説明

ハンズフリー装置および通信履歴情報の更新方法

【課題】携帯電話機の通信履歴情報でハンズフリー装置の通信履歴情報を更新する際、ハンズフリー装置側にのみ存在する通信履歴情報が勝手に削除されてしまうことを防止することが可能な「ハンズフリー装置および通信履歴情報の更新方法」を提供する。
【解決手段】携帯電話機120の通信履歴情報でハンズフリー装置140の通信履歴情報を更新するときに、携帯電話機120の通信履歴情報と、ハンズフリー装置140の通信履歴情報とを比較し、ハンズフリー装置140にのみ存在する通信履歴情報を保存対象情報として特定し、当該保存対象情報以外の通信履歴情報を携帯電話機120の通信履歴情報で更新することにより、ハンズフリー装置140にのみ存在する通信履歴情報が更新対象から除外されるようにして、ハンズフリー装置100側にのみ存在する通信履歴情報が勝手に削除されてしまうことを防止できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンズフリー装置および通信履歴情報の更新方法に関し、例えば、携帯電話機と連動して他の電話装置とのハンズフリー通話を行う機能を有するハンズフリー装置に用いて好適である。
【背景技術】
【0002】
従来、電話操作時の片手運転等を回避するために、運転者が携帯電話機を手で持つことなく通話することができるようにしたハンズフリー装置が提供されている。この種のハンズフリー装置では、携帯電話機をハンズフリー装置に接続することにより、マイクロホンからハンズフリー装置に入力された送話音声が携帯電話機を通じて相手先に送られるとともに、相手先から携帯電話機を通じて受信した受話音声がハンズフリー装置を介してスピーカから出力されるようになっている。
【0003】
ハンズフリー装置には、以前発信した通話や着信した通話に関する発信履歴または着信履歴が記憶される。よって、ユーザは、電話に応答できなかった場合でも、着信履歴の中から応答できなかった電話の相手先を選択して電話をかけ直すことができる。このような技術は、例えば、特許文献1(特開2006−311143号公報)に記載されている。
【0004】
また、携帯電話機の発信履歴や着信履歴を利用してハンズフリー装置から電話をかけることも可能である。そのために、ハンズフリー装置の記憶部に記憶された通信履歴情報を携帯電話機の記憶部に発信履歴や着信履歴として記憶された通信履歴情報で同期させる技術も存在する。携帯電話機の通信履歴情報でハンズフリー装置の通信履歴情報を同期しておけば、車外における通常の通話で携帯電話機に蓄積された通信履歴情報に含まれる電話番号を基にハンズフリー通話の発信を行うことが可能である。
【0005】
この同期処理は、例えば、ハンズフリー装置に携帯電話機が接続されたタイミングで行われる。携帯電話機の通信履歴情報でハンズフリー装置の通信履歴情報が同期されると、ハンズフリー装置が今まで保持してきた通信履歴情報に代えて、携帯電話機の通信履歴情報がハンズフリー装置の記憶部に記憶されることとなる。その後、携帯電話機およびハンズフリー装置の記憶部には、ハンズフリー通話機能による発信または着信が行われる度に、その発信または着信に対応した通信履歴情報が追加記憶される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−311143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ハンズフリー装置では、ハンズフリー通話の終了後に携帯電話機との接続が中断されると、その後ハンズフリー通話機能による発信または着信が行われることがない。そのため、接続中断時にハンズフリー装置の記憶部に記憶されている通信履歴情報の内容は、携帯電話機が再度接続されるまで変わることなく保持されることとなる。
【0008】
その一方で、携帯電話機はハンズフリー装置に接続して使用されるだけでなく、単体で使用されることが多い。つまり、携帯電話機では、ハンズフリー装置に接続されていない場合でも通信履歴情報が更新される(増えていく)。これにより、携帯電話機の記憶部には、ハンズフリー通話機能による発信または着信が行われたときに記憶された通信履歴情報と、携帯電話機単体で発信または着信が行われたときに記憶された通信履歴情報とが混在することになる。
【0009】
