説明

ネットワーク決済システム、ネットワーク決済方法、及びネットワーク決済プログラム

【課題】購入金額の支払いと商品の入手を安全、且つ、容易にできるようにするネットワーク決済システム、を提供すること。
【解決手段】インターネット等のネットワーク上での商品購入時に、支払金額と使途を特定した未決済の電子チケット(一種の電子小切手)を購入希望ユーザからコンテンツ販売者に提出し、コンテンツ販売者が電子チケットをインターネット銀行で決済完了した後に、購入希望ユーザが商品(コンテンツ)を入手する様にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等のネットワーク上における商品やコンテンツの安全な売買や決済を実現するネットワーク決済システム、ネットワーク決済方法、及びネットワーク決済プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットに代表されるネットワーク上で販売されている商品の購入代金の支払方法は、多くの場合、各種のクレジットカードで支払ったり、プリペイド方式で購入したカードのシリアル番号を入力したり、又は、現金書留や郵便小為替等による直接的間接的な方法で現金を送付する方法で送金する支払方法が採られていた。
【0003】
これらの支払い方法には、それぞれの方法に固有の欠点があり、例えば、クレジットカードの場合にはカード番号という個人情報を直接入力しなければならないというセキュリティ上の大きな問題がある。
また、プリペイド方式や何らかの形で直接送金する場合には、支払いの度毎に不足分のプリペイドカード等をその都度購入する必要が生じたり、商品購入の度毎にその都度送金手続きが必要となる等、支払い方法が煩わしいという課題があった。
【0004】
また、一部にはインターネットサービスプロバイダ経由での支払いが可能なサイトも出て来てはいるが、予め事前に決めてある特定のインターネットサービスプロバイダとの間だけの特定の商品だけに限定された取引であったり、ネットワークユーザが購入を希望する商品や使用するインターネットサービスプロバイダを自由に選べないという課題があった。
【0005】
関連する技術として、特開2001−291035号公報に情報記録カードを用いた発券方法が開示されている。
この情報記録カードを用いた発券方法は、以下のステップを有する事を特徴とする。
(1)ユーザ端末からユーザ所望のチケットの予約情報をサービス提供会社端末に送信する。
(2)前記予約情報に該当するチケットの有無を前記サービス提供会社端末から前記ユーザ端末に送信する。
(3)前記予約情報に該当するチケットがある場合に、前記ユーザ端末から該チケットの購入意志を前記サービス提供会社端末に送信する。
(4)前記購入意志を確認した前記サービス提供会社端末から前記ユーザ端末に該チケットの代金支払方法の問い合わせを送信する。
(5)前記ユーザ端末から前記代金支払方法を前記サービス提供会社端末に送信する。
(6)前記サービス提供会社端末から銀行端末又はカード会社端末に対して前記代金支払方法に基づく支払い要求を送信する。
(7)前記支払い要求に基づく前記代金支払いの完了報告を前記銀行端末又はカード会社端末から前記サービス提供会社端末に送信する。
(8)前記代金支払いの完了報告を受けた前記サービス提供会社端末から前記ユーザ端末に対して、ユーザ固有の情報記録カードを該ユーザ端末にセットする旨を送信する。
(9)前記ユーザ端末から前記サービス提供会社端末に前記ユーザ固有の情報記録カードを該ユーザ端末にセットした旨を送信する。
(10)前記ユーザ端末に前記ユーザ固有の情報記録カードがセットされた旨を確認した前記サービス提供会社端末から前記情報記録カードに記録するための前記予約情報に該当するチケットの発券データを送信する。
【0006】
特開2001−306836号公報にネットワークを利用したチケット販売方法及びそのチケット販売システムが開示されている。
このチケット販売方法は、双方向のデータ送信を可能とするネットワークを利用する。利用者は、利用者端末を用いて、前記ネットワーク上に開設されている1つ、又は、複数の電子チケット情報を含む各種のサービス情報が掲載されているホームページを介してチケット発行センター端末にアクセスする。該チケット発行センター端末は、前記ネットワークを介して、前記利用者端末に、前記電子チケット情報を含む各種のサービス情報を送信する。前記利用者端末は、前記各種のサービス情報を画面に表示する。前記利用者は、前記電子チケット情報を含む前記各種のサービス情報の中から、提供を受けたいサービス情報に対応する前記電子チケット情報を含むチケットの注文情報を前記利用者端末に登録する。前記利用者端末は、前記利用者の指示により、前記ネットワークを介して、前記チケット発行センター端末経由で、サービス提供者端末に前記チケットの注文情報と前記利用者のクレジット情報を含む利用者情報とを送信する。前記サービス提供者端末は、受信した前記利用者情報と前記チケットの注文情報に基づき、チケット発行の可否判断を行う。該チケット発行の可否判断が可である場合、前記注文情報に該当するチケットの電子データを生成する。その後、前記ネットワークを介して、前記チケット発行センター端末経由で、前記チケットの電子データを前記利用者端末に送信する。そして、前記利用者情報と前記チケットの注文情報とに基づき、課金データを生成し、前記ネットワークを介して、銀行コンピュータに送信する。該銀行コンピュータは、受信した前記課金データに基づき、前記利用者の銀行口座から前記チケットの注文情報に該当するチケット代金の引き落とし処理を行う。前記利用者は、受信した前記チケットの電子データを前記利用者端末に保存し、保存された前記電子データの認証を前記サービス提供者から受ける事で目的とするサービスの提供を受ける。
【0007】
特開2002−236771号公報に商品販売システムが開示されている。
この商品販売システムは、限られた時間内に商品の購入を希望する者が殺到する虞のある販売所において該商品を販売する場合に用いられる。商品の購入希望者は、上記限られた時間内以外の時間帯に予め該商品の代金を支払って販売者から当該商品の引換券を受け取る。そして、上記販売所の開店時間内に上記引換券を該販売所に持ち込み、この引換券と購入した商品とを引き換える。上記引換券には、少なくとも上記商品を特定する符号が記されており、また、上記販売所には、上記符号を読み取り自在な読取装置が備えられている。
【0008】
特開2003−6681号公報にチケット販売システムが開示されている。
このチケット販売システムは、サーバ、データセンタ、及び、チケット発売機を有する。
前記サーバは、インターネット上に開設されたウェブページによりチケットの予約を受け付け、該予約の登録番号を発行する。
前記データセンタは、該サーバが受け付けた前記予約を登録し、前記チケットの代金の精算処理を実行する。
前記チケット発売機は、前記登録番号及び前記代金の精算操作が入力されると、前記データセンタにアクセスし、前記チケットを発行する。
【0009】
【特許文献1】特開2001−291035号公報
【特許文献2】特開2001−306836号公報
【特許文献3】特開2002−236771号公報
