説明

バックコンタクト太陽電池

本発明は経済的なバックコンタクトシリコン太陽電池の製造方法及びその方法によって作製された電池に関する。本方法は、互い違いのパターンで交互にP型及びN型伝導性を有するよう背面がドープされ、任意にウェハ前面にP型又はN型のどちらかの層を有するシリコン基板、ウェハ又は薄膜を準備する段階と、基板の両面に一つ以上の表面パッシベーション層を堆積する段階と、基板背面において表面パッシベーション層に開口部を生成する段階と、背面全体を覆い表面パッシベーション層の開口部を充填する金属層を堆積する段階と、堆積された金属層に開口部を形成し、電気的に分離された、基板背面のドープ領域とのコンタクトが得られる段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は経済的なバックコンタクトシリコン太陽電池の製造方法及びその方法によって作製された電池に関する。
【背景技術】
【0002】
化石オイルの世界的供給は今後数十年の間に徐々に使い果たされることが予想されている。これは、現在のエネルギー消費及び地球規模のエネルギー需要における今後の増加の双方を補うために、前世紀の我々の主たるエネルギー源が数十年のうちに置き換えられなくてはならないことを意味する。
【0003】
加えて、化石エネルギーの使用により、地球温室効果が、危険となるであろうレベルへと増大し続けているという多くの懸念が生まれている。このように、化石燃料の現在の消費は、我々の気候及び環境に関して再生可能な、及び持続可能なエネルギー源/キャリアによって置き換えられることが好ましい。
【0004】
そのようなエネルギー源の一つは太陽光であり、人間のエネルギー消費における現在の及び任意の予見し得る増加と比較して非常に多量のエネルギーを地球に照射する。しかしながら、太陽電池の電気は現在原子力、火力発電等と競争力を持つには非常に高価である。これは太陽電池による電気の大きな可能性が実現化される場合には変わる必要がある。
【0005】
太陽パネルからの電気のコストは、エネルギー変換効率と太陽パネルの製造コストとの関数である。したがって、より安価な太陽電気の追求は費用効率が高い製造方法によって作製される高効率太陽電池に集中すべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2006/110048A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、高効率バックコンタクト太陽電池の費用効率が高い製造方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、エネルギー変換率が高いバックコンタクト太陽電池を提供することである。
【0009】
本発明の目的は、以下発明の記述において説明されるような特徴、及び/又は添付される特許クレームによって実現されてよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、パッシベーション層の選択と、パッシベーション層の下部のウェハのドープされた領域との電気的接触を如何にして得るか、に関する。それ故、本発明ではウェハがバックコンタクト構造を取り得るようにドープされた任意のシリコンウェハ又は薄膜を採用してよい。これは、単結晶、微結晶、及び多結晶シリコンのウェハ又は薄膜、及び任意の既知の及び考え得るウェハの背面上のP及びNドープ領域の配置を含む。ウェハの前面上に任意にP又はNドープ層があってもよい。
【0011】
用語「前面」は太陽光に対して露出されるソーラーウェハの面を示す。用語「背面」はウェハの前面の反対側の面であり、用語「バックコンタクト構造の」とは全てのコネクタがソーラーウェハの背面に配置されていることを意味する。用語「Pドープされた領域」は、正電荷キャリアの数を増加するドーピング材料が、P型伝導性を持つ表面層を有するウェハ領域を形成する表面下の特定の距離までシリコンマトリックス内に添加された、ウェハの表面領域を意味する。用語「Nドープされた領域」は、負電荷キャリア(移動電子)の数を増加するドーピング材料が、N型伝導性を有する表面層を有するウェハ領域を形成する表面下の特定の距離までシリコンマトリックスに添加された、ウェハの表面領域を意味する。
【0012】