ここで、携帯電話機の多くは、通信履歴情報を記憶可能な数に制限があり、その制限数の通信履歴情報を記憶した状態で発信または着信があると、最も古く記憶した通信履歴情報を削除するようになっている。したがって、ハンズフリー装置の記憶部に記憶されている通信履歴情報が、携帯電話機の記憶部に記憶されていない(つまり、記憶可能な数を超えたために削除されてしまった)場合が生じる。この場合、携帯電話機の通信履歴情報でハンズフリー装置の通信履歴情報を同期すると、ハンズフリー装置の記憶部にのみ記憶されていた通信履歴情報が、ユーザの関知しないところで勝手に削除されてしまうという問題があった。この問題により、ユーザは、ハンズフリー装置側にのみ残っていた通信履歴情報を基にして他の電話装置に発信を行うことが不可能になってしまう。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、携帯電話機の通信履歴情報でハンズフリー装置の通信履歴情報を同期する際、ハンズフリー装置側にのみ存在する通信履歴情報が勝手に削除されてしまうことを防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明では、携帯電話機の通信履歴情報でハンズフリー装置の通信履歴情報を更新するときに、携帯電話機の通信履歴情報とハンズフリー装置の通信履歴情報とを比較し、ハンズフリー装置の記憶部にのみ記憶されている通信履歴情報を保存対象情報として特定し、ハンズフリー装置の通信履歴情報のうち、当該特定した保存対象情報以外の通信履歴情報を携帯電話機の通信履歴情報で更新するようにしている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明によれば、携帯電話機の通信履歴情報でハンズフリー装置の通信履歴情報を更新する際に、ハンズフリー装置にのみ存在する通信履歴情報(保存対象情報)は更新対象から除外されるため、ハンズフリー装置側にのみ存在する通信履歴情報が勝手に削除されてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態によるハンズフリー通話システムの全体構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による通信履歴情報の更新動作例を説明する図である。
【図3】本実施形態による通信履歴情報の更新動作例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態による問い合わせ画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるハンズフリー装置100を備えたハンズフリー通話システム120の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ハンズフリー通話システム120は、ハンズフリー装置100の他に、携帯電話機140、操作部160、ディスプレイ180を備えて構成されている。
【0015】
ハンズフリー装置100は、携帯電話機140と連動して他の電話装置(携帯電話機または固定電話機)とのハンズフリー通話を行う機能を有する。また、ハンズフリー装置100は、携帯電話機140の記憶部200に発信履歴や着信履歴として記憶された通信履歴情報を用いて、ハンズフリー装置100の記憶部340に記憶された通信履歴情報を更新する機能を有する。
【0016】
操作部160は、ユーザがハンズフリー装置100に対して各種の情報を設定したり、各種の操作を行ったりするためのものであり、タッチパネルやリモコン等の入力装置で構成される。例えば、携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報を用いてハンズフリー装置100の記憶部340に記憶されている通信履歴情報を更新する場合に必要な操作は、ユーザがこの操作部160を用いて行う。ディスプレイ180は、ハンズフリー装置100により生成された各種画面を表示する。
【0017】
次に、携帯電話機140の内部構成について説明する。携帯電話機140は、記憶部200、読み出し部220および無線通信制御部240を備えて構成されている。記憶部200は、発信履歴や着信履歴といった通信履歴情報を記憶する。記憶部200には、ハンズフリー装置100と携帯電話機140とが接続された場合におけるハンズフリー通話機能による発信または着信が行われる度に、その発信または着信に対応した通信履歴情報が追加記憶される。
【0018】
また、記憶部200には、携帯電話機140単体で発信または着信が行われる度に、その発信または着信に対応した通信履歴情報が追加記憶される。本実施形態では、記憶部200は、通信履歴情報を5個まで記憶できるものとする。記憶部200は、5個の通信履歴情報を記憶した状態で発信または着信があると、最も古く記憶した通信履歴情報を削除した上で、新しい通信履歴情報を記憶する。
【0019】
本実施形態では図2(a)に示すように、携帯電話機140の記憶部200には、ハンズフリー通話機能による発信または着信に対応する通信履歴情報B〜Eと、携帯電話機140単体による発信または着信に対応した通信履歴情報Fとが記憶されているものとする。なお、記憶部200には、ハンズフリー通話機能による発信または着信に対応する通信履歴情報Aが記憶されていたが、通信履歴情報Fが追加記憶される代わりに、最も古く記憶した通信履歴情報Aが削除されたものとする。
【0020】
読み出し部220は、無線通信制御部240からの要求を受けて、記憶部200に記憶されている通信履歴情報の全部を読み出す。そして、読み出し部220は、読み出した通信履歴情報を無線通信制御部240に出力する。
