説明

ハイブリッド通信システム

【課題】動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供する。
【解決手段】本発明によるハイブリッド通信システム100Aは、パケット用光パスPKTの動的な再設定に際してパケット用光パスPKTを入パケット処理部4iの順位に従い詰めて接続する光パスクロスコネクト部30と、光パスの再設定に対応したパケット用光パスPKTの行先となる出パケット処理部5iの入出力端子を示す内部タグをヘッダHに付加する入パケット処理部4iと、内部タグに基づいてIPパケットのパケットスイッチングを行う複数のパケットスイッチエレメント6uiの多段構成からなるパケットスイッチ部60と、IPパケットの内部タグを除去して、出回線終端部2iに出力する出パケット処理部5iと、使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i、及びパケットスイッチエレメント6uiを抽出してパワーをオフするパワー制御部71を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハイブリッド通信システムに関する。詳しくは、光パスのクロスコネクトならびにパケットスイッチングの両方の機能を有するハイブリッド通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットトラヒックの継続的な増加に伴い、通信システム、特にIP(インターネットプロトコル)ルータの消費電力の増大が懸念されており、例えば図17に示すように、大容量のトラヒックフローに対して、IPルータでのパケット処理を光クロスコネクト等を介して光パス等でカットスルーすることにより、ネットワークとしての低消費電力化を図る方式が提案されている。(例えば、非特許文献1参照)
【0003】
一方、IPルータと光クロスコネクトを組み合わせて、光パスの動的な設定により、インターネットトラヒックの交流パターンなどに最適なネットワークトポロジーを構成する技術が提案されている。(例えば、非特許文献2参照)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】佐藤健一、“持続的発展可能な情報通信ネットワークと光ネットワーク技術の役割”、電子情報通信学会学会誌、Vol.93,No.8,pp.654−658,2010年8月.
【非特許文献2】大木英司他、“IPオプティカルネットワークにおける光IP連携サーバによるマルチレイヤトラヒックエンジニアリング”、NTT技術ジャーナル、Vol.19,No.1,pp.18−21,2007年1月.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、IPルータの容量の配備に当たっては将来の需要を見込んだ最大量の配備を行うことが通常であり、その容量分の消費電力が固定的に消費されること、また動的に光パスの設定・開放を行っても、システムとして動的に消費電力を低減させる仕組みがないため、ノード装置として抜本的な低消費電力化を図ることができなかった。特に、多重化回線では回線対応部分の構成比重が高くなるので、その部分の消費電力が大きくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るハイブリッド通信システム100Aは、例えば図1に示すように、ネットワークNW(図2参照)内のノードにあって、光パスが多重化された入回線からのIP(インターネットプロトコル)パケットを光パスクロスコネクトとパケットスイッチングにより宛先に応じて光パスが多重化された出回線Oiにスイッチングするハイブリッド通信システムであって、入回線Iiをカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTに分離する入回線終端部1iと、分離されたカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTを集約して出回線Oiに多重化する出回線終端部2iと、カットスルー用光パスCTについては入回線終端部1iと出回線終端部2i間を接続し、パケット用光パスPKTについては入回線終端部1iと内部出力端子8i間を接続し、かつ、出回線終端部2iと内部入力端子9i間を接続する光パスクロスコネクト部30と、光パスクロスコネクト部30の内部出力端子8iを通して入回線終端部1iからIPパケットを受け取り、IPパケットのヘッダH(図3参照)を参照してパケット用光パスPKTの所定の行先を示す内部タグをヘッダHに付加し、内部タグが付加されたIPパケットを出力する入パケット処理部4iと、内部タグに基づいてIPパケットのスイッチングを行う複数のパケットスイッチエレメント6ui(uは段目)の多段構成からなるパケットスイッチ部60と、パケットスイッチ部60から内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、内部タグを除去して、光パスクロスコネクト部30の内部入力端子9iを通して出回線終端部2iに出力する出パケット処理部5iと、ネットワークNWのトラヒックパターンに応じて、パケット用光パスPKTを動的に再設定し、また、パケット用光パスPKTの再設定に対応した内部タグ情報を入パケット処理部4iに送信するシステム制御部70とを備え、所定の行先は出パケット処理部5iの入出力端子であり、光パスクロスコネクト部30は、パケット用光パスPKTの動的な再設定の際にパケット用光パスPKTを入パケット処理部4iの予め定められた順位に従い詰めてパス設定のスイッチングを行い、入パケット処理部4iは、光パスの動的な再設定のために、内部タグを付け替え、パケットスイッチ部60は、付け替えられた内部タグに従って目的の出回線終端部2iにIPパケットを転送するようにパケット用光パスPKTをスイッチングし、システム制御部70は、光パスクロスコネクト部30及びパケットスイッチ部60のスイッチングにより、パケット用光パスのPKTの経路として使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i、及びパケットスイッチ部60のパケットスイッチエレメント6uiを再設定後の光パスの接続状態から抽出してパワーをオフするパワー制御部71を有する。
【0008】
ここにおいて、典型的には、光パスのクロスコネクト(回線交換)機能を有するものを光パスクロスコネクト部30、IPパケットのルータ機能を有するものをパケットスイッチ部60として記載している。しかしながら、例えば、入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iの中にもパケットスイッチエレメントを設け、これらのパケットスイッチエレメントをパケットスイッチ部60に含めても良く、光パスクロスコネクト部30を第1のコネクト部31と第2のコネクト部32(図10参照)を有するものとし、第1のコネクト部31を入回線終端部1iと内部出力端子8i間を接続し及び出回線終端部2iと内部入力端子9i間を接続するために使用し、第2のコネクト部32をパケットスイッチ部60のパケットスイッチエレメント間を接続するために使用しても良い。この場合、第2のコネクト部32で行なったパケットスイッチエレメント間の接続を用いてパケットスイッチ部60でパケットスイッチングを行なうことになる。また、光パスクロスコネクト部30は光ファイバー間を光信号−光信号でスイッチングしても良く、光信号−電気信号−光信号でスイッチングしても良い。また、パケットスイッチは典型的にはヘッダHを参照してスイッチングを制御するが、その際にセルフスイッチングのみならずスイッチ制御部を設け、そこからの制御によりスイッチングしても良い。更に、制御信号には光信号を用いても良く、電気信号を用いても良い。また、所定の行先は典型的には、出パケット処理部5iの入出力端子であるが、出パケット処理部5iの出力端子に繋がる出回線終端部2iの回線収容位置(端子)を用いても良い。
【0009】
入出力端子には入力端子と出力端子が含まれるがその一方でも良い。また、入パケット処理部4iの出力端子及び出パケット処理部5iの入力端子は実質的な入力端子及び出力端子であれば良い。例えば、パケットスイッチエレメントが入パケット処理部4i又は出パケット処理部5iに内蔵されている場合であって、各パケット処理部が、本来のパケット処理部の機能を有する部分と内蔵のパケットスイッチエレメントの部分に明確に分けられ、それぞれ独自の機能を分担する場合には、入パケット処理部の機能を有する部分から内蔵のパケットスイッチエレメントへの内部出力端子は実質的な入パケット処理部の出力端子といえ、内蔵のパケットスイッチエレメントから出パケット処理部の機能を有する部分への内部入力端子は実質的な出パケット処理部の入力端子であるといえる。したがって、本態様における入パケット処理部4iの出力端子及び出パケット処理部5iの入力端子にはこれらの内部出力端子及び内部入力端子が含まれる。また、内部出力端子8iと内部入力端子9iは単数でも複数でも良く、入回線終端部1iと内部出力端子8i間の接続及び内部入力端子9iと出回線終端部2i間の接続は、セレクタを介するものでも良い。また、「動的」とは、システム動作中のトラヒックの変化による光パスの変化に即時に又は特定の時刻に追随しての意味である。典型的には、光パスクロスコネクト部の回線スイッチングは例えば一定時間(3時間、6時間、昼と夜等)を区切って行なわれ、光パスクロスコネクト部30のスイッチングはパケット毎に行なわれる。本実施例では、パケット用光パスPKTを再設定するときは、入パケット処理部4iで予め定められた順位に従って上位から詰めるように行なわれる。
【0010】
本態様のように構成すると、パワーセーブするためにパスを再設定することにより、再設定後にパス設定がない部分をパワーオフすることができ、動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供できる。すなわち、IPルータと光クロスコネクトの両方の機能を有し、カットスルー用光パスCTの動的な設定・開放と同時にパケット用光パスPKTの経路を適時に再構成して、求められるIPパケット処理量に必要なシステムエレメントのみをアクティブにし、それ以外のエレメントはパワーオフすることにより低消費電力化できるハイブリッド通信システムを提供できる。
【0011】
本発明の第2の態様に係るハイブリッド通信システム100Aは、第1の態様において、例えば図1に示すように、各入パケット処理部4iは、内部出力端子8iからIPパケットを受け取る入力端子と、内部タグが付加されたIPパケットをパケットスイッチ部60に出力する出力端子を有し、各出パケット処理部5iは、パケットスイッチ部60から内部タグを付加されたIPパケットを受け取る入力端子と、内部タグを除去されたIPパケットを内部入力端子9iに出力する出力端子を有し、パケットスイッチ部60は、入パケット処理部4iの出力端子から内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、複数のパケットスイッチエレメント6uiの多段構成にて、内部タグに基づきIPパケットのパケットスイッチングを行い、出パケット処理部5iの入力端子へ内部タグを付加されたIPパケットを出力する。
【0012】
