説明

バッテリーパックの充電制御方法

【課題】本発明の目的は、バッテリーセルの劣化を減少させてバッテリーセルの安全性を向上させることができるバッテリーパックの充電制御方法を提供することにある。
【解決手段】本発明のバッテリーパックの充電制御方法は、満充電電圧値が第1電圧値に設定された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックの充電制御方法であって、一定期間の間、前記複数のバッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階;前記測定される充電容量が前記バッテリーセルの正格容量の90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、90%未満である測定回数を第2データとして記憶する段階;前記第1データと前記第2データを比べる段階;及び前記第1データが前記第2データより大きい場合、前記バッテリーセルの満充電電圧値を前記第1電圧値から第2電圧値に減少させて維持する段階を含む方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパックの充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、バッテリーパックは、ノートパンコン、PDA(Personal Digital Assistant)及びカムコーダーなどのようなポータブル電子機器に装着されて使われる。
【0003】
特に、ノートパンコンは、消費電力が大きくて大容量のバッテリーパックを必要とするが、バッテリーパックの容量を増大させる方法には、バッテリーセル自体の容量を増大させる方法と、同一容量を有する複数のバッテリーセルを並列に連結する方法がある。ところが、前者の場合は、バッテリーセル自体のサイズが大きくなり、後者の場合は、複数のバッテリーセルを使うようになるため、バッテリーパックの体積が大きくなる。
【0004】
よって、一部のユーザは、ポータブル電子機器、特にノートパンコンのような電子機器を使用する間、アダプタをノートパンコンに連結して、ノートパンコンにずっと電力を供給し続ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、バッテリーセルの劣化を減少させてバッテリーセルの安全性を向上させることができるバッテリーパックの充電制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明のバッテリーパックの充電制御方法は、満充電電圧値が第1電圧値に設定された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックの充電制御方法であって、最初充電モードで前記複数のバッテリーセルを前記第1電圧値まで充電する段階;及び前記最初充電モード以後の充電モードで、前記満充電電圧値を前記第1電圧値より低い第2電圧値に再設定して、前記複数のバッテリーセルを充電する段階を含むことができる。
【0007】
また、前記バッテリーパックの充電制御方法は、満充電電圧値が第1電圧値に設定された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックの充電制御方法であって、一定期間の間、何れか一つのバッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階;前記測定される充電容量が前記バッテリーセルの定格容量の90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、90%未満である測定回数を第2データとして記憶する段階;前記第1データと前記第2データを比べる段階;及び前記第1データが前記第2データより大きい場合、前記複数のバッテリーセルの満充電電圧値を前記第1電圧値から第2電圧値に減少させて維持する段階を含むことを特徴とする。この時、前記バッテリーセルの充電容量を測定する段階は、前記バッテリーパックが装着される外部システムがACモードで使用中の場合に行われてもよい。
【0008】
また、前記バッテリーパックの充放電制御方法 前記バッテリーパックの充放電制御方法は、2回目充電モードから複数のバッテリーセルを第2電圧値に充電してもよい。
【0009】
また、本発明のバッテリーパックの充放電制御方法は、満充電容量値が第1容量値に設定された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックの充電制御方法であって、最初充電モードで前記複数のバッテリーセルを前記第1容量値まで充電する段階;前記最初充電モード以後の充電モードで、前記複数のバッテリーセルの前記満充電容量値を前記第1容量値より低い第2容量値に再設定して充電する段階を含むことができる。
【0010】
また、本発明のバッテリーパックの充電制御方法は、満充電容量値が第1容量値に設定された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックの充電制御方法であって、最初充電モード以後に一定期間の間、何れか一つの前記バッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階;前記測定される充電容量が、前記何れか一つのバッテリーセルの定格容量が90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、90%未満である測定回数を第2データとして記憶する段階;前記第1データと前記第2データを比べる段階;及び前記第1データが前記第2データより大きい場合、前記複数のバッテリーセルの満充電容量値を前記第1容量値から第2容量値に減少させて維持する段階を含むことができる。
【0011】
また、前記バッテリーパックの充放電制御方法は、2回目充電モードから複数のバッテリーセルを第2容量値に充電してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法は、一定条件下でバッテリーセルの満充電電圧値または満充電容量値を変化させることで、バッテリーセルの劣化を防止してバッテリーセルの寿命が短縮することを防止し、バッテリーセルの安全性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法が適用されるバッテリーパックを示す回路図である。
【図2】本発明の一実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法を示す順序図である。
【図3】本発明の他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法を示す順序図である。
【図4】本発明のまた他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法を示す順序図である。
【図5】本発明のまた他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法を示す順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