【0021】
無線通信制御部240は、ハンズフリー装置100からの要求を受けて、記憶部200に記憶されている通信履歴情報の送信を制御する。具体的には、無線通信制御部240は、読み出し部220に対して記憶部200に記憶されている通信履歴情報を読み出すことを要求する。その後、無線通信制御部240は、記憶部200から読み出された通信履歴情報が読み出し部220から出力された場合、その通信履歴情報をハンズフリー装置100に送信する。
【0022】
次に、ハンズフリー装置100の内部構成について説明する。ハンズフリー装置100は、無線通信制御部300、バッファ320、記憶部340、特定部360、更新部380、表示画面生成部400、表示制御部420および操作受付部440を備えて構成されている。なお、表示画面生成部400および表示制御部420は、本発明の問い合わせ部に相当する。
【0023】
無線通信制御部300は、操作部160に対するユーザ操作を介して、記憶部340に記憶されている通信履歴情報の更新を開始する操作を受け付けた旨の通知を操作受付部440から取得する。無線通信制御部300は、その通知を受けて、Bluetooth(登録商標)による通信可能領域内に携帯電話機140が入ったか否かを判定する。
【0024】
無線通信制御部300は、Bluetoothによる通信可能領域内に携帯電話機140が入ったと判定した場合、携帯電話機140との通信を接続し、携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報を送信することを携帯電話機140に対して要求する。その後、無線通信制御部300は、携帯電話機140から送信された通信履歴情報を受信し、当該受信した通信履歴情報(本実施形態では、通信履歴情報B〜F)をバッファ320に一時的に格納する。なお、ハンズフリー装置100は、無線通信制御部300により携帯電話機140との通信が接続されることによって、携帯電話機140と連動して他の電話装置とのハンズフリー通話を行うことが可能になる。
【0025】
記憶部340は、発信履歴や着信履歴といった通信履歴情報を記憶する。記憶部340には、ハンズフリー通話機能による発信または着信が行われる度に、その発信または着信に対応した通信履歴情報が追加記憶される。本実施形態では図2(b)に示すように、記憶部340には、ハンズフリー通話機能による発信または着信に対応する通信履歴情報A〜Eが記憶されているものとする。ただし、後述するように通信履歴情報の更新が行われると、携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報が記憶部340に記憶される。なお、本実施形態では、記憶部340は、通信履歴情報を10個まで記憶できるものとする。
【0026】
特定部360は、バッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報と、記憶部340に記憶されている通信履歴情報とを比較し、記憶部340にのみ記憶されている通信履歴情報が存在するか否かについて判定する。特定部360は、記憶部340にのみ記憶されている通信履歴情報が存在しないと判定した場合、その旨を更新部380に通知する。更新部380は、記憶部340にのみ記憶されている通信履歴情報が存在しない旨の通知を特定部360から受けた場合、記憶部340に記憶されている通信履歴情報をバッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報で更新する。
【0027】
一方、特定部360は、記憶部340にのみ記憶されている通信履歴情報が存在すると判定した場合、当該通信履歴情報を保存対象情報として特定するとともに、保存対象情報が存在する旨を表示画面生成部400に通知する。本実施形態では、特定部360は、バッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報(通信履歴情報B〜F)と、記憶部340に記憶されている通信履歴情報(通信履歴情報A〜E)とを比較し、記憶部340にのみ記憶されている通信履歴情報Aを保存対象情報として特定したものとする。
【0028】
表示画面生成部400は、保存対象情報が存在する旨の通知を特定部360から受けた場合、記憶部340に記憶されている通信履歴情報の全てをバッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報(携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報)で更新するか否か、つまり同期による更新(以下、同期更新という)を行うか否かをユーザに問い合わせるための問い合わせ画面を生成する。図2(c)には、表示画面生成部400により生成された問い合わせ画面の例を示している。表示制御部420は、表示画面生成部400により生成された問い合わせ画面をディスプレイ180に表示する。