本発明の第3の態様に係るハイブリッド通信システム100Cは、第1の態様において、例えば図13に示すように、光パスクロスコネクト部30は、パケット用光パスPKTについては、入回線終端部1iからパケット入力端子34iを介して入パケット処理部4iに接続し、出パケット処理部5iからパケット出力端子35iを介して出回線終端部2iに接続するセレクタ33iと、入回線終端部1iの出力端子から分離されたカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTをセレクタ33iに接続する光パス集線部34と、セレクタ33iからのカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTを出回線終端部2iの入力端子に分配する光パス分配部35を有し、各入パケット処理部4iは、セレクタ33iのパケット入力端子36iからIPパケットを受け取るの入力端子と、パケットスイッチ部60の入力端子へ内部タグを付加されたIPパケットを出力し、出パケット処理部5iは、パケットスイッチ部60から内部タグを付加されたIPパケットを受け取る入力端子と、内部タグを除去されたIPパケットをセレクタ33iのパケット出力端子37iに出力する出力端子を有し、パケットスイッチ部60は、入パケット処理部4iの出力端子から内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、複数のパケットスイッチエレメント6uiの多段構成にて、内部タグに基づきIPパケットのパケットスイッチングを行い、出パケット処理部5iの入力端子へ内部タグを付加されたIPパケットを出力する。
【0013】
ここにおいて、パケット出力端子35iは内部出力端子8iに含まれ、パケット入力端子34iは内部入力端子9iに含まれる。本態様のように構成すると、光パスクロスコネクト部30におけるクロスコネクトにセレクタ33iを使用することにより、光パスを上位の入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに集められ、下位の入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iへの接続をなくすことにより、低消費電力化を図ることができる。
【0014】
本発明の第4の態様に係るハイブリッド通信システムは、第1の態様において、光パスクロスコネクト部30は、パケット用光パスPKTについては、入回線終端部4iからの入力端子との内部第一出力端子81i間、及び内部第三入力端子93iと出回線終端部2iへの出力端子間を接続する第1のコネクト部31と、内部第一入力端子91iと内部第二出力端子82i間、及び内部第二入力端子92iから内部第三出力端子83iを接続する第2のコネクト部32を有し、の各入パケット処理部4iは、内部第一出力端子81iからIPパケットを受け取るの入力端子と、内部タグが付加されたIPパケットを前記内部第一入力端子91iに出力するの内部出力端子を有し、各出パケット処理部5iは、前記内部第三出力端子83iから内部タグを付加されたIPパケットを受け取る内部入力端子と、内部タグを除去されたIPパケットを内部第三入力端子93iに出力する出力端子を有し、パケットスイッチ部60は、内部第二出力端子から内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、内部タグに基づきIPパケットのパケットスイッチングを行い、前記内部第二入力端子に出力する。
【0015】
ここにおいて、内部第一出力端子81iないし内部第三出力端子83iは内部出力端子8iに含まれ、内部第一入力端子91iないし内部第三入力端子93iは内部入力端子9iに含まれる。本態様のように構成すると、パケットスイッチエレメント6ui間の接続にクロスコネクトを用いるので、パケットスイッチエレメント6ui間の接続の自由度が高くなり、光パスを上位の入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに集められ、低消費電力化に有効である。
【0016】
本発明の第5の態様に係るハイブリッド通信システム100A3は、第2ないし第4のいずれかの態様において、例えば図7に示すように、入パケット処理部4iはパケットスイッチ部60の初段のパケットスイッチエレメント61iを内蔵し、出パケット処理5i部はパケットスイッチ部60の最終段のパケットスイッチエレメント63iを内蔵し、入パケット処理部4iの出力端子は、初段のパケットスイッチエレメント611への内部出力端子をいい、出パケット処理部5iの入力端子は、最終段のパケットスイッチエレメント631からの内部入力端子をいうものとする。
【0017】
ここにおいて、内蔵とは同じ筐体、ボード、パッケージ等に実装されることを意味し、本願の態様では、各パケット処理部が、本来のパケット処理部の機能を有する部分と内蔵のパケットスイッチエレメントの部分に明確に分けられ、それぞれ独自の機能を分担する。。したがって、入パケット処理部4iにおける初段のパケットスイッチエレメント611への内部出力端子が実質的な入パケット処理部4iの出力端子であり、出パケット処理部5iにおける最終段のパケットスイッチエレメント631への内部出力端子が実質的な出パケット処理部5iの出力端子である。したがって、本態様における内部出力端子は第1の態様における入パケット処理部4iの出力端子に該当し、本態様における内部入力端子は第1の態様における出パケット処理部5iの入力端子に該当する。本態様のように構成すると、入パケット処理部4iと初段のパケットスイッチエレメント61i、出パケット処理5i部と最終段のパケットスイッチエレメント63iへのパワーのオンオフを連動できる。
【0018】
また、本発明の第6の態様に係るハイブリッド通信システム100A1は、第2ないし第5のいずれかの態様において、例えば図5に示すように、入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iの、光パスコネクト部30との接続端子数rがパケットスイッチ部60との接続端子数sより大きく、光パスコネクト部30との接続端子数rは可変に設定可能である。
ここにおいて、接続端子数rの設定は例えば入パケット処理部4iで行なう。本態様のように構成すると、光パスを上位の入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに接続できる機会を多くできるので、低消費電力化に有効である。
【0019】
また、本発明の第7の態様に係る記載のハイブリッド通信システム100A2は、第2ないし第6のいずれかの態様において、例えば図6に示すように、パケットスイッチ部60のパケットスイッチエレメント6uiが3段以上の多段構成であり、隣接するスイッチエレメント段の任意のスイッチエレメント間は少なくとも1つのリンクで接続される。
ここにおいて、例えば多段構成は、第1段のスイッチエレメント61iはm個、第2段のスイッチエレメント62iはk個、第3段のスイッチエレメント63iはm個とする。本態様のように構成すると、各入パケット処理部4iと各出パケット処理部5i間の接続可能な経路を増加できるので、光パスを上位の入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに集められ、低消費電力化に有効である。k>n(第1段目の入力端子数n、出力端子数k)でこの効果が生じる。また、k>mのときに選択できる経路が多くなり、効果を促進するので好ましい。
【0020】
また、本発明の第8の態様に係るハイブリッド通信システム100A4は、第7の態様において、例えば図8に示すように、隣接するスイッチエレメント段の任意のスイッチエレメント6ui間は複数リンクで接続される。
このように構成すると、各スイッチエレメント6ui間の接続ルートを増加できるので、光パスを上位の入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに集められ、低消費電力化に有効である。
【0021】
本発明の第9の態様に係るハイブリッド通信システム100Dは、例えば図14に示すように、ネットワークNW内のノードにあって、光パスが多重化された入回線からのIP(インターネットプロトコル)パケットを光パスクロスコネクトとパケットスイッチングにより宛先に応じて光パスが多重化された出回線Oiにスイッチングするハイブリッド通信システムであって、入回線Iiをカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTに分離する入回線終端部1iと、分離されたカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTを集約して出回線Oiに多重化する出回線終端部2iと、IPパケットの処理とスイッチングを行なうパケット処理スイッチング部60zと、カットスルー用光パスCTについては入回線終端部1iと出回線終端部2i間を接続し、 パケット用光パスPKTについては入回線終端部1iとパケット処理スイッチング部60z間、パケット処理スイッチング部60zと出回線終端部2i間でIPパケットの回線接続を行う複数の光パススイッチエレメント3uiの多段構成からなる光パススイッチエレメント網30aと、ネットワークNWのトラヒックパターンに応じて、パケット用光パスPKTを動的に再設定し、また、パケット用光パスPKTの再設定に対応したパケット処理スイッチング部60zを制御するシステム制御部70とを備え、パケット処理スイッチング部60zは、入回線終端部1iから光パススイッチエレメント網30aを通してIPパケットを受け取り、システム制御部70から送信された内部タグ情報に基づいて、IPパケットのヘッダHを参照してパケット用光パスPKTの所定の行先を示す内部タグをヘッダHに付加し、内部タグが付加されたIPパケットを出力する入パケット処理部4iと、入パケット処理部で4i付加された内部タグに基づいてIPパケットのパケットスイッチングを行う複数のパケットスイッチエレメント6uhの多段構成からなるパケットスイッチ部60と、パケットスイッチ部60から内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、内部タグを除去して、光パススイッチエレメント網30aを通して出回線終端部2iに出力する出パケット処理部5iとを有し、所定の行先は出パケット処理部5iの入出力端子であり、光パススイッチエレメント網30aは、パケット用光パスPKTの動的な再設定の際にパケット用光パスPKTを入パケット処理部4iの予め定められた順位に従い詰めてパス設定のスイッチングを行い、入パケット処理部4iは、光パスの動的な再設定のために、内部タグを付け替え、パケットスイッチ部60は、付け替えられた内部タグに従って目的の出パケット処理部5iの入出力端子にIPパケットを転送するようにパケット用光パスPKTをスイッチングし、システム制御部70は、光パススイッチエレメント網30a及びパケットスイッチ部60のスイッチングにより、パケット用光パスの経路として使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i、及び第パケットスイッチ部60のパケットスイッチエレメント6uhを再設定後の光パスの接続状態から抽出してパワーをオフするパワー制御部71を有する。
【0022】
ここにおいて、典型的には、光パスのクロスコネクト(回線スイッチング)機能を用いるものを光パススイッチエレメント網30a、IPパケットのルータ機能を用いるものをパケットスイッチング部60として整理した。光パススイッチエレメント網部30aは複数の光パススイッチエレメント36uiの多段構成であり、パケットスイッチング部60は複数のパケットスイッチエレメントの多段構成である。しかしながら、パケットスイッチング部60のパケットスイッチエレメントの各段は物理的に連続しているものに限られず、光パススイッチエレメント網30aの光パススイッチエレメント3uiを介して接続されても良い。この場合、光パススイッチエレメント網30aで行なったパケットスイッチ部60のパケットスイッチエレメント間の接続を用いてパケットスイッチ部60でパケットスイッチングを行なうことになる。
【0023】
本態様のように構成すると、パワーセーブするためにパスを再設定することにより、再設定後にパス設定がない部分をパワーオフすることができ、動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供できる。また、光パススイッチエレメント網30aを用いることにより、低消費電力化を図るハイブリッド通信システムを構成できる。
【0024】
