説明

バッチ式熱処理炉

【課題】 安定した温度で熱処理できるバッチ式熱処理炉を提供する。
【解決手段】 箱状の炉本体部11を有し、熱処理を施す炉体10と、炉体10に、熱処理物Wを出し入れする移動台20とで構成する。移動台20を、昇降装置40を備え、前後方向に移動する台車21と、台車21の直上に設けられ、昇降装置40によって昇降動する昇降基盤22と、昇降基盤22の後部から立設されたコラム23と、コラム23から前方へ延びるフォーク24とで構成する。炉体10を、炉本体部11の直下に形成され、台車21と昇降台22が進入する空間部12と、炉本体部11の後部に形成され、熱処理物Wを載せたフォーク24が進入できる大きさの出入口13と、炉本体部11の内部に設けられ、フォーク24が進入する凹部14aを備え、上面に、熱処理物Wが上載される架台14と、出入口13を開閉する扉部16とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理物を搬入および搬出するための移動台を備えたバッチ式の熱処理炉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8および図9を参照して説明する。従来からバッチ式の熱処理炉が多く使用されている(例えば、特許文献1参照)。このバッチ式の熱処理炉には、熱処理物Wを台車72と共に炉体71に搬入して熱処理を行い、その後、熱処理物Wを台車72と共に炉体71から搬出するようにした台車式炉70がある(図8参照)。
【0003】
また、熱処理物Wをローラーコンベア82に載せた搬送トレイ83と共に炉体81に搬入し、熱処理後、その熱処理物Wを搬送トレイ83と共に炉体81から搬出するようにしたトレイ式炉80もある(図9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−141859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の台車式炉70は、熱処理物Wを台車72と共に炉体71に搬入するので、炉体71に、台車72が出入りできるほどの大きな開口部73を形成する必要がある。従って、燃焼ガスが漏れ易く、あるいは外気が炉体71内に進入し易いので、炉体71の温度変化が激しく、熱処理物Wの品質が劣化し、作業環境が悪化するなどの問題がある。また、台車72も、熱処理物Wと共に炉体71で高熱を受けるので、損傷し易いといった問題がある。さらに、この台車72は、蓄熱量の大きい耐火煉瓦および耐火キャスタブルで構成されていると共に、一回の熱処理後毎に炉外で冷却する必要があるため、熱損失が大きい。またさらに、台車72と炉体71との間には台車72の側面に垂下した溝形材75内のサンドシール74中を炉体71に垂下した鉛直板76が挟まり込んでいるので、そこから燃焼ガスが漏れ易いといった問題もある。
【0006】
また、従来のトレイ式炉80は、熱処理物Wを搬送トレイ83と共に炉体81に搬入するので、炉体81にもローラーコンベア82を設ける必要がある。この搬送トレイ83およびローラーコンベア82は、炉体81内の高熱に対応すべく耐熱鋼で形成する必要があり、従って、製造コストが嵩む。また、炉体81内の高熱によって損傷し易く、頻繁に交換が必要となるので、維持コストが嵩んでしまう。
【0007】
さらに、搬送トレイ83は、熱処理物Wを載せた状態でローラーコンベア82上を移動する必要があるので、充分な剛性を備えた構造が必要とされる。従って、その製造コストおよび維持コストが嵩む。また、ローラーコンベア82の熱歪により熱処理物Wがローラーコンベア82から落下する危険性もある。
【0008】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、熱処理物を安定した温度で熱処理することができると共に、作業環境の改善を図ることができ、製造コストおよび維持コストが廉価で、かつ、耐久性および安全性に優れるバッチ式の熱処理炉を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図1乃至図7を参照して説明する。請求項1に記載の熱処理炉1は、箱状の炉本体部11を有し、熱処理物Wに熱処理を施す炉体10と、前記炉体10に、前記熱処理物Wを搬入すると共に、熱処理後、前記炉体10から、前記熱処理物Wを搬出する移動台20と、を備えたバッチ式熱処理炉である。
【0010】
そして、前記移動台20が、少なくとも、昇降装置40を備え、搬送装置30によって前後方向に移動する台車21と、前記台車21の直上に設けられ、前記昇降装置40によって昇降動する昇降基盤22と、前記昇降基盤22の後部から立設されたコラム23と、前記コラム23から前方へ水平方向に延びる複数の水平部材24aで構成されるフォーク24と、を備えている。
