説明

ネットワークデバイス管理システム

【課題】 管理情報のエクスポートが可能なデバイスマップ機能を有するデバイス管理システムでは、複数の管理装置に同じデバイスマップの情報が保存される可能性があり、デバイスマップの編集が困難であった。
【解決手段】 デバイスマップ機能、および、管理情報のエクスポート機能を有するデバイス管理システムにおいて、デバイスマップに登録されたデバイスの管理情報をエクスポートする場合、デバイスマップを表示するためのURLに変換してエクスポートする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスマップ機能を有し、管理情報のインポート、および、エクスポートが可能な複数のネットワークデバイス管理装置を内包するネットワークデバイス管理システムと、同システムにおけるネットワークデバイスの管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ及びプリンタをはじめとする各種の周辺デバイスは、その資産を多くのユーザが共有できるようにするためローカルエリアネットワーク(LAN)によって相互に接続されることが一般的になってきた。
【0003】
このようなネットワーク環境では、ホストコンピュータからの要求を一括して処理するために、サーバと呼ばれるコンピュータが設置されることが一般的である。例えばプリンタの場合、複数のホストコンピュータからの印刷要求を一括して管理するためにはプリンタサーバが設けられる。
【0004】
プリンタサーバは、プリンタを共有するサービスを提供するコンピュータであり、クライアントからの要求に応じてプリンタの動作の設定や変更を行なう機能を有するものである。
【0005】
プリンタサーバの導入以前には、プリンタの動作状態を確認するためには、操作パネルを参照する以外に方法はなかった。しかし、多くのユーザで共有するプリンタは、必ずしもユーザが操作するコンピュータの近くに設置されているものではなかった。さらに、プリンタの操作パネルは一般的に表示情報が限られていることや、情報の表示領域が小さいことからプリンタの状態を正確に把握することは難しかった。
【0006】
これらの問題を解決するために、ネットワークに接続されたデバイスの動作を容易に把握することができるネットワークデバイス管理プログラムが導入されるようになってきた。
【0007】
一例としては、ユーザが操作するコンピュータ上で稼動し、画面上からプリンタの操作パネルを確認することができたり、プリンタの障害発生時にユーザに通知するようなソフトウェアがそれにあたる。
【0008】
また、大規模ネットワークを前提としたネットワークデバイス管理プログラムでは、膨大な数のネットワークデバイスを管理しなければならない場合ある。そのため、管理下のデバイス情報をインポート・エクスポート可能なネットワークデバイス管理プログラムが存在する。
【0009】
さらに、クライアントユーザに対して、実際にデバイスが設置されている場所を特定するためにオフィスのフロアを示すイメージ上にデバイスが設置された場所をアイコンなどで示すデバイスマップ機能を有するネットワークデバイス管理プログラムなども存在する。
【0010】
このデバイスマップ機能については特許文献1としてその管理方法が開示されている。
【0011】
特許文献1では、OA機器とサーバコンピュータとクライアント装置とを備えたOA機器管理システムにおいて、サーバコンピュータは、地図情報、OA機器の位置情報、および、それぞれの地図に対するサーバコンピュータの連携情報を記憶する。
【0012】
サーバコンピュータが、クライアント装置から連携する地図のOA機器の位置情報を書き換えたとする情報を受信した場合、受信情報に基づいて位置情報を書き換える手段を有する。
【0013】
さらに、サーバコンピュータはクライアント装置からOA機器の地図情報の要求を受信した場合、クライアント装置に対して地図情報、位置情報、サーバ連携情報を送信する送信手段とを有する。
【0014】
一方、クライアント装置は、位置情報を書き換える場合、サーバ連携情報を参照し、対応するサーバコンピュータに対して、位置情報を書き換えるための情報を送信する。さらに、クライアント装置がOA機器の地図に関する情報を取得する場合、サーバコンピュータに対してOA機器の地図に関する情報の要求を送信する。
【0015】
サーバコンピュータは、クライアント装置から送信された地図情報および前記位置情報を受信した場合、受信した情報に基づいて表示を行う手段とを有する。
【0016】
これにより、OA機器を共有する全てのクライアント装置において常に最新のOA機器の地図を取得することが可能となり、所望のOA機器の設置場所を用意に把握することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第4122851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記従来のネットワークデバイス管理プログラムでは、デバイスマップの背景用画像データ、配置したアイコンの位置情報などがエクスポート・インポート可能であり、複数のネットワーク管理プログラムが同じデバイスマップの情報を保持することが可能である。
【0019】
しかしながら、これらのデバイスマップの情報を複数のネットワークデバイス管理プログラムで保持した場合、組織の変更などでデバイスの配置を変更する際には対象となるすべてデバイスマップを編集なければならないといった重大な問題があった。
