バンドストッパーおよびサーフボードキャリア
【課題】取り付け車種が限定されず、簡単に取り付けでき、乗車人数が制限されないサーフボードキャリアを実現すること。
【解決手段】このバンドストッパー100はバックル構造であり、内側に平面部2を有する本体1の両側の壁3の間の上部に前梁部4を有する。ハンドル5は、回転軸6を軸受穴7に嵌め込むかたちで本体1に回転可能に支持される。回転軸6の表面の軸方向には2つの突起9が形成されている。サーフボードキャリアは、自動車の室内の天井のドア付近の左右に設けたアシストグリップの間にバンド60を二重に渡し、このバンド60の間にサーフボードを差し入れて保持する。これにより乗車人数が制限されないし、取り付け車種が限定されず、簡単な取り付けが可能になる。
【解決手段】このバンドストッパー100はバックル構造であり、内側に平面部2を有する本体1の両側の壁3の間の上部に前梁部4を有する。ハンドル5は、回転軸6を軸受穴7に嵌め込むかたちで本体1に回転可能に支持される。回転軸6の表面の軸方向には2つの突起9が形成されている。サーフボードキャリアは、自動車の室内の天井のドア付近の左右に設けたアシストグリップの間にバンド60を二重に渡し、このバンド60の間にサーフボードを差し入れて保持する。これにより乗車人数が制限されないし、取り付け車種が限定されず、簡単な取り付けが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サーフボードを簡単に自動車の車内に収容するためのサーフボードキャリアとして用いるバンドストッパーおよびサーフボードキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車内収納ボードラックとして、特許文献1に記載のものが知られている。この車内収納ボードラック500は、図16に示すように、ワンボックス車の片側の壁501に2つのラックレール502をビスなどで縦方向に取り付け、このラックレール502にボードラック504を二段に取り付けたものである。各ボードラック504は、その両側にフック506を有すると共にその一端にスライド部503を有する。当該スライド部503は、伸縮ゴムの作用によりサーフボードSのサイズに合わせて伸縮可能である。
【0003】
この車内収納ボードラック500では、サーフボードSを、ボードラック504上に渡すと共に、伸縮ゴムの作用によりフック506でサーフボードSを挟み込んで固定する。このようにしてワンボックス車内において2枚のサーフボードをボードラック504上にそれぞれ重ねて収納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−180383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の車内収納ボードラック500は、車内の壁501に直接ビス等により固定しなければならないため、取り付け可能な車種が限定される上、取り付け工数と時間がかかるという問題点がある。また、サーフボードSを重ねて収納するため、乗車人数が制限されてしまうという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、この発明のバンドストッパーは、回転軸に対してハンドルおよび突起が設けられ、前記回転軸は本体の両側の壁に対して回転可能に支持されると共に前記突起はハンドルを閉じた状態で本体の内側の平面部に対向し、この突起と平面部とは二重に重ねた状態のバンドを挟んで固定する間隔を備え、当該ハンドルの閉じ位置で当該ハンドルが当接する後梁部を両壁の間に設けたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明のバンドストッパーは、上記発明において、前記両壁の間に前梁部を備え、当該前梁部または前記後梁部が本体から突出していることを特徴とする。
【0008】
また、この発明のバンドストッパーは、上記発明において、前記平面部が前記本体の前または後に突出していることを特徴とする
【0009】
また、この発明のサーフボードキャリアは、上記バンドストッパーと、当該バンドストッパーに挿通し得る幅および厚さを有するバンドとからなることを特徴とする。
【0010】
また、この発明のサーフボードキャリアは、上記発明において、前記バンドの端部には、環を有する又は別体としたスライドバックルが設けられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるバンドストッパーを示す側面図である。
【図2】図1に示したバンドストッパーの平面図である。
【図3】図1に示したバンドストッパーの正面図である。
【図4】図1のバンドストッパーを用いてサーフボードキャリアを構成した場合の使用例を示す説明図である。
