説明

ハロゲン化樹脂組成物

【課題】ハロゲン酸を使用することなく形成されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物であって、耐紫外線性、耐候性、耐薬品性、耐腐蝕性および耐摩耗性、耐火性、疎水性および基材付着性の改良された特性を有するハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ハロゲン化樹脂組成物は、少なくとも1種のシリコーン中間体と、任意成分であるシラン、ヒドロキシ、アミンおよびカルボキシル基からなる群より選ばれる官能基を有する有機ハロゲン含有成分、および、ヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂からなる群より選ばれる樹脂を混合することにより、ハロゲン酸を使用することなく製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明はハロゲン化樹脂組成物およびその製造法に関し、より詳細には、ハロゲン酸を使用することなく形成されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物であって、耐紫外線性、耐候性、耐薬品性、耐腐蝕性および耐摩耗性、耐火性、疎水性および基材付着性の改良された特性を有するハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ハロゲン化樹脂組成物は、このような組成物が提供する耐薬品性、耐腐蝕性、耐候性および耐紫外線性の優れた物性のために、保護コーティング、機械構造体等のような種々の製品を形成するのに有用である。珪素含有ポリマーを用いて製造されるハロゲン化樹脂組成物は可撓性および耐衝撃性の更なる改良された物性を、形成される製品に付与し、このような物性は、基材または構造体がある程度の動きまたは曲げを受け、または、ある程度の衝撃を受ける用途には特に望ましい。
【0003】
ハロゲン化樹脂組成物は珪素含有ポリマーのような特定のポリマーとハロゲン酸とを反応させることにより従来から製造されている。例えば、フッ酸、塩酸または臭酸から選択されるハロゲン酸は、上記の特性が改良されることを指示する。ハロゲン酸は特定のポリマーと反応し、この特定のポリマー中に1以上のハロゲン基を導入し、それにより、1つ以上の改良された特性を有するハロゲン化組成物を形成する。
【0004】
ハロゲン酸は非常に腐蝕性でありかつ毒性であることが知られており、それ故、ハロゲン化組成物を製造するためのこれらの酸の使用は特別の予防を行わないならば健康面の危険および環境面の危険の可能性が生じる。可能な健康面の危険および環境上の暴露とは別に、製造プロセスの間のこのような薬品の取扱の安全性を確保するために必要とされる追加の工程および装置はプロセスおよび得られる製品のコストを増大させ、かつ、製品を製造するのに必要な時間を長くさせる。
【0005】
従来のハロゲン化樹脂組成物は、例えば、金属およびガラス等のような基材上での保護コーティングとして有用であり、薬品および風化作用からの改良された保護能力を与える。このような従来のハロゲン化樹脂組成物は、通常、基材にスプレー塗布され、そしてそれは最初に塗布を容易にするために有機溶剤により希釈される。化学組成物を希釈しまたは薄めるための有機溶剤の使用は、このような溶剤含有組成物が高い揮発性有機化合物(VOC)含有分を有し、かつ、これに関連して揮発性成分が環境中に放出されるので、近年、州および/または国の規制下に置かれることになった。従って、州および/または国のVOC規制に適合するように配合されたハロゲン化樹脂組成物の必要性がある。
【0006】
それ故、潜在的に危険性のあるハロゲン酸を使用する必要性をなくすようにして、ハロゲン化樹脂組成物を配合することが望ましい。そのように形成されたハロゲン化樹脂組成物は、ハロゲン酸を使用して製造したハロゲン化樹脂組成物と比較したときに、同等であるかまたはそれより優れた耐薬品性、耐腐蝕性、耐候性、耐熱性および耐火性並びに耐紫外線性を示すことが望ましい。このようなハロゲン化樹脂組成物は、保護コーティングとしての使用に適応されたものであり、かつ、既存の州および国のVOC規制に適合するものであることが望ましい。このようなハロゲン化樹脂組成物が市販の材料を用いて製造されることがさらに望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点の解決を意図するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、ハロゲン酸を使用する必要がなく、かつ、優れた耐衝撃性、可撓性、耐薬品性、耐腐蝕性、耐候性、耐熱性および耐火性、耐摩耗性、耐紫外線性、疎水性および基材付着性の優れた特性を示す、ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物およびその製造法を提供する。
【0009】
ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は、本発明の原理により、ヒドロキシ−およびアルコキシ官能シリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のシリコーン中間体と、アリールアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、ハロゲン化シランおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる任意成分のシランと、ヒドロキシ、アミンおよびカルボキシル基からなる群より選ばれる官能基を有する有機ハロゲン含有成分と、ヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂からなる群より選ばれる樹脂とを混合することにより製造される。所望ならば、アミン硬化剤および/または有機金属化合物、酸、塩基およびそれらの混合物からなる群より選ばれる触媒はこの混合物に添加されてよく、それにより、得られる組成物の反応を促進しそして周囲温度での硬化を促進することができる。選択された樹脂成分がアクリル樹脂またはポリエステル樹脂である場合には、シリコーン中間体はアルキルアルコキシシロキサンであってよい。
【0010】
適切な混合および温度条件下に適切な割合で混合したときに、シリコーン中間体、任意成分のシランおよびハロゲン含有成分は加水分解および縮合反応を経て、ハロゲン化オルガノオキシシランを生成し、そしてそれがさらにそれ自体および他の加水分解された化合物と縮合して、架橋したハロゲン化ポリシロキサン組成物を生成する。樹脂成分は、縮合しているハロゲン化オルガノオキシシランと縮合して、架橋したハロゲン化ポリシロキサンポリマー骨格中に取り込まれ、それにより、ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成する。この組成物は潜在的に危険な無機ハロゲン酸を使用することなく製造され、そして大気中の水分への暴露により周囲温度で完全に硬化されるか、または、高温で硬化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
これらおよび他の特徴並びに利点は、明細書、請求の範囲および図面を参照して、よりよく理解されるときに評価されるであろう。
【0012】
(詳細な説明)
本発明はハロゲン含有化合物と少なくとも1種のシリコーン中間体とを混合することにより製造されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物に関する。ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物はハロゲン酸を使用することなく形成され、そしてコーティング、接着剤、複合材等のために使用することができ、または、エポキシ、アクリル、ポリエステルおよびフェノール樹脂等のような有機ポリマーとさらに混合されて、ハロゲン化ポリシロキサンポリマー樹脂組成物を形成することができる。本発明の原理により製造されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は、ハロゲン酸を使用して製造したハロゲン化樹脂組成物と比較したときに、同等であるかまたはそれより優れた耐薬品性、耐腐蝕性、耐候性、耐熱性および耐火性並びに耐紫外線性を示す。
【0013】
ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は、ハロゲン酸を使用する必要性がなく、
(a)1種以上の任意成分のシランと、
(b)少なくとも1種のヒドロキシ−もしくはアルコキシ官能シリコーン中間体と、
(c)ヒドロキシ官能もしくはエポキシ官能樹脂と、
(d)有機ハロゲン含有成分と、
次の、
(i)アミン硬化剤、および、
(ii)少なくとも1種の触媒、
を含む任意成分とを混合することにより製造される。
【0014】
溶剤、従来の充填剤および顔料、可塑剤、流れ調節添加剤、湿潤化剤等も特定の用途のために所望の特性を付与するために組成物に添加されてよい。一般的に言って、成分は混合され、そして加水分解および重縮合反応を経て、ハロゲン化オルガノオキシシランポリマーを生成し、それが樹脂成分と反応して、ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を生成する。
【0015】
任意のシラン成分に関して、有用なシランはアルキルアルコキシシラン、アリールアルコキシシラン、ハロゲン化シランおよびそれらの混合物を含む群から選択されるものを含む。例示の態様において、ハロゲン化アルキルもしくはポリエステルポリシロキサン樹脂組成物はアリールアルコキシシランを使用することにより製造される。適切なアリールアルコキシシランは下記一般式を有するものを含む。
【0016】
【化1】