【0020】
また、特許文献1に開示されている技術の場合、クライアントにおいて編集をおこなったデバイスマップの情報をサーバコンピュータで一元管理することが可能となるが、サーバコンピュータとクライアント装置それぞれで異なる機能が必要となる。
【0021】
したがって、装置の構成が複雑になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するため、本発明のネットワークデバイス管理システムは、
ネットワークに接続されたデバイスと、デバイスと通信可能な複数のWWWサーバコンピュータ上で稼動するネットワークデバイス管理プログラムから構成されるネットワークデバイス管理システムであって、
前記ネットワークデバイス管理プログラムは、デバイスが設置された画像データ上にデバイスの設置位置を示すアイコンで示すデバイスマップ手段と、
デバイスの管理情報をインポートするインポート手段を有し、
さらに、デバイスの管理情報のエクスポート時に、
管理情報に含まれる各デバイスがデバイスマップに登録されているかどうかを判別する判別手段(S404)と、
前記判別手段において、デバイスマップに登録されていると判別した場合に外部からデバイスマップにアクセスするためのURLを生成するURL生成手段(S405)と、
前記生成したURLを含むデバイスの管理情報をエクスポートするエクスポート手段(S407)を具備することを特徴とするネットワークデバイス管理システムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明を実施することにより、デバイスマップ手段を有するネットワークデバイス管理システムにおいて、同一のデバイスマップが複数のネットワークデバイス管理サーバで保持されることを防止できる。そのため、ネットワークデバイス管理プログラムにおいてデバイスマップの編集処理に対する特別な排他制御をおこなう必要性がなくなり、容易にその一意性を保証することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ネットワークに接続されたデバイスとネットワークデバイス管理サーバから成るネットワークデバイス管理システムの動作環境を示すブロック図。
【図2】本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバの内部構成を示すブロック図。
【図3】本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバ上で稼動するネットワークデバイス管理プログラムのソフトウェア構成図。
【図4】本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバがデバイス情報をエクスポートする際の動作を示すフローチャート。
【図5】本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバがデバイス情報をインポートする際の動作を示すフローチャート。
【図6】本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバに保存されたデバイス情報のデータ構成図(エクスポート側)。
【図7】本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバがデバイス情報をエクスポートする際のデータ構成図。
【図8】本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバに保存されたデバイス情報のデータ構成図(インポート側)。
【図9】本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバがデバイス情報をインポートした後のデータ構成図。
【図10】本発明実施例によるネットワークデバイス管理プログラムが表示するデバイスリストのイメージ図。
【図11】本発明実施例によるネットワークデバイス管理プログラムが表示するデバイスマップのイメージ図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0026】
<システム構成(ハードウェア)>
図1は、ネットワークに接続されたデバイスと、デバイスと通信可能な複数のWWWサーバコンピュータ上で稼動するネットワークデバイス管理プログラムから構成されるネットワークデバイス管理システムの動作環境の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
同図において、100は、各種のコンピュータや画像形成装置、その他のネットワーク機器が接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)である。
【0028】
110、120は本発明実施例であるネットワークデバイス管理プログラムが稼動するWWWサーバ(以下、ネットワークデバイス管理サーバ)である。
【0029】
111、112、113、114、115、121、122、123は本発明実施例であるネットワークデバイス管理プログラムが管理対象とする画像形成装置である。
【0030】
なお、WWWサーバ110は画像形成装置111、112、113、114、115を管理対象とし、WWWサーバコンピュータ120は画像形成装置114、115、121、122、123を管理対象としているものとする。
