説明

ハニカム構造を硬化させるための方法及び基材

本発明は、焼成セッター上でハニカム型多孔質セラミック構造を焼成するための方法であって、前記構造は該構造の2つの末端を終端とする複数の長手方向貫通チャンネルを含み、該末端がセッター上に載っており、構造の主軸を通る長手断面において焼成前の最大幅がLsである方法において、
前記セッターは、前記長手断面において、焼成される構造のための支持表面として作用するセッターの第一面に対応する、最大幅がL1である第一レベル、セッターの前記第一面から厚さE1-2で間隔を開けて位置する、最大幅がL2である第二レベル、
を有し、幅L1はLs以上であり、そして幅L2はL1未満であることを特徴とする方法、及び、上記のとおりのセッターに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造を焼成するための焼成セッター、及び前記セッターを得るための方法に関する。上記構造はフィルター構造及び/又は触媒構造であることができ、特に、ディーゼルタイプの内燃エンジンの排気ライン中に使用される。本発明は、より詳細には、酸化物セラミックをベースとするフィルター構造又は触媒担体のための焼成セッター、特に、チタン酸アルミニウムをベースとするフィルターのための焼成セッターに関し、そして前記セッターを得るための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
例を示すと、ディーゼルエンジンから出てくる排気ガスの処理及び煤の除去のための触媒フィルターは従来技術においてよく知られている。これらの構造は、通常、すべてハニカム形状を有し、構造の片面が処理対象の排気ガスを吸入し、反対面が処理済みの排気ガスを吐出するようになっている。その構造は、吸入面と吐出面との間に、多孔質壁により分離された相互に平行の軸の隣接したダクト又はチャンネル群を含む。ダクトはその一端で又は他端でシールされており、それにより、吸入面に開放されたインレットチャンバーと吐出面に開放されたアウトレットチャンバーとの境界を形成している。チャンネルは交互にシールされており、それにより、排気ガスがハニカム体を通過する際に、その排気ガスを、インレットチャンネルの側壁を横切って強制通過させてアウトレットチャンネルにつながるようになっている。このようにして、粒状物又は煤粒子はろ過体の多孔質壁上に付着しそして蓄積する。
【0003】
知られているように、パティキュレートフィルターは、その使用の間に、順次にろ過段階(煤の蓄積)及び再生段階(煤の除去)に付される。ろ過段階の間に、エンジンにより放出される煤粒子はフィルター内部に保持され堆積する。再生段階の際に、煤粒子はフィルター内部で燃焼され、そのろ過特性を回復する。
【0004】
特に粒状物又は煤粒子の貯蔵体積、及びこれらの煤粒子の燃焼により生じる残留物の貯蔵体積を増加させるために、並びにこのようにして2つの再生の間の時間を延ばすために、種々のフィルター構造が従来技術において既に提案されている。特に、以下において「非対称」構造と呼ばれる構造は、一定のフィルター体積について、そのフィルターのアウトレットチャンネルの表面又は体積とは異なるインレットチャンネルの表面又は体積を有する。たとえば、特許出願明細書WO05/016491は、断面において、チャンネルの横の列及び/又は縦の列に沿って正弦波形状又は波形状を画定するようにして壁要素が次々と並ぶ構造を提案している。通常、壁要素はチャンネル幅にわたって正弦波半周期を有する波を形成する。このようなチャンネル形状により、低い圧力損失及び高い煤貯蔵体積を達成することが可能になる。別の構造において、特許出願明細書EP 1495791は、内部インレットチャンネルの八角形配列を特徴とするモノリスブロック(当該分野でしばしば「オクトスクエア(octosquare)」と呼ばれる)を提案している。
【0005】
通常、フィルターは多孔質セラミックでできており、たとえば、コーディエライト又は炭化ケイ素又はチタン酸アルミニウムからできている。
【0006】
これらの構造を有して製造される炭化ケイ素フィルターは、たとえば、特許出願明細書EP816065、EP1142619、EP1455923、WO2004/090294、及びWO2004/065088に記載されており、当業者は、たとえば、本発明に係るフィルター及びそれを得るための方法の両方に関して、より多くの説明及び詳細のためにそれらの文献を参照することができる。有利には、これらのフィルターは煤粒子及び高温ガスに対して高い化学不活性を有するが、熱膨張係数が若干高く、そのことは、大きいサイズのフィルターを製造するためには、熱機械応力を減じるために、ジョイントもしくはグラウトセメントによって幾つかのモノリスを組み立てて、ろ過ブロックとしなければならないことを意味する。再結晶化SiC材料の高い機械強度のために、非常に満足できるろ過効率をもって、高気孔率の薄いろ過壁を有するフィルターを製造することが可能である。
【0007】
コーディエライトフィルターは低コストの理由から、長い間使用されてきた。この材料の非常に低い熱膨張係数のために、フィルターの通常の動作温度範囲では、より大きなサイズのモノリスフィルターを製造することが可能である。
【0008】
