説明

バッチ式計量機

【課題】 従来のバッチ式計量機では、計量容器の底部に排出ゲートを設けて、計量容器内で計量した被計量物を排出ゲートの開閉によって排出するようにしているので、排出のための待ち時間が必要となって1バッチ当たりの所要時間が長くかかる。
【解決手段】 バッチ式計量機において、計量容器3として、横向きの回転中心の周囲に複数の分割収容室を設けたロータリー容器を使用するとともに、該ロータリー容器3を横向き姿勢でモータ37により連続回転させるようにしていることにより、計量した被計量物を計量容器3から排出するための待ち時間が不要になる(1バッチ当たりの所要時間が短くなる)ようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、供給される被計量物(主として穀粒のような粉粒体)を各バッチ毎に計量・積算して所定重量だけ切り分けるためのバッチ式計量機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9には、一般的なバッチ式計量機の概略を示しているが、この図9に示すバッチ式計量機は、次のように構成されている。
【0003】
被計量物(粉粒体)が貯留される貯留槽106の投入シュート161の下方には箱型の計量容器103が設けられている。投入シュート161の下端(投入口)は、投入口開閉装置102(供給ゲート121をシリンダ122でスライド開閉するもの)でバッチ開閉される。尚、供給ゲート121の1回当たりの開放時間は、1バッチ当たり計量容器103内に収容すべき被計量物の量によって設定される。
【0004】
計量容器103内に収容される被計量物は、各バッチ毎にロードセル104で計量される。ロードセル104で各バッチ毎に計量された各計量値データは、順次コントローラ(図示省略)に送られて該コントローラで積算される。尚、コントローラでは、ロードセル104で計量した計量値から計量容器103が空の状態の重量を減じた被計量物のみの重量値が積算される。
【0005】
計量容器103の底部には、排出ゲート109が設けられている。この排出ゲート109は、図示しないシリンダによって開閉操作される。
【0006】
計量容器103の下方には、排出通路107が設けられていて、排出ゲート109が開動作すると計量容器103内の計量済み被計量物が排出通路107を通って所定の収容部に貯留される。
【0007】
そして、図9のバッチ式計量機は、次のように作動する。まず、排出ゲート109が閉状態で、投入口開閉装置102の供給ゲート121が所定の設定時間だけ開放し(開放後、閉動作する)、そのとき貯留槽106内の被計量物が投入シュート161を通って計量容器103内に落下・収容される。続いて、供給ゲート121が閉状態でロードセル104が計量容器103内の被計量物重量を計量した後、排出ゲート109が開作動して、計量容器103内の被計量物を下方に払い出し、その後に該排出ゲート109が閉作動する。このサイクルを1バッチとして、被計量物が所定の切り出し量に達するまで連続してバッチ計量作業が行われる。
【0008】
尚、この種のバッチ式計量機の公知例として、例えば特開2003−4513号公報(特許文献1)に示されるものがある。
【0009】
【特許文献1】特開2003−4513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、図9に示す従来のバッチ式計量機では、各バッチ毎に、供給ゲート121を開・閉して計量容器103内に所定量の被計量物を収容し→計量容器103内の被計量物重量を計量し→排出ゲート109を開放して計量容器103内の被計量物を排出し→該被計量物を完全に排出した後に排出ゲート109を閉作動させる、という各工程を行う。
【0011】
従って、従来(図9)のバッチ式計量機では、計量容器103内に収容された一定量の被計量物を計量後に、排出ゲート109を開放して計量済み被計量物を完全に排出し且つ排出ゲート109を閉動作させた後でなければ次の計量動作(供給ゲート121の開動作)が行えないので、1バッチ当たりの所要時間が長くかかる(処理能力が小さい)という問題があった。
【0012】
そこで、本願発明は、上記の問題点(1バッチ当たりの所要時間が長くかかるという問題点)を改善し得るバッチ式計量機を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、粉粒体(例えば穀粒)のような被計量物をバッチ計量するためのバッチ式計量機を対象にしている。
【0014】
本願請求項1の発明
