説明

ノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器

【課題】真空密閉機能を向上させ、かつ、内容物を定量吐出するできるノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器を提供する。
【解決手段】このポンプディスペンサー容器は、内容物ポンプピストン70の構造を改善して内容物の不要な流出を防止し、内容物吐出手段100の特殊な構成によって外部空気や異物質の流入を根本的に防止することができ、かつ、ボールバルブサポート200によってボールバルブ34の開閉動作を確実にかつ円滑に行わせることができ、更に、内容物圧縮ピストン30が上昇して離脱することを防止できる。また更に、その結果、ポンプディスペンサー容器は、外部空気や異物などの流入を根本的に防止することにより内容物の酸敗や腐敗等を防止することができ、さらに、定量の内容物を安定的に吐出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種液体化粧品等の内容物が受容される内容物受容容器に取り付けられ、内容物を定量吐出するノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器(AIRLESS DISPENSING PUMP CONTAINER WITH AN AIRTIGHT PUSH DOWN TYPE NOZZLE HEAD)に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
一般的に液体化粧品等の場合、内容物受容容器に受容された化粧品を容易に吐出させるために、ポンプ作用によって内容物を吐出できるポンプディスペンサーが、内容物受容陽気に取り付けられる。
【0003】
液体内容物をポンプ作用によって吐出させるためのポンプディスペンサーは、非常に多様な構造らが知られている。このポンプディスペンサーとしては、ノズルヘッド昇降型ポンプディスペンサー容器も多く用いられている。ノズルヘッド昇降型としては、大きくは2種類の構造が知られている。一種類のノズル昇降型ポンプディスペンサーは、垂直又は水平状態のノズルヘッドが、例えば人為的な外部の力により、垂直又は水平状態でノズルヘッドに連結された内容物ポンプピストンを圧縮させ、内容物を吐出させる。そして、ノズルヘッドは、リターンバネにより、元の状態に復帰され、且つ、内容物をシリンダー内に吸入する。一方、他種類のノズル昇降型ポンプディスペンサーは、真空密閉状態でノズルヘッドが下降され、且つ、内容物受容容器内に受容された内容物圧縮ピストンが下降した量だけ、内容物が吐出される。
【0004】
【特許文献1】大韓民国特許登録第10−0525455号明細書
【特許文献2】大韓民国特許公開第1999−0066973号明細書
【特許文献3】独国特許発明第295066826 U号明細書
【特許文献4】国際広告第2006/116312 A2号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前者の場合、内容物が吐出された後、外部の空気が内容物受容容器内に流入し、容器内の負圧が解消される。一方、後者の場合、内容物が吐出された後であっても外部空気を一切内容物受容容器の内部に流入させないので常に真空状態を維持する。
【0006】
前者の場合は、内容物受容容器内に常時外部から流入した空気(特に酸素)が残存していて、内容物が容易に酸敗する問題点があり、高純度の抽出物やビタミン類を含んだ内容物には適合できない。
【0007】
後者の場合は、防腐剤などの使用が極めて制限的な高機能性化粧品の酸敗や腐敗等の変質を防止するために主に用いられるものであり、本発明は後者の場合に該当するものである。この後者のポンプディスペンサーは、内容物を吐出すると、その時ごとに段階的にノズルヘッドと内容物圧縮ピストンが下降される。
【0008】
このようなノズルヘッド下降型ポンプディスペンサー容器等としては、例えば、本出願人が発明して登録された上記特許文献1『ノズルヘッド下降型真空タイプ化粧品容器の定量吐出構造』(以下、先行技術1という)や、上記特許文献2『液体またはペースト物質用吐出装置及びその組み立て方法』(以下、先行技術2という)が知られている。
【0009】
また、ノズルヘッドのノズル空気密閉状態を向上させる技術として、上記特許文献3『Abgabepumpe
