説明

ネットワーク監視方法および装置

【課題】セキュリティが重要視される被監視装置の保守作業に利用できるように、ネットワーク監視装置と被監視装置間のセキュリティを確保したSNMPによるネットワーク監視を実現する。
【解決手段】ネットワーク監視装置から被監視装置の代理IPアドレスに対し、ネットワーク管理プロトコルのゲット要求を送信し、被監視装置から状態情報を取得するマネージャ装置にて、担当の被監視装置に対して周期的に情報収集を行い、その管理情報ベースを更新し、ネットワーク監視装置から要求のあった被監視装置の管理情報ベースをネットワーク監視装置へ渡すエージェント装置にて、監視対象の被監視装置の管理情報ベースを抽出し、マネージャ装置とエージェント装置のそれぞれの管理情報ベースをストレージで分離したストレージ装置内のノード情報ファイルに周期的にノード情報書き込みと読み出しを行い、ネットワーク監視装置へ被監視装置の代理IPアドレスに対するネットワーク管理プロトコルのゲット応答を送信するネットワーク監視方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク監視方法および装置に関し、特に、セキュリティが重要視されるネットワーク被監視装置を簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP:Simple Network Management Protocol)で監視する場合に用いると好適である。
【背景技術】
【0002】
ルータやスイッチ等のネットワーク機器の状態監視は、一般的には簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)により装置が持つ管理情報ベース(MIB:Management information Base)値を取得したり、装置が送信するトラップ通知を受信することで行われる。
【0003】
なお、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)は,ネットワークに接続された機器をネットワーク経由で監視するためのプロトコルであり、管理情報ベース(MIB)は、SNMPによって管理される項目を定義したもので、ルータやハブなどのネットワーク機器が備えており、自機の状態を保持する変数である。
【0004】
特に、セキュリティが重要視される被監視装置のSNMPによる監視においては、従来よりいろいろな試みがなされてきた。
【0005】
例えば、ネットワーク監視装置と被監視装置間に代理装置(代理SNMPエージェント装置)を配置し、この代理SNMPエージェント装置がアクセスルータを経由して被監視装置にシリアル回線で接続する構成をとり、代理SNMPエージェント装置はシリアル回線経由で被監視装置からコマンドで装置のデータを取得し、この応答データの文字列を解析することにより、搭載されているインターフェースなどを得て、ネットワーク監視装置が必要とするMIB情報に変換する発明が知られている。(例えば、特許文献1参照)
別の従来技術では、管理装置とネットワーク管理されるネットワークとの間に代理管理サーバを設け、代理管理サーバ内にデータベースを保持する発明が知られている。(例えば、特許文献2参照)
更に別の従来技術では、管理端末ネットワークと被管理機器ネットワーク間に、IPアドレスの変換機能と、管理項目の変換機能を有する代理応答装置を設けることで、SNMPによるMIB情報を取得する発明が知られている。(例えば、特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−268205号公報
【特許文献2】特開2003−249933号公報
【特許文献3】特開平09−331325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術(特許文献1)においては、アクセスルータと被監視装置の間はRS−232Cなどのシリアル接続であるため、回線速度が遅く、装置の情報取得が遅くなる。即ち、被監視装置で実行したコマンドの出力結果により監視を行っているため、被監視装置に搭載されるインターフェースの数が大量になり一つのコマンドの出力結果が数Mバイトになると、情報収集に時間がかかり短い間隔での情報収集を行うことができない。そのため、被監視装置に搭載されるインターフェースの障害検出が遅れるという問題がある。
【0008】
また、インターフェースに流れるトラフィック量を監視する際に、周期が長いとトラフィック量が丸められて本当のピーク値が判らないため、1〜5分周期で監視したい場合も、この方法では実現が難しい。
【0009】
別の従来技術(特許文献2)においては、代理管理サーバ内に処理部やデータベースを保持しているため、被管理対象側ネットワークから、代理管理サーバに進入できた場合、その先の管理装置側ネットワークにも侵入される可能性があるという、セキュリティの問題が有る。また、データベースにもファイルとして保持するようなデータがあるため、データベースへのアクセスや、それを利用したセキュリティ侵害の問題も有る。
