説明

ハニカム構造体の製造方法

【課題】成形性に優れ、得られたハニカム構造体の熱膨張率が低いハニカム構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】コージェライト化原料を含有し、更に、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のアルミナ粒子と、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のシリカ粒子とを成形助剤として含有する坏土を、ハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製し、ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得るハニカム構造体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関し、更に詳しくは、成形性に優れ、得られたハニカム構造体の熱膨張率が低いハニカム構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の排ガスや廃棄物の焼却時に発生する焼却排ガス等に含有される、塵やその他の粒子状物質を捕集するため、更には上記排ガス中のNO、CO及びHC等を、担持した触媒により吸着・浄化するために、セラミックスからなるハニカム構造体が使用されている。このようなハニカム構造体の中でも、耐熱衝撃性に優れたものとして、コージェライト質ハニカム構造体が使用されている。
【0003】
このようなコージェライト質ハニカム構造体の製造方法としては、例えば、セラミックス原料(コージェライト化原料)、水、有機バインダ等を混練し、可塑性を向上させた坏土を押出成形し、乾燥し、焼成するセラミックス構造体の製造方法が挙げられる。セラミックス原料を含有する坏土を押出成形する際には、成形性を高めるために、坏土にある程度の流動性が必要であるが、スメクタイト等の微粒層状鉱物を坏土に添加することにより、坏土の流動性を高め、成形性を向上させようとする方法が開示されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0004】
また、セラミックス原料中にナトリウム、カルシウム、カリウム等の不純物が多く含まれると、得られるハニカム構造体の熱膨張係数が大きくなることが知られている。これに対し、これらの不純物の含有率が低いベーマイト(アルミナ1水和物)微粒子を坏土に含有させることにより、坏土の成形性を向上させるとともに、得られるハニカム構造体の熱膨張係数を低下させる方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
【特許文献1】国際公開第WO2005/94967号パンフレット
【特許文献2】国際公開第WO2005/97703号パンフレット
【特許文献3】国際公開第WO2005/102963号パンフレット
【特許文献4】国際公開第WO2006/46542号パンフレット
【特許文献5】特開2006−256908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スメクタイト等の微粒層状鉱物は、一般に天然鉱物であり、ナトリウム、カルシウム、カリウム等の不純物が多く含有されているという問題があった。また、ベーマイト微粒子を坏土に添加する方法は、ベーマイト微粒子を添加した坏土が硬度上昇傾向になるため、ある程度、坏土の成形性向上に寄与する。しかし、この方法は、多量の添加水を必要とするために、坏土を成形して得られたハニカム成形体を乾燥、焼成する際の収縮率が高くなり、寸法安定性が悪いという問題があった。また、ハニカム成形体を乾燥、焼成する際に粗粒シリカ(結晶質)が存在すると、焼成時収縮のタイミングが遅れるため、乾燥、焼成時の収縮率を低くし、寸法変動を抑えることができる。そのため、ベーマイト微粒子と粗粒シリカ(結晶質)とを坏土に添加する方法が考えられるが、この方法では、粗粒シリカの粒径が大きいため、得られるハニカム構造体の気孔率及び気孔径が大きくなり、強度不足になるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、成形性に優れ、得られたハニカム構造体の熱膨張率が低いハニカム構造体の製造方法を提供することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって以下のハニカム構造体の製造方法が提供される。
【0008】
[1] コージェライト化原料を含有し、更に、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のアルミナ粒子と、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のシリカ粒子とを成形助剤として含有する坏土を、ハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製し、前記ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得るハニカム構造体の製造方法。
【0009】
[2] アルミナ粒子とシリカ粒子の少なくとも一方が平均粒子径0.10μm以下である[1]に記載のハニカム構造体の製造方法。
【0010】
[3] アルミナ粒子とシリカ粒子の両方が平均粒子径0.10μm以下である[2]に記載のハニカム構造体の製造方法。
【0011】
[4] 前記成形助剤の坏土中の含有量が、前記コージェライト化原料と前記成形助剤との合計量に対して2〜10質量%である[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【0012】
