説明

バルブ装置

【課題】流量調節機能および流路遮断機能を備えたバルブ装置の省電力化を実現する。
【解決手段】弁体10は、駆動源であるモータ20と動力伝達機構30を介して連繋され、該動力伝達機構30は、ソレノイド58を駆動源とし該ソレノイド58が励磁状態にあるときには前記モータ20と前記弁体10との間において動力が伝達可能な状態とする一方、該ソレノイド58が非励磁状態にあるときには前記モータ20と前記弁体10との間における動力の伝達を遮断するクラッチ部50と、該クラッチ部50よりも出力側に前記ソレノイド58が非励磁状態にあるときに前記開口部94を閉鎖する方向へ前記弁体10を移動させる弁体付勢ばね66とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ装置に関し、さらに詳しくは、流路を流れる流体の流量を調節する流量調節機能および非常時に流路を遮断する流路遮断機能を備えたバルブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス給湯器やガスコンロなどのガス燃焼器具は、燃料ガスの流量を調節する流量調節機能を有するバルブ装置を備える。この流量調節機能により、燃焼に供給されるガス量を自在に調節、すなわちバーナの火力を自在に調節できる。一方、かかるバルブ装置には、停電(電池駆動の器具の場合は電池切れ)や各種配線の断線等により、バルブ装置(モータ)を制御することができなくなったとき、即座にガスの流路を遮断する流路遮断(以下、シャットダウンということもある。)機能を備える。この流路遮断機能を備えることにより、非常時におけるガス漏れ等のおそれが低減するため、ガス燃焼器具の安全性が高まる。
【0003】
流量調節機能および流路遮断機能を備えたバルブ装置として、特許文献1にその一例が記載されている。かかるバルブ装置は、モータのロータに螺合され、回転方向の動きが規制されている出力軸が、ロータの正転・逆転に伴ってその軸線方向に進退動作するというものである。つまり、ロータの回転動力が、出力軸の直線動力に変換されて流路に設けられた開口部を開閉する弁体に出力される構成を備える。そして、停電等によりモータへの給電が停止すると、出力軸の外周側に固定された付勢部材(弁体付勢手段)が、開口部を閉鎖する方向に弁体が移動するように出力軸を回転させて開口部を遮断するという流路遮断機能を有する。
【0004】
しかし、かかる構成は、永久磁石を用いたモータを駆動源としているため、駆動コイルが非通電状態であってもモータにはいわゆるディテントトルク(コギングトルク)が発生する。したがって、非常時に開口部が閉鎖される方向に回転軸を付勢する付勢部材には、このディテントトルクに逆らってモータの出力軸を回転させることのできる付勢力が必要となり、付勢部材の付勢力が大きくなってしまうという問題があった。
【0005】
つまり、このように付勢部材の付勢力が大きいと、付勢部材の大型化に伴う装置の大型化を招くだけでなく、通常動作時(流量調節時)において付勢部材の付勢力に抗して弁体を駆動させるモータへの負荷が大きくなり、モータの消費電力が増大してしまうため問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US2006−0071190A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、流量調節機能および流路遮断機能を備えたバルブ装置であって、装置の消費電力を低減させたバルブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係るバルブ装置は、流路に設けられた開口部の大きさを弁体の移動によって変化させ、該開口部を通過する流体の流量を調節するバルブ装置であって、前記弁体は、駆動源であるモータと動力伝達機構を介して連繋され、該動力伝達機構は、ソレノイドを駆動源とし該ソレノイドが励磁状態にあるときには前記モータと前記弁体との間において動力が伝達可能な状態とする一方、該ソレノイドが非励磁状態にあるときには前記モータと前記弁体との間における動力の伝達を遮断するクラッチ手段と、該クラッチ手段よりも出力側に前記ソレノイドが非励磁状態にあるときに前記開口部を閉鎖する方向へ前記弁体を移動させる弁体付勢手段とを備えることを要旨とするものである。
【0009】