(式中、Rはアリール基であり、各R、RおよびRは約4個未満の炭素原子を有するアルコキシ基であり、各R、RおよびR基は同一であってもまたは異なっていてもよく、約150〜300の範囲の平均分子量を有する)。好ましいアリールアルコキシシランは加水分解および縮合反応を促進するために各R、RおよびRがメトキシ基であるものである。特に好ましいアリールアルコキシシランは、例えば、Dow Corning, Midland, Michiganから製品名Z−6124で入手可能な、フェニルトリメトキシシラン、および、例えば、Wacker Silicones Corporation, Adrian, Michiganから製品名SY−201で入手可能な、フェニルトリメトキシシランおよびフェニルメチルジメトキシシランの混合物である。
【0017】
アリールアルコキシシラン成分はアクリル樹脂もしくはポリエステル樹脂と他の有機化学成分との相溶性(適合性)を改良するため、そして最終の組成物の温度耐性を改良するために使用される。好ましいハロゲン化アクリルもしくはポリエステルポリシロキサン樹脂組成物は組成物の合計重量を基準として約15重量%以下のアリールアルコキシシランを使用することにより製造される。約15重量%より多量のアリールアルコキシシランを使用すると、保護コーティングのような特定の用途にとって軟質すぎる最終硬化組成物を生じることになることが可能であり、そしてピンホールのような表面欠陥を有するコーティングを生じることが可能である。
【0018】
このようなアリールアルコキシシランの使用は、ポリシロキサン樹脂組成物のハロゲン化アクリルもしくはポリエステルの態様を製造するときには有用であると理解されるが、必要に応じて、ハロゲン化エポキシもしくはフェノールポリシロキサン組成物を製造するときに、組成物の合計重量を基準として約8重量%以下の量で使用されてもよい。
【0019】
本発明のハロゲン化ポリシロキサン組成物は、また、アルキルアルコキシシランを使用することによっても製造できる。アルキルアルコキシシランは、ハロゲン化アクリルおよびポリエステルポリシロキサン樹脂組成物を製造するために単独で使用されるか、または、ハロゲン化エポキシおよびフェノールポリシロキサン樹脂組成物を製造するためにアリールアルコキシシランとの組み合わせで使用されてよいことが理解されるべきである。適切なアルキルアルコキシシランは下記一般式を有するものを含む。
【0020】
【化2】

(式中、Rは4個未満の炭素原子を有するアルキル基であり、各R、RおよびRは4個未満の炭素原子を有するアルコキシ基であり、各R、RおよびR基は同一であってもまたは異なっていてもよく、そしてアルキルアルコキシシランは約100〜300の範囲の平均分子量を有する)。好ましいアルキルアルコキシシランは加水分解および縮合反応を促進するために各R、RおよびR基がメトキシ基であるものである。好ましいアルキルアルコキシシランは、例えば、OSI Specialties, Tarrytown, New Yorkから製品名Silquest A−163、Dow Corningから製品名Z−6070およびHuls America, Pitscataway, New Jerseyから製品名Dynasylan MTMSで入手可能なメチルトリメトキシシランである。
【0021】
アルキルアルコキシシランは最終の組成物の耐薬品性および疎水性を改良するため、そしてこれもまた使用されるアリールアルコキシシランの影響を和らげるためにハロゲン化樹脂組成物を製造するときに使用される。好ましいハロゲン化樹脂組成物は、組成物の合計重量を基準として約15重量%以下のアルキルアルコキシシランを使用することにより、そしてより好ましくは約10重量%以下のアルキルアルコキシシランを使用することにより製造される。約15重量%より多量のアルキルアルコキシシランを使用すると、保護コーティングのような特定の用途のためには脆性すぎる硬化コーティングを生じることがある。
【0022】
本発明のハロゲン化ポリシロキサン組成物は、また、ハロゲン化シランを使用することにより製造されてもよい。ハロゲン化シランは、アルキルアルコキシシランおよびアリールアルコキシシランのいずれかまたは両方との組み合わせで使用し、または、それらとは独立に使用して、ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を製造することができることが理解されるべきである。適切なハロゲン化シランは、約15個未満の炭素原子を有するフッ素化シランおよび塩素化シランを含む。このようなハロゲン化シランは最終の組成物の耐摩耗性、耐薬品性、疎水性、耐候性および難燃性を改良するので望ましい。
【0023】
好ましいハロゲン化シランは、例えば、Dow Corningから製品名Q3-9030で入手可能な1,1,1−トリフルオロプロピルトリメトキシシランである。ハロゲン化シランは、ハロゲン化樹脂組成物を製造するときに、最終の組成物の耐摩耗性および耐候性を改良するために使用される。組成物の合計重量を基準として約15重量%以下のハロゲン化シランは本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を製造するために使用されてよく、より好ましくは約10重量%以下のハロゲン化シランは使用される。約15重量%より多量のハロゲン化シランを使用すると、最終的に硬化した組成物が脆性すぎることがあるので望ましくない。
【0024】
シリコーン中間体成分に関して、適切なシリコーン中間体はヒドロキシ官能シリコーン中間体およびアルコキシ官能シリコーン中間体を含む群より選択されるものである。1種以上の異なるシリコーン中間体が本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成するために使用されてよく、そして選択されるタイプは使用するヒドロキシ−もしくはエポキシ官能樹脂のタイプによることが理解されるべきである。適切なヒドロキシ−およびアルコキシ官能シリコーン中間体は下記一般式を有するものを含む。
【0025】
【化3】

(式中、各R10およびR11はヒドロキシ基、約6個以下の炭素原子を有するアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より独立に選ばれ、各RおよびR12は水素並びに約12個以下の炭素原子を有するアルキルおよびアリール基からなる群より独立に選ばれ、nはシリコーン中間体の重量平均分子量が約100〜10,000の範囲となるように選択される)。
【0026】
加水分解および縮合反応を促進するためにR10およびR11基のうちの少なくとも1つがアルコキシ基またはヒドロキシ基であることは望ましい。R10およびR11基がアルコキシ基である場合に、加水分解の間に生成される類似体アルコールの急速な蒸発を促進し、それにより加水分解および重縮合反応を完了に導くために、各R10およびR11基は、約6個の炭素原子にまで限定されることが望ましい。高い耐熱性または温度耐性を望むときには、R10およびR11基の幾つかはフェニルである。
【0027】
好ましいヒドロキシ−およびアルコキシ官能シリコーン中間体は、例えば、Dow Corningから製品名DC−804、DC−840、DC−Z6018、DC1−2530、DC6−2230、DC−3037、DC−3074、Q1−2530(ヒドロキシ官能フェニルメチルシリコーン中間体)およびQ1−2230(メトキシ官能メチルフェニルメチルシリコーン中間体)、および、Wacker Siliconesから製品名SY−231(フェニルメチルシリコーン中間体)、SY−550およびSY−430で入手可能なものである。
【0028】
ヒドロキシ−およびアルコキシ官能シリコーン中間体は無機化学化合物の望ましい性能特性、例えば、耐熱性、耐薬品性および耐候性の改良された特性および改良された疎水性を付与するので、ハロゲン化樹脂組成物を製造するのに使用される。好ましいハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は、組成物の合計重量を基準として10〜70重量%の範囲のヒドロキシ−およびアルコキシ官能シリコーン中間体成分を使用することにより製造され、そしてより好ましくは約15〜45重量%の範囲のヒドロキシ−およびアルコキシ官能シリコーン中間体を使用することにより製造される。
【0029】
約10重量%よりも少量のヒドロキシ−およびアルコキシ官能シリコーン中間体を使用すると、所望の程度の耐薬品性、耐熱性および耐候性に欠けるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物が生じることがある。約70重量%よりも多量のヒドロキシ−およびアルコキシ官能シリコーン中間体を使用すると、保護コーティングとして実用上使用するためには脆性すぎるかまたは硬質すぎるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を生じることがある。
【0030】
ヒドロキシ−もしくはエポキシ官能樹脂がアクリル樹脂もしくはポリエステル樹脂である場合に、望ましいアルコキシ官能シリコーン中間体は下記一般式を有するものである。
【0031】
【化4】

