説明

ハイブリッドの磁気およびインピーダンスに基く位置検出方法

【課題】位置検出のための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】この位置検出システムは、被験者の体腔の中に導入されることに適合しているプローブ、を備えている。このプローブは、磁場トランスデューサと、少なくとも1個のプローブ電極と、を含んでいる。制御装置は、上記の磁場トランスデューサを用いて、上記のプローブの位置座標を測定するように、構成されている。この制御装置は上記の少なくとも1個のプローブ電極と被験者の体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスも測定する。測定した位置座標を用いて、上記の制御装置は上記の測定されたインピーダンスを較正する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、一般に、生体内に置かれた物体の位置を検出することに関連しており、特に、インピーダンスに基く位置センサーのための正確な基準を設けることに関連している。
【0002】
〔発明の背景〕
センサー、管、カテーテル、分配装置、および移植片等のような、体内の物体の位置を追跡することは、多くの医療処置において必要とされている。このような体内の物体の位置を決めるための、十分に確立された高精度なシステムが、磁場の検出に基いて、開発されている。これらのシステムは、外部において発生された磁場の相対的な強度を測定して、これらの測定値から体内の物体の位置を導出するために、その物体に固定されているセンサーを利用している。このような磁気に基く位置検出のための方法は、例えば、ベン−ハイム(Ben-Haim)に発行されている米国特許第5,391,199号、同5,443,489号および同6,788,967号、ベン−ハイム(Ben-Haim)他に発行されている米国特許第6,690,963号、アッカー(Acker)他に発行されている米国特許第5,558,091号、アッシェ(Ashe)に発行されている米国特許第6,172,499号、およびゴバリ(Govari)に発行されている米国特許第6,177,792号、において開示されており、これらの開示の全ては参照により本明細書に組み入れられている。
【0003】
また、インピーダンスに基く測定を利用している位置感知システムも開発されている。このようなシステムにおいては、インピーダンスは、体内の物体に固定されている電極と、その体の表面に配置されている電極との間において、測定される。その後、これらのシステムは、インピーダンスの測定値から、体内の物体の位置を導出する。このようなインピーダンスに基く位置検出のための方法は、例えば、ウイットカンプ(Wittkampf)に発行されている米国特許第5,983,126号、スワンソン(Swanson)に発行されている米国特許第6,456,864号、およびナルデラ(Nardella)に発行されている米国特許第5,944,022号、において開示されており、これらの開示の全ては参照により本明細書に組み入れられている。
【0004】
インピーダンスに基く位置検出は、一般に、磁場に基く位置検出よりも、実施するために費用がかからない。電気生理学的なマッピングおよびアブレーションにおいて用いられているカテーテル等のような、多くの標準的なカテーテルは、インピーダンス測定のために利用できる電極を既に組み込んでいる。しかしながら、部分的に、身体における非線形的なインピーダンスにより、インピーダンスに基く位置検出は、磁気に基く方法ほど、正確ではない。
【0005】
開示が参照により本明細書に組み入れられている、ギルボア(Gilboa)に発行されている米国特許第6,574,498号は、画像化装置に対する患者の位置および配向を決定するための電磁気学的な技法に依存していると共に、患者の体に対するプローブの位置および配向を決定するための、超音波または電気的なインピーダンスの検出等のような、別の技法を用いている体内運行の方法、を記載している。この方法は、一次座標系と二次座標系とに対するプローブの位置および配向を決定する処理と、二次座標系から一次座標系への変換を決定する処理と、を含んでいる。
【0006】
開示が参照により本明細書に組み入れられている、ファイファー(Pfeiffer)他に発行されている米国特許第5,899,860号は、患者の体内におけるカテーテルの位置を決定するための方法、を記載している。この場合に、カテーテルと遠隔位置の場所との間に送られる位置信号により、そのカテーテルの位置が決定されるのと同時に、カテーテルに体腔の中の既知の移動を行なわせることにより、補正関数が決定される。これにより、それぞれの位置信号から導出される、その後のカテーテルの位置は、この補正関数に従って補正される。
【0007】
現在において入手可能な磁気に基く位置検出システムは、バイオセンス−ウェブスター(Biosense-Webster)(ダイアモンド・バー、カリフォルニア州)(Diamond Bar, CA)からの、カルト(CARTO)(商標)EP・ナビゲーション・アンド・アブレーション・システム(CARTO(TM) EP Navigation and Ablation System)およびラッソ(LASSO)(商標)サーキュラー・マッピング・カテーテル(LASSO(TM) Circular Mapping Catheter)等のような、適当な製品、を含む。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明の実施形態はハイブリッドの位置検出のシステムおよび方法を提供しており、これらのシステムおよび方法は、磁気的および電気的な位置検出技法を組み合わせている。これらのシステムにおいて、磁気位置センサーは、正確さに劣る電気的なインピーダンスに基く測定値を較正するための、正確な位置基準、を与える。この目的のために、磁気位置センサーと1個以上の電極とを備えている、カテーテル等のような、ハイブリッド・プローブが、磁気の位置測定値をインピーダンスに基く測定値に関連づけるために、用いられている。この種のシステムは、多数の磁気位置センサーの必要性を軽減し、したがって、高精度の磁気位置検出と低コストのインピーダンスに基く検出との両方から恩恵を受ける。
【0009】
本発明の一部の実施形態において、上記のハイブリッド・カテーテルは、心臓の一室等のような、体腔の中に置かれる。さらに、外部から供給される磁場が磁場センサーにより測定され、カテーテルの正確な位置座標が導出される。さらに、体表面の電極からの電流または電圧も供給され、その体表面の電極とカテーテルの電極との間のインピーダンスが測定される。このような二重の位置測定は、較正マップを生成して、上記のインピーダンスの測定値を、磁場センサーにより確かめられた位置座標に関連づけるために、体腔内の多数の場所において繰り返される。
