説明

バイオマス燃料燃焼装置

【課題】 一部の燃焼風を循環して吸気風と混合し、吸気風の温度を上昇させると共に、機外に排出される燃焼風の酸素濃度を低くすることで、バイオマス燃料の燃焼効率を上げて熱交換率を向上させ、資源をより有効に活用できるバイオマス燃料燃焼装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 排風部6内には燃焼によって発生し、燃焼風と共に排風部6に導かれる灰を収集する収集部31を備えると共に燃焼風振り分け構成32によって機外に排出する排出経路33と、燃焼室2に再度燃焼風を循環させる循環経路34を備えた構成となっており、燃焼風振り分け構成32は排出経路33に備えられる濃度センサ35によって酸素若しくは二酸化炭素の濃度を検出し、その設定値に応じて燃焼風振り分け構成32を稼動させて排出経路33と循環経路34に燃焼風の量を調節している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流木又は間伐材を粉砕圧縮加工して成形した木質ペレット、籾殻、籾殻ペレット、藁、乾燥雑草等のバイオマスを燃料としてもちいる燃焼装置において、燃焼の効率を向上させるためのバイオマス燃料燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から燃焼の燃料として使用されている化石燃料の石炭や石油は、二酸化炭素等の温室効果ガスによる地球温暖化の問題で、温室効果ガスの発生をより少なくする資源への転換が急務となっている。
【0003】
特に近年、環境問題に有効であるとされているバイオマスの燃料として、籾殻又そのペレット、藁等の燃料化が注目され、特に間伐材・大鋸屑・流木等の今まで焼却廃棄されていた木質材を木質ペレットとして粒状化し、燃焼装置・暖房機に利用され始め、実開昭58−190301号(特許文献1)に記する固形燃料ストーブのように実用化が期待されている。
【0004】
また、籾殻を燃料としたストーブも特開2000−186817号公報(特許文献2)のように、筒状の籾殻を積載収納した炉体の底面の籾殻に着火し炉体内を通風する外気によって籾殻の燃焼が良好に維持し、燃え尽きた籾殻が炉体の下方の空間に落下堆積して燃料となる籾殻へ次々と燃焼する籾殻燃焼ストーブも公知であり、今まで焼却処分されていたバイオマス資材の有効利用が提案されている。
【0005】
【特許文献1】実開昭58−190301号公報
【特許文献2】特開2000−186817号公報
【特許文献3】特開昭56−85631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前掲の特許文献1、特許文献2におけるバイオマスを燃料として使用した燃焼装置であっては、従来の廃棄物を資源として有効できるようにはなっているが、燃焼効率を上げる構成までには至っていないのが現状であって、実際にペレットストーブの燃焼排気風の酸素濃度は約20〜18%と高く、燃焼装置としての燃焼効率を上げ資源の更なる有効利用が待たれるところである。
【0007】
従来より使用されている石油、ガスを燃料とする強制給排気式温風暖房機では、特開昭56−85631号公報(特許文献3)のように、壁を貫通して室内から室外に導出した二重管構成の給排気筒を備えて、室内側においてはこの貫通部の内管を排気路、外管を吸気路とし、室外においては内管を吸気路、外管を排気路として、排気される排気風の熱を利用して吸気路の吸気温度を上昇させて高い熱交換率を得ようとする提案もなされている。
【0008】
燃焼部の吸気温度が高くなり、燃焼風に含まれる二酸化炭素の濃度が高くなれば、熱効率が向上することは周知の通りであり、二酸化炭素濃度が高くなることは燃焼風に含まれる酸素濃度が低くなることである。通常、石油(灯油)を燃料とするバーナを燃焼させた場合の燃焼風の酸素濃度は8〜10%である。しかしながら木質ペレットを燃焼させた場合の燃焼風に含まれている酸素の濃度は20%から18%と燃焼風内にまだ多くの酸素を含んでいるものであり、機外に排出される燃焼風の酸素濃度を出来るだけ減少させて、熱効率を向上させることが可能であると思量するところである。
【0009】
そこで本発明においては、石油、ガスを燃料とする強制給排気式熱風暖房機と同様に、燃焼風の排気熱を利用して吸気風の温度を上昇させるため、一部の燃焼風を循環して吸気風と混合し、吸気風の温度を上昇させると共に、機外に排出される燃焼風の酸素濃度を低くすることで、バイオマス燃料の燃焼効率を上げて熱交換率を向上させて、資源をより有効に活用できるバイオマス燃料燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は請求項1ないし請求項3に係るバイオマス燃料燃焼装置を提案する。
