説明

ハンティングゲーム装置およびその動作方法

【課題】 ハンティングゲーム装置のリアリティーを高める。
【解決手段】 ハンティングゲーム装置1において、獲物42には、3次元仮想空間内における少なくとも複数の空間領域A1〜A6、A11〜A20が識別可能に関連付けされ、獲物42とともに動くことができる。画面を見るプレイヤーの射撃動作時に、ガンコントローラ6が表示手段の画面上を狙う現実の位置や方向を検出し、銃弾の軌跡を算出する。銃弾の軌跡は空間領域のそれぞれとの重なりが判定され、空間領域の識別子と空間領域に応じたダメージレベルとに基づいて、獲物42の形状や動作を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲームにおけるハンティングゲーム装置に関する。特に、本発明は、ガンコントローラを操作して画面内に登場する獲物をハンティングするゲームをプレイヤーに行わせるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画面内の対象に対して射撃動作を行い、多数の対象に銃弾等を命中させて、得点を競うシューティング(射撃)ゲーム装置が作製されている。特に、そのシューティングゲームの一態様として、射撃される対象が画面内に登場する動物等の獲物であり、射撃動作をするためのライフルやショットガン等を模擬して現実の狩猟を再現するハンティングゲーム装置が知られている。
【0003】
このようなハンティングゲーム装置においては、従来は、画面内に飛び込んできた対象に、プレイヤーがガンコントローラで狙いをつけてトリガー動作をすることにより、ガンコントローラによってプレイヤーが狙っている画面上の位置をゲーム装置が検出し、その位置に対象の画像が表示されているかどうかを判定して、その対象が仕留められたかどうかが判定されている。この従来のハンティングゲーム装置の例は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0004】
このような単純な判定では、例えば、対象が仕留められたか仕留められないかの二通りの判定を行なうため、ハンティングゲームの現実感が乏しく、すぐにプレイヤーがゲームに飽きてしまう問題がある。
【特許文献1】特開平11−259686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、獲物の動作にリアリティーを持たせて、より現実のハンティングに近いゲームをプレイヤーに行なわせることを可能にするハンティングゲーム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある側面においては、獲物の動きを3次元仮想空間においてシミュレートし、前記3次元仮想空間内における少なくとも1つの空間領域を各獲物に識別可能に関連付けする獲物動作演算手段と、前記3次元仮想空間における前記獲物の形状データおよび動きデータを格納する記憶手段と、前記3次元仮想空間のある平面への射影画像を表示する表示手段と、該射影画像を見るプレイヤーの射撃動作のためのガンコントローラであって、その位置および方向が変更可能であり、射撃のトリガー動作を受け付けるためのトリガー動作入力手段を備えるガンコントローラと、該ガンコントローラからトリガー動作入力の信号を受け付けて、前記ガンコントローラの前記表示手段の画面に対する現実の位置および/または現実の方向をトリガー動作時に検出する検出手段と、該検出手段により検出された前記現実の位置および/または前記現実の方向から、前記3次元仮想空間における射撃動作の銃弾の軌跡を算出する銃弾軌跡算出手段と、前記トリガー動作時点またはそのトリガー動作から所定の時間経過した時点において、前記銃弾の軌跡と前記空間領域のそれぞれとの重なりを判定して、該銃弾の軌跡との重なりを有する前記空間領域の識別子を前記獲物動作演算手段へと出力する判定手段とを備えてなるハンティングゲーム装置であって、前記記憶手段は、前記獲物が銃弾によって受けるべきダメージレベルを前記識別子のそれぞれに関連付けてさらに格納しており、前記形状データは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の形状のデータを含むものであり、前記動きデータは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の動きのデータを含み、前記獲物動作演算手段は、前記判定手段からの前記識別子に基づいて、前記記憶手段から、前記銃弾の軌跡と重なりを有する前記空間領域に関連付けされたダメージレベルを検索する検索手段を備え、前記獲物動作演算手段は、前記識別子と検索された前記ダメージレベルとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するものである、ハンティングゲーム装置が提供される。
【0007】
本発明においては、プレイヤーによる武器の選択を受付ける武器選択受付手段をさらに備え、前記記憶手段は、武器ごとのダメージ係数をさらに格納し、前記検索手段は、前記ダメージ係数をさらに検索し、前記獲物動作演算手段は、前記識別子と前記ダメージレベルに前記ダメージ係数を乗じて算出された新たなダメージレベルとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するものとすると好適である。
【0008】
本発明においては、前記複数の形状に、獲物が負傷した場合の形状が含まれていたり、獲物が負傷した場合の形状が少なくとも2種類含まれていると好適である。また、前記複数の動作に、獲物が負傷した場合の動作が含まれていたり、獲物が負傷した場合の動作が少なくとも2種類含まれていると好適である。
【0009】
さらに、本発明において前記銃弾の軌跡と重なる前記空間領域が一つの獲物に複数あり、それぞれの空間領域に関連付けされたダメージレベルが異なる場合に、前記獲物動作演算手段は、高いダメージレベルの空間領域を採用して、該空間領域の識別子と該空間領域のダメージとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するものとすると好適である。また、本発明において前記銃弾の軌跡と重なる前記空間領域が一つの獲物に複数ある場合に、前記獲物動作演算手段は、手前にある空間領域を採用して、該空間領域の識別子と該空間領域のダメージとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するものとすると好適である。