(式中、R13はアルキル、アリールおよびアルコキシ基から選択されることができ、R14およびR15は各々、アルキル、アリールおよびアルコキシ基から選択されることができ、R16はアルキル基から選択されることができ、そしてnはシリコーン樹脂が約500〜5,000の範囲の重量平均分子量を有するように選択される)。各R13、R14、R15およびR16基は、R13およびR16に関しては立体障害を最少にし、かつ、R14およびR15に関しては比較的に揮発性のアルコール類似体を生成することにより、加水分解および縮合反応を促進するために、約6個未満の炭素原子を有することが望ましい。
【0032】
ハロゲン化ヒドロキシ−もしくはエポキシ官能ポリシロキサン樹脂組成物を製造するための好ましいアルコキシ官能シリコーン中間体はアルキルアルコキシシロキサンである。特に好ましいアルキルアルコキシシロキサンは、R13がメトキシ基であり、かつ、R14、R15およびR16が各々メチル基であるものである。特に好ましいメチルメトキシシロキサンは、例えば、Wacker Siliconesから製品名Silres MSE−100(メトキシ官能メチルシロキサンエステル)として入手可能のものである。
【0033】
アルキルアルコキシシロキサンは、最終の硬化した組成物の硬度に寄与するので、ハロゲン化アクリルおよびポリエステルポリシロキサン樹脂組成物を製造するために有用である。アルキルアルコキシシロキサンは、また、最終の組成物の耐候性および耐薬品性並びに疎水性をさらに改良するために、ヒドロキシ−もしくはエポキシ官能樹脂がエポキシもしくはフェノール樹脂であるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を製造するために、必要に応じて使用されてもよい。アルキルアルコキシシロキサン成分は単独で使用されてもよく、または、上記のヒドロキシ官能シリコーン中間体および他のアルコキシ官能シリコーン中間体の1種以上との組み合わせで使用されてもよいことが理解されるべきである。好ましい態様において、組成物の合計重量を基準として約25重量%以下のアルキルアルコキシシロキサン成分は本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を製造するために使用されてよく、そしてより好ましくは約20重量%以下のアルキルアルコキシシロキサン成分は使用され得る。
【0034】
本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を製造するために使用されるシリコーン中間体成分の合計量は組成物の合計重量を基準として約10〜70重量%の範囲、より好ましくは約10〜50重量%の範囲であることがさらに理解されるべきである。
【0035】
ヒドロキシ−もしくはエポキシ官能樹脂成分に関して、適切なヒドロキシ官能樹脂成分はアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、フェノールシラン樹脂およびそれらの混合物を含む群より選択されるカルビノールである。
【0036】
適切なカルビノールは、本発明のシラン含有成分との重合反応における参加を容易にするために、1分子当たり少なくとも2個の遊離ヒドロキシ基を有する、部分的にエステル化された、または、別の方法で変性されたカルビノールを含む。他のヒドロキシ含有材料は存在してよく、そして任意のシラン成分またはシリコーン中間体と反応してもよいしまたは反応しなくてもよい。このように、カルビノール−シラン反応混合物はモノヒドロキシ反応体、例えば、アルカノール等を含んでよく、そしてこのようなモノヒドロキシ材料は、後者が形成される間またはその後に、カルビノール、シランまたはシリコーン中間体と混合されてよい。
【0037】
ポリオールまたはモノヒドロキシ材料は、約10,000以下の重量平均分子量を有してもよく、または、特に、それがポリオキサルキルグリコールまたはアルキルキャップされたポリアルコキシシランポリオールのようなポリオキサルキルカルビノールであるならば、約10,000よりも高い重量平均分子量を有してよい。ポリオール材料の可能な最も低い分子量はエチレングリコールの分子量である約62である。より高い分子量のポリオールは、通常、使用する全カルビノールの比較的低い半分以下のモル量であり、より低い分子量のカルビノールが比較的多い過半量を占める。
【0038】
適切なカルビノールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチルプロパノール、1,6−もしくは2,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタエリトリトール、ヘキシレングリコール、部分的にエステル化されたポリオール、シクロペンタンジオール、ポリトリメチレンエーテルグリコール(重量平均分子量「WAMW」650〜2,900)、ポリプロピレンエーテルグリコール(WAMW400〜4,000)、ヒマシ油およびヒマシ油誘導体(WAMW300〜1,000)、ポリカプロラクトングリコール(WAMW300〜2,000)、ヒドロキシ末端ポリブタジエン(WAMW500〜2,000)、ヒドロキシ官能ビスフェノールAポリオールおよびポリカーボネートグリコール(WAMW500〜2,500)、ポリブチレンエーテルグリコール(WAMW400〜4,000)、ポリオキシエチレン−プロピレンコポリマーエーテルグリコール(WAMW400〜4,000)等を含む。これらのポリオールの混合物、特に、比較的多い過半量のエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロールを含む混合物も反応することができる。
【0039】
好ましいカルビノールはヒドロキシ官能アクリル樹脂、アルキッド樹脂またはポリエステル樹脂またはカルボン酸官能アクリル樹脂、エポキシ樹脂またはポリエステル樹脂を含む。特に好ましいカルビノールは約200〜1,000の範囲の当量を有し、重量平均分子量が約10,000以下であるアクリル樹脂およびポリエステル樹脂である。カルビノールの例は多くの源から市販されており、そして、Rhom and Haas, Philadelphia, PAのアクリロイドアクリル樹脂、S.C. Johnson & Sons, Inc., Racine, WIのJoncrylシリーズアクリル樹脂CDX−500、586、587、588、611、678等、Miles, Inc., Pittsburgh, PA.から製品名Desmophen 651、800、1100、1300、1700等で販売されているポリエステル樹脂を含む。ポリエステル樹脂は、また、Cargill, Witcoから製品名5789、5776および5782およびRuco Polymer Corporationから製品名S−105、F−2300およびF−2310で市販されている。
【0040】
このようなカルビノールはシランおよびシリコーン中間体のみを含むものよりも安価な組成物をしばしば製造することができるので、最終的に硬化した組成物の望ましい特性を達成するように選択される。カルビノールはある基材に対するバインダーもしくはコーティングの付着性を改良するために、または、最終的に硬化した組成物の機械特性を変えるために有利であることができる。一般的に言って、高分子量のカルビノールは良好な耐衝撃性および可撓性を有するであろう。高いヒドロキシ官能価を有するカルビノールはより低い可撓性であるが、優れた耐薬品性を有するであろう。アクリルもしくはポリエステルカルビノールはビスフェノールAもしくはポリカーボネートカルビノールよりも良好な耐紫外線性および耐候性を有するであろう。
【0041】
本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を製造するために有用な適切なフェノール樹脂は変性および未変性フェノールレゾールおよびノボラックを含む群から選択されるものである。フェノール樹脂成分はフェノールレゾール樹脂およびフェノールノボラック樹脂のように既にポリマーの形であってよく、或いは、フェノールノボラックを生成するならば強酸の存在下に、または、フェノールレゾールを生成するならば強塩基の存在下に、フェノールもしくは置換フェノールとアルデヒドとを混合することにより全ての成分が混合されたときに現場で生成されてもよい。フェノール樹脂の使用は、コーティング、複合材、接着剤または、温度耐性および/または耐火性を要求する他のタイプの用途のための、温度耐性および/または耐火性が増加したハロゲン化樹脂組成物を製造するために望ましい。
【0042】
ハロゲン化樹脂組成物を形成するのに最も有用であることが判っているフェノールノボラックは約400〜5,000の範囲の重量平均分子量を有するものを含む。有用なフェノールレゾールは約300〜3,000の範囲の重量平均分子量を有するものを含む。このようなフェノール樹脂は、例えば、British PetroleumのB.P. Chemical Division, Barry, U.K.、Borden, Inc.のthe Packaging and Industrial Products Division, Columbus, Ohio、Occidental Petroleumのthe Dures Division, Dallas, Texas、Georgia−Pacific Corporation, Atlanta, GeprgiaおよびNeste Resins Corporation, Eugene, Oregonから市販されている。好ましいフェノール樹脂はB.P. ChemicalのCellobond J2018LおよびJ2027L、BordonのSL−898フェノールレゾールおよびGeorgia−PacificのGP5018フェノールレゾールを含む。
【0043】
本発明によるハロゲン化樹脂組成物を形成するために有用なエポキシ官能樹脂の例は、1分子当たりに1個より多くの、好ましくは2個より多くの1,2−エポキシド基を含むエポキシ樹脂を含む。1分子当たり2個より多くの1,2−エポキシド基を有するエポキシ樹脂は、改良された耐薬品性および耐腐蝕性が望ましいときに有用である。好ましくは、エポキシ樹脂は固体よりも液体であり、約100〜約500のエポキシド当量を有し、そして約2の反応価を有する。芳香族基を含まないエポキシ樹脂は良好な耐紫外線性および耐候性が望まれる用途に有用である。
