説明

バス接近情報通知システム

【課題】 バス路線図などの地図情報を利用することなく、乗車バス停に接近するバス車の情報を、利用者が希望するタイミングで取得することができるバス接近情報通知システムを提供すること。
【解決手段】 例えば、乗車バス停及び降車バス停が乗降区間指定手段により予め指定される。そして、このように指定された乗車バス停及び降車バス停を含んだ乗降路線が乗降路線検出手段によって路線記憶手段から検出されると、対象バス検出手段によって、乗降路線を運行するバス車であって乗車バス停に到来前のものがバス位置記憶手段から検出される。そして、かかる検出によって2以上のバス車が検出されると、その各バス車の現在位置から乗車バス停へ到来するまでの所要時間が到来時間予測手段によってそれぞれ予測され、その予測された所要時間が短い順に記録されたメッセージが、送信手段により通信網を介して利用者の携帯型端末へ送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を介して携帯型端末に接続され、その携帯型端末に対して、バス車が乗車バス停に接近している旨を通知するバス接近情報通知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、路線バスの運行状況をバス利用者にリアルタイムで通知するシステムについては種々提案されており、例えば、特開2002−236996号公報に記載のバス運行情報表示システムがある。同公報記載のバス運行情報表示システムは、走行中のバス車の現在位置をバス路線図上にマークで示したバス現在位置表示画面データを、インターネット対応携帯電話へ電子メール等を用いて通知するものである。
【0003】
また、このバス現在位置を示す画面情報は、利用者(ユーザ)が指定した乗車バス停の手前のバス路線上に設定した地点(バス車の検出地点)をバス車が通過する度に送信されるとあり、当該地点としては、具体的には乗車バス停にバス車が到着する5分前の地点、およそ乗車バス停の手前500m〜2km程度の範囲の任意地点である旨が記載されている。
【特許文献1】特開2002−236996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したシステムでは、携帯電話へ送信されてその画面に表示される情報は、バス車の現在位置がバス路線図上にマークされた画像であるため、路線図等の地図の利用に不慣れな者や、土地勘のない者にとっては、乗車バス停とバス車の現在位置との位置関係が具体的に把握し辛いという問題点がある。
【0005】
また、上記画面情報を送信するためのバス車の検出地点はバス車が乗車バス停に到来する5分前の地点であるので、当該バス車の検出地点を通過する以前にバス車の到来を知りたい場合、例えば、乗車バス停にバス車が到来する10分前、15分前、又は20分前などにバス車の接近を知ることができないという問題点がある。特に、乗車バス停までの移動に5分以上要する場所に利用者が居る場合にあっては、当該乗車バス停に5分後にバス車が到来する旨を通知するメッセージは、当該接近中のバス車に既に乗り遅れている旨を知らせるものでしかない。
【0006】
一方、バス車の検出地点をバス車が乗車バス停に到来する5分以上前の地点に設定することも可能ではあるが、この結果、バス車の検出地点(即ちバス車の現在位置に相当する地点)が乗車バス停から遠ざかってしまう。このため、バス車の検出地点と乗車バス停との双方をバス路線図上にマークして携帯電話の表示画面に同時に表示させるには、携帯電話の表示画面が極めて小さいため、バス路線図を縮小表示させる必要があり、結果、バス路線図が見辛くなってしまうという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、バス路線図などの地図情報を利用することなく、乗車バス停に接近するバス車の情報を、利用者が希望するタイミングで取得することができるバス接近情報通知システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、請求項1のバス接近情報通知システムは、通信網を介して携帯型端末に接続され、その携帯型端末に対して、バス車が乗車バス停に接近している旨を通知するものであり、バス車が運行される2以上のバス路線とその各バス路線に存在する2以上のバス停とを対応つけて記憶する路線記憶手段と、その路線記憶手段に記憶される各バス路線で運行されるバス車の現在位置をバス路線及びバス停に関する情報を用いて記憶するバス位置記憶手段と、乗車バス停及び降車バス停を指定する乗降区間指定手段と、その乗降区間指定手段により指定される乗車バス停及び降車バス停を含んだ乗降路線を前記路線記憶手段から検出する乗降路線検出手段と、その乗降路線検出手段により検出される乗降路線を運行するバス車であって、前記乗降区間指定手段により指定される乗車バス停に到来前のものを、前記バス位置記憶手段から検出する対象バス検出手段と、その対象バス検出手段により2以上のバス車が検出される場合、その2以上のバス車が現在位置から前記乗降区間指定手段により指定される乗車バス停へ到来するまでの所要時間をそれぞれ予測する到来時間予測手段と、その到来時間予測手段により予測される所要時間が短い順に記録されるメッセージを携帯型端末へ通信網を介して送信する送信手段とを備えている。
【0009】
この請求項1のバス接近情報通知システムによれば、例えば、乗車バス停及び降車バス停が乗降区間指定手段により予め指定される。このように指定された乗車バス停及び降車バス停をバス路線内に含む乗降路線が乗降路線検出手段によって路線記憶手段から検出されると、対象バス検出手段によって、バス位置記憶手段から乗降路線を運行するバス車であって乗車バス停に到来前のものが検出される。これにより該当するバス車が2以上検出されると、その各バス車について、各現在位置から乗車バス停に到来迄の所要時間が到来時間予測手段によりそれぞれ予測され、その所要時間の予測値が短い順に記録されたメッセージが、送信手段により通信網を介して利用者の携帯型端末へ送信される。
【0010】
請求項2のバス接近情報通知システムは、請求項1のバス接近情報通知システムにおいて、前記送信手段によるメッセージの送信間隔を指定する送信間隔指定手段と、その送信間隔指定手段により指定される送信間隔が経過する毎に、前記乗降路線検出手段、対象バス検出手段、到来時間予測手段および送信手段をそれぞれ実行させる定期実行手段とを備えている。
【0011】
この請求項2のバス接近情報通知システムによれば、請求項1のバス接近情報通知システムと同様に作用する上、定期実行手段は、送信間隔指定手段により指定される送信間隔が経過するごとに、乗車バス停及び降車バス停がバス路線内に含まれる乗降路線を路線記憶手段から検出させ、その乗降路線の乗車バス停に到来前のバス車をバス位置記憶手段から検出させ、その検出されたバス車が乗車バス停に到来する迄の所要時間を予測させ、その所要時間の予測値が短い順に記録されたメッセージを利用者の携帯型端末へ通信網を介して送信させる。
【0012】
請求項3のバス接近情報通知システムは、請求項1又は2のバス接近情報通知システムにおいて、バス台数を指定する台数指定手段を備えており、前記送信手段は、前記対象バス検出手段により検出されるバス車が前記台数指定手段により指定されるバス台数を超過する場合、その対象バス検出手段により検出される2以上のバス車のうち、前記到来時間予測手段により予測される所要時間が最小のものから順に前記台数指定手段により指定されるバス台数分までのものに限り、前記到来時間予測手段により予測される所要時間を記録したメッセージを送信するものである。
【0013】
請求項4のバス接近情報通知システムは、請求項1から3のいずれかのバス接近情報通知システムにおいて、前記送信手段は、前記対象バス検出手段により検出される2以上のバス車について、その各バス車に関して前記到来時間予測手段により予測される所要時間と、その各バス車に関して前記バス位置記憶手段に記憶される現在位置とを、メッセージに記録して送信するものである。
【0014】
なお、上記した請求項1から4のいずれかのバス接近情報通知システムの変形例として、以下のものがある。
【0015】
第1変形例のバス接近情報通知システムは、通信網を介して携帯型端末に接続され、その携帯型端末に対して、バス車が乗車バス停に接近している旨を通知するものであり、バス車が運行される2以上のバス路線とその各バス路線に存在する2以上のバス停とを対応つけて記憶する路線記憶手段と、その路線記憶手段に記憶される各バス路線で運行されるバス車の現在位置をバス路線及びバス停に関する情報を用いて記憶するバス位置記憶手段と、乗車バス停及び降車バス停を指定する乗降区間指定手段と、その乗降区間指定手段により指定される乗車バス停の手前に存在する少なくとも1の指定バス停を指定する指定バス停手段と、前記乗降区間指定手段により指定される乗車バス停及び降車バス停を含んだ乗降路線を前記路線記憶手段から検出する乗降路線検出手段と、その乗降路線検出手段により検出される乗降路線を運行するバス車であって、前記指定バス停手段により指定される指定バス停付近を走行するものを、前記バス位置記憶手段から検出する対象バス検出手段と、その対象バス検出手段によりバス車が検出される場合、そのバス車が接近している旨のメッセージを携帯型端末へ通信網を介して送信する送信手段とを備えている。
【0016】
この第1変形例のバス接近情報通知システムによれば、例えば、乗車バス停及び降車バス停が乗降区間指定手段により、並びに、指定バス停が指定バス停手段により、それぞれ予め指定される。このように指定された乗車バス停及び降車バス停をバス路線内に含む乗降路線が乗降路線検出手段によって路線記憶手段から検出されると、対象バス検出手段によって、バス位置記憶手段から乗降路線を運行するバス車であって指定バス停付近を走行中のものが検出される。この検出がなされると、その検出されたバス車が乗車バス停へ接近している旨のメッセージが、送信手段により通信網を介して利用者の携帯型端末へ送信される。
【0017】
第2変形例のバス接近情報通知システムは、第1変形例のバス接近情報通知システムにおいて、前記送信手段によるメッセージの送信間隔を指定する送信間隔指定手段と、その送信間隔指定手段により指定される送信間隔が経過する毎に、前記乗降路線検出手段、対象バス検出手段および送信手段をそれぞれ実行させる定期実行手段とを備えている。
【0018】
この第2変形例のバス接近情報通知システムによれば、第1変形例のバス接近情報通知システムと同様に作用する上、定期実行手段は、送信間隔指定手段により指定される送信間隔が経過する毎に、乗車バス停及び降車バス停がバス路線内に含まれる乗降路線を路線記憶手段から検出させ、その乗降路線の指定バス停付近を走行中のバス車をバス位置記憶手段から検出させ、その検出されたバス車が乗車バス停へ接近している旨のメッセージを利用者の携帯型端末へ通信網を介して送信させる。
【0019】
第3変形例のバス接近情報通知システムは、第1変形例又は第2変形例のバス接近情報通知システムにおいて、前記対象バス検出手段により2以上のバス車が検出される場合、その2以上のバス車が乗車バス停に到来するまでの所要時間をそれぞれ予測する到来時間予測手段を備えており、前記送信手段は、前記対象バス検出手段により検出される2以上のバス車のうち、前記到来時間予測手段により予測される所要時間が最小のものについてのみ、前記バス位置記憶手段に記憶される現在位置を通知するメッセージを送信するものである。
【0020】
第3変形例のバス接近情報通知システムによれば、第1変形例又は第2変形例のバス接近情報通知システムと同様に作用する上、対象バス検出手段により指定バス停付近を走行中のバス車が2以上の検出される場合、その各バス車の現在位置から乗車バス停に到来するまでの所要時間は、到来時間予測手段により予測される。送信手段は、対象バス検出手段により検出された2以上のバス車のうち、予測された所要時間が最小であるものについてのみ、そのバス車の現在位置に関するメッセージをバス位置記憶手段の記憶内容に基づいて送信できる。
【0021】
第4変形例のバス接近情報通知システムは、第3変形例のバス接近情報通知システムにおいて、前記到来時間予測手段の実行間隔を指定する予測間隔指定手段と、その予測間隔指定手段により指定される実行間隔が経過する毎に、前記到来時間予測手段を実行させる到来時間更新手段とを備えている。
【0022】
この第4変形例のバス接近情報通知システムによれば、第3変形例のバス接近情報通知システムと同様に作用する上、予測間隔指定手段により指定される実行間隔が経過する毎に、到来時間予測手段は到来時間更新手段により実行され、この結果、バス車の現在位置から乗車バス停に到来するまでの所要時間が再予測される。
【0023】
第5変形例のバス接近情報通知システムは、第1変形例から第4変形例のいずれかのバス接近情報通知システムにおいて、前記指定バス停手段は、利用者が希望する指定バス停から前記乗降区間指定手段により指定される乗車バス停までのバス停数が指定されるものであり、前記対象バス検出手段は、その指定バス停手段により指定されるバス停数及び前記乗降区間指定手段により指定される乗車バス停の情報に基づいて、前記路線記憶手段に記憶されるバス停から指定バス停を特定するものである。
【0024】
第6変形例のバス接近情報通知システムは、第1変形例から第5変形例のいずれかのバス接近情報通知システムにおいて、前記対象バス検出手段は、前記指定バス停手段により指定される指定バス停及びその指定バス停と同一のバス路線上に連続して設置される1以上のバス停の中で、その最先頭のバス停に関するバス停区間からその最後尾のバス停に関するバス停区間までを走行中のバス車を、前記バス位置記憶手段から検出するものである。
【0025】