後述する実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。本発明の利点及び特徴、そしてそれを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述される実施例を参照することで明確になるであろう。明細書全体において、同一参照符号は同一構成要素を表す。
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法について詳しく説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法が適用されるバッテリーパックを示す回路図である。
図1を参照すると、本発明の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法が適用されるバッテリーパック100は、充放電が可能な複数のバッテリーセル110とバッテリー管理ユニット(Battery Management Unit)とを含む。一方、本発明の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法が適用されるバッテリーパックは、図1に示す構造を有するバッテリーパックに限られず、後述されるバッテリーパックの充電制御方法を適用できる様々な構造に形成することができる。
【0016】
前記バッテリー管理ユニットは、外部端子120、充電素子130、放電素子140、アナログフロントエンド(Analog Front End;以下「AFE」とする)IC150、制御部160及び記憶部170を含むことができる。前記バッテリー管理ユニットは、複数のバッテリーセル110の電圧及び容量を均一に調節するセルバランス回路(図示せず)及び外部システム200との通信のために制御部160と外部端子120の間にSMBUS180をさらに含むことができる。前記外部端子120とバッテリーセル110の間の経路は、大電流経路(HCP)であり、充放電電流が流れるようになる。
【0017】
前記バッテリーパック100は、充放電が可能な複数のバッテリーセル110を含む。例えば、前記バッテリーセル110は、リチウム二次電池で形成されることができる。前記バッテリーパック100は、外部システム200と連結され、大電流経路を介して充電または放電される。前記外部システム200は、ポータブル電子機器、例えばポータブルノートパンコンを含むことができる。また、前記外部システム200は、バッテリーパック100と電気的に連結されるアダプタ(図示せず)を含むことができる。
【0018】
また、前記バッテリーパック100は、ACモードで使用される外部システム200に装着されて使用される場合、もっと効果的に適用されることができる。ここで、前記ACモードは、外部システム200がAC電源に電気的に連結され、AC電源を電力供給源として使用することを意味する。このような場合、前記外部システム200は、AC電源から自体使用電力の供給を受けながら、一方、バッテリーパック100が充電されるように作動する。よって、ACモードでは、バッテリーパック100は外部システム200に別途の電力を供給せず、外部システム200を介して供給される外部電力を充電するようになる。
【0019】
前記バッテリーセル110は、充放電が可能なバッテリーセルからなり、リチウム二次電池のような二次電池で形成される。前記バッテリーセル110は、AFE IC150と電気的に連結される。前記バッテリーセル110は、各バッテリーセルの電圧、温度、充電容量及び電流量などのセル関連情報をAFE IC150に出力する。
【0020】
前記AFE IC150は、バッテリーセル110から提供されたセル関連情報を制御部160に伝達し、制御部160の制御によって充電素子130及び放電素子140のオン/オフを制御する。
前記制御部160は、バッテリーセル110から受信したバッテリーセル同士の電圧が不均衡であると、バッテリーセル110とAFE IC150の間に直列に連結され、制御部160に直接連結されるセルバランス回路(図示せず)を制御して、バッテリーセル110同士の電圧を均衡にする。
【0021】
以下では、バッテリーパック100の構成要素と機能、バッテリーパック100と外部システム200との関係をさらに詳しく説明する。
前記バッテリーセル110は、複数のバッテリーセルが直列に連結されて形成される。例えば、前記バッテリーセル110は、第1バッテリーセルB1、第2バッテリーセルB2、第3バッテリーセルB3が直列に連結されて形成される。勿論、前記バッテリーセル110の数は、外部システム200が必要とする電力容量によって変えることができ、ここでその数に限定されない。図1において、B+、B−は、それぞれ直列に連結されるバッテリーセル110の正極電源部B+と負極電源部B−を示す。
【0022】
前記外部端子120は、バッテリーセル110と電気的に連結され、大電流経路上の端部に位置する。よって、前記外部端子120は、バッテリーセル110の充放電過程で、バッテリーセル110と外部システム200を互いに電気的に連結する。前記外部端子120は、正極端子P+と負極端子P−を含む。前記正極端子P+は、大電流経路を介してバッテリーセル110の正極電源部B+と連結される。また、前記負極端子P−は、大電流経路を介してバッテリーセル110の負極電源部B−と連結される。よって、前記バッテリーセル110は、外部システム200と外部端子120を介して電気的に連結され、充放電を行うようになる。
【0023】
前記充電素子130及び放電素子140は、外部端子120とバッテリーセル110の間の大電流経路HCP上に直列連結され、バッテリーセル110の充電または放電を制御する。前記充電素子130及び放電素子140は、それぞれ電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor;以下「FET」とする)を含む。前記FETは、寄生ダイオード(parasitic diode;以下「D」とする)を含む。より具体的には、前記充電素子130は、電界効果トランジスタFET1と寄生ダイオードD1からなり、放電素子140は、電界効果トランジスタFET2と寄生ダイオードD2からなる 。前記電界効果トランジスタFET1のソースとドレインの間の接続方向は、電界効果トランジスタFET2とは反対方向に設定する。このような構成によって、前記充電素子130の電界効果トランジスタFET1は、外部端子120からバッテリーセル110への電流の流れを制御するようになり、放電素子140の電界効果トランジスタFET2は、バッテリーセル110から外部端子120への電流の流れを制御するようになる。また、前記充電素子130及び放電素子140に含まれた寄生ダイオードD1、D2は、電界効果トランジスタFET1と電界効果トランジスタFET2によって制御される電流方向と反対方向に電流が流れるように形成される。
【0024】
ここで、前記充電素子130及び放電素子140は、電界効果トランジスタFET1と電界効果トランジスタFET2を含むと説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限られず、他の種類のスイッチング機能を行う素子を使用することができる。
【0025】