【0011】
即ち、請求項1記載のバイオマス燃料燃焼装置は、燃焼室と燃料タンクと、燃料タンクからバイオマス燃料を燃焼室に搬送する燃料供給手段を設け、燃焼室の上方に熱交換部と燃焼風排気口を備え、前記燃焼風排気口には燃焼室で発生する燃焼風が流入する排風部を接続したバイオマス燃料燃焼装置において、排風部から排出される燃焼風は、機外に排出する経路と、燃焼室に再度通風され、燃焼室と排風部を循環する経路を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項2記載のバイオマス燃料燃焼装置は、請求項1記載のバイオマス燃料燃焼装置において、排風部には灰を収集する収集部を備え、燃焼室に再度通風して燃焼室と排風部を循環する経路には、収集部を通過した燃焼風が流入することを特徴とするものである。
【0013】
請求項3記載のバイオマス燃料燃焼装置は、請求項1または請求項2記載のバイオマス燃料燃焼装置において、排風部から排出される燃焼風は、機外に排出する経路と、燃焼室に再度通風して燃焼室と排風部を循環する経路の二方向に、その燃焼風量を振り分ける燃焼風振り分け構成を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
図1に示すように装置内には、燃焼室2と燃料タンク3と燃料タンク3から燃焼室2までバイオマス燃料を供給する燃料供給手段4が備えられているものであって、また燃焼室2には熱交換部5とその上方に燃焼風排気口7を備えている。燃焼風排気口7は排風部6とつながれていて、排風部6内には燃焼によって発生し、燃焼風と共に排風部6に導かれる灰を収集する収集部31を備えると共に燃焼風振り分け構成32によって機外に排出する排出経路33と、燃焼室2に再度燃焼風を循環させる循環経路34を備えた構成となっている。
【0015】
なお、燃焼風振り分け構成32は排出経路33に備えられる濃度センサ35によって酸素若しくは二酸化炭素の濃度を検出し、その設定値に応じて燃焼風振り分け構成32を稼動させて排出経路33と循環経路34に燃焼風の量を調節しているものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るバイオマス燃料燃焼装置は、石油、ガスを燃料として、燃焼時に空気と強制的に混合し、高い燃焼効率を実現する強制給排気式熱風暖房機と同様に、燃焼に使用する吸気風の温度を上昇させることが可能となると同時に、燃焼の排気に含まれる酸素濃度を減少させ、排風に含まれる二酸化炭素量を排出量の割合を上昇させることが可能であるので、バイオマス燃料の燃焼効率を上げ、より少ないバイオマス燃料であっても多くのエネルギーに変換することが可能となり、バイオマス資源をより有効に活用できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明において、バイオマス燃料とは、動植物に由来する有機物のエネルギー源として利用できるものであって、例えば建築廃材、木材、間伐材、流木等の木質有機物や、稲藁、籾殻を固形化燃料又はそれぞれを乾燥した状態で燃焼燃料にしたもの。食品廃棄物、食品副産物、家畜糞尿を乾燥させて燃焼燃料にしたもの。菜種、とうもろこし等の農産物及びその副産物を乾燥させ燃焼燃料にしたものをいう。
【0018】
本発明のバイオマス燃料燃焼装置の例として、木質ペレットを使用するペレットストーブについて以下に説明を行なう。
【0019】
図2は、木質ペレット燃料を使用するペレットストーブの概要を説明する断面図であって、1はペレットストーブである。aは木質ペレットであって、ペレットストーブ1内には木質ペレットaが燃焼する燃焼室2とその上方には熱交換部5が設けられている。燃焼室2の上方には燃焼風排気口7が設けられ燃焼風を排風部6へ流通させている。燃焼室2には隣接して燃料タンク3を備え、燃料タンク3から燃焼室2へ木質ペレットaを供給する燃料供給手段4が燃料タンク3に密接して備えられている。図2に示す燃料タンク3はペレットストーブ1の上方までその空間を有していて、ペレットストーブ1の上面が扉となって燃料タンク3内に木質ペレットaが投入できる構成であると良い(図示せず)。
【0020】