aus Kunststoff fuer pastenartige stoffe』(以下、先行技術3という)が知られており、ノズル孔に弾性部材を設けた技術内容として、上記特許文献4『DISPENSER HAVING AIR TIGHT SPOUT』(以下、先行技術4という)が知られている。
【0010】
上記先行技術1は内容物集液室と容器ハウジングとの間に、内容物を遮断することができる機能が隋伴されないので、内容物の逆流防止ができず、集液室の内容物が再び容器ハウジング内に逆流して定量吐出ができない問題点がある。また、特に低粘度の内容物の場合には、容器ハウジングの底面を介して内容物を充填した後、下部容器でキャッピングすると容器ハウジング内に圧力が発生して内容物が逆流する現象が発生し、そのためノズル孔を介して涙液が生じるという問題点がある。
【0011】
上記先行技術2は、ノズルの押す圧力によって一度に内容物が吐出される構造を有していて、内容物を定量吐出させることができない問題点がある。また、低粘度の内容物の場合、内容物がノズル孔を介して逆流して流出する問題点もある。更に、内容物が吐出されるノズルヘッドのノズル孔の入口が常に開かれている状態の構造になっていて、ノズル孔を介してポンプ内部に空気が流入し、外部空気の接触による内容物が固形化してしまう。その結果、内容物を円滑に吐出することができない問題点もある。
【0012】
上記先行技術3は、ノズルヘッドのノズル孔にプラグ(Plug)形態の吐出バルブが装着されている構造であって、吐出バルブを弾性材質で構成して内容物を開閉するようになっている。この構造によれば、吐出バルブの構成上吐出バルブの先端部の相当部分がノズル孔を介して露出しており、外力による圧力を受けたり、ポンプ内部気圧とポンプ外部気圧との圧力差が発生した時、吐出バルブとバルブ孔との間に隙間が生じる。この間隙が生じることにより、外部の異物や空気が容易に侵透したり、逆にポンプ内部の内容物が吐出バルブを強制的に圧迫して涙液が生じるという問題点がある。
【0013】
そして、ポンプ内の内容物を吐出させるためのバルブの役割を主にするようになるので、内容物の流量及び流速を制御し難い。例えば低粘度の内容物を吐出させる場合、放射状態で内容物が噴霧されてノズルヘッドに沿って流れ落ちる問題点がある。また、ノズル孔に流体の流れ方向へ吐出バルブが結合されなければならないが、吐出バルブが斜線方向に結合されていて、低粘度の内容物は不特定の一方向に吐出されてしまうという使用上の問題点が生じる。
【0014】
上記先行技術4は、ノズルチップの内容物吐出ホールが左右に切られた(slit)形態の構造になっていて、吐出ホールの密閉状態を常に維持することが困難である。よって、特に長い間使用された場合には、吐出ホールの弾性低下により吐出ホールが開かれた状態になる。よって、吐出ホールの切られた部分全体が全般的に一定した圧力で密着されていなければならないが、圧力が一定しない場合、吐出圧による内容物の吐出状態を一定にすることができずに、一方へ傾く問題点や、吐出方向が一定でなくなる問題点がある。
【0015】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、真空密閉機能を向上させ、かつ、内容物を定量吐出することが可能な、新規かつ改良されたノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、
液体状態の内容物が受容される内容物受容容器10と、
内容物受容容器10の上部に組み立て結合されて、前方に内容物吐出手段装着ホール21を有するノズルヘッド20と、
内容物受容容器10内に配置された内容物圧縮ピストン30と、
内容物圧縮ピストン30の中央部上方に形成されたポンプシリンダー31と、
ポンプシリンダー31の上部に被せられるポンプシリンダーキャップ32と、
ポンプシリンダー31の下部中央に形成される内容物1次流入孔33と、
内容物1次流入孔33を開閉するボールバルブ34と、
ポンプシリンダー31の下部内壁に形成されるボールバルブサポート受け鍔35と、
ノズルヘッド20とポンプシリンダーキャップ32との間に設けられるノズルヘッドリターンバネ40と、
ノズルヘッド20の内部の中央に固定して組立てられて、下部にポンプピストンホルダー部51を備えたポンプピストンシャフト50と、
ポンプピストンシャフト50の下部に固定して組立てられて、ポンプピストン下段接触面61が形成され、かつ、内容物2次流入孔62とボールバルブサポートガイド棒嵌め込み孔63とが穿孔されたステム60と、