【図5】図1のバンドストッパーを用いてサーフボードキャリアを構成した場合の使用例を示す説明図である。
【図6】ベルトの端部に設けたスライドバックルを示す斜視図である。
【図7】このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法を示す説明図である。
【図8】このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法の別の例を示す説明図である。
【図9】このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法の別の例を示す説明図である。
【図10】このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法の別の例を示す説明図である。
【図11】スライドバックルの変形例を示す斜視図である。
【図12】スライドバックルなしのバンドの例を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態2にかかるバンドストッパーを示す側面図である。
【図14】図13に示したバンドストッパーの平面図である。
【図15】図13に示したバンドストッパーの使用方法を示す説明図である。
【図16】従来のボードラックの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかるバンドストッパーを示す側面図である。図2は、図1に示したバンドストッパーの平面図である。図3は、図1に示したバンドストッパーの正面図である。図4および図5は、図1のバンドストッパーを用いてサーフボードキャリアを構成した場合の使用例を示す説明図である。
【0013】
このサーフボードキャリア50は、図4に示すように、自動車の室内の天井のドア付近の左右に設けたアシストグリップHの間にバンド60を二重に渡し、このバンド60の間にサーフボードSを差し入れて保持する構成である。このバンドストッパー100はバックル構造であり、内側に平面部2を有する本体1の両側の壁3の間の上部に前梁部4を有する。ハンドル5は、回転軸6を軸受穴7に嵌め込むかたちで本体1に回転可能に支持される。回転軸6の表面の軸方向には2つの突起9が形成されている。
【0014】
また、本体1の両側の壁3の間の上部には、ハンドル5のストッパーとして機能する後梁部8が設けられている。ハンドル5が後梁部8に当たっている状態で前記突起9が平面部2に対向し、この状態でバンド60を固定できる。なお、ハンドル5を閉じた状態で、当該ハンドル5は本体1の壁3の内側に入るようになる。前記前梁部4,後梁部8と平面部2との間隔は、バンド60を二重にして余裕を持って通すことができる寸法とする。また、突起9と平面部2とは二重に重ねた状態のバンド60を挟んで固定する間隔となる。即ち、当該間隔は、バンド60を挟んで固定するため、当該バンド60を二重に重ねた状態の厚さよりも小さいものである必要がある。
【0015】
また、本体1の両側(バンド60の挿通方向)には、突起部が設けられている。上部前方の突起部10は、前梁部4の一部が本体1から突出することにより形成され、上部後方の突起部12は、後梁部8の一部が本体1から突出することにより形成され、下部前方および後方の突起部11、13は平面部2の一部が本体1から突出することにより形成される。突起10は、強度向上のため、その上部が前梁部4から緩やかな曲面10aをもって突出している。同じく突起12は、強度向上のため、その上部が後梁部8から緩やかな曲面12aをもって突出している。また、突起部10〜13は、先端10b、12bの断面形状が円弧形状となる。なお、この突起部10,11の表面にゴム等の弾性部材を設けても良い(図示省略)。この突起部10〜13がサーフボードSとの接触を受け持ち、本体1やハンドル5等にサーフボードSが当たり難くしている。このため、この突起部10,11が形成されている側にサーフボードが位置するようにする。
【0016】
前記突起部12は、ハンドル5を閉じた状態で当該ハンドル5の端縁5aが突起部12から出ないようになっている。即ち、サーフボードSがバンドストッパー100に当たる場合、先に突起部12がサーフボードSに接触するため、ハンドル5に当たり難くなる。このため、使用時にハンドル5が外れることを防止できる。
【0017】
図1に示すように、回転軸6と本体1の平面部2との間に上下のバンド60を通し、ハンドル5を開いてバンド60を非固定状態にすれば、このバンドストッパー100をバンド60に沿って移動できる。そして、所定位置において前記ハンドル5を閉めることでバンドストッパー100を固定できる。ハンドル5を後梁部8に当たるまで回転させると、バンド60が前記突起9と平面部2との間に挟まれて、固定される。バンド60は、2つの突起9により平面部2に押し付けられるので、より強固に固定される。
