説明

ノズル面清掃装置及び液滴吐出装置

【課題】コンパクトな構成で確実に廃液を回収することができるノズル面清掃装置及び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】払拭ウェブ110をノズル面16に押圧当接させる押圧ローラ118の前段位置にノズル面16の傾斜方向下端領域を払拭するブレード300が設けられる。ブレード300は、ブレード支持板302に取り付けられる。ブレード支持板302には、ブレード300で掻き取った余剰洗浄液が払拭ウェブ110の上に滴下するように誘導する滴下誘導部302Cが一体的に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル面清掃装置及び液滴吐出装置に係り、特にノズル面に洗浄液を付与した後、ブレードでノズル面を払拭して清掃するノズル面清掃装置及び液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置では、連続して記録作業を行うと、インクがノズル付近に付着、堆積し、ノズルに目詰まりが生じる。ノズルの目詰まりは、印刷品質を大きく低下させるため、インクジェット記録装置では、定期的にヘッドのノズル面の清掃が行われる。このノズル面の清掃は、たとえば、ノズル面をブレード(ワイパ)で払拭することにより行われる(たとえば、特許文献1、2等)。
【0003】
ところで、ブレードでノズル面を払拭すると、そのブレードで掻き取られた廃液がブレードから滴下し、周囲を汚染するという問題がある。このため、ブレードでノズル面を払拭する場合は、ブレードの下方に受け容器(特許文献1)や吸収体(特許文献2)を設置する必要がある。そして、これらの受け容器や吸収体は、廃液を確実に捕捉するため、広範囲にわたって設置する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−137156号公報
【特許文献2】特開2001−63076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、受け容器や吸収体を広範囲にわたって設置すると、装置が大型化するという欠点がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、コンパクトな構成で確実に廃液を回収することができるノズル面清掃装置及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、液滴吐出ヘッドと相対的に移動して、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を清掃するノズル面清掃装置において、前記ノズル面に洗浄液を付与する洗浄液付与手段と、前記ノズル面に当接されて、前記ノズル面を払拭するブレードと、前記ブレードで払拭した廃液が、前記ブレードの端部よりも内側に設定された所定の滴下位置に滴下するように誘導する滴下誘導部材と、前記滴下誘導部材から滴下する廃液を受ける受け容器と、を備えたことを特徴とするノズル面清掃装置を提供する。
【0008】
本発明によれば、ノズル面をブレードで払拭したときにブレードから滴下する廃液が所定の滴下位置に滴下するように滴下誘導部材によって誘導される。したがって、滴下位置に受け容器を設置することにより、周囲を汚染することなく確実に廃液を回収することができる。また、滴下位置をブレードの端部よりも内側に設置することより、受け容器に必要な幅をブレードの幅内に収めることができ、装置をコンパクト化することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液滴吐出ヘッドは、前記ノズル面が傾斜して設置されることを特徴とする請求項1に記載のノズル面清掃装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、ノズル面が傾斜して設置される。ノズル面が傾斜していると、ブレードで払拭した場合、廃液は傾斜方向の下端部から滴下する。この場合、廃液を確実に回収するためには、受け容器をブレードの下端から外側に食み出して設置しなければならない。しかしながら、本発明によれば、廃液は滴下誘導部材によってブレードの内側に滴下するように誘導される。したがって、受け容器をブレードの下端から外側に食み出して設置しなくても、廃液を確実に回収することができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記滴下誘導部材が、前記ブレードを支持するブレード支持部材に一体的に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル面清掃装置を提供する。
【0012】
本発明によれば、滴下誘導部材が、ブレードを支持するブレード支持部材に一体的に形成される。すなわち、ブレード支持部材が滴下誘導部材を兼用する。これにより、部品点数を削減することができるとともに、組み付けも容易に行うことができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、液滴吐出ヘッドと相対的に移動して、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を清掃するノズル面清掃装置において、前記ノズル面に洗浄液を付与する洗浄液付与手段と、前記ノズル面に当接されて、前記ノズル面を払拭するブレードと、走行する帯状の払拭ウェブを前記ノズル面に当接させて、前記ノズル面を払拭する払拭手段と、前記ブレードで払拭した廃液が、前記払拭ウェブの上に滴下するように誘導する滴下誘導部材と、を備えたことを特徴とするノズル面清掃装置を提供する。
【0014】
本発明によれば、ノズル面をブレードで払拭したときにブレードから滴下する廃液が、ノズル面を払拭する払拭ウェブの上に滴下するように滴下誘導部材によって誘導される。これにより、周囲を汚染することなく、確実に廃液を回収することができる。また、受け容器等を別途設ける必要がないので、装置構成を簡素化することができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液滴吐出ヘッドは、前記ノズル面が傾斜して設置されることを特徴とする請求項4に記載のノズル面清掃装置を提供する。
【0016】
本発明によれば、ノズル面が傾斜して設置された場合であっても、周囲を汚染することなく、確実に廃液を回収することができる。
【0017】
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記ブレードが、前記ノズル面の傾斜方向下端領域を払拭するように設置されることを特徴とする請求項5に記載のノズル面清掃装置を提供する。
【0018】
本発明によれば、ノズル面の傾斜方向下端領域のみを払拭するようにブレードが設置される。ノズル面は最終的に払拭ウェブで払拭されるので、ブレードは必要な領域のみを払拭すれば十分である。ノズル面を傾斜させた場合、ノズル面には傾斜方向下側の端部に洗浄液が溜まる。この状態でノズル面を払拭ウェブで払拭すると、傾斜方向下側の端部に溜まる洗浄液を拭いきれずに、廃液がノズル面に残留するおそれがある。そこで、払拭ウェブで払拭する前にノズル面の傾斜方向下側の端部に溜まる洗浄液をブレードで払拭することにより、ノズル面を払拭ウェブで確実に払拭することができる。そして、この際、ブレードで払拭した廃液を払拭ウェブに滴下させることにより、周囲を汚染することなく、ノズル面を払拭することができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記滴下誘導部材が、前記ブレードを支持するブレード支持部材に一体的に形成されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置を提供する。
【0020】
本発明によれば、滴下誘導部材が、ブレードを支持するブレード支持部材に一体的に形成される。すなわち、ブレード支持部材が滴下誘導部材を兼用する。これにより、部品点数を削減することができるとともに、組み付けも容易に行うことができる。
【0021】
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、前記ブレードは、前記払拭ウェブの走行経路の上方に設置され、前記滴下誘導部材は、前記ブレードで払拭した廃液を前記払拭ウェブの上に滴下させることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置を提供する。
【0022】
本発明によれば、ブレードが払拭ウェブの走行経路の上方に設置され、払拭した廃液が払拭ウェブの上に滴下するように滴下誘導部材で誘導される。これにより、コンパクトな構成で廃液を確実に回収することができる。
【0023】
請求項9に係る発明は、前記目的を達成するために、前記滴下誘導部材は、前記ノズル面を払拭した後の前記払拭ウェブの上に滴下するように誘導することを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置を提供する。
【0024】
本発明によれば、ノズル面を払拭した後の払拭ウェブの上に廃液が滴下する。これにより、払拭前の払拭ウェブを汚染することなく、廃液を回収することができる。
【0025】
請求項10に係る発明は、前記目的を達成するために、前記払拭ウェブは、前記ノズル面の相対的な移動方向と反対方向に走行することを特徴とする請求項4〜9のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置を提供する。
【0026】
本発明によれば、ノズル面の移動方向と反対方向に走行する払拭ウェブによってノズル面が払拭される。これにより、効率よくノズル面を払拭することができる。また、これにより、ブレードを払拭ウェブの前段に配置しても、払拭後の払拭ウェブの上に廃液を滴下させることができる。
【0027】
請求項11に係る発明は、前記目的を達成するために、メディアに対して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を清掃する請求項1〜10のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置を提供する。
【0028】
本発明によれば、コンパクトな構成の清掃装置を組み込むことができるので、液滴吐出装置全体の構成もコンパクトにすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、コンパクトな構成で確実に廃液を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】インクジェット記録装置の画像記録部の概略構成を示す側面図
【図2】インクジェット記録装置の画像記録部の正面図
【図3】インクジェットヘッドのノズル面の平面透視図
【図4】インクジェットヘッドの下端領域の側面図
【図5】洗浄液付与装置をメンテナンス位置側から見た側面図
【図6】洗浄液付与ユニットの正面図
【図7】洗浄液付与ユニットの側面図
【図8】払拭装置をメンテナンス位置側から見た側面図
【図9】払拭ユニットの平面図
【図10】払拭ユニットを画像記録位置側から見た側面図
【図11】払拭ユニットの側面部分断面図
【図12】払拭ユニットの正面部分断面図
【図13】払拭ユニットの背面図
【図14】押圧ローラの軸部を支持する軸支持部の構成を示す正面部分断面図
【図15】図14の15−15断面図
【図16】図12の16−16断面図
【図17】払拭ユニットの払拭ウェブの使用時(a)と交換時(b)の状態を示す説明図
【図18】昇降テーブルを昇降移動させる連動機構の説明図
【図19】払拭ユニットを装着部に装着したときの状態を示す正面断面図
【図20】払拭ユニットを装着部に装着したときの状態を示す側面断面図
【図21】滴下誘導部を有する場合(a)と有しない場合(b)の廃液の滴下状態を示す説明図
【図22】払拭ユニットの他の実施の形態を示す正面部分断面図
【図23】払拭ユニットの他の実施の形態を示す側面部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面に従って本発明に係るノズル面清掃装置及び液滴吐出装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0032】
なお、ここでは、液滴吐出装置として、枚葉紙に画像を記録するインクジェット記録装置を例に説明する。
【0033】
≪インクジェット記録装置の画像記録部の構成≫
図1は、インクジェット記録装置の画像記録部の概略構成を示す側面図である。
【0034】
