説明

バイオマスからの液体燃料の合成

酸素化型炭化水素を液体燃料として有用なパラフィンに変換するプロセス及び反応システムを提供する。このプロセスは、使用した酸素化型炭化水素を、アルコール、フラン、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、ジオール、トリオール、及び/又はその他のポリオールといった酸素化物に変換し、次いで、この酸素化物を脱水素化とアルキル化によってパラフィンに変換する。酸素化型炭化水素は、いずれの源からのものでも良いが、バイオマス由来のものであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本出願は、2008年8月27日に出願した米国暫定出願第61/092,340号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料以外の供給源からエネルギィを提供する新しい技術開発に大きな注目が集まっている。バイオマスは、化石燃料の代替として有望な供給源である。化石燃料とは反対に、バイオマスは再生可能なエネルギィでもある。
【0003】
バイオマスの一つのタイプは植物バイオマスである。植物バイオマスは、高等植物の細胞壁からなるリグノセルロース物質であるため、世界中で最も豊富な炭水化物源である。植物の細胞壁は、一次細胞壁と二次細胞壁の二つの部分に分けられる。一次細胞壁は細胞を膨張させる構造を提供し、三つの主な多糖類(セルロース、ペクチン、及びヘミセルロース)と、一群の糖たんぱく質からなる。二次細胞壁は細胞の成長が終わった後に生産され、やはり多糖類を含み、ヘミセルロースに共有結合して架橋した高分子リグニンを介して強化される。ヘミセルロースとペクチンは、通常豊富にみられるが、セルロースは重要な多糖であり、最も豊富な炭水化物源である。
【0004】
船、列車、飛行機、自動車にかかわらず、ほとんどの運搬車輛は、内燃機関及び/又は推進機関による高い出力密度が必要である。これらのエンジンは、通常液状であるか、それほどではないにせよ圧縮ガスである燃料を清浄に燃焼させる必要がある。液体燃料は高い出力密度とポンプでくみ出すことができるためより移動可能であり、従って取り扱いがより容易である。このため、ほとんどの燃料は液状である。
【0005】
現在のところ、バイオマスは液体輸送燃料の唯一の再生可能な代替物を提供している。核や風力のアプリケーションと異なり、また、ほとんどの太陽発電リソースの代わりに、バイオマスは液状に変換できる。残念なことに、液状バイオ燃料を生産する新しい技術開発の進歩は遅く、特に、現状のインフラストラクチュアにあった液体燃料生成物の開発は遅れている。エタノール、メタノール、フィッシャートロプシュディーゼル、水素やメタンなどの気体燃料、といった様々な燃料をバイオマス源から生産することができるが、これらの燃料は、その特性に適した新しい配電技術及び/又は燃焼技術が必要である。これらの燃料の生産も、高価になる傾向があり、正味の二酸化炭素節減に関する疑問が生じる。
【0006】
例えば、エタノールはバイオマス由来の炭水化物を糖に変換することによってできる。この糖は、更に、ビールの醸造と同様の発酵工程においてエタノールに変換される。エタノールは、今日、最も広く用いられているバイオ燃料であり、現在、トウモロコシなどのでんぷん作物をベースにして毎年43億ガロンの生産量がある。しかしながら、エタノールは、生産に必要なエネルギィ量に対する燃料としてのエネルギィ値に大きな欠点がある。発酵によって生産されたエタノールは、初期には約5%体積のエタノール水溶液として提供される。この水分の除去が大変であり、エネルギィを消費し、しばしば熱源として天然ガスや石炭を使用する必要がある。また、エタノールはガソリンよりエネルギィ含量が低いため、より多くの燃料が必要であり、燃費効率が低い。エタノールはまた、燃料システムに対して浸食性であり、石油パイプラインで送ることができないため、タンクトラックで道路を通って配布することになり、全体的なコストとエネルギィ消費が増える。農機具、耕作、植林、肥料、農薬、殺虫剤、石油ベースの防かび剤、灌漑システム、収穫、植物処理のための移送、発酵、上流、乾燥、燃料ターミナルへの移送、小売ポンプ、及びより低いエタノール燃料エネルギィ含量によって消費される総エネルギィを考えると、消費者に与えられ、送達される正味エネルギィ含量は非常に小さい。
【0007】
バイオディーゼルはもう一つの潜在的なエネルギィ源である。バイオディーゼルは、ベジタブルオイル、動物性油脂、廃棄ベジタブルオイル、微細藻オイル、あるいはリサイクルしたレストランのグリースから作ることができ、有機的に抽出したオイルを触媒存在下でアルコール(エタノール又はメタノール)と混合してエチル又はメチルエステルを形成するプロセスを介して生産される。バイオマスから抽出したエチル又はメチルエステルは、従来のディーゼル燃料と混ぜることができ、また、原燃料(100%バイオディーゼル)として使用できる。バイオディーゼルは、また、生産が高価であり、使用と燃焼に様々な問題を抱えている。例えば、バイオディーゼルは低温での使用に適しておらず、低温ではゲル化を防ぐための特別な操作が必要である。バイオディーゼルは、また、酸化窒素の排出がより多く、石油パイプラインで運ぶことができない。
【0008】
バイオマスは、また、ガス化して、合成ガス又はバイオ合成ガスと呼ばれる主に水素と一酸化炭素からなる合成ガスを製造することができる。今日製造される合成ガスは、熱と電力の生産に直接的に使用されるが、いくつかのタイプのバイオ燃料は、合成ガスから抽出することができる。水素は、合成ガスから回収することができ、合成ガスは触媒活性的にメタノールに変換することができる。このガスは、また、生物学的反応器を通って、エタノールを生成し、あるいはフィッシャートロプシュ触媒を用いて、フィッシャートロプシュディーゼルと呼ばれるディーゼル燃料と同じ特性を有する液状ストリームに変換される。これらのプロセスは高価であり、現在の移送技術では、簡単に移送できない燃料を生産する。触媒技術を用いてバイオマスを変換するプロセスは、現在の燃料業界内で良く知られているため、特別に有利である。
【発明の概要】
【0009】
本発明はバイオマス由来の酸素化型炭化水素からC6+パラフィンを製造する方法及び反応システムを提供する。この方法は、一般的に:(1)水素、水、及びC2+1+炭化水素を含む水溶性酸素化型炭化水素を、脱酸素化温度と脱酸素化圧力で脱酸素化触媒の存在下で触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素を含む酸素化物を生成するステップと、(2)脱水触媒の存在下で脱水温度及び脱水圧力でC2+1−3炭化水素を触媒活性的に反応させてC2+オレフィンを含む反応ストリームを生成するステップと、(3)アルキル化触媒の存在下でアルキル化温度及びアルキル化圧力でこのC2+オレフィンをC4+イソパラフィンのストリームと触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを生成するステップと、を具える。
【0010】
一の実施態様では、この水素は、インサイチュウで発生したAPR水素、外部水素、再循環水素、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。一のバージョンでは、この水素の少なくとも一部が、前記水の第1部分と酸素化型炭化水素を、水相改質触媒(APR触媒)の存在下で、改質温度及び改質圧力で触媒活性的に反応させてAPR水素を生成するステップを含む方法によって生成されたAPR水素である。別のバージョンでは、酸素化型炭化水素を脱酸素化触媒の存在下で水素と触媒活性的に反応させるステップが、わずかな有効量の外部水素の存在下で実行される。更に別のバージョンでは、酸素化型炭化水素中の総酸素原子の、補填水素中の総水素原子に対するモル比が1:1より小さい。
【0011】
本発明の一の態様は、従来の液体燃料と化学物質をバイオマス由来の酸素化型炭化水素から生産できることである。この酸素化型炭化水素は、2又はそれ以上の炭素原子と少なくとも1の酸素原子を有する水溶性酸素化型炭化水素(C2+1+炭化水素)であってもよい。一のバージョンでは、C2+1+炭化水素は、糖アルコール、糖、モノサッカライド、ジサッカライド、ポリサッカライド、セルロース誘導体、リグニン誘導体、ヘミセルロース誘導体、又はこれらの2又はそれ以上の混合物からなる群から選択された員を含む。別のバージョンでは、酸素化型炭化水素は、C2−121−11炭化水素であるか、あるいはC2−61−6炭化水素である。更に別のバージョンでは、C2+1+炭化水素は、糖、糖アルコール、モノサッカライド、ジサッカライド、アルジトール、セルロース誘導体、リグノセルロース誘導体、グルコース、フラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、マンノース、キシロース、アラビトール、エリトリトール、グリセロール、イソマルト、ラクチトール、マリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、及びこれらの2又はそれ以上の混合物を含む。別の実施態様では、この酸素化型炭化水素は更に、再循環C2+1+炭化水素を具える。
【0012】
酸素化物は、2又はそれ以上の炭素原子と1乃至3の酸素原子を有する炭化水素(以下、C2+1−3炭化水素という)であってもよい。一の実施態様では、この酸素化物は、アルコール、ケトン、アルデヒド、フラン、ジオール、トリオール、ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸、又はこれらの2又はそれ以上の混合物を含む。別の実施態様では、この酸素化物は、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロペンタノール、ヒドロキシケトン、環状ケトン、アセトン、プロパノン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、2−メチルシクロペンタノン、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、メチルグリオキサル、ブタンジオン、ペンタンジオン、ジケトヘキサン、ヒドロキシアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、乳酸、グリセロール、フラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、2−フランメタノール、2−メチル−テトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、2−エチル−テトラヒドロフラン、2−メチルフラン、2−エチルフラン、2,5−ジメチルフラン、3−ヒドロキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロ−3−フラノール、ヒドロキシルメチルフルフラール、テトラヒドロ−2−フロン酸、5−ヒドロキシメチル−2(5H)−フラノン、ジヒドロ−5−(ヒドロキシメチル)−2(3H)−フラノン、1−(2−フリル)エタノール、ジヒドロ−5−(ヒドロキシメチル)−2(3H)−フラノン、ヒドロキシメチルテトラヒドロフルフラール、及びテトラヒドロフルフリルアルコール、これらの異性体、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。更に別の実施態様では、この酸素化物が更に、再循環C2+1−3炭化水素を含む。
【0013】
2+1−3炭化水素は、水素、水、及び水溶性酸素化型炭化水素を、脱酸素化温度と脱酸素化圧力で脱酸素化触媒の存在下で触媒活性的に反応させて生成する。この反応は、液相、蒸気相、あるいはこれらの組み合わせのいずれにおいても行うことができる。脱酸素化触媒は、水素と酸素化型炭化水素間の反応を触媒して、酸素化型炭化水素から1又はそれ以上の酸素原子を除去して、アルコール、ケトン、アルデヒド、フラン、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ジオール及びトリオールを生成することができる、1又はそれ以上の物質を有する不均一系触媒である。一のバージョンでは、脱酸素化触媒は、担体と、Re、Cu、Fe、Ru、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、W、Os、Mo、Ag、Au、これらの元素の2又はそれ以上の合金、あるいはこれらの元素の2又はそれ以上の組み合わせを含む。別のバージョンでは、脱酸素化触媒が更に、Mn、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Y、La、Sc、Zn、Cd、Ag、Au、Sn、Ge、P、Al、Ga、In、Tl、あるいはこれらの元素の2又はそれ以上の組み合わせを含む。一の実施態様では、担体が更に、窒化物、炭素、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、バナジア、セリア、窒化ホウ素、ヘテロポリ酸、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、クロミア、あるいはこれらの2又はそれ以上の混合物を含む。別の実施態様では、担体が過酸化水素処理をした炭素である。別の実施態様では、担体が、シラン、アルカリ化合物、アルカリ土類化合物、又はランタニドである改質材で担体を処理することによって改質されている。更に別の実施態様では、担体がカーボンナノチューブ、カーボンフラーレン、及びゼオライトを含む。
【0014】
脱酸素反応は、熱力学が役立つ温度で行われる。一の実施態様では、脱酸素化温度は、約100℃乃至600℃の範囲にあり、脱酸素化圧力は少なくとも0.1気圧である。別の実施態様では、脱酸素化温度が約80℃乃至約300℃の範囲にあり、脱酸素化圧力は、水と酸素化型炭化水素が液体である圧力である。更に別の実施態様では、脱酸素化温度が約200℃乃至約280℃の範囲にあり、脱酸素化圧力は水と酸素化型炭化水素が液体である圧力である。
【0015】
別の実施態様では、脱酸素化温度が約100℃乃至600℃の範囲であり、脱酸素化圧力は水と酸素化型炭化水素がガス状である圧力である。一のバージョンでは、脱酸素化温度が約200℃乃至280℃の範囲にあり、脱酸素化圧力は水と酸素化型炭化水素がガス状である圧力である。別の実施態様では、脱酸素化温度が約100℃乃至450℃の範囲にあり、脱酸素化圧力が72psig乃至1300psigである。更に別の実施態様では、脱酸素化温度が約120℃乃至300℃の範囲にあり、脱酸素化圧力が72psig乃至1200psigである。更に別のバージョンでは、脱酸素化温度が約200℃乃至約280℃の範囲にあり、脱酸素化圧力が200psig乃至725psigである。
【0016】
本発明の別の態様は、水相改質触媒(APR触媒)の存在下で改質温度及び改質圧力で一部の水と酸素化型炭化水素を触媒活性的に反応させて、インサイチュウで生成したAPR水素を生成することによって、システム中で用いる水素をインサイチュウで生成することができる。この反応は、蒸気相、液相、あるいはこれらの組み合わせで行っても良い。APR触媒は、好ましくは、水と酸素化型炭化水素の反応を触媒して、APR水素、CO、CO及び水を含むAPR水素ストリームを作ることができる不均一系触媒である。一の実施態様では、水相改質触媒が、担体と、Fe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、これらの2又はそれ以上の合金、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。別の実施態様では、水相改質触媒が更に、Cu、B、Mn、Re、Cr、Mo、Bi、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Y、La、Sc、Zn、Cd、Ag、Au、Sn、Ge、P、Al、Ga、In、Tl、これらの2又はそれ以上の合金、まるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。担体は、一般的に、脱酸素化触媒について述べた上述の担体のいずれか一つを含む。所定の実施態様では、1又はそれ以上のAPR触媒、脱酸素化触媒、及びアルキル化触媒が、原子的に同一である。
【0017】
別の実施態様では、APR触媒と脱酸素化触媒は、Ni、Ru、Cu、Fe、Rh、Re、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせと合金された又は混合されたPtを含む。一のバージョンでは、APR触媒と酸素触媒は、Ge、Bi、B、Ni、Sn、Cu、Fe、Rh、Pt、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせと合金された又は混合されたRuを含む。別の実施態様では、APR触媒は、Sn、Ge、Bi、B、Cu、Ru、Fe、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせと合金された又は混合されたNiを含む。
【0018】
APR反応は、熱力学が役立つ温度で行われる。一の実施態様では、改質温度が、約100℃乃至450℃の範囲にあり、改質圧力は水と酸素化型炭化水素がガス状である圧力である。別の実施態様では、改質温度が約100℃乃至約300℃の範囲にあり、改質圧力が、水と酸素化型炭化水素がガス状である圧力である。更に別の実施態様では、改質温度が約80℃乃至約400℃の範囲にあり、改質圧力が水と酸素化型炭化水素が液体である圧力である。
【0019】
別の実施態様では、APR反応と脱酸素反応が同じ反応器中で行われる。一のバージョンでは、改質温度と脱酸素化温度が約100℃乃至450℃の範囲にあり、改質圧力と脱酸素化圧力が約72psig乃至1300psigである。更に別のバージョンでは、改質温度と脱酸素化温度が約120℃乃至約300℃の範囲にあり、改質圧力と脱酸素化圧力が約72psig乃至1200psigである。更に別のバージョンでは、改質温度と脱酸素化温度が約200℃乃至約280℃の範囲にあり、改質圧力と脱酸素化圧力が約200psig乃至725psigである。
【0020】
2+オレフィンは、C2+1−3炭化水素を脱水素化触媒の存在下で、脱水素温度と脱水素圧力で触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンを含む反応ストリームを生成することによって生成される。C2+オレフィンは、1又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を含む直鎖又は分枝炭化水素を含む。一般的に、C2+オレフィンは、2乃至8の炭素原子を、より好ましくは3乃至5の炭素原子を含む。一の実施態様では、C2+オレフィンは、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、これらの異性体、及びこれらの1又はそれ以上の混合物を含む。別の実施態様では、C2+オレフィンは、C2+オレフィンの一部をオレフィン異性化触媒上で触媒活性的に反応させて生成したC4+オレフィンを含む。
【0021】
脱水素化触媒は、酸化アルミナ、リン酸アルミナ、リン酸シリカ−アルミナ、非晶質シリカ−アルミナ、アルミノケイ酸、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン化ジルコニア、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイド、チタニア、硫酸化炭素、リン酸化炭素、リン酸化シリカ、リン酸化アルミナ、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、無機酸、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含む。一の実施態様では、脱水素化触媒は更に、Ce、Y、Sc、La、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、P、B、Bi、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された改質剤を含む。別の実施態様では、脱水素化触媒は更に、元素の酸化物を含み、この元素がTi、Zr、V、Nb、Ta、Mo、Cr、W、Mn、Re、Al、Ga、In、Fe、Co、Ir、Ni、Si、Cu、Zn、Sn、Cd、P、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択される。更に別の実施態様では、脱水素化触媒が更に、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの2又はそれ以上の合金、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された金属を含む。
【0022】
別の実施態様では、脱水素化触媒は、アルミノケイ酸ゼオライトを含む。一のバージョンでは、脱水素化触媒が更に、Ga、In、Zn、Fe、Mo、Ag、Au、Ni、P、Sc、Y、Ta、ランタニド、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された改質剤を含む。別のバージョンでは、脱水素化触媒が更に、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの2又はそれ以上の合金、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された金属を含む。
【0023】
別の実施態様では、脱水素化触媒が二官能ペンタシル環含有アルミノケイ酸ゼオライトを含む。一のバージョンでは、脱水素化触媒が更に、Ga、In、Zn、Fe、Mo、Ag、Au、Ni、P、Sc、Y、Ta、ランタニド、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された改質剤を含む。別のバージョンでは、脱水素化触媒が更に、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの2又はそれ以上の合金、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された金属を含む。
