説明

ネブライザ

容器(3)があらかじめ収納されたネブライザ(1)、特に吸入器が提案される。容器(3)は、2つの関連のクロージャ(25,26)を備えた流体出口(24)を有する。容器(3)が部分閉鎖状態のネブライザ(1)内にあらかじめ収納された出荷状態では第2のクロージャ(26)が既に開放されている。第1のクロージャ(25)は、ネブライザ(1)を完全に閉じる又はネブライザ(1)を使用する直前又はその時点で開かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1又は3の前提部に記載されたネブライザに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の出発点は、国際公開第2006/125577(A2)号パンフレットに記載されているネブライザである。このネブライザは、霧状にされ又は噴霧化されるべき流体のためのリザーバとして、流体の入っている内袋を備えた挿入可能な硬質容器及び流体を送り出して噴霧化する駆動ばねを備えた圧力発生器を有している。
【0003】
好ましくは、容器は、出荷状態ではネブライザ内にあらかじめ収納される。ネブライザは、最初に使用される前においては完全に閉じられている。かくして、予備収納容器は、運搬管がシール及び隔膜を穿刺して容器の内袋に流体結合することにより開封される。さらに、輸送ロックは、容器がネブライザ内で前後に動くことができるよう開放される。
【0004】
ネブライザの下側ハウジング部品を回すことにより、駆動ばねを張力下に置くことができ、そして流体を圧力発生器の圧縮チャンバ内に吸い込むことができる。それと同時に、容器をネブライザ内のストローク運動の状態で下側ハウジング部分内に動かし、そして、最初に引張り操作すると、容器はそのベースが下側ハウジング部品内に設けられている穿刺要素によって穿孔して容器のガス抜きを可能にするのが良い。ロック要素の手動作動後、駆動ばねを解除し、圧力チャンバ内の流体を駆動ばねによって圧力下に置き、そして推進ガスを使用しないで、エーロゾルとしてノズルを通ってマウスピース中に送り出し又は噴霧化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/125577(A2)号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、容器があらかじめ収納されたサイズが最小限のネブライザを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、請求項1又は3記載のネブライザによって達成される。好ましい実施形態は、従属形式の請求項の内容である。
【0008】
本発明の基本的な技術的思想は、ネブライザの出荷状態であってもネブライザ内に密閉状態の容器が設けられており、ネブライザは、容器をネブライザの最初の使用前又は使用中にネブライザ内で開放するよう構成されていることにある。この基本的な技術的思想を以下、「予備収納容器」とも呼ぶ。これは、作動を容易にする。というのは、ネブライザを開き、容器を挿入し、そして容器を閉じる必要がないからである。かくして、さらに、容器の挿入時の不正確な取り扱いにより引き起こされるネブライザに対する望ましくない汚れ及び損傷を阻止することができる。したがって、容器が挿入中、誤って挿入され又は違ったやり方で誤使用することが不可能なので良好な作動上の安全性が得られる。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、ネブライザは、容器を流体結合する運搬要素を有する。出荷状態では、運搬要素は、容器内に既に部分的に挿入されているが、容器の流体出口を閉鎖する第1のクロージャは依然として閉じられている。このクロージャは、運搬要素のそれ以上の挿入中に開かれる。出荷状態において容器があらかじめ収納された状態のネブライザのサイズを最小限に抑えることが可能である。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、容器は、第1のクロージャ及び第2のクロージャを有し、これらクロージャは両方共、流体出口を閉鎖するために容器の流体出口に関連づけられている。出荷状態では、第2又は外側のクロージャは、第1段階で、特に、容器をネブライザ内に挿入したとき及び/又は容器をあらかじめ収納するためにネブライザを少なくとも部分的に閉じたときにネブライザによって既に開かれる。しかしながら、第1のクロージャは、この状態では、依然として閉鎖状態である。第1のクロージャは、ネブライザの最初の使用前最初の使用中、別個の第2の段階の際にネブライザ内で後で開かれる。かくして、出荷状態では容器があらかじめ収納されたネブライザのサイズを最小限に抑えることが可能である。
【0011】
特に、本発明により、ネブライザのハウジング部品(下側ハウジング部品)を先行技術の場合よりも更にネブライザ又はそのハウジング内に押し込むことができ又はこれに押して嵌めることができ、その結果、第2のクロージャは、出荷状態では既に開かれ、特に穿孔されているが、第1のクロージャは、依然として閉鎖状態にあることが可能である。その結果、ネブライザは、出荷状態では、先行技術のネブライザよりも特に軸方向に小型化される。
【0012】
好ましくは、容器は、交換可能ではなく、特に、これを取り外すことができない。この場合も又、これにより、容易な作動が得られ、それ故作動上の信頼性が高くなる。これは又、ネブライザが望ましくない又は許可がない状態で使用され又は再使用されるのを阻止する。
【0013】