【0010】
その後、診断または治療の機能を有する追加のカテーテルを上記の体腔の中に導入できる。これらの追加のカテーテルは、ハイブリッド・カテーテルと同時に導入してもよく、さらに/または、ハイブリッド・カテーテルの身体からの除去に続いて導入することも可能である。これらの追加のカテーテルはまた、ハイブリッド・カテーテルの電極と同様の電極も組み込んでいるが、磁場センサーを含んでいる必要はない。これにより、これらの追加のカテーテルにおける電極から得たインピーダンスの測定値は、これらの追加のカテーテルの正確な位置座標を決定するために、上記の較正マップに関連づけられる。
【0011】
本発明の別の実施形態において、上記のハイブリッド・カテーテルは、そのカテーテルの遠位側端部における投げ縄等のような、変形可能な部分を含んでおり、この変形可能な部分において電極を伴っている。これにより、カテーテルが既知の形態において(すなわち、形状が変形されない時に)安定に保持されている間に、磁気およびインピーダンスに基く両方の測定値が得られる。すなわち、この形態においては、それぞれの電極の位置は、磁気センサーに対して、予め、分かっている。それゆえ、これらの電極の位置は、磁気的な位置測定に基いて分かり、これらの既知の位置は、それぞれの電極において得られるインピーダンスの測定値を較正するために、用いることができる。さらに、上記のカテーテルがその後に、医療処置中において、変形されると、それぞれの較正された位置からの電極位置におけるわずかな偏向は、インピーダンスに基く方法により、比較的に正確に測定できる。
【0012】
それゆえ、本発明の実施形態によれば、位置検出のための方法において、
磁場トランスデューサと少なくとも1個のプローブ電極とを含む、プローブを、被験者の体腔の中に、導入する処理と、
上記の磁場トランスデューサを用いて、上記の体内腔の中のある場所における上記プローブの位置座標を測定する処理と、
上記の少なくとも1個のプローブ電極と上記被験者の体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定する処理と、
上記の測定された位置座標を用いて、上記の測定されたインピーダンスを較正する処理と、を含む、方法が提供されている。
【0013】
一般的に、上記の磁場トランスデューサは1個以上のコイルを含んでいる。
【0014】
一般的に、上記のプローブの位置座標を測定する処理は、外部磁場を発生させる処理と、その外部磁場により、上記の磁場トランスデューサの中に誘発される信号を測定する処理と、を含んでいる。
【0015】
一部の実施形態において、上記の位置座標を測定する処理は、上記の磁場トランスデューサに磁場を発生させる処理と、その磁場により、外部磁場センサーの中に誘発される信号を測定する処理と、を含む。
【0016】
さらに別の実施形態において、上記のインピーダンスを測定する処理は、上記の少なくとも1個のプローブ電極と1個以上の体表面電極との間の体を通して電流を流す処理と、その電流に応じて、インピーダンスを測定する処理と、を含む。一般的に、上記の体を通して電流を流す処理は、上記の少なくとも1個のプローブ電極と1個以上の体表面電極との間に一定の電圧を維持する処理、を含み、上記のインピーダンスを測定する処理は、その一定の電圧において上記の電流を測定する処理、を含む。さらに別の実施形態においては、上記の体を通して電流を流す処理は、上記の少なくとも1個のプローブ電極と上記の1個以上の体表面電極との間に一定の電流を維持する処理、を含み、上記のインピーダンスを測定する処理は、上記の少なくとも1個のプローブ電極と上記の1個以上の体表面電極との間の電圧を測定する処理、を含む。
【0017】
一般的に、インピーダンスを測定する処理は、少なくとも一対の体表面電極を横切って(across)、電圧を供給する処理と、少なくとも一つのプローブ電極における電圧降下を測定する処理と、を含む。
【0018】
一般的に、上記の位置座標を測定する処理は、体腔内の複数の場所において、磁気トランスデューサを用いて、位置座標を決定する処理、を含み、上記のインピーダンスを測定する処理は、上記複数の場所においてインピーダンスを決定する処理、を含み、これらの測定したインピーダンスを較正する処理は、上記の位置座標と複数の場所において決定したインピーダンスを用いて、較正マップを生成する処理、を含む。さらに別の実施形態において、上記の較正マップを生成するために用いられるプローブは第1のプローブであり、上記の方法は、さらに、
少なくとも1個の第2のプローブ電極を含む第2のプローブを、上記の体腔の中に導入する処理と、
上記の少なくとも1個の第2のプローブ電極と体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定する処理と、
上記の較正マップを用いて上記の第2のプローブ電極に関して測定したインピーダンスを較正することにより、上記の第2のプローブの第2の位置座標を決定する処理と、を含む。
【0019】
一般的に、上記のプローブは、上記の磁場トランスデューサが配置されている基部と、上記の少なくとも1個のプローブ電極が配置されている変形可能な部分と、を含み、この変形可能な部分は、変形されていない時に、既知の形状を有しており、上記の測定したインピーダンスを較正する処理は、上記の基部に対する上記の変形可能な部分の偏向を決定する処理、を含む。さらに別の実施形態において、上記の変位を決定する処理は、上記の変形可能な部分が変形されていない時に、第1のインピーダンスを測定する処理と、その変形可能な部分が偏向している時に、第2のインピーダンスを測定する処理と、その偏向を決定するために、その第2のインピーダンスを上記の第1のインピーダンスに対して比較する処理と、を含む。
【0020】
また、本発明の実施形態によれば、位置検出システムにおいて、
磁場トランスデューサと少なくとも1個のプローブ電極とを有していて、被験者の体腔の中に導入されることに適合している、プローブと、
上記の磁場トランスデューサを用いて上記のプローブの位置座標を測定し、上記の少なくとも1個のプローブ電極と上記被験者の体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定し、さらに、測定した位置座標を用いて測定したインピーダンスを較正するように、構成されている制御装置と、を備えている、位置検出システム、も提供されている。