【0031】
なお、ネットワーク100には、WWWサーバ110、120上で稼動するネットワークデバイス管理プログラムを利用するユーザのクライアントPCも接続されているが、図1には図示しない。
【0032】
<ネットワークデバイス管理サーバのハードウェア構成>
図2は、本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバ110(および、120)の内部構成を示すブロック図である。
【0033】
図2において、CPU201は、本発明実施例によるネットワークデバイス管理プログラムを実行し、システムバス204を介して接続可能な各種のデバイスを統括的に制御する。
【0034】
CPU201が実行する各種のプログラムは、フレキシブルディスクドライブ(FD)212、コンパクトディスクドライブ(CD)213、デジタルビデオディスクドライブ(DVD)214などから読み取り可能な記憶媒体に格納されている。あるいは、ネットワークインタフェースカード(NIC)、ローカルエリアネットワーク(LAN)100を介して外部のコンピュータから供給される場合もある。
【0035】
また、BIOSなどのようにネットワークデバイス管理サーバ110が予め具備する記憶装置であるROM202、ハードディスク(HD)211などに予め記憶されたものもある。
【0036】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。205はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(KB)209や不図示のポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。206はCRTコントローラ(CRTC)で、CRTディスプレイ(CRT)210の表示を制御する。
【0037】
207はディスクコントローラ(DKC)で、ハードディスク(HD)211、フレキシブルディスクドライブ(FD)212、コンパクトディスクドライブ(CD)213、および、デジタルビデオディスクドライブ(DVD)214を制御する。
【0038】
208はネットワークインタフェースカード(NIC)で、LAN100を介して、クライアントPCあるいはネットワークデバイス管理プログラムの管理対象であるネットワークデバイスと双方向にデータをやりとりする。
【0039】
以上のような構成を持つネットワークデバイス管理サーバ110において、ハードディスク(HD)211には、本発明実施例のネットワークデバイス管理プログラムが格納される。後述のすべての説明において、特に断りのない限り、実行の主体はハード上はCPU201である。一方、ソフトウェア上の制御の主体は、ハードディスク(HD)211に格納されたネットワークデバイス管理プログラムである。
【0040】
本実施の形態においては、OSは特定のOSに限られるものではなく、また、本実施の形態に係るプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROMなどの記憶媒体に格納された形で供給されても良い。
【0041】
その場合にはフレキシブルディスクドライブ(FD)212、コンパクトディスクドライブ(CD)213、あるいは、デジタルビデオディスクドライブ(DVD)214などによって記憶媒体からプログラムが読み取られる。
【0042】
読み取られたプログラムは、ハードディスク(HD)211にインストールされ、CPU201により起動される。
【0043】
<システム構成(ソフトウェア)>
続いて、図3において、本発明実施の形態に係るネットワークデバイス管理サーバ110、および、120上で稼動するネットワークデバイス管理プログラム300のソフトウェア構成を示す。
【0044】
なお、本発明実施の形態に係るネットワークデバイス管理サーバ110、120上で稼動するネットワークデバイス管理プログラム300については、特に断りのない限り、ハードディスク(HD)211に格納され、実行の主体はCPU201である。
【0045】
301は複合機能デバイス110上で稼動するWWWサーバである。
【0046】
本実施例のネットワークデバイス管理プログラム300は管理対象の画像形成装置111、112、113、114、115、121、122、123から各種の管理情報を取得してTMLデータを生成し、WWWサーバ301を介してユーザに公開する。
【0047】
302は全体制御部であり、画像形成装置111他と通信して情報の取得、設定をおこない、デバイス管理部303、デバイスリスト部304、デバイスマップ部305、デバイス監視部306を制御するための機能モジュールである。
【0048】
さらに、データベース部311に保存されたデバイス情報のエクスポート、および、インポートをおこなう際に利用されるWEBサービスも全体制御部302によって制御される。
【0049】
303はデバイス管理部であり、デバイス設定取得部307、デバイス設定配信部308を制御し、管理対象となる画像形成装置111他と通信して、各種の管理情報を取得、設定するための機能モジュールである。
【0050】
307はデバイス設定取得部であり、データベース部311から管理対象となるネットワークデバイスの機種情報などを取得し、SNMP部312を介して機種に応じた画像形成装置111他から取得する機能モジュールである。
【0051】