【特許文献4】特開2003−6681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図1に従来の構成を示す。従来のインターネット上の商品取引において、コンテンツ販売者200のもとには、商品明細と共に、ユーザ情報が保管されており、これらのユーザ情報には、クレジット番号やユーザの住所、氏名、電話番号等の個人情報が含まれていた。
従って、従来のインターネット上の商品購入に当たっては、個人情報の漏洩を防ぐ事が困難であり、安全で簡便な取引方法の確立が望まれていた。
本発明の目的は、購入金額の支払いと商品の入手を安全、且つ、容易に出来る様にするネットワーク決済システム、ネットワーク決済方法、及びネットワーク決済プログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。但し、それらの番号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明のネットワーク決済システムは、ユーザ端末(100)と、コンテンツ販売者端末(200)と、インターネット銀行端末(300)とを具備する。
前記コンテンツ販売者端末(200)は、商品陳列テーブル(210)に基づいて商品(コンテンツ)をホームページに掲載する。
前記ユーザ端末(100)は、前記商品名と数量を前記コンテンツ販売者端末(200)に通知して見積りを依頼する。
前記コンテンツ販売者端末(200)は、前記商品陳列テーブル(210)を参照し、前記商品名と前記数量に基づいて前記見積りを実行し、前記見積りの結果として、前記商品の見積価格(223)と商談毎に設定される商談番号(221,231,241)とを発行して前記ユーザ端末(100)に通知する。
前記ユーザ端末(100)は、前記見積り結果を受けた後、予め口座開設している前記インターネット銀行端末(300)に対して電子証明書(111)と前記見積価格(223)に相当する金額と前記商談番号(122)を通知して電子チケットの発行を依頼する。
前記インターネット銀行端末(300)は、前記電子証明書(111)を認証局(CA)送信し、前記認証局から前記電子証明書(111)の正当性を示す通知を受信し、且つ、電子チケット管理テーブル(320)を参照して前記商談番号(3214)の未使用確認をすることで、前記電子チケットの発行要求の正当性を確認し、前記発行要求が正当であれば、顧客情報管理テーブル(310)を参照して前記口座を確認した後、前記電子チケットを発行して前記ユーザ端末(100)に通知すると共に、前記商談番号(3214)と前記電子チケットの控えを前記電子チケット管理テーブル(320)に格納する。
前記ユーザ端末(100)は、前記コンテンツ販売者端末(200)に前記商談番号(122)を提示して前記商品の購入希望を通知する。
前記コンテンツ販売者端末(200)は、前記商談番号(221,231,241)に基づいて、商談毎に前記商品の購入ページ(230)を生成し、前記ユーザ端末(100)から商品価格に相当する電子チケット情報(124)の入力を確認すると、前記商談番号(221,231,241)と前記電子チケット情報(233)とを前記インターネット銀行端末(300)に送って決済を依頼する。なお、電子チケット情報(124,233)は共通である。
前記インターネット銀行端末(300)は、前記電子チケット管理テーブル(320)を参照して前記商談番号(221,231,241)と前記電子チケット情報(233)との正当性を確認し、前記口座から前記電子チケットに記載された金額の引き落としと同時に、前記コンテンツ販売者端末(200)への支払いが行われ、前記電子チケット管理テーブル(320)上の前記電子チケットの有効期限(3213)を無効化して決済処理が完了し、前記決済完了を前記コンテンツ販売者端末(200)に通知する。
なお、商談番号(122,221,231,241,3214)は共通である。
【0013】
前記ユーザ端末(100)は、前記電子証明書(111)と、前記電子証明書(111)を暗号化するための秘密キー(112)と、前記商談番号(122)と、前記コンテンツ販売者端末(200)から通知される商談明細(122)と、前記見積価格(223)に相当する見積金額(123)と、前記電子チケット情報(124)とを有する。
【0014】
前記コンテンツ販売者端末(200)は、前記商品陳列テーブル(210)と、前記ユーザ端末(100)から前記見積り依頼があった場合に商談情報を管理するための商談情報管理テーブル(220)と、前記購入ページ(230)と、前記商談の完了履歴を管理するための販売履歴管理テーブル(240)とを有する。
【0015】
前記インターネット銀行端末(300)は、前記顧客情報管理テーブル(310)と、前記電子チケット管理テーブル(320)とを有する。
【0016】
前記商品陳列テーブル(210)は、前記商品を管理するための商品番号(211)と、前記商品の商品名(212)と、前記商品の商品説明(213)と、前記商品の販売価格(214)とを有する。
【0017】
前記商談情報管理テーブル(220)は、前記商談番号(221)と、前記商談の内容を管理するための商談明細(222)と、前記見積価格(223)と、前記商談の有効期限を示す期限情報(224)とを有する。
【0018】
前記購入ページ(230)は、前記商談番号(231)と、前記商談の内容を表す販売情報(232)と、前記電子チケット情報(233)とを有する。
【0019】
前記商談番号(231)は、予め前記コンテンツ販売者端末と前記インターネット銀行端末との間で決められたコード番号を示す販売者コード(2311)と、前記商談番号(231)の発行された年月日を表す発行年月日(23312)と、同一年月日に発行された商談番号(231)の発行順を表す一連番号である発行番号(23314)と、有効期限(2314)とを有する。
【0020】
前記販売情報(232)は、前記商談の内容を管理するための商談明細(2321)と、前記見積価格(2322)と、前記商品の販売日(2323)と、前記商品購入時の連絡先を表示するための購入手続情報(2324)とを有する。
【0021】
前記電子チケット情報(233)は、前記電子チケットを識別するためのチケット番号(2331)と、前記電子チケットに記載の金額(2332)と、前記電子チケットの有効期限(2333)と、前記インターネット銀行端末の属する銀行を示す銀行署名(2334)と、前記チケット番号(2331)から前記銀行署名(2334)までの範囲のデータを一方向暗号で暗号化して出力されるハッシュ値であるメッセージ認証コード(2335)とを有する。
【0022】
前記チケット番号(2331)は、予め前記コンテンツ販売者端末と前記インターネット銀行端末との間で決められたコード番号である銀行コード(23311)と、前記電子チケットの発行された年月日を表す発行年月日(23312)と、前記電子チケットの原資となる口座の種類を表す口座種別(23313)と、同一年月日に発行された電子チケットの発行順を表す一連番号である発行番号(23314)とを有する。
【0023】
前記販売履歴管理テーブル(240)は、前記商談番号(241)と、前記商談の内容を表す販売情報(242)と、販売履歴(243)とを有する。
【0024】
前記顧客情報管理テーブル(310)は、顧客情報(311)と、顧客毎の電子証明書(312)と、顧客の口座情報(313)とを有する。
【0025】
