説明

ハニカム形フィルタ

【課題】 圧力損失を小さくしつつ、複数種類の悪臭に対して1回のガス通過による消臭効果を高めることができるハニカム形フィルタを提供する。
【解決手段】 塩基性ガス吸着シート3と酸性ガス吸着シート4を用いて、一方側面に塩基性ガス吸着シート3を他方側面に酸性ガス吸着シート4を配置した一体型シート2を作成し、その一体型シート2を用いて山部8と谷部9が交互に連続する波形シート6と平板シート7を作り、波形シート6と平板シート7を交互に積層することによってハニカム構造とした。この構成であれば、通過するガスと最も接触面積が大きい波形シート6の両面に2種類の機能を備えたシートを偏りなく分布させることができるので、消臭効率を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハニカム形フィルタに関し、特に、悪臭に対する消臭などに好適なハニカム形フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消臭フィルタの製造法については各種の方法が知られている。
その一つの方法として、アルミなどの金属箔製ハニカムを用意するとともに、悪臭に対して消臭機能を有する物質を所定の方法によって金属箔製ハニカムに担持させる方法がある。このように消臭機能物質を金属箔製ハニカムに後付けする場合、ベースとなるハニカムの価格が高くなる、後工程が加わり製造コストが高くなるという問題がある。また、紙製のハニカムを使用した場合には寸法安定性が悪く、消臭機能物質の剥離などを起こしやすく、衝撃に弱いという問題がある。
【0003】
また、平板の消臭機能シートと山部と谷部が交互に連続する波形の消臭機能シートを交互に積層したハニカムが知られている。例えば、下記特許文献1には、微粉末状活性炭および結合剤の懸濁液に無機繊維紙を浸漬するか上記懸濁液を無機繊維紙に塗布した後、乾燥することにより紙の繊維間に活性炭を充填し、その活性炭が充填された平らな紙と、コルゲート加工された山形の紙を交互に重ねて接着することよってハニカム形フィルタを製造する技術が提案されている。
しかし、複数の悪臭に対する消臭物質を1枚のシートに入れようとすると、例えば、塩基性物質と酸性物質のように消臭物質同士が相互に反応してしまう問題がある。
【0004】
一方、第1消臭物質を担持させた第1のハニカムと第2消臭物質を担持させた第2のハニカムを直列に配置する構成を採用すれば、圧力損失が増大するとともに別々に製造して組み立てる分だけ製造コストが増加する。また、別々に製造した2種類のハニカムを並列に配置する構成を採用すれば、同じように製造コストが高くなるとともに、1つのハニカムを通過するガスは1種類の悪臭成分しか消臭することしかできないので、ハニカムを一回通過する際に、ガス中の悪臭成分を除去する効率(以下、1パス性能と称する)が低下する。
【0005】
【特許文献1】特開平1−293136「活性炭担持ハニカム構造体およびその製造方法」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記課題に対して、消臭機能の異なる複数種類のシートを組み合わせて1つのハニカムを製造することも考えられる。例えば、図6に示すように、平板シート40を第1消臭シートで構成するとともに、波形シート41を第2消臭シートで構成する構成である。この構成であれば、同一ハニカム内に2種類の悪臭成分に作用する消臭シートが存在することになるので、上記1パス性能低下の問題はある程度解決される。
【0007】
しかしながら、図6に示す構成を採用しても下記の課題が存在する。
(A)平板シート40に比べて波形シート41は長いので、平板シート40と波形シート41の使用量は1:1にならず、1:1.5程度になってしまう課題がある。したがって、2種類の悪臭に対してほぼ均等に消臭効果を実現しようとすると、第1消臭物質の添着量と、第2消臭物質の添着量とを上記シートの長さの違いに応じて調整する必要が生じる。
【0008】
(B)図6に示すように平板シート40と波形シート41を交互に積層する場合、波形シート41の山部の頂部、谷部の底部において平板シート40と接着する必要がある。その際、接着部の成分を介して第1消臭物質と第2消臭物質とが反応してしまう組み合わせの場合には、接着剤の選定と接着方法に細心の注意を払う必要がある。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上記課題を解決できる、ハニカム形フィルタを提供することにある。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)圧力損失を小さく保持したまま、複数種類の悪臭に対して消臭でき、かつ1パス性能をさらに向上させたハニカム形フィルタを提供する。
