説明

ハイソリッドコーティング組成物

本発明は、バインダー成分と架橋成分とを含む溶剤系コーティング組成物であって、バインダー成分が、A)1分子当たり少なくとも2つの第2級ヒドロキシル基を有し、数平均分子量Mnが200〜5,000、多分散性が<2の少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルであって、少なくとも3つのヒドロキシル基を有する少なくとも1つのポリオールAa)と、1分子中5個の炭素原子を有する分岐モノカルボン酸の少なくとも1つのモノグリシジルエステルAb)とから得られるポリエーテルA)を含み、架橋成分が、ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)のヒドロキシル基と架橋反応可能な少なくとも1つの架橋剤B)を含む、コーティング組成物に関する。コーティング組成物は、揮発性有機化合物の含量が少なく、自動車および工業用コーティングのクリアコートまたは着色トップコートに好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロキシ官能性ポリエーテルと従来の架橋剤に基づいて、低含量の揮発性有機化合物を有するコーティング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
環境に配慮した法律のために、コーティング業界は、コーティング処方の揮発性有機化合物(VOC)を低減するよう迫られている。従って、良好な全体の乾燥特性と外観を有していながら、粘度がもともと低く、溶剤による希釈を最小限しか必要としないコーティング組成物が必要とされている。
【0003】
米国特許第6,277,497号明細書には、従来の架橋剤により硬化できる分岐ヒドロキシ官能性ポリエステルオリゴマーが記載されている。このポリエステルオリゴマーは、第3級エステル末端基を有しており、ポリカルボン酸とカルボン酸の第3級グリシジルエステル、好ましくは、ピバリン酸グリシジルエステルから、および/またはポリカルボン酸とエピクロロヒドリンと第3級酸、例えば、ピバリン酸のグリシジル官能反応生成物から生成されている。ポリカルボン酸は、多酸または無水物のポリオールとの反応により得られる。低VOC顔料、すなわち、2.1lbs/gal以下のVOC含量のコーティング組成物を処方できるようにするためには、固体含量と粘度の間に、よりバランスの取れた関係が必要とされる。
【0004】
EP第0 375 078号明細書には、脂肪族第1級多価アルコールを、C9〜C11分岐脂肪酸のグリシジルエステルと反応させることにより、ポリエーテルオリゴマーを調製する方法が記載されている。これらポリエーテルオリゴマーに基づくコーティング組成物は、例えば、2.1lbs/galと低VOC含量であるが、全体の乾燥性能を改善する必要がある。
【0005】
さらに、国際公開第99/21906号パンフレットには、3または4個のヒドロキシル基を有する少なくとも1つのポリオールおよび5〜13個の炭素原子を含有する分岐カルボン酸のモノグリシジルエステルから誘導されたヒドロキシ官能性ポリエーテル5〜50重量パーセント、5〜13個の炭素原子を含有する分岐カルボン酸のモノグリシジルエステルと(メタ)アクリル酸の反応生成物に基づくヒドロキシ官能性(メタ)アクリルコポリマー40〜60重量パーセントおよびポリイソシアネート架橋剤5〜40重量パーセントを含むコーティング組成物が記載されている。これらのコーティング組成物の揮発性有機化合物は、必要とされる低含量、例えば、2.1lbs/gal以下ではない。
【0006】
従って、一方で、十分に粘性の低いハイソリッド含量で、他方で、十分な全体の乾燥性能および満足いく外観を示す溶剤系コーティング組成物が尚求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、先行技術の上述した欠点を克服する、ヒドロキシ官能性オリゴマーポリエーテルに基づくコーティング組成物を提供する。本発明は、揮発性有機化合物が低含量、例えば、2.1lbs/gal以下(例えば、1.1〜2.1lbs/galの範囲)で、固体含量と粘度との関係がバランスの取れた関係で、非常に良好な乾燥特性を有するコーティング組成物を提供する。これらコーティング組成物から得られるコーティングは、非常に良好な外観を示し、例えば、60℃以下、例えば、20〜60℃という低い温度であっても、短い乾燥時間で乾燥する。適用条件とは無関係、すなわち、相対湿度とは無関係に、高品質コーティングを得ることができる。
【0008】
本発明は、バインダー成分と架橋成分とを含む溶剤系コーティング組成物であって、バインダー成分が、
A)1分子当たり少なくとも2つの第2級ヒドロキシル基を有し、数平均分子量Mnが200〜5,000の範囲にあり、多分散性が<2、例えば、1.05〜1.9の範囲の少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルであって、
Aa)少なくとも3つのヒドロキシル基を有する少なくとも1つのポリオールと、
Ab)1分子中5個の炭素原子を有する分岐モノカルボン酸の少なくとも1つのモノグリシジルエステルと
から得られるポリエーテルA)を含み、
架橋成分が、
B)ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)のヒドロキシル基と架橋反応可能な少なくとも1つの架橋剤を含む、コーティング組成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のさらなる詳細を以下に述べる。
【0010】
