説明

ノズル移動機構及びノズル移動装置

【課題】 ノズルを回転させることなく移動させることにより、ノズルに高圧水を供給する高水ホースに捩じれを生じるのを防止する。
【解決手段】 高圧水を噴射させるノズルを備えたウォータージェット装置のノズル移動機構2であって、一端を中心に回転可能な一対の従節5、5と、該一対の従節5、5間に両端が回転可能に結合される中間節6とを備え、前記中間節6の中間に前記ノズル10を取り付け、前記ノズル10を前記中間節6に追従して移動させるように構成したノズル移動機構。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル移動機構及びノズル装置に関し、特に、高圧水を噴射させるノズルを備えたウォータージェット装置のノズル移動機構及びノズル移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物等の対象物に対して各種の工事を行う場合、躯体の壁や床等を切断し、くり貫くことが行われている。
【0003】
このような工事においては、従来、電動ピッチングマシンや高速回転カッター装置等を用いていたが、工事の際に生じる振動や騒音によって周辺の生活環境に影響を与えるため、近年では、振動や騒音の発生を抑えた各種のウォータージェット装置が用いられている。
【0004】
ウォータージェット装置は、例えば、非特許文献1、2に記載されているように、高圧水を発生させる高圧ポンプを有するポンプユニット、高圧ポンプを回転させるモータを有するモータユニット、高圧ポンプで発生させた高圧水を噴射させるノズルを有するノズルユニット等を備え、ポンプユニットの高圧ポンプで発生させた高圧水(必要に応じて研磨剤を混入させる)をノズルに導き、ノズルの噴射口から対象物に向けて噴射させることにより、対象物を切断し、くり貫くことができものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】株式会社ジェットホームページ、online、平成21年2月4日検索、インターネット<URL:http//www.water−jet/robot.html
【非特許文献2】株式会社ユアーズホームページ、online、平成21年2月4日検索、インターネット<http//www.yours−tk.co.jp/waterjet.htm
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような構成のウォータージェット装置を用いて対象物をくり貫く場合、例えば、ノズルを対象物の表面に沿って円形状に移動させることにより、対象物を円形状に切断し、くり貫いている。
【0007】
しかし、ノズルを円形状に移動させる場合、ノズルを円形状に1周させることによってノズル自体も360°回転した状態になるため、ノズルに高圧水を供給する高圧ホースに捩じれが生じ、この捩じれを防止するためには、高圧ホースの接続に高価な回転継手を使用する等の方法を採らなければならず、設備費が高くつく。
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、ノズルの接続に高価な継手を使用する等の方法を採ることなく、ノズルに高圧水を供給する高圧ホースに捩じれが生じるのを防止できる、ノズル移動機構及びノズル移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、高圧水を噴射させるノズルを備えたウォータージェット装置のノズル移動機構であって、一端を中心に回転可能な一対の従節と、該一対の従節間に両端が回転可能に結合される中間節とを備え、前記中間節の中間に前記ノズルを取り付け、前記ノズルを前記中間節に追従して移動させるように構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明のノズル移動機構によれば、一対の従動節を回転させることにより、一対の従節に追従して中間節が回転し、中間節に追従してノズルが移動し、ノズルの移動軌跡に応じて、対象物を切断し、くり貫くことができる。
この場合、ノズルは、中間節の回転に追従して、中間節の中間の移動軌跡上を回転することなく移動することになるので、ノズルに高圧水を供給する高圧ホースが捩じられるようなことはなく、高圧ホースが捩じれによって破損するようなことはない。
【0011】
また、本発明において、前記一対の従節の一端間の長さと前記中間節の両端間の長さとが同一、及び前記両従節の長さが同一に構成されていることとしてもよい。
【0012】
本発明のノズル移動機構によれば、一対の従節を回転させることにより、一対の従節に追従して中間節が回転し、ノズルが中間節の中間の移動軌跡上を回転することなく移動することになるので、ノズルに高圧水を供給する高圧ホースが捩じられるようなことはなく、高圧ホースが捩じれによって破損するようなことはない。
