説明

ハンディサーバ及びコンテンツ提供方法

【課題】ユーザが関わる種々のデータの集結場所においてユーザの様々な分野での趣味・嗜好等を正確に把握することのできるハンディサーバを提供すること。
【解決手段】ハンディサーバ1は、携帯電話網2又は無線LAN網5を介して電話端末3又はネットワーク上のサイト8に接続する通話/通信機能1aと、受信機12付きのTVモニタ11との間で通信して当該TVモニタを遠隔操作するリモコン機能1bとを備える。ハンディサーバ1上でユーザが行った操作内容のログを記録して分析し、当該ユーザの嗜好を所定形式で記述したユーザプロファイル53を作成する。ユーザプロファイル53を用いてユーザの嗜好に合わせた制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ携帯型の情報通信装置であり、テレビ番組視聴、通話、電子メール、WEB閲覧、インターネットショッピング、インターネット検索、オンラインゲーム等のユーザが関わる種々のデータの集結場所となるハンディサーバ及びハンディサーバに対するコンテンツ提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オンラインネットワークのユーザの挙動及び関心を分析するオンライン情報システムのユーザプロファイリングシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のユーザプロファイリングシステムは、ウェブビジターの識別と、ウェブビジターの時間的に変化する関心をウェブサーバにて把握する。変化するユーザの関心は、多数の定義済みユーザグループ内で各ユーザのメンバーシップを判定するため使用される。各ユーザの関心の時間ベースモデル及びグループメンバーシップは、インターネット行動の詳細なプロフィールを形成する。詳細なプロフィールは、ユーザへのマーケット情報及び製品情報の提示、ウェブコンテンツの動的なカスタマイズ、並びに、その他の販売目的に使用する。
【特許文献1】特開2001−142907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記したオンライン情報システムのユーザプロファイリングシステムは、識別されたウェブビジターの挙動及び関心を分析するものであるので、特定のウェブでの行動から趣味・嗜好等を把握するに過ぎず、システム側でユーザの様々な分野での趣味・嗜好等を正確に把握するには限界があった。
【0004】
本発明は、以上のような事情に鑑みて為されたものであり、ユーザが関わる種々のデータの集結場所においてユーザの様々な分野での趣味・嗜好等を正確に把握することのできるハンディサーバ及びハンディサーバに対するコンテンツ提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るハンディサーバは、携帯電話網又は無線LAN網を介して電話端末又はネットワーク上のサイトに接続する通話/通信機能と、近距離無線通信機能付きの電気製品との間で通信して当該電気製品を遠隔操作するリモコン機能とを備えたハンディサーバであって、前記ハンディサーバ上でユーザが行った操作内容のログを記録するログ記録手段と、前記ログ記録手段に記録されたログを分析して当該ユーザの嗜好を所定形式で記述したユーザプロファイルを作成するログ分析手段と、前記ユーザプロファイルを用いて前記ユーザの嗜好に合わせた制御を行う制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0006】
このハンディサーバによれば、ユーザが関わる種々のデータの集結場所となるハンディサーバ上でユーザが行った操作内容のログを分析して当該ユーザのユーザプロファイルが作成されるので、このユーザプロファイルを用いることでユーザの嗜好に合わせた制御が可能になる。
【0007】
また本発明は、上記ハンディサーバにおいて、前記通話/通信機能の動作制御を行う第1のCPUシステムと、アプリケーションを実行する第2のCPUシステムとを備え、前記ネットワーク上のサイトからダウンロードしたアプリケーションを前記第2のCPUシステム上で実行させることを特徴とする。
【0008】
このハンディサーバによれば、第2のCPUシステム上でアプリケーションを動作させることで、アプリケーション用プラットフォーム上で動作させる場合に比べてキー入力に対して画像を高速に動かすことができ、専用ゲーム機でプレイしているのと同じスピード感を体感することができる。
【0009】
また本発明は、上記ハンディサーバにおいて、複数人でプレイするゲームを実行する場合、ゲームの内容及び進行状況に応じて複数人で見る共通画面と個々のプレイヤが見るサブ画面とに分割し、前記サブ画面はプレイヤ毎に表示する一方、近距離無線通信機能を搭載した受信機付きのTVモニタに対して前記共通画面を送信して表示させることを特徴とする。