かかる構成を備える本発明に係るバルブ装置は、停電や配線の断線等によりモータおよびソレノイドへの電力供給が遮断された場合、次のように動作する。まず、ソレノイドが非励磁状態となることから、クラッチ手段はモータと弁体との間における動力伝達機構による動力の伝達を遮断する(以下、この状態をクラッチが「断」状態にあるということもある。これに対し、ソレノイドが励磁状態にあり、モータの動力が動力伝達機構を介して弁体に伝達される状態をクラッチが「継」状態にあるということもある。)。すると、弁体付勢手段の付勢力により、弁体は開口部を閉鎖する方向に移動する。このとき、クラッチは「断」状態にあり、モータと弁体との間の動力伝達機構は切り離された状態にあるから、弁体付勢手段によって開口部を閉鎖する方向に弁体が移動する際、モータのディテントトルクの影響がない。つまり、開口部を閉鎖するために必要な弁体付勢手段の付勢力を従来よりも小さくすることができる。具体的には、クラッチ手段より出力側に位置する動力伝達機構を構成する歯車等を逆転(弁体が閉鎖する方向に移動するときの動作をいうものとする。一方、弁体が開放する方向に移動するときの動作を「正転」というものとする。以下同じ。)させる付勢力があればよい。このように、弁体付勢手段の付勢力が小さくなれば、通常動作時において弁体付勢手段の付勢力に抗して開口部を開放する方向に弁体を移動させるモータの負荷が低減するため、装置の消費電力を従来よりも低減させることができる。したがって、本発明に係るバルブ装置を、電池を駆動源としている機器(一般的にガスコンロ等は電池を駆動源としているものが多い。)に用いた場合には、電池の交換頻度を抑えることができる。
【0010】
この場合、前記弁体付勢手段から前記動力伝達機構を介して前記モータに作用するトルクの大きさが、前記モータのディテントトルクの大きさよりも小さければ好適である。
【0011】
上述した特許文献1の構成は、出力軸を介しモータ(ロータ)に対して付勢部材により常に閉方向に回転させようとする付勢力が働いているため、モータはこの付勢力に抗して弁体を所定の位置で保持させるトルク(以下、保持トルクということもある。)を出力し続けなければならず、通常動作時における装置全体の消費電力が大きいという問題もあった。一方、本発明は、弁体付勢手段から動力伝達機構を介してモータに作用するトルクの大きさをモータのディテントトルクよりも小さくしている(シャットダウン時にはクラッチが「断」状態となるため、モータのディテントトルクに抗して弁体を閉方向に付勢させる弁体付勢手段の付勢力は必要ない。したがって、弁体付勢手段の付勢力をモータのディテントトルクより小さくすることが可能。)。かかる構成を採用すれば、通常動作時において、弁体を所定位置まで移動させた後にモータを非励磁状態としても、モータに作用する弁体付勢手段の付勢力(トルク)がモータのディテントトルクを上回ることはないから、所定位置で弁体が保持される。つまり、モータは流量の大小を制御する際にのみ駆動させればよく、流量を一定にしているときにはその位置で弁体を保持させる保持トルクを出力し続ける必要がないため、従来と比較して消費電力を低減することができる。
【0012】
また、前記動力伝達機構には、前記クラッチ手段よりも出力側に前記弁体の位置を検出する位置検出手段が設けられていればよい。
【0013】
かかる構成によれば、弁体と位置検出手段の間にクラッチ手段が存在しないから、流路がシャットダウンされてクラッチが「断」状態となっても、弁体の実際の位置と、位置検出手段が検知する弁体の位置との関係が狂うことはない。したがって、シャットダウンする度に両者の位置関係を修正するといった作業を行うことなく、シャットダウンの原因が解消しさえすれば、即座にバルブ装置が搭載された機器の使用を再開することができる。
【0014】
また、前記クラッチ手段は、前記モータの動力を回転方向に受けるクラッチ部材を有し、該クラッチ部材は、前記ソレノイドの励磁・非励磁状態を切り替えることによりその軸線方向に移動するように構成されていればよい。
【0015】
このように、クラッチの「継」「断」の切替が、モータの動力を回転方向に受けるクラッチ部材の軸線方向の移動によってなされるようにすれば、ソレノイドの動作方向であるクラッチ部材の軸線方向に掛かる力が小さくなるため、ソレノイドに掛かる負荷を小さくすることができ、ソレノイドの小型化、省電力化につながる。
【0016】
そして、前記弁体は、前記開口部に対して略平行に移動するように構成されていればよい。
【0017】
このように弁体を開口部に対して略平行、すなわち開口部を通過する流体の流れに対して略直交する方向に移動するようにすれば、弁体が移動しているときに弁体に掛かる流体圧を小さくすることができる。そのため、モータや弁体付勢手段の出力を小さく設定することが可能となり、装置の小型化、省電力化につながる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るバルブ装置によれば、シャットダウン時にはソレノイドによって駆動されるクラッチが「断」状態となるため、モータのディテントトルクは開口部を閉鎖する方向に弁体を移動させる際の抵抗とならない。したがって、弁体を閉鎖方向に付勢する弁体付勢部材の付勢力を小さくすることが可能となり、その付勢力に抗して開口部を開放する方向に弁体を移動させるモータの負荷が低減するため、装置の省電力化につながる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ソレノイドが非励磁状態にあるときの本実施形態に係るバルブ装置の断面図である。
【図2】ソレノイドが励磁状態にあるときの本実施形態に係るバルブ装置の断面図である。
【図3】図1および図2に示したバルブ装置が備える弁体(および弁座)の正面図である。
【図4】図1および図2に示したバルブ装置が備える遊星歯車部の分解斜視図である。
