説明

ネットワーク監視装置、ネットワーク監視システム、ネットワーク監視方法、及びプログラム

【課題】ノードの稼働状態を監視するネットワーク監視システムを提供する。
【解決手段】接続関係情報格納部と、データ受信部と、稼動状態判定部と、稼動状態データを送信したノード200が正常な稼動状態であると稼動状態判定部が判定した場合に、当該稼動状態データを第1の記憶手段に転送する第1のデータ転送部と、稼動状態データを送信したノード200が正常な稼動状態ではないと稼動状態判定部が判定した場合に、接続関係情報格納部が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、当該稼動状態データを送信したノード200と接続された別のノード200を特定する接続先特定部と、正常な稼動状態ではないと判定されたノード200から送信された稼動状態データと、接続先特定部が特定した別のノード200から送信された通信障害データとを、第1の記憶手段よりも読み書き速度が高速な第2の記憶手段に転送する第2のデータ転送部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノードの稼働状態を監視するネットワーク監視装置、ネットワーク監視システム、ネットワーク監視方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク監視装置は、ネットワークを構成するノードの稼動状態を監視する装置である。例えばネットワーク監視装置は、ノードの稼動状態を監視するために、ノードの構成や障害等の情報を収集して管理する。ところで複数のノードによって構成されるネットワークは、近年、集約化され大規模となってきている。このような大規模なネットワークを構成するノードを監視するためには、監視のための大量のデータを収集して記憶しなければならないため、大容量の記憶装置が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平04−054525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばマイクロ波無線通信装置等の双方向通信を行うノードによって構成されるネットワークでは、あるノードで故障等の障害が発生すると、このノードと接続されたノードから通信異常等の障害報告が連続して大量に通知されることになる。このような突発的な通信障害等の通知を迅速に処理し、且つ、上記のような大規模なネットワークの監視にも対応し得るためには、読み書きの速度が高速で大容量の記憶装置を使用するか、読み書きの速度が高速で小容量の記憶装置を多数使用することが考えられるが、いずれの場合もコストパフォーマンス等の効率が悪いという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるネットワーク監視装置、ネットワーク監視システム、ネットワーク監視方法、及びプログラムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明のネットワーク監視装置によると、ネットワークを構成する複数のノードとの通信手段を有するネットワーク監視装置であって、ノードのうち、互いに接続されたノード同士をそれぞれ識別するノード識別情報を対応付けて格納する接続関係情報格納部と、ノードから、当該ノードの稼動状態を示す稼動状態データと、当該ノードと接続された別のノードとの通信障害を示す通信障害データとを受信するデータ受信部と、データ受信部が受信した稼動状態データに基づいて、当該稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であるか否かを判定する稼動状態判定部と、稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であると稼動状態判定部が判定した場合に、当該稼動状態データを第1の記憶手段に転送する第1のデータ転送部と、稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態ではないと稼動状態判定部が判定した場合に、接続関係情報格納部が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、当該稼動状態データを送信したノードと接続された別のノードを特定する接続先特定部と、正常な稼動状態ではないと判定されたノードから送信された稼動状態データと、接続先特定部が特定した別のノードから送信された通信障害データとを、第1の記憶手段よりも読み書き速度が高速な第2の記憶手段に転送する第2のデータ転送部とを備える。
【0007】