(b)抗菌、除湿など複数の有用な機能を通過ガスに対して作用させることができ、かつその機能を発揮させる場合に当たり、1パス性能をさらに向上させたハニカム形フィルタを提供する。
(c)前記平板シートと前記波形シートを積層する場合に、上記した接着における課題を解決するハニカム形フィルタを提供する。
なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は多面的に表現できるが、例えば、代表的なものを挙げると、次のように構成したものである。
第1発明に係るハニカム形フィルタは、第1の機能を有する第1機能シートと第2の機能を有する第2機能シートを用いて、一方側面に第1機能シートを他方側面に第2機能シートを配置した一体型シートを作成し、その一体型シートを用いて少なくとも山部と谷部が交互に連続する波形シートを作り、別途、所定機能の平板シートを用意し、波形シートと平板シートを交互に積層することによってハニカム構造としたことを特徴とする。
【0011】
第2発明に係るハニカム形フィルタは、第1の機能を有する第1機能シートと第2の機能を有する第2機能シートを用いて、一方側面に第1機能シートを他方側面に第2機能シートを配置した一体型シートを作成し、その一体型シートを用いて山部と谷部が交互に連続する波形シートと平板シートを作り、波形シートと平板シートを交互に積層することによってハニカム構造としたことを特徴とする。
【0012】
第3発明は、第2発明において、前記ハニカム構造を作る場合に、前記波形シートの配置を一方側から順に第1機能シート、第2機能シートのように配置するとともに、前記平板シートの配置を一方側から順に第1機能シート、第2機能シートのように配置して、ハニカム構造に形成される山部空間と谷部空間の各空間において、第1機能シートと第2機能シートの両方が存在するように構成したことを特徴とする。
【0013】
第4発明は、第2発明において、前記ハニカム構造を作る場合に、前記波形シートの配置を一方側から順に第1機能シート、第2機能シートのように配置するとともに、前記平板シートの配置を一方側から順に第2機能シート、第1機能シートのように順序を逆に配置したことを特徴とする。
【0014】
第5発明は、第1発明から第4発明のいずれか一つに記載の発明において、第1機能シートと第2機能シートを一体型シートとする場合に、第1機能シートと第2機能シートの接合面にバインダー繊維層又は接着剤層からなる接着層を設けて接着することを特徴とする。
【0015】
以下、上記第1発明〜第5発明の各構成について説明する。
第1発明において、前記平板シートの所定機能としては、前記第1機能又は第2機能と同じ機能である場合や、前記第1機能又は第2機能と全く異なる機能である場合が考えられる。
第1発明において、第1機能シートと第2機能シートから一体型シートを作る場合には、接着、融着、縫合などの方法を採用することができる。
【0016】
第4発明に関連して、山部と谷部の面積を極力小さくすることにより、単位面積当たりの1パス性能を向上させることができることは理解されるが、この場合でも第4発明の構成では、山部空間には第2機能シートのみ存在し、谷部空間には第1機能シートのみ存在するので、波形シートと平板シートの間隔及び山部と谷部のピッチをできる限り小さくしても、両方のシートの機能物質が反応するという不都合を抑制することができる。
【0017】
第1発明〜第5発明において、第1機能シート及び第2機能シートは、それぞれの機能物質をシート内に保持させることにより構成することができる。一般には、機能シートは活性炭混抄シートで構成することが安価に製造できて好ましい。なお、それぞれの機能物質をシートに保持させる方法としては、機能物質をシートに含浸させる方法や、スプレーする方法などを除外するものではない。
第1発明〜第5発明において、波形シートの山部と谷部の傾斜は曲線状に変化するものでも直線状に変化するものでもよい。
【発明の効果】
【0018】
以下、各発明の効果などについて説明する。
第1発明であれば、波形シートは一体型シートで構成されているので、ハニカム構造において、通過するガスと最も接触面積が大きい波形シートの両面に第1機能シートと第2機能シートを偏りなく分布させることができるので、1パス性能を向上させることができる。さらに、波形シートにおいて第1機能シートと第2機能シートの使用長さは同一になる。したがって、第1機能と第2機能の効果を均等に発揮させやすくなる。