前記AFE IC150は、バッテリーセル110、充電素子130、放電素子140及び制御部160と電気的に連結される。前記AFE IC150は、バッテリーセル110の電圧、温度または充電容量を検出して制御部160に伝達し、制御部160の制御によって充電素子130及び放電素子140の動作を制御する。
【0026】
例えば、前記バッテリーパック100が外部電源からなる外部システム200と連結される場合、AFE IC150は、制御部160の制御によって、充電素子130の電界効果トランジスタFET1をオン状態に、放電素子140の電界効果トランジスタFET2をオフ状態に設定して、バッテリーセル110が充電されるようにする。同様に、前記バッテリーパック100が外部負荷からなる外部システム200と連結される場合、AFE IC150は、制御部160の制御によって、充電素子130の電界効果トランジスタFET1をオフ状態に、放電素子140の電界効果トランジスタFET2をオン状態に設定して、バッテリーセル110が放電されるようにする。
【0027】
前記制御部160は、AFE IC150と外部システム200の間に電気的に連結される集積回路(Integrated Circuit;IC)を含んで形成される。前記制御部160は、AFE IC150を介して受信したバッテリーセル110の電圧または充電容量を内部に設定された満充電電圧値または満充電容量値と比べ、その結果によって制御信号をAFE IC150に出力して、充電素子130及び放電素子140をオン/オフする。
【0028】
例えば、前記制御部160が受信したバッテリーセル110の電圧が内部に設定された満充電電圧値、例えば4.2Vを超過すれば、制御部160は満充電状態と判断し、それに対応する制御信号をAFE IC150に出力して、充電素子130の電界効果トランジスタFET1をオフする。よって、前記バッテリーセル110では、外部システム200からの充電が遮断される。この時、前記充電素子130の寄生ダイオードD1は、充電素子130の電界効果トランジスタFET1がオフされても、バッテリーパック100の放電機能を行われるようにする。一方、前記制御部160が受信したバッテリーセル110の電圧が内部に設定された満放電電圧値、例えば2.3Vより小さければ、制御部160は、満放電状態と判断し、それに対応する制御信号をAFE IC150に出力して、放電素子140の電界効果トランジスタFET2をオフする。よって、前記バッテリーセル110では、外部システム200への放電が遮断される。この時、前記放電素子140の寄生ダイオードD2は、放電素子140の電界効果トランジスタFET2がオフされても、バッテリーパック100の充電機能が行われるようにする。
【0029】
また、前記制御部160は、SMBUS180を介して外部システム200と通信する機能を有する。即ち、前記制御部160は、バッテリーセル110の電圧のような情報をAFE IC150を介して受信し、外部システム200に伝達する。この時、前記バッテリーセル110の情報は、SMBUS180を介してクロック信号CLKに同期して、外部システム200に伝達することができる。
【0030】
前記記憶部170は、制御部160と電気的に連結される。前記記憶部170は、制御部160の動作に必要な色々な情報、例えば、満充電電圧値、満放電電圧値のような情報を記憶することができる。また、前記記憶部170は、制御部160が外部システム200から受信した情報を記憶することができる。また、前記記憶部170は、制御部160がAFE IC150から受信した情報を記憶することができる。
以下では、本発明の一実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法をさらに詳しく説明する。
【0031】
図2は、本発明の一実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法を示す順序図である。
図2を参照すると、本発明の一実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法は、満充電電圧値が第1電圧値に設定された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックにおいて、最初充電モード以後に一定期間の間、何れか一つのバッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階S10、測定された充電容量がバッテリーセルの定格容量の90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、90%未満の測定回数を第2データとして記憶する段階S20、第1データと第2データを比べる段階S30、第1データが前記第2データより大きいと、複数のバッテリーセルの満充電電圧値が第1電圧値である場合、満充電電圧値を第1電圧値から第2電圧値に減少させて維持する段階S40を含むことができる。また、前記バッテリーパックの充電制御方法は、満充電電圧値が第2電圧値に再設定されたバッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階S50をさらに含むことができる。
【0032】
前記バッテリーパックの充電制御方法は、満充電電圧値が第1電圧値に設定された最初充電モード以後、バッテリーセルの充電容量を測定して、一定条件で満充電電圧値を第2電圧値に減少させる。ここで、最初充電モードは、バッテリーパックが外部システムに装着されてから初めて充電される場合を意味する。
【0033】
前記バッテリーパックの充電制御方法は、バッテリーパック100が装着される外部システム200がACモードで使用中の場合、もっと効果的に適用されることができる。ここで、前記ACモードは、外部システム200がAC電源に電気的に連結されて使用される場合を意味する。即ち、前記ACモードでは、外部システム200がAC電源に連結され、自体使用電力の供給を受けるようになり、一方、バッテリーパック100が外部システム200を介して供給される電力を充電する。
【0034】
前記段階S10を説明する。前記段階S10は、制御部160が何れか一つのバッテリーセル110の充電容量を多数回測定する段階である。前記複数のバッテリーセル110は、それぞれ満充電電圧値が第1電圧値に設定されている。前記満充電電圧値は、何れか一つのバッテリーセル110が最大に充電された時のバッテリーセル110の電圧値を意味する。よって、前記バッテリーセル110は、バッテリーセルの状態によって、満充電電圧値が互いに異なる。前記制御部160は、好ましくは、満充電電圧値が相対的に高いバッテリーセル110を選定して、充電容量を測定する。前記満充電電圧値は、4.10乃至4.20Vに設定されてもよいが、これはバッテリーセル110の仕様によって変わり、ここでその値に限定されない。以下では、バッテリーセル110の満充電電圧値の第1電圧値が4.17Vである場合を例に挙げて説明する。
【0035】
