説明

ネットワークテレビジョン受信機

【課題】ネットワークテレビジョン受信機において、受信したコンテンツのレーティング・レベルが、工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルである場合でも、ユーザが、そのレーティング・レベルの種類に応じた個別の視聴年齢制限の設定を行うことを可能にする。
【解決手段】受信したコンテンツのレーティング・レベルが、工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルである場合でも、ユーザが、ユーザレーティングロック設定画面51とリモコンとを用いて、その(想定しなかった)レーティング・レベルの種類に応じた個別の視聴年齢制限の設定を行うことができるようにした。これにより、受信したコンテンツのレーティング・レベルの中に、工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルが含まれる場合でも、ユーザから、製造メーカに対して種々のクレームが寄せられることを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画のコンテンツを配信する動画配信用サーバとネットワークを介して接続されて、この動画配信用サーバから配信されたコンテンツを受信するネットワークテレビジョン受信機に係り、より詳細には、ペアレンタルロックの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビジョン受像機やDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ等の映像音声機器において、保護者が子供の視聴できるテレビ番組やコンテンツを制限する機能であるペアレンタルロック(視聴年齢制限)機能を有するものがある。この種の装置では、レーティグ・レベルに基づいてユーザの視聴年齢制限処理を行うものが多い。
【0003】
一方、近年、インターネット等のネットワークを介して、動画のコンテンツを配信する動画配信サービスが広まっている。この動画配信サービスでは、動画配信サービス業者が有する動画配信用サーバが、ネットワークを介して、インターネットテレビジョン受像機等のネットワークテレビジョン受信機にコンテンツを送信(配信)する。
【0004】
ところが、上記の動画配信サービスでは、テレビ番組や映画等の種々のタイプのコンテンツが配信され得るため、想定外のレーティング・レベルを持ったコンテンツや、新しいレーティング・レベルを持ったコンテンツが配信される可能性がある。これに対して、ネットワークテレビジョン受信機の側では、メーカが工場出荷時に想定しなかった(未知の)レーティング・レベルに基づいてユーザの視聴年齢制限処理を行うことはできなかった。このような場合の対応策として(受信したコンテンツのレーティング・レベルが、想定外のレーティング・レベルである場合に)、受信したコンテンツの視聴を無条件にブロックする(視聴不可にする)ことも可能であるが、メーカが工場出荷時に想定しなかった(未知の)レーティング・レベルが複数存在する場合には、ユーザが、それらの(未知の)レーティング・レベルに対して、レーティング・レベルの種類に応じた個別の対応を行うことはできなかった。このため、ユーザから、ネットワークテレビジョン受信機の製造メーカに対して種々のクレームが寄せられることが起こり得る。
【0005】
ところで、ネットワークテレビジョン受信機の分野において、動画配信用サーバからネットワークテレビジョン受信機に送信されるコンテンツ情報の中に、レーティングに関する情報が含まれる点を開示した文献としては、下記の特許文献1乃至3が知られている。また、特許文献4には、テレビ番組及びこのテレビ番組に対応するコンテンツ情報を通信手段によって受信し、予め自機のHDDに登録されている所定のキーワードが、受信したコンテンツ情報に含まれている場合には、コンテンツ情報に対応するテレビ番組をネットワークに接続された機器に非公開とするように設定するレコーダが開示されている。しかしながら、上記特許文献1乃至4の装置では、上記の問題を解消することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−135775号公報
【特許文献2】特開2009−93355号公報
【特許文献3】特開2009−17013号公報