[5] 前記アルミナ粒子と前記シリカ粒子との坏土中の配合比が、アルミナ粒子:シリカ粒子=10:1〜1:30である[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【0013】
[6] 前記シリカ粒子が、非晶質シリカである[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【0014】
[7] 前記坏土中に、前記坏土全体に対して30〜50質量%の水を含有させる[1]〜[6]のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、ハニカム成形体の成形に用いる坏土中に、平均粒子径1.0μm以下のアルミナ粒子と、平均粒子径1.0μm以下のシリカ粒子とを成形助剤として含有するため、坏土の流動性が良好になり、成形性が向上する。そして同時に、ハニカム構造体として必要な寸法安定性、強度を確保することもできる。更に、上記アルミナ粒子の、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計が0.05質量%以下であり、上記シリカ粒子の、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計が0.05質量%以下であるため、得られるハニカム構造体の熱膨張係数を低くすることができ、耐熱衝撃性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0017】
本発明のハニカム構造体の製造方法の一実施形態は、コージェライト化原料を含有し、更に、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のアルミナ粒子と、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のシリカ粒子とを成形助剤として含有する坏土を、ハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製し、作製したハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得るものである。ここで、ハニカム構造体は、複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有する筒状の構造体である。
【0018】
(坏土)
本発明のハニカム構造体の製造方法の一実施形態は、まず、コージェライト化原料及び成形助剤を混合、混練して坏土を形成する。成形助剤としては、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のアルミナ粒子と、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のシリカ粒子とを用いる。コージェライト化原料とは、焼成によりコージェライトとなる原料を意味し、シリカ(SiO)が42〜56質量%、アルミナ(Al)が30〜45質量%、マグネシア(MgO)が12〜16質量%の範囲に入る化学組成(以降、「コージェライト組成範囲」と表記)となるように所定の原料が混合されたセラミックス原料である。コージェライトの好適な組成としては、例えば、2MgO・2Al・5SiOを挙げることができる。本実施形態において、コージェライト化原料を形成するために混合すべき「所定の原料」としては、タルク、カオリン、アルミナ源原料(アルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイト等)、シリカ等を挙げることができる。コージェライト化原料のアルミナ・シリカが、「アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下」の条件を満たす様にして、成形助剤効果を併せ持たせることも可能ではあるが、この場合、成形助剤としては、その含有量が後述する好適範囲を超えることとなる場合が多い。従って、コージェライト化原料としてのアルミナ・シリカと、成形助剤としてのアルミナ・シリカとは、別個に設定することが好ましい。コージェライト化原料の平均粒子径は、タルクが2μm以上40μm以下、カオリンが0.1μm以上20μm以下、アルミナが0.1μm以上30μm以下、シリカが2μm以上150μm以下であることが好ましい。本願におけるアルミナとは、コージェライト化原料の場合であっても、成形助剤の場合であっても、焼成後にコージェライトの一部として酸化物の形態で存在することとなるものを総称しており、酸化物アルミニウムの他、水酸化アルミニウム等も含む概念である。尚、成形助剤であるアルミナとシリカとは、コージェライト化原料等を混合する際に、予め混合した状態で添加してもよいし、アルミナ及びシリカをそれぞれ別個に添加してもよい。後者の方が、工程を簡略化できる点では、好適である。
【0019】
上記成形助剤として坏土に配合するアルミナ粒子及びシリカ粒子は、いずれも、平均粒子径が1.0μm以下であり、0.50μm以下が好ましい。更に、アルミナ粒子とシリカ粒子の少なくとも一方が、平均粒子径0.10μm以下であることが好ましく、0.01〜0.10μmであることが特に好ましい。更に、アルミナ粒子とシリカ粒子の両方が、平均粒子径0.10μm以下であることが好ましく、0.01〜0.10μmであることが最も好ましい。アルミナ粒子及びシリカ粒子の平均粒子径をこのように小さくすることにより、これらの粒子が、滑剤の役割を果たし、坏土の流動性を高め、成形性を向上させることができる。アルミナ粒子又はシリカ粒子の平均粒子径が1.0μmより大きいと、坏土の流動性が高くならないため好ましくない。更に、アルミナ粒子とシリカ粒子とを混合したものの平均粒子径が、1.0μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.80μm以下であることが更に好ましく、0.01μm以上0.04μm以下であることが最も好ましい。例えば、アルミナ粒子の平均粒子径が1.0μmで、シリカ粒子の平均粒子径が0.02μmの場合、両者の配合比率を調整して、混合状態での平均粒子径を0.04μm以下とすることにより、非常に良好な流動性を得ることができる。
