説明

ノイズキャンセル装置

【課題】より適切に動作ノイズを低減することができるノイズキャンセル装置を提供する。
【解決手段】ノイズキャンセル装置は、入力される音声信号に基づく信号から、第1ノイズを抽出する抽出部205と、音声信号に基づく信号から抽出した第1ノイズを減算した後に残存する第2ノイズに関するノイズ特性情報を記憶する記憶部142と、第1ノイズと、第2ノイズに関する情報とに基づいて、入力される音声信号に対して、ノイズキャンセルをするためのキャンセリング処理を行うキャンセリング部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ノイズキャンセル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
録音動作や、動画記録動作を行うときに、ズームレンズなどの駆動動作に伴って発生する動作ノイズを、取得されるオリジナルのオーディオデータから減算して、よりクリアな音質のオーディオデータを得るノイズキャンセル装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示のようなノイズキャンセル装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−211436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、デジタルカメラの小型化に伴い、ズームレンズなどの動作ノイズの発生源と、環境音を集音して音声信号を取得するマイクとの距離がより近づいている。また、静止画撮影のみならず、音声信号を多重化して記録する動画撮影が可能なデジタルカメラが普及している。これらの状況により、動作ノイズに対する対策がより一層望まれているという背景がある。
【0006】
上記課題を鑑みて、より適切に動作ノイズを低減することができるノイズキャンセル装置、及びそのようなノイズキャンセル装置を搭載した撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、一の態様において、入力される音声信号に基づく信号から、第1ノイズを抽出する抽出部と、音声信号に基づく信号から、前記抽出した第1ノイズを減算した後に残存する第2ノイズに関するノイズ特性情報を記憶する記憶部と、第1ノイズと第2ノイズに関する情報とに基づいて、入力される音声信号に対して、ノイズキャンセルをするためのキャンセリング処理を行うキャンセリング部とを具備するノイズキャンセル装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記態様によれば、より適切に動作ノイズを低減することができるノイズキャンセル装置、及びそのようなノイズキャンセル装置を搭載した撮像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】デジタルカメラ100の電気的構成図。
【図2】指向性合成部170の信号処理の構成図。
【図3】指向性合成部170における信号レベルおよびノイズレベルの変化を説明するための図。
【図4】基本となるノイズキャンセル部180の構成図。
【図5】ノイズキャンセル部180Aの構成図。
【図6】ノイズ特性データの一例を示す図。
【図7】ノイズ抽出の残存成分データ記録を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施の形態1〕
以下、実施の形態1に係るノイズキャンセル装置について、図面を用いて説明する。以下の説明では、実施の形態1に係るノイズキャンセル装置を搭載する撮像装置として、デジタルカメラを一例に挙げて説明する。尚、本例に係るノイズキャンセル装置は、デジタルカメラに限られず、例えば、デジタルビデオカメラ等のノイズが発生し得るその他の装置に適用可能である。
【0011】
〔1.構成〕
まず、図1を用い、デジタルカメラ(撮像装置)100の構成について説明する。
【0012】
〔1−1.デジタルカメラ100の構成〕
図1は、デジタルカメラ100の電気的構成図である。図示するように、デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は、撮像した被写体像に基づく画像情報を生成する。撮像により生成された画像情報は、画像処理部122において各種処理が施される。生成された画像情報はフラッシュメモリ142やメモリカード140に記録される。フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像情報は、使用者による操作部150の操作を受け付けて液晶モニタ123上に表示される。
【0013】
光学系110は、フォーカスレンズ111やズームレンズ112、絞り113等により構成される。図示していないが、光学系110は、光学式手ぶれ補正レンズOISを含んでいてもよい。なお、光学系110を構成する各種レンズは何枚から構成されるものでも、何群から構成されるものでもよい。
【0014】