特に、空の容器を満杯の容器で望ましくない仕方で置き換えることを目的としてネブライザを開くことができず、しかも下側ハウジング部品を取り外すことができない。
【0014】
予備収納容器と容器を交換できないようにする構造の組み合わせの結果として、ユーザは容器が空になるまで1回使用アイテムとしてユーザを用いることができるに過ぎないので、特に容易な作動が得られると共に高い作動上の信頼性が得られ、ネブライザの望ましくない又は許可されていないそれ以上の使用は、容器を交換することができないということにより阻止される。
【0015】
しかしながら、それ故、ユーザにとってそれに応じて容易な作動及び向上した作動上の信頼性は又、容器が例えば薬局で即ち、熟練スタッフによってあらかじめ収納された場合、オプションとして、容器が交換できないよう作られており、特に、ネブライザをユーザが開くことができないことを条件として開放される場合に達成できる。
【0016】
本発明の別の利点、特徴、性質及び観点は、特許請求の範囲の記載及び図面を参照して幾つかの好ましい実施形態についての以下の説明を読むと明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】非引張作用状態におけるネブライザの概略断面図である。
【図2】引張作用状態におけるネブライザを図1と比較して90°回転させた状態で示す概略断面図である。
【図3】ハウジングが部分的に閉鎖され、密閉状態の容器があらかじめ収納された出荷状態のネブライザの概略断面図である。
【図4】ハウジングが完全に閉鎖され、容器が開封された作動引張り操作状態にある図3のネブライザの概略断面図である。
【図5】非引張り操作状態にある図4のネブライザの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図において、同一の参照符号は、同一又は類似の部品について用いられ、対応の又は同等な性質及び利点は、たとえ説明を繰り返さないでも達成される。
【0019】
図1及び図2は、流体2、特に、効能の高い医薬組成物等を噴霧化する公知のネブライザ1を示しており、このネブライザは、非引張り操作状態(図1)及び引張り操作状態(図2)で概略的に示されている。ネブライザ1は、特に、携帯用吸入器として構成され、好ましくは、機械的に飲み且つ/或いは推進ガスなしで動作する。
【0020】
流体2、好ましくは液体、特に医薬組成物を噴霧化すると、エーロゾル14(図1)が生じ、このようなエーロゾルは、ユーザ(図示せず)により吸息又は吸入可能である。通常、吸入は、患者の苦しんでいる病気又は病訴に応じて、好ましくは定められた間隔で1日に少なくとも1回、特に1日に数回行われる。
【0021】
ネブライザ1は、流体2を収容した挿入可能な容器3を有する。かくして、この容器3は、噴霧化されるべき流体2のリザーバを形成している。好ましくは、容器3は、最高200回の投与単位をもたらし、即ち、最高200回のスプレー又は塗布を可能にするのに十分な量の流体2又は有効物質を収容している。国際公開第96/06011(A1)号パンフレットに開示されているような典型的な容器3は、約2〜10mlの量を収容する。
【0022】
容器3は、実質的に円筒形又はカートリッジの形状をしており、ネブライザ1をいったん開けると、容器を吸入器内に下から挿入でき、所望ならば交換することができる。この容器は、好ましくは硬質又は剛性構造のものであり、流体2は、特に、容器3内の折り畳み式袋4内に保持される。
【0023】
ネブライザ1は、流体2を特にあらかじめ設定され、オプションとして調節可能な投与量で運搬して噴霧化する圧力発生器5を有する。圧力発生器5は、好ましくは、容器3のためのホルダ6、駆動ばね7(一部しか示さず)、ばね7を解除するよう手動で操作できるロック要素8、運搬要素、例えば運搬管9、逆止弁10、圧力チャンバ11及び/又は流体2をマウスピース中に噴霧化するノズル12を有している。容器3は、ホルダ6によりネブライザ1内に取り付けられ又は保持されていて、運搬管9が、容器3内に入り込むようになっている。ホルダ6は、容器3を交換することができるよう構成されたものであるのが良い。
【0024】
駆動ばね7を軸方向に引っ張ると、ホルダ6は、容器3及び運搬管9と共に図面において下方に移動し、流体2は、容器3から吸い出され、逆止弁10を通って圧力発生器5の圧力チャンバ11内に吸い込まれる(流体2の運搬(吸引ストローク))。
【0025】
ロック要素8の作動後における次の弛緩中、圧力チャンバ11内の流体2は、今や閉鎖状態にある逆止弁10を備えた運搬管9が駆動ばね7の弛緩により上方に戻され、今や加圧ラム又はピストンとして働いているときに加圧下に置かれる。この圧力により、流体2は、ノズル12中に送り込まれ、次に、図1に示されているようにエーロゾル14の状態に噴霧化される。粒子の好ましい液滴サイズについては、以下において説明する。
【0026】
一般に、ネブライザ1は、流体に加わるばね圧力が5〜200MPa、好ましくは10〜100MPaであり、一ストローク当たりの送り出し流体量が10〜50μl、好ましくは10〜20μl、最も好ましくは約15μlの状態で動作する。流体2は、エーロゾル14に変換され又はエーロゾル14として噴霧化され、このようなエーロゾルの液滴の空気力学径は、最大20μm、好ましくは3〜10μmである。好ましくは、発生するジェットスプレーの角度は、20°〜160°、好ましくは80°〜100°である。これらの値は、特に好ましい値として本発明の教示に従って構成されるネブライザ1にも当てはまる。
【0027】
ユーザ(図示せず)は、エーロゾル14を吸入することができ、その間、少なくとも1つの空気供給開口部15を通って供給空気をマウスピース13内に吸い込むことができる。