【0029】
操作受付部440は、操作部160を介して、記憶部340に記憶されている通信履歴情報の更新を開始する操作を受け付ける。そして、操作受付部440は、通信履歴情報の更新を開始する操作を受け付けた場合、その旨を無線通信制御部300に出力する。
【0030】
また、操作受付部440は、操作部160を介して、同期更新を行うか否かを選択する操作を受け付ける。操作受付部440は、同期更新を行う選択肢を選択する操作を受け付けた場合(図2(c)に示す問い合わせ画面の例では、操作部160を介して「はい」が選択された場合)、同期更新を行う旨を更新部380に通知する。また、操作受付部440は、同期更新を行わない選択肢を選択する操作を受け付けた場合(図2(c)に示す問い合わせ画面の例では、操作部160を介して「いいえ」が選択された場合)、非同期による更新(以下、非同期更新という)を行う旨を更新部380に通知する。
【0031】
更新部380は、同期更新を行う旨の通知を操作受付部440から受け付けた場合、図2(d)に示すように、記憶部340に記憶されている通信履歴情報の全てをバッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報で更新する。この更新処理によって、図2(d)に示すように、保存対象情報である通信履歴情報Aを含む通信履歴情報A〜Eがバッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報B〜Fで更新されることとなる。
【0032】
また、更新部380は、非同期更新を行う旨の通知を操作受付部440から受け付けた場合、図2(e)に示すように、記憶部340に記憶されている通信履歴情報A〜Eのうち、保存対象情報(通信履歴情報A)以外の通信履歴情報B〜Eをバッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報B〜Fで更新する。
【0033】
なお、保存対象情報以外の通信履歴情報をバッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報で更新することによって、最終的に記憶部340に記憶される予定の通信履歴情報の数が記憶可能な数である10個を超えてしまう場合には、その旨をディスプレイ180において警告表示し、保存対象情報以外の通信履歴情報を更新する処理を取り消すようにしても良い。
【0034】
次に、本実施形態のハンズフリー装置100による通信履歴情報の更新動作について説明する。図3は、本実施形態のハンズフリー装置100による通信履歴情報の更新動作例を示すフローチャートである。図3におけるステップS100の処理は、例えば、記憶部340に記憶されている通信履歴情報の更新を開始する操作を操作受付部440が受け付けることにより開始する。
【0035】
まず、無線通信制御部300は、通信履歴情報の更新を開始する操作を受け付けた旨の通知を操作受付部440から受けて、Bluetoothによる通信可能領域内に携帯電話機140が入ったか否かを判定する(ステップS100)。もし、Bluetoothによる通信可能領域内に携帯電話機140が入っていないと無線通信制御部300にて判定した場合(ステップS100にてNO)、処理はステップS100に遷移する。
【0036】
一方、Bluetoothによる通信可能領域内に携帯電話機140が入ったと無線通信制御部300にて判定した場合(ステップS100にてYES)、無線通信制御部300は、携帯電話機140との通信を接続し、携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報を送信することを携帯電話機140に対して要求する。次に、無線通信制御部300は、携帯電話機140から送信された通信履歴情報を受信し、当該受信した通信履歴情報をバッファ320に一時的に格納する(ステップS120)。
【0037】
次に、特定部360は、バッファ320に一時的に格納された通信履歴情報と、記憶部340に記憶されている通信履歴情報とを比較し、記憶部340にのみ記憶されている通信履歴情報が存在するか否かについて判定する(ステップS140)。もし、記憶部340にのみ記憶されている通信履歴情報が存在しないと特定部360にて判定した場合(ステップS140にてNO)、処理はステップS240に遷移し、記憶部340に記憶されている通信履歴情報の全てをバッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報で更新する。
【0038】
一方、記憶部340にのみ記憶されている通信履歴情報が存在すると特定部360にて判定した場合(ステップS140にてYES)、特定部360は、当該通信履歴情報を保存対象情報として特定するとともに、保存対象情報が存在する旨を表示画面生成部400に通知する(ステップS160)。
【0039】