【図5】図1および図2に示したバルブ装置が備えるクラッチギアを下から見た外観斜視図である。
【図6】図5に示したクラッチギアが係合する係合溝を上から見た外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1および図2は、本実施形態に係るバルブ装置1の断面図であって、図1は後述のソレノイド58が非励磁状態にあるとき、図2はソレノイド58が励磁状態にあるときを示している。なお、以下の説明における上下方向とは、図1および図2における上下方向をいうものとする。
【0021】
(全体構成の概略)
本実施形態に係るバルブ装置1は、その移動により流路90を流れる流体の流量を変化させる弁体10と、この弁体10の駆動源となるモータ20と、モータ20の動力を弁体10へ伝達するための動力伝達機構30とを備える。このうち、モータ20および動力伝達機構30(ソレノイド58を除く)は、ケース80に収納されている。なお、ケース80は、複数の部品が組み合わされてなるものであるが、その組合せ方等は特に限定されるものではない。以下の説明では、ケースを構成する全ての部品をまとめてケース80と称する。
【0022】
弁体10は、その移動により流路90に設けられた弁座92の開口部94の大きさを変化させる。これにより、流路90を流れる流体の流量が調節される。その具体的な構成について、図1、図2に加えて弁体10を下から見た図(図1および図2におけるA矢視図)である図3を参照して説明する。流路90には、弁座92が設けられている。図3に示すように、弁座92には、点Pを対称の中心として点対称に位置する二つの開口部94が設けられている。また、弁座92は、弁座付勢ばね96により下方向に押しつけられており、この弁座92の下面に弁体10が取り付けられている。弁体10は、弁体連結軸65の先端に固定され、モータ20を駆動源として点Pを中心として回転する。
【0023】
この弁体10の回転によって弁体10に覆われる開口部94の大きさが変化するため、流路90において、弁体10側(開口部94の下側)から弁座92側(開口部94の上側)へ流れる流体の流量が変化する。図3に示すように、本実施形態では、弁体10を0度(全開)から30度(全閉)の範囲内で回転させ、開口部94の大きさを変化させることにより、流体の流量が調節される。
【0024】
弁体10の駆動源であるモータ20は、ステッピングモータである。なお、ステッピングモータ以外のモータを適用することも可能である。かかるモータ20は、ステータ22およびロータ24とを備える。ステータ22は、駆動コイル221およびステータコア222を備える。ステータコア222は、内ステータコアと外ステータコアが上下に配設されてなる。ステータコア222は、駆動コイル221への給電により発生する磁界によって着磁し、その内側に位置するロータ24を回転させる。
【0025】
ロータ24は、ロータ本体241とマグネット(永久磁石)242とを備える。具体的には、合成樹脂製のロータ本体241の外周にマグネット242が固定されており、ロータ本体241の内側には、動力伝達機構30の一部である遊星歯車部40が配設されている。
【0026】
かかるモータ20の動力は、動力伝達機構30を介して弁体10に伝達される。以下、この動力伝達機構30の構成について説明する。動力伝達機構30は、遊星歯車部40と、クラッチ部(本発明におけるクラッチ手段に相当する。)50と、出力部60とを備える。また、出力部60には、位置検出部(本発明における位置検出手段に相当する。)70が設けられている。以下、各構成について詳細に説明する。
【0027】
(遊星歯車部の構成)
遊星歯車部40は、ロータ24のロータ本体241の内側に設けられた差動歯車列である。かかる差動歯車列(差動機構)の作用については、後述のバルブ装置1の動作説明にて詳述する。図4は、この遊星歯車部40の分解斜視図(上下方向に中央で切断した断面を示す。)である。なお、図4には、説明のためロータ24も併せて記載している。図1、図2および図4に示すように、遊星歯車部40は、二つの遊星歯車42、この遊星歯車42と噛合する下歯車44、および同じく遊星歯車42と噛合する上歯車46を備える。
【0028】
図4の分解斜視図から分かるように、二つの遊星歯車42は、それぞれ遊星歯車用支軸421に回転自在に支持される。ロータ本体241には、その下端部に第一の遊星歯車支持部26が形成されている。第一の遊星歯車支持部26には、二つの下固定孔261が形成されており、遊星歯車42が支持された遊星歯車用支軸421の一端(下端)がこの下固定孔261に嵌め込み固定されている。一方、遊星歯車用支軸421の他端(上端)は、ロータ本体241とは別に成形された第二の遊星歯車支持部28に形成された二つの上固定孔281のそれぞれに固定される。具体的には、遊星歯車用支軸421の一端を下固定孔261に嵌め込んだ後、第二の遊星歯車支持部28の突起283をロータ本体241に設けられた取付孔241bに嵌め込んで取り付けることにより、遊星歯車用支軸421の上端が上固定孔281に固定される。つまり、ロータ本体241と一体的に形成された第一の遊星歯車支持部26、およびロータ本体241に固定された第二の遊星歯車支持部28が、二つの遊星歯車42を連結するキャリアを構成する。