308は、デバイス設定配信部であり、デバイス設定取得部307と同様にデータベース部311から管理対象の画像形成装置の機種情報などを取得し、SNMP部312を介して機種に応じた管理情報を複合機能デバイスに配信する機能モジュールである。
【0052】
304はデバイスリスト部であり、デバイス探索部309を制御して画像形成装置111他を探索し、探索したデバイスの情報を一覧表示し、必要な情報をデータベース部311に登録するための機能モジュールである。
【0053】
309はデバイス探索部であり、SNMP部312を制御し、指定されたアドレスに対するユニキャスト、ブロードキャスト、マルチキャストなどの手順で画像形成装置111他の探索をおこなうための機能モジュールである。
【0054】
305はデバイスマップ部であり、デバイス探索部309を介して探索した画像形成装置に対応したアイコンをデータベース部311に格納された背景用の画像データ上に配置し、デバイスマップを表示するためのモジュールである。
【0055】
306はデバイス監視部であり、画像形成装置111他から予め決められた周期で状態情報を取得する機能モジュールである。
【0056】
さらに、デバイス監視部306は、画像形成装置111他において何らかの障害の発生を検出した場合に、エラー通知モジュール310を制御し、ユーザに障害の情報を通知するための機能を有する。
【0057】
310はエラー通知部であり、デバイス監視部306において管理対象の画像形成装置で障害が検出された場合にSMTP部313を制御し、予め設定されたユーザに複合機能デバイスの障害の発生を電子メールで通知するための機能モジュールである。
【0058】
311はデータベース部であり、本ネットワークデバイス管理プログラム300のユーザ情報や管理対象となる画像形成装置111他の情報、および、デバイスマップの背景情報、アイコン配置情報などの情報が格納される。
【0059】
312はSNMP部であり、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルの制御をおこなうための機能モジュールである。SNMP部312は、管理対象となる画像形成装置111、112、113、114、115、121、122、123への管理情報の設定、および、管理情報の取得をおこなうために利用される。
【0060】
313はSMTP部であり、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)プロトコル制御をおこなうための機能モジュールである。
【0061】
SMTP部313は、エラー通知部310の制御により管理対象の画像形成装置111、112、113、114、115、121、122、123において障害が発生したことをユーザに通知するための電子メールを送信するために利用される。
【0062】
314はTCP/IP部であり、SNMP部312、SMTP部313の要求に応じて、通信制御をおこなうための機能モジュールである。
【0063】
<デバイス情報のエクスポート手順>
図4は、本発明第1の実施例によるネットワークデバイス管理サーバ110からネットワークデバイス管理サーバ120へデバイス情報をエクスポートする際の動作を示すフローチャートである。
【0064】
同図においてステップS400では、ネットワークデバイス管理サーバ120からネットワークデバイス管理サーバ110に対してデバイス情報のエクスポート要求を送信し、ステップS401に移行する。
【0065】
ステップS401では、ネットワークデバイス管理サーバ110において前記ステップS400において送信されたデバイス情報のエクスポート要求を受信し、ステップS402に移行する。
【0066】
ステップS402では、データベース部311にデバイス情報として格納されたデバイスの数(n)をカウントするためのカウンタ(i)を0に初期化し、ステップS403に移行する。
【0067】
ステップS403では、前記ステップS402で初期化したカウンタ(i)がデバイス情報の数(n)を超えているかどうかの判断がおこなわれる。
【0068】
ステップS403においてカウンタ(i)がデバイス情報の数(n)を超えていないと判断した場合にはステップS404に移行し、それ以外の場合にはステップS407に移行する。
【0069】
ステップS404では、i番目のデバイスがデバイスマップに登録されているかどうかの判断がおこなわれる。ステップS404において、i番目のデバイスがデバイスマップに登録されていると判断した場合にはステップS405に移行し、それ以外の場合にはステップS406に移行する。
【0070】
ステップS405では、前記ステップS404においてi番目のデバイスがデバイスマップに登録されていると判断した場合に、ネットワークデバイス管理サーバ110上のデバイスマップにアクセスするためのURLが生成され、ステップS406に移行する。
【0071】
なお、ステップS405において生成するURLによって示されるデバイスマップは、ネットワークデバイス管理サーバ110のユーザが参照可能なデバイスマップとは異なり、デバイスマップに対する編集機能は持たないものとする。これはネットワークデバイス管理サーバ120のユーザアカウントのみしか保持しないユーザがネットワークデバイス管理サーバ110に保存されたデータに対して変更をおこなえないようにするための配慮である。
【0072】
ステップS406では、前記ステップS402で初期化したカウンタ(i)をインクリメントして、ステップS403に戻る。