ステム60が嵌め込まれて、外側に形成されポンプシリンダー31の内面に密着する内容物圧縮リブ71と、内側に形成されステム60が上下にスライディング可能に嵌め込まれる嵌め込み部72と、底面に形成された内容物開閉面73とを有するポンプピストン70と、
を備え、更に、
ノズルヘッド20の内容物吐出手段装着ホール21に設けられる内容物吐出手段100と、
ステム60の下部に装着されるボールバルブサポート200と、
内容物受容容器10の上部の内壁に形成される内容物圧縮ピストン受け鍔300と、を備えることを特徴とする、ノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器が提供される。
【0017】
また、内容物吐出手段100は、
ノズルヘッド20と一体に形成され、内容物吐出手段装着ホール21の中心に位置するバルブ部材受け突起110と、
内容物吐出手段装着ホール21に嵌め込まれて固定され、先方中央部に内容物吐出孔121を備えたバルブ部材カバー体120と、
バルブ部材カバー体120に嵌め込まれてバルブ部材受け突起110に支えられる内容物開閉バルブ部材130と、
を更に備えてもよい。
【0018】
また、バルブ部材カバー体120は、内面に一定の間隔で多数のリブ122を備え、
リブ122の間には、多数の内容物流通溝123が形成されてもよい。
【0019】
また、内容物開閉バルブ部材130は、
先方には、バルブ部材カバー体120の内容物吐出孔121を開閉する内容物開閉板131を備え、かつ、
後方には、バルブ部材受け突起110に支えられる受け板132を備えてもよい。
【0020】
また、ポンプピストン70の嵌め込み部72は、
断面が「)(」状の湾曲状態に形成され、
中間部には内容物1次流出防止面701が形成され、
上面部には内容物2次流出防止面702が形成されてもよい。
【0021】
また、ボールバルブサポート200は、
上部にステム60のボールバルブサポートガイド棒嵌め込み孔63に嵌め込まれるガイド棒210と、
ガイド棒210の下部に形成される多数のボールバルブサポート支持リブ220と、
ボールバルブサポート支持リブ220の間に形成される内容物通路230と、
を備えてもよい。
【0022】
また、ステム60が下降する際、ガイド棒嵌め込み孔63に緊密に嵌め込まれたボールバルブサポータ200のガイド棒210の外壁と、ガイド棒嵌め込み孔63の内壁との摩擦力により、ボールバルブサポータ200が下降し、且つ、ボールバルブサポータ200の底面がボールバルブ34を押圧し、その結果、内容物1次流入孔33が閉鎖されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、真空密閉機能を向上させ、かつ、内容物を定量吐出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
<構成>
まず、図1を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器の構成について説明する。
【0026】
このポンプディスペンサー容器は、真空密閉機能を向上させ、かつ、内容物を定量吐出するために、
液体状態の内容物が受容される内容物受容容器10と、
内容物受容容器10の上部に組み立て結合されて、前方に内容物吐出手段装着ホール21を有するノズルヘッド20と、
内容物受容容器10内に配置された内容物圧縮ピストン30と、
内容物圧縮ピストン30の中央部上方に形成されたポンプシリンダー31と、
ポンプシリンダー31の上部に被せられるポンプシリンダーキャップ32と、
ポンプシリンダー31の下部中央に形成される内容物1次流入孔33と、
内容物1次流入孔33を開閉するボールバルブ34と、
ポンプシリンダー31の下部内壁に形成されるボールバルブサポート受け鍔35と、
ノズルヘッド20とポンプシリンダーキャップ32との間に設けられるノズルヘッドリターンバネ40と、
ノズルヘッド20の内部の中央に固定して組立てられて、下部にポンプピストンホルダー部51を備えたポンプピストンシャフト50と、
ポンプピストンシャフト50の下部に固定して組立てられて、ポンプピストン下段接触面61が形成され、かつ、内容物2次流入孔62とボールバルブサポートガイド棒嵌め込み孔63とが穿孔されたステム60と、