【0029】
また、第一の遊星歯車支持部26および第二の遊星歯車支持部28のそれぞれの中央には、軸孔262および軸孔282が形成されている。この軸孔262および軸孔282には、ケース80に形成された支持孔81、82に固定された遊星キャリア用支軸243(図4には図示せず。図1および図2参照。)が挿通されている。つまり、ロータ24は、ステータ22から発生する磁界により、遊星キャリア用支軸243を中心として回転する。このロータ24の回転により、第一の遊星歯車支持部26および第二の遊星歯車支持部28に固定された二つの遊星歯車42は、ロータ24の回転中心(遊星キャリア用支軸243の軸線)を中心として公転する。
【0030】
下歯車44は、円筒部441と大径部442とからなり、その中央には円筒部441の内底面から大径部442にかけて貫通した支持孔443が形成されている。この支持孔443にケース80に形成された支持突起85が挿通されることにより、下歯車44は回転自在に支持されている。支持突起85の中央には、遊星キャリア用支軸243が固定されている。つまり、支持突起85の軸線は、遊星キャリア用支軸243の軸線と一致し、下歯車44とロータ24の回転中心は同一である。下歯車44の円筒部441の内側には、内歯441aが形成されており、ロータ24の回転に伴って公転する二つの遊星歯車42と噛合している。一方、大径部442の外周には、外歯442aが形成されている。
【0031】
大径部442の外歯442aは、クラッチ伝達ギア48の小径歯車部48aと噛合している。クラッチ伝達ギア48は、ケース80に形成されたクラッチ伝達ギア用支持軸88に回転自在に支持されている。このクラッチ伝達ギア48の大径歯車部48bは、クラッチ部50を構成するクラッチギア52の外歯521aと噛合している。
【0032】
上歯車46は、円筒部461と小径部462とからなり、その中央には円筒部461の内底面から小径部462にかけて貫通した支持孔463が形成されている。この支持孔463に挿通された遊星キャリア用支軸243により、上歯車46は回転自在に支持されている。つまり、上歯車46の回転中心は、ロータ24および下歯車44と同じである。上歯車46の円筒部461の内側には、内歯461aが形成されており、ロータ24の回転に伴って公転する二つの遊星歯車42と噛合している。一方、小径部462の外周には、外歯462aが形成されている。
【0033】
(クラッチ部の構成)
クラッチ部50は、遊星歯車部40の差動機構を利用して、モータ20の動力が出力部60を介して弁体10に伝わる状態とするか、あるいはモータ20の動力が弁体10に伝わらない状態とするかを切り替える役割を果たす。例えば、停電や配線の断線等の非常時には、強制的にモータ20の動力が弁体10に伝わらない状態とする。このクラッチ部50は、図1および図2に示すように、クラッチギア52(本発明におけるクラッチ部材に相当する。)と、クラッチ切断用ばね54と、作動軸56と、ソレノイド58とを備える。なお、以下で説明するように、本実施形態ではクラッチを「継」状態とする際、ケース80に形成された係合溝86を利用するため、ケース80もクラッチ部50に含まれる。
【0034】
クラッチギア52は、円筒部521と円板部522とを有し、ケース80に設けられた支持軸84に挿通されることにより、支持軸84の軸線を中心として回転可能かつ上下方向にスライド可能に取り付けられている。上述したように、円筒部521の外周に形成された外歯521aは、クラッチ伝達ギア48の大径歯車部48bと噛合している。つまり、下歯車44の回転は、クラッチ伝達ギア48を介してクラッチギア52に伝達される。また、図5に示すように、クラッチギア52の円板部522の下端面からは、円周上等間隔に係合突起522aが形成されている。
【0035】
これに対応して、ケース80における円板部522と対向する箇所には、係合突起522aと同数の係合溝86が形成されている。図6は、この係合溝86を上から見た外観斜視図である。係合溝86の大きさは、係合突起522aより若干大きく、クラッチギア52が下方向にスライドすると、係合突起522aと係合溝86とが一対一の関係で係合するようになっている。このように両者が係合すると、クラッチギア52は回転不能となる。後の動作説明で述べるように、本実施形態ではモータ20から出力部60への動力伝達に遊星歯車部40の差動機構を利用しているため、クラッチギア52が回転不能となることにより、クラッチは「継」状態となる。
【0036】
クラッチ切断用ばね54は、クラッチが「継」状態にあるときにクラッチギア52を上方向に付勢する部材である。具体的には、クラッチ切断用ばね54は、ケース80の支持軸84に挿通され、ケース80とクラッチギア52の円板部522の下端面との間に挟まれた状態で配設される。このように配設されたクラッチ切断用ばね54は、クラッチギア52が下方向にスライドすることによって縮み、クラッチギア52を上方向に付勢する。つまり、クラッチギア52の係合突起522aと係合溝86とが係合した状態にある場合、クラッチ切断用ばね54は、その係合を切り離す方向、すなわちクラッチを「断」状態とする方向にクラッチギア52を付勢する。