【0010】
更に別の従来技術(特許文献3)においては、管理装置側と被管理装置側の間に、ストレージで分離する機能は無く、セキュリティの課題は解決されない。
【0011】
本発明の目的は、セキュリティが重要視される被監視装置のSNMPによる監視において、セキュリティおよび監視速度を確保するためのネットワーク監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明は、複数の異なる企業の社内ネットワークに接続されたネットワーク機器を常時監視し、前記ネットワークに接続された被監視装置の状態情報をネットワーク監視装置に提供するネットワーク監視方法であって、前記ネットワーク監視装置から前記被監視装置の代理IPアドレスに対し、ネットワーク管理プロトコルのゲット要求を送信するステップと、前記被監視装置から状態情報を取得するマネージャ装置にて、担当の前記被監視装置に対して周期的に情報収集を行い、その管理情報ベースを更新するステップと、前記ネットワーク監視装置から要求のあった前記被監視装置の管理情報ベースを前記ネットワーク監視装置へ渡すエージェント装置にて、監視対象の被監視装置の管理情報ベースを抽出するステップと、前記マネージャ装置と前記エージェント装置のそれぞれの前記管理情報ベースをストレージで分離したストレージ装置内のノード情報ファイルに周期的にノード情報書き込みと読み出しを行うステップと、前記ネットワーク監視装置へ前記被監視装置の代理IPアドレスに対するネットワーク管理プロトコルのゲット応答を送信するステップとを含んでいる。
【0013】
この本発明によれば、ネットワーク監視装置と被監視装置間の確実なセキュリティを確保したSNMPによるネットワーク監視方法を提供できる。
【0014】
また、本発明は、複数の異なる企業の社内ネットワークに接続されたネットワーク機器を常時監視し、前記ネットワークに接続された被監視装置の状態情報をネットワーク監視装置に提供する装置であって、前記ネットワーク毎に設けた前記被監視装置の状態情報を取得するマネージャ装置と、前記ネットワーク監視装置に前記被監視装置の状態情報を応答するエージェント装置と、前記マネージャ装置と前記エージェント装置の間に、データおよびプログラムを記憶するストレージで分離しデータ交換を行うストレージ装置とを備え、前記マネージャ装置は、前記被監視装置の状態情報を収集して前記ストレージ装置に周期的に更新格納する手段を有し、前記エージェント装置は前記ストレージ装置のデータを参照することで、前記被監視装置の状態情報を取得する手段を有している。
【0015】
本発明によれば、ネットワーク監視装置と被監視装置間の確実なセキュリティを確保し被監視装置の状態情報をネットワーク監視装置に提供する装置を実現できる。
【発明の効果】
【0016】
以上、開示の技術によれば、本発明では、代理SNMPエージェント装置と代理SNMPマネージャ装置は、異なるネットワークとなる構成のため、代理SNMPエージェント装置から代理SNMPマネージャ装置への直接のアクセスはできない。
【0017】
即ち、代理SNMPエージェント装置と代理SNMPマネージャ装置間の情報のやり取りは、代理ストレージ装置を介して行う。
【0018】
この代理ストレージ装置は、ストレージ装置であるため、その装置へアクセスして代理SNMPエージェント装置側(監視装置側)へアクセスすることは不可能であり、セキュリティ上の問題は解決される。
【0019】
また、本発明では、情報収集の時間について、代理SNMPマネージャ装置と被監視装置の間はIP接続であるため、100個のインターフェースが実装されている場合でも、必要な情報を取得するのに必要な時間は30秒〜60秒程度であり、情報収集が短縮される。
【0020】
更に、代理SNMPエージェント装置と代理SNMPマネージャ装置は、それぞれ代理ストレージ装置に対してファイバチャネルで接続されており、ノード情報ファイルの読み書きは、シリアル接続よりも短縮される。
【0021】
以上に説明したように本発明によれば、シリアル回線相当のセキュリティを確保しつつ、シリアル回線でのデータのやり取りよりも、短周期での監視が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態におけるネットワーク監視システムの全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるネットワーク監視システムの内部構成図である
【図3】本発明による代理ストレージ装置へのアクセスを示す説明図である。
【図4】本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その1)である。
【図5】本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その2)である。