【0011】
また、前記炉体10が、少なくとも、前記炉本体部11の直下に形成され、前記台車21と昇降基盤22が進入できる空間部12と、前記炉本体部11の後部に形成され、前記熱処理物Wを載せた前記フォーク24が進入できる大きさの出入口13と、前記炉本体部11の内部に設けられ、前記フォーク24が進入する凹部14aを備え、上面に、前記熱処理物Wが上載される架台14と、前記出入口13を開閉する扉部16と、を備えている。
【0012】
請求項2に記載の熱処理炉1は、箱状の炉本体部11を有し、熱処理物Wに熱処理を施す炉体10と、前記炉体10に、前記熱処理物Wを搬入すると共に、熱処理後、前記炉体10から、前記熱処理物Wを搬出する移動台20と、を備えたバッチ式熱処理炉である。
【0013】
そして、前記移動台20が、少なくとも、昇降装置40を備え、搬送装置30によって前後方向に移動する台車21と、前記台車21の直上に設けられ、前記昇降装置40によって昇降動する昇降基盤22と、前記昇降基盤22の後部から立設されたコラム23と、前記コラム23から前方へ水平方向に延びる複数の水平部材24aで構成されるフォーク24と、を備えている。
【0014】
また、前記炉体10が、少なくとも、前記炉本体部11の直下に形成され、前記台車21と昇降基盤22が進入できる空間部12と、前記炉本体部11の後部に形成され、前記熱処理物Wを載せた前記フォーク24が進入できる大きさの出入口13と、前記炉本体部11の内部に設けられ、前記フォーク24が進入する凹部14aを備え、上面に、前記熱処理物Wが上載される架台14と、前記出入口13を開閉する扉部16と、を備えている。
【0015】
また、前記昇降装置40が、前記台車21に設けられ、前後方向に水平移動するロッド41aを備えた伸縮シリンダー41と、前記ロッド41aに、枢着された揺動アーム42と、基端部が前記揺動アーム42に枢着され、先端部が前記昇降基盤22に枢着された昇降リンク43と、で構成されている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載のバッチ式熱処理炉1は、上記構成としたので、移動台20を搬送装置30によって前進移動させて、熱処理物Wをフォーク24と共に、出入口13から炉本体部11の内部まで搬入した後、昇降基盤22と共にフォーク24を昇降装置40で下降させて熱処理物Wを架台14の上面に載せることができる。その後、移動台20を後退移動させて、炉体10の扉部16を閉じて熱処理を行うことができる。
【0017】
従って、炉本体部11に設けた出入口13は、移動台20や昇降基盤22を通す必要がないので、開口面積を小さく設定することができる。これにより、燃焼ガスの漏出と、外気の進入を抑制することができ、炉本体部11の加熱温度を一定に保つことができる。その結果、加熱後の熱処理物Wを高品質なものとすることができる。
【0018】
また、従来の台車式炉70とは異なり、移動台20を、炉本体部11から退避させた状態で熱処理を行うので、移動台20が高熱によって損傷することがない。これにより、耐久性に優れ、製造コストや維持コストの廉価なバッチ式熱処理炉1を提供することができる。
【0019】
さらに、従来のトレイ式炉80とは異なり、ローラーコンベアを使用していないので、耐久性に優れ、製造コストや維持コストが廉価であると共に、ローラーコンベアの熱歪にて搬送が不安定となり熱処理物Wが落下する危険性がなく、安全性にも優れる。
【0020】
請求項2に記載のバッチ式熱処理炉1は、請求項1に記載の発明と同様の効果を発揮する。また、昇降装置40を、伸縮シリンダー41と、揺動アーム42と、昇降リンク43とで構成したので、昇降基盤22を正確かつ確実に昇降動させることができる。尚、伸縮シリンダー41を動かす小型駆動ユニットはコラム23内に収納出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るバッチ式熱処理炉の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す熱処理炉において、熱処理物を移動台によって搬入および搬出する状態を示す断面側面図(図2のX−X線断面図)である。
【図3】図1に示す熱処理炉において、熱処理物の加熱状態を示す側面断面図である。
【図4】図1に示す熱処理炉の正面図である(図1のY−Y矢視図)。
【図5】図1に示す熱処理における昇降装置とガイド機構を示す側面拡大図である。
