バッテリー支持体
【課題】組み立て工程を簡便に、かつ強固にバッテリーを支持することができると共に、組み立て時における粉塵の発生を防止することができるバッテリー支持体を提供する。
【解決手段】対向する一対の挟持部10、12及び該一対の挟持部10、12を連結する連結部16を有し、固定手段3によって一対の挟持部10、12を接近させることにより一対の挟持部10、12の間にバッテリー2を挟持するバッテリー支持体であって、連結部16の少なくとも一部20は、固定手段3によって一対の挟持部10、12を接近させる際に破損するように構成されており、一対の挟持部10、12は、連結部16の破損により接近し、バッテリー2を挟持するように構成されている。
【解決手段】対向する一対の挟持部10、12及び該一対の挟持部10、12を連結する連結部16を有し、固定手段3によって一対の挟持部10、12を接近させることにより一対の挟持部10、12の間にバッテリー2を挟持するバッテリー支持体であって、連結部16の少なくとも一部20は、固定手段3によって一対の挟持部10、12を接近させる際に破損するように構成されており、一対の挟持部10、12は、連結部16の破損により接近し、バッテリー2を挟持するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車に搭載されるバッテリーを支持するバッテリー支持体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気自動車に搭載されるバッテリーを固定するバッテリー固定構造として、対向する2つの支持部材間にバッテリーを配置した後、ボルト等によってこれら2つの支持部材を締め付けることにより、これら2つの支持部材間にバッテリーを固定するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−149805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の固定構造において、複数のバッテリーを積層させて固定する際には、積層数の変動や、各バッテリーの厚さ寸法の差に対応するために、手作業にて一の支持部材と一のバッテリーとを所望の積層数となるまで交互に配置した後、全体をボルト等により締め付けて各支持部材間に各バッテリーを固定する必要があるため、組み立て作業に時間がかかり、生産性が悪いという問題がある。
【0005】
一方、生産性を向上させるためには、バッテリーを支持する複数の支持部材を予め一体成形により成形し、支持部材の組み立て作業を排除することが有効であると考えられる。しかしながら、このような一体成形により成形された支持部材では、予め定められた形状のバッテリーしか支持することができないため、厚さ寸法等が異なるバッテリーを支持するためには、このバッテリーの厚さ寸法等に合わせて切削及び切断作業が必要となり、これにより粉塵(特に、ガラス繊維強化品については、ガラス切断粉)が発生し、製品不良が発生するという問題がある。また、このような支持部材では、バッテリーの積層数の変動に柔軟に対応できないという問題がある。さらに、このような支持部材では組立作業性の要求からバッテリーの厚み公差を考慮したクリアランスを設ける必要があり、振動時のガタ発生による長期信頼性の低下や、クリアランスとして発生した隙間が充放電時の発熱を妨げる断熱層となる等の問題も発生する。
【0006】
そこで、本発明は、組み立て工程を簡便に、かつ強固にバッテリーを支持することができると共に、組み立て時における粉塵の発生を防止することができるバッテリー支持体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明に係るバッテリー支持体は、対向する一対の挟持部及び該一対の挟持部を連結する連結部を有し、固定手段によって前記一対の挟持部を接近させることにより前記一対の挟持部の間にバッテリーを挟持するバッテリー支持体であって、前記連結部の少なくとも一部は、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように構成されており、前記一対の挟持部は、前記連結部の破損により接近し、前記バッテリーを挟持するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
このように、本発明に係るバッテリー支持体は、連結部の破損のみによって一対の挟持部を接近可能にさせ、バッテリーを挟持するものであるため、バッテリー厚みの製作寸法差を吸収し、簡便かつ強固にバッテリーを支持することができると共に、切断及び切削による分断工程が不要になり、組み立て時における粉塵の発生を防止することができる。また、本発明に係るバッテリー支持体は、強固にバッテリーを支持することができるため、車両用途等で要求される高振動環境での信頼性を確保することができる。
【0009】
本発明に係るバッテリー支持体において、前記一対の挟持部のそれぞれと対向するように該一対の挟持部の間に設けられた1以上の中間部を更に備え、前記連結部は、互いに隣接する前記挟持部及び前記中間部のそれぞれを連結し、前記連結部が破損することにより前記挟持部及び前記中間部それぞれが互いに接近し、互いに隣接する前記挟持部及び前記中間部の間それぞれに前記バッテリーを挟持するように構成されていることが好ましい。このように、一対の挟持部の間に1以上の中間部を設けることにより、中間部の数を増やすだけで、所望のバッテリー容量に応じてバッテリーの積層数を柔軟に変更することができ、これにより、バッテリー積層数の変化する多品種製造ラインに適用することができる。
【0010】
また、本発明に係るバッテリー支持体において、前記一対の挟持部及び前記連結部は、一体成形されており、前記連結部の少なくとも一部には、前記一対の挟持部の接近方向と直交する方向に湾曲して突出する凸部が形成され、該凸部の基端部の少なくとも一方又は該凸部の前記一対の挟持部と対向する面の少なくとも一方の一部が、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように形成されているとしても良い。このように、一対の挟持部及び連結部を一体成形により成形する場合には、バッテリー支持体自体の組み立て作業が不要になると共に、バッテリー搭載時(仮組み時)においてバッテリー支持体の形状が保持されるため、生産性及び作業性を向上させることができる。また、一対の挟持部を接近させるという簡便な操作のみでバッテリーを挟持し、固定することができるため、組み立ての自動化を図ることができ、これにより、より生産性を向上させることができる。
【0011】
さらに、本発明に係るバッテリー支持体において、前記一対の挟持部は、それぞれ別体として構成されており、一方の挟持部には、他方の挟持部に向けて突出する突出部が形成され、前記他方の挟持部には、前記突出部が挿入可能な挿入孔と、前記挿入孔に挿入された前記突出部の先端が当接可能で、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように構成されたリブ部と、が形成され、前記突出部及び前記リブ部により前記連結部を構成し、前記突出部が前記挿入孔に挿入されて前記リブ部に当接した第1の状態においては、前記一対の挟持部の間に前記バッテリーを収納可能で、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させ、前記突出部が前記リブ部を破損して更に前記挿入孔内に挿入された第2の状態においては、前記一対の挟持部により、前記バッテリーを挟持するように構成されているとしても良い。このように、一対の挟持部が別体で構成されると共に、一方の挟持部に形成された突出部が他方の挟持部に形成された挿入孔に挿入可能で、かつリブ部に当接可能に構成されていることにより、突出部がリブ部に当接した第1の状態においては、いわゆるスナップフィット(接着剤等を用いない組み立て)により仮組みを行なうことができ、バッテリー搭載時(仮組み時)においてバッテリー支持体の形状が保持されるため、作業性を向上させることができる。
