説明

バイポーラ型半導体装置およびその製造方法

【課題】高速化されたバイポーラ型半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
コレクタ領域10と、コレクタ領域10上に配置されたベース領域12と、ベース領域12上に配置されたエミッタ領域14と、ベース領域12上に配置され、エミッタ領域14と共通に形成されたエミッタパッド領域34と、ベース領域12上に配置され、複数のベースコンタクトCBを介してベース領域12と接続されたベース電極20と、エミッタ領域14上に配置されたエミッタ電極18と、ベース領域12近傍のエミッタパッド領域34上に配置されたエミッタパッド電極24とを備えるバイポーラ型半導体装置およびその製造方法であり、さらにエミッタパッド領域34上に配置された絶縁層26を備えていても良く、その際、エミッタパッド電極24は、絶縁層26上に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイポーラ型半導体装置およびその製造方法に関し、特に高速化されたバイポーラ型半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイポーラトランジスタは、絶縁ゲート電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などに比べて、スイッチングスピードが遅いのが課題である。バイポーラトランジスタにおいては、ターンオンスイッチング時にベースからキャリアを注入するために、その注入されたキャリアがターンオフスイッチング時にベース層内に残ってしまうためである。
【0003】
ベース幅を広くして安全動作領域を広くしながら、スイッチング時間を早くし、かつ、電流増幅率を大きくすることができるパワー用バイポーラトランジスタおよびその製法については、既に開示されている(例えば、特許文献1参照。)。一方、大電流化するためのエミッタ領域の面積を確保し、チップ面積を大きくしないで、保護ダイオードの面積を増やし、順方向の大電流に対応する大きな逆方向電流に対しても保護し得るバイポーラトランジスタについても既に開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
特に、バイポーラトランジスタにおいては、ターンオフスイッチング時には、コレクタ電流Icが、電流経路としてエミッタ部の中心を流れるため、キャリアがエミッタ直下に残ってしまう。キャリアが残るエミッタ直下は、ベース電極からの距離が遠いため、ベース電極からのキャリアの抜けが遅くなり、ベース電極からの吸収効果が悪い。
【0005】
また、従来、エミッタ部にはボンディングワイヤを打たなければならないため、ボンディングパッドを設ける必要がある。そのエミッタボンディングパッド部分には、ベースの電極の配線を設けることができないため、エミッタボンディングパッド近辺は、さらにベース電極から遠くなってしまう。
【0006】
このため、バイポーラトランジスタにおいては、高速化・高効率化を行うために多層配線などにより、ベース・エミッタの配置を最適化したり、ボンディングパッド部を有効活用したりしていた。しかしながら、多層配線では、信頼性が低下し、製造コストが増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−340573号公報
【特許文献2】特開2004−119577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、高速化されたバイポーラ型半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、コレクタ領域と、前記コレクタ領域上に配置されたベース領域と、前記ベース領域上に配置されたエミッタ領域と、前記ベース領域上に配置され、前記エミッタ領域と共通に形成されたエミッタパッド領域と、前記ベース領域上に配置され、複数のベースコンタクトを介して前記ベース領域と接続されたベース電極と、前記エミッタ領域上に配置されたエミッタ電極と、前記ベース領域近傍の前記エミッタパッド領域上に配置されたエミッタパッド電極とを備えるバイポーラ型半導体装置が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、コレクタ領域を形成する工程と、前記コレクタ領域上にベース領域を形成する工程と、前記ベース領域上にエミッタ領域および前記エミッタ領域と共通にエミッタパッド領域を形成する工程と、前記ベース領域上に複数のベースコンタクトを介してベース電極を形成する工程と、前記エミッタ領域上にエミッタ電極を形成する工程と、前記ベース領域近傍の前記エミッタパッド領域上にエミッタパッド電極を形成する工程とを有するバイポーラ型半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高速化されたバイポーラ型半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の模式的平面パターン構成図。
【図2】図1のI−I線に沿う模式的断面構造図。
【図3】図1のII−II線に沿う模式的断面構造図。
【図4】比較例に係る半導体装置の動作説明図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の動作説明図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法の一工程を示す模式的平面パターン構成図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法の一工程を示す模式的平面パターン構成図。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法の一工程を示す模式的平面パターン構成図。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法の一工程を示す模式的平面パターン構成図。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法の一工程を示す模式的平面パターン構成図。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の平面パターン写真例。