【0024】
脱水素反応は、熱力学が役立つ温度及び圧力で行われる。一般的には、反応は蒸気相、液相、あるいはこれらの組み合わせで行うことができる。一の実施態様では、脱水素温度が、約100℃乃至500℃の範囲にあり、脱水素圧力は約0psig乃至900psigの範囲である。別の実施態様では、脱水素温度が約125℃乃至約450℃の範囲にあり、脱水素圧力が、少なくとも2psigである。別のバージョンでは、脱水素温度が約150℃乃至約350℃の範囲にあり、脱水素圧力が約100psig乃至800psigの範囲である。更に別のバージョンでは、脱水素温度が約175℃乃至325℃の範囲である。
【0025】
6+パラフィンは、C2+オレフィンを、アルキル化触媒の存在下で、アルキル化温度とアルキル化圧力でC4+イソパラフィンのストリームと触媒活性的に反応させてC6+パラフィンを含む製品ストリームを作ることによって生成される。C4+イソパラフィンは、アルカンと、イソブタン、イソペンタン、ナフテンなどの4乃至7の炭素原子を有するシクロアルカン、第3炭素原子を有するより高次の同族体(例えば、2−メチルブタンや、2,4−ジメチルペンタン)、これらの異性体、及びこれらの2又はそれ以上の混合物を含む。一の実施態様では、C4+イソパラフィンのストリームは、内部的に発生したC4+イソパラフィン、外部C4+イソパラフィン、再循環C4+イソパラフィン、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。
【0026】
6+パラフィンは、通常分枝パラフィンであるが、通常のパラフィンを含んでいても良い。一のバージョンでは、C6+パラフィンは、分枝C6−10アルカン、分枝Cアルカン、分枝Cアルカン、分枝Cアルカン、分枝Cアルカン、分枝C10アルカン、又はこれらの2又はそれ以上の混合物からなる群から選択された員を含む。一のバージョンでは、C6+パラフィンは、ジメチルブタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、メチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,3,4−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、ジメチルヘキサン、又はこれらの2又はそれ以上の混合物を含む。
【0027】
アルキル化触媒は、硫酸、フッ化水素酸、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、固体リン酸、塩化アルミナ、酸性アルミナ、リン酸アルミニウム、リン酸シリカ−アルミナ、非晶質シリカ−アルミナ、アルミノケイ酸、アルミノケイ酸ゼオライト、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン化ジルコニア、タングステン化カーバイド、炭化モリブデン、チタニア、硫化炭素、リン酸化炭素、リン酸化シリカ、リン酸化アルミナ、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、無機酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された員を含む。アルキル化触媒は、また、鉱酸と臭化アルミニウムなどのフリーデル・クラフツメタルハライドの混合物、及びその他のプロトン供与体からなる、鉱酸の混合物を含む。
【0028】
一実施態様では、アルキル化触媒がアルミノケイ酸ゼオライトを含む。一のバージョンでは、アルキル化触媒が更に、Ga、In、Zn、Fe、Mo、Ag、Au、Ni、P、Sc、Y、Ta、ランタニド、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された改質剤を含む。別のバージョンでは、アルキル化触媒が更に、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの2又はそれ以上の合金、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された金属を含む。
【0029】
別の実施態様では、アルキル化触媒が二官能ペンタシル環含有アルミノケイ酸ゼオライトを含む。一のバージョンでは、アルキル化触媒が更に、Ga、In、Zn、Fe、Mo、Ag、Au、Ni、P、Sc、Y、Ta、ランタニド、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された改質剤を含む。別のバージョンでは、アルキル化触媒が更に、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの2又はそれ以上の合金、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された金属を含む。一のバージョンでは、脱水素化触媒とアルキル化触媒が原子的に同一である。
【0030】
アルキル化反応は、熱力学が役立つ温度及び圧力で行われる。一般的には、アルキル化温度が、約−20℃乃至300℃の範囲にあり、アルキル化圧力は約0psig乃至1200psigの範囲である。一のバージョンでは、アルキル化温度が約100℃乃至約300℃の範囲にある。別のバージョンでは、アルキル化温度が約0℃乃至約100℃の範囲にあり、アルキル化圧力が、約100psigである。更に別のバージョンでは、アルキル化温度が約0℃乃至約50℃の範囲にあり、アルキル化圧力が300psigより低い。更に別のバージョンでは、アルキル化温度が約70℃乃至250℃の範囲であり、アルキル化圧力が、約100psig乃至1200psigの範囲である。一の実施態様では、アルキル化触媒が、鉱酸又は強酸を含み、アルキル化温度が80℃より低い。別の実施態様では、アルキル化触媒がゼオライトを含み、アルキル化温度が100℃より高い。
【0031】
本発明のもう一つの態様は、C4+直鎖パラフィン、芳香族、及び/又はナフテンを含むイソパラフィン原料ストリームを、異性化触媒の存在下で異性化温度と異性化圧力で触媒活性的に反応させて内部的に発生したC4+イソパラフィンを生成することによって、C4+イソパラフィンを発生することができることである。C4+直鎖パラフィンは、通常、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へパテン、及びこれらの2又はそれ以上の混合物など、4乃至7の炭素原子を有するアルカンを含む。一の構成では、イソパラフィン原料ストリームは、アルキル化触媒の上流で、C2+1−3炭化水素(酸素化物)を有する反応ストリーム又はC2+オレフィンを有する反応ストリームから回収され、内部的に発生したC4+イソパラフィンを生成するように処理される。別の構成では、C4+直鎖パラフィン、芳香族、及び/又はナフテンを、アルキル化触媒の下流で、C6+パラフィンを有する製品ストリームから回収して、再循環させて内部的に発生したC4+イソパラフィンを生成する。C4+イソパラフィンは、外部源から単独で提供することもでき、あるいは、内部的に発生したC4+イソパラフィンを補填するのに使用することもできる。別のバージョンでは、C4+イソパラフィンが、C6+パラフィンを有する製品ストリームから回収した再循環C4+イソパラフィンである。
【0032】
異性化触媒は、C4+直鎖パラフィンと、芳香族又はナフテンを反応させてC4+イソパラフィンを生成できる触媒である。一のバージョンでは、異性化触媒は、ゼオライト、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン化ジルコニア、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミン酸亜鉛、塩化アルミナ、リン酸、あるいはこれらの2又はそれ以上の混合物を含む。別のバージョンでは、異性化触媒が、酸性ベータ(acidic beta)、モルデナイト、又はZSM−5ゼオライトである。更に別のバージョンでは、異性化触媒が更に、Y、Pt、Ru、Pd、Ni、Rh、Ir、Fe、Co、Os、Zn、ランタナイド、あるいはこれらの2又はそれ以上の合金又は組み合わせからなる群から選択された金属を含む。更なる別のバージョンでは、異性化触媒が、担体を含み、この担体は、アルミナ、硫酸化酸化物、クレイ、シリカゲル、リン酸アルミニウム、ベントナイト、カオリン、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、活性アルミナ、ボーキサイト、シリカ、シリカ−アルミナ、活性炭素、軽石、ジルコニア、チタニア、ジルコニウム、チタン、珪藻土、又はゼオライトを含む。
【0033】
一の実施態様では、異性化触媒がIVB族金属の硫酸化物又は水酸化物、少なくとも一のIIIA族化合物、及びVIII族金属でできた担体を含む。一のバージョンでは、IVB族金属が、ジルコニウム、チタン、あるいはこれらの混合物を含み、IIIA族化合物は、ガリウム、インジウム、又はこれらの混合物を含む。別のバージョンでは、VIII族金属が、Pd、Pt、Ru、Rh、Ir、Os、これらの2又はそれ以上の合金、あるいはこれらの2又はそれ以上の混合物を含む。更に別のバージョンでは、パラフィン異性化触媒が更に、Fe、Co、Ni、Re、Y、Eu、Tm、Ho、Er、Yb、Tb、あるいはこれらの2又はそれ以上の合金又は混合物を含む。C4+直鎖パラフィンは、通常、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へパテン、及びこれらの2又はそれ以上の混合物など、4乃至7の炭素原子を有するアルカンを含む。芳香族は、ベンゼン、トルエン、キシレン、これらの異性体、及びこれらの2又はそれ以上の混合物を含む。
【0034】
異性化反応は、熱力学が好ましい温度及び圧力で行われる。一のバージョンでは、異性化温度が約100℃乃至約250℃の範囲にあり、異性化圧力が、約100psig乃至800psigである。別のバージョンでは、異性化温度が約125℃乃至約225℃の範囲にあり、異性化圧力が100psig乃至1200psigである。更に別のバージョンでは、異性化温度が約200℃乃至350℃の範囲であり、異性化圧力が、約100psig乃至1200psigの範囲である。
【0035】
異性化反応は、また、使用する異性化触媒を考慮した温度及び圧力で行わなくてはならない。一の実施態様では、異性化触媒が塩化アルミナを含んでおり、異性化温度が約100℃乃至約250℃の範囲、異性化圧力が約100psig乃至800psigの範囲である。別の実施態様では、異性化触媒が硫酸化ジルコニア又はタングステン化ジルコニアを含み、異性化温度が約125℃乃至約225℃の範囲、異性化圧力が100psig乃至1200psigの範囲である。更に別のバージョンでは、異性化触媒がゼオライトを含み、異性化温度が約200℃乃至350℃の範囲、異性化圧力が、約100psig乃至1200psigの範囲である。
【0036】
本発明の別の実施態様では、この方法が更に、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを、水素化分解触媒の存在下で水素化分解温度と水素化分解圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具える。一のバージョンでは、水素化分解温度が少なくとも110℃であり、水素化分解圧力が10psig乃至2400psigの範囲である。別のバージョンでは、水素化分解温度が約110℃乃至300℃の範囲にある。水素化分解触媒は通常、リン酸塩、Cr、 Mo、W、Re、Mn、Cu、Cd、Fe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。一のバージョンでは、水素化分解触媒は更に、Au、Ag、Zn、Sn、Bi、B、Cr、Mr、O、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。別のバージョンでは、水素化分解触媒が更に、アルカリ土類金属酸化物を含む。更なる別のバージョンでは、水素化分解触媒が更に、上述の担体のいずれか一つを含む。一の実施態様では、この水素はインサイチュウで生成されたAPR水素、外部水素、再循環水素、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。
【0037】
本発明の別の実施態様では、この方法が更に、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、又はフランを、水素化分解触媒の存在下で水素化分解温度と水素化分解圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具える。一のバージョンでは、水素化分解温度が約80℃乃至250℃の範囲にあり、水素化分解圧力が100psig乃至2000psigの範囲である。水素化分解触媒は通常、担体と、Fe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、Re、Cu、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。一のバージョンでは、水素化分解触媒が更に、Ag、Au、Cr、Zn、Mn、Sn、Bi、Mo、W、B、P、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。別のバージョンでは、担体が上述の担体のいずれか一つを含む。一の実施態様では、この水素はインサイチュウで生成されたAPR水素、外部水素、再循環水素、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。
【0038】
別の実施態様では、この方法が更に、C2+1−3炭化水素を脱水素化触媒の存在下で反応させるステップの前に、C2+1−3炭化水素を水素化分解触媒の存在下で反応させるステップを具える。この場合、C2+1−3炭化水素が水素化分解触媒の存在下で水素化分解温度と水素化分解圧力で反応して、C2+1−3ヒドロキシ化合物を含む酸素化型炭化水素を生成する。一のバージョンでは、水素化分解温度が約80℃乃至250℃の範囲にあり、水素化分解圧力が100psig乃至2000psigの範囲である。水素化分解触媒は通常、担体と、Fe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、Re、Cu、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。一のバージョンでは、水素化分解触媒が更に、Ag、Au、Cr、Zn、Mn、Sn、Bi、Mo、W、B、P、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。別のバージョンでは、担体が上述の担体のいずれか一つを含む。一の実施態様では、この水素はインサイチュウで生成されたAPR水素、外部水素、再循環水素、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む。
【0039】
本発明の別の態様は、C6+分枝炭化水素を作る方法であり、この方法は:(1)水と、C2+1−3炭化水素を含む水溶性酸素化型炭化水素を提供し、この水と水溶性酸素化型炭化水素の第1部分を液相及び/又は蒸気相中で、APR触媒の存在下で改質温度と改質圧力で触媒活性的に反応させて、APR水素、CO、CO、及び水を含むAPRストリームを作るステップと;(2)脱酸素化触媒の存在下で脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で、水溶性酸素化型炭化水素の第2部分をインサイチュウで発生したAPR水素と触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素を含む酸素化物を生成するステップと;(3)脱酸素化触媒の存在下で脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で、C2+1−3炭化水素の一部を触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンを生成するステップと;及び(4)このC2+オレフィンをアルキル化触媒の存在下で、アルキル化温度とアルキル化圧力でC4+イソパラフィンのストリームと触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを生成するステップと、を具える。一の実施態様では、この方法が更に、補填水素を提供するステップと、水溶性酸素化型炭化水素の一部を、脱酸素化触媒の存在下で脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で、補填水素と触媒活性的に反応させて、前記酸素化物を生成するステップを具える。一のバージョンでは、C4+イソパラフィンは、内部的に生じたC4+イソパラフィン、外部C4+イソパラフィン、再循環C4+イソパラフィン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを具える。別のバージョンでは、脱酸素化触媒、APR触媒、脱水素化触媒、及びアルキル化触媒の1又はそれ以上が原子的に同一である。
【0040】
本発明の別の態様は、C6+パラフィンの製造方法であり、この方法は:(1)水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含む水溶液を提供し、このポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせを、脱水素化触媒の存在下で脱水素温度と脱水素圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、C1+1+炭化水素を含む水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップと;(2)この水と水溶性酸素化型炭化水素の第1部分を、APR触媒の存在下で改質温度と改質圧力で触媒活性的に反応させて、APR水素、CO、CO、及び水を含むAPRストリームを作るステップと;(3)脱酸素化触媒の存在下で脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で、この酸素化型炭化水素の第2部分をAPR水素と触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素を含む酸素化物を生成するステップと;(4)脱酸素化触媒の存在下で脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で、この酸素化物の一部を触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンを生成するステップと;及び(5)このC2+オレフィンをアルキル化触媒の存在下で、アルキル化温度とアルキル化圧力でC4+イソパラフィンのストリームと触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを生成するステップと、を具える。一のバージョンでは、この方法が更に、APR水素、又は外部水素、再循環水素、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む補填水素を提供するステップと、この補填水素をポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせと、及び/又は、C2+1−3酸素化型炭化水素と反応させるステップと、を具える。別のバージョンでは、C4+イソパラフィンが、内部的に生じたC4+イソパラフィン、外部C4+イソパラフィン、再循環C4+イソパラフィン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを具える。
【0041】
本発明の別の態様は、C6+パラフィンの製造方法であり、この方法は:(1)水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む水溶液を提供し、この糖、糖アルコール、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、又は組み合わせを、脱水素化触媒の存在下で脱水素温度と脱水素圧力で水素と反応させて、C1−41−4炭化水素を含む酸素化型炭化水素を生成するステップと;(2)この水と酸素化型炭化水素の一部を、水相改質触媒の存在下で改質温度と改質圧力で触媒活性的に反応させて、APR水素、CO、CO、及び水を含むAPRストリームを作るステップと;(3)脱酸素化触媒の存在下で脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で、この酸素化型炭化水素をAPR水素と触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素を含む酸素化物を生成するステップと;(4)脱水素化触媒の存在下で脱水素温度及び脱水素圧力で、この酸素化物の一部を触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンを生成するステップと;及び(5)このC2+オレフィンをアルキル化触媒の存在下で、アルキル化温度とアルキル化圧力でC4+イソパラフィンのストリームと触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを生成するステップと、を具える。一のバージョンでは、この方法が更に、APR水素、又は外部水素、再循環水素、又はこれらの組み合わせを含む補填水素を提供するステップと、このAPR水素又は補填水素をポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせと、及び/又は、C1+1−3酸素化型炭化水素と反応させるステップと、を具える。別のバージョンでは、C4+イソパラフィンが、内部的に生じたC4+イソパラフィン、外部C4+イソパラフィン、再循環C4+イソパラフィン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを具える。
【0042】