【0012】
またさらに、本発明に係るバッテリー支持体において、前記連結部の破損部位は、他の部位よりも肉薄に形成されているとしても良いし、ウェルドラインと整合する位置に形成されているとしても良い。このように、連結部の破損部位が肉薄に形成されるか、若しくはウェルドラインと整合する位置に形成されることにより、破損が誘導されるため、連結部を所望の位置で正確に破損させることができると共に、粉塵の発生をより防止し、製品不良を削減することができる。ここで、ウェルドラインとは、射出成形において、金型内で溶融樹脂の流れが合流して融着した部分に発生する細い線(流動境界)のことをいう。ウェルドラインは、流動境界が融着した部分であることから、他の部分に比して強度が低く、発生した細い線に沿って容易に破壊分断できる。また、例えばバッテリー支持体をガラス短繊維強化樹脂により形成した場合においては、流動境界を跨ぐガラス繊維が存在しないか僅少であるため、ウェルドラインに沿って折損させることにより、ガラス繊維の破砕片発生を防止することができる。
【0013】
以上のように、本発明に係るバッテリー支持体によれば、組み立て工程を簡便に、かつ強固にバッテリーを支持することができると共に、組み立て時における粉塵の発生を防止することができるバッテリー支持体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係るバッテリー支持体の概略構成に示す正面斜視図である。
【図2】図1のA−A´線に沿った断面図である。
【図3】図2に示した第1実施形態に係るバッテリー支持体の凸部を拡大して示す部分拡大図である。
【図4A】第1実施形態に係るバッテリー支持体にバッテリーを収納した状態を示す概略断面図である。
【図4B】第1実施形態に係るバッテリー支持体の連結部を破損させてバッテリーを挟持した状態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るバッテリー支持体の概略構成を示す正面斜視図である。
【図6】図5のB−B´線に沿った断面図である。
【図7A】第2実施形態に係るバッテリー支持体を仮組みし、バッテリーを収納した状態を示す概略断面図である。
【図7B】第2実施形態に係るバッテリー支持体のリブ部を破損させてバッテリーを挟持した状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の第1実施形態に係るバッテリー支持体1について、図面に基づいて説明する。第1実施形態に係るバッテリー支持体1は、図1に示すように、対向する一対の挟持板10、12(以下、それぞれ「第1の挟持板10」、「第2の挟持板12」という。)と、これら第1及び第2の挟持板10、12のそれぞれと対向するように第1及び第2の挟持板10、12の間に設けられた中間板14と、第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12をそれぞれ連結する連結部16と、を備えている。
【0016】
第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12は、それぞれ、例えばガラス短繊維強化樹脂から形成されている。また、これら第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12は、それぞれ、図1及び図2に示すように、高さ方向を長辺とし、バッテリー2の側面よりも大きい形状を有する長方形の板部材からなり、短辺方向に凹凸を繰り返す凸凹形状に形成されている。これら第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12は、互いに平行で、かつそれぞれの表面に垂直な方向(すなわち、第1の挟持板10及び第2の挟持板12の接近する方向。以下、単に「接近方向」ということもある。)に整列して設けられている。また、これら第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12は、第1の挟持板10及び中間板14の間並びに中間板14及び第2の挟持板12の間にそれぞれバッテリー2を挿脱自在に収納できる程度に離間している。
【0017】
連結部16は、第1の挟持板10の四隅と中間板14の四隅とを連結すると共に、中間板14の四隅と第2の挟持板12の四隅とを連結するように、第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12と一体成形により一体的に形成されている。このそれぞれ四隅に形成された連結部16のうち上方側の各連結部16は、各挟持板10、12の上端部と連続して中間板14の上端部に延びる上面と、この上面と連続する外側の側面とが互いに垂直に交わる形状に形成されている。各連結部16には、第1の挟持板10及び第2の挟持板12の接近方向と直交、かつバッテリー支持体1の内部に向かう方向に湾曲して突出する凸部18が形成されている。また、各連結部16は、連結部16の射出成形時に発生するウェルドライン(流動境界)が、凸部18の一方側の基端部20と整合する位置に発生するように成形されており、この基端部20は、それぞれ、図3に示すように、第1の挟持板10及び第2の挟持板12が接近方向に押圧された際に他の部位よりも優先して破損する程度に、他の部位よりも肉薄に形成されている。凸部18の頂上部の接近方向の長さは、第1の挟持板10及び中間板14の間にバッテリー2が収納された際に生じる隙間22の接近方向の長さ、並びに、中間板14及び第2の挟持板12の間にバッテリー2が収納された際に生じる隙間24の接近方向の長さのいずれか長い方と同じ長さ又はそれよりも長い長さに形成されている。
【0018】
第1の挟持板10及び第2の挟持板12には、それぞれ、その上端部から中間板14側に突出するフランジ11、13が形成されており、中間板14には、その上端部から第1の挟持板10及び第2の挟持板12側にそれぞれ突出するフランジ15が形成されている。これらフランジ11、13、15は、連結部16の上面と連続して形成されており、これら連結部16の上面及びフランジ11、13、15により、バッテリー支持体1の上面に2つの開口が形成されている。これらフランジ11、13、15及び連結部16の突出する長さは、バッテリー支持体1の上面に形成される各開口の形状が、第1の挟持板10及び中間板14の間並びに中間板14及び第2の挟持板12の間に収納されたバッテリー2がこの開口から抜け落ちないような形状となるように調整されている。
【0019】
第1実施形態に係るバッテリー支持体1は、既知の固定手段3によって第1の挟持板10及び第2の挟持板12が互いに接近する方向に押圧された際に各連結部16が破損し、これにより、第1の挟持板10及び第2の挟持板12が互いに接近してバッテリー2を挟持するように構成されている。固定手段3は、種々のものを用いることができるが、例えば図4A及び図4Bに示すような、一対の締結用エンドプレート4、4と、これら一対の締結用エンドプレート4、4の四隅を連結する締結用ボルト6、6とを備え、締結用ボルト6、6の締結によって一対の締結用エンドプレート4、4を接近させる方向に押圧するものを用いることができる。
【0020】