前記電子チケット管理テーブル(320)は、顧客の口座情報(321)と、メッセージ認証コード生成時の一方向暗合で使用される暗号化キーを記憶するための領域である認証コード(322)と、前記電子チケットのチケット番号(3211)と、前記電子チケットに記載の金額(3212)と、前記電子チケットの有効期限(3213)と、前記商談番号(3214)とを有する。
【0026】
本発明のネットワーク決済方法は、以下のステップで行われる。
(a)インターネット(400)上で販売されている商品(コンテンツ)の購入の際、ユーザ端末(100)からコンテンツ販売者端末(200)へ見積りを依頼する。
(b)見積り結果として購入希望商品の見積価格と共に、商談毎にユニークな商談番号を発行して前記ユーザ端末(100)に通知する。
(c)前記見積り結果を受けた前記ユーザ端末(100)が、事前に口座開設してある前記インターネット銀行端末(300)に対して電子証明書と共に前記見積価格に相当する金額と前記商談番号を通知して未決済の電子チケットの発行を依頼する。
(d)前記インターネット銀行端末(300)における前記電子チケット発行時、前記電子証明書の認証結果と前記商談番号の未使用確認による前記ユーザ端末(100)からの要求の正当性を確認する。
(e)前記ユーザ端末(100)の口座の開設を確認して前記電子チケットを発行し前記ユーザ端末(100)に通知すると共に、発行した前記電子チケットと前記商談番号を一緒に保管する。
(f)前記ユーザ端末(100)から前記コンテンツ販売者端末(200)へ前記商談番号を提示して商品の購入希望を通知する。
(g)前記購入希望を受けた前記コンテンツ販売者端末(200)が、商品購入ページを生成して商品価格に相当する前記電子チケット情報の入力を促す。
(h)前記ユーザ端末(100)からの前記電子チケット情報の入力時に、入力された前記電子チケット情報に該当する前記商談番号を提示して前記インターネット銀行端末(300)に決済を依頼する。
(i)前記インターネット銀行端末(300)において、前記電子チケットと前記商談番号の正当性を確認し、問題が無い場合、前記コンテンツ販売者端末(200)への支払いにより決済する。
【0027】
本発明のネットワーク決済プログラムは、以下のステップを具備する。
(A)インターネット(400)上で販売している商品(コンテンツ)に対して、ユーザ端末(100)から見積りを依頼された時、見積り結果として購入希望商品の見積価格と共に、商談毎にユニークな商談番号を発行して前記ユーザ端末(100)に通知する。
(B)前記ユーザ端末(100)から前記商談番号の提示により前記商品の購入希望を通知された時、商品購入ページを生成して商品価格に相当する電子チケット情報の入力を促す。
(C)前記ユーザ端末(100)からの前記電子チケット情報の入力時に、入力された前記電子チケット情報に該当する前記商談番号を提示して前記インターネット銀行端末(300)に決済を依頼する。
(D)前記インターネット銀行端末(300)からの決済完了通知に伴い、前記ユーザ端末(100)の商品(前記コンテンツ)購入を許可する。
【0028】
本発明のネットワーク決済プログラムは、以下のステップを具備する。
(E)インターネット(400)上で販売されている商品(コンテンツ)の購入を希望するユーザ端末(100)が、電子証明書と共に前記商品の見積価格に相当する金額と前記商談番号とを通知して未決済の電子チケットの発行を依頼してきた場合、前記電子チケット発行時に、前記電子証明書の認証結果と前記商談番号の未使用確認による前記ユーザ端末(100)からの要求の正当性を確認する。
(F)前記ユーザ端末(100)の口座の開設を確認して前記電子チケットを発行し前記ユーザ端末(100)に通知すると共に、発行した前記電子チケットと前記商談番号を一緒に保管する。
(G)前記ユーザ端末(100)から電子チケット情報に該当する前記商談番号を提示して決済を依頼された時、前記電子チケットと前記商談番号の正当性を確認し、問題が無い場合、決済する。
【発明の効果】
【0029】
(1)第1の効果は、個人情報の漏洩を防ぐ事が出来る事にある。
その理由は、インターネット銀行に電子チケット発行を依頼する時にユーザ自身の電子証明書を通知するだけで済むためであり、それ以外の個人情報の送受信を必要としないためである。
(2)第2の効果は、インターネット上の商品取引を安全に行う事が出来る事にある。
その理由は、支払金額と使途を特定した未決済の電子チケットを使用するために、誤って電子チケット情報が第3者に漏れた場合にも、使途が不明なため、全く被害に遭わない可能性が高く、また、金額が特定されている事と未決済であるために、他への転用もほぼ不可能なためである。
(3)第3の効果は、電子チケットの改ざんが不可能なために安全な事である。
その理由は、支払金額と使途を特定した未決済の電子チケットを使用するために、インターネット銀行における決済時に、電子チケット発行時の電子チケットとの完全一致を確認するので、MAC(Message Authentication Code:メッセージ認証コード)による改ざん防止機能とも相まって、電子チケットの改ざんは不可能なためである。
(4)第4の効果は、電子チケットの発行取消が可能なため柔軟に運用出来る事である。
その理由は、支払金額と使途を特定した未決済の電子チケットを使用するために、何らかの理由で購入が中止となり電子チケットを使う必要の無くなった時には、インターネット銀行に発行中止を依頼する事で電子チケットを無効とする事が可能なために、電子チケットの発行に当たり柔軟な運用が出来るためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
図2に示す様に、ユーザ100とコンテンツ販売者200、及び、インターネット銀行300は、インターネット400に接続されている。
【0031】
ユーザ100は、ネットワーク上での商品(コンテンツ)の購入を所望するユーザが使用する端末である。なお、端末は固定端末、携帯端末のいずれを用いても良い。コンテンツ販売者200は、ネットワーク上での商品を販売するコンテンツ販売者が利用する端末である。インターネット銀行300は、ネットワーク上での商品購入に使用する電子チケットを販売し、決済する端末である。インターネット400は、データ送受信の際の伝送経路となるネットワーク全般を示す。なお、ネットワークは有線、無線のいずれでも良い。
【0032】
特に図示してはいないが、ユーザ100とコンテンツ販売者200、及び、インターネット銀行300は、プログラム制御により動作するコンピュータで構成されており、各種データや情報テーブルの情報は、ハードディスク装置等の外部記憶装置に格納された状態で保存され、データの参照や使用する必要が生じる度に適時メインメモリ上に読み出されて演算装置により処理が施された後、インターネット400を経由して送受信されたり、必要に応じて外部記憶装置に保存される。
但し、商品の購入を希望したり、インターネット銀行300に口座を開設したりするのはコンピュータ操作者としてのユーザ個人である。
【0033】
また、これも特に図示されてはいないが、インターネット400に接続されているユーザ100とコンテンツ販売者200、及び、インターネット銀行300との相互間は、SSL(Secure Sockets Layer)プロトコルを使って暗号化されたWebアクセスで相互接続されており、SSLプロトコルや身分証明に必要な電子証明書の発行と認証を行う認証局(CA:Certificate Authority)や、公開鍵を公開するための鍵サーバー等もインターネット400内に接続されて存在する。電子証明書の認証は、発行元(認証局や銀行、企業等)で行われる。認証局(CA)は、世界的に認められている第3者機関であることが多く、電子証明書内の公開キーが、Webサーバなどで使用される。ここで、認証局(CA)は、インターネット銀行300に含まれていても良い。銀行や起業で発行される電子証明書は、一般的には、銀行と取引先との間や、銀行内、企業内でのみ使用可能(有効)である。
