説明

ノシセプチン/オーファニンFQ受容体に対する高い活性の全体的及び部分的なアゴニスト及びアンタゴニスト

ノシセプチン/オーファニンFQのペプチドアナログ、これらからなる組成物、ノシセプチン受容体の活性化又は阻害に関連する疾病及び機能障害の処置への使用について、開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノシセプチン/オーファニンFQ(N/OFQ)ペプチド受容体(NOP受容体)の活性を調節し得る、N/OFQペプチドのアナログ、このペプチドアナログを有する医薬組成物、並びにこの受容体に関連する機能障害、病態及び病的状態を処置するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
1994年、ORL1と称される、オピオイド受容体と構造的に類似する新規の受容体がクローニングされた;近年のIUPHARの提言によると、この受容体に対する最も適当な名称は、NOPである。1995年末に同定されたその内因性のリガンド(N/OFQ)は、いくつかのオピオイドペプチド(例えば、ジノルフィンA)と類似のヘプタデカペプチドであるが、μ(MOP)、δ(DOP)又はκ(KOP)型の従来のオピオイド受容体には結合しないものである。NOP受容体で媒介される細胞性効果は、従来のオピオイド受容体で惹起されるものと類似である。構造的な観点、及びシグナル伝達の観点から、N/OFQ−NOPのペプチド/受容体システムは、薬理的に異なるものであるにもかかわらず、オピオイドファミリーに属する。1996年から1998年にかけて行われた複数の研究で示されたように、N/OFQは、中枢神経系(疼痛、不安症、学習、記憶、薬物乱用、食欲)及び末梢レベル(血圧、心拍、並びに腎臓、胃腸、尿生殖器及び呼吸機能)の両方で複数の機能を調節し得る(詳細は、非特許文献1参照)。
【特許文献1】国際公開第99/07212号パンフレット
【特許文献2】国際公開第97/07208号パンフレット
【特許文献3】国際公開第99/03491号パンフレット
【特許文献4】国際公開第99/03880号パンフレット
【特許文献5】欧州特許第1422240号明細書
【非特許文献1】Massiら著、Peptides、2000年、21巻
【非特許文献2】Caloら著、Eur.J.Pharmacol.1996年、311巻、p.R3−5
【非特許文献3】Rizziら著、Naunyn Schmiedebergs Arch.Pharmacol.、2001年、363巻、p.161−165
【非特許文献4】Caloら著、Can.J.Physiol.Pharmacol.、1997年、75巻、p.713−8
【非特許文献5】Varaniら著、Naunyn Schmiedebergs Arch.Pharmacol.、1999年、360巻、p.270−7
【非特許文献6】Guerriniら著、Br.J.Pharmacol.、1998年、123巻、p.163−5
【非特許文献7】Okawaら著、Br.J.Pharmacol.、1999年、127巻、p.123−30
【非特許文献8】Caloら著、Peptides、2000年、21巻、p.935−47
【非特許文献9】Caloら著、Br.J.Pharmacol.、2000年、129巻、p.1183−93
【非特許文献10】Guerriniら著、J.Med.Chem.、2000年、15巻、p.2805−13
【非特許文献11】Caloら著、Br.J.Pharmacol.、2000年、129巻、p.1261−83
【非特許文献12】Guerriniら著、J.Med.Chem.、2001年、44巻、p.3956−64
【非特許文献13】Okadaら著、Biochem.Biophys.Res.Commun.、2000年、278巻、p.493−8
【非特許文献14】Rizziら著、J.Pharmacol.Exp.Ther.、2002年、300巻、p.57−63
【非特許文献15】Zhangら著、J.Med.Chem.、2002年、45巻、p.5280−5286
【非特許文献16】Caloら著、Br.J.Pharmacol.、1998年、125巻、p.375−378
【非特許文献17】Rizziら著、Naunyn Schmiedebergs Arch.Pharmacol.、2001年、363巻、p.161−165
【非特許文献18】”IUPHAR on Receptor Nomenclature and Drug Classification, Pharm.”、Academic Press、2003年、55巻、4号、p.597
【非特許文献19】Schroederら著、“The Peptides”、Academic Press、1965年、1巻
【非特許文献20】Bodanszkyら著、“Peptide Synthesis”、Interscience Publisher、1966年
【非特許文献21】Barany及びMerrifield著、“The peptides; Analysis, Synthesis, Biology”、Academic Press、1980年、2版
【非特許文献22】E.Atheron及びR.C.Sheppard著、“Solid Phase Peptide Synthesis”、IRL Press at Oxford University Press、1989年
【非特許文献23】J.Jones著、“The Chemical Synthesis of Peptides”、Claredon Press、Oxford、1994年
【非特許文献24】”Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18° Edition”Mack Publishing Company、Easton、Pa、1990年
【非特許文献25】Balboniら著、J.Chem.Soc.Perkin Trans I、1998年、p.1645−1651
【非特許文献26】Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol、1999年、359巻、p.160−7
【非特許文献27】Naunyn Schmiedebergs Arch. Pharmacol.、2003年、367巻、p.183−187
【非特許文献28】Caloら著、Br.J.Pharmacol.、2002年、136巻、p.303−311
【非特許文献29】Nishi,M.ら著、”Unrestrained nociceptive response and disregulation of hearing ability in mice lacking the nociceptin/orphaninFQ receptor”、Embo J、1997年、16巻、8号、p.1858−64
【非特許文献30】Life Sci.、1983年、33巻、Suppl.1号、p.447−50
【非特許文献31】Clin.Pharmacol.、2004年、18巻、p.56
【非特許文献32】”National Congress of the Italian Society of Neuroscience and joint Italian−Swedish Neuroscience Meetings”、Ischia(Napoli)、2005年10月、1−4
【非特許文献33】Anal.Biochem.、1976年、72巻、p.248−254