本発明の別の態様は、C6+パラフィンを作る方法であり、この方法は:(1)水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択した水溶性酸素化型炭化水素を含む水溶液を提供し、このポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを、第1の水素化触媒の存在下で第1の水素温度と第1の水素圧力で水素と反応させて、C1+1+炭化水素を含む水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップと;(2)この水と酸素化型炭化水素の第1の部分を、APR触媒の存在下で改質温度と改質圧力で触媒活性的に反応させて、水素、CO、CO、及び水を含むAPRストリームを作るステップと;(3)この水と酸素化型炭化水素の第2の部分を、脱酸素化触媒の存在下で脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で、APR水素と触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素を含む酸素化物を生成するステップと;(4)第2の水素化触媒の存在下で水素温度及び水素圧力で、このC2+1−3炭化水素の一部を水素と触媒活性的に反応させて、C2+ヒドロキシル化合物を生成するステップと;(5)このC2+ヒドロキシル化合物の一部を脱水素化触媒の存在下で、脱水素温度と脱水素圧力で触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンを生成するステップと;及び(6)アルキル化触媒の存在下で、アルキル化温度とアルキル化圧力で、このC2+オレフィンをC4+イソパラフィンのストリームと触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを生成するステップと、を具える。一のバージョンでは、この方法が更に、APR水素、又は外部水素、再循環水素、又はこれらの組み合わせを含む補填水素を提供するステップと、このAPR水素又は補填水素を、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせ、及び/又は、C2+1−3酸素化型炭化水素と反応させるステップと、を具える。別のバージョンでは、C4+イソパラフィンが、インサイチュウで生じたC4+イソパラフィン、外部C4+イソパラフィン、再循環C4+イソパラフィン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを具える。
【0043】
本発明の別の態様は、C6+パラフィンを作る方法であり、この方法は:(1)水素と、水と、水溶性酸素化型炭化水素を、脱酸素化触媒の存在下で脱酸素化温度と脱酸素化圧力で反応させて、C2+1−3炭化水素と、1又はそれ以上のC4+直鎖パラフィン、芳香族又はナフテンを含む酸素化型反応ストリームを作るステップと;(2)このC4+直鎖パラフィン、芳香族又はナフテンの一部を回収して、C4+直鎖パラフィン、芳香族又はナフテンの一部を異性化触媒の存在下で触媒活性的に反応させて、C4+イソパラフィンのストリームを作るステップと;(3)脱水素化触媒の存在下で脱水素温度及び脱水素圧力で、C2+1―3炭化水素の一部を水素と触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンを生成するステップと;(4)アルキル化触媒の存在下でアルキル化温度及びアルキル化圧力で、このC2+オレフィンをC4+イソパラフィンと触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを作るステップと、を具える。一のバージョンでは、この水素の少なくとも一部が、APR触媒の存在下で改質温度と改質圧力で水と酸素化型炭化水素の第1の部分を触媒活性的に反応させて、APR水素、CO、CO及び水を含むAPRストリームを作るステップを具える方法で生成したAPR水素である。別のバージョンでは、この方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの組み合わせを含む水溶液を提供するステップと、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの組み合わせを、第2の水素化触媒の存在下で水素化温度及び水素化圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具える。更に別のバージョンでは、この方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、又はこれらの組み合わせを含む水溶液を提供するステップと、この糖、糖アルコール、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、又は組み合わせを、水素化分解触媒の存在下で水素化分解温度及び水素化分解圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具える。別のバージョンでは、この方法が、外部C4+イソパラフィン、再循環C4+イソパラフィン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む補填C4+イソパラフィンを提供するステップと、この補填C4+イソパラフィンをC2+オレフィンと反応させるステップと、を具える。
【0044】
本発明の別の態様は、C6+パラフィンの製造方法であり、この方法は:(1)水素と、水と、水溶性酸素化型炭化水素を、脱酸素化触媒の存在下で脱酸素化温度と脱酸素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素を含む酸素化型反応ストリームを作るステップと;(2)このC2+1−3炭化水素の一部を脱水素化触媒の存在下で脱水素温度及び脱水素圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンと、1又はそれ以上のC4+直鎖パラフィン、芳香族又はナフテンを生成するステップと;(3)このC4+直鎖パラフィン、芳香族又はナフテンの一部を回収して、C4+直鎖パラフィン、芳香族又はナフテンの一部を、異性化触媒の存在下で触媒活性的に反応させて、C4+イソパラフィンのストリームを作るステップと;(4)アルキル化触媒の存在下でアルキル化温度及びアルキル化圧力で、このC2+オレフィンをC4+イソパラフィンと触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを作るステップと、を具える。一のバージョンでは、この水素の少なくとも一部が、APR触媒の存在下で改質温度と改質圧力で、水と酸素化型炭化水素の第1の部分を触媒活性的に反応させて、APR水素、CO、CO及び水を含むAPRストリームを作るステップを具える方法で生成したAPR水素である。別のバージョンでは、この方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの組み合わせを含む水溶液を提供するステップと、このポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの組み合わせを、第2の水素化触媒の存在下で水素化温度及び水素化圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具える。更に別のバージョンでは、この方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、又はこれらの組み合わせを含む水溶液を提供するステップと、この糖、糖アルコール、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、又は組み合わせを、水素化分解触媒の存在下で水素化分解温度及び水素化分解圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具える。別のバージョンでは、この方法が更に、外部C4+イソパラフィン、再循環C4+イソパラフィン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む補填C4+イソパラフィンを提供するステップと、この補填C4+イソパラフィンをC2+オレフィンと反応させるステップと、を具える。
【0045】
本発明の別の態様では、この方法が、1又はそれ以上の反応容器を具える反応システムであって、当該反応システムが連続フロー、バッチ、セミバッチ、あるいはこれらの組み合わせとして構成されている反応システムにおいて実行される。一の実施態様では、この反応システムは更に、1又はそれ以上の流動触媒床、揺動床、固定床、移動床、液液接触反応器又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを具えており、各床は、反応容器内に収納されるように構成されている。別の実施態様では、この方法は、平衡定常状態で連続フロー反応システムにおいて実行される。
【0046】
別の実施態様では、この反応器システムが更に、APR触媒を含有するように構成された改質床と、脱酸素化触媒を含有するように構成された脱酸素化床と、脱水素化触媒を含有するように構成された脱水素化床と、アルキル化触媒を含有するように構成されたアルキル化床とを具える。一のバージョンでは、改質床と脱酸素化床は、重ねて、又は並べて、あるいは並行に構成されており、改質床と脱酸素化床は単一の反応容器内に収納されている。別のバージョンでは、改質床は改質反応容器内に収納されており、脱酸素化床は脱酸素化反応容器に収納されている。更に別のバージョンでは、脱水素化床が脱水素化床に収納されている、及び/又は、アルキル化床はアルキル化反応容器内に収納されている。更に別のバージョンでは、単一の反応容器が更に、脱水素化床及び/又はアルキル化床を収納するように構成されている。
【0047】
別の実施態様では、改質床、脱酸素化床、脱水素化床、及び脱アルキル化床が、単一の反応容器内で、重ねて、又は並べて、あるいは並行に構成されている。別の実施態様では、連続フロー反応システムが、水平、縦あるいは斜めのフロー内に収納されている。また別の実施態様では、脱水素化床が上昇流を提供する脱水素化反応容器内に収納されており、そこでは脱水素化床とアルキル化床が下降流を提供する反応容器内に収納されている。更に別の実施態様では、各触媒反応が定常状態平衡で生じる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明に関する製品経路を示すフロー図である。
【図2】図2は、糖などの炭水化物を非酸素化型炭化水素に変換することが可能な化学的経路を示す図である。
【図3】図3は、酸素化物とAPR水素へのソルビトールの脱酸素化における様々な反応経路を示す図である。
【図4】図4は、反応装置系の一実施態様を示すフロー図である。
【図5】図5は、反応装置系の一実施態様を示すフロー図である。
【図6】図6は、反応装置系の一実施態様を示すフロー図である。
【図7】図7は、反応装置系の一実施態様を示すフロー図である。
【図8】図8は、本発明の一実施態様の実施を通じて抽出したオレフィンの炭素分布を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明は、糖、糖アルコール、セルロース誘導体、リグノセルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体、サッカライド、その他といった、バイオマス由来の酸素化型炭水化物からパラフィンを生成する方法と反応装置系に関する。生成したパラフィンは、合成ガソリン、ディーゼル燃料、及び/又はジェット燃料などの、燃料製品に有用である。
【0050】
一般的なプロセスが図1に示されている。2又はそれ以上の炭素原子を有する水溶性酸素化型炭化水素を含む原料溶液を、脱酸素化触媒の上で水素と反応させて、酸素化物と、いくつかの場合、C4+直鎖パラフィン、芳香族、及び/又はナフテンなどの、その他の炭化水素を生成する。この酸素化物は、次いで脱水素化触媒の上で反応させて、2又はそれ以上の炭素原子を有するオレフィン(C2+オレフィン)を含む反応ストリーム生成する。この反応ストリームからのC2+オレフィンは、次いで、アルキル化触媒の存在下でイソパラフィンのストリーム(C4+イソパラフィン)と反応させて、6又はそれ以上の炭素原子を有するパラフィン(C6+パラフィン)を生成する。この水素は、いずれの源からのものでもよいが、好ましくはインサイチュウで抽出する(APR水素)か、水相改質剤を用いてバイオマスから並行して抽出する。この水素と酸素化型炭化水素には、再循環水素とこのプロセスで抽出した酸素化型炭化水素を補充するようにしても良い。C4+イソパラフィンもいずれの源からのものでもよいが、好ましくは、異性化触媒を用いて反応ストリーム中のC4+直鎖パラフィン、芳香族あるいはナフテンから内部的に発生させる。C4+イソパラフィンは、外部源から単独で提供したり、再循環C4+イソパラフィン及び/又は外部のC4+イソパラフィンを補填したりすることができる。水溶性酸素化型炭化水素は、モノサッカライド、ジサッカライド、ポリサッカライド、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体、リグニン誘導体、糖、糖アルコール、又はその他の多価アルコールであってもよく、あるいは、モノサッカライド、ジサッカライド、ポリサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、又はフランを水素化し、あるいは糖、糖アルコール、ポリサッカライド、モノサッカライド、ジサッカライド、又は多価アルコールを水素化分解して抽出しても良い。
【0051】
本発明の独自の一態様は、微生物、酵素、高温ガス化、又はエステル交換に代えて、触媒プロセスを用いてバイオマス成分からC6+パラフィンが抽出できることである。本発明はまた、インサイチュウで水素を生成して、天然ガスの水蒸気改質、あるいは水の電気分解又は加熱分解から発生した水素といった、外部水素源への依存を回避することができる。本発明は、また、再循環することができ、上流プロセスで使用するあるいは環境に戻すことができる水を生成する。本発明は、また、反応装置系内で熱源を提供する目的で、あるいは外部プロセス用の凝縮できない燃料ガスを生成することができる。
【0052】
炭水化物は地球上で最も広く分布されており、自然に有機化合物を発生する。炭水化物は、二酸化炭素と水を合成して炭化水素と酸素を形成することによって太陽からのエネルギィが化学エネルギィに変換されるプロセスである光合成の間に生成される:
太陽光
6CO+6HO → C12+6O
【0053】
太陽光からのエネルギィは、このプロセスを経て化学エネルギィとして植物中の炭化水素内に蓄えられる。この炭水化物は、特に糖の形のときに、生体によって容易に酸化されてエネルギィと二酸化炭素と水を生成する、反応性が高い化合物である。植物原料は、糖、スターチ類、ポリマーセルロース、及び/又はヘミセルロースのいずれかとしてこれらの炭水化物を蓄える。
【0054】
炭水化物の分子構造における酸素の存在は、生体系における糖の反応性に影響する。エタノール発酵技術は、周囲温度でエタノールを形成することによるこの高い反応特性を活用している。発酵は、本質的に、反応性の高い糖を脱感応化して、部分的に酸化した炭化水素である、エタノールを生成する。しかし、エタノールは、炭化水素燃料に比べてエネルギィ値に実質的な欠点がある。
【0055】
図2は、糖などの炭水化物を非酸化型炭化水素へ変換できる可能な化学反応を示す。水溶性炭水化物は、触媒上で水素と反応して、水素化あるいは水素化分解のいずれかによって多価アルコールを生成することが知られている。この水素は、歴史的には、例えば、天然ガスからあるいはその他のプロセスによって、外部的に生成されていたが、現在では、インサイチュウであるいは本発明によって多価アルコールの水相改質を介して並行に生成することができる。
【0056】
多価アルコールの液相改質(APR)は、アルデヒドが触媒の上で水と反応して、水素、二酸化炭素、及びより小さい多価アルコールを形成する、アルデヒドの形成(図2に示す)を通じて行われる。多価アルコールは、一連の脱酸素化反応によって触媒上で水素と更に反応して、ヒドロキシル、カルボニル、又はアルデヒドスピーシーズを形成する。このスピーシーズは、脱水素と脱酸素/脱水素を経て、オレフィンを形成する。パラフィン、芳香族、及びナフテンは、通常、これらの反応の一部として形成され、標準的な異性化技術を用いてイソパラフィンに変換可能であり、次いで、オレフィンとのアルキル化反応に用いて、液体燃料のアプリケーション用のパラフィンを生成する。
【0057】
脱官能化は、水素化反応あるいは水素化分解反応において糖を水素と反応させることで開始して、環状糖分子を、ソルビトールなどの対応する直鎖アルコール、又はグリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、キシリトール、その他といったより低級の多価アルコールに変換する。水素は、どの源からのものでもよいが、液相改質によってインサイチュウで発生した水素、あるいは反応装置系から再循環してきた過剰水素であることが好ましい。
【0058】
液相改質プロセスの間、まず炭化水素が脱水素化を経て、C−C又はC−O結合の開裂の前に、吸着した中間物を提供する。続くC−C結合の開裂によって、COと水素の生成が生じ、次いで、このCOが水と反応して、水−ガスシフト反応によってCOと水素を形成する。様々なAPRの方法及び技術が、米国特許第6,699,457号;第6,964,757号及び第6,964,758号、及び米国特許出願第11,234,727号(全てCortright et al.出願の“Low−Temperature Hydrogen Production from Oxygenated Hydrocarbons”);及び米国特許第6,953,873号(Cortright et al.出願の“Low−Temperature Hydrogen Production from Oxygenated Hydrocarbons”);及び共同で所有する出願中の国際特許出願PCT/US2006/048030(Cortright et al.出願の“Catalyst and Methods for Reforming Oxygenated Compounds”)に記載されている。すべて、ここに引用により組み込まれている。「液相改質」及び「APR」の用語は、一般的に、反応がガス層で行われるか濃縮液相で行われるかにかかわらず、水素と二酸化炭素を産生する酸素化型炭化水素と水の改質を意味する。「APR水素」は、一般的に、APRプロセスで生成した水素を意味する。
【0059】
結果物である酸素化型炭化水素、すなわち、ソルビトール又はグリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、キシリトール、他は、更に、脱酸素化反応を介して脱官能化されて、アルキル化などの後の凝縮反応で用いる、アルコール、ケトン、アルデヒド、フラン、ジオール、トリオール、ヒドロキシカルボン酸、及びカルボン酸などの酸素化物を形成する。図3は、酸素化物とAPR水素へのソルビトールの脱酸素化における様々な反応経路を示す。一般的に、特定の理論に限定されることなく、脱酸素化反応は、限定することなく、水素化脱酸素反応、連続脱水−脱水素化、水素化分解、水素化及び脱水反応を含む、様々な異なる反応経路の組み合わせがあり、結果的に、酸素化型炭化水素から酸素を除去して、一般式C2+1−3の炭化水素分子となり、場合によって、パラフィン、芳香族、及びナフテンなどの炭化水素分子となる。
【0060】
2+1−3炭化水素分子(酸素化物)は、次いで、脱水素化反応及び/又は続く脱水−脱水素化反応を介してオレフィンに変換される。脱水素化の場合、C2+1−3炭化水素分子中に見られるアルコールが反応して、ヒドロキシ基と脱水素化触媒上の酸の部位間の相互作用における−OH基の除去を介してオレフィンになる。ケトン、酸、及びアルデヒドが存在する場合は、ケトン、酸又はアルデヒド中のカルボニル化合物がまず低減して、これらも脱官能化されて、脱水素化触媒上への水素の導入を含む脱水素化反応により、第1級又は第2級アルコールとなり、次いで、上述の脱水素化反応が行われてオレフィンを提供する。
【0061】
強酸触媒の存在下で、イソパラフィンをオレフィンでアルキル化することによって、パラフィンが得られる。一般的には、このアルキル化プロセスは、小さいオレフィン分子とイソパラフィン分子を、オクタン価が高いより大きなパラフィン化合物に変換する。このアルキル化プロセスで行われる実際の反応は複雑であり、大まかには、開始ステップと伝播ステップを具えると考えられている。フッ化水素酸触媒を用いたブチレンとイソブタンのアルカリ化反応を考えると、開始ステップは、第3ブチルカチオンを生成し、次いでアルキル化反応を続けると考えられる。伝播反応は、より大きなカルベニウムイオンを形成する第3ブチルカチオンのオレフィンとの反応を含んでおり、これは、次いでイソブタン分子から水素化物を抽出する。この水素化物の抽出が、所望の分枝パラフィンと、新たに第3ブチルカチオンを発生して、連鎖反応を行う。
【0062】
酸素化型炭化水素
本発明の一つの特徴は、高官能化水溶性酸素化型炭化水素を、本発明のC6+パラフィンなどのより使用に適した製品に更に反応させうる脱官能化酸化物に変換できることである。酸素化型炭化水素は、いずれの源のものでもよいが、バイオマス由来のものが好ましい。ここで使用されているように、「バイオマス」の用語は、限定することなく、植物(葉、根、種、及び茎など)や、微生物や動物の代謝廃棄物で生成された有機物質を意味する。バイオマスの共通源には:(1)トウモロコシの茎、藁、種子の外皮、サトウキビのくず、サトウキビの搾りかす、ナッツ殻、及び畜牛、家禽、及び豚からの肥料などの、農業廃棄物;(2)材木又は木の皮、おがくず、材木の残骸、及び加工くずなどの、木質材料;(3)古紙や、庭の刈り取った草などの、都市ごみ;及び(4)ポプラ、柳、スイッチグラス、アルファルファ、プレーリーブルーストリーム、コーン、大豆などのエネルギィ作物、が含まれる。この用語は、上述した、一次的構成要素、すなわち、サッカライド、リグニン、セルロース、ヘミセルロース、及びスターチ、その他も意味する。