本発明のネットワーク監視システムによると、ネットワークを構成するノードの稼働状態を監視するネットワーク監視システムであって、ネットワークを構成する複数のノードと、ノードとの通信手段を有するネットワーク監視装置とを備え、ノードは、定期的に、自ノードが正常に稼動しているか否かを示す稼動状態データを生成する稼動状態データ生成部と、自ノードと接続された別のノードとの間に通信障害が発生した場合に、通信障害が発生したことを示す通信障害データを生成する通信障害データ生成部と、稼動状態データ生成部が生成した稼動状態データと、通信障害データ生成部が生成した通信障害データとをネットワーク監視装置に送信するデータ送信部とを有し、ネットワーク監視装置は、ノードのうち、互いに接続されたノード同士をそれぞれ識別するノード識別情報を対応付けて格納する接続関係情報格納部と、ノードから、当該ノードの稼動状態を示す稼動状態データと、当該ノードと接続された別のノードとの通信障害を示す通信障害データとを受信するデータ受信部と、データ受信部が受信した稼動状態データに基づいて、当該稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であるか否かを判定する稼動状態判定部と、稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であると稼動状態判定部が判定した場合に、当該稼動状態データを第1の記憶手段に転送する第1のデータ転送部と、稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態ではないと稼動状態判定部が判定した場合に、接続関係情報格納部が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、当該稼動状態データを送信したノードと接続された別のノードを特定する接続先特定部と、正常な稼動状態ではないと判定されたノードから送信された稼動状態データと、接続先特定部が特定した別のノードから送信された通信障害データとを、第1の記憶手段よりも読み書き速度が高速な第2の記憶手段に転送する第2のデータ転送部とを有する。
【0008】
本発明のネットワーク監視方法によると、ネットワークを構成するノードの稼働状態を監視するネットワーク監視方法であって、ノードのうち、互いに接続されたノード同士をそれぞれ識別するノード識別情報を対応付けて接続関係情報格納部に格納し、ノードから、当該ノードの稼動状態を示す稼動状態データと、当該ノードと接続された別のノードとの通信障害を示す通信障害データとを受信し、受信した稼動状態データに基づいて、当該稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であるか否かを判定し、稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であると判定した場合に、当該稼動状態データを第1の記憶手段に転送し、稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態ではないと判定した場合に、接続関係情報格納部が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、当該稼動状態データを送信したノードと接続された別のノードを特定し、正常な稼動状態ではないと判定されたノードから送信された稼動状態データと、特定した別のノードから送信された通信障害データとを、第1の記憶手段よりも読み書き速度が高速な第2の記憶手段に転送する。
【0009】
ネットワークを構成する複数のノードとの通信手段を有するコンピュータ用のプログラムであって、コンピュータに、ノードのうち、互いに接続されたノード同士をそれぞれ識別するノード識別情報を対応付けて格納する接続関係情報格納機能、ノードから、当該ノードの稼動状態を示す稼動状態データと、当該ノードと接続された別のノードとの通信障害を示す通信障害データとを受信するデータ受信機能、データ受信機能が受信した稼動状態データに基づいて、当該稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であるか否かを判定する稼動状態判定機能、稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であると稼動状態判定機能が判定した場合に、当該稼動状態データを第1の記憶手段に転送する第1のデータ転送機能、稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態ではないと稼動状態判定機能が判定した場合に、接続関係情報格納機能が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、当該稼動状態データを送信したノードと接続された別のノードを特定する接続先特定機能、正常な稼動状態ではないと判定されたノードから送信された稼動状態データと、接続先特定機能が特定した別のノードから送信された通信障害データとを、第1の記憶手段よりも読み書き速度が高速な第2の記憶手段に転送する第2のデータ転送機能を実現させる。
【発明の効果】
【0010】
上記説明から明らかなように、本発明によればむやみにコストを掛けることなく、大規模なネットワークを構成するノードから収集したデータを格納すると共に、障害等が発生することで大量のデータを収集して格納するような場合にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態に係るネットワーク監視システム全体の概略を示す図である。
【図2】ネットワーク監視装置100の機能構成を示すブロック図である。
【図3】マイクロ波無線通信装置200の機能構成を示すブロック図である。