【0028】
好ましくは、ネブライザ1又は駆動ばね7を手動で作動させ又は引張り操作することができる。ネブライザ1は、好ましくは、上側ハウジング部品16及びこの上側ハウジング部品に対して回転可能な内側部品17を有し(図2)、内側部品は、上側部分17a及び下側部分17bを有し(図1)、他方、特に手動操作可能なハウジング部品(下側ハウジング部品)18が、好ましくは保持要素19によってこの内側部品17に解除自在に取り付けられ、特にこれに装着されている。好ましくは、ハウジング部品16,18は、ネブライザ1のハウジングを形成する。容器3を挿入すると共に(或いは)交換するために、ハウジング部分18をネブライザ1又はそのハウジングから取り外すことができる。
【0029】
ネブライザ1は、技術の現状と比較してサイズが減少している1つ又は2つ以上の空気供給開口部15を更に有する。代替的に又は追加的に、後で説明するようにインサート24をネブライザ1のマウスピース13内に挿入することができる。
【0030】
ハウジング部品18を上側ハウジング部品16に対して回転させることができ、これに伴って、内側部品17の部分17bが回転する。その結果、駆動ばね7は、ホルダ6に作用する歯車又は伝動装置(図示せず)によって軸方向に引っ張られる。引張り中、容器3は、容器3が図2に示すような端位置を取るまで軸方向下方に動かされる。この作動又は引張り操作状態では、駆動ばね7は、張力下にある。噴霧化プロセスの際、容器3を駆動ばね7によってその元の位置(図1に示されている非引張り操作位置又は状態)に戻す。かくして、容器3は、引張り操作中及び噴霧化プロセス中、持ち上げ又はストローク運動を行う。
【0031】
ハウジング部分18は、好ましくは、キャップ状の下側ハウジング部品を形成し、容器3の下方自由端部周りに又はこの上に嵌まっている。駆動ばね7を引っ張ると、容器3は、その端部分と共にハウジング部品18内へ(更に)動き又はその端面に向かって動き、他方、ハウジング部品18内に設けられた通気手段、軸方向に作用するばね20が、容器のベース(底)21に接触し、容器が最初に穿刺要素19に接触すると、このばねは、穿刺要素22により容器3又はこれに設けられたベースシールを穿孔し、空気を取り込み又は通気させることができる。
【0032】
ネブライザ1は、好ましくはハウジングの上側部品16に対する内側部品17の回転を検出することにより、ネブライザ1の作動を計数するモニタ装置23を有するのが良い。好ましくは、モニタ装置23は、作動又は放出投与分の或る特定の回数に達し又はこれを超えると、ネブライザ1の作動又は使用を阻止し、例えば、ロック要素8の作動を阻止する。
【0033】
次に、図3〜図5を参照して提案対象の吸入器又はネブライザ1の構成及び作動モードについて説明するが、図1及び図2のネブライザ1との本質的な差についてのみ強調する。かくして、図1及び図2に関する説明は、好ましくはそのまま又は類似した仕方で当てはまり、これに対し、図1及び図2のネブライザ1と以下に説明するネブライザ1の特徴の任意所望の組み合わせが可能である。
【0034】
図3〜図5は、僅かに異なる実施形態としてのネブライザ1を概略断面図で示している。図3は、ネブライザ1を出荷状態で、即ち、依然として密閉された予備収納状態の容器3を備えた状態で示している。この状態では、ネブライザ2のハウジングは、完全には密閉されておらず、特に、ハウジング部品18は、内側部品17に完全には押し付けられていない。図4及び図5は、ネブライザ1をハウジングが完全に密閉されると共に容器3が開封された作動及び/又は引張り操作状態で示されている。図4では、ネブライザ1又は駆動ばね7が引張り操作され、即ち、容器3は、その下方位置にある。図5は、ネブライザ1を非引張り状態で、例えば、流体2の1回投与分の送り出し又は放出後の状態で示しており、容器3は、その上方位置にある。
【0035】
容器3は、図3に示されているように出荷状態ではネブライザ1内に既に設けられ又はあらかじめ収納されている。この状態では、容器3は、依然として密閉されており、即ち、一方において容器3又はその袋4と他方においてネブライザ1若しくはその圧力発生器5又は運搬要素との間には流体結合が存在しない。
【0036】
容器3は、小出しされるべき流体2を出力する流体出口24を有している。特に、流体出口24により、一方において容器3又はその袋4と他方においてネブライザ1、その圧力発生器5又は運搬要素との間の流体結合が可能である。
【0037】
容器3の非収納状態では、即ち、ネブライザ1内への容器3の取り付け又は予備収納前においては、流体出口24は、第1又は内側のクロージャ25により、オプションとして、第2又は外側のクロージャ26によって閉鎖される。特に、第2のクロージャ26は、第1のクロージャ25を覆う。
【0038】
第1又は内側のクロージャ25は、好ましくは、隔膜、メンブレン、プラスチックシール等で形成されると共に/或いは容器3の内側に設けられる。
【0039】
好ましい実施形態では、第2のクロージャ26は、好ましくは、シール、箔、キャップ等により、特に、金属製及び/又は複合箔等によって形成され、これは、好ましくは、容器3のヘッド側端部又は軸方向端部にホットシールされ又は任意他の適当な仕方で取り付けられる。図示の実施形態では、第2のクロージャ26は、好ましくはアルミニウム層を備えたホットシール箔によって形成される。
【0040】
好ましくは、クロージャ25,26は、別々の開放が可能であるよう設計され、特に、第2のクロージャ26を第1のクロージャ25とは別個独立に開放することができると共に/或いは第1のクロージャ25の前に開放しなければならないよう設計される。