バックコンタクト型太陽電池のためのウェハは、その背面上に少なくとも一つの各伝導性型P及びN領域を有するべきであるが、典型的には、互い違いのパターンで交互の伝導性を有する幾つかのドープされた領域がある。ウェハは前面上にP−又はN−型の伝導性の一つを有するドープされた層を有してもよい。前面ドープ層は任意である。
【0013】
本発明は、一つ又は他の型の伝導性を有する層のドーピング又は製造に関して任意の既知の方法を利用してよい。太陽電池の前面において、一つ又は他の型の伝導性の任意の層は液体、固体、又は気体源からの拡散によって調製されてよい。交互の伝導性を有する層の製造は、レーザドーピングを用いた同時又は連続的なドーパントの内部拡散(in−diffusion)による、異なるドーパント源のインクジェット及びアニーリングによる、又は異なるドーパント源のスクリーン印刷及びアニーリングによるものであってよい。交互層を得るための低コストな方法は、最初に二つのドーパント源を備えた一つの装置内でインクジェット印刷を用いてウェハ上に一つ及び他のタイプの伝導性のためのドーパント源を塗布し、その後同時に高温で内部拡散によりドーパント層を調製するものである。
【0014】
本発明はウェハ前面において任意の既知の表面パッシベーションを採用してよく、パッシベーション層を形成するための任意の既知の方法が採用され得る。しかしながら、本発明はウェハの背面上の第1のパッシベーション層の選択、及び第1のパッシベーション層の下のP−及びN−タイプのドープされた領域との電気的接触を如何に得るか、に関する。もしも本出願人のPCT出願である国際公開第2006/110048A1号により知られる二重パッシベーション層構造をウェハの前面及び背面の双方に用いる場合、その後ウェハ背面の外側のパッシベーション層に開口部を形成し、その後ウェハの全背面上に金属層を堆積し、国際公開第2006/110048A1号に記載されるようにパッシベーション層をアニーリングし、同時に開口部内の金属層が第1のパッシベーション層下部のP−、及びN−型ドープ領域と接触を形成し、及び最終的に堆積された金属層内に開口部/フリー領域を形成し電気的に絶縁されたウェハの背面上の各ドープ領域との接触を形成し、特に経済的な高効率の太陽電池が得られる。
【0015】
国際公開第2006/110048A1号に開示される好ましい二重パッシベーション層構造は、シリコンウェハ両面のドープされた層上に堆積された厚さ1−150nmの範囲の第1の水素化アモルファスシリコン又は水素化アモルファスシリコンカーバイド薄膜と、その後に堆積されたウェハ両面のアモルファスシリコン又はアモルファスシリコンカーボン層上の厚さ10−200nmの範囲の水素化窒化シリコン薄膜とを含む。アモルファスシリコン又はシリコンカーバイド及び窒化シリコン膜の双方はプラズマ化学気相成長法(PECVD)によって堆積されてよい。二つの膜は実質的に単一の、又は多数の堆積工程によって堆積されてよい。一つ以上のパッシベーション層の堆積に関するさらなる方法の例としては、プラズマ化学気相成長法、ホットワイヤ化学気相蒸着、低温化学気相蒸着、低圧化学気相蒸着、又はスパッタリングが挙げられるが、それらに制限されない。
【0016】
代わりに、前面において、アモルファスシリコン層は熱酸化、スパッタリング、又はプラズマ化学気相成長法によって調製された酸化シリコン薄膜で置き換えられてよい。
【0017】
本発明は一つ又はそれ以上のパッシベーション層に開口を生成するために任意の既知の方法を用いてよい。これは、ソーラーウェハの少なくとも一つの表面上の特定の局所領域において化学薬品がパッシベーション層を溶解するエッチング法を含み得る。エッチング剤はインクジェット印刷又はスクリーン印刷によって塗布されてよく、代わりに局在化されたエッチングは化学レジストをインクジェット印刷又はスクリーン印刷して、その後ソーラーウェハの全体を又は一部をエッチング液体等に浸漬することによって得られてよい。化学エッチング剤は、希釈された又は濃縮されたHF、KOH、NaOH、又はHF、HNO及びCHCOOHを含む混合物からなるものであってよいが、これらに制限されない。パッシベーション層の開口部を得るための代替的な方法は、例えばレーザビームに露出することによって、パッシベーション層を燃焼して除く局所的加熱であってよい。
【0018】
