説明

ハイバリア性紙容器

【課題】湿気や酸素等を嫌う内容物であっても、これを個別包装することなく紙箱内に直接収容可能な、バリア性の高い紙容器を提供する。
【解決手段】紙箱を構成するブランク1は、積層構造中に、湿気等に対するバリアとして機能するアルミ層を含む。紙箱に形成される開封用ハーフカット線22a、b、第1剥離用ハーフカット線32a、b、および第2剥離用ハーフカット線35a〜cは、アルミ層まで到達しないハーフカットで形成されているので、アルミ層によるバリア特性を損なうことはない。唯一、再封止スリット31は、ブランクの全厚を貫通するフルカットで構成されるが、この部分は、箱体を組み立てるときシール層によるシールで塞ぐ。また、6面体である紙箱の8つのコーナ部はすべて、ブランクの周端縁よりも内方に位置しているので、すべてのコーナ部において隙間が生じることはなく、したがって、高い密封性を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子等を収容した状態で販売される紙容器に関する。さらに詳しくは、内容物が湿気を嫌う場合に適した、バリア性の高い紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
紙箱に菓子等を収容した状態で陳列販売することは、従来から普通に行われている。紙箱に収容される内容物がチョコレートやクッキー等、湿気を嫌うものである場合、個々のチョレート、クッキー等を個別に袋に入れた状態として、これを紙箱に収容している。
このような包装形態は、ある意味で過剰包装とも言えるし、開封の手間、資源の無駄、ゴミの増大といった問題につながる。
【0003】
なお、湿気や酸素に対するバリア性を高めた紙容器についての先行技術としては、次のものを上げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−48426号公報
【特許文献2】特開平11−20821号公報
【特許文献3】特開2003−2324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上に説明した過剰包装、開封の手間、資源の無駄、ゴミの増大といった問題を解消するため、バリア性の高い紙容器を提供し、内容物が湿気や酸素等、外気との接触を嫌う場合であっても、当該内容物を個別包装することなく紙箱内に直接収容可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を有効に解決するため創案されたものであり、以下の特徴を供えた紙箱を提供する。
【0007】
本発明の紙箱は、外表面と内表面にシール層を有するとともに、その間に外表面側の紙層と内表面側のアルミ層を含む積層体からなる1枚のブランクから組み立てられる6面体形状を為している。当該6面体の8つのコーナ部はすべて、ブランクの周端縁よりも内方に位置している。
【0008】
(ア)ブランクは、「互いに貼り重ねられて紙箱の正面壁を構成する正面内側フラップおよび正面外側フラップ」と「正面外側フラップに折罫を介して連設される天壁」と「正面内側フラップに折罫を介して連設される底壁」と「天壁および底壁に対してそれぞれ折罫を介して連設される背面壁」を含む。
【0009】
(イ)正面外側フラップには、2本の開封用ハーフカット線に挟まれた領域が「開封用摘み部」として形成されており、当該2本の開封用ハーフカット線のそれぞれは、正面外側フラップの端縁から天壁と背面壁を連設する折罫にまで延在する。
【0010】
(ウ)正面内側フラップには、正面外側フラップに形成された2本の開封用ハーフカットに対応する位置に、2本の第1剥離用ハーフカット線が形成されている。
そして、「開封用摘み部を挿通可能な再封止スリット」と「再封止スリットに沿ってその両側に少なくとも1本づつの第2剥離用ハーフカット線」が、2本の第1剥離用ハーフカット線と交差して延在している。
2本の第1剥離用ハーフカット線に挟まれた領域において、再封止スリットを除く領域に剥離層が設けられている。
【0011】
(エ)「再封止スリット」は、ブランクを貫通するフルカット部分の途中に、未カットの連設部分を備えて構成される。
「開封用ハーフカット線」、「第1剥離用ハーフカット線」、および「第2剥離用ハーフカット線」は、それぞれ、ブランクを貫通することなく、外表面のシール層および紙層を切り込んで構成されている。
【発明の効果】
【0012】
上記構成を備えた本願発明の紙箱においては、以下に説明するように、非常に高い密封性が実現される。
【0013】
紙箱を構成するブランクは積層構造中にアルミ層を含み、このアルミ層が湿気等に対するバリアとして機能する。