特に断りのない限り、分子量(数および重量平均分子量両方共)は、ここでは、ポリスチレンを基準として用いたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により求めている。本発明は、溶剤系コーティング組成物に係る。溶剤系コーティング組成物は、コーティング組成物を調製し、かつ/または適用するとき、有機溶剤を希釈剤として用いるコーティング組成物である。
【0011】
好ましくは、本発明によるコーティング組成物のヒドロキシ官能性バインダー成分は、
A)少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルを含み、このポリエーテルは、1分子当たり少なくとも2つの第2級ヒドロキシル基を有し、数平均分子量Mnが400〜4,000の範囲、特に好ましくは400〜1500の範囲、多分散性が<1.5、例えば、1.05〜1.4の範囲、特に好ましくは<1.3、例えば、1.05〜1.2の範囲であり、ポリエーテルA)は、
Aa)少なくとも3〜8個のヒドロキシル基、最も好ましくは4〜6個のヒドロキシル基を有する少なくとも1つのポリオールと、
Ab)1分子中5個の炭素原子を有する分岐モノカルボン酸の少なくとも1つのモノグリシジルエステルとから得られる。
【0012】
好ましくは、バインダー成分は、80〜100重量パーセントの少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルA)、特に好ましくは90〜100重量パーセントの少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルA)を含む。
【0013】
バインダー成分は、少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルA)80〜100重量パーセントと、ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)とは異なる少なくとも1つの追加のヒドロキシ官能性バインダー0〜20重量パーセントとからなっていてもよく、ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)と追加のヒドロキシ官能性バインダーの重量パーセントを合計すると100重量パーセントである。
【0014】
バインダー成分は、少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルA)を含む。ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)は、成分Aa)とAb)を反応させることにより得られる。
【0015】
好ましくは、ヒドロキシ官能性オリゴマーポリエーテルA)は、
Aa)少なくとも3つのヒドロキシル基、好ましくは3〜8、最も好ましくは4〜6のヒドロキシル基を有する少なくとも1つのポリオール10〜80重量パーセント、より好ましくは20〜60重量パーセント、
Ab)1分子中に5つの炭素原子を有する分岐モノカルボン酸の少なくとも1つのモノグリシジルエステル20〜90重量パーセント、より好ましくは40〜85重量パーセントより得られ、成分Aa)とAb)の重量パーセントを合計すると100重量パーセントである。
【0016】
分岐モノカルボン酸Ab)のモノグリシジルエステルと反応させるポリオールAa)は、例えば、1分子中に3〜16個の炭素原子を有する脂肪族多価アルコールとすることができる。多価アルコールは、第1級ヒドロキシル基のみ、または1つ以上の第2級ヒドロキシル基と組み合わせた少なくとも2つの第1級ヒドロキシル基を含んでいてもよい。
【0017】
ポリオールAa)として用いることのできる好適な化合物は、トリ(ヒドロキシメチル)エタン、−プロパン、−ブタン、−ペンタン、−ヘキサン、−へプタン、−オクタンおよび−ノナン、テトラ(ヒドロキシメチル)メタン、−エタン、−プロパン、−ブタン、−ペンタン、−ヘキサン、−へプタンおよび−オクタン、ペンタ(ヒドロキシメチル)エタン、−プロパン、−ブタン、−ペンタン、−ヘキサンおよび−へプタン、ヘキサ(ヒドロキシメチル)エタン、−プロパン、−ブタン、−ペンタンおよび−ヘキサン、ならびにグリセリンに対応するイソマーである。脂肪族アルコールは、1つ以上の非共役不飽和結合を有していてもよい。また、エーテル結合を有していてもよい。
【0018】
ポリオールAa)の組み合わせを用いることができ、異なる官能性のポリオールのブレンド、二官能性ポリオールとの組み合わせでも用いることができ、平均官能性は少なくとも3、好ましくは少なくとも4である。
【0019】
好ましいポリオールAa)は、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジ−トリメチロールプロパン、モノ−ペンタエリスリトール、ジ−ペンタエリスリトール、トリ−ペンタエリスリトール、ソルビトールまたはこれらの組み合わせである。特に好ましい実施形態において、ポリオール成分Aa)は、モノ−ペンタエリスリトールおよび/またはジ−ペンタエリスリトールである。
【0020】
1分子中に5個の炭素原子を有する分岐モノカルボン酸のモノグリシジルエステル(成分Ab)は、ピバリン酸のモノグリシジルエステルである。
【0021】
ヒドロキシ官能性ポリーテルA)は、開環反応を用いることにより調製してよい。n官能性ポリオールAa)を、2nモルまたは2nモル未満のモノグリシジルエステルAb)と反応させる。nは少なくとも3、好ましくは3〜8である。n官能性ポリオールAa)は、少なくとも2、好ましくは3〜12、最も好ましくは4〜9モルのモノグリシジルエステルAb)と反応させる。4〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールが最も好ましい。4〜6官能性ポリオールの最も好ましいケースにおいて、ポリオールAa)を、3〜12、好ましくは4〜9モルのモノグリシジルエステルAb)と反応させるのが好ましい。