【図4】接続関係データベース110のデータフォーマットの一例である。
【図5】マイクロ波無線通信装置200の動作を示すフローチャートである。
【図6】ネットワーク監視装置100の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本実施の形態に係るネットワーク監視システム全体の概略を示す図である。
ネットワーク監視システムは、ネットワーク監視装置100と、マイクロ波無線通信装置200a〜d(以下、マイクロ波無線通信装置200と総称する)とを備える。ネットワーク監視装置100は、ネットワーク300を介してマイクロ波無線通信装置200と通信する。
【0014】
ここでネットワーク300は、有線通信網、無線通信網、又はこれらの組み合わせであり、インターネット、PSTN(公衆交換電話網)、LAN、WAN等を含む。またマイクロ波無線通信装置200は、ネットワークを構成するノードの一例であり、ネットワークを構成する別のノードと双方向通信可能な装置であればよい。マイクロ波無線通信装置200同士は、双方向無線通信を行う。
【0015】
ネットワーク監視装置100は、マイクロ波無線通信装置200の稼動状態を示す情報をマイクロ波無線通信装置200から受信し、マイクロ波無線通信装置200の稼動状態が正常であれば、その稼動状態を読み書きの速度が低速で大容量の記憶手段に転送する。またネットワーク監視装置100は、マイクロ波無線通信装置200の稼動状態が正常でなければ、読み書きの速度が高速で小容量の記憶手段に転送する。さらにネットワーク監視装置100は、稼動状態が正常でないマイクロ波無線通信装置200と無線接続され、双方向無線通信を行っている別のマイクロ波無線通信装置200から通信障害を示す情報を受信し、読み書きの速度が高速で小容量の記憶手段に転送する。
【0016】
このようにネットワーク監視装置100には、通常は読み書きの速度が低速で大容量の記憶手段を利用し、突発的な障害等の通知を記憶するときにだけ読み書きの速度が高速で小容量の記憶手段を利用するために、全体的なコストを抑えつつ大規模なネットワークにも対応でき、且つ、突発的な障害等の通知等も遅延を招くことなく処理することができる。
【0017】
図2は、ネットワーク監視装置100の機能構成を示すブロック図である。
ネットワーク監視装置100は、接続関係データベース110と、データ受信部120と、稼動状態判定部130と、第1のデータ転送部140と、接続先特定部150と、第2のデータ転送部160とを有する。
【0018】
接続関係データベース110は、マイクロ波無線通信装置200のうち、互いに接続されたマイクロ波無線通信装置200のIPアドレスを対応付けて格納する。ここでマイクロ波無線通信装置200のIPアドレスは、マイクロ波無線通信装置200を識別する情報の一例である。マイクロ波無線通信装置200を識別する情報の一例としては、IPアドレスの他に、MACアドレス等でもよい。
【0019】
データ受信部120は、マイクロ波無線通信装置200から、稼動状態を示す稼動状態データを受信し、稼動状態判定部130に送る。またデータ受信部120は、マイクロ波無線通信装置200から、互いに双方向無線通信を行っている別のマイクロ波無線通信装置200との通信障害を示す通信障害データを受信し、第2のデータ転送部160に送る。
【0020】
稼動状態判定部130は、データ受信部120から受け取った稼動状態データに基づいて、この稼動状態データを送信したマイクロ波無線通信装置200が正常な稼動状態であるか否かを判定する。稼動状態判定部130は、稼動状態データを送信したマイクロ波無線通信装置200が正常な稼動状態であると判定した場合に、稼動状態データを第1のデータ転送部140に送る。一方、稼動状態データを送信したマイクロ波無線通信装置200が正常な稼動状態ではないと判定した場合に、稼動状態データを接続先特定部150に送る。第1のデータ転送部140は、稼動状態判定部130から受け取った稼動状態データを、読み書きの速度が低速で大容量の第1の記憶手段400に転送する。
【0021】
接続先特定部150は、接続関係データベース110が格納するマイクロ波無線通信装置200同士の対応関係に基づいて、稼動状態判定部130から受け取った稼動状態データを送信したマイクロ波無線通信装置200と接続された別のマイクロ波無線通信装置200を特定する。接続先特定部150は、稼動状態データと共に、この別のマイクロ波無線通信装置200を特定する情報とを第2のデータ転送部160に送る。
【0022】
第2のデータ転送部160は、接続先特定部150から受け取った稼動状態データを第1の記憶手段400よりも読み書きの速度が高速で小容量の第2の記憶手段500に転送する。また第2のデータ転送部160は、接続先特定部150から受け取った別のマイクロ波無線通信装置200を特定する情報と一致するマイクロ波無線通信装置200から送信された通信障害データをデータ受信部120から受け取って、第2の記憶手段500に転送する。
【0023】
図3は、マイクロ波無線通信装置200の機能構成を示すブロック図である。
