説明

ハニカム部材の温度推定方法及びハニカム部材

【課題】ハニカム部材へ加わる衝撃を許容し、かつ、短時間運転や比較的に温度が低い場合であっても正確に温度を推定する。
【解決手段】第一の合金で形成されたハニカム部材本体に、前記第一の合金に比べて加熱によって金属状態が変化する第二の合金で形成された被測定部材を組み込んでハニカム部材を製作する製作工程S11と、前記ハニカム部材を使用環境下に設けて加熱させる被加熱工程S12と、加熱後の前記ハニカム部材のうち前記被測定部材の金属状態を測定して前記金属状態の変化を指し示す金属状態パラメータを求める金属状態パラメータ取得工程S13と、予め求められた前記第二の合金に対する加熱温度と加熱時間と前記金属状態パラメータとの関係式に、前記金属状態パラメータ取得工程S13において求めた金属状態パラメータと被加熱工程S12における既知の加熱時間とを代入して使用環境温度を推定する温度推定工程S14と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム部材の温度推定方法及びハニカム部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、ガスタービンのうち燃焼ガスのエネルギーでロータを回転させるタービンにおいては、ケーシング内周部において静翼が周方向に配列された静翼列と、ロータ外周部において動翼が周方向に配列された動翼列とが軸方向に交互に配設された環状の流路が構成されている。そして、燃焼ガスが静翼列と動翼列とを順に通過していくことで、動翼列を通過する作動流体がロータに回転力を付与するようになっている。
【0003】
このようなガスタービンにおいては、動翼列及び静翼列が配設された環状の流路以外に作動流体が漏流しないように、例えば、各動翼の先端において周方向に延びるチップシュラウドとケーシングとの隙間をシールするように、ケーシングのうちチップシュラウドに対向する部分にハニカム部材を配設したものがある(下記特許文献1)。また、各静翼先端において周方向に延びる静翼シュラウドと、各動翼の基端側において周方向に延びる動翼プラットフォームとの隙間をシールするように、ハニカム部材を配設したものがある(下記特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−13404号公報
【特許文献2】特開2006−77658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなハニカム部材を用いた場合においてシール性を向上させるためには、実機に用いられたハニカム部材の使用環境温度を正確に把握して、各寸法値や材質選定にフィードバックを行うことが重要となる。
【0006】
しかしながら、熱電対をハニカム部材に配設して温度を測定すると、動翼プラットフォームやチップシュラウドがハニカム部材に不測に接触した場合に、接触の衝撃で熱電対が破損してしまうという問題がある。
【0007】
また、ハニカム部材の材質(金属組成や金属組織)の変化から温度推定式(例えば、特開2009−264204号公報、特許第3935692号公報)を用いて温度を推定することも考えられるが、上記のようなハニカム部材には、高温環境下において材質の変化が生じ難い合金を用いることが通常であり、短時間運転や比較的に温度が低い場合には材質の変化が少なくなるために、温度を推定することが困難であるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ハニカム部材へ加わる衝撃を許容し、かつ、短時間運転や比較的に温度が低い場合であっても正確に温度を推定すること課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るハニカム部材の温度推定方法は、中空多角柱状セルの集合体からなるハニカム部材の使用環境温度を推定するハニカム部材の温度推定方法であって、第一の合金で形成されたハニカム部材本体に、前記第一の合金に比べて加熱によって金属状態が変化する第二の合金で形成された被測定部材を組み込んでハニカム部材を製作する製作工程と、前記ハニカム部材を使用環境下に設けて加熱させる被加熱工程と、加熱後の前記ハニカム部材のうち前記被測定部材の金属状態を測定して前記金属状態の変化を指し示す金属状態パラメータを求める金属状態パラメータ取得工程と、予め求められた前記第二の合金に対する加熱温度と加熱時間と前記金属状態パラメータとの関係式に、前記金属状態パラメータ取得工程において求めた金属状態パラメータと前記被加熱工程における既知の加熱時間とを代入して使用環境温度を推定する温度推定工程と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、ハニカム部材本体を形成する第一合金に比べて加熱によって金属状態が変化する第二合金で形成された被測定部材を測定するので、第一合金の金属状態が変化し難くても、被測定部材の金属状態から使用環境温度を推定することができる。これにより、短時間運転や比較的に使用環境温度が低い場合であっても、第二合金の金属状態の変化に基づいて正確に使用環境温度を推定することができる。