本願請求項1の発明のバッチ式計量機は、被計量物(粉粒体)が供給される投入シュートと、投入シュートの投入口をバッチ開閉する投入口開閉装置と、投入シュートから落下する被計量物を受け入れる計量容器と、計量容器内に収容された被計量物重量を各バッチ毎に計量するロードセルと、ロードセルからの各バッチ毎の計量値を積算するコントローラとを備えたものである。
【0015】
本願請求項1のバッチ式計量機は、上記基本構成に加えて、計量容器として横向きの回転中心の周囲に複数の分割収容室を設けたロータリー容器を使用するとともに、該ロータリー容器を横向き姿勢でモータにより連続回転させるようにしている。
【0016】
本願で使用されるロータリー容器(計量容器)には、横向き回転中心の周囲に複数(例えば3〜5個程度が適当)の分割収容室を設けているが、この各分割収容室は、左右の円形側板と、回転中心から放射状に配置した複数枚の区画壁で区画形成されている。従って、各分割収容室は、断面がそれぞれ扇形形状になってロータリー容器の外周面側に被計量物の受入れ用と排出用を兼用する大開口面積の開口部が形成される。各分割収容室は、その開口部が投入シュートの直下で上向き開口する位置にあるときに被計量物の受入れ位置となり、その受入れ位置から所定角度回転して開口部が回転中心から下降傾斜方向に向く位置にあるときが被計量物の排出位置となる。
【0017】
又、このロータリー容器は、回転中心に位置する軸をモータで回転させるとともに、回転状態でのロータリー容器の重量(分割収容室に収容された被計量物重量を含む)をロードセルで計量し得るようになっている。
【0018】
この請求項1のバッチ式計量機は、次のように作動する。即ち、運転時には計量容器(ロータリー容器)が横向き姿勢でモータによって連続回転されるが、1つの分割収容室が被計量物受入れ位置に差しかかったときに、コントローラからの信号で投入口開閉装置が所定時間(例えば0.5秒間)だけ開作動せしめられ(開作動後、直ちに閉作動する)、その開状態の間に所定量の被計量物が投入シュートを通って当該分割収容室内に落下・収容される。そして、ロータリー容器が回転状態のままで、1つの分割収容室内に収容された被計量物の重量をロードセルで計量し、その計量値データをコントローラに入力する。尚、ロードセルから発信された計量値データは、ロータリー容器等の重量を含むものであるが、コントローラではロータリー容器が空状態での重量を「0」に設定して被計量物の正味重量のみを積算するようにしている。続いて、ロータリー容器が連続回転していることにより、計量済み被計量物が収容された分割収容室が排出位置まで移動して、そこで当該分割収容室内の被計量物が自重で自然排出される。
【0019】
又、この被計量物の自然排出動作と前後して、次順の分割収容室が投入シュート直下の被計量物受入れ位置に巡ってきており、上記工程と同様に、コントローラからの信号で投入口開閉装置が所定時間だけ開作動せしめられ→次順の分割収容室内に所定量の被計量物が落下・収容され→その分割収容室内の被計量物重量をロードセルで計量し(この時点では、先行側の分割収容室内の被計量物は完全に排出されている)→その計量値データをコントローラに入力して該コントローラで積算する。以下同様に、合計積算重量が予め設定した切り出し重量に達するまで、上記工程を連続して行う。尚、本願のバッチ式計量機では、投入口開閉装置が1回作動する間の間隔が1バッチであり、該1バッチ当たりの動作は、1.5秒程度で行える。
【0020】
このように、本願のバッチ式計量機では、計量容器として周方向に複数の分割収容室を有したロータリー容器を使用し、該ロータリー容器をモータで連続回転させながら運転することにより、各分割収容室内に収容された被計量物(計量済み)の排出作業のための時間待ちが不要となる。
【0021】
本願請求項2の発明
本願請求項2の発明は、上記請求項1のバッチ式計量機において、次のように構成している。
【0022】
まず、投入口開閉装置の開度をコントローラからの信号で調整可能にしている。尚、投入シュートからの1回当たりの供給量は、投入口を開閉する供給ゲートの開放時間と開度とで変化するが、供給ゲートの開放時間をコントローラからの信号で頻繁に変化させるのは困難であるため、本願請求項2では供給ゲートの開度を変化させることで1回当たりの被計量物供給量を変化させ得るようにしている。
【0023】