ステム60が嵌め込まれて、外側に形成されポンプシリンダー31の内面に密着する内容物圧縮リブ71と、内側に形成されステム60が上下にスライディング可能に嵌め込まれる嵌め込み部72と、底面に形成された内容物開閉面73とを有するポンプピストン70と、
を備え、更に、
ノズルヘッド20の内容物吐出手段装着ホール21に設けられる内容物吐出手段100と、
ステム60の下部に装着されるボールバルブサポート200と、
内容物受容容器10の上部の内壁に形成される内容物圧縮ピストン受け鍔300と、を備える。
【0027】
また、内容物吐出手段100は、
ノズルヘッド20と一体に形成され、内容物吐出手段装着ホール21の中心に位置するバルブ部材受け突起110と、
内容物吐出手段装着ホール21に嵌め込まれて固定され、先方中央部に内容物吐出孔121を備えたバルブ部材カバー体120と、
バルブ部材カバー体120に嵌め込まれてバルブ部材受け突起110に支えられる内容物開閉バルブ部材130と、
を更に備える。
【0028】
また、バルブ部材カバー体120は、内面に一定の間隔で多数のリブ122を備え、
リブ122の間には、多数の内容物流通溝123が形成される。
【0029】
また、内容物開閉バルブ部材130は、
先方には、バルブ部材カバー体120の内容物吐出孔121を開閉する内容物開閉板131を備え、かつ、
後方には、バルブ部材受け突起110に支えられる受け板132を備える。
【0030】
また、ポンプピストン70の嵌め込み部72は、
断面が「)(」状の湾曲状態に形成され、
中間部には内容物1次流出防止面701が形成され、
上面部には内容物2次流出防止面702が形成される。
つまり、嵌め込み部72は、円筒形状を有し、その円筒形の軸方向中央部が窪んだ形状を有する。この窪んだ位置の内周面が、内容物1次流出防止面701であり、軸方向上端部の面が、内容物2次流出防止面702である。
【0031】
また、ボールバルブサポート200は、
上部にステム60のボールバルブサポートガイド棒嵌め込み孔63に嵌め込まれるガイド棒210と、
ガイド棒210の下部に形成される多数のボールバルブサポート支持リブ220と、
ボールバルブサポート支持リブ220の間に形成される内容物通路230と、
を備える。
【0032】
また、ステム60が下降する際、ガイド棒嵌め込み孔63に緊密に嵌め込まれたボールバルブサポータ200のガイド棒210の外壁と、ガイド棒嵌め込み孔63の内壁との摩擦力により、ボールバルブサポータ200が下降し、且つ、ボールバルブサポータ200の底面がボールバルブ34を押圧し、その結果、内容物1次流入孔33が閉鎖されてる。
【0033】
<効果の一例等>
このようなポンプディスペンサー容器によれば、全体的な構造において真空密閉機能を向上させたものである。例えば、内容物の最後の吐出段階ながらノズルヘッド20に配置される内容物吐出手段100の構成のうち、内容物開閉バルブ部材130の内容物開閉板131は、内容物吐出孔121を自動的に開閉することができる。また、内容物を吸入圧送する内容物ポンプピストン70の構造を改善することができ、内容物の不要な逆流や流出を防止することができる。更に、ステム60の下部に設けられるボールバルブサポート200の構造を改善することにより、例えば、ポンプシリンダー31が内容物受容容器10とともに傾いている時や、高粘度の内容物の場合、発生頻度の高いボールバルブ34の作動不良状態を効果的に防止することができる。
【0034】
つあり、本実施形態に係るポンプディスペンサー容器は、内容物ポンプピストン70の構造を改善して内容物の不要な流出を防止し、内容物吐出手段100の特殊な構成によって外部空気や異物質の流入を根本的に防止することができ、かつ、ボールバルブサポート200によってボールバルブ34の開閉動作を確実にかつ円滑に行わせることができ、更に、内容物圧縮ピストン30が上昇して離脱することを防止できる。また更に、その結果、ポンプディスペンサー容器は、外部空気や異物などの流入を根本的に防止することにより内容物の酸敗や腐敗等を防止することができ、さらに、定量の内容物を安定的に吐出することができる。
【0035】
<動作等>
このポンプディスペンサー容器の作用効果について、図1〜図9を参照しつつその動作を説明して、より具体的に説明する。
【0036】
このポンプディスペンサー容器は、上述の通り、外部空気や異物などの流入を根本的に防止することにより内容物の酸敗や腐敗等を防止し、さらに、定量の内容物が吐出されるようにするものである。ポンプディスペンサー容器は、内容物受容容器10に内容物圧縮ピストン30とノズルヘッド20が組み立てられた状態で、内容物受容容器10の開放された底面を介して所定量の内容物を投入させた後、開放された底面をキャピング処理される。その結果、内容物が内部に受容される。
