説明

バクテリア由来の巨大分子の製造方法、それにより得られる巨大分子、ならびに、炎症性のリウマチ性疾患の予防および治療における当該分子の使用

本発明は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)I-2219菌株のバクテリアによって生産される巨大分子の製造方法、ならびに、炎症性のリウマチ性疾患の予防および治療のための薬物を製造するための当該巨大分子の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バクテリア由来の巨大分子の製造方法、それにより得られる巨大分子、ならびに、炎症性のリウマチ性疾患の予防および治療における当該分子の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
リウマチ性多発関節炎、強直性脊椎炎または感染後リウマチなどの多くの炎症性のリウマチ性疾患に共通する特徴は、バクテリアまたはバクテリア性のシグナル(DNA、RNA、ペプチドグリカン・ポリサッカライド)が滑液中に存在することである(“RT-PCR Analysis of Bacterial rRNA for Detection and Characterization of Bacterial Species in Arthritis Synovial Tissue” - Kempsell K.E., Cox C.J., Hurle M., Wong A., Wilkie S., Zanders E.D., Gaston J.S., Crowe J.S. In Infect. Immun. 2000, 68(10): 6012-26; “Investigation of Infectious Agents Associated with Arthritis by RT-PCR of Bacterial rRNA”, Cox C.J., Kempsell K.E., Gaston J.S. in Arthritis Res. Ther. 2003, 5(1):R1-8)。これらのバクテリアは、大部分が消化管に由来する。これらは、腸管のバリアーを超え(バクテリアル・トランスロケーション)、マクロファージおよび樹状細胞により滑膜へと輸送される。健康な関節は、通常、無菌およびバクテリアの残渣が全くない状態にあるため、炎症性の滑膜におけるバクテリアおよびその成分の存在は、リウマチ性疾患の要因になると考えられている。
【0003】
現在の治療は、炎症誘発性サイトカインを阻害したり(インフリキシマブ、エンブレル、アナキンラ)、炎症誘発性サイトカインが生産される原因である免疫細胞の再生を減らしたりする(レフルノミド)ことにより、リウマチ性疾患の症状に対処するとともに、炎症反応を減少させることを目指している。しかし、このような治療には、感染症(日和見感染、結核)、抗DNA抗体ならびに狼瘡、中枢神経系の脱髄、好中球減少症および鬱血性心不全の危険性、のような望ましくない副作用がある。
【0004】
リウマチ性疾患の症状を有する患者に適用する反生物学的療法は、腸内細菌叢の特定のバクテリアの量を減少させるとともに、炎症の減少に寄与する。しかし、この治療方法は、バクテリアに抵抗力が生じる危険性を考慮すると、長期的には使用できない。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、炎症性のリウマチ性疾患の治療のための上記の現在の方法の欠点を減らすことを可能にする。本発明の目的は、炎症性のリウマチ性疾患の治療において、腸内細菌叢およびバクテリアル・トランスロケーションの制御を可能とし、これにより炎症性のリウマチ性疾患に付随した炎症反応を減少させる、バクテリア由来の巨大分子、の使用に基づいた、別のアプローチの提案である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
第1の側面によれば、本発明は、ブタペスト条約に基づき、パリ、ドクター・ルー通り、25、パストゥール研究所に設置されている、ラ コレクスィヨン ナスィョナル ドゥ キュルテュール ドゥ ミクロオルガニスム(la Collection Nationale de Cultures de Microorganismes)(CNCM)に1999年5月31日付けで寄託された、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)I-2219菌株のバクテリアによって生産される、巨大分子の製造方法に関する。