【図6】図1に示す熱処理炉における連動機構を示す側面拡大図である。
【図7】図1に示す熱処理炉において、フォークの動きを示す正面拡大一部断面図である((a)はフォークが下降する前の状態を示し、(b)はフォークが下降した後の状態を示す)。
【図8】(a)従来例に係る台車式炉を示す側面構成図で、(b)は(a)のQ−Q断面矢視図である。
【図9】従来例に係るトレイ式炉を示す側面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係るバッチ式熱処理炉の実施形態を、図1乃至図7に示す。この熱処理炉1は、箱状の炉本体部11を有し、熱処理物Wに熱処理を施す炉体10と、その炉体10に、熱処理物Wを搬入すると共に、熱処理後、炉体10から、熱処理物Wを搬出する移動台20とを備えている。
【0023】
また、移動台20を、台車21、昇降基盤22、コラム23、およびフォーク24によって構成している。台車21は、その下面に複数のコロ26を有し、搬送装置30によって前後方向に移動する。
【0024】
この搬送装置30は、モーター32で駆動する駆動リール31と従動リール33との間にケーブル34を掛け渡して構成されており、このケーブル34を台車21の下面に係合させ、ケーブル34を前後方向に移動させることによって当該台車21を前後方向に移動させる。また、搬送装置30及びモーター32等を台車21に積載させる事により台車21を自走式とすることが出来るのは言うまでもない。更に、この台車21は、昇降装置40を備えている。
【0025】
昇降基盤22は、台車21の直上に、その台車21と平行に設けられ、昇降装置40によって昇降動する。この昇降装置40は、基端をピン42bを軸にして傾動する油圧シリンダーや電動シリンダー等の伸縮シリンダー41と揺動アーム42と昇降リンク43とで構成される。なお、この昇降装置40は、台車21と昇降基盤22とに跨って設けられるものであり、その具体的な設置箇所は特に限定されない。また、その設置数も限定されない。
【0026】
伸縮シリンダー41は、その基端を台車21にピン42bによって枢支され、前後方向に水平移動するピストンロッド41aを備えている。揺動アーム42は、略くの字状であり、その基端部がロッド41aの先端部に枢軸P1によって枢着されている。上端を枢軸Pによって昇降基盤22枢着した昇降リンク43は、垂直方向に設けられた板状であり、その下端部が揺動アーム42の先端部に枢軸Pによって枢着されている。揺動アーム42の中間部(最上部)は、台車21に枢軸Pによって枢支されている。
【0027】
なお、昇降装置40は、それに付属して連動機構45を備える。この連動機構45は、昇降装置40に連動するもので(例えば、昇降装置40の第一枢軸P1と連動機構45の第一枢軸P1と同一軸とし、第一枢軸P1の軸方向にずらし、昇降基盤22のフレームを挟んで、伸縮シリンダー41と連動機構45を配置し)、移動台20の前後に設けた揺動アーム42を、二本の軸棒47とターンバックル46を介して連結している。これにより、一つの伸縮シリンダー41の作動によって、昇降基盤22の前部と後部を同時に昇降動させることができる。この連動機構45も、台車21と昇降基盤22とに跨って設けられるものであり、具体的な設置箇所および設置数は特に限定されない。
【0028】
また、本実施形態では、台車21と昇降基盤22との間に、昇降基盤22を垂直方向に昇降動させるためのガイド機構60を設けている。このガイド機構60は、台車21に固定される案内孔部材61と、上端が枢軸Pによって昇降基盤22に枢着され、下部が案内孔部材61に垂直移動自在に挿入される滑動杆62とで構成される。なお、このガイド機構60も、昇降装置40と同様に、台車21と昇降基盤22とに跨って設けられるものであり、その具体的な設置箇所および設置数は特に限定されない。
【0029】
コラム23は、昇降基盤22の後部から垂直方向に立設されている。フォーク24は、コラム23の上端部から前方へ水平方向に延びる複数(本実施形態では2本)の水平部材24aで構成されている。このフォーク24は、台車21および昇降基盤22と平行に設けられ、それらと同じ長さを有する。
【0030】
なお、本実施形態のバッチ式熱処理炉1は、その炉体10を、炉本体部11、空間部12、出入口13、架台14、および扉部16によって構成している。本体部11は耐熱性材料(耐熱煉瓦及びセラミックブランケット等)で形成され、上部壁11a、下部壁11b、および周囲壁11cで構成された略直方体形状である。上部壁11aには、排気ダンパー15を設けている。
【0031】