【0020】
上記成形助剤として坏土に配合するアルミナ粒子及びシリカ粒子は、いずれも、不純物としてのナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.05質量%以下である。更に、アルミナ粒子とシリカ粒子の少なくとも一方が0.03質量%以下であることが好ましい。更に、アルミナ粒子とシリカ粒子の両方が、0.03質量%以下であることが最も好ましい。アルミナ粒子及びシリカ粒子の、不純物であるナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)を0.05質量%以下とすることにより、得られるハニカム構造体の熱膨張係数を低くすることができ、耐熱衝撃性を向上させることができる。アルミナ粒子又はシリカ粒子の、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が、0.05質量%を超えると、得られるハニカム構造体の熱膨張係数が高くなるため好ましくない。なお、天然のアルミナ及びシリカは、不純物としてのナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.05質量%を超えるものがほとんどであるため、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率が少ないアルミナ及びシリカを、人工的に作製して用いることが好ましい。具体的には、アルミナは、気相法で作製したものを用いることが好ましい。シリカは気相法で作製したものを用いることが好ましい。
【0021】
成形助剤の坏土中の含有量は、コージェライト化原料と成形助剤との合計量に対して2〜10質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることが更に好ましい。成形助剤の坏土中の含有量が、このような範囲であることにより、効果的に成形性を向上させることができる。成形助剤の坏土中の含有量が2質量%より少ないと、成形性向上の効果が出難いことがあり、10質量%より多いと、成形助剤の嵩高さ故に、生成坏土量に照らして大型の混合設備が必要となり、混合作業が困難となるためである。また、成形助剤の含有量を10質量%以下とすることにより、コージェライト化原料によって形成されているコージェライト組成に与える影響を小さく抑えることができる。尚、成形助剤のアルミナ及びシリカをコージェライト化原料に合算しても、コージェライト組成範囲に入っていることが、一層好ましい。また、成形助剤の坏土中の含有量が、コージェライト化原料と成形助剤との合計量に対して、5質量%より多いと、多くの分散媒としての水を要することがある。
【0022】
アルミナ粒子とシリカ粒子との坏土中の配合比(質量比)が、アルミナ粒子:シリカ粒子=10:1〜1:30であることが好ましく、1:1〜1:10であることが更に好ましい。平均粒子径0.1μm以下のアルミナ粒子と平均粒子径0.1μm以下のシリカ粒子とを、上記配合比にて併用することにより、成形性と、寸法安定性・強度とを共に向上させる(両立させる)ことができると共に、コージェライト組成への影響を抑えることもできる。
【0023】
シリカ粒子は、非晶質シリカであることが好ましい。非晶質シリカであることより、焼成後の低熱膨張化するという利点がある。
【0024】
成形助剤であるアルミナ粒子及びシリカ粒子は、その粒子がブロック状であることが好ましい。アルミナ粒子及びシリカ粒子がブロック状であることにより、スメクタイトのような層状の粒子のように水を吸収して膨潤することがないため(非膨潤性であるため)、分散媒としての水の添加量を少なくすることができ、ハニカム成形体の乾燥速度が速く、ハニカム成形体の乾燥、焼成時の収縮率が小さいものとなる。従って、良好な寸法安定性が得られる。ここで、粒子が「ブロック状」であるとは、多数の薄い板状のアルミナ等が積層して形成された層状の粒子や、針状の粒子ではなく、一つの塊であることをいう。長軸の長さが短軸の長さに対して2倍以下の塊状であることが好ましい。長軸の長さとは、粒子の長さが最も長くなる方向におけるその長さであり、短軸の長さとは、粒子の長さが最も短くなる方向におけるその長さである。尚、粒子の形状は、電子顕微鏡像等で確認することができる。
【0025】
本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、坏土に、更に、分散媒としての水、バインダ、造孔剤、界面活性剤等を配合することが好ましい。
【0026】
分散媒としての水の配合量は、ハニカム成形体の押出成形時における坏土が適当な硬さを有するものとなる量とすることが好ましい。具体的には、坏土全体に対して、30〜50質量%であることが好ましく、30〜40質量%であることが更に好ましい。30質量%より少ないと、坏土が硬くなり成形性が低下することがあり、50質量%より多いと、ハニカム成形体の乾燥効率が低下することがある。また、水の配合量が40質量%より多いと、ハニカム成形体の乾燥時の収縮率が大きくなることがある。
【0027】