【0022】
本発明のさらなる実施形態は、好ましくなくても、5個の炭素原子を有する分岐モノカルボン酸のモノグリシジルエステル(成分Ab)に加えて、1分子中に6個以上の炭素原子を有する、好ましくは1分子中に9〜11個の炭素原子を有する分岐モノカルボン酸の少量のモノグリシジルエステル(成分Ac)を用いる。かかるモノグリシジルエステルの好ましい例は、バーサチック酸のモノグリシジルエステルである。ヒドロキシ官能性オリゴマーポリエーテルA)は、10〜80重量パーセントの成分Aa)を、20〜90wtパーセントの成分Ab)および0〜15重量パーセントの成分Ac)と反応することにより得られる。成分Aa)、Ab)およびAc)の重量パーセントを合計すると100重量パーセントである。
【0023】
エーテル化触媒を存在させてオリゴマーポリエーテルA)を調製するのが好ましい。エーテル化触媒の好適な例としては、ハロゲン化物等の金属塩、アルカンおよびナフテン酸の塩、特に、1分子当たり2〜30個の範囲の炭素原子を有するようなものが挙げられる。非常に好適な触媒は、Sn(II)、Sn(IV)、Zn、Fe、Zr、Ti、Pb、Bi、錫の金属塩又はアルカン酸亜鉛、ジアルカン酸ジブチル錫(IV)およびナフテン酸の鉄塩である。好ましい触媒は、オクタン酸錫(II)である。
【0024】
触媒オクタン酸錫(II)は、固体バインダーに基づいて、0.01〜0.5重量パーセント、好ましくは0.1〜0.2重量パーセントの量で用いるのが好ましい。触媒は、反応混合物を加熱せずに、または60〜240℃の範囲の温度まで加熱して添加してよい。反応は、60〜240℃、好ましくは120〜200℃の範囲の温度で実施されるのが好適である。
【0025】
上述した反応手順により、本発明により調製されたポリエーテルA)の分子量分布は狭い。通常、多分散性(Mw/Mnとして計算)は<2、好ましくは<1.5、最も好ましくは<1.3である。かかるポリエーテルは、「星型」オリゴマーと呼ばれることがある。というのは、複数のアームまたは枝を有していて、精密な官能性を有しているためである。
【0026】
バインダー成分A)は、ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)に加えて、ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)とは異なる少なくとも1つのヒドロキシ官能性バインダーを含有していてもよい。バインダー成分は、80〜99.5重量パーセント、好ましくは90〜99.5重量パーセントの少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルA)と、0.5〜20重量パーセント、好ましくは0.5〜10重量パーセントの、ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)とは異なる少なくとも1つの追加のヒドロキシ官能性バインダーとを含むことができる。ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)と追加のヒドロキシ官能性ポリバインダーの重量パーセントを合計すると100重量パーセントである。
【0027】
追加のヒドロキシ官能性バインダーは、通常のヒドロキシ官能性樹脂、例えば、単一または二成分架橋可能溶剤系コーティング組成物、特に、車両コーティングの製造に用いるようなもので、当業者に十分に知られたものを含んでいてよい。
【0028】
追加のヒドロキシ官能性バインダーとしては、ヒドロキシ官能性アルキド、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリルおよび/またはポリエステル樹脂が例示される。追加のヒドロキシ官能性バインダーはまた、変性形態、例えば、(メタ)アクリル化ポリエステルまたは(メタ)アクリル化ポリウレタンの形態、またはシードポリマーの形態で存在していてもよい。それらは、自身で、または混合物で用いてよい。これらの樹脂は、通常、20〜250mgのKOH/gのヒドロキシル価を有している。ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)に加えて、追加のヒドロキシ官能性バインダーが存在している場合には、ヒドロキシ官能性ポリエステルポリオールを用いるのが好ましい。好ましいヒドロキシ官能性ポリエステルとしては、米国特許第6,277,497号明細書に記載された分岐ポリエステルオリゴマーが例示される。
【0029】
コーティング組成物はまた、架橋剤と反応できる低分子量の反応性成分、いわゆる、反応性希釈剤も含有していてよい。これらとしては、ヒドロキシまたはアミノ官能性反応性希釈剤が例示される。
【0030】
本発明によるコーティング組成物は、ヒドロキシ官能性バインダー成分A)について少なくとも1つの架橋剤B)を含む。架橋剤は、例えば、フリーおよび/またはブロック化イソシアネート基を備えたポリイソシアネートおよびメラミン樹脂である。フリーイソシアネート基を有する特に好ましいポリイソシアネート架橋剤は、架橋剤B)として用いられる。
【0031】