【0010】
本発明の他の側面として、ハンティングゲーム装置の動作方法が提供される。すなわち、本発明においては、少なくとも複数の空間領域が識別可能に関連付けされた獲物の3次元仮想空間内における形状データおよび/または該獲物の動きデータを記憶手段に格納し、前記獲物が銃弾によって受けるべきダメージレベルを前記空間領域の識別子のそれぞれに関連付けて前記記憶手段に格納するステップと、ここで、前記形状データは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の形状のデータを含み、前記動きデータは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の動きのデータを含んでおり、前記獲物の形状および動きを、前記3次元仮想空間内において生成するステップと、前記3次元仮想空間のある平面への射影画像を表示手段の画面に表示するステップと、該射影画像を見るプレイヤーの射撃動作のために位置および/または方向が変更可能にされ、射撃のトリガー動作を受け付けるためのトリガー動作入力手段を備えるガンコントローラから、トリガー動作入力の信号を受け付けるステップと、前記ガンコントローラの前記画面に対する現実の位置および/または現実の方向をトリガー動作時に検出するステップと、検出された前記現実の位置および/または現実の方向から、前記3次元仮想空間における射撃動作の銃弾の軌跡を算出するステップと、前記トリガー動作時点またはそのトリガー動作から所定の時間経過した時点において、前記銃弾の軌跡と前記空間領域のそれぞれとの重なりを判定して、該銃弾の軌跡との重なりを有する前記空間領域の識別子を得るステップと、前記識別子に基づいて、前記記憶手段から、前記銃弾の軌跡と重なりを有する前記空間領域に関連付けされたダメージレベルを検索するステップと、前記識別子と検索された前記ダメージレベルとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するステップとを含む、ハンティングゲーム装置の動作方法が提供される。
【0011】
本発明のさらに他の側面として、ハンティングゲームのためのコンピュータプログラムが提供される。すなわち、本発明においては、少なくとも複数の空間領域が識別可能に関連付けされた獲物の3次元仮想空間内における形状データおよび/または該獲物の動きデータを格納し、前記獲物が銃弾によって受けるべきダメージレベルを前記空間領域の識別子のそれぞれに関連付けて前記記憶手段に格納する記憶手段と、ここで、前記形状データは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の形状のデータを含み、前記動きデータは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の動きのデータを含んでおり、演算装置と、表示手段と、位置および/または方向が変更可能にされ、射撃のトリガー動作を受け付けるためのトリガー動作入力手段を有するガンコントローラとを備えたコンピュータに実行させるハンティングゲームプログラムであって、前記コンピュータに、前記記憶手段の前記形状データおよび/または前記動きのデータに基づいて、前記演算装置により、前記獲物の形状および動きを前記3次元仮想空間内において生成するステップと、前記3次元仮想空間のある平面への射影画像を前記表示装置の画面に表示するステップと、前記演算装置により、前記ガンコントローラから、トリガー動作入力の信号を受け付けるステップと、前記演算装置により、前記ガンコントローラの前記画面に対する現実の位置および/または現実の方向をトリガー動作時に検出するステップと、前記演算装置により、検出された前記現実の位置および/または前記現実の方向から、前記3次元仮想空間における射撃動作の銃弾の軌跡を算出するステップと、前記演算装置により、前記トリガー動作時点またはそのトリガー動作から所定の時間経過した時点において、前記銃弾の軌跡と前記空間領域のそれぞれとの重なりを判定して、該銃弾の軌跡との重なりを有する前記空間領域の識別子を得るステップと、前記演算装置により、前記識別子に基づいて、前記記憶手段から、前記銃弾の軌跡と重なりを有する前記空間領域に関連付けされたダメージレベルを検索するステップと、前記演算装置により、前記識別子と検索された前記ダメージレベルとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するステップとを行なわせる、ハンティングゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のハンティングゲーム装置、ハンティングゲーム装置の動作方法、ハンティングゲームのコンピュータプログラムによれば、3次元仮想空間内において獲物とともに動く複数の空間領域が識別可能に獲物に関連付けされていて、この空間領域には、獲物が銃弾によって受けるダメージレベルが関連付けされており、空間領域の識別子とこのダメージレベルとに基づいて、獲物の形状および/または動作を変更する。これにより、獲物に与えたダメージに応じた獲物の形状や動きを再現することができ、よりリアリティーのあるハンティングの様子が再現され、長時間プレーしても飽きにくいゲームが実現される。
【0013】
本発明において武器ごとに異なるダメージ係数を用いる場合には、ダメージレベルに武器ごとに異なる威力を反映させることができ、武器の選択も現実のハンティングに近づけることができる。
【0014】
本発明において獲物の形状や動きに負傷した場合のものが含まれている場合には、負傷している獲物の形状や動きを、現実のハンティングの場合に近づけることができる。
【0015】