同図に示すように、本実施の形態のインクジェット記録装置の画像記録部10は、メディア(枚葉紙)12を画像記録ドラム14によってドラム搬送する。そして、その画像記録ドラム14による搬送過程でC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(クロ)の各色のインクの液滴を画像記録ドラム14の周囲に配設されたインクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kから吐出させて、メディア12の表面にカラー画像を画像記録する。
【0035】
画像記録ドラム14は、その回転軸18の両端部を一対の軸受22に軸支されて回転自在に設けられている(図2参照)。一対の軸受22は、インクジェット記録装置の本体フレーム20に設けられており、この一対の軸受22に回転軸18の両端部が軸支されることにより、画像記録ドラム14は水平に取り付けられる(水平な設置面に対して回転軸18が平行に取り付けられる。)。
【0036】
画像記録ドラム14の回転軸18には、図示しない回転伝達機構を介してモータが連結されている。画像記録ドラム14は、このモータに駆動されて回転する。
【0037】
また、画像記録ドラム14の周面には、メディア12の先端部を把持するグリッパ24が設けられている(本例では、外周面上の2カ所に設置されている。)。メディア12は、このグリッパ24に先端部を把持されて、画像記録ドラム14の外周面上に保持される。
【0038】
また、この画像記録ドラム14には、図示しない吸着保持機構(たとえば、静電吸着、真空吸着)が備えられている。先端部をグリッパ24に把持されて、画像記録ドラム14の外周面上に巻き掛けられたメディア12は、その裏面部を吸着保持機構によって吸着されて、画像記録ドラム14の外周面上に保持される。
【0039】
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置において、メディア12は、前段の工程から搬送ドラム26を介して、画像記録ドラム14に受け渡される。搬送ドラム26は、画像記録ドラム14に並列して配置されており、タイミングを合わせて、画像記録ドラム14にメディア12を受け渡す。
【0040】
また、画像記録後のメディア12は、搬送ドラム28を介して、後段の工程に受け渡される。搬送ドラム28は、画像記録ドラム14に並列して配置されており、タイミングを合わせて、画像記録ドラム14からメディア12を受け取る。
【0041】
4本のインクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kは、メディア幅に対応したラインヘッドで構成されており、画像記録ドラム14の回転軸18を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。
【0042】
なお、本例では、4本のインクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kが、画像記録ドラム14を挟んで左右対称になるように配置されている。すなわち、画像記録ドラム14の中心を通る鉛直な線分に対してシアンのインクジェットヘッド16Cとクロのインクジェットヘッド16Kとが左右対称に配置されるとともに、マゼンタのインクジェットヘッド16Mとイエロのインクジェットヘッド16Yとが左右対称に配置されている。
【0043】
このように配置された各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kは、それぞれその下端部に形成されたノズル面30C、30M、30Y、30Kが、画像記録ドラム14の外周面に対向して配置されるとともに、それぞれそのノズル面30C、30M、30Y、30Kが、画像記録ドラム14の外周面から所定高さの位置に位置する(画像記録ドラム14の外周面とノズル面30C、30M、30Y、30Kとの間に同じ量のギャップが形成される。)。また、そのノズル面30C、30M、30Y、30Kに形成されたノズル列が、メディア12の搬送方向と直交して配置される。
【0044】
そして、このように配置された各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kからは、そのノズル面30C、30M、30Y、30Kに形成されたノズルから画像記録ドラム14の外周面に向けて垂直にインクの液滴が吐出される。
【0045】
図3は、インクジェットヘッドのノズル面の平面透視図である。また、図4は、インクジェットヘッドの下端領域の側面図である。
【0046】
なお、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kの構成は共通しているので、ここではインクジェットヘッド16として、そのノズル面30(30C、30M、30Y、30K)の構成を説明する。
【0047】
同図に示すように、ノズル面30は、長方形状に形成され、その幅方向(メディア搬送方向)の中央部に一定幅を有するノズル形成領域30Aが形成され、そのノズル形成領域30Aを挟んでノズル保護領域30Bが対称に形成される。
【0048】
ノズル形成領域30Aは、ノズルが形成される領域であり、その表面には所定の撥液処理が施されている(撥液膜が被覆されている)。
【0049】
ここで、図3に示すように、本実施の形態のインクジェットヘッド16は、いわゆるマトリックスヘッドで構成され、ノズルNがノズル形成領域30Aに二次元マトリクス状に配置される。より具体的には、メディア12の搬送方向に対して所定角度傾斜した方向に複数のノズルNが一定ピッチで配置されたノズルの列が形成されるとともに、そのノズルの列がメディア12の搬送方向と直交する方向(ヘッドの長手方向)に一定ピッチで多数配列される。このようなノズルの配置構成とすることにより、ヘッドの長手方向(メディア12の搬送方向と直交する方向)に投影される実質的なノズルNの間隔を狭めることができ、ノズルNの高密度化を図ることができる。
【0050】
なお、マトリックスヘッドでは、このヘッドの長手方向に投影されるノズルの列が実質的なノズル列とされる。
【0051】
ノズル形成領域30Aの両側に配置されるノズル保護領域30Bは、ノズル形成領域30Aを保護するための領域であり、ノズル形成領域30Aは、このノズル保護領域30Bから所定量退避して凹状に形成されている(0.2mm程度)。
【0052】
なお、本実施の形態のインクジェットヘッド16は、ノズル形成領域30Aにのみ撥液処理が施される(ノズル保護領域30Bには撥液処理は施されない)。この場合、ノズル保護領域30Bに液体が付着すると、液体はノズル保護領域30Bに濡れ広がる。
【0053】
また、本実施の形態のインクジェットヘッド16は、いわゆるピエゾ方式でノズルNからインクの液滴を吐出させる。すなわち、ノズル面30に形成された各ノズルNは、それぞれ圧力室Pに連通されており、この圧力室Pの壁面をピエゾ素子で振動させることにより、圧力室Pの容積を拡縮させて、ノズルNからインクの液滴を吐出させる。
【0054】
なお、インクの吐出方式は、これに限らずサーマル方式で吐出させる構成とすることもできる。
【0055】
画像記録部10は、以上のように構成される。この画像記録部10において、メディア12は、前段の工程から搬送ドラム26を介して画像記録ドラム14に受け渡され、画像記録ドラム14の周面に吸着保持されて回転搬送される。そして、その搬送過程で各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kの下を通過し、その通過時に各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kから吐出されたインクの液滴が記録面に打滴されて、記録面にカラー画像が形成される。画像が記録されたメディア12は、画像記録ドラム14から搬送ドラム28に受け渡され、後段の工程へと搬送される。
【0056】
さて、以上のように構成される画像記録部10において、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kは、図2に示すように、ヘッド支持フレーム40に取り付けられて、画像記録ドラム14の周囲に配置される。
【0057】
ヘッド支持フレーム40は、画像記録ドラム14の回転軸18と直交して設けられた一対のサイドプレート42L、42Rと、その一対のサイドプレート42L、42Rを上端部で連結する連結フレーム44とで構成されている。
【0058】
一対のサイドプレート42L、42Rは、板状に形成されており、画像記録ドラム14を挟んで互いに対向するように配置されている。この一対のサイドプレート42L、42Rの内側には、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kを取り付けるための取付部46C、46M、46Y、46Kが設けられている(図2では、便宜上、取付部46Yのみ図示)。
【0059】
取付部46C、46M、46Y、46Kは、画像記録ドラム14の回転軸18を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kは、その両端に形成された被取付部48C、48M、48Y、48K(図2では、便宜上、被取付部48Yのみ図示)を取付部46C、46M、46Y、46Kに固定することにより、ヘッド支持フレーム40に取り付けられる。そして、このヘッド支持フレーム40に取り付けられることにより、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kが、画像記録ドラム14の回転軸18を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置される。
【0060】
ヘッド支持フレーム40は、図示しないガイドレールにガイドされて、画像記録ドラム14の回転軸18と平行にスライド移動自在に設けられている。そして、図示しないリニア駆動機構(たとえば、送りネジ機構など)に駆動されて、図2に実線で示す「画像記録位置」と図2に破線で示す「メンテナンス位置」との間を移動する。
【0061】
各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kは、ヘッド支持フレーム40を画像記録位置に位置させると、画像記録ドラム14の周囲に配置され、画像記録可能な状態になる。
【0062】
メンテナンス位置は、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kが画像記録ドラム14から退避する位置に設定される。このメンテナンス位置には、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kを保湿するための保湿ユニット50が設けられる。
【0063】
保湿ユニット50には、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kのノズル面を覆うキャップ52C、52M、52Y、52K(図2では、便宜上、キャップ52Yのみ図示)が備えられている。装置を長時間停止する場合などは、このキャップ52C、52M、52Y、52Kでノズル面が覆われる。これにより、乾燥による不吐出が防止される。
【0064】
なお、このキャップ52C、52M、52Y、52Kには、図示しない加圧・吸引機構が備えられており、ノズル内を加圧・吸引できるように構成されている。
【0065】
また、このキャップ52C、52M、52Y、52Kには、図示しない洗浄液供給機構が備えられており、内部に洗浄液を供給できるように構成されている。
【0066】
キャップ52C、52M、52Y、52Kの下方位置には廃液トレイ54が配置される。キャップ52C、52M、52Y、52Kに供給された洗浄液は、この廃液トレイ54に廃棄され、廃液回収配管56を介して廃液タンク58に回収される。
【0067】
画像記録位置とメンテナンス位置との間には、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kのノズル面30C、30M、30Y、30Kを清掃するためのノズル面清掃装置60が設けられる。各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kは、メンテナンス位置と画像記録位置との間を移動することにより、ノズル面清掃装置60によってノズル面30C、30M、30Y、30Kが清掃される。
【0068】
以下、このノズル面清掃装置60の構成について説明する。
【0069】
≪ノズル面清掃装置の構成≫
図2に示すように、ノズル面清掃装置60は、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kのノズル面30C、30M、30Y、30Kに洗浄液を付与する洗浄液付与装置62と、洗浄液が付与されたノズル面30C、30M、30Y、30Kを払拭する払拭装置64とで構成される。このノズル面清掃装置60は、ヘッド支持フレーム40の移動経路上に配置される。
【0070】