本発明の第10の態様に係るハイブリッド通信システム100Dは、第9の態様において、例えば図14に示すように、光パススイッチエレメント網30aは、パケット用光パスPKTについては、入回線終端部1iからの入力端子と入パケット処理部4iへの出力端子を有する光パススイッチエレメントの前段部分の多段構成からなる集線部30b、出パケット処理部5iからの入力端子と出回線終端部2iへの出力端子を有する光パススイッチエレメント3uiの後段部分の多段構成からなる分配部30dを有し、各入パケット処理部4iは、集線部30bの光パススイッチエレメント36xiの出力端子からIPパケットを受け取る入力端子と、集線部30bの光パススイッチエレメント3xiの入力端子に内部タグが付加されたIPパケットを出力するの出力端子を有し、各出パケット処理部5iは、分配部30dの光パススイッチエレメント3(x+2)iから内部タグを付加されたIPパケットを受け取る入力端子と分配部30dの光パススイッチエレメント3(x+2)iに内部タグを除去されたIPパケットを出力する出力端子を有し、パケットスイッチ部60は、入パケット処理部4iに内蔵され、入パケット処理部4i内の内部出力端子から内部タグを付加されたIPパケットを受け取る第1段目のパケットスイッチエレメントと、出パケット処理部5iに内蔵され、出パケット処理部5i内の内部入力端子へ内部タグを付加されたIPパケットを出力する第N段目のパケットスイッチエレメントと、集線部30bと分配部30dを接続するパケットスイッチング部30cの光パススイッチエレメント3(x+1)iからIPパケットを受け取る入力端子と、パケットスイッチング部30cの光パススイッチエレメント3(x+1)iにIPパケットを出力する出力端子を有し、パケットスイッチングを行なう第2段目ないし第(N−1)段目のパケットスイッチエレメント62h〜6(N−1)hとを有し、複数のパケットスイッチエレメント6uhの多段構成にて、内部タグに基づきIPパケットのパケットスイッチングを行う。
【0025】
ここにおいて、パケットスイッチエレメントの多段構成は、パケット処理スイッチング部60zに含まれ、光パススイッチエレメント網30aには含まれない。パケットスイッチ部60は、これら第1段目〜第N段目のパケットスイッチエレメント6uhを多段構成することにより構成される。また、光パススイッチエレメント網30aは前段部分の集線部30b(31i〜3xi)、後段部分の分配部30d(3(x+2)i〜3ni、nは段数)及びその間にパケットスイッチング部30c(3xi〜3(x+2)i)を有する。入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及び子パケットスイッチ部60diに接続される光パススイッチエレメント3x1〜3(x+2)iがパケットスイッチング部30cを構成する。また、パケットスイッチング部30cは一部の光パススイッチエレメントを集線部30b及び分配部30dと共用しても良い。
【0026】
本発明の第11の態様に係るハイブリッド通信システムは、第1ないし第9のいずれかの態様において、例えば図15に示すように、少なくとも入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチ部60のいずれかにアラームをマスクするアラーム制御部72を有し、パワーオフの前にアラームをマスクする。
このように構成すると、アラームをマスクでき、パワーオフ時にもシステムが正常動作を継続可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例1におけるハイブリッド通信システムの構成例を示す図である。
【図2】ハイブリッド通信システムを含むネットワーク全体のトポロジーの例を示す図である。
【図3】ハイブリッド通信システムにおけるパケット系の流れの例を示す図である。
【図4】ハイブリッド通信システムにおけるパワーオフまでの流れの例を示す図である。
【図5】実施例2におけるハイブリッド通信システムの構成例を示す図である。
【図6】実施例3におけるパケットスイッチ部の構成例を示す図である。
【図7】実施例4におけるパケットスイッチ部の構成例を示す図である。
【図8】実施例5におけるパケットスイッチ部の構成例を示す図である。
【図9】実施例6におけるパケットスイッチ部の構成例を示す図である。
【図10】実施例7におけるハイブリッド通信システムの構成例を示す図である。
【図11】実施例8における光パスクロスコネクト部の構成例を示す図である。
【図12】実施例9におけるパケットスイッチ部の構成例を示す図である。
【図13】実施例10におけるハイブリッド通信システムの構成例を示す図である。
【図14】実施例11におけるハイブリッド通信システムの構成例を示す図である。
【図15】実施例12におけるアラーム制御部の構成例を示す図である。
【図16】アラーム制御を行なう時の手順例を示す図である。
【図17】カットスルーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において、互いに同一又は相当する部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【実施例1】
【0030】
図1に実施例1におけるハイブリッド通信システム100Aの構成例を示す。ハイブリッド通信システム100Aは、ネットワークNW(図2参照)内のノードにあって、光パスが多重化(p重)された入回線Ii(i=1〜q)からのIP(インターネットプロトコル)パケットを宛先に応じて光パスが多重化(p重)された出回線Oi(i=1〜q)に接続する。ハイブリッド通信システム100Aは、入回線終端部1i(i=1〜q)、出回線終端部2i(i=1〜q)、光パスクロスコネクト部30、入パケット処理部4i(i=1〜t)、出パケット処理部5i(i=1〜t)、パケットスイッチ部60及びシステム制御部70を備える。
【0031】
入回線終端部1i(i=1〜q)は、p個(p≧1)の光パスが多重化されたq個(q≧1)の入回線Ii(i=1〜q)をハイブリッド通信システム100Aに取り込み、入回線Iiからカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTを分離する。各入回線Iiは波長λi1〜λip(i=1〜q)によりp重に多重化されている。出回線終端部2i(i=1〜q)は、ハイブリッド通信システム100Aで分離されたカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTを集約して、出回線Oi(i=1〜q)に多重化し、ハイブリッド通信システム100Aから光パスを送出する。各出回線Oiは波長λi1〜λip(i=1〜q)によりp重に多重化されている。
【0032】
光パスクロスコネクト部30は、入回線終端部1iからのp・q個の入力端子、j個(p・q≧j≧1)の内部出力端子8i(i=1〜j)、j個の内部入力端子9i(i=1〜j)及び出回線終端部2iへのp・q個の出力端子とを収容し、カットスルー用光パスCTについては入回線終端部1iと出回線終端部2i間を接続し、パケット用光パスPKTについては入回線終端部1iと内部出力端子8i間および内部入力端子9iと出回線終端部2i間を接続する。
【0033】
入パケット処理部4i(i=1〜t)はt個(t≧1,r・t≦j)あり、各入パケット処理部4iはr個の入力端子でj個の内部出力端子8iからIPパケットを受け取り、IPパケットのヘッダH等を参照して、パケット用光パスPKTの行先となる出パケット処理部5iの入出力端子を示す内部タグをヘッダHに付加し、s個(s≧1)の出力端子からIPパケットを出力する。
【0034】
出パケット処理部5i(i=1〜t)はt個あり、s個の入力端子から内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、内部タグを除去して、r個の内部入力端子9iにIPパケットを渡す。IPパケットは内部入力端子9iを通して出回線終端部2iに出力される。
【0035】
パケットスイッチ部60は、内部タグに基づいてIPパケットのスイッチング(スイッチング)を行う複数のパケットスイッチエレメント611〜63tの多段構成からなり、入パケット処理部4iのt・s個の出力端子から内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、内部タグに基づきIPパケットのスイッチングを行ない、出パケット処理部5iのt・s個の入力端子に出力する。1段目(初段)の各パケットスイッチエレメント61i(i=1〜t)は各入パケット処理部4iのs個の出力端子からIPパケットを受け取り、3段目(最終段)の各パケットスイッチエレメント63i(i=1〜t)は各出パケット処理部5iのs個の入力端子にIPパケットを渡す。
【0036】
システム制御部70は、ハイブリッド通信システム全体100Aを管理・制御すると共に、ネットワークNWのトラヒックパターンに応じて、パケット用光パスを動的に再設定し、パケット用光パスの再設定に対応した内部タグ情報を入パケット処理部4iに送信する。また、システム制御部70はパワー制御部71を有する。パワー制御部71は、光パスクロスコネクト部30及びパケットスイッチ部60のスイッチングにより、パケット用光パスPKTの経路として使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチエレメント6ui(uは段目、u=1〜3)を再設定後の光パスの接続状態から抽出し、抽出された入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチエレメント6uiのパワーをオフする。これにより、ハイブリッド通信システム100Aの消費電力が節減される。
【0037】
本実施例における消費電力節減は、次のように行なわれる。まず、光パスクロスコネクト部30は、光パスの動的な再設定の際にパケット用光パスPKTを内部出力端子8iの上から順に詰めるようにパス設定のスイッチングを行う。すなわち、入パケット処理部4iの順位に従って上位から(例えば番号順に)かつ同一入パケット処理部4iにおいては入力端子の順位に従って上位から(例えば番号順)に詰めるようにスイッチングを行う。ただし、入力端子について空いた端子を見つけてスイッチングしても良い。かかる状況において、ネットワークNWのトラヒックパターンが動的に変化する。この場合、トラヒックパターンの変化によりパスの動的増減が生じる。入パケット処理部4iは、パスの動的な再設定のために内部タグの付け替えを行う。次に、パケットスイッチ部60は、付け替えられた内部タグに従って目的の出パケット処理部5iの入出力端子にIPパケットを転送するようにパケット用光パスPKTをスイッチングする。パケットスイッチ部60から出力されたパケット用光パスPKTは、光パスクロスコネクト部30を通って、目的の出回線終端部2iに接続される。次に、パワー制御部71は、光パスクロスコネクト部30及びパケットスイッチ部60のスイッチングにより、パケット用光パスPKTの経路として使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチエレメント6ui(uは段目、u=1〜3)を再設定後の光パスの接続状態から抽出し、パワーをオフする。
【0038】
本発明によれば、使用しないシステムパーツをパワーオフすることにより低消費電力化を図ることができる。
【0039】
