説明

バルブユニット、液滴吐出装置、電気光学装置の製造装置及び液滴吐出方法

【課題】液滴吐出ヘッドに供給されるインク中に含まれる気泡を減少させ、液滴吐出を安定化させることができるバルブユニット及びそれを用いた液滴吐出装置、その液滴吐出装置を用いた電気光学装置の製造装置、並びに液滴吐出方法を提供する。
【解決手段】インクを取り入れるインク取入口3aと、インクを排出して液滴吐出ヘッドに供給するためのインク排出口3bと、インク取入口3aを備える1次液室5と、インク排出口3bを備える2次液室6と、1次液室5と2次液室6とを連通する流路7と、を含んで構成される圧力室(5,6,7)と、1次液室5に設けられ1次液室5内から気泡を外へ放出する気泡排出口3cと、2次液室6に設けられ2次液室6内から気泡を外へ放出する気泡排出口3dと、を有し、1次液室5側のケーシング4には、超音波発振子20が付設されいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブユニット及びそれを用いた液滴吐出装置、その液滴吐出装置を用いた電気光学装置の製造装置、並びに液滴吐出方法に関し、特に、液滴吐出法により、有機EL素子などの機能性素子を基板上に微細に形成するためのバルブユニット等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キャリッジに印字ヘッド及びそれに接続された印字カートリッジが搭載され、前記印字カートリッジがチューブを介してキャリッジ外のインク貯蔵容器に周期的に接続され、印字カートリッジに生じる真空圧力だけを利用して、インクをインク貯蔵容器から印字カートリッジに引き込むインクジェットプリンタにおいて、インク貯蔵容器の高さを変えることにより、インク補給圧力を可変に制御する技術が提案されている。
【0003】
特許文献2には、メインタンクからサブタンクに開閉制御されるインク補給バルブを介してインクを補給するインクジェット式記録装置において、インク量検出手段からインク補給バルブに至る制御信号の伝達系における予期せぬ障害により生じる、例えば、サブタンクからのインクの漏出を効果的に防止しえるインクジェット式記録装置が提案されている。
【0004】
特許文献3には、記録ヘッドを備えたキャリッジの移動時に、記録ヘッドとインクタンクの間に接続された圧力ダンパが振れ動くことを防止するため、圧力ダンパをキャリッジに対して剛体固定するインクジェット式記録装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−244686号公報(段落0001)
【特許文献2】特開2001−199080号公報(請求項1、段落0010)
【特許文献3】特開2001−232808号公報(段落0001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
有機ELパネルのような電気光学装置を液滴吐出法により製造する場合、印刷パターンの微細化、高いパターニング精度、パネル基板上に滴下される液滴の均一性などに関して、一般的な印刷用のインクジェットプリンタに対する要求よりも、数段高い要求がなされる。
【0007】
中でも、インク中に気泡が含まれていると、液滴吐出ヘッドから均一な液滴が安定して吐出されないという問題が生じ、この結果、上述したような要求が充足されないおそれがある。
【0008】
特許文献1のインクジェットプリンタは、インク補給圧力を制御するバルブを有していないため、上述のように、インク貯蔵容器内のインク面の高さ、印字ヘッドの高さを調整する、いわゆる水頭値管理をする必要がある。また、特許文献1は、インク中に含まれる気泡の問題について開示がない。
【0009】
特許文献2及び3のインクジェット式記録装置は、上記水頭値管理を不要にできるインク補給バルブ又は圧力ダンパを備えているため、ヘッドからの液滴の流れ出しが防止され、インクタンクからのインク補給圧力の変動に影響されない液滴吐出を行うことができる。しかしながら、液滴吐出装置を用いた電気光学装置の製造においては、さらなる液滴吐出の安定化が求められる。
【0010】
本発明の目的は、液滴吐出ヘッドに供給されるインク中に含まれる気泡を減少させ、液滴吐出を安定化させることができるバルブユニット及びそれを用いた液滴吐出装置、その液滴吐出装置を用いた電気光学装置の製造装置、並びに液滴吐出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1の視点において、液滴吐出ヘッドに供給するインクを調圧するバルブユニットであって、前記バルブユニットのケーシングと、前記ケーシングに内蔵された圧力室と、前記圧力室が前記インクを取り入れるインク取入口と、前記圧力室が前記インクを排出して前記液滴吐出ヘッドに供給するためのインク排出口と、前記圧力室内から気泡を該圧力室外へ放出する気泡排出口と、前記ケーシングに取り付けられ前記圧力室内の前記インクを振動させる発振子と、を有する、ことを特徴とするバルブユニットを提供する。