【図6】本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その3)である。
【図7】本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その4)である。
【図8】本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その5)である。
【図9】本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その6)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態におけるネットワーク監視システムの全体構成図である。
【0025】
ネットワーク監視装置4は、IP回線に接続されている装置をSNMP(Simple Network Management Protocol)で監視する装置である。
【0026】
被監視ネットワーク6と6は、異なる企業ネットワークであり、相互のネットワーク間は、セキュリティで切り離されている必要がある。被監視ネットワーク6内には被監視装置5aと被監視装置5bが有り、被監視ネットワーク6内には被監視装置5cと被監視装置5dが有る。
【0027】
被監視装置5bと被監視装置5cは、同じIP(Internet Protocol)アドレス「10.0.0.1」を持つ。被監視装置5bと被監視装置5cは、同じIPアドレスを持つので、ネットワーク監視装置4から直接監視することはできない。
【0028】
代理SNMPエージェント装置1は、ネットワーク監視装置4とIP回線で接続され、前述のような異なる企業ネットワーク内の同じIPアドレスを持つ装置を、一意の装置として代理するために、被監視装置5a〜5dのIPアドレスの代理となるアドレスを持ち、そのアドレス上で被監視装置5a〜5dの装置情報を保持するSNMPエージェント機能を持つ。
【0029】
例えば、被監視装置5bを「192.168.1.1」で、被監視装置5cを「192.168.2.1」のアドレスで代理する。ネットワーク監視装置4は、それぞれ「192.168.1.1」「192.168.2.1」のアドレスに対してSNMPアクセスし、代理SNMPエージェント装置1は、「192.168.1.1」に対するSNMP要求が来たときは、被監視装置5bの情報を、「192.168.2.1」に対するSNMP要求が来たときは、被監視装置5cの情報を応答する。
【0030】
代理SNMPマネージャ装置21、は、それぞれ別々のIP回線上に存在し、代理SNMPマネージャ装置2は、被監視装置5a、5bに、代理SNMPマネージャ装置2は、被監視装置5c、5dにIP回線で接続され、代理SNMPエージェント装置1がネットワーク監視装置4にSNMP応答する元となる被監視装置5a〜5dの情報を、代理で収集するためのSNMPマネージャ機能を持つ。
【0031】
また、代理SNMPマネージャ装置21、は、周期的に被監視装置5a〜5dの情報をSNMPで収集し、必要な情報を代理ストレージ装置3に格納する。
【0032】
図1に示すように、代理SNMPエージェント装置1と代理SNMPマネージャ装置21、は、別々のIP回線に接続され、両者は、IP回線で直接データのやり取りをすることはできない。また、代理ストレージ装置3に対しては、それぞれファイバチャネルにより接続され、両者のデータのやり取りは、代理ストレージ装置3を介して行う。
【0033】
この構成とすることで、代理SNMPエージェント装置1側から代理SNMPマネージャ装置21、側への侵入、または代理SNMPマネージャ装置21、側から代理SNMPエージェント装置1側への侵入ができないようにする。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態におけるネットワーク監視システムの内部構成図である。
【0035】
(1)代理SNMPエージェント装置1の構成及び動作
代理SNMPエージェント装置1は、ネットワーク監視装置4からのSNMP Get要求に応答するSNMPエージェント部11と、被監視装置の情報が格納されたMIB情報ファイル12と、代理ストレージ装置3から被監視装置の情報を取得するコマンド実行部13と、被監視装置の監視のために使用するオブジェクト識別子(OID:Object IDentifier)情報が格納された対象OID定義ファイル14とを有するとともに、ネットワーク監視装置4とはIP回線を介して接続し、代理ストレージ装置3とはファイバチャネルでのみ接続してIP回線では接続されていない装置である。
【0036】
なお、オブジェクト識別子(OID)は、各オブジェクを区別するための識別子であり、MIBに格納されている個々の管理情報のことをオブジェクトと呼ぶ。
【0037】
次に、代理SNMPエージェント装置1内の各部の動作を説明する。
【0038】
コマンド実行部13は、周期的に代理ストレージ装置3内の接続装置情報ファイル31を参照する。この接続装置情報ファイル31には、代理SNMPエージェント装置1と被監視装置5のIPアドレスが含まれるので、自身が監視する装置を特定することができる。