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、1996年より、特定のNOPの同定に続き、N/OFQ−NOPシステムに関する研究を行っており、例えば、i)N/OFQ(1−13)−NHが、天然のN/OFQリガンドと同様の活性を有する最小限の機能的フラグメントであること(非特許文献2)、ii)N/OFQ−NHが、N/OFQと比較して、より強力且つ持続的な効果を、特にin vivoにおいて発揮すること(非特許文献3)、iii)[Tyr]N/OFQ(1−13)−NHが混合されたアゴニストとして、NOP、及び従来のオピオイド受容体に対して作用すること(非特許文献4及び5)、iv)[Phe?(CH−NH)Gly]N/OFQ(1−13)−NHが、非特許文献8に報告の[Phe?(CH−NH)Gly]N/OFQ(1−13)−NHが真正の部分的なNOP受容体のアゴニストであるという知見に基づいて、選択的なNOP受容体のリガンドとして、調製/アッセイに依存して、純粋なアンタゴニスト、部分的なアゴニスト、又は完全なアゴニストとして挙動すること(非特許文献6及び7)、v)[Nphe]N/OFQ(1−13)−NHが、最初の純粋なNOP受容体に対する競合型のアンタゴニストであること(非特許文献9及び10)がある。
【0004】
これらのリガンドの作用は、in vitro及びin vivoのアッセイにおいて、複数、特徴付けられてきた(非特許文献11参照)。最近、Phe残基を(pF)Phe又は(pNO)Pheに置き換えて、強力で選択的なNOPのアゴニストが得られている(非特許文献12)。他の興味ある化合物である[Arg14、Lys15]N/OFQが、HEK293細胞に発現されたヒトのリコンビナントNOP受容体に選択的に、高度に強力なアゴニストであることが同定された(非特許文献13)。このリガンドの作用について、N/OFQに感受的な単離した組織を用いたin vitroの系、及びマウスを用いたin vivoの系で、さらに特徴付けられている(非特許文献14)。さらに、Zhangらは、N/OFQのアナログについて、言及しており、これは、7位及び/又は11位のアラニン残基を、2−アミノ−2−メチルプロピオン酸(Aib)残基に置換したことを特徴とするものであって、リガンドの親和性及び活性が増加した(非特許文献15)。N/OFQのアナログについては、特許文献1乃至5に述べられている。このリガンドの利用性については、痛覚過敏、神経内分泌機能、ストレス、運動活性及び不安症に関連する疾病の処置/予防について、報告されている。
【0005】
なお、以下、N/OFQの参照配列は、下記のとおりである。
【0006】
H−Phe−Gly−Gly−Phe−Thr−Gly−Ala−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Leu−Ala−Asn−Gln−OH
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主題は、下記の一般式(1)に示すN/OFQのペプチドアナログである。
【0008】
Xaa−?−Gly−Gly−Xbb−Thr−Gly−Xcc−Arg−Lys−Ser10−Xdd11−Arg12−Lys13−Xee14−Xff15−R (1)
【0009】
ここで、Xaaは、フェニル基又はN−ベンジル−グリシン(NPhe)であり、
?は、第1のアミノ酸残基と第2のアミノ酸残基との結合を示し、CO−NH、CH−NH及びCH−Oから選択され、
Xbbは、フェニル基又は(pX)フェニル基であり、ここで、Xは、H、Cl、Br、I、F、NO、CNを示し、pは、フェニル基のフェニル環におけるパラ位を示し、
Xcc及びXdd11は、Ala;2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib);2−アミノ−2−メチル−ブチル酸(Iva);2−アミノ−2−エチル−ブチル酸(Deg);2−アミノ−2−プロピル−ペンタン酸(Dpg);(CCH)Leu;(CCH)Val;1−アミノ−シクロプロパン−カルボン酸(Acc);1−アミノ−シクロペンタン−カルボン酸(Acc)及び1−アミノ−シクロヘキサン−カルボン酸(Acc)から選択され、
Xee14及びXff15は、Arg、Lys、Orn、omoArg、ジアミノブチル酸、ジアミノプロピオン酸及びTrpから選択され、
Rは、Asn−Gln−NH若しくはAsn−Gln−OHのジペプチド、又は末端がアミド(−NH)若しくはカルボン酸(−OH)、若しくは末端がアミノ(−NH)若しくは水酸基(−OH)であるAsnを示す。
【0010】
さらに、本発明は、上記の式(1)の化合物の医薬的に許容可能な塩を含み、特に、有機酸及び無機酸の塩であって、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩及びステアリン酸塩が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において用いる用語は、例えば、非特許文献18のように、当業者公知の意味を有するものであって、下記に述べる通りである。
【0012】
有効性−同じ比率で受容体を占拠している場合であっても、異なるアゴニストに対して異なる反応を生じる程度を表現する概念。
【0013】
効力−特定の効果を発揮するのに必要な濃度又は量の観点から定義された、化合物の活性の表現。効力は、アゴニストについては、pEC50として測定され、アンタゴニストについては、pAとして測定される。
【0014】
本発明による式(1)に含まれる化合物は、本技術分野公知のペプチドリガンドと比較して、100倍以上の証明された薬理活性を有する。従って、式(1)に従った配列の相乗効果を推測することが可能であって:1位、4位、7位、11位、14位及び15位について、並びに第1の2つのアミノ酸残基間の結合について、推測することが可能である。最も高い活性を有する式(1)の化合物、特に好適な化合物は、[(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]N/OFQ−NHであって、親和性、効力、プロテアーゼに対する耐性、in vitroでの作用の動態、及び上述の全てのもの、及びin vivoにおける作用の持続性について、示されている。
【0015】
好適な化合物としては、式(1)の化合物において、
?がCO−NH、CH−NH、又はCH−Oであり、
Xaaがフェニル基又はNPheであり、
Xbbがフェニル基又は(pX)フェニル基であって、pXは、上記の通りであり、
Xcc及びXdd11は、上記の通りであり、
Xee14及びXff15は、Arg、Lys、Orn、omoArg又はTrpであり、
Rは、−NH、−OH、Asn−NH、Asn−OH、Asn−Gln−NH、又はAsn−Gln−OHである。
【0016】
さらに好適なものは、式(1)の化合物において、
?がCO−NH、CH−NH又はCH−Oであり、
Xaaがフェニル基又はNPheであり、
Xbbがフェニル基、(pF)フェニル基、又は(pNO)フェニル基であり、
Xcc及びXdd11がAla、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)、2−アミノ−2−メチル−ブチル酸(Iva)、2−アミノ−2−エチル−ブチル酸(Deg)、2−アミノ−2−プロピル−ペンタン酸(Dpg)、(CCH)Leu;(CCH)Val、1−アミノ−シクロプロパン−カルボン酸(Acc)、1−アミノ−シクロペンタン−カルボン酸(Acc)又は1−アミノ−シクロヘキサン−カルボン酸(Acc)であり、
Xee14及びXff15がArg又はLysであり、
RがAsn−Gln−NH又は−NHである。
【0017】
さらに好ましくは、式(1)を有するペプチドアナログであって、下記の表に記載の可変の残基を有するものである。
【0018】
【表5】