又、コントローラは、時間当たりの切出し目標量を入力することで、投入口開閉装置が上記入力値に見合う適正開度で開閉するように調整する機能を有している。例えば、1時間に2400回(1.5秒間で1回)の計量を行う場合で、コントローラに対して1時間当たり10t(トン)の能力で処理するように入力すると、1バッチ当たり投入シュートから4.166・・Kgずつ投入することになるが、その投入量に見合うようにコントローラから投入口開閉装置に対して開度調整信号が発せられる。
【0024】
さらに、この請求項2のバッチ式計量機では、コントローラに、上記適正開度で開閉する投入口開閉装置の開度に基づいて各バッチ毎にロードセルで計量された被計量物の実際計量値が、時間当たりの切出し目標量から計算された1バッチ当たりの予定計量値(例えば上記4.166・・Kg)に対して許容限度を超えて差が生じたときに、1バッチ当たりの実際投入量を1バッチ当たりの予定計量値に近づけるように投入口開閉装置の開度を自動補正する機能をもたせている。
【0025】
尚、実際計量値は、ロードセルで計量された所定回数(例えば10回)の各計量値を合計したものから1回当たりの平均値を計算して、その1回当たりの平均計量値を実際計量値とすることができる。そして、その平均した1回当たりの実際計量値を予め計算された
1バッチ当たりの予定計量値と比較して、両者の計量値に許容限度を超えて差が生じたときに、投入口開閉装置に対してコントローラから開度補正信号を発して、1回当たりの投入量を予定計量値に見合うように補正する。
【発明の効果】
【0026】
本願請求項1の発明の効果
本願請求項1のバッチ式計量機は、投入シュートから供給される被計量物を収容して計量するための計量容器として、横向き回転中心の周囲に複数の分割収容室を設けたロータリー容器を使用しているので、順次各分割収容室内に被計量物を収容・計量する動作と、計量済み被計量物の排出動作とを同時進行させることができる。
【0027】
従って、本願請求項1のバッチ式計量機では、計量済み被計量物の排出動作に時間待ちが不要になるので1バッチ当たりの計量時間を短縮でき、処理能力を大幅に向上させることができるという効果がある。
【0028】
本願請求項2の発明の効果
本願請求項2の発明は、上記請求項1のバッチ式計量機において、投入口開閉装置の開度をコントローラからの信号で調整可能にする一方、コントローラは、時間当たりの切出し目標量を入力することで、投入口開閉装置が上記入力値に見合う適正開度で開閉するように調整する機能を有するとともに、コントローラに、実際計量値が予定計量値に対して許容限度を超えて差が生じたときに1バッチ当たりの実際投入量を1バッチ当たりの予定計量値に近づけるように投入口開閉装置の開度を自動補正する機能をもたせている。
【0029】
従って、この請求項2のバッチ式計量機では、上記請求項1の効果に加えて、各分割収容室への実際収容量が予定計量値から差が生じても、コントローラからの投入口開閉装置に対する開度補正信号により、1バッチ当たりの投入量を予定計量値に近づけるように自動補正でき、1バッチ当たりの被計量物重量を正確に切り出すことができるという効果がある。
【実施例】
【0030】
以下、添付の図1〜図8を参照して本願実施例のバッチ式計量機を説明する。
【0031】
図1〜図4には、本願実施例のバッチ式計量機の構成を示しているが、このバッチ式計量機は、上部に投入シュート14を有し下部に排出口16を有した本体ケーシング1と、投入シュート14の投入口を開閉する投入口開閉装置2と、投入シュート14から供給される被計量物を受入れるロータリー式の計量容器(以下、ロータリー容器という)3と、ロータリー容器3を連続回転させるモータ37と、ロータリー容器3内に収容された被計量物の重量を計量するロードセル4と、ロータリー容器3の回転角度を検出する回転検出器5と、このバッチ式計量機を制御するコントローラ8とを有して構成されている。
【0032】
本体ケーシング1は、四角形箱状で、この実施例では左右幅が500mm、奥行き幅が450mm、高さが450mm程度の大きさに形成されている。尚、本体ケーシング1の形状・大きさ等は、適宜に設計変更可能である。
【0033】
本体ケーシング1内は、図1及び図4に示すように、2つの隔壁によって大容積の第1室11と中容積の第2室12と小容積の第3室13に区画されている。
【0034】
第1室11の上面には、平面視横長形状の投入シュート14が設けられている。又、第1室11の下面には、比較的大きい矩形の排出口16が形成されている。
【0035】