【0021】
一部の実施形態において、上記のシステムは、外部磁場を発生することに適合している外部磁場発生装置、を含み、この外部磁場は、上記の磁場トランスデューサに、位置信号を発生させ、上記の制御装置は、その位置信号を受信して処理することにより、上記のプローブの位置座標を測定するように構成されている。
【0022】
一般的に、上記の磁場トランスデューサは磁場を発生することに適合しており、上記のシステムは、さらに、その磁場に応じて、位置信号を発生すること、に適合している外部磁場センサー、を備えている。上記の制御装置は、上記の位置信号を受信して処理することにより、上記のプローブの位置座標を測定するように構成されている。
【0023】
一部の実施形態において、上記の制御装置は、上記の少なくとも1個のプローブ電極と上記の1個以上の箇所における体表面電極との間に、電流を流して、その電流に応じて、インピーダンスを測定するように、構成されている。さらに別の実施形態において、上記の制御装置は、上記の少なくとも1個のプローブ電極と上記の体表面電極との間に、一定の電圧を維持して、その一定の電圧において電流を測定するように、構成されている。さらに別の実施形態において、上記の制御装置は、上記の少なくとも1個のプローブ電極と上記の体表面電極との間に、一定の電流を維持して、その少なくとも1個のプローブ電極と体表面電極との間の電圧を測定するように、構成されている。
【0024】
一般的に、上記の制御装置は、上記の1個以上の箇所において少なくとも一対の体表面電極をまたいで電圧を供給して、上記の少なくとも1個のプローブ電極における電圧降下を検出することによりインピーダンスを測定するように、構成されている。
【0025】
一部の実施形態において、上記の制御装置は、上記の体腔の中の複数の場所において、上記の磁場トランスデューサを用いて、位置座標を決定し、これらの複数の場所におけるインピーダンスを決定し、さらに、これらの複数の場所におけるインピーダンスを決定する較正マップを生成するように、構成されている。一般的に、上記の較正マップを生成するために用いられるプローブは第1のプローブであり、上記のシステムは、さらに、少なくとも1個の第2のプローブ電極を含んでいて上記の体腔の中に導入されることに適合している第2のプローブ、を備えており、上記の制御装置は、上記の少なくとも1個の第2のプローブ電極と体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定し、上記の較正マップを用いて、第2のプローブ電極に関して測定されたインピーダンスを較正することにより、上記の第2のプローブの第2の位置座標を決定するように、構成されている。
【0026】
加えて、または、あるいは、上記のプローブは、上記の少なくとも1個のプローブ電極が配置されている変形可能な部分と、磁場トランスデューサが配置されている基部と、を含み、この変形可能な部分は、変形されていない時に、既知の形状を有しており、上記の制御装置は、上記の測定されたインピーダンスを較正することにより、上記の基部に対する上記の変形可能な部分の偏向を決定するように、構成されている。さらに別の実施形態において、上記の制御装置は、上記の変形可能な部分が変形されていない時に、第1のインピーダンスを測定して、その変形可能な部分が偏向している時に、第2のインピーダンスを測定し、さらに、この第2のインピーダンスを上記の第1のインピーダンスに対して比較することにより、上記のプローブの偏向を決定するように、構成されている。
【0027】
本発明は、以下の、図面と共に行なわれている、その実施形態の詳細な説明により、さらに完全に理解されるであろう。
【0028】
〔実施形態の詳細な説明〕
図1は、本発明の実施形態による、磁場位置センサー22と、多数のカテーテル電極30,32および34と、を備えている、ハイブリッド・カテーテル20、の遠位側端部を示している概略的な詳細図である。
【0029】
磁場センサー22は3個の直交コイル24,26および28を備えており、これらのコイルは、「発明の背景」において引用されている特許において記載されているような、6種類の位置および配向の次元において、カテーテル20の座標を決定するために、用いることができる。あるいは、磁場センサー22は1個または2個のコイルあるいはそれ以上の数のコイル、または、ホール効果装置またはその他のアンテナ等のような、コイル以外の磁場センサー、を含んでいてもよい。本特許出願の内容において、さらに、特許請求の範囲の各請求項において、上記のようなコイルおよびその他のセンサーは、一般に、磁場トランスデューサとして呼ばれており、一般に、磁場を検知するか、磁場を発生するために、用いることができる。
【0030】
電極30,32および34は任意の適当な形状および大きさであってよく、電気生理学的な検出またはアブレーションのため等のような、他の目的のためにも使うことができる。
【0031】
本発明の実施形態において、カテーテル20の遠位側端部は柔軟であって、電極30,32および34の1つ以上の位置を、磁場センサー22の位置に対して偏向させることが可能である。
【0032】
図2は、本発明の実施形態による、ハイブリッド・カテーテル20を使用している、位置検出システム36の概略的で絵画的な説明図である。このシステム36は、カテーテル20の位置および形状を決定するために用いることができ、以下において説明されているように、カテーテル20により行なわれた測定から、較正マップを生成するために用いることも可能である。この較正マップは、電極を有しているが磁場センサーを持っていなくてもよい追加の侵襲性の医療装置の、後続の位置検出のために、用いることができる。
【0033】
この実施形態において、カテーテル20は、被験者40の心臓38の一室の中における侵襲性の処置において、用いられている。あるいは、位置検出システム36は、他の体腔の中において、カテーテル20のような、ハイブリッド・プローブを伴って、使用することも可能である。被験者40は、例えば、磁場発生コイル42を収容しているパッドを被験者の下に置くことにより、発生される磁場の中に配置されている。これらのコイル42により発生された磁場は、それぞれの磁場の中におけるセンサー22のコイル24,26および28の位置および配向を示す、電気的な信号を、それぞれのコイル24,26および28の中に、発生させる。これらの信号は制御装置44に送られ、この制御装置44はそれぞれの信号を分析して、カテーテル20の座標を決定する。あるいは、磁場センサー22の中の各コイルは、コイル42により検出される磁場を発生するように、駆動することも可能である。