【0018】
図6は、ベルト60の端部に設けたスライドバックルを示す斜視図である。このスライドバックルは、断面がコの字形状の本体71の内側にハンドル72が回転自在に設けられ、このハンドル72の回転軸には複数の歯(図示省略)が設けられており、ハンドル72を閉じた状態で歯がバンド60に喰い込み、当該バンド60を固定する構造である。本体71の一端には、ベルト60の端部を本体1に取り付けるためのピン73が設けられている。また、使用時に上側に位置することになる環74が設けられている。この環74は、ベルト60を通すためのものであり、前記本体71に対して回転自在に設けられる。
【0019】
図7は、このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法を示す説明図である。同図(a)に示すように、スライドバックル70が設けられていないほうのベルト60の端を一方のアシストグリップHの下から通し、続いてスライドバックル70の環74に通す。そして、当該ベルト60の端を一方のバンドストッパー100の回転軸6と平面部2との間に挿通する。次に、同図(b)に示すように、他方のバンドストッパー100の回転軸6と平面部2との間に挿通し、そのベルト60の端部を一方のアシストグリップHの上から下に通す。次に、当該アシストグリップHで折り返したベルト60の端部を前記各バンドストッパー100,100の回転軸6と平面部2との間に再び通す。この状態で、同図(c)に示すように、ベルト60が各バンドストッパー100,100の回転軸6と平面部2との間を二重に重なった状態で通されることになる。
【0020】
最後に、同図(d)に示すように、ベルト60の端をスライドバックル70に通してハンドル5を閉じ、ベルト60を固定する。これにより、アシストグリップHの間に二重に渡されたベルト60の間に3つの環C1〜C3が形成される。サーフボードSを挿入する環C1,C3の寸法はバンドストッパー100,100の位置により調整する。具体的には、バンドストッパー100,100のハンドル5を起こしてベルト60に沿って移動させて、所定の位置でハンドル5を閉じる。これにより、ベルト60が回転軸6に設けた突起7とこれに対向する平面部2との間に挟まれて、固定される。このバンド60およびバンドストッパー100を車の前後のアシストグリップHに対して取り付け、図4に示すように、左右の環C1,C3(バンドストッパーとアシストグリップとの間)にサーフボードSを挿入し得るようにする。
【0021】
また、図8に示すように、バンドストッパー100の位置を変更して当該バンドストッパー100とバンドストッパー100との間の環C2にサーフボードSを挿入することもできる。また、図9に示すように、バンドストッパー100を3個用いても良いし、図10に示すように、バンドストッパー100を4個用いても良い。いずれの場合も、バンドストッパー100の位置を調整することでサーフボードSが挿入可能な環を形成すれば良い。
【0022】
以上、この発明のバンドストッパー100によれば、ベルト60と組み合わせてサーフボードキャリア50を構成でき、当該バンドストッパー100を移動することにより多種類のサーフボードSを車内に積載できる。また、バンドストッパー100の位置を調整することで、サーフボードSの他、スノーボードその他の板状体の積載が可能となる。
【0023】
図11は、上記スライドバックルの変形例を示す斜視図である。このスライドバックル80は、上記図6に示したスライドバックル70の環74を別体にした構成である。このスライドバックル80の場合は、アシストグリップHにベルト60を通す前に当該環81にベルト60を通し、アシストグリップHで折り返したベルト60を再び当該環81に通す必要がある。その他は、上記図7に示した使用方法と同じである。なお、図12に示すように、ベルト60にスライドバックル70,80を用いず、当該ベルト60をアシストグリップHに対して結び付けるようにしても良い。
【0024】
なお、上記後梁部8を金属バーにより構成し、ハンドル5の端部が本体1からはみ出ないようにしても良い。この場合、ハンドル5は当該金属バーに当接することでその回転が規制され且つ金属バーからハンドル5の端部がはみ出るようにすることで、ハンドル5を戻す際に手を引っ掛けやすくできる。
【0025】
(実施の形態2)
図13は、この発明の実施の形態2にかかるバンドストッパーを示す側面図である。図14は、図13に示したバンドストッパーの平面図である。図15は、図13に示したバンドストッパーの使用方法を示す説明図である。このバンドストッパー200は、実施の形態1のバンドストッパー100と略同じ構成であるが、突起部が斜めに形成されている点が異なる。そのほかの構成は実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