次に、このように構成されたバッテリー支持体1によってバッテリー2を挟持する構成について、図4A及び図4Bを用いて説明する。まず、図4Aに示すように、第1の挟持板10の接近方向の外側(図4A中、左側)の面上に一方の締結用エンドプレート4を設けると共に、第2の挟持板12の接近方向の外側(図4A中、右側)の面上に他方の締結用エンドプレート4を設け、締結用ボルト6、6をこれら一対の締結用エンドプレート4、4に緩く締結させることにより、第1実施形態に係るバッテリー支持体1に固定手段3を取付ける(仮組み工程)。また、この仮組み工程と同時に又は前後して、第1の挟持板10及び中間板14の間並びに中間板14及び第2の挟持板12の間にそれぞれバッテリー2を収納させる。この際、連結部16の凸部18は、バッテリー2の位置決めを行なう位置決め部として機能し、また、第1の挟持板10及び中間板14とバッテリー2との間並びに中間板14及び第2の挟持板12とバッテリー2との間には、それぞれ隙間22、24が存在している。次に、図4Bに示すように、固定手段3の締結用ボルト6、6の締結により、締結用エンドプレート4、4を介して第1の挟持板10と第2の挟持板12とを互いに接近する方向に押圧し、第1の挟持板10及び第2の挟持板12のそれぞれに対して中間板14に接近する方向の力を加える。この際、第1の挟持板10及び第2の挟持板12を押圧する力は、湾曲部分である各連結部16の凸部18の双方の基端部に集中するが、凸部18の基端部のうち一方の基端部20は、肉薄に形成されているため容易に破損(破断)する。そして、この各連結部16の破損及び締結用ボルト6、6の締結により、第1の挟持板10及び第2の挟持板12が互いに接近する方向に移動し、これら第1の挟持板10及び第2の挟持板12によって、中間板14及び中間板14を介して積層された2個のバッテリー2、2を挟持し、強固に固定する。その後、バッテリー2の保冷効果等を向上させるために、第1の挟持板10、第2の挟持板12及び中間板14と各バッテリー2、2との間に例えば放熱材等を収納(充填)させる。
【0021】
このように、第1実施形態に係るバッテリー支持体1によれば、連結部16の破損のみによって第1の挟持板10及び第2の挟持板12を接近させ、バッテリー2、2を挟持するものであるため、バッテリー2、2の形状や厚みの製作寸法差等に関わらず、簡便かつ強固にバッテリーを支持することができる。また、第1実施形態に係るバッテリー支持体1は、凸部18の一方側の基端部20がウェルドライン(流動境界)と整合する位置となるように連結部16を形成し、本来であれば破断欠陥の原因となるウェルドライン(流動境界)を分断線として活用することにより、粉塵をほとんど発生させることなく連結部16を破損(破断)させることができる。
【0022】
第1実施形態に係るバッテリー支持体1は、第1の挟持板10、第2の挟持板12及び中間板14を備えるものであるが、これに限定されず、少なくとも第1の挟持板10及び第2の挟持板12を備えるものであれば良い。また、例えば第1の挟持板10及び第2の挟持板12の間に複数の中間板14を設けることにより、3個以上のバッテリー2を挟持するようにしても良い。このように、複数のバッテリー2を支持することができるバッテリー支持体においては、例えば中間板14及び第2の挟持板12を連結する連結部16の肉薄な基端部20を分断させることにより、第1の挟持板10及び中間板14から第2の挟持板12を切り離すことができるため、所望のバッテリー容量に応じてバッテリーの積層数を柔軟に変更することができ、これにより、バッテリー積層数の変化する多品種製造ラインに適用することができる。なお、この場合には、第1の挟持板10から最も離れた位置に配置された中間板14が第2の挟持板として機能することとなる。このような連結部16の破断分割は、生産準備時や組み立て後のバッテリー厚み調整時などの任意の工程で行うことができる。
【0023】
また、第1実施形態に係るバッテリー支持体1において、連結部16は、第1の挟持板10の四隅と中間板14の四隅とを連結すると共に、中間板14の四隅と第2の挟持板12の四隅とを連結するとしたが、これに限定されず、少なくとも1箇所において第1の挟持板10及び中間板14並びに中間板14及び第2の挟持板12を連結すれば良い。
【0024】
さらに、第1実施形態に係るバッテリー支持体1において、連結部16の肉薄な部位は、凸部18の一方側の基端部20としたが、これに限定されず、凸部18の基端部の双方又は凸部18の第1の挟持板10及び第2の挟持板12と対向する面の少なくとも一方の一部に形成されるとしても良い。また、第1実施形態に係るバッテリー支持体1において、連結部16の基端部20(破損部位)は、肉薄に形成されると共に、ウェルドラインと整合する位置に形成されるとしたが、これに限定されず、破損可能な程度の強度に形成されていれば良く、例えば肉薄に形成されるだけでも良いし、ウェルドラインと整合する位置に形成されるだけでも良い。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態に係るバッテリー支持体101について、図面に基づいて説明する。第2実施形態に係るバッテリー支持体101は、互いに平行で、かつそれぞれの正面112に垂直な方向に整列して設けられた2つ以上の挟持板110により構成されている(図7A及び図7B参照)。
【0026】
各挟持板110は、図5及び図6に示すように、例えばガラス短繊維強化樹脂からなり、高さ方向を長辺とし、バッテリー2の側面よりも大きい形状を有する長方形状で、かつ短辺方向に凹凸を繰り返す凸凹形状を有する板状に形成されている。
【0027】
挟持板110の一方側の表面112(以下、「正面112」という。)の四隅には、この正面112から前方(図5中、手前側方向)に向けて突出する突出部118a乃至118dがそれぞれ形成されている。この突出部118a乃至118dは、平板形状を有し、その先端は、他の部位よりも肉厚に形成されるとともに、前方に向けて先細りとなるテーパー面を有している。
【0028】
挟持板110の他方側の表面114(以下、「背面114」という。)の四隅には、この背面114から後方(図5中、奥側方向)に向けて突出するフランジ120a乃至120dがそれぞれ形成されている。この4つのフランジ120a乃至120dのうち背面114の上方側に形成される2つのフランジ120a、120bは、挟持板110の上端部と連続して背面114から後方に向けて延びる上面と、この上面の先端から下方に向けて延びる背面と、これら上面及び背面と連続する内側の側面と、の3つの面が互いに垂直に交わる形状に形成されている。また、フランジ120のうち背面114の下方側に形成される2つのフランジ120b、120dは、挟持板110の下端部と連続して背面114から後方に向けて延びる下面と、この下面の先端から上方に向けて延びる背面と、これら下面及び背面と連続する内側の側面と、の3つの面が互いに垂直に交わる形状に形成されている。これら各フランジ120a乃至120dの背面には、他の挟持板110の突出部118a乃至118dが挿入可能な挿入孔122a乃至122d(フランジ120aの挿入孔122aは、図示せず。)が形成されている。挟持板110の背面114と各フランジ120a乃至120dの背面との間には、それぞれ、表面が各フランジ120a乃至120dの背面と対向するように、各フランジ120a乃至120dの側面から背面及び上面又は下面と平行に各フランジ120a乃至120d内を延びる平板形状のリブ部124a乃至124d(フランジ120aのリブ部124aは、図示せず。)が形成されている。この各リブ部124a乃至124dは、それぞれ、隣接する他の挟持板110の各突出部118a乃至118dが各挿入孔122a乃至122dを介して各フランジ120a乃至120d内に挿入された際に、隣接する他の挟持板110の各突出部118a乃至118dの先端がそれぞれ当接するように設けられている。また、この各リブ部124a乃至124dは、それぞれ、固定手段3によって隣接する挟持板110、110同士が接近された際に、隣接する他の挟持板110の各突出部118a乃至118dによって容易に破損するように形成されている。
【0029】
各突出部118a乃至118dの長さ及び各リブ部124a乃至124dの形成される位置は、隣接する他の挟持板110の各突出部118a乃至118dが各挿入孔122a乃至122dに挿入されて各リブ部124a乃至124dに当接した仮組み状態において、隣接する挟持板110、110間にバッテリー2を出し入れすることができ、かつバッテリー2と挟持板110、110間に若干の隙間が形成される程度に調整されている。