【0013】
さらに、本発明は、請求項1又は2に記載のノズル移動機構を用いたノズル移動装置であって、前記一方の従節を駆動源に連結し、該駆動源によって該一方の従節を回転させることにより、該一方の従節に他方の従節を連動して回転させるように構成したことを特徴とする。
【0014】
本発明のノズル移動装置によれば、駆動源の駆動によって一方の従節を回転させることにより、一方の従節に連動して他方の従節が回転し、両従節の回転に追従して中間節が回転し、中間節の回転に追従してノズルが中間節の中間の移動軌跡上を回転することなく移動することになる。
【0015】
さらに、本発明において、前記駆動源は、回転モータ、又は油圧又は空圧のシリンダーであることとしてもよい。
【0016】
本発明のノズル移動装置によれば、回転モータ、又は油圧又は空圧のシリンダーを駆動によって一方の従節を回転させることにより、一方の従節に連動して他方の従節が回転し、両従節の回転に追従して中間節が回転し、中間節に追従してノズルが中間節の中間の移動軌跡上を回転することなく移動することになる。
【0017】
さらに、本発明において、前記一対の従節間にベルトを掛け渡し、該ベルトを介して前記一方の従節に前記他方の従節を連動させるように構成したこととしてもよい。
【0018】
本発明のノズル移動装置によれば、ベルトを介して一方の従節の回転に連動して他方の従節が回転することになる。
【0019】
さらに、本発明において、前記各従節を遊星歯車に連結し、該各遊星歯車を太陽歯車と噛合させ、太陽歯車の回転に追従して各遊星歯車を介して各従節を回転させるように構成したこととしてもよい。
【0020】
本発明のノズル移動装置によれば、遊星歯車及び太陽歯車を介して一方の従節の回転に連動して他方の従節が回転することになる。
【0021】
さらに、本発明において、請求項1又は2に記載のノズル移動機構を平行移動可能に案内する案内手段を備えていることとしてもよい。
【0022】
本発明のノズル移動装置によれば、ノズル移動機構を案内手段を介して平行移動させることにより、案内手段による平行移動に追従して中間節の移動軌跡が平行移動し、中間節の移動軌跡上を回転することなく移動しながら、ノズルが平行移動することになる。
【発明の効果】
【0023】
以上、説明したように、本発明のノズル移動機構及びノズル移動装置によれば、ノズル移動機構の中間節にノズルを取り付け、ノズルを中間節の中間の移動軌跡上を移動させるように構成したので、ノズルが中間節の移動軌跡上を移動する際に、ノズル自体が回転するようなことはなく、ノズルに接続される高圧ホースが捩じられるようなことはない。従って、ノズルの接続に高価な回転継手を使用する必要はなく、設備費を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるノズル移動機構の一実施の形態を示した概略平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】本発明によるノズル移動装置の第1の実施の形態を示した概略平面図である。
【図4】図3の正面図である。
【図5】本発明によるノズル移動装置の第2の実施の形態を示した概略平面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】本発明によるノズル移動装置の第3の実施の形態を示した概略平面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】本発明によるノズル移動装置の第4の実施の形態を示した概略平面図である。
【図10】図9の正面図である。
【図11】本発明によるノズル移動装置の第5の実施の形態を示した概略平面図である。
【図12】図11の正面図である。
【図13】本発明によるノズル移動装置の第6の実施の形態を示した概略平面図である。
【図14】図13の正面図である。
【図15】本発明によるノズル移動装置の第7の実施の形態を示した概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図15には、本発明によるノズル移動機構及びノズル移動装置の一実施の形態が示されている。本実施の形態のノズル移動機構及び移動装置は、ウォータージェット装置のノズルに適用可能なものであって、ノズルに高圧水を供給する高圧水ホースに捩じれを生じさせることなく、ノズルを移動可能に構成するのに有効なものである。
【0026】