図2にハイブリッド通信システム100Aを含むネットワークNW全体のトポロジーの例を示す。図2(a)はネットワークNW全体のトポロジーの構成例を示す図であり、図2(b)は内部タグテーブルTBのコピーを説明するための図である。図2(a)に示すように、各ハイブリッド通信システム100AはネットワークNWを構成し、システム間光パスSOPによりネットワークNW内のハイブリッド通信システム100A間で情報を伝送する。ここで、各システム間光パスSOPはハイブリッド通信システム100A間の通信に使用される光の波長をつなぎ合わせて形成される。ネットワークNWでは、各ハイブリッド通信システム100Aからの情報をPCE(パスコンピュテーションエレメント:Path Computation Element)に集約し、ネットワークNWにおける光パス設定パターンを計算する。各ハイブリッド通信システム100Aは、収容光パスリソース情報(常時接続用波長数、動的接続用波長数、光パス設定情報、等)、収容パケット処理リソース情報(最大パケット処理量、パケット処理粒度、使用パケット処理量等)のシステム情報をパスコンピュテーションエレメントPCEに広報する。また、各ハイブリッド通信システム100Aは、常時、トラヒック情報(システム間でのフローや大規模フロー)を観測してパスコンピュテーションエレメントPCEにレポートする。これらの報告(広報、レポート等)はパスコンピュテーションエレメントPCEと各ハイブリッド通信システム100Aとの間に常時接続された常時接続光パスDOPを用いて行なわれる。これにより、パスコンピュテーションエレメントPCEはネットワークNW全体のトポロジーを把握するとともに、動的に割り当て可能な波長情報を把握する。
【0040】
パスコンピュテーションエレメントPCEは、各システムからレポートされたトラヒック情報を蓄積し、指定のタイムフレーム(昼間、夜間、休日等)で、システム間トラヒックの傾向を推定し、最適なリソース割り当て(各システム間光パス、各ノードの使用パケット処理量)を計算する。そして、計算結果に基づき指定のタイムフレームで各ハイブリッド通信システム100Aにコンフィグレーション(トラヒックの構成)変更を指示する。各ハイブリッド通信システム100Aは、パスコンピュテーションエレメントPCEにより指示されたコンフィグレーションに基づいて光パスをクロスコネクトするとともに、パケット用光パスPKTに関しては、システム制御部70にて、そのパケット用光パスPKTの行先となる出パケット処理部5iの入出力端子を示す内部タグを作成し、各IPパケットを転送すべきネットワークNWのアドレスであるIPアドレスのマッピング情報としての内部タグテーブルTBを作成する。
【0041】
図2(b)に示すように、ハイブリッド通信システム100Aのシステム制御部70で作成された内部タグテーブルTBは、その後、入パケット処理部4iにコピーされる。入パケット処理部4iは入回線終端部1iと光パスクロスコネクト部30を介してパケット用光パスPKTから受け取ったIPパケットのヘッダH(IPアドレス)をキーにして、自身の内部タグテーブルTBを検索し、検索された内部タグをヘッダHに付加して、パケットスイッチ部60に転送する。パケットスイッチ部60では、内部タグに基づきスイッチングが行われ、目的のパケット用光パスPKTの行先としての出パケット処理部5iの入出力端子を通してIPパケットが転送される。
【0042】
図3にハイブリッド通信システム100Aにおけるパケット系の流れの例を示す。図3(a)にパケット系の流れを示し、図3(b)に内部タグテーブルTBの例を示し、図3(c)に処理フロー例を示す。図3(b)の内部タグテーブルTBには、IPパケットを転送すべきネットワークNWのアドレスであるIPアドレス、内部タグ1及び内部タグ2が記憶されている。内部タグ1と内部タグ2は、それぞれ、IPアドレスに向かう光パスの出パケット処理部5iのパケットスイッチ部60側の端子(入力端子)と内部入力端子9i側の端子(出力端子)を示す。
【0043】
図3(a)、(c)を参照して処理フロー例を説明する。まず、入回線終端部1iにて、光パスをカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTに分離する(ステップS101)。次に、光パスクロスコネクト部30にて、パケット用光パスPKTを内部出力端子8iに接続する。例えばIPアドレスがIP1,IP2,IP3のパケットをそれぞれ、r(t−1)+1番目の内部出力端子8(r(t−1)+1)、1番目の内部出力端子81、r番目の内部出力端子8rに接続する(ステップS102)。次に、入パケット処理部4iにて、内部出力端子8iからIPパケットを受け取り、IPパケットのヘッダH等を参照して内部タグをヘッダHに付加し、パケットスイッチ部60にIPパケットを出力する(ステップS103)。ヘッダHは図3(a)にも例示されている。次に、パケットスイッチ部60にて、内部タグに基づいてIPパケットのスイッチングを行う(ステップS104)。次に、出パケット処理部5iにて、内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、内部タグを除去して、r個の内部入力端子9iにIPパケットを渡す(ステップS105)。次に光クロスコネクト部30にて、目的とする出回線終端部2iに接続する(ステップS106)。
【0044】
図3(b)の内部タグテーブルTBの例では、IPアドレスIP1に対しては、内部タグ1としてt1が、内部タグ2としてt1が記憶されており、入パケット処理部4iでIP1(IPa)を検索して、t1,t1のように内部タグが付され、これに基づいてパケットスイッチ部60では出パケット処理部5iの入力端子t1、出力端子t1に到るようにスイッチングされ、上からt番目の出パケット処理部5tの1番目の入力端子に入力されて内部タグが消去され、上からt番目の出パケット処理部5tの1番目の出力端子から出力されてr(t−1)+1番目の内部入力端子9(r(t−1)+1)に到る。IPアドレスIP2に対しては、内部タグ1として11が、内部タグ2として11が記憶されており、入パケット処理部4iでIP2(IPb)を検索して、11,11のように内部タグが付され、これに基づいてパケットスイッチ部60では出パケット処理部5iの入力端子11、出力端子11に到るようにスイッチングされ、上から1番目の出パケット処理部51の1番目の入力端子に入力されて内部タグが消去され、上から1番目の出パケット処理部51の1番目の出力端子から出力されて1番目の内部入力端子91に到る。IPアドレスIP3に対しては、内部タグ1として1sが、内部タグ2として1rが記憶されており、入パケット処理部4iでIP3(IPc)を検索して、1s,1rのように内部タグが付され、これに基づいてパケットスイッチ部60では出パケット処理部5iの入力端子1s、出力端子1rに到るようにスイッチングされ、上から1番目の出パケット処理部51のs番目の入力端子に入力されて内部タグが消去され、上から1番目の出パケット処理部51のr番目の出力端子から出力されてr番目の内部入力端子9rに到る。
【0045】
図4にハイブリッド通信システム100Aにおけるパワーオフまでの流れの例を示す。図4(a)にパワーオフまでの流れを示し、図4(b)に内部タグテーブルTBの例を示し、図4(c)に処理フロー例を示す。図4(a)、(c)を参照して処理フロー例を説明する。まず、トラヒックパターンの変化により、システム制御部70にて、パスコンピュテーションエレメントPCEからの指示を受けて、光パスクロスコネクト部30の接続パターンを再設定し、内部タグ及び内部タグテーブルTBを更新する(ステップS201)。図4(b)の内部タグテーブルTBの例では、図3(b)の内部タグテーブルTBにおけるIPアドレスIP2がなくなり、その内部タグ1の11、内部タグ2の11に対応する1番目の内部出力端子81と入パケット処理部41の入力端子と出力端子に空きが生じたので、IPアドレスIP1の内部タグ1を11、内部タグ2を11に変更している。すなわち、IPアドレスIP2が無くなったことに対応して、パケット用光パスPKTを内部出力端子8iの上から順に詰めるように入パケット処理部4iの番号順にかつ同一入パケット処理部4iにおいては入力端子の番号順に詰めるように内部タグを変更している。
【0046】
次に、光パスクロスコネクト部30では、システム制御部70からの指示を受けて、パケット用光パスPKTを内部出力端子8iの上から順に詰めるように接続する(ステップS202)。図4の例では、点線の光パスを削除し、r(t−1)+1番目の内部出力端子8(r(t−1)+1)に接続していた光パスを1番目の内部出力端子81(太線)に接続するように変更している。同時に、入パケット処理部4iにて、システム制御部70からの指示を受けて、内部タグテーブルTBを書き換える(ステップS203)。これにより、パケットスイッチ部60は、付け替えられた内部タグに従って目的の出回線終端部2iにIPパケットを転送するようにパケット用光パスPKTをスイッチングするようになる。さらに、パワー制御部71では、システム制御部70からの指示を受け、パケット用光パスPKTの経路として使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチエレメント6ui(uは段目、u=1〜3)を再設定後の光パスの接続状態から抽出し、パワーをオフする。例えば制御部70は自己が有するパス情報と実装しているハードウェアの対応関係を照合して、当該ハードウェアをパワーオフできるか確認することにより接続状態を抽出し、パワーオフできることを確認できたときにパワー制御部71にパワーオフを実行させる。図4の例では、図3で使用されていたt番目の入パケット処理部4t、t番目の出パケット処理部5t及びこれらのパケット処理部に連結されるパケットスイッチエレメント61t、63t(図中に斜線を付して示す)をパワーオフする。これにより、ハイブリッド通信システム100Aの消費電力が節減される。
【0047】
以上により、本実施例によれば、パワーセーブするためにパスを再設定することにより、再設定後にパス設定がない部分をパワーオフすることができ、動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供できる。すなわち、IPルータと光クロスコネクトの両方の機能を有し、カットスルー用光パスCTの動的な設定・開放と同時にパケット用光パスPKTの経路を適時に再構成して、求められるIPパケット処理量に必要なシステムエレメントのみをアクティブにし、それ以外のエレメントはパワーオフすることにより低消費電力化できるハイブリッド通信システムを提供できる。
【実施例2】
【0048】
図5に実施例2におけるハイブリッド通信システム100A1の構成例を示す。本実施例は実施例1の変形であり、実施例1との差異点を主に説明する。実施例2は入パケット処理部4i(i=1〜t)及び出パケット処理部5i(i=1〜t)の接続端子数に関するものである。各入パケット処理部4iおよび各出パケット処理部5iは、光パスクロスコネクト部30との接続端子数rをパケットスイッチ部60との接続端子数sよりも大きくし、パケット用光パスPKTの利用率に応じて、光パスクロスコネクト部30からのパケット用光パスPKTの接続端子数を可変に設定可能である。接続端子数の設定は例えば入パケット処理部4iにて行なう。
光パスの使用率が高い場合には、パケット処理部はその光パスをs本のみ収容するが、光パス使用率が低い場合にはs本以上最大r本まで収容してIPパケットを効率よく上位のパケット処理部に収容し、下位のパケット処理部をパワーオフすることで低消費電力化を図ることができる。
【実施例3】
【0049】
図6に実施例3におけるパケットスイッチ部60の構成例を示す。本実施例は実施例1の変形(ハイブリッド通信システム100A2)であり、実施例1との差異点を主に説明する。実施例3はパケットスイッチ部60の段構成に関するものである。パケットスイッチ部60は、複数の入出力端子を有する複数個のスイッチエレメント611〜61m,621〜62k,631〜63mを有し、スイッチエレメント段が3段で構成され、第1段目のスイッチエレメント61i段は入パケット処理部4iに接続されて入パケット処理部4iからIPパケットを受け取り、第3段目のスイッチエレメント63i段は出パケット処理部5iに接続されて出パケット処理部5iにIPパケットを出力し、隣接するスイッチエレメント段の任意のスイッチエレメント間は少なくとも一つのリンクで接続される。
【0050】
代表的な構成が3段構成であり、第1段目から第3段目までのスイッチエレメントのサイズおよび個数は