【0012】
第1の視点において、本発明によれば、圧力室内のインクを振動させることにより、インク初期充填時から液滴吐出時を通じて、圧力室で気泡が十分かつ効率的に除去され、液滴吐出ヘッドに供給されるインク内の気泡量が減少し、液滴吐出ヘッドにおけるキャビテーションの発生及び気泡たまりの発生が防止され、液滴吐出が安定化する。
【0013】
本発明は、第2の視点において、前記圧力室は、前記インク取入口を備える1次液室と、前記インク排出口を備える2次液室と、前記1次液室と前記2次液室とを連通する流路と、を含んで構成され、さらに、前記圧力室に内蔵され前記流路内をストロークして該流路を流れる前記インクの量ないし圧力を調整する弁体と、を有することを特徴とするバルブユニットを提供する。
【0014】
第2の視点において、本発明によれば、弁体が圧力室に内蔵されたコンパクトなバルブユニットが提供される。
【0015】
本発明は、第3の視点において、前記発振子は、前記弁体のストローク方向と交差する方向の振動を発生することを特徴とするバルブユニットを提供する。
【0016】
第3の視点において、本発明によれば、弁体のストロークや弁体を動かす後述のダイヤフラムや受圧板の変位に影響を及ぼすことなく、結局、液滴の吐出に影響を与えることなく、気泡を除去することができる。
【0017】
本発明は、第4の視点において、前記発振子は前記1次液室側の前記ケーシングに取り付けられることを特徴とするバルブユニットを提供する。
【0018】
第4の視点において、本発明によれば、弁体のストロークや弁体を動かす後述のダイヤフラムや受圧板の変位に影響を及ぼすことなく、結局、液滴の吐出に影響を与えることなく、気泡を除去することができる。
【0019】
本発明は、第5の視点において、液滴吐出ヘッドに供給するインクを調圧するバルブユニットであって、前記バルブユニットのケーシングと、前記インクを取り入れるインク取入口と、前記インクを排出して前記液滴吐出ヘッドに供給するためのインク排出口と、前記ケーシングに内蔵され、前記インク取入口を備える1次液室と、前記インク排出口を備える2次液室と、前記1次液室と前記2次液室とを連通する流路と、を含んで構成される圧力室と、前記圧力室に設けられ、該圧力室内から気泡を該圧力室外へ放出する気泡排出口と、前記2次液室の背部に設けられ、該2次液室内外の圧力差に感応して変位するダイヤフラムと、前記2次液室の背部に前記ダイヤフラムに接続又は一体化されて設けられ、前記ダイヤフラムの変位に応じて変位する受圧板と、前記受圧板の変位に応じて前記流路内をストロークすることにより、前記流路を流れる前記インクの量ないし圧力を調整する弁体と、前記1次液室に内蔵され前記弁体を前記受圧板に向かって付勢する第1のばねと、前記2次液室に内蔵され前記受圧板を前記弁体の反対側に向かって付勢する第2のばねと、前記1次液室側の前記ケーシングに取り付けられ、前記弁体のストローク方向と交差する方向の振動を発生して、前記圧力室内の前記インクを振動させる発振子と、を有する、ことを特徴とするバルブユニットを提供する。
【0020】
第5の視点において、本発明によれば、圧力室内のインクを振動させることにより、インク初期充填時から液滴吐出時を通じて、圧力室で気泡が十分かつ効率的に除去され、液滴吐出ヘッドに供給されるインク内の気泡量が減少し、液滴吐出ヘッドにおけるキャビテーションの発生及び気泡たまりの発生が防止され、液滴吐出が安定化する。
【0021】
本発明は、第6の視点において、前記液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドとインク供給源との間に接続されるバルブユニットと、を有することを特徴とする液滴吐出装置を提供する。
【0022】
第6の視点において、本発明によれば、液滴が安定的に吐出される液滴吐出装置が提供される。
【0023】
本発明は、第7の視点において、前記液摘吐出装置を有し、前記液滴吐出ヘッドから、電気的装置、光学的装置又は電気光学的装置の構成要素となる成分を含む前記インクを吐出して基板に印刷することを特徴とする電気光学装置の製造装置を提供する。
【0024】
第7の視点において、本発明によれば、本発明によれば、高精度が要求される電気光学装置を安価に製造することができる。
【0025】
本発明は、第8の視点において、液滴吐出ヘッドから調圧されたインクを吐出する液滴吐出方法であって、バルブユニットの圧力室内に前記インクを取り入れる工程と、前記圧力室内で前記インクを調圧する工程と、前記圧力室内の前記インクを振動させて該圧力室内から気泡を該圧力室外へ排出する工程と、前記圧力室から前記気泡が除去された前記インクを排出して前記液滴吐出ヘッドに供給する工程と、を含む、ことを特徴とする液滴吐出方法を提供する。