【0044】
好ましいエポキシ樹脂は非芳香族水素化シクロヘキサンジメタノールおよび水素化ビスフェノールAタイプエポキシド樹脂のジグリシジルエーテル、例えば、Shell Chemical, Houston, TexasのEponex 1510、Heloxy 107およびEponex 1513(水素化ビスフェノールA−エピクロロヒドリンエポキシ樹脂)、Springfield, MassachusettsにあるMonsantoのSantolink LSE−120、Allentown, PennsylvaniaにあるAir Products and Chemicals, Inc.のEpodil 757(シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル)、Hawthorne, New YorkにあるCiba Specialty ChemicalsのAraldite XUGY358およびPY327、Louisville, KentuckyにあるShell Chemical CompanyのEpirez 505、Pensacola, FloridaにあるReichholdのAroflint 393および607およびTarrytown, New YorkにあるUnion CarbideのERL4221である。他の適切な非芳香族エポキシ樹脂はDow Chemical Companyから入手可能なDER 732およびDER 736を含む。
【0045】
好ましい態様において、組成物の合計重量を基準として10〜70重量%の範囲のヒドロキシ−もしくはエポキシ官能樹脂成分が、本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成するために使用される。より好ましくは、約10〜25重量%の範囲のヒドロキシ−もしくはエポキシ官能樹脂成分が使用される。もし、ヒドロキシ−もしくはエポキシ官能樹脂成分の使用量がこの範囲外にあるときには、得られるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は特定の用途に望ましい物理的性質または化学的性質を有しないことがある。例えば、もし約10重量%未満のヒドロキシ官能樹脂を使用するならば、得られるハロゲン化樹脂組成物は耐紫外線性および耐候性が低くなっているであろう。もし約10重量%未満のエポキシ樹脂を使用するならば、得られるハロゲン化樹脂組成物は可撓性および耐衝撃性の程度が低くなっているであろう。もし約10重量%未満のフェノール樹脂を用いるならば、得られるハロゲン化樹脂組成物は温度耐性および耐燃性の程度が低くなっているであろう。もし約70重量%より多量のヒドロキシ官能樹脂成分もしくはエポキシ官能樹脂成分を使用するならば、他の珪素含有成分の量が必然的に低くなり、耐薬品性および耐腐蝕性、接着性、耐摩耗性、耐衝撃性および可撓性の程度が低くなることがあるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を生じる。
【0046】
有機ハロゲン含有成分に関して、適切なハロゲン化成分は、反応性ヒドロキシ、アミンもしくはカルボキシル基を有する、即ち、ヒドロキシ−、アミノ−もしくはカルボキシ官能性を有する、フッ素化化合物、塩素化化合物および臭素化化合物を含む。ハロゲン含有成分を記載するために使用されるときに、用語「有機」は、本発明のハロゲン化樹脂組成物を形成するために使用されるハロゲン含有成分の群から無機ハロゲン酸を排除することを意図していることに注意することが重要である。従って、ハロゲン化無機酸は特に避けられ、本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を製造するために使用されない。ヒドロキシ官能有機ハロゲン化化合物は好ましい。というのは、重合の間に形成される得られるSi−O−C結合がアミン官能基により生じるC−N−Si結合よりも安定であるからである。
【0047】
好ましいヒドロキシ官能有機ハロゲン化化合物はフルオロアルコール、クロロアルコールおよびブロモアルコールを含む。フルオロアルコールは最終の組成物に改良された耐紫外線性および疎水性を提供するので特に好ましい。好ましいフルオロアルコールは重縮合を促進し、そしてシリコーン骨格へのグラフトを可能とするために約1〜10個の範囲の炭素原子を有する。
【0048】
適切なフルオロアルコールはトリフルオロエタノール、ジフルオロエタノール、ヘキサフルオロプロパノール、ヘプタフルオロブタノール、ヘプタフルオロペンタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、メチルトリフルオロブタノール、オクタフルオロペンタノール、ペルフルオロデカノール、2,2−ジフルオロエタノール、1H,1H,7H−ドデカフルオロ−1−ヘプタノール、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブタン−1−オール、ヘキサフルオロイソプロパノール、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロパノール、2−メチル−4,4,4−トリフルオロブタノール、1H,1H,5H−オクタフルオロ−1−ペンタノール、1H,1H−ペンタフルオロプロパノール−1,1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパノール、ペルフルオロ−tert−ブタノール、1H,1H,2H−ペルフルオロデカノール、1H,1H−ペルフルオロ−1−ヘプタノール、1H,1H−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノール、1,1,1−トリフルオロプロパノール−2,3,3,3−トリフルオロプロパノール−1を含む。好ましいフルオロアルコールは、例えば、3M Chemical Co., St. Paul, Minn.,から製品名L−9704およびFC−10およびDupont Chemical, Wilmington, Del.から製品名Zonyl BA−Lで市販されている。
【0049】
特に好ましいフルオロアルコールは2,2,2−トリフルオロエタノールである。というのは、それはコストがより低く、そして入手が容易であるからであり、かつ、フッ素基の置換および使用が効率的であるからである。
【0050】
適切なクロロアルコールは、制限するわけではないが、1,1,1−トリクロロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2−ジヒドロキシ3,3,3−トリクロロプロピオン酸および1,1,1−トリクロロ2−メチル2−プロパノールを含む群から選択されるものである。クロロアルコールの使用は、改良された疎水性、耐薬品性および耐燃性が望まれる用途に望ましい。
【0051】
適切なブロモアルコールは、制限するわけではないが、2,3−ジブロモプロピオン酸、1,3−ジブロモプロパノール、1,4−ジブロモ2,3−ブタンジオールおよび2,3−ジブロモ1,4−ブタンジオールを含む群から選択されるものである。ブロモアルコールの使用は改良された耐燃性が望まれる用途に望ましい。
【0052】
有機ハロゲン含有成分はシリコーン中間体およびシランの加水分解および/または重縮合により形成されるポリシロキサンポリマー中に1種以上のハロゲン原子を導入するために使用される。好ましいハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は組成物の合計重量を基準として5〜25重量%の範囲の有機ハロゲン化成分を使用することにより製造される。約5重量%より少量のハロゲン化成分を使用すると、低くなった耐薬品性、耐摩耗性、耐燃性および耐候性並びに疎水性の性質を有することがあるハロゲン化樹脂組成物を生じることがある。約25重量%より多量のハロゲン化成分を使用すると、特定の用途における実用上の使用のためには硬質すぎるかまたは軟質すぎることがあるハロゲン化樹脂組成物を生じることがあり、そして良好に硬化せずそして低い付着性を有する樹脂組成物を生じることがある。
【0053】
アミン硬化剤に関して、シリコーン中間体および/またはヒドロキシル−もしくはエポキシ官能樹脂の加水分解および/または重縮合反応を促進するために有用な適切な化合物は、脂肪族アミン、脂肪族アミンアダクト、ポリアミドアミン、脂環式アミンおよび脂環式アミンアダクト、芳香族アミン、マンニッヒ塩基およびケチミンであって、アミノシランにより完全にまたは部分的に置換されていてよいものの一般的なクラスから選択されるアミンを含む。好ましいアミン硬化剤は下記一般式を有するアミノシランを含む。
【0054】
Y−Si−(O−X)
(式中、YはH(HNR17であり、そしてaは2〜7の整数であり、各R17はアリール、アルキル、ジアルキルアリール、アルコキシアルキルおよびシクロアルキル基からなる群より独立に選ばれる二官能有機基であり、そしてR17はY分子の各々の中で異なっていてよく、各Xは同一であってもまたは異なっていてもよく、そして約6個未満の炭素原子を含むアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよびヒドロキシアルコキシアルキル基に限定される)。所望ならば、本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を製造するのに1種より多くのアミノシランを使用してもよい。
【0055】
好ましいアミノシランは、制限するわけではないが、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノプロピル−トリメトキシシラン、n−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、3−(3−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェニルトリメトキシシラン、2−アミノエチル3−アミノプロピルシラン、トリス2−エチルヘキソキシシラン、n−アミノヘキシルアミノプロピルトリメトキシシランおよびトリスアミノプロピルトリスメトキシエトキシシランを含む。
【0056】
本発明において有用な幾つかのアミノシランの製造業者および商品名を下記の表1に示す。
【0057】
(表1−アミノシラン)
【0058】
【表1】

ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は組成物の合計重量を基準として約20重量%以下のアミン硬化剤を使用することにより製造され、そしてより好ましくは約12重量%以下のアミン硬化剤を使用することにより製造される。約20重量%より多量のアミン硬化剤を使用することにより製造されるハロゲン化樹脂組成物は、高度に架橋され、そして低い耐衝撃性、可撓性、耐候性および貯蔵寿命を有する樹脂組成物を形成することがある。
【0059】
加水分解および重縮合反応を促進し、それにより、反応時間を短くしそして昇温の反応温度を低減するための触媒として有用な化合物の別のクラスは有機金属化合物、酸、塩基およびそれらの混合物からなる群より選ばれる。所望ならば、1種より多くのタイプの有機金属触媒は使用されてよい。有用な有機金属化合物は亜鉛、マンガン、コバルト、鉄、鉛および錫のオクトエート、ネオデカネートおよびナフテネート等のような塗料産業においてよく知られている金属ドライヤーを含む。ブチルチタネート等のようなオルガノチタネートも本発明において有用である。
【0060】
ハロゲン化樹脂組成物を形成するための触媒として有用な有機金属化合物は下記一般式を有するものを含む。
【0061】
【化5】

(式中、R18、R19、R20およびR21基は11個以下の炭素原子を有するアルキル、アリール、アリールオキシおよびアルコキシ基からなる群より選ばれ、そしてR18、R19、R20およびR21基のうちのいずれか2つは、さらに、ハロゲン、硫黄および酸素からなる無機原子の群より選ばれる)。
【0062】
オルガノ錫化合物の例は、テトラメチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、トリブチル錫クロリド、トリブチル錫メタクリレート、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫スルフィド、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエートポリマー、ジブチル錫ジラウリルメルカプチド、錫オクトエート、ジブチル錫ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ブチル錫トリクロリド、ブチルスズ酸(butylstannoic acid)、ジオクチル錫ジクロリド、ジオクチル錫オキシド、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫オキシド、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレエートポリマー、ジオクチル錫ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジオクチル錫スルフィド、ジブチル錫ジアセチルアセトネートおよびジブチル錫3−メルカプトプロピオネートを含む。好ましい有機金属化合物は、例えば、Nitto Kasei Co. Ltd.から製品名U−220、OSI Specialtiesから製品名NIAX Catalyst U−220(ジブチル錫ジアセチルアセトネート)およびAir Products and Chemicals, Inc.から製品名METACURE T−1として市販されている。
【0063】
ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は組成物の合計重量を基準として約10重量%以下の有機金属触媒を使用することにより製造され、より好ましくは約4重量%以下の有機金属触媒を使用することにより製造される。約10重量%より多量の有機金属触媒を使用することにより製造されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は所望されるより高い程度の可撓性を有する組成物を形成することがある。アミン硬化剤および有機金属触媒は任意に使用されるものと理解されるべきであるが、ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物の好ましい態様はアミノシランおよび有機金属触媒の両方を各々上記に示した量以下で使用することにより製造される。
【0064】
所望ならば、加水分解および重縮合反応を促進するための他の有機成分を可溶化し、そして組成物の適用を容易にしそしてその膜厚を制御するために1種以上の有機溶剤を使用することができる。好ましい溶剤は、ハロゲン化樹脂組成物をコーティングとして塗布したときに、ハロゲン化樹脂組成物の急速乾燥を可能にするために比較的に低いVOC含分を有する揮発性溶剤を含む。使用できる溶剤の例は酸素化溶剤、例えば、エステル、エーテル、アルコール、ケトン、グリコールおよび芳香族溶剤、例えば、トルエン、キシレン等を含む。
【0065】
特定の溶剤は、例えば、MIBK、MEK、アセトン、n−プロピルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルプロピルケトン、イソプロパノール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチルアミン、n−ブチルアセテート、エチル3−エトキシプロピオネート、ペンタノン等を含む。ハロゲン化樹脂組成物は約10重量%以下の溶剤を含んでよい。
【0066】
本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は、また、従来の充填剤、例えば、シリカ粉末、タルク(マグネシウムシリケート)、クレー、例えば、チャイナクレー(アルミニウムシリケート)、ウォラストナイト(カルシウムシリケート)、炭酸カルシウム、バライト(バリウムスルフェート、バリウムメタボレート)、アルミナ三水和物、酸化アルミニウム、グラファイト、亜鉛、アルミニウム、銅、マイカ、雲母含有酸化鉄(micaceous iron oxide)、アルミナフレーク、焼成アルミナ、ガラスフレークおよびステンレススチールフレークをも含んでよい。
【0067】
酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化チタンおよびクロムグリーンのような顔料も使用されてよい。鉛を含む顔料は硬化を阻害するので避けるべきである。ハンサイエロー、フタログリーンおよびフタロブルーのような有機顔料も製品を着色するために使用されてよい。被膜の硬化を補助するために酸化亜鉛も使用されてよい。バリウムメタボレートを含むコーティング組成物が酸による攻撃に対して改良された耐性を示すことが判っているので、酸に対する耐性が望まれるときには、バリウムメタボレートは好ましい充填剤である。
【0068】
高温に対する耐性を示す組成物が望まれるときには、微細分割された粒子状顔料または充填剤は使用できる。高い耐熱性を提供するこのような充填剤の例は、バライト(バリウムスルフェート)、マイカ、マイカ含有酸化鉄、アルミニウムフレーク、酸化アルミニウム、焼成アルミナ、ガラスフレーク、ステンレススチールフレーク等である。バインダーおよび充填剤の適切な選択により、1000°Fを超える温度に対して熱安定なコーティングを得ることができる。
【0069】
他の一般的に使用されている材料および添加剤、例えば、可塑剤、付着性改良剤、流れ調節剤、顔料分散体のための湿潤化剤およびチクソトロピー剤、例えば、ヒュームドシリカも含まれてよい。例えば、基材に対する組成物の付着性を改良するために、触媒量の、組成物の合計重量に対して約1重量%以下の付着性改良剤は使用されてよい。所望ならば、組成物の合計重量を基準として約50重量%以下のこのような充填剤、顔料、材料および添加剤は使用されてよい。
【0070】
本発明のハロゲン化アクリルおよびポリエステルポリシロキサン樹脂組成物の例は、シリコーン中間体、任意成分であるアリールアルコキシシラン、任意成分である有機金属触媒および任意成分であるアミン硬化剤を一緒に混合し、第一の混合物を形成させること、およびこの混合物を一定時間加熱することにより製造される。任意成分であるアルキルアルコキシシラン、任意成分である第二のアリールアルコキシシランおよび第二のシリコーン中間体を第一の混合物に添加して第二の混合物を形成させ、そして加熱する。第三および第四のシリコーン中間体、有機溶剤、ハロゲン含有アルコール、アクリルもしくはポリエステル樹脂並びに任意成分である第二の有機金属触媒を第二の混合物に添加して最終製品を形成させる。
【0071】
本発明のハロゲン化エポキシおよびフェノールポリシロキサン樹脂組成物の例は、有機ハロゲン含有成分、シリコーン中間体、任意成分である有機金属触媒を混合して第一の混合物を形成させ、そしてこの混合物を一定時間加熱することにより製造される。任意成分であるアリールアルコキシシラン、第二のシリコーン中間体およびエポキシもしくはフェノール樹脂を第一の混合物に添加して第二の混合物を形成させ、そして所望の温度に冷却する。任意成分である第二の有機金属触媒および任意成分であるアミノシランを第二の混合物に添加して、均質になるまで混合して最終製品を形成させる。
【0072】
例示の態様において、得られるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を単一の容器に貯蔵し、そして単一のパートの系として販売する。適用の前に、容器を開け、そして組成物を大気中の水分に暴露することにより最終的に硬化させる。大気中の水分は触媒の存在とともに、加水分解および重縮合反応を完了させる。または、本発明のハロゲン化樹脂組成物は硬化剤および触媒の一部または全部を第二容器に入れ、それを適用の前に第一容器の内容分と混合することによる、2パート系として製造することもできる。
【0073】
特定の理論または機構に拘束されるつもりはないが、本発明のハロゲン化ヒドロキシ官能ポリシロキサン樹脂組成物は次のように形成されるものと信じられる。成分を混合したときに、シリコーン中間体は制御された程度の加水分解を受け、そして任意成分であるシランと、加水分解されたシリコーン中間体と、ヒドロキシ官能ハロゲン化成分は重縮合反応を受けて、残存シラノール基を有するハロゲン化オルガノオキシシランを生成するものと信じられる。重縮合反応の間に、任意成分であるシランおよび加水分解されたシリコーン中間体は、また、それら自体とも縮合して架橋したポリシロキサンネットワークを形成する。重縮合反応の間に、ヒドロキシ官能樹脂はそれ自体と縮合して樹脂ポリマーを生成し、そしてハロゲン化オルガノオキシシランのシラノール基と縮合して、樹脂をハロゲン化ポリシロキサンネットワーク中に導入し、ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成する。
【0074】
本発明のハロゲン化エポキシ官能ポリシロキサン樹脂組成物は、また、次のように形成されるものと信じられる。上記のヒドロキシ官能ポリシロキサン樹脂組成物の態様と同様に、成分を混合したときに、シリコーン中間体は制御された程度の加水分解を受け、そして任意成分であるシラン、加水分解されたシリコーン中間体およびヒドロキシ官能ハロゲン化成分は重縮合反応を受けて残存シラノール基を有するハロゲン化オルガノオキシシランを形成する。重縮合反応の間に、任意成分であるシランおよび加水分解されたシリコーン中間体は、また、それら自体と縮合して架橋したポリシロキサンネットワークを形成する。
【0075】
重縮合反応の間に、エポキシは任意成分であるアミノシラン硬化剤と反応して、ペンダントアルコキシ基を有する、硬化したエポキシ樹脂ポリマーを形成する。エポキシ樹脂にあるアルコキシ官能基は水の存在下に加水分解して、ハロゲン化オルガノオキシシランのシラノール基と縮合し、それにより、樹脂をハロゲン化ポリシロキサンネットワーク中に導入し、そしてハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成する。
【0076】
本発明の重要な特徴はフッ酸等のような無機ハロゲン含有酸を使用する必要がなく、樹脂と、ヒドロキシ−、アミン−もしくはカルボキシ官能有機ハロゲン含有化合物およびオルガノオキシシランの縮合生成物との反応により、樹脂のハロゲン化が可能であることである。
【実施例】
【0077】
次の実施例は、本発明の原理により製造されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物の種々の態様を例示するために示される。
【0078】
実施例1−フッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物
フッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物を、約100gのアルキルアルコキシシロキサン(Silres MSE 100)、20gの第一のアリールアルコキシシラン(Z−6124)、4gの有機金属触媒(NIAX U−220)および15gのアミノシラン(Z6020)を混合して、第一の混合物を形成することにより製造した。この第一の混合物を約150°Fに加熱し、そして約30分間混合した。約50gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)、80gの第二のアリールアルコキシシラン(SY−201)、150gの第一のアルコキシ官能シリコーン中間体(DC3074およびSY−231)を第一の混合物に各々添加し、そして約180°Fの温度で約1時間還流した。