【0037】
作動軸56は、ソレノイド58の動力をクラッチギア52に伝達するための部材であり、円形の係合板561と、この係合板561から突出した複数の連結軸部562とを有する。係合板561の中央には、クラッチギア52の円筒部521より大きい貫通穴561aが形成されている。図1および図2に示すように、作動軸56は、貫通穴561aを通してクラッチギア52の円筒部521を上方に突出させ、クラッチギア52の円板部522を上から覆うように位置する。
【0038】
連結軸部562は、ケース80に形成されたガイド穴87に挿通される。連結軸部562の先端には、内側に向かって突出した爪片562aが形成されている。作動軸56は、この爪片562aを利用して連結板55と連結されている。具体的には、連結軸部562を連結板55に貫通させ、先端の爪片562が連結板55の下面に当接するようにして連結されている。このように連結することで、作動軸56に作用する上方向の力が連結板55に作用し、連結板55に作用する下方向の力が作動軸56に作用する。すなわち、互いに引っ張り合う方向にのみ力が作用し合うことになる。
【0039】
ソレノイド58は、クラッチを「継」状態とするために作動軸56を移動・保持させる駆動源であって、駆動コイル582と、その内側に配設された出力軸581とを有する。駆動コイル582に通電する(駆動コイル582に通電した状態を励磁状態といい、駆動コイル582に通電していない状態を非励磁状態という。)と、発生する磁界により出力軸581がその軸線方向下向きに移動する。出力軸581の先端には突起581aが形成されており、その突起581aには連結板55が固定されている。
【0040】
かかる構成とすることにより、ソレノイド58、連結板55、作動軸56、およびクラッチギア52は、それぞれが次のように作用し合う。図1に示すソレノイド58の非励磁状態から駆動コイル582に通電し出力軸581が下方向に移動すると、連結板55を介して作動軸56が下方向に移動する。作動軸56が下方向に移動すると、作動軸56の係合板561がクラッチギア52を押し下げ、クラッチギア52の係合突起522aと係合溝86が係合し図2に示す状態となる。これに対し、図2に示すソレノイド58の励磁状態から駆動コイル582への通電を停止すると、クラッチ切断用ばね54の付勢力によりクラッチギア52が上方に移動する。これに伴い作動軸56も上方向に移動し、連結板55を介して出力軸581が上方向に移動し図1に示す状態となる(出力軸581が原位置に戻る。)。
【0041】
(出力部の構成)
出力部60は、遊星歯車部40の差動機構を利用して上歯車46に伝達されたモータ20の動力を弁体10に伝達する構成を有する。具体的には、第一の出力歯車62と、第二の出力歯車64と、弁体付勢ばね66(本発明における弁体付勢手段に相当する。)とを備える。
【0042】
第一の出力歯車62は、相対的に大径の大径歯車部621aと、相対的に小径の小径歯車部622aとを有する複合歯車であり、ケース80に取り付けられた第一の出力歯車用支持軸63に回転自在に支持されている。第一の出力歯車62の大径歯車部621aは、上歯車46の外歯462aと噛合している。この第一の出力歯車62は、モータ20の出力を、第二の出力歯車64だけでなく、位置検出部70にも伝達する役割を果たす。
【0043】
第二の出力歯車64は、相対的に大径の大径部641と、相対的に小径の小径部642とを有し、ケース80に設けられた第二の出力歯車用支持軸89に回転自在に支持されている。大径部641の外周には、歯車部641aが形成されており、第一の出力歯車62の小径歯車部622aと噛合している。一方、小径部642の一部はケース80より突出し、その先端には弁体連結軸65が固定されている。弁体10は、この弁体連結軸65を介して第二の出力歯車64と連結されており、第二の出力歯車64と一体的に回転する。
【0044】
第二の出力歯車64の大径部641には、所定深さの円形状の溝が形成されており、この溝に弁体付勢ばね66が収納されている。弁体付勢ばね66は、第二の出力歯車64を回転方向に付勢するねじりコイルばねである。その付勢方向は、第二の出力歯車64と一体的に回転する弁体10が、流体の流路である開口部94を閉鎖する方向に回転(移動)する方向(図3(a)における左回転方向)になるように設定され、その付勢力は、動力伝達機構30を介してモータ20に作用するトルクの大きさが、モータ20のディテントトルクよりも小さくなるように設定されている。
【0045】