第1段目:n×k(入力端子数n、出力端子数k)、m個
第2段目:m×m(入力端子数m、出力端子数m)、k個
第3段目:k×n(入力端子数k、出力端子数n)、m個
とあらわされ、k≧nに設定する。
IPパケットは上部のパケット処理部に優先的に集まるため、第1段目及び第3段目においては、それらを収容するスイッチエレメントだけを用いればよく、下位の使用されないスイッチエレメントはパワーオフできる。すなわち、使用されるパケット処理部に接続されている第1段目及び第3段目のスイッチエレメント(例えば611〜61m1,631〜63m1、1≦m1≦m)と第2段目のスイッチエレメント(例えば621〜62k)のみパワ−オンする。なお、第2段目においても、使用するスイッチエレメントを制限してもよい(kをn以上で適切に設定可能としても良い)。パワーオフするスイッチエレメントは例えばパケット処理部4iで内部タグを付加する際に指定する。
【実施例4】
【0051】
図7に実施例4におけるパケットスイッチ部60の構成例を示す。本実施例は実施例1の変形(ハイブリッド通信システム100A3)であり、実施例1との差異点を主に説明する。実施例4はスイッチエレメントの一部を入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに含めるものである。第1段目のスイッチエレメント61i(i=1〜t)を入パケット処理部4iに、第3段目のスイッチエレメント63i(i=1〜t)を出パケット処理部5iに内蔵する。この場合、入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに内蔵されたスイッチエレメント61i,63iは、それぞれ入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに属すると共にパケットスイッチ部60にも属することになる。入パケット処理部4iの実質的な出力端子は、初段のパケットスイッチエレメント61iへの内部出力端子であり、出パケット処理部5iの実質的な入力端子は、最終段のパケットスイッチエレメント63iからの内部入力端子である。これにより、入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iとこれらに属するスイッチエレメント61i,63iのパワーオン・オフを連動して効率よく行える。
【実施例5】
【0052】
図8に実施例5におけるパケットスイッチ部60の構成例を示す。本実施例は実施例1の変形(ハイブリッド通信システム100A4)であり、実施例1との差異点を主に説明する。実施例5はパケットスイッチ部60においてパケットスイッチレメント間のリンクを複数にするものである。図8では上位の同一パケットスイッチレメント間のリンクを2重にしている。パケットスイッチ部60は、複数の入出力端子を有するスイッチエレメント611〜61m,621〜62k,631〜63mを複数個有し、スイッチエレメント段が3段で構成され、第1段目のスイッチエレメント61i段は入パケット処理部4iに接続されて入パケット処理部4iからIPパケットを受け取り、第3段目のスイッチエレメント段63iは出パケット処理部5iに接続されて出パケット処理部5iにIPパケットを出力し、隣接するスイッチエレメント段間は、上位のパケットスイッチレメント数N(N≧1、本実施例では2)に対して、任意の上位のスイッチエレメント間をN個のリンクで接続できるように配線される。IPパケットは上位のパケット処理部に優先的に集まるため、第1段目及び第3段目においては、それらを収容する上位のスイッチエレメントだけを用いればよく、下位の使用されないスイッチエレメントをパワーオフできる。複数のリンクについては、第1段目及び第2段目のパケットスイッチレメント61i,62iにN重のリンクのいずれをかを選択するセレクタselを設け、スイッチエレメントはセレクタselでそのリンクを選択可能とする。複数のリンクを用いるので、上位段を利用できる可能性が高くなり、下位段をパワーオフできる可能性を高くできる。
【実施例6】
【0053】
図9に実施例6におけるパケットスイッチ部60の変形例を示す。本実施例は実施例5の変形(ハイブリッド通信システム100A5)であり、実施例5との差異点を主に説明する。実施例5において、第1段目のスイッチエレメント61iを入パケット処理部4iに、第3段目のスイッチエレメント63iを出パケット処理部5iに内蔵する。この場合、入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに内蔵されたスイッチエレメント61i,63iは、それぞれ入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに属すると共にパケットスイッチ部60にも属することになる。入パケット処理部4iの実質的な出力端子は、第1段目のパケットスイッチエレメント61iへの内部出力端子であり、出パケット処理部5iの実質的な入力端子は、第3段目のパケットスイッチエレメント63iからの内部入力端子である。これにより、実施例4と同様に、入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iとこれらに属するスイッチエレメント61i,63iのパワーオン・オフを連動して効率よく行える。
実施例2ないし実施例6についても、実施例1と同様に動的に消費電力を低減でき、光による多重化回線における入パケット処理部と出パケット処理部の消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供することができる。
【実施例7】
【0054】
図10に実施例7におけるハイブリッド通信システム100Bの構成例を示す。実施例1では、パケットスイッチ部60は全部のパケットスイッチエレメントを1つの部にまとめて含む例で、光パスクロスコネクト部30は内部出力端子8i及び内部入力端子9iをそれぞれ1セット有する例を説明したが、本実施例では、パケットスイッチ部60は一部のパケットスイッチエレメントを入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに分散して有する例で、光パスクロスコネクト部30は内部出力端子81i〜83i及び内部入力端子91i〜93iをそれぞれ3セット有し、パケットスイッチエレメント61i〜63i間を接続するためにも使用される例を説明する。以下、実施例7について実施例1との差異点を主に説明する。
【0055】
入回線終端部1i、出回線終端部2iは実施例1と同様である。
光パスクロスコネクト部としての光パスクロスコネクト部30は第1のコネクト部31と第2のコネクト部32を有する。第1のコネクト部31は実施例1の光パスクロスコネクト部30と同様の機能を果たす。ただし、本実施例の内部第一出力端子81i及び内部第三入力端子93iがそれぞれ実施例1の内部出力端子8i及び内部入力端子9iに相当する。すなわち、パケット用光パスPKTは入回線終端部4iと内部第一出力端子間81iおよび内部第三入力端子93iと出回線終端部2i間で接続される。第2のコネクト部32は、j個(実際に接続されるのはt・s個)の内部第一入力端子91iとk個の内部第二出力端子82i間、及びk個の内部第二入力端子92iとj個(実際に接続されるのはt・s個)の内部第三出力端子83i間を接続する。内部第一出力端子81i(i=1〜j)と内部第一入力端子91i(i=1〜j)はそれぞれ入パケット処理部4i(i=1〜t)の入力端子と出力端子に繋がり、内部第二出力端子82i(i=1〜j)と内部第二入力端子92i(i=1〜j)はそれぞれパケットスイッチ部60の入力端子と出力端子に繋がり、内部第三出力端子83i(i=1〜j)と内部第三入力端子93i(i=1〜j)はそれぞれ出パケット処理部5i(i=1〜t)の入力端子と出力端子に繋がる。したがって、第2のコネクト部はパケットスイッチエレメント6ui(uは段目)間を接続するために使用される。このことは、実施例1に比してクロスコネクトの自由度を大きくしており、使用しないパケットスイッチエレメントを増やすのに役立つ。また、光パスクロスコネクト部30における第一ないし第三内部入力端子及び第一ないし第三内部出力端子への接続は一括して行なっても良く、別々に行なっても良い。
【0056】
入パケット処理部4i(i=1〜t)はt個(t≧1,r・t≦j)あり、各入パケット処理部4iはj個の内部第一出力端子81iからIPパケットを受け取り、IPパケットのヘッダH等を参照して、パケット用光パスPKTPKTの行先となる出パケット処理部5iの入出力端子を示す内部タグをヘッダHに付加した後に、内蔵のパケットスイッチエレメント61iに出力する。内蔵のパケットスイッチエレメント61iはパケットスイッチ部60にも属し、初段のパケットスイッチエレメント61iとして、入パケット処理部4i内で内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、内部タグに基づきIPパケットのスイッチングを行ない、内部第一入力端子91i(i=1〜j)に出力する。
【0057】
パケットスイッチ部60は、初段ないし最終段のパケットスイッチエレメント61i〜6Ni(i=1〜t)を有して構成される。初段のパケットスイッチエレメント61iは入パケット処理部4iに内蔵され、最終段のパケットスイッチエレメント6Niは出パケット処理部5iに内蔵される。パケットスイチ部60の第2段目ないし最終段の前段のパケットスイッチエレメント62h〜6(N−1)hを含む部分(子パケットスイチ部60di(i=1〜k))は、入パケット処理部4iに内蔵の初段のパケットスイッチエレメント61iのスイッチング後のIPパケットを、第2のコネクト部32の第1内部入力端子91iと第2出力端子82iを経由して受け取り、子パケットスイチ部60diの第2段目ないし第(N−1)段目のパケットスイッチエレメント62h〜6(N−1)hにおいて、内部タグに基づいてIPパケットのスイッチングを行い、第2のコネクト部32の第2内部入力端子92iと第3出力端子83iを経由して出パケット処理部5iに内蔵の最終段のパケットスイッチエレメント6Niに供給され、最終段のパケットスイッチエレメント6Niのスイッチングに供される。子パケットスイチ部60diのk個の入力端子(入力端子の総和がk個)でk個の第二出力端子82iからIPパケットを受け取り、各パケットスイチ部60diでそれぞれN−2段のパケットスイッチエレメントで独立にパケットスイッチングを行ない(パケットスイチ部60di間ではIPパケットを受け渡ししない)、k個の第二入力端子92iにIPパケットを渡す。
【0058】
出パケット処理部5i(i=1〜t)はt個あり、第3出力端子83iから内蔵のパケットスイッチエレメント6Niで内部タグを付加されたIPパケットを受け取る。内蔵のパケットスイッチエレメント6Niはパケットスイッチ部60にも属し、最終段のパケットスイッチエレメント6Niとして、内部タグに基づきIPパケットのスイッチング(スイッチング)を行なう。内蔵のパケットスイッチエレメント6Niでのスイッチング後、出パケット処理部5iはIPパケットに付加された内部タグを除去して、第3入力端子93i(i=1〜j)に出力する。IPパケットは内部第三入力端子93iを通して出回線終端部2iに出力される。
【0059】
システム制御部70は実施例1とほぼ同様である。ただし、第1のコネクト部32の制御に加えて第2のコネクト部32も制御する。また、入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iの制御では、パケットスイッチ部60にも属する初段のパケットスイッチエレメント61i及び最終段のパケットスイッチエレメント6Niの制御を併せて行なう。
【0060】
