説明

ハンディターミナルシステム、ハンディターミナル、及び置き台

【課題】従来のシステムでは、ハンディターミナルはホストコンピュータに対して通信を開始することができない。
【解決手段】ハンディターミナルシステムは、ハンディターミナル1と、ハンディターミナル1が載置される台であってホストコンピュータ3と通信ネットワークを介して通信する置き台2とを備え、ハンディターミナル1は、シリアルデータを通信ネットワークにおいて伝送可能なイーサ・パケットデータに変換し、置き台2からのイーサ・パケットデータをシリアルデータに変換する変換部と、置き台2とイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なう第1のシリアル通信部とを有し、置き台2は、第1のシリアル通信部とイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なう第2のシリアル通信部と、ホストコンピュータ3とイーサ・パケットデータを通信するネットワーク通信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって携帯されバーコード等の情報コードを読み取るハンディターミナルと、ハンディターミナルが載置される置き台と、ハンディターミナルと置き台とを含むハンディターミナルシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハンディターミナルは工場や倉庫における商品やその包装箱等に付されているバーコード等の情報コードを読み取るために使われている。ハンディターミナルとしては、商用電源や通信ネットワークに接続されているものもあるが、それらに接続されていないものもある。以下では、商用電源や通信ネットワークに接続されていない、所謂コードレスのハンディターミナルについて説明する。
【0003】
コードレスのハンディターミナルには充電池又は乾電池が装着され、ハンディターミナルはそれらからの電力を用いて情報コードの読み取り等の動作を行なう。ハンディターミナルは、バーコード等の情報コードを読み取る際にはユーザによって把持され、ユーザによって把持されない場合、充電機能を有する置き台にユーザによって載置される。置き台は商用電源に接続されており、充電池がハンディターミナルに装着されている場合、ハンディターミナルが置き台に載置されると、ハンディターミナルに装着されている充電池は充電される。また、ハンディターミナルによって取得されるデータは、置き台を介してホストコンピュータに送られ、ホストコンピュータによって管理される。
【0004】
図15は、ハンディターミナル101と、置き台102と、ホストコンピュータ3とで構成される従来のハンディターミナルシステムの構成を示す図である。ハンディターミナル101、置き台102、及びホストコンピュータ3それぞれは通信部を有している。それぞれの通信部により、ユーザによってホストコンピュータ3に入力される指示は置き台102を介してハンディターミナル101に送信され、ハンディターミナル101によって取得されるデータは置き台102を介してホストコンピュータ3に送信される。
【0005】
ハンディターミナル101が置き台102に載置されるとハンディターミナル101の通信部と置き台102の通信部とが接触し、その接触により、ハンディターミナル101と置き台102との間の通信が行なわれる。置き台102とホストコンピュータ3とは、Local Area Network(以下、「LAN」という。)又はWide Area Network(以下、「WAN」という。)によって接続されており、そのような通信ネットワークを介して、置き台102とホストコンピュータ3との間の通信が行なわれる。
【0006】
図15に示すように、従来のハンディターミナルシステムでは、置き台102がネットワークプロトコルにおけるTransmission Control Protocol(以下、「TCP」という。)層、Internet Protocol(以下、「IP」という。)層、及びMedia Access Control(以下、「MAC」という。)層に対応する通信機能を有している。図15に示す従来のハンディターミナルシステムでは、ホストコンピュータ3はイーサ・パケットデータを置き台102に送信し、置き台102はホストコンピュータ3からのイーサ・パケットデータに対してTCP/シリアル変換を行なうことによってシリアルデータを生成し、それをハンディターミナル101に送信する。また、ハンディターミナル101は取得したデータをシリアルデータとして置き台102に送信し、置き台102はハンディターミナル101からのシリアルデータに対してシリアル/TCP変換を行なうことによってイーサ・パケットデータを生成し、それをホストコンピュータ3に送信する。なお、「TCP/シリアル変換」及び「シリアル/TCP変換」を総称して「TCP/IP変換」という。
【0007】
上述したように、従来のハンディターミナルシステムでは、置き台102がTCP/IP変換を行なう機能を有しているので、ホストコンピュータ3はハンディターミナル101に対して通信を開始することができる。図16は、ホストコンピュータ3がハンディターミナル101に対して通信を開始した場合の通信の流れの一例を示す図である。
【0008】
まず、ホストコンピュータ3はTCP/IP層におけるコマンドにより置き台102に対して接続要求を行なう(S101)。置き台102はホストコンピュータ3からの接続要求に対しそれに応じる旨の信号(ACK)をホストコンピュータ3に送信する(S102)。これにより、ホストコンピュータ3と置き台102との接続が成立する。そうすると、ホストコンピュータ3は置き台102に対してイーサ・パケットデータを送信し(S103)、置き台102はイーサ・パケットデータを受信すると、その旨の信号(ACK)をホストコンピュータ3に送信する(S104)。
【0009】
置き台102は、受信したイーサ・パケットデータをTCP/シリアル変換することによって受信したデータの内容と同じ内容のシリアルデータを生成し(S105)、それをハンディターミナル101に送信する(S106)。ハンディターミナル101は置き台102からのシリアルデータに対応するシリアルデータを置き台102に送信する(S107)。
【0010】
置き台102は、ハンディターミナル101からのシリアルデータを受信し、それをシリアル/TCP変換することによって受信したデータと同じ内容のイーサ・パケットデータを生成する(S108)。そして、置き台102は生成したイーサ・パケットデータをホストコンピュータ3へ送信し(S109)、ホストコンピュータ3は、置き台102からイーサ・パケットデータを受信すると、その旨の信号(ACK)を置き台102に送信する(S110)。
【0011】
また、ホストコンピュータ3は置き台102に対して切断要求を行ない(S111)、置き台102はホストコンピュータ3からの切断要求に対しそれに応じる旨の信号(ACK)をホストコンピュータ3に送信する(S112)。これにより、ホストコンピュータ3がハンディターミナル101に対して開始した通信が終了する。
【0012】
このように、従来のハンディターミナルシステムでは、ホストコンピュータはハンディターミナルに対して通信を開始することができる。
【特許文献1】特開2004−192108号公報
【特許文献2】特開2004−220504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来のハンディターミナルシステムでは、ハンディターミナルはホストコンピュータに対して通信を開始することができない。すなわち、従来のハンディターミナルシステムは、所謂サーバ接続には対応しているが、クライアント接続には対応していない。
【0014】
したがって、ハンディターミナルによって取得されたデータをホストコンピュータに送信しようとする場合、ユーザはホストコンピュータにその旨の指示を入力し、ホストコンピュータにハンディターミナルに対する通信を開始させなければならない。
【0015】
また、従来のハンディターミナルシステムでは、File Transfer Protocol(以下、「FTP」という。)やHypertext Transfer Protocol(以下、「HTTP」という。)等の汎用的な通信プロトコルを使用することができない。更に、従来のハンディターミナルシステムでは、Secure Sockets Layer(以下、「SSL」という。)等のセキュアな通信プロトコルを使用することができない。
【0016】