この弁体付勢ばね66は、必ず第二の出力歯車64に取り付けなければならないものではないが、クラッチが「断」状態にあるときに弁体付勢ばね66の付勢力がモータ20に作用しないようにするため、クラッチ部50(クラッチギア52)より出力側に設ける必要がある。「クラッチ部50より出力側」とは、動力伝達機構30において、クラッチが「継」状態となることによってはじめてモータ20の動力が伝達される部分をいう。後述の「バルブ装置の動作」説明を参照すれば分かるように、本実施形態における「クラッチ部50より出力側」に位置する部材としては、上歯車46と、出力部60を構成する各部材が該当する。つまり、弁体付勢ばね66は、例えば第一の出力歯車62に取り付けられていてもよい。
【0046】
(位置検出部の構成)
位置検出部70は、弁体10の回転角度(回転位置)を検出するための構成である。本実施形態では、ポテンショメータ72によって被検出軸74の回転を検出する構成を有する。
【0047】
被検出軸74は、ケース80に設けられた被検出軸支持孔83に回転自在に支持されている。このケース80に支持された部分の近傍には、歯車部742が設けられている。この歯車部742が第一の出力歯車62の大径歯車部621aと噛合している。したがって、被検出軸74は、第一の出力歯車62の回転に伴って回転する。
【0048】
ポテンショメータ72は、バルブ装置1を制御する制御基板99上に実装されており、被検出軸74の回転角度を検出する。この被検出軸74の回転角度を検出することにより、弁体10の回転角度が算出できる。なお、弁体10の回転角度の算出にあたっては、第一の出力歯車62、第二の出力歯車64、および被検出軸74が構成する歯車輪列の減速比を考慮する。このようにして弁体10の回転角度を検出することにより弁体10に覆われていない開口部94の大きさが得られ、当該開口部94を通過する流体の流量が算出できる。
【0049】
かかる構成を有する位置検出部70は、第一の出力歯車62と連動して回転する被検出軸74の回転角度を検出するが、検出対象となる部材は、クラッチ部50より出力側に位置するものでなければならない。「クラッチ部50より出力側」とは、前述した通りである。つまり、位置検出部70は、上歯車46、または出力部60を構成する各部材のうち、いずれか(被検出軸74のように、これらの部材と連動して動く部材を含む。)の回転角度を検出するものである必要がある。
【0050】
(バルブ装置の動作)
以上のような構成を備えるバルブ装置1の動作について、一部上記説明と重複するが詳細に説明する。以下の動作説明は、1)通常時(停電や配線の断線等が発生しておらず、モータ20やソレノイド58が制御可能な状態にあるとき)における動作と、2)非常時(停電や配線の断線等により、モータ20やソレノイド58が制御不可能な状態にあるとき)における動作に分けて説明する。
【0051】
1)通常時における動作
制御基板99に搭載された制御装置は、流体の流量を変更する際、まずソレノイド58の駆動コイル582に通電し、ソレノイド58を励磁状態とする。ソレノイド58が励磁状態となると、出力軸581が下方向に移動する。出力軸581が下方向に移動すると、出力軸581に固定されている連結板55および連結板55に係合する作動軸56を介し、クラッチギア52がクラッチ切断用ばね54の付勢力に逆らって下方向に移動する。クラッチギア52が下方向に移動すると、クラッチギア52の外歯521aがケース80の係合溝86に係合し、クラッチギア52は回転不能(拘束状態)となる(図2参照)。
【0052】
クラッチギア52が回転不能となった後、モータ20の駆動コイル221に通電し、ロータ24を回転(正転)させる。ロータ24が回転すると、ロータ24の内側に配設されている二つの遊星歯車42が公転する。この遊星歯車42は、その外側に位置する下歯車44の内歯441aと、上歯車46の内歯461aの二つと噛合している。このうち一方の下歯車44は、拘束された状態にあるクラッチギア52とクラッチ伝達ギア48を介して連繋されているため、拘束された状態にある。つまり、公転する遊星歯車42の動力は、固定された歯車である下歯車44には出力されず、上歯車46(出力部60側)に出力される。
【0053】
このように、モータ20の動力は、遊星歯車部40によって構成される差動機構を利用して上歯車46に出力される。つまり、クラッチ部50によってクラッチギア52を拘束された状態、すなわちクラッチを「継」状態とすれば、モータ20の動力は全て上歯車46に伝達される。
【0054】
なお、ソレノイド58が非励磁状態であって、クラッチが「断」状態にあるときにロータ24が回転すると、クラッチギア52は拘束されていないため、モータ20の動力のほとんどが下歯車44(クラッチ部50側)に出力され、上歯車46には出力されない。弁体10に流体圧等が掛かっている出力部60側の抵抗と比較し、クラッチ部50側の抵抗が非常に小さいため、遊星歯車部40の差動機構により、モータ20の動力がクラッチ部50側に出力され、下歯車44、クラッチ伝達ギア48、およびクラッチギア52が空回りしてしまうことになるからである。
【0055】
このようにしてモータ20の動力が伝達された上歯車46が回転すると、上歯車46の外歯462aに噛合する大径歯車部621aを有する第一の出力歯車62が回転する。第一の出力歯車62が回転すると、第一の出力歯車62の小径歯車部622aと噛合する歯車部641aを有する第二の出力歯車64が回転する。第二の出力歯車64の小径部642の先端には、弁体連結軸65を介して弁体10が固定されているため、第二の出力歯車64と一体的に弁体10が回転する。