燃料タンク3の下端を構成する底面板10が投入口9に向かって傾斜し、燃料供給手段4のスクリューコンベア8の投入口9に木質ペレットaが漏れなく投入できるようになっている。スクリューコンベア8の上端には燃焼室2内へ木質ペレットaを投入する投入シュート11と投入シュート11内に外気を通風させるための通気口12が設けてあり、この通気口12は投入シュート11の途中に設けられていてもよい。なお、スクリューコンベア8の動力はモータ24の回転によって得られる。
【0021】
燃焼室2の下方には、投入シュート11より落下した木質ペレットaが燃焼する燃焼皿13が設けられ、そしてこの燃焼皿13には燃焼皿通気孔14を有しているものである。この燃焼皿通気孔14は木質ペレットaが落下しない間隙を保って燃焼皿13の略全面に前後左右どちらかの方向に長方形の形状で開口しているものである。また燃焼皿13の側面には点火装置15があり、この点火装置15は長細の筒内にヒータ16が備えられ、長細筒内を通過する空気をヒータ16によって高温(約250℃以上)にしてその高温の空気を木質ペレットaに当てることによって着火する構造になっている。
【0022】
燃焼室2の壁面と燃料タンク3及び燃料供給手段4とは冷却空間17を隔てて構成されていて、その冷却空間は外気が流通するようになっていると良い。
【0023】
燃焼室2の底部には燃焼皿13で燃焼後に発生した比較的比重の重い灰が、燃焼皿通気孔14から落下し灰回収箱38に溜まるようになっている。
【0024】
燃焼室2の中間から上部にかけて燃焼室2を前後に縦断する熱交換部5が設けられている。この熱交換部5は複数の放熱管18からなり、外気を圧送ファン19で放熱管18内に供給し、熱交換をして温風吹き出し口20から温風を機外に供給する。
【0025】
燃焼室2の上方の熱風排気口7に接続されている排風部6には吸引ファン21が備えられ、燃焼風を吸引し、排気ダクト22から機外に燃焼風を排気している。なお、排気ダクト22又は吸引ファン21の出入り口のどちらかに温度センサ23を備えている。
【0026】
吸引ファン21の動作によって外気が直接又は冷却空間17を経由して燃焼室2の燃焼皿通気孔14及び、点火装置15内を、そして外気の一部が投入シュート11を経由して燃焼室2内に達する。燃料タンク3からスクリューコンベア8を経由して燃焼室2内に木質ペレットaが投入され点火装置15によって着火し、燃焼皿通気孔14からの送風で木質ペレットaが安定し燃焼を続ける。その後この燃焼風は熱交換部5で熱交換され燃焼風排気口7から吸引ファン21を通過し、排気ダクト22から機外に排気される。
【0027】
上記のモータ24、ヒータ16、圧送ファン19、吸引ファン21及び温度センサ23は制御部37によって制御されている。
【0028】
運転ONと共にヒータ16に通電を行ない、通電が規定の時間経過したら予熱完了と判断し、モータ24を稼動して燃焼皿13上に燃料供給を行なう。その後、設定時間経過後に吸引ファン21を起動させ、燃焼皿13上に木質ペレットaを設定時間供給後、燃料の供給を停止しする。温度センサ23で排気される温度が設定温度(40℃)到達時に燃焼を検出したものとみなし、圧送ファン19を稼動すると共に、設定の間隔で、設定時間の範囲でモータ24に通電し、燃焼燃料の供給を定期的におこない、その後温度センサ23の温度が設定温度より下降しなければ安定燃焼と判断してヒータ16への通電を停止する。
【0029】
安定燃焼中の暖房の温度調節として、燃料供給を3段階の調節ができるようになっており、その供給量の調節に伴って吸引ファンの風量も3段階に制御される。燃料供給「大」では燃焼皿通気孔14を上昇する風速は約2〜3m/s、「中」での風速は「大」の風速の約80%、「小」での風速は「大」の風速の約70%となっている。
【0030】
以上のように構成されたペレットストーブにおいて本発明の実施の形態を以下に説明を行なう。
【実施例】
【0031】
図3には、図2における木質ペレットを燃料としたペレットストーブでの本発明の実施の形態を示している。図3には、本発明の実施の形態の他例を示している。
【0032】
図3のペレットストーブ1は図2に示すペレットストーブの構成において排風部6に収集部31と燃焼風振り分け構成32、排出経路33、循環経路34を設けた構成を示している。
【0033】