本発明は、ハンディターミナルがホストコンピュータに対して通信を開始することができるとともに、汎用的な通信プロトコルやセキュアな通信プロトコルを使用することを可能とするハンディターミナルシステムを提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、本発明のハンディターミナルシステムを実現するハンディターミナルと、置き台とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のハンディターミナルシステムは、情報コードを読み取るハンディターミナルと、前記ハンディターミナルが載置される台であって、前記ハンディターミナルが載置された場合に前記ハンディターミナルと通信し、かつホストコンピュータと通信ネットワークを介して通信する置き台とを備え、前記ハンディターミナルは、シリアルデータを前記通信ネットワークにおいて伝送可能なイーサ・パケットデータに変換するとともに、前記置き台からのイーサ・パケットデータをシリアルデータに変換するTCP/IP変換機能を持つ第1の変換部と、前記置き台との間でイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なう第1のシリアル通信部とを有し、前記置き台は、前記ハンディターミナルが載置された場合に前記ハンディターミナルの前記第1のシリアル通信部とイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なう第2のシリアル通信部と、前記ホストコンピュータとの間でイーサ・パケットデータを通信するネットワーク通信部とを有する。
【0019】
このように、本発明のハンディターミナルシステムでは、ハンディターミナルがTCP/IP変換機能を有するので、ハンディターミナルがホストコンピュータに対して通信を開始することができる。また、ハンディターミナルがTCP/IP変換機能を有するので、本発明のハンディターミナルシステムでは、汎用的な通信プロトコルやセキュアな通信プロトコルを使用することが可能となる。
【0020】
また、本発明のハンディターミナルは、情報コードを読み取り、ホストコンピュータと通信ネットワークを介して通信する置き台に載置された場合に前記置き台と通信する装置であって、シリアルデータを前記通信ネットワークにおいて伝送可能なイーサ・パケットデータに変換するとともに、前記置き台からのイーサ・パケットデータをシリアルデータに変換するTCP/IP変換機能を持つ変換部と、前記置き台との間でイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なうシリアル通信部とを備える。
【0021】
更に、本発明の置き台は、情報コードを読み取るハンディターミナルが載置される台であって、前記ハンディターミナルが載置された場合に前記ハンディターミナルとイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なうシリアル通信部と、ホストコンピュータとの間でイーサ・パケットデータを通信するネットワーク通信部とを備える。
【0022】
TCP/IP変換機能を有する本発明のハンディターミナルと、本発明の置き台とがホストコンピュータを含むハンディターミナルシステムに含められると、ハンディターミナルがホストコンピュータに対して通信を開始することができるとともに、汎用的な通信プロトコルやセキュアな通信プロトコルを使用することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、ハンディターミナルがホストコンピュータに対して通信を開始することができるとともに、汎用的な通信プロトコルやセキュアな通信プロトコルを使用することを可能とするハンディターミナルシステムを提供することができる。
【0024】
また、本発明は、本発明のハンディターミナルシステムを実現するハンディターミナルと、置き台とを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0026】
先ず、本実施の形態のハンディターミナルシステムの構成を説明する。
【0027】
図1は本実施の形態のハンディターミナルシステムの概略を説明するための図である。本実施の形態のハンディターミナルシステムは、例えば工場や倉庫での棚卸し作業に関するデータを取得し管理するシステムであって、図1に示すように、ハンディターミナル1と、置き台2と、ホストコンピュータ3とで構成されている。本実施の形態のハンディターミナルシステムの特徴は通信に関する部分である。その特徴部分は後述することとし、その前に、ハンディターミナル1、置き台2、及びホストコンピュータ3それぞれの一般的な構成について説明する。図2は、本実施の形態のハンディターミナルシステムの一般的な構成を説明するための図である。
【0028】
ハンディターミナル1は、商用電源6や通信ネットワーク7に直接接続されていない、所謂コードレスのハンディターミナルであって、工場や倉庫における商品やその包装箱等に付されている情報コードを読み取るために使われる。図1に示すように、ハンディターミナル1には小容量の充電池4a若しくは大容量の充電池4b又は乾電池5が装着され、ハンディターミナル1はそれらからの電力を用いてバーコードや2次元情報といった情報コードの読み取り等の動作を行なう。なお図1には、乾電池5がハンディターミナル1に装着される際にその乾電池5を覆うことにより乾電池5へのハンディターミナル1の外部からの障害を防御するための乾電池ケース5aが示されている。ハンディターミナル1は、バーコード等の情報コードを読み取る際にはユーザによって把持される。
【0029】
図2示すように、ハンディターミナル1は、処理部11と、液晶表示装置12と、操作部13と、読取窓14と、一対の充電用接触端子15a,15bと、電源制御回路16と、一対の通信用接触端子17a,17bと、赤外線通信窓18と、記憶部19とを有する。処理部11は、ハンディターミナル1の各処理を行なうとともに、ハンディターミナル1の各構成部を制御する。液晶表示装置12は各種の情報を表示し、操作部13はユーザによって操作される構成部であり、ユーザの指示を受け付ける。読取窓14はバーコードや2次元情報といった情報コードを読み取り、一対の充電用接触端子15a,15bはハンディターミナル1の外部から充電池4へ電力を供給するために用いられる端子であり、電源制御回路16は充電池4への電力の供給を制御する。一対の通信用接触端子17a,17bは、処理部11とハンディターミナル1の外部との通信のために用いられる端子であり、赤外線通信窓18は赤外線による通信を行なうための手段である。例えば、赤外線通信窓18は読取窓14によって読み取られた情報コードのデータをポータブルプリンタに送信する際に使われる。記憶部19は、読取窓14によって読み取られた情報コードのデータを記憶する手段である。
【0030】
図3は正面から見たときのハンディターミナル1の斜視図である。図3に示すように、ハンディターミナル1を構成する筐体の正面には、上方に液晶表示装置12が設けられており、下方に操作部13が設けられている。操作部13は、メニューキー131と、情報コードのスキャンを開始するためのトリガーキー132と、4方向キー133と、キャンセルキー134と、エンターキー135と、テンキー136と、複数のファンクションキー137と、電源スイッチ138とを含む。また、操作部13は、ハンディターミナル1を構成する筐体の側面に設けられているサイドトリガーキー139を含む。
【0031】
図4は、背面から見たときのハンディターミナル1の斜視図である。図5は背面から見たときのハンディターミナル1の下部のみを拡大したときの斜視図である。図4に示すように、ハンディターミナル1を構成する筐体の背面の上方には読取窓14が設けられている。また、図4及び図5に示すように、ハンディターミナル1を構成する筐体の背面の下方には、一対の充電用接触端子15a,15bと、一対の通信用接触端子17a,17bとが設けられている。また、図3から図5に示すように、ハンディターミナル1を構成する筐体の下面の中央には赤外線通信窓18が設けられている。
【0032】
図6は置き台2の斜視図である。置き台2は、ハンディターミナル1がユーザによって把持されない場合、図7に示すようにハンディターミナル1がユーザによって載置され、ハンディターミナル1を安定して保持する。また、図2に示すように、置き台2は、商用電源6に接続されており、充電池4がハンディターミナル1に装着されている場合、ハンディターミナル1が置き台2に載置されると、ハンディターミナル1に装着されている充電池4が充電される。
【0033】
図2及び図6に示すように、置き台2は、載置部21と、電源ポート22と、電源制御回路23と、一対の充電用接触金属端子24a,24bと、通信ポート25と、通信部26と、一対の通信用接触金属端子27a,27bとを有する。
【0034】
載置部21はハンディターミナル1が載置される部位であって、図6に示すように、低部211と背もたれ部212とを含む。ハンディターミナル1を構成する筐体の下面が低部211に位置し、ハンディターミナル1を構成する筐体の背面が背もたれ部212に位置するように、ハンディターミナル1は置き台2に載置される。このときハンディターミナル1は安定した状態で置き台2によって保持される。
【0035】
電源ポート22は、商用電源6と接続するためのポートであって、置き台2を構成する筐体の背面に設けられており、電源制御回路23は、電源ポート22が商用電源6と接続したときに置き台2の外部からの電力から充電用の電圧を生成し、その電圧を一対の充電用接触金属端子24a,24bに印加する。一対の充電用接触金属端子24a,24bは、ハンディターミナル1の一対の充電用接触端子15a,15bと対応しており、ハンディターミナル1が正しく安定した状態で置き台2に載置されると、一対の充電用接触金属端子24a,24bそれぞれは、ハンディターミナル1の一対の充電用接触端子15a,15bそれぞれと機械的にかつ電気的に接触する。ハンディターミナル1に充電池4が装着されている場合、一対の充電用接触金属端子24a,24bとハンディターミナル1の一対の充電用接触端子15a,15bとが接触すると、置き台2に接続されている商用電源6からの電力が電源制御回路23によってハンディターミナル1に供給され、充電池4が充電される。
