが可能となる。
【0061】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0062】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムであって、
第一の中継処理装置は、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加し、
第二の中継処理装置は、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録することを特徴とするネットワークシステム。
(付記2)
前記ネットワークシステムは、前記第二の中継処理装置によって複数のエリアに分割され、
前記第二の中継処理装置は、前記エリアをまたがって中継される前記電文に付加されている前記ログ情報を前記記憶装置に記録することを特徴とする付記1記載のネットワークシステム。
(付記3)
前記第一の中継処理装置は、当該第一の中継処理装置を識別する識別情報を前記ログ情報に含めて前記電文に付加することを特徴とする付記1又は2記載のネットワークシステム。
(付記4)
前記電文に付加されている前記ログ情報に基づいて当該ネットワークシステムの障害を検出し、前記障害を調査するための調査情報取得処理の実行命令と前記調査情報取得処理を実行させる前記中継処理装置の識別情報とが付加された調査電文を作成し、前記調査電文を前記中継処理装置に中継させる調査電文作成装置を有し、
前記識別情報に係る前記中継処理装置は、前記調査情報取得処理の実行命令に従って前記調査情報を取得することを特徴とする付記3記載のネットワークシステム。
(付記5)
前記電文に付加されている前記ログ情報に基づいて当該ネットワークシステムの障害を検出し、前記障害を回復するための障害回復処理の実行命令と前記障害回復処理を実行させる前記中継処理装置の識別情報とが付加された障害回復電文を作成し、前記障害回復電文を前記中継処理装置に中継させる障害回復電文作成装置を有し、
前記識別情報に係る前記中継処理装置は、前記障害回復処理の実行命令に従って前記障害回復処理を実行することを特徴とする付記3又は4記載のネットワークシステム。
(付記6)
前記ログ情報に含まれている前記中継処理装置の識別情報に基づいて前記電文の経路を特定し、前記経路を示す経路情報が付加された電文を作成し、前記経路情報が付加された電文を前記中継処理装置に中継させる電文作成装置を有し、
前記中継処理装置は、前記経路情報が付加された電文を、当該経路情報に従って中継することを特徴とする付記3乃至5いずれか一項記載のネットワークシステム。
(付記7)
前記第二の中継処理装置は、前記電文の中継に応じ、所定のコンピュータに前記電文の識別情報と当該中継処理装置の識別情報とを送信し、
前記所定のコンピュータは、前記電文の識別情報と前記中継処理装置の識別情報とを関連付けて記憶装置に記録することを特徴とする付記1乃至6いずれか一項記載のネットワークシステム。
(付記8)
ネットワークシステムにおいて電文を中継する中継処理装置であって、
前記電文を中継するときに当該中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加することを特徴とする中継処理装置。
(付記9)
前記中継処理装置は、当該中継処理装置を識別する識別情報を前記ログ情報に含めて前記電文に付加することを特徴とする付記8記載の中継処理装置。
(付記10)
複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムにおけるログ情報管理方法であって、
第一中継処理装置が、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加する手順と、
第二の中継処理装置が、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録する手順とを有することを特徴とするログ情報管理方法。
(付記11)
ネットワークシステムにおいて電文を中継する中継処理装置に、
前記電文を中継するときに当該中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加させる手順を実行させるためのログ情報管理プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】従来のネットワークシステムにおけるログ情報の管理形態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるログ情報の管理形態の概要を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるログ取得中継処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】本実施の形態のネットワークシステムにおける電文の中継処理の処理手順を説明するための図である。
【図6】本実施の形態のネットワークシステムにおける障害調査処理を説明するための図である。
【図7】調査電文の例を示す図である。
【図8】調査情報が付加された調査電文の例を示す図である。
【図9】本実施の形態のネットワークシステムにおける障害回復処理を説明するための図である。
【図10】障害回復電文の例を示す図である。
【図11】障害回復状況情報が付加された障害回復電文の例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 ネットワークシステム
10a、10b、10c ログ取得中継処理装置
20A1、20A2、20B1、20B2、20B3、20B4、20C1、20C2、20D1 中継処理装置
30 集中管理装置
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 演算処理装置
105 インタフェース装置
110、110a、110b、110c ログファイル
500a、500b、500c 中継処理装置
510a、510b、510c ログファイル
B バス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムであって、
第一の中継処理装置は、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加し、
第二の中継処理装置は、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記ネットワークシステムは、前記第二の中継処理装置によって複数のエリアに分割され、
前記第二の中継処理装置は、前記エリアをまたがって中継される前記電文に付加されている前記ログ情報を前記記憶装置に記録することを特徴とする請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記第一の中継処理装置は、当該第一の中継処理装置を識別する識別情報を前記ログ情報に含めて前記電文に付加することを特徴とする請求項1又は2記載のネットワークシステム。
【請求項4】
ネットワークシステムにおいて電文を中継する中継処理装置であって、
前記電文を中継するときに当該中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加することを特徴とする中継処理装置。
【請求項5】
複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムにおけるログ情報管理方法であって、
第一中継処理装置が、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加する手順と、
第二の中継処理装置が、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録する手順とを有することを特徴とするログ情報管理方法。
【請求項1】
複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムであって、
第一の中継処理装置は、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加し、
第二の中継処理装置は、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記ネットワークシステムは、前記第二の中継処理装置によって複数のエリアに分割され、
前記第二の中継処理装置は、前記エリアをまたがって中継される前記電文に付加されている前記ログ情報を前記記憶装置に記録することを特徴とする請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記第一の中継処理装置は、当該第一の中継処理装置を識別する識別情報を前記ログ情報に含めて前記電文に付加することを特徴とする請求項1又は2記載のネットワークシステム。
【請求項4】
ネットワークシステムにおいて電文を中継する中継処理装置であって、
前記電文を中継するときに当該中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加することを特徴とする中継処理装置。
【請求項5】
複数の中継処理装置によって電文を中継するネットワークシステムにおけるログ情報管理方法であって、
第一中継処理装置が、前記電文を中継するときに当該第一の中継処理装置における当該電文に関する処理のログ情報を当該電文に付加する手順と、
第二の中継処理装置が、前記電文に付加されている前記ログ情報を記憶装置に記録する手順とを有することを特徴とするログ情報管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−228027(P2008−228027A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64825(P2007−64825)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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