第7変形例のバス接近情報通知システムは、通信網を介して携帯型端末に接続され、その携帯型端末に対して、バス車が乗車バス停に接近している旨を通知するものであり、任意の時間値を指定する指定時間手段と、バス車が運行される2以上のバス路線とその各バス路線に存在する2以上のバス停とを対応つけて記憶する路線記憶手段と、その路線記憶手段に記憶される各バス路線で運行されるバス車の現在位置をバス路線及びバス停に関する情報を用いて記憶するバス位置記憶手段と、乗車バス停及び降車バス停を指定する乗降区間指定手段と、その乗降区間指定手段により指定される乗車バス停及び降車バス停を含んだ乗降路線を前記路線記憶手段から検出する乗降路線検出手段と、その乗降路線検出手段により検出される乗降路線を運行するバス車であって、前記乗降区間指定手段により指定される乗車バス停に到来前のものを、前記バス位置記憶手段から検出する対象バス検出手段と、その対象バス検出手段により検出されるバス車が現在位置から前記乗降区間指定手段により指定される乗車バス停へ到来するまでの所要時間を予測する到来時間予測手段と、その到来時間予測手段により予測される所要時間と前記指定時間手段により指定される時間値とが略等しい場合に、その到来時間予測手段により所要時間が予測されたバス車が接近している旨のメッセージを携帯型端末へ通信網を介して送信する送信手段とを備えている。
【0026】
この第7変形例のバス接近情報通知システムによれば、例えば、乗車バス停及び降車バス停が乗降区間指定手段により、並びに、任意の時間値が指定時間手段により、それぞれ予め指定される。このように指定された乗車バス停及び降車バス停をバス路線内に含む乗降路線が乗降路線検出手段によって路線記憶手段から検出されると、対象バス検出手段によって、バス位置記憶手段から乗降路線を運行するバス車であって乗車バス停に到来前のものが検出される。この検出がなされると、その検出されたバス車が現在位置から乗車バス停に到来する迄の所要時間が到来時間予測手段により予測される。この予測された所要時間が指定時間手段により指定された時間値と略等しい場合、その到来時間予測手段により所要時間が予測されたバス車の接近を示すメッセージが、送信手段により通信網を介して利用者の携帯型端末へ送信される。
【0027】
第8変形例のバス接近情報通知システムは、第7変形例のバス接近情報通知システムにおいて、前記送信手段によるメッセージの送信間隔を指定する送信間隔指定手段と、その送信間隔指定手段により指定される送信間隔が経過する毎に、前記乗降路線検出手段、対象バス検出手段、到来時間予測手段および送信手段をそれぞれ実行させる定期実行手段とを備えている。
【0028】
この第8変形例のバス接近情報通知システムによれば、第7変形例のバス接近情報通知システムと同様に作用する上、定期実行手段は、送信間隔指定手段により指定される送信間隔が経過する毎に、乗車バス停及び降車バス停がバス路線内に含まれる乗降路線を路線記憶手段から検出させ、その乗降路線の乗車バス停に到来前のバス車をバス位置記憶手段から検出させ、その検出されたバス車が乗車バス停に到来する迄の所要時間を予測させ、その予測された所要時間と指定時間手段により指定された時間値とを比較させ、その結果両者が一致する場合、乗車バス停へ接近している旨のメッセージを利用者の携帯型端末へ通信網を介して送信させる。
【0029】
第9変形例のバス接近情報通知システムは、第7変形例又は第8変形例のバス接近情報通知システムにおいて、前記送信手段は、前記到来時間予測手段により予測される所要時間が、前記指定時間手段により指定される時間値以上且つ以下の所定時間範囲以内である場合に実行されるものである。
【0030】
第10変形例のバス接近情報通知システムは、第9変形例のバス接近情報通知システムにおいて、前記到来時間予測手段は、前記対象バス検出手段により2以上のバス車が検出される場合、その2以上のバス車が乗車バス停に到来するまでの所要時間をそれぞれ予測するものであり、前記送信手段は、前記対象バス検出手段により検出される2以上のバス車のうち、前記到来時間予測手段により予測される所要時間が最小のものについてのみ、前記到来時間予測手段により予測される所要時間を通知するメッセージを送信するものである。
【0031】
第10変形例のバス接近情報通知システムによれば、第9変形例のバス接近情報通知システムと同様に作用する上、対象バス検出手段により対象となるバス車が2以上検出される場合、その各バス車の現在位置から乗車バス停に到来するまでの所要時間が到来時間予測手段により予測される。ここで、送信手段は、対象バス検出手段により検出された2以上のバス車のうち、到来時間予測手段により予測された所要時間が最小であるものについてのみ、その予測された所要時間に関するメッセージを送信する。
【発明の効果】
【0032】
請求項1のバス接近情報通知システムによれば、乗車バス停及び降車バス停を運行予定の2以上のバス車が乗車バス停に到来する以前において、その2以上のバス車の乗車バス停への接近情報を記録したメッセージが送信手段により通信網を介して利用者の携帯型端末へ送信される。よって、利用者は、このメッセージを携帯型端末にて確認することによって、乗車バス停から降車バス停へ向かう2以上のバス車の中から、乗車バス停へ到来する迄の予測所要時間に基づいて自己が乗り合わせるバス車を選択でき、そのバス車が到来する迄に乗車バス停へ出向くことができるという効果がある。
【0033】
また、2以上のバス車の乗車バス停への接近情報は、その各バス車の現在位置から乗車バス停に到来する迄の所要時間の予測値が短い順に記録されたメッセージとして送信されるので、多数のバス車の接近情報が1のメッセージ中に盛り込まれていても、メッセージ内容を容易に把握できるという効果がある。
【0034】
請求項2のバス接近情報通知システムによれば、請求項1のバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、バス車の接近を知らすメッセージは、定期実行手段によって、所定の送信間隔毎に定期的に送信されるので、利用者が前回のメッセージを確認し忘れていても、次回以降のメッセージによって利用者へバス車の接近を知らせることができるという効果がある。また、メッセージの送信間隔は送信間隔指定手段によって利用者の希望に応じて任意に指定できるので、例えば、メッセージの送信間隔を短く指定すれば、利用者によるメッセージの確認忘れを抑制することができるという効果がある。
【0035】
請求項3のバス接近情報通知システムによれば、請求項1又は2のバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、送信手段は、乗車バス停及び降車バス停の双方を運行予定のバス車が台数指定手段により指定されるバス台数を超過する場合、各バス車が現在位置から乗車バス停へ到来するまでの所要時間の予測値が最短のものから順に台数指定手段により指定されるバス台数分までのものに限り、その予測された所要時間を記録したメッセージを送信することができる。
【0036】
よって、乗車バス停から降車バス停までの区間を運行予定のバス車であって乗車バス停に到来前のものが極めて多数存在する場合には、台数指定手段により接近情報を求めるバス台数を制限することによって、メッセージ内容を簡潔に短くできるので、利用者がメッセージ内容を容易に確認でき、更に、通信料金の低廉化も図られるという効果もある。
【0037】
請求項4のバス接近情報通知システムによれば、請求項1から3のいずれかのバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、乗車バス停から降車バス停までの区間を運行予定であって乗車バス停に到来前である2以上のバス車については、その各バス車に関して乗車バス停に到来する迄の所要時間の予測値と、その各バス車に関してバス位置記憶手段に記憶される現在位置とが、送信手段によりメッセージに記録されて送信される。よって、メッセージの受信者は、乗車バス停に到来予定のバス車の具体的な位置についても、そのメッセージ中の現在位置に関する情報に基づいて推測を働かせることができるという効果がある。
【0038】
なお、上記した第1変形例から第10変形例のバス接近情報通知システムについては、以下のような効果がある。
【0039】
第1変形例のバス接近情報通知システムによれば、利用者は、自身が利用する乗車バス停及び降車バス停を運行するバス車が、乗車バス停より手前に存在する指定バス停付近を走行する場合に、その旨を示すメッセージを携帯型端末にて受信することができる。よって、利用者は、このメッセージを携帯型端末にて確認した後、バス車が指定バス停から乗車バス停へ移動する間に、乗車バス停へ出向くことができ、乗り遅れることなくてバス車の到来を待つことができるという効果がある。
【0040】
また、バス車の接近を知らせるメッセージは、乗車バス停から降車バス停までの区間を運行予定のバス車が指定バス停付近を走行する場合に利用者の携帯型端末へ送信されるが、この指定バス停は指定バス停手段により利用者の希望に応じて任意に指定することができる。よって、例えば、指定バス停手段により指定される指定バス停が乗車バス停から遠く離れたものであればある程、その分、メッセージの受信時からバス車が乗車バス停に到来する迄の時間が延長されるので、利用者は乗車バス停へ余裕をもって出向くことができるという効果がある。
【0041】
第2変形例のバス接近情報通知システムによれば、第1変形例のバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、上記した請求項2のバス接近情報通知システムのものと同様の効果も奏するものである。
【0042】
第3変形例のバス接近情報通知システムによれば、第1変形例又は第2変形例のバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、対象バス検出手段により2以上のバス車が検出される場合、送信手段により送信されるメッセージは、その2以上のバス車のうちで乗車バス停迄の所要時間の予測値が最小であるものについてのみ送信される。
【0043】
よって、乗車バス停から降車バス停までの区間を運行予定のバス車であって指定バス停付近を走行中のものが多数ある場合であっても、その全てについて乗車バス停に接近中である旨のメッセージを個別に送信する必要がないので、処理を簡素化して処理速度を速めることができ、通信料金も低廉化できるという効果がある。
【0044】
また、多数のバス車の接近通知を1のメッセージ中に盛り込む必要がなく、メッセージ内容を簡潔に短くできるので、利用者がメッセージ内容を容易に確認でき、更に、通信料金の低廉化が図られるという効果もある。
【0045】
第4変形例のバス接近情報通知システムによれば、第3変形例のバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、到来時間予測手段によるバス車の到来時間の予測は、到来時間更新手段によって予測間隔指定手段により任意に指定される所定の実行間隔毎に定期的に実行されるので、送信手段は、その実行時点で乗車バス停に最先に到来すると予測されるバス車の現在位置を、メッセージにより通知することができるという効果がある。
【0046】
第5変形例のバス接近情報通知システムによれば、第1変形例から第4変形例のいずれかのバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、指定バス停手段により指定バス停を指定する場合、指定バス停手段には、利用者が希望する指定バス停から乗車バス停までのバス停数が指定される。即ち、指定バス停が乗車バス停の幾つ前のバス停であるかが指定されるので、利用者が指定バス停として希望するバス停の名称を知らなくても、指定バス停手段による指定を行うことができるという効果がある。
【0047】
第6変形例のバス接近情報通知システムによれば、第1変形例から第5変形例のいずれかのバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、対象バス検出手段では、指定バス停付近を走行中のバス車を検出する場合、指定バス停に加えてその指定バス停と連続して並ぶ1以上のバス停とからなる複数のバス停区間を走行中のバス車を検出するので、例えば、指定バス停の前後数個目に当たるバス停を出発又は通過したバス車も含めて検出することができるという効果がある。
【0048】
第7変形例のバス接近情報通知システムによれば、利用者は、自身が利用する乗車バス停及び降車バス停を運行するバス車が乗車バス停に到来する旨のメッセージを、そのバス車が乗車バス停に到来することが予測される時点より指定時間手段に指定される時間値分だけ以前に携帯型端末にて受信することができる。よって、利用者は、このメッセージを携帯型端末にて確認した後、バス車が乗車バス停に到来する迄の時間、即ち、指定時間手段に指定された時間値と略等しい時間の間に乗車バス停へ出向くことができ、乗り遅れることなくバス車の到来を待つことができるという効果がある。
【0049】
また、バス車の接近を知らせるメッセージは、バス車が乗車バス停に到来することが予測される時点より所定の時間値分だけ以前に送信されるが、この時間値は指定時間手段により利用者の希望に応じて任意に指定することができる。よって、例えば、指定時間手段により指定される時間値がより長い程、メッセージの受信時からバス車が乗車バス停に到来する迄の時間が延長されるので、利用者は乗車バス停へ余裕をもって出向くことができるという効果がある。
【0050】
第8変形例のバス接近情報通知システムによれば、第7変形例のバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、更に、上記した請求項2又は第2変形例のバス接近情報通知システムのものと同様の効果も奏するものである。
【0051】
第9変形例のバス接近情報通知システムによれば、第7変形例又は第8変形例のバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、バス車が接近する旨を通知するメッセージは、バス車が乗車バス停に到来する迄の所要時間の予測値と指定時間手段により指定された時間値とが略等しい場合のみならず、かかる予測所要時間が指定時間手段により指定される時間値以上且つ以下の所定時間範囲以内である場合にも、送信手段により送信される。よって、例えば、指定時間手段により指定される時間値の前後数分間の間に乗車バス停に到来するバス車も含めてメッセージによる通知を受けることができるという効果がある。
【0052】
第10変形例のバス接近情報通知システムによれば、第9変形例のバス接近情報通知システムの奏する効果に加え、対象バス検出手段により2以上のバス車が検出される場合、送信手段により送信されるメッセージは、その2以上のバス車のうちで乗車バス停迄の所要時間の予測値が最小であるものについてのみ送信される。