【特許文献4】特開2008−59386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、受信したコンテンツのレーティング・レベルが、本装置の製造メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルである場合でも、ユーザが、そのレーティング・レベルの種類に応じた個別の視聴年齢制限の設定を行うことが可能なネットワークテレビジョン受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、動画のコンテンツを配信する動画配信用サーバとネットワークを介して接続され、複数の一般的なレーティグ・レベルと、これらのレーティグ・レベルに対応する視聴年齢制限情報とを格納した一般レーティグテーブルと、前記動画配信用サーバから送信されたコンテンツ、及び送信されたコンテンツに関するコンテンツ情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信したコンテンツ情報から、受信したコンテンツのレーティング・レベルを抽出するレーティング・レベル抽出手段と、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルに格納されているときに、このレーティング・レベルについての視聴年齢制限情報を前記一般レーティグテーブルから読み取る視聴年齢制限情報読取手段と、前記視聴年齢制限情報読取手段により読み取った視聴年齢制限情報に基づいて、前記受信手段により受信した前記コンテンツについての視聴年齢制限処理を行う視聴年齢制限手段とを備えたネットワークテレビジョン受信機において、前記一般レーティグテーブルに格納されていないレーティング・レベルと、このレーティグ・レベルに対応する視聴年齢制限情報とを格納するためのユーザレーティグテーブルと、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルと前記ユーザレーティグテーブルのいずれかに格納されているか否かを判定するレーティング・レベル格納判定手段と、前記レーティング・レベル格納判定手段により、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルと前記ユーザレーティグテーブルのいずれにも格納されていないと判定されたときに、このレーティング・レベルに対応する視聴年齢制限情報をユーザに設定させるためのユーザレーティグ情報設定手段とをさらに備え、前記ユーザレーティグテーブルに格納されたレーティング・レベルと視聴年齢制限情報とは、前記レーティング・レベル格納判定手段により前記格納されていないと判定されたときのレーティング・レベルと、このレーティング・レベルについて前記ユーザレーティグ情報設定手段により設定された視聴年齢制限情報とであり、前記視聴年齢制限情報読取手段は、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルに格納されていないときに、このレーティング・レベルについての視聴年齢制限情報を前記ユーザレーティグテーブルから読み取るようにしたものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のネットワークテレビジョン受信機において、前記レーティング・レベル格納判定手段により、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルと前記ユーザレーティグテーブルのいずれにも格納されていないと判定されたときに、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルのデータが、文字に相当するコードのデータのみから構成されているか否かを判定する文字判定手段をさらに備え、前記文字判定手段により文字に相当するコードのデータのみから構成されていると判定されたときに、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルを、前記ユーザレーティグテーブルにそのまま記憶させるようにしたものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載のネットワークテレビジョン受信機において、前記文字判定手段により文字に相当するコードのデータのみから構成されていないと判定されたときに、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルに対応する仮の名前のレーティング・レベルを、前記ユーザレーティグテーブルに記憶させるようにしたものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のネットワークテレビジョン受信機において、前記受信手段は、前記コンテンツ情報を、前記動画配信用サーバから、XML(eXtensible Markup Language)ドキュメント又はHTML(HyperText Markup Language)ドキュメントの形式で受信するものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、受信したコンテンツのレーティング・レベルが、本装置の製造メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルである場合でも(一般レーティグテーブルに格納された一般的なレーティグ・レベルではない場合でも)、このレーティング・レベルに対応する視聴年齢制限情報をユーザに設定させるためのユーザレーティグ情報設定手段を設けたことにより、ユーザが、その(想定しなかった)レーティング・レベルの種類に応じた個別の視聴年齢制限の設定を行うことができる。