ポリイソシアネートは、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族脂肪族および/または芳香族的に付加したフリーイソシアネート基を有する望ましい有機ポリイソシアネートを含む。ポリイソシアネートは、好ましくは、平均NCO官能性が1.5〜5、好ましくは2〜4の排他的に脂肪族および/または脂環式的に付加したイソシアネート基を有するポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物を含む。
【0032】
特に好適な化合物は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1−イソシアネート−3,5,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン(IPDI)および/またはビス(イソシアネートシクロヘキシル)メタンおよびビウレット、アロファネート、ウレタンおよび/またはイソシアヌレート基を含む前記ジイソシアネートのそれ自体は公知の誘導体に基づく、いわゆる「コーティングポリイソシアネート」である。トリイソシアネート、例えば、トリイソシアネートノナンを用いてもよい。
【0033】
立体障害ポリイソシアネートも同様に好適である。1,1,6,6−テトラメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ジブチルペンタメチルジイソシアネート、p−またはm−テトラメチルキシリレンジイソシアネートおよび対応の水素化同族体が例示される。
【0034】
ジイソシアネートは、原則として、従来のやり方で反応させると、例えば、三量化や、水またはポリオール、例えば、トリメチロールプロパンやグリセロールとの反応によって、より官能性の高い化合物が得られる。
【0035】
イソシアネート基を含有する対応するプレポリマーはまた、ジ−および/またはポリイソシアネートとして用いてもよい。ポリイソシアネート架橋剤は、別々に、または組み合わせて用いてもよい。
【0036】
本発明によるコーティング組成物は、顔料および/またはフィラーを含有していてもよい。好適な顔料は、有機または無機の性質の全ての従来の色付与および/または特殊効果付与コーティング顔料である。
【0037】
コーティング組成物は、従来のコーティング添加剤を含有していてよい。添加剤は、コーティング領域で用いられている従来の添加剤である。かかる添加剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールおよびHALS化合物(ヒンダードアミン光安定剤)ベースの光防止剤、(メタ)アクリルホモポリマーまたはシリコーン油ベースのレベリング剤、レオロジー影響剤、例えば、微粒子シリカまたはポリマーウレア化合物、増粘剤、例えば、部分架橋ポリカルボン酸またはポリウレタン、消泡剤、湿潤剤、架橋反応のための硬化触媒、例えば、有機金属塩、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸亜鉛および第3級アミノ基を含有する化合物、例えば、ヒドロキシル/イソシアネート反応のためのトリエチルアミンが例示される。
【0038】
有機溶剤も本発明によるコーティング組成物に存在していてもよい。有機溶剤は、従来のコーティング溶剤を含む。これらは、バインダーの製造に由来しており、かつ/または別個に添加してよい。かかる溶剤としては、一または多価アルコール、例えば、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、グリコールエーテルまたはエステル、例えば、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、酢酸エチルグリコール、酢酸ブチルグリコール、酢酸ブチルジグリコール、エステル、例えば、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、グリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそのオリゴマー、N−エチル−2−ピロリドンおよびケトン、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、芳香族または脂肪族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、直鎖状または分岐脂肪族C6〜C12炭化水素が例示される。
【0039】
架橋剤のタイプに応じて、単一成分または二成分コーティング組成物を本発明に従って処方してもよい。フリーイソシアネート基を有するポリイソシアネートを架橋剤として用いる場合には、コーティング組成物は、二成分システムである、すなわち、ヒドロキシル基を含有するバインダー成分、任意で、顔料、エクステンダおよび従来のコーティング添加剤と共に、ポリイソシアネート成分を適用直前に併せて混合する。コーティング組成物は、原則として、適用前に、有機溶剤によりスプレー粘度までさらに調整される。
【0040】
本発明によるコーティング組成物は、公知の方法、特に、スプレーにより適用される。得られたコーティングは、室温で硬化、または、例えば、80℃まで、好ましくは20℃〜60℃の高温で強制乾燥してよい。しかしながら、例えば、80℃〜160℃の高温で硬化してもよい。
【0041】
本発明によるコーティング組成物は、自動車および工業用コーティングに好適である。自動車コーティング領域において、コーティング剤は、OEM(相手先商標製品製造)自動車コーティングと、自動車および自動車部品塗り替えの両方に用いられる。80℃〜140℃、例えば、好ましくは110℃〜130℃の焼き付けまたは焼成温度は、元の自動車コーティングに用いられる。20℃〜80℃、例えば、特に40℃〜60℃の硬化温度は、自動車塗り替えに用いられる。コーティング組成物はまた、大きな車両や輸送車両、例えば、トラック、バスおよび貨車等をコーティングするのにも用いることができる。その場合は、典型的に、80℃まで、または80℃を超える硬化温度が用いられる。さらに、コーティング組成物は、モータ車両以外の工業商品をコーティングするのに用いることができる。