また、被測定部材の金属状態パラメータから関係式を用いて使用環境温度を推定するので、ハニカム部材へ加わる衝撃を許容しつつ、ハニカム部材の使用環境温度を把握することができる。
【0010】
また、前記製作工程は、前記セルの中心軸が延びるセル高さ方向において、前記被測定部材が前記ハニカム部材本体に対して同大の寸法となるように前記ハニカム部材を製作することを特徴とする。
この構成によれば、衝撃が加わる部位の金属状態の変化から、当該衝撃が加わる部位の使用環境温度を容易に把握することができる。
【0011】
また、前記第二の合金は、加熱によって減少する特定含有元素を有し、前記金属状態パラメータは、前記特定含有元素の濃度の減少量であり、前記関係式は、以下の関係式(1)であることを特徴とする。
T=−b/ln{(C/(a・t)}…(1)
但し、tは使用環境温度、Tは加熱時間、Cは第二の合金の特定含有元素の濃度の減少量、a・bは前記第二の合金の材料種による固有定数である。
この構成によれば、特定含有元素の濃度の減少量からハニカム部材の使用環境温度を推定するので、第二の合金として様々な合金を用いることができる。
【0012】
また、前記第二の合金は、加熱によって減少する特定含有元素を有し、前記金属状態パラメータは、前記特定含有元素の減少に伴う空孔密度の変化量であり、前記関係式は、以下の関係式(2)であることを特徴とする。
T=−b/ln{(H/(a・t)}…(2)
但し、tは使用環境温度、Tは加熱時間、Hは第二の合金の空孔密度の変化量、a・bは前記第二の合金の材料種による固有定数である。
この構成によれば、特定含有元素の減少に伴う空孔密度の変化量からハニカム部材の使用環境温度を推定するので、第二の合金として様々な合金を用いることができる。
【0013】
また、前記第二の合金は、前記特定含有元素としてアルミニウム、ニッケル、鉄、クロム及びチタンのうち少なくとも一つを有することを特徴とする。
【0014】
また、前記第二の合金は、含有元素としてアルミニウムとニッケルとを有すると共にガンマプライム相が形成されており、前記金属状態パラメータは、加熱によって増大する前記ガンマプライム相の粒径の三乗した値と加熱前の前記ガンマプライム相の粒径の三乗した値との差であり、前記関係式は、以下の関係式(3)であることを特徴とする。
−r=c・exp(−d/T)・t…(3)
但し、tは使用環境温度、Tは加熱時間、rは加熱後のガンマプライム相の粒径、rは加熱前のガンマプライム相の粒径、c,dは前記第二の合金の材料種による固有定数である。
【0015】
また、本発明に係るハニカム部材は、中空多角柱状セルの集合体からなるハニカム部材であって、第一の合金で形成されたハニカム部材本体と、前記ハニカム部材本体に設けられ、前記第一の合金に比べて加熱によって金属状態が変化する第二の合金で形成された被測定部材と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、温度推定式を用いることにより、ハニカム部材へ加わる衝撃を許容し、かつ、短時間運転や比較的に温度が低い場合であっても正確に温度を推定するができる。
【0016】
また、前記ハニカム部材本体は、平板状に形成された平板部及び夫々前記平板部から法線方向一方側に突出すると共に互いに間隔を空けて同一方向に延在する複数の突出部を有する波状板が複数積層され、且つ、積層方向に相互に隣接する二つの波状板のうち一方の前記突出部が他方の前記平板部に当接するように構成され、前記被測定部材は、前記積層方向において相互に隣接する二つの波状板の間に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、被測定部材が積層方向において相互に隣接する二つの波状板の間に設けられているので、比較的に簡素な構成で、ハニカム部材本体に被測定部材を組み込むことができる。また、セルの内部空間だけでなく、波状板の当接部の使用環境温度を把握することが可能となる。
【0017】
また、前記ハニカム部材本体は、平板状に形成された平板部及び夫々前記平板部から法線方向に突出すると共に互いに間隔を空けて同一方向に延在する複数の突出部を有する波状板が複数積層され、且つ、積層方向に相互に隣接する二つの波状板のうち一方の前記突出部が他方の前記平板部に当接するように構成され、前記被測定部材は、前記波状板と同形に形成されて平板状に形成された被測定平板部及び夫々前記被測定平板部から法線方向一方側に突出すると共に互いに間隔を空けて同一方向に延在する複数の被測定突出部を有し、前記二つの波状板の間に設けられて前記被測定平板部が前記法線方向他方側の前記波状板の突出部に接合され、前記被測定突出部が前記法線方向一方側の前記波状板の平板部に接合されていることを特徴とする。
この構成によれば、波状板と被測定部材とが積層されてハニカム部材が形成されるので、セルの内部空間だけでなく、波状板の当接部の使用環境温度を把握することが可能となる。
さらに、セルの形状が変化せず、被測定部材を組み込むことによるハニカム部材の圧潰性能への影響を小さくすることができる。