国際公開第2006/110048A1号に記載される好ましい二重パッシベーション層を使用する場合、パッシベーション層の除去は外側の窒化シリコン層に対してのみ実行されてよい。下部のアモルファスシリコン層又はアモルファスシリコンカーバイド層は無傷であるべきだ。代替的に、全てのパッシベーション層に開口部を形成してよく、その後の金属層の堆積が下部のウェハのドープ領域との直接接触を実現するようにする。
【0019】
金属層の堆積は、例えばニッケル、銀、銅及び/又はスズ、又はこれらの材料の任意の混合物の無電解めっき又は電気めっきによって得られてよい。本発明は、これらの金属の選択に限定されず、下部のシリコン基板との電気的接触が良好であり、UV光、約150−250℃までの温度、及びソーラーパネルに期待される寿命の間のソーラーパネルの通常の使用及びコンタクト形成後に続く製造段階に関連する任意の他の破壊的な力/物理的条件に耐える任意の材料を適用してよい。これは、既知の導電性プラスチック及び/又はカーボンポリマー等の他のポリマー組成物を含んでよい。コンタクトを形成するために使用される材料に要求される導電性にはどのような制限もないが、これはこの要件が接触されるソーラーセル/パネルの幾何学的形状及び寸法に強く依存するためであり、当業者であれば要求される伝導性について知識を有するだろう。
【0020】
国際公開第2006/110048A1号に記載される好ましい二重パッシベーション層を使用する場合、好適な金属層はアルミニウムである。アルミニウム層は電池のサイズ及び設計に依存して厚みがおよそ1−50μmの範囲であり、およそ室温から約200℃の温度で第2の表面全体を覆うアルミニウム層をスパッタリング又は蒸着することによって、又は第2の表面全体を覆うアルミニウムベース金属ペーストをスクリーン印刷することによって、堆積されてよい。アルミニウム含有ペーストをスクリーン印刷する場合、アルミニウム粒子を含み、ガラス粒子を含んでも含まなくてもよい商業用の厚い膜ペースト、その後400℃未満の温度で焼成して任意の有機溶媒を除いたもの、を使用することが理解される。アルミニウム層の堆積後、接触、及びパッシベーション効果の同時最適化はウェハを4分間300−600℃の範囲の温度に、好ましくは約500℃に、加熱することによって得られる。さらなる詳細は国際公開第2006/110048A1号を参照されたい。
【0021】
ウェハ背面のドープ領域との電気的接触の形成後、連続的な金属層は各々のドープ領域に関して電気的に絶縁された領域に分割されなくてはならない。これは、特定のパターンで堆積された金属層を除去することによって、例えばエッチング剤のインクジェットによって、又は化学レジストのインクジェット後一方の面をエッチングすることによって、得られてよい。アルミニウムのエッチングのパターンは、エッチング後に二つの異なるコンタクト領域が金属層に表れるように選択され、一つのコンタクト領域はP型ドープ領域に関し、一つはN型ドープ領域に関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の太陽電池の好ましい実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施例
本発明はエネルギー変換効率が高いバックコンタクト型太陽電池を製造する方法の好ましい実施形態、及びそのような方法で作製された太陽電池の好ましい実施形態の例示によって説明される。
【0024】
太陽電池の好ましい実施形態は図1に説明される。シリコンウェハ1は前面をP型又はN型伝導性のドープ層2によって覆われる。背面において、シリコンウェハ1は互い違いのパターンを持つ交互の伝導性を有する層3によって覆われる。層2の上部にはアモルファスシリコン又は酸化シリコンの薄層4が堆積され、及び層4の外側に窒化シリコンの層5が堆積される。背面において、交互の伝導性を有する層3はアモルファスシリコン又はアモルファスシリコンカーバイドの層6によって、その後層3の各ドープ領域に関して少なくとも一つの開口8を有する窒化シリコン層7によって覆われる。窒化シリコン層7の上部に、窒化シリコン層7の開口部8を充填するアルミニウムの層9が堆積される。アニーリングの後、開口部8内のアルミニウムは下部のアモルファスシリコン層6内に再結晶領域10を生成しており、結果的に下部の層3のドープ領域との電気的接触を形成している。アルミニウム層9は、層9に開口部11を生成することによって、電気的な絶縁領域に分割される。
【0025】