更に、代理ストレージ装置3内のノード情報ファイル32を読み込んで、自身が監視する装置のノード情報を、MIB情報ファイル12に書き込むとともに、読み込んだノード情報は削除する。ノード情報ファイル32を読み込んだ際に、該当の情報が無い場合は、ノード情報の更新がないと判断し、MIB情報ファイル12の更新は行わない。
【0039】
SNMPエージェント部11は、ネットワーク監視装置4からSNMP要求が有ったときに、MIB情報12を読み込み、情報をネットワーク監視装置4にSNMP応答する。
(2)代理SNMPマネージャ装置2の構成と動作
代理SNMPマネージャ装置2は、被監視装置5からSNMP Getで装置の情報を収集するSNMPマネージャ部21と、被監視装置5の情報が格納されたMIB情報ファイル22と、MIB情報ファイル22内の被監視装置5の情報を代理ストレージ装置3のノード情報32に格納するコマンド応答部23と、被監視装置の監視のために使用するOID情報が格納された対象OID定義ファイル24とを有するとともに、被監視装置5とはIP回線を介して接続し、代理ストレージ装置3とはファイバチャネルでのみ接続しIP回線では接続されていない装置であるとともに、代理SNMPエージェント装置1と代理SNMPマネージャ装置2とは、IP回線では接続できない構成とする。
【0040】
次に代理SNMPマネージャ装置2内の各部の動作を説明する。
【0041】
SNMPマネージャ部21は、周期的に代理ストレージ装置3の接続装置情報ファイル31を参照する。この接続装置情報ファイル31には、代理SNMPエージェント装置1のIPアドレス、代理SNMPマネージャ装置2のIPアドレス、被監視装置5のIPアドレス、代理IPアドレスが含まれ、代理SNMPマネージャ装置2は、自身が監視する装置を特定することができる。
【0042】
更に、SNMPマネージャ部21は、自身が監視する被監視装置5を特定した後、その被監視装置5に対してSNMPによるデータ取得を行い、被監視装置5の情報をMIB情報ファイル22に書き込む。
【0043】
コマンド応答部23は、MIB情報ファイル22が更新されたときに、対象OID定義ファイル24を参照し、対象のOIDをMIB情報22から抽出して、代理ストレージ装置3のノード情報ファイル32に書き込む。
(3)代理ストレージ装置3の構成
代理ストレージ装置3は、ストレージ装置であり、内部に接続装置情報ファイル31とノード情報ファイル32とを有する。
【0044】
接続装置情報ファイル31には、代理SNMPエージェント装置1のIPアドレス、代理SNMPマネージャ装置2のIPアドレス、被監視装置のIPアドレス、被監視装置の代理アドレスの情報を保持する。ノード情報ファイル32には、代理SNMPマネージャ装置2により被監視装置5毎の情報が格納される。
【0045】
代理SNMPエージェント装置1と代理SNMPマネージャ装置2から、代理ストレージ装置3へのアクセスは、次のように動作する。
【0046】
図3は、代理ストレージ装置へのアクセスを示す説明図である。
【0047】
通常のファイルシステムでは、図3の左図に示すようにファイルに関するファイル名やファイルの作成日時などのVTOC(Volume Table Of Contents)が有るが、本発明では、代理SNMPエージェント/マネージャのアプリ処理で、通常のファイルシステムでのディスクアクセスとは異なる、ディスクのデータ領域に直接アクセスするように実装することで、ディスクアクセスの高速化とセキュリティの確保を図る。即ち、データ位置情報から参照しないノード情報用領域を確保する。代理SNMPエージェント装置1と代理SNMPマネージャ装置2は、このノード情報用領域を使用してデータのやり取りを行う。
【0048】
以下、図2に示す、各装置間の信号(a)〜(o)については、図4〜図9を用いて説明する。
【0049】
図4は、本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その1)である。
【0050】
以下、図2の(a),(b)の処理について、その動作手順を図4を用いて説明する。
【0051】
(a)の処理:SNMP Get要求
S1.ネットワーク監視装置(NMS)4は、監視する被監視装置5のアドレスに対し、SNMP GET要求を代理SNMPエージェント装置1内のSNMPエージェント部11へ送信する。
【0052】
S2.ネットワーク監視装置(NMS)4は、SNMP GETの応答待ち状態となる。
【0053】
(b)の処理:SNMP Get応答
S3.ネットワーク監視装置(NMS)4は、SNMPエージェント部11からSNMP GETの応答を受信する。
【0054】
S4.ネットワーク監視装置(NMS)4にて応答内容を処理し、監視する被監視装置5の状態をネットワーク監視装置(NMS)4で表示する。
【0055】