【0073】
ステップS407では、前記ステップS403においてカウンタ(i)がデバイス情報の数(n)を超えたと判断した場合に、保存されたデバイスマップのURLを含むデバイス情報をネットワークデバイス管理サーバ120に送信し、ステップS408に移行する。
【0074】
ステップS408では、前記ステップS407においてネットワークデバイス管理サーバ110から送信されたデバイスマップのURL情報を含むデバイス情報を受信し処理を終了する。
【0075】
本フローチャートによれば、ネットワークデバイス管理サーバ120が要求したデバイス情報にデバイスマップに登録されたデバイスの情報が含まれる場合であっても、ネットワークデバイス管理サーバ110上のデバイスマップが容易に参照可能となる。これにより、複数のネットワークデバイス管理サーバ間で個別にデバイスマップの情報を保持する必要がなくなり、デバイスマップの一括管理が可能となる。
【0076】
<デバイス情報のインポート手順>
図5は、本発明第1の実施例によるネットワークデバイス管理サーバ120においてネットワークデバイス管理サーバ110から送信されたデバイス情報をインポートする際の動作を示すフローチャートである。
【0077】
同図においてステップS500では、図4のステップS408と同様にネットワークデバイス管理サーバ110から送信されたデバイス情報を受信し、ステップS501に移行する。
【0078】
ステップS501では、受信したn個のデバイス情報をカウントするためのカウンタ(j)が0に初期化され、ステップS502に移行する。
【0079】
ステップS502では、前記ステップS501で初期化したカウンタ(j)がデバイス情報の数(n)を超えているかどうかの判断がおこなわれる。
【0080】
ステップS502においてカウンタ(j)がデバイス情報の数(n)を超えていないと判断した場合にはステップS503に移行し、それ以外の場合には処理を終了する。
【0081】
ステップS503では、j番目のデバイス情報がネットワークデバイス管理サーバ120のデータベース部311に保存されたデバイス情報と重複するかどうかの判断がおこなわれる。
【0082】
ステップS503において、j番目のデバイス情報がデータベース部311に保存されたデバイス情報と重複すると判断した場合にはステップS505に移行し、それ以外の場合にはステップS504に移行する。
【0083】
ステップS504では、前記ステップS503においてj番目のデバイス情報がデータベース部311に保存されたデバイス情報と重複しないと判断した場合にデータベース部311にj番目のデバイス情報を登録し、ステップS511に移行する。
【0084】
ステップS505では、前記ステップS503において、j番目のデバイス情報が既存のデバイス情報と重複すると判断した場合に、S503において受信したj番目のデバイス情報と既存のデバイス情報のどちらが新しいかの比較をおこなう。
【0085】
ステップS505において、データベース部311に保存されたデバイス情報の方が新しいと判断した場合にはステップS508に移行し、それ以外の場合にはステップS506に移行する。
【0086】
ステップS506では、前記ステップS505において既存のデバイス情報がステップS500で受信したj番目のデバイス情報より古いと判断した場合に、既存のデバイス情報がデバイスマップに登録されたデバイスのものであるかどうかの判断がおこなわれる。
【0087】
ステップS506において、既存のデバイス情報がデバイスマップに登録済であると判断した場合には、ステップS507に移行し、それ以外の場合にはステップS504に移行する。
【0088】
ステップS507では、前記ステップS506において、既存のデバイス情報がデバイスマップに登録されていると判断した場合に、デバイスマップの識別子(以下、デバイスマップ識別子)以外の情報を上書き登録し、ステップS511に移行する。
【0089】
なお、デバイスマップ識別子については、後述のデータベース構成図(図6〜図9)において説明する。
【0090】
ステップS508では、前記ステップS505において既存のデバイス情報がj番目のデバイス情報より新しいと判断した場合に、既存のデバイス情報がデバイスマップに登録されたデバイスのものであるかどうかの判断がおこなわれる。
【0091】
ステップS508において、既存のデバイス情報がデバイスマップに登録済であると判断した場合には、ステップS511に移行し、それ以外の場合にはステップS509に移行する。
【0092】
ステップS509では、前記ステップS508において、既存のデバイス情報がデバイスマップに登録されていた場合に、j番目のデバイス情報にネットワークデバイス管理サーバ110上のデバイスマップのURLが含まれているかどうかの判断がおこなわれる。
【0093】
ステップS509において、j番目のデバイス情報にデバイスマップのURLが含まれていると判断した場合にはステップS510に移行し、それ以外の場合にはステップS511に移行する。
【0094】
ステップS511では、前記ステップS501で初期化したカウンタ(j)をインクリメントして、ステップS502に戻る。
【0095】
本フローチャートによれば、エクスポートされたデバイス情報と既存のデバイス情報を比較し、デバイスマップに関する情報については既存のデバイス情報を優先し、それ以外の情報については、取得した日時が新しい情報を優先することが可能となる。