【0034】
制御装置44は、プロセッサ、一般的には、適当な信号処理回路を伴うコンピュータ、を含んでいる。このプロセッサはコンソール52を駆動するために連結されており、このコンソール52は、カテーテル20の場所の視覚表示装置54も備えていてよい。
【0035】
電極30,32および34は、制御装置44の中のインピーダンス測定回路に、カテーテル20の挿入管を通して、電線により接続されている。さらに、制御装置は、体表面電極に、電線により接続されており、これらの体表面電極は、一般的に、接着性の皮膚パッチ46,48および50、を構成している。これらのパッチ46,48および50は、プローブの近傍における、体表面上の任意の好都合な場所に、配置できる。また、本発明の別の実施形態においては、上記の体表面上の電極は数を変更することができ、医療の専門家56により操作される皮下プローブまたは手持ち式の装置等のような、別の形態を採ることも可能である。
【0036】
本発明の実施形態において、各表面パッチと電極30,32および34との間のインピーダンスは、本発明の譲受人に譲渡されていて、参照により本明細書に組み入れられている、ゴバリ(Govari)他により、「カレント−ベースド・インピーダンス・メジュアメント(Current-based Impedance Measurement)」を発明の名称として、2005年1月7日に出願されている、米国特許出願第11/030,934号において記載されている方法に従って、測定される。制御装置44は、それぞれがカテーテル電極を構成している1個以上の電気回路と、それぞれの体表面電極と、介在する体組織とを通して、電流を流す。オームの法則により、それぞれの回路の中の電極とパッチとの間のインピーダンスは、その回路を通って流れる電流で割った、各電極の間の電圧、に等しい。
【0037】
本発明の別の実施形態において、電圧は、上述のウィットカンプ(Wittkampf)に発行されている米国特許第5,983,126号において記載されているように、各対の体表面電極をまたいで供給することが可能である。この場合に、各カテーテル電極におけるそれぞれの電圧降下が、相対的なインピーダンスを決定するために、測定される。
【0038】
一般的に、システム20は、単純化のために図面において示されていない、別の要素、を含んでいる。例えば、システム20は、1個以上の体表面電極から信号を受け取って制御装置44にECG同期信号を供給するように、連結されている、ECGモニター、を含むことができる。このシステムはまた、被験者の体の外部に取り付けられる外部供給型の基準パッチにおいて、あるいは、心臓38の中に挿入されてその心臓に対して固定された位置に維持される内部配置型のカテーテルにおいて、基準位置センサーを含んでいてもよい。このようにして、カテーテル20の位置を基準カテーテルの位置に対して比較することにより、このカテーテル20の座標は、心臓の動きに無関係に、その心臓に対して正確に決定される。あるいは、別の適当な方法を、心臓の動きを補正するために、用いることも可能である。
【0039】
図3は、本発明の実施形態に従って、較正マップの生成中に、心臓38の一室の中に位置決めされているハイブリッド・カテーテル20の、概略的で、絵画的な説明図である。磁場センサー22から受け取られる信号は、多数の場所におけるカテーテルの位置および配向を算出するために、特に、磁気座標の測定値およびセンサー22に対する各電極の既知の変位に基いて、それらの場所における電極30,32および34の位置座標を導出するために、用いられる。さらに、インピーダンスの測定も、異なるカテーテルの場所における電極30,32および34に対して行なわれ、これらの測定値は、磁気的な位置測定により決定される場合の電極の位置に対して相関づけられる。このようにして、較正マップは生成される。
【0040】
図4は第2のカテーテル58の、概略的で、絵画的な説明図であり、このカテーテル58は、本発明の実施形態に従って、較正マップの生成中または生成後に、心臓38の中に挿入される。この場合に、カテーテル58が心臓の一室を通して移動する際に、このカテーテル上の電極60,62および64において得られるインピーダンスの測定値が、較正マップにおける既知の位置において既に記録されているインピーダンスの測定値に対して、関連づけられる。このようにして、カテーテル58の座標は、被験者の体のインピーダンスにおける変動および非線形性にかかわらず、正確に決定される。
【0041】
図5は、本発明の実施形態による、図3および図4において示されているような、較正マップを生成して適用するための方法、を示しているフローチャートである。初めの工程66において、カテーテル20等のような、ハイブリッド・カテーテルが心臓の一室の中に(あるいは、適宜に、他の体腔の中に)挿入される。次に、磁気測定工程68において、磁場センサーが、カテーテルの位置座標を決定し、これにより各カテーテル電極の特定の位置を見つけ出すために、用いられる。その後、これらのカテーテル電極におけるインピーダンスの測定値が、インピーダンス測定工程70において、得られる。次に、相関工程72において、上記のインピーダンスの測定値が、工程68において決定された各電極の位置に対して、関連づけられる。
【0042】
その後、決定工程74において、後続の処置の必要性に基いて、較正マップのための十分なデータが集められたか否かについて、決定が行なわれる。さらにデータが必要とされる場合には、上記のハイブリッド・カテーテルは心臓の一室の中の新しい位置に移動し、位置決め工程76において、工程68〜74が繰り返される。実際には、工程68および70は連続的に行なわれるので、マッピングする体腔の異なる部分を通してカテーテルを徐々に動かしながら、工程66〜76を連続的なプロセスにおいて行なうことも可能である。
【0043】
一方、十分なデータが集められると、較正マップが、マッピング工程78において、生成される。一般的に、この較正マップは、磁気検出により決定された、座標の格子を含み、(体表面電極のそれぞれに対するか、体表面電極の各対に対する)一組のインピーダンスの測定値がこの格子の各点において記録されている。あるいは、インピーダンスの測定値のそれぞれの組に対応する実際の較正された位置座標を、上記のマップが示すように、上記の格子を逆にすることも可能である。
【0044】