フォーカスレンズ111は、被写体のフォーカス状態の調節に用いられる。ズームレンズ112は、被写体の画角の調節に用いられる。絞り113は、CCDイメージセンサ120に入射する光量の調節に用いられる。シャッタ114は、CCDイメージセンサ120に入射する光の露出時間を調節する。フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、絞り113、シャッタ114は、それぞれに対応したDCモータやステッピングモータ等の駆動手段により、コントローラ130から通知された制御信号に従って駆動される。
【0015】
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ124は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
【0016】
カードスロット141は、メモリカード140を着脱可能な接続手段である。カードスロット141は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット141は、メモリカード140を制御する機能を備えてもよい。
【0017】
メモリカード140は、内部にフラッシュメモリ等の記録部を備えた外部メモリである。メモリカード140は、画像処理部122で処理される画像情報などのデータを記録可能である。
【0018】
無指向性マイクL162、R163(マイクロフォンユニット)は、デジタルカメラ100の周辺の音声を、指向特性を持たせずに集音して、音声情報を示す電気信号に変換する。無指向性マイクL162は、デジタルカメラ100の撮像方向に対して水平に直交する方向であって、左方側に配置されている。一方、無指向性マイクR163は、デジタルカメラ100の撮像方向に直交する方向において、右方側に配置されている。電気信号に変換された音声情報は、メモリカード140に記録される。無指向性マイクL162、及び無指向性マイクR163は、デジタルカメラ100が音声記録モードや、動画像記録モードに設定されたときに動作する。
【0019】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に備わっている操作釦や操作レバーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。操作部150は使用者による操作を受け付けると、コントローラ130に種々の動作指示信号を通知する。
【0020】
コントローラ130は、デジタルカメラ100を構成する各部の動作を制御する。また、コントローラ130は、指向性合成部170と、ノイズキャンセル部180とを有している。指向性合成部170と、ノイズキャンセル部180の詳細は後述する。
【0021】
フラッシュメモリ(記憶部)142は、コントローラ130が各種動作を実行するためのプログラムや、各種パラメータを格納している。また、詳細は後述するが、フラッシュメモリ142は、ズーミング動作や、フォーカシング動作など、各動作に対応するノイズ特性データを格納する。
【0022】
〔1−2.指向性合成部170の構成〕
続いて、指向性合成部170の信号処理動作の詳細を図2および図3を用いて説明する。図2は、指向性合成部170の信号処理の構成図であり、指向性合成方法の一例として音圧傾度型の構成を表している。図3は、指向性合成部170における信号レベルおよびノイズレベルの変化を説明するための図である。
【0023】
図2に示すように、本例に係る指向性合成部170は、遅延器171、172、混合器173、174、及びイコライザ175、176を有する。
【0024】
指向性合成部170には、無指向性マイクL162からの音声信号A、及び無指向性マイクR163からの音声信号A´が入力される。図2中の音声信号A、A´の周波数特性は、図3(1)に示す通りである。すなわち、図3(1)に示すように、無指向性マイクL162からの音声信号Aおよび、無指向性マイクR163からの音声信号A´は、10Hzから20kHzまでの周波数帯域については、0dBの信号レベルとなっている。そして、10Hzより低周波数になるにつれて、或いは20kHzから高周波数になるにつれて、信号レベルが低くなっている。また、図示するように、音声信号A、A´には、−50dBのノイズレベルが含まれている。
【0025】
続いて、無指向性マイクL162からの入力である音声信号Aは、2つの経路に分かれて、一方は遅延器172に入力される。遅延器172は、入力信号Aを、所定時間Tだけ位相を遅延させる回路である。ここで、音速をV(m/sec)、図中に破線で示す無指向性マイクL162、R163の間の距離をL(m)としたとき、所定時間tは、L/V(sec)と設定することで、適切な指向性特性を得ることができる。無指向性マイクL162、R163は、デジタルカメラ100を取り巻く周囲の音声を集音している。無指向性マイクL162、R163が集音している音声のうち、例えば、デジタルカメラ100に対して真左にて発せられた音声の場合、まず無指向性マイクL162にて集音してから、遅れることt(sec)後に、無指向性マイクR163にて集音することになる。すなわち、無指向性マイクR163にて集音した音声信号は、無指向性マイクL162にて集音した音声信号中の真左の音声成分からt(sec)遅延した真左の音声成分を含んでいる。この遅延器172にて位相を遅延させた音声信号は、混合器173に入力される。無指向性マイクR163からの入力である音声信号と、遅延器172からの入力である音声信号は、混合器173にて減算処理される。そして、混合器173は、無指向性マイクR163からの音声信号を大きく減衰させた信号B´を出力する。このとき、無指向性マイクR163からの音声信号A´は、無指向性マイクL162からの音声信号に大きく寄与する成分が減算され、右方の音声信号が強調された状態となる。
