説明

ネット袋

【課題】
本発明は、商品収納状態においても極めてスッキリとした形態を呈するように構成すると共に、強度的に優れ勝極めて安定した商品収容が図られるようにした新規のネット袋の提供を図ったものである。
【解決手段】
伸縮自在な網目材で形成したネット状胴体形成部1の下縁に、合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材2を連結すると共に、合成樹脂製シート材で形成されかつ口部閉鎖のための緊締用紐3aを具えた口縁部形成部材3を、上記ネット状胴体形成部1の上縁に連結したネット袋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品その他の小物商品を収容するためのネット袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のネット袋としては、多数のモノフィラメント状の線条を交差して一体化した伸縮自在な網目を構成してなるネット袋がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特許第2964331号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のこの種のネット袋は、上記したような伸縮自在の網材で全体を形成するものであった。 そのため、袋全体が腰の無い過柔軟なものとされ、商品を入れた際に不規則変形を生じて極めて見場の悪い形態となってしまうことを余儀なくされた。
【0005】
本発明はこのような従来の問題を解決し、商品収納状態においても極めてスッキリとした形態を呈するように構成した新規のネット袋の提供を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1に記載のように、伸縮自在な網目材で形成したネット状胴体形成部1の下縁に、合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材2を連結すると共に、合成樹脂製シート材で形成されかつ口部閉鎖のための緊締用紐3aを具えた口縁部形成部材3を、上記ネット状胴体形成部1の上縁に連結したネット袋に係る。
【0007】
そして、請求項2に記載のように、伸縮自在な網目材で形成したネット状胴体形成部11の下縁に、合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材12を連結すると共に、合成樹脂製シート材で形成されかつ口部閉鎖のための噛み合い用突条13aとこれと係合する噛み合い用凹条13bを具えた口縁部形成部材13を、上記ネット状胴体形成部11の上縁に連結したネット袋を第2実施例とするものである。
【0008】
また、請求項3に記載のように、伸縮自在な網目材で形成したネット状胴体形成部21の下縁に、合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材22を連結すると共に、軟質合成樹脂材で形成した一対の持ち手状閉塞用片23,23を、上記ネット状胴体形成部21の上縁に連結すると共に、当該一対の持ち手状閉塞用片23,23にはこれをスナップ的に係合させるための掛止め用突起23cと掛止め用孔23dを設けたネット袋を第3の実施例とするものである。
【0009】
そして、本発明に係るネット袋の好ましい実施例としては、請求項4に記載のように、合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材の中央部に、底面積を拡開するための折り返し用マチを設けるように構成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るネット袋は、袋の主体部分はネット状胴体形成部1としているが、その底面部分は合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材2を連結するように構成したから、当該底部形成部材2はネット材料とは異なり比較的腰が強いため、商品に対する収容状態での安定性が図られる。 同時に、強度的にも向上化されるため、比較的重い商品に対する収容も許容化される。
【0011】
更に、ネット状胴体形成部1の上縁には、合成樹脂製シート材で形成されかつ口部閉鎖のための緊締用紐3aを具えた口縁部形成部材3を連結するように構成したから、ネット袋の口部に対する強度性が高められると同時に、その口部閉鎖が緊締用紐3aの引き締めに基づき簡便に果されることと成る。
【0012】
また、本発明によれば、ネット状胴体形成部1以外の部分は合成樹脂製シート材で形成されているため、当該部分に、必要に応じて収容商品の商品名表示、バーコード表示、原材料マーク表示、原産地表示等の各種表示を施すことができる。 すなわち、全体がネット材料で形成されている従来品であると、このような表示を行うためにはシート材製の表示等を別途に付設する必要があったが、本発明にあってはこのような事柄は不要化され、ネット袋の製造上の簡便化とコストダウン化を図ることが出来る。