本例では、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kをメンテナンス位置から画像記録位置に移動させることにより、ノズル面30C、30M、30Y、30Kを清掃する。このため、洗浄液付与装置62が払拭装置64に対してメンテナンス位置側に配置される。
【0071】
なお、この配置は逆にすることもできる。すなわち、払拭装置64をメンテナンス位置側に配置することもできる。この場合、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kを画像記録位置からメンテナンス位置に移動させることにより、ノズル面30C、30M、30Y、30Kを清掃する。
【0072】
≪洗浄液付与装置の構成≫
図5は、洗浄液付与装置をメンテナンス位置側から見た側面図である。
【0073】
洗浄液付与装置62は、保湿ユニット50に備えられた廃液トレイ54の内側に設置される(図2参照)。この洗浄液付与装置62は、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kに対応して設けられた洗浄液付与ユニット70C、70M、70Y、70Kと、その洗浄液付与ユニット70C、70M、70Y、70Kが搭載される洗浄液付与装置本体72とで構成される。
【0074】
〈洗浄液付与装置本体の構成〉
洗浄液付与装置本体72は、水平に設置され、図示しない昇降装置によって昇降自在に設けられる。この洗浄液付与装置本体72の上面部分には、洗浄液付与ユニット取付部72C、72M、72Y、72Kが形成される。各洗浄液付与ユニット70C、70M、70Y、70Kは、この洗浄液付与装置本体72に形成された洗浄液付与ユニット取付部72C、72M、72Y、72Kにボルト等で固定されて、所定位置に取り付けられる。そして、この洗浄液付与装置本体72に取り付けられることにより、各洗浄液付与ユニット70C、70M、70Y、70Kは、対応するインクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kの移動経路上に配置される。
【0075】
〈洗浄液付与ユニットの構成〉
次に、洗浄液付与ユニット70C、70M、70Y、70Kの構成について説明する。
【0076】
なお、各洗浄液付与ユニット70C、70M、70Y、70Kの基本構成は共通しているので、ここでは洗浄液付与ユニット70として、その構成について説明する。
【0077】
図6、図7は、それぞれ洗浄液付与ユニットの正面図と側面図である。
【0078】
同図に示すように、洗浄液付与ユニット70は、ノズル面30に洗浄液を付与する洗浄液付与ヘッド74と、ノズル面30から落ちる洗浄液を回収する洗浄液回収皿76とを備えて構成される。
【0079】
洗浄液回収皿76は、上部が開口した矩形の箱状に形成される。洗浄液付与ヘッド74は、この洗浄液回収皿76の内部に垂直に立設される。
【0080】
洗浄液付与ヘッド74は、上面が傾斜した四角いブロック状に形成され、その上部に傾斜した洗浄液保持面74Aが形成される。この洗浄液保持面74Aは、清掃対象とするヘッドのノズル面30と同じ傾斜角度で形成され、ノズル面30の幅(メディア搬送方向の幅)よりも若干広い幅をもって形成される。
【0081】
洗浄液保持面74Aの上部近傍には、洗浄液噴出口78が形成され、この洗浄液噴出口78から洗浄液が噴出される。洗浄液噴出口78から噴出された洗浄液は、傾斜した洗浄液保持面74Aを流れ落ちる。これにより、洗浄液保持面74Aの上に洗浄液の層(膜)が形成される。インクジェットヘッド16は、この洗浄液保持面74Aの上に形成される洗浄液の層にノズル面30を接触させることにより、ノズル面30に洗浄液が付与される。
【0082】
洗浄液付与ヘッド74の内部には、洗浄液噴出口78に連通する供給流路80が形成される。この供給流路80は、洗浄液回収皿76に形成された連通流路76Aに連通される。連通流路76Aは、洗浄液回収皿76に形成された洗浄液供給口76Bに連通される。洗浄液付与ヘッド74は、この洗浄液供給口76Bに洗浄液が供給されることにより、洗浄液噴出口78から洗浄液が噴出される。
【0083】
洗浄液は、洗浄液タンク(図示せず)から供給される。洗浄液供給口76Bには、この洗浄液タンクに接続された配管(図示せず)が接続される。この配管には洗浄液供給ポンプ(図示せず)及びバルブ(図示せず)が設けられる。バルブを開け、洗浄液供給ポンプを駆動すると、洗浄液タンクから洗浄液付与ヘッド74に洗浄液が供給される。
【0084】
洗浄液回収皿76は、上記のように上部が開口した矩形の箱状に形成される。この洗浄液回収皿76の底部は傾斜して形成され、その傾斜方向の下端部に回収穴88が形成される。回収穴88は、回収流路76Cを介して洗浄液排出口76Dに連通される。洗浄液排出口76Dは、配管(図示せず)を介して廃液タンク58に接続される。洗浄液付与ヘッド74の洗浄液噴出口78から噴出させた洗浄液は、洗浄液保持面74Aから流れ落ちて洗浄液回収皿76に回収され、配管(図示せず)を介して廃液タンク58に回収される。
【0085】
洗浄液付与装置62は以上のように構成される。
【0086】
なお、洗浄液付与装置62の動作は、図示しない制御装置によって制御される。制御装置は、昇降装置、ポンプ、バルブ等の駆動を制御して、洗浄液の付与を制御する。
【0087】
また、洗浄液としては、たとえば、ジエチレンモノブチルエーテルを主成分とする洗浄液が用いられる。この種の洗浄液をノズル面30に付与することで、ノズル面30に付着したインク由来の固着物を溶解し除去しやすくすることができる。
【0088】
〈洗浄液付与装置の作用〉
次に、以上のように構成された洗浄液付与装置62による洗浄液の付与動作について説明する。
【0089】
洗浄液付与装置62は、インクジェットヘッド16(16C、16M、16Y、16K)がメンテナンス位置から画像記録位置に移動する過程でヘッドのノズル面30(30C、30M、30Y、30K)に洗浄液を付与する。具体的には、次のように洗浄液を付与する。
【0090】
洗浄液付与装置62は、洗浄液付与装置本体72を所定の作動位置に位置させて、ノズル面30に洗浄液を付与する。清掃時以外、洗浄液付与装置本体72は所定の待機位置に位置しており、清掃時のみ待機位置から所定量上昇して作動位置に移動する。
【0091】
洗浄液付与装置本体72が、作動位置に移動すると、各洗浄液付与ユニット70(70C、70M、70Y、70K)が、所定の洗浄液付与位置にセットされる。これにより、各洗浄液付与ユニット70に備えられた洗浄液付与ヘッド74によって各ヘッドのノズル面30に洗浄液を付与することが可能になる。すなわち、各洗浄液付与ユニット70が、洗浄液付与位置にセットされると、洗浄液付与ヘッド74の洗浄液保持面74Aを流れる洗浄液が、ノズル面30に接触する位置(洗浄液保持面74Aとノズル面30のギャップが所定範囲になる位置)に各洗浄液付与ユニット70がセットされる。
【0092】
制御装置は、各インクジェットヘッド16が、洗浄液付与ユニット70の洗浄液付与ヘッド74に到達するタイミングに合わせて洗浄液供給ポンプを駆動し、洗浄液付与ユニット70に洗浄液を供給する。これにより、各洗浄液付与ユニット70に備えられた洗浄液付与ヘッド74の洗浄液噴出口78から洗浄液が所定の流量で流れ出る。洗浄液噴出口78から流れ出た洗浄液は、洗浄液保持面74Aを流れ落ちる。これにより、洗浄液保持面74Aの上に洗浄液の層(膜)が形成される。
【0093】
画像記録位置に向かうインクジェットヘッド16は、この洗浄液付与ヘッド74を通過する際、そのノズル面30が、洗浄液付与ヘッド74の洗浄液保持面74Aの上に形成された洗浄液の層に接触する。これにより、ノズル面30に洗浄液が付与される。
【0094】
≪払拭装置の構成≫
図8は、払拭装置をメンテナンス位置側から見た側面図である。
【0095】
同図に示すように、払拭装置64は、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kに対応して設けられた払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kと、その払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kがセットされる払拭装置本体102とで構成される。
【0096】
〈払拭装置本体の構成〉
払拭装置本体102は、水平に設置され、図示しない昇降装置によって昇降自在に設けられる。この払拭装置本体102は、上端部が開口した箱状に形成されており、その内部に各払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kを装着するための払拭ユニット装着部104C、104M、104Y、104Kが形成される。
【0097】
払拭ユニット装着部104C、104M、104Y、104Kは、払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kを収容可能な空間として形成され、上部が開口して形成される。各払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kは、各払拭ユニット装着部104C、104M、104Y、104Kの上部開口部から鉛直下向きに差し込むことにより、各払拭ユニット装着部104C、104M、104Y、104Kにセットされる。
【0098】
なお、各払拭ユニット装着部104C、104M、104Y、104Kには、図示しないロック機構が備えられ、装着された払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kをロックできるように構成されている。ロック機構は、たとえば、払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kを払拭ユニット装着部104C、104M、104Y、104Kに差し込むと、自動的に作動するように構成される。
【0099】
〈払拭ユニットの構成〉
次に、払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kの構成について説明する。
【0100】
なお、各払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kの基本構成は共通しているので、ここでは払拭ユニット100として、その構成を説明する。払拭ユニット装着部104C、104M、104Y、104Kについても同様であり、払拭ユニット装着部104として説明する。
【0101】
図9は払拭ユニットの平面図、図10は払拭ユニットを画像記録位置側から見た側面図、図11は払拭ユニットの側面部分断面図、図12は払拭ユニットの正面部分断面図、図13は払拭ユニットの背面図である。
【0102】
図9〜図13に示すように、払拭ユニット100は、傾斜して設置された押圧ローラ118に帯状に形成された払拭ウェブ110を巻き掛け、この押圧ローラ118に巻き掛けた払拭ウェブ110をインクジェットヘッドのノズル面に押圧当接させることにより、インクジェットヘッドのノズル面を払拭清掃する。
【0103】
この払拭ユニット100は、ケース112と、帯状に形成された払拭ウェブ110を繰り出す繰出軸114と、払拭ウェブ110を巻き取る巻取軸116と、繰出軸114から繰り出された払拭ウェブ110が押圧ローラ118に巻き掛けられるようにガイドする前段ガイド120と、押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110が巻取軸116に巻き取られるようにガイドする後段ガイド122と、払拭ウェブ110を搬送するグリッドローラ(駆動ローラ)124と、払拭ウェブ110でノズル面30を払拭する前にノズル面30の傾斜方向下端領域を払拭するブレード300と、を備えて構成される。
【0104】
ケース112は、ケース本体126と蓋128とで構成される。ケース本体126は、縦方向に長い四角い箱状に形成され、上端部と前面部とが開口して形成される。蓋128は、ヒンジ130を介して、ケース本体126の前面部に取り付けられる。ケース本体126は、この蓋128によって前面部が開閉される。
【0105】
なお、蓋128には弾性変形可能なロック爪132が設けられており、このロック爪132をケース本体126に形成された爪受部134に弾性変形させて係合させることにより、ケース本体126に固定される。
【0106】
繰出軸114は、円柱状に形成され、その基端部をケース本体126に設けられた軸支持部136に固定(片持ち支持)されて、ケース本体126の内部に水平に設置される。この繰出軸114には繰出コア138が着脱自在に装着される。なお、繰出軸114は、繰出コア138の長さよりも若干短く形成される。したがって、繰出コア138が装着されると、繰出軸114は、繰出コア138の内周部に退避する。
【0107】
繰出コア138は、円筒状に形成される。帯状に形成された払拭ウェブ110は、この繰出コア138にロール状に巻回される。