好ましい実施形態を製造するための好ましい方法は、以下を含む:
−互い違いのパターンで交互にP型及びN型伝導性を有するよう背面がドープされ、任意にウェハ前面にP型又はN型のどちらかの層を有するシリコンウェハを準備する段階と、
−ドープされたウェハの両面にアモルファスシリコン又はアモルファスシリコンカーバイドの層を堆積し、その後ウェハ両面のアモルファスシリコン層上部に窒化シリコン層の層を堆積する段階と、
−ウェハ背面において窒化シリコン層に開口部を生成し、下部のアモルファス窒化シリコン層を露出する段階と、
−ウェハ背面全体を覆うアルミニウム層を堆積する段階と、
−ウェハを温度200から700℃の範囲、好ましくは300−600℃、に加熱し、アルミニウム層と下部のシリコンウェハのドープ領域との間を電気的に接触させる段階と、
−アルミニウム層に開口部を形成し、ウェハの背面の各ドープ領域からのコンタクトを分離する段階。
【0026】
この場合の表面パッシベーションは以下のように得られる。ウェハ(1)はHSO及びHの混合物、HCl、H、及びHOの混合物、又はNHOH、H、及びHOの混合物に浸漬し、その後希釈HF内で酸化物を除去することによって洗浄される。その後ウェハはプラズマ化学気相成長法チャンバ(PECVDチャンバ)に導入され、厚み1−150nm、好ましくは約10−100nm、のアモルファスシリコン膜が単一の前駆体ガスとしてのSiHの使用によって堆積される。アモルファスシリコン膜はウェハ両面に堆積され、ウェハ前面及び背面の参照番号4及び6によって各々示される。代わりにシリコンカーバイド膜が堆積されてよい。その後、窒化シリコン層はPECVDチャンバ内で前駆体ガスとしてSiH及びNHの混合物を使用して堆積される。窒化シリコン膜の厚みは10−200nm、好ましくは約70−100nmの範囲である。前駆体ガスは、0から50mol%の水素ガスを含んでもよい。窒化シリコン膜はウェハの両面に堆積され、ウェハの前面及び背面で各々参照番号5及び7で示される。PECVDチャンバ内の堆積温度は双方の膜に関して約250℃である。
【0027】
発明者による研究から、パッシベーション層の最良の実施形態は10−100nmのアモルファスシリコン及び500℃でアニールされた70−100nmの窒化シリコンであることが示された。80nmアモルファスシリコン及び100nm窒化シリコンの二重膜は、バルク材料の再結合時間に依存して、シリコンウェハ上で有効な再結合寿命0.0007sを与え、これはアモルファスシリコン又は窒化シリコンの単一膜よりも約1オーダー良好な大きさであり、又はアモルファスシリコン及びアニールされていない窒化シリコンの二重フィルムと比較して2−3倍高い。理論によって拘束されずに、パッシベーション効果が著しく増大する理由は、結晶シリコン基板の境界領域内部への水素原子(結晶シリコン内のダングリングボンドを満たす)の拡散に起因すると考えられる。温度約500℃におけるアニーリングの後、シリコンウェハの表面層の水素含有量の測定により、シリコン相が約10原子%のHを含有することが示される。高温又は低温でのアニーリングによって水素含有量は低くなる。
【0028】
ウェハ背面のパッシベーション層の開口は、希釈された又は濃縮されたHF、KOH、NaOH、又はHF、HNO、及びCHCOOHを含む混合物、又はそれらの組み合わせの溶液を含む化学エッチング剤をインクジェット印刷することによって得られる。開口を得るための方法の選択は重要ではない。きわめて重要な特徴は、パッシベーション層7は下部のアモルファスシリコン層6を露出するため局部的に除去されなくてはならないこと、又はその代わりに層6及び7の双方がウェハ1のドーピングされた領域3を露出するため局所的に除去されなくてはならないことである。
【0029】
パッシベーション処理は4分間300−600℃の範囲の温度、好ましくは約500℃、にウェハを加熱することによって終了する。このアニーリングは有利にはアルミニウム層9の堆積の後実行されてよい。
【0030】
アルミニウム層は約1−50μmの範囲の厚みを持つべきであり、およそ室温から約200℃の温度でアルミニウム層をスパッタリング又は蒸着し第2表面を完全に覆うことによって、又は第2表面を完全に覆うアルミニウムベース金属ペーストのスクリーン印刷によって、堆積されてよい。アルミニウム含有ペーストをスクリーン印刷する場合、ガラス粒子を含んでよく、又は含まなくてよい、アルミニウム粒子を含有する工業用の厚みのフィルムペーストを使用し、その後400℃未満の温度において任意の有機溶媒を焼成により除去することが理解される。