【0063】
酸素化型炭化水素は、2又はそれ以上の炭素原子及び1乃至3の酸素原子を有する水溶性酸素化型炭化水素(以下、C2+1+炭化水素という)である。好ましくは、この酸素化型炭化水素は、2乃至12の炭素原子を有し(C1−121−11炭素原子)、より好ましくは、2乃至6の炭素原子を有する(C1−61−6炭素原子)。酸素化型炭素原子は、酸素−炭素比が、0.5:1乃至1.5:1の範囲であり、0.75:1.0、1.0:1.0、1.25:1.0、1.5:1.0の比、及びこれらの間のその他の比を含む。一例では、酸素化型炭素原子は、酸素−炭素比が1:1である。好ましい水溶性酸素化型炭化水素の限定されない例は、モノサッカライド、ジサッカライド、ポリサッカライド、糖、糖アルイコール、アルジトール、エタンジオール、エタンジオン、酢酸、プロパノール、プロパンジオール、プロピオン酸、グリセロール、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、ブタンジオール、ブタン酸、アルドテトロース、酒石酸、アルドペントース、アルドヘクソース、ケトテトロース、ケトペントース、ケトヘクソース、アルジトール、ヘミセルロース、セルロース誘導体、リグノセルロース誘導体、スターチ、ポリオール、等を含む。好ましくは、この酸素化型炭化水素は、糖、糖アルコール、サッカライド、及びその他の多価アルコールを含む。より好ましくは、この酸素化型炭化水素は、グルコース、フラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、マンノース、又はキシロースなどの糖、又は、アラビトール、エリスリトール、グリセロール、イソマルト、ラクチトール、マリトール、マニトール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、又はグリコールなどの糖アルコールである。
【0064】
酸素化型炭化水素は、また、上記のいずれかを水素化あるいは水素化分解することによって抽出したこれらの化合物を含んでいても良い。ある実施形態では、開始酸素化型炭化水素を、所望の酸素化物(例えば、第1級、第2級、第3級、あるいは多価アルコール)により容易に変換されやすい別の酸素化型炭化水素の形に変換することが好ましい。例えば、糖は、対応する糖アルコール派生物に比べて、効率良く酸素化物に変換するものではない。従って、モノサッカライド、ジサッカライド、ポリサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、又はフランなどの開始物質を、水素化によるなどして対応するアルコール誘導体に、あるいは、水素化分解によるなどしてより小さいアルコール分子に、変換することが好ましい。
【0065】
糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、及びフランを、対応するアルコール形に水素化するプロセスは数多くある。このプロセスには、B.S.Kwak et al. (WO2006/093364A1及びWO2005/021475A1)、ルテニウム触媒上での脱水素化によるモノサッカライドからの糖アルジトールの生成;Elliot et al.(米国特許第6,253,797号及び第6,570,043号)、糖を糖アルコールに変換するための75%以上のルチルチタニア担体上でのニッケル及びレニウムフリーのルテニウム触媒の使用、が含まれる。これらは全てここに引用されている。その他の適宜のルテニウム触媒は、Arndt et al.の米国特許出願2006/0009661号(2003年12月3日出願)、Arenaの米国特許第4,380,679号(1982年4月12日出願)、第4,380,680号(1982年5月21日出願)、第4,503,274号(1983年8月8日出願)、第4,382,150号(1982年1月19日出願)及び第4,487,980号(1983年4月29日出願)に記載されている。これらは、全て個々に引用されている。脱水素化触媒は、一般的に、Cu、Re、Ni、Fe、Co、Ru、Pd、Rh、Pt、Os、Ir、及びこれらの合金又は組み合わせを含み、単独で、あるいはW、Mo、Au、Ag、Cr、Zn、Mn、Sn、B、P、Bi、及びこれらの合金又は組み合わせといった促進剤と共に用いる。この脱水素化触媒はまた、この触媒の所望の官能性に応じて、以下に更に述べる担体の一つを含んでいても良い。その他の有効な脱水素化触媒材料には、担持ニッケル、あるいはレニウムで修飾されたルテニウムのいずれかを含む。一般的に、水素化反応は、約80℃乃至250℃の水素か温度で、約100psig乃至2000psigの範囲の水素化圧力で行われる。この反応で使用する水素は、インサイチュウで発生したAPR水素、外部水素、再循環水素、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0066】
水素化触媒は、担持VIII属金属触媒と、スポンジニッケル触媒などの金属スポンジ材料を含むものでも良い。活性スポンジニッケル触媒(例えば、ラネーニッケル)は、様々な水素化反応に有効な公知の材料である。一のタイプのスポンジニッケル触媒は、Activated Metals and Chemicals,Inc.,Sevierville,Tenn.から入手可能なA7063タイプの触媒である。A7063タイプの触媒は、モリブデン促進触媒であり、通常、約1.5%のモリブデンと85%のニッケルを含む。キシロースとデキシトロースを含む原料と共にスポンジニッケル触媒を使用することは、1999年9月9日出願の、M.L.Cunningham et al.の米国特許第6,498,248号に記載されている。加水分解コーンスターチと共にラネーニッケル触媒を使用することも、1986年6月4日に出願した米国特許第4,694,113号に記載されている。これらは、ここに引用されている。
【0067】
好適なラネーニッケル水素化触媒の調整は、2003年11月7日出願されたA.Yoshino et al.の米国特許出願2004/0143024号に公開されている。これはここで引用されている。ラネーニッケル触媒は、ニッケルとアルミニウムの重量でほぼ同量の合金を、例えば25重量%の水酸化ナトリウムを含有する水性アルカリ溶液で処理することで調整できる。アルミニウムは、水性アルカリ溶液に選択的に溶解して、スポンジ構造を有し少量のアルミニウムを伴う主にニッケルでできた粒子を残す。モリブデンあるいはクロムなどの促進金属も、初期の合金中に、スポンジニッケル触媒中に1−2重量%残るような量で含まれている。
【0068】
別の実施態様では、水素化触媒は、適宜の担体材料に、ルテニウム(III)窒化ニトロシル溶液、ルテニウム(III)窒化ニトロシル、あるいは水中のルテニウム(III)クロライドを含侵させ、中実体を形成し、次いでこれをロータリーボールオーブンで120℃で13時間乾燥させて(残留水分が重量で1%以下)、調整する。この中実体は、次いで大気圧で、ロータリーボール炉で、4時間、300℃(非焼成)あるいは400℃(焼成)の水素ストリーム中で還元される。冷却し、窒素で不活性にした後、体積で5%の窒素中の酸素を120分間通過させて触媒を不活性化する。
【0069】
更に別の実施態様では、ニッケル−レニウム触媒又はタングステン修飾ニッケル触媒を含む触媒を用いて水素化反応がおこなわれる。好適な水素化触媒の一例は、2003年9月30日に出願され、ここに引用されている、Werpy et al.の米国特許第7,038,094号に開示された炭素担持ニッケル−レニウム触媒である。
【0070】
別の実施態様では、糖、糖アルコール、又はその他の多価アルコールなどの開始酸素化型炭化水素をより小さな分子に変換して、水素化など、所望の酸素化物により容易に変換できるようにすることが好ましい。このようなより小さい分子は、第1級、第2級、第3級、又は基の酸素化型炭化水素より炭素数が小さい多価アルコールを含む。Werpy et al.の米国特許第6,479,713号(2001年10月23日出願)、第6,677,385号(2002年8月6日出願)、第6,6841,085号(2001年10月23日)、及び第7,083,094号(2003年9月30日出願)に開示されているものを含め、様々な水素化反応のプロセスが知られている。これらはすべてここに引用されており、5及び6炭糖と、糖アルコールの、レニウム含有マルチ金属触媒を用いたプロピレングリコール、エチレングリコール、及びグリセロールへの水素化を記載している。その他のシステムは、Arenaの米国特許第4,401,823号(1981年5月18日出願)の、遷移金属(クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、マンガン、銅、カドミウムなど)あるいはVIII族金属(鉄、コバルト、ニッケル、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、及びオスミウムなど)を含有する炭素質ピロポリマ触媒の使用による、糖及び糖アルコールなどのポリヒドロキシル化化合物からアルコール、酸、ケトン、及び、エーテルの生成と、米国特許第4,496,780号(1983年6月22日出願)の、アルカリ土類金属酸化物とともに固相担体上にVIII族貴金属を有する触媒システムを使用した、炭水化物からグリセロールと、エチレングリコールと、1,2−プロパンジオールの生成と、の記載を含む。各々がここに引用されている。別のシステムは、Dubeck et al.の米国特許出願第4,476,331号(1983年9月6日出願)に記載されたものを含む。これは、ソルビトールなどのより大きい多価アルコールからエチレングリコールとプロピレングリコールを生成する、硫化物で修飾したルテニウム触媒の使用に言及しており、やはり、ここに引用されている。別のシステムは、Saxena et al.の“Effect of Catalyst Constituents on(Ni,Mo and Cu)/Kieselguhr−Catalyzed Sucrose Hydrogenolysis”Ind.Eng.Chem.Res.44,1466−1473(2005)の、珪藻土担体上でのNi、W、及びCuの使用についての記載を含み、これもここに引用されている。
【0071】
一の実施態様では、水素化触媒は、Cr、Mo、W、Re、Mn、Cu、Cd、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Rh、Ru、Ir、Os、及びこれらの合金又は組み合わせを、単独で、又はAu、Ag、Cr、Zn、Mn、Sn、Bi、B、O、及びこれらの合金又は組み合わせなどの促進剤と共に含む。その他の有用な水素化触媒材料は、アルカリ土類金属酸化物と組み合わせた、あるいは、珪藻土や、以下に更に述べる担体のいずれかなどの触媒活性担体に接着させた、上述の金属を含む。
【0072】
水素化反応を行うためのプロセス条件は、原料の種類と所望の製品によって変化する。一般的に、水素化反応は、少なくとも110℃、又は110℃乃至300℃、又は170℃乃至240℃の温度で行われる。この反応は、基本条件のもと、好ましくはpH約8乃至約13、あるいはpH約10乃至約12で行われる。この反応は、また、約10psig乃至2400psig、あるいは約250psig乃至2000psig、あるいは約700psig乃至1600psigの圧力で行われる。この反応に使用する水素は、APR水素、外部水素、再循環水素、あるいはこれらの組み合わせを含むものでも良い。
【0073】
酸素化物
ここに用いているように、「酸素化物」とは、一般的に、アルコール、ケトン、アルデヒド、フラン、ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸、ジオール、及びトリオールなどの、2又はそれ以上の炭素原子と1乃至3の酸素原子を有する炭化水素化合物(以下、C2+1−3炭化水素という)である。好ましくは、この酸素化物は、2乃至6の炭素原子、又は3乃至5の炭素原子を有する。アルコールは、限定することなく、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ブタノール、ペンタノール、シクロペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチル−シクロペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、及びこれらの異性体などの、第1級、第2級、第3級、直鎖、分枝、又は環状C2+アルコールを含む。ケトンは、限定することなく、ヒドロキシケトン、環状ケトン、ジケトン、アセトン、プロパノン、2−オキソプロパナル、ブタノン、ブタン−2,3−ジオン、3−ヒドロキシブタン−2−オン、ペンタノン、シクロペンタノン、ペンタン−2,3−ジオン、ペンタン−2,4−ジオン、ヘキサノン、シクロヘキサイノン、2−メチル−シクロペンタノン、ヘプタノン、オクタノン、ノナノン、デカノン、ウンデカノン、ドデカノン、メチルグリオキサル、ブタンジオン、ペンタンジオン、ジケトヘキサン、及びこれらの異性体を含む。アルデヒドは、限定することなく、ヒドロキシアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、及びこれらの異性体を含む。カルボン酸は、限定することなく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタノン酸、ペンタン酸、ヘキサノン酸、ヘプタン酸、これらの異性体及び、2−ヒドロキシブタノン酸や乳酸などのヒドロキシ化誘導体を含む誘導体を含む。ジオールは、限定することなく、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、及びこれらの異性体を含む。トリオールは、限定することなく、グリセロール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)−エタン(トリメチロールエタン)、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、及びこれらの異性体を含む。フランとフルフラールは、限定することなく、フラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、2−フランメタノール、2−メチル−テトラヒドロフラン、2,5−ジメチル−テトラヒドロフラン、2−メチルフラン、2−エチル−テトラヒドロフラン、2−エチルフラン、ヒドロキシルメチルフルルラール、3−ヒドロキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロ−3−フラノール、2,5−ジメチルフラン、5−ヒドロキシメチル−2(5H)−フラノン、ジヒドロ−5−(ヒドロキシメチル)−2(3H)−フラノン、テトラヒドロ−2−フロン酸、ジヒドロ−5−(ヒドロキシメチル)−2(3H)−フラノン、ヒドロキシメチルテトラヒドロフルルラノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、1−(2−フリル)エタノール、及びこれらの異性体を含む。
【0074】
酸素化物は、水と、水溶性酸素化型炭化水素を含む水性原料溶液を、脱酸素化触媒上で水素と反応させることで生成される。好ましくは、水素は液相改質を用いてインサイチュウで生成する(インサイチュウ生成水素又はAPR水素)か、APR水素、外部水素、又は再循環水素の組み合わせ、あるいは、単に外部水素又は再循環水素のみである。「外部水素」の用語は、原料水溶液に由来しない水素であり、外部源から反応器システムに加えられた水素を意味する。「再循環水素」は、原料溶液に由来する消費されなかった水素であって、回収され、更に使用するために反応システムに戻された水素を意味する。外部水素と再循環水素は、総合してあるいは個別に、「補填水素」と呼んでも良い。一般的に、補填水素は、APR水素を補填する目的で、あるいは、APR水素生成ステップに含める代わりに、あるいはシステム内の反応圧力を高めるために、あるいは、炭素/酸素と水素のモル比を上げてケトンとアルコールといったある種の反応生成物の生産収率を高めるために、加えることができる。
【0075】
APR水素を用いるプロセスでは、水と、水溶性酸素化型炭化水素を含む水性原料溶液の一部を、APR触媒の存在下で、改質温度と改質圧力で触媒的に反応させて酸素化物を作り、APR水素を生成し、このAPR水素(及び循環水素及び/又は外部水素)を、脱酸素化型触媒の存在下で、脱酸素化温度と脱酸素化圧力で原料溶液の一部と触媒的に反応させて、所望の酸素化物を生成する。再循環水素又は外部水素を水素源として使用するシステムでは、酸素化物は単純に、再循環水素及び/又は外部水素を、脱酸素化型触媒の存在下で脱酸素化温度と脱酸素化圧力で、原料溶液と触媒活性的に反応させて、調整する。上述の各々の場合、酸素化物は再循環酸素化物(再循環C1+1−3炭化水素)を含んでいても良い。特に指摘がない限り、APR触媒と酸素化型触媒に関する記載は、好適な触媒材料の非限定的な例である。
【0076】
脱酸素化触媒は、好ましくは、水素と酸素化型炭化水素間の反応を触媒化して、酸素化型炭化水素から1又はそれ以上の酸素化原子を取り除いて、アルコール、ケトン、アルデヒド、フラン、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ジオール及びトリオールを生成する、1又はそれ以上の物質を有する不均一系触媒である。一般的にこの物質は、担体に接着されて、限定することなく、Cu、Re、Fe、Ru、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、W、Os、Mo、Ag、Au、これらの合金及び組み合わせを含むものでも良い。脱酸素化触媒は、これらの元素を単独で含んでいても良く、あるいは1又はそれ以上の、Mn、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Y、La、Sc、Zn、Cd、Ag、Au、Sn、Ge、P、Al、Ga、In、Tl、及びこれらの組み合わせとの組み合わせであっても良い。一の実施態様では、脱酸素化触媒は、Pt、Ru、Cu、Re、Co、Fe、Ni、W又はMoを含む。更に別の実施態様では、脱酸素化触媒は、Fe又はReと、Ir、Ni、Pd、P、Rh及びRuから選択された少なくとも一の遷移金属を含む。別の実施態様では、この触媒は、Fe、Re、及び少なくともCu又は一のVIIIB属遷移金属を含む。担体は、以下に更に述べる担体のいずれかであっても良く、これは、窒化物、炭素、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、バナジア、セリア、酸化亜鉛、クロミア、窒化硼素、ヘテロポリ酸、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、及びこれらの混合物を含む。酸素化型触媒は、APR触媒又はアルキル化触媒と原子的に同一であっても良い。
【0077】
脱酸素化触媒は、二官能性触媒でもある。たとえば、酸性担体(例えば、等電点が低い担体)は、酸素化化合物の脱水素反応を触媒することができ、その後、水素の存在下で金属触媒部位上の水素化反応が行われ、酸素原子に結合していない炭素原子が再び生じる。この二官能性脱水素化/脱酸素化経路は、水素を消費して、続く、ポリオール、ジオール、ケトン、アルデヒド、アルコール、フランやピランなどの環状エーテル、の形成を導く。触媒の例には、タングステン化ジルコニア、チタニアジルコニア、硫化ジルコニア、酸化アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ヘテロポリ酸担体が含まれる。ヘテロポリ酸は、H3+xPMo12−x40、HSiW1240、HPW1240、及びHP2W1862、などのスピーシーズによって例示される固相酸のクラスである。ヘテロポリ酸は、明確に定義された局部構造を有する固相酸であり、最も代表的なものは、タングステンベースのケギン構造(Keggin structure)である。
【0078】
第1元素(すなわち、Cu、Re、Fe、Ru、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、W、Os、Mo、Ag、Au、これらの合金及び組み合わせ)の装填は、炭素が0.25重量%乃至25重量%であり、その間、1.00%、1.10%、1.15%、2.00%、2.50%、5.00%、10.00%、12.50%、15.00%、及び20.00%といった、0.10%と0.05%の重量パーセンテージのインクリメントがある。第2元素(すなわち、Mn、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Y、La、Sc、Zn、Cd、Ag、Au、Sn、Ge、P、Al、Ga、In、Tl、及びこれらの組み合わせ)の好ましい原子比率は、0.25対1乃至10対1の範囲であり、0.50、1.00、2.50、5.00及び7.50対1といった、これらの間の比率を含む。この触媒が担体に着くと、触媒と担体の組み合わせは、第1元素の0.25重量%乃至10重量%である。
【0079】
酸素化物を生成するために、水溶性酸素化型炭化水素を水と混ぜて、所望の反応生成物を形成するのに有効な濃度の水性原料溶液を提供する。このモルベースの水対炭素比率は、好ましくは、約0.5:1乃至約100:1であり、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、25:1、50:1、75:1、100:1といった比率、及びこれらの間の全ての比率を含む。原料溶液は、酸化物型炭化水素を総溶液の少なくとも1.0重量パーセントを有する溶液として特徴づけることもできる。例えば、この溶液は、1又はそれ以上の酸素化型炭化水素を含み、溶液中の酸素化型炭化水素総濃度は、少なくとも、重量で、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、あるいはそれ以上であり、これらの間のあらゆるパーセンテージを含み、使用する酸素化型炭化水素に依存している。一の実施態様では、原料溶液は、グルコース、フラクトース、スクロース、又はキシロースなどの糖、あるいはソルビトール、マニトール、グリセロール、キシリトールなどの糖アルコールを、重量で少なくとも、10%、20%、30%、40%、50%、あるいは60%含む。上述の範囲以外の水対炭素の比率とパーセンテージも含まれている。好ましくは、原料溶液の残りは水である。いくつかの実施態様では、原料溶液は、本質的に、水と、1又はそれ以上の酸素化型炭化水素と、選択的に、1又はそれ以上の、アルカリ又はアルカリの炭化水素又はアルカリ土類塩又は酸といった、ここに述べた原料改質剤からなる。原料溶液は、また、反応システムから再循環された再循環酸素化型炭化水素を含んでいても良い。原料溶液はまた、無視できる量の水素、好ましくは1モルの原料当たり約1.5モルの水素より少ない量の水素を含んでいても良い。