【0108】
繰出コア138は、その内周部に繰出軸114を挿入して、繰出軸114に嵌めることにより、繰出軸114に装着される。繰出軸114に装着された繰出コア138は、繰出軸114の周りを回転して、回転自在に支持される。
【0109】
ここで、図11に示すように、ケース112の蓋128には、繰出軸114の設置位置に対応して繰出コア押え駒139が設けられている。蓋128が閉じられると、この繰出コア押え駒139が、繰出軸114に装着された繰出コア138の端面を軸方向に押圧し、繰出コア138にフリクションを与える。
【0110】
この繰出コア押え駒139は、軸部139Aと、その軸部139Aに摺動自在に設けられた押圧部139Bと、押圧部139Bを軸方向に付勢するバネ139Cとで構成される。
【0111】
軸部139Aは、円柱状に形成され、蓋128の内面に垂直に取り付けられる。この軸部139Aは、蓋128を閉めたときに、繰出軸114と同軸上に位置するように配置される。
【0112】
押圧部139Bは、ボス139B1とフランジ部139B2とで構成される。ボス139B1は、円筒状に形成され、その外周は、繰出コア138の内径とほぼ同じに形成され、繰出コア138の内周部に挿入可能に形成される。また、その内径は軸部139Aの外径とほぼ同じに形成され、軸部139Aに沿って摺動可能に形成される。フランジ部139B2は、ボス139B1の基端部に一体的に形成され、外周方向に張り出して形成される。このフランジ部139B2の基端部の内径は拡大して形成されており、この拡大して形成されたフランジ部139B2の内周部にバネ139Cが収容される。押圧部139Bは、このバネ139Cによって軸部139Aの先端方向に向けて付勢される。
【0113】
なお、軸部139Aの先端には、フランジ部が形成され、このフランジ部により、押圧部139Bの抜けが防止される。
【0114】
以上のように構成された繰出コア押え駒139は、ケース112の蓋128を閉じると、押圧部139Bのボス139B1が、繰出コア138の内周部に嵌入するとともに、フランジ部139B2が、繰出コア138の端面に当接し、バネ139Cの力によって、繰出コア138を軸方向に押圧する。これにより、繰出コア138は、繰出コア押え駒139とフランジ114Aとの間で押圧挟持され、回転に際してフリクションが与えられる。
【0115】
なお、払拭ウェブ110には、たとえば、PET、PE、NY等の極微細繊維を用いた編み又は織りからなるシートが用いられ、払拭対象とするヘッドのノズル面の幅(ノズル列と直交する方向の幅)に対応した幅を有する帯状に形成される。
【0116】
巻取軸116は、繰出軸114の下方位置に水平に配設される。すなわち、巻取軸116と繰出軸114とは、上下に並列して配置される。
【0117】
この巻取軸116は、図11に示すように、主軸116Aと、その主軸116Aの周りを周方向に回転自在に設けられた滑り軸116Bと、主軸116Aと滑り軸116Bとを連結するトルクリミッタ116Cとで構成され、一定以上の負荷(トルク)が掛かると、主軸116Aに対して滑り軸116Bが滑るように構成されている。
【0118】
主軸116Aは、円柱の棒状に形成され、その基端部近傍をケース本体126に設けられた軸受部140に回動自在に支持される。
【0119】
滑り軸116Bは、円筒状に形成され、主軸116Aの外周部を周方向に回転自在に設けられる。
【0120】
トルクリミッタ116Cは、滑り軸116Bの先端内周部に配置され、主軸116Aと滑り軸116Bと連結する。このトルクリミッタ116Cは、同軸上に配置された入力側回転体(図示せず)と出力側回転体(図示せず)とを備えており、入力側回転体に対して出力側回転体に一定以上の負荷(トルク)が掛かると、その入力側回転体と出力側回転体との間で滑るように構成されている。トルクリミッタ116Cは、入力側回転体を主軸116Aに接続(たとえば、キーとキー溝、あるいは、ボスとボス孔とにより回転伝達可能に接続、又は、一体的に固定して回転伝達可能に接続)され、出力側回転体を滑り軸116Bに接続(たとえば、キーとキー溝、あるいは、ボスとボス孔とにより回転伝達可能に接続、又は、一体的に固定して回転伝達可能に接続)されて、主軸116Aと滑り軸116Bとを回転伝達可能に連結する。これにより、滑り軸116Bに一定以上の負荷が掛かると、主軸116Aに対して滑り軸116Bが滑るように機能する。
【0121】
以上の構成の巻取軸116は、滑り軸116Bに作用する負荷(トルク)が一定範囲内であれば、滑りは発生せず、滑り軸116Bが主軸116Aと共に一体的に回転する。一方、滑り軸116Bに作用する負荷(トルク)が一定範囲を超えると、滑り軸116Bと主軸116Aとの間で滑りが生じ、主軸116Aに無理な負荷が掛かるのを防止することができる。
【0122】
この巻取軸116には、繰出コア138から繰り出された払拭ウェブ110を巻き取る巻取コア142が装着される。
【0123】
巻取コア142の構成は、繰出コア138の構成とほぼ同じである。すなわち、円筒状に形成される。繰出コア138に巻回された払拭ウェブ110の先端は、この巻取コア142に固定される。
【0124】
巻取コア142は、その芯部142Aに繰出軸114を嵌めることにより、繰出軸114に装着される。
【0125】
ここで、図11に示すように、巻取コア142は、その内周部にキー溝142Cが形成されている。一方、巻取軸116の外周(滑り軸116Bの外周)には、そのキー溝142Cに嵌合するキー116Dが形成されている。巻取コア142の装着時には、この巻取軸116に形成されたキー116Dを巻取コア142に形成された形成されたキー溝142Cに嵌めて装着する。これにより、巻取軸116の回転を巻取コア142に伝達可能に装着される。
【0126】
また、図11に示すように、ケース112の蓋128の内側には、巻取軸116の設置位置に対応してガイド板143が設けられる。このガイド板143は、払拭ウェブ110の巻取径に対応した径の円盤状に形成され、蓋128が閉じられると、巻取軸116の先端に配置される。
【0127】
また、図11に示すように、巻取軸116の基端部には、ガイド板143とほぼ同径のフランジ116Eが形成される。巻取コア142は、巻取軸116に装着されて、ケース112の蓋128が閉じられると、このフランジ116Eとガイド板143との間に配置される。巻取コア142に巻き取られる払拭ウェブ110は、このフランジ116Eとガイド板143とによって両縁部をガイドされながら、巻取コア142に巻き取られる。
【0128】
巻取軸116の主軸116Aは、その基端部がケース本体126の外側に突出して設けられており、その突出した基端部に巻取軸ギア158が取り付けられる。巻取軸116(主軸116A)は、この巻取軸ギア158が回転駆動されることにより回転する。なお、この巻取軸116の駆動機構については後述する。
【0129】
押圧ローラ118は、繰出軸114の上方に配置されており(本例では、押圧ローラ118と繰出軸114と巻取軸116とが同一直線上に配置されている。)、水平面に対して所定角度傾斜して配置されている。すなわち、この押圧ローラ118は、払拭ウェブ110をインクジェットヘッド16のノズル面30に押圧当接させるものであるため、払拭対象とするインクジェットヘッド16のノズル面30の傾きに合わせて傾けて配置されている(ノズル面と平行になるように配置されている)。
【0130】
また、押圧ローラ118は、払拭対象とするインクジェットヘッド16のノズル面30の断面形状に倣って中央部が拡径して形成されている(図14参照)。すなわち、本実施の形態のインクジェットヘッド16は、ノズル面30の中央部(ノズル形成領域30A)が凹状に退避して形成されているので、この凹状に形成されたノズル面30に対応して中央部が凸状に突出して形成されている。より具体的には、凹状に退避したノズル形成領域30Aに対応する領域(払拭時に当接する領域)が、その退避量に対応して突出(拡大)して形成されている。これにより、凹状に退避して形成されたノズル形成領域30Aに適切に払拭ウェブ110を当接させることができる。
【0131】
押圧ローラ118は、その両端部に軸部118L、118Rが突出して設けられており、この軸部118L、118Rを一対の軸支持部146L、146Rに軸支されて、回動自在かつ揺動自在に支持されている。
【0132】
図14は、押圧ローラ118の軸部を支持する軸支持部の構成を示す正面部分断面図である。また、図15は、図14の15−15断面図である。
【0133】
同図に示すように、軸支持部146L、146Rは、水平に設けられた昇降ステージ170の上に設けられている。この軸支持部146L、146Rは、ともに昇降ステージ170に垂直に立設された柱部150L、150Rと、その柱部150L、150Rの先端に屈曲して設けられた支持部152L、152Rとで構成されている。
【0134】
支持部152L、152Rは、押圧ローラ118の軸と直交するように設けられており、その内側に凹部154L、154Rが形成されている。凹部154L、154Rは、押圧ローラ118の軸部118L、118Rの幅とほぼ同じ幅を有する長方形状に形成されており、清掃の対象とするインクジェットヘッドのノズル面に対して直交して形成されている(図15参照)。押圧ローラ118は、その両端の軸部118L、118Rが、この支持部152L、152Rの凹部154L、154Rに遊嵌されている。この結果、押圧ローラ118は、清掃の対象とするインクジェットヘッドのノズル面に対して直交する面内で揺動自在に支持される。
【0135】
凹部154L、154Rの内側には、バネ156L、156Rが収容されており、凹部154L、154R内に遊嵌された押圧ローラ118の軸部118L、118Rは、このバネ156L、156Rによって上方に付勢されている。これにより、清掃の対象とするインクジェットヘッドのノズル面に倣って、押圧ローラ118の周面をノズル面に密着させることができる。
【0136】
前段ガイド120は、第1前段ガイド160と、第2前段ガイド162とで構成され、繰出軸114から繰り出された払拭ウェブ110が、傾斜して設置された押圧ローラ118に巻き掛けられるようにガイドする。
【0137】
一方、後段ガイド122は、第1後段ガイド164と、第2後段ガイド166とで構成され、傾斜して設置された押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110が、水平に設置された巻取軸116に巻き取れるようにガイドする。
【0138】
この前段ガイド120と後段ガイド122は、押圧ローラ118を挟んで対称に配置されている。すなわち、第1前段ガイド160と第1後段ガイド164とが押圧ローラ118を挟んで対称に配置されるとともに、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166とが押圧ローラ118を挟んで対称に配置されている。
【0139】
第1前段ガイド160は、所定の幅を有する板状に形成されており、昇降ステージ170の上に垂直に立設されている。この第1前段ガイド160は、上縁部160Aが、払拭ウェブ110の巻き掛け部として形成されており、その表面が円弧状に形成されている。また、この上縁部160Aは、水平面に対して所定角度傾斜して形成されており、これにより、払拭ウェブ110の走行方向が変換される。
【0140】
第1後段ガイド164は、第1前段ガイド160と同じ構成である。すなわち、所定の幅を有する板状に形成されており、昇降ステージ170の上に垂直に立設されている。そして、その上縁部164Aが、払拭ウェブ110の巻き掛け部として形成され、円弧状に形成されるとともに、水平面に対して所定角度傾斜して形成されている。
【0141】
この第1前段ガイド160と第1後段ガイド164とが、押圧ローラ118を挟んで対称に配置されている。繰出軸114から繰り出された払拭ウェブ110は、第1前段ガイド160に巻き掛けられることにより、繰出軸114と直交する方向から押圧ローラ118と略直交する方向に方向転換される。また、後述する第2後段ガイド166に巻き掛けられた払拭ウェブ110は、第1後段ガイド164に巻き掛けられることにより、巻取軸116と直交する方向に方向転換される。
【0142】
第2前段ガイド162は、両端部にフランジ162L、162Rを有するガイドローラとして構成されている。この第2前段ガイド162は、第1前段ガイド160と押圧ローラ118との間に配置され、第1前段ガイド160に巻き掛けられた払拭ウェブ110が、押圧ローラ118に巻き掛けられるようにガイドする。すなわち、第1前段ガイド160によって押圧ローラ118と略直交する方向に方向転換された払拭ウェブ110が、押圧ローラ118と直交する方向に走行するように、払拭ウェブ110の走行方向を微調整する。また、両端のフランジ162L、162Rによって、払拭ウェブ110の斜行を防止する。
【0143】