【0010】
このハンディサーバによれば、サブ画面はプレイヤ毎に表示する一方、共通画面はTVモニタに大きく表示することができる。
【0011】
また本発明のコンテンツ提供方法は、上記ハンディサーバにネットワーク上からコンテンツをダウンロードするコンテンツ提供方法において、前記ハンディサーバがネットワーク上のコンテンツサーバにVPN(Virtual Private
Network)を含む接続方法で、携帯電話網又は無線LAN網経由で接続して、ハンディサーバの持つ固有IDを識別子としてゲームコンテンツをダウンロードして実行し、コンテンツ利用料金はネットワーク上の決済でユーザから徴収することを特徴とする。ハンディサーバの持つ固有IDとしては、電話番号、移動機のシリアル番号、USIMのシリアル番号、MACアドレス、近距離無線通信のコントローラの持つ固有ID等を利用することができる。
【0012】
このハンディサーバに対するコンテンツ提供方法によれば、ハンディサーバがネットワーク上のコンテンツサーバにVPNなどを含む所定の接続方法で接続してゲームコンテンツをダウンロードし、コンテンツ利用料金はネットワーク上の決済でユーザから徴収する新たなビジネスモデルを実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザの様々な分野での趣味・嗜好等を正確に把握することのできるハンディサーバ及びハンディサーバに対するコンテンツ提供方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態に係るハンディサーバについて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1は本実施の形態に係るハンディサーバを含んだネットワーク図である。ハンディサーバ1は、ユーザ携帯型の情報通信装置であり、通話及び無線LAN機能の他に電子メールおよびブラウザ機能を含んだ携帯電話機能1a、TVモニタ及びその他の電気製品を遠隔操作するリモコンとして機能するリモコン機能1b、ゲーム機として機能するゲーム機機能1c、その他の機能を搭載している。これら種々の機能を搭載することにより、テレビ番組視聴、通話、電子メール、WEB閲覧、インターネットショッピング、インターネット検索、オンラインゲーム等のユーザが関わる様々なデータ(操作内容を含む)がハンディサーバ1に集結する。
【0016】
ハンディサーバ1は、携帯電話機能1aによって携帯電話網2を経由して携帯電話端末3及び通信事業者等が提供するコンテンツサーバ4に接続することができる。またハンディサーバ1は、無線LAN網5を経由してインターネット上のコンテンツサーバ6に接続することもできる。また、ハンディサーバ1は、インターネット上のサーバとの間にVPNを確立してデータ通信する機能を備える。インターネット上のサーバとして、アプリケーション(ゲーム)をダウンロードするコンテンツサーバ8及びハンディサーバ1に対してコンテンツ利用料金を課金するための決済サーバ9を備える。ハンディサーバ1とインターネット上のサーバとの間の接続はVPNに限定されるものではなく、その他の接続方法を採用することもできる。
【0017】
一方、ハンディサーバ1は、リモコン機能1bによってTVモニタ11を制御できるように構成されている。TVモニタ11は、受信機12を備えている。受信機12は、ハンディサーバ1から受信機12に送信される制御信号を受けてチャンネル選択、音量制御などのすべてのTV操作が可能であると共に、ハンディサーバ1から送信されるデータを映像信号と音声信号に分離してTVモニタ11に出力する。またハンディサーバ1は、宅内に設けたアクセスポイント(AP)13からホームネットワーク14に接続可能である。ホームネットワーク14には宅内の各種電気製品(例えば、エアコン14a、給湯システム、冷蔵庫、インターホン、パソコン)をデータ通信可能な状態で接続している。TVモニタ11も電気製品の一つである。ハンディサーバ1がホームネットワーク14を経由してエアコン14a等を遠隔操作できるようにシステム構成している。
【0018】
図2はハンディサーバ1の概略的なハードウエア構成図である。ハンディサーバ1は、CPU、ROM、RAM、DSP及びプログラムなどで構成された制御部21を備える。制御部21が携帯電話機能1a、リモコン機能1b、ゲーム機機能1c等を実現する。また、ハンディサーバ1は、無線基地局との間で通信事業者が定めた通信規格に従って無線通信するRF部22、無線LANアクセスポイントとの間で無線通信する無線LAN部23、TVモニタ11の受信機12との間で近距離無線通信する近距離無線通信部24を備える。さらに、制御部21にはユーザが各種の指示を入力する操作部25、ディスプレイ26、メモリ27が接続されている。