【0019】
【表6】

【0020】
【表7】

【0021】
【表8】

【0022】
これらのなかでも、より好ましいものは、
?がCO−NH、CH−NH又はCH−Oであり、
Xaaがフェニル基又はNPheであり、
Xbbがフェニル基、(pF)フェニル基又は(pNO)フェニル基であり、
Xcc及びXdd11がAla、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)、2−アミノ−2−メチル−ブチル酸(Iva)であり、
Xee14がArgであり、
Xff15がLysであり、
RがAsn−Gln−NH又は−NHであって、
下記の式で示されるものである。
【0023】
a)H−Nphe−Gly−Gly−Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
b)H−Phe−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
c)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
d)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
e)H−Phe−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
f)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
g)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
h)H−Nphe−Gly−Gly−Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
i)H−Phe−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
l)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
m)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
n)H−Phe−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
o)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
p)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Ala−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
aa)H−Nphe−Gly−Gly−Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
bb)H−Phe−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
cc)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
dd)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
ee)H−Phe−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
ff)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
gg)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
hh)H−Nphe−Gly−Gly−Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
ii)H−Phe−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
ll)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
mm)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
nn)H−Phe−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
oo)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
pp)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Aib−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
aaa)H−Nphe−Gly−Gly−Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
bbb)H−Phe−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
ccc)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
ddd)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
eee)H−Phe−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
fff)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
ggg)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−Asn−Gln−NH
hhh)H−Nphe−Gly−Gly−Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
iii)H−Phe−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
lll)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
mmm)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pF)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
nnn)H−Phe−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
ooo)H−Phe−?(CH−NH)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
ppp)H−Phe−?(CH−O)−Gly−Gly−(pNO)Phe−Thr−Gly−Aib−Arg−Lys−Ser−Iva−Arg−Lys−Arg−Lys−NH
【0024】
本発明によるペプチドアナログは、非特許文献19乃至23などの文献公知の異なる方法で合成され得る。これらの技術は、固相でのペプチド合成、又は液相でのペプチド合成、有機化学的な合成方法、又はこれらの組み合わせを含む。合成スキームの選択は、与えられるペプチドの組成に明らかに依存する。好ましくは、固相技術、従来の液相方法の適当な組み合わせに基づいて、低い製造コストに関連し、特に工業スケールでのコストに関連して、合成方法を使用する。詳しくは、この方法は、以下の工程を有する:
【0025】
i)適当に活性化されたNを保護されたアミノ酸の、アミノ酸又はCを保護されたペプチド鎖への連続カップリングを介したペプチド鎖フラグメントの溶液における合成であって、中間体を単離しつつ、次に、このフラグメントのN末及びC末の選択的な保護、及び所望のペプチドが得られるまで上記のカップリングを繰り返す工程。必要であれば、側鎖は、脱保護される。
【0026】
ii)不溶性のポリマー支持体上での、C末からN末へのペプチド鎖の固相合成工程。このペプチドは、無水フルオロ酸(fluoridric acid)又はトリフルオロ酢酸を用いて、樹脂から除去されると同時に側鎖が脱保護される。
【0027】
この合成の終期において、ペプチドは、適当な溶媒で処理することによって、及びHPLCなどのクロマトグラフィー技術によって、精製され且つ単離されてもよい。
【0028】
本発明によるペプチドアナログは、NOP受容体上で、i)[Phe?(CO−NH)Gly]なる構造を有する場合、完全なアゴニストとして、ii)[Phe?(CH−NH)Gly]又は[Phe?(CH−O)Gly]なる構造を有する場合、部分的なアンタゴニストとして、及び[Nphe?(CO−NH)Gly]なる構造を有する場合、純粋なアンタゴニストとして、それぞれ機能する。
【0029】
また、本発明は、上述のペプチドアナログと、医薬的に許容可能なビヒクル及び賦形剤とを含有する医薬組成物に関する。本発明の組成物は、経口又は非経口で投与されてもよく、或いは呼吸器、直腸、脊髄、髄腔、膀胱又は局所の経路で注入可能な調製物、カプセル、錠剤、顆粒、溶液、懸濁液、シロップ、坐剤、鼻腔用スプレー、クリーム、軟膏、ゲル、放出制御調製物、又はその他の形態として、投与されてもよい。医薬組成物の本体及びこの医薬組成物の調製方法は、当業者に公知であって、例えば、非特許文献24に記載のものであってもよい。本発明による医薬組成物は、有効量のペプチド(又はその誘導体)を含有し、一般的に、0.001〜100mgの範囲であり、好ましくは、0.01〜10mgの範囲である。1日量は、病態/不全のタイプ、年齢、性別、患者の体重、一般的な健康状態、及び症例に基づいて必要とするその他の変数に依存して、種々変更する。
【0030】