システム制御部70はネットワークNW内のトラヒックパターン等に応じて、パケット用光パスPKTを動的に再設定し、また、パケット用光パスPKTの再設定に対応した内部タグ情報を入パケット処理部4iに送信する。光パスクロスコネクト部30は、光パスの動的な再設定の際にパケット用光パスPKTを内部第一出力端子81iの上位から順に詰めるようにパス設定のスイッチングを行う。入パケット処理部4iは、光パスの再設定のために、内部タグの付け替えを行う。パケットスイッチ部60は、付け替えられた内部タグに従って目的の出パケット処理部5iの入出力端子にIPパケットを転送するようにパケット用光パスPKTをスイッチングする。入パケット処理部4iに内蔵の初段のパケットスイッチエレメント61iとパケットスイッチ部60の第2段目ないし最終段の前段のパケットスイッチエレメント62h〜6(N−1)h、パケットスイッチ部60の第2段目のパケットスイッチエレメントないし最終段の前段のパケットスイッチエレメント62h〜6(N−1)hと出パケット処理部5iに内蔵の最終段のパケットスイッチエレメント6Niを光クロスコネクト部30の第2のコネクト部32で結合することにより、多様な接続パターンの多段のスイッチエレメント網を構成する。その多段スイッチエレメント網は、内部タグに基づいて目的の出パッケト処理部5iの入出力端子にIPパケットを転送する。出パッケト処理部5iの出力端子は内部第三入力端子93iを介して、光パスクロスコネクト部30の第1のコネクト部31により、目的の出回線終端部2iに接続される。システム制御部70のパワー制御部71は、パケット用光パスPKTの経路として使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチ部60のパケットスイッチエレメントを再設定後の光パスの接続状態から抽出し、これらのパワーをオフする。これにより、ハイブリッド通信システム100Bの消費電力が節減される。
【0061】
以上により、本実施例によれば、パワーセーブするためにパスを再設定することにより、再設定後にパス設定がない部分をパワーオフすることができ、動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供できる。また、スイッチエレメント間の接続は光クロスコネクト部で行うので配線パターンは自由に変更可能であり、パケットスイッチの規模の変更に対してより柔軟に対応できる
【実施例8】
【0062】
図11に実施例8におけるパケットスイッチ部の構成例を示す。本実施例は実施例7の変形(ハイブリッド通信システム100B1)であり、実施例7との差異点を主に説明する。実施例8は入パケット処理部4i(i=1〜t)及び出パケット処理部5i(i=1〜t)の接続端子数に関するものである。各入パケット処理部4iおよび各出パケット処理部5iは、光パスクロスコネクト部30との接続端子数rをパケットスイッチ部60iとの接続端子数sよりも大きくし、パケット用光パスPKTの利用率に応じて、光パスクロスコネクト部30からのパケット用光パスPKTの接続端子数を可変に設定可能である。接続端子数の設定は例えば入パケット処理部4iにて行なう。IPパケットを効率よく上位のパケット処理部に収容し、下位のパケット処理部をパワーオフすることで低消費電力化を図ることができる。
【実施例9】
【0063】
図12に実施例9におけるパケットスイッチ部の構成例を示す。本実施例は実施例7の変形(ハイブリッド通信システム100B2)であり、実施例7との差異点を主に説明する。実施例9はパケットスイッチ部60においてパケットスイッチレメント間のリンクを複数にするものである。図12では上位の同一パケットスイッチレメント間のリンクを2重にしている。パケットスイッチ部60は、複数の入出力端子を有するスイッチエレメント611〜61m,621〜62k,631〜63mを複数個有し、スイッチエレメント段が3段で構成され、第1段目のスイッチエレメント61iは入パケット処理部4iに内臓され、入パケット処理部4iの内部出力端子に接続されて入パケット処理部4iで内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、第3段目のスイッチエレメント63iは出パケット処理部5iに内臓され、出パケット処理部5iの内部入力端子に接続されて、出パケット処理部5iで内部タグを除去されたIPパケットが出力される。隣接するスイッチエレメント段間は、上位のパケットスイッチレメント数N(N≧1、本実施例では2)に対して、任意の上位のスイッチエレメント間をN個のリンクで接続できるように配線される。したがって、第2の光パスクロスコネクト部32のリンク数もその分増える。IPパケットは上位のパケット処理部に優先的に集まるため、第1段目及び第3段目においては、それらを収容する上位のスイッチエレメントだけを用いればよく、下位の使用されないスイッチエレメントはパワーオフできる。複数のリンクを用いるので、上位段を利用できる可能性が高くなり、下位段をパワーオフできる可能性を高くできる。
実施例7及び実施例8についても、実施例7と同様に動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供することができる。
【実施例10】
【0064】
図13に実施例10におけるハイブリッド通信システム100Cの構成例を示す。実施例1では、光パスクロスコネクト部30は、カットスルー用光パスCTについては入回線終端部1iと出回線終端部2i間を接続し、パケット用光パスPKTについては入回線終端部1iと内部出力端子8i間および内部入力端子9iと出回線終端部2i間を接続する例を説明したが、本実施例では、光パスクロスコネクト部30として、セレクタ33i(i=1〜p・q、入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに接続されるのはr個)を使用し、カットスルー用光パスCTについては入回線終端部1iと出回線終端部2i間をセレクタ33iを介して接続し、パケット用光パスPKTについては入回線終端部1iと入パケット処理部4i間及び出パケット処理部5iと出回線終端部2i間をセレクタ33iを介して接続する例を説明する。実施例1との差異点を主に説明する。
【0065】
入回線終端部1i、出回線終端部2iは実施例1と同様である。入パケット処理部4i、出パケット処理部5i、パケットスイッチ部60も実施例1と同様である。
光パスクロスコネクト部30は、光パス集線部34、光パス分配部35及びセレクタ33i(i=1〜pq)を有する。セレクタ33iは、カットスルー用光パスCTについては入回線終端部4iと出回線終端部5i間を接続し、パケット用光パスPKTについては、入回線終端部1iから光パスコネクト部30のパケット入力端子34iを通して入パケット処理部4iに接続し、出パケット処理部51から光パスコネクト部30のパケット出力端子35iを通して出回線終端部2iに接続する。光パス集線部34は入回線終端部1iのp・q個の出力端子から分離されたカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTをセレクタ33iに接続する。光パス分配部35はセレクタ32iからのカットスルー用光パスCTとパケット用光パスPKTをp・q個の出回線終端部2iの入力端子に分配する。
【0066】
システム制御部70はネットワークNW内のトラヒックパターン等に応じて、パケット用光パスPKTを動的に再設定し、また、パケット用光パスPKTの再設定に対応した内部タグ情報を入パケット処理部4iに送信する。光パス集線部34は、光パスの動的な再設定の際にパケット用光パスPKTを予め定められた順位に従ってパケット入力端子34iの上位から順に詰めるようにパス設定のスイッチングを行う。これにより予め定められた順位に従って入パケット処理部4iも上位から順に詰めるように接続される。入パケット処理部4iは、光パスの動的な再設定のために、IPパケットのヘッダHに付された内部タグの付け替えを行う。パケットスイッチ部60は、付け替えられた内部タグに従って目的の出パケット処理部5iの入出力端子にIPパケットを転送するようにパケット用光パスPKTをスイッチングする。出パケット処理部5iは、内部タグを除去してパケット用光パスPKTをセレクタ33iとパケット出力端子35iを経由して光パス分配部35に出力する。光パス分配部35は、パケット用光パスPKTを目的とする出回線終端部2iに接続する。システム制御部70のパワー制御部71は、これらの処理によりパケット用光パスPKTの経路として使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチ部60のパケットスイッチエレメント6uhを再設定後の光パスの接続状態から抽出し、これらのパワーをオフする。これにより、ハイブリッド通信システム100Cの消費電力が節減される。
【0067】
以上により、本実施例によれば、パワーセーブするためにパスを再設定することにより、再設定後にパス設定がない部分をパワーオフすることができ、動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供できる。また、光パスクロスコネクト部30におけるクロスコネクトにセレクタを介在させることにより、光パスを上位の入パケット処理部4i及び出パケット処理部5iに確実に集められ、低消費電力化に有効である。
【実施例11】
【0068】
図14に実施例11におけるハイブリッド通信システム100Dの構成例を示す。実施例1では、光パスの回線接続に光パスコネクト部30を用いる例を説明したが、本実施例では、光パルスコネクト部に代えて光パススイッチエレメントの多段構成からなる光パススイッチエレメント網30aを用いる例を説明する。実施例1との差異点を主に説明する。
【0069】
入回線終端部1i、出回線終端部2iは実施例1と同様である。
本実施例では、IPパケットの処理とパケットスイッチングを行なうパケット処理スイッチング部zを有する。パケット処理スイッチング部zについては後述する。また、入回線終端部1iからのp・q個の入力端子と出回線終端部2iへのp・q個の出力端子との間に、光パスのクロスコネクトを行う複数の光パススイッチエレメント3611〜36yqの多段(y段)構成からなる光パススイッチエレメント網30aを有する。この光パススイッチエレメント網30aは、入回線終端部1iから入力されたIPパケットを入パケット処理部4iに転送する集線部30b(光パススイッチエレメントの前段部分の多段構成からなる)、出パケット処理部5iから出力されたIPパケットを出回線終端部2iに転送する分配部30d(光パススイッチエレメントの後段部分の多段構成からなる)、集線部30bと分配部30dの間にあって、パケット処理スイッチング部60zへの入出力端子を有するパケットスイッチング部30cに分けられる。ただし、パケットスイッチング部30cと集線部30bで又はパケットスイッチング部30cと分配部30dで光パススイッチエレメント3uiを重複しても良い。また、光パススイッチエレメント網30aはカットスルー用光パスCTを入回線終端部1iから出回線終端部2iへ通す。
【0070】
図14では、光パススイッチエレメント網30aは7段構成(n=7)であり、第1〜3段目の光パススイッチエレメント311〜33qが集線部30bに属し、第3〜5段目の光パススイッチエレメント331〜35qがパケットスイッチング部30cに属し、第5〜7段目の光パススイッチエレメント351〜37qが分配部30dに属する。各入パケット処理部4iの入力端子及び出力端子はそれぞれ第3段目(x=3)の各光パススイッチエレメント33iの出力端子及び入力端子に接続され、各出パケット処理部5iの入力端子及び出力端子はそれぞれ第5段目(x+2=5)の各光パススイッチエレメント35iの出力端子及び入力端子に接続される。また、パケットスイッチ部60の2段目ないし最終段の前段の各パケットスイッチエレメント32h〜3(N−1)hを含む部分(子パケットスイッチ部60di)の入力端子及び出力端子はそれぞれ第4段目の各光パススイッチエレメント34iの出力端子及び入力端子に接続される。
【0071】