チタン酸アルミニウムも低い熱膨張係数を有することができ、コーディエライトより良好な耐火性及び良好な耐腐食性の両方を示す。このため、チタン酸アルミニウムでは大きなモノリスフィルターを製造することが可能になるが、ただし、チタン酸アルミニウムの熱安定性は、特にフィルター再生段階の間に制御される。モノリスフィルターは、このように、特許出願明細書WO2004/011124において記載されており、それは10〜40質量%のムライトにより強化された60〜90質量%のチタン酸アルミニウムをベースとした構造を提供する。筆者によれば、このようにして得られたフィルターはより耐久性である。別の構成において、特許出願明細書EP1741684は、一方では、固溶体内Al2TiO5結晶格子中のAl原子の一部をMg原子で置換し、他方では、その固溶体の表面上のAl原子の一部をSi原子で置換することにより、低い膨張係数を有し且つチタン酸アルミニウム主相が安定化されているフィルターを開示しており、これらの原子は特に長石型のアルミノケイ酸カリウムナトリウムタイプの粒間追加相によって構造中に導入される。
【0009】
通常、これらのモノリス構造は、押出成形され、その後、フィルター構造の場合には、上記のとおり、その一端又は反対端でシールされ、インレットチャンバー及びアウトレットチャンバーを画定する。これらの構造は、構造を構成する材料が機械的に焼結され又は一体化されるように焼成される。焼成段階の間に、構造は、図1に模式的に示す、いわゆる「エレファントフット(elephant foot)」変形することが判明している。図1は、焼成セッター4(下部)上に支持するための面3に近い構造2の基部1は、構造の上部の幅よりも大きい幅を有することを示している。通常、長さ100mmのフィルターでは、フィルターの幅にわたって1%を超える寸法差があると応用に許容され得ないものと考えられている。その変形は押出成形構造2が大サイズであるときにはより顕著である。表現「大サイズ」とは直径が100mmを超えるか又は断面積が75cm2を超える構造を特に意味するものと理解される。非常に長い長さ、たとえば、長さが150mmを超え、及び/又は非常に大きい直径、たとえば、直径が125mmを超え、又は、大きい断面積、すなわち、120cm2以上である構造では問題はさらに重大になる。同様に、その最大寸法に沿った、構造の焼成後収縮率が5%以上であるならば、このような構造を得ることは問題となる。用語「収縮率」とは、本開示の関係では、焼成前と焼成後の構造の特徴的寸法の差異を焼成前の寸法で割ったものを百分率で表現したものであることを意味すると理解される。通常、円形断面の押出成形構造の場合には、収縮率はその構造の長さ又は直径のいずれかに基づいて測定されうる。表現「焼成前の構造」とは乾燥グリーン状態での構造、すなわち、残存湿分が1%未満である構造を意味するものと理解される。
【0010】
本開示及び後述の実施例の関係において、収縮率は焼成セッターと接触している構造の支持表面により形成される表面とほぼ平行であるが、上記の「エレファントフット」効果を回避するために十分に上記支持表面から遠くに離れているセクションで測定される。実際に、収縮率は理想的には構造の高さの上部1/3の部分で測定される。
【0011】
「エレファントフット」効果の問題を解決するために、1つの最初の解決方法は、必要分よりも長いグリーン構造を押出成形することからなる。構造の基部での最も変形した部分、すなわち、焼成セッター上の支持するための面に近接している部分に位置している部分は、それゆえ、焼成の後に切除される。最終的に、構造は施栓され、そして栓を構成する材料を焼結するために、場合によりアニール処理される。この解決方法では、切除が構造の合計質量の15%を超えることになりうるので、材料の実質的な損失を伴う。さらに、焼成された構造に対する施栓操作は、もし施栓された構造がアニール処理されなければ、栓が不十分な耐火性又は不透過性となるのでやっかいである。栓を焼成しそして十分なろ過効率のフィルター構造を得るための第二の焼成は追加の操作及び追加のコストを意味し、そのことは、時々、経済的に想定できない。
【0012】
特許出願明細書EP0234887は、焼成される構造と接触している面上において、その焼成される構造の幅よりも少なくとも小さい幅を、グリーンもしくは焼成ハニカムに持たせることにより形成される焼成セッターを提供している。たとえば、この焼成セッターは斜角もしくは種々のくぼみ形状を有することができる。良好な安定性を備えた部品を提供するという利点を有するこの解決方法は、また、特に部品の収縮率が5%を超える場合に、焼成される構造の所望されない垂直変形をもたらす。その後、焼成後に得られる構造は最終的に、縁にそって、より大きな長さを有するので、構造は焼成後に追加の機械加工操作及び追加の施栓操作を経る必要がある。
【0013】
特許出願明細書EP1808423は、グリーンセッターであって、焼成の際に構造と同じ種類の結晶相を形成し、且つ焼成セッターと構造との間の摩擦が低減するように8〜50μmの表面粗さを有するグリーンセッターを記載している。この解決方法は焼成される構造中に破壊又は大きな亀裂が生じることを回避するのに適切であるが、上記し及び本明細書に添付した図1により示されるエレファントフット変形の問題を解決しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、第一の態様によると、新規のタイプの焼成セッターを用いて、フィルター構造であることができるハニカム構造を焼成する方法に関し、それにより、上記の要求のすべてを有効に満足することができ、特に、