これにより、受信したコンテンツのレーティング・レベルの中に、本装置の製造メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルが含まれる場合でも、ユーザから、ネットワークテレビジョン受信機の製造メーカに対して種々のクレームが寄せられることを防ぐことができる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、受信したコンテンツのレーティング・レベルが、本装置の製造メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルである場合でも、このレーティング・レベルを、ユーザレーティグテーブルに容易に記憶させることができる。
【0014】
また、請求項3の発明によれば、受信したコンテンツのレーティング・レベルが、本装置の製造メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルである場合に、受信したコンテンツ情報から抽出されたレーティング・レベルのデータが、文字に相当するコードのデータのみから構成されていないときでも、抽出されたレーティング・レベルに対応するレーティング・レベルを、ユーザレーティグテーブルに容易に記憶させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るインターネットテレビジョン受像機の電気的ブロック構成図。
【図2】同インターネットテレビジョン受像機の一般レーティグテーブルに格納されるデータの例を示す図。
【図3】同インターネットテレビジョン受像機のユーザレーティグテーブルに格納されるデータの例を示す図。
【図4】同インターネットテレビジョン受像機の液晶パネルに表示されるペアレンタルロック設定画面を示す図。
【図5】同インターネットテレビジョン受像機の液晶パネルに表示されるユーザレーティングロック設定画面を示す図。
【図6】同インターネットテレビジョン受像機における視聴年齢制限(ペアレンタルロック)処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明のネットワークテレビジョン受信機がインターネットテレビジョン受像機である場合の例について説明する。図1は、本実施形態によるインターネットテレビジョン受像機10(以下、「インターネットTV受像機」という)を含む動画配信システム1を示す。この動画配信システム1は、主に、動画配信サービス業者側に配されて動画のコンテンツを配信する動画配信用サーバ2と、この動画配信用サーバ2から配信されたコンテンツを受信して再生表示するインターネットTV受像機10とから構成されている。動画配信用サーバ2とインターネットTV受像機10とは、インターネット3(請求項におけるネットワーク)とルータ4とLAN(Local Area Network)5とを介して接続されている。
【0017】
インターネットTV受像機10は、自機の主要な機能を実現するための各種回路を搭載した半導体チップであるSoC11と、自機の設定データ等の各種データを記憶するRAM12と、液晶モジュール13と、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:低電圧差動信号処理方式)インタフェース14(以下、LVDSと略す)と、スピーカ15と、リモートコントロール信号(以下、リモコン信号と略す)を受信するためのリモコン信号受信部16とを備えている。また、インターネットTV受像機10は、ユーザからの指示操作に応じたリモコン信号を送信するリモートコントローラ(以下、リモコンと略す)18を有している。主に、このリモコン18と後述するユーザレーティングロック設定画面51とが、請求項におけるユーザレーティグ情報設定手段に相当する。
【0018】
上記のLVDS14は、SoC11から液晶モジュール13への(コンテンツの)映像信号伝送用のディジタルインタフェース回路(ディジタル信号処理回路)である。
【0019】
上記のSoC11は、装置全体の制御を行うCPU20(請求項におけるレーティング・レベル抽出手段、視聴年齢制限情報読取手段、視聴年齢制限手段、レーティング・レベル格納判定手段、及び文字判定手段)、送受信部21(受信手段)、及びデコーダ22等の回路を搭載している。送受信部21は、インターネット3、ルータ4、LAN5及びイーサネット(登録商標)コネクタ10aを介して、動画配信用サーバ2から送信されたコンテンツ、及び送信されたコンテンツに関するコンテンツ情報を受信する。デコーダ22は、送受信部21により受信したMPEG形式のコンテンツの圧縮データをデコードして、映像信号と音声信号とを生成し、生成した映像信号をLVDS14を介して液晶モジュール13に出力すると共に、生成した音声信号をスピーカ15に出力する。
【0020】