【0036】
通信ポート25は、ホストコンピュータ3が接続されているLAN又はWANといった通信ネットワーク7と接続するためのポートであって、置き台2を構成する筐体の背面に設けられており、通信ポート25が通信ネットワーク7と接続すると、置き台2とホストコンピュータ3との間の通信が可能となる。通信部26はハンディターミナル1とホストコンピュータ3との間の通信を仲介する。一対の通信用接触金属端子27a,27bは、ハンディターミナル1の一対の通信用接触端子17a,17bと対応しており、ハンディターミナル1が正しく安定した状態で置き台2に載置されると、一対の通信用接触金属端子27a,27bそれぞれは、ハンディターミナル1の一対の通信用接触端子17a,17bそれぞれと機械的にかつ電気的に接触する。その接触により、ハンディターミナル1と置き台2との間の通信が可能になる。また、ハンディターミナル1の一対の通信用接触端子17a,17bそれぞれと、置き台2の一対の通信用接触金属端子27a,27bそれぞれとが機械的にかつ電気的に接触するので、ハンディターミナル1と置き台2とは全二重通信を行なうことができる。
【0037】
このように、置き台2は、ハンディターミナル1に装着される充電池4を充電する機能と、ハンディターミナル1及びホストコンピュータ3それぞれと通信する機能とを有している。
【0038】
ホストコンピュータ3は、通信ネットワーク7を介して置き台2と接続しており、ハンディターミナル1によって取得されたデータを置き台2を介して取得し、管理する。
【0039】
次に、本実施の形態のハンディターミナルシステムの特徴である通信に関する部分について説明する。
【0040】
図8は、通信に着目したときの本実施の形態のハンディターミナルシステムの概略を説明するための図である。本実施の形態のハンディターミナルシステムは、上述したように、ハンディターミナル1と、置き台2と、ホストコンピュータ3とで構成されており、図8に示すように、ハンディターミナル1は、ネットワークプロトコルにおけるTCP層及びIP層に対応する通信機能を有している。置き台2はネットワークプロトコルにおけるMAC層に対応する通信機能を有している。つまり、置き台2は通信ネットワーク7に接続する際に与えられる固有のアドレスを有している。このように置き台2が固有のアドレスを有することにより、置き台2はハンディターミナル1と通信することができるとともに、従来のハンディターミナル101とも通信することができる。後に詳述するが、ハンディターミナル1と置き台2とはシリアル通信を行なう。置き台2とホストコンピュータ3とはイーサ・パケットデータにより通信する。
【0041】
図9は、主として通信に着目したときの本実施の形態のハンディターミナルシステムを構成する各装置のハードウエアを示す図である。ハンディターミナル1は、Random Access Memory(RAM)61と、設定部62と、受付部63と、Read Only Memory(ROM)64と、Central Processing Unit(CPU)65と、電源制御回路66とを有する。
【0042】
RAM61には読取窓14(図2及び図4参照)によって読み取られる情報コードのデータが格納される。設定部62は、ハンディターミナル1と置き台2とのうちの何れがTCP/IP変換を実行するのかについての指示がユーザによって設定される手段である。受付部63は、RAM61に格納されているデータをホストコンピュータ3に送信するための指示をユーザから受け付ける。設定部62及び受付部63は、図2及び図3の操作部に対応する。ROM64にはTCP層及びIP層に対応する通信機能を実現するためのプログラムが格納されている。言い換えると、ROM64には、シリアル/TCP変換とTCP/シリアル変換とを行なう機能、すなわちTCP/IP変換を実行する機能を実現するためのプログラムが格納されている。また、ROM64には、置き台2との間でイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を実行するためのプログラムや、ホストコンピュータ3からの指示に対して適切に応答するためのプログラム等も格納されている。CPU65は、ROM64に格納されているプログラムに従った処理を実行する手段である。電源制御回路66は、ハンディターミナル1に充電池4が装着されている場合に充電池4への充電を制御する回路であって、図2の電源制御回路16に対応する。
【0043】
置き台2は、設定部71と、受付部72と、ROM73と、CPU74と、電源制御回路75と、LANコネクタ76とを有する。設定部71は、ハンディターミナル1と置き台2とのうちの何れがTCP/IP変換を実行するのかについての指示がユーザによって設定される手段である。設定部71は、例えば置き台2を構成する筐体の背面に設けられるディップスイッチにより実現される。受付部72は、設定部71に設定される指示を受け付ける手段である。ROM73には、ハンディターミナル1との間でイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を実行するためのプログラムや、ホストコンピュータ3との間でイーサ・パケットデータにより通信を実行するためのプログラムが格納されている。また、ROM73には、シリアル/TCP変換とTCP/シリアル変換とを行なう機能、すなわちTCP/IP変換を実行する機能を実現するためのプログラムが格納されている。CPU74は、ROM73に格納されているプログラムに従った処理を実行する手段である。電源制御回路75は、ハンディターミナル1に充電池4が装着されている場合にハンディターミナル1への電力の供給を制御する回路であって、図2の電源制御回路23に対応する。LANコネクタ76は、ホストコンピュータ3が接続されている通信ネットワーク7と接続するためのコネクタであって、図2の通信ポート25に対応する。
【0044】
図10は、本実施の形態のハンディターミナルシステムの通信に関する機能を示すブロック図である。まず、図10のブロック図により示される本実施の形態のハンディターミナルシステムの構成を説明する。
【0045】
ハンディターミナル1は、記憶部81と、設定部82と、受付部83と、制御部84と、第1の変換部85と、第1のシリアル通信部86とを有する。記憶部81は、読み取られた情報コードのデータ並びに、ハンディターミナル1のユーザネーム及びパスワード等を記憶する手段である。設定部82は、ハンディターミナル1と置き台2とのうちの何れがTCP/IP変換を実行するのかについての指示がユーザによって設定される手段である。受付部83は、記憶部81に記憶されているデータのホストコンピュータ3への送信の指示をユーザから受け付ける手段である。制御部84は、設定部82に設定された指示や受付部83によって受け付けられた指示等によってハンディターミナル1の各構成手段を制御する手段である。第1の変換部85は、記憶部81に記憶されているデータを、置き台2とホストコンピュータ3とを結ぶ通信ネットワーク7において伝送可能なイーサ・パケットデータに変換するとともに、置き台2からのイーサ・パケットデータをシリアルデータに変換するTCP/IP変換機能を持つ手段である。第1のシリアル通信部86は、置き台2との間でシリアル通信を行なう手段である。
【0046】
なお、記憶部81は図2の記憶部19を含むものであって、図9のRAM61及びROM64に対応し、設定部82は図9の設定部62に対応し、受付部83は図2の操作部13及び図9の受付部63に対応する。制御部84、第1の変換部85、及び第1のシリアル通信部86は、図2の処理部11に対応する。また、制御部84、第1の変換部85、及び第1のシリアル通信部86の各機能は、ROM64に格納されているプログラムが図9のCPU65によって実行されることにより実現される。
【0047】
置き台2は、第2のシリアル通信部91と、ネットワーク通信部92と、第2の変換部93と、設定部94と、受付部95と、切替部96とを有する。第2のシリアル通信部91は、ハンディターミナル1が載置部21(図6参照)に載置された場合にハンディターミナル1の第1のシリアル通信部86とシリアル通信を行なう手段である。ネットワーク通信部92はホストコンピュータ3との間でイーサ・パケットデータを通信する手段である。第2の変換部93は、イーサ・パケットデータをシリアルデータに変換するとともに、シリアルデータをイーサ・パケットデータに変換するTCP/IP変換機能を持つ手段である。設定部94は、ハンディターミナル1と置き台2とのうちの何れがTCP/IP変換を実行するのかについての指示がユーザによって設定される手段である。受付部95は、設定部94に設定される指示を受け付ける手段である。切替部96は、受付部95によって受け付けられた指示に基づいて第2の変換部93を動作させるモードと動作させないモードとを切り替える手段である。切替部96によって第2の変換部93を動作させるモードから動作させないモードへ切り替えられた場合やその逆の場合、その情報は第2のシリアル通信部91によってハンディターミナル1へ送信される。