ウォータージェット装置は、例えば、高圧水を発生させる高圧ポンプを有するポンプユニット、ポンプユニットの高圧ポンプを回転させるモータを有するモータユニット、ポンプユニットの高圧ポンプで発生させた高圧水を噴射させるノズルを有するノズルユニット、ノズルに研磨剤を供給する研磨剤供給ユニット等から構成され、ノズルユニットのノズルが本実施の形態のノズル移動機構及びノズル移動装置によって移動可能に構成されている。
【0027】
ノズル移動機構2は、例えば、図1及び図2に示すように、固定節4と、固定節4の両端に一端がそれぞれ回転可能に結合される一対の従節5、5と、両従節5、5の他端間に両端が回転可能に結合される中間節6とから構成される4節リンク機構3であって、この4節リンク機構3の中間節6にノズル10が固定された状態に取り付けられている。
【0028】
4節リンク機構3は、例えば、固定節4と中間節6が同一長さ、両従節5、5が同一長さの平行4節リンク機構3であって、固定節4の両端に各従節5の一端がピン(以下、第1ピン7という。)を介して回転可能にそれぞれ結合され、両従節5、5の他端間に中間節6の両端がピン(以下、第2ピン8という。)を介して回転可能に結合されている。
【0029】
固定節4、従節5、及び中間節6を構成する部材に特に制限はなく、本実施の形態では、固定節4を長方形板状の台座4aによって構成し、従節5を帯板状の第1フレーム5a5bによって構成し、中間節6を帯板状の第2フレーム6aによって構成している。
【0030】
この場合、台座4aの中心部には、ノズル10を移動可能に配置するための貫通孔4bが設けられ、この貫通孔4bの縁部に各第1フレーム5a、5bの長手方向の一端が第1ピン7を介して回転可能に結合され、両第1フレーム5a、5bの長手方向の他端間に第2フレーム6aの長手方向の両端が第2ピン8を介して回転可能に結合されている。
【0031】
また、両第1フレーム5a5bは、台座4aの第1中心線aを中心として左右対称となるように、かつ、表裏面が台座4aの上面と平行となるように、長手方向の一端が台座4aの第2中心線b上に第1ピン7を介して回転可能に結合されている。これにより、各第1フレーム5a、5bの第2フレーム6aとの結合部(第2ピン8)は、第1ピン7を中心とする半径r1の円周上を移動することになる。
【0032】
さらに、第2フレーム6aは、長手方向の両端間の距離(第2ピン8、8間の距離L2)が両第1フレーム5a、5bの第1ピン7、7間の距離L1と等しくなるように、かつ、表裏面が台座4aの上面と平行となるように、長手方向の両端が両第1フレーム5a、5bの長手方向の他端に第2ピン8、8を介して回転可能に結合されている。これにより、第2フレーム6aの第1フレーム5a、5bとの結合部(第2ピン8)は、第1ピン7を中心とする半径r1の円周上を移動することになる。
【0033】
さらに、第2フレーム6aの長手方向の中央部は他の部分よりも幅広に形成され、この幅広に形成された中央部にノズル10が固定状態に取り付けられている。この場合、ノズル10は、第2フレーム6aの長手方向の中心に噴射口が位置し、かつ、軸線が第2フレーム6aの表裏面に対して直交するように、第2フレーム6aに取り付けられている。これにより、ノズル10は、台座4aの第1中心線aと第2中心線bとの交点cを中心とする半径r2の円周上を第2フレーム6aの中心部と一体に移動することになる。
【0034】
次に、上記のような構成のノズル移動機構2を用いた本発明のノズル移動装置1の実施の形態について、図3〜図15を参照しながら説明する。
図3及び図4には、ノズル移動装置1の第1の実施の形態が示されている。このノズル移動装置1は、図1及び図2に示したノズル移動機構2の一方の第1フレーム5aの長手方向の一端を第1ピン7に固定し、この第1ピン7を駆動源である回転モータ11の駆動軸12に連結し、回転モータ11の駆動によって駆動軸12及び第1ピン7を介して一方の第1フレーム5aを第1ピン7の周りに回転させるように構成したものである。
【0035】
上記のような構成のノズル移動装置1にあっては、回転モータ11を駆動させて、回転モータ11の駆動軸12及び第1ピン7を介して一方の第1フレーム5aを回転させることにより、上述したように、第2フレーム6aの長手方向の中心部に固定されているノズル10が、台座4aの第1中心線aと第2中心線bとの交点cを中心とする半径r2の円周上を回転することなく移動することになる。
【0036】
そして、上記のようにノズル10を半径r2の周上を移動させながら、高圧ホースを介してノズル10に高圧水を供給して、ノズル10の噴射口から対象物に向けて高圧水を噴射させることにより、対象物にノズル10の移動軌跡に応じて切断し、くり貫くことができる。
【0037】
上記のように構成した本実施の形態によるノズル移動装置1にあっては、ノズル移動機構2によってノズル10を移動させた場合に、ノズル10は回転することなく半径r2の円周上を移動することになるので、ノズル10に高圧水を供給する高圧ホースに捩じれが生じるようなことはない。