【0053】
よって、乗車バス停から降車バス停までの区間を運行予定のバス車であって、乗車バス停迄の所要時間の予測値が指定時間手段により指定される時間値以上且つ以下の所定時間範囲以内のものが多数ある場合であっても、その全てについて乗車バス停に接近中である旨のメッセージを個別に送信する必要がないので、処理を簡素化して処理速度を速めることができ、通信料金も低廉化できるという効果がある。
【0054】
また、多数のバス車の接近通知を1のメッセージ中に盛り込む必要がなく、メッセージ内容を簡潔に短くできるので、利用者がメッセージ内容を容易に確認でき、更に、通信料金の低廉化が図られるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるバス接近情報通知システム(以下、単に「通知システム」という。)1の概念図である。通知システム1は、バス車が所定の乗車バス停に接近している旨を示す情報であるバス接近情報が記録された電子メール(以下「バス情報メール」という)を作成して送信するためのコンピュータであるサーバ2を備えている。
【0056】
サーバ2は、通信回線を介してインターネット網3と接続されており、このインターネット網3には、利用者(ユーザ)が使用するパーソナルコンピュータであるユーザPC4と、携帯型端末の一種である携帯電話6,6と無線通信方式によるバケット通信が可能なパケット通信網5とが、それぞれ接続されている。ここで、サーバ2から送信されるバス情報メールは、インターネット網3を介して利用者が使用するPC4へ、或いは、インターネット網3及びパケット通信網5を介して携帯電話6,6へ送信される。
【0057】
一方、サーバ2は他の通信回線を介して専用データ回線網7とも接続されており、この専用データ回線網7には、更に、バス位置管理システム8が接続されている。サーバ2は、このバス位置管理システム8から専用データ回線網7を介して各バス路線を運行(走行)中であるバス車10の現在位置に関する情報を逐次受信して更新記録するのである。
【0058】
バス位置管理システム8は、複数のバス車10の現在位置を個々に管理するためのコンピュータシステムであり、専用データ回線網7を介して複数のバス停(バス停留所)11と通信可能に構成されている。ここで、バス車10には、そのバス車10の識別番号であるバス番号を記憶し且つバス停11との間で無線通信可能な車載器(図示せず)が搭載されており、一方、バス停11には、そのバス停11の識別情報である路線番号、系統番号、上下フラグ及びシーケンス番号を記憶し且つ専用データ回線網7及びバス車10の車載器と無線通信可能な制御器(図示せず)が装備されている。
【0059】
ここで、運行中のバス車10がバス路線上に設置されるバス停11を出発又は通過すると、当該バス車10の車載器により当該バス停11に対して、当該バス車10のバス番号が無線送信される。このバス番号がバス停11の制御器により受信されると、その制御器によって、受信したバス番号並びに当該制御器に記憶される路線番号、系統番号、上下フラグ及びシーケンス番号を含んだ通信データが生成されて専用データ回線網7を介してバス位置管理システム8へ送信されるのである。
【0060】
この通信データは、バス位置管理システム8により受信されると、その受信時刻並びに受信したバス番号、路線番号、系統番号、上下フラグおよびシーケンス番号を相互に対応つけたデータ群として、バス位置管理システム8の図示しないハードディスク(HD)等のメモリに保存される。この結果、バス位置管理システム8には、バス番号で特定されるバス車10が、路線番号、系統番号、上下フラグ及びシーケンス番号で特定されるバス停11を、受信時刻に出発又は通過したものとして記憶保存される。しかも、このバス位置管理システム8のメモリ内の記憶内容は、各バス車10ごとに最新情報に逐次更新される。
【0061】
ここに路線番号とは、バス車10の運行されるバス路線ごとに個別に付与される識別番号であり、系統番号は、同一バス路線内に始発地、経由地または終着地が異なる経路が2以上ある場合に付される派生番号であり、上下フラグとは、バス路線を走行するバス車10の走行方向を示すフラグであり、例えば、バス車10がバス路線の順方向(上り線)を走行する場合に「1」が、又、バス路線の逆方向(下り線)を走行する場合に「2」が設定される。
【0062】
また、シーケンス番号は、各バス停11に付される識別番号であり、各バス路線の上り線又は下り線の各バス停11には、その始発地点にあるバス停11から終着地点にあるバス停11までに順番に「1」から連番の自然数が付与される。更に、バス番号は、各バス車10ごとに個別に付される識別番号である。
【0063】
図2は、サーバ2の電気的構成を示したブロック図である。図2に示すように、サーバ2には、CPU21、ROM22、リアルタイムクロック(RTC)23、ハードディスク(HD)24、RAM25、LANインターフェイス26、入出力ポート27が設けられている。このうち、CPU21、ROM22、RAM25は、アドレスバス、データバス及び制御信号線により構成されたバスラインにより、相互に接続されている。また、入出力ポート27は、RTC23、LANインターフェイス26及びHD24とも接続されている。
【0064】
CPU21は、ROM22に記憶されるプログラムや、HD24に記憶されているオペレーティングシステム及び各種のアプリケーションプログラムに基づいて動作する演算装置であり、各種の情報処理を行うものである。ROM22は、CPU21を動作させる基本プログラムの他、各種のデータを記憶する書き換え不能な不揮発性メモリである。RTC23は、年、月及び日の日付、曜日、並びに秒単位の時刻の計時を行うICである。RTC23により計時された日付、曜日および時刻は、CPU21によって読み取られ、各処理に使用される。
【0065】
HD24は、書き換え可能な不揮発性の大容量記憶媒体であり、主に、CPU21によって実行される制御プログラム24aの他、ユーザ指定情報DB24bと、送信ログDB24cと、バス停情報DB24dと、所要時間DB24eと、バス位置情報DB24fと、路線情報DB24gと、ユーザ情報DB24hと、メール文メモリ24iとを備えている。なお、図7から図20のフローチャートに示すプログラムは、制御プログラム24aの一部としてHD24に格納されている。
【0066】
ユーザ指定情報DB24bは、複数のユーザ指定情報を記憶するデータベース(DB)であり、このDB24bに記憶されるユーザ指定情報は、バス情報メールに関する各種仕様を利用者ごとに記憶するためのものである。このユーザ指定情報は、利用者がPC4や携帯電話6を介してサーバ2へアクセスすることで、その内容を登録および変更することも可能であり、サーバ2は、ユーザ指定情報に基づいてバス情報メールを作成して、利用者のPC4や携帯電話6へ送信する。図3には、ユーザ指定情報DB24bの概念図を示している。
【0067】
図3に示すように、ユーザ指定情報DB24bは、第1列目から右方へ順番に並ぶデータ列が複数設けられており、これらの各データ列の個々がユーザ指定情報100を構成している。各ユーザ指定情報100には、ユーザID101、乗車バス停名102、降車バス停名103、開始日付104、終了日付105、曜日指定106、開始時刻107、終了時刻108、送信指定109、指定バス停数110、指定到来時間111、送信間隔112、指定バス台数113及び履歴フラグ114が記録されている。
【0068】
ユーザID101は、ユーザ指定情報100ごとに個別に付される識別コードである。乗車バス停名102は、バス車10の乗車に利用する乗車バス停11Aの名称であり、降車バス停名103は、バス車10の降車に利用する降車バス停11Bの名称である。ここで、乗車バス停名102及び降車バス停名103には必ず異なるバス停名が記録されなければならない。以下、上記の通り、複数のバス停11から区別するため、乗車バス停の符号を「11A」とし、降車バス停の符号を「11B」とする。
【0069】
開始日付104は、バス情報メールの送信を継続する期間の起算日であり、終了日付105は、バス情報メールの送信を継続する期間の末日である。曜日指定106は、バス情報メールの送信を実行する曜日を指定するものである。例えば、曜日指定106の値が「0」であれば「日曜日」が、「1」であれば「月曜日」が、「2」であれば「火曜日」が、「3」であれば「水曜日」が、「4」であれば「木曜日」が、「5」であれば「金曜日」が、「6」であれば「土曜日」が、「7」であれば「月曜日から金曜日までの全て」が、又は「8」であれば「土曜日及び日曜日」が、指定されたこととなる。
【0070】
開始時刻107は、バス情報メールの送信処理を開始させる時刻であり、終了時刻108は、バス情報メールの送信処理を終了させる時刻である。送信指定109は、バス情報メールの本文に用いられるバス情報文の文章形態を指定するものであり、具体的には、「0」、「1」又は「2」の各数値を用いて、メール文メモリ24iに記憶される「バス停指定」、「到来時間指定」又は「接近順指定」用のバス情報文のいずれかを指定するものである。例えば、送信指定109には、バス情報文の文書形態として「バス停指定」を用いる場合に「0」が、「到来時間指定」を用いる場合に「1」が、又は「接近順指定」を用いる場合に「2」が、それぞれ指定される。
【0071】
指定バス停数110は、送信指定109が「0」の場合、即ち、バス情報文の文書形態が「バス停指定」の場合に、そのバス情報文に記録するバス車10を特定するためのものである。具体的に、サーバ2では、送信指定109が「0」の場合、乗車バス停11Aより指定バス停数110の値分だけ手前に存在するバス停(以下「指定バス停」という。)11C付近を走行中のバス車10に関するバス情報メールが作成される。以下、上記の通り、複数のバス停11から区別するため、指定バス停の符号を「11C」とする。
【0072】
指定到来時間111は、送信指定109が「1」の場合、即ち、バス情報文の文書形態が「到来時間指定」の場合に、そのバス情報文に記録するバス車10を特定するためのものである。具体的に、サーバ2では、送信指定109が「1」の場合、バス車10が乗車バス停11Aに到来する指定到来時間111の値分だけ以前にバス情報メールが送信される。送信間隔112は、バス情報メールが送信される時間間隔を分単位で指定したものであり、開始時刻107から終了時刻108迄の間、この送信間隔112が示す時間間隔が経過する毎に、バス情報メールが送信される。
【0073】
指定バス台数113は、送信指定109が「2」の場合、即ち、バス情報文の文書形態が「接近順指定」の場合に、そのバス情報文に記録するバス車10を特定するためのものである。具体的に、サーバ2では、送信指定109が「2」の場合であって、乗車バス停11Aに接近中のバス車10が複数台存在するとき、その複数台のバス車10のうち、乗車バス停11Aに最先に到着するバス車10から数えて指定バス台数113の値が示す台数分についてのみ、バス情報メールにより現在位置を通知する。
【0074】
履歴フラグ114は、その履歴フラグ114が属するユーザ指定情報100の開始時刻107から終了時刻108迄のバス情報メールの送信が完了した場合に「オン」されるフラグであり、1日分のメイン処理(図7参照)が終了すると、初期化されて「オフ」される。
【0075】
図2に戻って説明する。送信ログDB24cは、サーバ2により送信された全てのバス情報メールに関し、その送信日付および時刻を送信履歴情報として記憶するデータベースである。
【0076】
バス停情報DB24dは複数のバス停情報を記憶するデータベースであり、このDB24dに記憶されるバス停情報の各々には、路線番号、系統番号、上下フラグ、シーケンス番号及びバス停名が記録されている。ここで、バス停名は、そのバス停名と共に当該バス停情報に記録される路線番号、系統番号、上下フラグ及びシーケンス番号で特定される1つバス停の名称である。また、バス停情報DB24bに記憶される複数のバス停情報は路線番号の小さい順に記憶され、路線番号が共通する複数のバス停情報は系統番号の小さい順に記憶され、路線番号及び系統番号が共通する複数のバス停情報は上下フラグが一致するもの毎にまとめて記憶され、更に、路線番号、系統番号及び上下フラグが共通する複数のバス停情報はシーケンス番号の小さい順に記憶されている。
【0077】
所要時間DB24eは、複数の区間所要時間情報を記憶するデータベースであり、このDB24eに記憶される区間所要時間情報の各々には、路線番号、系統番号、上下フラグ、シーケンス番号及び移動時間が記録されている。
【0078】
ここで、移動時間は、路線番号、系統番号、上下フラグ及びシーケンス番号で特定されるバス停からその次のバス停までの区間(以下「バス停区間」という。)を移動するためにバス車10が要する時間であり、秒単位で記録されている。例えば、ある区間所要時間情報に記録されるシーケンス番号が「1」の場合、当該区間所要時間情報に記録される移動時間は、シーケンス番号が「1」のバス停からシーケンス番号が「2」のバス停に到着する迄に要するバス車10の移動時間に相当する。
【0079】
なお、あるシーケンス番号で特定される「バス停に関するバス停区間」とは、当該シーケンス番号で特定されるバス停からその次のバス停までの1区間分を意味しており、例えば、シーケンス番号が「1」である場合の「バス停に関するバス停区間」とは、当該シーケンス番号が「1」のバス停からシーケンス番号が「2」のバス停までの1区間に相当する。
【0080】
また、所要時間DB24eに記憶される複数の区間所要時間情報は路線番号の小さい順に記憶され、路線番号が共通する複数の区間所要時間情報は系統番号の小さい順に記憶され、路線番号及び系統番号が共通する複数の区間所要時間情報は上下フラグが一致するもの毎にまとめて記憶され、更に、路線番号、系統番号及び上下フラグが共通する複数の区間所要時間情報はシーケンス番号の小さい順に記憶されている。
【0081】
更に、所要時間DB24eに記憶されている全ての区間所要時間情報の移動時間は、バス路線を実際に走行中のバス車10の移動時間に基づいて算出されるものであり、バス位置管理システム8から送られてくる送信データに基づいて、逐次最新のデータに更新されている。
【0082】