図2及び図3に示すように、投入シュート14の上部には接続筒15を介して貯留槽6が連続設置されている一方、排出口16の下部には計量済み被計量物の排出通路7が連続設置されている。尚、この実施例では、図3に示すように、排出通路7を第1通路71と第2通路72に分岐させるとともに、第1通路71と第2通路72とを切換ダンパ73で切換え得るようにしている。
【0036】
投入シュート14の下端部(投入口)は、供給ゲート21とその操作用のシリンダ22からなる投入口開閉装置2によって開閉される。そして、シリンダ22の全縮小状態では、図3及び図4に実線図示するように供給ゲート21が投入シュート14の投入口を全閉する位置にあり、シリンダ22の全伸長状態では、供給ゲート21が図3及び図4に符号21′で示す投入口全開位置まで前進するようになっている。又、ゲート操作用のシリンダ22には、伸縮量が可変型のメカシリンダが採用されており、後述するコントローラ8からの開度指令信号によって伸縮量が調整されるようになっている。尚、シリンダ22が中間伸縮量で作動するときには、供給ゲート21が図4において例えば符号21″で示す半開開度で開閉するようになる。
【0037】
本体ケーシング1の第1室11内には、投入シュート14の直下にロータリー容器3が横向き姿勢で配置されている。このロータリー容器3は、左右2枚の円形側板31,31間に4枚の区画壁32,32・・を角度90°間隔で取付けて、回転中心の周囲に4つの分割収容室33,33・・を設けている。尚、各分割収容室33,33・・は、断面の形状が角度90°の範囲の扇形となっており、各分割収容室33の外周側が全面開口している。
ロータリー容器3の一方の円形側板31には、その中心部に外方に延出する軸34を取付けている。そして、この軸34を第2室12内において台板35上に2つの軸受36.36で支持して、ロータリー容器3を片持ち支持している。このロータリー容器3は、台板35上に設置したモータ37で回転駆動されるようになっている。尚、ロータリー容器3の回転速度は、この実施例では6秒で1回転するように設定できる。この場合、1バッチ(角度90°)当たり、1.5秒の速度で回転する。
【0038】
図2に示すように、台板35はロードセル4により支持されている。そして、ロードセル4は、台板35に加わる全重量(台板35、モータ37、ロータリー容器3、ロータリー容器3に収容された被計量物の合計重量)を計量し得るようになっている。尚、このロードセル4は、投入シュート14から分割収容室33内に供給される1バッチ当たりの被計量物重量を計量するのが目的であり、ロードセル4で計量した計量値データ(合計重量)はコントローラ8に送信されるが、該コントローラ8では空状態の重量を除外した実質被計量物重量のみを算出するようになっている。
【0039】
このバッチ式計量機には、ロータリー容器3が1バッチ分だけ回転する毎にそれを検出するために回転検出器5を設けている。この実施例では、ロータリー容器3の各分割収容室33,33・・を周方向に4等分した角度範囲(角度90°の範囲)に設定している関係で、ロータリー容器3に角度90°間隔で4つの被検知片51,51・・を取付けている。そして、各被検知片51,51・・が通過する位置に回転検出器(近接スイッチ)5を設置して、該各被検知片51,51・・が回転検出器5に対面する毎に該回転検出器5がON信号を発するようにしている。
【0040】
回転検出器5が各被検知片51を検出する位置は、図3に示すように投入シュート14の直下に1つの分割収容室33の開口部の始端部が差しかかったときである。そして、後述するように回転検出器5からON信号が発せられて供給ゲート21が開動作している間(投入シュート14から被計量物が落下する)は、当該1つの分割収容室33内に1回当たりの被計量物の全量を収容し得るようになっている。
【0041】
回転検出器5からのON信号は、コントローラ8に送信されて、そのON信号により投入口開閉装置2の開放動作(シリンダ22の伸長動作)を起こさせるようになっている。又、コントローラ8は、回転検出器5からのON信号を受けてシリンダ22に対して伸長作動信号を発した後、所定短時間後(図5のT1で、T1=約0.5秒)にシリンダ22に対して縮小作動信号を発するようになっている。そして、供給ゲート21の開動作時間中は、ロータリー容器3が回転しているものの、1つの分割収容室33の開口部範囲で1バッチ当たり投入シュート14から落下する被計量物の全量を受けることができるようになっている。
【0042】
コントローラ8は、第3室13内に設置されている。又、第3室13の外側面には、各種データの入力部(タッチパネル)とデータ表示部とを兼備した操作パネル部9が設けられている。
【0043】