【0030】
次に、このように構成されたバッテリー支持体101によってバッテリー2を挟持する構成について、図7A及び図7Bを用いて説明する。以下、図7A及び図7Bにおいて、図中最も左側(各挟持板110の正面112側)に位置する挟持板110を第1挟持板110Aとし、その隣の挟持板110から順に、第2挟持板110B、第3挟持板110Cとする。また、第1挟持板110Aは、固定手段3による締結をバランス良く行なうために、突出部118a乃至118dが予め取り除かれているか、若しくは当初から突出部118a乃至118dが形成されていないものを用いることとする。まず、図7Aに示すように、第2挟持板110Bの各突出部118a乃至118dを第1挟持板110Aの各挿入孔122a乃至122dに挿入させて各リブ部124a乃至124dに当接させると共に、第3挟持板110Cの各突出部118a乃至118dを第2挟持板110Bの各挿入孔122a乃至122dに挿入させて各リブ部124a乃至124dに当接させて、バッテリー支持体101をスナップフィットにより仮組みする。その後、第1挟持板110Aの正面112上に一方の締結用エンドプレート4を設けると共に、第3挟持板110Cの背面114上に他方の締結用エンドプレート4を設け、締結用ボルト6、6をこれら一対の締結用エンドプレート4、4に緩く締結させることにより、第2実施形態に係るバッテリー支持体101に固定手段3を取付ける。また、その後又は固定手段3の取付け前に、第1挟持板110A及び第2挟持板110Bの間並びに第2挟持板110B及び第3挟持板110Cの間にそれぞれバッテリー2、2を収納させる。この際、第1挟持板110A及び第2挟持板110Bとバッテリー2との間並びに第2挟持板110B及び第3挟持板110Cとバッテリー2との間には、それぞれ隙間126、128が存在している。次に、図7Bに示すように、固定手段3の締結用ボルト6、6の締結により、締結用エンドプレート4、4を介して第1挟持板110Aと第3挟持板110Cとを互いに接近する方向に押圧し、第1挟持板110A及び第3挟持板110Cのそれぞれに対して第2挟持板110Bに接近する方向の力を加える。これにより、第2挟持板110Bの各突出部118a乃至118dが第1挟持板110Aの各リブ部124a乃至124dを破損して更に第1挟持板110Aの各挿入孔122a乃至122d内に挿入されると共に、第3挟持板110Cの各突出部118a乃至118dが第2挟持板110Bの各リブ部124a乃至124dを破損して更に第2挟持板110Bの各挿入孔122a乃至122d内に挿入される。そして、これら第1挟持板110A及び第2挟持板110Bの各リブ部124a乃至124dの破損並びに締結用ボルト6、6の締結により、第1挟持板110A及び第3挟持板110Cによって第2挟持板110B及び第2挟持板110B介して積層された2個のバッテリー2、2を挟持し、強固に固定する。その後、バッテリー2の保冷効果等を向上させるために、各挟持板110A乃至110Cと各バッテリー2、2との間に例えば放熱材等を収納(充填)させる。
【0031】
このように、第2実施形態に係るバッテリー支持体101によれば、各リブ部124a乃至124dの破損によって対向する一対の面を構成する第1挟持板110A及び第3挟持板110Cを接近させ、バッテリー2、2を挟持するものであるため、バッテリー2、2の形状や厚みの製作寸法差等に関わらず、簡便かつ強固にバッテリーを支持することができる。また、第2実施形態に係るバッテリー支持体101によれば、第1挟持板110A及び第3挟持板110Cの間に設けられ、中間板として機能する第2挟持板110Bを増やすだけで、所望のバッテリー容量に応じてバッテリーの積層数を柔軟に変更することができ、これにより、バッテリー積層数の変化する多品種製造ラインに適用することができる。
【0032】
第2実施形態に係るバッテリー支持体101において、リブ部の124a乃至124d(破損部位)は、破損可能な程度の強度に形成されていれば良く、例えば肉薄に形成されても良いし、ウェルドラインと整合する位置に形成されても良い。
【0033】
本発明に係るバッテリー支持体は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。例えば、第1及び第2実施形態に係るバッテリー支持体1、101において、挟持板10、12、110及び中間板14は、それぞれ、短辺方向に凹凸を繰り返す凸凹形状に形成されているとしたが、これに限定されず、平板形状や、ブロック形状など、任意の形状に形成することができる。この場合において、各挟持板及び中間板は、例えばそれらの少なくとも内面側に凹部を形成すること等により、バッテリー支持体にバッテリーを挟持させた状態において、各挟持板及び中間板とバッテリーとの間に例えば放熱材等の被収納物を収納(充填)可能な形状に形成されること好ましく、これにより、バッテリーの保冷効果等を向上させる等の効果を付与することができる。
【符号の説明】
【0034】
1、101 バッテリー支持体、2 バッテリー、10 第1の挟持板、12 第2の挟持板、14 中間板、16 連結部、18 凸部、20 一方側の基端部、110 挟持板
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車に搭載されるバッテリーを支持するバッテリー支持体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気自動車に搭載されるバッテリーを固定するバッテリー固定構造として、対向する2つの支持部材間にバッテリーを配置した後、ボルト等によってこれら2つの支持部材を締め付けることにより、これら2つの支持部材間にバッテリーを固定するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−149805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の固定構造において、複数のバッテリーを積層させて固定する際には、積層数の変動や、各バッテリーの厚さ寸法の差に対応するために、手作業にて一の支持部材と一のバッテリーとを所望の積層数となるまで交互に配置した後、全体をボルト等により締め付けて各支持部材間に各バッテリーを固定する必要があるため、組み立て作業に時間がかかり、生産性が悪いという問題がある。
【0005】
一方、生産性を向上させるためには、バッテリーを支持する複数の支持部材を予め一体成形により成形し、支持部材の組み立て作業を排除することが有効であると考えられる。しかしながら、このような一体成形により成形された支持部材では、予め定められた形状のバッテリーしか支持することができないため、厚さ寸法等が異なるバッテリーを支持するためには、このバッテリーの厚さ寸法等に合わせて切削及び切断作業が必要となり、これにより粉塵(特に、ガラス繊維強化品については、ガラス切断粉)が発生し、製品不良が発生するという問題がある。また、このような支持部材では、バッテリーの積層数の変動に柔軟に対応できないという問題がある。さらに、このような支持部材では組立作業性の要求からバッテリーの厚み公差を考慮したクリアランスを設ける必要があり、振動時のガタ発生による長期信頼性の低下や、クリアランスとして発生した隙間が充放電時の発熱を妨げる断熱層となる等の問題も発生する。
【0006】
そこで、本発明は、組み立て工程を簡便に、かつ強固にバッテリーを支持することができると共に、組み立て時における粉塵の発生を防止することができるバッテリー支持体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明に係るバッテリー支持体は、対向する一対の挟持部及び該一対の挟持部を連結する連結部を有し、固定手段によって前記一対の挟持部を接近させることにより前記一対の挟持部の間にバッテリーを挟持するバッテリー支持体であって、前記連結部の少なくとも一部は、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように構成されており、前記一対の挟持部は、前記連結部の破損により接近し、前記バッテリーを挟持するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