【0037】
ポンプディスペンサー容器は、このように内容物が受容された状態で内容物を吐出させると、内容物圧縮ピストン30とノズルヘッド20が下降した量だけ、内容物が吐出される構造を有する。
【0038】
図1は、内容物受容容器10内に内容物が充満されている状態を示している。
内容物圧縮ピストン30の上側ウィング部分が、内容物圧縮ピストン受け鍔300に支えられおり、内容物圧縮ピストン30がそれ以上上昇しない。一方、内容物圧縮ピストン受け鍔300を有しない場合、内容物受容容器10に受容される内容物を容器ハウジングの底面を介して充填した後、下部容器にキャピングすると、ノズルヘッド20が押下されるなどにより容器ハウジング内に圧力が発生し、内容物圧縮ピストン30が上昇し、リターンバネ40が圧縮され、ポンプピストン70の内容物開閉面73が開かれ、その結果、ポンプシリンダー31内の内容物が内容物2次流入孔62を介して内容物吐出孔121から吐出されてしまう。これに対して、本実施形態に係るポンプディスペンサー容器は、内容物圧縮ピストン受け鍔300等を有することにより、このような問題点を解消することができる。
【0039】
内容物吐出手段100は、ノズルヘッド20と一体で形成され、内容物吐出手段装着ホール21の中心部に位するバルブ部材受け突起110を有している。このバルブ部材受け突起110により、内容物開閉バルブ部材130が嵌め込まれたバルブ部材カバー体120を内容物吐出手段装着ホール21に嵌め込むと、内容物吐出手段100が堅固に固定され、内容物開閉バルブ部材130の後側に構成された受け板132がバルブ部材受け突起110に支えられる。従って、内容物吐出手段100は、内容物開閉バルブ部材130を安全且つ安定的に固定して、揺れたり離脱することを防止できる。
【0040】
図1は、リターンバネ40の弾発力によってノズルヘッド20が完全に上昇されている状態を示している。このような状態は、ピストンシャフト50と、ステム60のガイド棒嵌め込み孔63にガイド棒210が嵌め込まれたボールバルブサポート200と、ポンプピストン70とが、上昇している状態である。よって、ボールバルブ34は、自重によって内容物1次流入孔33を閉鎖している。一方、ステム60に嵌め込まれたポンプピストン下端接触面61とポンプピストン70の内容物開閉面73とが密着して、内容物2次流入孔62を閉鎖している。ボールバルブサポート200の支持リブ220は、ボールバルブサポート受け鍔35に支えられ、それ以上、上昇しない。
【0041】
図2は、内容物を吐出させるためにノズルヘッド20を押している状態を示している。
ノズルヘッド20の下降によってポンプピストンシャフト50が下降し、且つ、リターンバネ40が収縮される。その結果、ポンプピストンシャフト50の下部に構成されたポンプピストンホルダー部51が、下降して、ポンプピストン70の嵌め込み部72の上面に構成された内容物2次流出防止面702と密着する。そして、密着したポンプピストンホルダー部51から内容物2次流出防止面702に加えられる圧力により、断面が「)(」状の湾曲状態で構成された内容物1次流出防止面701が、ステム60の外部壁を向けて矢印(T1)方向(図7)に収縮され、ステム60の外部壁と密着する。また、内容物2次流出防止面702は、外側を向けて拡大された状態で形成されているので、外側を向けて矢印(T2)方向(図7)に拡大され、ピストンシャフト50のホルダー部51の内面と密着する。一方、ステム60に形成されたポンプピストン下端接触面61と、ポンプピストン70の底面に形成された内容物開閉面73とは隔離して、内容物が流入する。また、ステム60に穿孔されたガイド棒嵌め込み孔63に嵌め込まれたボールバルブサポート200のガイド棒210は、ガイド棒嵌め込み孔63の摩擦力によってステム60に沿って下降し、且つ、ボールバルブサポート200の底面が、ボールバルブ34をじっと押して内容物1次流入孔33を安全かつ安定的に閉鎖する。
【0042】