この第2前段ガイド162は、一端をブラケット168Aに片持ち支持されて、所定角度傾斜して設けられている。ブラケット168Aは、図13及び図16に示すように、先端が屈曲したプレート状に形成されており、その基端部がケース本体126の背面上端部に固定されている。そして、そのケース本体126の上端部から上方に向けて垂直に突出して設けられている。第2前段ガイド162は、このブラケット168Aの先端の屈曲部に片持ち支持されて回動自在に支持されている。
【0144】
第2後段ガイド166は、第2前段ガイド162と同じ構成である。すなわち、両端部にフランジ166L、166Rを有するガイドローラとして構成され、一端をブラケット168Bに片持ち支持されて、所定角度傾斜して設けられている。ブラケット168Bは、先端が屈曲したプレート状に形成されており、その基端部がケース本体126の背面上端部に固定されている。第2後段ガイド166は、このブラケット168Bの先端の屈曲部に片持ち支持されて回動自在に支持されている。
【0145】
この第2後段ガイド166は、押圧ローラ118と第1後段ガイド164との間に配置され、押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110が、第1後段ガイド164に巻き掛けられるようにガイドする。
【0146】
この第2前段ガイド162と第2後段ガイド166とが、押圧ローラ118を挟んで対称に配置されている。第1前段ガイド160によって押圧ローラ118と略直交する方向に方向転換された払拭ウェブ110は、第2前段ガイド162に巻き掛けられることにより、押圧ローラ118と直交する方向に走行するように、走行方向が微調整される。また、押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110は、第1後段ガイド164に巻き掛けられるように、第2後段ガイド166によって走行方向が微調整される。そして、第1後段ガイド164に巻き掛けられることにより、巻取軸116と直交する方向に方向転換される。
【0147】
このように、前段ガイド120と後段ガイド122は、段階的に払拭ウェブ110の走行方向を切り換えることにより、払拭ウェブ110が、無理なく押圧ローラ118に巻き掛けられるようにガイドする。
【0148】
このため、第1前段ガイド160の傾斜角度に比べて第2前段ガイド162の傾斜角度は押圧ローラ118の傾斜角度に近い角度となっており、同様に第1後段ガイド164の傾斜角度に比べて第2後段ガイド166の傾斜角度は押圧ローラ118の傾斜角度に近い角度となっている。
【0149】
ところで、上記のように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164は、それぞれ昇降ステージ170の上に設けられている。この昇降ステージ170は、水平面に対して垂直方向に昇降移動自在に設けられている。
【0150】
図11に示すように、昇降ステージ170には、その下部にガイド軸172が一体的に取り付けられている。ガイド軸172は、昇降ステージ170の下面部から鉛直下向きに延びており、ケース本体126内に配置されたガイドブッシュ174に嵌合されている。ガイドブッシュ174は、支持部材176を介してケース本体126の内壁面に固定されており、ガイド軸172を水平面に対して垂直にガイドする。
【0151】
このように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164が設けられた昇降ステージ170は、水平面に対して垂直に昇降自在に設けられている。このため、図17に示すように、この昇降ステージ170を昇降移動させることにより、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とを、固定して設置された第2前段ガイド162と第2後段ガイド166に対して、進退移動させることができる。これにより、払拭ウェブ110の交換を簡単に行うことができる。
【0152】
すなわち、昇降ステージ170を下降させることにより、図17(b)に示すように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164を、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166とに対して下方へ退避させることができ、その間のスペースを大きく確保することができる。これにより、各部への払拭ウェブ110の巻き掛け作業を簡単に行うことができる。また、各部に払拭ウェブ110を巻き掛ける場合は、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164を下方に退避させた状態で、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164に払拭ウェブ110を巻き掛け、その後、昇降ステージ170を上昇させるだけで済む。すなわち、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164に払拭ウェブ110を巻き掛け、その後、昇降ステージ170を上昇させると、図17(a)に示すように、自動的に第2前段ガイド162と第2後段ガイド166とに払拭ウェブ110が巻き掛けられる。
【0153】
このように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164を、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166に対して、進退可能とすることにより、払拭ウェブ110の交換作業を簡単に行うことができる。
【0154】
なお、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164は、使用に際して、所定の使用位置(図17(a)の位置)に位置させる必要があるが、この第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164の使用位置への移動は、払拭装置本体102への払拭ユニット100の装着に連動して行われる。
【0155】
ここで、この連動機構について説明する。図11及び図13に示すように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とが設けられた昇降ステージ170には、背部に昇降レバー(係合部)178が設けられている。この昇降レバー178は、ケース本体126の背面に形成された切欠き部180を介してケース本体126の背面から突出して設けられている。昇降ステージ170は、この昇降レバー178をスライドさせることにより、昇降移動する。
【0156】
一方、図18に示すように、払拭ユニット100がセットされる払拭装置本体102の払拭ユニット装着部104(104C、104M、104Y、104K)には、その内側にピン(被係合部)182が突出して設けられている。このピン182は、払拭ユニット100が、払拭ユニット装着部104に装着されると、払拭ユニット100に設けられた昇降レバー178に係合するように設けられている。
【0157】
以上の構成により、図18に示すように、払拭ユニット100を払拭装置本体102の払拭ユニット装着部104に差し込むと、昇降レバー178がピン182に係合し、強制的に所定位置まで上昇させられる。この結果、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とが、所定の使用位置に位置決めされる。
【0158】
このように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164の使用位置への移動は、払拭装置本体102への払拭ユニット100の装着に連動して行われる。
【0159】
グリッドローラ124は、第1後段ガイド164の下方位置であって、ケース本体126の底部近傍に配置されている。このグリッドローラ124は、第1後段ガイド164によって巻取軸116と直交する方向に方向転換された払拭ウェブ110が、巻取軸116に巻き取られるように駆動力を与えながらガイドする。
【0160】
グリッドローラ124は、巻取軸116と平行(=水平面と平行)に設けられており、その回転軸をケース本体126に設けられた軸受部184に回動自在に支持されている。回転軸は、基端部がケース本体126の外側に突出して設けられており、その突出した基端部には、グリッドローラギア186が固着されている。グリッドローラ124は、このグリッドローラギア186が回転駆動されることにより回転する。
【0161】
ここで、このグリッドローラ124を含む払拭ユニット100の駆動機構について説明する。
【0162】
本実施の形態の払拭ユニット100では、巻取軸116を回転駆動するとともに、グリッドローラ124を回転駆動することにより、払拭ウェブ110を繰出軸114から巻取軸116に向けて走行させる。
【0163】
上記のように、巻取軸116(巻取軸116を構成する主軸116A)には、巻取軸ギア158が取り付けられている。一方、グリッドローラ124には、グリッドローラギア186が取り付けられている。この巻取軸ギア158とグリッドローラギア186は、図13に示すように、回転伝達ギア188に噛み合わされている。
【0164】
回転伝達ギア188は、その回転軸が水平に設けられており、ケース本体126に設けられた軸受部190に回動自在に支持されている。巻取軸ギア158とグリッドローラギア186は、この回転伝達ギア188を回転させることにより、同じ方向に回転する。そして、この巻取軸ギア158とグリッドローラギア186とが回転することにより、巻取軸116とグリッドローラ124とが回転する。
【0165】
ここで、本例の払拭装置64では、巻取軸ギア158とグリッドローラギア186に径の異なるギア(歯数の異なるギア)を用いており、巻取軸116とグリッドローラ124とが異なる速度で回転するように設定されている。すなわち、本例の払拭装置64では、払拭ウェブ110を弛みなく搬送できるようにするために、グリッドローラ124で払拭ウェブ110を送る速度よりも巻取コア142で払拭ウェブ110を巻き取る速度の方が速くなるように、巻取軸116の回転速度とグリッドローラ124の回転速度が設定されている。これにより、弛みなく安定して払拭ウェブ110を巻き取ることができる。
【0166】
具体的には、巻取軸116に装着された巻取コア142の芯部142Aの周速度V1が、グリッドローラ124の周速度V2よりも大きくなるように(V1>V2)、巻取軸116の回転速度とグリッドローラ124の回転速度が設定され、それに基づき巻取軸ギア158とグリッドローラギア186とのギア比が設定される。
【0167】
なお、実際に設定する回転速度については、実験等で最適な数値を求めて設定される。すなわち、両者の間にあまりに差を設けすぎると、磨耗、故障等の原因になるので、実験等により最適な速度を求めて設定される。
【0168】
なお、このように巻取速度と送り速度に差を設けたとしても、本例の払拭装置64では、巻取軸116に滑り機構(トルクリミッタ116Cによる滑り機構)が備えられているので、巻取軸116やグリッドローラ124、モータ194等に過負荷を与えることなく、駆動することができる。
【0169】
巻取軸ギア158とグリッドローラギア186とを回転させる回転伝達ギア188は、払拭ユニット100を払拭装置本体102の払拭ユニット装着部104に装着すると、払拭ユニット装着部104内に設けられた駆動ギア192に噛み合わされる。
【0170】
駆動ギア192は、モータ194の出力軸に取り付けられており、払拭ユニット100を払拭ユニット装着部104に装着した際、その回転伝達ギア188が歯合する位置に配置される。
【0171】
モータ194は、たとえば、パルスモータで構成され、払拭ユニット装着部104の底部に取り付けられる。このモータ194の駆動は、図示しない制御装置によって制御される。
【0172】
払拭ユニット100の駆動機構は以上のように構成される。
【0173】
上記のように、払拭ユニット100を払拭装置本体102の払拭ユニット装着部104に装着すると、払拭ユニット100のケース112に設けられた回転伝達ギア188が、払拭ユニット装着部104に設けられた駆動ギア192に噛み合わされる(図18参照)。この状態でモータ194を駆動すると、そのモータ194の出力軸に取り付けられた駆動ギア192が回転し、その回転が回転伝達ギア188に伝達されて、回転伝達ギア188が回転する。
【0174】
回転伝達ギア188が回転すると、その回転伝達ギア188の回転が巻取軸ギア158とグリッドローラギア186とに伝達されて、巻取軸ギア158とグリッドローラギア186とが回転する。この結果、巻取軸116とグリッドローラ124とが回転する。そして、この巻取軸116とグリッドローラ124が回転することにより、繰出軸114に装着された繰出コア138から払拭ウェブ110が繰り出され、所定の走行経路を通って巻取軸116に装着された巻取コア142に巻き取られる。