【0026】
このバンドストッパー200は、本体1の両側(バンド60の挿通方向)に突起部が設けられ、上部前方の突起部210は、前梁部4の一部が本体1から突出することにより形成され、上部後方の突起部212は、後梁部8の一部が本体1から突出することにより形成され、下部前方および後方の突起部211、213は平面部2の一部が本体1から突出することにより形成される。突起部210,211は、同角度の斜面を有する。突起部212,213は、同角度であって突起部210,211とは反対の斜面となる。また、突起部210〜213は、先端の断面形状が半円形となる。
【0027】
サーフボードSの前後は湾曲しており、この湾曲部分を受けるには上記斜面とするのが好ましい。即ち、図15に示すように、このバンドストッパー200を用いてサーフボードキャリア50を構成した場合、サーフボードSを当該サーフボードキャリア50に収納する際にその湾曲した前後部分がバンドストッパー200の斜面に当たるようになる。これにより、サーフボードSを安定して保持できる。
【符号の説明】
【0028】
50 サーフボードキャリア
60 バンド
100 バンドストッパー
1 本体
2 平面部
3 壁
4 前梁部
5 ハンドル
6 回転軸
7 軸受穴
8 後梁部
9 突起
10,11 突起部
【技術分野】
【0001】
この発明は、サーフボードを簡単に自動車の車内に収容するためのサーフボードキャリアとして用いるバンドストッパーおよびサーフボードキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車内収納ボードラックとして、特許文献1に記載のものが知られている。この車内収納ボードラック500は、図16に示すように、ワンボックス車の片側の壁501に2つのラックレール502をビスなどで縦方向に取り付け、このラックレール502にボードラック504を二段に取り付けたものである。各ボードラック504は、その両側にフック506を有すると共にその一端にスライド部503を有する。当該スライド部503は、伸縮ゴムの作用によりサーフボードSのサイズに合わせて伸縮可能である。
【0003】
この車内収納ボードラック500では、サーフボードSを、ボードラック504上に渡すと共に、伸縮ゴムの作用によりフック506でサーフボードSを挟み込んで固定する。このようにしてワンボックス車内において2枚のサーフボードをボードラック504上にそれぞれ重ねて収納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−180383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の車内収納ボードラック500は、車内の壁501に直接ビス等により固定しなければならないため、取り付け可能な車種が限定される上、取り付け工数と時間がかかるという問題点がある。また、サーフボードSを重ねて収納するため、乗車人数が制限されてしまうという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、この発明のバンドストッパーは、回転軸に対してハンドルおよび突起が設けられ、前記回転軸は本体の両側の壁に対して回転可能に支持されると共に前記突起はハンドルを閉じた状態で本体の内側の平面部に対向し、この突起と平面部とは二重に重ねた状態のバンドを挟んで固定する間隔を備え、当該ハンドルの閉じ位置で当該ハンドルが当接する後梁部を両壁の間に設けたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明のバンドストッパーは、上記発明において、前記両壁の間に前梁部を備え、当該前梁部または前記後梁部が本体から突出していることを特徴とする。
【0008】
また、この発明のバンドストッパーは、上記発明において、前記平面部が前記本体の前または後に突出していることを特徴とする
【0009】
また、この発明のサーフボードキャリアは、上記バンドストッパーと、当該バンドストッパーに挿通し得る幅および厚さを有するバンドとからなることを特徴とする。
【0010】
また、この発明のサーフボードキャリアは、上記発明において、前記バンドの端部には、環を有する又は別体としたスライドバックルが設けられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるバンドストッパーを示す側面図である。
【図2】図1に示したバンドストッパーの平面図である。
【図3】図1に示したバンドストッパーの正面図である。
【図4】図1のバンドストッパーを用いてサーフボードキャリアを構成した場合の使用例を示す説明図である。