【0079】
約25gの第二のアルコキシ官能シリコーン中間体(DC6−2230)、25gの第一の有機溶剤(PMアセテート)および15gの第二の有機溶剤(ブチルアセテート)を上記の還流混合物にゆっくりと添加した。約160gのアクリル樹脂(CDX−588)、35gのヒドロキシ官能シリコーン中間体(Q1−2530)、80gの2,2,2−トリフルオロエタノールおよび2gの有機金属触媒をこの混合物に添加し、そして混合物を約180°Fの温度で約2時間還流した。約435gの白色顔料および30gの第一の有機溶剤を上記の還流混合物に添加し、白色のフッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物を形成した。
【0080】
実施例1A−フッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物
フッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物を実施例1の上記のように製造したが、耐摩耗性および耐候性をさらに改良するために、約50gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)を60gのフッ素化シラン(Q3−9030)で置き換えた。
【0081】
実施例2−フッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物
フッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物を、約120gのアルキルアルコキシシロキサン(Silres MSE 100)、25gの第一のアリールアルコキシシラン(Z6124)、5gの有機金属触媒(NIAX U−220)および20gのアミノシラン(Z6020)を混合し、第一の混合物を形成することにより製造した。この第一の混合物を約150°Fの温度に加熱し、そして約30分間混合した。約60gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)、95gの第二のアリールアルコキシシラン(SY−201)および180gのアルコキシ官能シリコーン中間体(DC3074およびSY−231)を第一の混合物に添加し、そして約180°Fの温度で約一時間還流した。
【0082】
約30gの第二のアルコキシ官能シリコーン中間体(DC6−2230)、30gの第一の有機溶剤(PMアセテート)および20gの第二の有機溶剤(ブチルアセテート)を予備混合し、そして上記の還流混合物にゆっくりと添加した。約190gのアクリル樹脂(CDX−588)、40gのヒドロキシ官能シリコーン中間体(Q1−2530)、100gの2,2,2−トリフルオロエタノールおよび2gの有機金属触媒を混合物に添加し、そして混合物を180°Fで約2時間還流し、透明なフッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物を形成した。
【0083】
実施例2A−フッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物
フッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物を上記の実施例2に記載されるように製造したが、耐摩耗性および耐候性をさらに改良するために、約60gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)を70gのフッ素化シラン(Q3−9030)で置き換えた。
【0084】
実施例3−フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物
フッ素化エポキシポリシロキサンエポキシ樹脂組成物を、約145gの2,2,2−トリフルオロエタノール、300gのアルコキシ官能シリコーン中間体(SY−231)、10gの第一の有機金属触媒(NIAX U−220)を一緒にして混合し、そして混合物を約180°Fで1時間加熱することにより製造した。この混合物を約120°Fの温度に冷却し、そして約20gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)、140gのアルキルアルコキシシロキサン(Silres MSE 100)および200gのエポキシ樹脂(Eponex 1510)を混合物に添加した。この混合物を均質になるまで混合し、そして再び約120°Fの温度に冷却した。約15gの第二の有機金属触媒(METACURE T−1)および100gのアミノシラン(A1100)硬化剤を混合物に添加し、そして均質となるまで混合して、フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を形成した。
【0085】
実施例4−フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物
フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を、約200gの2,2,2−トリフルオロエタノール、350gのアルコキシ官能シリコーン中間体(SY−321)、25gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)、200gのエポキシ樹脂(Eponex 1510)を合わせ、均質になるまで成分を混合し、そして混合物を約120°Fに冷却することにより製造した。約10gの有機金属触媒(METACURE T−1)および80gのアミノシラン(A1100)を混合物に添加し、そして均質になるまで混合し、フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を形成した。
【0086】
実施例5−フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物
フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を、約200gのヘキサフルオロプロパノール、350gのアルコキシ官能シリコーン中間体(SY−231)、25gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)、200gのエポキシ樹脂(Eponex 1510)を合わせ、そして均質になるまで成分を混合し、そして約120°Fに混合物を冷却することにより製造した。約10gの有機金属触媒(METACURE T−1)および80gのアミノシラン(A1100)を混合物に添加し、そして均質になるまで混合し、フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を形成した。
【0087】
実施例6−塩素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物
塩素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を、約145gのトリクロロエタノール、400gのアルコキシ官能シリコーン中間体(SY−231)、20gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)、200gのエポキシ樹脂(Eponex 1510)を合わせ、そして均質になるまで成分を混合し、そして混合物を約120°Fに冷却することにより製造した。約10gの有機金属触媒(METACURE T−1)および80gのアミノシラン(A1100)をこの混合物に添加し、そして均質になるまで混合して、塩素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を形成した。
【0088】
実施例7−フッ素化ポリシロキサンエポキシ樹脂組成物
フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を、約190gのフルオロアルコール(Zonyl BA−L)、350gのアルコキシ官能シリコーン中間体(SY−231)、20gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)、200gのエポキシ樹脂(Eponex 1510)を合わせ、均質になるまで成分を混合し、そして約120°Fに混合物を冷却することにより製造した。約10gの有機金属触媒(METACURE T−1)および80gのアミノシラン(A1100)をこの混合物に添加し、そして均質になるまで混合して、フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を形成した。
【0089】
実施例8−フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物
フッ素化エポキシポリシロキサン樹脂組成物を、約200gのヘプタフルオロプロパノール、350gのアルコキシ官能シリコーン中間体(SY−231)、20gのアルキルアルコキシシラン(A−163およびZ6070)、200gのエポキシ樹脂(Eponex 1510)を合わせ、そして均質になるまで成分を混合し、そして混合物を約120°Fに冷却することにより製造した。約10gの有機金属触媒(METACURE T−1)および80gのアミノシラン(A1100)をこの混合物に添加し、そして均質になるまで混合した。
【0090】
Bonderite 1000で処理したスチールパネル上に約8ミリメートルの湿潤厚さで実施例3〜8の組成物の塗布膜を調製し、そして77°Fおよび50%相対湿度で約7日間硬化させ、その後に、試験した。各実施例の組成物は約10時間未満の指触乾燥時間を示し、指触乾燥時間は実施例のうちの半分については約7時間未満であった。塗布膜を種々の酸および塩基に暴露することによりこれらの実施例の耐薬品性を試験し、実施例3〜6および8は優れた耐薬品性を示した。塗布膜を24週間までの紫外線暴露により63%光沢保持性を測定することにより実施例の耐候性をも試験した。実施例3〜6および8は約8週間までのQUV加速暴露に対して優れた光沢保持性を示した。
【0091】
本発明の原理により製造されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は、ハロゲン酸の使用による従来の方法により製造されるハロゲン化樹脂組成物と比較したときに、優れた特性の耐薬品性、耐腐蝕性、耐候性および耐紫外線性を示す。例えば、60°光沢計を使用してASTM D523により測定して鏡面光沢を試験したときに、本発明の実施例1により製造した硬化したフッ素化アクリルポリシロキサン樹脂組成物はポリフッ化ビニリデン(PDDF)に対して比較したときに、優れた特性の初期鏡面光沢および85日後の鏡面光沢を示した。
【0092】
詳細には、本発明の実施例1の組成物は、PVDFについての約38(中程度の光沢)と比較して約80(高光沢)の初期鏡面光沢値を示した。従って、実施例1の組成物はPVDF製品の鏡面光沢の2倍を超える鏡面光沢を示した。約20日後に、実施例1の組成物は約72の鏡面光沢値および約92%の%光沢値保持率を示し、一方、PVDF製品は約32の光沢値および94%の光沢値保持率を示した。
【0093】
約48日後に、実施例1の組成物は約70の鏡面光沢値および約90%の%光沢値保持率を示し、一方、PVDF製品は約28の光沢値および約90%の光沢値保持率を示した。約85日後に、実施例1の組成物は約68の鏡面光沢値および約88%の%光沢値保持率を示し、一方、PVDF製品は約28の光沢値および約90%の%光沢値保持率を示した。このように、85日後に、実施例1の組成物はPVDF製品の約2.5倍の鏡面光沢値を示した。
【0094】
鏡面光沢試験は、本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物が、従来のハロゲン化樹脂組成物と比較したときに優れた光沢特性を有することを示し、そしてこのような優れた光沢を従来の組成物よりもずっと良好に長期間にわたって維持することを示す。優れた光沢値保持率は本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物の改良された耐候性および耐紫外線性に基づくものである。
【0095】
表2は実施例1および実施例1A並びにPVDF製品に対して行ったAAMA605.2の標準法により行った比較試験から得られた試験データを示す。この試験は、本発明の原理により製造されたハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物(実施例1および実施例1A)から形成されたコーティングが、PVDF製品から得られたコーティングと比較したときに、優れた鏡面光沢値、優れた耐摩耗性、優れた耐湿性および優れた光沢値保持率を示すことを示した。
【0096】
【表2A】