【0034】
ユーザ100は、図2に示す様に、電子チケット発行依頼時の自分の身分証明のための電子証明書111と電子証明書を暗号化するための秘密キー112を持っており、他に、コンテンツ販売者200から発行される商談番号121と、商談明細122と、見積金額123と、インターネット銀行300に発行依頼した電子チケット124の、それぞれを格納する格納部を有する。見積金額123は、ユーザ100が受け取った見積りの控えである。
【0035】
コンテンツ販売者200は、図2に示す様に、販売中の商品(コンテンツ)を陳列するための商品陳列テーブル210、ユーザ100から商品陳列テーブル210の商品に関する見積り依頼があった場合に管理するための商談情報管理テーブル220、ユーザ100から購入依頼が来た時に販売手続きのために販売完了までの間一時的に商談毎に生成される購入ページ230、販売履歴を管理するための販売履歴管理テーブル240を有する。
【0036】
インターネット銀行300は、顧客管理のための顧客情報管理テーブル310、電子チケットの発行と確認のための電子チケット管理テーブル320を有する。
【0037】
ユーザ100とコンテンツ販売者200、及び、インターネット銀行300にはこの他に、前述したSSLプロトコルを使用するウェブサーバーとウェブブラウザのための、それぞれの電子証明書と秘密キーが保管されているが、本発明の本質的な部分では無いので、ここでの詳細な説明は割愛する。
【0038】
コンテンツ販売者200の詳細な内部構成を図3に示す。
図3に示す様に、商品陳列テーブル210は、商品(コンテンツ)を管理するための商品番号211、商品名212、商品説明213、販売価格214から構成される。
【0039】
商談情報管理テーブル220は、商談番号221、商談の内容を管理するための商談明細222、見積価格223、該当商談の有効期限を示す期限224から構成される。詳細には、見積価格223は、コンテンツ販売者200の商談単位の見積りの控えであり、期限224は、コンテンツ販売者200による「見積り」の有効期限である。
【0040】
商談中の間だけ生成される購入ページ230は、商談番号231、商談の内容を表す販売情報232、電子チケット情報233から構成される。
販売情報232はさらに、商談明細2321、見積価格2322、販売日2323、決済完了時の購入用URL(Uniform Resource Locator)の通知や、購入時の連絡先等を表示するための購入手続情報2324から構成される。なお、見積価格2322は、コンテンツ販売者200の購入ページ230で、ユーザ100に確認のための見積り表示に使用される。
【0041】
電子チケット情報233はさらに、チケット番号2331、金額2332、有効期限2333、銀行署名2334、及び、MAC2335から構成される。金額2332は、インターネット銀行300が発行した「電子チケット」の発行金額である。有効期限2333は、「電子チケット」の有効期限である。なお、MAC(Message Authentication Code)は、メッセージ認証コードを示す。
【0042】
電子チケット情報233とMAC2335の詳細を図4に表す。
チケット番号2331の内部構成は、銀行コード23311、発行年月日23312、口座種別23313、発行番号23314で構成される。
【0043】
銀行コード23311は予めインターネット400内のコンテンツ販売者200とインターネット銀行300との間で決められたコード番号であり、発行年月日23312は電子チケット233の発行された年月日を表す。口座種別23313は電子チケットの原資となる口座の種類(普通預金、当座預金、他)を表し、発行番号23314は同一年月日に発行された電子チケットの発行順を表す一連番号である。
【0044】
MAC2335は、図4に表すようにチケット番号2331から銀行署名2334までの範囲の全てのデータを一方向暗号で暗号処理して出力されるハッシュ値であり、チケット番号2331から銀行署名2334までの範囲のデータに少しでも変更があるとハッシュ値が大きく異なる特性から、電子チケット情報の改ざんやデーターに誤りが無い事を保証するための情報である。
なお、現在使われている一方向暗号としては、MD5やSHA−1がある。
【0045】
図5に商談番号231の内部構成を示す。商談番号231は、販売者コード2311、発行年月日2312、発行番号2313、有効期限2314で構成される。
販売者コード2311は予めインターネット400内のコンテンツ販売者200とインターネット銀行300との間で決められたコード番号であり、発行年月日2312は商談番号231の発行された年月日を表し、発行番号2313は同一年月日に発行された商談番号の発行順を表す一連番号である。有効期限2314は、コンテンツ販売者200による「商談番号」の有効期限である。
【0046】
販売履歴管理テーブル240は商談の完了履歴を管理するためのものであり、商談番号241、販売情報242、販売履歴243から構成される。
【0047】
インターネット銀行300の詳細な内部構成を図6に示す。
顧客情報管理テーブル310はインターネット銀行300の利用者全ての管理に使用され、顧客情報311、顧客毎の電子証明書312、顧客の口座情報313から構成される。
顧客情報311には、顧客の氏名、生年月日、性別、住所、職業、インターネット銀行にアクセスするためのアカウントとパスワード、メールアドレス、電話番号等の個人情報が含まれる。
【0048】
電子証明書312の例を、図7に示す。この例はITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)で標準化されたX.509フォーマット準拠の電子証明書である。
口座情報313には、口座種別、口座番号、残高金額、電子チケットテーブルアドレスが含まれる。
【0049】
電子チケット管理テーブル320は、電子チケットの発行時や決済時に新規格納したり参照して使用され、口座情報321、MACキー322、チケット番号3211、金額3212、有効期限3213、商談番号3214から構成される。
【0050】
口座情報321には顧客情報管理テーブル310の口座情報313の情報が参照される形(一元管理)で反映されて表示される。
【0051】
MACキー322は、MAC(メッセージ認証コード)生成時の一方向暗号(MD5やSHA−1)で使用される暗号化キーを記憶するための領域である。
【0052】
チケット番号3211、金額3212、有効期限3213のそれぞれの意味と構成は図4の電子チケット情報と同一であり、商談番号3214の構成も図5の商談番号231と同一である。なお、金額3212は、インターネット銀行300の電子チケット控え金額である。有効期限3213は、インターネット銀行300の控えとしての「電子チケット」の有効期限である。
【0053】