【0026】
同様に、無指向性マイクR163からの入力である音声信号A´は、2つの経路に分かれて、一方は遅延器171に入力される。遅延器171は、遅延器172と同様、入力された所定時間tだけ位相を遅延される回路である。この遅延結果は、混合器174にて、無指向性マイクL162からの入力される音声信号Aから、減算処理される。これにより、無指向性マイクL162からの音声信号Aは、無指向性マイクR163からの音声信号に大きく寄与する成分が減算され、左方の音声信号が強調された状態となる。
【0027】
このとき、図2中の音声信号B、B´は、図3(2)のように示される。図示するように、音声信号B、B´は、デジタルカメラ100の正面から入力される音声信号に対しては、周波数fo(=V/2L)付近にレベルピークを持つ状態となる。ピーク周波数foピークは、本例では、6dB程度のレベルである。一方、ノイズレベルは、ホワイトノイズ(ランダムなノイズ)が主成分の場合、図3(1)にて示した状態よりも、約3dB程度、上昇する。そして、図3(2)に示すように、周波数fo付近のレベルピークより高周波数側のレベルは、急激に減衰し、周波数fo付近のレベルピークより低周波数側のレベルは、−6dB/octで減衰する。
【0028】
周波数fo付近のレベルピークより低周波数側の信号レベルについて、周波数に対して平坦化するためにイコライザ175、176を用いる。イコライザ175、176は、図3(4)に示すような、周波数foよりも低い周波数成分を6dB/octで増幅させる特性を有する。
【0029】
そのため、続いて、混合器173、174から入力されるそれぞれの音声信号B、B´は、イコライザ175、176を介することにより、図3(3)に示すような周波数特性となる。この結果、音声信号(信号出力ゲイン)については、周波数foよりも低い周波数帯域が平坦化される。
【0030】
しかしながら、図3(3)に破線で示すように、ノイズレベルも、このイコライザ175、176によって音声信号と共に増幅される。すなわち、指向性合成部170により、無指向性マイクL162、R163からの音声信号に対して、指向性合成された結果、ノイズが、図3(3)における周波数foよりも低周波帯域(S)において増幅されるという副作用が生じる。ここで増幅されるノイズ成分は、無指向性マイクL162、R163から出力されるノイズのうち、相関の低い信号が主要な成分である。相関の低い音声信号とは、撮像装置100の場合では、ズーミング動作やフォーカシング動作時の機械振動雑音等がそれに相当する。この副作用のために、雑音が大きくなるという課題が生じる。
【0031】
〔1−3−0.基本ノイズキャンセル部180Aの信号処理について〕
そのため、本実施の形態1のデジタルカメラ100は、この増幅されたノイズを低減するために、ノイズキャンセル部180を備える。
【0032】
実施の形態1に係るノイズキャンセル部180の動作の詳細を説明するにあたって、まず、ノイズキャンセル部180の基本構成に係る信号処理について説明する。図4は、基本のノイズキャンセル部180Aの信号処理の構成図である。ノイズキャンセル部180は、ズームレンズ112やフォーカスレンズ111が駆動することにより発生する機械振動ノイズや、電気回路から発生するノイズといった、無相関ノイズを入力音声信号からキャンセルすることができる。
【0033】
図4に示すように、基本のノイズキャンセル部180Aは、高速フーリエ変換回路(以下、「FFT」と称する)200、201、絶対値化回路202、203、204、ノイズ抽出回路205、レベル調整回路206、207、加算回路208、乗算回路209、210、逆高速フーリエ変換回路(以下、「iFFT」と称する)211、212、及び減算回路213、214を有する。
【0034】
図示するように、指向性合成部170による無指向性マイクL162側の音声信号Dは、Lchに入力される。同様に、指向性合成部170による無指向性マイクR163側の音声信号D´は、Rチャンネル(Rch)に入力される。
【0035】
Rch側に入力される音声信号D´は、2つの経路に分かれる。Rch側の音声信号の一方は、FFT200に入力される。FFT200は、入力されたRch側の音声信号に対して、フーリエ変換処理を施し、周波数成分ごとの音声信号に分割する。このときのRch側の音声信号を、後述のノイズ抽出の説明のために、模式的にSRch+NRchとする。ここで、SRchはRchの信号レベルを示し、NRchはRchのノイズレベルを示す。同様に、Lチャンネル(Lch)側の音声信号は、2つの経路に分かれる。Lch側の音声信号の一方は、FFT201に入力される。FFT201も同様に、入力されたLch側の音声信号に対して、フーリエ変換処理を施し、周波数成分ごとの音声信号に分割する。このときのLch側の音声信号を、後述のノイズ抽出の説明のために、模式的にSLch+NLchとする。ここで、SLchはLchの信号レベルを示し、NLchはLchのノイズレベルを示す。