【0013】
本発明は請求項2に記載のような構成の採用に基づき、口部閉鎖をファスナー(商標)的に達成することが出来、従って、上述したような作用効果を奏すると共に、購入後の商品の小出しを行う等における口部開閉(口部に対する仮止め的閉鎖)の至便性が図られる。
【0014】
本発明は請求項3に記載のような構成の採用に基づき、上述したような作用効果を奏すると共に、一対の持ち手状閉塞用片23,23による把持上の利便性が図られる。 そして、掛止め用突起23cと掛止め用孔23dによるスナップ的に係合目的が達成されるため、購入後の商品の小出しを行う等における口部開閉(口部に対する仮止め的閉鎖)の至便性が図られる。
【0015】
本発明は請求項4に記載のような構成、すなわち、合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材の中央部に、底面積を拡開するための折り返し用マチを設けるように構成することにより、収容商品の量的増加、及び、収容状態での安定化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1及び図2は本発明に係るネット袋の第1実施例を表したものである。 同図において、1は多数のモノフィラメント状の線条を交差して一体化した伸縮自在な網目材で形成したネット状胴体形成部である。 当該胴体形成部1はネット袋の大半を占め、これの大きさで袋の容積が決定される。 従って、当該袋胴体形成部1の大きさは、収容商品の大きさまたは収容量等に即応させて設定するものとする。
【0017】
更に、上記袋胴体形成部1は、長尺シート状を呈する網材二枚を重ね合わせると共に、これを所定幅(形成対象とする袋の幅)ごとにウエルダー加工等加熱による裁断及び溶着処理を行うことにより形成するような形態を採ることにより、当該胴体形成部1の連続的成形を図ることができる。 1a,1aは当該溶着縁を示す。
【0018】
2は合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材であって、上記した胴体形成部1の下周縁に対して一体的に連設してある。 当該底部形成部材2は透明資材で形成することにより、胴体形成部1が網材であることによる透視性と合致させることを通常の実施例とするが、これに限定されることはなく、不透明シート材で形成するように構成しても良い。
【0019】
また、図示の実施例にあっては、当該底部形成部材2の形態を、中央部に折り返し用マチ2aを形成とすることにより、底面積の拡開が図られるように構成してある。 然し乍、当該底部形成部材2はこのようなマチを形成した形態に限定されるものではなく、単なる直線状合致縁とするように構成してもよい。
【0020】
上記した底部形成部材2は、長尺シート状を呈する合成樹脂製シート材を、その底縁にマチ2aを設けるか、或いは設けない状態で一括して二つ折りすると共に、これを所定幅(形成対象とする袋の幅)ごとにウエルダー加工等加熱による裁断及び溶着処理を行うという形成形態を採ることにより、当該底部形成部材2の連続的成形を図ることができる。 2b,2bは当該溶着縁を示す。
【0021】
3は合成樹脂製シート材で形成した口縁部形成部材であって、上記した胴体形成部1の上周縁に対して一体的に連設してある。 3aは当該口縁部形成部材3の口縁形成した袋状部3bに挿通させた緊締用紐であって、これを図1において前後方向に引き絞ることにより、口部閉鎖を図ると共に下げ紐として機能するように構成してある。
当該口縁部形成部材3は透明資材で形成することにより、胴体形成部1が網材であることによる透視性と合致させることを通常の実施例とするが、これに限定されることはなく、不透明シート材で形成するように構成しても良い。 図中、3cは溶着縁を示す。
【0022】
図3及び図4は本発明に係るネット袋の第2実施例を表したものである。 同図において、11はネット状胴体形成部であって、前記した第1実施例において説明した袋胴体形成部1と同一形態を呈するものである。 図中、11a,11aはその溶着縁を示す。
【0023】
12は合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材であって、前記した第1実施例において説明した底部形成部材2と同一形態を呈するものである。 図中、12aはマチ、 12b,12bはその溶着縁を示す。
【0024】
13は合成樹脂製シート材で形成した口縁部形成部材であって、上記した胴体形成部11の上周縁に対して一体的に連設してある。 13aは当該口縁部形成部材13の背面側内面に形成した噛み合い用突条、13bは同上正面側内面に形成した噛み合い用凹条であって、両者の係脱自在な噛み合いに基づき、ビニールファスナー(商標)的な係合が果されるように構成してある。 図中、13cは溶着縁を示す。
【0025】
図5及び図6は本発明に係るネット袋の第3実施例を表したものである。 同図において、21はネット状胴体形成部であって、前記した第1実施例において説明した胴体形成部1と同一形態を呈するものである。 図中、21a,21aはその溶着縁を示す。