【0096】
<デバイス情報のデータ構成>
図6は、本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバ110のデータベース部311に保存されたデバイス情報のデータ構成図である。
【0097】
同図において、600は、デバイスを一意に識別するための識別子である。この識別子については、ネットワークデバイス管理プログラム300がデバイス探索モジュール309によって検出したデバイスに対して割り当てた任意の値である。
【0098】
601は、ユーザがデバイスに対して設定可能なユーザフレンドリ名であるデバイス名である。このデバイス名はネットワークデバイス管理プログラム300のデバイス管理モジュール303、および、デバイス設定配信モジュール308によりデバイスに設定な情報である。
【0099】
また、図6、図7、図8、図9において示される構成図においてデバイス名「Device111」から「Device123」の情報は、それぞれ図1に示す画像形成装置111、112、113、114、115、121、122、123を示すものとする。
【0100】
602は、デバイスに設定されたIPアドレスであり、ネットワークデバイス管理プログラム300がデバイス探索モジュール309、SNMPモジュール312、および、TCP/IPモジュール314を介してデバイスとの通信に利用したIPアドレスである。
【0101】
603はデバイスマップ情報であり、ネットワークデバイス管理プログラム300のデバイスマップモジュール305において登録したデバイスマップ識別子を示す。
【0102】
ネットワークデバイス管理プログラム300は、デバイスマップモジュール305においてデバイスマップ識別子に対応するデバイスマップのHTMLデータを動的に生成し、クライアントPCのブラウザプログラムに送信する。
【0103】
なお、本操作によって表示されるデバイスマップはユーザに割り当てられた権限に応じた編集が可能である。
【0104】
604は更新日時であり、ネットワークデバイス管理プログラム300がデバイス探索モジュール309によってデバイスを検出した日時情報が登録されている。
【0105】
<エクスポート時のデバイス情報のデータ構成>
図7は、本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバ110がデバイス情報をエクスポートする際のデータ構成図である。
【0106】
700は、図6の600と同様のデバイス識別子である。
【0107】
701は、図6の601と同様のデバイス名である。
【0108】
702は、図6の602と同様のIPアドレスである。
【0109】
703は、ネットワークデバイス管理プログラム300においてエクスポート時に図6の603に示すデバイスマップ識別子をもとに動的に生成されるデバイスマップに遷移可能なURLである。
【0110】
このURLは後述するデバイスリスト画面にリンクが張られ、ユーザからの操作によりネットワーク管理サーバ110上のネットワークデバイス管理プログラム300においてデバイスマップのHTMLデータが生成される。このHTMLデータはユーザが操作するクライアントコンピュータのブラウザプログラムに送信され、デバイスマップが表示される。
【0111】
なお、このURLによって示されるデバイスマップは参照のみが可能であり、編集機能を持たない。
【0112】
704は、図6の604と同様の更新日時である。
【0113】
<インポート側のデバイス情報のデータ構成>
図8は、本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバ120のデータベース部311に保存されたデバイス情報のデータ構成図である。
【0114】
800は、図6の600と同様のデバイス識別子である。
【0115】
801は、図6の601と同様のデバイス名である。
【0116】
802は、図6の602と同様のIPアドレスである。
【0117】
803は、図6の603と同様のデバイスマップ識別子である。
【0118】
804は、図6の604と同様の更新日時である。
【0119】
なお、同図においては、画像形成装置114(デバイス名:Device114)、および、画像形成装置115(デバイス名:Device115)の情報がネットワークデバイス管理サーバ110に保存されたデバイス情報と重複している。また、ネットワークデバイス管理サーバ120と比較した場合、画像形成装置114(デバイス名:Device114)の更新日時は古く、画像形成装置115(デバイス名:Device115)の情報は新しいものとする。
【0120】
<インポート後のデバイス情報のデータ構成>
図9は、本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバ120がネットワークデバイス管理サーバ110から情報をインポートした後のデバイス情報のデータ構成図である。
【0121】
900は、図6の600と同様のデバイス識別子である。
【0122】
901は、図6の601と同様のデバイス名である。
【0123】
902は、図6の602と同様のIPアドレスである。
【0124】
903は、デバイスマップ識別子、または、デバイスマップのURLである。
【0125】