また、この場合に獲物の形状や動きが少なくとも2種類含まれていると、複数の獲物に当たった銃弾の位置に応じて、異なる形状や動きが実現して、ゲームを現実のハンティングに近づけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本願のハンティングゲーム装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるハンティングゲーム装置1の外観斜視図である。ハンティングゲーム装置1の筐体2には、画面4とコイン投入部8およびコイン返却部10が備えられている。画面4には、3次元仮想空間のある平面への射影画像(透視変換等された画像)が表示される。この3次元仮想空間においては、獲物の形状および動きがシミュレートされる。コイン投入部8とコイン返却部10は、ゲームの開始のために必要なコインを受け入れたり、不要なコインを返却したりすることにより、ゲームの代価としてのコインをゲーム開始時に受け付けるために用いられる。コイン投入部8およびコイン返却部10に代えて、あるいはそれらに加えて、磁気カードまたはICカードのインターフェースを設けて、カードによってゲームの代価を収集することもできる。
【0017】
図2に、画面4の表示例を示す。図2には、実際のハンティングが行なわれる冬の野山の様子40が表示される。これらのハンティングが行なわれる野山の様子も3次元仮想空間において3次元モデルにより再現される。つまり、地面の起伏などの地形や、岩や草木などの障害物が適当なモデルにより立体的に再現され、ハンティングが行われる空間が仮想空間内で実現される。
【0018】
さらに図2においては、画面4には、実際のハンティングにおいても獲物となる各種の動物(図では、1頭の鹿の画像)42が表示されている。この動物は、ポリゴンモデル等の立体モデルとして再現されて、テクスチャマッピング等の適当な手法によって仮想空間内において現実の動物のように再現される。また、獲物が現実の動物の動きを再現するように、獲物の動きが3次元仮想空間内においてシミュレートされる。この動きは、獲物の各時刻における位置のみならず、例えば、獲物が走る様子、歩く様子、草を食む様子など、獲物の体躯の向きや四肢や頭部の動きまで再現される。獲物となる動物42は、3次元仮想空間内の地形や障害物に応じてその中に再現され、実際の獲物のように移動等をする。図2では鹿が1頭のみ表示されているが、本実施の形態のハンティングゲーム装置1においては、同種または異なる種類の複数の獲物を同時に登場させて複数の動物が画面4内に表示されても良く、また、同じ種類の動物であっても、オスとメスや大人と子供を混在させて、現実のハンティングにおいて狩猟が禁止されるメスや子供を間違って撃った場合にプレイヤーにペナルティを課すなどのゲーム進行を行なうこともできる。画面4には、プレイヤーが選択した武器の種類44、残りの弾数46、仕留めた獲物の種類や数48をアイコンとして表示するアイコンエリアが設けられている。
【0019】
再び図1に戻って説明する。ハンティングゲーム装置1の筐体2からは、可撓性ケーブル64が延び、その先端にはガンコントローラ6(6a、6b)が取り付けられている。ガンコントローラ6は、プレイヤーPが射撃動作のために位置や方向を様々に変更することができる。ガンコントローラ6には、トリガー62が設けられている。プレイヤーPは、画面4に表示される画像を見て、画面4内に表示される獲物に狙いを定めてトリガー62を動作させる。トリガー62の動作は、可撓性ケーブルを通じて筐体2内にあるゲーム制御装置100(図3)の入出力インターフェース22に送られる。なお、ガンコントローラ6は、二人のプレイヤーによって狩猟成果を競う対戦プレイや、複数のチームによって狩猟成果を競うプレイ等の各種の遊戯態様によりゲームを楽しむために、複数のガンコントローラ6a、6bを備えていることができる。
【0020】
図3に、本発明のゲーム制御装置100の構成を示す。ゲーム制御装置100は、中央演算装置(CPU)14、主記憶装置(MEM)16、記憶装置18、画面4に映像信号を出力するビデオ制御部(VIDEO)20、入出力インターフェース部(I/O)22、および、これらを繋ぐバス12を有している。各要素は、さらに、処理の高速化等のために、適宜専用の装置を備えていたり、複数の要素により構成されていてもよい。例えば、バス12には、高速処理が必要なビデオ処理用のバス設け、CPU14に3次元処理のための専用処理部を設け、ビデオ制御部20にはポリゴン描画を処理を得意とする専用処理部を設けることができる。主記憶装置16は、CPU14が演算のために用いる任意のメモリであり、任意のRAMや、仮想メモリなどを用いることができる。記憶装置18は、一般の不揮発性記憶装置であり、例えば、ハードディスク装置、マスクROM装置、CD−ROM装置、DVD―ROM装置など各種の固定型およびリムーバブルの不揮発性記憶装置を用いることができる。記憶装置18には、ゲームの進行に必要な各種のデータやテーブル、実行可能プログラム等が格納されており、CPU14の命令に基づいて適宜情報を読み出してゲームの進行を行なう。ゲーム制御装置100は、ハンティングゲーム装置1に用いるガンコントローラ6や画面4などのハードウエアの各要素を制御してゲームを制御する機能を有する。
【0021】
入出力インターフェース部22には、ゲームの操作入力を受け付けるコントローラが接続される。本実施の形態では、このコントローラとしてガンコントローラ6が接続されている。ガンコントローラ6のトリガー62の操作は、入出力インターフェース部22を通じてCPU14に信号として伝達される。入出力インターフェース部22には、その他にコイン投入部8のコインカウンター8aなども接続され、ハンティングゲーム装置1全体の制御のための外部からの信号を受け付ける。
【0022】
次に、図4により、ハンティングゲーム装置1の機能上の構成を示す。この構成は、ハンティングゲーム装置1の各ハードウエア要素を連携させてゲーム装置として動作させるための機能上の構成であり、ゲーム制御装置100が記憶装置18内のプログラムによりゲームを進行させる際の機能上の構成である。
【0023】
ハンティングゲーム装置1は、ゲーム進行制御部72による制御によってゲーム全体を進行させる。ゲーム進行制御部72は、コインカウンター8aからの信号を受けて、ゲームを開始させ、ゲームが複数のステージを進行する際のゲームの進行処理、ゲームの得点処理、クレジット処理、ゲームの終了処理等を制御する。この制御のためのプログラム888は、予め記憶手段88に格納されている。
【0024】