【0007】
この方法は、次の工程を含むことを特徴とする:
i)約30℃〜40℃の間の温度範囲にある有気性のまたは無気性の条件下で、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)I-2219菌株を、調節されたまたは調節されていないpHを有するとともに、天然の(変性していない)ラクトアルブミンおよびラクトースに富む乳糖血清タンパク質画分を成分として含有する培養液に、接種し、培養する;
ii)16〜48時間の培養期間の後、培養液からバクテリアを分離する;
iii)2キロダルトン〜50キロダルトンの切り離し閾値を有する濾過膜で限外濾過することにより、凝縮残留画分を得る;
iv)凝縮残留画分の体積量の5〜25倍に相当する体積量で洗浄することにより、巨大分子を濃縮する;
v)濃縮された凝縮残留画分を脱水する;
vi)陰イオン交換樹脂を通過させることにより巨大分子を精製する;
vii)0.15〜0.6Mの塩化ナトリウム、好ましくは0.3Mの塩化ナトリウム、により溶出される、バクテリア性の巨大分子を含有する画分、を集める。
【0008】
種々の実施形態によれば、バクテリア由来の巨大分子の製造方法は、場合によって組み合わせることができる、次の特徴を有する:
− 培養液におけるビフィドバクテリアの接種を、バクテリアの増殖を可能にする、凍結凝縮物または16〜24時間の前培養物を用いて実施する;
− バクテリアを、培養液に、培養液1ミリリットル当たり105〜1010コロニー形成単位の密度で接種する;
− 培養液の成分が次の量で存在する:
− 天然の(変性していない)ラクトアルブミンに富む乳糖血清タンパク質の画分:
培養液1リットル当たり0.01〜1g;
− ラクトース:培養液1リットル当たり30〜70g;
− 培養液のpHが調節されていない;
− 培養液のpHが約4〜6の間に保持されている。
【0009】
第2の側面によれば、本発明は、本発明の方法の実施によって製造される、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)I-2219菌株のバクテリアによって生産される、バクテリア由来の巨大分子に関する。当該分子は、出願人が実施した試験により、コラーゲンにより誘導された関節炎のモデルマウスにおいて、抗関節炎活性を有することが証明されている。この抗関節炎活性は、以下を含む種々のパラメータにより評価される:
− マウスにおけるコラーゲンIIによる関節炎の誘導作用からの防護;
− 腸内細菌叢およびバクテリアル・トランスロケーションを制御する性質。
【0010】
第3の側面によれば、本発明は、炎症性のリウマチ性疾患の予防または治療のために設計された薬物を製造するために、バクテリア由来の巨大分子を使用するものである。巨大分子を含有する薬物は、炎症性のリウマチ性疾患の治療のために現在使用されている治療薬(レフルノミド、モノクローナル抗体、抗炎症剤)に対する補助薬として、または副作用がよく知られているこれらの薬に代えて、使用できる。
【0011】
巨大分子を含有する薬物は、経口的に、または皮下注射により、投与できる。当該薬物は、腸内細菌叢およびバクテリアル・トランスロケーションの制御作用を有し、これにより炎症性のリウマチ性疾患に付随する炎症反応を減少させる。こうした作用は、(罹患率の高い家系から出た患者のための)リウマチ性疾患の予防、ならびに、リウマチ性多発関節炎および強直性脊椎炎を含む種々の炎症性のリウマチ性疾患の治療のいずれにおいても、強く求められている。
【0012】
本発明により製造されるバクテリア由来の上記分子を含有する薬物は、液状では−35℃〜+4℃、乾燥状態の場合は+40℃まで、の温度範囲において、3年間保存することが可能である。当該薬物は、副作用を引き起こさない。
【0013】
以下の実施例を参照しつつ明細書を読むことにより、本発明をより理解できるであろう。
【0014】
実施例1.ビフィドバクテリウム・ブレーベの培養物により得た巨大分子の調製
次の成分を含有する培養液を準備する:
− 用意された培養液1リットル当たり0.01〜0.05gのラクトアルブミンに相当する、濃縮ラクトアルブミン調合物;
− 0.3g/リットルのシステイン・クロロハイドレート;
− 2.15g/リットルのリン酸二水素カリウム;
− 62.5g/リットルのラクトース。
【0015】