【0175】
このように、払拭ユニット100を払拭ユニット装着部104に装着すると、回転伝達ギア188が駆動ギア192に噛み合わされて、巻取軸116とグリッドローラ124とを駆動することが可能になる。
【0176】
一方、払拭ユニット100を払拭ユニット装着部104に装着すると、図19及び図20に示すように、払拭ユニット装着部104に設けられたニップローラ200が、ケース本体126の底部に形成された開口部126Aを介してグリッドローラ124の外周部に押圧当接される。
【0177】
ニップローラ200は、グリッドローラ124とほぼ同じ幅で形成されており、外周部がゴム等の弾性体で被覆れている。このニップローラ200は、払拭ユニット装着部104に設置された廃液受け202に水平に取り付けられている。
【0178】
廃液受け202は、上部が開口した矩形の箱状に形成されており、その上辺部にニップローラ200を支持する軸受部(図示せず)が設けられている。ニップローラ200は、この軸受部に軸支されて、廃液受け202に回動自在に支持される。
【0179】
廃液受け202は、内側の底面部が傾斜して形成されており、その傾斜方向の下端部に廃液口206が形成されている。廃液口206には、図示しない配管を介して廃液タンク58に接続される。
【0180】
払拭ウェブ110が装填された払拭ユニット100を払拭ユニット装着部104に装着すると、グリッドローラ124に巻き掛けられた払拭ウェブ110は、ニップローラ200とグリッドローラ124との間にニップされる。
【0181】
ニップローラ200とグリッドローラ124との間にニップされた払拭ウェブ110は、この状態でグリッドローラ124が回転駆動されることにより、巻取コア142に向けて送られる。
【0182】
ここで、このニップローラ200とグリッドローラ124とにニップされる払拭ウェブ110は、ノズル面を払拭した後の払拭ウェブ110であるため、洗浄液等が吸収されている。この払拭ウェブ110に吸収された液体は、グリッドローラ124とニップローラ200との間を通過することにより、払拭ウェブ110から除去され、廃液受け202で回収される。
【0183】
このように、ニップローラ200とグリッドローラ124とは、払拭ウェブ110の搬送手段として機能するとともに、払拭ウェブ110で吸収された液体(廃液)の除去手段としても機能する。これにより、巻取コア142に巻き取られた払拭ウェブ110から廃液が垂れ落ちて、周囲を汚染したり、装置を故障させたりするのを防止できる。
【0184】
ブレード300は、払拭ウェブ110でノズル面30を払拭する前にノズル面30の傾斜方向下端領域を払拭する。本例のインクジェット記録装置は、各インクジェットヘッド16が画像記録ドラム14の周囲に配置されることから、ノズル面30が傾斜する。そして、このように傾斜したノズル面30に洗浄液を付与すると、洗浄液が自重でノズル面30を流れ落ち、ノズル面30の傾斜方向下端領域に溜まる。この状態でノズル面30を払拭ウェブ110で払拭すると、下端領域で払拭ウェブ110の吸収能力を超え、払拭が不十分になるおそれがある。そこで、本例の払拭装置64では、払拭ウェブ110でノズル面30を払拭する前にブレード300でノズル面30の下端領域を払拭し、余剰な洗浄液等を廃液として除去する。
【0185】
ブレード300は、ブレード300は、柔軟性を有する素材(たとえば、シリコンゴム、EPDM、NBR、ウレタン等であって、使用する洗浄液に犯されないものが好ましい。)によって薄板状に形成され、ノズル面30の傾斜方向下端領域を払拭可能な幅をもって形成される(たとえば、傾斜方向下側に位置するノズル保護領域30Bを払拭可能な幅をもって形成される。)。このブレード300は、ブレード支持板302に取り付けられる。
【0186】
ブレード支持板302は、長方形状の板片として形成され、第2後段ガイド166を支持するブラケット168Bに取り付けられる。
【0187】
ブレード支持板302の先端部には、ブレード取付部302Aが形成される。ブレード300は、このブレード取付部302Aにビスでネジ止めされて、ブレード支持板302に取り付けられる。
【0188】
一方、ブレード支持板302の基端部には、被取付部302Bが形成される。ブレード支持板302は、この被取付部302Bをブラケット168Bに形成されたブレード支持板取付部168bにビスでネジ止めされて、ブラケット168Bに取り付けられる。
【0189】
ブレード支持板取付部168bは、長方形状に形成されたブラケット168Bの一部を屈曲することにより、ブラケット168Bに一体的に形成される。ブレード支持板302は、このブレード支持板取付部168bに取り付けられることにより、第2後段ガイド166とほぼ平行に配置される。また、ブレード300は、このブレード支持板302がブレード支持板取付部168bに取り付けられることにより、その先端の摺接部(ノズル面を払拭する部分)が、ノズル面30と平行、かつ、ノズル面30の移動方向(ヘッドの長手方向)と直交して配置される。また、払拭装置本体102を上昇させて、払拭ウェブ110をノズル面30に当接させた際、ノズル面30の傾斜方向下端領域に傾斜して当接するように配置される。すなわち、ブレード300は、押圧ローラ118側に若干寝かせて配置され、ノズル面30に対して傾斜して当接するように配置される。
【0190】
また、ブレード支持板302には、その先端下部に滴下誘導部302Cが一体的に形成される。滴下誘導部302Cは、先端部が三角形状の板片として形成され、ブレード300によってノズル面30から掻き落とした廃液を三角形状の先端部分に誘導する。そして、その三角形状の先端部から払拭ウェブ110の上に滴下させる。すなわち、ブレード300によってノズル面30から掻き落とされた廃液は、ブレード300からブレード支持板302を伝って自重で流れ落ちるが、滴下誘導部302Cは、このブレード支持板302から自重で流れ落ちる廃液が、払拭ウェブ110の上に滴下されるように誘導する。図21に示すように、滴下誘導部302Cがない場合、廃液はブレード支持板302の先端(傾斜方向の下端)から滴下するが(同図(b)参照)、この滴下誘導部302Cが設けられることにより、滴下位置が矯正され、払拭ウェブ110の上に滴下する(同図(a)参照)。
【0191】
なお、本例では、第2後段ガイド166に巻き掛けられた払拭ウェブ110の上に滴下するように滴下誘導部302Cが形成される。したがって、滴下誘導部302Cは、第2後段ガイド166のほぼ真上の位置に設置される。
【0192】
また、廃液を滴下させる位置は、可能な限り払拭ウェブ110の内側(中心寄りの位置)にすることが好ましい。これにより、より確実に廃液を回収することができる。
【0193】
払拭ユニット100(100C、100M、100Y、100K)は、以上のように構成される。
【0194】
払拭装置64は、この払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kが払拭装置本体102の払拭ユニット装着部104に装着されることにより構成される。
【0195】
なお、払拭装置64の動作は、図示しない制御装置によって制御される。制御装置は、昇降装置、モータ194等の駆動を制御して、払拭装置64による付与動作を制御する。
【0196】
〈払拭装置の作用〉
次に、以上のように構成された本実施の形態の払拭装置64の作用について説明する。
【0197】
<払拭ウェブの装着>
まず、払拭ユニット100への払拭ウェブ110の装着方法について説明する。
【0198】
払拭ウェブ110は、繰出コア138にロール状に巻回された状態で提供され、その先端は巻取コア142に固定される。
【0199】
まず、払拭ユニット100を払拭装置本体102から取り出し、ケース112の蓋128を開ける。蓋128を開けると、繰出軸114と巻取軸116とが露出するので、繰出軸114に繰出コア138を装着し、巻取軸116に巻取コア142を装着する。
【0200】
この際、払拭ウェブ110を第1前段ガイド160、押圧ローラ118、第1後段ガイド164、グリッドローラ124に巻き掛けながら、繰出コア138と巻取コア142を装着する。
【0201】
具体的には、まず、繰出コア138を繰出軸114に装着する。繰出コア138の装着は、繰出コア138を繰出軸114に嵌めることにより行われる。これにより、繰出コア138が、繰出軸114の周りを回動自在に支持される。
【0202】
次いで、繰出コア138から払拭ウェブ110を所定量引き出し、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166の下を通して、払拭ウェブ110を第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164の上に巻き掛ける。この際、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164への払拭ウェブ110の巻き掛けは、昇降ステージ170を下降させた状態、すなわち、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164を下方に退避させた状態で行う。これにより、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166との間に十分なスペースを確保することができ、その第2前段ガイド162と第2後段ガイド166の下を通して、払拭ウェブ110を第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164に巻き掛けやすくすることができる。
【0203】
第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164に巻き掛けた払拭ウェブ110は、さらにグリッドローラ124に巻き掛け、最後に巻取コア142を巻取軸116に装着する。
【0204】
巻取コア142の装着は、巻取コア142を巻取軸116に嵌めることにより行われる。この際、巻取コア142の内周に形成されたキー溝142Cを巻取軸116の外周に形成されたキー116Dに嵌めて装着する。これにより、周方向の回転が規制された状態で巻取コア142が巻取軸116に装着される。そして、これにより、巻取軸116の回転を巻取コア142に伝達でき、巻取軸116と共に巻取コア142を回転させることができる。
【0205】
なお、上記のように、巻取軸116にはトルクリミッタ116Cが備えられているので、一定以上の負荷が掛かると滑りが生じ、払拭ウェブ110を無理なく巻き取ることができる。
【0206】
以上の工程で払拭ウェブ110の装着が完了する。この後、ケース112の蓋128を閉める。
【0207】
ここで、蓋128が閉められると、蓋128の内側に備えられた繰出コア押え駒139が、繰出軸114に装着された繰出コア138の端面に当接し、繰出コア138を軸方向に押圧する。この結果、繰出コア138が、繰出コア押え駒139と繰出軸114のフランジ114Aとの間に挟持され、フリクションが与えられる。そして、このようなフリクションが繰出コア138に与えられることにより、払拭ウェブ110は急な張力変化が生じたときでも弛むことなく、安定して走行することができる。
【0208】
また、蓋128が閉められると、蓋128の内側に備えられたガイド板143が、巻取軸116の先端に配置される。これにより、端面を揃えて払拭ウェブ110を巻取コア142に巻き取ることができる。
【0209】
<払拭装置本体へのセッティング>
次に、払拭ウェブ110が装着された払拭ユニット100を払拭装置本体102にセットする。
【0210】
払拭装置本体102への払拭ユニット100のセッティングは、払拭装置本体102に形成された払拭ユニット装着部104に払拭ユニット100を垂直に差し込むことにより行われる。
【0211】
払拭ユニット100が払拭ユニット装着部104にセットされると、図18(b)に示すように、払拭ユニット100の回転伝達ギア188が、払拭ユニット装着部104に設けられた駆動ギア192に噛み合わされる。これにより、巻取軸116及びグリッドローラ124が駆動可能になる。
【0212】
また、払拭ユニット100が払拭ユニット装着部104にセットされると、昇降ステージ170に設けられた昇降レバー178が、払拭ユニット装着部104に設けられたピン182に係合し、昇降ステージ170が強制的に所定位置まで上昇させられる。この結果、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とが、所定の使用位置に位置決めされる。そして、この第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とが、所定の使用位置に位置決めされることにより、第1前段ガイド160と押圧ローラ118との間に配置された第2前段ガイド162に払拭ウェブ110が巻き掛けられるとともに、押圧ローラ118と第1後段ガイド164との間に配置された第2後段ガイド166に払拭ウェブ110が巻き掛けられる。これにより、押圧ローラ118の周面に弛みなく払拭ウェブ110が巻き掛けられる。