燃焼室2の上方の燃焼風排気口7に接続されている排風部6には、燃焼風Cの流入順に、収集部31次いで吸引ファン21、その後工程に燃焼風振り分け構成32備え、燃焼風振り分け構成32で燃焼風Cを排出経路33と循環経路34にその割合を振り分けているものである。燃焼風振り分け構成32は手動でそれぞれに風量を調節できるものであっても良いが、排出経路33及び排気ダクト22に酸素又は二酸化炭素の濃度の検出を行なう濃度センサ35を設けることで、その濃度に応じてそれぞれの流量を調節することが可能となる。
【0034】
図3で示す収集部31では、遠心力を利用して燃焼風C中の灰bを取除こうとする遠心分離装置25の構成を示している。燃焼風Cの流入方向を180度旋回させるダクト内面に、円弧になった円弧面26を備え、円弧面26で反転したダクトは円弧面26に沿って設けられた灰ダクト27と、円弧面26から離れた排風ダクト28の2層に分離され、灰ダクト27の先端には外部との通気性がない灰回収容器29が設けられ灰bが堆積するようになっている。
【0035】
排風ダクト28は、吸引ファン21に繋がれ、吸引ファン21の排風口が燃焼風振り分け構成32に接続されている。燃焼風振り分け構成32は内部に排出経路33と循環経路34に燃焼風Cを振り分けるシャッタ36を有していて、このシャッタ36は手動による調節でも良いが、排出経路33又は排気ダクト22に備えられた濃度センサ35によって検出されて酸素又は、二酸化炭素の濃度データを制御部37に通信し、濃度センサ35で検出される酸素又は二酸化炭素の濃度が設定範囲内になるようにシャッタ36を制御して、排出経路33と循環経路34に振り分ける燃焼風Cの量を調節するものであってもよい。
【0036】
燃焼風振り分け構成32で排出経路33に振り分けられた燃焼風Cは排気ダクト22から機外に排出され、循環経路34に振り分けられた燃焼風Cは、燃焼室2の下方の燃焼皿13の燃焼皿通気孔14又は、点火装置15のヒータ16の側面を通過して木質ペレットaの燃焼に利用される。
【0037】
吸引ファン21の作用によって、燃焼室2の燃焼風排気口7から排風部6に導かれた灰bを含んだ燃焼風Cは、収集部31の遠心分離装置25のダクト内を流入し、円弧面26を通過する際、灰bは円弧面26に沿って旋回し、灰ダクト27に導かれ灰回収容器29内に堆積するものである。そして灰bが取除かれた燃焼風Cは排風ダクト28を通過して吸引ファン21を通過し、燃焼風振り分け構成32のシャッタ36の開度調整によって、排出経路33と循環経路34に振り分ける流量を調節するものである。シャッタ36のそれぞれの流量の調節は、手動によるものでも良いが、排出経路33又は排気ダクト22にもうけられた濃度センサ35の酸素又は二酸化炭素の排出濃度を検出し、制御部37に通信し濃度センサ35で検出される濃度が設定範囲になるようにシャッタ36で排出経路33に振り分けられる流量をシャッタ36の開度によって調節を行なっている。
【0038】
木質ペレットを燃料として使用した燃焼機から排出される燃焼風に含まれる酸素濃度は20〜18%と、外気と同等の酸素濃度を示し、燃焼ではほとんど酸素が使用されていないことが伺える。そこで濃度センサ35で燃焼風Cに含まれる酸素濃度を検出し、酸素濃度が設定範囲まで低くなるようにシャッタ36を制御して循環経路34に燃焼風Cを流入させて、燃焼室2の下方の燃焼皿13の燃焼皿通気孔14又は点火装置15のヒータ16の側面を通風させ、燃焼皿13上で燃焼させる吸気の温度を上昇させると共に、燃焼風Cに含まれる酸素を有効利用して再度燃焼に使用するものである。燃焼皿通気孔14から再度流入する燃焼風Cにおいては若干の灰bが混在しても燃焼を妨げることが無いので木質ペレットの安定した燃焼を得ることが可能となる。
【0039】
濃度センサ35では定期的に酸素(二酸化炭素)の濃度を検出して、その数値を制御部に通信し、制御部からシャッタ36を稼動させて、排出経路33と循環経路34に振り分けられるそれぞれの流量を調節し、濃度センサ35で検出される酸素(二酸化炭素)の濃度が設定範囲内になるように制御されているものである。
【0040】
図4には、図3の木質ペレットを燃料としたペレットストーブでの本発明の実施の形態の他例を示している。
【0041】