濃縮ラクトアルブミン調合物は、溶液(例えば、ARMOR PROTEINESが供給するVitalarmor alpha 607)を、pH4.1の状態で、60℃のウォーターバス中に15分間浸けて、乳血清タンパク質を凝結させることにより得る。そして、遠心沈殿の後、上清を採集する。
【0016】
ラクトースのみを加えることにより第1の溶液を再調製する。残りの成分を加えることにより第2の溶液を再調製する。これら2種類の溶液を、115℃で30分間、オートクレーブで処理する。
【0017】
pHを制御した状態での連続培養
培養液のpHを、培養器に培養液を注入する際に、5.8に調節する。培養液1ミリリットル当たり1×106〜2×108コロニー形成単位(CFUs)の範囲でビフィドバクテリアを含有する24時間接種原を、6.67%(v/v)(培養液1500ミリリットルに対して接種原100ミリリットル)の割合で培養液に接種する。ビフィドバクテリアは、培養液を、振盪させつつ、曝気させずに、37℃の温度で培養する。pHは、3Nの水酸化ナトリウムを添加することにより5.8に保持する。培養は約20時間持続させる。最終的なバクテリア培養物におけるビフィドバクテリウム・ブレーベの密度は、培養液1ミリリットル当たり1×109〜1×1010CFUsの範囲にある。バクテリアの当該増殖は、平均して、バクテリアの母集団の10倍に相当する増殖である。
【0018】
pHを制御していない状態での非連続培養
培養液のpHを、培養器に培養液を注入する際に調節しない。培養液1ミリリットル当たり1×106〜2×108コロニー形成単位(CFUs)の範囲でビフィドバクテリアを含有する24時間接種原を、6.67%(v/v)(培養液1500ミリリットルに対して接種原100ミリリットル)の割合で培養液に接種する。ビフィドバクテリアは、培養液を、振盪させず、曝気させずに、37℃の温度で培養する。培養は約20時間持続させる。
【0019】
別の実施形態では、培養液に対するビフィドバクテリアの接種を、凝縮物1g当たりビフィドバクテリアを108〜1012CFUs含有する凍結凝縮物を用いて実施する。
【0020】
量的側面
pHを制御した状態での培養において限外濾過後に回収される生産物の収量は、培養液1リットル当たり乾燥粉末700〜1000ミリグラムである。ローリー法によって規定されるタンパク質の量は、乾燥粉末1グラム当たり275ミリグラムである。デュボイス法(Dubois methods)によって規定される糖質の量は、乾燥粉末1グラム当たり220ミリグラムである。
【0021】
pHを制御していない状態での培養において限外濾過後に回収される生産物の収量は、培養液1リットル当たり乾燥粉末70〜170ミリグラムのオーダーである。ローリー法によって規定されるタンパク質の量は、乾燥粉末1グラム当たり71ミリグラムである。デュボイス法によって規定される糖質の量は、乾燥粉末1グラム当たり615ミリグラムである。
【0022】
バクテリア培養の終盤において、8000g、30分間の遠心分離により、バクテリアを除去する。
【0023】
10キロダルトンの切り離し閾値を有するAMICON spiral S10Y10型カートリッジを備えたAMICON Proflux M12装置により、室温下で、上清を限外濾過する。まず、上清を、10倍以下に凝縮した後、15リットルの浸透水を用いて連続的に洗浄する。残留画分は、当該洗浄工程の終盤において500ミリリットルの体積になるまで凝縮し、凍結状態または凍結乾燥状態で保存する。
【0024】
そして、残留画分の濃縮溶液または再調製した残留画分の溶液を、陰イオン交換樹脂の表面を通過させることにより、残留画分に含有された巨大分子を精製する(Amersham Biosciencesが供給するfast-flow DEAEセルロース樹脂、pH8.0のTris−HClバッファ50mMを用いて平衡化する;濃度が0〜1Mになるように塩化ナトリウムを添加した状態にある同じバッファを用いて溶出させる)。
【0025】
0.15−0.6Mの塩化ナトリウム(好ましくは0.3Mの塩化ナトリウム)により溶出される画分から、バクテリア性の巨大分子を集める。画分は、塩類を除去した後、凍結乾燥させる。こうして製造された巨大分子は、5〜30キロダルトンの範囲の分子量を有するオリゴ糖、および50〜70キロダルトンの範囲の分子量を有するバクテリア由来のタンパク質、により構成された状態にある。
【0026】
実施例2.ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)I-2219菌株に由来する巨大分子の抗リウマチ作用の測定