上記ポンプシリンダー31内の内容物は、ステム60に形成された内容物2次流入孔62を介して、ノズルヘッド20の前方に形成された内容物吐出手段100の方に押送される。この押送された内容物は、バルブ部材カバー体120の内面に備えられた多数の内容物流通溝123に流入する。その結果、流入した内容物の吐出圧力により、バルブ部材カバー体120に形成された内容物吐出孔121を阻んでいた内容物開閉板131が、図6に示す状態のように、強制的に内容物吐出孔121を開かせられ、内容物が吐出される。ノズルヘッド20が最後に下降された状態では、ボールバルブサポート200がボールバルブ34を強く加圧して、内容物受容容器10への流出を遮断する。
【0043】
内容物の吐出が終わり、下降したノズルヘッド20を放すと、リターンバネ40によってノズルヘッド20が上昇する。よって、ノズルヘッド20の上昇により、ボールバルブサポート200が上昇し、且つ、内容物1次流入孔33を閉鎖していたボールバルブ34が開かれる。その結果、ポンプピストン70の吸入圧力により内容物が内容物1次流入孔に流入し、その内容物は、ボールバルブサポート200に形成された支持リブ220の間の内容物通路230を介して、ポンプシリンダー31内に流入する。一方、ポンプピストン70の内容物圧縮リブ71とポンプシリンダー31内面と摩擦圧力により、ステム60の上昇が始まる時には、ポンプピストン70が止められている状態で、ステム60のポンプピストン下端接触面61がポンプピストン70の底面の内容物開閉面73に密着し、内容物の流入を遮断する。また、内容物受容容器10の内容物がポンプシリンダー31内に流入すると、内容物圧縮ピストン30は下降する。
【0044】
本実施形態の内容物開閉バルブ部材130と一体で構成された内容物開閉板131は、弾性と復元力が非常に優秀であり、内容物の吐出圧力を受けない時は、常時緊密な状態で内容物吐出孔121を阻んでおり、その密閉状態が非常に良好なので外部の空気や異物質の流入が根本的に遮断される。よって、内容物の酸敗や腐敗または変質等を予防することができる。なお、特に本実施形態の内容物開閉バルブ部材130とポンプピストン70は、耐久性と伸縮性及び復元力が優れて環境ホルモンの発生率が極めて低い医療用ラバーを素材にする方が望ましい。
【0045】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態のポンプディスペンサー容器において、ノズルヘッドが上昇され内容物1〜2次の流入孔と内容物開閉バルブ部材の内容物開閉板が閉まっている状態の断面図である。
【図2】同実施形態のポンプディスペンサー容器において、内容物を吐出させるためにノズルヘッドを下降させている状態の断面図である。
【図3】同実施形態のポンプディスペンサー容器において、内容物の吐出が完了され、ノズルヘッドがリターンバネによって上昇され、且つ、ポンプシリンダーへ内容物が流入されて内容物圧縮ピストンが下降された状態の断面図である。
【図4】同実施形態のポンプディスペンサー容器において、内容物受容容器内の内容物が完全に吐出された状態の断面図である。
【図5】図1の元表示部(A)の拡大断面図であって、内容物開閉バルブ部材の内容物開閉板が閉まった状態図である。
【図6】図2の元表示部(A)の拡大断面図であって、内容物開閉バルブ部材の内容物開閉板が開いた状態図である。
【図7】図2の元表示部(B)の拡大断面図であって、内容物ポンプピストンの動作状態図である。
【図8】図3の元表示部(C)の拡大断面図であって、内容物圧縮ピストンの受け鍔を見せる図である。
【図9】同実施形態の内容物開閉バルブ部材カバー体と内容物開閉バルブ部材の分解斜視図である。
【図10】同実施形態のポンプピストンとボールバルブサポートの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
70 ポンプピストン
71 内容物圧縮リブ
72 嵌め込み部
73 内容物開閉面
701 内容物1次流出防止面
702 内容物2次流出防止面
100 内容物吐出手段
110 バルブ部材受け突起
120 バルブ部材カバー体
121 内容物吐出孔
122 リブ
123 内容物流通溝
130 内容物開閉バルブ部材
131 内容物開閉板
132 受け板
200 ボールバルブサポート
210 ガイド棒
220 ボールバルブ支持リブ
230 内容物通路
300 内容物圧縮ピストン受け鍔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体状態の内容物が受容される内容物受容容器と、
前記内容物受容容器の上部に組み立て結合されて、前方に内容物吐出手段装着ホールを有するノズルヘッドと、
前記内容物受容容器内に配置された内容物圧縮ピストンと、