ゲーム進行制御部72は、ゲームが進行してプレイヤーにハンティングのゲームを行なわせるステージに達すると、3次元仮想空間生成部74にゲーム進行に必要な野山の地形や障害物等の背景を生成させる。このとき、3次元仮想空間生成部74は、ステージに応じて記憶手段88に予め記憶されている地形、障害物の配置や形状等のデータ、そのステージに登場させるべき獲物の種類といった各種のデータ886を記憶手段88から呼び出す。そして、3次元仮想空間内にそのデータに従って地形や障害物、獲物等を生成して配置し、動作させる。この際、3次元仮想空間生成部74は、獲物動作演算手段76に獲物の生成を指示し、獲物動作演算手段76に3次元仮想空間内において獲物の形状および動きをシミュレートさせる。なお、ここでの獲物とは、ハンティングゲームにおいてプレイヤーに得点を与えるようなハンティングの対象動物に加えて、プレイヤーにペナルティを課すようなハンティングの対象とすべきでない動物をも一般に指す。
【0025】
獲物動作演算手段76は、3次元仮想空間生成部74から獲物生成を指示されると、記憶手段88から、3次元仮想空間における獲物の形状や獲物の動きのデータ890を呼び出し、そのデータ890に基づいて、獲物となる動物のポリゴンモデル生成してテクスチャマッピング処理などの手法により、獲物の形状および外観を決定し、さらに、獲物に所定の動作をさせる。獲物は、例えば、熊、鹿、うさぎ、鳥、タヌキ、ヘラジカ(ムース、エルク)、などの各種の野生動物等とすることができる。ここで、獲物には、3次元仮想空間内における2以上の空間領域が識別可能に関連付けされており、これらの空間領域のそれぞれは獲物とともに動く。なお、獲物動作演算手段76は、ゲーム進行制御部72からの指示により、3次元仮想空間内において獲物の形状および動きをシミュレートさせるものとすることもできる。
【0026】
図5および図6を用いて、獲物が鹿42である場合を例として、この空間領域について詳述する。図5は、実際のハンティングにおいて鹿に対するダメージが異なる部位を模擬するために本実施の形態のハンティングゲーム装置において用いられる獲物の領域の設定の様子をプレイヤーに示すための2次元画像の表示例である。この領域は、本発明における空間領域と対応しているが同じものでは無い。領域D1〜D6は、それぞれ、鹿42の頭部、首部、胴部、胴部の内部、心臓付近、腰部にそれぞれ設定されている。図5に示した表示は、ゲーム中においてプレイヤーPに提示される。これにより、ハンティングゲーム装置1のゲームにおいて、各領域D1〜D6への銃撃が異なる得点として評価され、同一の武器で各領域を銃撃しても、領域によってダメージが異なることをプレイヤーPに告知される。この表示は、実際のハンティングにおいても獲物を銃撃する部位によって獲物が受けるダメージが異なることに対応したものであり、ゲームにリアリティーを持たせるために用いられる。プレイヤーPには、例えば、領域D1とD5は赤く着色して示され、どのような武器でそこを銃撃しても、一回の銃撃で獲物を仕留めることができる領域が鹿の頭部と胸部にひとつづつ存在することを知らせる。また、領域D4は、オレンジ色に着色して示され、領域D5の周囲には大きなダメージを与えることができる領域が領域D5に隣接して存在することプレイヤーPに示される。さらに、領域D3は黄色に着色して示されて、領域D3が領域D4に準じる領域であることをプレイヤーPに示し、領域D2およびD6は緑色に着色して示されて、領域D2およびD6が領域D3に準じる領域であることをプレイヤーPに示す。それ以外の領域は、鹿の外観の色のまま表示される。
【0027】
図6に、本実施の形態のハンティングゲーム装置1における獲物の鹿の形状(a)とそれに対応する空間領域の設定(b)を示す。図6aは、3次元仮想空間における鹿42の形状を示す図である。獲物の鹿42は、実際の鹿のように、3次元仮想空間内を様々な動きで移動することができる。また、獲物の鹿42の形状は、例えば、ポリゴンモデルにより立体形状が記述されていることができる。図6bは、図6aの鹿に対して関連付けされている、3次元仮想空間内における空間領域の集合36(空間領域の集合体)の例を示す。この空間領域の集合36には、図5の各領域に対応した空間領域と、対応しない空間領域とが含まれている。図6bに示した例においては、空間領域A1〜A6は、それぞれ、図5の領域D1〜D6に対応している。また、空間領域A11〜A20は、図5の領域D1〜D6には対応していない。空間領域A1〜A6、A11〜A20は、3次元仮想空間における獲物の鹿の各部位に関連付けされており、鹿の移動のみならず体の動きに合わせて3次元仮想空間中を移動し、相対的な位置や向き変える。また、この空間領域は、例えば直方体や球体、回転楕円体等の外形によって囲まれた領域とすることができる。空間領域の集合は、これらの比較的単純な形状の組合わせとすることができ、獲物の鹿の形状を示すポリゴンより単純な形状や、ポリゴンの形状を用いることもできる。また、この空間領域の集合36に含まれる空間領域は、互いに重なりを有していたり、他の空間領域に完全に含まれる空間領域としたり、互いの重なりを全く有さない空間領域とすることができる。なお、この空間領域A1〜A6、A11〜A20は、銃弾の軌跡との重なりの判定において用いられるものであり、説明のために図示したのであって、画面4には描画されない。
【0028】
再び図4に戻って説明する。画面4には、3次元仮想空間生成部74において生成されたハンティングの背景となる画像または映像と、獲物動作演算手段76により生成された獲物の画像または映像とが、透視変換された画像または映像により表示される。このような透視変換され画面4に表示される画像または映像のビデオデータは、射影画像生成手段78により生成される。本願における表示手段は、図4においては、この射影画像生成手段78と画面4を含む。
【0029】