空間部12は、炉本体部11(下部壁11b)の直下に形成され、移動台20と昇降台22が進入できる高さと幅を備える。この空間部12は、炉本体部11の下部から複数の支柱17を垂下設することによって形成している。
【0032】
出入口13は、炉本体部11(周囲壁11c)の後部に形成され、熱処理物Wを載せたフォーク24が進入できる大きさ(高さと幅)を備えている。
【0033】
架台14は、炉本体部11の内部に設けられ、その上面に、フォーク24が進入できる大きさの凹部14aを備えている。架台14の上面には、熱処理物Wが上載される。なお、本実施形態においては、熱処理物Wを上載トレイ25に載せた状態で、フォーク24および架台14に載せるようにしている。
【0034】
扉部16は、炉本体部11に形成した出入口13を開閉するものであり、開閉機構50によって昇降動する。開閉機構50は、炉本体部11に設けられ、その構造は限定されるものではないが、例えば、ウインチ51によって、滑車53を介して扉部16に連結したワイヤー52を巻き上げることによって出入口13を開放することができる。
【0035】
本実施形態に係るバッチ式熱処理装置は、次のように作動する。まず、クレーンなどによって、移動台20のフォーク24に上載トレイ25と共に熱処理物Wを載せる。この状態で、搬送装置30を駆動させて移動台20を前進移動させ、台車21と昇降基盤22を空間部12に進入させると共に、熱処理物Wをフォーク24(および上載トレイ25)と共に出入口13から挿入する。なお、この際、開閉機構50を駆動して扉部16を上昇移動させ、出入口13を開放しておく。
【0036】
熱処理物Wが出入口13から十分に挿入され、その全体が架台14上に達した状態で(すなわち、コラム23の前面が、炉本体部11の後面11dに近接する状態で)、搬送装置30を停止する。
【0037】
次に、昇降装置40を駆動して昇降基盤22を下降させる。この昇降基盤22の下降移動は、ガイド機構60の働きによって、垂直方向に向かって行われる。昇降基盤22の下降移動に伴いフォーク24を架台14の凹部14aに進入させると共に、熱処理物W(および上載トレイ25)を架台14の上面に載せる(図7参照)。
【0038】
続いて、移動台20を、搬送装置30を駆動することによって後退移動させて炉体10から退避させた後、開閉機構50を駆動することによって扉部16を下降移動させ、出入口13を閉じる。この状態で、熱処理物Wを一定時間加熱し、熱処理を行う(図3参照)。
【0039】
加熱処理完了後、扉部16を上昇移動させて出入口13を解放状態とすると共に、移動台20を前進移動させて、台車21および昇降基盤22を空間部12に進入させると共に、フォーク24を出入口13から挿入して、凹部14aに進入させる。この状態で、昇降基盤22を上昇移動させることによって、そのフォーク24の上に、熱処理物W(および上載トレイ25)を載せる。なお、昇降基盤22の上昇移動も、ガイド機構60の働きによって、垂直方向に沿って行われる。
【0040】
続いて、移動台20を後退移動させて、炉体10から退避させ、当該熱処理物Wをクレーン等でフォーク24から降ろした後、新たな熱処理物Wを載せ、上記の工程を繰り返して熱処理を行う。
【0041】
本実施形態に係るバッチ式熱処理炉1は、炉体10の炉本体部11に設けた出入口13から、熱処理物W(および上載トレイ25)を載せたフォーク24を挿入するのみであり、台車21や昇降基盤22を炉本体内に進入させる必要がない。従って、出入口13の開口面積を小さく設定することができる。これにより、燃焼ガスの漏出と、外気の進入を抑制することができ、炉本体部11の加熱温度を一定に保ち易い。
【0042】
すなわち、熱処理物Wを炉体10に搬入する際の熱損失が少ないため熱効率が良く、そのため省エネルギー化を図ることができると共に、昇温時間も短縮することができる。その結果、熱処理後の熱処理物Wを高品質なものとすることができる。
【0043】
また、移動台20を、炉本体部11から退避させた状態で熱処理を行うので、移動台20が高熱によって損傷することがない。また、炉本体部11の内部にローラーコンベア等を設ける必要もない。従って、炉体10および移動台20の構造を簡素化することができ、耐久性に優れ、製造コストや維持コストの廉価で経済的なバッチ式熱処理炉1を提供することができる。
【0044】
さらに、熱処理物Wを架台14に上載するので、ローラーコンベア上を移動させる場合のように、熱処理物Wが落下することもなく、安全性に優れる。
【0045】
また、昇降装置40を、伸縮シリンダー41と、揺動アーム42と、昇降リンク43とで構成しているので、昇降基盤22を正確かつ確実に昇降動させることができる。