【0018】
また、前記被測定部材は、前記セルの中心軸が延びるセル高さ方向における寸法が、前記ハニカム部材本体と略同大に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、衝撃が加わる部位の特定含有元素の濃度の減少量から、当該衝撃が加わる部位の使用環境温度を容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るハニカム部材の温度推定方法によれば、ハニカム部材へ加わる衝撃を許容し、かつ、短時間運転や比較的に温度が低い場合であっても正確に温度を推定するができる。
【0020】
また、本発明に係るハニカム部材によれば、温度推定式を用いることにより、ハニカム部材へ加わる衝撃を許容し、かつ、短時間運転や比較的に温度が低い場合であっても正確に温度を推定するができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係るガスタービン1の概略全体構成を示す図であって、ガスタービン1の半断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るタービン4の要部Iの拡大断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る ハニカム部材30の概略構成斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るハニカム部材30の要部拡大図であって、図3におけるII矢視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るハニカム部材の温度推定方法M1のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るハニカム部材の温度推定方法M2のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る ハニカム部材30の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。以下に説明する実施形態は、ガスタービンに用いられたハニカム部材の使用環境温度を推定するものである。以下においては、ガスタービン、ハニカム部材の構成を順に説明した後に、ハニカム部材の温度推定方法について説明をする。
(ガスタービン)
図1は、本発明の実施形態に係るガスタービン1の概略全体構成を示す図であって、ガスタービン1の半断面図である。
図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮機2と複数の燃焼器3とタービン4とを備えている。圧縮機2は、空気を空気取込口から作動流体として取り込んで圧縮空気を生成する。複数の燃焼器3は、それぞれ圧縮機2に接続されており、圧縮機2から供給された圧縮空気に燃料を噴射して燃焼させ、高温・高圧の燃焼ガスを発生させる。タービン4は、燃焼器3から送り出された燃焼ガスの熱エネルギーをロータ6の回転エネルギーに変換して駆動力を発生させる。そして、この駆動力がロータ6に連結された発電機(不図示)に伝達されるようになっている。
【0023】
図2は、タービン4の要部Iの拡大断面図である。
タービン4は、タービン4の外部と内部とを区画するタービンケーシング5と、タービンケーシング5を挿通するロータ6と、タービンケーシング5内に軸方向に交互に配設された複数の静翼列7及び複数の動翼列10とを備えている。
【0024】
ロータ6は、タービン4を挿通した状態で回動可能に支持されており、それぞれ円盤状に形成されると共に軸方向に積層されたロータディスク6A〜6Dを有している。
【0025】
各静翼列7は、タービンケーシング5の内周部において周方向に複数の静翼8が配列されて構成されている。各静翼列7における静翼8は、それぞれタービンケーシング5側からロータ6側に向けて延びており、ロータ6側における各先端が周方向に延びる静翼分割環9で連結されている。
【0026】
各動翼列10は、ロータディスク6A〜6Dの各外周部において周方向に複数の動翼11が配列されて構成されている。動翼列10における各動翼11は、ロータ6側からタービンケーシング5側に向けて延びており、ロータ6側における基端に周方向に延びる動翼プラットフォーム12と、タービンケーシング5側における先端に周方向に延びるチップシュラウド13とを備えている。各動翼列10において、動翼11の動翼プラットフォーム12及びチップシュラウド13は、全体として環状に連続している。
【0027】
上記構成からなるタービン4は、図2に示すように、環状に連続した複数のチップシュラウド13とタービンケーシング5側との径方向の隙間、ロータ6の軸方向において重ねられた静翼分割環9の端部と動翼プラットフォーム12の端部との径方向の隙間、及び、静翼分割環9の先端とローターディスク(6A〜6D)との径方向の隙間に設けられたハニカム部材30を有している。
【0028】
(ハニカム部材)
図3は、ハニカム部材30の概略構成斜視図であり、図4は、図3におけるII矢視図である。