フィルターの品質が、特に、焼成の際の構造の亀裂及び/又は変形を回避することにより改良され、それにより、満足できるろ過効率のフィルター構造が得られる、
そのセッター上で焼成される構造及びそのセッター自体が十分に安定である、並びに
バインダー除去及び焼成(又は焼結)がより速く、得られる構造の品質を劣化させる危険性がなく、それにより、より高い生産性が得られる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
最も一般的な形態であって、第一の態様によると、本発明は焼成セッター上でハニカム型多孔質セラミック構造を焼成するための方法であって、その構造は構造の2つの末端を終端とする複数の長手方向貫通チャンネルを含み、その末端はセッター上に載っており、構造の主軸を通る長手断面において、焼成前の最大幅がLsである、方法に関する。本発明による方法において、そのセッターは、その長手断面において、
焼成される構造のための支持表面として作用するセッターの第一面に対応する、最大幅がL1である第一レベル、
セッターの前記第一面から厚さE1-2の間隔を開けて位置する、最大幅がL2である第二レベル、
を有し、
幅L1はLs以上であり、及び
幅L2はL1未満である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
(原文記載なし)
【0017】
ハニカム構造の主軸は従来のように、貫通チャンネルに平行な、構造の対称の主軸として本発明により規定される。その軸はもちろん、構造の形状にしたがって規定され、特に、その断面の形状にしたがって規定される。例を挙げると、筒形構造の場合には回転軸、又は、平行六面体もしくは卵形体構造の中心軸である。詳細には、主軸を図3及び6に模式図で示している。このように、下端(すなわち、支持面)で楕円、円又は正方形断面などの所与の形状の断面を有するハニカム構造では、本発明により使用されるセッターは好ましくは、おおむね同様の全体形状、すなわち、それぞれ、楕円、円又は正方形形状を有し、特にその寸法は、焼成される構造の主軸を通るいかなる長手面においても、L1がLs〜1.1×Lsの間にある。
【0018】
このような方法を実施するための特定の方法を特に下記に記載する:
幅L1は、Ls〜1.1×Lsの間である;
2つの幅L1及びL2の間の相対差(L1−L2)/L1は約5%以上である;
構造の末端と支持面として作用するセッターの面とは、実質的に同一の形状及び/又は実質的に同一のジオメトリーを有する;
セッターはハニカム型であり、そして2つの末端に開放された複数の長手方向貫通チャンネルを含み、セッターの上端は上記の第一レベルを構成している;
セッターはフィルターの壁を構成する材料の気孔率に適合する気孔率を有する。セッターは一般に20〜65%、好ましくは30〜50%の気孔率を有し、孔平均径は理想的には10〜20ミクロンである。しかしながら、気孔率が高すぎると、フィルターを支持するための機械強度が低くなりすぎる。気孔率が低すぎると、焼成の間に、セッターの収縮率がフィルターの収縮率に十分に合わないないので、フィルターに損傷を与えることがある;
ハニカムセッターの壁厚は有利には0.2〜1.0mmであり、好ましくは0.2〜0.5mmである。ろ過要素中のチャンネル数は好ましくは7.75〜62個/cm2であり、そのチャンネルは断面積が約0.5mm2〜9mm2の範囲である;
焼成される構造用の支持体として作用するセッターの第一面に対応する第一レベルは平面である;
焼成装置(たとえば、炉のキャリッジ又はフロア)におけるセッターの支持体として作用するセッターの基部での第二面に対応する第三レベルは好ましくは平面であり、そのような平面はより良好な安定性を達成することを可能にする;
セッターを構成する材料の熱膨張係数は、焼成の温度範囲内で、構造を構成する材料の熱膨張係数と最大で2%異なる;
セッターを構成する材料を焼成する際の収縮率は、焼成の温度範囲内で、構造を構成する材料を焼成する際の収縮率と最大で2%異なる;
セッターは台形形状であり、その第二レベルはセッターの第二面に対応する;並びに
セッターは、セッターの第二面に対応する、幅L3を有する第三レベルを有し、幅L3は幅L2以上であり幅Lsの少なくとも3/5である。
【0019】
上記の焼成方法は、構造の長手方向貫通チャンネルがその末端で事前に交互にブロックされているハニカムフィルター構造を得るための方法において特に有利に使用されうる。
【0020】
本発明はまた、上記のハニカム型多孔質セラミック構造を焼成するのに適するセッターに関し、そのセッターは、特に、主軸を通る断面において、
焼成される構造用の支持表面として作用するセッターの第一面に対応する、最大幅がL1である第一レベル、
セッターの前記第一面から厚さE1-2の間隔を開けて位置する、最大幅がL2である第二レベル、
を有し、
幅L2はL1未満である。
【0021】
上記のセッターの可能な他の態様によると、
幅L1は、Ls〜1.1×Lsの間である;
2つの幅L1及びL2の間の相対差(L1−L2)/L1は約5%以上である;