前記制御部160は、一定期間の間AFE IC150を介して何れか一つのバッテリーセル110の充電容量を多数回測定し、各測定された値をデータ化した後、記憶部170に記憶する。より詳しく説明すると、前記バッテリーパック100が充電されるように外部システム200に連結されている状態で、制御部160は、一定期間の間、一定間隔で何れか一つのバッテリーセル110の充電容量を測定する。例えば、前記制御部160は、2週間30分間隔でバッテリーセル110の充電容量を測定する。この時、測定された充電容量は、RSOC(relative state of charge)として記録することができる。前記RSOCは、制御部160が測定したバッテリーセル110の充電容量をバッテリーセル110の定格容量(バッテリー設計時に最大に設定された容量、即ち満充電容量)で割った値を意味する。例えば、前記バッテリーセル110の定格容量(満充電容量)が1000mAHである場合、測定されたバッテリーセル110の充電容量が800mAHであれば、RSOCは80%になる。
【0036】
前記段階S20を説明する。前記段階S20は、測定される充電容量がバッテリーセルの定格容量の90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、定格容量が90%未満である測定回数を第2データとして記憶する段階である。先ず、前記制御部160は、それぞれ測定されたRSOCが90%以上である場合と90%未満である場合を区分する。前記制御部160は、RSOCが90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、RSOCが90%未満である測定回数を第2データとして記憶する。前記第1データと第2データは、一定期間の間充電容量を全て測定した後一気にカウントされて記憶することができるが、充電容量を測定する度にカウントされて順に記憶することもできる。よって、前記第1データと第2データは、カウントされる全体回数が数値として最終記憶される。
【0037】
前記RSOCが90%以上であるというのは、バッテリーセル110が満充電状態であるか満充電状態に近いということを意味する。前記RSOCが90%以上であることは、大体バッテリーパック100が外部システム200(この時の外部システムはバッテリーパックを充電するシステム)に連結され、バッテリーパック100が充電モード(ACモード)である場合であり得る。また、前記RSOCが90%以上である場合は、充電が完了したバッテリーパック100が外部システム200(この時の外部システムはバッテリーパックの電力を使用するシステム)に連結され、放電を始めるが、RSOCが90%未満に落ちる前の場合であり得る。
【0038】
次に、前記段階S30及び段階S40を説明する。前記段階S30は第1データと第2データを比べる段階である。また、前記段階S40は、第1データが第2データより大きい場合、バッテリーセルの満充電電圧値を第1電圧値から第2電圧値に減少させて維持する段階である。前記制御部160は、第1データと第2データを比べて、第1データと第2データのうちどのデータの数値がもっと大きいかを判断する。前記制御部160は、第1データが第2データより大きい場合、バッテリーセル110の満充電電圧値を第1電圧値から第2電圧値に再設定することができる。この時、前記満充電電圧値は、複数のバッテリーセル110のうち満充電電圧値が最も高いバッテリーセル110の満充電電圧値を基準とする。よって、前記バッテリーパック100は、相対的に劣化が進行しやすい満充電電圧値の高いバッテリーセル110の劣化を、より効率的に防止することができる。
【0039】
前記満充電電圧値の第1電圧値が4.10乃至4.20Vに設定する場合、第2電圧値は第1電圧値よりも0.10乃至0.20V低い電圧値に設定することができる。よって、前記第2電圧値は4.00乃至4.10Vに設定されることができる。前記第2電圧値が4.0Vより低いと、バッテリーセル110の出力電圧が低くなって外部電子機器に対して電力が円滑に供給されなくなり、前記第2電圧値が4.1Vより高いと、バッテリーセル110の劣化する程度を減少させることが難しくなる恐れがある。
【0040】
ここで、前記第1データが第2データより大きいというのは、バッテリーパック100が外部システム200と連結されている場合が多いということを意味する。一般的に、バッテリーパックが充電モードで満充電され続けると、バッテリーセルは時間の経過によって劣化し、寿命が短縮される恐れがある。また、複数のバッテリーセルは、それぞれ劣化が進行する程度が異なる。よって、バッテリーパックは、何れか一つのバッテリーセルだけが過充電または過放電され、結果的にバッテリーパック100が全体的に不安定になる恐れがある。
【0041】
従って、本発明の一実施例にかかるバッテリーパック100の充電制御方法は、第1データが第2データより大きい場合、複数のバッテリーセル110の満充電電圧値を減少させて、バッテリーパック100の充電電圧と出力電圧を減少させることができる。前記充電制御方法は、より好ましくは、第1データを第2データで割った値が3以上である場合、バッテリーセル110の満充電電圧値を減少させる。前記第1データを第2データで割った値が3以上であると、バッテリーパック100が充電モードである場合がバッテリーパック100が充電モードでない場合よりも3倍以上多いということを意味するので、バッテリーセル110が劣化する条件に放置される時間が増加するということを意味する。前記バッテリーセル110は、低い充電電圧状態よりも高い充電電圧状態で比較的に劣化が早く進行する。従って、前記バッテリーセル110は、満充電電圧値が低くなるほど、劣化する程度が減少し、寿命が短縮されなくなる。
【0042】
一方、前記第1データが第2データより小さい場合、より好ましくは、前記第1データを第2データで割った値が3未満である場合は、バッテリーパック100が充電モードである場合が相対的に少ないということを意味する。よって、前記制御部160は、バッテリーセル110の満充電電圧値を第1電圧値に維持した状態で、段階S10を再び行う。より具体的には、前記制御部160は、満充電電圧値が第1電圧値に設定された場合は、前記満充電電圧値を第1電圧値に維持し、満充電電圧値が第2電圧値に設定された場合は、前記満充電電圧値を前記第1電圧値に増加させて、再設定するようになる。この時、前記制御部160は、記憶部170に記憶された測定データをリセットして全て削除する。
【0043】
次に、前記段階S50を説明する。前記段階S50は、バッテリーセルの満充電電圧値が第2電圧値に再設定された後、バッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階である。前記制御部160は、バッテリーセル110の満充電電圧値を第2電圧値に再設定した後、バッテリーセル110の充電容量を多数回測定する。
【0044】
前記バッテリーセル110の満充電電圧値が第2電圧値に再設定されたので、RSOCの基準となる定格容量(制御部が第1電圧値に合わせて設定した満充電容量)も第2電圧値に合わせて再設定される。よって、前記制御部160は、バッテリーセル110の満充電電圧値を第2電圧値に維持した状態で、段階S50を再び行う。この時、前記制御部160は、記憶部170をリセットして、記憶された測定データを全て削除する。
【0045】
また、前記制御部160は、段階S20、S30、S40を順にもう一度行う。