図3に示すように、ハニカム部材30は、中空六角柱状セルの集合体からなっている。
このハニカム部材30は、上記各径方向の隙間をシールして燃焼ガスの漏流を防止している。
【0029】
図4に示すように、ハニカム部材30は、第一合金(第一の合金)A1で形成されたハニカム部材本体31と、ハニカム部材本体31に組み込まれて、第一合金A1に比べて加熱によって金属状態が変化する第二合金(第二の合金)A2で形成された被測定部材35とを有している。なお、金属状態とは、特定含有元素の濃度、空孔密度、ガンマプライム相の粒径をいう(いずれも後述する。)。
【0030】
図4に示すように、ハニカム部材本体31は、波状板32が法線方向(より具体的には、平板部32aにおける板面法線方向)に積層されて構成されている。
波状板32は、平板状に形成された平板部32a、及び、夫々平板部32aから法線方向一方側に突出すると共に互いに間隔を空けて同一方向に延在する複数の突出部32bを有している。なお、以下においては、図3及び図4に示すように、ハニカム部材30のセルの中心軸が延在する方向をセル高さ方向と、セル高さ方向と法線方向とに夫々交差する方向を配列方向という。
【0031】
突出部32bは、等脚台形状に形成されており、上辺(短辺)に相当する部位の配列方向が平板部32aの寸法と同大になっている。
このような構成により、波状板32においては、突出部32bに区画されると共に法線方向他方側が開放された台形状空間と、平板部32aとこの平板部32aを挟む二つの突出部32bとで区画されると共に法線方向一方側が開放された台形状空間とが、一方向(配列方向)に交互に連続している。
なお、波状板32は、第一合金A1によって形成されているが、この第一合金A1については第二合金A2と共に後に詳述する。
【0032】
ハニカム部材本体31は、それぞれの法線方向を同一の方向に向けた波状板32が複数積層され、かつ、積層方向に相互に隣接する二つの波状板32のうち法線方向他方側の突出部32bが法線方向一方側の平板部32aに当接しており、この当接部がロー付けにより接合されている。このような構成により、積層方向に隣接する二つの台形状空間が合わさって各セルの六角柱状の空間が構成されている。
【0033】
被測定部材35は、第二合金A2で形成された平板状に部材であり、セル高さ方向の寸法が各波状板32と略同大に形成されている。この被測定部材35は、複数積層された波状板32のうち二つの波状板32に挟まれており、これら二つの波状板32のうち一方の突出部32bと他方の平板部32aとに接合されて六角柱状の空間を二分している。
【0034】
(ハニカム部材の温度推定方法、第一実施形態)
続いて、本発明の第一実施形態に係るハニカム部材の温度推定方法M1について、主に図5を用いて説明をする。
上述したように、ハニカム部材30は、第一合金A1で形成された波状板32が積層されたハニカム部材本体31と、第二合金A2で形成された被測定部材35とを有しているが、このハニカム部材の温度推定方法M1は、耐酸化性に優れる第一合金A1ではなく、第一合金A1よりも酸化し易い第二合金A2を利用し、この酸化によって変化する特定の特定含有元素の濃度の減少量を利用して、使用環境温度を推定するものである。
すなわち、第二合金A2は、同一の使用環境温度下において、第一合金A1に比べて合金表面に酸化被膜が形成され易い。このため、第一合金A1に比べて酸化被膜を形成する特定含有元素の減少量が多くなる。ここで、特定含有元素としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム及びチタンを挙げることができる。
第一合金A1と第二合金A2との組み合わせの具体例を示すと以下の表1のようになっている。
【0035】
【表1】

【0036】
また、上記各合金の金属組成は、以下の表2のようになっている。なお、表2中において、「残」と表示したものは「残りの割合」を意味するものであり、全体から他の含有元素の割合の合算値を減算した値に相当する。
【0037】
【表2】

【0038】
なお、表1及び表2中において、「Haynes(ヘインズ)214」「Haynes230」「ハステロイX」は、ヘインズ社の登録商標である。また、「S45C」「NiCu30」「TAP6400」は、JIS規格で定められた合金である。
【0039】
表2に示すように、第二合金A2においては、特定含有元素を複数含むものがあるが、各特定含有元素の減少量には相違がある。より具体的には、第二合金A2としてハステロイXを用いる場合にはクロム、Haynes230を用いる場合にはアルミニウム及びクロムの少なくとも一方、NW4402を用いる場合にはニッケル、TAPG6400を用いる場合にはチタン及びアルミニウムの少なくとも一方が、それぞれ他の特定含有元素よりも濃度の減少量が多くなる。つまり、表2に例示する合金を第二合金A2として用いる場合には、他の特定含有元素よりも濃度が減少する上述した特定含有元素を用いることで、使用環境温度をより正確に推定することが可能となる。なお、S45Cを用いる場合には鉄を用いればよい。