【0031】
アルミニウム層の開口は、金属層の除去を可能にするが下部の窒化シリコン層を除去しないエッチング剤のインクジェット印刷の利用によって得られてよい。アルミニウム層にホールを作る場合、塩酸がエッチング剤として使用され得る。金属相(下部のパッシベーション層ではない)を溶解することで知られる任意の酸又は塩基がエッチング剤として使用されてよい。代わりに、レジストマスクのインクジェット印刷の後エッチング液内にウェハを浸漬してよい。
【符号の説明】
【0032】
1 シリコンウェハ
2 ドープ層
3 伝導性を有する層
4 アモルファスシリコン又は酸化シリコン薄層
5 窒化シリコン層
6 アモルファスシリコン又はアモルファスシリコンカーバイド層
7 窒化シリコン層
8 開口部
9 アルミニウム層
10 再結晶領域
11 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互い違いのパターンで交互にP型及びN型伝導性を有するよう背面がドープされ、任意にウェハ前面にP型又はN型のどちらかの層を有するシリコン基板、ウェハ又は薄膜を準備する段階を含む方法において、
前記方法が以下をさらに含むことを特徴とする、バックコンタクト太陽電池を製造する方法:
・基板の両面に一つ以上の表面パッシベーション層を堆積する段階と、
・基板背面において表面パッシベーション層に開口部を生成する段階と、
・背面全体を覆い、表面パッシベーション層の開口部を充填する金属層を堆積する段階と、
・堆積された金属層に開口部を形成し、電気的に分離された、基板背面のドープ領域とのコンタクトが得られる段階。
【請求項2】
・表面パッシベーションが、ドープされた基板両面のアモルファスシリコン内側層と、それに続く基板両面のアモルファスシリコン層上の水素化窒化シリコン外側層との二重層であり、
・表面パッシベーション層の開口部は基板背面の窒化シリコン層に対してのみ形成され、
・金属層が窒化シリコン層の開口部を含む基板の背面全体を覆うアルミニウム層であり、
・基板が200−700℃の範囲、好ましくは300−600℃の範囲の温度に加熱される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
・基板前面のアモルファスシリコン内側層の厚みが1−150nmの範囲であり、
・基板背面のアモルファスシリコン内側層の厚みが1−1000nmの範囲であり、
・基板前面の外側パッシベーション水素化窒化シリコン層の厚みが10−200nmの範囲であり、
・基板背面の外側パッシベーション水素化窒化シリコン層の厚みが10−1000nmの範囲であり、
・膜はプラズマ化学気相成長法によって堆積される、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
・アルミニウム層の厚みが1−50μmの範囲であり、スパッタリング又は蒸着を使用して堆積され、
・その後約500℃の温度で4分間加熱処理が実行される、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
表面パッシベーション層の開口部が以下によって得られることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法:
・基板背面の外側表面パッシベーション層の領域上にインクジェット印刷されるか、又はスクリーン印刷されるエッチング剤の使用、
・表面パッシベーション層を除去するためのレーザの使用、又は、
・基板背面上に残すための表面パッシベーション層領域を覆う化学レジストのスクリーン印刷、及び基板前面パッシベーション全体を覆う化学レジストのスクリーン印刷、その後の保護されていないパッシベーション膜を除去するためのエッチング剤への基板の浸漬。
【請求項6】
化学エッチング剤が以下の薬剤のうち一つ以上を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法;希釈された又は濃縮されたHF、又はKOH、又はNaOH、又はHF、HNO、及びCHCOOHを含む混合物、を含む溶液。
【請求項7】