バス位置情報DB24fは、複数のバス車10毎にそのバス車10の現在位置を示すバス位置情報を記憶するデータベースであり、このDB24fに記憶されるバス位置情報の各々には、バス番号、路線番号、系統番号、上下フラグ、シーケンス番号および出発時刻が記録されている。ここで、出発時刻は、バス番号で特定されるバス車10が路線番号、系統番号及び上下フラグで特定されるバス路線を走行中に、当該バス路線上においてシーケンス番号で特定されるバス停を出発又は通過した時刻である。バス位置情報DB24fに記憶される各バス位置情報は、バス位置管理システム8から送られてくる送信データに基づいて、逐次最新のデータに更新される。
【0083】
また、バス位置情報DB24fに記憶される複数のバス位置情報は路線番号が小さい順に記憶され、路線番号が共通する複数のバス位置情報は系統番号が小さい順に記憶され、路線番号及び系統番号が共通する複数のバス位置情報は上下フラグが一致するもの毎にまとめて記憶され、更に、路線番号、系統番号及び上下フラグが共通する複数のバス位置情報はシーケンス番号が小さいものから順に記憶されている。
【0084】
路線情報DB24gは、複数のバス路線情報を記憶するためのデータベースであり、このDB24gに記憶されるバス路線情報の各々には、路線番号、系統番号、上下フラグ、路線名および行き先が記録されている。ここで、路線名は、その路線名と共に当該バス路線情報に記録される路線番号、系統番号及び上下フラグで特定される1のバス路線の名称であり、行き先は、当該路線番号、系統番号及び上下フラグで特定される1のバス路線の行き先及び経由地などを示す文字情報である。
【0085】
ユーザ情報DB24hは、主に、ユーザIDに対応つけてバス情報メールの送信先アドレスとなる電子メールアドレスを記憶するためのデータベースであり、これらに対応つけて、利用者に関する他の個人情報も記憶することができる。このユーザ情報DB24hに記憶されるデータは、利用者がPC4や携帯電話6を介してサーバ2へアクセスすることで、その内容を登録および変更することも可能である。サーバ2は、バス情報メールを利用者のPC4や携帯電話6へ送信する場合、実質的には、かかるDB24hに記憶される電子メールアドレスに対してバス情報メールを送信するものである。
【0086】
メール文メモリ24iは、バス情報メールに記録される文書データを記憶するためのメモリであり、主に、バス停指定メール本文120と、到来時間指定メール本文121と、接近順指定メール本文122と、バス情報文123と、到着時間文124とを記憶している。バス停指定メール本文120は、ユーザ指定情報100の送信指定109が「0」の場合、即ち、バス情報メールの文章形態が「バス停指定」用のものが指定された場合に使用されるバス情報メールの本文である。
【0087】
また、到来時間指定メール本文121は、ユーザ指定情報100の送信指定109が「1」の場合、即ち、バス情報メールの文章形態が「到来時間指定」用のものが指定された場合に使用されるバス情報メールの本文である。更に、接近順指定メール本文122は、ユーザ指定情報100の送信指定109が「2」の場合、即ち、バス情報メールの文章形態が「接近順指定」用のものが指定された場合に使用されるバス情報メールの本文である。
【0088】
図4(a)は、バス停指定メール本文120の内容を示す図である。図4(a)に示すように、バス停指定メール本文120は、その文章中に、RTC23の値に基づいて現在時刻が書き込まれる「現在時刻」欄120aと、ユーザ指定情報100に記録される乗車バス停名102が書き込まれる「バス停名」欄120bと、バス車10の現在位置が乗車バス停11Aの幾つ前に当たるかを示すための「バス停数」欄120cと、そのバス車10の路線番号及び行き先が書き込まれる「路線番号・行き先」欄120dと、ユーザ指定情報100の一部内容が書き込まれる「指定内容確認」欄120eとが順に設けられており、これらの欄120a〜120eにそれぞれ対応する文字データが書き込み可能とされている。
【0089】
図4(b)は、到来時間指定メール本文121の内容を示す図である。図4(b)に示すように、到来時間指定メール本文121は、その文章中に、RTC23の値に基づいて現在時刻が書き込まれる「現在時刻」欄121aと、ユーザ指定情報100に記録される乗車バス停名102が書き込まれる「バス停名」欄121bと、バス車10が現在位置から乗車バス停11Aに到来するまでの所要時間の予測値(以下「予測到来時間」という。)が書き込まれる「予測到来時間」欄121cと、そのバス車10の路線番号及び行き先が書き込まれる「路線番号・行き先」欄121dと、ユーザ指定情報100の一部内容が書き込まれる「指定内容確認」欄121eとが順に設けられており、これらの欄121a〜121eにそれぞれ対応する文字データが書き込み可能とされている。
【0090】
図5は、接近順指定メール本文122、バス情報文123及び到着時間文124の内容を示す図である。図5に示すように、接近順指定メール本文122は、その文章中に、RTC23の値に基づいて現在時刻が書き込まれる「現在時刻」欄122aと、ユーザ指定情報100に記録される乗車バス停名102が書き込まれる「バス停名」欄122bと、1又は複数のバス情報文123が書き加えられる「バス情報」欄122cと、到着時間文124が書き加えられる「予測到着時間」欄122dと、ユーザ指定情報の一部内容が書き込まれる「指定内容確認」欄122eとが順に設けられており、これらの欄120a〜120eにそれぞれ対応する文字データが書き込み可能とされている。
【0091】
バス情報文123は、その文章中に、バス車10が乗車バス停11Aに接近中の複数のバス車10の中で何番目に乗車バス停11Aに到来するかが書き込まれる「番数」欄123aと、バス車10の現在位置が乗車バス停11Aの幾つ前に当たるかが書き込まれる「バス停数」欄123bと、その「バス停」欄123bの表示に相当するバス停名が書き込まれる「バス停名」欄123cと、バス車10の路線番号及び行き先が書き込まれる「路線番号・行き先」欄123dと、「バス停」欄123bの表示に相当するバス停名および乗車バス停名が書き込まれる「バス位置・乗車バス停名」欄123eと、バス車10が現在位置から乗車バス停11Aに到来するまでの所要時間の予測値が書き込まれる「予測到来時間」欄123fとが順に設けられており、これらの欄123a〜123fにそれぞれ対応する文字データが書き込み可能とされている。
【0092】
到着時間文124は、その文章中に、乗車バス停名および降車バス停名が書き込まれる「乗車バス停・降車バス停」欄124aと、現時点で乗車バス停11Aから降車バス停11Bまで移動するための所要時間の予測値(以下「予測到着時間」という。)が書き込まれる「予測到着時間」欄124bとが順に設けられており、これらの欄124a,124bにそれぞれ対応する文字データが書き込み可能とされている。
【0093】
図2に戻って説明する。RAM25は、各種のデータを記憶する書き換え可能な揮発性メモリであり、主に、ユーザ指定情報メモリ25aと、バス停情報メモリ25bと、乗車バス停メモリ25cと、降車バス停メモリ25dと、共通路線メモリ25eと、乗降路線メモリ25fと、所要時間メモリ25gと、合計時間メモリ25hと、最大到着時間メモリ25iと、バス位置情報メモリ25jと、予測到来時間メモリ25kと、送信情報蓄積メモリ25lと、カウンタ25mと、他のワークメモリ25nとを備えている。尚、RAM25の各メモリ25a〜25l及びカウンタ25mは初期状態において内容が「0」クリアされている。
【0094】
ユーザ指定情報メモリ25aは、HD24のユーザ指定情報DB24bに記憶される複数のユーザ指定情報100の中から、1のユーザ指定情報100を読み込んで一時的に記憶するためのメモリである。また、バス停情報メモリ25bは、HD24のバス停情報DB24dに記憶される複数のバス停情報の中から、1のバス停情報を読み込んで一時的に記憶するためのメモリである。
【0095】
乗車バス停メモリ25cは、バス停情報メモリ25bに記憶されるバス停情報が、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザ指定情報100の乗車バス停名102に対応するバス停に関するものである場合に、当該バス停情報を乗車バス停情報として一時的に記憶するためのメモリである。また、降車バス停メモリ25dは、バス停情報メモリ25bに記憶されるバス停情報が、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザ指定情報100の降車バス停名103に対応するバス停に関するものである場合に、当該バス停情報を降車バス停情報として一時的に記憶するためのメモリである。
【0096】
共通路線メモリ25eは、バス停情報DB24d及び路線情報DB24gにより管理される複数のバス路線のうちで、ユーザ指定情報100の乗車バス停名102及び降車バス停名103で特定される区間(以下「乗降区間」という。)が含まれるもの(以下「乗降路線」という。)に関する情報(以下「乗降路線情報」という。)を、同時に1又は2以上に記憶可能なメモリである。つまり、共通路線メモリ25eによれば、乗降区間を通過するバス路線、即ち、乗降路線が複数存在する場合には、その全ての乗降路線に関する乗降路線情報が一時的に記憶保持されるのである。
【0097】
また、共通路線メモリ25eに記憶される乗降路線情報の各々は、路線番号、系統番号、上下フラグ、乗車バス停11Aのシーケンス番号(以下「乗車停シーケンス番号」という。)及び降車バス停11Bのシーケンス番号(以下「降車停シーケンス番号」という。)が記録されており、これら乗降路線情報に記録される各データによって、1の乗降路線を特定するものである。また、乗降路線メモリ25fは、共通路線メモリ25eに記憶される複数の乗降路線情報の中から、1の乗降路線情報を読み込んで一時的に記憶するためのメモリである。
【0098】
所要時間メモリ25gは、所要時間DB24eに記憶される複数の区間所要時間情報の中から、1の区間所要時間情報を読み込んで一時的に記憶するためのメモリである。また、合計時間メモリ25hは、予測到着時間を算出するため所要時間DB24eに記憶される各区間所要時間情報の移動時間を合算する場合に、その合算値を一時的に記憶するためのメモリである。
【0099】
また、最大到着時間メモリ25iは、共通路線メモリ25eに乗降路線情報が記憶される2以上の乗降路線毎の予測到着時間の中で、その最大値を一時的に記憶するためのメモリであり、この最大到着時間メモリ25iに記憶される値が、バス情報メール中に記録される予測到着時間として実際に使用される。なお、共通路線メモリ25eに記憶される乗降路線情報が1つのみ記憶される場合、即ち、乗降区間を通過するバス路線が1つしかない場合には、その1つのバス路線に関する予測到着時間が最大到着時間メモリ25iに記憶される。
【0100】
バス位置情報メモリ25jは、バス位置情報DB24fに記憶される複数のバス位置情報の中から、1のバス位置情報を読み込んで一時的に記憶するためのメモリである。また、予測到来時間メモリ25kは、乗降路線メモリ25fに乗降路線情報が記憶されている乗降路線について到来時間予測処理(図15参照)の実行により算出される予測到来時間を一時的に記憶するためのメモリである。この予測到来時間メモリ25kに記憶される予測到来時間は、その後、送信情報蓄積メモリ25lへ蓄積され、メール作成・送信処理(図17参照)にてバス情報メールの作成に利用される。
【0101】
送信情報蓄積メモリ25lは、バス情報メールのメール本文の作成に必要となる主要データである送信情報を、複数一時的に記憶して蓄積するためのメモリである。図6に、送信情報蓄積メモリ25lの概念図を示す。
【0102】
図6に示すように、送信情報蓄積メモリ25lには、第1行目から下方へ順番に並ぶ複数のデータ行が記憶されており、これらの各データ行の個々が送信情報150を構成している。各送信情報150には、バス停名151、バス停数152、予測到来時間153、予測到着時間154及び送信履歴情報155が記録されている。バス停名151は、対象バス検出処理(図11参照)により検出されるバス車10の現在位置をバス停名により示すものである。
【0103】
バス停数152は、バス停名151により示されるバス停名に対応するバス停が乗車バス停11Aの幾つ前のバス停であるかを示す数値である。予測到来時間153は、対象バス検出処理(図11参照)により検出された当該バス車10に関する予測到来時間であり、予測到着時間154は、当該バス車10が運行されるバス路線における乗車バス停11Aから降車バス停11Bまで移動するための所要時間の予測値、即ち予測到着時間である。
【0104】
また、送信履歴情報155は、送信ログDB24cへ記憶される前の送信履歴情報であり、バス情報メールが送信されるべき利用者のユーザID155a、バス情報メールの送信日付155b及び送信時刻155c、当該送信情報150に記録されている当該バス車10が運行されるバス路線の路線番号155d、系統番号155e及び上下フラグ155f、並びに、当該バス車10のバス番号155gから構成されている。
【0105】
図2に戻って説明する。カウンタ25mは、送信指定109が「2」の場合、即ち、バス情報文の文書形態が「接近順指定」の場合に、そのバス情報メールに書き込まれるバス情報文の数を計数するためのカウンタである。
【0106】
他のワークメモリ25nは、主として、HD24に記憶される制御プログラム24a、ユーザ指定情報DB24b、送信ログDB24c、バス停情報DB24d、所要時間DB24e、バス位置情報DB24f、路線情報DB24g、ユーザ情報DB24h、及び、その他の各種データ及びプログラムを使用する場合にこれらを一時的に展開すると共に、メール文メモリ24iに記憶される各文書データを一時的に読み出すためのメモリ領域である。なお、制御プログラム24aでは、各DB24b〜24hを使用する場合に他のワークメモリ25nに展開して使用するが、これらのDB24b〜24hについては、説明の便宜上、他のワークメモリ25nに展開された後も同一の符号を用いて以下説明する。
【0107】
LANインターフェイス26は、LAN30と接続されており、このLAN30には、他のサーバ31,31や端末PC32,32が接続されている。更に、LAN30には、回線接続機器33,33を介して、上記したインターネット網3及び専用データ回線7が接続されている。