【0038】
従って、高圧ホースの接続に高価な継手を使用する必要はなく、設備費を安く抑えることができる。
【0039】
また、ノズル移動機構2により、ノズル10を常に同じ経路に沿って移動させることができるので、対象物を高精度で切断し、くり貫くことができる。
【0040】
さらに、回転モータ11の回転速度を調整して、両第1フレーム5a、5bの回転速度を調整することにより、ノズル10の移動速度を調整できるので、対象物に溝等を形成する場合には、その深さを容易に調整することができる。
【0041】
図5及び図6には、本発明によるノズル移動装置1の第2の実施の形態が示されている。このノズル移動装置1は、駆動源として、回転モータ11の代わりに油圧又は空圧で作動するシリンダー13を用いたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0042】
そして、本実施の形態のノズル移動装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他、駆動源に流体圧で作動するシリンダー13を用いているので、可燃性蒸気が存在するような現場においても利用が可能となる。
【0043】
図7及び図8には、本発明によるノズル移動装置1の第3の実施の形態が示されている。このノズル移動装置1は、各第1ピン7に主プーリー17をそれぞれ取り付け、各第1ピン7を各第1フレーム5a、5bの長手方向の一端にそれぞれ固定し、両主プーリー17、17間に複数のテンションプーリー18を介してベルト16を掛け渡し、さらに、一方の第1フレーム5aの第1ピン7を回転モータ11の駆動軸12に連結したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0044】
上記のような構成のノズル移動装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他、一方の第1フレーム5aと他方の第1フレーム5bとの間にベルト16を掛け渡して、両第1フレーム5a、5bを連動させるように構成しているので、両第1フレーム5a、5bを等速で回転させることができ、両第1フレーム5a、5bに連動させて第2フレーム6aを安定した状態で移動させることができ、ノズル10を安定して移動させることができる。
【0045】
図9及び図10には、本発明によるノズル移動装置1の第4の実施の形態が示されている。このノズル移動装置1は、駆動源として回転モータ11の代わりに、油圧又は空圧で作動するシリンダー13を用いたものであって、その他の構成は前記第3の実施の形態に示すものと同様である。
【0046】
そして、本実施の形態に示すものにあっても、前記第3の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏することになる。
【0047】
図11及び図12には、本発明によるノズル移動装置1の第5の実施の形態が示されている。この移動装置1は、各第1フレーム5a、5bの第1ピン7にそれぞれ遊星歯車19を取り付け、各第1ピン7を各第1フレーム5a、5bの長手方向の一端に固定し、各遊星歯車19を、台座4aの下面側の中心部に回転可能に設けた円環状の太陽歯車20に噛合させ、さらに、一方の第1フレーム5aの第1ピン7を回転モータ11の駆動軸12に連結したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0048】
そして、本実施の形態のノズル移動装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏するほか、一方の第1フレーム5aと他方の第1フレーム5bとを一対の遊星歯車19、19及び太陽歯車20を介して連動させているので、両第1フレーム5a、5bを等速で回転させることができ、両第1フレーム5a、5bに連動させて第2フレーム6aを安定した状態で移動させることができ、ノズル10を安定して移動させることができる。
【0049】
図13及び図14には、本発明によるノズル移動装置1の第6の実施の形態が示されている。このノズル移動装置1は、駆動源として回転モータ11の代わりに油圧又は空圧で作動するシリンダー13を用いたものであって、その他の構成は前記第5の実施の形態に示すものと同様である。
【0050】
そして、本実施の形態のノズル移動装置1にあっても、前記第5の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する。
【0051】