このように、本発明に係るバッテリー支持体は、連結部の破損のみによって一対の挟持部を接近可能にさせ、バッテリーを挟持するものであるため、バッテリー厚みの製作寸法差を吸収し、簡便かつ強固にバッテリーを支持することができると共に、切断及び切削による分断工程が不要になり、組み立て時における粉塵の発生を防止することができる。また、本発明に係るバッテリー支持体は、強固にバッテリーを支持することができるため、車両用途等で要求される高振動環境での信頼性を確保することができる。
【0009】
本発明に係るバッテリー支持体において、前記一対の挟持部のそれぞれと対向するように該一対の挟持部の間に設けられた1以上の中間部を更に備え、前記連結部は、互いに隣接する前記挟持部及び前記中間部のそれぞれを連結し、前記連結部が破損することにより前記挟持部及び前記中間部それぞれが互いに接近し、互いに隣接する前記挟持部及び前記中間部の間それぞれに前記バッテリーを挟持するように構成されていることが好ましい。このように、一対の挟持部の間に1以上の中間部を設けることにより、中間部の数を増やすだけで、所望のバッテリー容量に応じてバッテリーの積層数を柔軟に変更することができ、これにより、バッテリー積層数の変化する多品種製造ラインに適用することができる。
【0010】
また、本発明に係るバッテリー支持体において、前記一対の挟持部及び前記連結部は、一体成形されており、前記連結部の少なくとも一部には、前記一対の挟持部の接近方向と直交する方向に湾曲して突出する凸部が形成され、該凸部の基端部の少なくとも一方又は該凸部の前記一対の挟持部と対向する面の少なくとも一方の一部が、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように形成されているとしても良い。このように、一対の挟持部及び連結部を一体成形により成形する場合には、バッテリー支持体自体の組み立て作業が不要になると共に、バッテリー搭載時(仮組み時)においてバッテリー支持体の形状が保持されるため、生産性及び作業性を向上させることができる。また、一対の挟持部を接近させるという簡便な操作のみでバッテリーを挟持し、固定することができるため、組み立ての自動化を図ることができ、これにより、より生産性を向上させることができる。
【0011】
さらに、本発明に係るバッテリー支持体において、前記一対の挟持部は、それぞれ別体として構成されており、一方の挟持部には、他方の挟持部に向けて突出する突出部が形成され、前記他方の挟持部には、前記突出部が挿入可能な挿入孔と、前記挿入孔に挿入された前記突出部の先端が当接可能で、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように構成されたリブ部と、が形成され、前記突出部及び前記リブ部により前記連結部を構成し、前記突出部が前記挿入孔に挿入されて前記リブ部に当接した第1の状態においては、前記一対の挟持部の間に前記バッテリーを収納可能で、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させ、前記突出部が前記リブ部を破損して更に前記挿入孔内に挿入された第2の状態においては、前記一対の挟持部により、前記バッテリーを挟持するように構成されているとしても良い。このように、一対の挟持部が別体で構成されると共に、一方の挟持部に形成された突出部が他方の挟持部に形成された挿入孔に挿入可能で、かつリブ部に当接可能に構成されていることにより、突出部がリブ部に当接した第1の状態においては、いわゆるスナップフィット(接着剤等を用いない組み立て)により仮組みを行なうことができ、バッテリー搭載時(仮組み時)においてバッテリー支持体の形状が保持されるため、作業性を向上させることができる。
【0012】
またさらに、本発明に係るバッテリー支持体において、前記連結部の破損部位は、他の部位よりも肉薄に形成されているとしても良いし、ウェルドラインと整合する位置に形成されているとしても良い。このように、連結部の破損部位が肉薄に形成されるか、若しくはウェルドラインと整合する位置に形成されることにより、破損が誘導されるため、連結部を所望の位置で正確に破損させることができると共に、粉塵の発生をより防止し、製品不良を削減することができる。ここで、ウェルドラインとは、射出成形において、金型内で溶融樹脂の流れが合流して融着した部分に発生する細い線(流動境界)のことをいう。ウェルドラインは、流動境界が融着した部分であることから、他の部分に比して強度が低く、発生した細い線に沿って容易に破壊分断できる。また、例えばバッテリー支持体をガラス短繊維強化樹脂により形成した場合においては、流動境界を跨ぐガラス繊維が存在しないか僅少であるため、ウェルドラインに沿って折損させることにより、ガラス繊維の破砕片発生を防止することができる。
【0013】
以上のように、本発明に係るバッテリー支持体によれば、組み立て工程を簡便に、かつ強固にバッテリーを支持することができると共に、組み立て時における粉塵の発生を防止することができるバッテリー支持体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係るバッテリー支持体の概略構成に示す正面斜視図である。
【図2】図1のA−A´線に沿った断面図である。
【図3】図2に示した第1実施形態に係るバッテリー支持体の凸部を拡大して示す部分拡大図である。
【図4A】第1実施形態に係るバッテリー支持体にバッテリーを収納した状態を示す概略断面図である。
【図4B】第1実施形態に係るバッテリー支持体の連結部を破損させてバッテリーを挟持した状態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るバッテリー支持体の概略構成を示す正面斜視図である。
【図6】図5のB−B´線に沿った断面図である。
【図7A】第2実施形態に係るバッテリー支持体を仮組みし、バッテリーを収納した状態を示す概略断面図である。
【図7B】第2実施形態に係るバッテリー支持体のリブ部を破損させてバッテリーを挟持した状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の第1実施形態に係るバッテリー支持体1について、図面に基づいて説明する。第1実施形態に係るバッテリー支持体1は、図1に示すように、対向する一対の挟持板10、12(以下、それぞれ「第1の挟持板10」、「第2の挟持板12」という。)と、これら第1及び第2の挟持板10、12のそれぞれと対向するように第1及び第2の挟持板10、12の間に設けられた中間板14と、第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12をそれぞれ連結する連結部16と、を備えている。
【0016】
第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12は、それぞれ、例えばガラス短繊維強化樹脂から形成されている。また、これら第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12は、それぞれ、図1及び図2に示すように、高さ方向を長辺とし、バッテリー2の側面よりも大きい形状を有する長方形の板部材からなり、短辺方向に凹凸を繰り返す凸凹形状に形成されている。これら第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12は、互いに平行で、かつそれぞれの表面に垂直な方向(すなわち、第1の挟持板10及び第2の挟持板12の接近する方向。以下、単に「接近方向」ということもある。)に整列して設けられている。また、これら第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12は、第1の挟持板10及び中間板14の間並びに中間板14及び第2の挟持板12の間にそれぞれバッテリー2を挿脱自在に収納できる程度に離間している。