【0036】
続いて、FFT200にてフーリエ変換処理の施されたRch側の音声信号は、3つの経路に別れ、一つは加算器208に入力され、一つは絶対値化回路202に入力され、一つは乗算回路209に入力される。同様に、FFT201にてフーリエ変換処理の施されたLch側の音声信号は、3つの経路に別れ、一つは加算器208に入力され、一つは絶対値化回路204に入力され、一つは乗算回路210に入力される。
【0037】
加算回路208は、Rch側の音声信号に対してフーリエ変換処理が施された結果と、Lch側の音声信号に対してフーリエ変換処理が施された結果とを加算することにより、前述の指向性合成処理により増大されたノイズを抑制した信号を生成する。NRchと、NLchは、それぞれ主にランダムなノイズである。一方、SRchと、SLchは、主に音声信号であり、双方は強い相関を有している。そのため、このときの加算回路208の生成信号は、(SRch+SLch)+(NRch+NLch)×√2となる。
【0038】
絶対値化回路202は、Rch側のFFT200の入力される音声信号に対して、各周波数成分における振幅情報(|SRch+NRch|)を抽出する。同様に、絶対値化回路204は、Lch側のFFT201から入力される音声信号に対して、各周波数成分における振幅情報(|SLch+NLch|)を抽出する。同様に、絶対値化回路203は、加算回路208の出力信号に対して、各周波数成分における振幅情報(|(SRch+SLch)+(NRch+NLch)×√2|)を抽出する。
【0039】
絶対値化回路202が抽出した振幅情報は、2つの経路に別れ、一方はノイズ抽出回路205に入力され、他方はレベル調整回路206に入力される。絶対化回路204が抽出した振幅情報は、2つの経路に別れ、一方はノイズ抽出回路205に入力され、他方はレベル調整回路207に入力される。また、絶対化回路203が抽出した振幅情報は、ノイズ抽出回路205に入力される。
【0040】
ノイズ抽出部205は、絶対値化回路202、203、204から入力されるそれぞれの振幅情報(|SRch+NRch|)、(|SLch+NLch|)、(|(SRch+SLch)+(NRch+NLch)×√2|)、を比較することによりノイズ(第1ノイズ)を抽出する。ノイズ抽出部205により抽出されたノイズ信号(第1ノイズ)は、レベル調整回路206、207に入力される。
【0041】
レベル調整回路206は、絶対値化回路202から入力されるRch側の振幅情報(|SRch+NRch|)を参照し、この振幅情報の示すレベルに合わせるように、ノイズ抽出部205により抽出されたノイズ信号のレベルを調整する。レベル調整回路206により調整されたノイズ信号は、乗算回路209に入力される。同様に、レベル調整回路207は、絶対値化回路204から入力されるLch側の振幅情報(|SLch+NLch|)を参照し、この振幅情報の示すレベルに合わせるように、ノイズ抽出部205により抽出されたノイズ信号のレベルを調整する。レベル調整回路207により調整されたノイズ信号は、乗算回路210に入力される。
【0042】
乗算回路209は、FFT200から入力された周波数成分ごとの音声信号に対して、レベル調整されたノイズ成分を乗算する。これにより、位相情報を有したノイズ信号を生成することができる。生成されたノイズ信号は、iFFT211に入力される。乗算回路210は、FFT201から入力された周波数成分ごとの音声信号に対して、レベル調整されたノイズ成分を乗算する。これにより、位相情報を有したノイズ信号を生成することができる。生成されたノイズ信号は、iFFT212に入力される。
【0043】
iFFT211は、乗算回路209から入力されたノイズ信号に対して、逆フーリエ変換を施し、時間波形に再度生成する。時間波形に変換されたノイズ信号は、減算回路213に入力され、Rch側の音声信号に対して減算される。これにより、ノイズが低減されたRch側の音声信号を得ることができる。同様に、iFFT212は、乗算回路210から入力されたノイズ信号に対して、逆フーリエ変換を施し、時間波形に再度生成する。時間波形に変換されたノイズ信号は、減算回路214に入力され、Lch側の音声信号に対して減算される。これにより、ノイズが低減されたLch側の音声信号を得ることができる。
【0044】
図4で示すノイズキャンセル部180Aは、デジタルカメラ100において、基本として理想的なアルゴリズムに基づき想定されるノイズ(第1ノイズ)に対してノイズキャンセルを行う。しかしながら、ノイズ抽出部205においてもノイズ抽出ができず、取りもらすノイズが生じる結果、キャンセルしきれない残存ノイズ成分(第2ノイズ)が発生する場合がある。ノイズ抽出部205においてもノイズ抽出ができない理由としては、例えば、無指向性マイクL162、R163の個体バラツキや、経年変化の差異による集音感度のズレ、上述した指向性合成処理の演算における誤差等、が挙げられる。また、無指向性マイクL162、R163により入力された音声信号に、そもそも無相関ではないノイズ信号(例えば、音波として伝わってくる騒音)が含まれることも理由として挙げられる。