【0026】
22は合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材であって、前記した第1実施例において説明した底部形成部材2と同一形態を呈するものである。 図中、22aはマチ、22b,22bはその溶着縁を示す。
【0027】
23,23は軟質合成樹脂材で形成した一対の持ち手状閉塞用片であって、ループ状の持ち手部23aと当該ループ状の持ち手部23aの基端に連設した取付け用水平片部23bとから成るものである。 そして、当該持ち手状閉塞用片23,23は、上記した胴体形成部21の上周縁に対して、その取付け用水平片部23bにおいて図示のように前後対称的に連設してある。
【0028】
23cは一方の持ち手状閉塞用片側にもうけた掛止め用突起、23dは他方の持ち手状閉塞用片側に設けた掛止め用孔であって、両者をスナップ的に係合させることによって、一対の持ち手状閉塞用片23,23の合致化が図られ、持ち手として機能すると共に、袋の開口部閉塞目的が達成されるように構成してある。
【0029】
本発明に係るネット袋は、通常のネット袋と同様にして使用に供するものである。 そして、袋内に収容される商品は、成樹脂製シート材で形成した底部形成部材により受けられ、安定した収容状態に保たれる。
【0030】
上記した底部形成部材2,12,22 には、必要に応じて収容商品の商品名表示、バーコード表示、原材料マーク表示、原産地表示等の各種表示を施す。 これにより、ネット状であることに起因して胴体形成部に対するこのような表示の不能性または困難性が解消される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るネット袋の第1実施例を表した斜視図である。
【図2】図2におけるX−X線断面図である。
【図3】本発明に係るネット袋の第2実施例を表した斜視図である。
【図4】図3におけるY−Y線断面図である。
【図5】本発明に係るネット袋の第3実施例を表した斜視図である。
【図6】図5における縦断側面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ネット状胴体形成部
1a 溶着縁
2 底部形成部材
2a マチ
2b 溶着縁
3 口縁部形成部材
3a 緊締用紐
3b 袋状部
11 ネット状胴体形成部
11a 溶着縁
12 底部形成部材
12a マチ
13 口縁部形成部材
13a 噛み合い用突条
13b 噛み合い用凹条
21 ネット状胴体形成部
21a 溶着縁
22 底部形成部材
22a マチ
22b 溶着縁
23 持ち手状閉塞用片
23a ループ状持ち手部
23b 取付け用水平片部
23c 掛止め用突起
23d 掛止め用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮自在な網目材で形成したネット状胴体形成部(1)の下縁に、合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材(2)を連結すると共に、合成樹脂製シート材で形成されかつ口部閉鎖のための緊締用紐(3a)を具えた口縁部形成部材(3)を、上記ネット状胴体形成部(1)の上縁に連結したネット袋。
【請求項2】
伸縮自在な網目材で形成したネット状胴体形成部(11)の下縁に、合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材(12)を連結すると共に、合成樹脂製シート材で形成されかつ口部閉鎖のための噛み合い用突条(13a)とこれと係合する噛み合い用凹条(13b)を具えた口縁部形成部材(13)を、上記ネット状胴体形成部(11)の上縁に連結したネット袋。
【請求項3】
伸縮自在な網目材で形成したネット状胴体形成部(21)の下縁に、合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材(22)を連結すると共に、軟質合成樹脂材で形成した一対の持ち手状閉塞用片(23,23)を、上記ネット状胴体形成部(21)の上縁に連結すると共に、当該一対の持ち手状閉塞用片(23,23)にはこれをスナップ的に係合させるための掛止め用突起(23c)と掛止め用孔(23d)を設けたネット袋。
【請求項4】
合成樹脂製シート材で形成した底部形成部材の中央部に、底面積を拡開するための折り返し用マチを設けた請求項1乃至請求項3の何れかに記載のネット袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−22549(P2007−22549A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203461(P2005−203461)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(597024245)鈴木特殊化工株式会社 (4)
【Fターム(参考)】