マイクロ波無線通信装置200は、稼動状態データ生成部210と、通信障害データ生成部220と、データ送信部230とを有する。稼動状態データ生成部210は、定期的に、自装置が正常に稼動しているか否かを示す稼動状態データを生成し、データ送信部230に送る。通信障害データ生成部220は、自装置と接続された別のマイクロ波無線通信装置200との間に通信障害が発生した場合に、通信障害が発生したことを示す通信障害データを生成し、データ送信部230に送る。データ送信部230は、稼動状態データ生成部210から受け取った稼動状態データをネットワーク監視装置100に送信する。またデータ送信部230は、通信障害データ生成部220から受け取った通信障害データをネットワーク監視装置100に送信する。
【0024】
図4は、接続関係データベース110のデータフォーマットの一例である。
接続関係データベース110は、2つの識別情報フィールドを含む。識別情報フィールドは、互いに双方向通信を行っている2つのマイクロ波無線通信装置200を識別する情報をそれぞれ格納する。
【0025】
図5は、マイクロ波無線通信装置200の動作を示すフローチャートである。
まずマイクロ波無線通信装置200の稼動状態データ生成部210が、定期的に、自装置が正常に稼動しているか否かを示す稼動状態データを生成する(S101)。具体的には、稼動状態データ生成部210は、稼動状態データを生成するにあたり、自装置を構成するハードウェアやソフトウェアの動作を定期的にモニタリングして、異常がなければ正常に稼動していることを示す稼動状態データを生成し、異常があれば異常内容を示すデータを含む稼動状態データを生成する。
【0026】
一方通信障害データ生成部220は、自装置と接続された別のマイクロ波無線通信装置200との間に通信障害が発生した場合に、通信障害が発生したことを示す通信障害データを生成する(S102)。具体的には、通信障害データ生成部220は、通信障害データを生成するにあたり、自装置と双方向無線通信を行っている別のマイクロ波無線通信装置200との通信ログ等を参照して、エラーを示すログがあれば、通信障害データを生成する。
【0027】
次にデータ送信部230は、稼動状態データ生成部210が生成した稼動状態データと、通信障害データ生成部220が生成した通信障害データとをネットワーク監視装置100に送信する(S103)。具体的には、データ送信部230は、稼動状態データや通信障害データをネットワーク監視装置100に送信するにあたり、ネットワーク300を介して送信する。
【0028】
図6は、ネットワーク監視装置100の動作を示すフローチャートである。
まずネットワーク監視装置100のデータ受信部120が、マイクロ波無線通信装置200から、このマイクロ波無線通信装置200の稼動状態を示す稼動状態データと、このマイクロ波無線通信装置200と接続された別のマイクロ波無線通信装置200との通信障害を示す通信障害データとを受信する(S201)。
【0029】
次に稼動状態判定部130は、データ受信部120が受信した稼動状態データに基づいて、稼動状態データを送信したマイクロ波無線通信装置200が正常な稼動状態であるか否かを判定する(S202)。具体的には、稼動状態判定部130は、判定するにあたり、稼動状態データを解析し、異常内容を示すデータが含まれていれば、正常な稼動状態ではないと判定する。
【0030】
次に第1のデータ転送部140は、稼動状態データを送信したマイクロ波無線通信装置200が正常な稼動状態であると稼動状態判定部130が判定した場合に(S202:Yes)、稼動状態データを第1の記憶手段400に転送する(S203)。なお、第1のデータ転送部140がデータを転送する第1の記憶手段400は、読み書きの速度が低速で大容量の記憶手段である。
【0031】
一方、接続先特定部150は、稼動状態データを送信したマイクロ波無線通信装置200が正常な稼動状態ではないと稼動状態判定部130が判定した場合に(S202:No)、接続関係データベース110が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、正常な稼動状態ではないことを示す稼動状態データを送信したマイクロ波無線通信装置200と接続された別のマイクロ波無線通信装置200を特定する(S204)。なお、別のマイクロ波無線通信装置200を特定するのは、正常な稼動状態ではないことを示す稼動常態データを送信したマイクロ波無線通信装置200と双方向通信を行っているために、通信障害エラーを示す通信障害データを頻繁に送信してきている筈であり、この通信障害データも緊急的に処理を行う対象とするためである。
【0032】
次に第2のデータ転送部160は、正常な稼動状態ではないと判定されたマイクロ波無線通信装置200から送信された稼動状態データと、接続先特定部150が特定した別のマイクロ波無線通信装置200から送信された通信障害データとを、第2の記憶手段500に転送する(S205)。なお、第2のデータ転送部160がデータを転送する第2の記憶手段500は、読み書きの速度が高速で小容量の記憶手段である。
【0033】