本実施形態のハニカム構造体の製造方法において、坏土に含有させるバインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。坏土中のバインダの配合量は、コージェライト化原料100質量部に対して、1〜10質量部が好ましい。バインダ配合量が1質量部未満である場合成形性が悪化することがあり、10質量部超であると焼成時の不具合が発生することがある。
【0028】
本実施形態のハニカム構造体の製造方法において、高気孔率のハニカム構造体を製造する場合には、坏土中に造孔剤を含有させることが好ましい。このような造孔剤は、所望の形状、大きさ、分布の気孔を、ハニカム構造体に形成し、気孔率を増大させ、高気孔率のハニカム構造体を得ることができる。このような造孔剤としては、例えば、グラファイト、小麦粉、澱粉、フェノール樹脂、吸水性樹脂(ポリメタクリル酸メチル)、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、又は発泡樹脂(アクリロニトリル系プラスチックバルーン等)等を挙げることができる。これらは、自身が焼失することにより、気孔を形成する。造孔剤の含有割合については特に制限はないが、坏土全体に対して、20質量%以下とすることが好ましい。造孔剤含有量が20質量%を超えると焼成時の不具合が発生することがある。
【0029】
本実施の形態のハニカム構造体の製造方法において、坏土に含有させる界面活性剤としては、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、又は両イオン性のいずれの界面活性剤であってもよい。陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩等を挙げることができる。また、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン(又はソルビトール)脂肪酸エステル等を挙げることができる。界面活性剤は、原料粒子の分散性を向上させるとともに、押出成形時には原料粒子を配向しやすくさせる働きがある。坏土中の界面活性剤の配合量は、コージェライト化原料100質量部に対して、0.1〜5.0質量部が好ましい。界面活性剤が0.1質量部未満である場合、成形性が悪化することがあり、5.0質量部を超えると材料特性が悪化することがある。
【0030】
(混合、混錬)
本実施の形態のハニカム構造体の製造方法において、コージェライト化原料、成形助剤等を混合する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、プレミキシング等の方法を挙げることができる。そして、上記混合を行ったものを混練して坏土を形成する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、ニーダー、真空土練機等を用いて混練することができる。
【0031】
(成形)
次に、得られた坏土を、ハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製する。ハニカム成形体は、得られた坏土を、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度等を有する口金を用いて、押出成形することにより作製することが好ましい。ハニカム成形体は、焼成してハニカム構造体を形成したときに後述する条件のハニカム構造体が得られるように、作製することが好ましい。
【0032】
(乾燥)
次に、得られたハニカム成形体を乾燥させることが好ましい。乾燥の方法は特に制限はなく、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の乾燥法を用いることができる。中でも、成形体全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好ましい。
【0033】
(仮焼)
次に、ハニカム成形体を焼成する前に仮焼することが好ましい。「仮焼」とは、ハニカム成形体中の有機物(バインダ、造孔材等)を燃焼させて除去する操作を意味する。一般に、バインダ(有機バインダ)の燃焼温度は100〜300℃程度、造孔材の燃焼温度は200〜800℃程度であるので、仮焼温度は200〜1000℃程度とすればよい。仮焼時間としては特に制限はないが、通常は、10〜100時間程度である。
【0034】
(焼成)
次に、ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を作製する。焼成により、ハニカム成形体のセラミック原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保することができる。コージェライト化原料の焼成条件(温度、時間)としては、1350〜1440℃で、3〜10時間程度焼成することが好ましい。仮焼と焼成は、別途実施してもよいが、連続して実施することもできる。後者は、工程削減、エネルギー効率の観点から、好適である。
【0035】
本発明のハニカム構造体の製造方法によって製造されるハニカム構造体の形状は、特に制限されないが、例えば、円筒状、四角柱状、三角柱状、その他角柱状等を挙げることができる。
【0036】
また、ハニカム構造体のセル形状(ハニカム構造体の中心軸方向(セルが延びる方向)に対して垂直な断面におけるセル形状)としては、特に制限はなく、例えば、四角形、六角形、三角形等を挙げることができる。また、ハニカム構造体が有する複数のセルのセル形状としては、一種類のセル形状であってもよいが、複数種類のセル形状が含まれるものであってもよい。複数種類のセル形状の組合せとしては、例えば、八角形と四角形との組合せ等の任意の組合せを挙げることができる。
【0037】