さらに、特定含有元素を複数含む合金については、各特定含有元素の濃度の減少量を用いて重畳的に温度を推定することが可能である。例えばハステロイXを用いる場合にはクロム及びニッケルのそれぞれの濃度の減少量を用いて温度を推定することが可能である。
【0040】
また、温度推定方法M1を用いてハニカム部材30の使用環境温度を推定するに際しては、予め第二合金A2に対する加熱温度と加熱時間と特定含有元素の濃度の減少量との関係式を求めておく。
より具体的には、予め第二合金A2の供試材に対して加熱試験を行って、加熱後の供試材から使用環境温度の推定に用いる特定含有元素の濃度を測定した後に、特定含有元素の濃度減少量を求め、この求めた濃度減少量と加熱試験における加熱時間と加熱温度との関係を以下の関係式(1)として同定する。
T=−b/ln{(C/(a・t)}…(1)
但し、tは使用環境温度、Tは加熱時間、Cは特定含有元素濃度の減少量、a・bは第二合金A2の材料種による固有定数である。
なお、この関係式(1)については、特開2009−264204号公報に記載されている。
【0041】
続いて、ハニカム部材の温度推定方法M1の実際の手順について説明する。
図5は、ハニカム部材の温度推定方法M1のフローチャートである。図5に示すように、ハニカム部材の温度推定方法M1は、製作工程S11と、被加熱工程S12と、特定含有元素濃度減少量取得工程(金属状態パラメータ取得工程)S13と、温度推定工程S14とを有している。
【0042】
まず始めに、上述した構成からなるハニカム部材30を製作する(製作工程S11)。
例えば、波状板32を積層させて、相互に隣接する二つの波状板32のうち一方の突出部32bを他方の平板部32aに突き合わせ、この突き合わせた部分をスポット溶接等で仮止めする。一方、被測定部材35を挟む二つの波状板32については、一方の波状板32の突出部32bと他方の波状板32の平板部32aとで被測定部材35を挟み込んだ状態で仮止めする。そして、各仮止めした部分をロー付けすることでハニカム部材30を得ることができる。
なお、ハニカム部材本体31を積層して仮止めした後に、被測定部材35を挿入して被測定部材35を波状板32にロー付けしてハニカム部材30を得ることも可能である。
【0043】
次に、製作工程S11で得たハニカム部材30をタービン4に配設してガスタービン1を駆動し、ハニカム部材30を加熱させる(被加熱工程S12)。より具体的には、環状に連続した複数のチップシュラウド13とタービンケーシング5側との径方向の隙間、及び、ロータ6の軸方向において重ねられた静翼分割環9の端部と動翼プラットフォーム12の端部との径方向の隙間にハニカム部材30を周方向に連続的に配設する。
なお、ハニカム部材30は、ハニカム部材の高さ方向がロータ6の径方向に向くようにして配設する。
【0044】
高温環境下に曝されてハニカム部材30が加熱されると、ハニカム部材本体31が含有する特定含有元素に比べて、被測定部材35が含有する特定含有元素が多く減少する。具体的には、被測定部材35の表面に特定含有元素の酸化被膜が形成され、これに応じて合金中の特定含有元素が減少する。
この際、ロータ6の熱膨張等によって動翼11が変位すると、回転する動翼11のチップシュラウド13、動翼プラットフォーム12又はロータディスク6A〜6Dでハニカム部材30(波状板32及び被測定部材35)が削られたり、圧潰されたりする。
【0045】
次に、加熱後のハニカム部材30のうち被測定部材35の特定含有元素の濃度を測定し、予め測定した加熱前の特定含有元素の濃度から、測定した加熱後の特定含有元素の濃度を減算して特定含有元素の濃度の減少量を求める(特定含有元素濃度減少量取得工程S13)。
この際、特定含有元素の濃度の測定は、例えば、電子プローブ・マイクロアナライザー(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)を用いて測定することができる。
このEPMAは、加速した電子線を物質に照射(電子線による励起)させ、特性X線のスペクトルに注目して、電子線が照射されている微小領域(おおよそ1μm3)に於ける構成元素の比率(濃度)を分析する、固体の試料をほぼ非破壊で分析するものを用いている。なお、その他には走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)に付属して使用されるエネルギー分散型X線分析装置(Energy Dispersive Spectroscopy )を用いて簡易に測定することもできる。
【0046】
この特定含有元素の濃度の測定においては、先ず被測定部材35をセル高さ方向(図4参照)に切断して、表層近傍(被測定部材35の両表面に形成された酸化被膜近傍の基層)及び基層中央部の計三点の特定含有元素の濃度を測定し、平均値(平均濃度)を求めることが好ましい。つまり、特定含有元素の濃度は、表層近傍と基層中央部とでバラつきが生じることが多いが、被測定部材35の厚さ方向の複数箇所において特定含有元素を測定すると共にこの平均値を求めることでより正確な温度推定が可能となる。
【0047】