ここで、画像形成装置111、112、113、114、115の情報はネットワーク管理サーバ110からエクスポートの対象となったデバイス情報に含まれており、画像形成装置111、113、114、115についてはデバイスマップに登録されている。しかし、図8に示すとおり画像形成装置114についてはネットワークデバイス管理サーバ120においてもデバイスマップに登録されているため、図5のフローチャートに示される手順によってデバイスマップ識別子の方が優先される。
【0126】
したがって、画像形成装置111、113、115についてはネットワークデバイス管理サーバ110のデバイスマップを示すURLが登録され、画像形成装置114、121、122、123についてはデバイスマップ識別子が登録されている。
【0127】
904は、図6の604と同様の更新日時である。
【0128】
ここで、画像形成装置115の情報はネットワークデバイス管理サーバ120に保存された情報がインポートする情報と比較して新しいため、図5のフローチャートに示される手順によりデバイスマップのURLのみが登録される。
【0129】
<デバイスリストのイメージ図>
図10は、本発明実施例によるネットワークデバイス管理サーバ120上で稼動するネットワークデバイス管理プログラム300のデバイスリストモジュール304で生成されるデバイスリストのイメージ図である。
【0130】
<デバイスマップのイメージ図>
図11は、図10によって示されるデバイスリストからデバイスマップを表示した際のイメージ図である。
【0131】
図11によって示されるデバイスマップはネットワークデバイス管理サーバ110側で生成されるデバイスマップを想定しており、編集機能をもたない。
【0132】
同図において、1100、1101、1102はそれぞれ画像形成装置111、112、113を示すアイコンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたデバイスと、デバイスと通信可能な複数のWWWサーバコンピュータ上で稼動するネットワークデバイス管理プログラムから構成されるネットワークデバイス管理システムであって、
前記ネットワークデバイス管理プログラムは、デバイスが設置された画像データ上にデバイスの設置位置を示すアイコンで示すデバイスマップ手段と、
デバイスの管理情報をインポートするインポート手段を有し、
さらに、デバイスの管理情報のエクスポート時に、
管理情報に含まれる各デバイスがデバイスマップに登録されているかどうかを判別する判別手段(S404)と、
前記判別手段において、デバイスマップに登録されていると判別した場合に外部からデバイスマップにアクセスするためのURLを生成するURL生成手段(S405)と、
前記生成したURLを含むデバイスの管理情報をエクスポートするエクスポート手段(S407)を具備することを特徴とするネットワークデバイス管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークデバイス管理システムにおいて、
前記ネットワーク管理プログラムに、
管理情報のインポート時に、インポートする管理情報と既存の管理情報が重複するかどうかをデバイス単位で比較する比較手段1(S503)と、
前記情報の重複を比較するステップにおいて管理情報が重複するデバイスが存在した場合に管理情報を取得した日時を比較する比較手段2(S505)と、
前記取得日時を比較する比較手段2において既存の管理情報の取得日時が古いと判断した場合に、管理情報が重複するデバイスがデバイスマップに登録されているかどうかを判断する判断手段1(S506)と、
前記判断手段1(S506)において、管理情報が重複するデバイスが既にデバイスマップに登録されていると判断した場合にデバイスマップ以外の情報を管理情報として登録する登録手段1(S507)を付加したことを特徴とするネットワークデバイス管理システム。
【請求項3】
請求項1、又は請求項2に記載のネットワークデバイス管理システムにおいて、
前記ネットワーク管理プログラムに、
管理情報のインポート時に、インポートする管理情報と既存の管理情報が重複するかどうかをデバイス単位で比較する比較手段1(S503)と、
前記情報の重複を比較するステップにおいて管理情報が重複するデバイスが存在した場合に管理情報を取得した日時を比較する比較手段2(S505)と、
前記取得日時を比較するステップにおいて既存の管理情報の取得日時が新しいと判断した場合に、管理情報が重複するデバイスがデバイスマップに登録されているかどうかを判断する判断手段2(S508)と、
前記既存のデバイスマップに登録されているかどうかを比較する判断手段2(S508)において、管理情報が重複するデバイスがデバイスマップに登録されていないと判断した場合に、インポートした管理情報にデバイスマップの情報が含まれるかどうかを判断する判断手段3(S509)と、
前記判断手段3(S509)においてインポートした管理情報にデバイスマップの情報が含まれていると判断した場合に、デバイスマップの情報のみを登録する登録手段2(S510)を付加したことを特徴とするネットワークデバイス管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−211598(P2010−211598A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58009(P2009−58009)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】