【0026】
第5の視点において、本発明によれば、圧力室内のインクを振動させることにより、インク初期充填時から液滴吐出時を通じて、圧力室で気泡が十分かつ効率的に除去され、液滴吐出ヘッドに供給されるインク内の気泡量が減少し、液滴吐出ヘッドにおけるキャビテーションの発生及び気泡たまりの発生が防止され、液滴吐出が安定化する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の効果を説明する。第1に、インク初期充填時において、圧力室に充填されたインクを振動させることにより、圧力室内から、例えば、圧力室内に付着ないし残留していた気泡を圧力室外へ排出し、液滴吐出ヘッドに供給されるインク中の気泡を減少させることができるため、初期の段階から、安定した液滴吐出が実現される。第2に、液滴吐出中において、圧力室に充填されたインクを振動させることにより、インク中に含まれていた気泡を排出し、液滴吐出ヘッドに供給されるインク中の気泡を減少させることができるため、安定した液滴吐出が実現される。第3に、液滴吐出ヘッド下流の圧力室で気泡が除去されるため、液滴吐出ヘッドに気泡除去手段を付設して、液滴吐出ヘッド周りの構造が複雑になることが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の好ましい実施の形態に係るバルブユニットは、所定方向に振動するPZT等の圧電素子に電圧を印加することにより超音波を発生する超音波発振子をバルブユニットのケーシングに付設し、この超音波発振子を駆動して圧力室ないし該圧力室内のインクに所定方向の振動を与え、気泡を除去する。
【0029】
例えば、超音波発振子として、PZTを二枚張り合わせバイモルフ型の振動子、金属プレートとPZTを張り合わせたユニモルフ型の振動子を用いることができ、場合によっては、PZTをバルブユニットのケーシングに直接貼り付けてもよい。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態に係るバルブユニットは、液滴吐出ヘッドとインク供給源との間に接続され、該液滴吐出ヘッドに供給するインクを調圧するバルブユニットであって、互いに連通可能な複数の圧力室を設け、前記複数の圧力室の間に前記液滴吐出ヘッドからの液滴吐出圧力を一定に制御する調圧用の弁を配置し、前記複数の圧力のうち、前記インク供給源に接続される上流側の圧力室に対して下方よりインク供給管を接続し、一方、前記液滴吐出ヘッド側に接続される下流側の圧力室に対して下方よりインク排出管を接続し、前記複数の圧力室のうち少なくとも一つの圧力室に気泡排出口を設ける。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態において、本発明のバルブユニットは、可動するキャリッジ外に設置される可撓性のインクパックと、前記キャリッジに搭載される液滴吐出ヘッドとの間に接続され、該キャリッジに搭載される。また、本発明のバルブユニットを用いることにより、可撓性のインクパックに圧力を印加して該インクパックからインクを絞りだす手段を不要とすることができ、或いは、インクパック内のインク面と液滴吐出ヘッドとの水頭差管理を不要とすることができる。
【実施例1】
【0032】
図1は、本発明の一実施例に係るバルブユニットが適用される液滴吐出装置を説明するための模式図である。
【0033】
図1を参照すると、インクが充填されたインクパック1と、液滴吐出ヘッド2との間に本発明の一実施例に係るバルブユニット3が接続される。バルブユニット3のインク取入口及びインク排出口3bは後述するように、バルブユニット3の圧力室の下部に形成される。
【0034】
図2は、本発明の一実施例に係るバルブユニットの外観図であり、図3は、図2に示したバルブユニットの内部構造を説明するための断面図である。
【0035】
図2及び図3を参照すると、本発明の一実施例に係るバルブユニット3は、液滴吐出ヘッドに供給するインクを調圧するバルブユニット3であって、インクを取り入れるインク取入口3aと、インクを排出して液滴吐出ヘッドに供給するためのインク排出口3bと、インク取入口3aを備える1次液室5と、インク排出口3bを備える2次液室6と、1次液室5と2次液室6とを連通する流路7と、を含んで構成される圧力室(5,6,7)と、1次液室5に設けられ1次液室5内から気泡を外へ放出する気泡排出口3cと、2次液室6に設けられ2次液室6内から気泡を外へ放出する気泡排出口3dと、を有する。
【0036】
インク取入口3a及びインク排出口3dはそれぞれ、1次液室5及び2次液室6の下側であって気泡排出口3c,3dよりも下方に配置されている。
【0037】