【0048】
なお、第2のシリアル通信部91及びネットワーク通信部92は、図2の通信部26に対応する。また、第2のシリアル通信部91、ネットワーク通信部92、第2の変換部93、及び切替部96の各機能は、図9のROM73に格納されているプログラムが図9のCPU74によって実行されることにより実現される。受付部95は図9の受付部72に対応する。
【0049】
ホストコンピュータ3は、ユーザによって入力された指示等を置き台2に送信したり、ハンディターミナル1によって取得されたデータを置き台2を介して取得し管理する。ホストコンピュータ3と置き台2との間ではイーサ・パケットデータが通信される。
【0050】
このような構成により、ユーザは、TCP/IP変換をハンディターミナル1に実行させるか、置き台2に実行させるのかを切り替えて設定することができる。置き台2にTCP/IP変換を実行させる場合、それは図15及び図16を用いて説明したサーバ接続のみに対応する。他方、ハンディターミナル1にTCP/IP変換を実行させる場合、それはサーバ接続とクライアント接続との双方に対応することができる。
【0051】
一般的に、ハンディターミナルとホストコンピュータとの間の通信の形態はユーザがプログラマブルに設計することが可能であり、ハンディターミナルにTCP/IP変換機能を持たせるとプログラムが複雑化する傾向があるので、一部のユーザにとってはサーバ接続のみに対応した従来のモードを好む場合がある。そのため、本実施の形態のハンディターミナルシステムは、サーバ接続に対応した従来のモードと、サーバ接続とクライアント接続との双方に対応したモードとの切り替えがユーザの意思によって可能となるように構成されている。
【0052】
また、ハンディターミナルは置き台に載置されるだけで充電及び通信が開始されることが好ましい。したがって、本実施の形態では、ハンディターミナル1と置き台2と間では従来の機種と同様に簡易なシリアル通信が行なわれる。ハンディターミナル1がTCP/IP変換を行なう場合、ハンディターミナル1と置き台2との間の通信では、データだけでなく、IPアドレス等のネットワーク情報や各種コマンドを含むイーサ・パケットがシリアル通信により転送される。
【0053】
ここで、ハンディターミナル1と置き台2との間におけるイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信について、図11を用いて説明する。図11は、イーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を説明するための図であって、図11(A)は、イーサ・パケットの構成を説明するための図であり、図11(B)は、ネットワーク情報及び各種コマンドの例を示す図である。図11(A)に示すように、イーサ・パケットは、(1)2バイトの“BT”と、(2)2バイトのイトの“Message ID”と、(3)2バイトの“Body Size”と、(4)任意のサイズの“DataBody”と、(5)2バイトの“CheckSum”とで構成されている。このような構成のイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信では、(4)の“DataBody”のみがシリアル通信されるのではなく、(1)から(5)の各データがシリアル通信される。また、(4)の“DataBody”には、実データ以外にも、図11(B)に示すIPアドレス等のネットワーク情報や各種コマンド、応答コード等が含められる。
【0054】
次に、本実施の形態のハンディターミナルシステムにおいて、ハンディターミナル1がTCP/IP変換を行なうモード(第1のモード)が設定されている場合のサーバ接続及びクライアント接続の各動作をシーケンス図を用いて説明する。なお、置き台2がTCP/IP変換を行なうモード(第2のモード)が設定されている場合の動作は図16を用いて説明した動作と全く同じである。
【0055】
(サーバ接続)
まず、サーバ接続の動作について説明する。つまり、ホストコンピュータ3がハンディターミナル1に対して通信を開始する場合の動作について説明する。図12はその動作のシーケンス図である。ここで、置き台2の設定部94に対応する例えば置き台2を構成する筐体の背面に設けられるディップスイッチに、第1の変換部85を動作させて第2の変換部93を動作させない第1のモードがユーザによって設定された場合を想定する。その場合、その第1のモードの情報は第2のシリアル通信部91によってハンディターミナル1に送信され、ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86がその情報を受信し、制御部84が第1の変換部85を動作する状態に制御する。
【0056】
ユーザの指示に基づいて、ホストコンピュータ3はTCP/IP層におけるコマンドにより置き台2に対して接続要求を行なう(S1)。つまり、ホストコンピュータ3はイーサ・パケットデータにより置き台2に対して接続要求を行なう(S1)。置き台2では、ネットワーク通信部92がその接続要求を受信し、第2のシリアル通信部91はその接続要求をシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S2)。ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、置き台2からの接続要求を受信し、制御部84の制御により接続要求に応じる旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S3)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からの接続要求に応じる旨の信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92がその信号(ACK)をホストコンピュータ3に送信する(S4)。これにより、ホストコンピュータ3と、置き台2と、ハンディターミナル1との接続が成立する。
【0057】
次に、ホストコンピュータ3は置き台2に対してイーサ・パケットデータを送信する(S5)。置き台2では、ネットワーク通信部92がそのイーサ・パケットデータを受信し、第2のシリアル通信部91はそのイーサ・パケットデータをシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S6)。ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、置き台2からのシリアル通信によるイーサ・パケットデータを受信し、制御部84の制御によりイーサ・パケットデータを受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S7)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのイーサ・パケットデータを受信した旨の信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92がその信号(ACK)をホストコンピュータ3に送信する(S8)。
【0058】
その際、ハンディターミナル1では、第1の変換部85が、制御部84の制御により第1のシリアル通信部86によって受信されたイーサ・パケットデータに対してTCP/シリアル変換を行ない、受信されたイーサ・パケットデータと同じ内容のシリアルデータを生成する(S9)。そして、第1の変換部85は、制御部84の制御によりそのシリアルデータに対応するシリアルデータを記憶部81から取得してシリアル/TCP変換を行ない、記憶部81から取得されたシリアルデータと同じ内容のイーサ・パケットデータを生成する(S10)。第1のシリアル通信部86は生成されたイーサ・パケットデータをシリアル通信により置き台2に送信する(S11)。
【0059】
置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのイーサ・パケットデータを受信し、ネットワーク通信部92がそれをホストコンピュータ3に送信する(S12)。
【0060】
ホストコンピュータ3は置き台2からイーサ・パケットデータを受信し、その旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S13)。置き台2では、ネットワーク通信部92がホストコンピュータ3からのイーサ・パケットデータを受信した旨の信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S14)。
【0061】