【0041】
好ましくは、クロージャ25,26は、1つの共通の要素、特に運搬要素又は運搬管9等によって且つ/或いは穿刺によって連続開放が可能であるように設計されている。
【0042】
好ましい実施形態では、第1のクロージャ25と第2のクロージャ26は、軸方向若しくは容器3のストローク運動の方向又は流体2の主出口方向に対して次々に且つ/或いは間隔を置いて配置されている。
【0043】
好ましくは、第1の又は内側のクロージャ25は、容器3の出口又はヘッド側端部から容器3又は袋4中に延びるクロージャ部分27によって形成され又は支持される。第2の又は外側のクロージャ26は、好ましくは、容器3のヘッド側又は軸方向端部に隣接して配置されると共に/或いはフランジ28に対して保持され又はこれに連結され、フランジ28は、クロージャ部分27又は任意他の適当な部分により形成されるのが良い。しかしながら、他の構成上の手段が採用可能である。
【0044】
一般に、容器3、流体出口24、クロージャ25又は26は、特に、運搬要素、例えば運搬管9等によると共に/或いは穿刺又は任意他の適当な仕方で開放される。特に、開放は、容器3をネブライザ1、運搬要素又は管9等に対して動かすことによると共に/或いは長手方向又は軸方向運動によって達成される。
【0045】
本発明によれば、第2のクロージャ26は、出荷状態では、好ましくはネブライザ1によって自動的に既に開放される。特に、第2のクロージャ26は、容器3の挿入中、挿入により、挿入時及び/又はネブライザ1のハウジング又はハウジング部品18の少なくとも部分的閉鎖中、閉鎖により又は閉鎖時に開放される。好ましくは、第1のクロージャ25は、運搬要素が第1のクロージャ25、例えば隔膜を穿刺し又は開いたときに、流体2中に物質が全く落下することがないよう設計されているが、クロージャ部品27等に連結されたままの状態であると共に/或いはわきに回動される。
【0046】
具体的に説明すると、容器3は、特に輸送ロック29によってハウジング部品18に取り付けられ又はこれによって保持され、或いはこの中に固定され、輸送ロック29は、好ましくは、ハウジング部品18内に又はハウジング部品18のところに配置される。輸送ロック29は、容器3を好ましくは一時的に、特にハウジング部品18をネブライザ1に取り付ける前に且つ/或いは出荷状態において保持する。具体的に言えば、輸送ロック29は、容器3の流体結合中及び/又は容器3の機械的動作中、この場合ホルダ6により固定状態に保持する。
【0047】
好ましくは、第2のクロージャ26は、容器3を予備収納する際及び/又はハウジング部品18をネブライザ1に取り付ける際、特に、ハウジング部品18をネブライザ1に部分的にスナップ装着し又は押し嵌めする(押して嵌める)際、自動的に開放され、特に穿孔される。この場合、開放又は穿孔は、好ましい実施形態では、運搬要素又は運搬管9が出荷状態では第2のクロージャ26を貫通し、特にクロージャ部品27中に延び、即ち、容器3内に部分的に延びることによって行なわれる。かくして、ネブライザ1の非常にコンパクトな構成及び小さなサイズ若しくは軸方向広がりを出荷状態において達成することができる。特に、ハウジング部品18を穿孔技術の場合よりも出荷状態においてネブライザ1又はそのハウジングに顕著に更にスナップ装着でき又は押し嵌めすることができる。
【0048】
出荷状態では、第1のクロージャ25並びにかくして容器3及び流体出口24は、閉鎖状態のままである。
【0049】
出荷状態では、ネブライザ1又はハウジング部品18は、好ましくは、特に固定部材30によって固定され、容器3及び/又はハウジング部品18は、ネブライザ1又は上側ハウジング部品16から十分に間隔を置いた状態に保持されると共に/或いは運搬要素若しくは管9、ハウジング又は内側ハウジング部品17等に完全に挿入され又はこれに嵌められることがないように且つ/或いは容器3、即ち、第1のクロージャ25の開放(完全な開放)が阻止されるようになっている。
【0050】
図示の実施形態では、固定部材30は、好ましくは、ハウジング部品18と上側ハウジング部品16との間に設けられ、好ましくは、ハウジング部品16,18に係合し又はこれらの間に嵌まり、その結果、ハウジング部品又は下側部品18が上側ハウジング部品16に対して軸方向に固定され又はこれから十分に遠ざかって又はこれから間隔を置いて維持され若しくは保たれ、それにより密閉された(依然として密閉された)容器3又は第1のクロージャ25を運搬管9から遠ざかって保持することができるようになっている。
【0051】
好ましい実施形態では、固定手段又は固定部材30は、少なくとも実質的に中空であると共に/或いは円筒形であり、ハウジング部品(下側ハウジング部品)18と上側ハウジング部品16との間に軸方向に配置される。ネブライザ1を作動させ又はこれを使用可能な状態に準備し、即ち、ハウジング部品18を十分に軸方向に押し、それにより容器3を開くためには、先ず最初に、固定部材30を取り外し若しくは解除し又は開かなければならない。図示の好ましい実施形態では、固定部材30は、例えばプラスチックで作られた小旗のように構成されると共に/或いは手動で開かれ、取り除かれ又は破壊されるのが良い。固定部材30は、これに変わって又は同時に、出所証印(seal of origin)を形成し又は構成することができる。しかしながら、例えばセキュリティタブ等の形態をした固定部材30の他の実施形態も又、採用可能である。
【0052】