次に、予め求められた第二合金A2に対する加熱温度と加熱時間と特定含有元素の濃度の減少量との上記関係式(1)に、特定含有元素濃度減少量取得工程S13において求めた特定含有元素の濃度の減少量(C)と既知の加熱時間(T)とを代入して使用環境温度(t)を推定する(温度推定工程S14)。
【0048】
以上説明したように、温度推定方法M1によれば、ハニカム部材本体31を形成する第一合金A1に比べて加熱によって特定含有元素の濃度が減少する第二合金A2で形成された被測定部材35を測定するので、ハニカム部材本体31が耐酸化性に優れる合金で形成されて特定含有元素の濃度が減少し難くても、被測定部材35の特定含有元素の濃度から使用環境温度を推定することができる。これにより、短時間運転や比較的に使用環境温度が低い場合であっても、被測定部材35の特定含有元素の濃度減少量に基づいて正確に使用環境温度を推定することができる。
【0049】
また、動翼プラットフォーム12やチップシュラウド13がハニカム部材30に不測に接触したとしても、被測定部材35の特定含有元素の濃度の減少量から関係式(1)を用いて使用環境温度を推定することが可能である。これにより、ハニカム部材30へ加わる衝撃を許容しつつ、ハニカム部材30の使用環境温度を把握することが可能になる。
【0050】
さらに、ハニカム部材30の高さ方向において、被測定部材35がハニカム部材本体31に対して同大の寸法となっているので、熱電対では測定が困難であった部位に対してもハニカム部材30の使用環境温度を正確に把握することができる。すなわち、ハニカム部材30のうちロータ6側(動翼プラットフォーム12やチップシュラウド13、ロータディスク6A〜6D)と近接する部位はロータ6側と接触し易いため、熱電対を用いて測定するのが困難である。しかしながら、接触後の被測定部材35からも使用環境温度の推定が可能であるので、ロータ6側に近接する部位の特定含有元素の濃度の減少量から、ロータ6側に近接する部位の使用環境温度を容易に把握することができる。
【0051】
さらに、被測定部材35の複数部位を複数連続的に測定することにより、使用環境温度の分布を容易に把握することができる。すなわち、熱電対を用いて使用環境温度の分布を得るためには多数の熱電対が必要となるが、温度推定方法M1によれば被測定部材35を複数連続的に測定するだけで、容易に温度分布を得ることができる。
【0052】
また、セルの内部空間だけでなく、波状板32の当接部(ロー付け部)の特定含有元素の濃度の減少量を求めることにより、波状板32の当接部の使用環境温度を把握することが可能となる。
【0053】
なお、上述した温度推定方法M1においては、特定含有元素の濃度の減少量を用いる構成としたが、特定含有元素の減少に伴う第二合金A2中の空孔密度の変化量(金属状態パラメータ)であってもよい。
すなわち、特定含有元素を有する合金は、上述したように、表面に酸化層が形成されるが、酸化層の形成で消費された金属によって空孔が発生する。この場合においては、以下の関係式(2)を用いることにより、温度を推定することが可能である。
T=−b/ln{(H/(a・t)}…(2)
但し、tは使用環境温度、Tは加熱時間、Hは空孔密度の変化量、a・bは前記第二合金A2の材料種による固有定数である。なお、この関係式(2)は、特開2009−264204号公報等に記載されており、予め第二合金A2の供試材に対して加熱試験を行って、加熱後の供試材から使用環境温度の推定に用いる空孔密度を測定した後に、加熱前の空孔密度と測定した空孔密度とから空孔密度の変化量を求め、この求めた変化量と加熱試験における加熱時間と加熱温度との関係を関係式として同定したものである。
【0054】
(ハニカム部材の温度推定方法、第二実施形態)
続いて、本発明の第二実施形態に係るハニカム部材の温度推定方法M2を説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
このハニカム部材の温度推定方法M2は、第二合金A2が含有元素としてアルミニウムとニッケルとを有すると共にガンマプライム相(NiAl,γ´相)が形成されている場合に適用することが可能である。
つまり、表2に例示した合金においては、第二合金A2に「Haynes230」を用いる場合にハニカム部材の温度推定方法M2を適用することが可能である。なお、この第二合金A2に対応する第一合金A1としては、表1に示すように、「Haynes214」を用いることができる。
【0056】
ハニカム部材の温度推定方法M2は、第一合金A1よりも酸化し易い第二合金A2を利用し、この酸化により変化するγ´相の粒径の変化(より具体的には、加熱後のガンマプライム相の粒径rの三乗rと加熱前のガンマプライム相の粒径rの三乗rとの差である〈r−r〉値)を利用して、使用環境温度を推定するものである。
【0057】
また、温度推定方法M2を用いてハニカム部材30の使用環境温度を推定するに際しては、予め第二合金A2に対する加熱温度と加熱時間と〈r−r〉値との関係式を求めておく。
より具体的には、予め第二合金A2の供試材に対して加熱試験を行って、加熱後のγ´相の粒径(r)を測定した後に加熱前のγ´相の粒径(r)に基づいて〈r−r〉値を求め、この求めた〈r−r〉値と加熱試験における加熱時間と加熱温度との関係を関係式(3)として同定する。