一方、前記充電制御方法は、段階S10と段階S20で、バッテリーセル110のRSOCが30%以下で測定される場合、バッテリーセルの満充電電圧値を増加させる段階P10、P20をさらに含むことができる。前記RSOCが30%以下である場合は、バッテリーセルの充電容量が低い状態を意味する。従って、前記制御部160は、満充電電圧値を前記第1電圧値に増加させて再設定する。より具体的には、前記制御部160は、RSOCが30%以下である場合、現在バッテリーセル110の満充電電圧値が第1電圧値であるか第2電圧値であるかを判別する。また、前記制御部160は、満充電電圧値が第1電圧値に設定された場合は、満充電電圧値を前記第1電圧値に維持し、満充電電圧値が第2電圧値に設定された場合は、満充電電圧値を第1電圧値に増加させて再設定する。
【0046】
また、前記制御部160は、バッテリーセル110の満充電電圧値が第1電圧値である場合は、満充電電圧値を第1電圧値に維持したまま、再び段階S10を行う。また、前記制御部160は、バッテリーセル110の満充電電圧値が第2電圧値である場合は、バッテリーセル110の満充電電圧値を第2電圧値から第1電圧値に増加させて再設定した後、再び段階S10を行う。
【0047】
また、前記充電制御方法は、外部システム200を介してバッテリーパック100をリフレッシュ(refresh)する段階Q10をさらに含むことができる。前記制御部160は、外部システム200からSMBUS180を介してリフレッシュ命令を受信することができる。前記制御部160は、リフレッシュ信号を受信すると、現在設定されている満充電電圧値が第1電圧値であるか第2電圧値であるかを判断する。前記バッテリーセル110の満充電電圧値が第1電圧値である場合は、満充電電圧値を第1電圧値に維持したまま段階S10を行い、バッテリーセル110の満充電電圧値が第2電圧値である場合は、バッテリーセル110の満充電電圧値を第2電圧値から第1電圧値に増加させて再設定した後、段階S10を行う。この時、前記制御部160は、記憶部170をリセットして、測定及び記憶されたデータを全て削除する。
【0048】
次に、本発明の他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法を説明する。
図3は、本発明の他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法を示す順序図である。
【0049】
本発明の他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法は、第1データと第2データによって満充電電圧値の代わりに満充電容量値を再設定することを除いては、本発明の図2の充電制御方法と同一である。よって、以下では、図2の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法と重複する部分は、その説明を省略する。
【0050】
図3を参照すると、本発明の他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法は、満充電容量値が第1容量値に設定された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックにおいて、最初充電モード以後に一定期間の間、何れか一つのバッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階S110、測定された充電容量が何れか一つのバッテリーセルの定格容量の90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、90%未満である測定回数を第2データとして記憶する段階S120、第1データと第2データを比べる段階S130、第1データが第2データより大きい場合、満充電容量値が第1電圧値であれば、満充電容量値を第1容量値から第2容量値に減少させて維持する段階S140を含むことができる。また、前記充電制御方法は、満充電容量値が第2容量値に再設定されたバッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階S150をさらに含むことができる。
【0051】
前記バッテリーパックの充電制御方法は、満充電容量値が第1容量値に設定された最初充電モード以後に、バッテリーセルの充電容量を測定して、一定の条件で満充電容量値を第2容量値に減少させる。
【0052】
前記段階S110を説明する。前記段階S110は、制御部160が何れか一つのバッテリーセル110の充電容量を多数回測定する段階である。前記複数のバッテリーセル110は、それぞれ満充電容量値が第1容量値に設定されている。前記満充電容量値は、バッテリーセル110が最大に充電された時にバッテリーセル110が有する最大充電容量(または最大放電容量)を意味する。よって、前記バッテリーセル110は、バッテリーセルの状態によって満充電容量値が互いに異なる。前記制御部160は、好ましくは、満充電容量値が相対的に高いバッテリーセル110を選定して充電容量を測定する。以下では、前記バッテリーセル110の満充電容量値のうち第1容量値が2600mAhである場合を例に挙げて説明する。
【0053】
前記制御部160は、一定期間の間AFE IC150を介して測定された何れか一つのバッテリーセル110の充電容量を多数回測定して、各測定された値を記憶部170に記憶する。より詳しく説明すると、前記制御部160は、バッテリーパック100が外部システム200と連結されている場合、一定期間の間一定間隔で何れか一つのバッテリーセル110の充電容量を測定する。例えば、前記制御部160は、2週間30分間隔でバッテリーセル110の充電容量を測定する。この時、前記測定された充電容量値は、RSOC(relative state of charge)として記録することができる。前記RSOCは、制御部160がバッテリーセル110の充電容量を測定する当時の充電容量をバッテリーセル110の定格容量(バッテリー設計時、最大に設定された容量、即ち満充電容量)で割った値を意味する。
【0054】
前記段階S120を説明する。前記段階S120は、測定される充電容量がバッテリーセルの定格容量の90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、定格容量が90%未満である測定回数を第2データとして記憶する段階である。前記制御部160は、RSOCが90%以上である場合と90%未満である場合を判別する。その後、前記制御部160は、RSOCが90%以上である回数を第1データとして記憶し、RSOCが90%未満である回数を第2データとして記憶する。前記第1データと第2データは、2週間RSOCを全て測定した後、一気にカウントされて記憶されることができるが、RSOCを測定する度にカウントされて順に記憶されることもできる。よって、前記第1データと第2データは、カウントされる全体回数が最終的に記憶される。
【0055】
前記RSOCが90%以上であるというのは、バッテリーセル110が満充電状態であるか満充電状態に近いということを意味する。前記RSOCが90%以上である場合は、大体バッテリーパック100が外部システム200(この時の外部システムはバッテリーパックを充電するシステム)に連結されて、バッテリーパック100が充電モード(ACモード)である場合を意味する。また、前記RSOCが90%以上である場合は、充電が完了したバッテリーパック100が外部システム200(この時の外部システムはバッテリーパックの電力を使用するシステム)に連結されて放電を始めるが、RSOCが90%未満に落ちる前の場合を意味する。