本発明のペプチドが示す活性プロファイルを生物学的試験において考慮して、上記のペプチドを含有する医薬組成物は、機能不全又は神経系若しくは感覚神経の機能不全を含む病態の処置に使用されてもよい。不安症、拒食症、高血圧、頻脈、水保持障害、低ナトリウム血症、うっ血性心疾患、胃腸、呼吸器及び尿生殖路における平滑筋運動神経不全(特に過敏膀胱の後の尿失禁)、炎症状態、又は末梢若しくは脊髄麻酔の処置、特に慢性疼痛の処置、さらに咳の制御には、強力で持続的なNOP受容体の活性化を得ることが望ましい。さらに、記憶、気分、自発運動(例えば、パーキンソン病)、摂食障害(例えば、過食症)などの処置、又は特に、肥満患者を処置するのに、アンタゴニストを使用することも可能である。大きい分子量を有するこれらの化合物、及び生理的なpHにおいて正に荷電し得る残基を有するものは、脳血液関門を通過することが可能でないかもしれない。この化合物は、末梢に主として分布する場合であって、局所に投与した後に中枢での効果を発揮し得る。例えば、アゴニストの化合物は、髄腔又は脊髄への投与の後に中枢神経系において無痛覚の状態を惹起し得る。
【実施例】
【0031】
(実験部)
1.ペプチドの合成
1.1 合成の一般的スキーム
4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチルフェノキシアセトアミド−ノルロイシン樹脂(リンクアミド(Rink−Amide)MBHA樹脂)を用いて、固相合成によって、本発明のペプチドを調製した。カルボキシル基を活性化する試薬として[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムエキサフルオロフォスフェート](HATU)を用いて、Fmocアミノ酸 (フルオレミルメトキシカルボニル)を濃縮した。DMF(ジメチルフォルムアミド)中に20%のピペリジンを有する溶液を用いて、Fmoc基を除去し、生のペプチドを得るため、保護ペプチドに結合された樹脂を、K試薬で処理した。最終の合成ステップ中に樹脂に結合した保護ペプチド(2−17)、(2−16)又は(2−15)上のBoc−Phe−CHOの縮合によって、in situにおいて中間体である「イミノ」誘導体をNaBHCNで還元して、或いは、最終の合成ステップ中に樹脂に結合した保護ペプチド(3−17)、(3−16)又は(3−15)上のフラグメントであるBoc−[Phe?(CH−O)Gly]−OH(非特許文献25に報告の方法に従って得たもの)を、縮合剤としてHATUを用いて、縮合することにより、改変したペプチド結合を上記の第1の2つのアミノ酸残基間に有する[Phe?(CH−NH)Gly]又は[Phe?(CH−O)Gly]なる化合物を得た。
【0032】
Alltech社製のC−18カラム(150×4.6mm、5μm)を用いて、分析用HPLCであるBeckmann System社製のGold 168によって、生及び最終的な製品の分析を行った。溶媒A:35mM NaHPO(pH2.1)、及び溶媒B:59mM NaHPO(pH2.1)−アセトニトリル(60:40v/v)からなる二相のシステムを用い、分析する化合物の物理化学的特性に従ってグラジエントをプログラムしたシステムで、1mL/分の流速、220nmの波長により、化合物を分析した。Water社製の円柱のパックカラムであるDelta−LC 40mm(30×40cm、C18、300A、15μm)を用いたWater社製の調製用HPLCであるDelta Prep 4000 systemにより、上記の分析用HPLCで用いたのと同じ移動相で溶出し、生の反応産物の分析プロファイルを参照したグラジエントプログラムにより、生のペプチドを精製した。micromass ZMD2000装置を用いたエレクトロスプレー質量分析によって、最終的な化合物の分子量を得た。
【0033】
複数のペプチドの中間体に関し、Brucker社製の200MHzの装置を用いて、分光HNMR分析を行った。
【0034】
1.2 方法
上記の方法に従って、上述のペプチドアナログb)、c)及びd)を調製した。
【0035】
DMF中にピペリジン(20%)を有するもので、リンクアミドMBHA樹脂(0.65ミリモル/g、0.2g)を処理し、Fmoc−Gln(Trt)−OHで縮合し、HATUでカルボキシル基を活性化した。Fmocアミノ酸を連続的に伸張する下記のペプチド鎖にカップリングした:Fmoc−Asn(Trt)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Aib−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−(pF)Phe−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OH。HATU(4当量)及びジイソプロピルエチルアミン(4当量)を有するDMFを用いて、全てのFmocアミノ酸(4当量)を伸張するペプチド鎖にカップリングした;このカップリング反応を1時間行った。合成収量を最適化するため、且つ化合物の精製を容易にするため、Aib残基には、1時間のアセチル化時間を有する二重のカップリングが必要である。各ステップにおいて、Fmoc基を除去するのに、ピペリジン(20%)を有するDMFを用いた。最終的なN−Fmoc基を脱保護した後、ペプチドの樹脂をメタノールで洗浄し、吸引下で乾燥して、リンクアミドMBHAで保護された[(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]−N/OFQ(1−17)の樹脂を得た。この保護ペプチド樹脂を、K試薬(TFA:H0:フェノール:エタンジチオール:チオアニソール=82.5:5:5:2.5:5(v/v)、10mL/0.2g樹脂)を用いて、1時間、室温で処理した。枯渇した樹脂を濾過した後、吸引下で溶媒を濃縮し、残渣をエタノール中で粉砕した。調製用の逆相HPLCによって、生のペプチドを精製し、凍結乾燥の後に白色の粉末を得た。
【0036】
[Phe?(CH−NH)Gly、(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]−N/OFQ−NH(ペプチドc)の合成は、上述の通り合成した、中間体である[(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]−N/OFQ−(2−17)−樹脂から出発して、行った。この中間体(0.2g、0.65ミリモル/g、0.13ミリモル)を、1%の酢酸を有するメタノール(2mL)中で、再懸濁し、且つ膨潤させた。20分後、メタノールに溶解した、Boc−Phe−CHO(0.065g、0.26ミリモル)及びNaBHCN(0.033g、0.52ミリモル)を含有する溶液(0.8mL)を添加し、この反応混合物を、1.5時間、攪拌した。得た樹脂を、メタノールで洗浄し、上述のK試薬で処理した。[Phe?(CH−O)Gly、(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]N/OFQ−NH(ペプチドd)の合成は、上述の通り合成した中間体である[(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]−N/OFQ(3−17)−樹脂から出発して、行った。最終ステップにおいて、この中間体(0.2g、0.65ミリモル/g、0.13ミリモル)をアセチル化し、上記の通常のアセチル化ステップで言及したのと同様の条件下で、Boc−Phe[?(CH−O)]Gly−OH(4当量、0.16g、0.52ミリモル)のカルボキシル基をHATUで活性化した。その後、樹脂をメタノールで洗浄し、上記の試薬Kで処理した。
【0037】
2.薬理試験
2.1 材料及び方法
上記の化合物について、ヒトのリコンビナントNOP受容体(CHOhNOP)(受容体結合実験及びGTP?Sの結合刺激実験)を発現するハムスターの卵母細胞膜、及び電気刺激を行った後のマウスの輸精管を用いたin vitroの試験を行った。バイオアッセイ実験(マウス輸精管)において化合物の効果を検討するのに用いた条件は、Bigoniらが非特許文献26で言及するものであり、CHOhNOP細胞における効果を検討するのに用いた条件は、McDonaldらが非特許文献27に言及するものである。実験の各シリーズにおいて、新規の化合物の活性は、天然のN/OFQペプチドの活性と比較した。
【0038】
2.2 結果
受容体結合実験において、試験した全ての化合物は、ヒトのNOP受容体から、トリチウム化したN/OFQを完全に置き換え得ることが証明された。化合物は、種々の化学改変に依存して、非常に異なる受容体親和性(pKi)を示した。一般的に、[Phe?(CO−NH)Gly]なる構造の化合物は、[Phe?(CH−NH)Gly]なる構造の化合物よりも高い親和性を示し、且つ[Nphe?(CO−NH)Gly]なる構造の化合物よりも極めて高い親和性を示した。さらに、[(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]の改変を組み合わせた化合物は、一つの改変を加えたものよりも大きな親和性を示した。
【0039】
GTP?Sの結合刺激に関連する機能試験、及びマウスの輸精管の電気的刺激で誘導した痙攣の阻害に関連する試験において、[Phe?(CO−NH)Gly]なる構造を有する化合物は、N/OFQの効果と似ており、特に同様の誘導した最大効果と似ており、従って、完全なアゴニストとして機能する一方、[Phe?(CH−NH)Gly]なる構造を有する化合物は、N/OFQよりも低い最大効果であるので、部分的アゴニストとして機能した。最後に、[Nphe?(CO−NH)Gly]なる構造を有する化合物は、それ自体、種々の効果を発揮しなかったが、N/OFQに対する競合型のアンタゴニストとして機能した。
【0040】
簡略化するため、表1に、[(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]N/OFQ−NH(UFP−112)、[Phe?(CH−NH)Gly、(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]N/OFQ−NH(UFP−113)及び[Nphe、Aib、Arg14、Lys15]N/OFQ−NH(UFP−111)並びに参照ペプチドであるN/OFQで得た結果を示す。
【0041】
表1
[(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]N/OFQ−NH(UFP−112)、[Phe?(CH−NH)Gly、(pF)Phe、Aib、Arg14、Lys15]N/OFQ−NH(UFP−113)及び[Nphe、Aib、Arg14、Lys15]N/OFQ−NH(UFP−111)、並びに参照ペプチドであるN/OFQの生物活性
【0042】
【表9】