ハニカムタイプの上記の焼成セッターは、2つの末端に開放された複数の長手方向貫通チャンネルを含み、セッターの上端は上記の第一レベルを構成している;
上記のセッターは台形形状であり、上記の第二レベルは第二面に対応する;並びに
上記のセッターは第二面に対応する、最大幅がL3である第三レベルを有し、幅L3が幅L2以上である。
【0022】
より正確には、セッターを構成する材料は、その熱膨張係数が、焼成される構造を構成する材料の熱膨張係数に近いように選択される場合に、本発明により最良の結果が得られた。本開示の関係において、温度Tで測定される熱膨張係数は、参照とする室温(20℃)での材料の試料の初期長さに対する温度T(焼成の最終温度)までの温度変化に付した材料の試料の長さの%変化率に対応する。熱膨張係数は、従来どおり、この目的で提供されるNFB−40−308標準による示差膨張計測(differential dilatometry)により測定される。本発明によると、セッターもしくは焼成される構造を構成する材料の試料の熱膨張係数は、上記のとおり図1において、焼成セッター4上で支持する面3により形成された平面に平行な平面において測定される。焼成温度範囲におけるセッターの熱膨張係数が、問題の範囲の温度(20℃〜T)に関係なく、構造の熱膨張係数の±2%、好ましくは±1%である場合は、本発明の関係においては、構造の熱膨張係数に近い。
【0023】
好ましくは、本発明によると、セッターはグリーンであり、それにより、構造が焼成されている間に、構造の寸法変化に最も良好についていくようになる。有利には、セッターの材料は、構造を焼成するための熱処理後の収縮率が構造の収縮率の±2%であり、好ましくは±1%であるように選択される。
【0024】
本発明によるセッターは種々の様式で使用でき、その幾つかを下記に例示する。もちろん、本発明は記載されるいかなる態様においても、これらの実施形態に限定されない。
【0025】
図3は、本発明に係る第一の形態におけるセッター4を構造の長手断面において例示しており、その主軸5を示している。本発明に係るセッターは、Ls〜1.1×Lsの幅L1を有する。所与の形状、たとえば、楕円形、円形又は正方形の支持面を有する構造では、本発明により使用されるセッターは好ましくは概して同様の形状、すなわち、それぞれ楕円形、円形又は正方形の形状を有し、その寸法は焼成される構造の主軸を通るいずれの長手平面においても、L1がLs〜1.1×Lsであるような寸法である。有利には、このような形態は構造の垂直変形を防止する。ここで、垂直方向とは、セッターに載せる、焼成される構造の表面により形成される平面に垂直の方向として理解される。本発明によると、セッターは構造が焼成されている間に構造の水平方向の変形に追随するようにL1よりも小さい幅L2を有する。好ましくは、百分率としての2つの幅の間の相対差((L2−L1)/L1)は約5%以上であり、好ましくは約10%以上であり、さらにより好ましくは約15%以上である。ただし、概して、この差は50%未満に留まり、好ましくは40%未満又はさらには30%未満に留まる。
【0026】
図3に示すセッターは、また、図1に示すとおりの面3の反対側に、セッター/構造アセンブリの十分な安定性を確保するように、セッターの第二面又はレスト面上で測定される幅L3をも有し、この第二面は焼成プロセスの間に、たとえば、焼成炉のフロア又は焼成装置と接触している。
【0027】
セッターは、焼成される構造と接触しているレベルL1とセッターのレベルL2との間に十分な厚さE1-2を有する。本発明による厚さE1-2及び幅L2の値は、セッターを構成する材料の種類、その内部幾何形状(特に、チャンネルの存在、壁厚などによる)、及び想定される熱処理条件(特に、最終温度、温度上昇速度、及び最大温度での焼成時間)に依存して変わる。
【0028】
通常、最適厚E1-2は、実験的に決定されそして調節されてよい。
【0029】
このような最適厚を決定するために、種々のパラメータを考えることができ、そのうち下記のものがある:
焼成される構造の幅Ls、たとえば、これが筒型断面である場合は、構造の外径;及び
焼成される構造の高さh又は長さ。
【0030】
好ましくは、厚さE1-2及び幅L2は実験的に調節され、たとえば、焼成される構造の荷重下での最適クリープ耐性又は崩落耐性(slump resistance)を有するように、連続反復により調節される。
【0031】
好ましくは、E1-2、L1及びL2は図3において示すように、角度αが15°より大きく、好ましくは45°より大きいように選択される。
【0032】
好ましくは、E1-2、L1及びL2は図3において示すように、角度αが85°未満であるように選択される。
【0033】
図4に例示される別の実施形態によると、本発明に係るセッターは、上記のパラメータL2及びL3が実質的に同一である、すなわち、L2=L3であるような形態を有する。
【0034】
本実施形態によると、セッターは炉のフロア又は焼成装置と接触しているセッターの基部においてレベルL2及びレベルL3との間に一定の厚さE2-3を有する。満足できる結果を与える1つの可能な実施形態によると、E2-3は好ましくは5LS/3未満である。
【0035】
図5に示す好ましい実施形態において、本発明に係るセッターは実質的に台形形状であり、E2-3=0である極端な場合に対応する。
【0036】