【0056】
次に、前記段階S130及び段階S140を説明する。前記段階S130は、第1データと第2データを比べる段階である。また、前記段階S140は、第1データが第2データより大きい場合、バッテリーセルの満充電容量値を第1容量値から第2容量値に減少させて維持する段階である。
【0057】
前記制御部160は、第1データと第2データを比べて、どのデータの数値がもっと大きいか判断する。前記制御部160は、第1データが第2データより大きい場合、満充電容量値を第1容量値から第2容量値に減少させて再設定することができる。この時、前記満充電容量値は、複数のバッテリーセル110のうち満充電容量値が最も高いバッテリーセル110の満充電容量値を基準とすることができる。よって、前記バッテリーパック100は、相対的に劣化が進行しやすい満充電容量値の高いバッテリーセル110の劣化をより効率的に防止することができる。
【0058】
前記第2容量値は、第1容量値の80乃至90%の容量値に設定することができる。前記第2容量値が第1容量値の80%より低い場合は、バッテリーセル110の充電容量と出力電圧が減少し、外部システム200に対して電力が円滑に供給されなくなり、第1容量値の90%より高い場合は、バッテリーセル110の劣化する程度を減少させることが難しくなる恐れがある。
【0059】
前記第1データが第2データより大きいというのは、バッテリーパック100が外部システム200に連結されて充電モード(ACモード)である場合が多いことを意味する。また、前記第1データを第2データで割った値が3以上である場合は、バッテリーパック100が充電モードである場合が充電モードでない場合より3倍以上多いということを意味するので、バッテリーセル110が劣化する条件に放置される時間が多くなる。よって、前記第1データが第2データより大きい場合、より好ましくは、第1データを第2データで割った値が3以上である場合、複数のバッテリーセル110の満充電容量値を減少させて、バッテリーパック100が劣化する程度を減少させることができる。
【0060】
また、前記第1データが第2データより小さい場合、より詳細に第1データを第2データで割った値が3未満である場合は、バッテリーパック100が充電モードである場合が相対的に少ないということを意味する。よって、前記制御部160は、バッテリーセル110の満充電容量値が第1容量値に維持された状態で、段階S110を再び行う。即ち、前記制御部160は、満充電容量値が第1容量値に設定された場合は、満充電容量値を第1容量値に維持し、満充電容量値が第2容量値に設定された場合は、満充電容量値を前記第1容量値に増加させて再設定する。また、前記制御部160は、記憶部170をリセットして、記憶された測定データを全て削除する。
【0061】
次に、前記段階S150を説明する。前記段階S150は、バッテリーセルの満充電容量値が第2容量値に再設定された後、バッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階である。前記制御部160は、満充電容量値を第2容量値に再設定した後、第2電圧値に設定されたバッテリーセル110の充電容量を多数回測定して記憶する。前記制御部160は、以後、段階S110、S120、S130を順に再び行う。この場合、バッテリーセル110の満充電容量値が第2電圧値に再設定されたので、RSOCの基準となる定格容量(制御部が第1電圧値に合わせて設定した満充電容量)も第2電圧値に合わせて再設定される。ここで、前記満充電容量値と定格容量は、互いに同じ値に設定されすることができる。
【0062】
一方、前記充電制御方法は、段階S110と段階S120で、バッテリーセル110のRSOCが30%以下に測定される場合、バッテリーセルの満充電容量値を増加させる段階P110、P120をさらに含むことができる。前記RSOCが30%以下である場合は、バッテリーセルの充電容量が低い状態である。従って、前記制御部160は、満充電容量値を前記第1容量値に増加させて再設定する。より具体的には、前記制御部160は、RSOCが30%以下である場合は、現在バッテリーセル110の満充電容量値が第1容量値であるか第2容量値であるかを判別する。また、前記制御部160は、満充電容量値が第1容量値に設定された場合は、満充電容量値を前記第1容量値に維持し、満充電容量値が第2容量値に設定された場合は、満充電容量値を第1容量値に増加させて再設定する。
【0063】
また、前記制御部160は、バッテリーセル110の満充電容量値が第1容量値である場合は、満充電容量値を第1容量値に維持したまま、再び段階S110を行う。また、前記制御部160は、バッテリーセル110の満充電容量値が第2容量値である場合は、バッテリーセル110の満充電容量値を第2容量値から第1容量値に増加させて再設定した後、再び段階S110を行う。
【0064】
また、前記充電制御方法は、外部システム200を介してバッテリーパック100をリフレッシュする段階Q110をさらに含むことができる。前記制御部160は、外部システム200からSMBUS180を介してリフレッシュ命令を受信することができる。前記制御部160は、リフレッシュ信号を受信すると、現在設定されている満充電容量値が第1容量値であるか第2容量値であるか判断する。前記バッテリーセル110の満充電容量値が第1容量値である場合は、満充電容量値を第1容量値に維持したまま、段階S110を行い、バッテリーセル110の満充電容量値が第2容量値である場合は、バッテリーセル110の満充電容量値を第2容量値から第1容量値に増加させて再設定した後、段階S110を行う。この時、前記制御部160は、記憶部170をリセットして、測定及び記憶されたデータを全て削除する。
【0065】
次に、本発明のまた他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法について説明する。
図4は、本発明のまた他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法を示す順序図である。
【0066】
本発明のまた他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法は、満充電電圧値が第1電圧値に設定された複数のバッテリーセル110を、最初充電モードで第1電圧値まで充電する段階S210及び最初充電モード以後の充電モードで複数のバッテリーセル110の満充電電圧値を第1電圧値より低い第2電圧値に再設定して充電する段階S220を含むことができる。
【0067】
前記複数のバッテリーセル110は、それぞれ満充電電圧値が第1電圧値に設定されている。前記満充電電圧値は、バッテリーセル110が最大に充電された時のバッテリーセル110の電圧値を意味する。一般的に、前記バッテリーセル110の満充電電圧値は4.17Vに設定されているが、これはバッテリーセル110の仕様によって変更可能であり、これに限定されない。以下では、前記バッテリーセル110の満充電電圧値の第1電圧値が4.17Vである場合を例に挙げて説明する。
【0068】
前記バッテリーパック100は、外部システム200に装着された後、最初充電モードで満充電電圧値が第1電圧値になるまで充電される。即ち、前記満充電電圧値が4.17Vになるまで充電される。この時、前記外部システム200はACモードで使用される。