【0019】
図3はTVモニタ11及び受信機12の概略的な構成図である。TVモニタ11は、画像を表示するTVモニタ画面11aと、受信機12又は図示していないテレビジョン放送受信機、再生装置から入力する映像信号に基づいてTVモニタ画面11aの表示画像を制御する表示制御部11bとを有する。受信機12は、ハンディサーバ1の近距離無線通信部24との間で近距離無線通信する近距離通信部12aと、近距離通信部12aで受信した映像信号及び制御信号を取り込み、映像信号を表示制御部11bへ入力する受信機本体12bとを有する。
【0020】
図4はハンディサーバ1における制御部21のシステム構成図である。制御部21は、電話/通信用CPUシステム31と特定アプリケーション専用のアプリケーション用CPUシステム32とを備える。アプリケーション用CPUシステム32は、ゲームコンテンツ、ビジネスソフトウエア、その他の特定アプリケーションを、Java(登録商標)プラットフォーム等を介在させずに高速に処理することを実現する。電話/通信用CPUシステム31上において、携帯電話、無線LAN等の通信システム33が動作すると共にアプリケーション用プラットフォーム34を介して電子メール35a、ブラウザ35b及びその他のソフトウエア35cが動作する。アプリケーション用CPUシステム32ではアプリケーション用プラットフォーム34を介さずに直接アプリケーション36を動作させる。
【0021】
なお、ゲームソフトをアプリケーション用プラットフォーム34上で動作させることも可能であるが、動作速度はアプリケーション用プラットフォーム34の制限を受ける。アプリケーション用CPUシステム32上でアプリケーション36を動作させる場合はアプリケーション用プラットフォーム34を介さないので毎秒15枚から30枚程度の速度でキー入力に反応して画面を動作させることができ、その画面を近距離通信機能を使って、受信機12で映像を受け取り、TVモニタ11で見る事ができ、近距離通信機能を使って、近距離に存在する他のハンディサーバ1と連動した、対戦ゲームも可能とする。この場合、この近距離に存在するハンディサーバ1は、通信距離が受信機12と近い場合、直接受信機12と通信する事も可能である。この場合同一な近距離通信ネットワークとして、すべての近距離通信で接続された、ハンディサーバは、お互いの接続を認識し、相互通信が可能である。
【0022】
次に、以上のように構成された本実施の形態におけるコンテンツ提供方法及び決済方法について説明する。
【0023】
図5はハンディサーバ1がインターネット上のコンテンツサーバ8にVPNを含む所定の接続方法で接続してアプリケーションをダウンロードし、利用料金をネット上で決済するシーケンス図である。
【0024】
ハンディサーバ1からインターネット上のコンテンツサーバ8に接続してログインする。ログイン時にハンディサーバ1からユーザ認証用の固有識別子(UID)及びパスワードを送信する。ユーザ又はハンディサーバ1を認識する上でパスワードは必須ではないが、コンテンツサーバ8を運営管理する管理者との間の契約でパスワード設定している場合はパスワードも併せて認証に利用する。また、ハンディサーバの持つ固有IDとして、ハンディサーバ1に付与されている電話番号、移動機のシリアル番号、USIMのシリアル番号、MACアドレス、近距離無線通信のコントローラの持つ固有ID等を利用することができる。
【0025】
ハンディサーバ1はコンテンツサーバ8から認証OKが返されてログイン成功したならば、コンテンツサーバ8が提供するWEB画面上でクレジットカード情報を入力してコンテンツサーバ8へ決済情報(クレジットカード番号等)を送信する。
【0026】
次に、ハンディサーバ1とコンテンツサーバ8との間にVPNを含む所定の接続方法で接続してゲームコンテンツのダウンロードを開始する。ハンディサーバ1ではダウンロードしたゲームコンテンツをアプリケーション用CPUシステム32上で動作するアプリケーション36として実行する。本例ではゲーム映像をディスプレイ26ではなくTVモニタ11へ送って大画面表示させるが、ハンディサーバ1のディスプレイ26に表示することもできる。
【0027】
ハンディサーバ1とTVモニタ11とは近距離無線通信で接続され、リアルタイムでゲーム映像がTVモニタ11へ送られてTVモニタ画面11aに表示される。アプリケーション用CPUシステム32は、操作部25からのキー入力を受けて画面を動作させる。ゲームコンテンツ(アプリケーション36)はアプリケーション用CPUシステム32上で直接動作するので、毎秒15枚から30枚程度の速度でキー入力に反応して画面を動作せる。ハンディサーバ1でゲームをしているユーザは専用ゲーム機でプレイしているのと同じスピード感を体感することができる。