紙箱に形成される「開封用ハーフカット線」、「第1剥離用ハーフカット線」、および「第2剥離用ハーフカット線」は、いずれもブランクの全厚を貫通することなく、アルミ層まで到達しないハーフカットで形成されているので、アルミ層によるバリア特性を損なうことはない。
唯一「再封止スリット」は、ブランクの全厚を貫通するフルカットで構成されるが、この部分は、箱体を組み立てるときシール層によるシールで塞がれるので、密封性を損なうことはない。
【0014】
紙箱の開封作業は、正面外側フラップに形成した「開封用摘み部」を摘んで行うが、このとき正面内側フラップから正面外側フラップが剥離し易いように「第1剥離用ハーフカット線」および「第2剥離用ハーフカット線」を設けるとともに、これらに囲まれた領域に剥離層を設けている。この囲まれた領域内に「再封止スリット」が存在するが、剥離層は、「再封止スリット」を避けるように配置しているので、「再封止スリット」はシール層によるシールで確実に塞がれて、密封性が損なわれないようにしている。
しかも、「再封止スリット」は、ブランクを貫通するフルカット部分の途中に、未カットの連設部分を備えて構成されているので、不用意に当該スリットが開口して密封が損なわれる、という事態は非常に生じにくくなる。
【0015】
また、6面体である紙箱の8つのコーナ部はすべて、ブランクの周端縁よりも内方に位置しているので、すべてのコーナ部において隙間(開口)が生じることはなく、したがって、高い密封性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態の紙箱を、開封前の状態で示す斜視図。
【図2】図1の紙箱を開封した状態を示す斜視図。
【図3】紙箱を構成するブランクの展開図。
【図4】紙箱のコーナ部とブランク上の位置との対応関係を示す図。
【図5】紙箱を構成するブランクの積層構造を説明する図。
【図6】第2実施形態を説明する図。図3中の拡大図に対応している。
【図7】第3実施形態を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して、以下詳細に説明する。図1は、第1実施形態の紙箱10を示している。この紙箱10は、図3に示した1枚のブランク1から組み立てられる。図1は紙箱10を開封前の状態で示しており、図2は、これを開封した状態を示している。
【0018】
本発明では、1枚のブランクから組み立てられる紙箱の密封性を高めるため、以下に説明する種々の構成を採用している。
【0019】
≪紙箱10のコーナ部は、すべてブランク1の周縁縁よりも内方に位置している≫
図4は、展開状態のブランク1と、これを組み立てて構成される紙箱10との対応関係を示している。紙箱10は、6面体であって、合計8つのコーナ部A〜Hを有する。ブランク1上において、これらのコーナ部に対応する箇所A〜Hはすべて、ブランク1の周端縁ではなく、それよりも内方側に位置している。
このような構成を採用した結果、組立後の紙箱10において、すべてのコーナ部A〜Hに隙間(開口)が生じることはなく、したがって、高い密封性を実現することができる。
なお、ブランク1の具体的な折り方(折罫の配置)は、図示したものに限られない。
【0020】
≪ブランク1の構成≫
図3は、紙箱10を構成するブランク1の展開図を示しており、これを組み立てることで図1、2に示した紙箱10が構成される。本発明において、ブランク1は、少なくとも次の要素を含んでいる。
(1)正面壁11を構成する正面外側フラップ11a、正面内側フラップ11b。
正面内側フラップ11bの外面に正面外側フラップ11aを貼り重ねることで、組立後の紙箱10における正面壁11が構成される。
(2)天壁12。
天壁12は、折罫aを介して正面外側フラップ11aに連設されている。
(3)底壁14。
底壁14は、折罫dを介して正面内側フラップ11bに連設されている。
(4)背面壁13。
背面壁13は、組立後の紙箱10において正面壁11に対向しており、折罫bを介して天壁12に、折罫cを介して底壁14に、それぞれ連設されている。
(5)紙箱10は、六面体であるから、上記各壁部以外にも左右の側壁が存在する。図示した例では、左右側壁は、それぞれブランク1の対応箇所を折り畳むようにシール接着されて密封六面体を構成している。具体的な折り方は、図示したものに限定されない。
【0021】
≪開封用ハーフカット線22a、22b、および開封用摘み部25≫
正面外側フラップ11aには、その端縁にそって間隔を置いた2つの切欠部21a、21bを形成している。各切欠部21a、21bから、それぞれ、開封用ハーフカット線22a、22bが延在している。開封用ハーフカット線22a、22bは、最初は互いに平行に延在し、途中から離れる方向に延在し、さらに、天壁12上を平行に延在して、折罫bにまで至る(図3参照)。