【0069】
前記制御部160は、最初充電モード以後の充電モードでは、好ましく2回目充電モードから、複数のバッテリーセル110の満充電電圧値を前記第1電圧値より低い第2電圧値に再設定する。前記バッテリーパック100は、外部システム200に装着された場合、外部システム200に電力を供給しなくなるので、自然放電のみによって放電を行うようになる。よって、前記バッテリーパックは、放電される電力が相対的に少なくなるので、2回目の充電モードから相対的に低い満充電電圧値に充電することが好ましい。
【0070】
従って、前記制御部160は、最初充電モード以後の充電モードでは、バッテリーセル110の満充電電圧値を減少させて充電することで、バッテリーパック100の出力電圧を減少させ、バッテリーパック100が劣化する程度を減少させることができる。
【0071】
前記バッテリーパック100が充電モードで満充電され続けると、複数のバッテリーセル110は、時間の経過によって劣化し、寿命が短縮される恐れがある。また、前記複数のバッテリーセル110は、劣化が進行する程度が互いに異なって、結果的にバッテリーパック100が不安全になる恐れがある。
【0072】
前記バッテリーパックの充電制御方法で、満充電電圧値の第1電圧値が4.10乃至4.20Vに設定される場合、第2電圧値は第1電圧値より0.10乃至0.20V低い電圧値に設定することができる。よって、前記第2電圧値は、4.00乃至4.10Vに設定することができる。前記第2電圧値が4.0Vより低い場合は、バッテリーセル110の出力電圧が低くなって、外部電子機器に対して電力が円滑に供給されなくなり、前記第2電圧値が4.1Vより高い場合は、バッテリーセル110の劣化する程度を減少させることが難しくなる恐れがある。
【0073】
次に、本発明のまた他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法について説明する。
図5は、本発明のまた他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法を示す順序図である。
【0074】
本発明のまた他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法は、満充電容量値が第1容量値に設定された複数のバッテリーセル110を、最初充電モードで第1容量値まで充電する段階S310及び最初充電モード以後の充電モードで複数のバッテリーセル110の満充電容量値を第1容量値より低い第2容量値に再設定して充電する段階S320を含むことができる。
本発明のまた他の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法は、満充電電圧値の代わりに満充電容量値を再設定することを除いて、本発明の図4の充電制御方法と同一である。よって、以下では、図4の実施例にかかるバッテリーパックの充電制御方法と重複する部分は、その説明を省略する。
【0075】
前記複数のバッテリーセル110は、それぞれ満充電容量値が第1容量値に設定されている。前記満充電容量値は、バッテリーセル110が最大に充電された時にバッテリーセル110が有する最大充電容量(または最大放電容量)を意味する。以下では、バッテリーセル110の満充電容量値のうち第1容量値が2600mAhである場合を例に挙げて説明する。
【0076】
前記バッテリーパック100は、外部システム200に装着された後、最初充電モード(ACモード)で満充電容量値が第1容量値になるまで充電することができる。即ち、前記バッテリーパック100は、満充電容量値が2600mAhになるまで充電することができる。
【0077】
前記制御部160は、最初充電モード以後の充電モードでは、好ましく2回目充電モードから、複数のバッテリーセル110の満充電容量値を第1容量値より低い第2容量値に再設定する。よって、前記バッテリーパック100は第2容量値に充電される。
【0078】
前記第2容量値は、第1容量値の80乃至90%の値を有するように設定されることができる。前記第2容量値が第1容量値の80%より低い場合は、バッテリーセル110の出力電圧が低くなって、外部システム200に対して電力が円滑に供給されなくなり、第1容量値の90%より高い場合は、バッテリーセル110の劣化する程度を減少させることが難しくなる恐れがある。
上述した様々な実施例にかかるバッテリーパック及びバッテリーパックの充電制御方法は、バッテリーセル110の充電容量を測定して、所定条件下でバッテリーセル110の満充電電圧値または満充電容量値を変化させることで、バッテリーセル110の劣化を防止して、バッテリーセル110の寿命が短縮されることを防止し、バッテリーセル110の安全性を向上させることができる効果がある。
【0079】
以上、添付図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できるということを理解できるであろう。従って、以上で記述した実施例は、全ての側面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されるべきで、本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって定まり、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から導出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
満充電電圧値が第1電圧値に設定された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックの充電制御方法であって、
最初充電モードで前記複数のバッテリーセルを前記第1電圧値まで充電する段階;及び
前記最初充電モード以後の充電モードで、前記満充電電圧値を前記第1電圧値より低い第2電圧値に再設定して、前記複数のバッテリーセルを充電する段階を含むことを特徴とするバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項2】
前記最初充電モード以後に一定期間の間、何れか一つの前記バッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階;
前記測定される充電容量が前記バッテリーセルの定格容量の90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、90%未満である測定回数を第2データとして記憶する段階;
前記第1データと前記第2データを比べる段階;及び
前記第1データが前記第2データより大きい場合、前記複数のバッテリーセルの満充電電圧値を前記第1電圧値から第2電圧値に減少させて維持する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項3】
前記バッテリーセルの充電容量を測定する段階は、前記バッテリーパックが装着される外部システムがACモードで使用中の場合に行われることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項4】