【図5】図1のバンドストッパーを用いてサーフボードキャリアを構成した場合の使用例を示す説明図である。
【図6】ベルトの端部に設けたスライドバックルを示す斜視図である。
【図7】このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法を示す説明図である。
【図8】このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法の別の例を示す説明図である。
【図9】このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法の別の例を示す説明図である。
【図10】このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法の別の例を示す説明図である。
【図11】スライドバックルの変形例を示す斜視図である。
【図12】スライドバックルなしのバンドの例を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態2にかかるバンドストッパーを示す側面図である。
【図14】図13に示したバンドストッパーの平面図である。
【図15】図13に示したバンドストッパーの使用方法を示す説明図である。
【図16】従来のボードラックの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかるバンドストッパーを示す側面図である。図2は、図1に示したバンドストッパーの平面図である。図3は、図1に示したバンドストッパーの正面図である。図4および図5は、図1のバンドストッパーを用いてサーフボードキャリアを構成した場合の使用例を示す説明図である。
【0013】
このサーフボードキャリア50は、図4に示すように、自動車の室内の天井のドア付近の左右に設けたアシストグリップHの間にバンド60を二重に渡し、このバンド60の間にサーフボードSを差し入れて保持する構成である。このバンドストッパー100はバックル構造であり、内側に平面部2を有する本体1の両側の壁3の間の上部に前梁部4を有する。ハンドル5は、回転軸6を軸受穴7に嵌め込むかたちで本体1に回転可能に支持される。回転軸6の表面の軸方向には2つの突起9が形成されている。
【0014】
また、本体1の両側の壁3の間の上部には、ハンドル5のストッパーとして機能する後梁部8が設けられている。ハンドル5が後梁部8に当たっている状態で前記突起9が平面部2に対向し、この状態でバンド60を固定できる。なお、ハンドル5を閉じた状態で、当該ハンドル5は本体1の壁3の内側に入るようになる。前記前梁部4,後梁部8と平面部2との間隔は、バンド60を二重にして余裕を持って通すことができる寸法とする。また、突起9と平面部2とは二重に重ねた状態のバンド60を挟んで固定する間隔となる。即ち、当該間隔は、バンド60を挟んで固定するため、当該バンド60を二重に重ねた状態の厚さよりも小さいものである必要がある。
【0015】
また、本体1の両側(バンド60の挿通方向)には、突起部が設けられている。上部前方の突起部10は、前梁部4の一部が本体1から突出することにより形成され、上部後方の突起部12は、後梁部8の一部が本体1から突出することにより形成され、下部前方および後方の突起部11、13は平面部2の一部が本体1から突出することにより形成される。突起10は、強度向上のため、その上部が前梁部4から緩やかな曲面10aをもって突出している。同じく突起12は、強度向上のため、その上部が後梁部8から緩やかな曲面12aをもって突出している。また、突起部10〜13は、先端10b、12bの断面形状が円弧形状となる。なお、この突起部10,11の表面にゴム等の弾性部材を設けても良い(図示省略)。この突起部10〜13がサーフボードSとの接触を受け持ち、本体1やハンドル5等にサーフボードSが当たり難くしている。このため、この突起部10,11が形成されている側にサーフボードが位置するようにする。
【0016】
前記突起部12は、ハンドル5を閉じた状態で当該ハンドル5の端縁5aが突起部12から出ないようになっている。即ち、サーフボードSがバンドストッパー100に当たる場合、先に突起部12がサーフボードSに接触するため、ハンドル5に当たり難くなる。このため、使用時にハンドル5が外れることを防止できる。
【0017】
図1に示すように、回転軸6と本体1の平面部2との間に上下のバンド60を通し、ハンドル5を開いてバンド60を非固定状態にすれば、このバンドストッパー100をバンド60に沿って移動できる。そして、所定位置において前記ハンドル5を閉めることでバンドストッパー100を固定できる。ハンドル5を後梁部8に当たるまで回転させると、バンド60が前記突起9と平面部2との間に挟まれて、固定される。バンド60は、2つの突起9により平面部2に押し付けられるので、より強固に固定される。