【0028】
ゲーム終了等によりコンテンツサーバ8からログアウトする場合は、ハンディサーバ1からコンテンツサーバ8へログアウト要求を送信する。ログアウト要求を受信したコンテンツサーバ8は、ログイン時に取得したUID、ユーザ認証時に取得した決済情報およびゲーム利用料金を決済サーバ9へ送信する。
【0029】
決済サーバ9は、UID及び決済情報で特定されるユーザに対して利用料金を課金する処理を実行する。決済サーバ9において課金処理が終了すると、決済サーバ9からコンテンツサーバ8に決済完了通知が送られ、さらにハンディサーバ1に決済完了通知が転送される。
【0030】
ハンディサーバ1では決済完了通知を受信してWEB画面において決済確認を行うと、決済確認信号がコンテンツサーバ8へ送信される。その後、ハンディサーバ1はコンテンツサーバ8へログオフ信号を送信してログオフする。
【0031】
このように、アプリケーション用CPUシステム32上でアプリケーション36を動作させることで、アプリケーション用プラットフォーム34上で動作させる場合に比べてキー入力に対して画像を高速に動かすことができ、専用ゲーム機でプレイしているのと同じスピード感を体感することができる。
【0032】
また、通信事業者が携帯電話網2経由で提供する公式サイトのコンテンツサーバ4からゲームコンテンツをダウンロードする必要がないので、ゲームコンテンツの利用料金だけを決済サーバ9等を利用して通信事業者以外の者がユーザから直接集金するモデルを確立することができる。なお、利用料金の決済方式は上記方法に限定されるものではない。
【0033】
以上の説明では、コンテンツサーバ8からゲームコンテンツをダウンロードしてゲームを行う場合について説明したが、ゲーム以外のコンテンツをダウンロードしてコンテンツ利用料を課金するようにしても良い。
【0034】
たとえば、ミュージックビデオ等の音楽コンテンツをコンテンツサーバ8からハンディサーバ1にダウンロードする。ハンディサーバ1のアプリケーション用CPUシステム32上でアプリケーション36が音楽コンテンツを再生し、映像信号はディスプレイ26に入力して表示出力し、音声信号はスピーカから出力させる。又は音楽コンテンツを近距離無線通信でTVモニタ11側の受信機12へ送信する。受信機本体12bは、音楽コンテンツを再生して映像信号をTVモニタ11の表示制御部11bへ出力する一方、音声信号を不図示のスピーカへ出力する。また、音楽コンテンツに限らず、映像コンテンツをハンディサーバ1から近距離無線通信でTVモニタ11側の受信機12へ送信してTVモニタ画面11aで大画面表示させるようにしても良い。
また、ゲームなどコンテンツをダウンロード時に購入代金を決済処理して、ハンディサーバ1にコンテンツを記憶させても良く、ユーザが無線LAN網5や携帯電話網2を使えない環境であっても、アプリケーション用CPUシステム32上でゲームなどアプリケーションを実行できるようにすることもできる。
【0035】
次に、上記システムを利用して複数人で共通のゲーム(トランプゲーム等)をプレイする場合の画面制御に関して説明する。
【0036】
図6は本実施の形態における画面分割例を示す図である。2人のユーザA,Bがハンディサーバ1A,1Bをそれぞれ操作端末としてトランプゲームを行っているものとする。TVモニタ11の大きな画面11aにゲームの進行に合わせて共通画面を表示させる共に、各ハンディサーバ1A,1Bのディスプレイ26には各プレイだけが見るべきサブ画面A,Bを表示させる。
【0037】
図7はアプリケーション36で実現している画面分割処理に関するブロック図である。ゲーム実行部41は、自機プレイヤによる操作部25からのキー入力に応じた操作信号及び相手プレイヤによる操作信号を処理してゲームを進行させ、ゲーム進行状況に応じた共通画面43及び自機プレイヤに表示するサブ画面44を生成する。相手プレイヤによる操作信号は、ハンディサーバ1A,1B間での近距離無線通信による直接通信で交換しても良いし、TVモニタ11の受信機12から相手プレイヤのハンディサーバ1A,1Bへ送信するようにしても良い。ここではハンディサーバ1A,1B間の直接通信で交換するものとする。
【0038】
ゲームの種類及び進行段階に応じて、全プレイヤが共通で見るべき画面は共通画面43として定義し、各プレイヤの手持ちカード等の個々のプレイヤだけが見るべき画面はサブ画面44として定義する。画面分割制御部42は、定義条件にしたがってゲームの進行段階に応じて共通画面43とサブ画面44を切り分ける。サブ画面44は自機のディスプレイ26に表示する。共通画面43はいずれか1台のハンディサーバ1A又は1Bから受信機12へ送信してTVモニタ11に表示させれば良い。