【0097】
【表2B】

【0098】
【表2C】

本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物はスチール、石積、プラスティック等のような種々の基材とともに使用でき、そして特殊な硬化条件または特殊な装置の必要性なしに周囲温度条件下に硬化する。この組成物は急速に硬化し、周囲温度および50%を超える相対湿度で約10時間未満で完全に硬化し、そして、薄めたりまたは特殊な塗布技術または装置を使用する必要性がなく、クロス、スプレー、ブラシまたはロールにより塗布することができる。
【0099】
保護コーティングに加えて、本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は、可撓性、耐衝撃性および靱性の改良された特性を付与するために、繊維強化プラスティックのような複合材の構造において使用でき、また、自動車、大量輸送、建築および建設、宇宙および防衛、並びに、採鉱およびトンネリング産業に使用される成形体、セクション等の形態で使用できる。このような複合材の特定の例は添付の図面に例示されるような強化繊維もしくはフィラメントを有するパイプ10を含む。このようなパイプはガラス、ケブラー(芳香族ポリアミド)、カーボン、グラファイト等またはそれらの組み合わせから形成されるフィラメントのワインディングであって、本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物により結合されているものから形成できる。
【0100】
ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物の限定された態様に関して記載してきたが、多くの変更は当業者に明らかであろう。従って、特に記載されたもの以外に、添付の請求の範囲の範囲内で本発明のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物は製造できることは理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0101】
なお、本発明の好ましい実施形態によれば、以下の組成物および方法等が提供される。
【0102】
1.少なくとも1種のシリコーン中間体、
ヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂からなる群より選ばれる樹脂、および、
ヒドロキシ、アミンおよびカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する有機ハロゲン含有成分、
を混合することにより製造されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物。
【0103】
2.前記少なくとも1種のシリコーン中間体は下記式
【0104】
【化6】

(式中、各R10およびR11基はヒドロキシ基、6個以下の炭素原子を有するアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より独立に選ばれ、各RおよびR12基は水素並びに12個以下の炭素原子を有するアルキルおよびアリール基からなる群より独立に選ばれ、nはシリコーン中間体の重量平均分子量が約100〜10,000の範囲となるように選択される)を有するヒドロキシ官能シリコーン中間体およびアルコキシ官能シリコーン中間体からなる群より選ばれる、上記項1記載の組成物。
【0105】
3.前記シリコーン中間体は下記式
【0106】
【化7】

(式中、R13はアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より選ばれ、R14およびR15はアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より選ばれ、R16はアルキル基から選ばれ、そしてnはシロキサン樹脂の重量平均分子量が約500〜5,000の範囲となるように選択される)を有する、上記項1記載の組成物。
【0107】
4.アルキルアルコキシシラン、アリールアルコキシシラン、ハロゲン化シランおよびそれらの混合物からなる群より選ばれるシランをさらに含む、上記項1記載の組成物。
【0108】
5.前記組成物の合計重量を基準として5〜25重量%の有機ハロゲン含有成分が該組成物を製造するために使用される、上記項1記載の組成物。
【0109】
6.下記式
Y−Si−(O−X)
(式中、YはH(HNR17であり、そしてaは約2〜7の範囲の整数であり、各R17は、アリール、アルキル、ジアルキルアリール、アルコキシアルキルおよびシクロアルキル基からなる群より独立に選ばれる二官能有機基であり、R17は各Y分子において異なることができ、そして各Xは同一であってもまたは異なっていてもよく、そして約6個未満の炭素原子を含むアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよびヒドロキシアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる)を有するアミン硬化剤をさらに含む、上記項1記載の組成物。
【0110】
7.有機金属化合物、酸、塩基およびそれらの混合物からなる群より選ばれる触媒をさらに含む、上記項2記載の組成物。
【0111】
8.前記組成物の合計重量を基準として、10〜70重量%の前記シリコーン中間体、10〜70重量%の前記樹脂、および、5〜25重量%の前記有機ハロゲン含有成分が、前記組成物を製造するために使用される、上記項1記載の組成物。
【0112】
9.上記項1記載の通りに製造されたハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を含む樹脂成分を有する複合材。
【0113】
10.ヒドロキシ官能シリコーン中間体およびアルコキシ官能シリコーン中間体からなる群より選ばれる少なくとも1種のシリコーン中間体と、
アリールアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、ハロゲン化シランおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のシラン、
ヒドロキシ、アミンおよびカルボキシル基からなる群より選ばれる官能基を有する有機ハロゲン含有成分、
ヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂からなる群より選ばれる樹脂、および、
第三級アミン、アミノシラン、有機金属化合物、酸、塩基およびそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化剤、を混合することにより製造されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物。
【0114】
11.前記シリコーン中間体は下記式
【0115】
【化8】

(式中、各R10およびR11基はヒドロキシ基、6個以下の炭素原子を有するアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より独立に選ばれ、各RおよびR12基は水素並びに12個以下の炭素原子を有するアルキルおよびアリール基からなる群より独立に選ばれ、nは前記シリコーン中間体の重量平均分子量が約100〜10,000の範囲となるように選択される)を有する、上記項10記載の組成物。
【0116】
12.前記組成物の合計重量を基準として約10〜70重量%の範囲のシリコーン中間体が前記組成物を製造するために使用される、上記項11記載の組成物。
【0117】
13.前記シリコーン中間体は下記式
【0118】
【化9】

(式中、R13はアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より選ばれ、R14およびR15はアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より選ばれ、R16はアルキル基から選ばれ、そしてnはシロキサン樹脂の重量平均分子量が約500〜5,000の範囲になるように選択される)を有する、上記項10記載の組成物。
【0119】
14.前記アリールアルコキシシランは下記式
【0120】
【化10】

(式中、Rはアリール基であり、各R、RおよびR基は約4個未満の炭素原子を有するアルコキシ基である)を有し、そして約150〜300の範囲の平均分子量を有する、上記項10記載の組成物。
【0121】
15.前記アルコキシアルキルシランは下記式
【0122】
【化11】