−r=c・exp(−d/T)・t…(3)
但し、tは使用環境温度、Tは加熱時間、rは加熱後のγ´相の粒径、rは加熱前のγ´相の粒径、c・dは第二合金A2の材料種による固有定数である。
なお、この関係式(3)に関しては、特許第3935692号等に記載されている。
【0058】
続いて、ハニカム部材の温度推定方法M2の実際の手順について説明する。
図6は、ハニカム部材の温度推定方法M2のフローチャートである。図6に示すように、ハニカム部材の温度推定方法M2は、製作工程S11と、被加熱工程S12と、〈r−r〉値取得工程(金属状態パラメータ取得工程)S23と、温度推定工程S24とを有している。
【0059】
まず始めに、上述した構成からなるハニカム部材30を製作する(製作工程S11)。
次に、製作工程S11で得たハニカム部材30をタービン4に配設してガスタービン1を駆動し、ハニカム部材30を加熱させる(被加熱工程S12)。高温環境下に曝されてハニカム部材30が加熱されると、被測定部材35のγ´相の粒径が増大する(r→r)。
【0060】
次に、加熱後のハニカム部材30のうち被測定部材35のγ´相の粒径を測定し、予め測定した加熱前のγ´相の粒径を三乗した値から、測定したγ´相の粒径の三乗した値を減算して〈r−r〉値を求める(〈r−r〉値取得工程S23)。
この際、γ’相の粒径(平均粒径)の測定は、例えば、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)で観察し、画像処理により求めることができる。
【0061】
次に、予め求められた第二合金A2に対する加熱温度と加熱時間と〈r−r〉値との関係式(3)に、〈r−r〉値取得工程S23において求めた〈r−r〉値と既知の加熱時間(T)とを代入して使用環境温度(t)を推定する(温度推定工程S24)。
【0062】
以上説明したように、ハニカム部材の温度推定方法M2によっても、ハニカム部材の温度推定方法M1と同様の効果を得ることできる。
【0063】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述した実施形態においては、被測定部材35を平板状に形成して二つの波状板32で挟み込む構成としたが、波状板と同様の構成にした被測定部材36を波状板32と同様に積層させてもよい。
すなわち、図7に示すように、波状板32と同形に形成されて平板状に形成された被測定平板部36a及び夫々被測定平板部36aから法線方向一方側に突出すると共に互いに間隔を空けて同一方向に延在する複数の被測定突出部36bを形成した被測定部材36を、二つの波状板32の間に設け、被測定平板部36aを法線方向他方側の波状板32(図7における32A)の突出部32bに接合し、被測定突出部36bを法線方向一方側の波状板32(図7における32B)の平板部32aに接合する構成としてもよい。
【0064】
このように、波状板32と被測定部材36とを同形状にすることで、ハニカム部材30の製造を容易にすることができると共に、被測定部材36を組み込むことによるハニカム部材30の圧潰性能への影響を小さくすることができる。また、セルの内部空間だけでなく、波状板32の当接部(ロー付け部)の使用環境温度を把握することが可能となる。
また、ただ単にセルの内部空間に片状の被測定部材を設ける構成としても構わない。
【0065】
また、上述した実施形態においては、ハニカム部材30を六角柱状のセルとしたが、六角柱状以外の他の多角柱状のセルとしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、ガスタービンに用いられるハニカム部材について本発明を適用したが、他の流体機械に用いられているハニカム部材についてその使用環境温度を良好に推定することが可能である。
【符号の説明】
【0066】
30…ハニカム部材
31…ハニカム部材本体
32(32A、32B)…波状板
32a…平板部
32b…突出部
35,36…被測定部材
36a…被測定平板部
36b…被測定突出部
A1…第一合金(第一の合金)
A2…第二合金(第二の合金)
M1,M2…温度推定方法
S11…製作工程
S12…被加熱工程
S13…特定含有元素濃度減少量取得工程(金属状態パラメータ取得工程)
S23…〈r−r〉値取得工程(金属状態パラメータ取得工程)
S14,S24…温度推定工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空多角柱状セルの集合体からなるハニカム部材の使用環境温度を推定するハニカム部材の温度推定方法であって、
第一の合金で形成されたハニカム部材本体に、前記第一の合金に比べて加熱によって金属状態が変化する第二の合金で形成された被測定部材を組み込んでハニカム部材を製作する製作工程と、
前記ハニカム部材を使用環境下に設けて加熱させる被加熱工程と、
加熱後の前記ハニカム部材のうち前記被測定部材の金属状態を測定して前記金属状態の変化を指し示す金属状態パラメータを求める金属状態パラメータ取得工程と、