本発明により製造されるバクテリア由来の巨大分子(実施例1に記載の手順によって得た精製画分により構成されている)の抗リウマチ作用を、慢性関節リウマチの実験モデル、すなわちコラーゲンIIにより関節炎を誘導したオスのDBA/1マウス、において評価した。
【0027】
2.1 オスのDBA/1マウスにおけるコラーゲンIIによる関節炎の誘導作用に対する予防
使用するマウスを2つの群に分けた:
− 15匹のマウスからなるコントロール群(コラーゲンIIで免疫化);
− 5匹のマウスからなるテスト群(コラーゲンIIで免疫化)。
【0028】
オスのDBA/1マウスの尻尾の根本に、コラーゲンIIの注射を2回した。最初の注射は、4〜5週齢の動物に対して行った。追加投与は3週間後に行った。その翌週には、動物の関節が腫れ上がった。動物毎に関節炎のスコアを確立し、週に2〜3度記録を取った。
【0029】
テストする動物への生成物の投与:
・コントロール:コントロール群の動物には、飲用水に代えて、バクテリア由来の巨大分子を製造する条件と同様に10キロダルトンの限外濾過によって処理した、培養していない培養液を与えた;
・巨大分子:
1)負荷投与量:実験開始時に、そして、免疫化から10日、16日、28日、38日および56日後に、1匹のマウス当たり100〜150マイクロリットル(生成物の乾燥重量で表示して、溶液1リットル当たり10g)、
2)維持投与量:飲用水に代えて、溶液1リットル当たり0.5〜1.3g(生成物の乾燥重量で表示)を、随意的に動物に与える。
【0030】
明細書の付属書類における図1は、コントロール群のマウスおよびテスト群のマウスを比較するための、時間関数としての関節炎スコアの変遷について説明するものであり;巨大分子の投与によって関節炎の徴候の発生が予防されることを示す。当該2群間における相違(アノーバ検定による計算)には有意差がある(p<0.001)。
【0031】
2.2 腸内細菌叢およびバクテリアル・トランスロケーションの制御作用の測定
コラーゲンIIにより免疫化された上記の2群の動物に加えて、培養液を与えた動物(10匹のオスのDBA/1マウス)や巨大分子を与えた動物(6匹のオスのDBA/1マウス)についても検討した。これらの動物は、コラーゲンIIによる免疫化をせずに、免疫化動物のケージ内に入れた。これらの動物には関節炎が発症しなかった。
【0032】
実験の終盤(すなわち、コラーゲンの最初の注射の58〜68日後)において、盲嚢、パイエル板、心臓内の血液、腎臓、脾臓、肝臓および肺中の、無気性細菌叢および条件的無気性−有気性細菌叢を数えた。動物は、最後の摂餌から2時間以降に犠牲にした。
【0033】
表1は、糞便物1グラム当たりのCFUs数量の対数の平均および標準偏差として表示した、腸内細菌叢の総計に関する結果を提示し、nは、それぞれの糞便物を検査したマウスの数量である(2群間のアノーバ比較)。
【0034】
【表1】

【0035】
関節炎が発症した状態にあるマウス(免疫化コントロール群)では、非免疫化動物(非免疫化コントロール群)よりも、盲嚢細菌叢が多い(p<0.0469)。こうしたバクテリアの増殖は、巨大分子を与えた、免疫化動物(免疫化テスト群)においては観察されない。このように、巨大分子は、腸内細菌叢を制御する。
【0036】
バクテリアル・トランスロケーション
腸からのバクテリアル・トランスロケーションを、パイエル板において分析した。その結果を表2に提示する。関節炎が発症しているマウス(免疫化コントロール群)では、細菌叢の総計は増加していないものの、バクテリアの組成が変化している。グラム陽性菌による高度な汚染が、免疫化コントロールマウスにおいて観測される(アノーバ、p=0.05)。こうしたグラム陽性菌の増殖は、巨大分子で治療された免疫化群においては観察されない。このように、巨大分子は、特にコラーゲンによる免疫化によって誘導されるバクテリアル・トランスロケーションを、より確実に制御することに寄与する。
【0037】
さらに、巨大分子は、非免疫化動物におけるバクテリアの移動を減少させる。
【0038】
【表2】

【0039】
バクテリアの転移
腸管のバリアーを超えた状態にあるバクテリアは、マクロファージおよび血中の多核細胞、マクロファージおよび内臓(肺、肝臓、脾臓、腎臓)の樹状細胞、によって除去される。バクテリアの転移に関する結果を表3に提示する。この結果は、免疫化の有無にかかわらず、コントロールマウスの大半において、肝臓および腎臓にバクテリアが寄生していることを示す。
【0040】