正面外側フラップ11a上で、2つの切欠部21a、21bの間の領域(開封用ハーフカット線22a、22bの平行部分に挟まれた領域)は、開封用摘み部25として機能する。つまり、消費者は、開封用摘み部25を摘んで、開封用ハーフカット線22a、22bに沿って、紙箱10を上方へ破り開けることができる。なお、開封後は、後に説明する再封止スリット31に、開封用摘み部25を差し込むことで、紙箱10を再封止することができる(図2参照)。
開封用ハーフカット線22a、22bは、ブランク1を貫通することなく、外表面のシール層5および紙層6を切り込んで構成されている(図5参照)。なお、図5に示した例では、ハーフカットは紙層6を貫通しているが、紙層6の途中までのハーフカットとしてもよい。
【0022】
正面内側フラップ11bには、図3中に部分的に拡大して示したように、「再封止スリット31」、「第1剥離用ハーフカット線32a、32b」、「第2剥離用ハーフカット線35a〜c」が形成されている。これらについて説明する。
【0023】
≪再封止スリット31≫
再封止スリット31は、開封後の紙箱10を再度封止することを可能とするもので、図5中に示したフルカット部分により、ブランク1の全厚を貫通して形成されている。なお、図3中に拡大して示したように、再封止スリット31は、フルカット部分の途中に、未カットの連設部分31'を備えている。
連設部分31'は、再封止スリット31が不用意に破断するのを防止する意味で設けている。図示した例では、連設部分31'を2箇所に設けているが、適宜の数を設定することができる。
【0024】
≪第1剥離用ハーフカット線32a、32b≫
正面外側フラップ11aには2本の開封用ハーフカット22a、22bが形成されているが、正面内側フラップ11b上のこれに対応する位置に、2本の第1剥離用ハーフカット線32a、32bを形成している。
この第1剥離用ハーフカット線32a、32bは、後に説明する第2剥離用ハーフカット線35a〜cと同様、紙箱10の開封操作時に、正面内側フラップ11bから正面外側フラップ11aを引き剥がし易くするために設けている。
【0025】
≪第2剥離用ハーフカット線35a〜c≫
第2剥離用ハーフカット線35a〜cは、再封止スリット31に沿ってその両側に少なくとも1本づつ形成される。図3に示した例では、再封止スリット31の上方に1本、下方に2本の第2剥離用ハーフカット線35a〜cを設けているが、少なくとも再封止スリット31の上下に1本づつ存在すれば、他の構成であってもよい。
この第2剥離用ハーフカット線35a〜cは、紙箱10の開封操作時に、正面内側フラップ11bから正面外側フラップ11aを引き剥がし易くするために設けている。
第2剥離用ハーフカット線35a〜cが複数本存在するのは、後述する第2実施形態の場合と同じく、位置ズレを吸収する意味がある。詳しくは後述する。
【0026】
≪剥離層50≫
図3中に部分的に拡大して示した正面内側フラップ11bにおいて、ヨコ方向に延在する再封止スリット31および第2剥離用ハーフカット線35a〜cは、すべて、タテ方向に延在する第1剥離用ハーフカット線32a、32bの両方と交差して延在している。
両サイドでタテ方向に延在する2本の第1剥離用ハーフカット線32a、32bに挟まれる領域には、再封止スリット31の部分を除き、剥離層50を設けている。正面内側フラップ11b上に灰色で示した領域50が剥離層が配置される領域である。
ヨコ方向の拡がりに関して言うと、図面上では、剥離層50が第1剥離用ハーフカット線32a、32bを超えて左右両側に拡がっているが、少なくとも、第1剥離用ハーフカット線32a、32bに挟まれた領域に剥離層50が存在すれば足りる。
タテ方向の拡がりに関して言うと、再封止スリット31を避けて、かつ、第2剥離用ハーフカット線35a〜cを覆っていれば足りる。
【0027】
剥離層50は、紙箱10の密封性を確保するとともに、開封作業を容易にするために、第1剥離用ハーフカット線32a、32bおよび第2剥離用ハーフカット線35a〜cで囲まれた領域に設けられている。
【0028】
≪積層構造、ハーフカット、フルカット(図5)≫
ブランク1の積層構造は、次の通りである。すなわち、図5に模式的に示したように、ブランク1の外表面と内表面に、それぞれシール層5、8が位置する。そして、両シール層5、8の間において、外表面側の紙層6と内表面側のアルミ層7が形成される。紙箱10を組み立てたとき、シール層5が箱体の外側に、シール層8が箱体の内側にくる。