較正マップが完成すると、カテーテル58および/または他の侵襲性の医療装置は、挿入工程80において、体腔の中に挿入される。この第2のカテーテルは、インピーダンスを測定するために使用できる電極を備えているが、このカテーテルは、一般的に、磁場センサーを有していない。次に、第2のインピーダンス測定工程82において、上記第2のカテーテルの電極と体表面電極との間のインピーダンスが測定される。その後、位置検出工程84において、較正マップに対して、測定したインピーダンスを比較することにより、上記のカテーテル電極の位置座標が決定される。さらに、これらの電極の位置に基いて、上記第2のカテーテルの他の要素の位置も決定できるようになる。
【0045】
図5において示されているように、工程82および84は、処置が完了工程86において終了していることが決定されるまで、カテーテル58を継続的に追跡するために、繰り返すことができる。
【0046】
図6は、本発明の別の実施形態による、ハイブリッド・カテーテル88の絵画的な説明図である。このハイブリッド・カテーテル88は、屈曲点96まで伸びている比較的に剛性の基部90、を有しており、この点96から先に、変形可能な柔軟な部分92をさらに有している。この部分92は既知の固定された長さを有しており、体腔内において圧力を受ける時に、一般的に、ねじれるが伸ばすことのできない材料、を含んでいる。一般的に、部分92は、この部分に全く力が加えられない時には、所定の形態を採るが、力が加わると、その所定の形態から偏向するように、十分に弾性である。
【0047】
図面において示されている実施形態において、ハイブリッド・カテーテル88は投げ縄の形状を有しており、この形状は、左心房の中の肺静脈の口の周囲の領域を、周方向にマッピングおよびアブレーションするために、適している。この種のカテーテルは、例えば、本発明の譲受人に譲渡されていて、参照により本明細書に組み入れられている、「ラッソ・フォー・プルモナリー・ベイン・マッピング・アンド・アブレーション(Lasso for Pulmonary Vein Mapping and Ablation)」を発明の名称として、2003年7月29日に出願されている、米国特許出願第10/629,661号において、記載されている。あるいは、このカテーテルに関連して記載されている本発明の態様は、バスケット・カテーテル等のような、別の種類の偏向可能なカテーテル、にも適用できる。
【0048】
磁気センサー94は、点96の近くのカテーテル88の剛性の部分90に固定されている。また、1個以上の電極98がこのカテーテルの柔軟な部分92に配置されている。電極98は、上述のように、インピーダンスを測定するために、適合している。加えて、電極98の一部または全部は、体組織の電気特性を検出するか、アブレーションを行なう等のような、付加的な機能を実行することにも適合できる。
【0049】
上記のカテーテル88が、外力が加えられていない初期の位置において保持されている時に、磁気センサー94により行なわれる位置測定は、電極98のそれぞれの位置を含む、全体のカテーテルの長さの位置を決定するために使用できる。この初期の位置において、インピーダンスの測定値も、これらのインピーダンスの測定値を較正するために、それぞれの電極において測定される。
【0050】
次に、柔軟な部分92に力が加えられると、この部分は変形し、これにより、電極はそれぞれの較正された位置から偏向する。それぞれの電極の偏向は比較的に小さいので、インピーダンスの測定値は、その初期の位置からのそれぞれの電極の移動量を比較的に正確に決定するために、使用できる。それぞれの電極の位置、したがって、カテーテル88の形状は、1個のみの磁場センサーしか用いられていなくても、このようにして、正確に決定できる。
【0051】
システム36は、当該システム36が、不整脈等のような、心臓の状況の診断または治療のためのカテーテルに基く処置において使用できるように、本発明の実施形態を表現している。ただし、このシステム36は、血管形成術またはアテレクトミーを含んでもよい、脈管内の病気の診断または治療においても、使用できる。また、このシステム36の原理は、必要な変更を加えて、脳、脊椎、骨格の関節、膀胱、胃腸管、前立腺、および子宮等のような、他の体の構造の診断および/または治療のための、位置検出システムにおいても、適用可能である。
【0052】
したがって、上述の実施形態は例としてあげられていること、および、本発明が、特定的に図示されていて上記において説明されているもの、に限定されないということ、が認められるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記において説明されている種々の特徴の組み合わせとその類似の組み合わせの両方、ならびに、上記の説明を読めば当業者には想到されると考えられ、先行技術には開示されていない、これらの変形例および変更例、を含む。
【0053】
〔実施の態様〕
(1)位置検出のための方法において、
被験者の体腔の中に、磁場トランスデューサおよび少なくとも1個のプローブ電極を含むプローブ、を導入する処理と、
前記磁場トランスデューサを用いて、前記体腔の中の場所における前記プローブの位置座標を測定する処理と、
前記少なくとも1個のプローブ電極と前記被験者の体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定する処理と、
前記測定した位置座標を用いて、前記測定したインピーダンスを較正する処理と、
を含む、方法。
(2)実施態様1に記載の方法において、
前記磁場トランスデューサは1個以上のコイルを含む、方法。
(3)実施態様1に記載の方法において、
前記プローブの位置座標を測定する処理は、外部磁場を生成する処理と、前記外部磁場により前記磁場トランスデューサの中に誘発される信号を測定する処理と、を含む、方法。
(4)実施態様1に記載の方法において、
前記位置座標を測定する処理は、前記磁場トランスデューサに磁場を生成させる処理と、前記磁場により外部磁場センサーの中に誘発される信号を測定する処理と、を含む、方法。
(5)実施態様1に記載の方法において、
前記インピーダンスを測定する処理は、前記少なくとも1個のプローブ電極と1個以上の体表面電極との間において、前記体を通して電流を流す処理と、前記電流に応じて前記インピーダンスを測定する処理と、を含む、方法。
【0054】
(6)実施態様5に記載の方法において、
前記体を通して電流を流す処理は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記1個以上の体表面電極との間に一定の電圧を維持する処理を含み、
前記インピーダンスを測定する処理は、前記一定の電圧において、前記電流を測定する処理を含む、
方法。
(7)実施態様5に記載の方法において、