(式中、Rは4個未満の炭素原子を有するアルキル基であり、各R、RおよびRは4個未満の炭素原子を有するアルコキシ基である)を有し、100〜300の平均分子量を有する、上記項10記載の組成物。
【0123】
16.前記有機ハロゲン含有成分はハロゲン含有アルコールからなる群より選ばれ、前記組成物を製造するために、前記組成物の合計重量を基準として5〜25重量%の範囲の有機ハロゲン含有成分が使用される、上記項10記載の組成物。
【0124】
17.前記樹脂はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、フェノールシラン樹脂およびそれらの混合物からなるヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂の群から選ばれる、上記10記載の組成物。
【0125】
18.前記組成物を製造するために、前記組成物の合計重量を基準として約10〜70重量%の前記樹脂が使用される、上記項17記載の組成物。
【0126】
19.前記アミノシラン硬化剤は下記式
Y−Si−(O−X)
(式中、YはH(HNR17であり、aは約2〜7の範囲の整数であり、各R17はアリール、アルキル、ジアルキルアリール、アルコキシアルキルおよびシクロアルキル基からなる群より独立に選ばれる二官能有機基であり、R17はY分子の各々で異なっていてよく、各Xは同一であってもまたは異なっていてもよく、そして約6個未満の炭素原子を有するアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよびヒドロキシアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる)を有する、上記項10記載の組成物。
【0127】
20.上記項1記載の通りに製造された組成物を含む樹脂成分を有する複合材。
【0128】
21.下記式
【0129】
【化12】

(式中、各R10およびR11基はヒドロキシ基、6個以下の炭素原子を有するアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より独立に選ばれ、各RおよびR12基は水素並びに12個以下の炭素原子を有するアルキルおよびアリール基からなる群より独立に選ばれ、nはシリコーン中間体の重量平均分子量が約100〜10,000範囲のとなるように選択される)を有するヒドロキシ官能シリコーン中間体およびアルコキシ官能シリコーン中間体からなる群より選ばれる少なくとも1種のシリコーン中間体、
アルコール、アミンおよびカルボン酸からなる群より選ばれる有機ハロゲン含有化合物、
アリールアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、ハロゲン化シランおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のシラン、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびフェノールシラン樹脂からなる群より選ばれる樹脂、
アミン硬化剤、および、
有機金属化合物、酸、塩基およびそれらの混合物からなる群より選ばれる触媒、
を混合することにより製造されるハロゲン含有ポリシロキサン樹脂組成物。
【0130】
22.前記有機ハロゲン含有化合物は約1〜10個の範囲の炭素原子を有するハロゲン化アルコールである、上記項21記載の組成物。
【0131】
23.前記組成物の合計重量を基準として約5〜25重量%の範囲のハロゲン化アルコールが前記組成物を製造するために使用される、上記項22記載の組成物。
【0132】
24.前記シリコーン中間体は下記式
【0133】
【化13】

(式中、R13はアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より選ばれ、R14およびR15はアルキル、アリールおよびアルコキシ基からなる群より選ばれ、R16はアルキル基から選ばれ、そしてnはシロキサン樹脂の重量平均分子量が約500〜5,000の範囲となるように選択される)を有する、上記項21記載の組成物。
【0134】
25.前記アミン硬化剤は下記式
Y−Si−(O−X)
(式中、YはH(HNR17であり、aは約2〜7の範囲の整数であり、各R17はアリール、アルキル、ジアルキルアリール、アルコキシアルキルおよびシクロアルキル基からなる群より独立に選ばれる二官能有機基であり、R17は各Y分子で異なっていてよく、そして各Xは同一であってもまたは異なっていてもよく、そして約6個未満の炭素原子を含むアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよびヒドロキシアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる)を有するアミノシランである、上記項21記載の組成物。
【0135】
26.上記項21記載の通りに製造された組成物を含む樹脂を有する複合材。
【0136】
27.少なくとも1種のシリコーン中間体、
アミン、ヒドロキシおよびカルボキシル基からなる群より選ばれる官能基を有する有機ハロゲン含有成分、および、
ヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂からなる群より選ばれる樹脂を混合して混合物を形成させ、そして、
周囲温度で重縮合反応を起こさせ、架橋したハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成するために充分な量の触媒、
を混合することにより製造されるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を含む樹脂成分を有する複合材パイプ。
【0137】
28.少なくとも1種のシリコーン中間体、
アミン、ヒドロキシおよびカルボキシル基からなる群より選ばれる官能基を有する有機ハロゲン含有成分、および、
ヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂からなる群より選ばれる樹脂を混合して混合物を形成させること、および、
該混合物を反応させてハロゲン化オルガノオキシシランを形成させ、それを縮合してハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成させることの工程を含む、ポリシロキサン樹脂組成物のハロゲン化方法。
【0138】
29.前記反応の工程の前に、アルキルアルコキシシロキサンからなる群より選ばれるシリコーン中間体を添加する工程をさらに含む、上記項28記載の方法。
【0139】
30.前記反応の工程の前に、アルキルアルコキシシラン、アリールアルコキシシラン、ハロゲン化シランおよびそれらの混合物からなる群より選ばれるシランを添加する工程をさらに含む、上記項28記載の方法。
【0140】
31.前記反応の工程の前に、アミン硬化剤を添加する工程をさらに含む、上記項28記載の方法。
【0141】
32.前記反応の工程の前に、有機金属化合物、酸、塩基およびそれらの混合物からなる群より選ばれる触媒を添加して、周囲環境硬化性のハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成させる工程をさらに含む、上記項31記載の方法。
【0142】
33.ヒドロキシ官能シリコーン中間体およびアルコキシ官能シリコーン中間体からなる群より選ばれる少なくとも1種のシリコーン中間体、
アミン、ヒドロキシおよびカルボキシル基からなる群より選ばれる官能基を有する有機ハロゲン含有成分、
アリールアルコキシシラン、アルキルアルコキシシランおよびハロゲン化シランからなる群より選ばれる少なくとも1種のシラン、および、
ヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂からなる群より選ばれる樹脂、
を混合して混合物を形成させること、および、
該混合物を反応させてハロゲン化オルガノオキシシランを形成させ、それをそれ自体と縮合させてハロゲン化ポリシロキサンネットワークを形成させること、
の工程を含む、ハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成する方法。
【0143】
34.前記反応の工程の前に、反応工程を促進し、そして周囲温度硬化を促進するために、アミン硬化剤、および、有機金属化合物、酸、塩基およびそれらの混合物からなる群より選ばれる触媒を添加する工程をさらに含む、上記項33記載の方法。
【0144】
35.水分への暴露時に周囲温度でハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を硬化させる工程をさらに含む、上記項33記載の方法。
【0145】
36.ヒドロキシ官能シリコーン中間体およびアルコキシ官能シリコーン中間体からなる群より選ばれる1種以上のシリコーン中間体を、ヒドロキシ官能性を有する有機ハロゲン含有成分およびシランと反応させることによりハロゲン化オルガノオキシシランを形成させること、および、
該ハロゲン化オルガノオキシシランを、ヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂からなる群より選ばれる樹脂と縮合させて架橋したハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物を形成させること、
の工程を含む、樹脂組成物中にハロゲン化部分を導入するための方法。
【0146】
37.ヒドロキシ官能シリコーン中間体およびアルコキシ官能シリコーン中間体からなる群より選ばれる少なくとも1種のシリコーン中間体、10〜70重量%、
アリールアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、ハロゲン化シランおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のシラン、0〜約45重量%、
ヒドロキシ、アミンおよびカルボキシル基からなる群より選ばれる官能基を有する有機ハロゲン含有成分、5〜25重量%、
ヒドロキシ官能樹脂およびエポキシ官能樹脂からなる群より選ばれる樹脂、10〜70重量%、
第三級アミン、アミノシラン、有機金属化合物、酸、塩基およびそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化剤、0〜約20重量%、
有機溶剤、0〜約10重量%、および、
充填剤、顔料および添加剤、0〜約50重量%、
から本質的になるハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】図1は、本発明の原理により製造されたハロゲン化ポリシロキサン樹脂組成物により結合されたフィラメントを含むフィラメントワインディングされたパイプの等角図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン化樹脂組成物およびその製造方法などに関して明細書または図面に記載された組成物および製造方法

【図1】
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【公開番号】特開2008−150620(P2008−150620A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57084(P2008−57084)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【分割の表示】特願平11−502503の分割
【原出願日】平成10年5月21日(1998.5.21)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】