得られるハニカム構造体の隔壁の気孔率は、10〜80%であることが好ましく、25〜65%であることが更に好ましく、25〜50%であることが特に好ましい。隔壁の気孔率が10%未満であると、触媒担持性が悪化することがあり、隔壁の気孔率が80%を超えると、ハニカム構造体の強度が低下することがある。なお、気孔率は、マイクロメリティックス社製の水銀圧入式ポロシメーターにより測定した全細孔容積から、コージェライトの真比重を2.52g/cmとして、算出した値である。隔壁の気孔率は、ハニカム構造体の製造時に、コージェライト化原料の平均粒子径、造孔剤の平均粒子径等を調節することにより所望の値にすることができる。
【0038】
得られるハニカム構造体の隔壁の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、20〜320μmであることが更に好ましく、20〜210μmであることが特に好ましい。隔壁の厚さが20μmより薄いと、ハニカム構造体の強度が低下することがあり、500μmより厚いと、圧力損失が大きくなり、熱容量が増大することがある。隔壁の厚さは、ニコン社製、画像測定機NEXIVにより測定した値である。
【0039】
得られるハニカム構造体は、隔壁の平均細孔径が、2〜80μmであることが好ましく、4〜60μmであることが更に好ましい。隔壁の平均細孔径をこのような範囲にすることにより、好適な触媒担持性及び圧力損失低減効果をバランス良く得ることができる。平均細孔径は、上述の水銀圧入式ポロシメーターにより測定した値である。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
コージェライト化原料として、タルク38質量%、カオリン37質量%、アルミニウム酸化物20質量%、及びシリカ1質量%を混合したものを使用した。成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.03質量%、平均粒子径0.01μmのアルミナ粒子と、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.03質量%、平均粒子径0.01μmの非晶質シリカ粒子とを用いた。成形助剤全体の平均粒子径は0.01μmであり、成形助剤全体におけるナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)は0.03質量%であった。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により測定した値である。透過型電子顕微鏡の測定条件は、倍率:20000倍、測定粒子数:10粒子とした。また、1つの粒子についての「短径と長径との平均値」を、その粒子の「粒子径」とした。そして、各粒子の「粒子径」を、測定した全粒子について平均した値を「平均粒子径」とした。コージェライト化原料100質量部に、成形助剤4.0質量部、バインダとしてメチルセルロースを5.0質量部、及び界面活性剤であるラウリン酸カリ石鹸を0.5質量部、それぞれ添加し、分散媒として水を、坏土全体に対して37質量%となるように添加し、混合、混練して坏土を調製した。混合及び混練装置は、シグマニーダー使用した。
【0042】
得られた坏土を、ラム式真空成形機を用いて押出成形し、セル断面形状が四角形で、全体の形状が円筒形のハニカム成形体を作製した。
【0043】
次に、得られたハニカム成形体を熱風乾燥法(120℃、1時間)で乾燥させた。
【0044】
次に、乾燥させたハニカム成形体を焼成することによってハニカム構造体を得た。焼成条件は、1350〜1440℃、5時間とした。
【0045】
得られたハニカム構造体は、直径70mm、中心軸方向長さ100mmの円筒形であり、隔壁の厚さ150μm(6mil)、セル密度400セル/平方インチ(62セル/cm)、隔壁の平均細孔径5μm、隔壁の気孔率35%であった。気孔率及び平均細孔径の測定は、前述の水銀圧入式ポロシメーターにより測定した。また、表1において、セル構造の欄は、「隔壁厚さ(mil)/セル密度(cpsi)」を示し、「1(mil)」は1000分の1インチであり、「cpsi」は「セル/平方インチ」のことである。
【0046】
得られたハニカム構造体について、又はハニカム構造体の製造過程において、以下に示す方法で、「成形性」、「収縮率」、「素地強度」及び「熱膨張係数」を測定した。結果を表2に示す。
【0047】
(成形性)
成形性は、坏土の押出し荷重(流動性)及び圧縮応力(保形性)のバランスにより評価し、同一圧縮応力における押出し荷重値により確認する。当該押出し荷重値が、成形助剤未添加時より50%以上低下する場合を「◎」、成形助剤未添加時より「0%以上、50%未満」低下する場合を「○」、成形助剤未添加時より増大する場合を「△」とし、「◎」を合格とする。
【0048】
(収縮率)
収縮率(%)は、乾燥前のハニカム成形体の大きさに対する、乾燥及び焼成によりハニカム構造体を形成したときの収縮した大きさ((乾燥前ハニカム成形体)−(焼成後ハニカム構造体))の比率(%)とする。ハニカム成形体及びハニカム構造体のそれぞれの大きさは、直径及び中心軸方向長さを測定する。収縮率8.0%以下を合格とする。
【0049】
(素地強度)
素地強度(MPa)は、ハニカム構造体についてオートグラフにより測定する。素地強度0.45MPa以上を合格とする。素地強度は、作製したハニカム構造体から20mm×70mm×10mmに切り出した試料の4点曲げ強度測定を実施した。ロードセルは500N、加重速度:0.5mm/分、スパン:20−60mmとした。
【0050】
(熱膨張係数)
熱膨張係数(/℃)は、ハニカム構造体について示差熱膨張計により測定する。熱膨張係数0.30×10−6/℃以下を合格とする。熱膨張係数は、熱機械分析装置(リガク社製、THRMO PLUS2/TMA)を用い、40〜800℃の範囲で昇温速度10℃/分で測定した。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