【0056】
このとき、第一の出力歯車62の小径歯車部622aと噛合する歯車部742を有する被検出軸74も回転するから、ポテンショメータ72によって弁体10の回転角度が検出される。制御装置は、弁体10が所定角度まで回転し、開口部94が目標とする流量を実現する大きさとなったことをもって、モータ20の駆動コイル221への通電を停止する。
【0057】
本実施形態では、このように駆動コイル221への通電を停止しても、第二の出力歯車64に取り付けられた弁体付勢ばね66によって開口部94を閉鎖する方向に付勢されている弁体10が、開口部94を閉鎖する方向に動くことはない。これは、上述したように、弁体付勢ばね66から動力伝達機構30を介してモータ20に作用するトルクの大きさが、モータ20のディテントトルクよりも小さくなるように設定されているからである。つまり、本実施形態では、モータ20によって所定位置まで弁体10を回転させた後、モータ20を非励磁状態としても、弁体付勢ばね66の付勢力によってモータ20が逆転してしまうことがなく、弁体10の位置がそのまま保持される。
【0058】
よって、制御基板99に設けられた制御装置は、ソレノイド58の駆動コイル582にのみ通電し続け、弁体10の位置をそのまま保持する。そして、再び流量を変化させる必要が生じた場合には、モータ20のロータ24を回転(流量を大きくする場合は正転、小さくする場合は逆転)させ、目標流量を実現する位置まで弁体10を回転させる。
【0059】
2)非常時における動作
停電や配線の断線等が発生した場合、ソレノイド58への通電が停止する。そうなると、連結板55や作動軸56を介してクラッチギア52を下向きに引っ張っていたソレノイド58の力が無くなり、クラッチ切断用ばね54の付勢力によってクラッチギア52は上方向に移動する。これにより、クラッチギア52の外歯521aがケース80の係合溝86から外れ、クラッチギア52の拘束が解かれる。
【0060】
クラッチギア52の拘束が解かれると、このクラッチギア52にクラッチ伝達ギア48を介して連繋されている下歯車44の拘束も解かれる。このようにクラッチが「断」状態となると、モータ20と弁体付勢ばね66との間における動力伝達機構30による動力の伝達が切断された状態となるため、モータ20のディテントトルクが弁体付勢ばね66の付勢力に作用しない。つまり、モータ20のディテントトルクによって所定の位置に保持されていた弁体10は、弁体付勢ばね66の付勢力によって開口部94を閉鎖する方向に回転し、流体の流れが遮断される。
【0061】
このように、本実施形態では、弁体付勢ばね66から動力伝達機構30を介してモータ20に作用するトルクの大きさが、モータ20のディテントトルクよりも小さくなるように設定されているため、通常時、すなわちクラッチが「継」状態にある場合には、モータ20の駆動コイル22への通電を停止しても弁体10は、開口部94を閉鎖する方向に移動しない。しかし、弁体付勢ばね66は、クラッチが「断」状態にある場合における動力伝達機構30の輪列負荷に逆らって弁体10を回転させることができる付勢力は備えているため、クラッチが「断」状態となる非常時には、弁体付勢ばね66が弁体10を開口部94を閉鎖する方向に回転させる。
【0062】
(本実施形態の効果)
本実施形態に係るバルブ装置1によれば、停電や配線の断線等により、非常時にはソレノイド58が非励磁状態となることから、クラッチは「断」状態となり弁体10とモータ20とを連繋する動力伝達機構30は切り離された状態になる。そのため、開口部94を閉鎖する方向に弁体10を付勢する弁体付勢ばね66の付勢力に対抗する力として、モータ20のディテントトルクが寄与しない。つまり、開口部94を閉鎖するために必要な弁体付勢ばね66の付勢力を、モータ20のディテントトルクが寄与しない分従来よりも小さくすることができる。このように弁体付勢ばね66の付勢力が小さくなれば、通常動作時において、弁体付勢ばね66の付勢力に抗して弁体10を移動させるモータ20の負荷が低減するため、従来よりも装置の消費電力が抑えられる。
【0063】
また、本実施形態では、シャットダウン時に弁体10が開口部94を閉鎖する方向に移動するとき、モータ20のディテントトルクの影響を受けないため、弁体付勢ばね66から動力伝達機構30を介してモータ20に作用するトルクの大きさを、モータ20のディテントトルクより小さくすることができる。このようにすれば、通常動作時において、弁体10を所定位置まで移動させた後にモータ20を非励磁状態としても、モータ20に作用する弁体付勢ばね66の付勢力(トルク)がモータ20のディテントトルクを上回ることはないから、モータ20が非励磁状態であっても所定位置で弁体10を保持することができる。したがって、モータ20は流量の大小を調節する際にのみ駆動させればよく、流量を一定にしているときには保持トルクを出力し続ける必要がない。よって、従来と比較して消費電力を低減することができる。