上記液晶モジュール13は、主に、液晶パネルと、駆動用プリント基板と、バックライトから構成されており、SoC11からLVDS14を介して受信した映像信号に基づく映像を液晶パネルに表示する。
【0021】
上記RAM12に格納されている設定データには、一般レーティグテーブル31とユーザレーティグテーブル32とが含まれる。図2に示されるように、一般レーティグテーブル31には、複数の一般的なレーティグ・レベル31bと、これらのレーティグ・レベル31bに対応する視聴年齢制限情報31cに加えて、各レーティグ・レベル31bがどのようなタイプのコンテンツについてのレーティグ・レベルであるかを示すコンテンツタイプ31aが格納されている。また、図3に示されるように、ユーザレーティグテーブル32には、一般レーティグテーブルに格納されていない(メーカが工場出荷時に想定しなかった)レーティング・レベル32aと、各レーティング・レベル32aに対応する視聴年齢制限情報32bとが格納されている。視聴年齢制限情報31c及び視聴年齢制限情報32bにおいて、”YES”は、「視聴年齢制限有り」を意味し、”NO”は、「視聴年齢制限なし」を意味する。
【0022】
次に、このインターネットTV受像機10における視聴年齢制限(ペアレンタルロック)の設定用の画面について説明する。図4は、ペアレンタルロック設定画面41を示す。このペアレンタルロック設定画面41は、設定するペアレンタルロックの種類の選択用の画面である。図に示される「時間帯ロック」とは、時間帯で視聴を制限する(例えば、夜10時以降における視聴を行う場合にはパスワード入力を要求する)というタイプのペアレンタルロックであり、「チャンネルロック」とは、特定のチャンネルの視聴を制限する(例えば、9チャンネルを視聴する場合にはパスワード入力を要求する)というタイプのペアレンタルロックである。また、「TVレーティングロック」とは、テレビ(TV)番組用のペアレンタルロックであり、「ムービーレーティングロック」とは、映画用のペアレンタルロックである。また、「ユーザレーティングロック」とは、メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルについてのペアレンタルロックである。
【0023】
ユーザは、ペアレンタルロック設定画面41に表示された複数の種類のペアレンタルロックの中から、設定するペアレンタルロックの種類を、リモコン18により選択する。ペアレンタルロック設定画面41において選択されたペアレンタルロックの種類は、図4に示されるように強調表示(網掛け表示)される。この状態で、ユーザがリモコン18の決定キー(不図示)を押すと、液晶モジュール13の液晶パネルに表示される画面は、選択されたペアレンタルロックの種類に応じた視聴年齢制限の設定用の画面に遷移する。例えば、図4に示されるように、「(7)ユーザレーティングロック」が強調表示(網掛け表示)された状態で、ユーザがリモコン18の決定キーを押すと、液晶モジュール13の液晶パネルに表示される画面は、図5に示される「ユーザレーティングロック」の設定用画面(ユーザレーティングロック設定画面51)に遷移する。
【0024】
図5に示されるユーザレーティングロック設定画面51は、メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルについての視聴年齢制限を設定するための画面である。図に示されるチェックボックス52、53は、それぞれレーティング・レベル「UR」と「レーティング・レベル1」とについての視聴年齢制限設定用のチェックボックスである。図に示される例では、チェックボックス52がチェックされていないので、レーティング・レベル「UR」については、「視聴年齢制限なし」に設定される。一方、チェックボックス53がチェックされているので、レーティング・レベル「レーティング・レベル1」については、「視聴年齢制限有り」に設定される。また、ユーザレーティングロック設定画面51における設定内容は、上記のユーザレーティグテーブル32における視聴年齢制限情報32bに反映される。すなわち、図5に示されるチェックボックス52、53の設定を更新することにより、ユーザレーティグテーブル32における視聴年齢制限情報32bの内容を更新することができる。
【0025】
なお、図4に示される各種のペアレンタルロックのうち、(7)ユーザレーティングロック以外のペアレンタルロックの種類を選択した場合にも、選択したペアレンタルロックの種類に対応したロック設定画面が表示される。例えば、ユーザが、(3)TVレーティングロックをリモコン18により選択した場合には、テレビ(TV)番組用の各レーティング・レベルについての視聴年齢制限を設定するための画面が表示され、ユーザが、(4)ムービーレーティングロックをリモコン18により選択した場合には、映画用の各レーティング・レベルについての視聴年齢制限を設定するための画面が表示される。また、これらの設定画面における設定内容は、上記の一般レーティグテーブル31における視聴年齢制限情報31cに反映される。