好ましくは、容器3及び/又はハウジング部品18は、出荷状態では確実に又は圧力嵌め若しくはインターロック状態で保持される。これは、好ましい実施形態では、特に容器3とハウジング部品18との間で働く輸送ロック29及びハウジング部品18とネブライザ1のハウジング又は上側ハウジング部品16との間で働く固定手段又は固定部材30等によって達成される。しかしながら、輸送ロック29又は固定部材30は、一方において容器3と他方においてネブライザ1、そのハウジング、上側ハウジング部品16、内側ハウジング部品17又はホルダ6との間で直接働いても良い。
【0053】
予備収納容器3、即ちその第1のクロージャ25は、出荷状態では、即ち、容器3があらかじめ収納された状態の非作動状態では依然として閉じられている。この非作動位置では、ハウジング部品18は、好ましくは、これがなくなることがないよう、特に、解除することができないよう固定される。この場合、ネブライザ1のハウジング部品又は下側部品18をこれが最初に軸方向に(部分的に軸方向に押し嵌めされた後、ネブライザ1からもはや取り外すことはできず、即ち、ネブライザ1をもはや開くことができず、その結果、容器3を交換することができず、即ち、再び取り外すことができない。
【0054】
ハウジング部品18を固定するため、ハウジング部品は、好ましくは、確実に又はインターロック若しくは圧力嵌め状態で保持され又はラッチ止めされる。好ましくは、ハウジング部品18は、少なくとも1つのラッチ止めラグ31、突出部、ノーズ等がハウジング部品18等に設けられた関連のラッチ止め凹部32に嵌まり込み、それによりハウジング部品18をインターロック係合により軸方向に取り外すことができないようにすることによって固定される。本実施形態では、ラッチ止めラグ31は、好ましくは屈曲可能なラッチ止めアーム33により形成され又はこのようなラッチ止めアーム33のところに形成されるのが良い。かくして、ハウジング部品18をネブライザ1又はそのハウジング若しくは上側ハウジング部品16に固定するラチェット状手段が形成される。しかしながら、他の構成上の手段も又、採用可能である。
【0055】
固定部材30をいったん取り外すと、ユーザ(図示せず)は、ハウジング部品18を軸方向に十分に押すことができ、それにより、運搬要素又は運搬管9を挿入して容器3、即ち第1のクロージャ25を開けることができる。図4及び図5は、ハウジング部品18が十分に押されると共に/或いは容器3が開いた(ネブライザ1若しくはその圧力発生器5又は運搬要素若しくは管9に流体結合された)この作動状態を示している。この押し込み又は作動状態では、ハウジング部品18はこの場合も又、好ましくは、インターロック係合により、即ち、軸方向圧力嵌め方式により、特にラッチ止めアーム33又はラッチ止めラグ31と対応の別のラッチ止め凹部32との嵌合により又は他の何らかの機械的固定器具によって固定され又は軸方向に取り付けられる。
【0056】
図4は、ネブライザ1又は容器3を作動状態で示しており、容器3、即ち第1のクロージャ25が開いており、即ち、容器3又はその流体2は、ネブライザ1又はその圧力発生器5に流体結合され、ハウジング部品18は、軸方向に完全に押し込められている。ホルダ6を容器3のヘッド端部と係合(完全係合)関係にして、吸引/引張り及び押し込みストロークのために容器3を後及び/又は前に動かすことができるようにするため、最初にネブライザ1又は管ばね7を引張り操作することが必要な場合がある。この引張り操作プロセス中、ホルダ6を運搬管9と一緒にハウジング部品18に向かって又はこの中に軸方向に動かし、かくしてホルダ6を容器3と係合(完全係合)関係にすると共に容器3をハウジング部品18のベースの付近で穿刺要素22に動かして当て又は押し付け、それにより容器ベース21に設けられているガス抜き穴34を穿刺し又は開く。図4は、ネブライザ1をこの引張り操作且つ作動状態で示している。ホルダ6は、容器3に係合し、運搬管9は、容器3内に完全に挿入されている。
【0057】
図5は、ネブライザ1を弛緩且つ非引張り状態で、即ち、流体2の1回投与分の噴霧化又は放出後の状態で示している。ホルダ6及び容器3は、上方位置にある。ホルダ6は、容器3と依然として係合しており、ネブライザ1の次の使用中、係合状態のままである。さらに、容器3は、依然として開くと共に流体結合されており、即ち、ネブライザ1は、作動状態のままである。
【0058】
図3に示されている出荷状態では、即ち、容器3、即ち第1のクロージャ25が閉鎖された(依然として閉鎖された)状態では、ネブライザ1をユーザの元に輸送し又は送り届けることができる。すると、ユーザは、容器3があらかじめ収納された状態でネブライザ1を保管することができる。容器3は、ネブライザ1の最初の使用前に又は使用中に、即ち、固定部材30を取り外し、ネブライザ1又はハウジング若しくはハウジング部品18を完全に閉鎖したときに後で開放される。
【0059】
容器3の開放は、好ましくは、もっぱら機械的手段及び/又は手動による作動によって実施される。しかしながら、追加的に又は代替的に、容器3を他の仕方で、例えば、化学的手段、電気的手段、磁気的手段、空気圧手段、油圧手段又は類似の手段によって開放することが可能である。
【0060】
提案対象のネブライザ1は、固定部材30の取り外し及びハウジング部品18の軸方向押し嵌め(完全軸方向押し嵌め)後に作動され、このようなネブライザ1を図1及び図2に示されたネブライザ1と同じ仕方で使用することができる。容器3の予備収納は、誤った容器3又は使用済みの容器3がユーザによりネブライザ1内に挿入されるのを阻止する。さらに、それにより、別々に供給される容器3がネブライザ1への挿入前に偶発的に開かれることがないようになる。さらに、提案した手段は、ネブライザ1が開かれ、容器3が不適切に使用された場合、ネブライザ1、例えば運搬管9等に対する汚れ又は損傷の恐れを阻止する。