S5.ネットワーク監視装置(NMS)4は、監視処理が終了したか否かの判断をし、YESなら処理を終了し、NOならS1へ戻って定期的に処理を繰り返す。
【0056】
図5は、本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その2)である。
【0057】
以下、図2の(c)の処理について、その動作手順を図5を用いて説明する。
【0058】
(c)の処理:ノード情報取得要求(空きのノード情報ファイル作成)
S6.代理SNMPエージェント装置1内のコマンド実行部12は、ノード情報取得要求のため、代表ストレージ装置3内に、空きのノード情報ファイル32を作成する。
【0059】
S7.代理SNMPエージェント装置1のSNMPエージェント処理終了か否かを判断し、YESならコマンド実行部13の処理を終了し、NOならS6へ戻って定期的に処理を繰り返す。
【0060】
図6は、本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その3)である。
【0061】
以下、図2の(d)の処理について、その動作手順を図6を用いて説明する。
【0062】
(d)の処理:周期確認ノード情報取得応答(ノード情報書き込み)
S8.代理SNMPマネージャ装置2内のコマンド応答部23は、代理ストレージ装置内のノード情報ファイル32を読み込む。
【0063】
S9.ノード情報ファイル32が空きか否かを判断し、YESの場合はS10へ進み、NOの場合はS8へ戻る。
【0064】
S10.コマンド応答部23は、MIB情報ファイル22を参照する。[(n)の処理:MIB情報ファイル参照]
S11.コマンド応答部23は、対象OID定義ファイル24を参照する。[(o)の処理:対象OID定義ファイル参照]
S12.コマンド応答部23は、MIB情報ファイル22の情報と対象OID定義ファイル24の情報を元にノード情報ファイル32へノード情報を格納する。
【0065】
S13.コマンド応答部23は、代理SNMPマネージャ装置2のSNMPマネージャ処理が終了したか否かを判断し、YESならコマンド応答部23の処理を終了し、NOならS8へ戻って定期的に処理を繰り返す。
【0066】
図7は、本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その4)である。
【0067】
以下、図2の(e)の処理について、その動作手順を図7を用いて説明する。
【0068】
(e)の処理:周期確認ノード情報取得(ノード情報読み込み)ノード情報ファイル削除
S14.代理SNMPエージェント装置1内のコマンド実行部13は、代理ストレージ装置3内の接続装置情報ファイル31を参照し、自身が監視する対象である被監視装置5を抽出する。[(k)の処理:接続装置情報ファイル参照]
S15.コマンド実行部13は、代理ストレー時装置3内のノード情報ファイル32を読み込み、格納されている情報を抽出する。
【0069】
S16.コマンド実行部13は、対象OID定義ファイル14を参照する。[(j)の処理:対象OID定義ファイル参照]
S17.代理ストレー時装置3内のノード情報ファイル32から抽出した情報と対象OID定義ファイル14の情報を元に装置のMIB情報を作成し、MIB情報ファイル12内のMIB情報を更新する。[(i)の処理:MIB情報更新]
S18.コマンド実行部13は、代理ストレージ装置3内のノード情報ファイル32を削除する。
【0070】
S19.コマンド実行部13は、代理SNMPエージェント装置1のSNMPエージェント処理が終了したか否かを判断し、YESならコマンド実行部13の処理を終了し、NOならS14へ戻って定期的に処理を繰り返す。
【0071】
図8は、本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その5)である。
【0072】
以下、図2の(f)の処理について、その動作手順を図8を用いて説明する。
【0073】
(f)の処理:SUMP GET要求
S20.代理SNMPマネージャ装置2内のSNMPマネージャ部21は、代理ストレージ装置の接続装置情報ファイル31を参照し、自身が監視する対象を抽出する。[(l)の処理:接続装置情報ファイル参照]
S21.自身が監視する被監視装置5に対し、SNMP GET要求を送信する。
【0074】
S22.SNMP GETの応答待ち状態となる。
【0075】
S23.被監視装置5からSNMP GETの応答を受信する。[(g)の処理:SNMP GET応答]
S24.受信した被監視装置5の情報をMIB情報ファイル22へ格納する。[(m)の処理:MIB情報更新]
S25.代理SNMPマネージャ装置2のSNMPマネージャ機能が終了したか否かを判断し、YESならSNMPマネージャ部21の処理を終了し、NOならS20へ戻って定期的に処理を繰り返す。
【0076】
図9は、本発明によるネットワーク監視方法の手順を示すフローチャート(その6)である。
【0077】
以下、図2の(h)の処理について、その動作手順を図9を用いて説明する。