図15には、本発明によるノズル移動装置1の第7の実施の形態が示されている。このノズル移動装置1は、前述した第2の実施の形態に示すノズル移動装置1を案内手段(図示せず)によって平行移動可能に案内したものであって、その他の構成は前記第3及び第4の実施の形態に示すものと同様である。
【0052】
この場合、案内手段としては、例えば、ガイドレールと、ガイドレールに沿って移動可能なスライダーと、スライダーをガイドレールに沿って移動させる駆動源とから構成され、スライダーに前述したノズル移動装置1を固定することにより、スライダーと一体にノズル移動装置1をガイドレールに沿って平行移動させることができる。
【0053】
上記の構成により、例えば、ノズル10を半径r1の円周上を移動させながら、ガイドレールに沿って平行移動させることにより、半径r2×2の幅で対象物をトラック状に切断等することができる。
【0054】
なお、第5及び図6の実施の形態に示すように、一方の第1フレーム5aと他方の第1フレーム5bとを一対の遊星歯車19、19と太陽歯車20を介して連動させたタイプのノズル移動機構2を備えたノズル移動装置1に本実施の形態を適用してもよい。
【0055】
なお、前記各実施の形態においては、ノズル移動機構2を平行4節リンク機構3によって構成し、ノズル10を中心線aと中心線bとの交点cを中心とする半径r2の円周上を移動させるように構成したが、固定節4、従節5、及び中間節6の長さを変更して、種々の半径の円周上をノズル10を移動させるようにしてもよい。
【0056】
また、一対の従節5の長さを異なる長さに設定する等の方法により、ノズル10を様々な形状に移動させるように構成してもよい。ただし、この場合には、中間節6を伸縮可能に構成する必要がある。
【符号の説明】
【0057】
1 ノズル移動装置
2 ノズル移動機構
3 4節リンク機構
4 固定節
4a 台座
4b 貫通孔
5 従節
5a 一方の第1フレーム
5b 他方の第1フレーム
6 中間節
6a 第2フレーム
7 第1ピン
8 第2ピン
10 ノズル
11 駆動源(回転モータ)
12 駆動軸
13 駆動源(シリンダー)
14 ロッド
15 連結ロッド
16 ベルト
17 主プーリー
18 テンションプーリー
19 遊星歯車
20 太陽歯車
21 案内手段
a 第1中心線
b 第2中心線
c 交点
L1 第1ピン間の距離
L2 第2ピン間の距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧水を噴射させるノズルを備えたウォータージェット装置のノズル移動機構であって、
一端を中心に回転可能な一対の従節と、該一対の従節間に両端が回転可能に結合される中間節とを備え、
前記中間節の中間に前記ノズルを取り付け、前記ノズルを前記中間節に追従して移動させるように構成したことを特徴とするノズル移動機構。
【請求項2】
前記一対の従節の一端間の長さと前記中間節の両端間の長さとが同一、及び前記両従節の長さが同一に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のノズル移動機構。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のノズル移動機構を用いたノズル移動装置であって、
前記一方の従節を駆動源に連結し、該駆動源によって該一方の従節を回転させることにより、該一方の従節に他方の従節を連動して回転させるように構成したことを特徴とするノズル移動装置。
【請求項4】
前記駆動源は、回転モータ、又は油圧又は空圧のシリンダーであることを特徴とする請求項3に記載のノズル移動装置。
【請求項5】
前記一対の従節間にベルトを掛け渡し、該ベルトを介して前記一方の従節に前記他方の従節を連動させるように構成したことを特徴とする請求項3又は4に記載のノズル移動装置。
【請求項6】
前記各従節を遊星歯車に連結し、該各遊星歯車を太陽歯車と噛合させ、太陽歯車の回転に追従して各遊星歯車を介して各従節を回転させるように構成したことを特徴とする請求項3又は4に記載のノズル移動装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のノズル移動機構を平行移動可能に案内する案内手段を備えていることを特徴とする請求項3から6の何れか1項に記載のノズル移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−214488(P2010−214488A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61662(P2009−61662)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】