【0213】
さらに、払拭ユニット100が払拭ユニット装着部104にセットされると、図19及び図20に示すように、払拭ユニット装着部104に設けられたニップローラ200がグリッドローラ124に押圧当接される。これにより、グリッドローラ124に巻き掛けられた払拭ウェブ110が、ニップローラ200とグリッドローラ124との間にニップされる。
【0214】
以上により、払拭装置本体102への払拭ユニット100のセッティングが完了する。
【0215】
払拭装置本体102にセットされた払拭ユニット100は、モータ194を駆動することにより、繰出軸114から払拭ウェブ110が繰り出され、所定の走行経路を通って巻取軸116に巻き取られる。
【0216】
また、図8に示すように、傾斜して設けられたインクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kのノズル面30C、30M、30Y、30Kに対して、対応する払拭ユニット100C、100M、100Y、100Yの押圧ローラ118が平行に配置される。これにより、各押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110を対応するノズル面30C、30M、30Y、30Kに密着させることができる。
【0217】
<払拭動作>
洗浄液付与装置62と同様に、払拭装置64は、インクジェットヘッド16(16C、16M、16Y、16K)がメンテナンス位置から画像記録位置に移動する過程でヘッドのノズル面30(30C、30M、30Y、30K)を払拭清掃する。具体的には、次のようにノズル面を払拭する。
【0218】
払拭装置64は、払拭装置本体102を所定の作動位置に移動させてノズル面30を払拭ウェブ110で払拭する。清掃時以外、払拭装置本体102は所定の待機位置に位置しており、清掃時のみ待機位置から所定量上昇して作動位置に移動する。
【0219】
払拭装置64が作動位置に移動すると、各払拭ユニット100(100C、100M、100Y、100K)によってヘッドのノズル面30を払拭することが可能になる。すなわち、インクジェットヘッド16(16C、16M、16Y、16K)が、各払拭ユニット100を通過する際、そのノズル面30に押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110を押圧当接することが可能になる。また、そのノズル面30にブレード300を押圧当接することが可能になる。
【0220】
洗浄液付与装置62によってノズル面30に洗浄液が付与された各インクジェットヘッド16は、各払拭ユニット100を通過する際、そのノズル面30の傾斜方向下端領域にブレード300が当接される。これにより、ノズル面30の傾斜方向下端領域に溜まる余剰洗浄液が除去される。
【0221】
ブレード300を通過したノズル面30は、その後、押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110が押圧当接される。これにより、ノズル面30が払拭ウェブ110によって払拭される。
【0222】
制御装置は、各インクジェットヘッド16が、払拭ユニット100に到達するタイミングに合わせて、モータ194を駆動し、払拭ウェブ110を走行させる。これにより、走行する払拭ウェブ110をノズル面30に当接させることができ、走行する払拭ウェブ110によってノズル面30を払拭することができる。
【0223】
このように、払拭装置64は、払拭ウェブ110をノズル面30に当接させることにより、ノズル面30を払拭する。この際、本例の払拭装置64では、事前にブレード300によってノズル面30の傾斜方向下端領域を払拭し、ノズル面30の傾斜方向下端領域に溜まる余剰洗浄液を除去してから払拭ウェブ110で払拭する。これにより、拭き残しを生じさせることなく、ノズル面30を払拭することができる。
【0224】
なお、ブレード300でノズル面30から掻き落とされた洗浄液等(廃液)は、ブレード300からブレード支持板302を伝って自重で流れ落ちるが、本例の払拭装置64には、ブレード支持板302に滴下誘導部302Cが形成されているため、廃液は滴下誘導部302Cから滴下する。この滴下誘導部302Cの滴下位置の先には、払拭ウェブ110が配置されているため、廃液は払拭ウェブ110の上に滴下される(図21(a)参照)。これにより、周囲を汚染することなく、ブレード300で掻き落とした廃液を確実に回収することができる。
【0225】
また、廃液が滴下する払拭ウェブ110は、使用済みの払拭ウェブ110であるので、ノズル面30は常に新しい払拭ウェブ110で払拭することができる。
【0226】
なお、払拭を終えた払拭ウェブ110は、上記のように巻取コア142に巻き取られるが、その前段位置でグリッドローラ124とニップローラ200とにニップされる。これにより、吸収した液体(洗浄液、インク等)が、払拭ウェブ110から除去される。したがって、巻取コア142に巻き取られた払拭ウェブ110から廃液が垂れ落ちて、機内を汚染するようなことはない。ニップローラ200によって払拭ウェブ110から除去された廃液は、自重で落下し、廃液受け202に回収される。廃液受け202に回収された廃液は、廃液口206から図示しない配管を介して廃液タンク58に回収される。
【0227】
≪ノズル面清掃装置の作用≫
本実施の形態のノズル面清掃装置60は、以上のように構成される。
【0228】
次に、本実施の形態のノズル面清掃装置60によるノズル面の清掃動作について説明する。
【0229】
ノズル面の清掃は、各インクジェットヘッド16C、16M、16Y、16Kをメンテナンス位置から画像記録位置に移動させる過程で行われる。
【0230】
≪ノズル面清掃装置の作用≫
次に、以上のように構成される本実施の形態のノズル面清掃装置60によるノズル面の清掃動作について説明する。
【0231】
ノズル面の清掃は、各インクジェットヘッド16(16C、16M、16Y、16K)をメンテナンス位置から画像記録位置に移動させる過程で行われる。
【0232】
各インクジェットヘッド16は、メンテナンス位置から画像記録位置に移動する過程で、まず、洗浄液付与装置62によりノズル面30(30C、30M、30Y、30K)に洗浄液が付与され、その後、払拭装置64により、ノズル面30が払拭される。
【0233】
ノズル面の清掃指令が制御装置に入力されると、制御装置は、洗浄液付与装置62の洗浄液付与装置本体72を所定の作動位置に移動させる。これにより、洗浄液付与装置62による洗浄液の付与が可能になる。
【0234】
洗浄液付与装置62を所定の作動位置に移動させた後、制御装置は、ヘッド支持フレーム40をメンテナンス位置から画像記録位置に向けて所定の移動速度で移動させる。
【0235】
その一方で制御装置は、各インクジェットヘッド16が、洗浄液付与ユニット70(70C、70M、70Y、70K)の洗浄液付与ヘッド74に到達するタイミングに合わせて、洗浄液供給ポンプを駆動する。これにより、各洗浄液付与ユニット70に備えられた洗浄液付与ヘッド74の洗浄液噴出口78から洗浄液が所定の流量で流れ出る。洗浄液噴出口78から流れ出た洗浄液は、洗浄液保持面74Aを流れ落ちる。
【0236】
メンテナンス位置に向かうインクジェットヘッド16は、この洗浄液付与ヘッド74を通過する際、その洗浄液付与ヘッド74の洗浄液保持面74Aを流れる洗浄液がノズル面30に接触し、ノズル面30に洗浄液が付与される。
【0237】
ノズル面30に洗浄液が付与されたインクジェットヘッド16は、そのままメンテナンス位置に向かって移動する。そして、払拭ユニット100(100C、100M、100Y、100K)を通過する際、そのノズル面30が払拭清掃される。
【0238】
制御装置は、各インクジェットヘッド16が、払拭ユニット100に到達するタイミングに合わせて、モータ194を駆動し、払拭ウェブ110を走行させる。
【0239】
また、各インクジェットヘッド16が、払拭ユニット100に到達するタイミングに合わせて、昇降装置(図示せず)を駆動し、払拭装置本体102を作動位置に移動させる。
【0240】
これにより、洗浄液が付与されたノズル面30の傾斜方向下端領域にブレード300が当接され、ノズル面30の傾斜方向下端領域に溜まった余剰洗浄液が除去される。
【0241】
ブレード300によって余剰洗浄液が除去されたノズル面30は、その後、走行する払拭ウェブ110が押圧当接され、全体が払拭ウェブ110で払拭される。
【0242】
制御装置は、ノズル面30が、洗浄液付与ユニット70を通過し終えると、洗浄液供給ポンプの駆動を停止し、洗浄液の供給を停止する。そして、洗浄液付与装置62を待機位置に退避させる。
【0243】
また、ノズル面30が、払拭ユニット100を通過し終えると、モータ194の駆動を停止し、払拭ウェブ110の走行を停止する。そして、払拭装置本体102を待機位置に退避させる。
【0244】
以上一連の工程でインクジェットヘッド16のノズル面30の清掃が終了する。
【0245】
このように、本実施の形態のノズル面清掃装置60では、ノズル面30に洗浄液を付与した後、事前にブレード300で余剰洗浄液を除去し、その後、払拭ウェブ110でノズル面30を払拭する。これにより、拭き残しを生じさせることなく、確実にノズル面30を清掃することができる。
【0246】
この際、ブレード300で除去した余剰洗浄液(廃液)を払拭ウェブ110の上に誘導して滴下させるようにしているので、周囲を汚染することなく、清掃することができる。
【0247】
また、払拭ウェブ110の上に滴下させることにより、別途回収部材を設ける必要がないので、構成を簡素化することができる。
【0248】
さらに、使用済みの払拭ウェブ110の上に滴下させることにより、常に新しい払拭ウェブ110を使ってノズル面30を払拭することができる。
【0249】
なお、本実施の形態では、払拭ウェブ110をノズル面30の移動方向と逆方向に走行させているが、ノズル面30の移動方向と同方向に走行させて払拭するようにしてもよい。また、本実施の形態では、使用済みの払拭ウェブ110の上に廃液を滴下させているが、使用前の払拭ウェブ110の上に廃液を滴下させるようにしてもよい。
【0250】
≪払拭ユニットの他の実施の形態≫
上記実施の形態では、ブレード300で掻き落とした廃液(余剰洗浄液)を払拭ウェブ110の上に滴下させて回収する構成とされているが、ブレード300で掻き落とした廃液を回収する構成は、これに限定されるものではない。
【0251】
図22〜図23は、払拭ユニットの他の実施の形態を示す正面部分断面図と側面部分断面図である。
【0252】
同図に示すように、本実施の形態の払拭ユニット400は、ブレード300で掻き落とした廃液を受け容器402で回収する。
【0253】
受け容器402は、ケース本体126の側部(メンテナンス位置側の側部)に取り付けられる。この受け容器402は、厚さ(図22において左右方向の幅)の薄い偏平な箱状に形成され、その奥行き方向(前後方向:払拭ウェブ110の走行方向と直交する方向)の幅は、ケース本体126の幅とほぼ同じ幅で形成される。また、その上部は開口して形成されるとともに、底部は傾斜して形成される。
【0254】
受け容器402の背面上部には、ブレード支持板取付部402Aが一体的に形成され、このブレード支持板取付部402Aにブレード支持板302が取り付けられる。ブレード支持板302及びブレード300の構成は上記実施の形態の払拭ユニット100に設けられたものと同じである。
【0255】
ブレード300は、ブレード支持板302がブレード支持板取付部402Aに取り付けられることにより、上部が開口した受け容器402のほぼ真上に配置される。また、その先端の摺接部が、ノズル面30と平行、かつ、ノズル面30の移動方向と直交して配置される。さらに、払拭装置本体102を上昇させて、払拭ウェブ110をノズル面30に当接させた際、ノズル面30の傾斜方向下端領域に傾斜して当接するように配置される。
【0256】
また、ブレード支持板302がブレード支持板取付部402Aに取り付けられることにより、ブレード支持板302の先端下部に一体的に形成された滴下誘導部302Cが受け容器402の内周側に配置される。これにより、滴下誘導部302Cから滴下する廃液が、受け容器402内に落下する。
【0257】
受け容器402の底部には廃液口402Bが形成され、廃液配管404が接続される。廃液配管404は鉛直下向きに延びて形成され、ケース本体126の底部まで配設される。払拭ユニット400が払拭ユニット装着部104に装着されると、廃液配管404の先端(下端)は、払拭ユニット装着部104に設けられた廃液受け202に収容される。すなわち、受け容器402で回収された廃液は、廃液配管404を介して廃液受け202に回収される。