なお、図1に従来の構成を示す。従来のインターネット上の商品取引において、コンテンツ販売者200のもとには、商品明細と共に、ユーザ情報やクレジット情報が保管されており、これらの情報には、クレジット番号やユーザの個人情報が含まれていた。
【0054】
また、図1の従来の構成では、クレジット情報が漏洩した場合における金銭的な損失のガードが無く、本人が気付かなければ、インターネット銀行300の口座情報の内容を全て損失する可能性の高い危険な構成となっていた。
【0055】
図2において、インターネット400に接続されているコンテンツ販売者200のホームページ上の商品陳列テーブル210で販売されている商品(コンテンツ)の購入を希望するユーザ100はコンテンツ販売者200に見積りを依頼する。
【0056】
コンテンツ販売者200は見積りの結果として、購入希望商品の見積価格と共に、商談毎にユニークな商談番号を発行して商談情報管理テーブル220に格納すると共に、購入希望ユーザ100に通知する。
【0057】
見積り結果を受けたユーザ100は、事前に口座開設しておいたインターネット銀行300に対してユーザ自身の電子証明書111と共に見積価格に相当する金額と商談番号を通知して電子チケットの発行を依頼する。
【0058】
インターネット銀行300は、電子証明書の認証結果と商談番号の未使用確認からユーザと発行要求の正当性を確認し、顧客情報管理テーブル310を参照して該当口座が設定されている事を確認した後、希望金額の電子チケットを発行して要求ユーザ100に通知すると共に、電子チケットと商談番号を一緒に電子チケット管理テーブル320に保管する。
【0059】
電子チケットを入手したユーザ100は、コンテンツ販売者200に商談番号を提示して商品の購入希望を通知し、
購入希望を受けたコンテンツ販売者200は、商談番号で商談情報管理テーブル220を参照して商談毎の商品購入ページ230を生成し、商品価格に相当する電子チケット情報233の入力を待つ。
【0060】
コンテンツ販売者200は、ユーザ100による電子チケット情報233の入力を確認すると、該当する商品購入ページ230の商談番号231と一緒に電子チケット情報233をインターネット銀行300に送って決済を依頼する。
【0061】
インターネット銀行300では、コンテンツ販売者200から送られてきた情報と、電子チケット管理テーブル320を参照して電子チケット情報(チケット番号3211、金額3212、有効期限3213)と商談番号3214との正当性を確認し、問題が無ければコンテンツ販売者200への支払いが行われて決済が完了する。
【0062】
コンテンツ販売者200は決済完了を確認すると、購入希望ユーザ100に商品(コンテンツ)の購入を許可し、ダウンロード等の手段によってユーザ100は商品(コンテンツ)を入手する事を特徴とする。
【0063】
次に、図8の動作説明図と、図9のシーケンス図、及び、図10A、図10Bのフローチャートを参照して本発明の実施例の動作について詳細に説明する。
【0064】
先ず、図2〜図7の構成図と図8を参照して全体的な動作の説明をする。
ユーザ100とコンテンツ販売者200、及び、インターネット銀行300とはインターネットを通して相互にWebサーバー機能(コンテンツ販売者200とインターネット銀行300)とブラウザ機能(ユーザ100)を介して接続されており、本実施例の場合には、ユーザ100がコンテンツ販売者200の販売している商品(コンテンツ)を購入する場合について説明する。
【0065】
図8において、ユーザ100はコンテンツ販売者200のコンテンツ販売ホームページから購入希望商品を見つけると、購入を希望する商品名と数量を通知して(1)見積り依頼を行う。
【0066】
見積り依頼を受けたコンテンツ販売者200は、見積り結果として商品明細と見積価格と一緒に、商談毎にユニークな商談番号を発行して購入を希望するユーザ100に(2)見積り結果を通知すると共に、商談情報管理テーブル220にも格納する。
【0067】
見積り結果を受けたユーザ100は、事前に口座開設しておいたインターネット銀行300に対してユーザ自身の電子証明書111と共に見積価格に相当する金額と商談番号を通知して(3)電子チケットの発行を依頼する。
【0068】
インターネット銀行300は、電子証明書の認証結果の正当性と商談番号の新規性の確認からユーザ要求の正当性を確認し、顧客情報管理テーブル310を参照して顧客口座を確認すると希望金額の(4)電子チケットを発行して要求ユーザ100に通知すると共に、電子チケットと商談番号を一緒にして電子チケット管理テーブル320に保管する。
【0069】
電子チケットを入手したユーザ100は、コンテンツ販売者200に商談番号を提示して商品の(5)購入希望を通知する。
【0070】
購入希望を受けたコンテンツ販売者200は、商談番号で商談情報管理テーブル220を参照して、商談毎の(6)購入ページ230を生成してユーザー100による商品価格に相当する電子チケット情報の入力を待つ。
【0071】
ユーザ100は、購入ページ230掲載の商談番号、商品明細、及び、見積金額を確認して、電子チケット情報を入力する事により(7)商品購入手続きをする。
【0072】
コンテンツ販売者200は電子チケット情報を入手すると、商品購入ページ230の商談番号と一緒に電子チケット情報をインターネット銀行300に送って(8)決済手続きを依頼する。
【0073】
決済手続きを依頼されたインターネット銀行300は、電子チケット管理テーブル320を参照して電子チケットと商談番号の正当性(完全一致、使用実績無し)を確認し、問題が無ければ、口座情報321、及び、顧客情報管理テーブル310を参照してユーザ100の顧客口座から電子チケット記載の金額を引き落とすと同時に、コンテンツ販売者200への支払いが行われて(9)決済処理が完了する。
【0074】
コンテンツ販売者200は決済完了を確認すると、購入希望ユーザ100宛に商品(コンテンツ)の(10)購入の許可を通知し、ダウンロード等の手段によってユーザ100は(11)商品(コンテンツ)を入手する事が出来る。
【0075】
以上説明した商品取引の様子を、時間軸で表したものが図9のシーケンス図であり、図9は、図8の動作説明を、時間軸上の流れで説明したものであり、詳細な動作説明は前述の図8の説明と全くの同一の内容で説明可能である。
【0076】
次に、図10A、図10Bの商品購入時の処理を示すフローチャートを参照して本発明の第1の実施例の動作について詳細に説明する。
(1)ステップS1
コンテンツ販売者200は、販売中の商品をHPに掲載するために商品陳列テーブル210に登録して商品を掲載する。
(2)ステップU1
ユーザは、ユーザ100からコンテンツ販売者200のHP掲載商品を閲覧する。
(3)ステップU2
ユーザは、ユーザ100で購入したい商品の有無を確認する。
コンテンツ販売者200のHP掲載商品の中に購入したい商品がある場合はステップU3へ行き、購入したい商品が無い時には終了する。
(4)ステップU3
コンテンツ販売者200のHP掲載商品に購入したい商品がある時には、ユーザは、ユーザ100から購入を希望する商品名と数量を通知して見積りを依頼する。
(5)ステップS2
ユーザ100から見積りを依頼されたコンテンツ販売者200は、見積り結果として商品明細及び見積価格と一緒に、商談毎にユニークに生成する商談番号を発行して購入を希望するユーザ100に見積り結果と共にユーザ100に通知する。
(6)ステップS3