【0026】
次に、このインターネットTV受像機10における視聴年齢制限(ペアレンタルロック)処理について、図6を参照して説明する。インターネットTV受像機10の送受信部21が、インターネット3、ルータ4、LAN5及びイーサネット(登録商標)コネクタ10aを介して、動画配信用サーバ2から、コンテンツと、このコンテンツに関するXML(eXtensible Markup Language)ドキュメント形式のコンテンツ情報とを受信すると(S1)、インターネットTV受像機10のCPU20は、受信したXMLドキュメント形式のコンテンツ情報から、受信したコンテンツのレーティング・レベルを抽出して(S2)、抽出したレーティング・レベルを(一時的に)RAM12に格納する(S3)。
【0027】
次に、CPU20は、上記S3で格納したレーティング・レベルが既知であるか否かを確認する(S4)。具体的には、CPU20は、上記S3で格納したレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、一般レーティグテーブル31とユーザレーティグテーブル32のいずれかに既に格納されているか否かを判定する。そして、この判定の結果、いずれかのテーブル31、32に既に格納されていると判定した場合は(S4でYES)、CPU20は、このレーティング・レベルについての視聴年齢制限情報を、一般レーティグテーブル31又はユーザレーティグテーブル32から読み取り、読み取った視聴年齢制限情報に基づき、上記S1で受信したコンテンツについて、上記S2で抽出したレーティング・レベルに応じた視聴年齢制限処理を行う(S5)。
【0028】
具体的には、CPU20は、上記S3で格納したレーティング・レベルが、図2に示される一般レーティグテーブル31と図3に示されるユーザレーティグテーブル32のいずれかに格納されている場合には、このレーティング・レベルについての視聴年齢制限情報31c又は32bを、一般レーティグテーブル31又はユーザレーティグテーブル32から読み取る。視聴年齢制限情報の読み取りの順番としては、一般レーティグテーブル31の視聴年齢制限情報31cの方を先に読み取る。すなわち、CPU20は、上記S3で格納した(上記S2で抽出した)レーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、一般レーティグテーブル31に格納されていないときに、このレーティング・レベルについての視聴年齢制限情報をユーザレーティグテーブル32から読み取る。そして、読み取った視聴年齢制限情報31c又は32bが、”YES”(視聴年齢制限有り)の場合には、CPU20は、パスワード入力画面を表示してユーザ(視聴者)にパスワードの入力を促し、ユーザが正しいパスワードを入力しなかった場合には(ユーザが視聴年齢に達しておらず、パスワードを教えてもらっていない場合には)、デコーダ22から映像信号と音声信号を出力しないようにする。これにより、視聴年齢に達しないユーザ(視聴者)が、上記S1で受信したコンテンツを視聴できないようにする。
【0029】
これに対して、ユーザが正しいパスワードを入力した場合(ユーザが視聴年齢に達しており、パスワードを知っている場合)や、読み取った視聴年齢制限情報31c又は32bが、”NO”(視聴年齢制限なし)の場合には、CPU20は、パスワード入力画面を表示せず、デコーダ22から映像信号と音声信号を出力する。これにより、視聴年齢に達しているユーザ(視聴者)が、上記S1で受信したコンテンツを視聴できるようにする。
【0030】
CPU20は、上記S3で格納したレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、一般レーティグテーブル31とユーザレーティグテーブル32のいずれにも格納されていない(既知ではない)と判定した場合は(S4でNO)、このレーティング・レベルに対応する視聴年齢制限情報をユーザに設定させるための準備処理を行う。具体的には、CPU20は、受信した(コンテンツ情報に含まれる想定外の)レーティング・レベルを保存することを液晶モジュール13の液晶パネルにOSD表示する(S6)。そして、CPU20は、上記S2で抽出したレーティング・レベルのデータが、文字列として保存可能か否か(文字に相当するコードのデータのみから構成されているか否か)を判定する(S7)。
【0031】
上記の判定の結果、文字列として保存可能である(文字に相当するコードのデータのみから構成されている)場合には(S7でYES)、CPU20は、上記S2で抽出したレーティング・レベルを、ユーザレーティグテーブル32にそのまま記憶させる。すなわち、ユーザレーティングロック設定画面51における表示項目として(表示用のレーティング・レベルのデータ(ユーザレーティグテーブル32のレーティング・レベル32a)として)、上記S2で抽出したレーティング・レベルの文字列を保存する(S8)。例えば、上記S2で抽出したレーティング・レベルが、図5に示される「UR」であった場合には、このレーティング・レベルのデータが、文字列として保存可能である(文字に相当するコードのデータのみから構成されている)ので、CPU20は、このレーティング・レベル(「UR」)を、ユーザレーティングロック設定画面51における表示項目として(レーティング・レベル32aとして)、ユーザレーティグテーブル32に記憶させる。