【0080】
原料溶液は、脱酸素化触媒の存在下で、脱酸素化温度と圧力条件と、毎時重量空間速度で、水素と反応して、所望の酸素化物を効率的に生成する。生成される特定の酸素化物は、原料溶液、反応温度、反応圧力、水野濃度、水素濃度、触媒の反応性、及び、空間速度に影響するため原料の流速(単位時間当たりの単位触媒当たりの反応物の質量/体積)、毎時気体空間速度(GHSV)、及び毎時重量空間速度(WHSV)を含む様々な要因に依存する。例えば、流速が高くなり、これによって、時間と共に触媒への原料の露出が少なくなることで、生じるかも知れない反応の拡大を制限し、これによってケトンとアルコールの収率の減少を伴って、よりレベルが高いジオールとトリオールの収率が高くなる。
【0081】
脱酸素化温度及び圧力は、反応容器入口に、原料の少なくとも一部を液相で維持するように選択することが好ましい。しかしながら、この温度及び圧力条件も、より好ましくは、気相で望ましい製品を生成するように選択しても良い。一般的に、この反応は提案されている反応の熱力学が適切であるプロセス条件で行うべきである。例えば、原料の一部を液相に維持するのに必要な最小圧力は、おそらく反応温度によって変わる。一般的に、温度が上昇すると、所望の場合原料を液相に維持するためにより高い圧力が必要になる。原料を液相(すなわち、蒸気相)に維持するのに必要な上記圧力も、好適な動作条件である。
【0082】
凝縮相液体反応においては、反応器内の圧力が、反応器入口において反応物を凝縮液体相に維持するのに十分でなくてはならない。液相反応では、反応温度が約80℃乃至300℃であり、反応圧力が約72psig乃至1300psigである。一の実施態様では、反応温度が約120℃乃至300℃、あるいは200℃乃至280℃、あるいは約220℃乃至260℃であり、反応圧力が好ましくは約72乃至1200psig、あるいは145乃至1200psig、あるいは約200乃至725psig、あるいは約365乃至700psig、あるいは約600乃至650psigである。
【0083】
蒸気相反応では、酸素化型炭化水素の蒸気圧が少なくとも約0.1atm(好ましくは、相当高く)であり、反応の熱力学が好ましい温度で反応がおこなわれるべきである。この温度は、使用する特定の酸素化型炭化水素化合物に応じて変化するが、一般的に、蒸気相反応には約100℃乃至600℃の範囲である。好ましくは、反応温度が約120℃乃至約300℃、あるいは約200℃乃至280℃、あるいは約220℃乃至260℃である。
【0084】
別の実施態様では、脱酸素化温度が約100℃乃至400℃、あるいは約120℃乃至300℃、あるいは約200℃乃至280℃であり、反応圧力は、好ましくは、約72乃至1300psig、あるいは約72乃至1200psig、あるいは約200乃至725psig、あるいは約365乃至700psigである。
【0085】
凝縮液相法も、触媒システムの活性及び/又は安定性を上げる改質剤を使用して行うことができる。水と酸素化型炭化水素を、間に0.1及び0.05のインクリメントのpH値を含む約1.0乃至10.0の適宜のpH、より好ましくは約4.0乃至約10.0のpHで反応させる。一般的に、この改質剤は、使用する触媒の総重量に対して、重量で約0.1%乃至約10%の範囲の量を原料に加えるが、この範囲外の量も、本発明の範囲に含まれる。
【0086】
一般的に、この反応は、触媒上での原料溶液の滞留時間が所望の製品を生成するのに適当である条件下で行わなくてはならない。例えば、この反応のWHSVは、時間当たり、触媒グラム当たり、少なくとも約0.1グラムの酸素化型炭化水素であり、より好ましくは、WHSVは、約0.1乃至40.0g/g hrであり、約0.25、0.5、0.75、1.0、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40g/g hrのWHSVを含む。
【0087】
脱酸素化反応に用いる水素は、好ましくはインサイチュウで発生したAPR水素であるが、外部水素あるいは再循環水素でも良い。存在する場合、外部水素の量は、控えめであることが好ましい。最も好ましくは、外部水素の量は、脱水素化触媒と接触する前の原料ストリーム中の酸素化炭化水素全体において酸素原子当たり一水素原子より少ない量である。例えば、この外部水素と原料溶液中の水溶性酸素化型炭化水素送料のモル比は、好ましくは、酸素化型炭化水素中の酸素原子当たり一の水素原子を超えないように選択されることが好ましい。原料中の酸素化型炭化水素の、原料に導入された外部水素に対するモル比は、1:1を超えないことが好ましく、あるいは最大で2:1、3:1、5:1、10:1、20:1又はこれ以上(4:1、6:1、7:1、8:1、9:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、及び19:1を含む)であることが好ましい。原料に導入される外部水素の量(モル)は、原料中の酸素化型炭化水素の総モル数に対して、0−100%、0−95%、0−90%、0−85%、0−80%、0−75%、0−70%、0−65%、0−60%、0−55%、0−50%、0−45%、0−40%、0−35%、0−30%、0−25%、0−20%、0−15%、0−10%、0−5%、0−2%、又は0−1%であり、これらの間のすべてのインターバルを含む。原料溶液、あるいはこのある部分がAPR水素及び外部水素と反応する場合、APR水素の外部水素に対するモル比は、少なくとも、1:20、1:15、1:10、1:5、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、5:1、10:1、15:1、20:1、及びこれらの間の比(4:1、6:1、7:1、8:1、9:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、及びこれらの逆の比を含む)である。好ましくは、酸素化型炭化水素は、わずかな有効量の外部水素の存在下で水素と反応する。
【0088】
加える外部水素(又は補填水素)の量は、原料中の酸素化型炭化水素の濃度を考慮して計算することができる。好ましくは、加える補填水素の量は、酸素化型炭化水素中の酸素原子の炭素原子に対するモル比(すなわち、水素ガスの分枝当たり2酸素原子)が1:0より少ないかあるいは1:0と同等であるべきである。例えば、原料が、グリセロール(3酸素原子)からなる水溶液である場合、加えるべき補填水素の量は、グリセロール1モルあたり約1.5モルのHを超えないことが好ましく(C)、約1.25、1.0、0.75、0.50又は0.25を超えないことが好ましい。一般的に、加えるべき補填水素の量は、酸素原子対水素原子の原子比率が1:1となる総水素量(APR水素と補填水素)の0.75倍より低いことが好ましく、より好ましくは、0.67、0.50、0.33、0.30、0.25、0.20、0.15、0.10、0.05、0.01倍を超えない。
【0089】
反応器内のAPR水素の量は適宜の方法で同定又は検出することができる。APR水素は、原料ストリーム中で生じる実際の反応メカニズムとは関係なく、原料ストリームの成分、触媒成分、及び反応条件に応じて製品ストリームの成分に基づいて測定することができる。APR水素の量は、触媒、反応条件(例えば、流束、温度、圧力、その他)と、原料と反応生成物の内容物に基づいて計算することができる。例えば、原料をAPR触媒(例えばプラチナ)と接触させて、インサイチュウでのAPR水素と、脱酸素化触媒がない状態での第1の反応製品ストリームを生成することができる。原料も、APR触媒及び脱酸素化触媒の双方と接触させて、第2の反応製品ストリームを生成することができる。第1の反応製品ストリームと第2の反応製品ストリームの成分を、比較可能な反応条件で比較することによって、APR水素の存在を同定し、生成したAPR水素の量を計算することができる。例えば、原料成分に対する反応成分中のより多くの水素化に伴う酸素化化合物量の増加は、APR水素の存在を表示する。
【0090】
インサイチュウ水素の生成
本発明の一利点は、インサイチュウで発生したAPR水素の生成と使用が可能であることである。APR水素は液相改質触媒(APR触媒)を用いた液相改質条件の下、原料から生成される。APR触媒は、好ましくは、以下の条件下で水素を形成する水と水溶性酸素化型炭化水素の反応を触媒する不均一系触媒である。一の実施態様では、APR触媒は、担体と、少なくとも一のVIIIB族金属、Fe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、これらの合金及び組み合わせを具える。APR触媒は、また、Cu、B、Mn、Re、Cr、Mo、Bi、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Y、La、Sc、Zn、Cd、Ag、Au、Sn、Ge、P、Al、Ga、In、Tl、これらの合金及び組み合わせなど、VIIIB族、VIIB族、VIB属、VB属、IVB属、IIB属、IB属、IVA属、又はVA族金属から選択された少なくとも一の追加の材料を具えていても良い。好ましいVIIB族金属は、Re、Mn、又はこの組み合わせを含む。好ましいVIB族金属は、Cr、Mo、W、又はこの組み合わせを含む。好ましいVIIIB族金属は、Pt、Rh、Ru、Pd、Ni、又はこの組み合わせを含む。担体は、触媒システムの所望の活性に応じて、以下に述べる触媒担体のいずれかを含むもので良い。
【0091】
APR触媒も、脱酸素化触媒又はアルキル化触媒と原子的に同一であっても良い。例えば、APR触媒と脱酸素化触媒は、Ni、Ru、Cu、Fe、Rh、Re、これらの合金及び組み合わせとの合金又は混合したPtを含んでいても良い。APR触媒と脱酸素化触媒は、また、Ge、Bi、B、Ni、Sn、Cu、Fe、Rh、Pt、これらの合金及び組み合わせとの合金又は混合したRuを含んでいても良い。APR触媒は、また、Sn、Ge、Bi、Cu、Re、Ru、Fe、これらの合金及び組み合わせとの合金又は混合したNiを含んでいても良い。
【0092】
第1のVIIIB族金属の好ましい装填は、炭素が0.25重量%乃至25重量%の範囲であり、その間に、1.00%、1.10%、1.15%、2.00%、2.50%、5.00%、10.00%、12.50%、15.00%、及び20.00%といった、0.10%乃至0.05%重量パーセンテージのインクリメントがある。第2の材料の好ましい原子比率は、0.25:1乃至10:1の範囲であり、その間に、0.50:1、1.00:1、2.50:1、5.00:1及び7.50:1といった比率を含む。
【0093】
好ましい触媒組成物は、更に、VIIIB族の酸化物と、関連する希土類酸化物を加えることによって達成される。このような場合、好ましい成分は、ランタン又はセリウムのいずれかの酸化物であろう。IIIB族化合物の第1のVIIIB族金属に対する好ましい原子比率は、0.25:1乃至10:1の範囲であり、その間に、0.50:1、1.00:1、2.50:1、5.00:1、及び7.50:1といった比率を含む。
【0094】
別の好ましい触媒組成物は、プラチナとレニウムを含むものである。Pt対Reの好ましい原子比率は、0.25:1乃至10:1の範囲であり、その間に、0.50:1、1.00:1、2.50:2、5.00:1、及び7.00:1といった比率を含む。Ptの好ましい装填は、0.25重量%乃至5.0重量%の範囲であり、その間に、0.35%、0.45%、0.75%、1.10%、1.15%、2.00%、2.50%、3.00%、4.00%、といった、0.10%乃至0.05%重量パーセンテージのインクリメントがある。
【0095】
好ましくは、APR触媒と脱酸素化触媒が、同じ原子配列(atomic formulation)である。これらの触媒は、異なる配列であっても良い。この場合、APR触媒の脱酸素化触媒に対する好ましい原子比率は、限定することなく、4.5:1、4.0:1、3.5:1、3.0:1、2.5:1、2.0:1、1.5:1、1:1、1:1.5、1:2.0、1:2.5、1:3.0、1:3.5、1:4.0、1:4.5といった、5:1乃至1:5の範囲である。
【0096】
脱酸素化反応と同様に、温度と圧力条件は、原料の少なくとも一部を反応器入口において液相に維持するように選択されることが好ましい。改質温度と圧力条件も、蒸気相中で所望の製品をより好適に生成するように選択することができる。一般的に、APR反応は、熱力学が適切である温度で行うべきである。例えば、原料の一部を液相に維持するために必要な最低圧力は、反応温度によって変わる。一般的に、温度が上がると、原料を液相に維持するのにより高い圧力が必要となる。原料を液相(すなわち蒸気相)に維持するのに必要な上述の圧力は、好適な動作圧力でもある。蒸気相反応には、反応を酸素化水素化合物の蒸気圧が少なくとも約0.1atm(及び好ましくは相当より高い)であり、反応の熱力学が好ましい改質温度で行うべきである。この温度は、使用する特定の酸素化型炭化水素化合物に応じて変化するが、一般的に、蒸気相での反応には約100℃乃至450℃、あるいは約100℃乃至300℃の範囲である。液相での反応には、反応温度が約80℃乃至約400℃であり、反応圧力が約72乃至1300psigである。
【0097】
一の実施態様では、反応温度が約100℃乃至400℃、あるいは約120℃乃至300℃、あるいは約200℃乃至280℃、あるいは約150℃乃至270℃である。反応圧力は、好ましくは、約72乃至1300psig、あるいは約72乃至1200psig、あるいは約145乃至1200psig、あるいは約200乃至725psig、あるいは約365乃至700psig、あるいは約600乃至650psigである。
【0098】
凝縮液相法も、APR触媒システムの活性及び/又は安定性を上げる改質剤を使用して行うことができる。水と酸素化型炭化水素を、間に0.1及び0.05のインクリメントのpH値を含む約1.0乃至10.0の適宜のpHで、あるいは約4.0乃至約10.0のpHで反応させる。一般的に、この改質剤は、使用する触媒システムの総重量に対して、約0.1%乃至約10%の範囲の量を原料に加えるが、この範囲外の量も、本発明の範囲に含まれる。
【0099】
アルカリ又はアルカリ土類塩を原料溶液を加えて、反応生成物中の水素の比率を最適化することができる。適当な水溶性塩の例には、アルカリ、あるいはアルカリ土類金属、水酸化物、炭化物、窒化物、あるいは塩化物塩からなる群から選択された1又はそれ以上が含まれる。例えば、アルカリ(塩基性)塩を加えて、約pH4.0乃至約pH10.0のpHとして、改質反応の水素選択性を改良することができる。
【0100】
酸性化合物を加えることでも、以下に述べる水素化における所望の反応生成物に対する選択性を上げることができる。水溶性酸は、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。酸性改質剤を使用する場合、この改質剤が、水性原料ストリームのpHを約pH1.0乃至約pH4.0の値に下げるのに十分な量で存在することが好ましい。原料ストリームのpHをこのように下げることは、最終反応生成物における酸素化物の比率を上げることになる。
【0101】
一般的に、この反応は、APR触媒上での原料溶液の滞留時間が、脱水素化触媒上で原料溶液の第2の部分と反応して所望の酸素化物を提供するのに十分な量のAPR水素を生成するのに適当である条件下で行わなくてはならない。例えば、この反応のWHSVは、APR触媒1グラム当たり、少なくとも約0.1グラムの酸素化型炭化水素であり、好ましくは、APR触媒1グラム当たり、約1.0乃至40.0グラムの酸素化型炭化水素であり、より好ましくは、APR触媒1グラム当たり、約0.5乃至8.0グラムの酸素化型炭化水素である。大規模生産では、開始後、反応が安定状態平衡状態で進むように制御してAPR反応システムを進めるべきである。
【0102】
オレフィン
2+1−3の炭化水素は、脱水素化触媒の存在下で脱水素温度と圧力でC2+1−3の炭化水素を触媒的に反応させることで、オレフィンに変換されて、適宜C2+オレフィンを生成する。代替的に、このオレフィンは、C2+1−3の炭化水素を、水素化触媒の存在下で、水素化温度と圧力で水素と触媒活性的に反応させることで生成され、適宜C2+ヒドロキシル化合物を生成し、このC2+ヒドロキシル化合物を脱水素化触媒の存在下で脱水素化温度と圧力で触媒活性的に反応させて、適宜C2+オレフィンを生成する。水素化反応で用いる水素は、インサイチュウで発生したAPR水素、外部水素、再循環水素、あるいはこれらの組み合わせを含んでいても良い。
【0103】
水素化触媒は、ケトン、酸、又はアルデヒドをC2+ヒドロキシル化合物に変換することができる上述のいずれの水素化触媒であっても良い。このような触媒は、以下の金属、Cu、Ni、Fe、Co、Ru、Pd、Rh、Pt、Ir、Os、これらの合金又は組み合わせのいずれか一つあるいはそれ以上であってもよく、単独で、又は、Au、Ag、Cr、Zn、Mn、Sn、Cu、Bi、及びこれらの合金といった促進剤と共に、上述したように担体上に約0.01乃至約20重量%の範囲で様々な充填に使用することができる。ここで用いられているように、C2+ヒドロキシル化合物とは、2又はそれ以上の炭素原子と少なくとも一のヒドロキシル基を有する炭化水素分子を意味する。C2+ヒドロキシル化合物の例は、限定することなく、第1級及び第2級アルコールである。
【0104】
脱水素化触媒は、一般的に、C2+1−3の炭化水素からヒドロキシ基を除去して、C2+オレフィンを提供することができる触媒である。C2+オレフィンは、通常、1又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を含む直鎖又は分枝炭化水素である。一般的に、C2+オレフィンは、2乃至8の炭素原子を含み、より好ましくは3乃至5の炭素原子を含む。一の実施態様では、C2+オレフィンは、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、これらの異性体、及びこれらの混合物を具える。別の実施態様では、C2+オレフィンは、C2+オレフィンの一部をオレフィン異性化触媒の上で触媒活性的に反応させることによって生成したC4+オレフィンを含む。
【0105】
脱水素化触媒は、限定することなく、アルミノケイ酸(ゼオライト)、リン酸シリカ−アルミナ(SAPO)、リン酸アルミニウム(ALPO)、非晶質シリカアルミナ、ジルコニア、硫化ジルコニア、タングステン化ジルコニア、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイド、チタニア、アルミナ、リン酸アルミナ、リン酸シリカ、硫化炭素、リン酸化炭素、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、無機酸、及びこれらの組み合わせを含んでいても良い。一の実施態様では、この脱水素化触媒は、Ce、Y、Sc、La、P、B、Bi、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、及びこれらの組み合わせといった改質剤も含んでいても良い。この脱水素化触媒は、金属官能性を提供するCu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの合金及び組み合わせといった金属、及び/又は、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Mo、Cr、W、Mn、Re、Al、Ga、In、Fe、Co、Ir、Ni、Si、Cu、Zn、Sn、Cd、P、及びこれらの組み合わせの硫化物及び酸化物スピーシーズを加えることによっても改質することができる。脱水素化触媒は、均質で、単体で、あるいは以下に更に述べる炭素、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、バナディア、セリア、窒化物、窒化ホウ素、ヘテロポリ酸、これらの合金又は組み合わせを含む担体のいずれか一つに接着したものでも良い。
【0106】
Ga、In、Zn、Fe、Mo、Ag、Au、Ni、P、Sc、Y、Ta、及びランタナイドも、ゼオライト上で置換して、活性を有するゼオライト触媒を提供する。ここで用いられている「ゼオライト」の用語は、微細孔のある結晶質アルミノケイ酸のみならず、ガロアルミノケイ酸や、ガロケイ酸など、微細孔のある結晶質金属含有アルミノケイ酸構造をも意味する。金属官能性は、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの合金及び組み合わせといった金属によって提供される。
【0107】
好適なゼオライト触媒の例は、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35及びZSM−48である。ゼオライトZSM−5とその従来の製造は、米国特許第3,702,886号;Re.29,948号(高シリカ質ZSM−5);第4,100,262号、及び第4,139,600号に記載されており、これらはここに引用されている。ゼオライトZSM−11とその従来の製造は、米国特許第3,709,979号に記載されており、これもここに引用されている。ゼオライトZSM−12とその従来の製造は、米国特許第3,832,449号に記載されており、これはここに引用されている。ゼオライトZSM−23とその従来の製造は、米国特許第4,076,842号に記載されており、これもここに引用されている。ゼオライトZSM−35とその従来の製造は、米国特許第4,016,245号に記載されており、これもここに引用されている。ZSM−35の別の製造は、米国特許第4,107,195号に記載されており、その開示はここに引用されている。ゼオライトZSM−48とその従来の製造は、米国特許第4,375,573号に教示されており、これもここに引用されている。ゼオライト触媒のその他の例は、米国特許第5,019,663号及び米国特許第7,022,888号に記載されており、これらもここに引用されている。