他の可能な実施形態によると(本記載における図面に例示していない)、本発明に係るセッターはレベルL1及びL2の間で他の形状を有してもよく、ただし、距離L2は距離L1未満であり、特に、セッターは丸い外周又は凹もしくは凸表面の曲面を有してよい。
【0037】
本発明に係るセッターは、また、有利には、下記の1つ以上の任意的特徴を有することができる:
a)セッターは好ましくは、たとえば、特許出願明細書EP1808423に記載されるような適切な粗さを有する。しかしながら、このことは本発明に係るセッターの利点を達成するために必要なわけではない。たとえば、球形コランダム又はアルミナのグレイン又は粉体層を堆積させることにより、セッターの表面のでこぼこに充填しながら、セッターへの結合を防止することができる;
b)セッターはグリーンであり、その鉱物学的化学及び粒度組成が、焼成される構造のものと同様であるか又はさらには同一である。本発明の関係で行われた実験は、このような形態が、特に収縮率が高く、特に収縮率が約7%を超えるならば、焼成の際の構造に対する機械応力を実際に減じることを示した。表現「同様の鉱物学的組成」は、構造が焼成された後に存在する結晶相と同一の相を有し及び/又は非常に近いもしくはさらには同一の体積もしくは質量分布を有する組成を意味するものと理解される;
c)セッターは多孔質である。特に、それは好ましくは焼成される構造のものに近い開放気孔率を有する。焼成の後に、セッターの気孔率は、通常、10%〜80%であり、好ましくは30%〜70%である。特に、パティキュレートフィルター用途では、気孔率が低すぎると、圧力損失が高くなりすぎ、一方、気孔率が高すぎると、機械強度が低くなりすぎる。焼成後にセッターの気孔を構成する孔の体積メジアン直径d50は好ましくは5〜30ミクロンであり、より好ましくは8〜25ミクロンである;並びに
d)セッターは、図6に示すとおり、それ自体がチャンネルから形成され、それにより、バインダー除去及び構造物の焼成の際に、構造物から放出させるかまたは構造物と反応させたガスを自由に流させるようにし、そのチャンネルは焼成の間に同一の方向に配向されている。特に、セッターは焼成される構造と同一の内部ハニカムマクロ構造を有することができる。このため、焼成される構造2がハニカムタイプである場合に、セッター4は好ましくは図6に示すとおりの配列によるハニカムタイプであり、ここで、チャンネルを封止している栓6も示している。セッターチャネルの寸法特徴(特に、チャンネル密度、壁厚、チャンネル形状)は、好ましくは焼成される構造のものに近く、又は、さらにはそれと同一である。セッターは、そのチャンネルが支持面上で焼成される対面構造と同一の開放表面積を有するようになっている。このような態様は、「非対称」タイプの構造、すなわち、特許出願明細書WO05/016491に示されるような、インレットチャンネルの幾つかの表面がアウトレットチャンネルの幾つかの表面と異なり、好ましくはアウトレットチャンネルの幾つかの表面より大きい構造、を最適に焼成するのに特に有利であることができる。このような配列は外側に開放されているセッターのチャンネルで焼成操作の開始時にバインダーを除去する速度を増加させる。このような配列は、フィルター構造の良好な一体性にとって最終的に有利であり、特に、焼成の際のクラックの発生又は構造の変形を防止する。
【0038】
本発明に係るセッターが有利に使用されうるハニカム構造を製造するための1つの方法は、通常、以下の主要工程を含む:
a)構造の構成材料をベースとする組成物を調製し、そして、該材料を成形、特に、ダイをとおす押出成形により成形し、そして切断してハニカム構造を得ること;
b)施栓材料の組成物を調製し、焼成後にフィルター構造を得るための工程d)に係る焼成の前及び/又は後の乾燥の前及び/又は後に、上記の組成物によりチャンネルの幾つかにおいてグリーン構造をシールすること;
c)場合により、130℃未満の温度での熱風乾燥、マイクロ波乾燥、及び凍結乾燥から選択される技術又はそれらの技術の組み合わせを用いて空気中で乾燥させること;並びに
d)本発明に係るセッター上で上記の構造を焼成すること(場合により、初期バインダー除去工程を含む)。
【0039】
通常、焼成工程d)は、構造の構成材料に依存する温度で行われる。
【0040】
本願発明者は、本発明に係るセッターは既に施栓されたグリーンのフィルター構造の焼成にとって特に有利であり、それにより、栓の焼結のための追加の焼成工程を行わないで済むようにできる。このように、本発明に係るセッターの使用により、最終的に、栓と壁との結合力が改良されたフィルター構造を得ることが容易になる。
【0041】
好ましくは、フィルター構造はモノリスであり、そしてろ過壁は無機酸化物材料をベースとし、特に、チタン酸アルミニウムもしくはコージェライトもしくはムライトをベースとし、又は、これらの材料をベースとする複合材である。表現「ベースとする」は上記の壁が少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも70質量%、又は、少なくとも90質量%、又は、さらには98質量%の上記の材料を含むことを意味するものと理解される。
【0042】