【0078】
(h)の処理:MIB情報参照
S26.代理SNMPエージェント装置1内のSNMPエージェント部11は、SNMP GET要求受信待ちの状態である。
【0079】
S27.ネットワーク監視装置4からSNMP GET要求を受信する。
【0080】
S28.MIB情報ファイル12を読み込み、SNMP GET要求対象の装置のMIBを抽出する。
【0081】
S29.ネットワーク監視装置4へSNMP GET応答を返す。[(b)の処理:SNMP GET応答]
S30.代理SNMPエージェント装置1のSNMPエージェント処理が終了したか否かを判断し、YESならSNMPエージェント部11の処理を終了し、NOならS26へ戻って定期的に処理を繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、ネットワーク監視装置と被監視装置間のセキュリティを確保したSNMPによるネットワーク監視が行えるため、セキュリティが重要視される被監視装置の保守作業に利用できる。
【符号の説明】
【0083】
1 代理SNMPエージェント装置
2 代理SNMPマネージャ装置
3 代理ストレージ装置
4 ネットワーク監視装置
5a,5b,5c,5d 被監視装置
,6 被監視ネットワーク
7 クライアント
11 SNMPエージェント部
12 MIB情報ファイル
13 コマンド実行部
14 対象OID定義ファイル
21 SNMPマネージャ部
22 MIB情報ファイル
23 コマンド応答部
24 対象OID定義ファイル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる企業の社内ネットワークに接続されたネットワーク機器を常時監視し、前記ネットワークに接続された被監視装置の状態情報をネットワーク監視装置に提供するネットワーク監視方法であって、
前記ネットワーク監視装置から前記被監視装置の代理IPアドレスに対し、ネットワーク管理プロトコルのゲット要求を送信するステップと、
前記被監視装置から状態情報を取得するマネージャ装置にて、担当の前記被監視装置に対して周期的に情報収集を行い、その管理情報ベースを更新するステップと、
前記ネットワーク監視装置から要求のあった前記被監視装置の管理情報ベースを前記ネットワーク監視装置へ渡すエージェント装置にて、監視対象の被監視装置の管理情報ベースを抽出するステップと、
前記マネージャ装置と前記エージェント装置のそれぞれの前記管理情報ベースをストレージで分離したストレージ装置内のノード情報ファイルに周期的にノード情報書き込みと読み出しを行うステップと、
前記ネットワーク監視装置へ前記被監視装置の代理IPアドレスに対するネットワーク管理プロトコルのゲット応答を送信するステップと、
を含むことを特徴とするネットワーク監視方法。
【請求項2】
請求項1記載のネットワーク監視方法において、
前記マネージャ装置と前記エージェント装置をファイバチャネルで前記ストレージ装置に接続することを特徴とするネットワーク監視方法。
【請求項3】
請求項1記載のネットワーク監視方法において、
前記ネットワーク監視装置と前記エージェント装置間をインタネットプロトコルで相互接続し、前記被監視装置と前記マネージャ装置間をインタネットプロトコルで相互接続することを特徴とするネットワーク監視方法。
【請求項4】
複数の異なる企業の社内ネットワークに接続されたネットワーク機器を常時監視し、前記ネットワークに接続された被監視装置の状態情報をネットワーク監視装置に提供する装置であって、
前記ネットワーク毎に設けた前記被監視装置の状態情報を取得するマネージャ装置と、
前記ネットワーク監視装置に前記被監視装置の状態情報を応答するエージェント装置と、
前記マネージャ装置と前記エージェント装置の間に、データおよびプログラムを記憶するストレージで分離しデータ交換を行うストレージ装置とを備え、
前記マネージャ装置は、前記被監視装置の状態情報を収集して前記ストレージ装置に周期的に更新格納する手段を有し、前記エージェント装置は前記ストレージ装置のデータを参照することで、前記被監視装置の状態情報を取得する手段を有することを特徴とする被監視装置の状態情報をネットワーク監視装置に提供する装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置において、
前記マネージャ装置と前記エージェント装置をファイバチャネルで前記ストレージ装置に接続することを特徴とする被監視装置の状態情報をネットワーク監視装置に提供する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−278936(P2010−278936A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131688(P2009−131688)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】