【0108】
脱水素化触媒は、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの合金及び組み合わせからなる群から選択された少なくとも一の金属元素、又は、Ga、In、Zn、Fe、Mo、Au、Ag、Y、Sc、Ni、P、Ta、及びランタナイド、及びこれらの組み合わせから選択された改質剤を含む、二官能性ペンタシル型ゼオライトであってもよい。このゼオライトは、好ましくは、強酸及び脱水素化部位を有し、500℃以下の温度で酸素化型炭化水素を含む反応ストリームと共に使用することができる。この二官能型ペンタサイルゼオライトは、多数の5−員環の酸素環、すなわちペンタシル環からなるZSM−5、ZSM−8、又はZSM−11型の結晶構造を有していても良い。ZSM−5型構造のゼオライトは、特に、好ましい触媒である。二官能性ペンタサイルゼオライト触媒は、好ましくは、Ga及び/又はIn−含侵H−ZSM−5、Ga及び/又はIn−置換H−ZSM−5、ZSM構造のH−ガロケイ酸、及びZSM−5型構造のH−ガロアルミノケイ酸など、Ga及び/又はIn−改質ZSM−5型ゼオライトである。二官能性ZSM−5型ペンタサイルゼオライトは、テトラヘドラルアルミニウム及び/又はゼオライト骨格あるいは格子内に存在するガリウム、及び、オクタヘドラルガリウム又はインジウムを含む。このオクタヘドラル部位は、ゼオライト骨格内には存在しないことが好ましいが、ゼオライト中のテトラヘドラルアルミニウム及びガリウムの存在に帰するゼオライトプロトン酸部位のすぐ近くにあるゼオライトチャネルに存在する。テトラヘドラル又は骨格のAl及び又はGaは、ゼオライトの酸度関数に対するものであり、オクタヘドラル又は非骨格Ga及び/又はInは、ゼオライトの脱水素化機能に関与している。
【0109】
一の実施態様では、脱水素化触媒は、ZSM−5型二官能性ペンタシルゼオライトのH−ガロアルミノケイ酸であり、これは、モル比がそれぞれ20−1000と15−150であるSi/AlとSi/Ga骨格(四面体)と、約0.5−5.0重量%のGa非骨格(八面体)を有する。これらのペンタシルH−ガロアルミノケイ酸ゼオライトは、脱水素化触媒として使用され、強酸部位の密度をAl/Si骨格モル比によって制御することができる。Al/Si比が高いほど、強酸部位の密度は高くなる。高拡散非骨格酸化ガリウムスピーシーズは、水素と蒸気で予め処理を行うことによってゼオライトの脱ガリウム化によって得ることができる。強酸部位を含み、高密度で、ゼオライトの酸部位に近接近した高拡散非骨格酸化ガリウムスピーシーズを有するゼオライトが好ましい。この触媒は、アルミナ、シリカ、又は粘土材料などの結合材を任意に含むことができる。この触媒は、様々な形状とサイズのペレット、成型品、粒子の形で使用することができる。
【0110】
生成した特定のC2+オレフィンは、限定することなく、反応ストリーム中の酸素化物のタイプ、脱水素化温度、脱水素化圧力、触媒の反応性、空間速度、GHSV及びWHSVに影響するので反応物ストリームの流速、といった様々な要因に依存するであろう。反応物ストリームは、所望の炭化水素を生成するのに適したWHSVにおける脱水素化触媒に接触していることが好ましい。WHSVは、好ましくは、時間当たり反応物ストリーム中少なくとも0.1グラムの酸素であることが好ましく、より好ましくは、WHSVは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35g/g hr及びこれらの間のインクリメントを含む、0.1乃至40.0g/g hrの間である。
【0111】
脱水素化反応は、提案されている反応の熱力学が役立つ温度で行うべきである。濃縮相液体反応には、反応器内の圧力が、濃縮液相の反応物の少なくとも一部を反応器入口において維持するのに十分なものでなくてはならない。蒸気相反応では、酸素化物の蒸気圧が少なくとも約2psiaであり、反応の熱力学が好ましい温度で行わなくてはならない。脱水素化温度は、使用する特定の酸化物によって異なるが、一般的に蒸気相で行う反応について約100℃乃至500℃の範囲、より好ましくは約125℃乃至450℃である。液相反応については、アルキル化温度が約80℃乃至約500℃であり、脱水素圧力が約0psia乃至900psiaである。好ましくは、脱水素温度は約100℃乃至500℃、又は約125℃乃至450℃、又は約150℃乃至350℃である。反応圧力は、好ましくは少なくとも約2psiaであり、又は約0psia乃至900psia、又は約100psia乃至800psiaである。一の実施態様では、脱水素化温度は、約100℃乃至500℃の範囲であり、脱水素化圧力は、約0psia乃至900psiaの範囲である。別の実施態様では、脱水素化温度が約125℃乃至450℃の範囲であり、脱水素化圧力が少なくとも2psiaである。別のバージョンでは、脱水素化温度が約150℃乃至350℃の範囲であり、脱水素化圧力が約100psia乃至800psiaの範囲である。更に別のバージョンでは、脱水素化温度が、約175℃乃至325℃の範囲である。
【0112】
アルキル化
6+パラフィンは、アルキル化触媒の存在下で、アルキル化温度とアルキル化圧力で、液相及び/又は蒸気相のC2+オレフィンをC4+イソパラフィンのストリームと触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを生成することによって、作られる。イソパラフィンは、限定することなく、イソブタン、イソペンタン、第3炭素原子を有する高次の同族体(例えば、2−メチルブタンや、2,4−ジメチルペンタン)、これらの異性体、及びこれらの混合物といった、4乃至7個の炭素原子を有するアルカンを含む。C4+イソパラフィンは、反応ストリーム中のC4+直鎖パラフィンの異性体、芳香族及び/又はナフテン由来の内部的に発生したC4+イソパラフィン(内部的に発生したC4+イソパラフィン)、又は、外部源から単独で提供されるC4+イソパラフィン(外部C4+イソパラフィン)であっても良い。このC4+イソパラフィンは、C6+パラフィンを有する製品ストリームから回収された再循環C4+イソパラフィン(再循環C4+イソパラフィン)であっても良い。
【0113】
アルキル化触媒は、一般的に、C2+オレフィンとC4+イソパラフィン分子をより大きなC6+パラフィンに変換できる触媒である。アルキル化触媒は、限定することなく、硫酸、フッ化水素酸、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、固体リン酸、塩化アルミナ、アルミナ、リン酸アルミニウム、リン酸シリカ−アルミナ、非晶質シリカ−アルミナ、アルミノケイ酸、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン化ジルコニア、タングステン化カーバイド、炭化モリブデン、チタニア、硫化炭素、リン酸化炭素、リン酸化シリカ、リン酸化アルミナ、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、無機酸、及びこれらの組み合わせが含まれる。アルキル化触媒は、また、鉱酸と臭化アルミニウムなどのフリーデル・クラフツメタルハライドの混合物、及びその他のプロトン供与体を含むものでも良い。
【0114】
アルキル化触媒は、また、アルミノケイ酸ゼオライト、あるいは、二官能性ペンタシル環含有アルミノケイ酸ゼオライトであっても良い。このような触媒は、また、Ga、In、Zn、Fe、Mo、Ag、Au、Ni、P、Sc、Y、Ta、ランタニド、及びこれらの組み合わせといった改質剤、あるいは、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの合金及び組み合わせといった金属を含むものでも良い。
【0115】
生成した特定のC6+パラフィンは、限定することなく、反応ストリーム中のオレフィンとイソパラフィンのタイプ及び比率、原料の不純物、アルキル化温度、アルキル化圧力、アルキル化触媒の反応性、GHSV及びWHSVに影響するので反応物ストリームの流速、といった様々な要因に依存するであろう。反応物ストリームは、所望の炭化水素を生成するのに適したWHSVにおけるアルキル化触媒に接触していることが好ましい。固相酸性アルキル化触媒には、WHSVは、好ましくは、1グラムの触媒当たり時間当たり反応物ストリーム中少なくとも0.1グラムのオレフィンであることが好ましく、より好ましくは、WHSVは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35g/g hrのWHSV及びこれらの間のインクリメントを含む、0.1乃至40.0g/g hrの間である。液相無機酸をベースとするアルキル化触媒では、所定の時間における反応容器中に存在する無機酸に対する反応ストリーム内の反応物ストリーム中のオレフィンの比が、時間当たり無機酸1グラム当たり反応物ストリーム中少なくとも0.05グラムのオレフィンであることが好ましく、より好ましくは、この比が、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、4.5g/g hr及びこれらの間のインクリメントを含む、0.05乃至5g/g hrの間である。
【0116】
アルキル化反応は、所定の触媒と反応ストリームについて、熱力学が好ましい温度で行うべきである。一般的には、アルキル化温度が約−20℃乃至300℃の範囲であり、アルキル化圧力は、約0psig乃至1200psigの範囲である。一の実施態様では、アルキル化温度が約0℃乃至100℃の範囲であり、アルキル化圧力が100psigである。更に別の実施態様では、アルキル化温度が約0℃乃至50℃の範囲であり、アルキル化圧力が300psigである。更に別の実施態様では、アルキル化温度が約70℃乃至250℃の範囲であり、アルキル化圧力が100psig乃至1200psigである。一の実施態様では、アルキル化触媒が鉱酸又は強酸で、アルキル化温度が約80℃より低い。別の実施態様では、アルキル化触媒がゼオライトで、アルキル化温度が100℃より高い。好ましくは、アルキル化温度は、ゼオライトベースのアルカリ化触媒用に約100℃乃至300℃である。
【0117】
生成するC6+パラフィンは、一般的に分枝パラフィンであるが、直鎖パラフィンを含んでいても良い。一般的に、C6+分枝パラフィンは、分枝C6−10アルカン、分枝Cアルカン、分枝Cアルカン、分枝Cアルカン、分枝Cアルカン、分枝C10アルカン、及びこれらの混合物を含んでいても良い。例えば、C6+分枝パラフィンは、限定することなく、ジメチルブタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、メチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,3,4−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)、2,2,3−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、ジメチルヘキサン又はこれらの混合物を含んでいても良い。
【0118】
異性化
本方法は、酸素化物形成ステップ、脱水素化ステップ、あるいはアルキル化ステップの一部であるかどうかにかかわらず、プロセスの様々な段階でC4+直鎖パラフィン、芳香族、及び/又はナフテンも生成する。通常、C4+直鎖パラフィンは、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、及びこれらの混合物といった、4乃至7個の炭素原子を有するアルカンを含む。芳香族も一般的に6個又は7個の炭素原子を有しており、これは限定することなく、ベンゼン、トルエン、及びこれらの混合物を含む。ナフテンは、一般的に5乃至7個の炭素原子を含み、限定することなく、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、ジメチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンを含む。本発明の一の態様は、C4+直鎖パラフィン、芳香族、及び/又はナフテンは、回収されて、C4+イソパラフィンに変換され、アルキル化ステップ(初期において、C4+イソパラフィンを発生)で使用される。
【0119】
一の配置では、C4+直鎖パラフィン、芳香族及び/又はナフテンを有する異性化原料ストリームをアルカリ化触媒の上流で回収して、初期に発生したC4+直鎖パラフィンを生成する処理を行う。この実施態様では、酸素化反応ストリーム又は脱水素化反応ストリームは、パラフィン、芳香族、及び/又はナフテンを反応ストリームから分離して回収できる分離メカニズムを通過する。このようなプロセスは公知であり、しばしば、吸収、抽出、あるいは抽出蒸留の技術を含んでいる。UOP Olexプロセスは、液相混合物からオレフィンとパラフィンを分離することができる選択的吸収技術を含むこのようなアプリケーションの一つである。
【0120】
別の配置では、C4+直鎖パラフィン、芳香族及び/又はナフテンを、アルキル化触媒の下流で回収して、内部的に発生したC4+イソパラフィンの製造に使用するように再循環させる。この実施態様では、C4+直鎖パラフィン、芳香族、及び/又はナフテンは、アルキル化プロセスを反応せずに通過して、次いで、標準的な分離技術を用いてC6+パラフィンを含有する結果製品ストリームから回収される。
【0121】
一旦回収されると、C4+直鎖パラフィン、芳香族及び/又はナフテンは、異性化触媒の存在下で、異性化温度と異性化圧力で触媒活性的に反応させて、適宜内部的に発生したC4+イソパラフィンを生成する。この反応は、通常水素の存在下で行われる。水素は、ナフテンと芳香族をパラフィンに変換するときに消費される。水素が、コークスの形成など、望ましくない副反応を抑えて、異性化反応を促進することも良く知られている。異性化触媒は、通常、C4+直鎖パラフィン、芳香族及び/又はナフテンを触媒して、C4+イソパラフィンを生成することができる触媒である。この異性化触媒は、限定することなく、ゼオライト、ジルコニア、硫化ジルコニア、タングステン化ジルコニア、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミン酸亜鉛、塩素化アルミナ、リン酸、あるいはこれらの混合物を含む。異性化触媒は、更に、Y、Pt、Ru、Pd、Ni、Rh、Ir、Fe、Co、Os、Zn、ランタニドなどの金属、あるいはこれらの合金又は組み合わせを含むように修飾しても良い。一の実施態様では、異性化触媒は酸性ベータ、モルデナイト、あるいはZSM−5ゼオライトである。
【0122】
所定の実施態様では、異性化触媒を担体に付けることが好ましい。このような担体は、限定することなく、アルミナ、硫酸化酸化物、クレイ、シリカゲル、リン酸アルミニウム、ベントナイト、カオリン、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、活性アルミナ、ボーキサイト、シリカ、シリカ−アルミナ、活性炭素、軽石、ジルコニア、チタニア、ジルコニウム、チタン、珪藻土、又はゼオライトである。一の実施態様では、異性化触媒は、硫酸化酸化物又はIVB族金属の炭化水素、少なくとも一のIIIA族化合物、及びVIII族金属の担体を含む。IVB族金属は、ジルコニウム、チタン、又はこれらの混合物を含み、IIIA族化合物は、ガリウム、インジウム、又はこれらの混合物を含む。別のバージョンでは、VIII族金属は、Pd、Pt、Ru、Rh、Ir、Os、又はこれらの混合物を含む。更に別のバージョンでは、異性化触媒は更に、Fe、Co、Ni、Re、Y、Eu、Tm、Ho、Er、Yb、Tb、又はこれらの混合物を含む。
【0123】
異性化反応は、好適な熱力学的温度で行うべきである。一のバージョンでは、異性化温度は、約100℃乃至250℃の範囲であり、異性化圧力は100psig乃至800psigの範囲である。別のバージョンでは、異性化温度は、約125℃乃至225℃の範囲であり、異性化圧力は100psig乃至1200psigの範囲である。更に別のバージョンでは、異性化温度は、約200℃乃至350℃の範囲であり、異性化圧力は100psig乃至1200psigの範囲である。
【0124】
異性化反応は、使用する異性化触媒を考慮した温度と圧力で行うべきである。一の実施態様では、異性化触媒は、0.01乃至5%のVIII族金属を加えることで修飾した塩素化アルミナを含み、異性化温度は、約100℃乃至250℃の範囲であり、異性化圧力は100psig乃至800psigの範囲である。原料と共に反応器に水素を加えて、反応器出口における水素と炭化水素のモル比を0.01対10.0とした。別の実施態様では、異性化触媒は、VIII族金属で修飾した硫化ジルコニア又はタングステン化ジルコニアを含み、異性化温度は、約125℃乃至225℃の範囲であり、異性化圧力は100psig乃至1200psigの範囲である。原料と共に反応器に水素を加えて、反応器出口における水素と炭化水素のモル比を0.01対10.0とした。別の実施態様では、異性化触媒は、VIII族金属で修飾したゼオライトを含み、異性化温度は、約200℃乃至350℃の範囲であり、異性化圧力は100psig乃至1200psigの範囲である。原料と共に反応器に水素を加えて、反応器出口における水素と炭化水素のモル比を0.01対10.0とした。
【0125】
触媒担体
様々な実施態様において、触媒システムは原料溶液中の触媒の懸濁に適した担体を具えている。この担体は、選択した触媒と反応条件に対して安定基板を提供するものでなくてはならない。この担体は、所望のレベルで機能する選択した反応条件で安定している形であればどのようなものでもよい。このような担体は、限定することなく、炭素、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、バナジア、窒化物、窒化ホウ素、ヘテロポリ酸、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、クロミナ、及びこれらの2又はそれ以上の混合物を含む。ゼオライト、カーボンナノチューブ、ナノ多孔性担体、又はフラーレン炭素などのナノ多孔性担体も使用することができる。
【0126】
一つの特に好ましい触媒担体は炭素であり、特に、比較的表面積の大きい(1グラム当たり100平方メートルより大きい)炭素担体である。このような炭素は、活性炭素(粒状、粉状あるいはペレット状)、活性炭素布、フェルト、あるいはファイバー、カーボンナノチューブ、又はナノホーン、フラーレン炭素、大面積カーボンハニカム、カーボンフォーム(網状カーボンフォーム)、及びカーボンブロックを含む。この炭素は、ピート、木、リグナイト、石炭、ヤシがら、オリーブ種子、及び炭素由来の石油、の化学賦活又は水蒸気賦活を介して生成することができる。別の好ましい担体は、ヤシがらから生成した粒状活性炭である。一の実施態様では、APR及び脱酸素化触媒システムが炭素の上のPtでできており、このPtは更にNi、Ru、Cu、Fe、Rh、Re、これらの合金及び組み合わせとの合金であるか、これらと混合されたものである。
【0127】
もう一つの好ましい触媒担体はジルコニアである。ジルコニアは、ジルコニウム塩から水酸化ジルコニウムを沈殿させて、ゾル−ゲル処理を経て、あるいはその他の方法で生成することができる。ジルコニアは、好ましくは、前駆体物質を400℃を超える温度で焼成して得た結晶フォームの形で存在し、正方結晶相又は単結晶相の両方を含むものでも良い。変性剤を加えて、ジルコニアのテクスチャ特性又は結晶特性を改良することもできる。このような変性剤には、限定することなく、硫酸塩、タングステン酸塩、リン酸塩、チタニア、シリカ、及びIIIB族金属、特にCe、La、又はY、の酸化物が含まれる。一の実施態様では、APR及び脱酸素化触媒は、一次単斜相ジルコニアの上のPtでなり、このPtは更に、Ni、Ru、Cu、Fe、Rh、Re、これらの合金及び組み合わせとの合金であるか、これらと混合されたものである。
【0128】
更に別の好ましい触媒担体はチタニアである。チタニアは、チタニウム塩から沈殿させて、ゾル−ゲル処理を経て、あるいはその他の方法で生成することができる。チタニアは、好ましくは、結晶フォームの形で存在し、アナタース結晶相又はルチル結晶相の両方を含むものでも良い。変性剤を加えて、チタニアのテクスチャ特性又は結晶特性を改良することもできる。このような変性剤には、限定することなく、硫酸塩、シリカ、及びIIIB族金属、特にCe、La、又はY、の酸化物が含まれる。一の実施態様では、APR及び脱酸素化触媒システムは、一次単斜相ジルコニアの上のRuでなり、このRuは更に、Ge、Bi、B、Ni、Sn、Cu、Fe、Re、Rh、Pt、これらの合金及び組み合わせとの合金であるか、これらと混合されたものである。
【0129】
別の好ましい触媒担体はシリカである。シリカは、選択的に、アルミナと組み合わせてシリカ−アルミナ材を形成することができる。一の実施態様では、APR触媒システムは、シリカ−アルミナ又はシリカ上のPtであり、このPtは更に、Ni、Ru、Cu、Fe、Rh、Re、これらの合金及び組み合わせとの合金であるか、これらと混合されたものである。別の実施態様では、APR触媒システムは、シリカ−アルミナ又はシリカ上のNiであり、このニッケルは更に、Sn、Ge、Bi、Bu、Cu、Re、Ru、Fe、これらの合金及び組み合わせとの合金であるか、これらと混合されたものである。
【0130】
担体は、また、その特性を強化する処理又は改質がなされていても良い。例えば、担体は、表面改質によると言った処理を行って、水素及び水酸基などの表面部分を改質するようにしても良い。表面水素及び水酸基は、局所的にpHを変化させて、触媒効率に影響することがある。担体は、また、例えば担体を硫酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩、シラン、ランタニド、アルカリ化合物又はアルカリ土類化合物で処理することによって改質することもできる。炭素担体については、炭素を水蒸気、酸素(空気から)、無機酸又は過酸化水素で予め処理を行って、より多くの表面酸素部位を提供するようにしても良い。好ましい前処理は、酸素又は過酸化水素のいずれかを使用する。前処理を行った炭素は、IVB族及びVB族の酸化物を加えて改質するようにしても良い。Ti、V、Zr及びこれらの混合物を用いることが好ましい。