【0019】
第2発明であれば、波形シートは一体型シートで構成されているので、ハニカム構造において、通過するガスと最も接触面積が大きい波形シートの両面に第1機能シートと第2機能シートを偏りなく分布させることができるので、1パス性能を向上させることができる。さらに、波形シートにおいて第1機能シートと第2機能シートの使用長さは同一になる。したがって、第1機能と第2機能の効果を均等に発揮させやすくなる。
【0020】
第3発明であれば、平板シートと波形シートの間に形成される山部空間と谷部空間の各空間には、第1機能シートと第2機能シートの両方が存在することになるので、前記各空間を通過するガスは、第1機能による作用と第2機能による作用を受けることになり、1パス性能を高めることができる。
【0021】
第4発明であれば、波形シートの山部空間には第2機能シートのみ存在し、谷部空間には第1機能シートのみ存在することになる。このような構成では、波形シートと平板シートの接着部において塩基性と酸性のように相反する性質の機能のシートは接近又は接着することがないので、両方の機能物質が接着剤の成分を介して反応又は変質するという不都合を低減することができる。したがって、接着剤の選択の範囲が広がり、接着の仕方に注意を払う必要がないという利点がある。
【0022】
第5発明であれば、一体型シートとする場合に、第1機能シートと第2機能シートを一体型シートとする場合に、第1機能シートと第2機能シートの接合面にバインダー繊維層又は接着剤層からなる接着層を設けて接着することで、安価かつ均一に接着することができる。また、さらに反応しやすい第1機能物質と第2機能物質の組み合わせの場合には、その接着層で反応を防止して接着できる利点がある。
また、第1発明〜第5発明であれば、一体化シートを作るという簡単な前処理で、従来、良く使用される製造設備をほぼそのまま使用して本ハニカム形フィルタを製造できるので、製造コストを安くできる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図5は本発明に係るハニカム形フィルタの斜視図、図1はそのハニカム形フィルタの断面を拡大した部分正断面図である。この実施形態は前記第2発明(特に第3発明)の一例である。
【0024】
以下、悪臭として塩基性ガスと酸性ガスを含む通過ガスを1パスで消臭することを目的とするハニカム形フィルタを製造する場合を例に取り、説明する。
一般に、塩基性ガスの悪臭成分は、アンモニア、トリメチルアミンなどが例示でき、酸性ガスの悪臭成分はメルカプタン、硫化水素などが例示できる。
【0025】
上記塩基性ガスと酸性ガスのそれぞれを吸着する各機能シートを製造する場合は、悪臭成分の除去を行う吸着成分を多孔質担体に担持させることにより行う。多孔質担体として良く使用されるのが活性炭である。
活性炭としては、例えば木炭、ヤシ殻等の有機質、石油ピッチ、コークス等の化石燃料、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル等の合成高分子を原料とする物が挙げられるが、本発明の多孔質担体としてはいずれの原料から製造されたものでもよく、表面積500〜2000m/gのものが利用できる。好ましくは1000〜2000m/gの活性炭が好適で、粉末で使用されることが好ましい。
【0026】
なお、多孔質担体として活性炭混抄シートを使用して、悪臭吸着物質を含んだ添着液を用いて活性炭混抄シート内の活性炭に悪臭吸着物質を担持させる方法が好ましい。
活性炭以外の多孔質担体としては、ゼオライト、アルミナ、シリカゲル、ウレタンフォームなどが使用可能である。
【0027】
塩基性ガス吸着物質としては、無機酸類、無機塩類、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸、燐酸、クエン酸、リンゴ酸などを添着したものが使用できる。
酸性ガス吸着物質としては、無機塩基類、無機酸類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどを添着したものが使用できる。
他にアルデヒド、アルコール類などの中性ガスの吸着成分としては、P−アミノ安息香酸、ピペラジンなどのピペラジン誘導体などが例示できる。
【0028】
本実施形態のハニカム形フィルタ1を製造するために、まず、一体型シート2を作成する。