本発明に係るセッターは第一の可能な実施形態において、フィルター構造の多孔質壁はチタン酸アルミニウムをベースとする材料から製造される。概して、チタン酸アルミニウムをベースとする多孔質セラミックの組成物はチタン酸アルミニウム相を安定化させるためのすべての既知の添加剤を有してよい。表現「高温安定性」は、パティキュレートフィルターの通常の動作条件下において、2つの相、すなわち、酸化チタンTiO2及び酸化アルミニウムAl23へと分解しないチタン酸アルミニウムをベースとする材料の能力を意味するものと理解される。従来的に、この特性は、材料中に存在する相を、通常、X線回折により決定し、次いで、それを1100℃で10時間熱処理に付し、そして同一のX線回折分析を同一の条件下に用いて、装置の検出限界でアルミナ及び酸化チタンの発生をチェックすることからなる安定性試験によって本発明により測定される。
【0043】
本発明に係る別の可能な実施形態において、フィルター構造の多孔質壁はSiCをベースとする材料及びセラミック及び/又はガラス状結合マトリックスから製造され、そのガラス状マトリックスはSiO2を含むことができる。用語「セラミック結合マトリックス」は、概して、平均サイズもしくは直径が1〜100ミクロンであり、好ましくは10〜100ミクロンであるグレインの間の連続構造であって、マトリックスを構成する材料を固結するように焼成し又は焼結することにより得られる構造を意味するものと理解される。用語「ガラス状マトリックス」は少なくとも30%のシリカ(SiO2)を含む非晶性もしくは若干結晶性の材料から形成されるマトリックスを特に意味するものと理解される。
【0044】
本発明に係る別の可能な実施形態において、フィルター構造の多孔質壁はアルミナをベースとする材料から製造される。
【0045】
本発明に係る別の可能な実施形態において、フィルター構造の多孔質壁はコーディエライトをベースとする材料から製造される。
【0046】
1つの可能な実施形態において、フィルターはろ過モノリスのアセンブリからなり、組み立てられた構造を構成するモノリスの断面は好ましくは正方形であり、モノリスの幅は30mm〜50mmである。結合材料は、ここで、乾燥した又は湿潤の粒子及び/又は繊維ブレンドにより形成される成形可能な組成物であって、硬化することができ、室温で又は乾燥及び/又は熱処理後に十分な機械強度を有し、その温度がモノリスを構成する材料の耐火性を決める軟化温度又は崩落温度(スランピング温度)を超えない、組成物を意味するものと理解される。結合材料は、好ましくは、SiC、アルミニウム、及び/若しくはケイ素窒化物及びアルミニウム酸窒化物などの非酸化物、又は、特にAl23、SiO2、MgO、TiO2、ZrO2、Cr23、若しくはそれらの任意の混合物を含む酸化物から選択されるセラミックもしくは耐火性材料の粒子及び/又は繊維を含む。
【0047】
組み立てられていても又はそうでなくても、フィルターは好ましくは組み立てフィルターに固定されたコーティングセメントを有し、コーティングセメントは、特に、熱機械的応力を低減するために結合材料と同一の鉱物組成を有する。
【0048】
本発明に係る方法により得られるフィルター構造は、担持され又は好ましくは担持されていない活性触媒相をさらに含んでよく、その活性触媒相は、通常、Pt及び/又はRh及び/又はPdなどの少なくとも1種の貴金属及び可能にはCeO2、ZrO2又はCeO2−ZrO2などの酸化物を含む。
【0049】
本発明及びその利点は、本発明に係るセッターの使用に関係する利点を示すのみの目的で与えられる下記の非限定的実施例を読んだときに、より良好に理解されるであろう。実施例において、すべての百分率は質量基準で与えられる。
【実施例】
【0050】

a)電気融合されたチタン酸アルミニウムから得られる粉末の製造
すべての実施例において、百分率は質量基準で示される。予備工程において、チタン酸アルミニウムを以下の原料から調製した:
約40質量%のアルミナであって、Al23純度レベルが99.5%を超え、メジアン直径d50が90μmであり、PechineyによりAR754(登録商標)で販売されているアルミナ;
約50質量%の酸化チタンであって、ルチル型であり、95%を超えるTiO2及び約1%のジルコニアを含み、メジアン直径d50が約120μmであり、Europe Mineralsにより販売されている酸化チタン;
約5質量%のシリカであって、SiO2純度レベルが99.5%を超え、メジアン直径d50がおよそ210μmであり、SIFRACOにより販売されているシリカ;並びに
約4質量%のマグネシア粉末であって、MgO純度レベルが98%を超え、80%を超える粒子が0.25〜1mmの直径を有し、Nedmagにより販売されているマグネシア粉末。
【0051】
電気アーク炉中にて、空気中で、電気駆動酸化を用いて、反応性酸化物の初期ブレンドを溶融させた。次いで、溶融ブレンドをCSモールド中にキャスティングし、急速冷却を行った。得られた生成物をミリングし、篩い分けして、種々の粒度画分の粉末を得た。より正確には、ミリング及び篩い分け操作は、最終的に以下の2つの粒度画分を得る条件下で行った:
1つの粒度画分は、メジアン直径d50が本発明に係る用語「粗粒」画分により表される50ミクロンに実質的に等しいことを特徴とする;並びに
1つの粒度画分は、メジアン直径d50が本発明に係る用語「微細粒」画分により表される1.5ミクロンに実質的に等しいことを特徴とする。
【0052】
本開示の関係で、メジアン直径d50は沈降式粒度分析(セジグラフィー)により測定された粒子直径を表し、集合体の50体積%がそれを下回る。