前記体を通して電流を流す処理は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記1個以上の体表面電極との間に一定の電流を維持する処理を含み、
前記インピーダンスを測定する処理は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記1個以上の体表面電極との間の電圧を測定する処理を含む、
方法。
(8)実施態様1に記載の方法において、
前記インピーダンスを測定する処理は、少なくとも一対の体表面電極を横切って電圧を供給する処理と、前記少なくとも1個のプローブ電極における電圧降下を測定する処理と、を含む、方法。
(9)実施態様1に記載の方法において、
前記位置座標を測定する処理は、前記体腔の中の複数の位置において、前記磁場トランスデューサを用いて、前記位置座標を決定する処理を含み、
前記インピーダンスを測定する処理は、前記複数の位置においてインピーダンスを決定する処理を含み、
前記測定したインピーダンスを較正する処理は、前記複数の位置において決定された位置座標とインピーダンスとを用いて較正マップを生成する処理を含む、
方法。
(10)実施態様9に記載の方法において、
前記較正マップを生成するために用いられるプローブは、第1のプローブであり、
少なくとも1個の第2のプローブ電極を含む第2のプローブを、前記体腔の中に導入する処理と、
前記少なくとも1個の第2のプローブ電極と体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定する処理と、
前記第2のプローブ電極に関して測定したインピーダンスを、前記較正マップを用いて較正することにより、前記第2のプローブの第2の位置座標を決定する処理と、
をさらに含む、方法。
【0055】
(11)実施態様1に記載の方法において、
前記プローブは、前記磁場トランスデューサが配置されている基部と、前記少なくとも1個のプローブ電極が配置されている変形可能な部分と、を含み、前記変形可能な部分は、変形されていない時に、既知の形状を有しており、
前記測定したインピーダンスを較正する処理は、前記基部に対する前記変形可能な部分の偏向を決定する処理を含む、
方法。
(12)実施態様11に記載の方法において、
前記変位を決定する処理は、前記変形可能な部分が変形されていない時に、第1のインピーダンスを測定する処理と、前記変形可能な部分が偏向している時に、第2のインピーダンスを測定する処理と、前記偏向を決定するために、前記第2のインピーダンスを前記第1のインピーダンスに対して比較する処理と、を含む、方法。
(13)位置検出システムにおいて、
プローブであって、磁場トランスデューサと少なくとも1個のプローブ電極とを具備し、被験者の体腔の中に導入されるように構成されている、プローブと、
制御装置であって、前記磁場トランスデューサを用いて前記プローブの位置座標を測定し、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記被験者の体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定し、さらに、測定した位置座標を用いて測定したインピーダンスを較正するように、構成されている、制御装置と、
を備えている、位置検出システム。
(14)実施態様13に記載のシステムにおいて、
前記外部磁場トランスデューサは、1個以上のコイルを含む、システム。
(15)実施態様13に記載のシステムにおいて、
外部磁場を発生するように構成されている外部磁場発生装置を備えており、前記外部磁場は前記磁場トランスデューサに位置信号を発生させ、
前記制御装置は、前記位置信号を受信して処理することにより、前記プローブの位置座標を測定するように構成されている、
システム。
【0056】
(16)実施態様13に記載のシステムにおいて、
前記磁場トランスデューサは、磁場を発生するように構成されており、
前記システムは、前記磁場に応じて、位置信号を発生するように構成された外部磁場センサーをさらに備えており、
前記制御装置は、前記位置信号を受信して処理することにより、前記プローブの位置座標を測定するように構成されている、
システム。
(17)実施態様13に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記1個以上の箇所における体表面電極との間に電流を流し、前記電流に応じて、前記インピーダンスを測定するように、構成されている、システム。
(18)実施態様17に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記体表面電極との間に、一定の電圧を維持し、前記一定の電圧において前記電流を測定するように、構成されている、システム。
(19)実施態様17に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記体表面電極との間に、電流を維持し、前記少なくとも1個のプローブ電極と体表面電極との間の電圧を測定するように、構成されている、システム。
(20)実施態様13に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記1個以上の箇所における少なくとも一対の体表面電極を横切って電圧を供給し、前記少なくとも1個のプローブ電極における電圧降下を検出することにより前記インピーダンスを測定するように、構成されている、システム。
【0057】
(21)実施態様13に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記体腔の中の複数の場所において、前記磁場トランスデューサを用いて、位置座標を決定し、前記複数の場所における前記インピーダンスを決定し、さらに、前記複数の場所における前記インピーダンスを決定する較正マップを生成するように、構成されている、システム。
(22)実施態様21に記載のシステムにおいて、
前記較正マップを生成するために用いられるプローブは、第1のプローブであり、
前記システムは、少なくとも1個の第2のプローブ電極を含み、前記体腔の中に導入されるように構成されている第2のプローブ、をさらに備えており、
前記制御装置は、前記少なくとも1個の第2のプローブ電極と前記体表面上の1個以上の箇所との間の前記インピーダンスを測定し、前記較正マップを用いて、前記第2のプローブ電極に関して測定されたインピーダンスを較正することにより、前記第2のプローブの第2の位置座標を決定するように、構成されている、
システム。