【0108】
次に、図7から図20を参照して、上記のように構成された通知システム1、特に、サーバ2の動作について説明する。図7は、メイン処理のフローチャートであり、サーバ2で実行される。
【0109】
メイン処理では、まず、ユーザ指定情報DB24bを他のワークメモリ25nへ読み出し、そのDB24bから最初のユーザ指定情報100を読み出す(S1)。ここで、RTC23の値がユーザ指定情報100の開始日付104から終了日付105迄の期間内で、開始時刻107から終了時刻108迄の範囲内で、且つ、履歴フラグ114のオフ(数値が「0」)であれば(S2,S3:Yes、S4:No)、かかるユーザ指定情報100の登録内容については有効期限内であり、且つ、本日のバス情報メールの送信は完了していない。よって、かかる場合は、S1で読み出したユーザ指定情報100をユーザ指定情報メモリ25aへ書き込んで一時的に記憶し(S5)、バス情報メール処理を実行して(S6)、バス情報メールを作成して利用者のユーザPC4又は携帯電話6へ送信する。
【0110】
バス情報メール処理(S6)の実行後は、S1で読み出したユーザ指定情報100に関するバス情報メール処理を完了したので、そのユーザ指定情報100が一時記憶されるユーザ指定情報メモリ25aの内容をクリアする(S7)。S7のクリア後は、ユーザ指定情報DB24bに記憶される全てのユーザ指定情報100についてS2からS4のチェックがなされた否かを確認し(S8)、未完了であれば(S8:No)、ユーザ指定情報DB24bに記憶される次のユーザ指定情報100を読み出し(S9)、処理をS2へ移行してS2からS4のチェックを実行する。その後、ユーザ指定情報DB24bに記憶される全てのユーザ指定情報についてS2からS4のチェックが完了すれば(S8:Yes)、他の処理を実行した後(S10)、処理をS1へ移行する。
【0111】
一方、RTC23の値が、S1又はS9の処理により読み取ったユーザ指定情報100の開始日付104から終了日付105迄の期間内でなければ、当該ユーザ指定情報100は期限切れであるので(S2:No)、S3からS7の処理をスキップして、処理をS8へ移行する。また、RTC23の値が、S1又はS9の処理により読み取ったユーザ指定情報100の開始時刻107から終了時刻108迄の範囲内でなければ(S3:No)、バス情報メールの送信時刻に該当しないので、S3からS7の処理をスキップして、処理をS8へ移行する。更に、履歴フラグ114がオン(数値が「1」)であれば(S4:Yes)、本日のバス情報メールの送信は完了しているので、S3からS7の処理をスキップして、処理をS8へ移行する。
【0112】
図8は、バス情報メール処理のフローチャートであり、この処理は上記したメイン処理中で実行される(S6)。図8に示すように、バス情報メール処理では、まず、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザ指定情報100に曜日指定106が有るか否かを確認し(S11)、曜日指定106の存在が確認されれば(S11:Yes)、RTC23の現在値の曜日と曜日指定106の値に対応する曜日とが一致するか否かを判断し(S12)、この判断の結果、両者が不一致であれば(S12:No)、現日時は利用者がバス情報メールの送信を希望している曜日ではないので、このバス情報メール処理を終了する。
【0113】
一方、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザ指定情報100に曜日指定106がない場合(S11:No)、又は、RTC23の現在値の曜日と曜日指定106の値が示す曜日とが一致する場合(S12:Yes)、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザ指定情報100のユーザID101に基づいて、送信ログDB24cからバス情報メールが前回送信された日時(前回送信日時)を読み取る(S13)。そして、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザID101に対応する前回送信日時が送信ログDB24cに存在するか否かを判断する(S14)。
【0114】
ここで、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザID101に対応する前回送信日時が送信ログDB24cに不存在であれば(S14:No)、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザ指定情報100については登録後初めてバス情報メール処理が実行されることを意味するので、S15及びS16の処理をスキップして、処理をS17へ移行する。一方、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザID101に対応する前回送信日時が送信ログDB24cに存在すれば(S14:Yes)、前回送信日時の値にユーザ指定情報メモリ25aに記憶される送信間隔112の値を加算した日時(次回送信日時)と、RTC23の現在値の日時(現在日時)とを比較する(S15)。
【0115】
この比較の結果によって、現在日時が次回送信日時を経過している場合は(S16:Yes)、次回のバス情報メールの送信時刻が到来しているものと判断して、共通路線検出処理、到着時間予測処理、対象バス検出処理およびメール作成・送信処理を順に実行する(S17〜S20)。この実行後は、次回のバス情報メール処理の実行に備えて、上記S17〜S20で使用した共通路線メモリ25e、最大到着時間メモリ25i及びバス位置情報メモリ25jの内容をクリア(初期化)して(S21)、このバス情報メール処理を終了する。また、現在日時が次回送信日時を未経過の場合も(S16:No)、このバス情報メール処理を終了する。
【0116】
図9は、共通路線検出処理のフローチャートであり、この処理は上記したバス情報メール処理中で実行される(S17)。この共通路線検出処理は、ユーザ指定情報100に記録される乗車バス停名及び降車バス停名で特定される乗降区間を含んだバス路線を、バス停情報DB24dの中から1又は2以上検出するための処理である。
【0117】
ここで、1のユーザ指定情報100中の乗車バス停名102及び降車バス停名103で特定される乗車バス停11A及び降車バス停11Bについては、その乗車バス停11A及び降車バス停11Bに関するバス停情報中の路線番号、系統番号及び上下フラグが共通するとき、当該乗車バス停11Aのシーケンス番号が降車バス停11Bのシーケンス番号より必ず小さくなる。また、共通路線検出処理では、バス停情報DB24dに記憶される複数のバス停情報のうちで、路線番号、系統番号及び上下フラグが共通するものにあっては、それらのシーケンス番号が小さいものから順にバス停情報メモリ25bへ逐次読み込むように構成されている。
【0118】
図9に示すように、共通路線検出処理では、まず、バス停情報DB24dに記憶されるバス停情報の中から、最初に記憶されるバス停情報をバス停情報メモリ25bへ読み込む(S31)。読み込み後は、バス停情報メモリ25bに記憶されるバス停名とユーザ指定情報メモリ25aに記憶される乗車バス停名102とを比較する(S32)。この比較によって、バス停情報メモリ25bへ読み込まれたバス停情報が乗車バス停11Aに関するものか否かが判断される。
【0119】
S32の比較の結果、バス停名が一致すれば(S33:Yes)、バス停情報メモリ25bに記憶されるバス停情報は乗車バス停11Aに関するものなので、当該バス停情報の内容を、乗車バス停情報として乗車バス停メモリ25cへ書き込んで一時記憶して(S34)、処理をS35へ移行する。一方、S32の比較の結果、バス停名が不一致であれば(S33:No)、バス停情報メモリ25bに記憶されるバス停情報は乗車バス停11Aと無関係なので、S34をスキップして、処理をS35へ移行する。
【0120】
S32の比較でバス停名が不一致の場合(S33:No)、又は、乗車バス停11Aに関するバス停情報が乗車バス停メモリ25cへ書き込まれた後(S34)は、乗車バス停メモリ25cに乗車バス停情報が記憶済みか否かを判断し、記憶済みであれば(S35:Yes)、バス停情報メモリ25bに記憶されるバス停名とユーザ指定情報メモリ25aに記憶される降車バス停名103とを比較する(S36)。この比較によって、バス停情報メモリ25bへ読み込まれているバス停情報が降車バス停11Bに関するものか否かが判断される。
【0121】
S36の比較の結果、バス停名が一致すれば(S37:Yes)、バス停情報メモリ25bに記憶されるバス停情報は降車バス停11Bに関するものなので、当該バス停情報の内容を、降車バス停情報として降車バス停メモリ25dへ書き込んで一時的に記憶する(S38)。この後は、乗車バス停メモリ25c及び降車バス停メモリ25dに記憶される路線番号、系統番号及び上下フラグ並びに乗車バス停11A及び降車バス停11Bのシーケンス番号のデータ群を1つの乗降路線情報として、共通路線メモリ25eへ書き加えて(S39)、乗車バス停メモリ25c及び降車バス停メモリ25dの内容を「0」クリアする(S40)。
【0122】
一方、乗車バス停メモリ25cに乗車バス停情報が記憶されていない場合(S35:No)、S36の比較の結果バス停名が不一致の場合(S37:No)、又は、メモリ25c,25dの内容を「0」クリアした後(S40))は、処理をS41へ移行して、バス停情報DB24dに記憶される全てのバス情報をバス停情報メモリ25bへ読み込んだか否かを判断する(S41)。
【0123】
この判断の結果、全てのバス停情報の読み込みが未完了の場合は(S41:No)、次のバス停情報をバス停情報DB24dからバス停情報メモリ25bへ読み込んで上書きし(S42)、処理をS32へ移行して、全てのバス停情報の読み込みが完了するまで(S41:Yes)、S32からS42まで処理を繰り返す。この繰り返しによって、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザ指定情報100の乗車バス停名102及び降車バス停名103で特定される乗降区間を含んだバス路線に関する乗降路線情報が全て検出されるのである。
【0124】
その後、バス停情報DB24dに記憶される全てのバス情報についてバス停情報メモリ25bへ読み込みが完了すると(S41:Yes)、次回の共通路線検出処理の実行に備えて、バス停情報メモリ25bの内容を「0」クリアし(S43)、共通路線検出処理を終了する。
【0125】
図10は、到着時間予測処理のフローチャートであり、この処理は上記したバス情報メール処理中で実行される(S18)。この到着時間予測処理は、共通路線メモリ25eに記憶される1又は2以上の乗降路線情報毎に、乗車バス停11Aから降車バス停11Bまでの予測到着時間を算出して、その算出された1又は2以上の予測到着時間の中で最大値のものを選出する処理である。
【0126】
ここで、到着時間予測処理では、所要時間DB24eに記憶される複数の区間所要時間情報のうちで、路線番号、系統番号及び上下フラグが共通するものにあっては、それらのシーケンス番号が小さいものから順に所要時間メモリ25gへ逐次読み込むように構成されている。
【0127】
図10に示すように、到着時間予測処理では、まず、共通路線メモリ25eから最初に記憶されている乗降路線情報を乗降路線メモリ25fへ読み込む(S51)。この後、所要時間DB24eから最初に記憶されている区間所要時間情報を所要時間メモリ25gへ読み込み(S52)、その所要時間メモリ25g及び乗降路線メモリ25fに記憶される路線番号、系統番号及び上下フラグを比較し(S53)、この比較の結果が不一致であれば(S54:No)、所要時間DB24eから次に記憶されている区間所要時間情報を所要時間メモリ25gへ読み込んで上書きし(S55)、比較結果が一致するまで(S54:Yes)、S53及びS55の処理を繰り返す。
【0128】
乗降路線メモリ25f及び所要時間メモリ25gに記憶される路線番号、系統番号及び上下フラグを比較した結果が一致すれば(S54:Yes)、乗降路線メモリ25fに記憶される「乗車停シーケンス番号」と所要時間メモリ25gに記憶されるシーケンス番号とを比較する(S56)。この比較の結果が不一致であれば(S57:No)、所要時間DB24eから次に記憶されている区間所要時間情報を所要時間メモリ25gへ読み込んで上書きし(S58)、比較結果が一致するまで(S57:Yes)、S56及びS58の処理を繰り返す。
【0129】
乗降路線メモリ25f及び所要時間メモリ25gに記憶されるシーケンス番号を比較した結果が一致すれば(S57:Yes)、次に、乗降路線メモリ25fに記憶される「降車停シーケンス番号」と所要時間メモリ25gに記憶されるシーケンス番号とを比較し(S59)、この比較結果が不一致であれば(S60:No)、所要時間メモリ25gに記憶される区間所要時間情報の移動時間を合計時間メモリ25hの値に加算する(S61)。加算後は、所要時間DB24eから次に記憶される区間所要時間情報を所要時間メモリ25gへ読み込み込んで上書きして(S62)、処理をS59へ移行する。
【0130】
S61による合計時間メモリ25hの値への加算は、所要時間メモリ25gのシーケンス番号と乗降路線メモリ25fの降車停シーケンス番号とが一致するまで(S60:Yes)、繰り返し行われる。この繰り返しによって、乗降路線メモリ25fに記憶される乗降路線情報に記録されたバス路線について予測到着時間が求められる。
【0131】
一方、所要時間メモリ25gに記憶されるシーケンス番号と乗降路線メモリ25fに記憶される降車停シーケンス番号とが一致すると(S60:Yes)、
合計時間メモリ25hへの加算を停止し、その合計時間メモリ25hの値を「60」で割り、小数点以下を切り捨てて更に「1」加算して、合計時間メモリ25hに上書きする(S63)。これによって、合計時間メモリ25hの値、即ち、乗降路線メモリ25fに記憶される乗降路線情報に記録されたバス路線について、予測到着時間が秒単位から分単位に変換されるのである。
【0132】