【0045】
〔1−3−1.ノイズキャンセル部180の信号処理について〕
このような図4に示すノイズキャンセル部180Aの構成では除去できない残存ノイズ(第2ノイズ)もキャンセルするため、本実施形態のノイズキャンセル部180は、図5に示す構成を有する。図5に示すノイズキャンセル部180は、下記のように、デジタルカメラ100におけるズーミング動作や、フォーカシング動作などに対応し、残存するノイズ成分に関する特性データ(以下、ノイズ特性データと称する)を用いて、ノイズキャンセル動作を実行する。
【0046】
具体的には、ノイズキャンセル部180は、残存するノイズ成分に関する特性データを予めフラッシュメモリ142に記録しておき、このフラッシュメモリ142に記録しておいたノイズ特性データを用いて、ノイズキャンセルを行う。これにより、基本のノイズキャンセル部180Aでは残存してしまっていたノイズをも低減させることができ、より効果の高いノイズキャンセルを行うことができる。
【0047】
更に、図4を用いて説明したノイズキャンセル部180Aで、残存するノイズ成分は、デジタルカメラ100がどのような動作を行っているかに対応して異なることがわかっている。例えば、デジタルカメラ100が、ズーミング動作をしているときと、フォーカシング動作をしているときとで、残存するノイズ成分は異なることがわかっている。
【0048】
本実施形態のノイズキャンセル部180のフラッシュメモリ142は、デジタルカメラ100の動作ごとに対応するノイズ特性データを記録している。そのため、ノイズキャンセル部180は、デジタルカメラ100の動作ごとに適切なノイズキャンセルを行うことができる。
【0049】
上記を実行する構成として、本例では、図5に示すノイズキャンセル部180を一例として説明する。図示するように、図5に示すノイズキャンセル部180は、図4に示す基本となるノイズキャンセル部180に対して、ノイズ特性データ入力回路215、加算回路216、及びノイズ強調回路217、218を更に備える点で相違する。これらは、上記の乗算回路209、210、減算回路212、213等と共に、ノイズのキャンセリング部として機能する構成である。
【0050】
ノイズ特性データ入力回路215は、デジタルカメラ100の動作状況に応じたコントローラ130の制御を受け、フラッシュメモリ142に格納された対応するノイズ特性データを読み出し、加算回路216に入力する。ここで、フラッシュメモリ142は、デジタルカメラ100の動作ごとに使用されるノイズ特性データ(加算係数データ(K1)、及び乗算係数データ(K2))を格納している。例えば、フラッシュメモリ142は、後述するように、ズーミング動作に使用されるノイズ特性データ、フォーカシング動作に使用されるノイズ特性データなどを格納している。
【0051】
<ノイズ特性データについて>
ここで、図6を用い、フラッシュメモリ142が格納するノイズ特性データについて説明する。
図示するように、ノイズ特性データは、デジタルカメラ100の動作に対応する複数のテーブルデータとしてフラッシュメモリ142に格納される。
【0052】
例えば、図中の(a)は、ズーミング動作に使用されるノイズ特性データである。(b)は、フォーカシング動作に使用されるノイズ特性データである。また、(c)は、ズーミング動作とフォーカシング動作とを同時に行った場合など、異なる動作を同時に行った場合に使用されるノイズ特性データである。
【0053】
さらに、ノイズ特性データには、周波数に対応する、加算係数データ、及び乗算係数データ(以下、ゲインデータと称する場合がある)が配置される。ノイズ特性データは、周波数と、加算係数データ(K1)と、乗算係数データ(K2)とがテーブルデータとして対応付けて管理されている。例えば、ズーミング動作のノイズ特性データ(a)は、周波数(a1)と、加算係数データ(a2)K1と、乗算係数データ(a3)K2とがテーブルデータとして対応付けて管理されている。加算係数データK1は、ノイズ特性データ入力回路215により、加算器216に入力される。乗算係数データK2は、後述するように、ノイズ特性データ入力回路215により、ノイズ強調回路217、218にゲインデータとして入力される。
なお、図中に囲って示す加算係数データ(0.3, 0.8, 0.3)は、後述する図7(3)Aに相当する部分である。同様に、乗算係数データ(1.2, 1.5, 1.2)は、後述する図7(3)Bに相当する部分である。その他のフォーカシング動作に対応するノイズ特性データ(b)の場合や、異なる動作を同時に行った場合のノイズ特性データ(c)の場合も同様である。
【0054】
上記のような、ノイズ特性データを利用することにより、デジタルカメラ100の動作に対応してノイズ抽出回路205では抽出できずに残存するノイズを低減でき、より適切なノイズキャンセルを行うことができる。さらに、フラッシュメモリ142は、同じズーミング動作(a)であっても、ズーム速度によって異なるノイズ特性データ(加算係数データK1、及び乗算係数データK2)を格納する。同様に、同じフォーカシング動作(b)であっても、フォーカス速度によって異なるノイズ特性データ(加算係数データK1、及び乗算係数データK2)を格納する。そのため、同じ動作であっても、その動作速度に応じて適切なノイズキャンセルを行うことができる点で、有利である。