【0042】
本発明によるコーティング組成物は、着色トップコートとして、または、透明クリアコートとして処方して、多層コーティングの外側着色トップコート層の作製や、多層コーティングの外側クリアコート層の作製に用いてもよい。従って、本発明はまた、着色トップコートコーティング組成物(モノコート)およびクリアコートコーティング組成物としての本発明によるコーティング組成物の使用、ならびに多層コーティングの作製方法にも関する。特に、多層コーティングの着色トップコートおよび透明クリアコート層は、本発明によるコーティング組成物により製造される。
【0043】
コーティング組成物は、着色トップコートとして、例えば、従来の一成分または二成分プライマー表面層に適用してよい。コーティング組成物は、透明クリアコートコーティング組成物として、例えば、湿式法により、溶剤ベースまたは水性色および/または特殊効果付与ベースコート層に適用してよい。この場合、色および/または特殊効果付与ベースコート層は、本発明によるクリアコートコーティング組成物のクリアコートコーティング層を適用する前に、任意で予めコートされた基材、特に、予めコートされた車両本体またはその部品に適用される。任意で洗い流した後、両層とも一緒に硬化する。OEM自動車コーティングでは、洗い流しは、例えば、20℃〜80℃で、塗り替えでは、相対湿度に応じて、15〜45分間にわたって、周囲温度で実施する。
【0044】
本発明のコーティング組成物は、自動車塗り替えにおいては、クリアコートおよび着色トップコートコーティング組成物として、特に有利に用いられる。
【0045】
本発明のコーティング組成物の揮発性有機化合物含量は2.1lbs/gal以下と低く、満足のいくポットライフ、非常に良好な乾燥性能、および非常に良好な硬さ発現を示す。コーティングは優れた外観を有している。
【0046】
本発明を以下の実施例に基づいて詳細に説明する。部およびパーセンテージは、特に断りのない限り、重量基準である。
【実施例】
【0047】
実施例1
ポリエーテル1の調製
以下の成分を、攪拌器、温度計および凝縮器を備えた反応容器に入れた。250グラムのジ−トリメチロールプロパン(DTMP)、640グラムのグリシジルピバレート(GPV)、96.22グラムの酢酸n−ブチル(BAC)および1.78グラムのスズ2オクトアート(Tin 2 Octaote:Goldschmidt製Sn2−Tegocat 129)。グリシジルピバレートが変換されるまで、混合物を約180℃のその還流温度まで4時間にわたって加熱した。冷却後、ポリエーテルは以下の試験結果であった。
固体:90.1パーセント
粘度:Z1+1/2(Gardner−Holdtに従って測定)
酸価:0.5mgKOH/g
Mn:980
Mw:1150
多分散性(Mw/Mn):1.2
【0048】
実施例2
ポリエーテル2の調製
以下の成分を、攪拌器、温度計および凝縮器を備えた反応容器に入れた。134グラムのトリメチロールプロパン(TMP)、480グラムのグリシジルピバレート(GPV)、66.77グラムの酢酸n−ブチル(BAC)および1.23グラムのスズ2オクトアート(Goldschmidt製Sn2−Tegocat 129)。グリシジルピバレートが変換されるまで、混合物を約180℃のその還流温度まで4時間にわたって加熱した。冷却後、ポリエーテルは以下の試験結果であった。
固体:89.8パーセント
粘度:W(Gardner−Holdtに従って測定)
酸価:0.4mgKOH/g
Mn:800
Mw:890
多分散性(Mw/Mn):1.1
【0049】
実施例3
ポリエーテル3の調製
以下の成分を、攪拌器、温度計および凝縮器を備えた反応容器に入れた。136グラムのモノペンタエリスリトール(MPE)、480グラムのグリシジルピバレート(GPV)、66.77グラムの酢酸n−ブチル(BAC)および1.23グラムのスズ2オクトアート(Goldschmidt製Sn2−Tegocat 129)。グリシジルピバレートが変換されるまで、混合物を約180℃のその還流温度まで4時間にわたって加熱した。冷却後、ポリエーテルは以下の試験結果であった。
固体:89.2パーセント
粘度:Z1(Gardner−Holdtに従って測定)
酸価:0.4
Mn:800
Mw:880
多分散性(Mw/Mn):1.1
【0050】
実施例4
ポリエーテル4の調製
以下の成分を、攪拌器、温度計および凝縮器を備えた反応容器に入れた。136グラムのモノペンタエリスリトール(MPE)、640グラムのグリシジルピバレート(GPV)、84.45グラムの酢酸n−ブチル(BAC)および1.55グラムのスズ2オクトアート(Goldschmidt製Sn2−Tegocat 129)。グリシジルピバレートが変換されるまで、混合物を約180℃のその還流温度まで4時間にわたって加熱した。冷却後、ポリエーテルは以下の試験結果であった。
固体:91.1パーセント
粘度:Z1(Gardner−Holdtに従って測定)
酸価:0.4mgKoh/g
Mn:900
Mw:1000
多分散性(Mw/Mn):1.1
【0051】
実施例5
ポリエーテル5の調製