【0061】
この場合、好ましくは容器3を取り外すことができないので、特に、ネブライザ1を開くことができず、しかもハウジング部品18を再び取り外すことができないので、ユーザによる容器3の望ましくない交換及び特にユーザによるネブライザ1の望ましくない臨時の又は次の開放を阻止することができる。
【0062】
ネブライザ1の出荷状態での容器3、特に第1のクロージャ25の望ましくない開放を阻止するため、好ましくは輸送ロック29が設けられる。例えば摩擦係合、強制係合又はインターロック係合により、輸送ロック29は、例えば輸送中、ネブライザ1の偶発的な落下等が起こった場合に容器3が望ましくないことにネブライザ1内で軸方向に動くのを阻止する。
【0063】
以下において、輸送ロック29の好ましい具体化について説明する。注目されなければならないこととして、輸送ロック29は、出荷状態では、容器3の好ましい部分的な開放又は穿孔、特に、即ち、第2のクロージャ26の開放とは別個独立に実現できる。特に、輸送ロック29の提案されている機能及び構成を特許請求の範囲に記載された特徴とは別個独立に実現できる。
【0064】
好ましい実施形態では、輸送ロック29は、出荷状態では、特に図3に示されているようにその好ましくは半径方向に拡張されたベース21又は縁部36周りに係合する(半径方向に係合する)ことにより容器3を軸方向に保持する少なくとも1本の把持アーム35、例えば複数本の把持アーム35を有する。
【0065】
把持アーム35は、好ましくは、ハウジング部品18の底部、ベース又は端面を形成することができる部材37によって保持され、形成され又はこれに取り付けられ或いはこれと一体に成形される。好ましくは、部材37又は底部は、把持アーム35が屈曲し又は回動することができるよう把持アーム35を保持する。
【0066】
好ましくは、穿刺要素22も又、部材37によって形成され又はこれによって保持される。
【0067】
注目されなければならないこととして、部材37及び/又は輸送ロック29をハウジング部品18内に挿入することができる。輸送ロック29又はその一部も又、ハウジング部品18により形成され又はこの中に形成されても良い。
【0068】
好ましくは、輸送ロック29は、多数の又は2つだけの互いに異なる部品、この場合、把持アーム35及び以下に説明する制御部材39により形成される。
【0069】
輸送ロック29、特に把持アーム35は、好ましくは容器ベース21又はガス抜き開口部34が図3に示されているように穿刺要素22から軸方向に間隔を置いて位置するように容器3を出荷状態で(輸送ロック29が閉じられた状態で)保持する。
【0070】
輸送ロック29を開くため、把持アーム35を半径方向外方向に屈曲させるのが良い。好ましくは、輸送ロック29の開放又は把持アーム35の屈曲は、ネブライザ1又はそのハウジングを完全に閉じると、即ち、ハウジング部品18を上側ハウジング部品16に完全にスナップ装着し又は押し嵌めすると、自動的に起こる。この(軸方向又は入れ子状)閉鎖運動中、輸送ロック29が開かれ、容器3が好ましくはこの運動の最後の一部分にのみに且つ/或いは最後の完全に閉じられた位置に達するほんの直前に又は最初の完全に閉じられた位置にちょうど達したときに軸方向に解除される。
【0071】
ネブライザ1の閉鎖運動により輸送ロック29が好ましくは自動的に開かれる。特に、輸送ロック29は、ネブライザ1のハウジング、内側部品17若しくはその下側部分17b、ばね7を支持した保持リング38等との直接的若しくは間接的相互作用又はこれによる作動によって開かれる。好ましくは、容器3及び/又は第1のクロージャ25は、輸送ロック29と共に、共通作動手段によって、この場合、ネブライザ1若しくはそのハウジング又は下側部品18によって開かれる。
【0072】
好ましい実施形態では、輸送ロック29は、好ましくは全ての把持アーム35を同時に作動させ、開放し、これらに係合し又はこれらを回動させる制御部材39、特にリング等を有する。特に、制御部材39又は輸送ロック29は、直線又は軸方向運動を把持アーム35の回動又は半径方向運動に変換することができる。
【0073】
制御部材39は、輸送ロック29を閉じたときに図3において上方位置で示されている。この位置では、制御部材39は、例えば制御部材39等の半径方向外方に当接する部分(図示せず)によって把持アーム35を閉鎖位置に、特に圧力嵌め状態で固定することができる。
【0074】
制御部材39は、輸送ロック29を開放するために軸方向に動くことができ又はずれることができる。特に、制御部材39は、ネブライザ1又はそのハウジングを完全に閉じ又はハウジング部品18に完全に押し嵌めし又はスナップ装着したときに下方に移動可能である。好ましくは、内側部品17又はリング38は、制御部材39を下方に又は把持アーム35に対して相対的に押して把持アーム35が解除され、特に、能動的又は確実に開かれ、回動され又は屈曲されて輸送ロック29を開くと共に/或いは容器3を解除するようになっている。図示の実施形態では、制御部材39は、その軸方向端部又は軸方向カラー若しくは環状リング部分40が把持アーム35の作動部分41と相互作用して作動部分41の軸方向下方運動の結果として、把持アーム35が回動すると共に把持アーム35が半径方向外方に撓む。把持アーム35の撓み特性は、用いられる材料、部材37との連結具合等で決まる。
【0075】
制御部材39は、好ましくは、輸送ロック29又は把持アーム35を確実に開く。
【0076】