上記のように3次元仮想空間の射影画像が画面4に表示されると、プレイヤーPは、ガンコントローラ6の砲身を画面4上の獲物に定めて、トリガー62を操作する。トリガー動作入力の信号は、検出手段82に入力される。検出手段82は、トリガー動作時に、ガンコントローラ6が表示手段の画面4上を狙う現実の位置や、ガンコントローラ6の画面4に対する現実の方向を検出する。ガンコントローラ6には、各種の位置や方向の検出手段を用いることができる。例えば、画面4がラスター走査するCRTなどの表示画面であるときには、ガンコントローラ6の銃口部分に正面の光を受光する受光素子を設けて、トリガー動作入力の信号に応じて画面4を1フレームまたは1フィールドだけ全画面を白等の一様な表示として、その表示の光の検出タイミングによって、ガンコントローラ6が画面4上において指し示している位置を検出するものとすることができる。別の例として、画面4の周囲にガンコントローラ6の位置検出センサを設けて、ガンコントローラ6の指し示す方向を検出するものとすることができる。その他、磁気センサを用いるものなども、検出手段によるガンコントローラ6が画面上を狙う現実の位置や現実の方向の検出に用いることができる。なお、ガンコントローラ6が画面4上を狙う現実の位置は、2次元の画面4上の何れの位置が狙われているかを示す画像上の(X,Y)座標により特定することができる。また、ガンコントローラ6が画面4上を狙う現実の方向は、画面4のプレイヤーP側の空間でガンコントローラが示す方向であり、仰角と方位角等により特定することができる。
【0030】
検出手段82により検出されたガンコントローラ6の現実の位置や現実の方向は、銃弾軌跡算出手段84に入力され、3次元仮想空間における射撃動作の銃弾の軌跡の算出に用いられる。
【0031】
図7〜9を用いて銃弾の軌跡の算出について詳述する。図7は、3次元仮想空間におけるオブジェクトの構成を示す配置図である。本実施の形態のハンティングゲーム装置においては、3次元仮想空間に樹木32、岩34が配されていて、獲物の鹿が草を食んでいる。獲物の鹿42は、説明のため、空間領域の集合36により表現している。矩形の面38は、3次元仮想空間を視点30に透視変換して画面4(図1等)の表示を得るための計算の基準となる面(投影面)である。参考のため、樹木32、岩34、鹿42の画面4上の表示を面38に記載している。
【0032】
ここで、視点30に収束する光線の射影画像が画面4に描かれているため、画面4上で点によって表わされるのは、3次元仮想空間において視点30を通り面38と交差する直線となる。したがって、例えば、画面4に表示されている獲物の鹿42をガンコントローラ6によって狙う場合を考えれば、銃弾が画面の奥行き方向にそのまま飛行するような条件では、銃弾の軌跡は、視点30から出発して、画面4の狙った点に相当する面38上の点を通過する直線となる。これは、矢印302によって示したように、3次元仮想空間において視点30からその画面上の点に向って銃弾を発射したかのように銃弾が通過する状況に対応する。そして、この直線は、画面4上の狙った点に対応する面38上の点を通過する射影光線の3次元仮想空間中における直線と同じである。したがって、このような直線と獲物の鹿42に関連付けされている空間領域の集合36のそれぞれとの重なりを求めることにより、何れの空間領域と銃弾の軌跡とが重なっているかを求めることができる。
【0033】
図8は、図7示された3次元仮想空間の平面図である。銃弾の軌跡は、画面4上の点に対応する面38への射影光線が通過するような3次元仮想空間中の軌跡となる。また、図9は、特定の視点に収束するように射影する透視変換ではなく、平行に面38に射影して画面4上の画像を得る場合の射影の様子を示す平面図である。この場合であっても、銃弾の軌跡は、画面4上の点に対応する面38への射影光線が通過するような3次元仮想空間中の軌跡となる。
【0034】
図8、図9に示した何れの場合であっても、銃弾が画面の奥行き方向にそのまま飛行するような条件では、画面4上の点に対応する面38への射影光線が通過するような3次元仮想空間中の軌跡によって、銃弾の軌跡が計算される。この場合には、ハンティングゲーム装置1において画面4を狙う現実の空間においては、図8に矢印312として示したように、3次元仮想空間における視点30に必ずしも対応しない位置から画面上のある位置を狙っても、銃弾の軌跡が画面上のその狙った位置のみに基づいて算出できる利点を有する。
【0035】
なお、図示しないが、本発明においては、必ずしも銃弾が画面の奥行き方向にそのまま飛行するような条件のみに限定されるものではない。例えば、ガンコントローラ6が画面4上を狙う現実の位置ばかりではなく、ガンコントローラの画面に対する現実の方向を考慮することにより、例えば、異なる画面上の位置を狙っても、同じ獲物に当たるようにすることもできる。
【0036】
再び図4に戻って説明する。3次元仮想空間における銃弾の軌跡は、判定手段86に入力される。判定手段86は、トリガー動作時点またはそのトリガー動作から所定の時間経過した時点において、銃弾の軌跡と空間領域のそれぞれとの重なりを判定する。トリガー動作時点とは、トリガー動作入力の信号を検出手段82が受信した時点であり、所定の経過時点とは、その受信時点から、検出手段82による処理、銃弾軌跡算出手段84による処理、判定手段86による処理等の処理に要する時間の経過後、あるいは、予め設定された時間の経過後である。判定手段86によって、銃弾の軌跡と重なりを有すると判定された空間領域については、その空間領域を識別するための領域ID(識別子)が獲物動作演算手段へと出力される。
【0037】
ここで、記憶手段88には、獲物が銃弾によって受けるダメージレベルが各空間領域の領域IDに関連付けてテーブル882として格納されている。領域IDは、例えば、獲物のIDと、その獲物中の領域のIDとにより構成されていることができる。ダメージレベルとは、その空間領域を所定の銃弾によって攻撃されたときに獲物が受けるダメージを数値化したものである。例えば、各獲物に、各時点における獲物の体力に相当する数値として、体力値を関連付けしておき、獲物が銃撃を受けたときの体力値を
(新たな体力値)=(直前の体力値)―(ダメージレベル)
となるように銃撃のたびに更新するようにして、体力値が所定の値を下回ると獲物を死亡させるように動作させることができる。獲物動作演算手段76は、判定手段からの領域IDに基づいて、記憶手段88から、銃弾の軌跡と重なりを有する空間領域に関連付けされたダメージレベルを検索する検索手段762を備えている。これにより、獲物動作演算手段76は、銃弾の軌跡と重なる空間領域ごとに、その空間領域に対応するダメージレベルを得ることができる。
【0038】