【0046】
なお、本発明に係る熱処理炉1は、あらゆる炉として使用することができる。例えば、焼鈍炉、焼準炉、加熱炉、焼入炉、焼戻し炉、ステンレス溶体化炉などである。
【符号の説明】
【0047】
1 バッチ式熱処理炉
10 炉体
11 炉本体部
11a 上部壁
11b 下部壁
11c 周囲壁
11d 後面
12 空間部
13 出入口
14 架台
14a 凹部
15 排気ダンパー
16 扉部
17 支柱
20 移動台
21 台車
22 昇降基盤
23 コラム
24 フォーク
24a 水平部材
25 上載トレイ
26 コロ
30 搬送装置
31 駆動リール
32 モーター
33 従動リール
34 ケーブル
40 昇降装置
41 伸縮シリンダー
41a ロッド
42 揺動アーム
42b ピン
43 昇降リンク
45 連動機構
46 ターンバックル
47 軸棒
50 開閉機構
51 ウインチ
52 ワイヤー
53 滑車
60 ガイド機構
61 案内孔部材
62 滑動杆
70 台車式炉
71 炉体
72 台車
73 開口部
74 サンドシール
75 溝形材
76 鉛直板
80 トレイ式炉
81 炉体
82 ローラーコンベア
83 搬送トレイ
P 枢軸
P1 第一枢軸
W 熱処理物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱状の炉本体部(11)を有し,熱処理物(W)に熱処理を施す炉体(10)と,前記炉体に,前記熱処理物を搬入すると共に,熱処理後,前記炉体から,前記熱処理物を搬出する移動台(20)と,を備えたバッチ式の熱処理炉であって、前記移動台が、少なくとも、昇降装置(40)を備え,搬送装置(30)によって前後方向に移動する台車(21)と、前記台車の直上に設けられ,前記昇降装置によって昇降動する昇降基盤(22)と、前記昇降基盤の後部から立設されたコラム(23)と、前記コラムから前方へ水平方向に延びる複数の水平部材(24a)で構成されるフォーク(24)と、を備えるものとし、前記炉体が、少なくとも、前記本体部の直下に形成され,前記台車と昇降基盤が進入できる空間部(12)と、前記本体部の後部に形成され,前記熱処理物を載せた前記フォークが進入できる大きさの出入口(13)と、前記本体部の内部に設けられ,前記フォークが進入する凹部(14a)を備え,上面に,前記熱処理物が上載される架台(14)と、前記出入口を開閉する扉部(16)と、を備えるものとしたことを特徴とするバッチ式熱処理炉。
【請求項2】
箱状の炉本体部(11)を有し,熱処理物(W)に熱処理を施す炉体(10)と,前記炉体に,前記熱処理物を搬入すると共に,熱処理後,前記炉体から,前記熱処理物を搬出する移動台(20)と,を備えたバッチ式の熱処理炉であって、前記移動台が、少なくとも、昇降装置(40)を備え,搬送装置(30)によって前後方向に移動する台車(20)と、前記台車の直上に設けられ,前記昇降装置によって昇降動する昇降基盤(22)と、前記昇降基盤の後部から立設されたコラム(23)と、前記コラムから前方へ水平方向に延びる複数の水平部材(24a)で構成されるフォーク(24)と、を備えるものとし、前記炉体が、少なくとも、前記炉本体部の直下に形成され,前記台車と昇降基盤が進入できる空間部(12)と、前記炉本体部の後部に形成され,前記熱処理物を載せた前記フォークが進入できる大きさの出入口(13)と、前記炉本体部の内部に設けられ,前記フォークが進入する凹部(14a)を備え,上面に,前記熱処理物が上載される架台(14)と、前記出入口を開閉する扉部(16)と、を備えるものとし、前記昇降装置が、前記台車に設けられ,前後方向に水平移動するロッド(41a)を備えた伸縮シリンダー(41)と、前記ロッドに,枢着された略くの状の揺動アーム(42)と、基端部が前記揺動アームに枢着され,先端部が前記昇降台に枢着された昇降リンク(43)と、で構成されたことを特徴とするバッチ式熱処理炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15249(P2013−15249A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147873(P2011−147873)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【特許番号】特許第4996760号(P4996760)
【特許公報発行日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【出願人】(502099681)アルカエンジニアリング株式会社 (2)
【Fターム(参考)】