【0043】
これらの結果は、4〜6回の実験の平均値(メジアン)である。NDは、化合物がアゴニスト効果を示さなかったため、検出不可であることを示す。
【0044】
表1に強調するように、化合物UFP−113は、部分的なNOP受容体アゴニストとして挙動し、GTPγSのアッセイにおいても、マウスの輸精管の電気刺激で誘導した収縮の阻害アッセイにおいても、N/OFQよりも低い最大効果を示した。UFP−111は、NOP受容体に対して、純粋で強力で選択的なアンタゴニストであることが証明された。Schildらによる分析(GTPγSの実験及びマウスの輸精管の系)で示すように、この化合物は、それぞれ、8.68及び7.46の強力な値を以て、NOP受容体の競合型のアンタゴニストとして挙動する(表1参照)。
【0045】
2.3 化合物UFP−112の選択性
UFP−112の効果は、下記の事実で示すように、NOP受容体の活性化によって、媒介されている。つまり、この事実とは、マウスの輸精管におけるこのペプチドの作用は、ナロキソン(従来のオピオイド受容体の非選択的なアンタゴニストであるが、NOP受容体に対してのものではない)の存在下で改変されなかったが、NOP受容体に対する選択的なアンタゴニストであるUFP−101([Nphe、Arg14、Lys15]N/OFQ−NH、非特許文献28)によって効果的に中和されたということである。UFP−112に拮抗して用いたUFP−101は、内因性のアゴニストであるN/OFQと拮抗して用いられた場合に得られた結果(pA=6.91)と同様に、強力な値(pA=6.81)を示した。このことは、3つの分子(N/OFQ、UFP−112及びUFP−101)が同じ受容体、つまりNOP受容体と相互作用することを示す。さらに、このことは、NOP受容体遺伝子のノックアウトマウス(NPO−/−)に由来する組織を用いた結果(非特許文献29参照)でも示されている(表2参照)。
【0046】
表2
野性型(NOP+/+)及びNOP受容体のノックアウトマウス(NOP−/−)の輸精管における、アゴニストであるN/OFQ及びUFP−112、並びにアゴニストであるDOP、D−Pen、D−Penエンケファリン(DPDPE)の効果
【0047】
【表10】