ここで、本実施の形態のハンティングゲーム装置1の記憶手段88に格納された形状や動きのデータ890には、領域IDと、その領域が受けたダメージレベルとに関連付けされた複数の形状のデータや動きのデータ884が含まれている。形状データや動きのデータ884は、その領域IDにより指定される空間領域に対応する部分の銃撃を受けた獲物の形状や動作を再現するためのデータである。例えば、獲物が鹿であり、前足の部分に相当する空間領域と銃弾の軌跡が重なる場合には、ゲームの画面4においては、前足の部分が撃たれたことに相当するので、前足の部分に相当する空間領域の領域IDに対して、獲物の鹿の形状や動きが、前足を引きずるような形状や動きとなるような形状や動きのデータが形状データや動きのデータ884に含められている。この例においては、形状や動きのデータを、例えば鹿が後足を銃撃された場合とは異なる形状のデータとすることにより、より現実に近いハンティングの獲物の動きが再現されるため、同じ獲物であっても、空間領域の領域IDごとに異なる形状や動きのデータとすることにより、より現実に近い獲物の動きが再現される。なお、本発明においては、形状データや動きのデータは、ダメージレベルには関連させずに、領域IDのみに関連付けされているものとしたり、領域IDとダメージレベルの組合わせに関連付けたデータと領域IDのみに関連付けたデータとを混在させたデータとすることもできる。領域IDのみに関連付けされているデータを用いる場合は、例えば、獲物動作演算手段76がそのデータを呼び出すかどうかの判断のためにダメージレベルを用い、必要に応じて銃撃を受けた空間領域の領域IDのみに関連付けされた形状のデータや動きのデータを用いることができる。すなわち、獲物動作演算手段76は、領域IDと検索されたダメージレベルに基づいて、獲物の形状や動作を、領域IDおよびダメージレベルから検索される形状や動作のデータに応じて変更する。これにより、獲物の形状や動作がリアリティーの高い形状や動作となり、ハンティングゲームのプレイヤーは現実に近いハンティングゲームを楽しむことができる。
【0039】
他の実施の形態のハンティングゲーム装置においては、ゲーム進行制御部にプレイヤーによる武器の選択を受付ける武器選択受付手段が備えられていることができる。武器選択は、例えば画面4に選択可能な数種の武器をその武器の持つ特徴とともに表示し、ゲーム前やゲーム中にプレイヤーに選択させることができる。武器の特徴とは、銃弾の数が多いが威力の小さい武器や、銃弾の数が少ないが威力が大きな武器を選択するようにすることができる。この武器の例としては、例えば、ショットガン、ライフル、ボウガンのように実際のハンティングに用いる武器を選択できるようにすることができる。
【0040】
また、この実施の形態のハンティングゲーム装置においては、記憶手段に武器ごとのダメージ係数を格納していて、ダメージ係数が検索手段762によって検索されることができる。このダメージ係数は、ダメージレベルに乗じられて新たなダメージレベルの算出に用いられる。例えば、威力の大きな武器に対しては大きなダメージ係数が設定されていて、獲物動作演算手段76は、ダメージレベルとダメージ係数との積を獲物の体力値から減算するように動作することができる。このとき、獲物動作演算手段76は、領域ID(識別子)とダメージレベルにダメージ係数を乗じて算出された新たなダメージレベルとに基づいて、獲物の形状や動作を変更することができる。
【0041】
本発明の他の実施の形態においては、銃弾の軌跡と重なる空間領域が一つの獲物に複数あり、それぞれの空間領域に関連付けされたダメージレベルが異なる場合に、獲物動作演算手段は、高いダメージレベルとなる空間領域を採用して、その空間領域の識別子と空間領域のダメージとに基づいて、獲物の形状や動作を変更することができる。例えば図6bに示したように、空間領域A3の内部に空間領域A4が配置され、さらにその内部に空間領域A5が配置されているような場合においては、銃弾の軌跡と領域A5が重なりを持つ場合には、必然的に空間領域A4や空間領域A3と銃弾の軌跡とが重なることとなる。この場合には、上記のように構成することにより、図4に示した判定手段86から複数の領域IDが出力されたときに何れの空間領域に銃弾が当たったこととするかを定めることができる。これにより、実際のハンティングにおいて、銃弾が獲物の体内を通過する様子に近い状況が再現でき、リアリティの高いハンティングゲーム装置が実現する。
【0042】
本発明のさらに他の実施の形態においては、銃弾の軌跡と重なる空間領域が一つの獲物に複数ある場合において、獲物動作演算手段は、手前、すなわち、3次元仮想空間において視点側にある空間領域を採用して、その空間領域の識別子と空間領域のダメージとに基づいて、獲物の形状や動作を変更することができる。例えば図6bに示したように、空間領域A3に隣接して空間領域A6が配置されているような場合においては、3次元仮想空間内の獲物の向きによっては、空間領域A3と空間領域A6との両方に対して銃弾の軌跡が重なりを持つ場合がある。このような場合において、上記のように構成することにより、図4に示した判定手段86から複数の領域IDが出力されたときに何れの空間領域に銃弾が当たったこととするかを定めることができる。例えば、手前側に空間領域A6があるとき(すなわち、獲物が後部を手前に向けている場合)には空間領域A6に銃弾が当たったこととなり、逆に、手前側に空間領域A3があるとき(すなわち、獲物が頭部を手前に向けている場合)には空間領域A3に銃弾が当たったこととなる。これにより、実際のハンティングにおいて、銃弾が獲物の体内を途中まで通過して完全に通り抜けない様子に近い状況が再現でき、リアリティーの高いハンティングゲーム装置が実現する。
【0043】