(実施例2〜17)
成形助剤であるアルミナ及びシリカのそれぞれの平均粒子径、不純物量、配合量及び配合比を表1に示す値とし、添加水(水)の配合量及びセル構造を表1に示す値とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。尚、実施例12については、シリカとして微粒結晶質シリカを用いた。表1において、「不純物量(質量%)」の欄は、カリウム、カルシウム及びナトリウムを不純物とし、アルミナ等に含まれるこれら不純物の合計量を表している。また、表1において、「水(質量%)」は、坏土に添加した分散媒としての水の、坏土全体に対する比率を示す。また、表1の「セル構造」の欄において、8(mil)/300(cpsi)は、200(μm)/46.5(セル/cm)であり、2(mil)/900(cpsi)は、50(μm)/139.5(セル/cm)である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0054】
(比較例1,2)
成形助剤であるアルミナ及びシリカのそれぞれの平均粒子径と、添加水とを、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0055】
(比較例3)
成形助剤であるアルミナ及びシリカのそれぞれの不純物量を、表1に示すように変更した以外は、実施例2と同様にしてハニカム構造体を製造した。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0056】
(比較例4)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が4.23質量%、平均粒子径1.6μmのモンモリロナイト粒子を用い、添加水を43質量%とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。モンモリロナイト粒子は層状の粒子である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0057】
(比較例5)
セル構造を、2(mil)/900(cpsi)とした以外は、比較例4の場合と同様にして、ハニカム構造体を製造した。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0058】
(比較例6)
セル構造を、8(mil)/300(cpsi)とした以外は、比較例4の場合と同様にして、ハニカム構造体を製造した。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0059】
(比較例7)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が4.68質量%、平均粒子径3.3μmのベントナイト粒子を用い、添加水を43質量%とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。ベントナイト粒子は層状の粒子である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0060】
(比較例8)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が3.20質量%、平均粒子径0.1μmのサポナイト粒子を用い、添加水を43質量%とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。サポナイト粒子は層状の粒子である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0061】
(比較例9)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が3.28質量%、平均粒子径0.1μmのヘクトライト粒子を用い、添加水を45質量%とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。ヘクトライト粒子は層状の粒子である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0062】
(比較例10)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が5.34質量%、平均粒子径3.3μmのマイカ粒子を用い、添加水を43質量%とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。マイカ粒子は層状の粒子である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0063】
(比較例11)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が3.06質量%、平均粒子径2.4μmのパリゴルスカイト粒子を用いた以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。パリゴルスカイト粒子は針状の粒子である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0064】
(比較例12)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.07質量%、平均粒子径0.5μmのハイドロタルサイト粒子を用い、添加水を35質量%とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。ハイドロタルサイト粒子は、長軸の長さが短軸の長さの2倍以上の板状の粒子であり、ブロック状の粒子ではない。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0065】