【0018】
図6は、ベルト60の端部に設けたスライドバックルを示す斜視図である。このスライドバックルは、断面がコの字形状の本体71の内側にハンドル72が回転自在に設けられ、このハンドル72の回転軸には複数の歯(図示省略)が設けられており、ハンドル72を閉じた状態で歯がバンド60に喰い込み、当該バンド60を固定する構造である。本体71の一端には、ベルト60の端部を本体1に取り付けるためのピン73が設けられている。また、使用時に上側に位置することになる環74が設けられている。この環74は、ベルト60を通すためのものであり、前記本体71に対して回転自在に設けられる。
【0019】
図7は、このバンドストッパーおよびベルトを用いたサーフボードキャリアの使用方法を示す説明図である。同図(a)に示すように、スライドバックル70が設けられていないほうのベルト60の端を一方のアシストグリップHの下から通し、続いてスライドバックル70の環74に通す。そして、当該ベルト60の端を一方のバンドストッパー100の回転軸6と平面部2との間に挿通する。次に、同図(b)に示すように、他方のバンドストッパー100の回転軸6と平面部2との間に挿通し、そのベルト60の端部を一方のアシストグリップHの上から下に通す。次に、当該アシストグリップHで折り返したベルト60の端部を前記各バンドストッパー100,100の回転軸6と平面部2との間に再び通す。この状態で、同図(c)に示すように、ベルト60が各バンドストッパー100,100の回転軸6と平面部2との間を二重に重なった状態で通されることになる。
【0020】
最後に、同図(d)に示すように、ベルト60の端をスライドバックル70に通してハンドル5を閉じ、ベルト60を固定する。これにより、アシストグリップHの間に二重に渡されたベルト60の間に3つの環C1〜C3が形成される。サーフボードSを挿入する環C1,C3の寸法はバンドストッパー100,100の位置により調整する。具体的には、バンドストッパー100,100のハンドル5を起こしてベルト60に沿って移動させて、所定の位置でハンドル5を閉じる。これにより、ベルト60が回転軸6に設けた突起7とこれに対向する平面部2との間に挟まれて、固定される。このバンド60およびバンドストッパー100を車の前後のアシストグリップHに対して取り付け、図4に示すように、左右の環C1,C3(バンドストッパーとアシストグリップとの間)にサーフボードSを挿入し得るようにする。
【0021】
また、図8に示すように、バンドストッパー100の位置を変更して当該バンドストッパー100とバンドストッパー100との間の環C2にサーフボードSを挿入することもできる。また、図9に示すように、バンドストッパー100を3個用いても良いし、図10に示すように、バンドストッパー100を4個用いても良い。いずれの場合も、バンドストッパー100の位置を調整することでサーフボードSが挿入可能な環を形成すれば良い。
【0022】
以上、この発明のバンドストッパー100によれば、ベルト60と組み合わせてサーフボードキャリア50を構成でき、当該バンドストッパー100を移動することにより多種類のサーフボードSを車内に積載できる。また、バンドストッパー100の位置を調整することで、サーフボードSの他、スノーボードその他の板状体の積載が可能となる。
【0023】
図11は、上記スライドバックルの変形例を示す斜視図である。このスライドバックル80は、上記図6に示したスライドバックル70の環74を別体にした構成である。このスライドバックル80の場合は、アシストグリップHにベルト60を通す前に当該環81にベルト60を通し、アシストグリップHで折り返したベルト60を再び当該環81に通す必要がある。その他は、上記図7に示した使用方法と同じである。なお、図12に示すように、ベルト60にスライドバックル70,80を用いず、当該ベルト60をアシストグリップHに対して結び付けるようにしても良い。
【0024】
なお、上記後梁部8を金属バーにより構成し、ハンドル5の端部が本体1からはみ出ないようにしても良い。この場合、ハンドル5は当該金属バーに当接することでその回転が規制され且つ金属バーからハンドル5の端部がはみ出るようにすることで、ハンドル5を戻す際に手を引っ掛けやすくできる。
【0025】
(実施の形態2)
図13は、この発明の実施の形態2にかかるバンドストッパーを示す側面図である。図14は、図13に示したバンドストッパーの平面図である。図15は、図13に示したバンドストッパーの使用方法を示す説明図である。このバンドストッパー200は、実施の形態1のバンドストッパー100と略同じ構成であるが、突起部が斜めに形成されている点が異なる。そのほかの構成は実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