(23)実施態様13に記載のシステムにおいて、
前記プローブは、前記少なくとも1個のプローブ電極が配置されている変形可能な部分と、前記磁場トランスデューサが配置されている基部と、を含み、前記変形可能な部分は、変形されていない時に、既知の形状を有しており、
前記制御装置は、前記測定されたインピーダンスを較正することにより、前記基部に対する前記変形可能な部分の偏向を決定するように、構成されている、
システム。
(24)実施態様23に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記変形可能な部分が変形されていない時に、第1のインピーダンスを測定し、前記変形可能な部分が偏向している時に、第2のインピーダンスを測定し、さらに、前記第2のインピーダンスを前記第1のインピーダンスに対して比較することにより、前記プローブの偏向を決定するように、構成されている、システム。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態による、磁場位置センサーおよび多数の電極を備えているハイブリッド・カテーテルの、遠位側端部、を示している、概略図である。
【図2】本発明の実施形態に従って、ハイブリッド・カテーテルを利用している位置検出システムの、概略的で絵画的な説明図である。
【図3】心臓の一室の中における、ハイブリッド・カテーテルの、概略的で絵画的な切取内部図であり、このハイブリッド・カテーテルは、本発明の実施形態に従って、較正マップを生成するために用いられている。
【図4】本発明の実施形態に従って、較正マッピング処理に続いて、心臓の一室の中に置かれている第2のカテーテルの、概略的で絵画的な切取内部図である。
【図5】本発明の実施形態に従って、較正マップを生成して適用するための方法、を概略的に説明しているフローチャートである。
【図6】本発明の別の実施形態による、ハイブリッド・カテーテルの、概略的で絵画的な説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置検出のための方法において、
被験者の体腔の中に、磁場トランスデューサおよび少なくとも1個のプローブ電極を含むプローブ、を導入する処理と、
前記磁場トランスデューサを用いて、前記体腔の中の場所における前記プローブの位置座標を測定する処理と、
前記少なくとも1個のプローブ電極と前記被験者の体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定する処理と、
前記測定した位置座標を用いて、前記測定したインピーダンスを較正する処理と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記磁場トランスデューサは1個以上のコイルを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記プローブの位置座標を測定する処理は、外部磁場を生成する処理と、前記外部磁場により前記磁場トランスデューサの中に誘発される信号を測定する処理と、を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記位置座標を測定する処理は、前記磁場トランスデューサに磁場を生成させる処理と、前記磁場により外部磁場センサーの中に誘発される信号を測定する処理と、を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記インピーダンスを測定する処理は、前記少なくとも1個のプローブ電極と1個以上の体表面電極との間において、前記体を通して電流を流す処理と、前記電流に応じて前記インピーダンスを測定する処理と、を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記体を通して電流を流す処理は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記1個以上の体表面電極との間に一定の電圧を維持する処理を含み、
前記インピーダンスを測定する処理は、前記一定の電圧において、前記電流を測定する処理を含む、
方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法において、
前記体を通して電流を流す処理は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記1個以上の体表面電極との間に一定の電流を維持する処理を含み、
前記インピーダンスを測定する処理は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記1個以上の体表面電極との間の電圧を測定する処理を含む、
方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記インピーダンスを測定する処理は、少なくとも一対の体表面電極を横切って電圧を供給する処理と、前記少なくとも1個のプローブ電極における電圧降下を測定する処理と、を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記位置座標を測定する処理は、前記体腔の中の複数の位置において、前記磁場トランスデューサを用いて、前記位置座標を決定する処理を含み、
前記インピーダンスを測定する処理は、前記複数の位置においてインピーダンスを決定する処理を含み、
前記測定したインピーダンスを較正する処理は、前記複数の位置において決定された位置座標とインピーダンスとを用いて較正マップを生成する処理を含む、
方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記較正マップを生成するために用いられるプローブは、第1のプローブであり、
少なくとも1個の第2のプローブ電極を含む第2のプローブを、前記体腔の中に導入する処理と、
前記少なくとも1個の第2のプローブ電極と体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定する処理と、
前記第2のプローブ電極に関して測定したインピーダンスを、前記較正マップを用いて較正することにより、前記第2のプローブの第2の位置座標を決定する処理と、
をさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記プローブは、前記磁場トランスデューサが配置されている基部と、前記少なくとも1個のプローブ電極が配置されている変形可能な部分と、を含み、前記変形可能な部分は、変形されていない時に、既知の形状を有しており、