図2に示すように、前記第1機能シートとしての塩基性ガス吸着シート3、前記第2機能シートとしての酸性ガス吸着シート4の接合面に接着層5を存在させた状態で、2つのシート3,4を接着させることによって、一方側面(例えば表面)に塩基性ガス吸着シート3を配置し、他方側面(例えば裏面)に酸性ガス吸着シート4を配置した一体型シート2を作成する。前記接着層5は、バインダー繊維層又は接着剤層で構成することができる。なお、接着剤を用いるときは、接合面の全面に接着剤を塗布するのではなく、部分的に接着剤を塗布する構成も採用できる。
【0029】
次に、上記一体型シート2をコルゲート加工することによって、図1に示すように山部8と谷部9が連続する波形シート6を製造する。コルゲート加工しない一体型シート2の平板シート7も用意して、平板シート7と波形シート6を上下に互い違いに配置しつつ、各山部8の頂部と各谷部9の底部を上下の平板シート7・7に接着剤によって接着させることにより、図1,図5に示すようなハニカム構造を製造する。
【0030】
このときに、図1に示すように、一体型シート2の塩基性ガス吸着シート3と酸性ガス吸着シート4の配置に関して、前記波形シート6の配置を例えば上側から順に塩基性ガス吸着シート3、酸性ガス吸着シート4のように配置するとともに、前記平板シート7の配置を上側から順に塩基性ガス吸着シート3、酸性ガス吸着シート4のように配置して、ハニカム構造に形成される山部空間10と谷部空間11において、それぞれ塩基性ガス吸着シート3と酸性ガス吸着シート4の両方が存在するように構成する。なお、波形シート6と平板シート7が接着する箇所において、水系接着剤を用いると、各吸着シート3・4中の塩基性物質と酸性物質が溶け出して、反応を起こす場合があるので、ホットメルトを用いて互いに反応を起こさないようにする。
【0031】
この実施形態に係る構成では、このハニカム構造の最小区画単位である山部空間10内、谷部空間11内にも塩基性ガス吸着物質と酸性ガス吸着物質の両方が存在するので、山部空間10内、谷部空間11内をガスが1回通過する間に塩基性悪臭ガスと酸性悪臭ガスを除去できる効率を高めることができる。また、図6に示す比較例に比べて、平板シート7・7間に存在する波形シート6のガス吸着種類を1種類から2種類にできるとともに、その2種類のシート表面積を同じにできるので、塩基性ガス、酸性ガスの除去機能をハニカム構造全体で均等化しやすくなる。
【0032】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係るハニカム形フィルタの断面を拡大した部分正断面図である。この実施形態は前記第2発明(特に第4発明)の一例である。
図3に示すように、この実施形態の特徴は、前記波形シート6と前記平板シート7を使用し、前記波形シート6の配置を例えば上側から順に塩基性ガス吸着シート3、酸性ガス吸着シート4のように配置するとともに、前記平板シート7の配置を上側から順に酸性ガス吸着シート4、塩基性ガス吸着シート3のように波形シート6と平板シート7とで塩基性ガス吸着シート3と酸性ガス吸着シート4の配置順序を逆にしたことにある。
【0033】
なお、平板シート7と波形シート6を上下方向に互い違いに配置しつつ、各山部8の頂部と各谷部9の底部を平板シート7にホットメルトなどの接着剤によって接着させることにより、ハニカム構造を製造することは第1実施形態と同様である。
この実施形態に係る構成では、このハニカム構造の最小区画単位である山部空間10内には酸性ガス吸着シート4のみが存在し、谷部空間11内には塩基性ガス吸着シート3のみが存在することになるので、第1実施形態の構成に比べて、単位面積当たりの1パス性能は低下することになる。しかし、波形シート6と平板シート7との接着部は、互いに同じ種類のガス吸着シート間で接着することになるので、塩基性ガス吸着物質と酸性ガス吸着物質が反応するという問題は解消でき、接着剤としても多様なものが使用できる利点がある。
【0034】
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態に係るハニカム形フィルタの断面を拡大した部分正断面図である。この実施形態は前記第1発明の一例である。
この実施形態では、塩基性ガス吸着シート3、酸性ガス吸着シート4からなる一体型シート2を用いて少なくとも山部8と谷部9が交互に連続する波形シート6を作り、別途、ファイルタを通過するガスに所定機能を作用させる機能シートで構成された平板シート7aを用意し、波形シート6と平板シート7aを交互に積層することによってハニカム構造としたことを特徴としている。