【0039】
次に、上記ハンディサーバ1においてユーザが実行した処理のログを収集及び分析してユーザの嗜好に合わせた制御を行う実施の形態について説明する。
【0040】
図8はTV操作のログを収集してユーザの嗜好に合わせたチャンネルの優先表示を行うための機能ブロック図である。ログ記録部51は、ハンディサーバ1のリモコン機能1bからTV操作信号を取り込む。ハンディサーバ1は、上記した通り、TVモニタ11のチャンネル選択、音量調整、録画/再生といったすべてのTV操作をリモコン機能1bを介して行えるようにしている。したがって、リモコン機能1bからTV操作信号を取り込むことで、どのような時間帯にどこのチャンネルで何の番組を視聴したかといった情報を収集することができる。
【0041】
ログ分析部52は、ログ記録部51が取得したTV操作信号を分析してユーザプロファイル53を作成する。テレビ番組について作成されるユーザプロファイル53(以下、「テレビ番組ユーザプロファイル」という)は、時間帯別に視聴頻度の高いチャンネルを当該ユーザの嗜好に合ったチャンネル(番組)であると捉えて高い優先順位を与える。
【0042】
図9はテレビ番組ユーザプロファイル53の構成例を示す図である。テレビ番組ユーザプロファイル53は、時間帯情報61、優先順位情報62及びチャンネル情報63で構成されている。時間帯情報61に基づいて時間帯が区分けされていて、各時間帯で提供されるチャンネルが優先順位情報62にて順序付けされている。
【0043】
優先表示制御部54は、ハンディサーバ1のリモコン機能1bを使ってTVモニタ11に番組表示する際に、優先順位の高いチャンネルから選択されるように表示制御する。たとえば、リモコン機能1bからTV電源オン操作信号が入力したら、現在時間を検出してテレビ番組ユーザプロファイル53における時間帯を特定する。検出した現在時間が7時30分であれば、時間帯(7:00から8:00)において優先順位が1番高いチャンネル(No4)が最初に表示されるように表示制御信号を制御する。
【0044】
TVモニタ11の受信機12ではハンディサーバ1から受信した表示制御信号に基づいてチャンネル選択信号を生成して表示制御部11bに入力すると共に、その操作記録と、チャンネル情報、時間情報などを記録する。記録した情報は後で図示していない集計サーバからの集計に対応できるようにする。表示制御部11bはテレビジョン放送受信器からチャンネル選択信号で選択されたチャンネルを選局してTVモニタ11に表示する。この結果、ユーザがこの時間帯で最も視聴したいチャンネルが最初にTVモニタ11に表示される。
【0045】
以上の説明は、TV操作信号のログを収集及び分析してテレビ番組ユーザプロファイル53を作成し、これに基づいてテレビ番組の表示制御を行う例であるが、本発明はテレビ番組の表示制御に限定されるものではない。ハンディサーバ1にはユーザが日常生活の中で関わるあらゆる情報が集結するので、これらのログを分野別又は生活シーン別に分類して分析すれば、分野別又は生活シーン別にユーザの嗜好に合った制御が可能になる。たとえば、ハンディサーバ1から発信した電子メールの宛先のログを収集して順位付けしたアドレス帳ユーザプロファイルを作成し、ハンディサーバ1上でアドレス帳を表示する際に、アドレス帳ユーザプロファイルを用いてアドレス帳の表示順位を制御する。この場合、アドレス帳に登録されている全宛先にシリーズで優先順位を付けても良い。また、グループ別に分類されている場合にはグループの優先順位、並びにグループ内での各宛先の優先順位を付けたアドレス帳ユーザプロファイルを作成しても良い。同様に、ゲーム、ショッピング、電話番号についても、ログを収集して分析することでユーザの嗜好に合ったユーザプロファイルを作成することができ、ユーザプロファイルを用いて制御を行うことでユーザの嗜好に合った表示その他の制御が可能になる。また、アプリケーションに関するログを収集して分析することもユーザの嗜好を把握する上で有効である。ハンディサーバ1毎に、アプリケーションの購入(決済)方法、アプリケーションの種類をログとして収集する。アプリケーションがゲームコンテンツの場合には、どの様なゲームアプリケーションを、どの様な時間帯に、どの様な遊び方(人数、難易度)で、どの程度の時間遊んだのかをログとして収集する。さらに、ゲーム結果のランキング情報をログとして収集する。
【0046】