図4及び図5は、輸送ロック29及び把持アーム35を開放位置で、即ち、容器3が自由に軸方向に動くことができる状態で示している。特に、制御部材39がその下方端位置で示されている。この位置では、制御部材39は、好ましくは、特に圧力嵌め又は押し込み嵌め若しくはスナップ連結により下側部品18内にロックされ又は固定され、その結果、輸送ロック29及び把持アーム35が永続的に開いた状態に保持されるようになっている。
【0077】
しかしながら、輸送ロック29の他の構成上の手段が採用可能である。この点に関して、特に国際公開第2006/125577(A2)号パンフレットを参照されたい。なお、この国際公開パンフレットは、これ又実現可能な他の幾つかの構成上の手段を示している。
【0078】
好ましくは、非作動状態では、即ち、ハウジング部品18が完全に押し嵌めされていないとき、ネブライザ1は、圧力発生器5の引張り操作を阻止し、即ち、具体的には上側ハウジング部品16に対する内側部品17の回転を阻止するようロックされるのが良い。これは、圧力発生器5が引張り操作状態下にはない出荷状態でネブライザ1を供給する場合に重要であると言える。したがって、吸入器1は、ハウジング部品18を完全に押し嵌めしたときに内側部品17を上側ハウジング部品16に対してだけ回転することができるようバリヤを有するのが良い。代替的に又は追加的に、固定部材30は、出荷状態での下側部品18の押し嵌めを阻止するだけでなく、固定部材30が開かれ、解除され又は取り外されるまで内側部品17の回転を阻止することができる。
【0079】
図3〜図5は、マウスピース13を覆うマウスピースカバー42を備えたネブライザ1を示している。
【0080】
一般的に言って、提案対象のネブライザ1では、容器3は、好ましくは、ネブライザ1内に挿入可能であり、即ち、組み込み可能であることは指摘されるべきである。その結果、容器3は、好ましくは、別個のコンポーネントである。しかしながら、容器3は、理論的には、ネブライザ1又はネブライザ1の一部によって直接形成されても良く、或いは、違ったやり方でネブライザ1に組み込まれても良い。
【0081】
上述したように、上述の実施形態の個々の特徴、観点及び原理は又、所望に応じて互いに組み合わせ可能であり、これらを特に図1及び図5の公知のネブライザに使用するのが良いが、同様な又は異なるネブライザにも使用できる。
【0082】
自立型機器等とは異なり、提案対象のネブライザ1は、好ましくは、携帯可能であるよう設計され、特に、可搬式の手操作型器具である。
【0083】
しかしながら、提案した解決手段を本明細書において具体的に説明したネブライザ1だけでなく、他のネブライザ又は吸入器、例えば粉末吸入器又はいわゆる計量投与型吸入器にも利用できる。
【0084】
好ましくは、流体2は、上述したように液体、特に水性調合薬である。しかしながら、流体は、他の何らかの調合薬、サスペンション等であっても良い。
【0085】
変形実施形態によれば、流体2は、粒子又は粉末を更に含んでいても良い。この場合、噴出ノズル12ではなく、他の何らかの種類の供給装置、特に、流体又は粉末等をマウスピース13内に供給する噴出開口部(図示せず)又は供給チャネル(図示せず)が設けられるのが良い。オプションとしての給気開口部15は、この場合、大気を好ましくは並列に供給してマウスピース13を介する吸息又は吸入に十分な量の空気流を発生させ又はその実現を可能にするのに役立つ。
【0086】
必要ならば、流体2は、推進ガスによって霧状にされても良い。
【0087】
好ましくは医療用の流体2の好ましい成分及び/又は調合薬は、国際公開第2009/047173(A2)号パンフレットに列記されており、この国際公開を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。上述したように、これらは、水性又は非水性溶液、混合物、エタノールを含み又は溶剤のない調合薬等であって良い。
【符号の説明】
【0088】
1 ネブライザ
2 流体
3 容器
4 袋
5 圧力発生器
6 ホルダ
7 駆動ばね
8 ロック要素
9 運搬管
10 逆止弁
11 圧力チャンバ
12 ノズル
13 マウスピース
14 エーロゾル
15 空気供給開口部
16 上側ハウジング部品
17 内側部品
17a 内側部品の上側部分
17b 内側部品の下側部分
18 ハウジング部品(下側部品)
19 保持要素
20 ばね
21 容器ベース
22 穿刺要素
23 モニタ装置
24 流体出口
25 第1のクロージャ
26 第2のクロージャ
27 クロージャ部分
28 フランジ
29 輸送ロック
30 固定部材
31 ラッチ止めラグ
32 ラッチ止め凹部
33 ラッチ止めアーム
34 通気穴
35 把持アーム
36 縁部
37 部材
38 リング
39 制御部材
40 リング部分
41 作動部分
42 マウスピースカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(2)用のネブライザ(1)であって、前記流体(2)を収容した挿入可能な容器(3)を有し、前記容器(3)は、前記流体(2)のための流体出口(24)を有し、前記流体出口(24)は、前記ネブライザ(1)の出荷状態では第1のクロージャ(25)によって閉鎖され、前記容器(3)は、前記出荷状態では前記ネブライザ(1)内に既に納められており、前記ネブライザ(1)は、前記流体(2)を前記容器(3)から運搬する運搬要素、特に運搬管(9)を有し、前記ネブライザ(1)は、第1のクロージャ(25)及び前記流体出口(24)が前記運搬要素の挿入による前記ネブライザ(1)の最初の使用前に又は最初の使用中、前記ネブライザ(1)内で開放されるよう構成されているネブライザにおいて、
前記運搬要素は、前記出荷状態では、前記第1のクロージャ(25)を開放しないで、前記容器(3)内に既に部分的に挿入されている、