このようにネットワーク監視装置100は、正常な稼動状態のマイクロ波無線通信装置200から送信されるデータを、読み書きの速度が低速で大容量の記憶手段に記憶することができる。またネットワーク監視装置100は、正常ではないマイクロ波無線通信装置200と、このマイクロ波無線通信装置200と双方向無線通信を行っている別のマイクロ波無線通信装置200から送信されるデータを、読み書きの速度が高速で小容量の記憶手段に記憶することができる。即ち、ネットワーク監視装置100は、読み書きの速度が低速で大容量の記憶手段と、高速で小容量の記憶手段とを使い分けることによって、ネットワークを構成するマイクロ波無線通信装置200から送信されるデータを問題なく処理することができ、且つ、記憶手段に掛かるコストを低コストに抑えることができる。
【0034】
また上記実施の形態においては、マイクロ波無線通信ネットワークを構成するマイクロ波無線通信装置200を監視する例について説明したが、本発明に係るネットワーク監視装置100の監視対象となり得るノードはこれに限られない。即ち本発明に係るネットワーク監視装置100の監視対象となり得るノードは、他のノードと双方向通信を行い、自ノードに障害が発生すればその障害通知を行い、自ノードと通信を行っている他のノードに障害が発生した場合にはそのノードとの間に通信障害が発生していることを通知するようなノードであれば対象となり得る。
【0035】
上述のネットワーク監視装置100は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述したネットワーク監視処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。
【0036】
またこのコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。
【0037】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0038】
100 ネットワーク監視装置
110 接続関係データベース
120 データ受信部
130 稼動状態判定部
140 第1のデータ転送部
150 接続先特定部
160 第2のデータ転送部
200 マイクロ波無線通信装置
210 稼動状態データ生成部
220 通信障害データ生成部
230 データ送信部
300 ネットワーク
400 第1の記憶手段
500 第2の記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを構成する複数のノードとの通信手段を有するネットワーク監視装置であって、
前記ノードのうち、互いに接続されたノード同士をそれぞれ識別するノード識別情報を対応付けて格納する接続関係情報格納部と、
前記ノードから、当該ノードの稼動状態を示す稼動状態データと、当該ノードと接続された別のノードとの通信障害を示す通信障害データとを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部が受信した稼動状態データに基づいて、当該稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であるか否かを判定する稼動状態判定部と、
前記稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であると前記稼動状態判定部が判定した場合に、当該稼動状態データを第1の記憶手段に転送する第1のデータ転送部と、
前記稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態ではないと前記稼動状態判定部が判定した場合に、前記接続関係情報格納部が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、当該稼動状態データを送信したノードと接続された別のノードを特定する接続先特定部と、
前記正常な稼動状態ではないと判定されたノードから送信された稼動状態データと、前記接続先特定部が特定した別のノードから送信された通信障害データとを、前記第1の記憶手段よりも読み書き速度が高速な第2の記憶手段に転送する第2のデータ転送部と
を備えることを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項2】
前記ノードは、マイクロ波無線通信ネットワークを構成するマイクロ波無線通信装置であることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク監視装置。
【請求項3】
前記第2の記憶手段は、前記第1の記憶手段よりも小容量であることを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワーク監視装置。
【請求項4】
ネットワークを構成するノードの稼働状態を監視するネットワーク監視システムであって、
ネットワークを構成する複数のノードと、
前記ノードとの通信手段を有するネットワーク監視装置と
を備え、
前記ノードは、
定期的に、自ノードが正常に稼動しているか否かを示す稼動状態データを生成する稼動状態データ生成部と、
自ノードと接続された別のノードとの間に通信障害が発生した場合に、通信障害が発生したことを示す通信障害データを生成する通信障害データ生成部と、