合計時間メモリ25hの値を分単位に変換した後は(S63)、その合計時間メモリ25hの値が最大到着時間メモリ25iの値を超過するか否かを判断し(S64)、合計時間メモリ25hの値が最大到着時間メモリ25iの値を超過していれば(S64:Yes)、合計時間メモリ25hの値を最大到着時間メモリ25iに上書きして(S65)、最大到着時間メモリ25iの値を更新する。一方、合計時間メモリ25hの値が最大到着時間メモリ25iの値未満であれば(S64:No)、最大到着時間メモリ25iの値を更新せずにS65の処理をスキップする。
【0133】
合計時間メモリ25hの値が最大到着時間メモリ25iの値未満の場合(S64:No)、又は、合計時間メモリ25hの値を最大到着時間メモリ25iに上書きした後(S65)は、次に合計時間メモリ25hを使用する場合に備えて、合計時間メモリ25hの値を「0」クリアし(S66)、共通路線メモリ25eに記憶される全ての乗降路線情報を乗降路線メモリ25fへ読み込んだか否かを判断する(S67)。
【0134】
判断の結果、全ての乗降路線情報について読み込みが未完了の場合は(S67:No)、次の乗降路線情報を共通路線メモリ25eから乗降路線メモリ25fへ読み込んで上書きし(S68)、処理をS53へ移行して、全ての乗降路線情報の読み込みが完了するまで(S67:Yes)、S53からS68までの処理を繰り返す。
【0135】
この繰り返しによって、共通路線メモリ25eに記憶される全ての乗降路線情報について、S53からS68までの処理が施され、その結果、最大到着時間メモリ25iには、共通路線メモリ25eに記憶される1又は2以上の乗降路線情報で特定される各乗降路線の中で、最大値となる予測到着時間が記憶されることとなる。その後、共通路線メモリ25eに記憶される全ての乗降路線情報についての読み込みが完了すると(S67:Yes)、この共通路線検出処理を終了する。
【0136】
図11は、対象バス検出処理のフローチャートであり、上記したバス情報メール処理中で実行される(S19)。この対象バス検出処理は、共通路線メモリ25eに記憶される1又は2以上の乗降路線情報に対応する乗降路線毎に、その乗降路線を走行中のバス車10であって乗車バス停11Aへ接近中のものを、バス位置情報DB24fから検出するための処理である。ここで、対象バス検出処理では、バス位置情報DB24fに記憶される複数のバス位置情報のうちで、路線番号、系統番号及び上下フラグが共通するものに関しては、シーケンス番号が小さいものから順にバス位置情報メモリ25jへ逐次読み込むように構成されている。
【0137】
図11に示すように、対象バス検出処理では、まず、バス位置情報DB24fから最初に記憶されているバス位置情報をバス位置情報メモリ25jへ読み込むと共に(S71)、共通路線メモリ25eから最初に記憶されている乗降路線情報を乗降路線メモリ25fへ読み込んで(S72)、その乗降路線メモリ25fに記憶される路線番号、系統番号および上下フラグとバス位置情報メモリ25jに記憶に記憶される路線番号、系統番号および上下フラグとを比較する(S73)。
【0138】
この比較の結果が一致すれば(S74:Yes)、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定される位置を走行中のバス車10は、乗降路線メモリ25fに記憶される乗降路線情報で特定される乗降路線を走行中のものと判断して、次に当該バス車10が乗降路線の乗車バス停11Aより手前を走行中か否かを判断する。具体的には、バス位置情報メモリ25jに記憶されるシーケンス番号が乗降路線メモリ25fに記憶されるシーケンス番号未満であるか否かを判断し(S75)、前者が後者未満であれば(S75:Yes)、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定される位置を走行中のバス車10は、乗降路線メモリ25fに記憶される乗降路線情報で特定される乗車バス停11Aに未到来のものであると判断する。
【0139】
バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定されるバス車10が乗降路線メモリ25fに記憶される乗降路線情報で特定される乗降路線の乗車バス停11Aに未到来であると判断した場合は(S74,S75:Yes)、バス情報メールに関する送信指定109をユーザ指定情報メモリ25aから読み取り、送信指定109が「0」の場合(S76:「0」)は「バス停指定バス検出処理」(S77)を、「1」の場合(S76:「1」)は「到来時間指定バス検出処理」(S78)を、又は「2」の場合(S76:「2」)は「接近順指定バス検出処理」(S79)を、実行する。
【0140】
これら3つのバス検出処理(S77〜S79)のいずれかの実行後、又はバス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定されるバス車10が乗降路線メモリ25fに記憶される乗降路線情報で特定される乗降路線と異なるバス路線を走行中の場合(S74:No)、若しくはバス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定されるバス車10が乗降路線メモリ25fに記憶される乗降路線情報で特定される乗降路線の乗車バス停11Aを出発若しくは通過済みと判断した場合は(S74:Yes,S75:No)、共通路線メモリ25eに記憶される全ての乗降路線情報を乗降路線メモリ25fへ読み込んだか否かを判断する(S80)。
【0141】
判断の結果、全ての乗降路線情報について読み込みが未完了の場合は(S80:No)、次の乗降路線情報を共通路線メモリ25eから乗降路線メモリ25fへ読み込んで上書きし(S81)、処理をS73へ移行して、全ての乗降路線情報の読み込みが完了するまで(S80:Yes)、S73からS81までの処理を繰り返す。この繰り返しによって、共通路線メモリ25eに記憶される全ての乗降路線情報について、S73からS76の処理に加えてS77、S78又S79のいずれか1つの処理が施される。
【0142】
その後、共通路線メモリ25eに記憶される全ての乗降路線情報についての読み込みが完了すると(S80:Yes)、バス位置情報DB24fに記憶される全てのバス位置情報をバス位置情報メモリ25jへ読み込んだか否かを判断する(S82)。判断の結果、全てのバス位置情報について読み込みが未完了の場合は(S82:No)、次のバス位置情報をバス位置情報DB24fからバス位置情報メモリ25jへ読み込んで上書きし(S83)、処理をS72へ移行して、全ての乗降路線情報の読み込みが完了するまで(S82:Yes)、S72からS83までの処理を繰り返す。
【0143】
この繰り返しによって、バス位置情報DB24fに記憶される全てのバス位置情報について、S72からS76、S77からS79のいずれか1つ、S80及びS81の処理が施される。その後、共通路線メモリ25eに記憶される全ての乗降路線情報についての読み込みが完了すると(S82:Yes)、この対象バス検出処理を終了する。
【0144】
図12は、バス停指定バス検出処理のフローチャートである。バス停指定バス検出処理は、上記した対象バス検出処理の中で実行される処理である。このバス停指定バス検出処理は、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス車10の現在位置がユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定バス停数110に基づいて特定される指定バス停11C付近であるか否かを判断し、当該バス車10が指定バス停11C付近を走行中である場合に、予測到来時間を算出して、送信情報蓄積メモリ25lへ所定の情報(データ)を記憶するための処理である。
【0145】
図12に示すように、バス停指定バス検出処理では、まず、乗降路線メモリ25fに記憶される乗車停シーケンス番号からユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定バス停数110を減算して、指定バス停11Cのシーケンス番号(x1)を求める(S91)。次に、指定バス停11Cのシーケンス番号(x1)からバス停オフセット値(Δx(0以上の整数値。以下同じ。))を減算し(S92)、その減算値(x1−Δx)がバス位置情報メモリ25jに記憶されるシーケンス番号(x)の値以下(x1−Δx≦x)であるか否かを判断する(S93)。
【0146】
この判断の結果、S92で求めた減算値(x1−Δx)がバス位置情報メモリ25jに記憶されるシーケンス番号(x)の値以下(x1−Δx≦x)であれば(S93:Yes)、更に、S91で求めた指定バス停11Cのシーケンス番号(x1)にバス停オフセット値(Δx)を加算し(S94)、その加算値(x1+Δx)がバス位置情報メモリ25jに記憶されるシーケンス番号(x)の値以上(x≦x1+Δx)であれば(S95:Yes)、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定されるバス車10の現在位置は指定バス停11C付近であるものと判断し、到来時間予測処理(図15参照)および送信情報蓄積処理(図16参照)を実行して(S96,S97)、このバス停指定バス検出処理を終了する。
【0147】
一方、指定バス停11Cのシーケンス番号(x1)からバス停オフセット値(Δx)を減算した値(x1−Δx)がバス位置情報メモリ25jに記憶されるシーケンス番号(x)の値より大きい(x1−Δx>x)場合は(S93:No)、バス位置情報メモリ25jに現在記憶されているバス位置情報により特定されるバス車10の現在位置は、指定バス停11C付近より更に手前であるものと判断して、このバス停指定バス検出処理を終了する。
【0148】
また、指定バス停11Cのシーケンス番号(x1)にバス停オフセット値(Δx)を加算した値(x1+Δx)がバス位置情報メモリ25jに記憶されるシーケンス番号(x)の値より小さい(x1+Δx<x)場合は(S95:No)、バス位置情報メモリ25jに現在記憶されているバス位置情報により特定されるバス車10の現在位置は、指定バス停11C付近を既に通過済みであるものと判断して、このバス停指定バス検出処理を終了する。
【0149】
なお、上記したバス停オフセット値は、HD24に記憶される初期データファイル(図示せず)に記録され、初期値が「0」に設定されているが、適宜必要に応じて書き換え可能である。
【0150】
図13は、到来時間指定バス検出処理のフローチャートである。到来時間指定バス検出処理は、上記した対象バス検出処理の中で実行される処理である。この到来時間指定バス検出処理は、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定されるバス車10に関する予測到来時間を算出して、その予測到来時間がユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定到来時間111を含む所定の時間範囲(以下「指定到来時間範囲」という。)内であるか否かを判断し、当該予測到来時間が指定到来時間範囲内である場合に、送信情報蓄積メモリ25lへ所定の情報(データ)を記憶するための処理である。
【0151】
図13に示すように、到来時間指定バス検出処理では、まず、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定されるバス車10について到来時間予測処理(図15参照)を実行して(S101)、当該バス車10に関する予測到来時間を求める。次に、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定到来時間111(t1)からオフセット時間(Δt(分単位。以下同じ。))を減算し(S102)、その減算値(t1−Δt)がS101で求めた予測到来時間(t)の値以下(t1−Δt≦t)であるか否かを判断する(S103)。
【0152】
この判断の結果、S102で求めた減算値(t1−Δt)が予測到来時間(t)の値以下(t1−Δt≦t)であれば(S103:Yes)、更に、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定到来時間111(t1)にオフセット時間(Δt)を加算し(S104)、その加算値(t1+Δt)が予測到来時間(t)の値以上(t≦t1+Δt)であれば(S105:Yes)、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定されるバス車10は指定到来時間範囲以内に乗車バス停11Aへ到来するものと判断し、送信情報蓄積処理(図15参照)を実行して(S106)、この到来時間指定バス検出処理を終了する。
【0153】
一方、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定到来時間111(t1)からオフセット時間(Δt)を減算した値(t1−Δt)がS101で求めた予測到来時間(t)の値より大きい(t1−Δt>t)場合は(S103:No)、バス位置情報メモリ25jに現在記憶されているバス位置情報により特定されるバス車10は、指定到来時間範囲より早期に乗車バス停11Aに到来してしまうものと判断して、この到来時間指定バス検出処理を終了する。
【0154】
また、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定到来時間111(t1)にオフセット時間(Δt)を加算した値(t1+Δt)がS101で求めた予測到来時間(t)の値より小さい(t1+Δt<t)場合は(S105:No)、バス位置情報メモリ25jに現在記憶されているバス位置情報により特定されるバス車10は、指定到来時間範囲より遅延して乗車バス停11Aに到来するものと判断して、このバス停指定バス検出処理を終了する。
【0155】
なお、上記したオフセット時間は、HD24に記憶される初期データファイル(図示せず)に上記したバス停オフセット値と共に記録されており、初期値が「2」に設定されているが、適宜必要に応じて書き換え可能である。
【0156】
図14は、接近順指定バス検出処理のフローチャートである。接近順指定バス検出処理は、上記した対象バス検出処理の中で実行される処理であり、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定されるバス車10に関する予測到来時間を算出して、送信情報蓄積メモリ25lへ所定の情報(データ)を記憶するための処理である。図14に示すように、接近順指定バス検出処理では、到来時間予測処理(図15参照)および送信情報蓄積処理(図16参照)を順に実行して(S111,S112)、この処理を終了する。