【0017】
連結部16は、第1の挟持板10の四隅と中間板14の四隅とを連結すると共に、中間板14の四隅と第2の挟持板12の四隅とを連結するように、第1の挟持板10、中間板14及び第2の挟持板12と一体成形により一体的に形成されている。このそれぞれ四隅に形成された連結部16のうち上方側の各連結部16は、各挟持板10、12の上端部と連続して中間板14の上端部に延びる上面と、この上面と連続する外側の側面とが互いに垂直に交わる形状に形成されている。各連結部16には、第1の挟持板10及び第2の挟持板12の接近方向と直交、かつバッテリー支持体1の内部に向かう方向に湾曲して突出する凸部18が形成されている。また、各連結部16は、連結部16の射出成形時に発生するウェルドライン(流動境界)が、凸部18の一方側の基端部20と整合する位置に発生するように成形されており、この基端部20は、それぞれ、図3に示すように、第1の挟持板10及び第2の挟持板12が接近方向に押圧された際に他の部位よりも優先して破損する程度に、他の部位よりも肉薄に形成されている。凸部18の頂上部の接近方向の長さは、第1の挟持板10及び中間板14の間にバッテリー2が収納された際に生じる隙間22の接近方向の長さ、並びに、中間板14及び第2の挟持板12の間にバッテリー2が収納された際に生じる隙間24の接近方向の長さのいずれか長い方と同じ長さ又はそれよりも長い長さに形成されている。
【0018】
第1の挟持板10及び第2の挟持板12には、それぞれ、その上端部から中間板14側に突出するフランジ11、13が形成されており、中間板14には、その上端部から第1の挟持板10及び第2の挟持板12側にそれぞれ突出するフランジ15が形成されている。これらフランジ11、13、15は、連結部16の上面と連続して形成されており、これら連結部16の上面及びフランジ11、13、15により、バッテリー支持体1の上面に2つの開口が形成されている。これらフランジ11、13、15及び連結部16の突出する長さは、バッテリー支持体1の上面に形成される各開口の形状が、第1の挟持板10及び中間板14の間並びに中間板14及び第2の挟持板12の間に収納されたバッテリー2がこの開口から抜け落ちないような形状となるように調整されている。
【0019】
第1実施形態に係るバッテリー支持体1は、既知の固定手段3によって第1の挟持板10及び第2の挟持板12が互いに接近する方向に押圧された際に各連結部16が破損し、これにより、第1の挟持板10及び第2の挟持板12が互いに接近してバッテリー2を挟持するように構成されている。固定手段3は、種々のものを用いることができるが、例えば図4A及び図4Bに示すような、一対の締結用エンドプレート4、4と、これら一対の締結用エンドプレート4、4の四隅を連結する締結用ボルト6、6とを備え、締結用ボルト6、6の締結によって一対の締結用エンドプレート4、4を接近させる方向に押圧するものを用いることができる。
【0020】
次に、このように構成されたバッテリー支持体1によってバッテリー2を挟持する構成について、図4A及び図4Bを用いて説明する。まず、図4Aに示すように、第1の挟持板10の接近方向の外側(図4A中、左側)の面上に一方の締結用エンドプレート4を設けると共に、第2の挟持板12の接近方向の外側(図4A中、右側)の面上に他方の締結用エンドプレート4を設け、締結用ボルト6、6をこれら一対の締結用エンドプレート4、4に緩く締結させることにより、第1実施形態に係るバッテリー支持体1に固定手段3を取付ける(仮組み工程)。また、この仮組み工程と同時に又は前後して、第1の挟持板10及び中間板14の間並びに中間板14及び第2の挟持板12の間にそれぞれバッテリー2を収納させる。この際、連結部16の凸部18は、バッテリー2の位置決めを行なう位置決め部として機能し、また、第1の挟持板10及び中間板14とバッテリー2との間並びに中間板14及び第2の挟持板12とバッテリー2との間には、それぞれ隙間22、24が存在している。次に、図4Bに示すように、固定手段3の締結用ボルト6、6の締結により、締結用エンドプレート4、4を介して第1の挟持板10と第2の挟持板12とを互いに接近する方向に押圧し、第1の挟持板10及び第2の挟持板12のそれぞれに対して中間板14に接近する方向の力を加える。この際、第1の挟持板10及び第2の挟持板12を押圧する力は、湾曲部分である各連結部16の凸部18の双方の基端部に集中するが、凸部18の基端部のうち一方の基端部20は、肉薄に形成されているため容易に破損(破断)する。そして、この各連結部16の破損及び締結用ボルト6、6の締結により、第1の挟持板10及び第2の挟持板12が互いに接近する方向に移動し、これら第1の挟持板10及び第2の挟持板12によって、中間板14及び中間板14を介して積層された2個のバッテリー2、2を挟持し、強固に固定する。その後、バッテリー2の保冷効果等を向上させるために、第1の挟持板10、第2の挟持板12及び中間板14と各バッテリー2、2との間に例えば放熱材等を収納(充填)させる。
【0021】
このように、第1実施形態に係るバッテリー支持体1によれば、連結部16の破損のみによって第1の挟持板10及び第2の挟持板12を接近させ、バッテリー2、2を挟持するものであるため、バッテリー2、2の形状や厚みの製作寸法差等に関わらず、簡便かつ強固にバッテリーを支持することができる。また、第1実施形態に係るバッテリー支持体1は、凸部18の一方側の基端部20がウェルドライン(流動境界)と整合する位置となるように連結部16を形成し、本来であれば破断欠陥の原因となるウェルドライン(流動境界)を分断線として活用することにより、粉塵をほとんど発生させることなく連結部16を破損(破断)させることができる。
【0022】
第1実施形態に係るバッテリー支持体1は、第1の挟持板10、第2の挟持板12及び中間板14を備えるものであるが、これに限定されず、少なくとも第1の挟持板10及び第2の挟持板12を備えるものであれば良い。また、例えば第1の挟持板10及び第2の挟持板12の間に複数の中間板14を設けることにより、3個以上のバッテリー2を挟持するようにしても良い。このように、複数のバッテリー2を支持することができるバッテリー支持体においては、例えば中間板14及び第2の挟持板12を連結する連結部16の肉薄な基端部20を分断させることにより、第1の挟持板10及び中間板14から第2の挟持板12を切り離すことができるため、所望のバッテリー容量に応じてバッテリーの積層数を柔軟に変更することができ、これにより、バッテリー積層数の変化する多品種製造ラインに適用することができる。なお、この場合には、第1の挟持板10から最も離れた位置に配置された中間板14が第2の挟持板として機能することとなる。このような連結部16の破断分割は、生産準備時や組み立て後のバッテリー厚み調整時などの任意の工程で行うことができる。
【0023】
また、第1実施形態に係るバッテリー支持体1において、連結部16は、第1の挟持板10の四隅と中間板14の四隅とを連結すると共に、中間板14の四隅と第2の挟持板12の四隅とを連結するとしたが、これに限定されず、少なくとも1箇所において第1の挟持板10及び中間板14並びに中間板14及び第2の挟持板12を連結すれば良い。
【0024】