【0064】
また、バルブ装置1には、クラッチ部50(クラッチギア52)よりも出力側に、弁体10の位置を検出するポテンショメータ72を有する位置検出部70が設けられている。かかる構成により、弁体10と位置検出部70の間で動力伝達機構30が切り離されることがないから、非常時に流路90がシャットダウンされても、弁体10の位置と位置検出部70が検知する弁体10の位置関係が狂うことはない。したがって、バルブ装置1(バルブ装置1が搭載された機器)の使用を再開するときに、弁体10の実際の位置と、位置検出部70が検知する弁体10の位置のずれを修正するといった作業は必要なく、シャットダウンした原因となった問題が解消しさえすれば、即座にその使用を再開することができる。
【0065】
また、クラッチギア52は、その回転により動力が伝達されるように構成されている一方、ソレノイド58の励磁・非励磁状態を切り替えることによりその軸線方向に上下動し、係合突起522aと係合溝86との係合・非係合が切り替えられるように構成されている。このように、クラッチの「継」「断」の切替が、「回転方向」に力を受けるクラッチギア52の「軸線方向」の移動によってなされるようにすれば、クラッチギア52を軸線方向に駆動させるソレノイド58に掛かる負荷を小さくすることができ、ソレノイド58の小型化、省電力化につながる。
【0066】
そして、流量を変化させる際、弁体10は、開口部94が形成された弁座92上を移動(回転)する。このように、開口部94に対して略平行、すなわち開口部94を通過する流体の流れに対して略直交する方向に移動するようにすれば、弁体10が移動するときに掛かる流体圧の影響を小さくすることができる。そのため、弁体10を移動させるモータ20や弁体付勢ばね66の出力を小さくすることができ、装置の小型化、省電力化につながる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0068】
例えば、本実施形態では、動力伝達機構30は、遊星歯車部40が構成する差動機構を利用し、クラッチが「継」状態にある場合には、モータ20の動力が出力部60に伝達される構成であることを説明したが、このような差動機構を用いなくともよい。例えば、単純な歯車輪列を構成し、そのうちの一の歯車をソレノイド等の駆動源により駆動させることで、クラッチの「継」「断」を切り替えるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 バルブ装置
10 弁体
20 モータ
30 動力伝達機構
40 遊星歯車部
50 クラッチ部
52 クラッチギア
58 ソレノイド
60 出力部
66 弁体付勢ばね
70 位置検出部
90 流路
92 弁座
94 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路に設けられた開口部の大きさを弁体の移動によって変化させ、該開口部を通過する流体の流量を調節するバルブ装置において、
前記弁体は、駆動源であるモータと動力伝達機構を介して連繋され、該動力伝達機構は、ソレノイドを駆動源とし該ソレノイドが励磁状態にあるときには前記モータと前記弁体との間において動力が伝達可能な状態とする一方、該ソレノイドが非励磁状態にあるときには前記モータと前記弁体との間における動力の伝達を遮断するクラッチ手段と、該クラッチ手段よりも出力側に前記ソレノイドが非励磁状態にあるときに前記開口部を閉鎖する方向へ前記弁体を移動させる弁体付勢手段とを備えることを特徴とするバルブ装置。
【請求項2】
前記弁体付勢手段から前記動力伝達機構を介して前記モータに作用するトルクの大きさが、前記モータのディテントトルクの大きさよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記動力伝達機構には、前記クラッチ手段よりも出力側に前記弁体の位置を検出する位置検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ装置。
【請求項4】
前記クラッチ手段は、前記モータの動力を回転方向に受けるクラッチ部材を有し、該クラッチ部材は、前記ソレノイドの励磁・非励磁状態を切り替えることによりその軸線方向に移動するように設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバルブ装置。
【請求項5】
前記弁体は、前記開口部に対して略平行に移動するように設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のバルブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−75083(P2011−75083A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229822(P2009−229822)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】