【0032】
上記S7における判定の結果、文字列として保存可能でない(文字に相当するコードのデータのみから構成されていない)場合には(S7でNO)、CPU20は、上記S2で抽出したレーティング・レベルに対応する仮の名前のレーティング・レベルを、ユーザレーティグテーブル32に記憶させる(S9)。この場合の仮の名前としては、例えば、図5に示される「レーティング・レベル1」があげられる。
【0033】
上記のように、本実施形態のインターネットTV受像機10によれば、受信したコンテンツのレーティング・レベルが、本装置の製造メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルである場合でも(一般レーティグテーブル31に格納された一般的なレーティグ・レベル31aではない場合でも)、ユーザが、ユーザレーティングロック設定画面51とリモコン18とを用いて、その(想定しなかった)レーティング・レベルの種類に応じた個別の視聴年齢制限の設定を行うことができる。これにより、受信したコンテンツのレーティング・レベルの中に、インターネットTV受像機10の製造メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルが含まれる場合でも、ユーザから、インターネットTV受像機10の製造メーカに対して種々のクレームが寄せられることを防ぐことができる。
【0034】
また、本実施形態のインターネットTV受像機10によれば、受信したコンテンツのレーティング・レベルが、インターネットTV受像機10の製造メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルである場合でも、このレーティング・レベルのデータが、文字に相当するコードのデータのみから構成されている場合には、このレーティング・レベルを、ユーザレーティグテーブル32に容易に記憶させることができる。
【0035】
また、本実施形態のインターネットTV受像機10によれば、受信したコンテンツのレーティング・レベルが、インターネットTV受像機10の製造メーカが工場出荷時に想定しなかったレーティング・レベルである場合に、受信したコンテンツ情報から抽出されたレーティング・レベルのデータが、文字に相当するコードのデータのみから構成されていないときでも、抽出されたレーティング・レベルに対応するレーティング・レベルを、ユーザレーティグテーブル32に容易に記憶させることができる。
【0036】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明をインターネットTV受像機に適用した場合の例を示したが、本発明を、モニタとは別体のインターネットTV受信機に適用してもよいし、インターネット以外の他のネットワークを介して動画配信用サーバに接続されるネットワークテレビジョン受信機に適用してもよい。また、上記実施形態では、インターネットTV受像機が、コンテンツ情報を、動画配信用サーバから、XMLドキュメントの形式で受信する場合の例を示したが、コンテンツ情報を、動画配信用サーバから、HTML(HyperText Markup Language)ドキュメントの形式で受信する場合にも、本発明を適用可能である。さらにまた、上記S2で抽出したレーティング・レベルのデータが、文字列として保存可能でない場合における仮の名前の命名規則は、上記のレーティング・レベル1〜レーティング・レベルnに限られない。
【0037】
また、上記実施形態では、読み取った視聴年齢制限情報31c又は32bが、”YES”(視聴年齢制限有り)の場合に、パスワード入力画面を表示してユーザ(視聴者)にパスワードの入力を促し、ユーザが、正しいパスワードを入力した場合に限り、デコーダ22から映像信号と音声信号を出力するようにしたが、読み取った視聴年齢制限情報が、”YES”(視聴年齢制限有り)の場合に、無条件に、デコーダから映像信号と音声信号を出力しないようにしてもよい。本発明のネットワークテレビジョン受信機が、子供の部屋に置かれている場合には、このような視聴年齢制限の方法をとっても、差し支えない。
【符号の説明】
【0038】
2 動画配信用サーバ
3 インターネット(ネットワーク)
18 リモコン(ユーザレーティグ情報設定手段)
20 CPU(レーティング・レベル抽出手段、視聴年齢制限情報読取手段、視聴年齢制限手段、レーティング・レベル格納判定手段、文字判定手段)
21 送受信部(受信手段)
31 一般レーティグテーブル
32 ユーザレーティグテーブル
51 ユーザレーティングロック設定画面(ユーザレーティグ情報設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画のコンテンツを配信する動画配信用サーバとネットワークを介して接続され、