【0035】
平板シート7aが有する前記所定機能としては、中性悪臭ガスを除去する物質を活性炭などに担持させた構成、悪臭の有無に関係なく特定のガスを除去する物質を活性炭などに担持させた構成、所定有害物質を分解除去する物質を活性炭などに担持させた構成、又は酸化チタンなどの抗菌物質を活性炭などに担持させることによって抗菌機能を持たせた構成などが例示できる。
勿論、平板シート7aに前記塩基性ガス吸着シート3のみ又は酸性ガス吸着シート4のみを使用することも可能である。
【0036】
上記第1実施形態〜第3実施形態に使用した一体型シートの組み合わせは、塩基性ガス吸着シートと酸性ガス吸着シートの組み合わせのみならず、塩基性ガス吸着シートと抗菌シート、中性ガス吸着シートと酸性ガス吸着シートなど、ハニカム形フィルタを使用する用途に応じて任意の2つの機能シートの組み合わせを採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は本発明の第1実施形態に係るハニカム形フィルタの断面を拡大した部分縦断面図である。
【図2】図2は一体型シートの部分拡大縦断面図である。
【図3】図3は本発明の第2実施形態に係るハニカム形フィルタの断面を拡大した部分縦断面図である。
【図4】図4は本発明の第3実施形態に係るハニカム形フィルタの断面を拡大した部分縦断面図である。
【図5】図5は本発明に係るハニカム形フィルタの斜視図である。
【図6】図6は比較例のハニカム形フィルタの断面を拡大した部分縦断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1…ハニカム形フィルタ、2…一体型シート、3…塩基性ガス吸着シート(第1機能シート)、4…酸性ガス吸着シート(第2機能シート)、5…接着層、6…波形シート、7,7a…平板シート、8…山部、9…谷部、10…山部空間、11…谷部空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の機能を有する第1機能シートと第2の機能を有する第2機能シートを用いて、一方側面に第1機能シートを他方側面に第2機能シートを配置した一体型シートを作成し、その一体型シートを用いて少なくとも山部と谷部が交互に連続する波形シートを作り、別途、所定機能の平板シートを用意し、波形シートと平板シートを交互に積層することによってハニカム構造としたことを特徴とするハニカム形フィルタ。
【請求項2】
第1の機能を有する第1機能シートと第2の機能を有する第2機能シートを用いて、一方側面に第1機能シートを他方側面に第2機能シートを配置した一体型シートを作成し、その一体型シートを用いて山部と谷部が交互に連続する波形シートと平板シートを作り、波形シートと平板シートを交互に積層することによってハニカム構造としたことを特徴とするハニカム形フィルタ。
【請求項3】
請求項2に記載のハニカム形フィルタにおいて、前記ハニカム構造を作る場合に、前記波形シートの配置を一方側から順に第1機能シート、第2機能シートのように配置するとともに、前記平板シートの配置を一方側から順に第1機能シート、第2機能シートのように配置して、ハニカム構造に形成される山部空間と谷部空間の各空間において、第1機能シートと第2機能シートの両方が存在するように構成したハニカム形フィルタ。
【請求項4】
請求項2に記載のハニカム形フィルタにおいて、前記ハニカム構造を作る場合に、前記波形シートの配置を一方側から順に第1機能シート、第2機能シートのように配置するとともに、前記平板シートの配置を一方側から順に第2機能シート、第1機能シートのように順序を逆に配置したハニカム形フィルタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のハニカム形フィルタにおいて、第1機能シートと第2機能シートを一体型シートとする場合に、第1機能シートと第2機能シートの接合面にバインダー繊維層又は接着剤層からなる接着層を設けて接着したハニカム形フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−68912(P2007−68912A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−262257(P2005−262257)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(594117179)安積濾紙株式会社 (11)
【Fターム(参考)】