【図12】(a)本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置において、矩形状にベースコンタクトCBを配置した平面パターン写真例、(b)矩形パターンの説明図。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置において、六角形状にベースコンタクトCBを配置した平面パターン写真例、(b)六角形パターンの説明図。
【図14】図13の構造において、セルピッチLpとコレクタ・エミッタ間飽和電圧VCE(sat)との関係を示す図。
【図15】コレクタ電流Icのターンオフスイッチング波形例。
【図16】本発明の第1の実施の形態の変形例に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法の一工程を示す模式的平面パターン構成図。
【図17】図16のI−I線に沿う模式的断面構造図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。又、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
[第1の実施の形態]
(素子構造)
本発明の第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の模式的平面パターン構成は、図1に示すように表され、図1のI−I線に沿う模式的断面構造は、図2に示すように表され、図1のII−II線に沿う模式的断面構造は、図3に示すように表される。
【0015】
第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置は、図1〜図3に示すように、コレクタ領域10と、コレクタ領域10上に配置されたベース領域12と、ベース領域12上に配置されたエミッタ領域14と、ベース領域12上に配置され、エミッタ領域14と共通に形成されたエミッタパッド領域34と、ベース領域12上に配置され、複数のベースコンタクトCBを介してベース領域12と接続されたベース電極20と、エミッタ領域14上に配置されたエミッタ電極18と、ベース領域12近傍のエミッタパッド領域34上に配置されたエミッタパッド電極24とを備える。
【0016】
さらに、図2に示すように、エミッタパッド領域34上に配置された絶縁層26を備え、エミッタパッド電極24は、ベース領域12近傍のエミッタパッド領域34上におよび絶縁層26上に配置されている。
【0017】
ベースコンタクトは、矩形パターン状、六角形パターン状、もしくは千鳥格子パターン状に配置されていても良い。
【0018】
なお、図1において、12aおよび14aは、それぞれ周辺部p拡散層および周辺部n拡散層を示す。周辺部p拡散層12aは、ベース領域12と同時に形成されていても良く、周辺部n拡散層14aは、エミッタ領域14と同時に形成されていても良い。
【0019】
周辺部p拡散層12aとベース領域12との間隔W1は、例えば50μm〜60μm程度である。エミッタ領域14の幅WEは、例えば20μm〜30μm程度であり、エミッタコンタクトの幅WCEは、例えば10μm〜20μm程度である。また、ベース電極20の幅WBは、例えば12μm〜20μm程度であり、ベースコンタクトCBの幅WCBは、例えば2μm〜10μm程度である。また、ベース領域12の拡散深さは、例えば2μm〜6μm程度であり、エミッタ領域14および周辺部n拡散層14aの拡散深さは、例えば0.5μm〜3μm程度である。
【0020】
(動作説明)
比較例に係る半導体装置の動作説明は、図4に示すように表され、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の動作説明は、図5示すように表される。
【0021】

図4に示すように、比較例に係る半導体装置においては、エミッタパッド電極24は、エミッタパッド領域34全面に接続されているため、キャリアの残留が、ベース領域12から離隔したエミッタパッド領域34の中央に集中するので、ターンオフスイッチング時において、キャリアの抜けが遅くなり、ターンオフスイッチング速度が遅い。
【0022】
これに対して、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置においては、図5に示すように、エミッタボンディングパッドを形成するエミッタパッド電極24の直下に酸化膜などの絶縁層26を敷き、エミッタパッド領域34へのコンタクト部はベース領域12近辺のみに設けることで、コレクタ電流Icの経路をベース領域12近辺に集約することができる。
【0023】
第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置においては、図5に示すように、キャリアの残留が、ベース領域12近辺に集中するので、ターンオフスイッチング時において、キャリアの抜けが早くなり、ターンオフスイッチング速度が速くなる。
【0024】
また、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置においては、図5に示すように、ターンオンスイッチング時はもともとベース領域12近辺にキャリアが発生するため、所定のターンオンスイッチング速度を確保することができる。
【0025】
また、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置においてはエミッタボンディングパッドを形成するエミッタパッド電極24の直下に絶縁層26を敷くことで、エミッタワイヤボンディング時の衝撃を直下のエミッタパッド領域34に伝えない、クッションの役目を果たすことができ、信頼性を向上することができる。
【0026】
(製造方法)
第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法の一工程を示す模式的平面パターン構成は、図6〜図10に示すように表される。
【0027】
第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法は、図6〜図10に示すように、コレクタ領域10を形成する工程と、コレクタ領域10上にベース領域12を形成する工程と、ベース領域12上にエミッタ領域14およびエミッタ領域14と共通にエミッタパッド領域34を形成する工程と、ベース領域12上に複数のベースコンタクトCBを介してベース電極20を形成する工程と、エミッタ領域14上にエミッタ電極18を形成する工程と、ベース領域12近傍のエミッタパッド領域34上にエミッタパッド電極24を形成する工程とを有する。
