説明

バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信装置

【課題】 通過帯域の2倍の周波数の信号の通過が抑制されたバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信装置を提供する。
【解決手段】 入力,出力端子11,12と、電磁気的に結合される複数の1/2波長共振器21,22と、入力端子11と入力段の共振器21の一方端側とを接続する第1の信号伝達経路と、入力端子11と入力段の共振器21の他方端側とを接続する第2の信号伝達経路と、出力端子12と出力段の共振器22の一方端側とを接続する第3の信号伝達経路と、出力端子12と出力段の共振器22の他方端側とを接続する第4の信号伝達経路とを備え、第1,第2の信号伝達経路を通過する信号の位相差が、所定の周波数において90°に設定されており、第3,第4の信号伝達経路を通過する信号の位相差が、所定の周波数において90°に設定されているバンドパスフィルタとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気特性の優れたバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所定の周波数の電気信号を通過させるバンドパスフィルタとして、1/2波長共振器を用いて構成されたバンドパスフィルタが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−208395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にて提案されたような従来のバンドパスフィルタにおいては、通過帯域として設定された周波数帯域の信号の他に、その偶数次高調波、特に通過帯域の2倍の周波数の信号が、あまり減衰することなく通過してしまうという問題があった。
【0005】
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、通過帯域の2倍の周波数の信号の通過が抑制されたバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1のバンドパスフィルタは、所定の周波数の信号を通過させるバンドパスフィルタであって、入力端子および出力端子と、入力段の共振器および出力段の共振器を少なくとも有するとともに、相互に電磁気的に結合される複数の1/2波長共振器と、前記入力端子と前記入力段の共振器の一方端側とを接続する第1の信号伝達経路と、前記入力端子と前記入力段の共振器の他方端側とを接続する第2の信号伝達経路と、前記出力端子と前記出力段の共振器の一方端側とを接続する第3の信号伝達経路と、前記出力端子と前記出力段の共振器の他方端側とを接続する第4の信号伝達経路とを備え、前記第1の信号伝達経路を通過する信号と前記第2の信号伝達経路を通過する信号との位相差が、前記所定の周波数において90°に設定されており、前記第3の信号伝達経路を通過する信号と前記第4の信号伝達経路を通過する信号との位相差が、前記所定の周波数において90°に設定されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の第2のバンドパスフィルタは、前記第1のバンドパスフィルタにおいて、通過する信号の位相を前記所定の周波数において90°シフトさせる移相器が、前記第1の信号伝達経路および前記第2の信号伝達経路の一方ならびに前記第3の信号伝達経路および前記第4の信号伝達経路の一方に設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の無線通信モジュールは、前記第1のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の無線通信装置は、前記無線通信モジュールと、前記RF部に接続されたアンテナとを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のバンドパスフィルタによれば、通過帯域の2倍の周波数の信号の通過が抑制されたバンドパスフィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例のバンドパスフィルタを模式的に示す等価回路図である。
【図2】本発明の実施の形態の第2の例のバンドパスフィルタを模式的に示す等価回路図である。
【図3】本発明の実施の形態の第3の例の無線通信モジュールおよび無線通信装置を模式的に示すブロック図である。
【図4】比較例のバンドパスフィルタを模式的に示す等価回路図である。