また、ホストコンピュータ3はイーサ・パケットデータにより置き台2に対して切断要求を行なう(S15)。置き台2では、ネットワーク通信部92がその切断要求を受信し、第2のシリアル通信部91はその切断要求をシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S16)。ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、置き台2からの切断要求を受信し、制御部84の制御により切断要求に応じる旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S17)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からの切断要求に応じる旨の信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92がその信号(ACK)をホストコンピュータ3に送信する(S18)。これにより、ホストコンピュータ3がハンディターミナル1に対して開始した通信が終了する。
【0062】
このように、置き台2がTCP/IP変換を行なうのではなく、ハンディターミナル1がTCP/IP変換を行なっても、従来のハンディターミナルシステムと同様に、ホストコンピュータ3はハンディターミナル1に対して通信を開始することができる。
【0063】
(クライアント接続)
次に、クライアント接続の動作について説明する。つまり、ハンディターミナル1がホストコンピュータ3に対して通信を開始する場合の動作について説明する。図13はその動作のシーケンス図である。ここで、置き台2の設定部94に対応する例えば置き台2を構成する筐体の背面に設けられるディップスイッチに、第1の変換部85を動作させて第2の変換部93を動作させない第1のモードがユーザによって設定された場合を想定する。その場合、その第1のモードの情報は第2のシリアル通信部91によってハンディターミナル1に送信され、ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86がその情報を受信し、制御部84が第1の変換部85を動作する状態に制御する。
【0064】
まず、ユーザがハンディターミナル1によって読み取られた情報コードのデータをホストコンピュータ3に送信したいと考え、ハンディターミナル1の受付部83にその旨の指示を入力する。受付部83はその指示を受け付け、第1のシリアル通信部86は制御部84の制御により置き台2に対してイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により接続要求を行なう(S21)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がその接続要求を受信し、ネットワーク通信部92はその接続要求をホストコンピュータ3に送信する(S22)。
【0065】
ホストコンピュータ3は、置き台2からの接続要求を受信し、その接続要求に応じる旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S23)。置き台2では、ネットワーク通信部92がその接続要求に応じる旨の信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S24)。
【0066】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86がその信号(ACK)を受信し、第1の変換部85は、制御部84の制御により、記憶部81に記憶されている情報コードのシリアルデータに対してシリアル/TCP変換を行ない、そのシリアルデータと同じ内容のイーサ・パケットデータを生成する(S25)。第1のシリアル通信部86は生成されたイーサ・パケットデータをシリアル通信により置き台2に送信する(S26)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのイーサ・パケットデータを受信し、ネットワーク通信部92はそのイーサ・パケットデータをホストコンピュータ3に送信する(S27)。
【0067】
ホストコンピュータ3は、置き台2からのイーサ・パケットデータを受信し、イーサ・パケットデータを受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S28)。置き台2では、ネットワーク通信部92がその信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をハンディターミナル1に送信する(S29)。また、ホストコンピュータ3は、所定のイーサ・パケットデータを置き台2に送信する(S30)。置き台2では、ネットワーク通信部92がホストコンピュータ3からのイーサ・パケットデータを受信し、第2のシリアル通信部91はイーサ・パケットデータをシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S31)。
【0068】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、置き台2からのイーサ・パケットデータを受信し、制御部84の制御により、イーサ・パケットデータを受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S32)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がその信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92はその信号(ACK)をホストコンピュータ3に送信する(S33)。
【0069】
その際、ハンディターミナル1では、第1の変換部85が第1のシリアル通信部86によって受信されたイーサ・パケットデータに対してTCP/シリアル変換を行ない(S34)、第1のシリアル通信部86は制御部84の制御によりイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に対して切断要求を行なう(S35)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がその切断要求を受信し、ネットワーク通信部92はその切断要求をホストコンピュータ3に送信する(S36)。ホストコンピュータ3は切断要求を受信すると、切断要求を受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S37)。置き台2では、ネットワーク通信部92がホストコンピュータ3からのその信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S38)。これにより、ハンディターミナル1がホストコンピュータ3に対して開始した通信が終了する。
【0070】
このように、置き台2がTCP/IP変換を行なうのではなく、ハンディターミナル1がTCP/IP変換を行なうので、ハンディターミナル1がホストコンピュータ3に対して通信を開始することが可能となる。したがって、ハンディターミナル1によって取得されたデータをホストコンピュータ3に送信しようとする場合、ハンディターミナル1のユーザはホストコンピュータ3にその旨の指示を入力しなくても、ホストコンピュータ3へのデータの送信が可能となる。すなわち、本実施の形態のハンディターミナルシステムでは、ハンディターミナル1によって取得されたデータをホストコンピュータ3に送信しようとする場合、ユーザはホストコンピュータ3にハンディターミナル1に対する通信を開始させる必要がなくなり、利便性が従来よりも向上する。
【0071】
(複数のセッション)
なお、ハンディターミナル1がTCP/IP変換を行なう場合、ホストコンピュータ3とハンディターミナル1との間には、データのみで構成されたシリアルデータの送受信区間が存在しないため、複数のセッションが同時に成立することが可能である。複数のセッションは、ユーザがユーザアプリケーションを用いることにより成立することが可能である。
【0072】
以下に、複数のセッションの一例としての2個のセッションが同時に成立する場合の通信のシーケンスの一例を説明する。図14はそのシーケンス図である。ここで、置き台2の設定部94に対応する例えば置き台2を構成する筐体の背面に設けられるディップスイッチに、第1の変換部85を動作させて第2の変換部93を動作させない第1のモードがユーザによって設定された場合を想定する。その場合、その第1のモードの情報は第2のシリアル通信部91によってハンディターミナル1に送信され、ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86がその情報を受信し、制御部84が第1の変換部85を動作する状態に制御する。
【0073】
まず、ユーザがハンディターミナル1によって読み取られた情報コードのデータをホストコンピュータ3に送信したいと考え、ハンディターミナル1の受付部83にその旨の指示を入力する。受付部83はその指示を受け付け、第1のシリアル通信部86は制御部84の制御により置き台2に対してイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により接続要求を行なう(S41)。これにより第1セッションが開始する。置き台2では、第2のシリアル通信部91がその接続要求を受信し、ネットワーク通信部92はその接続要求をホストコンピュータ3に送信する(S42)。
【0074】