【表3】

【0041】
巨大分子を用いて処置した、免疫化動物では、生きたバクテリアが肝臓から単離されることはほとんどない(p=0.029)。
【0042】
このように、巨大分子は、肝臓におけるバクテリア汚染を、より確実に制御することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、関節炎スコアの変遷を説明する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)I-2219菌株のバクテリアによって生産される巨大分子の製造方法であって、次の工程を含むことを特徴とする製造方法。
i)約30℃〜40℃の間の温度範囲にある有気性のまたは無気性の条件下で、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)I-2219菌株を、調節されたまたは調節されていないpHを有するとともに、天然の(変性していない)ラクトアルブミンおよびラクトースに富む乳糖血清タンパク質画分を成分として含有する培養液に、接種し、培養する;
ii)16〜48時間の培養期間の後、前記培養液から前記バクテリアを分離する;
iii)2キロダルトン〜50キロダルトンの切り離し閾値を有する濾過膜で限外濾過することにより、凝縮残留画分を得る;
iv)前記凝縮残留画分の体積量の5〜25倍に相当する体積量で洗浄することにより、巨大分子を濃縮する;
v)濃縮された前記凝縮残留画分を脱水する;
vi)陰イオン交換樹脂を通過させることにより前記巨大分子を精製する;
vii)0.15〜0.6Mの塩化ナトリウム、好ましくは0.3Mの塩化ナトリウム、により溶出される、前記バクテリア性の巨大分子を含有する前記画分、を集める。
【請求項2】
前記培養液における前記ビフィドバクテリアの前記接種を、凍結凝縮物または16〜24時間の前培養物を用いて実施する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バクテリアを、前記培養液に、培養液1ミリリットル当たり105〜1010コロニー形成単位の密度で接種する、ことを特徴とする請求項1および2に記載の方法。
【請求項4】
前記培養液の前記成分が次の量で存在する、ことを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
− 天然の(変性していない)ラクトアルブミンに富む乳糖血清タンパク質の画分:培養液1リットル当たり0.01〜1g;
− ラクトース:培養液1リットル当たり30〜70g。
【請求項5】
前記培養液のpHが調節されていない、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記培養液のpHが約4〜6の間に保持されている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の方法を実施することにより得られた前記バクテリア性の巨大分子に基づく、腸内細菌叢およびそのトランスロケーションを制御するように設計された生成物を得るための、製造。
【請求項8】
請求項1〜6に記載の方法を実施することにより得られた前記バクテリア性の巨大分子に基づく、リウマチ性多発関節炎の治療用に設計された薬剤組成物を得るための、製造。
【請求項9】
請求項1〜6に記載の方法を実施することにより得られたバクテリア由来の前記巨大分子の、炎症性のリウマチ性疾患の治療薬または予防薬の製造のための、使用。

【図1】
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【公表番号】特表2008−516933(P2008−516933A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536225(P2007−536225)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002554
【国際公開番号】WO2006/040485
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(507123796)ユニヴェルシテ デュ ドロワ エ ドゥ ラ サンテ ドゥ リール (1)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DU DROIT ET DE LA SANTE DE LILLE
【Fターム(参考)】