本発明は、例えば、ハンティングゲーム装置の動作方法として実施することができる。この場合の実施の形態を図10に示す。この実施の形態においては、3次元仮想空間における獲物の形状データや獲物の動きのデータを記憶手段に格納し、獲物が銃弾によって受けるダメージレベルを空間領域の識別子のそれぞれに関連付けて記憶手段に格納する(ステップS2)。ここで、形状データは、識別子のそれぞれに関連付けされた複数の形状のデータを含み、動きのデータは、識別子のそれぞれに関連付けされた複数の動きのデータを含んでいる。コインの投入などによりゲームが開始すると(ステップS4)、獲物の形状および動きが3次元仮想空間内に生成される(ステップS6)。ここで、獲物には、少なくとも複数の空間領域が識別可能に関連付けされている。3次元仮想空間内の背景や獲物等の各オブジェクトは、射影画像として表示される(ステップS8)。プレイヤーがガンコントローラの位置や方向を操作してトリガーを動作し、ハンティングゲーム装置がトリガー動作入力の信号を受け付ける(ステップS10)と、ガンコントローラが表示手段の画面上を狙う現実の位置や現実の方向が検出される(ステップS12)。それに応じて、ハンティングゲーム装置は、検出された現実の位置や現実の方向から、3次元仮想空間における射撃動作の銃弾の軌跡を算出する(ステップS14)。その後、ハンティングゲーム装置は、トリガー動作時点またはそのトリガー動作から所定の時間経過した時点において、銃弾の軌跡と空間領域のそれぞれとの重なりを判定して(ステップS16)、重なりがある場合には、銃弾の軌跡との重なりを有する空間領域の識別子を得る(ステップS18)。この識別子に基づいて、ハンティングゲーム装置は、記憶手段から、銃弾の軌跡と重なりを有する空間領域に関連付けされたダメージレベルを検索し(ステップS20)と、識別子と検索されたダメージレベルとに基づいて、獲物の形状および/または動作を、複数の形状のいずれか、および/または、複数の動作のいずれかに変更する(ステップS22)。ステップS10、S16においてトリガー動作入力の信号を受け付けない場合(ガンコントローラのトリガーが動作されていない場合)や、銃弾の軌跡と空間領域の重なりがない場合(銃弾が獲物に当たっていない場合)、獲物の形状や動作を変更した後には、ゲームをそのまま進行させるために、適当な処理手順までさかのぼって繰り返し実行される。
【0044】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形、変更および組合わせが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態にかかるハンティングゲーム装置の概略を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるハンティングゲーム装置の画面の表示例である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるハンティングゲーム装置のゲーム制御装置のブロック構成図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるハンティングゲーム装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるハンティングゲーム装置において用いられる獲物の領域の設定の様子をプレイヤーに示すための2次元画像の表示例である。
【図6】本実施の形態のハンティングゲーム装置1における獲物の鹿の形状(a)とそれに対応する空間領域の設定(b)を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる3次元仮想空間において、オブジェクトの構成を示す配置図である。
【図8】図7示された3次元仮想空間の平面配置図である。
【図9】図7示された3次元仮想空間の平面配置図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかるハンティングゲーム装置の動作方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 ハンティングゲーム装置
36 空間領域の集合
A1〜A6、A11〜A20 空間領域
4 画面
42 獲物
6(6a、6b) ガンコントローラ
62 トリガー
74 獲物動作演算手段
78 射影画像生成手段
82 検出手段
84 銃弾軌跡算出手段
86 判定手段
890 形状や動きのデータ
88 記憶手段
P プレイヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
獲物の動きを3次元仮想空間においてシミュレートし、前記3次元仮想空間内における少なくとも1つの空間領域を各獲物に識別可能に関連付けする獲物動作演算手段と、
前記3次元仮想空間における前記獲物の形状データおよび動きデータを格納する記憶手段と、
前記3次元仮想空間のある平面への射影画像を表示する表示手段と、
該射影画像を見るプレイヤーの射撃動作のためのガンコントローラであって、その位置および方向が変更可能であり、射撃のトリガー動作を受け付けるためのトリガー動作入力手段を備えるガンコントローラと、
該ガンコントローラからトリガー動作入力の信号を受け付けて、前記ガンコントローラの前記表示手段の画面に対する現実の位置および/または現実の方向をトリガー動作時に検出する検出手段と、
該検出手段により検出された前記現実の位置および/または前記現実の方向から、前記3次元仮想空間における射撃動作の銃弾の軌跡を算出する銃弾軌跡算出手段と、
前記トリガー動作時点またはそのトリガー動作から所定の時間経過した時点において、前記銃弾の軌跡と前記空間領域のそれぞれとの重なりを判定して、該銃弾の軌跡との重なりを有する前記空間領域の識別子を前記獲物動作演算手段へと出力する判定手段と
を備えてなるハンティングゲーム装置であって、
前記記憶手段は、前記獲物が銃弾によって受けるべきダメージレベルを前記識別子のそれぞれに関連付けてさらに格納しており、
前記形状データは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の形状のデータを含むものであり、
前記動きデータは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の動きのデータを含み、
前記獲物動作演算手段は、前記判定手段からの前記識別子に基づいて、前記記憶手段から、前記銃弾の軌跡と重なりを有する前記空間領域に関連付けされたダメージレベルを検索する検索手段を備え、
前記獲物動作演算手段は、前記識別子と検索された前記ダメージレベルとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するものである、ハンティングゲーム装置。
【請求項2】
プレイヤーによる武器の選択を受付ける武器選択受付手段をさらに備え、
前記記憶手段は、武器ごとのダメージ係数をさらに格納し、