【0048】
電気刺激により誘導される収縮に対する、UFP−112による阻害効果(N/OFQで観察されるのと同様)は、NOP−/−で消失した。このことから、UFP112の生物学的作用は、NOP受容体との相互作用によるもののみであることが確認された。
【0049】
選択的なDOPのアゴニストである、[D−Pen、D−Pen]−エンケファリン(DPDPE)なる化合物を正のコントロールとして用いた。このコントロールが示すのは、阻害的な刺激に通常反応するNOP受容体のノックアウトマウスに由来する組織は、NOP受容体を用いないことである。
【0050】
2.4 本発明による化合物の選択性に関する薬理試験
各化合物について、McDonaldらによる、上記の項目2.1で説明した、ヒトのリコンビナントNOP受容体を発現したハムスターの卵母細胞(CHO)の細胞膜(CHOhNOP)における、in vitroの試験を行った(非特許文献27)。
【0051】
NOP受容体に対するこれらの受容体の選択性に関する検討は、CHOhNOPについての同様の方法を用いて、μ(MOP)、δ(DOP)及びκ(KOP)型のヒトのリコンビナントのオピオイド受容体でトランスフェクトしたCHO細胞の細胞膜における受容体結合実験により、行われた。McDonaldによる方法に従った拮抗実験により、選択性の試験を行った(非特許文献27)。N/OFQに対するpKiを測定するため、放射性リガンドとして、トリチウム化したN/OFQを用い、[H]−ジプレオンルフィンを、従来のオピオイド受容体に対するものとして用いた。新規の化合物の活性は、天然のペプチドであるN/OFQと比較した。
【0052】
トランスフェクトしたCHO細胞の細胞膜上で行った受容体結合実験において、UFP−111、UFP−112及びUFP−113は、MOP、DOP及びDOP受容体よりも、NOP受容体に対して、高い選択性(>100倍)を示した(表3参照)。
【0053】
表3
CHO細胞にトランスフェクトしたNOP、MOP、DOP及びKOP受容体に対するUFP−112、UFP−113及びUFP−111の親和性(pKi)(非特許文献27)
【0054】
【表11】

【0055】
これらのデータは、4回の実験の平均である。
印1は、用いたトリチウム化したリガンドが[H]N/OFQであることを示し、
印2において、DAMGOは、[D−Ala(2)、N−MePhe(4)、Gly−ol(5)]エンケファリンであり、
印3は、用いたトリチウム化したリガンドが[H]ジプレノルフィンであることを示す。
【0056】
3. 完全なアゴニストである化合物UFP−112の効能に関するin vivo試験
完全なアゴニストである化合物UFP−112について、下記に示す異なるアッセイにおいて、マウスを用いたin vivoの試験を行った。
【0057】
1)Caloらによる(非特許文献16)、及びRizziらによる(非特許文献31)実験プロトコールに従った尾の除去アッセイ
2)Rizziらが述べる給餌動物における摂食の測定(非特許文献32)
3)Rizziらが述べる一時的な移動運動活性の測定アッセイ(非特許文献3)
【0058】
各アッセイにおいて、同様の効果の量として、UFP−112及びN/OFQの活性を測定した。UFP−112が約100倍の高い効能を示したので、UFP−112のペプチドは、0.001〜0.1ナノモルの用量を用い、N/OFQは、0.1〜10ナノモルの用量を用いた。
【0059】
マウスにおける麻酔性の尾の除去試験において、同様の効果の用量におけるUFP−112は、長期間の活性を示したにもかかわらず(>120分)、天然のリガンドであるN/OFQの効果と類似した。
【0060】
0.001〜0.1ナノモルの用量範囲におけるUFP−112は、脳室内投与(i.c.v.)で注入した場合、前障害性(pronociceptive)の効果を誘導したが、髄腔内投与した場合、痛覚抑制効果を示した(図1参照)。この効果は、NOP−/−マウスでは見られなかったので、NOP受容体の活性化を介したものである。
【0061】
同じ効果の用量におけるN/OFQ及びUFP−112について、給餌マウスにおける摂食試験を行った。両化合物は、摂食の有意な増加を誘導し、これらのアッセイにおいて、UFP−112は、N/OFQよりも100倍の活性であることが証明された。この試験において、N/OFQ及びUFP−112の過食効果は、NOP+/+マウスでは見られたがNOP−/−マウスで見られなかったことから、NOP受容体の活性化による排他的なものである。
【0062】
in vivoにおけるUFP−112の持続時間を検討するため、N/OFQ(10ナノモル)及びUFP−112(0.1ナノモル)を同じ効果の用量で、i.c.v.で投与した際の、持続時間(午後5時半〜午前7時半まで)についての一時的な移動運動活性を検討した。両ペプチドは、この移動運動活性を阻害したが、N/OFQは、i.c.v注入後60分で効果が消失したが、UFP−112で誘導した効果は、約6時間後に終了した(図2参照)。
【0063】
4. 脳のホモジネート及び血漿における、N/OFQ並びに新規の誘導体であるUFP−111、UFP−112及びUFP−113の代謝安定性
血漿及び脳の組織のサンプルは、オスのスイスマウス(Morini社製、Reggio Emilia、イタリア、25〜30g)から得た。エーテル麻酔で動物を屠殺し、左心室から挿入したニードルを介して生理的なヘパリン溶液を注入して、還流した。その後、血液を除去し、室温で2分間、14,000×gで遠心分離した。ペレットから分離した後、血漿を採取し、−80℃で保存した。血液を除去した後、脳を除去する前、2分間、生理的溶液で動物をさらに還流した。脳の組織を、5容量のTris/塩酸(50mM、pH7.4、0℃)を用いて、Ultra−Turrax(Janke Kunkel社製、Staufen、FRG)で、各15秒間を3回繰り返して、ホモジナイズした。遠心分離(3,000×g、15分間、4℃)で得た上清をデカントし、その後、−80℃で保存した。
【0064】
調製物のタンパク質の含量を、非特許文献33によるBradford法によって、同定したところ、脳のホモジネートでは、8μg/μLであり、血漿では、17μg/μLであった。
【0065】
各ペプチドの100μLの溶液(3mg/500μLTris)を、Tris/塩酸50mMのpH7.4の緩衝液を含有する溶液1mL中で、脳のホモジネート又は血漿(450μL)とインキュベートした(終濃度が6μg/mL)。このインキュベートは、240分まで37℃で行った。異なるインキュベーション時間において、用量の一部(100μL)を除去し、4.5%のTFA溶液(200μL)を添加して、分解を阻害した。遠心分離(3000rpm、15分)を行った後、上清の一部(100μL)を、RP−HPLCに注入した。このHPLC分析は、種々の可変波長のUV検出器を装着したBeckman system Goldクロマトグラフィーを用い、Kromasil社製の100−5C18カラム(4.6×250mm)において、行った。
【0066】
溶出の条件としては、共に0.1%のTFAを含有する水(溶媒A)及びアセトニトリル(溶媒B)を、0.7mL/分の流速で、グラジエント分析を行った。以下のプロトコールは、分析物の物理化学的特徴に基づいて選択したグラジエント分析に用いた。20分間、5%〜40%の溶媒Bについてのリニアグラジエントを行い、5分間、40%〜60%の溶媒Bのリニアグラジエントを行い、5分間、60%〜5%の溶媒Bのリニアグラジエントを行った。溶出物は、220nmでモニターした。半減期(T1/2)は、各分析についての少なくとも5点を用い、インキュベーション時間の関数として、各誘導物のピーク領域を図示して、最小二乗法を用いた線形回帰によって、得た。
【0067】
データを、平均±標準誤差として、表3に示す。なお、このデータは、少なくとも3回の実験によって得たものである。
【0068】
表3
マウスの血漿及び脳の組織におけるN/OFQ及び各誘導体のT1/2(分)
【0069】
【表12】