最も外側と内側にシール層が存在すること、および両シール層間において、紙層よりもアルミ層の方が内側に存在していれば、積層構造中に他の層が含まれてもよい。
【0029】
アルミ層7は、紙箱10に湿気、酸素等に対するバリア特性を与えるものであり、したがって、アルミ層7にはカットを入れないことが好ましい。そのため、「開封用ハーフカット線22a、22b」、「第1剥離用ハーフカット線32a、32b」、「第2剥離用ハーフカット線35a〜c」は、すべて、図5中に示したハーフカット部分のように、ブランクを貫通することなく、外表面のシール層5および紙層6を切り込んで構成されている(バリア特性を与えるアルミ層7までは達しない)。なお、図示した例では、ハーフカットは紙層6を貫通しているが、紙層6の途中までのハーフカットとしてもよい。
唯一、再封止スリット31は、ブランク1全厚を貫通するフルカット部分(図5参照)として構成される。しかし、再封止スリット1の周辺領域は、紙箱10を組み立てる際に、シール層5、8によるシールで塞がれるので、密封性が損なわれることはない。また、再封止スリット31を構成するフルカット部分の途中に、未カットの連設部分31'を備えることで、スリットが不用意に開口してしまうことを防いでいる。
【0030】
紙箱10の開封作業は、正面外側フラップ11aに形成した開封用摘み部25を摘んで行うが、このとき正面内側フラップ11bから正面外側フラップ11aが剥離し易いように、「第1剥離用ハーフカット線32a、32b」および「第2剥離用ハーフカット線35a〜c」を設けるとともに、これらに囲まれた領域に剥離層50を設けている。この囲まれた領域内に再封止スリット31が存在するが、剥離層50は、再封止スリット31を避けるように配置しているので、再封止スリット31はシール層5、8によるシールで確実に塞がれて、密封性が損なわれないようにしている。
しかも、再封止スリット31は、ブランク1を貫通するフルカット部分の途中に、未カットの連設部分31’を備えて構成されているので、不用意に当該スリットが開口して密封が損なわれる、という事態は非常に生じにくくなる。
【0031】
≪第2実施形態(図6)≫
第2実施形態の紙箱は、上に説明した第1実施形態に対して、第1剥離用ハーフカット線32a、32bの構成のみが異なるので、この点だけを説明する。
第1実施形態では、第1剥離用ハーフカット線32a、32bが両サイドに2本形成されていた。第2実施形態では、これらハーフカット線32a、32bのそれぞれに対し、隣接する別の第1剥離用ハーフカット線32a’、32b’を少なくとも1本形成している。
【0032】
このように、第1剥離用ハーフカット線を左右両サイドにそれぞれ複数本づつ設ける意味は、位置ズレの吸収である。すなわち、製造ラインにおいて、正面内側フラップ11b上に剥離層50を塗布する際、剥離層50は、当然に第1剥離用ハーフカット線32a、32bの両方を覆うように配置されるべきものである。
しかし、実際には製造工程上のズレが生じてしまう場合もある。図6に示した第2実施形態のように、左右両サイドにそれぞれ2本づつ第1剥離用ハーフカット線が存在することでこのズレを吸収し、不良品の発生率を低く抑えることができる。
上述の第1実施形態において、第2剥離用ハーフカット線35a〜cを複数本設けているのも同じ意味合いを有する。
【0033】
図6に示した例では、第1剥離用ハーフカット線は両サイドに2本づつ(合計4本)であるが、さらに多くのハーフカット線を設けてもよい。
なお、再封止スリット31および第2剥離用ハーフカット線35a〜cは、すべての第1剥離用ハーフカット線32a、32b、32a'、32b'・・・と交差して延在するよう設ける。また、剥離層50は、最も外側の2本の第1剥離用ハーフカット線(図示の例では32a'、32b')に挟まれた領域で、再封止スリット31を避けて設ける。
【0034】
≪第3実施形態(図7)≫
第3実施形態の紙箱は、上に説明した第1、2実施形態に対して、ブランク1に延長フラップ11cを設けた点のみが異なるので、この点だけを説明する。図7は、ブランク1'と紙箱10'の対応関係を示している。
ブランク1'においては、正面内側フラップ11bよりも上方に延長フラップ11cを追加形成している。両者は、折罫fを介して連設されている。折罫fおよび延長フラップ11cは、組立後の紙箱10'において、図7の一部破断図に示した位置にくる。すなわち、延長フラップ11cは、折罫fにおいて、箱体の外側方向に折り返されている。
【0035】
ブランク1、1'の積層構造は、図5で説明した通りであるが、ブランク周端縁においては、紙層6が露出することとなる。この露出した端縁に、例えば内容物であるチョコレートやクッキー等が接触すると、紙層6に油分が侵入して、紙箱表面にシミとなって現れる等の悪影響が出る。