この実施例のバッチ式計量機は、次のように作動する。図5には、このバッチ式計量機の各装置の作動タイミングを示しており、図6〜図8には、各作動タイミングに応じた各装置の作動状態を示している。尚、運転開始前は、ロータリー容器3のモータ37が停止、供給ゲート21が閉(シリンダ22が全縮小)の状態にある。又、このバッチ式計量機で計量する際には、予め計量満了値をコントローラ8に設定しておく。
【0044】
そして、運転開始スイッチをONにする(図5の運転開始)と、モータ37が作動してロータリー容器3が回転せしめられ、ロータリー容器3の被検知片51が回転検出器5に対面したときに回転検出器5からON信号が発せられる。尚、回転検出器5からのON信号は、ロータリー容器3が1/4回転する毎に発せられる(各被検知片51,51・・が順次回転検出器5に対面する)。
【0045】
運転開始当初は、回転検出器5が被検知片51を2回検出するまでは供給ゲート21を「閉」のまま維持させておく一方、回転検出器5が2回ON信号を発した時点でロードセル4で計量した計量値(空の重量)を「0」にセットする(図5のゼロセット)。そして、運転開始から回転検出器5が3回目のON信号を発した時点(図5のS1)で、コントローラ8から投入口開閉装置2(シリンダ22)に対して開信号が発せられ、図6に示すように供給ゲート21が開動作する。すると、貯留槽6内の被計量物が投入シュート14を通って落下し、投入シュート14の直下位置にある1つの分割収容室33内に収容される。シリンダ22に対して開信号が発せられた時点(図5のS1)から、所定短時間T1(T1=約0.5秒)後のS2の時点(ロータリー容器3の当該分割収容室及び区画壁が図6の符号33′、32′の位置にある)でコントローラ8からシリンダ22に対して閉信号が発せられて、図7に示すように投入シュート14が供給ゲート21で閉塞される。次に、ゲート閉信号発信時点S2から所定短時間T2(T2=約0.6〜0.7秒)後に、コントローラ8がロードセル4で計量している現状の計量値を読み取る(図5の重量読取)。この重量読取時点S3は、ロータリー容器3の分割収容室及び区画壁が図7の符号33′、32′の位置にあって、ロータリー容器3内の被計量物Pが移動しない安定状態にある(図5の計量物重量のレベル線が水平で安定している)ときである。尚、コントローラ8では、ロードセル4からの計量値に対して最初にゼロセット(ロータリー容器3が空の状態で「0」重量にする)しているので、コントローラ8での重量読取はロータリー容器3に収容された正味の被計量物重量になる。
【0046】
その後、ロータリー容器3がさらに回転して、被計量物Pを収容している分割収容室33が図8に示す位置(被計量物排出開始位置)まで移動すると、該被計量物Pの排出が開始される(図5の計量物重量のレベル線が下降傾斜する)とともに、被検知片51が回転検出器5に対応する位置に巡ってきて該回転検出器5がON信号S1を発する。すると、図6に示すように供給ゲート21が開動作し、次順の分割収容室33内に投入シュート14から被計量物Pが落下・収容され、以降上記同様に各工程が行われる。
【0047】
ところで、次順の分割収容室33内への被計量物の収容工程中には、先の分割収容室33内の被計量物P(図8)が排出途中であることがある(ロータリー容器3全体では、被計量物の受入れと排出が同時進行する)が、次順の分割収容室33内への被計量物収容工程完了時(図7の実線図示状態)には、先の分割収容室33が被計量物を完全に排出する位置まで移動しており、該先の分割収容室33内は空になっている。従って、以降に行われる重量読取は、次順の分割収容室33内に収容された被計量物Pのみが対象になる。そして、次順の重量読取が行われると、その読取計量値がコントローラ8で記憶している先の計量値に積算されて合計計量値を更新する。尚、分割収容室33から排出された被計量物は、排出口16から排出通路7(図3に示す第1通路71又は第2通路72)を通って所定の収容部に貯留される。
【0048】
そして、このような工程を順次繰り返して、コントローラ8に積算された合計計量値が予めコントローラ8に設定している計量満了値に達した時点で目標量の計量作業が完了し、コントローラ8から運転停止信号が発せられる。
【0049】
このように、この実施例のバッチ式計量機では、計量容器として周方向に複数の分割収容室33,33・・を有したロータリー容器3を使用し、該ロータリー容器3をモータ37で連続回転させながら運転することにより、各分割収容室33,33・・内に収容された被計量物(計量済み)の排出作業のための時間待ちが不要となる。従って、1バッチ当たりの計量時間を短縮でき、処理能力を大幅に向上させることができる。