このように、本実施の形態によれば、ユーザが日常生活の中で関わるあらゆる情報がハンディサーバ1には集結し、これらのログを収集して分析してユーザプロファイルを作成するので、ウェブビジターの挙動及び関心を分析するだけの場合に比べて、ユーザが関わる様々な分野での趣味・嗜好等を正確に把握することがきでき、それを表示その他の制御に利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、テレビ番組視聴、通話、電子メール、WEB閲覧、インターネットショッピング、インターネット検索、オンラインゲーム等のユーザが関わる種々のデータの集結場所となるハンディサーバに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施の形態に係るハンディサーバを含んだネットワーク図
【図2】図1に示すハンディサーバの概略的なハードウエア構成図
【図3】TVモニタ及び受信機の概略的な構成図
【図4】ハンディサーバにおける制御部のシステム構成図
【図5】ハンディサーバがコンテンツサーバにVPN接続してアプリケーションをダウンロードする場合のシーケンス図
【図6】本実施の形態における画面分割例を示す図
【図7】画面分割処理に関するブロック図
【図8】TV操作のログを収集してユーザの嗜好に合わせたチャンネルの優先表示を行うための機能ブロック図
【図9】テレビ番組ユーザプロファイルの構成例を示す図
【符号の説明】
【0049】
1 ハンディサーバ
1a 携帯電話機能
1b リモコン機能
1c ゲーム機機能
2 携帯電話網
3 携帯電話端末
4、6、8 コンテンツサーバ
5 無線LAN網
7 VPN
9 決済サーバ
11 TVモニタ
12 受信機
13 アクセスポイント(AP)
14 ホームネットワーク
21 制御部
22 RF部
23 無線LAN部
24 近距離無線通信部
25 操作部
26 ディスプレイ
27 メモリ
31 電話/通信用CPUシステム
32 アプリケーション用CPUシステム
33 通信システム
34 アプリケーション用プラットフォーム
35a 電子メール
35b ブラウザ
36 アプリケーション
41 ゲーム実行部
42 画面分割制御部
43 共通画面
44 サブ画面
51 ログ記録部
52 ログ分析部
53 ユーザプロファイル
54 優先表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話網又は無線LAN網を介して電話端末又はネットワーク上のサイトに接続する通話/通信機能と、近距離無線通信機能付きの電気製品との間で通信して当該電気製品を遠隔操作するリモコン機能とを備えたハンディサーバであって、
前記ハンディサーバ上でユーザが行った操作内容のログを記録するログ記録手段と、
前記ログ記録手段に記録されたログを分析して当該ユーザの嗜好を所定形式で記述したユーザプロファイルを作成するログ分析手段と、
前記ユーザプロファイルを用いて前記ユーザの嗜好に合わせた制御を行う制御手段と、
を具備したことを特徴とするハンディサーバ。
【請求項2】
前記通話/通信機能の動作制御を行う第1のCPUシステムと、アプリケーションを実行する第2のCPUシステムとを備え、前記ネットワーク上のサイトからダウンロードしたアプリケーションを前記第2のCPUシステム上で実行させることを特徴とする請求項1記載のハンディサーバ。
【請求項3】
複数人でプレイするゲームを実行する場合、ゲームの内容及び進行状況に応じて複数人で見る共通画面と個々のプレイヤが見るサブ画面とに分割し、前記サブ画面はプレイヤ毎に表示する一方、近距離無線通信機能を搭載した受信機付きのTVモニタに対して前記共通画面を送信して表示させることを特徴とする請求項2記載のハンディサーバ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のハンディサーバにネットワーク上からコンテンツをダウンロードするコンテンツ提供方法において、
前記ハンディサーバがネットワーク上のコンテンツサーバにVPN(Virtual Private Network)を含む接続方法で、携帯電話網又は無線LAN網経由で接続して、ハンディサーバの持つ固有IDを識別子としてゲームコンテンツをダウンロードして実行し、コンテンツ利用料金はネットワーク上の決済でユーザから徴収することを特徴とするコンテンツ提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−49654(P2009−49654A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213086(P2007−213086)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(506314416)株式会社モビテクノ (10)
【Fターム(参考)】