前記検索手段は、前記ダメージ係数をさらに検索し、
前記獲物動作演算手段は、前記識別子と前記ダメージレベルに前記ダメージ係数を乗じて算出された新たなダメージレベルとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するものである、請求項1に記載のハンティングゲーム装置。
【請求項3】
前記複数の形状には、獲物が負傷した場合の形状が含まれている、請求項1に記載のハンティングゲーム装置。
【請求項4】
前記複数の形状には、獲物が負傷した場合の形状が少なくとも2種類含まれている、請求項3に記載のハンティングゲーム装置。
【請求項5】
前記複数の動作には、獲物が負傷した場合の動作が含まれている、請求項1に記載のハンティングゲーム装置。
【請求項6】
前記複数の動作には、獲物が負傷した場合の動作が少なくとも2種類含まれている、請求項5に記載のハンティングゲーム装置。
【請求項7】
前記銃弾の軌跡と重なる前記空間領域が一つの獲物に複数あり、それぞれの空間領域に関連付けされたダメージレベルが異なる場合に、前記獲物動作演算手段は、高いダメージレベルの空間領域を採用して、該空間領域の識別子と該空間領域のダメージとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するものである、請求項1に記載のハンティングゲーム装置。
【請求項8】
前記銃弾の軌跡と重なる前記空間領域が一つの獲物に複数ある場合に、前記獲物動作演算手段は、手前にある空間領域を採用して、該空間領域の識別子と該空間領域のダメージとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するものである、請求項1に記載のハンティングゲーム装置。
【請求項9】
少なくとも複数の空間領域が識別可能に関連付けされた獲物の3次元仮想空間内における形状データおよび/または該獲物の動きデータを記憶手段に格納し、前記獲物が銃弾によって受けるべきダメージレベルを前記空間領域の識別子のそれぞれに関連付けて前記記憶手段に格納するステップと、ここで、前記形状データは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の形状のデータを含み、前記動きデータは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の動きのデータを含んでおり、
前記獲物の形状および動きを、前記3次元仮想空間内において生成するステップと、
前記3次元仮想空間のある平面への射影画像を表示手段の画面に表示するステップと、
該射影画像を見るプレイヤーの射撃動作のために位置および/または方向が変更可能にされ、射撃のトリガー動作を受け付けるためのトリガー動作入力手段を備えるガンコントローラから、トリガー動作入力の信号を受け付けるステップと、
前記ガンコントローラの前記画面に対する現実の位置および/または現実の方向をトリガー動作時に検出するステップと、
検出された前記現実の位置および/または現実の方向から、前記3次元仮想空間における射撃動作の銃弾の軌跡を算出するステップと、
前記トリガー動作時点またはそのトリガー動作から所定の時間経過した時点において、前記銃弾の軌跡と前記空間領域のそれぞれとの重なりを判定して、該銃弾の軌跡との重なりを有する前記空間領域の識別子を得るステップと、
前記識別子に基づいて、前記記憶手段から、前記銃弾の軌跡と重なりを有する前記空間領域に関連付けされたダメージレベルを検索するステップと、
前記識別子と検索された前記ダメージレベルとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するステップと
を含む、ハンティングゲーム装置の動作方法。
【請求項10】
少なくとも複数の空間領域が識別可能に関連付けされた獲物の3次元仮想空間内における形状データおよび/または該獲物の動きデータを格納し、前記獲物が銃弾によって受けるべきダメージレベルを前記空間領域の識別子のそれぞれに関連付けて前記記憶手段に格納する記憶手段と、ここで、前記形状データは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の形状のデータを含み、前記動きデータは、前記識別子のそれぞれに関連付けされた複数の動きのデータを含んでおり、演算装置と、表示手段と、位置および/または方向が変更可能にされ、射撃のトリガー動作を受け付けるためのトリガー動作入力手段を有するガンコントローラとを備えたコンピュータに実行させるハンティングゲームプログラムであって、前記コンピュータに、
前記記憶手段の前記形状データおよび/または前記動きのデータに基づいて、前記演算装置により、前記獲物の形状および動きを前記3次元仮想空間内において生成するステップと、
前記3次元仮想空間のある平面への射影画像を前記表示装置の画面に表示するステップと、
前記演算装置により、前記ガンコントローラから、トリガー動作入力の信号を受け付けるステップと、
前記演算装置により、前記ガンコントローラの前記画面に対する現実の位置および/または現実の方向をトリガー動作時に検出するステップと、
前記演算装置により、検出された前記現実の位置および/または前記現実の方向から、前記3次元仮想空間における射撃動作の銃弾の軌跡を算出するステップと、
前記演算装置により、前記トリガー動作時点またはそのトリガー動作から所定の時間経過した時点において、前記銃弾の軌跡と前記空間領域のそれぞれとの重なりを判定して、該銃弾の軌跡との重なりを有する前記空間領域の識別子を得るステップと、
前記演算装置により、前記識別子に基づいて、前記記憶手段から、前記銃弾の軌跡と重なりを有する前記空間領域に関連付けされたダメージレベルを検索するステップと、
前記演算装置により、前記識別子と検索された前記ダメージレベルとに基づいて、前記獲物の形状および/または動作を、前記複数の形状のいずれか、および/または、前記複数の動作のいずれかに変更するステップと
を行なわせる、ハンティングゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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