さらに、第1実施形態に係るバッテリー支持体1において、連結部16の肉薄な部位は、凸部18の一方側の基端部20としたが、これに限定されず、凸部18の基端部の双方又は凸部18の第1の挟持板10及び第2の挟持板12と対向する面の少なくとも一方の一部に形成されるとしても良い。また、第1実施形態に係るバッテリー支持体1において、連結部16の基端部20(破損部位)は、肉薄に形成されると共に、ウェルドラインと整合する位置に形成されるとしたが、これに限定されず、破損可能な程度の強度に形成されていれば良く、例えば肉薄に形成されるだけでも良いし、ウェルドラインと整合する位置に形成されるだけでも良い。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態に係るバッテリー支持体101について、図面に基づいて説明する。第2実施形態に係るバッテリー支持体101は、互いに平行で、かつそれぞれの正面112に垂直な方向に整列して設けられた2つ以上の挟持板110により構成されている(図7A及び図7B参照)。
【0026】
各挟持板110は、図5及び図6に示すように、例えばガラス短繊維強化樹脂からなり、高さ方向を長辺とし、バッテリー2の側面よりも大きい形状を有する長方形状で、かつ短辺方向に凹凸を繰り返す凸凹形状を有する板状に形成されている。
【0027】
挟持板110の一方側の表面112(以下、「正面112」という。)の四隅には、この正面112から前方(図5中、手前側方向)に向けて突出する突出部118a乃至118dがそれぞれ形成されている。この突出部118a乃至118dは、平板形状を有し、その先端は、他の部位よりも肉厚に形成されるとともに、前方に向けて先細りとなるテーパー面を有している。
【0028】
挟持板110の他方側の表面114(以下、「背面114」という。)の四隅には、この背面114から後方(図5中、奥側方向)に向けて突出するフランジ120a乃至120dがそれぞれ形成されている。この4つのフランジ120a乃至120dのうち背面114の上方側に形成される2つのフランジ120a、120bは、挟持板110の上端部と連続して背面114から後方に向けて延びる上面と、この上面の先端から下方に向けて延びる背面と、これら上面及び背面と連続する内側の側面と、の3つの面が互いに垂直に交わる形状に形成されている。また、フランジ120のうち背面114の下方側に形成される2つのフランジ120b、120dは、挟持板110の下端部と連続して背面114から後方に向けて延びる下面と、この下面の先端から上方に向けて延びる背面と、これら下面及び背面と連続する内側の側面と、の3つの面が互いに垂直に交わる形状に形成されている。これら各フランジ120a乃至120dの背面には、他の挟持板110の突出部118a乃至118dが挿入可能な挿入孔122a乃至122d(フランジ120aの挿入孔122aは、図示せず。)が形成されている。挟持板110の背面114と各フランジ120a乃至120dの背面との間には、それぞれ、表面が各フランジ120a乃至120dの背面と対向するように、各フランジ120a乃至120dの側面から背面及び上面又は下面と平行に各フランジ120a乃至120d内を延びる平板形状のリブ部124a乃至124d(フランジ120aのリブ部124aは、図示せず。)が形成されている。この各リブ部124a乃至124dは、それぞれ、隣接する他の挟持板110の各突出部118a乃至118dが各挿入孔122a乃至122dを介して各フランジ120a乃至120d内に挿入された際に、隣接する他の挟持板110の各突出部118a乃至118dの先端がそれぞれ当接するように設けられている。また、この各リブ部124a乃至124dは、それぞれ、固定手段3によって隣接する挟持板110、110同士が接近された際に、隣接する他の挟持板110の各突出部118a乃至118dによって容易に破損するように形成されている。
【0029】
各突出部118a乃至118dの長さ及び各リブ部124a乃至124dの形成される位置は、隣接する他の挟持板110の各突出部118a乃至118dが各挿入孔122a乃至122dに挿入されて各リブ部124a乃至124dに当接した仮組み状態において、隣接する挟持板110、110間にバッテリー2を出し入れすることができ、かつバッテリー2と挟持板110、110間に若干の隙間が形成される程度に調整されている。
【0030】
次に、このように構成されたバッテリー支持体101によってバッテリー2を挟持する構成について、図7A及び図7Bを用いて説明する。以下、図7A及び図7Bにおいて、図中最も左側(各挟持板110の正面112側)に位置する挟持板110を第1挟持板110Aとし、その隣の挟持板110から順に、第2挟持板110B、第3挟持板110Cとする。また、第1挟持板110Aは、固定手段3による締結をバランス良く行なうために、突出部118a乃至118dが予め取り除かれているか、若しくは当初から突出部118a乃至118dが形成されていないものを用いることとする。まず、図7Aに示すように、第2挟持板110Bの各突出部118a乃至118dを第1挟持板110Aの各挿入孔122a乃至122dに挿入させて各リブ部124a乃至124dに当接させると共に、第3挟持板110Cの各突出部118a乃至118dを第2挟持板110Bの各挿入孔122a乃至122dに挿入させて各リブ部124a乃至124dに当接させて、バッテリー支持体101をスナップフィットにより仮組みする。その後、第1挟持板110Aの正面112上に一方の締結用エンドプレート4を設けると共に、第3挟持板110Cの背面114上に他方の締結用エンドプレート4を設け、締結用ボルト6、6をこれら一対の締結用エンドプレート4、4に緩く締結させることにより、第2実施形態に係るバッテリー支持体101に固定手段3を取付ける。また、その後又は固定手段3の取付け前に、第1挟持板110A及び第2挟持板110Bの間並びに第2挟持板110B及び第3挟持板110Cの間にそれぞれバッテリー2、2を収納させる。この際、第1挟持板110A及び第2挟持板110Bとバッテリー2との間並びに第2挟持板110B及び第3挟持板110Cとバッテリー2との間には、それぞれ隙間126、128が存在している。次に、図7Bに示すように、固定手段3の締結用ボルト6、6の締結により、締結用エンドプレート4、4を介して第1挟持板110Aと第3挟持板110Cとを互いに接近する方向に押圧し、第1挟持板110A及び第3挟持板110Cのそれぞれに対して第2挟持板110Bに接近する方向の力を加える。これにより、第2挟持板110Bの各突出部118a乃至118dが第1挟持板110Aの各リブ部124a乃至124dを破損して更に第1挟持板110Aの各挿入孔122a乃至122d内に挿入されると共に、第3挟持板110Cの各突出部118a乃至118dが第2挟持板110Bの各リブ部124a乃至124dを破損して更に第2挟持板110Bの各挿入孔122a乃至122d内に挿入される。そして、これら第1挟持板110A及び第2挟持板110Bの各リブ部124a乃至124dの破損並びに締結用ボルト6、6の締結により、第1挟持板110A及び第3挟持板110Cによって第2挟持板110B及び第2挟持板110B介して積層された2個のバッテリー2、2を挟持し、強固に固定する。その後、バッテリー2の保冷効果等を向上させるために、各挟持板110A乃至110Cと各バッテリー2、2との間に例えば放熱材等を収納(充填)させる。
【0031】
このように、第2実施形態に係るバッテリー支持体101によれば、各リブ部124a乃至124dの破損によって対向する一対の面を構成する第1挟持板110A及び第3挟持板110Cを接近させ、バッテリー2、2を挟持するものであるため、バッテリー2、2の形状や厚みの製作寸法差等に関わらず、簡便かつ強固にバッテリーを支持することができる。また、第2実施形態に係るバッテリー支持体101によれば、第1挟持板110A及び第3挟持板110Cの間に設けられ、中間板として機能する第2挟持板110Bを増やすだけで、所望のバッテリー容量に応じてバッテリーの積層数を柔軟に変更することができ、これにより、バッテリー積層数の変化する多品種製造ラインに適用することができる。
【0032】
第2実施形態に係るバッテリー支持体101において、リブ部の124a乃至124d(破損部位)は、破損可能な程度の強度に形成されていれば良く、例えば肉薄に形成されても良いし、ウェルドラインと整合する位置に形成されても良い。