パケット処理スイッチング部60zは入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチ部60を有して構成される。入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチ部60の構成は、入力端子と出力端子の接続先が異なるが実施例7のパケットスイッチ部60の構成と同じである。パケットスイッチ部60は、入パケット処理部4iに内臓の初段のパケットスイッチエレメント、パケットスイッチ部60の第2段目ないし最終段の前段のパケットスイッチエレメントを含む部分(子パケットスイッチ部60di(i=1〜q)及び各出パケット処理部5iに内臓の最終段のパケットスイッチエレメントを有して構成される。入パケット処理部4iは、r個(r≧1)の第x段目の光パススイッチエレメント6xiの出力端子からIPパケットを受け取り、そのヘッダH等を見てパケット用光パスPKTの接続ルートを示す内部タグをヘッダH等に付加し、内蔵のパケットスイッチエレメント61iにより、付加された内部タグに基づいてパケットスイッチングを行ってs個(s≧1)の光パススイッチエレメント6xiの入力端子に出力する。パケットスイッチ部60の第2段目ないし最終段の前段のパケットスイッチエレメント62h〜6(N−1)hを含む部分(パケットスイッチ部60di)は、s個の第(x+1)段目の各光パススイッチエレメント3(x+1)iの出力端子からIPパケットを受け取り、付加された内部タグに基づいてそれぞれN−2段のパケットスイッチエレメントで独立にIPパケットのスイッチングを行い(パケットスイチ部60di間ではIPパケットを受け渡ししない)、s個の第(x+1)段目の各光パススイッチエレメント3(x+1)iの入力端子にIPパケットを渡す。出パケット処理部5iは、s個の第(x+2)段目の各光パススイッチエレメント3(x+2)iの出力端子からIPパケットを受け取り、内蔵の最終段のパケットスイッチエレメント6Niにより、付加された内部タグに基づいてパケットスイッチングを行い、その後、内部タグを除去してr個の第(x+2)段目の各光パススイッチエレメント3(x+2)iの入力端子にIPパケットを出力する。
【0072】
システム制御部70はネットワークNW内のトラヒックパターン等に応じて、パケット用光パスPKTを動的に再設定し、また、パケット用光パスPKTの再設定に対応した内部タグ情報を入パケット処理部4iに送信する。光パススイッチエレメント網30aは、集線部69aで光パスの動的な再設定の際に、パケット用光パスPKTを予め定められた順位に従って上位から順に詰めるようにして入パケット処理部4iにパス設定のスイッチングを行い、カットスルー用光パスCTは入パケット処理部4iを通さず(スルーに)出回線終端部2iに到るように接続する。入パケット処理部4iは、光パスの動的な再設定のために、内部タグを付け替え、パケットスイッチ部60は、付け替えられた内部タグに従って目的の出パケット処理部5iの入出力端子にIPパケットを転送するようにパケット用光パスPKTをスイッチングする。すなわち、入パケット処理部4i、パケットスイッチ部60、出パケット処理部5iは、光パスの動的な再設定のために、内蔵のパケットスイッチエレメント61i,6Niと子パケットスイッチ部60diとを光パススイッチエレメント網30aを介して結合することにより、異なる配線の多段のパケットスイッチエレメント網を構成し、その多段のパケットスイッチエレメント網は内部タグに基づいてスイッチングを行い、目的の出パケット処理部5iの入出力端子にIPパケットを転送する。出パケット処理部5iの出力端子は、光パススイッチエレメント網30aの分配部30dに接続されて、目的の出回線終端部2iに接続される。システム制御部70のパワー制御部71は、パケット用光パスPKTの経路として使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i及びパケットスイッチ部60のパケットスイッチエレメントを再設定後の光パスの接続状態から抽出し、これらのパワーをオフする。光パススイッチエレメント網30aを用いることにより、低消費電力化を図るハイブリッド通信システムを構成できる。
【0073】
以上により、本実施例によれば、パワーセーブするためにパスを再設定することにより、再設定後にパス設定がない部分をパワーオフすることができ、動的に消費電力を低減できる構成のハイブリッド通信システムを提供できる。
【実施例12】
【0074】
本実施例では、ハイブリッド通信システム100E(図示しない)がパワーオフの対象となる部分にパワーオフ時にアラームをマスクするアラーム制御部を有する例を説明する。通常、パワーオフの対象となる部分は、実装条件、電源供給条件等のハードウェア構成条件に依存して特定されるが、電源断、回線断、制御情報送受信異常等のアラーム情報により監視されている。これらのパワーオフ対象部分をパワーオフにした場合には、これらの情報が一斉にアラームを表示するため、予めアラームをマスクしておく必要がある。
【0075】
図15に実施例12におけるアラーム制御部72の構成例を示す。パワーオフの対象となるパワーオフ対象(アラーム監視対象)73は入パケット処理部4i、出パケット処理部5i、パケットスイッチ部60等である。パケット用光パスPKTを再設定した時に、パクット用光パスPKTの経路として使用されない入パケット処理部4i、出パケット処理部5i、パケットスイッチ部60等にパワーオフ部分が生じる。本実施例では、これらのパワーオフ対象73となる入パケット処理部4i、出パケット処理部5i、パケットスイッチ部60に対応してアラーム制御部72が設置される。アラーム制御部72は、アラーム情報を監視対象73から収集し、異常を検出したときにその情報を転送するアラーム収集転送手段74、パワーオフする前に予めアラームが出ないように停止するアラームマスク手段75、各種機能の状態表示を行ない、必要なときに読み取れるようにするインタフェースを有するステータス表示手段76、これらの各手段74〜76の情報読み取り、パワー制御部71との間で命令の転送等を送受信するパワー制御部インタフェース77、パワー制御部がパワーオフを判断し、アラームマスク手段75がアラームが出ないように停止した後に、パワーオフ対象73をパワーオフするパワーオンオフ手段78を有する。パワーオンオフ手段78はパケット用光パスPKTを再設定によりパワーオンする際にも使用される。アラーム制御部72は、パワーオフ対象73に内蔵させても良く、パワーオフ対象73外に設けても良い。また、個々の入パケット処理部4i、出パケット処理部5i、パケットスイッチ部60(又はパケットスイッチエレメント)ごとに設けても良く、パワーをオンオフする回線ごとに設けても良く、パワーをオンオフする単位ごとに設けても良い。また、アラーム制御部72の各手段74〜78は必要に応じて統合しても一部省力しても良い。
【0076】
図16に、アラーム制御を行なう時の手順例を示す。パワーオフ対象73が決まると(ステップS300)、パワー制御部71は、アラーム収集転送手段74によりその部分の正常性を確認し(ステップS301)、パワーオフ時にアラームが出ないようにアラームマスク手段74に必要な情報を送信し、アラームマスク手段74はアラームが出ないようにマスクする(ステップS302)。その後、パワーオンオフ手段78にパワーオフ命令を送信する(ステップS303)。その後もパワーオンできるようステータス情報表示部76が正常である旨を表示をし、パワーオンに備える(ステップS304)。パワーオンするときは、ステータス表示が正常であることを確認後、パワー制御部71がパワーオンの命令を送信し、その後アラームマスクを解除して異常を監視する。
以上により、アラームをマスクでき、パワーオフ時にもシステムが正常動作を継続可能である。
【0077】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、実施の形態は以上の例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは明白である。
例えば、実施例2〜6は、それぞれ実施例1に適用する例として記載したが、これらを組み合わせて適用しても良く、実施例7、実施例10、実施例11に適用しても良い。また、実施例7又は実施例11における入パケット処理部4i、出パケット処理部5iに内蔵のパケットスイッチエレメントを部外に出しても良い。その他、パケットスイッチ部60におけるパケットスイッチエレメントの数、段数、各部の入力端子数、出力端子数等を適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、光パスのクロスコネクトならびにパケットスイッチングの両方の機能を有するハイブリッド通信システムの低消費電力化に利用可能である。
【符号の説明】
【0079】
11〜1q 入回線終端部
21〜2q 出回線終端部
30 光パスクロスコネクト部
30a 光パススイッチエレメント網(第3のスイッチング部)
30b 集線部
30c パケットスイッチング部
30d 分配部
31 第1の光パスクロスコネクト部
32 第2の光パスクロスコネクト部
331〜33q セレクタ
34 光パス集線部
341〜34r パケット入力端子
35 光パス分配部
351〜35r パケット出力端子
3ui 光パススイッチエレメント(uは段目)
41〜4t 入パケット処理部
51〜5t 出パケット処理部
60 パケットスイッチ部
60di 子パケットスイッチ部
60z パケット処理スイッチング部
611〜63t,611〜67q,6uh(uは段目) パケットスイッチエレメント
70 システム制御部
71 パワー制御部
72 アラーム制御部
73 パワーオフ対象
74 アラーム収集転送手段
75 アラームマスク手段
76 ステータス表示手段
77 パワー制御部インタフェース
78 パワーオンオフ手段
81〜8j 内部出力端子
811〜81j 内部第一出力端子
821〜82j 内部第二出力端子
831〜83j 内部第三出力端子
91〜9j 内部入力端子
911〜91j 内部第一入力端子
921〜92j 内部第二入力端子
931〜93j 内部第三入力端子
100A,100A1〜100A5,100B,100B1〜100B2,100C,100D,100E ハイブリッド通信システム
CT カットスルー用光パス
DOP 常時接続光パス
I1〜Iq 入回線
H ヘッダ
N パケットスイッチエレメントの段数
O1〜Oq 出回線
PCE パスコンピュテーションエレメント
PKT パケット用光パス
SOP システム間光パス
sel セレクタ
TB 内部タグテーブル
λ11〜λqp 波長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内のノードにあって、光パスが多重化された入回線からのIP(インターネットプロトコル)パケットを光パスクロスコネクトとパケットスイッチングにより宛先に応じて光パスが多重化された出回線にスイッチングするハイブリッド通信システムであって;
前記入回線をカットスルー用光パスとパケット用光パスに分離する入回線終端部と;
分離された前記カットスルー用光パスと前記パケット用光パスを集約して前記出回線に多重化する出回線終端部と;
前記カットスルー用光パスについては前記入回線終端部と前記出回線終端部間を接続し、前記パケット用光パスについては前記入回線終端部と内部出力端子間を接続し、かつ、前記出回線終端部と内部入力端子間を接続する光パスクロスコネクト部と;
前記光パスクロスコネクト部の前記内部出力端子を通して前記入回線終端部からIPパケットを受け取り、前記IPパケットのヘッダを参照して前記パケット用光パスの所定の行先を示す内部タグを前記ヘッダに付加し、前記内部タグが付加されたIPパケットを出力する入パケット処理部と;
前記内部タグに基づいて前記IPパケットのスイッチングを行う複数のパケットスイッチエレメントの多段構成からなるパケットスイッチ部と;
前記パケットスイッチ部から前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、前記内部タグを除去して、前記光パスクロスコネクト部の前記内部入力端子を通して前記出回線終端部に出力する出パケット処理部と;