図4では排風部6の収集部31をサイクロン30にした構成を示している。燃焼室2上部の燃焼風排気口7にはサイクロン30が繋がれていて、サイクロン30の下端に灰回収容器29を、上端にはサイクロンの内筒に吸引ファン21が設けられている。吸引ファン21には燃焼風振り分け構成32のシャッタ36が繋がれていて、シャッタ36から排出経路33と循環経路34の二方向に燃焼風を振り分ける構造になっている。また、排出経路33には排気ダクト22が繋がれ、そのどちらかに濃度センサ35を設置されていてもよく、排気ダクト22は機外に燃焼風を排出するようになっている。循環経路34は燃焼室2の入口まで導かれていて、吸引ファン21の稼動で燃焼室2に吸引される外気と混合するようになっている。シャッタ36の調節は手動であっても良いが、濃度センサ35で測定される酸素(二酸化炭素)の濃度を制御部に伝達し、濃度センサ35で計測される濃度が設定範囲になるように制御部からシャッタ36を調節し、排出経路33と循環経路34に流入する燃焼風の流量の比率を調節する構成であると良い。
【0042】
吸引ファン21の作用によって、燃焼風排気口7からサイクロン30内に燃焼風Cが流入し、旋回しながら灰bがサイクロン30内を落下し灰回収容器29内に堆積する。サイクロン内で灰bを除去した燃焼風は吸引ファン21から燃焼風振り分け構成32へ移行し、シャッタ36によって、排出経路33と循環経路34にその流量を振り分け、排出経路33は排気ダクト22から燃焼風を機外に排出し、循環経路34は燃焼風を燃焼室の燃焼空気として外気と混合し、燃焼皿通気孔14を通過する燃焼空気として再利用される。なお、外気は燃焼風と混合されるので温度が上がり木質ペレットの燃焼効率を上げるものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係るバイオマス燃料燃焼装置は主としてペレットストーブに有効な手段であるが、木質以外のペレットを燃料として燃焼可能なペレットボイラーにおいても有効な燃焼風の再利用方法であって、ペレットを使用する全ての燃焼装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るバイオマス燃料燃焼装置の実施の形態を示す略図である。
【図2】木質ペレットを燃料とするペレットストーブの概要を示す断面略図である。
【図3】木質ペレットを燃料としたペレットストーブでの本発明の実施の形態を示す断面略図である。
【図4】木質ペレットを燃料としたペレットストーブでの本発明の実施の形態の他例を示す断面略図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ペレットストーブ
2 燃焼室
3 燃料タンク
4 燃料供給手段
5 熱交換部
6 排風部
7 燃焼風排気口
8 スクリューコンベア
9 投入口
10 底面板
11 投入シュート
12 通気口
13 燃焼皿
14 燃焼皿通気孔
15 点火装置
16 ヒータ
17 冷却空間
18 放熱管
19 圧送ファン
20 温風吹き出し口
21 吸引ファン
22 排気ダクト
23 温度センサ
24 制御部
25 遠心分離装置
26 円弧面
27 灰ダクト
28 排風ダクト
29 灰回収容器
30 サイクロン
31 収集部
32 燃焼風振り分け構成
33 排出経路
34 循環経路
35 濃度センサ
36 シャッタ
37 制御部
38 灰回収箱
a 木質ペレット
b 灰
C 燃焼風

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室と燃料タンクと、燃料タンクからバイオマス燃料を燃焼室に搬送する燃料供給手段を設け、燃焼室の上方に熱交換部と燃焼風排気口を備え、前記燃焼風排気口には燃焼室で発生する燃焼風が流入する排風部を接続したバイオマス燃料燃焼装置において、
排風部から排出される燃焼風は、機外に排出する経路と、燃焼室に再度通風され、燃焼室と排風部を循環する経路を備えたことを特徴とするバイオマス燃料燃焼装置。
【請求項2】
排風部には灰を収集する収集部を備え、燃焼室に再度通風して燃焼室と排風部を循環する経路には、収集部を通過した燃焼風が流入することを特徴とする請求項1記載のバイオマス燃料燃焼装置。
【請求項3】
排風部から排出される燃焼風は、機外に排出する経路と、燃焼室に再度通風して燃焼室と排風部を循環する経路の二方向に、その燃焼風量を振り分ける燃焼風振り分け構成を備えたことを特徴とする、請求項1または請求項2記載のバイオマス燃料燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−242539(P2006−242539A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−62866(P2005−62866)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(000001465)金子農機株式会社 (53)
【Fターム(参考)】