半導体基板の前面及び背面の表面パッシベーションが以下によって得られることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
・HSO及びHの混合物、又はHCl、H、及びHOの混合物、又はNHOH、H、及びHOの混合物に浸漬することによって半導体基板を洗浄する段階、
・希釈HFに浸漬することによって基板面上の酸化膜を除去する段階、
・基板をプラズマ化学気相成長法チャンバ(PECVDチャンバ)に導入する段階、
・約250℃で単一の前駆体ガスとしてSiHを使用することによって基板両面に厚み1−150nmのアモルファスシリコン膜を堆積する段階、
・双方のアモルファスシリコン膜上に約250℃で前駆体ガスとしてSiH及びNHの混合物を使用して厚みが10−200nmの窒化シリコン膜を堆積する段階、及び最後に、
・堆積されたパッシベーションを有する基板を約500℃の温度で4分間アニールする段階。
【請求項8】
基板背面の窒化シリコン層上の金属層の堆積の後アニーリングが実行されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
・互い違いのパターンで交互にP型及びN型伝導性を有するように層(3)において背面がドープされ、任意に基板(1)前面にP型又はN型のどちらかの層(2)を有するシリコン基板(1)と、
・基板(1)前面の一つ以上の表面パッシベーション層(4、5)と、
を含む太陽電池において、
さらに以下を含むことを特徴とする太陽電池:
・基板(1)背面の一つの内側表面パッシベーション層(6)及び一つの外側表面パッシベーション層(7)、
・層(3)の各々のドープ領域に関する表面パッシベーション層(6、7)における少なくとも一つの開口部(8)、
・基板(1)の層(3)内の下部ドープ領域と電気的接触を形成するため各開口部(8)を充填する金属コンタクト(9)であり、各金属コンタクト(9)は互いに電気的に分離されるもの。
【請求項10】
・表面パッシベーション層が、ドープされた基板(1)両面の内側アモルファスシリコン層(4、6)と、それらに続く基板(1)両面のアモルファスシリコン層(4、6の各々)上の水素化窒化シリコン外側層(5、7)との二重層であり、
・表面パッシベーション層(6、7)の開口部(8)が基板(1)背面の窒化シリコン層(7)に関してのみ形成され
・金属コンタクト(9)がアルミニウムから作られる、ことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池。
【請求項11】
・基板(1)の両面の内部アモルファスシリコン層(4、6)が1−150nmの範囲の厚みを有し、
・基板(1)両面の外側パッシベーション水素化窒化シリコン層(5、7)が10−200nmの範囲の厚みを有し、
・表面パッシベーション層に垂直に測定されたアルミニウムコンタクト(9)の厚みが30−50μmの範囲である、ことを特徴とする請求項10に記載の太陽電池。
【請求項12】
・表面パッシベーション層の開口部(8)が外部窒化シリコン層(7)にのみ作製され、
・アモルファスシリコン層(6)の下部のドープされた領域との電気的接触が、アルミニウム相(8)がアモルファスシリコン層(6)の間で再結晶化して接続位置(10)を形成するまで基板を加熱することによって得られることを特徴とする、請求項10又は11に記載の太陽電池。
【請求項13】
基板(1)が単結晶、微結晶、又は多結晶シリコンのウェハ、又は微結晶、多結晶、又は単結晶粒子質のシリコン薄膜であることを特徴とする、請求項9、10、11、又は12の何れか一項に記載の太陽電池。

【図1】
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【公表番号】特表2010−505262(P2010−505262A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530304(P2009−530304)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際出願番号】PCT/NO2007/000339
【国際公開番号】WO2008/039078
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(506282470)リニューアブル・エナジー・コーポレーション・エーエスエー (9)
【Fターム(参考)】