【0157】
図15は、到来時間予測処理(S96,S101,S111)のフローチャートである。この到来時間予測処理は、上記した図12から図14のフローチャートに示す処理中で実行される処理であり、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報で特定されるバス車10について、当該バス車10の現在位置から乗車バス停11Aまでの予測到来時間を算出するための処理である。
【0158】
なお、到来時間予測処理では、所要時間DB24eに記憶される複数の区間所要時間情報のうちで、路線番号、系統番号及び上下フラグが共通するものにあっては、それらのシーケンス番号が小さいものから順に所要時間メモリ25gへ逐次読み込むように構成されている。
【0159】
図15に示すように、到来時間予測処理では、まず、所要時間メモリ25gを初期化した上で、所要時間DB24eから最初に記憶されている区間所要時間情報を所要時間メモリ25gへ読み込み(S121)、その所要時間メモリ25g及び乗降路線メモリ25fに記憶されている路線番号、系統番号及び上下フラグを比較し(S122)、この比較の結果が不一致であれば(S123:No)、所要時間DB24eから次に記憶されている区間所要時間情報を所要時間メモリ25gへ読み込んで上書きし(S124)、比較結果が一致するまで(S123:Yes)、S122及びS124の処理を繰り返す。
【0160】
乗降路線メモリ25f及び所要時間メモリ25gに記憶される路線番号、系統番号及び上下フラグを比較した結果が一致すれば(S123:Yes)、所要時間メモリ25gに記憶されるシーケンス番号とバス位置情報メモリ25jに記憶されるシーケンス番号とを比較する(S125)。この比較の結果が不一致であれば(S126:No)、所要時間DB24eから次に記憶されている区間所要時間情報を所要時間メモリ25gへ読み込んで上書きし(S127)、比較結果が一致する迄(S126:Yes)、S125及びS127の処理を繰り返す。
【0161】
バス位置情報メモリ25j及び所要時間メモリ25gに記憶されるシーケンス番号を比較した結果が一致すれば(S126:Yes)、更にもう一度、所要時間DB24eに記憶されている次の区間所要時間情報を所要時間メモリ25gへ読み込んで上書きし(S128)、所要時間メモリ25gに記憶されるシーケンス番号と乗降路線メモリ25fに記憶される「乗車停シーケンス番号」とを比較し(S129)、この比較結果が不一致であれば(S130:No)、所要時間メモリ25gに記憶される区間所要時間情報の移動時間を予測到来時間メモリ25kの値に加算する(S131)。
【0162】
この加算後は、所要時間DB24eから次に記憶される区間所要時間情報を所要時間メモリ25gへ読み込み込んで上書きし(S132)、処理をS129へ移行する。ここで、S131による予測到来時間メモリ25kの値への加算は、所要時間メモリ25gのシーケンス番号と乗降路線メモリ25fの乗車停シーケンス番号とが一致するまで(S130:Yes)、繰り返し行われる。この繰り返しによって、乗降路線メモリ25fに記憶される乗降路線情報に記録されたバス路線について予測到来時間が求められる。
【0163】
一方、所要時間メモリ25gに記憶されるシーケンス番号と乗降路線メモリ25fに記憶される乗車停シーケンス番号とが一致すると(S130:Yes)、予測到来時間メモリ25kの値を「60」で割り、小数点以下を切り捨てて、予測到来時間メモリ25kに上書きする(S133)。これによって、予測到来時間メモリ25kの値、即ち、乗降路線メモリ25fに記憶される乗降路線情報に記録されたバス路線について、予測到来時間が秒単位から分単位に変換される。この後、到来時間予測処理は終了する。
【0164】
図16は、送信情報蓄積処理(S97,S106,S112)のフローチャートである。この送信情報蓄積処理は、上記した図12から図14のフローチャートに示す処理中で実行される処理であり、バス情報メールの作成に必要な所定の情報(データ)を送信情報蓄積メモリ25lへ記憶するための処理である。
【0165】
図16に示すように、送信情報蓄積処理では、まず、バス位置情報メモリ25jに記憶されるバス位置情報に記録されるバス停名、即ち、当該バス位置情報により特定されるバス車10の現在位置を示すバス停名を、送信情報蓄積メモリ25lへバス停名151として書き加える(S141)。次は、乗降路線メモリ25fに記憶される乗車停シーケンス番号からバス位置情報メモリ25jに記憶されるシーケンス番号を減算した値を、送信情報蓄積メモリ25lへバス停数152として書き加える(S142)。
【0166】
予測到来時間メモリ25kに記憶される予測到来時間の値を送信情報蓄積メモリ25lへ予測到来時間153として書き加え(S143)、その後、予測到来時間メモリ25kの内容を「0」クリアする(S144)。次に、最大到着時間メモリ25iに記憶される予測到着時間の値を、送信情報蓄積メモリ25lへ予測到着時間154として書き加えると共に(S145)、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザID101を、送信情報蓄積メモリ25lへ送信履歴情報155のユーザID155aとして書き加える(S146)。
【0167】
また、この後は、RTC23から読み取られる現在の日付及び時刻を、送信履歴情報155の送信日付155b及び送信時刻155cとして送信情報蓄積メモリ25lへ書き加え(S147)、更に、バス位置情報メモリ25jに記憶される路線番号、系統番号、上下フラグ及びバス番号を、送信履歴情報155の路線番号155d、系統番号155e、上下フラグ155f及びバス番号155gとして送信情報蓄積メモリ25lへ書き加えて(S148)、この送信情報蓄積処理は終了する。この送信情報蓄積処理が1回実行される毎に、送信情報蓄積メモリ25lには送信情報150が1つずつ記憶されて蓄積される。
【0168】
図17は、メール作成・送信処理のフローチャートである。メール作成・送信処理は、上記したバス情報メール処理(図8参照)中で実行される処理であり(S20)、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザ指定情報100の送信指定109に基づいて、バス情報メールを作成して利用者の電子メールアドレスへ送信するものである。
【0169】
図17に示すように、メール作成・送信処理では、まず、送信情報蓄積メモリ25lに記憶されている1又は2以上の送信情報150を、その各送信情報150に記録される予測到来時間153が短い順にソート(並べ替え)して(S151)、ユーザ指定情報メモリ25aから送信指定109を読み取り、その送信指定109が「0」の場合(S152:「0」)は「バス停指定メール作成処理」(S153)を、「1」の場合(S152:「1」)は「到来時間指定メール作成処理」(S154)を、又は「2」の場合(S152:「2」)は「接近順指定メール作成処理」(S155)を実行する。
【0170】
これら3つのバス検出処理(S153〜S155)のいずれかの実行後は、他の処理を実行する(S156)。この他の処理では、主として、バス停指定メール本文120の「指定内容確認」欄120e、到来時間指定メール本文121の「指定内容確認」欄121e、又は、接近順指定メール本文122の「指定内容確認」欄122eへ所定情報の書き込みが行われる。
【0171】
バス停指定メール本文120の欄120e(図4(a)参照)へ所定情報を書き込む場合は、まず、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される開始日付104及び終了日付105を第1行目に、曜日指定106の値に対応する曜日を第2行目に、開始時刻107及び終了時刻108を第3行目に、降車バス停名103、乗車バス停名102及び指定バス停数110に基づいて送信指定109の内容を示す文章を第4行目に、それぞれ書き込む。
【0172】
到来時間指定メール本文121の欄121e(図4(b)参照)へ所定情報を書き込む場合は、第1行目から第3行目までは上記したバス停指定メール本文120の場合と同様であり、降車バス停名103、乗車バス停名102及び指定到来時間111に基づいて送信指定109の内容を示す文章を第4行目に書き込む。接近順指定メール本文122の欄122e(図5参照)へ所定情報を書き込む場合は、第1行目から第3行目までは上記したバス停指定メール本文120の場合と同様であり、乗車バス停名102、降車バス停名103及び指定バス台数113に基づいて送信指定109の内容を示す文章を第4行目に書き込む。
【0173】
上記した他の処理の後は(S156)、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶されるユーザID101に対応つけてユーザ情報DB24hに記憶されている電子メールアドレスを読み出し(S157)、この電子メールアドレスに対して、S153からS155のいずれか1つ及びS156の処理により作成したメール本文120〜122のいずれかが記録されたバス情報メールを送信し(S158)、そのバス情報メールの作成に用いられた送信情報150に記録されている送信履歴情報155を送信ログDB24cへ書き加えて(S159)、このメール作成・送信処理を終了する。
【0174】
図18は、バス停指定メール作成処理のフローチャートである。この処理は、バス停指定メール本文120へ所定情報を書き込むための処理であり、上記したメール作成・送信処理(図17参照)中の処理として実行される(S153)。図18に示すように、バス停指定メール作成処理では、まず、バス停指定メール本文120をメール文メモリ24iから読み込んだ後(S161)、RTC23から現在時刻を読み取ってメール本文120の「現在時刻」欄120aへ書き込む(S162)。
【0175】
次に、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される乗車バス停名102をメール本文120の「バス停名」欄120bへ書き込み(S163)、送信情報蓄積メモリ25lからその先頭に記憶される送信情報150、即ち、送信情報蓄積メモリ25lに記憶される送信情報150の中で予測到来時間153が最も短いものを読み込んで(S164)、その送信情報150に記録されるバス停数152をメール本文120の「バス停数」欄120cへ書き込む(S165)。
【0176】
この後は、S164で読み込んだ送信情報150の送信履歴情報155に記録される路線番号155d、系統番号155e及び上下フラグ155fに基づいて、路線情報DB24gから路線番号及び行き先を読み取ってメール本文120の「路線番号・行き先」欄120dへ書き込んで(S166)、このバス停指定メール作成処理を終了する。
【0177】
図19は、到来時間指定メール作成処理のフローチャートである。この処理は、到来時間指定メール本文121へ所定情報を書き込むための処理であり、上記したメール作成・送信処理(図17参照)中の処理として実行される(S154)。図19に示すように、到来時間指定メール作成処理では、まず、到来時間指定メール本文121をメール文メモリ24iから読み込んだ後(S171)、RTC23から現在時刻を読み取ってメール本文121の「現在時刻」欄121aへ書き込む(S172)。
【0178】
次に、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される乗車バス停名102をメール本文121の「バス停名」欄121bへ書き込み(S173)、送信情報蓄積メモリ25lからその先頭に記憶される送信情報150、即ち、送信情報蓄積メモリ25lに記憶される送信情報150の中で予測到来時間153が最も短いものを読み込んで(S174)、その送信情報150に記録される予測到来時間153をメール本文121の「予測到来時間」欄121cへ書き込む(S175)。
【0179】
この後は、S174で読み込んだ送信情報150の送信履歴情報155に記録される路線番号155d、系統番号155e及び上下フラグ155fに基づいて、路線情報DB24gから路線番号及び行き先を読み取ってメール本文121の「路線番号・行き先」欄121dへ書き込んで(S176)、このバス停指定メール作成処理を終了する。
【0180】
図20は、接近順指定メール作成処理のフローチャートである。この処理は、接近順指定メール本文122へ所定情報を書き込むための処理であり、上記したメール作成・送信処理(図17参照)中の処理として実行される(S155)。図20に示すように、接近順指定メール作成処理では、まず、接近順指定メール本文122をメール文メモリ24iから読み込んだ後(S181)、RTC23から現在時刻を読み取ってメール本文122の「現在時刻」欄122aへ書き込む(S182)。
【0181】
次に、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される乗車バス停名102をメール本文122の「バス停名」欄122bへ書き込み(S183)、送信情報蓄積メモリ25lからその先頭に記憶される送信情報150、即ち、送信情報蓄積メモリ25lに記憶される送信情報150の中で予測到来時間153が最も短いものを読み込んで(S184)、カウンタ25mの値として「1」をセットする(S185)。
【0182】
カウンタ25mのセット後は、バス情報文123をメール文メモリ24iから読み込み(S186)、そのバス情報文123の「番数」欄123aへカウンタ25mの値を、「バス停数」欄123bへ送信情報150のバス停数152を、及び「バス停名」欄123cへ送信情報150のバス停名151を、それぞれ書き込む(S186〜S189)。この後は、送信情報150の送信履歴情報155に記録される路線番号155d、系統番号155e及び上下フラグ155fに基づいて、路線情報DB24gから路線番号及び行き先を読み取ってバス情報文123の「路線番号・行き先」欄123dへ書き込む(S190)。
【0183】