保存対象情報が存在する旨の通知を受けた表示画面生成部400は、同期更新を行うか否かをユーザに問い合わせるための問い合わせ画面を生成する(ステップS180)。次に、表示制御部420は、表示画面生成部400により生成された問い合わせ画面をディスプレイ180に表示する(ステップS200)。
【0040】
次に、操作受付部440は、同期更新を行う操作を受け付けた(図2(c)に示す問い合わせ画面の例では、操作部160を介して「はい」が選択された)か否かについて判定する(ステップS220)。もし、同期更新を行う選択肢を選択する操作を受け付けたと操作受付部440にて判定した場合(ステップS220にてYES)、操作受付部440は、同期更新を行う旨を更新部380に通知する。
【0041】
そして、更新部380は、記憶部340に記憶されている通信履歴情報の全てをバッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報で更新する(ステップS240)。ステップS240の処理が完了した後、ハンズフリー装置100は図3における処理を終了する。
【0042】
一方、同期更新を行う選択肢を選択する操作を受け付けていないと操作受付部440にて判定した場合(ステップS220にてNO)、操作受付部440は、同期更新を行わない選択肢を選択する操作を受け付けた(図2(c)に示す問い合わせ画面の例では、操作部160を介して「いいえ」が選択された)か否かについて判定する(ステップS260)。もし、同期更新を行わない選択肢を選択する操作を受け付けていないと操作受付部440にて判定した場合(ステップS260にてNO)、処理はステップS220に遷移する。
【0043】
一方、同期更新を行わない選択肢を選択する操作を受け付けたと操作受付部440にて判定した場合(ステップS260にてYES)、操作受付部440は、非同期更新を行う旨を更新部380に通知する。そして、更新部380は、記憶部340に記憶されている通信履歴情報のうち、保存対象情報以外の通信履歴情報をバッファ320に一時的に格納されている通信履歴情報で更新する(ステップS280)。ステップS280の処理が完了した後、ハンズフリー装置100は図3における処理を終了する。
【0044】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、携帯電話機140の通信履歴情報でハンズフリー装置100の通信履歴情報を更新するときに、保存対象情報(ハンズフリー装置100にのみ記憶されている通信履歴情報)を含めた通信履歴情報の全てを携帯電話機140の通信履歴情報で更新するか否かをユーザに問い合わせる。そして、その問い合わせ結果に対して、更新する旨の回答があった場合には保存対象情報を含めた通信履歴情報を携帯電話機140の通信履歴情報で更新する一方、更新しない旨の回答があった場合には保存対象情報以外の通信履歴情報を携帯電話機140の通信履歴情報で更新するようにしている。
【0045】
このように構成した本実施形態によれば、携帯電話機140の通信履歴情報でハンズフリー装置100の通信履歴情報を更新する際に、ユーザの意図によってハンズフリー装置100にのみ存在する通信履歴情報(保存対象情報)を更新対象から除外することが可能となるため、ハンズフリー装置100側にのみ存在する通信履歴情報が勝手に削除されてしまうことを防止することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、同期更新を行うか否かをユーザに問い合わせる例について説明したが、その問い合わせ処理は必ずしも必須ではない。すなわち、同期更新を行うか否かの問い合わせを行わずに、保存対象情報以外の通信履歴情報を携帯電話機140の通信履歴情報で更新するようにしても良い。ただし、同期更新を行うか否かを問い合わせるようにした場合は、保存対象情報がユーザの意図に反して不必要に記憶部340に記憶され続けられることを防止することができる。
【0047】
また、本実施形態において、同期更新を行うか否かをユーザに問い合わせる処理の実行の有無を操作部160の操作を通じてハンズフリー装置100に対して設定できるようにしても良い。
【0048】
また、本実施形態では、保存対象情報の数に関係なく、当該保存対象情報の全部について携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報で更新するか否かをユーザに問い合わせる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、保存対象情報が複数存在する場合には、当該複数の保存対象情報の各々について携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報で更新するか否かをユーザに問い合わせるための問い合わせ画面を表示するようにしても良い。そして、更新部380は、表示された問い合わせ画面を通じて、更新しない旨の回答の入力操作があった保存対象情報以外の通信履歴情報を携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報で更新する。