予め求められた前記第二の合金に対する加熱温度と加熱時間と前記金属状態パラメータとの関係式に、前記金属状態パラメータ取得工程において求めた金属状態パラメータと前記被加熱工程における既知の加熱時間とを代入して使用環境温度を推定する温度推定工程と、
を有することを特徴とするハニカム部材の温度推定方法。
【請求項2】
前記製作工程は、前記セルの中心軸が延びるセル高さ方向において、前記被測定部材が前記ハニカム部材本体に対して同大の寸法となるように前記ハニカム部材を製作することを特徴とする請求項1に記載のハニカム部材の温度推定方法。
【請求項3】
前記第二の合金は、加熱によって減少する特定含有元素を有し、
前記金属状態パラメータは、前記特定含有元素の濃度の減少量であり、
前記関係式は、以下の関係式(1)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカム部材の温度推定方法。
T=−b/ln{(C/(a・t)}…(1)
但し、tは使用環境温度、Tは加熱時間、Cは第二の合金の特定含有元素の濃度の減少量、a・bは前記第二の合金の材料種による固有定数である。
【請求項4】
前記第二の合金は、加熱によって減少する特定含有元素を有し、
前記金属状態パラメータは、前記特定含有元素の減少に伴う空孔密度の変化量であり、
前記関係式は、以下の関係式(2)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカム部材の温度推定方法。
T=−b/ln{(H/(a・t)}…(2)
但し、tは使用環境温度、Tは加熱時間、Hは第二の合金の空孔密度の変化量、a・bは前記第二の合金の材料種による固有定数である。
【請求項5】
前記第二の合金は、前記特定含有元素としてアルミニウム、ニッケル、鉄、クロム及びチタンのうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項3又は4に記載のハニカム部材の温度推定方法。
【請求項6】
前記第二の合金は、含有元素としてアルミニウムとニッケルとを有すると共にガンマプライム相が形成されており、
前記金属状態パラメータは、加熱によって増大する前記ガンマプライム相の粒径の三乗した値と加熱前の前記ガンマプライム相の粒径の三乗した値との差であり、
前記関係式は、以下の関係式(3)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカム部材の温度推定方法。
−r=c・exp(−d/T)・t…(3)
但し、tは使用環境温度、Tは加熱時間、rは加熱後のガンマプライム相の粒径、rは加熱前のガンマプライム相の粒径、c,dは前記第二の合金の材料種による固有定数である。
【請求項7】
中空多角柱状セルの集合体からなるハニカム部材であって、
第一の合金で形成されたハニカム部材本体と、
前記ハニカム部材本体に設けられ、前記第一の合金に比べて加熱によって金属状態が変化する第二の合金で形成された被測定部材と、
を有することを特徴とするハニカム部材。
【請求項8】
前記ハニカム部材本体は、平板状に形成された平板部及び夫々前記平板部から法線方向一方側に突出すると共に互いに間隔を空けて同一方向に延在する複数の突出部を有する波状板が複数積層され、且つ、積層方向に相互に隣接する二つの波状板のうち一方の前記突出部が他方の前記平板部に当接するように構成され、
前記被測定部材は、前記積層方向において相互に隣接する二つの波状板の間に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のハニカム部材。
【請求項9】
前記ハニカム部材本体は、平板状に形成された平板部及び夫々前記平板部から法線方向に突出すると共に互いに間隔を空けて同一方向に延在する複数の突出部を有する波状板が複数積層され、且つ、積層方向に相互に隣接する二つの波状板のうち一方の前記突出部が他方の前記平板部に当接するように構成され、
前記被測定部材は、前記波状板と同形に形成されて平板状に形成された被測定平板部及び夫々前記被測定平板部から法線方向一方側に突出すると共に互いに間隔を空けて同一方向に延在する複数の被測定突出部を有し、前記二つの波状板の間に設けられて前記被測定平板部が前記法線方向他方側の前記波状板の突出部に接合され、前記被測定突出部が前記法線方向一方側の前記波状板の平板部に接合されていることを特徴とする請求項7に記載のハニカム部材。
【請求項10】
前記被測定部材は、前記セルの中心軸が延びるセル高さ方向における寸法が、前記ハニカム部材本体と略同大に形成されていることを特徴とする請求項7から9のうちいずれか一項に記載のハニカム部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−252440(P2011−252440A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126912(P2010−126912)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】