【0070】
N/OFQの半減期は、血漿において、約1時間であって、脳のホモジネートで得られた約3分と、非常に異なるものであった。本発明による検討した全てのペプチドでは、天然のペプチドと比較して、有意に長い半減期を示した。特に、UFP−111及びUFP−113の血漿の半減期(T1/2)は、N/OFQの約2倍であり、UFP−112のT1/2は、N/OFQのほぼ3倍の長さであった。
【0071】
N/OFQと比較して、各誘導体で示した長い半減期は、血漿よりも脳のホモジネートでより顕著であった。事実、全ての誘導体のT1/2は、脳の組織においてN/OFQが示す値(3分)よりも、3倍以上長いものであった。
【0072】
これらのデータが示すように、化学的改変物であるUFP−111、UFP−112及びUFP−113の配列は、N/OFQと比較して、アゴニストとして又はアンタゴニストとして、効力が増加した:斯かる改変は、NOP受容体上での効力を調節し、血漿又は脳の組織の両方に存在するペプチダーゼによる分解に対する重要な低減の疑いを決定するものである。この重要な特徴は、in vivoにおけるこれらの分子の作用とともに、上記の項目3で行った一連の実験(in vivoの検討)におけるUFP−112についての持続性に特に重大である。
【0073】
5. マウスの輸精管におけるUFP−112の阻害効果の動態
電気的に刺激したマウスの輸精管において、UFP−112の作用の動態、及び洗浄後のこの効果の可逆性は、N/OFQのものよりも、非常に遅いものであった(図3参照)。このことは、電気的刺激により誘導した輸精管の収縮に対する阻害効果で示された。代謝安定性のデータとともに、このことは、内因性のであるN/OFQと比較したUFP−112のin vivoにおける作用を説明するものである。
【0074】
6. 電気刺激した後のマウスの輸精管における式(1)に示す複数の化合物の生物活性
表4は、アゴニストのモデルであるN/OFQ−NHの7位及び11位を化学的に改変した式(1)に示す一連の化合物の存在下における、電気刺激後のマウスの輸精管において得た結果をまとめたものである。
【0075】
これらのデータが示すように、異なるアミノ酸の置換によって、完全なアゴニストとして全て作用するこれらの化合物の効力を変化させるものではないが、いくつかの場合(例えば、[Ac11]N/OFQ−NH及び[D/L−Iva11]N/OFQ−NH)、上記の参照配列に比較して、効力が増加する。これらの個々の改変の結果として得た効力における上記の増加(参照配列と比較して2倍)は、100倍以上効力が増加するという化合物UFP−112において異なる位置における組み合わせの改変の結果(表1)として得た効力の増加よりも低い。
【0076】
表4
電気的に刺激したマウスの輸精管において測定した、7位及び11位の種々の化学的改変で得た一般式(1)の一連の化合物の効力
【0077】
【表13】