【0033】
本発明に係るバッテリー支持体は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。例えば、第1及び第2実施形態に係るバッテリー支持体1、101において、挟持板10、12、110及び中間板14は、それぞれ、短辺方向に凹凸を繰り返す凸凹形状に形成されているとしたが、これに限定されず、平板形状や、ブロック形状など、任意の形状に形成することができる。この場合において、各挟持板及び中間板は、例えばそれらの少なくとも内面側に凹部を形成すること等により、バッテリー支持体にバッテリーを挟持させた状態において、各挟持板及び中間板とバッテリーとの間に例えば放熱材等の被収納物を収納(充填)可能な形状に形成されること好ましく、これにより、バッテリーの保冷効果等を向上させる等の効果を付与することができる。
【符号の説明】
【0034】
1、101 バッテリー支持体、2 バッテリー、10 第1の挟持板、12 第2の挟持板、14 中間板、16 連結部、18 凸部、20 一方側の基端部、110 挟持板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の挟持部及び該一対の挟持部を連結する連結部を有し、固定手段によって前記一対の挟持部を接近させることにより前記一対の挟持部の間にバッテリーを挟持するバッテリー支持体であって、
前記連結部の少なくとも一部は、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように構成されており、
前記一対の挟持部は、前記連結部の破損により接近し、前記バッテリーを挟持するように構成されている
ことを特徴とするバッテリー支持体。
【請求項2】
前記一対の挟持部のそれぞれと対向するように該一対の挟持部の間に設けられた1以上の中間部を更に備え、
前記連結部は、互いに隣接する前記挟持部及び前記中間部のそれぞれを連結し、
前記連結部が破損することにより前記挟持部及び前記中間部それぞれが互いに接近し、互いに隣接する前記挟持部及び前記中間部の間それぞれに前記バッテリーを挟持するように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載のバッテリー支持体。
【請求項3】
前記一対の挟持部及び前記連結部は、一体成形されており、
前記連結部の少なくとも一部には、前記一対の挟持部の接近方向と直交する方向に湾曲して突出する凸部が形成され、
該凸部の基端部の少なくとも一方又は該凸部の前記一対の挟持部と対向する面の少なくとも一方の一部が、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載のバッテリー支持体。
【請求項4】
前記一対の挟持部は、それぞれ別体として構成されており、
一方の挟持部には、他方の挟持部に向けて突出する突出部が形成され、
前記他方の挟持部には、
前記突出部が挿入可能な挿入孔と、
前記挿入孔に挿入された前記突出部の先端が当接可能で、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように構成されたリブ部と、が形成され、
前記突出部及び前記リブ部により前記連結部を構成し、
前記突出部が前記挿入孔に挿入されて前記リブ部に当接した第1の状態においては、前記一対の挟持部の間に前記バッテリーを収納可能で、
前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させ、前記突出部が前記リブ部を破損して更に前記挿入孔内に挿入された第2の状態においては、前記一対の挟持部により、前記バッテリーを挟持するように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載のバッテリー支持体。
【請求項5】
前記連結部の破損部位は、他の部位よりも肉薄に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のバッテリー支持体。
【請求項6】
前記連結部の破損部位は、ウェルドラインと整合する位置に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のバッテリー支持体。
【請求項1】
対向する一対の挟持部及び該一対の挟持部を連結する連結部を有し、固定手段によって前記一対の挟持部を接近させることにより前記一対の挟持部の間にバッテリーを挟持するバッテリー支持体であって、
前記連結部の少なくとも一部は、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように構成されており、
前記一対の挟持部は、前記連結部の破損により接近し、前記バッテリーを挟持するように構成されている
ことを特徴とするバッテリー支持体。
【請求項2】
前記一対の挟持部のそれぞれと対向するように該一対の挟持部の間に設けられた1以上の中間部を更に備え、
前記連結部は、互いに隣接する前記挟持部及び前記中間部のそれぞれを連結し、
前記連結部が破損することにより前記挟持部及び前記中間部それぞれが互いに接近し、互いに隣接する前記挟持部及び前記中間部の間それぞれに前記バッテリーを挟持するように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載のバッテリー支持体。
【請求項3】
前記一対の挟持部及び前記連結部は、一体成形されており、
前記連結部の少なくとも一部には、前記一対の挟持部の接近方向と直交する方向に湾曲して突出する凸部が形成され、
該凸部の基端部の少なくとも一方又は該凸部の前記一対の挟持部と対向する面の少なくとも一方の一部が、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載のバッテリー支持体。
【請求項4】
前記一対の挟持部は、それぞれ別体として構成されており、
一方の挟持部には、他方の挟持部に向けて突出する突出部が形成され、
前記他方の挟持部には、
前記突出部が挿入可能な挿入孔と、
前記挿入孔に挿入された前記突出部の先端が当接可能で、前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させる際に破損するように構成されたリブ部と、が形成され、
前記突出部及び前記リブ部により前記連結部を構成し、
前記突出部が前記挿入孔に挿入されて前記リブ部に当接した第1の状態においては、前記一対の挟持部の間に前記バッテリーを収納可能で、
前記固定手段によって前記一対の挟持部を接近させ、前記突出部が前記リブ部を破損して更に前記挿入孔内に挿入された第2の状態においては、前記一対の挟持部により、前記バッテリーを挟持するように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載のバッテリー支持体。
【請求項5】
前記連結部の破損部位は、他の部位よりも肉薄に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のバッテリー支持体。
【請求項6】
前記連結部の破損部位は、ウェルドラインと整合する位置に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のバッテリー支持体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【公開番号】特開2012−216312(P2012−216312A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79134(P2011−79134)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】
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