コンテンツ販売者200は、ステップS2の見積り結果に期限を付与し、商談情報管理テーブル220に登録する。
(7)ステップU4
見積り結果を受けたユーザ100は、事前に口座開設しておいたインターネット銀行300に対してユーザ自身の電子証明書111と共に見積金額と商談番号を通知して電子チケットの発行を依頼する。
(8)ステップB1
インターネット銀行300では、ユーザ100から届いた電子証明書を認証局(CA)に送って正当性を確認し、電子証明書が正当であるとの回答を得た場合は、商談番号の新規性について電子チケット管理テーブル320に未登録の商談番号である事から正当性を確認する。
(9)ステップB2
ステップB1での判断に基づき、ユーザ100からの要求が正当であればステップB3へ行き、要求が正当では無いと判断された場合は終了する。
(10)ステップB3
インターネット銀行300は、ユーザ100の電子チケット発行依頼が正当と判断した場合、インターネット銀行300の顧客情報管理テーブル310を参照して顧客口座を確認し希望金額の電子チケットを発行して要求ユーザ100に通知する。
(11)ステップB4
インターネット銀行300は、ステップB3で発行した電子チケットと商談番号とを一緒にして、電子チケット管理テーブル320に登録する。
(12)ステップU5
電子チケットを入手したユーザ100は、コンテンツ販売者200に商談番号を提示して商品の購入希望を通知する。
(13)ステップS4
ユーザ100から購入希望を受けたコンテンツ販売者200は、商談番号で商談情報管理テーブル220を参照して、商談毎の購入ページ230を生成し、商談番号と共に販売情報232から商品明細と見積価格を検索して掲載する。
(14)ステップU6
ユーザ100は、購入ページ230掲載の商談番号、商品明細、及び、見積価格を確認し、問題が無ければ、電子チケット情報233を入力して商品購入手続きを行う。
(15)ステップS5
コンテンツ販売者200はユーザ100から電子チケット情報を入手すると、商品購入ページ230の商談番号231と一緒に電子チケット情報233をインターネット銀行300に送って決済手続きを依頼する。
(16)ステップB5
決済手続きを依頼されたインターネット銀行300は、送られてきた電子チケット情報の有効期限が切れていない事と、銀行署名、及び、MAC情報の正当性を確認して、誤りが無ければ、電子チケット管理テーブル320を参照して登録されている電子チケット情報と商談番号との対応が完全に一致する事と、既に使用済みでは無い事(無効化されていない事)を確認する。
(17)ステップB6
ステップB5において、電子チケットによる決済が正当と判断されればステップB7へ行き、正当で無い場合は終了する。
(18)ステップB7
インターネット銀行300において、電子チケットによる決済が正当と判断された場合は、口座情報321及び顧客情報管理テーブル310の講座情報313を参照してユーザ100の顧客口座からの電子チケット記載金額の引き落としと同時に、コンテンツ販売者200への支払いが行われ、電子チケット管理テーブル320上の当該電子チケットに該当する有効期限3213の欄を無効化(本実施例の場合は空白とする)して決済処理を完了する。
(19)ステップB8
インターネット銀行300は、決済処理が正常に完了した事をコンテンツ販売者200に通知する。
(20)ステップS6
コンテンツ販売者200は決済完了を確認すると、購入ページ230の販売情報232の中の購入手続情報2324(商品ダウンロード用URL表示)を通じて、購入希望ユーザ100宛に商品購入の許可を通知する。
(21)ステップU7
ユーザー100は、購入ページ230の販売情報232の中の購入手続情報2324に表示される商品ダウンロード用URLにアクセスし、商品(コンテンツ)をダウンロードする事により入手する。
(22)ステップS7
コンテンツ販売者200は、ユーザ100の商品ダウンロードを確認すると、商談内容を販売履歴管理テーブル240に登録すると共に、商談の発生で生成した、該当案件の購入ページ230を削除して商談を完了させる。
【0077】
従って、本発明は従来技術の課題を解決するための解決手段として、以下の手段を有する。
(A)見積り依頼手段
インターネット上で販売されている商品(コンテンツ)の購入を希望するユーザによるコンテンツ販売者への見積りを依頼する手段。
(B)見積価格通知手段
見積り結果として購入希望商品の見積価格と共に、商談毎にユニークな商談番号を発行して購入希望ユーザに通知する手段。
(C)未決済電子チケット発行依頼手段
見積り結果を受けたユーザが事前に口座開設してあるインターネット銀行に対してユーザ自身の電子証明書と共に見積価格に相当する金額と商談番号を通知して未決済の電子チケットの発行を依頼する手段。
(D)確認手段
インターネット銀行における電子チケット発行時の、ユーザ電子証明書の認証結果と商談番号の未使用確認によるユーザ要求の正当性を確認する手段。
(E)電子チケット発行手段
ユーザ口座の開設を確認して電子チケットを発行しユーザに通知すると共に、発行した電子チケットと商談番号を一緒に保管する手段。
(F)商品購入希望通知手段
ユーザによるコンテンツ販売者への商談番号を提示して商品の購入希望を通知する手段。
(G)電子チケット情報入力促進手段
購入希望を受けたコンテンツ販売者による、商品購入ページを生成して商品価格に相当する電子チケット情報の入力を促す手段。
(H)決済依頼手段
ユーザによる電子チケット情報の入力時に、入力された電子チケット情報に該当する商談番号を提示してインターネット銀行に決済を依頼する手段。
(I)決済手段
インターネット銀行における、電子チケットと商談番号の正当性の確認と、問題が無い場合のコンテンツ販売者への支払いによる決済手段。
(J)商品入手手段
コンテンツ販売者における、決済完了確認に伴う、購入希望ユーザへの商品(コンテンツ)購入の許可と、ダウンロード等によるユーザの商品(コンテンツ)入手手段。
【0078】
本発明は、以上の(A)〜(J)の手段を有する事により、インターネット上の商取引におけるセキュリティ上の大きな問題である、ネットワーク内での個人情報の送受信を必要最少限な電子証明書のみとした。また、商品購入時には、ユーザがインターネット銀行に使途と金額を限定した未決済の電子チケットの発行を依頼し、後でコンテンツ販売者により電子チケットが決済される方法を採る事により、必要な時に必要な金額の電子チケットを安全に発行して使用する事を可能とした。
【0079】
以上のように、本発明は、インターネット等のネットワーク上での商品購入時に、支払金額と使途を特定した未決済の電子チケット(一種の電子小切手)を購入希望ユーザからコンテンツ販売者に提出し、コンテンツ販売者が電子チケットをインターネット銀行で決済完了した後に、購入希望ユーザが商品(コンテンツ)を入手する様にする事により、購入金額の支払いと商品の入手を安全、且つ、容易に出来る様にするシステム、方法、及びプログラムを提供する。
本発明においては、電子チケットの発行はユーザが契約するインターネット銀行に発行を依頼する事で行われるが、発行依頼時にユーザからインターネット銀行に通知される情報は、ユーザ自身を証明する情報と、コンテンツ販売者の発行する見積り番号(商談番号)と見積金額のみであり、インターネット銀行ではユーザの正当性を確認した後に見積金額に等しい金額の電子チケットを発行してユーザに通知する。