【0131】
単独であっても、混合したものであっても、触媒システムは、当業者に公知の従来の方法を用いて調整することができる。このような方法には、初期湿潤蒸発含侵、化学蒸着、薄め塗膜、マグネトロンスパッタリング技術、などが含まれる。触媒の製造に選択された方法は、様々な触媒が全体の表面積、気孔率、その他といったことの検討によって様々な結果を生むという条件下では、本発明の機能に特に重要な意味を持つものではない。
【0132】
補填材
プロセスの様々な段階において補填材料と補填組成物(「補填材」という)を原料溶液に加えて、所望の反応生成物の生成に対して反応を強化したり、あるいは反応を促進するようにしても良い。補填材には、限定することなく、酸、塩及び追加の水素又は原料が含まれる。このような補填材は、関連する触媒に接触させる前に、あるいは接触させながら、原料ストリームに、あるいは適宜の反応用反応床に、直接的に加えることができる。
【0133】
一の実施態様では、この補填材が追加の原料溶液であり、酸素化物形成のための更なる酸素化型炭化水素を提供している。原料は、上記に挙げた1又はそれ以上の酸素化型炭化水素を含み、これには、1又はそれ以上の糖アルコール、グルコース、ポリオール、グリセロール、又はサッカライドが含まれる。例えば、補填材は、グリセロールを含んでいても良い。この実施態様では、粗グリセロールを用いて反応を開始し、水素を生成して、脱酸素化触媒を粗グリセロールからの混入物質で汚染しないようにしている。次いで、元の原料溶液が脱酸素化触媒に触れる前に、あるいは同時に精製したグリセロールを原料溶液に加えて、処理を行うことができる酸素化型炭化水素を増やす。APR触媒と脱酸素化触媒の特徴に応じて、逆のものを補填材として粗グリセロールの供給と共に用いることは自明である。
【0134】
別の実施態様では、凝縮反応用に、補填材が追加の酸素化物を含んでいる。この酸素化物は、上記に挙げた1又はそれ以上の酸素化物を含む。例えば、補填材料は、プロピルアルコールを含むものでも良い。この実施態様では、プロピルアルコールはグリセロール原料と並行するシステムで生成され、次いで、ソルビトール原料を処理することによって生成される酸素化物と組み合わせて、より有効な反応物ストリームを提供し、C6−12炭化水素の組み合わせを含有する製品を生成する。
【0135】
更に別の実施態様では、補填材料が、生成プロセスにおいて完全に反応しなかった再循環酸素化物及び/又は酸素化型炭化水素を含むものでも良い。この酸素化物と酸素化型炭化水素は、上述した1又はそれ以上の酸素化物及び酸素化がた炭化水素を含むものでも良い。
【0136】
更に別の実施態様では、補填材料はプロセスに加えた酸及び塩を含むものでも良い。酸性化合物を加えることで、所望の酸素化物、最終的にはC4+化合物に対する選択性を上げることができる。水溶性酸には、限定することなく、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物塩、及びこれらの混合物が含まれる。追加の酸性改質剤を使用する場合は、それが水性原料ストリームのpHをpH約1.0乃至pH約4.0に下げるのに十分な量で存在することが好ましい。このような酸素化物形成中の原料ストリームのpHの低減は、更に凝縮させるためのジオール、ポリオール、ケトン、あるいはアルコールの比率を上げる。
【0137】
反応システム
ここに述べた反応は、連続フロー、バッチ、セミバッチ、あるいはこれらの組み合わせを含み、デザイン、サイズ、ジオメトリ、流速、その他について限定することなく適宜設計された反応器で行うことができる。反応システムは、また、流動接触床システム、スイング床システム、固定床システム、移動床システム、あるいはこれらの組み合わせを使用することができる。好ましくは、本発明は、定常平衡状態で連続フローシステムを用いて行う。
【0138】
連続フローシステムでは、反応システムは、少なくとも、水性原料溶液を受けて水素を生成するように構成した改質床と、この水素と原料溶液の一部から酸素化物を生成するように構成した脱酸素化床と、この酸素化物からC2+オレフィンを生成する脱水素化床と、C4+イソパラフィンとC2+オレフィンからC6+パラフィンを生成するアルキル化床とを具える。改質床は、水蒸気相又は液相中の水性原料溶液をAPR触媒に接触させて、反応物ストリーム中に水素を提供するように構成されている。脱酸素化床は、この反応物ストリームを受けて脱酸素化触媒と接触させ、所望の酸素化物を生成するように構成されている。脱水素化床は、反応物ストリームを受けて脱水素化触媒と接触させて、C2+オレフィンを生成するように構成されている。アルキル化反応器は、このC2+オレフィン(いくつかの場合は、C4+直鎖パラフィン、芳香物、及び/又はナフテン)を含む反応物ストリームとC4+イソパラフィンのストリームを受けて、 アルキル化触媒に接触させて、所望のC6+パラフィンを生成するように構成されている。APR水素の生成ステップがないシステムにおいては、改質床はなくとも良い。水素又は酸素化物を生成するステップがないシステムにおいては、改質床と脱酸素化床がなくとも良い。APR触媒、脱酸素化触媒、及び脱水素化触媒は原子的に同一であるので、触媒は同じ床として存在することができる。水素化あるいは水素化分解ステップを伴うシステムでは、脱酸素化床及び/又は改質床の前に、追加の反応床を加えても良い。脱水素化ステップの前に水素化ステップがあるシステムでは、追加の反応床を、脱酸素化床及び/又は改質床の後ろに設けても良い。異性化ステップのあるシステムでは、追加の異性化床を設け、C4+直鎖パラフィン、芳香族及び/又はナフテンでなるイソパラフィン原料ストリームを受けて、異性化触媒と接触させて、アルキル化床に提供するC4+イソパラフィンのストリームの一部を生成するように構成しても良い。
【0139】
水素と酸素化物の両方を生成するシステムでは、脱水素化床を改質床と共に同じ反応容器内に配置するようにしても良いし、改質床を有する第1の反応容器と連通する第2の反応容器内に配置するようにしても良い。脱水素化床は、改質又は脱酸素化床と共に同じ反応容器内に配置するようにしても良いし、脱酸素化床を有する反応容器と連通する別の反応容器内に配置するようにしても良い。各反応容器は、その反応容器から製品ストリームを取り除くように構成した出口を具えることが好ましい。水素化ステップ又は水素化分解ステップを含むシステムでは、水素化又は水素化分解反応床が、改質又は脱酸素化床と共に同じ反応容器内にあっても良いし、改質床及び/又は脱酸素化床を有する反応容器と連通している別の反応容器内にあっても良い。水素化ステップに続いて脱水素化ステップがあるシステムでは、水素化反応床は、脱水素化床と共に同じ反応容器内にあっても良いし、脱水素化床を有する反応容器と連通する別の反応容器内にあっても良い。
【0140】
反応システムはまた、反応物ストリームの一部を除去して所望の反応生成物に反応を更に進める又は方向づけて、そのシステムのその他の部分で使用するべく反応副生成物を回収して再循環させる、追加の出口を具えていても良い。反応システムは、また、補填材を導入して所望の反応生成物に反応を更に進める又は方向づけて、改質プロセスで使用するべく反応副生成物を再循環させる、追加の入口を具えていても良い。例えば、このシステムは、APR触媒の上で過剰水素が生成され、取り除いて水素化ステップの下流に再導入した過剰水素の一部で、更に脱水素化するめのヒドロキシル化合物を生成するように設計することができる。代替的に、このシステムは、APR触媒の上で過剰水素が生成され、取り除いて、原料前処理プロセスや、水素化又は水素化分解反応などのその他の上流側プロセスで使用する過剰水素の一部で使用するように設計することができる。
【0141】
反応器システムはまた、反応物ストリームを、別の反応スキームで使用できるあるいは単に所望の反応を促進する別の成分に分離できる要素を具えていても良い。例えば、相分離器、抽出器、生成又は蒸留コラムなどの分離器ユニットを、アルキル化ステップの前に設定して、異性化システム用の供給物を生成するために、C4+直鎖パラフィン、芳香族、及び/又はナフテンを反応物ストリームから取り除いて、アルキル化反応用にC4+直鎖パラフィンを提供するようにしても良い。
【0142】
一の実施態様では、反応システムは、液状原料溶液の流れる方向がインサイチュウで発生しAPR水素と最大に相互作用するように設定して構成されている。反応器は、反応物ストリームが水平方向、縦方向、あるいは重力面に直交する方向に流れてシステムの効率を最大限にするように設計することができる。反応物ストリームが縦方向あるいは重力面に直交する方向に流れるシステムでは、ストリームは重力に対抗して(アップフローシステム)流れるか、重力方向に流れる(ダウンフローシステム)か、又は両方の組み合わせで流れる。一の好ましい実施態様では、APR及び/又は脱酸素化反応容器がアップフローシステムとして、脱水素化反応容器がダウンフローシステムとして設計されている。この実施態様では、原料溶液がまずAPR触媒を含有する改質床と接触して、インサイチュウで発生したAPR水素を生成する。反応器の構成によって、APR水素は次いで、所定の条件のもと、脱酸素化触媒を含む第2の反応床に、原料溶液より大きな速度あるいは同じ速度で浸透し、原料溶液と水素及び脱酸素化触媒との相互作用を最大にする。結果としての反応物ストリームは、次いで、ダウンフロー構成で処理を行うべく脱水素化反応器に送られる。
【0143】
プロセス図
図4は、本発明を実行するのに有益な一反応システムを示すプロセス図である。酸素化炭化水素の供給ストリーム1(水を伴うあるいは伴わない)は、2で再循環水の水蒸気及び再循環酸素化物と混合されて、液体原料溶液を提供する。この原料溶液は、水素化又は水素化分解触媒を含む反応器3において水素化されるか、あるいは水素化分解されて、所望の酸素化物により容易に変換される原料溶液4を提供する。以下のステップに示すように、前処理用の水素を外部源18又はシステムから再循環された水素から抽出する。原料溶液4はAPR触媒と脱酸素化触媒を含む反応容器5内で反応して、水、APR水素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素、及び酸素化物を含むAPR製品ストリーム6を生成する。反応物ストリーム6は、次いで脱水素化触媒を含む反応容器7を通過して、C2+オレフィン、水、水素、二酸化炭素及びその他の炭化水素を含む製品ストリーム8を生成する。次いで、製品ストリーム8中の水をセパレータ9で除去して、水素、二酸化炭素、及び炭化水素を含む製品ストリーム10と、オレフィン含有炭化水素を含む製品ストリーム21を提供する。次いで、脱水ステップ9からの水を11で再循環させて、2で酸素化型炭化水素のストリームと混合する。製品ストリーム21は次いで、アルキル化触媒と、C2+オレフィンと反応するC4+イソパラフィンのストリーム23とを含む反応システム22を通過して、C6+パラフィン、C4+イソパラフィン、水、二酸化炭素、及びその他の炭化水素を含有する製品ストリーム24を生成する。製品ストリーム24は、次いで、蒸留コラム25を通過して、C6+アルキル化生成物27からC5+炭化水素26を分離する。非凝縮ガスストリーム10は分離ユニット11を通過して、精製水素ストリーム15と、二酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、及び少量の水素を含有するラフィネートストリーム14を提供する。精製水素15は次いで、16でシステムから出てゆくか、あるいは再純化コンプレッサ18を通過して、再循環水素ストリーム20を提供する。
【0144】
図5は、本発明を実行するのに有益な別の反応システムを示すプロセス図である。反応システムは、異性化原料ストリーム30中のC4+直鎖パラフィン、芳香族及び/又はナフテンを回収するために分離ユニット28がセパレータ9の後ろに置かれている点を除いて、図4に示すものと同様である。異性化原料ストリーム30は、次いで、異性化触媒を含む反応システム23を通過して、C4+イソパラフィンのストリーム31を提供し、これがC2+オレフィンと反応して、C6+パラフィンとその他の炭化水素を含有する製品ストリーム24を生成する。
【0145】
図6は、本発明を実行するのに有益な別の反応システムを示すプロセス図である。反応システムは、C4+直鎖パラフィン、芳香族、及び/又はナフテン、及び過剰C4+イソパラフィン(再循環C4+イソパラフィン)を含むストリーム26が異性化システム23に送られる点を除いて、図4に示すものと同様である。C4+直鎖パラフィン、芳香族、及び/又はナフテンを含有する異性体原料26は、異性化システム23中で異性化されて、C4+イソパラフィンのストリーム28を提供し、これがC2+オレフィンと反応して、C6+パラフィン、水、二酸化炭素、及びその他の炭化水素を含有する製品ストリーム16を提供する。
【0146】
図7は、本発明を実行するのに有益な別の反応システムを示すプロセス図である。反応システムは、製品ストリーム6がまず、水素化触媒を含む水素化反応容器28を通過して、C2+ヒドロキシル化合物、水、水素、二酸化炭素、及びその他の炭化水素を含む製品ストリーム29を生成する点を除いて、図4に示すものと同様である。水素化反応に使用する補填水素30は、水素ストリーム20から反応器28に提供される。製品ストリーム29は、次いで、脱水素化触媒を含有する反応容器7を通過して、C2+オレフィン、水、水素、二酸化炭素、及びその他の炭化水素を含有する製品ストリーム8を生成する。
【0147】
以下の実施例は、単独で、本発明のより完全な開示を提供する。従って、以下の実施例は本発明の特徴の理解を容易にするものであるが、いかなる意味でもここに開示して特許を請求した発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0148】
実施例1 APR/脱酸素化触媒
ヘキサクロロ白金酸と過レニウム酸を水中に溶解させて、初期湿潤技術を用いてこの混合物を単斜ジルコニア触媒担体(NorPro Saint−Gobain社、製品コードSZ31164、18メッシュのスクリーンを通過した後60メッシュのスクリーン上に維持されたものに限定した粒子サイズを有する)に加えて、触媒上に1.8%プラチナ配合物及び6.3%レニウム配合物を得て、続く金属前駆体の分解の後に、APR触媒と脱酸素化触媒を組み合わせた触媒を調整した。この調整物を120℃で乾燥させたのち、400℃の蒸気流中で焼成した。
【0149】
実施例2 脱水素化触媒
蒸発含侵技術を用いて水性硝酸ニッケル水溶液をアルミナ結合ZSM−5ゼオライト試料(SiO:Al 30:1、3mm押出物)に加えて、1.0重量%のニッケル配合物を得た。この溶液体積は、ZSM−5物質の初期湿潤体積の3倍であった。この試料を120℃で乾燥させて、次いで400℃で空気流ストリーム中で焼成した。
【0150】
実施例3 ソルビトールから酸素化物への変換
通常のプラグ流れ反応器システムを用いて、実施例1に記載の触媒システムで、ソルビトールの酸素化物を含有する中間有機生成物への変換を調べた。この調査は内径22.1mmのインコネル反応器を用いて行った。反応器圧力は625乃至1200psigの間で変化させ、反応器入口温度は190乃至265℃の間で変化させた。反応器底の周囲に巻き付けた銅コイルを通じて空気流を調整して、出口温度を185乃至230℃の間で変化させた。反応器中の水素の部分圧力は、ソルビトール溶液と共に供給した水素ストリームの流量を調整すること、及び、システム全体の圧力を変化させることによって、625乃至1200psigの間で変化させた。使用したソルビトールの濃度は50重量%であった。
【0151】

【0152】
実施例4 酸素化物のオレフィン及びその他の炭化水素への変換
プラグ流れ反応器システムを用いて、実施例2に記載の触媒システムで、実施例3でできた中間有機生成物の炭化水素と酸素化型炭化水素の混合物を含有する中間生成物への変換を調べた。この調査は、内径21.2mmのステンレススチール反応器を用いて行った。すべてのケースで、反応器圧力は100psigに維持した。反応器の入口温度を370℃に維持して、出口温度を360℃に維持した。毎時重量空間速度(WHSV)は0.8g 供給/(時間当たりg触媒)に維持した。
【0153】
製品ストリームを以下のように分析した。有機液相を回収して、質量分析検出を伴うガスクロマトグラフ、又は、水素炎イオン化分析のいずれかを用いて分析した。結合100%ジメチルポリシロキサン固定相付カラムを用いて成分分離を行った。ピーク積分を行い、クロマトグラム全体についてのピーク面積の合計で除して、個々の成分の相対濃度を測定した。標準滞留時間との比較、及び/又は、コンパイルされた質量スペクトルデータベースとの質量スペクトルの比較によって、組成物を同定した。熱伝導率検出器付のガスクロマトグラフィによって気相組成物を測定し、水素炎イオン化検出器又は質量スペクトル検出器によって、その他の気相成分を測定した。液体部分を、水素炎イオン化検出器を用いたその部分の有機成分の誘導体化により、あるいは誘導体化によることなく、ガスクロマトグラフィで分析した。生成物収率は、各生成物部分に存在する供給炭素によって表わされる。毎時重量空間速度(WHSV)は、時間当たりの触媒重量につきシステム中に導入された原料重量として定義され、原料中に存在する水を排除した酸素化炭化水素原料の重量のみに基づいている。
【0154】
57時間連続運転した後、反応器システムは49重量%のオレフィンへの変換、17重量%の非オレフィン炭化水素への変換、及び4重量%の酸素化型炭化水素への変換を産生した。脱水素化後に存在するオレフィンは、図8に示すように、主に、C−Cスピーシーズからなる。存在する非オレフィン炭化水素のうち、8.2%がアルキル化に適したC及びCイソパラフィンでなるものであった。上述した通り、全体的に、これらの成分は、より長鎖のイソパラフィンを形成するアルキル化反応に関与することができる。イソパラフィンは、その他の反応生成物からインサイチュウで生成することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
6+パラフィンの製造方法において:
水素、水、及び、C2+1+炭化水素を含む水溶性酸素化型炭化水素を、脱酸素化触媒の存在下で、脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素を含む酸素化物を生成するステップと;
前記C2+1−3炭化水素を、脱水素化触媒の存在下で、脱水素化温度と脱水素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンを含む反応ストリームを生成するステップと;
前記C2+オレフィンをC4+イソパラフィンのストリームと、アルキル化触媒の存在下でアルキル化温度とアルキル化圧力で反応させ、C6+パラフィンを具える製品ストリームを生成するステップと;