【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】尾の除去アッセイ(tail withdrawal assay)に関する、N/OFQ(10ナノモル/マウス)及びUFP−112(0.1ナノモル/マウス)の脳室内及び髄腔内投与の効果を示す(非特許文献16参照)。コントロールの動物には、生理食塩水(2μL/マウス)のi.c.v.投与を一回行った。各点は、少なくとも4回の実験で得た値の平均±S.E.を示す。
【図2】N/OFQ(10ナノモル/マウス)及びUFP−112(0.1ナノモル/マウス)の脳室内投与の、マウスにおける一時的な運動活性に対する経時的な効果を示す(非特許文献17参照)。コントロールの動物には、生理食塩水(2μL/マウス)のi.c.v.投与を一回行った。各点は、少なくとも4回の実験で得た値の平均±S.E.を示す。
【図3】電気刺激を行った後のマウスの輸精管における、同様の効果を有する濃度のN/OFQ及びUFP−112の効果の作用及び可逆的な動態を示す。電気刺激により誘導した輸精管の収縮は、UFP−112又はN/OFQの存在によって、阻害された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
Xaa−?−Gly−Gly−Xbb−Thr−Gly−Xcc−Arg−Lys−Ser10−Xdd11−Arg12−Lys13−Xee14−Xff15−R (1)
を有するペプチド又はその医薬的に許容可能な塩であって、
Xaaは、フェニル基又はN−ベンジル−グリシン(NPhe)からなる群から選択され、
?は、第1の二つのアミノ酸残基間の結合を示し、CO−NH、CH−NH及びCH−Oからなる群から選択され、
Xbbは、フェニル基又は(pX)フェニル基であり、ここで、Xは、H、Cl、Br、I、F、NO及びCNからなる群から選択され、pは、フェニル基のフェニル環におけるパラ位を示し、
Xcc及びXdd11は、Ala;2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib);2−アミノ−2−メチル−ブチル酸(Iva);2−アミノ−2−エチル−ブチル酸(Deg);2−アミノ−2−プロピル−ペンタン酸(Dpg);(CCH)Leu;(CCH)Val;1−アミノ−シクロプロパン−カルボン酸(Acc);1−アミノ−シクロペンタン−カルボン酸(Acc)及び1−アミノ−シクロヘキサン−カルボン酸(Acc)からなる群から選択され、
Xee14及びXff15は、Arg、Lys、Orn、omoArg、ジアミノブチル酸、ジアミノプロピオン酸及びTrpからなる群から選択され、
Rは、Asn−Gln−NH若しくはAsn−Gln−OHのジペプチド、又は末端がアミド(−NH)若しくはカルボン酸(−OH)、若しくは末端がアミノ(−NH)若しくは水酸基(−OH)であるAsnを示すことを特徴とするペプチド又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
Xccは、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)、2−アミノ−2−メチル−ブチル酸(Iva)、2−アミノ−2−エチル−ブチル酸(Deg)、2−アミノ−2−プロピル−ペンタン酸(Dpg)、(CaCH)Leu、(CaCH)Val、1−アミノ−シクロプロパン−カルボン酸(AcC)、1−アミノ−シクロペンタン−カルボン酸(AcC)及び1−アミノ−シクロヘキサン−カルボン酸(AcC)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のペプチド又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
下記の群
【表1】


【表2】


【表3】


【表4】


から選択されることを特徴とする請求項2に記載のペプチド又は医薬的に許容可能な塩。
【請求項4】
Xaaは、フェニル基であり、
Xbbは、(pX)フェニル基であって、ここで、Xは、H、F及びNOからなる群から選択され、pは、フェニル基のフェニル環におけるパラ位を示し、
Xccは、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)、1−アミノ−シクロペンタン−カルボン酸(AcC)及び2−アミノ−2−メチル−ブチル酸(Iva)からなる群から選択され、
Xdd11は、Ala、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)、1−アミノ−シクロペンタン−カルボン酸(AcC)及び2−アミノ−2−メチル−ブチル酸(Iva)からなる群から選択され、
Xee14は、Argであり、
Xff15は、Lysであり、
Rは、Asn−Gln−NH若しくはAsn−NHのジペプチド、又はアミノ基(−NH)を示すことを特徴とする請求項2に記載のペプチド又は医薬的に可能な塩。
【請求項5】
?は、CO−NHであり、
Xは、Fであり、
Xccは、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)であり、
Xdd11は、Alaであり、
Rは、Asn−Gln−NHであることを特徴とする請求項4に記載のペプチド又は医薬的に可能な塩。
【請求項6】
?は、CH−NHであり、
Xは、Fであり、
Xccは、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)であり、
Xdd11は、Alaであり、
Rは、Asn−Gln−NHであることを特徴とする請求項4に記載のペプチド又は医薬的に可能な塩。
【請求項7】
Xaaは、N−ベンジル−グリシン(NPhe)であり、
?は、CO−NHであり、
Xbbは、フェニル基であり、
Xccは、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)又は2−アミノ−2−メチル−ブチル酸(Iva)からなる群から選択され、
Xdd11は、Ala、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)又は2−アミノ−2−メチル−ブチル酸(Iva)からなる群から選択され、
Rは、Asn−Gln−NH又はアミノ基(−NH)であることを特徴とする請求項3に記載のペプチド又は医薬的に可能な塩。
【請求項8】
Xccは、2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(Aib)であり、
Xdd11は、Alaであり、
Rは、Asn−Gln−NHであることを特徴とする請求項7に記載のペプチド又は医薬的に可能な塩。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のペプチドを有することを特徴とする組成物。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のペプチドを活性本体として有し、医薬的に許容可能なヒビクル及び/又は賦形剤と組み合わせたことを特徴とする医薬組成物。
【請求項11】
経口、局所、呼吸器、直腸、髄腔、膀胱又は非経口の投与形態で投与されることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
投与は、髄腔及び非経口を介することを特徴とする請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
神経系及び感覚神経の不全の処置又は予防に使用される医薬の調製のための、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のペプチドの使用。
【請求項14】
高血圧、頻脈、水保持障害、低ナトリウム血症、心疾患、胃腸、呼吸器及び尿生殖路における平滑筋運動神経不全、炎症状態、末梢又は脊髄麻酔、慢性疼痛、並びに咳の減弱に対する、処置及び予防用の医薬の調製のための、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のペプチドの使用。
【請求項15】
前記処置は、膀胱の尿失禁を含む尿生殖系の疾病、尿膀胱の活動過剰用、呼吸器不全用、又は疼痛の管理用であることを特徴とする請求項14に記載の請求項4乃至6のいずれか一項に記載のペプチドの使用。
【請求項16】
精神安定剤、又は不安症を処置若しくは予防する医薬の調製のための、請求項13に記載のペプチドの使用。
【請求項17】
記憶、気分の不全、自発運動及び摂食障害の処置、又は肥満患者の処置用の医薬の調製のための、請求項7又は8に記載のペプチドの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−530058(P2008−530058A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554583(P2007−554583)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050958
【国際公開番号】WO2006/087340
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(500047228)メナリニ インターナショナル オペレーションズ ルクセンブルグ ソシエテ アノニマ (6)
【Fターム(参考)】