ホストコンピュータ3は、置き台2からの接続要求を受信し、その接続要求に応じる旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S43)。置き台2では、ネットワーク通信部92がその接続要求に応じる旨の信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S44)。
【0075】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、その信号(ACK)を受信し、制御部84の制御により、その信号(ACK)を受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S45)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのその信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92はその信号(ACK)をホストコンピュータ3に送信する(S46)。
【0076】
ホストコンピュータ3はユーザネームを要求する信号をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S47)。置き台2では、ネットワーク通信部92がそのユーザネームを要求する信号を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S48)。
【0077】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86がユーザネームを要求する信号を受信し、第1の変換部85が制御部84の制御により記憶部81に記憶されているシリアルデータのユーザネーム(AAAA)をイーサ・パケットデータに変換する。第1のシリアル通信部86は、制御部84の制御により、第1の変換部85によって得られたイーサ・パケットデータのユーザネーム(AAAA)をシリアル通信により置き台2に送信する(S49)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのユーザネーム(AAAA)を受信し、ネットワーク通信部92はそのイーサ・パケットデータのユーザネーム(AAAA)をホストコンピュータ3に送信する(S50)。
【0078】
ホストコンピュータ3はパスワードを要求する信号をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S51)。置き台2では、ネットワーク通信部92がそのパスワードを要求する信号を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S52)。
【0079】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、パスワードを要求する信号を受信し、制御部84の制御により、パスワードを要求する信号を受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S53)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がその信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92はその信号(ACK)をホストコンピュータ3に送信する(S54)。また、ハンディターミナル1では、第1の変換部85が制御部84の制御により記憶部81に記憶されているシリアルデータのパスワード(aaaa)をイーサ・パケットデータに変換する。第1のシリアル通信部86は、制御部84の制御により、第1の変換部85によって得られたイーサ・パケットデータのパスワード(aaaa)をシリアル通信により置き台2に送信する(S55)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのパスワード(aaaa)を受信し、ネットワーク通信部92はそのイーサ・パケットデータのパスワード(aaaa)をホストコンピュータ3に送信する(S56)。
【0080】
ホストコンピュータ3はパスワード(aaaa)を受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S57)。置き台2では、ネットワーク通信部92がその信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S58)。
【0081】
次に、ハンディターミナル1の第1のシリアル通信部86は制御部84の制御により置き台2に対してイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により接続要求を行なう(S71)。これにより第1セッションが中断するとともに、第2セッションが開始する。置き台2では、第2のシリアル通信部91がその接続要求を受信し、ネットワーク通信部92はその接続要求をイーサ・パケットデータによりホストコンピュータ3に送信する(S72)。
【0082】
ホストコンピュータ3は、置き台2からの接続要求を受信し、その接続要求に応じる旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S73)。置き台2では、ネットワーク通信部92がその接続要求に応じる旨の信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S74)。また、ホストコンピュータ3は、第1のイーサ・パケットデータを置き台2に送信する(S75)。置き台2では、ネットワーク通信部92がその第1のイーサ・パケットデータを受信し、第2のシリアル通信部91はその第1のイーサ・パケットデータをシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S76)。
【0083】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、その第1のイーサ・パケットデータを受信し、制御部84の制御により、その第1のイーサ・パケットデータを受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S77)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのその信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータによりホストコンピュータ3に送信する(S78)。
【0084】
ホストコンピュータ3は、第2のイーサ・パケットデータを置き台2に送信する(S79)。置き台2では、ネットワーク通信部92がその第2のイーサ・パケットデータを受信し、第2のシリアル通信部91はその第2のイーサ・パケットデータをシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S80)。
【0085】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、その第2のイーサ・パケットデータを受信し、制御部84の制御により、置き台2に対してイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により切断要求を行なう(S81)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がその切断要求を受信し、ネットワーク通信部92はその切断要求をイーサ・パケットデータによりホストコンピュータ3に送信する(S82)。ホストコンピュータ3は切断要求を受信すると、切断要求を受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S83)。置き台2では、ネットワーク通信部92がホストコンピュータ3からのその信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S84)。
【0086】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、その信号(ACK)を受信し、制御部84の制御により、その信号(ACK)を受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S85)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのその信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータによりホストコンピュータ3に送信する(S86)。これにより、ハンディターミナル1がホストコンピュータ3に対して開始した第2セッションが終了する。
【0087】
ホストコンピュータ3は結果通知をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S59)。これにより、第1セッションが再開する。置き台2では、ネットワーク通信部92がその結果通知を受信し、第2のシリアル通信部91はその結果通知をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S60)。