また、インターネット銀行では電子チケット発行時に、発行した電子チケットに該当する商談番号を電子チケットと一緒にインターネット銀行内に格納しておく事により、コンテンツ販売者からの商談番号の提示による電子チケットの決済要求時に、商談番号と金額を参照する事で電子チケットの使途と金額の正当性を確認し、また、電子チケット及び商談番号を1回限りの使用に限定する事で、安全にネットワーク上での決済を可能とする特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、従来の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、コンテンツ販売者の詳細構成を示す図である。
【図4】図4は、電子チケットの詳細構成を示す図である。
【図5】図5は、商談番号の詳細構成を示す図である。
【図6】図6は、インターネット銀行の詳細構成を示す図である。
【図7】図7は、電子証明書の例を示す図である。
【図8】図8は、商品購入手続きの概要を示す図である。
【図9】図9は、コンテンツ販売者とユーザ間の商品取引情報と商品の流れを示すシーケンス図である。
【図10A】図10Aは、商品購入フローチャートである。
【図10B】図10Bは、図10Aの商品購入フローチャートの続きである。
【符号の説明】
【0081】
100 … ユーザ端末
110 … 認証情報
111 … 電子証明書
112 … 秘密キー
121 … 商談番号
122 … 商談明細
123 … 見積金額
124 … 電子チケット情報
130 … クレジット情報
200 … コンテンツ販売者端末
210 … 商品陳列テーブル
211 … 商品番号
212 … 商品名
213 … 商品説明
214 … 販売価格
220 … 商談情報管理テーブル
221 … 商談番号
222 … 商談明細
223 … 見積価格
224 … 期限情報
230 … 購入ページ
231 … 商談番号
232 … 販売情報
2321 … 商談明細
2322 … 見積価格
2323 … 販売日
2324 … 購入手続情報
233 … 電子チケット情報
2331 … チケット番号
23311 … 銀行コード
23312 … 発行年月日
23313 … 口座種別
23314 … 発行番号
2332 … 金額
2333 … 有効期限
2334 … 銀行署名
2335 … MAC(メッセージ認証コード)
240 … 販売履歴管理テーブル
241 … 商談番号
242 … 販売情報
243 … 販売履歴
250 … 販売情報管理テーブル
300 … インターネット銀行端末
310 … 顧客情報管理テーブル
320 … 電子チケット管理テーブル
400 … インターネット
500 … クレジット会社端末
510 … クレジットカード番号ジェネレーター
520 … クレジットカードデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、
コンテンツ販売者端末と、
インターネット銀行端末と
を具備し、
前記コンテンツ販売者端末は、商品陳列テーブルに基づいて商品(コンテンツ)のデータをホームページに掲載し、
前記ユーザ端末は、前記商品の商品名と数量を前記コンテンツ販売者端末に通知して見積りを依頼し、
前記コンテンツ販売者端末は、前記商品陳列テーブルを参照し、前記商品名と前記数量に基づいて前記見積りを実行し、前記見積りの結果として、前記商品の見積価格と商談毎に設定される商談番号とを発行して前記ユーザ端末に通知し、
前記ユーザ端末は、前記見積り結果を受けた後、予め口座開設している前記インターネット銀行端末に対して電子証明書と前記見積価格に相当する金額と前記商談番号を通知して電子チケットの発行を依頼し、
前記インターネット銀行端末は、前記電子証明書を認証局(CA)に送信し、前記認証局から前記電子証明書の正当性を示す通知を受信し、且つ、電子チケット管理テーブルを参照して前記商談番号の未使用確認をすることで、前記電子チケットの発行要求の正当性を確認し、前記発行要求が正当であれば、顧客情報管理テーブルを参照して前記口座を確認した後、前記電子チケットを発行して前記ユーザ端末に通知すると共に、前記商談番号と前記電子チケットの控えを前記電子チケット管理テーブルに格納し、
前記ユーザ端末は、前記コンテンツ販売者端末に前記商談番号を提示して前記商品の購入希望を通知し、
前記コンテンツ販売者端末は、前記商談番号に基づいて、商談毎に前記商品の購入ページを生成し、前記ユーザ端末から商品価格に相当する電子チケット情報の入力を確認すると、前記商談番号と前記電子チケット情報とを前記インターネット銀行端末に送って決済を依頼し、
前記インターネット銀行端末は、前記電子チケット管理テーブルを参照して前記商談番号と前記電子チケット情報との正当性を確認し、前記口座から前記電子チケットに記載された金額の引き落としと同時に、前記コンテンツ販売者端末への支払いが行われ、前記電子チケット管理テーブル上の前記電子チケットの有効期限を無効化して決済処理が完了し、前記決済完了を前記コンテンツ販売者端末に通知する
ネットワーク決済システム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記ユーザ端末は、
前記電子証明書と、
前記電子証明書を暗号化するための秘密キーと、
前記商談番号と、
前記コンテンツ販売者端末から通知される商談明細と、
前記見積価格に相当する見積金額と、
前記電子チケット情報と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項3】
請求項1に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記コンテンツ販売者端末は、
前記商品陳列テーブルと、
前記ユーザ端末から前記見積り依頼があった場合に商談情報を管理するための商談情報管理テーブルと、
前記購入ページと、
前記商談の完了履歴を管理するための販売履歴管理テーブルと
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項4】
請求項1に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記インターネット銀行端末は、
前記顧客情報管理テーブルと、
前記電子チケット管理テーブルと
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項5】
請求項1に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記商品陳列テーブルは、
前記商品を管理するための商品番号と、
前記商品名と、
前記商品の商品説明と、
前記商品の販売価格と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項6】
請求項3に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記商談情報管理テーブルは、
前記商談番号と、
前記商談の内容を管理するための商談明細と、
前記見積価格と、
前記商談の有効期限を示す期限情報と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項7】
請求項3に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記購入ページは、