【0053】
マイクロプローブ分析は、このようにして得られた融着相のすべてのグレインが、下記の酸化物の質量百分率で下記の組成を有した(表1)。
【0054】
【表1】

【0055】
b)グリーンモノリスの製造
最初に、一連の乾燥グリーンモノリスを下記の様式で合成した:
下記の組成による粉末をミキサー中でブレンドした:
電気融合により事前に製造された2種のチタン酸アルミニウム粉末のブレンド100%、すなわち、メジアン直径が50μmである第一の粉末約75%及びメジアン直径が1.5μmである第二の粉末約25%。
【0056】
次に、ブレンドの総量に対して下記のもの:
セルロースタイプの有機バインダー、4質量%;
孔形成剤、15質量%;
エチレングリコールから得られる可塑剤、5%;
潤滑剤(オイル)、2%;
界面活性剤、0.1%;及び
水、約20%、
を添加し、従来の技術を用いて、混合後に均質ペーストを得て、その可塑性により、ダイをとおしてハニカム構造を押出成形することができ、その構造は焼成後に表2のとおりの寸法的特徴を有した。
【0057】
次に、得られたグリーンモノリスを、化学的に未結合の水含有分を1質量%未満にするのに十分な時間にわたってマイクロ波乾燥により乾燥した。
【0058】
モノリスの両端のチャンネルを、たとえば、特許US4557773に記載される周知の技術を用いて、1つおきのチャンネルでモノリスをシールすることができる混合物を得るための下記の配合:
電気融合により事前に製造された2種のチタン酸アルミニウム粉末のブレンド100%、すなわち、メジアン直径が50μmである第一の粉末約66%及びメジアン直径が1.5μmである第二の粉末約34%;
セルロースタイプの有機バインダー、1.5質量%;
孔形成剤、21.4質量%;
カルボン酸をベースとする分散剤、0.8%;及び
水、約55%、
を満足する混合物を用いて、施栓した。
【0059】
空気中で徐々に温度を1450℃に到達させ、その温度を4時間維持した焼成の後のモノリスの特徴を下記の表2に示す。
【0060】
【表2】

【0061】
気孔率特性を、Micromeritics 9500 多孔度計を用いて行われる高圧水銀多孔度分析によって測定した。収縮率について、焼成後のモノリスの直径(mm)と乾燥グリーンモノリスの直径(mm)との差を、乾燥グリーンモノリスの直径(mm)で割った百分率比により測定した。直径については、フィルター基部での「エレファントフット」変形を無視するために、フィルターの上部、すなわち、焼成セッターと直接的に接触している面とは反対側の面に近い部分で測定した。表2に示す収縮率値は10個のモノリスの集団に対して行った測定から得られた平均に対応している。
【0062】
例1(比較例)の場合において、モノリスを、モノリスと同一の構造ならびに同一の粒度及び鉱物学的化学組成を有するグリーンハニカムセッター上で焼成した。セッターの寸法的特徴、図2に表す全体の形状を表3に示す。この例によると、焼成セッターも筒型形状を有し、そして焼成される構造の直径と同一の直径を有する。
【0063】
上述の例とは異なり、例2(これも比較例)により得られるモノリスを、特許EP0234887の図7と同一の幾何形状を有するセッター上で焼成した。このセッターの寸法を表3に示す。添付の図7はセッターの形状を模式的に示し、長さa及び角度δはこの従来技術において記載されるセッターを特徴付ける。
【0064】
上記の比較例とは異なり、本発明に係る例3、4及び5のモノリスを、図5に示す形状を有するグリーンハニカムセッター上で焼成した。そのセッターの寸法を下記の表3に示す。セッターは、今度は、それぞれ直径L1(第一レベル)及びL2(第二レベル)からなる2つの円形レベルからなり、本発明により、直径L2は直径L1より小さかった。
【0065】
【表3】

【0066】
幅Lsを、モノリスの基部で乾燥グリーン状態の構造で測定した。寸法L1、L2、L3、E1-2、E2-3、a、及びH、並びに角度α及びδを、乾燥グリーンセッターについて測定した。
【0067】
水平変形(エレファントフット)、すなわち、焼成される部品と接触しているセッターの表面により形成される平面に平行な変形を、焼成後の各モノリスについて測定した。表3に示す%変形率は10個のフィルターのサンプルで測定した平均百分率である。フィルターの上部での外径と、焼成セッターに接触しているフィルターの基部での外径の差を測定し、この差をフィルターの平均直径で割り、そして100を掛けることにより%変形率を決定した。2%よりも大きい水平変形は用途に満足できないものとみなす。
【0068】
焼成後のフィルターもしくはモノリスについて垂直変形率を測定した。中央でのフィルターの長さとフィルターの周縁での長さの差を測定し、これをフィルターの中央での長さで割り、そして100を掛けることにより垂直変形率を測定した。0.1%を超える垂直変形率は得られた部品に対して追加の機械加工操作が必要であり、このため、満足できないものとみなす。
【0069】