【0088】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、その結果通知を受信し、制御部84の制御により結果通知を受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S61)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのその信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータによりホストコンピュータ3に送信する(S62)。ホストコンピュータ3は、その信号(ACK)を受信し、その旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S63)。置き台2では、ネットワーク通信部92がホストコンピュータ3からのその信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S64)。
【0089】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、その信号(ACK)を受信し、制御部84の制御により置き台2に対してイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により切断要求を行なう(S65)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がその切断要求を受信し、ネットワーク通信部92はその切断要求をイーサ・パケットデータによりホストコンピュータ3に送信する(S66)。ホストコンピュータ3は切断要求を受信すると、切断要求を受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータにより置き台2に送信する(S67)。置き台2では、ネットワーク通信部92がホストコンピュータ3からのその信号(ACK)を受信し、第2のシリアル通信部91はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信によりハンディターミナル1に送信する(S68)。
【0090】
ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86が、その信号(ACK)を受信し、制御部84の制御により、その信号(ACK)を受信した旨の信号(ACK)をイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信により置き台2に送信する(S69)。置き台2では、第2のシリアル通信部91がハンディターミナル1からのその信号(ACK)を受信し、ネットワーク通信部92はその信号(ACK)をイーサ・パケットデータによりホストコンピュータ3に送信する(S70)。これにより、ハンディターミナル1がホストコンピュータ3に対して開始した第1セッションが終了する。
【0091】
このように、ハンディターミナル1がTCP/IP変換を行なう場合、ホストコンピュータ3とハンディターミナル1との間には、データのみで構成されたシリアルデータの送受信区間が存在しないため、第1セッションと第2セッションとが同時に成立する。
【0092】
なお、図14を用いた上記の説明では、第1セッションと第2セッションとが同時に成立する場合を説明したが、ハンディターミナル1がTCP/IP変換を行なうとともに、ホストコンピュータ3とハンディターミナル1との間にデータのみで構成されたシリアルデータの送受信区間が存在しなければ、ホストコンピュータ3とハンディターミナル1との間には、3個以上のセッションが同時に成立することも可能である。
【0093】
また、上述した説明では、ハンディターミナル1の第1のシリアル通信部86と、置き台2の第2のシリアル通信部91とは、いずれもイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なう。つまり、第1のシリアル通信部86と第2のシリアル通信部91との間の通信はシリアル通信あり、その通信に用いられるデータはシリアルデータではなくイーサ・パケットデータである。
【0094】
上述したように、ハンディターミナル1がTCP/IP変換機能を有するので、ホストコンピュータ3がハンディターミナル1に対して通信を開始することができるのみならず、ハンディターミナル1もホストコンピュータ3に対して通信を開始することができる。
【0095】
また、ハンディターミナル1がTCP/IP変換機能を有するので、本実施の形態における通信では、汎用的な通信プロトコルを使用することができる。汎用的な通信プロトコルは、例えば、FTP、Domain Name System(DNS)、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)、及びHTTPである。
【0096】
また、ハンディターミナル1がTCP/IP変換を行ない、ハンディターミナル1と置き台2との間でFTP層等のTCP/IP層よりも上位の層のネットワークプロトコルを使用すれば、ハンディターミナル1と、置き台2と、ホストコンピュータ3とは、従来よりもセキュアなネットワークプロトコルによりを通信することができる。ここで、セキュアな通信を行なうためのネットワークプロトコルは、例えば、File Transfer Protocol over SSL/TLS(FTPS)や、Hypertext Transfer Protocol Security(HTTPS)である。
【0097】
なお、上述した実施の形態では、置き台2の設定部94(例えば置き台2を構成する筐体の背面に設けられるディップスイッチ)に、第1の変換部85を動作させて第2の変換部93を動作させない第1のモードがユーザによって設定された場合を想定した。そして、その第1のモードの情報は第2のシリアル通信部91によってハンディターミナル1に送信され、ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86がその情報を受信し、制御部84が第1の変換部85を動作する状態に制御することを説明した。
【0098】
しかしながら、置き台2の設定部94には、第1の変換部85を動作させずに第2の変換部93を動作させる第2のモードがユーザによって設定されてもよい。その場合、設定された第2のモードの情報は第2のシリアル通信部91によってハンディターミナル1に送信され、ハンディターミナル1では、第1のシリアル通信部86がその情報を受信し、制御部84が第1の変換部85を動作しない状態に制御する。
【0099】
また、置き台2の第2のシリアル通信部91は、置き台2の設定部94に設定されたモードの情報を能動的にハンディターミナル1に送信しなくてもよい。つまり、ハンディターミナル1の第1のシリアル通信部86が設定部94に設定されているモードを問う信号を置き台2に送信した場合、第2のシリアル通信部91は、設定部94に設定されているモードの情報をハンディターミナル1に送信してもよい。すなわち、ハンディターミナル1は置き台2の設定部94に設定されているモードの情報を読み取ってもよい。
【0100】
また、第1のモード及び第2のモードは、置き台2の設定部94に設定されずに、ハンディターミナル1の設定部82に設定されてもよい。設定部82に第1のモード又は第2のモードが設定された場合、その情報は制御部84の制御により第1のシリアル通信部86によって置き台2に送信され、置き台2では、第2のシリアル通信部91がその情報を受信し、切替部96はその情報に応じて第2の変換部93を動作させない第1のモードと動作させる第2のモードとを切り替える。
【0101】
また、上述したように、置き台2の設定部94又はハンディターミナル1の設定部82に、ハンディターミナル1の第1の変換部85を動作させずに置き台2の第2の変換部93を動作させる第2のモードがユーザによって設定されてもよい。その場合、従来と同に、ハンディターミナル1の第1のシリアル通信部86と置き台2の第2のシリアル通信部91との間では、シリアルデータによる通信が行なわれ、置き台2の第2の変換部93がTCP/IP変換を行なう。つまり、第2の変換部93は、ハンディターミナル1からのシリアルデータをイーサ・パケットデータに変換し、ホストコンピュータ3からのイーサ・パケットデータをシリアルデータに変換する。
【0102】
この場合、従来のハンディターミナル101に慣れ親しんだユーザはハンディターミナル1を従来と同様に使用することができる効果が得られる。また、従来のハンディターミナル101もハンディターミナル1と併用することができる効果も得られる。
【0103】
また、ハンディターミナル1の記憶部81、設定部82、受付部83、制御部84、第1の変換部85、及び第1のシリアル通信部86、並びに置き台2の第2のシリアル通信部91、ネットワーク通信部92、第2の変換部93、設定部94、受付部95及び切替部96の全部又は一部は、専用回路又は専用部品により実現されてもよい。
【0104】