【0049】
図4は、複数の保存対象情報520〜640の各々について携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報で更新するか否かをユーザに問い合わせるための問い合わせ画面の例を示している。この問い合わせ画面において、更新しない保存対象情報540、560、620を選択した後に更新ボタン500を押下する操作が操作部160を用いて行われた場合、更新部380は、更新しない旨の回答の入力操作があった保存対象情報540、560、620以外の通信履歴情報(保存対象情報520、580、600、640を含む)を携帯電話機140の記憶部200に記憶されている通信履歴情報で更新する。
【0050】
また、本実施形態では、ハンズフリー装置100と携帯電話機140とを無線接続する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ハンズフリー装置100と携帯電話機140とを通信ケーブルを介して有線接続するようにしても良い。
【0051】
その他、本実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
100 ハンズフリー装置
140 携帯電話機
200,340 記憶部
360 特定部
380 更新部
400 表示画面生成部
420 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機と連動して他の電話装置とのハンズフリー通話を行う機能を有するハンズフリー装置であって、
前記携帯電話機の記憶部に記憶されている通信履歴情報と、前記ハンズフリー装置の記憶部に記憶されている通信履歴情報とを比較し、前記ハンズフリー装置の記憶部にのみ記憶されている通信履歴情報を保存対象情報として特定する特定部と、
前記ハンズフリー装置の記憶部に記憶されている通信履歴情報のうち、前記特定部により特定された保存対象情報以外の通信履歴情報を前記携帯電話機の記憶部に記憶されている通信履歴情報で更新する更新部とを備えたことを特徴とするハンズフリー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハンズフリー装置において、
前記更新部による更新の前に、前記ハンズフリー装置の記憶部に記憶されている通信履歴情報の全てを前記携帯電話機の記憶部に記憶されている通信履歴情報で更新するか否かをユーザに問い合わせるための問い合わせ画面を表示する問い合わせ部を更に備え、
前記更新部は、前記問い合わせ部により表示された問い合わせ画面を通じて、更新する旨の回答の入力操作があった場合には前記保存対象情報を含めた通信履歴情報を前記携帯電話機の記憶部に記憶されている通信履歴情報で更新する一方、更新しない旨の回答の入力操作があった場合には前記保存対象情報以外の通信履歴情報を前記携帯電話機の記憶部に記憶されている通信履歴情報で更新することを特徴とするハンズフリー装置。
【請求項3】
請求項1に記載のハンズフリー装置において、
前記ハンズフリー装置の記憶部に記憶されている通信履歴情報について、前記保存対象情報が複数存在する場合、当該複数の保存対象情報の各々について前記携帯電話機の記憶部に記憶されている通信履歴情報で更新するか否かを前記ユーザに問い合わせるための問い合わせ画面を表示する問い合わせ部を更に備え、
前記更新部は、前記問い合わせ部により表示された問い合わせ画面を通じて、更新しない旨の回答の入力操作があった保存対象情報以外の通信履歴情報を前記携帯電話機の記憶部に記憶されている通信履歴情報で更新することを特徴とするハンズフリー装置。
【請求項4】
携帯電話機と連動して他の電話装置とのハンズフリー通話を行う機能を有するハンズフリー装置における通信履歴情報の更新方法であって、
前記携帯電話機の記憶部に記憶されている通信履歴情報と、前記ハンズフリー装置の記憶部に記憶されている通信履歴情報とを比較し、前記ハンズフリー装置の記憶部にのみ記憶されている通信履歴情報を保存対象情報として特定する第1のステップと、
前記ハンズフリー装置の記憶部に記憶されている通信履歴情報のうち、前記第1のステップにより特定された前記保存対象情報以外の通信履歴情報を前記携帯電話機の記憶部に記憶されている通信履歴情報で更新する第2のステップとを有することを特徴とする通信履歴情報の更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−232884(P2010−232884A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77359(P2009−77359)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】