【0055】
加えて、フラッシュメモリ142は、ズーミング動作とフォーカシング動作とを同時に行った場合など、異なる動作を同時に行った場合のノイズ特性データ(c)においても、動作速度によって異なるノイズ特性データ(加算係数データK1、及び乗算係数データK2)を格納している。このように複数の動作を同時に行った場合のノイズ特性データ(c)は、単体の動作についてのノイズ特性データを単純にたし合わせたものとは異なる場合がある。本例に係るデジタルカメラ100は、このような複数の動作が同時に行われた場合であっても、適切にノイズキャンセルを行うことができ、複雑なノイズキャンセルを行うことができる点で、有利である。
【0056】
続いて、上記ノイズ特性データのうちの加算係数データK1は、ノイズ特性データ入力回路215により、加算回路216に入力される。加算回路216は、ノイズ抽出回路205が抽出したノイズ信号に対して、動作状況に応じた上記ノイズ特性データの示す加算係数データK1を加算する。この際、コントローラ130は、デジタルカメラ100の操作部150の状態を観測することや、或いはフォーカスレンズ111やズームレンズ112などに送信する駆動指令情報を観測することで、デジタルカメラ100の正確な動作状況を把握する。そして、コントローラ130は、デジタルカメラ100の動作状況に応じて、ノイズ特性データ入力回路215が、フラッシュメモリ142からどのノイズ特性データを読み出すべきかを制御する。例えば、コントローラ130は、デジタルカメラ100がズーミング動作状況の場合、ノイズ特性データ入力回路215が、フラッシュメモリ142からズーミング動作のノイズ特性データ(a)を読み出すように制御する。
【0057】
続いて、動作状況に応じたノイズ特性データの示す信号が加算されたノイズ信号は、2つの経路に分けられる。一方の経路におけるノイズ信号は、レベル調整回路206においてレベル調整された後、ノイズ強調回路217に入力される。他方の経路におけるノイズ信号は、レベル調整回路207においてレベル調整された後、ノイズ強調回路218に入力される。
【0058】
ノイズ強調回路217には、ノイズ特性データ入力回路215から、ゲインデータとして上記ノイズ特性データのうちの乗算係数データK2が入力される。そして、ノイズ強調回路217は、動作状況に応じた乗算係数データK2の示すゲインを、レベル調整回路206においてレベル調整された出力信号に対して増幅させる。
【0059】
ノイズ強調回路218には、ノイズ特性データ入力回路215から、ゲインデータとして上記ノイズ特性データのうちの乗算係数データK2が入力される。そして、ノイズ強調回路218は、動作状況に応じた乗算係数データK2の示すゲインを、レベル調整回路207においてレベル調整された出力信号に対して増幅させる。
【0060】
続いて、乗算回路209は、ノイズ強調回路217の出力信号とFFT200の出力信号とを乗算し、iFFT211に出力する。
【0061】
同様に、乗算回路210は、ノイズ強調回路218の出力信号とFFT201の出力信号とを乗算し、iFFT212に出力する。
【0062】
上記の構成により、ノイズ抽出回路205では抽出できずに残存するノイズ成分があっても、ノイズ抽出回路205の出力信号に対して、対応するノイズ特性データの示す信号を加算し、ゲインを乗じることで、ノイズが抽出できたものと等価な信号を生成することができる。
【0063】
続いて、乗算回路209からの出力信号(ノイズ抽出できたものと等価な信号)を、iFFT211を介した後に、Rch側の音声信号から減算回路213にて減算する。同様に、乗算回路209からの出力信号を、iFFT212を介した後に、Lch側の音声信号から減算回路214にて減算する。このように、減算回路213、214は、キャンセリング部として機能する。この結果、より効果的なノイズキャンセルを行うことができる。
【0064】
〔2.ノイズ特性データの記録について〕
図7を用い、上記図6に示したデジタルカメラ100の動作状況に応じたノイズ特性データ(ノイズ抽出の残存成分データ)の記録の具体的な方法について説明する。図7は、ノイズ抽出の残存成分データ記録を説明するための図である。なお、ここで説明するノイズ特性データの記録は、例えば、デジタルカメラ100の製造時点や出荷の時点等においてなされるものであるが、これに限られることはない。また、ノイズ特性データは、例えば、デジタルカメラ100の機種ごと等に記録されることが望ましいが、これに限られることはない。
【0065】
まず、デジタルカメラ100を、防音室などの理想的な無音に近い環境に設置して、ズーミングなどの騒音源となる一切のモータ動作をしない状態において、取得される音声信号を記録する。すなわち、無指向性マイクL162、R163から集音された音声信号に対して、指向性合成部170による指向性合成処理および、図4にて示した基本のノイズキャンセル部180を介した音声信号を、記録する。このとき、モータ動作はしておらず、環境音も非常に小さいため、この音声信号は、デジタルカメラ100内の回路ノイズのみが含まれているとする。この音声信号を、以下の説明では、「基準音声データ」と称することにする。図7(1)は、この基準音声データの周波数特性のイメージ図である。