さらに、液滴吐出圧力を調整する機構として、バルブユニット3は、2次液室6の背部に設けられ、2次液室6内外の圧力差に感応して変位するダイヤフラム8と、2次液室6の背部にダイヤフラム8に接続又は一体化されて設けられ、ダイヤフラム8の変位に応じて変位する受圧板9と、受圧板9の変位に応じてストロークすることにより、流路7を流れるインクの量ないし圧力を調整する弁体10と、1次液室5に内蔵され弁体10を受圧板10に向かって付勢する第1のばね11と、2次液室6に内蔵され受圧板9を弁体10の反対側に向かって付勢する第2のばね12と、を有している。
【0038】
特に、図3を参照すると、弁体10の大径部10aの一側には、第1のばね11が当接し、他側には流路7を解除可能に塞ぐためのリング状のシール13が取り付けられている。
【0039】
1次液室5側のケーシング4には、超音波発振子20が付設されている。
【0040】
超音波発振子20は、交流電圧ないしパルス電圧の印加によって振動するPZTを含み、PZTに対して所定方向から電圧を印加することにより、弁体10のストローク方向(ダイヤフラム8及び受圧板9の変位方向)と交差する方向の振動を発生して、1次液室5内ないし2次液室6内のインクを振動させ、1次液室5内及び2次液室6内に付着又は両室5,6内のインクに含まれる気泡を気泡排出口3c,3dから排出させる。
【0041】
次に、以上説明したバルブユニット3の動作を説明する。
【0042】
図4(A)及び図4(B)は、図2等に示したバルブユニット3の動作を説明するための模式的な断面図である。
【0043】
なお、図示の都合上、図4(A)及び図4(B)と、図2及び図3とは、1次液室と2次液室の配置が左右反対になり、両図中左方が下方となっている。
【0044】
図4(A)及び図4(B)を参照すると、インク取入口3aを通じて、1次液室5にその下方からインクが充填される。ここで、下方から湧き出るようインクが充填されるため、1次液室5内の空気が上へ押し上げられ、気泡が気泡排出口3c(図3参照)より放出される。これによって、1次液室5等に気泡溜まりが発生しにくくなる。
【0045】
このとき、超音波発振子20を駆動して振動を発生させ、1次液室5内ないし2次液室6内のインクを振動させ、1次液室5内及び2次液室6内から、例えば、1次液室5又は及び2次液室6の内壁に付着している或いは両室5,6内のインクに含まれる気泡を気泡排出口3c,3dから排出させる。
【0046】
図1に示した液滴吐出ヘッド2のノズルから、インクが吐出されると、2次液室6内のインクが液滴吐出ヘッドに向かって流れ、同室内のインクが消費される。
【0047】
その結果、2次液室6内が外圧、例えば大気圧に対して負圧となり、内外圧力差に弾性を有するダイヤフラム8が2次液室6の内側方向に向かって変形して、受圧板9を介して、1次液室5と2次液室6の境界(流路7)にある弁体10を同方向にストロークさせる。
【0048】
その結果、シール13がケーシング4の座面から離間して、流路7を通じて、1次液室5と2次液室6が連通することにより、1次液室5にあるインクが2次液室6に流入する(図4(B)参照)。
【0049】
2次液室6に流入したインクが所定量になると、負圧が減少し、ダイヤフラム8が押し戻され、受圧板9を介して弁体10にかかる荷重が減少し、やがて、第1のばね11によって、受圧板9及び弁体10が元位置に戻り、シール13がシール座面に着座し、流路7が閉じる(図4(A)参照)。
【0050】
印刷中は、以上説明した一連の動作が繰り返され、又、適宜、超音波発振子20を駆動して気泡の除去を図ることができる。これによって、図1に示したインクパック(タンク、サブタンク)1のインク水面(インク水頭値、或いはインク残存量)ないしインクパック1中の圧力にかかわらず、インクパック1と液滴吐出ヘッド2を接続しているバルブユニット(圧力ダンパ)3内の2次液室6内の圧力が一定に保たれると共に、液滴吐出ヘッド2に供給されるインク中の気泡が可及的に除去される。かくして、インクパック1内のインク残存量、圧力(水頭値)がいかに変化しようととも、バルブユニット3の作用によって、液滴吐出ヘッド2のヘッドないしノズルからの液滴の流れ出しの発生が防止され、スムーズで安定した液滴吐出が行われる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のバルブユニットは、印刷を行う工業用装置全般のインク供給源と液滴吐出ヘッドの間に接続することができ、中でも、カラーフィルタ、配向膜及びそれらを含む液晶表示装置などのパネル、有機EL素子などを発光素子とするEL装置、FED装置、PDP装置、さらに、プリント基板上の金属配線及び電極、などの電気光学装置の製造装置に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施例に係るバルブユニットが適用される液滴吐出装置を説明するための模式図である。