ことを特徴とするネブライザ。
【請求項2】
前記容器(3)は、前記流体出口(24)を閉鎖する第2のクロージャ(26)を有し、前記第2のクロージャ(26)は、前記出荷状態では前記運搬要素によって既に開放されている、
請求項1記載のネブライザ。
【請求項3】
流体(2)用のネブライザ(1)であって、前記流体(2)を収容した挿入可能な容器(3)を有し、前記容器(3)は、前記流体(2)のための流体出口(24)を有し、前記流体出口(24)は、前記ネブライザ(1)の出荷状態では閉鎖され、前記容器(3)は、前記出荷状態では前記ネブライザ(1)内に既に納められており、前記ネブライザ(1)は、前記流体出口(24)が前記ネブライザ(1)の最初の使用前に又は最初の使用中、前記ネブライザ(1)内で開放されるよう構成され、前記容器(3)は、第1の好ましくは内側のクロージャ(25)及び前記流体出口(24)を閉鎖する第2の好ましくは外側のクロージャ(26)を有するネブライザにおいて、
前記第2のクロージャ(26)は、前記出荷状態では前記ネブライザ(1)により既に開放されており、前記ネブライザ(1)は、前記第1のクロージャ(25)が前記ネブライザ(1)の最初の使用前又は最初の使用中、前記ネブライザ(1)内で、後で別個に開放されるよう構成されている、
ことを特徴とするネブライザ。
【請求項4】
前記ネブライザ(1)は、前記流体(2)を前記容器(3)から運搬する運搬要素、特に運搬管(9)を有する、
請求項3記載のネブライザ。
【請求項5】
前記第1及び前記第2のクロージャ(25,26)は、前記運搬要素によって、特に穿刺又は挿入によって開放される、
請求項2又は4記載のネブライザ。
【請求項6】
前記第2のクロージャ(26)は、前記容器(3)の挿入時又は前記ネブライザ(1)のハウジング又はハウジング部品(18)の少なくとも部分的な閉鎖時に自動的に前記ネブライザ(1)によって開放される、
請求項2〜5のうちいずれか一に記載のネブライザ。
【請求項7】
前記第2のクロージャ(26)は、箔のシール及び/又は第1のクロージャ(25)を覆うシールである、
請求項2〜6のうちいずれか一に記載のネブライザ。
【請求項8】
前記ネブライザ(1)は、前記出荷状態では部分的にしか閉じられておらず、前記ネブライザ(1)の使用前又は使用中に完全に閉じられるハウジングを有し、好ましくは、前記ハウジングは、前記出荷状態では部分的にスナップ装着され又は挿入され、前記ハウジングを完全に閉鎖するために完全にスナップ装着され又は挿入されるハウジング部品(18)を有し、特に、前記第1のクロージャ(25)は、前記ハウジングの完全閉鎖時に自動的に開放される、
請求項1〜7のうちいずれか一に記載のネブライザ。
【請求項9】
前記第1のクロージャ(25)は、特に前記ネブライザ(1)、好ましくは前記ネブライザ(1)のハウジング又はハウジング部品(18)内に入れ子状に押し込むことにより開放される、
請求項1〜8のうちいずれか一に記載のネブライザ。
【請求項10】
前記ネブライザ(1)は、前記ハウジング又は前記ハウジング部品(18)を前記出荷状態では完全な閉鎖ができないよう軸方向に固定する固定部材(30)を有する、請求項6、8又は9記載のネブライザ。
【請求項11】
前記容器(3)は、前記流体の運搬中、圧力発生中及び/又は噴霧化中、好ましくはストローク動作で動くことができる、
請求項1〜10のうちいずれか一に記載のネブライザ。
【請求項12】
前記ネブライザ(1)は、特に前記第1のクロージャ(26)を開くことができないよう前記容器(3)を前記出荷状態では動くことができないよう保持する輸送ロック(29)を有する、
請求項1〜11のうちいずれか一に記載のネブライザ。
【請求項13】
前記輸送ロック(29)は、前記第1のクロージャ(25)の開放前又は開放中且つ/或いは前記ネブライザ(1)のハウジング又はハウジング部品(18)により且つ/或いは前記ネブライザ(1)のハウジングの完全閉鎖時に解除可能であり、開放可能であり又はロック解除可能である、
請求項12記載のネブライザ。
【請求項14】
前記輸送ロック(29)は、前記容器(3)をロック解除し又は解除するよう撓むことができる少なくとも1つの把持アーム(35)及び/又は前記容器(3)をロック解除し又は解除するよう好ましくはハウジング部品内で軸方向に動くことができる制御部材(39)、特にリングを有し、好ましくは、前記把持アーム(35)及びオプションとしての穿刺要素(22)が前記ネブライザ(1)の前記ハウジング部品(18)の底部又は部材(37)によって形成される、
請求項12又は13記載のネブライザ。
【請求項15】
前記ネブライザ(1)は、特にエーロゾル療法用の吸入器として構成されている、
請求項1〜14のうちいずれか一に記載のネブライザ。
【請求項16】
前記第1のクロージャ(25)は、前記容器(3)内に配置され又は前記容器(3)の端から間隔を置いて位置する、
請求項1〜9のうちいずれか一に記載のネブライザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−511366(P2013−511366A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540379(P2012−540379)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067896
【国際公開番号】WO2011/064160
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】