【0028】
さらに、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法においては、エミッタパッド領域34上に絶縁層26を形成する工程を有し、エミッタパッド電極24を形成する工程において、エミッタパッド電極24は、ベース領域12近傍のエミッタパッド領域34上におよび絶縁層26上に形成されている。
【0029】
以下、図6〜図10を参照して、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法を説明する。
【0030】
(a)まず、図6に示すように、ベース領域12および周辺部p拡散層12aを形成する。これらの領域は、例えばボロン(B)の拡散法もしくはイオン注入技術によって形成することができる。また、周辺部p拡散層12aは、ベース領域12に比べて厚く形成しても良く、その場合には、2段に分けた拡散もしくはイオン注入技術を適用することができる。
【0031】
(b)次に、図7に示すように、エミッタ領域14、エミッタパッド領域34および周辺部n拡散層14aを形成する。これらの領域は、例えば燐(P)、砒素(As)のイオン注入技術、もしくは拡散法によって形成することができる。また、周辺部n拡散層14aは、エミッタ領域14およびエミッタパッド領域34と同時に形成されていても良く、或いは、別々の工程によって形成されていても良い。
【0032】
(c)次に、図8に示すように、絶縁層16を形成後、ベースコンタクトCBおよびエミッタコンタクトに対する窓開けを行う。絶縁層16の材質としては、熱酸化膜、CVD(Chemical Vapor Deposition)酸化膜、CVD窒化膜、TEOS(Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン)膜などを適用することができる。
【0033】
(d)次に、図9に示すように、エミッタ電極18および周辺部nコンタクト電極18aを形成し、またベース電極20を形成する。これらの電極は、アルミニウム(Al)の真空蒸着法によって形成することができる。
【0034】
(e)次に、図10に示すように、ベースパッド電極22、周辺部パッド電極22aおよびエミッタパッド電極24を形成する。これらのパッド電極の形成時には、図9の工程後、全面にCVD窒化膜を形成し、これらのパッド電極の形成領域のみに窓開けを行った後、Al電極を形成することによって形成することができる。図3には、CVD窒化膜(図示省略)が周辺部において、剥離されることを示している。
【0035】
以上の工程を経て、最終的には、図1および図2〜図3に示すように、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置が形成される。
【0036】
(試作結果)
第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の試作された平面パターンの写真の例を図11に示す。図11のチップサイズは、0.9mm角であり、電流容量は、約2A程度である。エミッタ面積は、約5×105(μm2)程度、エミッタ周辺長は、約10mm程度である。
【0037】
図11に示すように、ベースパッド電極22上には、ベースボンディングワイヤ30が形成され、エミッタパッド電極24上には、エミッタボンディングワイヤ32が形成されている。
【0038】
第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置において、矩形状にベースコンタクトCBを配置した平面パターン写真を図12(a)に示し、その説明図を図12(b)に示す。
【0039】
また、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置において、六角形状にベースコンタクトCBを配置した平面パターン写真を図13(a)に示し、その説明図を図13(b)に示す。矩形状にベースコンタクトCBを配置した場合には、図12(b)に示すように、電流注入の無効領域となる矩形の中央部の面積が相対的に大きい、六角形状にベースコンタクトCBを配置した場合には、三角形の中央部の面積が相対的に小さく、かつベースコンタクトCBからの距離も等しいため、電流注入を効率的に行うことができる。単位面積当たりの美項領域の割合は、矩形状にベースコンタクトCBを配置した場合には、21.5%であるのに対して、六角形状にベースコンタクトCBを配置した場合には、8.1%に低減される。
【0040】
(実験結果)
第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置として、六角形状にベースコンタクトCBを配置した図13の構造例において、セルピッチLpとコレクタ・エミッタ間飽和電圧VCE(sat)との関係は、例えば図14の曲線Bに示すような結果が得られている。また、Aは、矩形状にベースコンタクトCBを配置した場合に相当する。
【0041】
例えば、パターンピッチLpが、例えば約100μmにおいて、コレクタ・エミッタ間飽和電圧VCE(sat)の値は、Ic=1Aにおいて、矩形状にベースコンタクトCBを配置した場合には、約143mV程度であるのに対して、六角形状にベースコンタクトCBを配置した場合には、約128mV程度であった。また、図14から明らかなように、六角形状にベースコンタクトCBを配置した図13の構造例において、コレクタ・エミッタ間飽和電圧VCE(sat)を最小化するパターンピッチLpが存在する。コレクタ・エミッタ間飽和電圧VCE(sat)の最小値は、例えば約100mV程度であり、パターンピッチLpは、例えば約60μm〜80μm程度である。
【0042】
また、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置として、六角形状にベースコンタクトCBを配置した図13の構造例において、コレクタ電流Icのターンオフスイッチング波形は、例えば図15に示すように表される。従来構造に比べ、第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置においては、約30%程度もターンオフスイッチング速度が改善されている。
【0043】