前記稼動状態データ生成部が生成した稼動状態データと、前記通信障害データ生成部が生成した通信障害データとを前記ネットワーク監視装置に送信するデータ送信部と
を有し、
前記ネットワーク監視装置は、
前記ノードのうち、互いに接続されたノード同士をそれぞれ識別するノード識別情報を対応付けて格納する接続関係情報格納部と、
前記ノードから、当該ノードの稼動状態を示す稼動状態データと、当該ノードと接続された別のノードとの通信障害を示す通信障害データとを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部が受信した稼動状態データに基づいて、当該稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であるか否かを判定する稼動状態判定部と、
前記稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であると前記稼動状態判定部が判定した場合に、当該稼動状態データを第1の記憶手段に転送する第1のデータ転送部と、
前記稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態ではないと前記稼動状態判定部が判定した場合に、前記接続関係情報格納部が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、当該稼動状態データを送信したノードと接続された別のノードを特定する接続先特定部と、
前記正常な稼動状態ではないと判定されたノードから送信された稼動状態データと、前記接続先特定部が特定した別のノードから送信された通信障害データとを、前記第1の記憶手段よりも読み書き速度が高速な第2の記憶手段に転送する第2のデータ転送部と
を有することを特徴とするネットワーク監視システム。
【請求項5】
ネットワークを構成するノードの稼働状態を監視するネットワーク監視方法であって、
前記ノードのうち、互いに接続されたノード同士をそれぞれ識別するノード識別情報を対応付けて接続関係情報格納部に格納し、
前記ノードから、当該ノードの稼動状態を示す稼動状態データと、当該ノードと接続された別のノードとの通信障害を示す通信障害データとを受信し、
受信した稼動状態データに基づいて、当該稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であるか否かを判定し、
前記稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であると判定した場合に、当該稼動状態データを第1の記憶手段に転送し、
前記稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態ではないと判定した場合に、前記接続関係情報格納部が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、当該稼動状態データを送信したノードと接続された別のノードを特定し、
前記正常な稼動状態ではないと判定されたノードから送信された稼動状態データと、特定した別のノードから送信された通信障害データとを、前記第1の記憶手段よりも読み書き速度が高速な第2の記憶手段に転送する
ことを特徴とするネットワーク監視方法。
【請求項6】
ネットワークを構成する複数のノードとの通信手段を有するコンピュータ用のプログラムであって、前記コンピュータに、
前記ノードのうち、互いに接続されたノード同士をそれぞれ識別するノード識別情報を対応付けて格納する接続関係情報格納機能、
前記ノードから、当該ノードの稼動状態を示す稼動状態データと、当該ノードと接続された別のノードとの通信障害を示す通信障害データとを受信するデータ受信機能、
前記データ受信機能が受信した稼動状態データに基づいて、当該稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であるか否かを判定する稼動状態判定機能、
前記稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態であると前記稼動状態判定機能が判定した場合に、当該稼動状態データを第1の記憶手段に転送する第1のデータ転送機能、
前記稼動状態データを送信したノードが正常な稼動状態ではないと前記稼動状態判定機能が判定した場合に、前記接続関係情報格納機能が格納するノード識別情報の対応関係に基づいて、当該稼動状態データを送信したノードと接続された別のノードを特定する接続先特定機能、
前記正常な稼動状態ではないと判定されたノードから送信された稼動状態データと、前記接続先特定機能が特定した別のノードから送信された通信障害データとを、前記第1の記憶手段よりも読み書き速度が高速な第2の記憶手段に転送する第2のデータ転送機能
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−288055(P2010−288055A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140072(P2009−140072)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】