【図2】本発明の一実施例に係るバルブユニットの外観図である。
【図3】図2に示したバルブユニットの内部構造を説明するための断面図である。
【図4】(A)及び(B)は、図2(A)に示したバルブユニットの動作を説明するための模式的な断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 インクパック
2 液滴吐出ヘッド
3 バルブユニット(自己封止バルブ)
3a インク取入口
3b インク排出口
3c 気泡排出口(1次液室側)
3d 気泡排出口(2次液室側)
4 ケーシング
5 1次液室
6 2次液室
7 流路
8 ダイヤフラム
9 受圧板
10 弁体
10a 大径部
11 第1のばね(バルブばね)
12 第2のばね(負圧保持ばね)
13 シール(リング状シール)
14 インク取入管
15 インク排出管
20 超音波発振子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴吐出ヘッドに供給するインクを調圧するバルブユニットであって、
前記バルブユニットのケーシングと、
前記ケーシングに内蔵された圧力室と、
前記圧力室が前記インクを取り入れるインク取入口と、
前記圧力室が前記インクを排出して前記液滴吐出ヘッドに供給するためのインク排出口と、
前記圧力室内から気泡を該圧力室外へ放出する気泡排出口と、
前記ケーシングに取り付けられ前記圧力室内の前記インクを振動させる発振子と、
を有する、ことを特徴とするバルブユニット。
【請求項2】
前記圧力室は、前記インク取入口を備える1次液室と、前記インク排出口を備える2次液室と、前記1次液室と前記2次液室とを連通する流路と、を含んで構成され、
さらに、前記圧力室に内蔵され前記流路内をストロークして該流路を流れる前記インクの量ないし圧力を調整する弁体と、を有することを特徴とする請求項1記載のバルブユニット。
【請求項3】
前記発振子は、前記弁体のストローク方向と交差する方向の振動を発生することを特徴とする請求項2記載のバルブユニット。
【請求項4】
前記発振子は前記1次液室側の前記ケーシングに取り付けられることを特徴とする請求項1記載のバルブユニット。
【請求項5】
液滴吐出ヘッドに供給するインクを調圧するバルブユニットであって、
前記バルブユニットのケーシングと、
前記インクを取り入れるインク取入口と、
前記インクを排出して前記液滴吐出ヘッドに供給するためのインク排出口と、
前記ケーシングに内蔵され、前記インク取入口を備える1次液室と、前記インク排出口を備える2次液室と、前記1次液室と前記2次液室とを連通する流路と、を含んで構成される圧力室と、
前記圧力室に設けられ、該圧力室内から気泡を該圧力室外へ放出する気泡排出口と、
前記2次液室の背部に設けられ、該2次液室内外の圧力差に感応して変位するダイヤフラムと、
前記2次液室の背部に前記ダイヤフラムに接続又は一体化されて設けられ、前記ダイヤフラムの変位に応じて変位する受圧板と、
前記受圧板の変位に応じて前記流路内をストロークすることにより、前記流路を流れる前記インクの量ないし圧力を調整する弁体と、
前記1次液室に内蔵され前記弁体を前記受圧板に向かって付勢する第1のばねと、
前記2次液室に内蔵され前記受圧板を前記弁体の反対側に向かって付勢する第2のばねと、
前記1次液室側の前記ケーシングに取り付けられ、前記弁体のストローク方向と交差する方向の振動を発生して、前記圧力室内の前記インクを振動させる発振子と、
を有する、ことを特徴とするバルブユニット。
【請求項6】
前記液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドとインク供給源との間に接続される前記請求項1〜5のいずれか一記載のバルブユニットと、を有することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項7】
請求項6記載の液摘吐出装置を有し、前記液滴吐出ヘッドから、電気的装置、光学的装置又は電気光学的装置の構成要素となる成分を含む前記インクを吐出して基板に印刷することを特徴とする電気光学装置の製造装置。
【請求項8】
液滴吐出ヘッドから調圧されたインクを吐出する液滴吐出方法であって、
バルブユニットの圧力室内に前記インクを取り入れる工程と、
前記圧力室内で前記インクを調圧する工程と、
前記圧力室内の前記インクを振動させて該圧力室内から気泡を該圧力室外へ排出する工程と、
前記圧力室から前記インクを排出して前記液滴吐出ヘッドに供給する工程と、
を含む、ことを特徴とする液滴吐出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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