前記商談番号と、
前記商談の内容を表す販売情報と、
前記電子チケット情報と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項8】
請求項7に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記商談番号は、
予め前記コンテンツ販売者端末と前記インターネット銀行端末との間で決められたコード番号を示す販売者コードと、
前記商談番号の発行された年月日を表す発行年月日と、
同一年月日に発行された商談番号の発行順を表す一連番号である発行番号と、
有効期限と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項9】
請求項7に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記販売情報は、
前記商談の内容を管理するための商談明細と、
前記見積価格と、
前記商品の販売日と、
前記商品購入時の連絡先を表示するための購入手続情報と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項10】
請求項7に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記電子チケット情報は、
前記電子チケットを識別するためのチケット番号と、
前記電子チケットに記載の金額と、
前記電子チケットの有効期限と、
前記インターネット銀行端末の属する銀行を示す銀行署名と、
前記チケット番号から前記銀行署名までの範囲のデータを一方向暗号で暗号化して出力されるハッシュ値であるメッセージ認証コードと
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項11】
請求項10に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記チケット番号は、
予め前記コンテンツ販売者端末と前記インターネット銀行端末との間で決められたコード番号である銀行コードと、
前記電子チケットの発行された年月日を表す発行年月日と、
前記電子チケットの原資となる口座の種類を表す口座種別と、
同一年月日に発行された電子チケットの発行順を表す一連番号である発行番号と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項12】
請求項3に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記販売履歴管理テーブルは、
前記商談番号と、
前記商談の内容を表す販売情報と、
販売履歴と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項13】
請求項4に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記顧客情報管理テーブルは、
顧客情報と、
顧客毎の電子証明書と、
顧客の口座情報と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項14】
請求項4に記載のネットワーク決済システムにおいて、
前記電子チケット管理テーブルは、
顧客の口座情報と、
メッセージ認証コード生成時の一方向暗合で使用される暗号化キーを記憶するための領域である認証コードと、
前記電子チケットのチケット番号と、
前記電子チケットに記載の金額と、
前記電子チケットの有効期限と、
前記商談番号と
を有する
ネットワーク決済システム。
【請求項15】
(a)インターネット上で販売されている商品(コンテンツ)の購入の際、ユーザ端末からコンテンツ販売者端末へ見積りを依頼するステップと、
(b)見積り結果として購入希望商品の見積価格と共に、商談毎にユニークな商談番号を発行して前記ユーザ端末に通知するステップと、
(c)前記見積り結果を受けた前記ユーザ端末が、事前に口座開設してある前記インターネット銀行端末に対して電子証明書と共に前記見積価格に相当する金額と前記商談番号を通知して未決済の電子チケットの発行を依頼するステップと、
(d)前記インターネット銀行端末における前記電子チケット発行時、前記電子証明書の認証結果と前記商談番号の未使用確認による前記ユーザ端末からの要求の正当性を確認するステップと、
(e)前記ユーザ端末の口座の開設を確認して前記電子チケットを発行し前記ユーザ端末に通知すると共に、発行した前記電子チケットと前記商談番号を一緒に保管するステップと、
(f)前記ユーザ端末から前記コンテンツ販売者端末へ前記商談番号を提示して商品の購入希望を通知するステップと、
(g)前記購入希望を受けた前記コンテンツ販売者端末が、商品購入ページを生成して商品価格に相当する前記電子チケット情報の入力を促すステップと、
(h)前記ユーザ端末からの前記電子チケット情報の入力時に、入力された前記電子チケット情報に該当する前記商談番号を提示して前記インターネット銀行端末に決済を依頼するステップと、
(i)前記インターネット銀行端末において、前記電子チケットと前記商談番号の正当性を確認し、問題が無い場合、前記コンテンツ販売者端末への支払いにより決済するステップと
を具備する
ネットワーク決済方法。
【請求項16】
(A)インターネット上で販売している商品(コンテンツ)に対して、ユーザ端末から見積りを依頼された時、見積り結果として購入希望商品の見積価格と共に、商談毎にユニークな商談番号を発行して前記ユーザ端末に通知するステップと、
(B)前記ユーザ端末から前記商談番号の提示により前記商品の購入希望を通知された時、商品購入ページを生成して商品価格に相当する電子チケット情報の入力を促すステップと、
(C)前記ユーザ端末からの前記電子チケット情報の入力時に、入力された前記電子チケット情報に該当する前記商談番号を提示して前記インターネット銀行端末に決済を依頼するステップと、
(D)前記インターネット銀行端末からの決済完了通知に伴い、前記ユーザ端末の商品(前記コンテンツ)購入を許可するステップと
を具備する
ネットワーク決済プログラム。
【請求項17】
(E)インターネット上で販売されている商品(コンテンツ)の購入を希望するユーザ端末が、電子証明書と共に前記商品の見積価格に相当する金額と前記商談番号とを通知して未決済の電子チケットの発行を依頼してきた場合、前記電子チケット発行時に、前記電子証明書の認証結果と前記商談番号の未使用確認による前記ユーザ端末からの要求の正当性を確認するステップと、
(F)前記ユーザ端末の口座の開設を確認して前記電子チケットを発行し前記ユーザ端末に通知すると共に、発行した前記電子チケットと前記商談番号を一緒に保管するステップと、
(G)前記ユーザ端末から電子チケット情報に該当する前記商談番号を提示して決済を依頼された時、前記電子チケットと前記商談番号の正当性を確認し、問題が無い場合、決済するステップと
を具備する
ネットワーク決済プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2007−66136(P2007−66136A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253050(P2005−253050)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】