以下の成分を、攪拌器、温度計および凝縮器を備えた反応容器に入れた。254グラムのジ−ペンタエリスリトール(DPE)、960グラムのグリシジルピバレート(GPV)、132.57グラムの酢酸n−ブチル(BAC)および2.43グラムのスズ2オクトアート(Goldschmidt製Sn2−Tegocat 129)。グリシジルピバレートが変換されるまで、混合物を約180℃のその還流温度まで4時間にわたって加熱した。冷却後、ポリエーテルは以下の試験結果であった。
固体:90.7パーセント
粘度:Z5−1/4(Gardner−Holdtに従って測定)
酸価:0.4mgKOH/g
Mn:1220
Mw:1440
多分散性(Mw/Mn):1.2
【0052】
比較例1
EP第0375078号明細書によるオリゴマーの調製
以下の成分を、攪拌器、温度計および凝縮器を備えた反応容器に入れた。134グラムのトリメチロールプロパン(TMP)、750グラムのC10バーサチック酸のグリシジルエステル(Resolution製Cardura E10P)、96.23グラムの酢酸n−ブチル(BAC)および1.77グラムのスズ2オクトアート(Goldschmidt製Sn2−Tegocat 129)。Cardura E10が変換されるまで、混合物を約180℃のその還流温度まで4時間にわたって加熱した。冷却後、ポリエーテルは以下の試験結果であった。
固体:91.2パーセント
粘度:V+1/2(Gardner−Holdtに従って測定)
酸価:0.4mgKOH/g
Mn:930
Mw:1010
多分散性(Mw/Mn):1.1
【0053】
比較例2
EP第0375078号明細書によるオリゴマーの調製
以下の成分を、攪拌器、温度計および凝縮器を備えた反応容器に入れた。134グラムのジ−トリメチロールプロパン(DTMP)、1000グラムのC10バーサチック酸のグリシジルエステル(Resolution製Cardura E10P)、135.5グラムの酢酸n−ブチル(BAC)および2.5グラムのスズ2オクトアート(Goldschmidt製Sn2−Tegocat 129)。Cardura E10が変換されるまで、混合物を約180℃のその還流温度まで4時間にわたって加熱した。冷却後、ポリエーテルは以下の試験結果であった。
固体:92パーセント
粘度:Y+1/4(Gardner−Holdtに従って測定)
酸価:0.3mgKOH/g
Mn:1150
Mw:1300
多分散性(Mw/Mn):1.1
【0054】
比較例3
米国特許第6,277,497号明細書によるオリゴマーの調製
米国特許第6,277,497号明細書の実施例8に従って、オリゴマーを次のようにして調製した。
136グラムのMPEを、175グラムの酢酸ブチル(BuAc)中、504グラムのメチルヘキサヒドロフタル酸無水物で約1時間還流した。次に、480グラムのグリシジルピバレートを、続いて、BuAc中80パーセントの理論全体固体が得られる量のBuAcを添加した。酸価が1未満になるまで、混合物を還流した。ポリエーテルオリゴマーの固体含量は、Z2+1/2のGardner−Holdt粘度で78.2パーセント、酸価は、0.7mgKOH/gおよび分子量分布Mn/Mw=1180/1980であった。
【0055】
比較例4
比較ポリエーテル4の調製
以下の成分を、攪拌器、温度計および凝縮器を備えた反応容器に入れた。254グラムのジペンタエリスリトール(diPE)、800グラムのグリシジルピバレート(GPV)、250グラムのC10バーサチック酸のグリシジルエステル(Resolution製Cardura E10P)、137.77グラムのメチルイソブチルケトン(MiBK)、3.62グラムの9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(Ecem製Sanko HCA)および2.61グラムのスズ2オクトアート(Goldschmidt製Sn2−Tegocat 129)。グリシジルピバレートおよびCardura E10が変換されるまで、混合物を約180℃のその還流温度まで4時間にわたって加熱した。冷却後、ポリエーテルは以下の試験結果であった。
固体:90.48パーセント
粘度:Z5−1/4(Gardner−Holdtに従って測定)
酸価:0.36mgKOH/g
Mn:1300
Mw:1500
多分散性(Mw/Mn):1.15
【0056】
比較例5
比較ポリエーテル5の調製
以下の成分を、攪拌器、温度計および凝縮器を備えた反応容器に入れた。136グラムのモノペンタエリスリトール(MPE)、1000グラムのC10バーサチック酸のグリシジルエステル(Resolution製Cardura E10P)、123.72グラムの酢酸n−ブチル(BAC)および2.28グラムのスズ2オクトアート(Goldschmidt製Sn2−Tegocat 129)。Cardura E10が変換されるまで、混合物を約180℃のその還流温度まで4時間にわたって加熱した。冷却後、ポリエーテルは以下の試験結果であった。
固体:91.83パーセント
粘度:X+1/2(Gardner−Holdtに従って測定)
酸価:0.52mgKOH/g
Mn:1120
Mw:1230
多分散性(Mw/Mn):1.1
【0057】
クリアコートの調製
以下の成分(表1)を併せて混合して、本発明のよるクリアコート組成物および比較例のクリアコートを形成した。
【0058】
パート2(ポリイソシアネート硬化剤)を、混合しながら、パート1に加えた。実験処方は全て、1.15のNCO/OH等量比およびHDI/IPDI(HDI=ヘキサメチレンジイソシアネート、IPDI=イソホロンジイソシアネート)の80/20混合物を有していた。市販の対照品は、3.5VOCクリアコート(クリアコート3800S、DuPontより市販)であり、HS活性剤XK205(DuPont製)により3:1の体積比で活性化させた。HS活性剤XK205は、HDI−三量体Desmodur N3390(Bayer)を含有する70パーセント固体活性剤である。