これを防ぐため、第3実施形態では、延長フラップ11cを設けて、折罫fにて外側方向へ折り返している。これにより、端縁11dに内容物が接触することがなくなるので、端縁11dから油分が積層構造内にしみ込むのを防止できる。
【符号の説明】
【0036】
1、1’ ブランク
5 シール層
6 紙層
7 アルミ層
8 シール層
10、10’ 紙箱
11 正面壁
11a 正面外側フラップ
11b 正面内側フラップ
11c 延長フラップ
11d 端縁
12 天壁
13 背面壁
14 底壁
21a、21b 切欠部
22a、22b 開封用ハーフカット
25 開封用摘み部
31 再封止スリット
31' 連設部分
32a、32b、32a’、32b’ 第1剥離用ハーフカット線
35a、35、35c 第2剥離用ハーフカット線
50 剥離層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面と内表面にシール層(5、8)を有するとともに、その間に外表面側の紙層(6)と内表面側のアルミ層(7)を含む積層体からなる1枚のブランク(1)から組み立てられる6面体形状の紙箱であって、
当該6面体の8つのコーナ部はすべて、ブランク(1)の周端縁よりも内方に位置しており、
(ア)ブランク(1)は、
互いに貼り重ねられて紙箱の正面壁(11)を構成する正面内側フラップ(11b)および正面外側フラップ(11a)と、正面外側フラップに折罫を介して連設される天壁(12)と、正面内側フラップに折罫を介して連設される底壁(14)と、天壁および底壁に対してそれぞれ折罫を介して連設される背面壁(13)と、を含んでおり、
(イ)正面外側フラップ(11a)には、
2本の開封用ハーフカット線(22a、22b)に挟まれた領域が開封用摘み部(25)として形成されており、当該2本の開封用ハーフカット線(22a、22b)のそれぞれは、正面外側フラップ(11a)の端縁から天壁(12)と背面壁(13)を連設する折罫(b)にまで延在しており、
(ウ)正面内側フラップ(11b)には、
正面外側フラップに形成された2本の開封用ハーフカット(22a、22b)に対応する位置に、2本の第1剥離用ハーフカット線(32a、32b)が形成され、
開封用摘み部(25)を挿通可能な再封止スリット(31)と、再封止スリット(31)に沿ってその両側に少なくとも1本づつの第2剥離用ハーフカット線(35a〜c)とが、2本の第1剥離用ハーフカット線(32a、32b)と交差して延在しており、
2本の第1剥離用ハーフカット線(32a、32b)に挟まれた領域において、再封止スリット(31)を除く領域に剥離層(50)が設けられており、
(エ)再封止スリット(31)は、ブランクを貫通するフルカット部分の途中に、未カットの連設部分(31’)を備えて構成され、
開封用ハーフカット線(22a、22b)、第1剥離用ハーフカット線(32a、32b)、および第2剥離用ハーフカット線(35a〜c)は、それぞれ、ブランク(1)を貫通することなく、外表面のシール層(5)から紙層(6)の途中までを切り込んで構成されていることを特徴とする、紙箱。
【請求項2】
上記2本の第1剥離用ハーフカット線(32a、32b)のそれぞれに対し、隣接する別の第1剥離用ハーフカット線(32a'、32b')が少なくとも1本形成されており、
上記再封止スリット(31)および第2剥離用ハーフカット線(35a〜c)は、すべての第1剥離用ハーフカット線(32a、32b、32a'、32b')と交差して延在しており、
上記剥離層(50)は、最も外側の2本の第1剥離用ハーフカット線(32a'、32b')に挟まれた領域で、再封止スリット(31)を除く領域に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の紙箱。
【請求項3】
上記正面内側フラップ(11b)の端縁に対して、折罫(f)を介して連設される延長フラップ(11c)がさらに設けられていて、紙箱内部において、当該延長フラップ(11c)が箱の外側方向に折り返されていることを特徴とする、請求項1または2記載の紙箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−246171(P2011−246171A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121761(P2010−121761)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】