前記測定したインピーダンスを較正する処理は、前記基部に対する前記変形可能な部分の偏向を決定する処理を含む、
方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記変位を決定する処理は、前記変形可能な部分が変形されていない時に、第1のインピーダンスを測定する処理と、前記変形可能な部分が偏向している時に、第2のインピーダンスを測定する処理と、前記偏向を決定するために、前記第2のインピーダンスを前記第1のインピーダンスに対して比較する処理と、を含む、方法。
【請求項13】
位置検出システムにおいて、
プローブであって、磁場トランスデューサと少なくとも1個のプローブ電極とを具備し、被験者の体腔の中に導入されるように構成されている、プローブと、
制御装置であって、前記磁場トランスデューサを用いて前記プローブの位置座標を測定し、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記被験者の体表面上の1個以上の箇所との間のインピーダンスを測定し、さらに、測定した位置座標を用いて測定したインピーダンスを較正するように、構成されている、制御装置と、
を備えている、位置検出システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記外部磁場トランスデューサは、1個以上のコイルを含む、システム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムにおいて、
外部磁場を発生するように構成されている外部磁場発生装置を備えており、前記外部磁場は前記磁場トランスデューサに位置信号を発生させ、
前記制御装置は、前記位置信号を受信して処理することにより、前記プローブの位置座標を測定するように構成されている、
システム。
【請求項16】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記磁場トランスデューサは、磁場を発生するように構成されており、
前記システムは、前記磁場に応じて、位置信号を発生するように構成された外部磁場センサーをさらに備えており、
前記制御装置は、前記位置信号を受信して処理することにより、前記プローブの位置座標を測定するように構成されている、
システム。
【請求項17】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記1個以上の箇所における体表面電極との間に電流を流し、前記電流に応じて、前記インピーダンスを測定するように、構成されている、システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記体表面電極との間に、一定の電圧を維持し、前記一定の電圧において前記電流を測定するように、構成されている、システム。
【請求項19】
請求項17に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記少なくとも1個のプローブ電極と前記体表面電極との間に、一定の電流を維持し、前記少なくとも1個のプローブ電極と体表面電極との間の電圧を測定するように、構成されている、システム。
【請求項20】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記1個以上の箇所における少なくとも一対の体表面電極を横切って電圧を供給し、前記少なくとも1個のプローブ電極における電圧降下を検出することにより前記インピーダンスを測定するように、構成されている、システム。
【請求項21】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記体腔の中の複数の場所において、前記磁場トランスデューサを用いて、位置座標を決定し、前記複数の場所における前記インピーダンスを決定し、さらに、前記複数の場所における前記インピーダンスを決定する較正マップを生成するように、構成されている、システム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記較正マップを生成するために用いられるプローブは、第1のプローブであり、
前記システムは、少なくとも1個の第2のプローブ電極を含み、前記体腔の中に導入されるように構成されている第2のプローブ、をさらに備えており、
前記制御装置は、前記少なくとも1個の第2のプローブ電極と前記体表面上の1個以上の箇所との間の前記インピーダンスを測定し、前記較正マップを用いて、前記第2のプローブ電極に関して測定されたインピーダンスを較正することにより、前記第2のプローブの第2の位置座標を決定するように、構成されている、
システム。
【請求項23】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記プローブは、前記少なくとも1個のプローブ電極が配置されている変形可能な部分と、前記磁場トランスデューサが配置されている基部と、を含み、前記変形可能な部分は、変形されていない時に、既知の形状を有しており、
前記制御装置は、前記測定されたインピーダンスを較正することにより、前記基部に対する前記変形可能な部分の偏向を決定するように、構成されている、
システム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムにおいて、
前記制御装置は、前記変形可能な部分が変形されていない時に、第1のインピーダンスを測定し、前記変形可能な部分が偏向している時に、第2のインピーダンスを測定し、さらに、前記第2のインピーダンスを前記第1のインピーダンスに対して比較することにより、前記プローブの偏向を決定するように、構成されている、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−21218(P2007−21218A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−194552(P2006−194552)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(500520846)バイオセンス・ウェブスター・インコーポレイテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster, Inc.
【住所又は居所原語表記】3333 Diamond Canyon Road, Diamond Bar, California 91765, U.S.A.
【Fターム(参考)】