【図5】本発明の実施の形態の第1の例のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態の第2の例のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図7】比較例のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のバンドパスフィルタを添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態の第1の例)
図1は、本発明の実施の形態の第1の例のバンドパスフィルタを模式的に示す等価回路図である。
【0014】
本例のバンドパスフィルタは、図1に示すように、入力端子11と、出力端子12と、1/2波長共振器21,22と、移相器31,32と、キャパシタ41〜46とを備えている。
【0015】
複数の1/2波長共振器21,22は、それぞれ、両端がともに接地されない開放端とされており、所定の周波数f1において1/2波長共振器として機能する。また、1/2波長共振器21は、入力端子11に接続される入力段の共振器であり、1/2波長共振器22は、出力端子12に接続される出力段の共振器である。
【0016】
また、入力段の共振器21の一方端21aと出力段の共振器22の一方端22aとがキャパシタ45を介して接続されており、入力段の共振器21の他方端21bと出力段の共振器22の他方端22bとがキャパシタ46を介して接続されている。すなわち、1/2波長共振器21,22は、キャパシタ45,46によって相互に電磁気的に結合される。なお、本明細書において、「電磁気的に結合される」とは、電気的もしくは磁気的に結合されること、または電気および磁気の両方によって結合されることを意味する。
【0017】
入力段の共振器21の一方端21aは、キャパシタ41を介して入力端子11に接続されており、入力端子11からの入力信号がキャパシタ41を介して入力段の共振器21の一方端21aに入力される。すなわち、キャパシタ41によって、入力端子11と入力段の共振器21の一方端側21aとを接続する第1の信号伝達経路が構成されている。
【0018】
入力段の共振器21の他方端21bは、移相器31およびキャパシタ42を介して入力端子11に接続されており、入力端子11からの入力信号が移相器31およびキャパシタ42を介して入力段の共振器21の他方端21bに入力される。すなわち、移相器31お
よびキャパシタ42によって、入力端子11と入力段の共振器21の他方端側21bとを接続する第2の信号伝達経路が構成されている。
【0019】
出力段の共振器22の一方端22aは、キャパシタ43を介して出力端子12に接続されており、出力段の共振器22の一方端22aからの出力信号がキャパシタ43を介して出力端子12に出力される。すなわち、キャパシタ43によって、出力端子12と出力段の共振器22の一方端側22aとを接続する第3の信号伝達経路が構成されている。
【0020】
出力段の共振器22の他方端22bは、移相器32およびキャパシタ44を介して出力端子12に接続されており、出力段の共振器22の他方端22bからの出力信号が移相器32およびキャパシタ44を介して出力端子12に出力される。すなわち、移相器32およびキャパシタ44によって、出力端子12と出力段の共振器22の他方端側22bとを接続する第4の信号伝達経路が構成されている。
【0021】
また、移相器31,32のそれぞれは、1/2波長共振器21,22が1/2波長共振器として機能する所定の周波数f1において、通過する電気信号の移相量が90°に設定されている。すなわち、移相器31,32のそれぞれは、所定の周波数f1において、通過する信号の位相を90°シフトさせる。よって、第1の信号伝達経路を通過する信号と第2の信号伝達経路を通過する信号との位相差は、所定の周波数f1において90°になり、第3の信号伝達経路を通過する信号と第4の信号伝達経路を通過する信号との位相差は、所定の周波数f1において90°になるようにされている。
【0022】
このような構成を備える本例のバンドパスフィルタは、1/2波長共振器21,22が1/2波長共振器として機能する所定の周波数f1の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとして機能する。
【0023】
また、本例のバンドパスフィルタによれば、第1の信号伝達経路を通過する信号と第2の信号伝達経路を通過する信号との位相差が、所定の周波数f1において90°になるように設定されている。そして、第3の信号伝達経路を通過する信号と第4の信号伝達経路を通過する信号との位相差が、所定の周波数f1において90°になるように設定されている。これにより、所定の周波数f1を含む通過帯域の信号は良好に通過させるとともに、所定の周波数f1の2倍の周波数f2の信号の通過が抑制されたバンドパスフィルタを得ることができる。
【0024】