前記第1電圧値を前記第2電圧値に減少させて維持する段階で、前記満充電電圧値は、前記複数のバッテリーセルのうち前記満充電電圧値が最も高い前記バッテリーセルの満充電電圧値を基準に設定されることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項5】
前記満充電電圧値を前記第1電圧値から前記第2電圧値に減少させる段階は、前記第1データを前記第2データで割った値が3以上である場合に行われることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項6】
前記第1電圧値が4.10乃至4.20Vに設定される場合、第2電圧値は、第1電圧値より0.10乃至0.20V低い電圧値に設定されることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項7】
前記バッテリーセルの充電容量を測定する段階は、前記測定された充電容量が前記定格容量の30%未満に測定される場合、
前記満充電電圧値が前記第1電圧値に設定された場合は、前記満充電電圧値を前記第1電圧値に維持し、
前記満充電電圧値が前記第2電圧値に設定された場合は、前記満充電電圧値を前記第1電圧値に増加させて再設定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項8】
前記第1データが前記第2データより小さい場合、
前記満充電電圧値が前記第1電圧値に設定された場合は、前記満充電電圧値を前記第1電圧値に維持し、
前記満充電電圧値が前記第2電圧値に設定された場合は、前記満充電電圧値を前記第1電圧値に増加させて再設定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項9】
前記バッテリーパックが外部システムからリフレッシュ命令を受信する場合、
前記複数のバッテリーセルの満充電電圧値が第1電圧値に設定された場合は、前記複数のバッテリーセルの満充電電圧値を第1電圧値に維持し、
前記複数のバッテリーセルの満充電電圧値が第2電圧値に再設定された場合は、前記複数のバッテリーセルの満充電電圧値を前記第1電圧値に増加させて再設定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項10】
前記複数のバッテリーセルは、2回目充電モードから前記第2電圧値に充電されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項11】
前記第2電圧値は、前記第1電圧値より0.10乃至0.20V小さいことを特徴とする請求項10に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項12】
満充電容量値が第1容量値に設定された複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックの充電制御方法であって、
最初充電モードで前記複数のバッテリーセルを前記第1容量値まで充電する段階;
前記最初充電モード以後の充電モードで、前記複数のバッテリーセルの前記満充電容量値を前記第1容量値より低い第2容量値に再設定して充電する段階を含むことを特徴とするバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項13】
前記最初充電モード以後に一定期間の間、何れか一つの前記バッテリーセルの充電容量を多数回測定する段階;
前記測定される充電容量が、前記複数のバッテリーセルの定格容量の90%以上である測定回数を第1データとして記憶し、90%未満である測定回数を第2データとして記憶する段階;
前記第1データと前記第2データを比べる段階;及び
前記第1データが前記第2データより大きい場合、前記複数のバッテリーセルの満充電容量値を前記第1容量値から第2容量値に減少させて維持する段階を含むことを特徴とする請求項12に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項14】
前記バッテリーセルの充電容量を測定する段階は、前記バッテリーパックが装着される外部システムがACモードで使用中の場合に行われることを特徴とする請求項13に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項15】
前記第1容量値を前記第2容量値に減少させて維持する段階で、前記満充電容量値は、前記複数のバッテリーセルのうち前記満充電容量値が最も高い前記バッテリーセルの満充電容量値を基準に設定されることを特徴とする請求項13に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項16】
前記満充電容量値を前記第1容量値から前記第2容量値に減少させる段階は、前記第1データを前記第2データで割った値が3以上である場合に行われれることを特徴とする請求項13に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項17】
前記第2容量値は、前記第1容量値の80乃至90%であることを特徴とする請求項13に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項18】
前記バッテリーセルの充電容量を測定する段階は、前記測定された充電容量が前記定格容量の30%未満に測定される場合、
前記満充電容量値が前記第1容量値に設定された場合は、前記満充電容量値を前記第1容量に維持し、
前記満充電容量値が前記第2容量値に設定された場合は、前記満充電容量値を前記第1容量値に増加させて再設定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項19】
前記第1データが前記第2データより小さい場合、
前記満充電容量値が第1容量値に設定された場合は、前記満充電容量値を第1容量値に維持し、
前記満充電容量値が第2容量値に設定された場合は、前記満充電容量値を前記第1容量値に増加させて再設定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項20】
前記バッテリーパックが外部システムからリフレッシュ命令を受信する場合、
前記満充電容量値が第1容量値に設定された場合は、前記容量値を第1容量値に維持し、
前記満充電容量値が第2容量値に再設定された場合は、前記満充電容量値を 前記第1容量値に増加させて再設定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項21】
前記複数のバッテリーセルは、2回目充電モードから前記第2容量値に充電されることを特徴とする請求項12に記載のバッテリーパックの充電制御方法。
【請求項22】
前記第2容量値は、前記第1容量値の80乃至90%であることを特徴とする請求項21に記載のバッテリーパックの充電制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−82158(P2011−82158A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213767(P2010−213767)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】