前記ネットワークのトラヒックパターンに応じて、前記パケット用光パスを動的に再設定し、また、前記パケット用光パスの再設定に対応した前記内部タグ情報を前記入パケット処理部に送信するシステム制御部とを備え;
前記所定の行先は前記出パケット処理部の入出力端子であり;
前記光パスクロスコネクト部は、前記パケット用光パスの動的な再設定の際に前記パケット用光パスを前記入パケット処理部の予め定められた順位に従い詰めてパス設定のスイッチングを行い;
前記入パケット処理部は、前記光パスの動的な再設定のために、前記内部タグを付け替え;
前記パケットスイッチ部は、前記付け替えられた内部タグに従って目的の出パケット処理部の入出力端子に前記IPパケットを転送するように前記パケット用光パスをスイッチングし;
前記システム制御部は、前記光パスクロスコネクト部及び前記パケットスイッチ部のスイッチングにより、前記パケット用光パスの経路として使用されない入パケット処理部、出パケット処理部、及びパケットスイッチ部のパケットスイッチエレメントを前記再設定後の光パスの接続状態から抽出してパワーをオフするパワー制御部を有する;
ハイブリッド通信システム。
【請求項2】
各前記入パケット処理部は、前記内部出力端子から前記IPパケットを受け取る入力端子と、前記内部タグが付加されたIPパケットを前記パケットスイッチ部に出力する出力端子を有し、
各前記出パケット処理部は、前記パケットスイッチ部から前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取る入力端子と、前記内部タグを除去されたIPパケットを前記内部入力端子に出力する出力端子を有し、
前記パケットスイッチ部は、前記入パケット処理部の出力端子から前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、複数のパケットスイッチエレメントの多段構成にて、前記内部タグに基づき前記IPパケットのパケットスイッチングを行い、前記出パケット処理部の入力端子へ前記内部タグを付加されたIPパケットを出力する;
請求項1に記載のハイブリッド通信システム。
【請求項3】
前記光パスクロスコネクト部は、前記パケット用光パスについては、前記入回線終端部からパケット入力端子を介して前記入パケット処理部に接続し、前記出パケット処理部からパケット出力端子を介して前記出回線終端部に接続するセレクタと、前記入回線終端部の出力端子から分離された前記カットスルー用光パスと前記パケット用光パスを前記セレクタに接続する光パス集線部と、前記セレクタからの前記カットスルー用光パスと前記パケット用光パスを前記出回線終端部の入力端子に分配する光パス分配部を有し、
各前記入パケット処理部は、前記セレクタの前記パケット入力端子から前記IPパケットを受け取る入力端子と前記パケットスイッチ部へ前記内部タグを付加されたIPパケットを出力する出力端子を有し、
各前記出パケット処理部は、前記パケットスイッチ部から前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取る入力端子と、前記内部タグを除去されたIPパケットを前記セレクタの前記パケット出力端子に出力する出力端子を有し、
前記パケットスイッチ部は、前記入パケット処理部の出力端子から前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、複数のパケットスイッチエレメントの多段構成にて、前記内部タグに基づき前記IPパケットのパケットスイッチングを行い、前記出パケット処理部の入力端子へ前記内部タグを付加されたIPパケットを出力する;
請求項1に記載のハイブリッド通信システム。
【請求項4】
前記光パスクロスコネクト部は、前記パケット用光パスについては、前記入回線終端部からの入力端子と内部第一出力端子間、及び内部第三入力端子と前記出回線終端部への出力端子間を接続する第1のコネクト部と、
内部第一入力端子と内部第二出力端子間、及び内部第二入力端子から内部第三出力端子を接続する第2のコネクト部とを有し、
各前記入パケット処理部は、前記内部第一出力端子から前記IPパケットを受け取る入力端子と、前記内部タグが付加されたIPパケットを前記内部第一入力端子に出力する出力端子を有し、
各前記出パケット処理部は、前記内部第三出力端子から前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取る入力端子と、前記内部タグを除去されたIPパケットを前記内部第三入力端子に出力する出力端子を有し、
前記パケットスイッチ部は、前記内部第二出力端子から前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、前記内部タグに基づき前記IPパケットのパケットスイッチングを行い、前記内部第二入力端子に出力する;
請求項1に記載のハイブリッド通信システム。
【請求項5】
前記入パケット処理部は前記パケットスイッチ部の初段のパケットスイッチエレメントを内蔵し、前記出パケット処理部は前記パケットスイッチ部の最終段のパケットスイッチエレメントを内蔵し、前記入パケット処理部の前記出力端子は、前記初段のパケットスイッチエレメントへの内部出力端子をいい、前記出パケット処理部の前記入力端子は、前記最終段のパケットスイッチエレメントからの内部入力端子をいうものとする;
請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のハイブリッド通信システム。
【請求項6】
前記入パケット処理部及び前記出パケット処理部の、光パスコネクト部との接続端子数がパケットスイッチ部との接続端子数より大きく、前記光パスコネクト部との接続端子数は可変に設定可能である;
請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のハイブリッド通信システム。
【請求項7】
前記パケットスイッチ部のパケットスイッチエレメントが3段以上の多段構成であり、隣接するスイッチエレメント段の任意のスイッチエレメント間は少なくとも1つのリンクで接続される;
請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載のハイブリッド通信システム。
【請求項8】
前記隣接するスイッチエレメント段の任意のスイッチエレメント間は複数リンクで接続される;
請求項7に記載のハイブリッド通信システム。
【請求項9】
ネットワーク内のノードにあって、光パスが多重化された入回線からのIP(インターネットプロトコル)パケットを光パスクロスコネクトとパケットスイッチングにより宛先に応じて光パスが多重化された出回線にスイッチングするハイブリッド通信システムであって;
前記入回線をカットスルー用光パスとパケット用光パスに分離する入回線終端部と;
分離された前記カットスルー用光パスと前記パケット用光パスを集約して前記出回線に多重化する出回線終端部と;
前記IPパケットの処理とパケットスイッチングを行なうパケット処理スイッチング部と;
前記カットスルー用光パスについては前記入回線終端部と前記出回線終端部間を接続し、前記パケット用光パスについては前記入回線終端部と前記パケット処理スイッチング部間、前記パケット処理スイッチング部と前記出回線終端部間で前記IPパケットの回線接続を行う複数の光パススイッチエレメントの多段構成からなる光パススイッチエレメント網と;
前記ネットワークのトラヒックパターンに応じて、前記パケット用光パスを動的に再設定し、また、前記パケット用光パスの再設定に対応した前記パケット処理スイッチング部を制御するシステム制御部とを備え;
前記パケット処理スイッチング部は、
前記入回線終端部から前記光パススイッチエレメント網を通して前記IPパケットを受け取り、前記システム制御部から送信された内部タグ情報に基づいて、前記IPパケットのヘッダを参照して前記パケット用光パスの所定の行先を示す内部タグを前記ヘッダに付加し、前記内部タグが付加されたIPパケットを出力する入パケット処理部と、
前記入パケット処理部で付加された内部タグに基づいて前記IPパケットのパケットスイッチングを行う複数のパケットスイッチエレメントの多段構成からなるパケットスイッチ部と;
前記パケットスイッチ部から前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取り、前記内部タグを除去して、前記光パススイッチエレメント網を通して前記出回線終端部に出力する出パケット処理部とを有し;
前記所定の行先は前記出パケット処理部の入出力端子であり;
前記光パススイッチエレメント網は、前記パケット用光パスの動的な再設定の際に前記パケット用光パスを前記入パケット処理部の予め定められた順位に従い詰めてパス設定のスイッチングを行い;
前記入パケット処理部は、前記光パスの動的な再設定のために、前記内部タグを付け替え;
前記パケットスイッチ部は、前記付け替えられた内部タグに従って目的の出パケット処理部の入出力端子に前記IPパケットを転送するように前記パケット用光パスをスイッチングし;
前記システム制御部は、前記光パススイッチエレメント網及び前記パケットスイッチ部のスイッチングにより、前記パケット用光パスの経路として使用されない入パケット処理部、出パケット処理部、及びパケットスイッチ部のパケットスイッチエレメントを前記再設定後の光パスの接続状態から抽出してパワーをオフするパワー制御部を有する;
ハイブリッド通信システム。
【請求項10】
前記光パススイッチエレメント網は、前記パケット用光パスについては、前記入回線終端部からの入力端子と前記入パケット処理部への出力端子を有する光パススイッチエレメントの前段部分の多段構成からなる集線部、前記出パケット処理部からの入力端子と前記出回線終端部への出力端子を有する光パススイッチエレメントの後段部分の多段構成からなる分配部を有し、
各前記入パケット処理部は、前記集線部の光パススイッチエレメントの出力端子から前記IPパケットを受け取る入力端子と、前記集線部の光パススイッチエレメントへの入力端子に前記内部タグが付加されたIPパケットを出力する出力端子を有し、
各前記出パケット処理部は、前記分配部光パススイッチエレメントから前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取る入力端子と、前記分配部の光パススイッチエレメントに前記内部タグを除去されたIPパケットを出力する出力端子を有し、
前記パケットスイッチ部は、前記入パケット処理部に内蔵され、前記入パケット処理部内の内部端子から前記内部タグを付加されたIPパケットを受け取る第1段目のパケットスイッチエレメントと、前記出パケット処理部に内蔵され、前記出パケット処理部内の内部端子へ前記内部タグを付加されたIPパケットを出力する第N段目のパケットスイッチエレメントと、前記集線部と前記分配部を接続するパケットスイッチング部の光パススイッチエレメントから前記IPパケットを受け取る入力端子と、前記パケットスイッチング部の光パススイッチエレメントに前記IPパケットを出力する出力端子を有し、パケットスイッチングを行なう第2段目ないし第N−1段目のパケットスイッチエレメントとを有し、複数のパケットスイッチエレメントの多段構成にて、前記内部タグに基づき前記IPパケットのパケットスイッチングを行う;
請求項9に記載のハイブリッド通信システム。
【請求項11】
少なくとも前記入パケット処理部、前記出パケット処理部及び前記パケットスイッチ部のいずれかにアラームをマスクするアラーム制御部を有し;
パワーオフの前にアラームをマスクする;
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のハイブリッド通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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