このように、表3に示した結果は、本発明に係るセッターにより、水平平面及び垂直平面の両方において最も小さい変形率を有するフィルターを得ることが可能になることを示している。特に、本発明に係るセッターの使用により、焼成後の調整、切削、又は機械加工が必要ないであろう構造となる。さらに、フィルター構造の場合には、栓は構造を焼成する工程の前に、障害無く適合されうる。このため、得られるフィルター、特に、自動車の排気ライン中のパティキュレートフィルターとしての使用のためのフィルターの均一性及び強度を有意に改良することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成セッター(4)上でハニカム型多孔質セラミック構造(2)を焼成するための方法であって、前記構造が該構造の2つの末端を終端とする複数の長手方向貫通チャンネルを含み、該末端(3)が、セッター(4)上に載っており、該構造の主軸(5)を通る長手断面において焼成前の最大幅がLsである、方法において、
前記セッターは、前記長手断面において、
焼成される前記構造のための支持表面として作用する前記セッターの第一面に対応する、最大幅がL1である第一レベル;
前記セッターの前記第一面から厚さE1-2の間隔を開けて位置する、最大幅がL2である第二レベル、
を有し、
幅L1はLs以上であり、及び
幅L2はL1未満である、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
幅L1が、Ls〜1.1×Lsの間である、請求項1記載の焼成方法。
【請求項3】
2つの幅L1及びL2の間の相対差(L1−L2)/L1が約5%以上である、請求項1または2に記載の焼成方法。
【請求項4】
前記構造の末端及びその支持面として作用する前記セッターの面が、実質的に同一の形状及び/又は実質的に同一のジオメトリーを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記セッターはハニカム型であり、そして2つの末端に開放された複数の長手方向貫通チャンネルを含み、前記セッターの上端は前記第一レベルを構成している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の焼成方法。
【請求項6】
前記セッターを構成する材料の熱膨張係数が、前記焼成の温度範囲内で、前記構造を構成する材料の熱膨張係数と最大で2%異なる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の焼成方法。
【請求項7】
前記セッターを構成する材料を焼成する際の収縮率が、前記焼成の温度範囲内で、前記構造を構成する材料を焼成する際の収縮率と最大で2%異なる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の焼成方法。
【請求項8】
前記セッターが台形形状であり、前記第二レベルが前記セッターの第二面に対応する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の焼成方法。
【請求項9】
前記セッターが、該セッターの第二面に対応する、幅L3を有する第三レベルを有し、幅L3は幅L2以上であり幅Lsの少なくとも3/5である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の焼成方法。
【請求項10】
前記構造の長手方向貫通チャンネルがその末端で事前に交互にブロックされているハニカムフィルター構造を得るための方法における、請求項1〜9のいずれか一項に記載の焼成方法。
【請求項11】
ハニカム型多孔質セラミック構造(2)を焼成するのに適する焼成セッター(4)であって、
前記セッターは、その主軸(5)を通る断面において、
焼成される前記構造のための支持表面(3)として作用する前記セッターの第一面に対応する、最大幅がL1である第一レベル、
前記セッターの前記第一面から厚さE1-2の間隔を開けて位置する、最大幅がL2である第二レベル、
を有し、
幅L2がL1未満である、
ことを特徴とする焼成セッター。
【請求項12】
幅L1が、Ls〜1.1×Lsの間である、請求項11に記載の焼成セッター。
【請求項13】
2つの幅L1及びL2の間の相対差(L1−L2)/L1が約5%以上である、請求項11又は12に記載の焼成セッター。
【請求項14】
ハニカム型であり、2つの末端に開放された複数の長手方向貫通チャンネルを含み、上端が前記第一レベルを構成している、請求項11〜13のいずれか一項に記載の焼成セッター。
【請求項15】
台形形状であり、前記第二レベルが前記セッターの第二面に対応する、請求項11〜14のいずれか一項に記載の焼成セッター。
【請求項16】
前記セッターの第二面に対応する、幅L3を有する第三レベルを有し、幅L3が幅L2以上である、請求項11〜14のいずれか一項に記載の焼成セッター。

【公表番号】特表2012−521345(P2012−521345A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501348(P2012−501348)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050504
【国際公開番号】WO2010/109120
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(310009890)サン−ゴバン サントル ドゥ ルシェルシェ エ デトゥードゥ ユーロペン (24)
【Fターム(参考)】