【0026】
このバンドストッパー200は、本体1の両側(バンド60の挿通方向)に突起部が設けられ、上部前方の突起部210は、前梁部4の一部が本体1から突出することにより形成され、上部後方の突起部212は、後梁部8の一部が本体1から突出することにより形成され、下部前方および後方の突起部211、213は平面部2の一部が本体1から突出することにより形成される。突起部210,211は、同角度の斜面を有する。突起部212,213は、同角度であって突起部210,211とは反対の斜面となる。また、突起部210〜213は、先端の断面形状が半円形となる。
【0027】
サーフボードSの前後は湾曲しており、この湾曲部分を受けるには上記斜面とするのが好ましい。即ち、図15に示すように、このバンドストッパー200を用いてサーフボードキャリア50を構成した場合、サーフボードSを当該サーフボードキャリア50に収納する際にその湾曲した前後部分がバンドストッパー200の斜面に当たるようになる。これにより、サーフボードSを安定して保持できる。
【符号の説明】
【0028】
50 サーフボードキャリア
60 バンド
100 バンドストッパー
1 本体
2 平面部
3 壁
4 前梁部
5 ハンドル
6 回転軸
7 軸受穴
8 後梁部
9 突起
10,11 突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸に対してハンドルおよび突起が設けられ、前記回転軸は本体の両側の壁に対して回転可能に支持されると共に前記突起はハンドルを閉じた状態で本体の内側の平面部に対向し、この突起と平面部とは二重に重ねた状態のバンドを挟んで固定する間隔を備え、当該ハンドルの閉じ位置で当該ハンドルが当接する後梁部を両壁の間に設けたことを特徴とするバンドストッパー。
【請求項2】
前記両壁の間に前梁部を備え、当該前梁部または前記後梁部が本体から突出していることを特徴とする請求項1に記載のバンドストッパー。
【請求項3】
前記平面部が前記本体の前または後に突出していることを特徴とする請求項1または2に記載のバンドストッパー。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のバンドストッパーと、当該バンドストッパーに挿通し得る幅および厚さを有するバンドとからなることを特徴とするサーフボードキャリア。
【請求項5】
前記バンドの端部には、環を有する又は別体としたスライドバックルが設けられていることを特徴とする請求項4に記載のサーフボードキャリア。
【請求項1】
回転軸に対してハンドルおよび突起が設けられ、前記回転軸は本体の両側の壁に対して回転可能に支持されると共に前記突起はハンドルを閉じた状態で本体の内側の平面部に対向し、この突起と平面部とは二重に重ねた状態のバンドを挟んで固定する間隔を備え、当該ハンドルの閉じ位置で当該ハンドルが当接する後梁部を両壁の間に設けたことを特徴とするバンドストッパー。
【請求項2】
前記両壁の間に前梁部を備え、当該前梁部または前記後梁部が本体から突出していることを特徴とする請求項1に記載のバンドストッパー。
【請求項3】
前記平面部が前記本体の前または後に突出していることを特徴とする請求項1または2に記載のバンドストッパー。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のバンドストッパーと、当該バンドストッパーに挿通し得る幅および厚さを有するバンドとからなることを特徴とするサーフボードキャリア。
【請求項5】
前記バンドの端部には、環を有する又は別体としたスライドバックルが設けられていることを特徴とする請求項4に記載のサーフボードキャリア。
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1】
【図5】
【図9】
【図13】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1】
【図5】
【図9】
【図13】
【公開番号】特開2011−162168(P2011−162168A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30707(P2010−30707)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(508376627)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(508376627)
【Fターム(参考)】
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