第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置およびその製造方法によれば、高速化されたバイポーラ型半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【0044】
(変形例)
第1の実施の形態の変形例に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法の一工程を示す模式的平面パターン構成は、図16に示すように表される。また、図16のI−I線に沿う模式的断面構造は、図17に示すように表される。
【0045】
第1の実施の形態の変形例に係るバイポーラ型半導体装置においては、エミッタパッド電極24をベース領域12の近傍にのみ配置した点に特徴を有する。エミッタパッド領域34の中央部に絶縁層26を形成しないで、単に開口部28のみを形成している。その他の構造は第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置と同様であるため、重複説明は省略する。また、第1の実施の形態の変形例に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法も第1の実施の形態に係るバイポーラ型半導体装置の製造方法と同様であるため、重複説明は省略する。
【0046】
第1の実施の形態の変形例に係るバイポーラ型半導体装置およびその製造方法によれば、高速化されたバイポーラ型半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【0047】
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は第1の実施の形態およびその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0048】
例えば、n型とp型の導電型を反転させた構造の半導体装置を形成しても良い。また、上記の実施形態では、1個のバイポーラトランジスタを有する半導体装置を例として説明したが、この発明は、複数個のバイポーラトランジスタを有する半導体装置に適用することができる。また、サイリスタ、トライアック、またはゲートターンオフサイリスタ(GTO:Gate Turn Off thyristor)などのようなバイポーラトランジスタ以外のpn接合を有するバイポーラ型半導体装置に適用することもできる。
【0049】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のバイポーラ型半導体装置は、高速スイッチング性能を発揮することから、小電力から大電力までの各種電力変換機器、パワーモジュール、車載用バイポーラ型半導体装置など、幅広い分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
10…コレクタ領域
12…ベース領域
12a…周辺部p拡散層
14…エミッタ領域
14a…周辺部n拡散層
16,26…絶縁層
18…エミッタ電極
18a…周辺部nコンタクト電極
20…ベース電極
22…ベースパッド電極
22a…周辺部パッド電極
24…エミッタパッド電極
28…開口部
30…ベースボンディングワイヤ
32…エミッタボンディングワイヤ
34…エミッタパッド領域
E…エミッタパッド
B…ベースパッド
CB…ベースコンタクト
WE…エミッタ領域14の幅
WB…ベース電極20の幅
WCE…エミッタコンタクトの幅
WCB…ベースコンタクトCBの幅
W1…周辺部p拡散層12aとベース領域12との間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コレクタ領域と、
前記コレクタ領域上に配置されたベース領域と、
前記ベース領域上に配置されたエミッタ領域と、
前記ベース領域上に配置され、前記エミッタ領域と共通に形成されたエミッタパッド領域と、
前記ベース領域上に配置され、複数のベースコンタクトを介して前記ベース領域と接続されたベース電極と、
前記エミッタ領域上に配置されたエミッタ電極と、
前記ベース領域近傍の前記エミッタパッド領域上に配置されたエミッタパッド電極と
を備えることを特徴とするバイポーラ型半導体装置。
【請求項2】
前記エミッタパッド領域上に配置された絶縁層を備え、前記エミッタパッド電極は、前記ベース領域近傍の前記エミッタパッド領域上におよび前記絶縁層上に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のバイポーラ型半導体装置。
【請求項3】
前記ベースコンタクトは、矩形パターン状に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載のバイポーラ型半導体装置。
【請求項4】
前記ベースコンタクトは、六角形パターン状に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載のバイポーラ型半導体装置。
【請求項5】
前記ベースコンタクトは、千鳥格子パターン状に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載のバイポーラ型半導体装置。
【請求項6】
コレクタ領域を形成する工程と、
前記コレクタ領域上にベース領域を形成する工程と、
前記ベース領域上にエミッタ領域および前記エミッタ領域と共通にエミッタパッド領域を形成する工程と、
前記ベース領域上に複数のベースコンタクトを介してベース電極を形成する工程と、
前記エミッタ領域上にエミッタ電極を形成する工程と、
前記ベース領域近傍の前記エミッタパッド領域上にエミッタパッド電極を形成する工程と
を有することを特徴とするバイポーラ型半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記エミッタパッド領域上に絶縁層を形成する工程を有し、
前記エミッタパッド電極を形成する工程において、前記エミッタパッド電極は、前記ベース領域近傍の前記エミッタパッド領域上におよび前記絶縁層上に形成されたことを特徴とする請求項6に記載のバイポーラ型半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−165911(P2010−165911A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7668(P2009−7668)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】