【0066】
続いて、デジタルカメラ100を、防音室などの理想的な無音に近い環境に設置して、ズーミング動作などの騒音源となる各モータ動作を行った状態において、取得される音声信号を記録する。例えば、防音室下のデジタルカメラ100に、ズーミング動作のみをさせた状態において、取得される音声信号を記録する。すなわち、ズーミング動作中において、無指向性マイクL162、R163から集音された音声信号に対して、指向性合成部170による指向性合成処理および、図4にて示した基本のノイズキャンセル部180を介した音声信号を記録する。このときの音声信号は、環境音も非常に小さいため、回路ノイズと、ズーミング動作による騒音に対するノイズキャンセルの残存ノイズ成分とが含まれているとする。この音声信号を、以下の説明では、「ズーミング音声データ」と称することにする。同様に、デジタルカメラ100は、ズーミング動作の速度(周波数)に応じて、段階的にズーミング音声データを記録する。図7(2)は、ある速度(周波数)におけるズーミング音声データの周波数特性のイメージ図である。
【0067】
ここで、図7(2)で示す破線Aは、上記図7(1)に対応する基準音声データである。破線Bは、基本のキャンセル部180Aを介す前の音声データである。実線Cは、基本のキャンセル部180Aを介した後の音声データである。矢印部分Dは、図7(3)で後述する残存ノイズに対応する成分の音声データである。
図示するように、周波数fが高い領域の残存ノイズ(D)は、比較的小さい。そのため、周波数fが高い領域のノイズは、基本のキャンセル部180Aのノイズ抽出部205によりある程度は抽出されるため、ある適度キャンセルできることが分かる。
一方、周波数fが低い領域の残存ノイズ(D)は、周波数fが高い領域に比べて大きい。そのため、周波数fが低い領域のノイズ(D)は、基本のキャンセル部180Aであっても、キャンセルできない残存ノイズが大きいことが分かる。
【0068】
続いて、図7(2)に示したズーミング音声データから、図7(1)に示す基準音声データを減算することにより、ズーミング動作に起因する残存ノイズ成分(第2ノイズ)を得ることができる。図7(3)は、残存ノイズ成分の周波数特性を示す図である。
【0069】
ここで、図7(3)のうちの周波数が低い領域(f0-f1)の残存データAは、上記図6中に示した加算係数データK1(0.3, 0.8, 0.3)に相当する。同様に、図7(3)のうちの周波数が高い領域(f2-f3)の残存データBは、上記図6中に示した乗算係数データK2(1.2, 1.5, 1.2)に相当する。
【0070】
即ち、図5に示したノイズキャンセル部180の構成において、まず、ノイズ特性データ入力回路215により入力されるノイズ特性データ(加算係数データK1)をゼロとし、図7(3)に示す残存ノイズ成分が、所定のレベル以下になるまで、ノイズ強調回路217、218のゲインを上げていく。そして、図7(3)の示す残存ノイズ成分が、所定のレベル以下になったときのノイズ強調回路217、218のゲインが、ノイズ特性データにおける乗算係数データK2(残存データB)として設定される。
【0071】
このとき、ゲインを上げていっても、ノイズ抽出部205により抽出できない低い周波数帯域のノイズについては、どうしても残存ノイズ成分が残る。この残存する残存ノイズ成分が、実施の形態1に係るデジタルカメラ100において、図5に示すノイズ特性データ入力回路215によって入力される上記加算係数データK1(残存データA)として設定されるのである。
【0072】
なお、図7(3)に示した残存ノイズ成分は、ズーミング動作やフォーカシング動作等の動作ごとに対応して異なってくる。そのため、図6に示したように、それぞれの動作に対応するノイズ特性データ(テーブルデータ)も、周波数ごとに対して加算係数の値や、乗算係数の値が異なってくる。
【0073】
〔3.作用効果〕
上記のように、実施の形態1によれば、少なくとも下記(1)乃至(3)の効果が得られる。
【0074】
(1)基本のノイズキャンセル部180Aにおけるノイズ抽出部205であっても抽出しきれない残存ノイズ成分が発生する場合であっても、ノイズ特性データを用いることにより、これをキャンセルすることができる。その結果、残存するノイズをより効果的にノイズキャンセルすることができる点で、有利である。
【0075】
(2)さらに、ズーミング動作、フォーカシング動作などの動作ごとに、基本のノイズキャンセル部180のノイズ抽出部205で抽出しきれない残存ノイズ成分が相違する。実施の形態1では、図6に示したように、動作ごとに対応するノイズ特性データがフラッシュメモリ142に格納される。このノイズ特定データを用いることにより、動作ごとに対応する残存ノイズをキャンセルすることができる点で、有利である。
【0076】