更に続いて、送信情報150に記録されるバス停名151及びユーザ指定情報メモリ25aに記憶される乗車バス停名102をバス情報文123の「バス位置・乗車バス停名」欄123eに、並びに送信情報150に記録される予測到来時間153をバス情報文123の「予測到来時間」欄123fに、それぞれ書き込む(S191,S192)。この後、S167からS192で所定情報が書き込まれたバス情報文123を、接近順指定メール本文122の「バス情報」欄122cへ書き加える(S193)。
【0184】
第1番目のバス情報文123のメール本文122への書き込み後は、カウンタ25mの値に「1」を加算して(S194)、当該カウンタ25mの値がユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定バス台数113の値を超過したか否かを判断する(S195)。この判断の結果、カウンタ25mの値が指定バス停台数113の値以下であれば(S195:No)、送信情報蓄積メモリ25lに次の送信情報150が記憶されているか否かを判断して(S196)、次の送信情報150が存在すれば(S196:Yes)、送信情報蓄積メモリ25lから次の送信情報150を読み込み(S197)、当該送信情報150に記録されている情報をメール本文122へ書き込むべく、処理をS186へ移行して、S186からS197までの処理を繰り返す。
【0185】
この繰り返しによって、メール本文122には、2以上のバス情報文123が予測到来時間の短い順に、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定バス台数113の値分だけ並べて書き込まれるのである。
【0186】
一方、カウンタ25mの値がユーザ指定情報メモリ25aに記憶される指定バス台数113の値を超過した場合(S195:Yes)、又は送信情報蓄積メモリ25lに次の送信情報150が不存在の場合(S196:No)、メール本文122へのバス情報文123の書き込みを終了し、到着時間文124をメール文メモリ24iから読み込む(S198)。
【0187】
このS198の読み込み後は、ユーザ指定情報メモリ25aに記憶される乗車バス停名102及び降車バス停名103を到着時間文124の「乗車バス停・降車バス停」欄124aに書き込み(S199)、送信情報蓄積メモリ25lの先頭に記憶される送信情報150に記録される予測到着時間154を到着時間文124の「予測到着時間」欄124bへ書き込み(S200)、この到着時間文124をメール本文122の「予測到着時間」欄122dへ書き込んで(S201)、この接近順指定メール作成処理を終了する。
【0188】
以上説明した本実施例において、第1変形例から第6変形例の路線記憶手段に記憶されるバス路線としてはバス停情報DB24dに記憶される路線番号、系統番号及び上下フラグが、路線記憶手段に記憶されるバス停としてはバス停情報DB24dに記憶されるシーケンス番号が、バス位置記憶手段に記憶されるバス車10の現在位置の情報としてはバス位置情報DB24fに記憶される路線番号、系統番号、上下フラグ及びシーケンス番号が、乗降区間指定手段による乗車バス停及び降車バス停の指定としてはユーザ指定情報100の乗車バス停名102及び降車バス停名103が、指定バス停手段による指定バス停の指定としてはユーザ指定情報100の指定バス停数110が、乗降路線検出手段としては図9に示す共通路線検出処理が、対象バス検出手段としては図11の処理(S76の「0」の分岐を辿るものに限る。)が、送信手段としては図17の処理(S152の「0」の分岐を辿るものに限る。)が、それぞれ該当する。
【0189】
第2変形例、第8変形例又は請求項2の送信間隔指定手段により指定される送信間隔としてはユーザ指定情報100の送信間隔112が、定期実行手段としては図8のS15、S16のYesの分岐及びS17からS20の処理が、それぞれ該当する。
【0190】
第3変形例の到来時間予測手段としては図11のS77の処理が繰り返し実行される場合における図12のS96の処理が、送信処理としては図17のS151の処理、図18のS164及びS165の処理、並びに図17のS157及びS158の処理が、それぞれ該当する。
【0191】
第4変形例の予測間隔指定手段により指定される実行間隔としてはユーザ指定情報100の送信間隔112が、到来時間更新処理としては図8のS15の処理及びS16のYesの分岐、それぞれ該当する。
【0192】
第5変形例の指定バス停手段により指定されるバス停数としてはユーザ指定情報100の指定バス停数110が、対象バス検出手段としては図12のS91の処理が、それぞれ該当する。
【0193】
第6変形例の対象バス検出手段としては、特に、図12のS92の処理、S93のYesの分岐、S94の処理及びS95のYesの分岐が該当する。
【0194】
第7変形例の指定時間手段による時間値の指定としてはユーザ指定情報100の指定到来時間111が、対象バス検出手段としては図11のS72及びS73の処理、S74のYesの分岐、S75のYesの分岐、並びにS78の処理中で実行される図13のS106の処理が、到来時間予測手段としては図13のS101の処理が、送信手段としては図13のS102、S103のYesの分岐、S104、S105のYesの分岐及び図17の処理(S152の「1」の分岐を辿るものに限る。)が、それぞれ該当する。
【0195】
なお、第7変形例の路線記憶手段に記憶されるバス路線、バス位置記憶手段に記憶されるバス車の現在位置の情報、乗降区間指定手段による乗車バス停及び降車バス停の指定、並びに乗降路線検出手段としては、第1変形例のものと同様ものが、それぞれ該当する。
【0196】
第9変形例の送信手段としては図13のS102(オフセット時間が0分を超える場合に限る。)、S103のYesの分岐、S104(オフセット時間が0分を超える場合に限る。)及びS105のYesの分岐及び図17の処理(S152の「1」の分岐を辿るものに限る。)が該当する。
【0197】
第10変形例の到来時間予測手段としては図11のS78の処理が繰り返し実行される場合における図13のS101の処理が、送信処理としては図17のS151の処理、図19のS174及びS175の処理、並びに図17のS157及びS158の処理が、それぞれ該当する。
【0198】
請求項1の到来時間予測手段としては図11のS79の処理が繰り返し実行される場合における図14のS111の処理が、送信手段としては図14のS112、及び図17の処理(S152の「2」の分岐を辿るものに限る。)が、それぞれ該当する。
【0199】
なお、請求項1の路線記憶手段に記憶されるバス路線、バス位置記憶手段に記憶されるバス車の現在位置の情報、乗降区間指定手段による乗車バス停及び降車バス停の指定、指定バス停手段による指定バス停の指定、並びに乗降路線検出手段としては、第1変形例のものと同様のものが、それぞれで該当する。また、請求項1の対象バス検出手段としては第7変形例のものと同様のものが該当する。
【0200】
請求項3の台数指定手段によるバス台数の指定としてはユーザ指定情報100の指定バス台数113が、送信手段としては図17のS151の処理、図20のS184からS194の処理、S195のNoの分岐、S196のYesの分岐及びS197の処理、並びに図17のS157及びS158の処理が、それぞれ該当する。
【0201】
請求項4の送信手段としては図20のS188、S189及びS192の処理が該当する。
【0202】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0203】
例えば、本実施例では、指定バス停11Cのシーケンス番号を、ユーザ指定情報100の指定バス停数110と乗車バス停11Aのシーケンス番号とに基づいて特定したが、指定バス停11Cのシーケンス番号の特定は必ずしもこれに限定されるものではなく、ユーザ指定情報DB24aに指定バス停名を直接に登録して当該指定バス停名に基づいて指定バス停11Cのシーケンス番号を特定するようにしても良い。
【0204】
本実施例では、本発明で使用される携帯型端末として携帯電話6を例示したが、これは携帯型端末を携帯電話に限定するものでなく、利用者が手軽にバス情報メールを確認することができる携帯型の機器であれば良い。
【0205】
また、本実施例では、バス接近情報を電子メールを介して利用者の携帯電話6へ通知したが、かかる通知形式は必ずしも電子メールに限定されるものではなく、サーバ2から電話回線網(一般電話網、携帯電話網及びその他情報を音声信号により携帯端末へ伝送するものを含む。)を介して音声メッセージによりバス接近情報を携帯電話6へ通知しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】本発明の一実施例であるバス接近情報通知システムの概念図である。
【図2】サーバの電気的構成を示したブロック図である。
【図3】ユーザ指定情報データベース(DB)の模式的な概念図である。
【図4】(a)は、バス停指定メール本文の内容を示す図であり、(b)は、到来時間指定メール本文の内容を示す図である。
【図5】接近順指定メール本文、バス情報文、及び到着時間文の内容を示す図である。
【図6】送信情報蓄積メモリの模式的な概念図である。
【図7】メイン処理のフローチャートである。
【図8】バス情報メール処理のフローチャートである。
【図9】共通路線検出処理のフローチャートである。
【図10】到着時間予測処理のフローチャートである。
【図11】対象バス検出処理のフローチャートである。
【図12】バス停指定バス検出処理のフローチャートである。
【図13】到来時間指定バス検出処理のフローチャートである。
【図14】接近順指定バス検出処理のフローチャートである。
【図15】到来時間予測処理のフローチャートである。
【図16】送信情報蓄積処理のフローチャートである。
【図17】メール作成・送信処理のフローチャートである。
【図18】バス停指定メール作成処理のフローチャートである。
【図19】到来時間指定メール作成処理のフローチャートである。
【図20】接近順指定メール作成処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0207】
1 バス接近情報通知システム
3 インターネット網(通信網の一部)
5 パケット通信網(通信網の一部)
6 携帯電話(携帯型端末)
10 バス車
11 バス停
24a ユーザ指定情報データベース(DB)(乗降区間指定手段、指定バス停手段、送信間隔指定手段、予測間隔指定手段、指定時間手段、台数指定手段)
24d バス停情報データベース(DB)(路線記憶手段)
24f バス位置情報データベース(DB)(バス位置記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介して携帯型端末に接続され、その携帯型端末に対して、バス車が乗車バス停に接近している旨を通知するバス接近情報通知システムにおいて、
バス車が運行される2以上のバス路線とその各バス路線に存在する2以上のバス停とを対応つけて記憶する路線記憶手段と、
その路線記憶手段に記憶される各バス路線で運行されるバス車の現在位置をバス路線及びバス停に関する情報を用いて記憶するバス位置記憶手段と、
乗車バス停及び降車バス停を指定する乗降区間指定手段と、
その乗降区間指定手段により指定される乗車バス停及び降車バス停を含んだ乗降路線を前記路線記憶手段から検出する乗降路線検出手段と、
その乗降路線検出手段により検出される乗降路線を運行するバス車であって、前記乗降区間指定手段により指定される乗車バス停に到来前のものを、前記バス位置記憶手段から検出する対象バス検出手段と、
その対象バス検出手段により2以上のバス車が検出される場合、その2以上のバス車が現在位置から前記乗降区間指定手段により指定される乗車バス停へ到来するまでの所要時間をそれぞれ予測する到来時間予測手段と、
その到来時間予測手段により予測される所要時間が短い順に記録されるメッセージを携帯型端末へ通信網を介して送信する送信手段とを備えていることを特徴とするバス接近情報通知システム。
【請求項2】
前記送信手段によるメッセージの送信間隔を指定する送信間隔指定手段と、
その送信間隔指定手段により指定される送信間隔が経過する毎に、前記乗降路線検出手段、対象バス検出手段、到来時間予測手段および送信手段をそれぞれ実行させる定期実行手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のバス接近情報通知システム。
【請求項3】
バス台数を指定する台数指定手段を備えており、
前記送信手段は、前記対象バス検出手段により検出されるバス車が前記台数指定手段により指定されるバス台数を超過する場合、その対象バス検出手段により検出される2以上のバス車のうち、前記到来時間予測手段により予測される所要時間が最小のものから順に前記台数指定手段により指定されるバス台数分までのものに限り、前記到来時間予測手段により予測される所要時間を記録したメッセージを送信するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のバス接近情報通知システム。
【請求項4】
前記送信手段は、前記対象バス検出手段により検出される2以上のバス車について、その各バス車に関して前記到来時間予測手段により予測される所要時間と、その各バス車に関して前記バス位置記憶手段に記憶される現在位置とを、メッセージに記録して送信するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバス接近情報通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−242046(P2007−242046A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122289(P2007−122289)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【分割の表示】特願2004−7980(P2004−7980)の分割
【原出願日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【出願人】(501028390)国土交通省北陸地方整備局長 (12)
【Fターム(参考)】