を具えることを特徴とするC6+パラフィンの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記C2+1+炭化水素が、糖アルコール、糖、モノサッカライド、ジサッカライド、アルジトール、セルロース誘導体、リグノセルロース誘導体、グルコース、フラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、マンノース、キシロース、アラビトール、エリトリトール、グリセロール、イソマルト、ラクチトール、マリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、及びこれらの2又はそれ以上の混合物からなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記C2+1−3炭化水素が、アルコール、ケトン、アルデヒド、フラン、ジオール、トリオール、ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸、及びこれらの2又はそれ以上の混合物からなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記C6+パラフィンが、分枝C6−10アルカン、分枝Cアルカン、分枝Cアルカン、分枝Cアルカン、分枝Cアルカン、分枝C10アルカン、又はこれらの2又はそれ以上の混合物からなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記脱酸素化触媒が、担体と、Re、Cu、Fe、Ru、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、W、Os、Mo、Ag、Au、上記元素の2又はそれ以上の合金、あるいは上記元素の2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員とを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記脱酸素化触媒が更に、Mn、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Y、La、Sc、Zn、Cd、Ag、Au、Sn、Ge、P、Al、Ga、In、Tl、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法において、前記担体が、窒化物、炭素、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタン、バナジア、セリア、窒化ホウ素、ヘテロポリ酸、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、クロミア、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記担体が、カーボンナノチューブ、カーボンフラーレン、及びゼオライトからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記脱水素化触媒が、酸性アルミナ、リン酸アルミナ、リン酸シリカ−アルミナ、非晶質シリカ−アルミナ、アルミノシリケート、ジルコニア、硫化ジルコニア、タングステン化ジルコニア、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイド、チタニア、硫化炭素、リン酸化炭素、リン酸化シリカ、リン酸化アルミナ、酸化樹脂、ヘテロポリ酸、無機酸、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記脱水素化触媒が更に、Ce、Y、Sc、La、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、P、B、Bi、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された改質剤を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法において、前記脱水素化触媒が更に、元素の酸化物を含み、当該元素がTi、Zr、V、Nb、Ta、Mo、Cr、W、Mn、Re、Al、Ga、In、Fe、Co、Ir、Ni、Si、Cu、Zn、Sn、Cd、P、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法において、前記脱水素化触媒が更に、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの2又はそれ以上の合金、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された金属を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法において、前記脱水素化触媒がアルミノケイ酸ゼオライトを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記脱水素化触媒が更に、Ga、In、Zn、Fe、Mo、Ag、Au、Ni、P、Sc、Y、Ta、ランタニド、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された改質剤を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、前記脱水素化触媒が更に、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの2又はそれ以上の合金、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された金属を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法において、前記アルキル化触媒が、硫酸、フッ化水素酸、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、固体リン酸、塩化アルミナ、酸性アルミナ、リン酸アルミニウム、リン酸シリカ−アルミナ、非晶質シリカ−アルミナ、アルミノケイ酸、アルミノケイ酸ゼオライト、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン化ジルコニア、タングステン化カーバイド、炭化モリブデン、チタニア、硫化炭素、リン酸化炭素、リン酸化シリカ、リン酸化アルミナ、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、無機酸、鉱酸とフリーデル・クラフツメタルハライドの混合物、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る郡から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記アルキル化触媒が更に、Ga、In、Zn、Fe、Mo、Ag、Au、Ni、P、Sc、Y、Ta、ランタニド、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された改質剤を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、前記アルカリ化触媒が更に、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、これらの2又はそれ以上の合金、及びこれらの2又はそれ以上の組み合わせから成る群から選択された金属を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法において、前記脱水素化触媒と前記アルキル化触媒が原子的に同じであることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法において、前記水素の少なくとも一部が、前記水の第1の部分と前記水溶性酸素化型炭化水素をAPR触媒の存在下で改質温度と改質圧力で触媒活性的に反応させてAPR水素を生成するステップを具える方法によって生成したAPR水素であることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、前記APR触媒が、担体と、Fe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、これらの2又はそれ以上の合金、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員とを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、前記APR触媒が更に、Cu、B、Mn、Re、Cr、Mo、Bi、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Y、La、Sc、Zn、Cd、Ag、Au、Sn、Ge、P、Al、Ga、In、Tl、これらの2又はそれ以上の合金、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法において、前記担体が窒化物、炭素、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、バナジア、セリア、窒化ホウ素、ヘテロポリ酸、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、クロミア、あるいはこれらの2又はそれ以上の混合物からなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法において、前記担体がカーボンナノチューブ、カーボンフラーレン、及びゼオライトからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項20に記載の方法において、前記APR触媒、脱酸素化触媒、及び脱水素化触媒の1又はそれ以上が原子的に同一であることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項20に記載の方法において、前記APR触媒と脱酸素化触媒が、Ni、Ru、Cu、Fe、Rh、Re、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員と合金された、又は混合されたPtを含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項20に記載の方法において、前記APR触媒と脱酸素化触媒が、Ge、Bi、B、Ni、Sn、Cu、Fe、Rh、Pt、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員と合金された、又は混合されたRuを含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項20に記載の方法において、前記APR触媒が、Sn、Ge、Bi、B、Cu、Ru、Fe、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員と合金された、又は混合されたNiを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項1に記載の方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む水性溶液を提供するステップと、当該ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又は組み合わせを、水素化触媒の存在下で、水素化温度と水素化圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成することを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、前記水素化型触媒が、担体と、Fe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、Re、Cu、これらの2又はそれ以上の合金、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記水素化型触媒が更に、Ag、Au、Cr、Zn、Mn、Sn、Bi、Mo、W、B、P、これらの2又はそれ以上の合金、あるいはこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項1に記載の方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む水性溶液を提供して、当該糖、糖アルコール、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、又は組み合わせを、水素化分解触媒の存在下で水素化分解温度と水素化分解圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、前記水素化分解触媒が、リン酸塩、Cr、 Mo、W、Re、Mn、Cu、Cd、Fe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、前記水素化分解触媒が更に、Au、Ag、Zn、Sn、Bi、B、Cr、Mr、O、これらの2又はそれ以上の合金、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせからなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法において、前記水素化分解触媒が更に、アルカリ土類金属酸化物を含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項1に記載の方法において、前記水素と、水と、水溶性酸素化型炭化水素を、脱酸素化触媒の存在下で触媒活性的に反応させるステップが、水相、蒸気相、あるいはこれらの組み合わせで行われることを特徴とする方法。
【請求項37】
6+パラフィンの製造方法において:
水素、水、及び、C2+1+炭化水素を含む水溶性酸素化型炭化水素を、脱酸素化触媒の存在下で、脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素を含む酸素化物を生成するステップと;
前記C+O1−3炭化水素を、第1の脱水素化触媒の存在下で、脱水素化温度と脱水素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+ヒドロゲル化合物を生成するステップと;
当該C2+ヒドロゲル化合物の一部を、脱水素化触媒の存在下で脱水素化温度と脱水素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンを生成するステップと;
当該C2+オレフィンをC4+イソパラフィンのストリームと、アルキル化触媒の存在下でアルキル化温度とアルキル化圧力で触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを具える製品ストリームを生成するステップと;
を具えることを特徴とするC6+パラフィンの製造方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法において、前記水素の少なくとも一部が、前記水の第1の部分と前記水溶性酸素化型炭化水素を、APR触媒の存在下で改質温度と改質圧力で触媒活性的に反応させて、APR水素を生成するステップを具える方法によって生成したAPR水素であることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項37に記載の方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む水性溶液を提供するステップと、当該ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを、水素化触媒の存在下で水素化温度と水素化圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項37に記載の方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む水性溶液を提供するステップと、当該糖、糖アルコール、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを、水素化分解触媒の存在下で水素化分解温度と水素化分解圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項41】
6+パラフィンの製造方法において:
水素、水、及び、C2+1+炭化水素を含む水溶性酸素化型炭化水素を、脱酸素化触媒の存在下で、脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素と1又はそれ以上のC4+直鎖パラフィンと、芳香族及び/又はナフテンを含む酸素化物を生成するステップと;
前記C4+直鎖パラフィンと、芳香族及び/又はナフテンを回収して、当該C4+直鎖パラフィンと、芳香族及び/又はナフテンを異性化触媒の存在下で触媒活性的に反応させて、C4+イソパラフィンのストリームを生成するステップと、
前記C2+1−3炭化水素を、脱水素化触媒の存在下で、脱水素化温度と脱水素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンを含む反応ストリームを生成するステップと;
当該C2+オレフィンをC4+イソパラフィンと、アルキル化触媒の存在下でアルキル化温度とアルキル化圧力で触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを生成するステップと;
を具えることを特徴とするC6+パラフィンの製造方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、前記水素の少なくとも一部が、前記水の第1の部分と前記水溶性酸素化型炭化水素を、APR触媒の存在下で改質温度と改質圧力で触媒活性的に反応させて、APR水素を生成するステップを具える方法によって生成したAPR水素であることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項41に記載の方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む水性溶液を提供するステップと、当該ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを、第2の水素化触媒の存在下で水素化温度と水素化圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項41に記載の方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む水性溶液を提供するステップと、当該糖、糖アルコール、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを、水素化分解触媒の存在下で水素化分解温度と水素化分解圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項41に記載の方法において、前記異性化触媒が、ゼオライト、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン化ジルコニア、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミン酸亜鉛、塩化アルミナ、リン酸、あるいはこれらの2又はそれ以上の混合物からなる群から選択された員を含むことを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法において、前記異性化触媒が、酸性ベータ(acidic beta)、モルデナイト、又はZSM−5ゼオライトであることを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項45に記載の方法において、前記異性化触媒が更に、Y、Pt、Ru、Pd、Ni、Rh、Ir、Fe、Co、Os、Zn、ランタナイド、あるいはこれらの2又はそれ以上の合金又は組み合わせからなる群から選択された金属を含むことを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項45に記載の方法において、前記異性化触媒が担体を具え、当該担体がアルミナ、硫酸化酸化物、クレイ、シリカゲル、リン酸アルミニウム、ベントナイト、カオリン、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、活性アルミナ、ボーキサイト、シリカ、シリカ−アルミナ、活性炭素、軽石、ジルコニア、チタニア、ジルコニウム、チタン、珪藻土、又はゼオライトであることを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法において、前記異性化触媒がIVB族金属の硫酸化物又は水酸化物、少なくとも一のIIIA族化合物、及びVIII族金属でできた担体を具えることを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法において、前記IVB族金属が、ジルコニウム、チタン、これらの合金あるいはこれらの混合物を含み、前記IIIA族化合物が、ガリウム、インジウム、又はこれらの混合物を含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項49に記載の方法において、前記VIII族金属が、Pd、Pt、Ru、Rh、Ir、Os、これらの2又はそれ以上の合金、あるいはこれらの2又はそれ以上の混合物を含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項45に記載の方法において、前記異性化触媒が更に、Fe、Co、Ni、Re、Y、Eu、Tm、Ho、Er、Yb、Tb、あるいはこれらの2又はそれ以上の混合物を含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
6+パラフィンの製造方法において:
水素、水、及び、C2+1+炭化水素を含む水溶性酸素化型炭化水素を、脱酸素化触媒の存在下で、脱酸素化温度及び脱酸素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+1−3炭化水素を含む酸素化物を生成するステップと;
前記C+O1−3炭化水素を、脱水素化触媒の存在下で、脱水素化温度と脱水素化圧力で触媒活性的に反応させて、C2+オレフィンと1又はそれ以上のC4+直鎖パラフィンと、芳香族及び/又はナフテンを含む反応ストリームを生成するステップと;
前記C4+直鎖パラフィンと、芳香族及び/又はナフテンの一部を回収して、当該C4+直鎖パラフィンと、芳香族及び/又はナフテンを異性化触媒の存在下で触媒活性的に反応させて、C4+イソパラフィンを生成するステップと、
前記C2+オレフィンを前記C4+イソパラフィンと、アルキル化触媒の存在下でアルキル化温度とアルキル化圧力で触媒活性的に反応させて、C6+パラフィンを含む製品ストリームを生成するステップと;
を具えることを特徴とするC6+パラフィンの製造方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法において、前記水素の少なくとも一部が、前記水の第1の部分と前記水溶性酸素化型炭化水素を、APR触媒の存在下で改質温度と改質圧力で触媒活性的に反応させて、APR水素を生成するステップを具える方法によって生成したAPR水素であることを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項53に記載の方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む水性溶液を提供するステップと、当該ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、フラン、又は組み合わせを、第2の水素化触媒の存在下で水素化温度と水素化圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項53に記載の方法が更に、水と、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、糖、糖アルコール、又はこれらの2又はそれ以上の組み合わせを含む水性溶液を提供するステップと、当該糖、糖アルコール、ポリサッカライド、ジサッカライド、モノサッカライド、多価アルコール、又は組み合わせを、水素化分解触媒の存在下で水素化分解温度と水素化分解圧力で、水素と触媒活性的に反応させて、水溶性酸素化型炭化水素を生成するステップを具えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−501338(P2012−501338A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525190(P2011−525190)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/055178
【国際公開番号】WO2010/025241
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(508180518)ヴァイレント エナジー システムズ インク. (5)
【Fターム(参考)】