前記内容物圧縮ピストンの中央部上方に形成されたポンプシリンダーと、
前記ポンプシリンダーの上部に被せられるポンプシリンダーキャップと、
前記ポンプシリンダーの下部中央に形成される内容物1次流入孔と、
前記内容物1次流入孔を開閉するボールバルブと、
前記ポンプシリンダーの下部内壁に形成されるボールバルブサポート受け鍔と、
前記ノズルヘッドと前記ポンプシリンダーキャップとの間に設けられるノズルヘッドリターンバネと、
前記ノズルヘッドの内部の中央に固定して組立てられて、下部にポンプピストンホルダー部を備えたポンプピストンシャフトと、
前記ポンプピストンシャフトの下部に固定して組立てられて、ポンプピストン下段接触面が形成され、かつ、内容物2次流入孔とボールバルブサポートガイド棒嵌め込み孔63とが穿孔されたステムと、
前記ステムが嵌め込まれて、外側に形成され前記ポンプシリンダーの内面に密着する内容物圧縮リブと、内側に形成され前記ステムが上下にスライディング可能に嵌め込まれる嵌め込み部と、底面に形成された内容物開閉面とを有するポンプピストンと、
を備え、更に、
前記ノズルヘッドの内容物吐出手段装着ホールに設けられる内容物吐出手段と、
前記ステムの下部に装着されるボールバルブサポートと、
前記内容物受容容器の上部の内壁に形成される内容物圧縮ピストン受け鍔と、を備えることを特徴とする、ノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器。
【請求項2】
前記内容物吐出手段は、
前記ノズルヘッドと一体に形成され、前記内容物吐出手段装着ホールの中心に位置するバルブ部材受け突起と、
前記内容物吐出手段装着ホールに嵌め込まれて固定され、先方中央部に内容物吐出孔を備えたバルブ部材カバー体と、
前記バルブ部材カバー体に嵌め込まれて前記バルブ部材受け突起に支えられる内容物開閉バルブ部材と、
を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載のノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器。
【請求項3】
前記バルブ部材カバー体は、内面に一定の間隔で多数のリブを備え、
前記リブの間には、多数の内容物流通溝が形成されることを特徴とする、請求項2に記載のノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器。
【請求項4】
前記内容物開閉バルブ部材は、
先方には、前記バルブ部材カバー体の内容物吐出孔を開閉する内容物開閉板を備え、かつ、
後方には、前記バルブ部材受け突起に支えられる受け板を備えることを特徴とする、請求項2に記載のノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器。
【請求項5】
前記ポンプピストンの嵌め込み部は、
断面が「)(」状の湾曲状態に形成され、
中間部には内容物1次流出防止面が形成され、
上面部には内容物2次流出防止面が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器。
【請求項6】
前記ボールバルブサポートは、
上部に前記ステムのボールバルブサポートガイド棒嵌め込み孔に嵌め込まれるガイド棒と、
前記ガイド棒の下部に形成される多数のボールバルブサポート支持リブと、
前記ボールバルブサポート支持リブの間に形成される内容物通路と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器。
【請求項7】
前記ステムが下降する際、前記ガイド棒嵌め込み孔に緊密に嵌め込まれた前記ボールバルブサポータのガイド棒の外壁と、前記ガイド棒嵌め込み孔の内壁との摩擦力により、前記ボールバルブサポータが下降し、且つ、前記ボールバルブサポータの底面が前記ボールバルブを押圧し、その結果、前記内容物1次流入孔が閉鎖されることを特徴とする、ノズルヘッド下降型真空密閉ポンプディスペンサー容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−260580(P2008−260580A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96288(P2008−96288)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(508101498)
【Fターム(参考)】