複数の一般的なレーティグ・レベルと、これらのレーティグ・レベルに対応する視聴年齢制限情報とを格納した一般レーティグテーブルと、
前記動画配信用サーバから送信されたコンテンツ、及び送信されたコンテンツに関するコンテンツ情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信したコンテンツ情報から、受信したコンテンツのレーティング・レベルを抽出するレーティング・レベル抽出手段と、
前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルに格納されているときに、このレーティング・レベルについての視聴年齢制限情報を前記一般レーティグテーブルから読み取る視聴年齢制限情報読取手段と、
前記視聴年齢制限情報読取手段により読み取った視聴年齢制限情報に基づいて、前記受信手段により受信した前記コンテンツについての視聴年齢制限処理を行う視聴年齢制限手段とを備えたネットワークテレビジョン受信機において、
前記一般レーティグテーブルに格納されていないレーティング・レベルと、このレーティグ・レベルに対応する視聴年齢制限情報とを格納するためのユーザレーティグテーブルと、
前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルと前記ユーザレーティグテーブルのいずれかに格納されているか否かを判定するレーティング・レベル格納判定手段と、
前記レーティング・レベル格納判定手段により、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルと前記ユーザレーティグテーブルのいずれにも格納されていないと判定されたときに、このレーティング・レベルに対応する視聴年齢制限情報をユーザに設定させるためのユーザレーティグ情報設定手段とをさらに備え、
前記ユーザレーティグテーブルに格納されたレーティング・レベルと視聴年齢制限情報とは、前記レーティング・レベル格納判定手段により前記格納されていないと判定されたときのレーティング・レベルと、このレーティング・レベルについて前記ユーザレーティグ情報設定手段により設定された視聴年齢制限情報とであり、
前記視聴年齢制限情報読取手段は、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルに格納されていないときに、このレーティング・レベルについての視聴年齢制限情報を前記ユーザレーティグテーブルから読み取るようにしたことを特徴とするネットワークテレビジョン受信機。
【請求項2】
前記レーティング・レベル格納判定手段により、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルと同じレーティング・レベルが、前記一般レーティグテーブルと前記ユーザレーティグテーブルのいずれにも格納されていないと判定されたときに、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルのデータが、文字に相当するコードのデータのみから構成されているか否かを判定する文字判定手段をさらに備え、
前記文字判定手段により文字に相当するコードのデータのみから構成されていると判定されたときに、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルを、前記ユーザレーティグテーブルにそのまま記憶させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークテレビジョン受信機。
【請求項3】
前記文字判定手段により文字に相当するコードのデータのみから構成されていないと判定されたときに、前記レーティング・レベル抽出手段により抽出されたレーティング・レベルに対応する仮の名前のレーティング・レベルを、前記ユーザレーティグテーブルに記憶させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のネットワークテレビジョン受信機。
【請求項4】
前記受信手段は、前記コンテンツ情報を、前記動画配信用サーバから、XML(eXtensible Markup Language)ドキュメント又はHTML(HyperText Markup Language)ドキュメントの形式で受信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のネットワークテレビジョン受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−49742(P2012−49742A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188867(P2010−188867)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】