【0050】
ところで、コントローラ8には、時間当たりの切出し目標量を入力することで、投入口開閉装置2(供給ゲート21)が上記入力値に見合う適正開度で開閉するように調整する機能を有している。そして、運転開始前に、コントローラ8に対して時間当たりの切出し目標量を入力すると、1バッチ当たりの予定計量値が設定される。
【0051】
この状態で運転するときに、被計量物の性状によっては1バッチ当たりの実際投入量が1バッチ当たりの予定計量値に対して許容範囲を超えて差が生じることがある。
【0052】
そこで、このバッチ式計量機には、コントローラ8に1回当たりの投入量(供給ゲート21の開度)を自動補正する機能をもたせている。即ち、各バッチ毎の実際計量値が上記予定計量値に対して許容限度を超えて差が生じた場合には、コントローラ8から投入口開閉装置2(シリンダ22)に対して開度補正信号を発して供給ゲート21を開度を、1バッチ当たりの実際投入量が予定計量値に近づくようにように補正する。
【0053】
尚、実際計量値は、ロードセル4からコントローラ8に入力された所定回数(例えば10回)の各計量値を合計したものから1回当たりの平均値を計算して、その1回当たりの平均計量値を実際計量値とし、その平均した1回当たりの実際計量値を上記予定計量値と比較するようにすると、より正確な補正が行える。
【0054】
このように、コントローラ8に投入口開閉装置2(供給ゲート21)に対する開度補正機能をもたせると、各分割収容室33への実際投入量が予定計量値から差が生じても、コントローラ8からの供給ゲート21に対する開度補正信号により、1バッチ当たりの投入量を予定計量値に近づけるように自動補正でき、1バッチ当たりの被計量物重量を正確に切り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本願実施例のバッチ式計量機の平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視図である。
【図5】図1のバッチ式計量機の作動タイミングを示す説明図である。
【図6】図1のバッチ式計量機の作動説明図である。
【図7】図6からの状態変化図である。
【図8】図7からの状態変化図である。
【図9】従来のバッチ式計量機の概略図である。
【符号の説明】
【0056】
1は本体ケーシング、2は投入口開閉装置、3は計量容器(ロータリー容器)、4はロードセル、5は回転検出器、8はコントローラ、14は投入シュート、16は排出口、21は供給ゲート、22はシリンダ、33は分割収容室、37はモータ、51は被検知片である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体のような被計量物が供給する投入シュート(14)と、投入シュート(14)の投入口をバッチ開閉する投入口開閉装置(2)と、投入シュート(14)から落下する被計量物を受け入れる計量容器(3)と、計量容器(3)内に収容された被計量物重量を各バッチ毎に計量するロードセル(4)と、ロードセル(4)からの各バッチ毎の計量値を積算するコントローラ(8)とを備えたバッチ式計量機であって、
前記計量容器(3)は、横向きの回転中心の周囲に複数の分割収容室(33,33・・)を設けたロータリー容器を使用するとともに、
該ロータリー容器(3)を横向き姿勢でモータ(37)により連続回転させるようにしている、
ことを特徴とするバッチ式計量機。
【請求項2】
請求項1において、
投入口開閉装置(2)の開度をコントローラ(8)からの信号で調整可能にする一方、
コントローラ(8)は、時間当たりの切出し目標量を入力することで、投入口開閉装置(2)が上記入力値に見合う適正開度で開閉するように調整する機能を有しているとともに、
コントローラ(8)に、上記適正開度で開閉する投入口開閉装置(2)の開度に基づいて各バッチ毎にロードセル(4)で計量された被計量物の実際計量値が、時間当たりの切出し目標量から計算された1バッチ当たりの予定計量値に対して許容限度を超えて差が生じたときに、1バッチ当たりの実際投入量を1バッチ当たりの予定計量値に近づけるように投入口開閉装置(2)の開度を自動補正する機能をもたせた、
ことを特徴とするバッチ式計量機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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