【0258】
以上のように構成された払拭ユニット400によれば、ブレード300によってノズル面30から掻き落とされた廃液は、ブレード300から滴下誘導部302Cに誘導されて受け容器402内に滴下する。これにより、廃液を確実に回収することができる。
【0259】
すなわち、滴下誘導部302Cがない場合、廃液はブレード支持板302の先端(傾斜方向の下端)から滴下するので、ケース112と同じ奥行きオン受け容器402では回収することができないが、この滴下誘導部302Cが設けられることにより、滴下位置が矯正され、受け容器402の内側に滴下する(ブレード支持板302の傾斜方向下端(≒ブレード300の傾斜方向の下端)よりも内側に滴下するように矯正され、受け容器402の内側に滴下する。)。これにより、廃液を確実に回収することができる。
【0260】
また、受け容器402は、ケース112とほぼ同じ奥行きで形成され、ケース112から食みだすことがないので、構成をコンパクト化することができる。
【0261】
なお、本例では、受け容器402及びブレード300を払拭ユニット400のケース本体126に取り付ける構成としたが、受け容器402で廃液を回収する構成の場合、受け容器402及びブレード300は、払拭ユニット400とは別体で構成するようにしてもよい。
【0262】
また、本例では、受け容器402の奥行きをケース112の奥行きとほぼ同じに形成しているが、コンパクト化するためには、可能な限りケース112の奥行きよりも小さくすることが好ましい。したがって、滴下誘導部302Cによる滴下位置に応じて、その大きさを最適なものに調整することが好ましい。
【0263】
〈その他の実施の形態〉
上記実施の形態では、ノズル面30の一部(傾斜方向下端領域)のみをブレード300で払拭する構成としているが、ノズル面30の全面をブレードで払拭する構成とすることもできる。また、ノズル面30を傾斜させた場合、ヘッドの側部まで洗浄液が回り込む場合があるので、側部も含めてブレードで払拭する構成とすることもできる。
【0264】
また、ブレードでノズル面の全面を払拭する構成とした場合は、払拭ウェブによる払拭を省略することもできる。
【0265】
また、上記実施の形態では、滴下誘導部302Cをブレード支持板302に一体的に形成しているが、ブレード支持板302とは別体で構成してもよい。すなわち、別途、ブレード支持板302に取り付ける構成としてもよい。あるいは、ブレード300から直接液滴を誘導する構成としてもよい。
【0266】
また、廃液を誘導する部材(滴下誘導部)の形状は、特に限定されるものではなく、所定位置に廃液が滴下するように誘導できる形状であれば、いかなる形状のものであってもよい。滴下させる位置や設置スペース等を考慮して、最適な形状を選択することが好ましい。
【0267】
また、上記実施の形態では、払拭ウェブ110として極微細な繊維の編み又は織りからなる払拭ウェブ110を用いたが、払拭ウェブの構成は、これに限定されるものではない。吸収性を有するものであれば、他の構成の払拭ウェブを用いることもできる。
【0268】
なお、極微細な繊維の編み又は織りからなる払拭ウェブを用いることにより、表面の凹凸によって付着物を効果的に除去することができる。また、本例のように吸収性を有する払拭ウェブを用いることにより、ノズル内に入った洗浄液や、ノズル穴表層の増粘したインクをノズル穴から引き出すことができる。
【0269】
また、上記実施の形態では、ノズル面30の走行方向と反対方向に払拭ウェブ110を走行させて、ノズル面30を払拭する構成としているが、ノズル面30の走行方向と同方向に払拭ウェブ110を走行させて、ノズル面30を払拭するようにしてもよい。
【0270】
また、上記実施の形態では、インクジェットヘッド側を移動させて、そのノズル面30に洗浄液を付与する構成としているが、洗浄液付与装置62を移動させて、そのノズル面30に洗浄液を付与する構成とすることもできる。また、インクジェットヘッド16と洗浄液付与装置62の双方を移動させて、ノズル面30に洗浄液を付与する構成とすることもできる。同様に、払拭装置64を移動させて、そのノズル面30を払拭する構成とすることもできる。また、インクジェットヘッド16と払拭装置64の双方を移動させて、ノズル面30を払拭する構成とすることもできる。
【0271】
また、上記実施の形態では、インクジェットヘッド16をメンテナンス位置から画像記録位置に移動させる工程でノズル面を清掃する構成としているが、インクジェットヘッド16を画像記録位置からメンテナンス位置に移動させる工程でノズル面を清掃する構成とすることもできる。この場合、払拭装置64に対して画像記録位置側に洗浄液付与装置62が配置される。
【0272】
また、上記実施の形態では、洗浄液付与装置62によってノズル面に洗浄液を付与する構成としているが、ノズル面に洗浄液を付与する構成(ノズル面をウェット化する構成)は、これに限定されるものではない。この他、たとえば、スプレー等によりノズル面に洗浄液を付与する構成とすることもできる。
【0273】
また、ノズル面をキャップ52で覆い、吸引してノズル面をウェット化させる構成とすることもできる。さらに、洗浄液を付与せずに払拭ウェブで払拭する構成とすることもできる。
【0274】
また、上記実施の形態では、傾斜して設置されたノズル面を清掃する場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。水平に設置されたノズル面を清掃する場合にも同様に適用することができる。
【0275】
また、上記実施の形態では、ノズル形成領域30Aが凹状に退避して形成された場合を例に説明したが、ノズル形成領域30Aは、ノズル保護領域30Bと同じ高さで形成するようにしてもよい。すなわち、ノズル面はフラットに形成されていてもよい。
【0276】
また、上記実施の形態では、ノズル形成領域30Aにのみ撥液処理が施されている場合を例に説明したが、ノズル保護領域30Bにも撥液処理を施すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0277】
10…インクジェット記録装置の画像記録部、12…メディア、14…画像記録ドラム、16(16C、16M、16Y、16K)インクジェットヘッド、18…回転軸、20…インクジェット記録装置の本体フレーム、22…軸受、24…グリッパ、26…搬送ドラム、28…搬送ドラム、30(30C、30M、30Y、30K)…ノズル面、30A…ノズル形成領域、30B…ノズル保護領域、40…ヘッド支持フレーム、42L、42R…サイドプレート、44…連結フレーム、46(46C、46M、46Y、46K)…取付部、48(48C、48M、48Y、48K)…被取付部、50…保湿ユニット、52(52C、52M、52Y、52K)…キャップ、54…廃液トレイ、56…廃液回収配管、58…廃液タンク、60…ノズル面清掃装置、62…洗浄液付与装置、64…払拭装置、70(70C、70M、70Y、70K)…洗浄液付与ユニット、72(72C、72M、72Y、72K)…洗浄液付与ユニット取付部、74…洗浄液付与ヘッド、74A…洗浄液保持面、76…洗浄液回収皿、76A…連通流路、76B…洗浄液供給口、76C…回収流路、76D…洗浄液排出口、78…洗浄液噴出口、80…供給流路、88…回収穴、100(100C、100M、100Y、100K)…払拭ユニット、102…払拭装置本体、104(104C、104M、104Y、104K)…払拭ユニット装着部、110…払拭ウェブ、112…ケース、114…繰出軸、114A…フランジ、116…巻取軸、116A…主軸、116B…滑り軸、116C…トルクリミッタ、116D…キー、116E…フランジ、118…押圧ローラ、118L、118R…軸部、120…前段ガイド、122…後段ガイド、124…グリッドローラ、126…ケース本体、126A…開口部、128…蓋、130…ヒンジ、132…ロック爪、134…爪受部、136…軸支持部、138…繰出コア、139…繰出コア押え駒、139A…軸部、139B…押圧部、139B1…ボス、139B2…フランジ部、139C…バネ、140…軸受部、142…巻取コア、142A…芯部、142C…キー溝、143…ガイド板、146L、146R…軸支持部、150L、150R…柱部、152L、152R…支持部、154L、154R…凹部、156L、156R…バネ、158…巻取軸ギア、160…第1前段ガイド、160A…上縁部、162…第2前段ガイド、162L、162R…フランジ、164…第1後段ガイド、164A…上縁部、166…第2後段ガイド、166L、166R…フランジ、168A、168B…ブラケット、168b…ブレード支持板取付部、170…昇降ステージ、172…ガイド軸、174…ガイドブッシュ、176…支持部材、178…昇降レバー、180…切欠き部、182…ピン、184…軸受部、186…グリッドローラギア、188…回転伝達ギア、190…軸受部、192…駆動ギア、194…モータ、200…ニップローラ、202…廃液受け、206…廃液口、300…ブレード、302…ブレード支持板、302A…ブレード取付部、302B…被取付部、302C…滴下誘導部、400…払拭ユニット、402…受け容器、402A…ブレード支持板取付部、402B…廃液口、404…廃液配管、N…ノズル、P…圧力室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴吐出ヘッドと相対的に移動して、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を清掃するノズル面清掃装置において、
前記ノズル面に洗浄液を付与する洗浄液付与手段と、
前記ノズル面に当接されて、前記ノズル面を払拭するブレードと、
前記ブレードで払拭した廃液が、前記ブレードの端部よりも内側に設定された所定の滴下位置に滴下するように誘導する滴下誘導部材と、
前記滴下誘導部材から滴下する廃液を受ける受け容器と、
を備えたことを特徴とするノズル面清掃装置。
【請求項2】
前記液滴吐出ヘッドは、前記ノズル面が傾斜して設置されることを特徴とする請求項1に記載のノズル面清掃装置。
【請求項3】
前記滴下誘導部材が、前記ブレードを支持するブレード支持部材に一体的に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル面清掃装置。
【請求項4】
液滴吐出ヘッドと相対的に移動して、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を清掃するノズル面清掃装置において、
前記ノズル面に洗浄液を付与する洗浄液付与手段と、
前記ノズル面に当接されて、前記ノズル面を払拭するブレードと、
走行する帯状の払拭ウェブを前記ノズル面に当接させて、前記ノズル面を払拭する払拭手段と、
前記ブレードで払拭した廃液が、前記払拭ウェブの上に滴下するように誘導する滴下誘導部材と、
を備えたことを特徴とするノズル面清掃装置。
【請求項5】
前記液滴吐出ヘッドは、前記ノズル面が傾斜して設置されることを特徴とする請求項4に記載のノズル面清掃装置。
【請求項6】
前記ブレードが、前記ノズル面の傾斜方向下端領域を払拭するように設置されることを特徴とする請求項5に記載のノズル面清掃装置。
【請求項7】
前記滴下誘導部材が、前記ブレードを支持するブレード支持部材に一体的に形成されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置。
【請求項8】
前記ブレードは、前記払拭ウェブの走行経路の上方に設置され、前記滴下誘導部材は、前記ブレードで払拭した廃液を前記払拭ウェブの上に滴下させることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置。
【請求項9】
前記滴下誘導部材は、前記ノズル面を払拭した後の前記払拭ウェブの上に滴下するように誘導することを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置。
【請求項10】
前記払拭ウェブは、前記ノズル面の相対的な移動方向と反対方向に走行することを特徴とする請求項4〜9のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置。
【請求項11】
メディアに対して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドのノズル面を清掃する請求項1〜10のいずれか一項に記載のノズル面清掃装置と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−40693(P2012−40693A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181045(P2010−181045)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】