(3)加えて、ズーミング動作、フォーカシング動作などの動作速度(周波数)ごとに、ノイズ抽出部では抽出しきれないノイズ成分が異なる。実施の形態1では、図6に示したように、動作速度ごとに対応するノイズ特性データがフラッシュメモリ142に格納される。このノイズ特定データを用いることにより、動作速度(周波数)ごとに対応する残存ノイズをキャンセルすることができる点で、有利である。
【0077】
このように、本実施の形態1に係るノイズキャンセル装置によれば、デジタルカメラ100から発生する残存ノイズをもキャンセルでき、より効果的なノイズキャンセルを行うことができる点で有利なことは明らかである。
【0078】
なお、本実施の形態1に係るノイズキャンセル装置は、デジタルカメラに限られないことは勿論である。例えば、レンズ一体型のカメラや、レンズ着脱式のカメラ、2眼3Dカメラ、ムービーカメラや、カメラ付情報端末、ボイスレコーダ等の録音機能を有する装置に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本開示は、ノイズキャンセル装置に適用できる。ノイズキャンセル装置の適用対象は、デジタルカメラに限定されない。例えば、ムービーカメラやカメラ付き情報端末、ボイスレコーダ等の録音機能を有する装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
100…デジタルカメラ
111…フォーカスレンズ
112…ズームレンズ
113…絞り
120…CCDイメージセンサ
122…画像処理部
123…液晶モニタ
124…バッファメモリ
130…コントローラ
140…メモリカード
141…カードスロット
142…フラッシュメモリ
150…操作部
162…無指向性マイクL
163…無指向性マイクR
170…指向性合成部
180…基本のノイズキャンセル部
180A…ノイズキャンセル部
213…減算器
214…減算器
215…ノイズ特性データ入力回路
216…加算回路
217…ノイズ強調回路
218…ノイズ強調回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される音声信号に基づく信号から、第1ノイズを抽出する抽出部と、
前記音声信号に基づく信号から、前記抽出した第1ノイズを減算した後に残存する第2ノイズに関するノイズ特性情報を記憶する記憶部と、
前記第1ノイズと、前記第2ノイズに関する情報とに基づいて、入力される音声信号に対して、ノイズキャンセルをするためのキャンセリング処理を行うキャンセリング部とを具備する
ノイズキャンセル装置。
【請求項2】
前記ノイズ特性情報は、周波数に対応付けられる加算データを含み、
前記キャンセリング部は、
前記加算データを前記記憶部から読み出して入力させるデータ入力回路と、
前記第1ノイズに対して、前記データ入力回路から入力される前記加算データを加算する加算回路と、
前記加算回路の出力信号に基づき生成したノイズ信号を、前記音声信号から減算する減算回路とを備える
請求項1に記載のノイズキャンセル装置。
【請求項3】
前記ノイズ特性情報は、周波数に対応付けられる乗算データを含み、
前記キャンセリング部は、
入力される前記加算回路の出力がレベル調整された信号に対して、前記データ入力回路から入力される前記乗算データに基づいて、ノイズを強調するノイズ強調回路を更に備え、
前記減算回路は、前記ノイズ強調回路の出力信号に基づき生成したノイズ信号を、前記音声信号から減算する
請求項2に記載のノイズキャンセル装置。
【請求項4】
前記キャンセリング部は、
入力される前記音声信号に対して、前記ノイズ強調回路の出力信号を乗算する乗算回路を更に備え、
前記減算回路は、前記乗算回路の出力信号に基づき生成したノイズ信号を、前記音声信号から減算する
請求項3に記載のノイズキャンセル装置。
【請求項5】
前記記憶部は、
搭載される撮像装置の複数の駆動動作ごとに、対応する前記第2ノイズに関する情報を記憶する
請求項1乃至4のいずれかに記載のノイズキャンセル装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
前記駆動動作の動作速度に対応して、前記第2ノイズに関する情報を記憶する
請求項5に記載のノイズキャンセル装置。
【請求項7】
前記キャンセリング部は、
駆動部材の動作状態に応じて、前記記憶部に記憶される前記第2ノイズに関する情報を選択的に使用する
請求項1乃至6のいずれかに記載のノイズキャンセル装置。
【請求項8】
一対の無指向性マイクロフォンユニットと、
前記一対の無指向性マイクロフォンユニットの出力信号に対して、指向性合成処理を施し、指向性を有する信号に変換する変換部と、を更に具備し、
前記抽出部は、前記変換部により変換された信号から、前記第1ノイズを抽出する
請求項1乃至7のいずれかに記載のノイズキャンセル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−81156(P2013−81156A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−167325(P2012−167325)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】