また、上述したように、ハンディターミナル1の一対の通信用接触端子17a,17b(図4及び図5参照)それぞれと、置き台2の一対の通信用接触金属端子27a,27b(図6参照)それぞれとが機械的にかつ電気的に接触するので、ハンディターミナル1の第1のシリアル通信部86と置き台2の第2のシリアル通信部91とは全二重通信を行なうことができる。すなわち、ハンディターミナル1と置き台2とは、FTP層等のTCP/IP層よりも上位のネットワークプロトコルの層による通信を効率的に行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明のハンディターミナルシステムはバーコード等の情報コードを読み取って管理するシステムとして有用であり、本発明のハンディターミナルは情報コードを読み取る装置として有用であり、本発明の置き台はハンディターミナルが載置される台として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本実施の形態のハンディターミナルシステムの概略を説明するための図
【図2】本実施の形態のハンディターミナルシステムの一般的な構成を説明するための図
【図3】正面から見たときの本実施の形態のハンディターミナル1の斜視図
【図4】背面から見たときの本実施の形態のハンディターミナル1の斜視図
【図5】背面から見たときの本実施の形態のハンディターミナル1の下部のみを拡大したときの斜視図
【図6】本実施の形態の置き台2の斜視図
【図7】ハンディターミナル1が置き台2に載置されたときの様子を示す図
【図8】通信に着目したときの本実施の形態のハンディターミナルシステムの概略を説明するための図
【図9】主として通信に着目したときの本実施の形態のハンディターミナルシステムを構成する各装置のハードウエアを示す図
【図10】本実施の形態のハンディターミナルシステムの通信に関する機能を示すブロック図
【図11】(A):イーサ・パケットの構成を説明するための図 (B):ネットワーク情報及び各種コマンドの例を示す図
【図12】本実施の形態のサーバ接続の場合の通信のシーケンス図
【図13】本実施の形態のクライアント接続の場合の通信のシーケンス図
【図14】複数のセッションが同時に成立する場合の通信のシーケンス図
【図15】従来のハンディターミナルシステムの構成を示す図
【図16】従来のハンディターミナルシステムにおける通信の流れの一例を示す図
【符号の説明】
【0107】
1 ハンディターミナル
2 置き台
3 ホストコンピュータ
4 充電池
5 乾電池
6 商用電源
7 通信ネットワーク
11 処理部
12 液晶表示装置
13 操作部
14 読取窓
15a,15b 一対の充電用接触端子
16 電源制御回路
17a,17b 一対の通信用接触端子
18 赤外線通信窓
19 記憶部
21 載置部
22 電源ポート
23 電源制御回路
24a,24b 一対の充電用接触金属端子
25 通信ポート
26 通信部
27a,27b 一対の通信用接触金属端子
81 記憶部
82 設定部
83 受付部
84 制御部
85 第1の変換部
86 第1のシリアル通信部
91 第2のシリアル通信部
92 ネットワーク通信部
93 第2の変換部
94 設定部
95 受付部
96 切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードを読み取るハンディターミナルと、
前記ハンディターミナルが載置される台であって、前記ハンディターミナルが載置された場合に前記ハンディターミナルと通信し、かつホストコンピュータと通信ネットワークを介して通信する置き台とを備え、
前記ハンディターミナルは、シリアルデータを前記通信ネットワークにおいて伝送可能なイーサ・パケットデータに変換するとともに、前記置き台からのイーサ・パケットデータをシリアルデータに変換するTCP/IP機能を持つ第1の変換部と、前記置き台との間でイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なう第1のシリアル通信部とを有し、
前記置き台は、前記ハンディターミナルが載置された場合に前記ハンディターミナルの前記第1のシリアル通信部とイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なう第2のシリアル通信部と、前記ホストコンピュータとの間でイーサ・パケットデータを通信するネットワーク通信部とを有する
ハンディターミナルシステム。
【請求項2】
前記置き台は、更に、シリアルデータをイーサ・パケットデータに変換するとともに、イーサ・パケットデータをシリアルデータに変換するTCP/IP機能を持つ第2の変換部を有し、
前記ハンディターミナル及び/又は前記置き台は、更に、前記第1の変換部がTCP/IP変換を実行する第1のモードと、前記第2の変換部がTCP/IP変換を実行する第2のモードとの何れかが設定される設定部を有し、
前記置き台は、更に、前記設定部に設定されたモードに応じて、前記第2の変換部によりTCP/IP変換を実行させる場合と実行させない場合とを切り替える切替部を有し、
前記ハンディターミナルは、更に、前記設定部に設定されたモードに応じて、前記第1の変換部によりTCP/IP変換を実行させる場合と実行させない場合とを制御する制御部を有する
請求項1に記載のハンディターミナルシステム。
【請求項3】
前記第1のモードが前記設定部に設定された場合、前記第1の変換部が動作し前記第2の変換部は動作せず、(A)前記第1のシリアル通信部はシリアル通信によりイーサ・パケットデータを前記置き台に送信し、前記第2のシリアル通信部は前記ハンディターミナルからシリアル通信によるイーサ・パケットデータを受信し、前記ネットワーク通信部は前記第2のシリアル通信部が受信するイーサ・パケットデータを前記ホストコンピュータに送信するとともに、(B)前記ネットワーク通信部は前記ホストコンピュータからイーサ・パケットデータを受信し、前記第2のシリアル通信部は前記ネットワーク通信部が受信するイーサ・パケットデータをシリアル通信により前記ハンディターミナルに送信し、前記第1のシリアル通信部は前記置き台からシリアル通信によるイーサ・パケットデータを受信し、
前記第2のモードが前記設定部に設定された場合、前記第1の変換部は動作せず前記第2の変換部が動作し、(C)前記第1のシリアル通信部はシリアルデータを前記置き台に送信し、前記第2のシリアル通信部は前記ハンディターミナルからシリアルデータを受信し、前記ネットワーク通信部は前記第2の変換部によって得られるイーサ・パケットデータを前記ホストコンピュータに送信するとともに、(D)前記ネットワーク通信部は前記ホストコンピュータからイーサ・パケットデータを受信し、前記第2のシリアル通信部は前記第2の変換部によって得られるシリアルデータを前記ハンディターミナルに送信し、前記第1のシリアル通信部は前記置き台からシリアルデータを受信する
請求項2に記載のハンディターミナルシステム。
【請求項4】
前記設定部は、前記置き台に設けられており、
前記第1のシリアル通信部は、前記設定部に設定されているモードを問う信号を前記置き台に送信し、
前記第2のシリアル通信部は、前記信号を受信した場合に前記設定部に設定されているモードの情報を前記ハンディターミナルに送信し、
前記制御部は、前記情報に応じて、前記第1の変換部によりTCP/IP変換を実行させる場合と実行させない場合とを制御する
請求項2に記載のハンディターミナルシステム。
【請求項5】
前記設定部は、前記置き台に設けられており、
前記第2のシリアル通信部は、前記設定部に設定されたモードの情報を前記ハンディターミナルに送信し、
前記制御部は、前記情報に応じて、前記第1の変換部によりTCP/IP変換を実行させる場合と実行させない場合とを制御する
請求項2に記載のハンディターミナルシステム。
【請求項6】
前記設定部は、前記置き台を構成する筐体の背面に設けられるディップスイッチである
請求項2に記載のハンディターミナルシステム。
【請求項7】
前記第1のシリアル通信部と前記第2のシリアル通信部とは、全二重通信を行なう
請求項1に記載のハンディターミナルシステム。
【請求項8】
情報コードを読み取り、ホストコンピュータと通信ネットワークを介して通信する置き台に載置された場合に前記置き台と通信するハンディターミナルであって、
シリアルデータを前記通信ネットワークにおいて伝送可能なイーサ・パケットデータに変換するとともに、前記置き台からのイーサ・パケットデータをシリアルデータに変換するTCP/IP機能を持つ変換部と、
前記置き台との間でイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なうシリアル通信部と
を備えるハンディターミナル。
【請求項9】
情報コードを読み取るハンディターミナルが載置される置き台であって、
前記ハンディターミナルが載置された場合に前記ハンディターミナルとイーサ・パケットデータを用いたシリアル通信を行なうシリアル通信部と、
ホストコンピュータとの間でイーサ・パケットデータを通信するネットワーク通信部と
を備える置き台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−28246(P2010−28246A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184295(P2008−184295)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】