【0059】
クリアコートを、電着コートおよび溶剤系ベースコート(DuPont製Centari6000ダークブルー金属ベースコート)でプレコートしたパネルにスプレーした。クリアコートを適用する前、室温でベースコートを30分洗い流した。クリアコートを、重力送りで、Devilbiss HVLPスプレーガンにより1クロスコートを介して適用した。クリアコート適用後、5分間の洗い流し時間があり、パネルを60℃で30分間焼成した。
【0060】

【0061】

【0062】

【0063】

【0064】

【0065】

【0066】
本発明によるクリアコート(ポリエーテル1〜5によるクリアコート)および比較例のクリアコート(比較ポリエーテル1〜5によるクリアコート)は、約2.1lbs/galの低VOCであった。しかし、本発明によるクリアコートは、指触乾燥時間(dust free time)、半硬化乾燥時間(tack free time)およびFisherとPersoz硬さにより示されるとおり、比較例のクリアコートよりも優れた良好な乾燥特性および硬さ発現を有することが分かった。
【0067】
*乾燥フィルム厚さ
Byk358:Byk Chemie製アクリルレベリング添加剤
Byk310:Byk Chemie製シリコーン表面添加剤
Tinuvin292:Ciba Speciality Chemicals製UV安定剤
Tinuvin1130:Ciba Speciality Chemicals製UV吸収剤
DBTDL:AKCROS Chemicals製ジブチル錫ジラウレート(Tinstab BL277)
DABCO:Air Products製1,4−ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン
Desmodur XP2410:Bayer製非対称HDI−三量体(100パーセント固体)
Vestanat T1890L:Degussa製酢酸ブチル/Solveso100(1/2)中70パーセント固体IPDI
CC=クリアコート
MAK=メチルアミルケトン
【0068】
試験方法
・ポットライフ:粘度増加を時間の関数として測定することにより、組成物のポットライフを測定した。ポットライフ=初期粘度×1.5。ポットライフは、クリアコートが尚容易にスプレーされる期間を定めるものであった。
・実際のVOCは、UK法(0.5グラム、1h×110℃、ディッシュ55mm)により測定される。
・乾燥フィルム厚さ:用いた機器は、「Braive Instruments」(Belgium)製である。精度:0.0001mm
・指触乾燥時間:綿繊維の立毛が、塗料に繊維を1本も残さずに、フィルム上で擦ったり、少し動かしたりすることができるときの、乾燥プロセスにおけるポイント。
・半硬化乾燥時間は、ASTM D1640,273頁に従って測定した。マスキングテープおよびアルミニウムホイルを備えた釣り合い重りの金属正方ベースに5秒間作用させた300gの重りを外すと直ぐに、タックテスターが転倒するとき、フィルムは、乾燥した「半硬化乾燥」であると考えられる。
・光沢は、光沢計を用いて測定する。特定の角度(この場合は、20°)で鏡面反射を記録する。用いた反射率計はREF03、Dr.Lange,Germanyであった。
・鮮映度(DOI)をBYK Gardner,Germany製Wavescan−DOI装置により測定した。クリアコートのDOIはまた、輝度、鮮明さ、または明瞭度等の用語でも説明することができる。表面の対象物の反射がより明確であればあるほど、コーティングフィルムはより鮮明となる。
【0069】
・フロップ:ストライク−インは、湿式適用中のベースコートとクリアコートとの間の相互作用である。相互作用の程度は、処方、プロセスパラメータおよび/または周囲条件によって決まる。この相互作用が過剰なとき、ストライク−イン、すなわち、再溶解が生じる。この結果、ベースコートは斑点のある外観、クリアコートは「毛羽立った」外観となる。ストライク−インの程度は、パネルの「フロップ指数」または「フロップ」を測定することにより表わすことができる。フロップ測定が低ければ低いほど、ストライク−インが大きくなる。下の試料のフロップは、DuPont,Wilmington,DEより入手可能なChromavision MA100により、ベースコート−クリアコート適用と同日に測定した。測定結果を、同じスプレーおよび焼成条件でスプレーした、3800Sによりスプレーした標準参照パネルのものと比べた。
・Fisher硬さを、Fischerscope(登録商標)硬さテスターを用いて測定する(測定は、1平方ミリメートル当たりのニュートンである)。機器は、ミクロンインデンション法を用い、既知の幾何形状のヌープインデンターを、試料表面にロードする。
【0070】
・コーティングのフィルム硬さにおける変化を、Braive Instruments(Belgium)より供給されたPersoz硬さテスターを用いることにより、時間に対して測定した。振動数(Persoz数と呼ぶ)を記録した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダー成分と架橋成分とを含む溶剤系コーティング組成物であって、前記バインダー成分が、
A)1分子当たり少なくとも2つの第2級ヒドロキシル基を有し、数平均分子量Mnが200〜5,000の範囲にあり、多分散性が<2の少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルであって、
Aa)少なくとも3つのヒドロキシル基を有する少なくとも1つのポリオールと、