(比較例13)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.05質量%、平均粒子径0.05μmのベーマイト粒子を用いた以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。ベーマイト粒子はブロック状の粒子である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0066】
(比較例14)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.05質量%、平均粒子径0.05μmのベーマイト粒子と、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.03質量%、平均粒子径5.0μmの粗粒結晶性シリカ粒子とを用い、添加水を37質量%とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。ベーマイト粒子及び粗粒結晶性シリカ粒子はブロック状の粒子である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0067】
(比較例15)
成形助剤として、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.05質量%、平均粒子径0.05μmのベーマイト粒子と、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計(アルカリ金属・アルカリ土類金属含有率)が0.03質量%、平均粒子径5.0μmの粗粒結晶性シリカ粒子とを用い、添加水を37質量%とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。ベーマイト粒子及び粗粒結晶性シリカ粒子はブロック状の粒子である。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0068】
(比較例16)
成形助剤を配合せず、添加水を35質量%とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。実施例1の場合と同様にして、上記各特性を測定した。結果を表2に示す。
【0069】
表1より、実施例1〜17のハニカム構造体の製造方法では、成形性、収縮率、素地強度及び熱膨張係数がいずれも良好であり、添加水も少ないものであった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明のハニカム構造体の製造方法は、自動車の排ガスや廃棄物の焼却時に発生する焼却排ガス等に含有される、塵やその他の粒子状物質を捕集するため、更には上記排ガス中のNO、CO及びHC等を、担持した触媒により吸着・浄化するために用いるハニカム構造体を製造するために利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コージェライト化原料を含有し、更に、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のアルミナ粒子と、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの含有率の合計が0.05質量%以下、平均粒子径1.0μm以下のシリカ粒子とを成形助剤として含有する坏土を、ハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製し、前記ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得るハニカム構造体の製造方法。
【請求項2】
アルミナ粒子とシリカ粒子の少なくとも一方が平均粒子径0.10μm以下である請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項3】
アルミナ粒子とシリカ粒子の両方が平均粒子径0.10μm以下である請求項2に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項4】
前記成形助剤の坏土中の含有量が、前記コージェライト化原料と前記成形助剤との合計量に対して2〜10質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項5】
前記アルミナ粒子と前記シリカ粒子との坏土中の配合比が、アルミナ粒子:シリカ粒子=10:1〜1:30である請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項6】
前記シリカ粒子が、非晶質シリカである請求項1〜5のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項7】
前記坏土中に、前記坏土全体に対して30〜50質量%の水を含有させる請求項1〜6のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。

【公開番号】特開2009−242133(P2009−242133A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88172(P2008−88172)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】