Ab)1分子中5個の炭素原子を有する分岐モノカルボン酸の少なくとも1つのモノグリシジルエステルと
から得られるポリエーテルA)を含み、
前記架橋成分が、
B)ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)のヒドロキシル基と架橋反応可能な少なくとも1つの架橋剤を含む、コーティング組成物。
【請求項2】
前記バインダー成分が、80〜100重量パーセントの少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルA)を含む請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
前記バインダー成分が、90〜100重量パーセントの少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルA)を含む請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記バインダー成分が、80〜99.5重量パーセントの少なくとも1つのヒドロキシ官能性ポリエーテルA)と、0.5〜20重量パーセントの、前記ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)とは異なる少なくとも1つの追加のヒドロキシ官能性バインダーとを含み、前記ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)と前記追加のヒドロキシ官能性バインダーの前記重量パーセントを合計すると100重量パーセントである請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つの追加のヒドロキシ官能性バインダーが、ヒドロキシ官能性ポリエステルである請求項4に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
揮発性有機化合物の含量が1.1〜2.1lbs/galである請求項1〜5のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
前記ポリエーテルA)が、20〜60重量パーセントの成分Aa)および40〜80重量パーセントの成分Ab)から得られ、成分Aa)およびAb)の前記重量パーセントを合計すると100重量パーセントである請求項1〜6のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
前記ヒドロキシ官能性ポリエーテルA)の数平均分子量Mnが400〜4,000の範囲にあり、多分散性が<1.5である請求項1〜7のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
ポリオールAa)が、3〜8個のヒドロキシル基を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
ポリオールAa)が、グリセリン、トリメチロールプロパントリメチロールエタン、ジ−トリメチロールプロパン、モノ−ペンタエリスリトール、ジ−ペンタエリスリトール、トリ−ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物である請求項9に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
ポリオールAa)が、モノ−ペンタエリスリトール、ジ−ペンタエリスリトールおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項10に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の溶剤系コーティング組成物を用いて、多層コーティングを基材に適用するステップと、前記コーティングを硬化するステップとを含む方法。
【請求項13】
1枚以上のコーティング層でプレコートされた基材にトップコート層を適用することによる基材の多層コーティングのための方法であり、前記トップコート層が、色および/または特殊効果付与ベースコートコーティング化合物で構成され、クリアコートコーティング化合物が適用され、前記クリアコーティング層が、請求項1〜11のいずれか一項に記載の溶剤系コーティング組成物で構成されている請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1枚以上のコーティング層でプレコートされた基材にトップコート層を適用することによる基材の多層コーティングのための方法であり、着色された単一層のトップコートコーティング化合物で構成された前記トップコート層が適用され、前記着色された1層のトップコートコーティング層が、請求項1〜11のいずれか一項に記載の溶剤系コーティング組成物で構成されている請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記基材が、自動車の車体および自動車の車体部品からなる群から選択される請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2009−511669(P2009−511669A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534662(P2008−534662)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/038836
【国際公開番号】WO2007/041633
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】