この効果が得られるメカニズムは次のように推測される。すなわち、1/2波長共振器21,22として機能する所定の周波数f1の2倍の周波数f2においては、1/2波長共振器21,22の両端の位相は各々等しくなる。つまり、1/2波長共振器21の一方端21aにおける位相と他方端21bにおける位相とは互いに等しく、1/2波長共振器22の一方端22aにおける位相と他方端22bにおける位相とは互いに等しい。ところが、周波数f2においては、移相器31,32を通過する信号の移相量が各々180°であるため、第1の信号伝達経路を通過する信号と第2の信号伝達経路を通過する信号との位相差は180°になり、第3の信号伝達経路を通過する信号と第4の信号伝達経路を通過する信号との位相差も180°になる。これにより、入力端子11から入力された信号は、互いに180°異なる位相で1/2波長共振器21の両端21a,21bに供給される。また、1/2波長共振器22の両端22a,22bの両端から出力された信号は、互いに180°異なる位相で出力端子12に到達して互いに打ち消し合う。このようなメカニズムによって、周波数f2の信号の通過が抑制されたバンドパスフィルタを得ることができる。
【0025】
また、本例のバンドパスフィルタによれば、通過する信号の位相を所定の周波数f1に
おいて90°シフトさせる移相器31,32が、第1の信号伝達経路および第2の信号伝達経路の一方ならびに第3の信号伝達経路および第4の信号伝達経路の一方に設けられていることから、構成が単純なバンドパスフィルタを得ることができる。
【0026】
さらに、本例のバンドパスフィルタによれば、1/2波長共振器21,22の両端にそれぞれ接続されたキャパシタ45,46によって、1/2波長共振器21,22が電磁気的に結合されており、対称性の高い回路構成となっている。このため、キャパシタ41〜44のキャパシタンスを全て等しくできるとともに、キャパシタ45,46のキャパシタンスを等しくできるので、設計が容易なバンドパスフィルタを得ることができる。
【0027】
本例のバンドパスフィルタにおいて、1/2波長共振器21,22としては、例えば、同軸共振器,ストリップライン共振器,マイクロストリップライン共振器等の、既知の共振器を使用することができる。また、移相器31,32としては、例えば、同軸線路,マイクロストリップ線路,ストリップ線路等の、既知の高周波線路を使用した1/4波長線路のような、既知の90°移相器を使用することができる。
【0028】
(実施の形態の第2の例)
図2は、本発明の実施の形態の第2の例のバンドパスフィルタバンドパスフィルタを模式的に示す等価回路図である。なお、本例においては、前述した実施の形態の第1の例と異なる部分について説明し、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0029】
本例のバンドパスフィルタは、図2に示すように、1/2波長共振器21の一方端21aと、1/2波長共振器22の一方端22aとを接続するキャパシタ45のみによって、1/2波長共振器21,22が電磁気的に接続されている。
【0030】
このような構成を備える本例のバンドパスフィルタによれば、前述した実施の形態の第1の例のバンドパスフィルタと比較して、構造が単純なバンドパスフィルタを得ることができる。
【0031】
本例のバンドパスフィルタにおいては、キャパシタ42のキャパシタンスをキャパシタ41のキャパシタンスよりも小さくするとともに、キャパシタ44のキャパシタンスをキャパシタ43のキャパシタンスよりも小さくするのが望ましい。これによって、バンドパスフィルタの通過帯域内の周波数における反射特性(リターンロス)を改善することができる。
【0032】
(実施の形態の第3の例)
図3は本発明の実施の形態の第3の例の無線通信モジュール80および無線通信装置85を模式的に示すブロック図である。
【0033】
本例の無線通信モジュール80は、ベースバンド信号が処理されるベースバンド部81と、ベースバンド部81に接続された、ベースバンド信号の変調後および復調前のRF信号が処理されるRF部82とを備えている。RF部82には上述した本発明のバンドパスフィルタ821が含まれており、ベースバンド信号が変調されてなるRF信号または受信したRF信号における通信帯域以外の信号をバンドパスフィルタ821によって減衰させている。
【0034】
具体的な構成としては、ベースバンド部81は、ベースバンドIC 811を有している。また、RF部82は、バンドパスフィルタ821とベースバンド部81との間に接続されるRF IC 822を有している。なお、これらの回路間には別の回路が介在して
いてもよい。そして、無線通信モジュール80のバンドパスフィルタ821にアンテナ84を接続することによってRF信号の送受信がなされる本例の無線通信装置85が構成される。
【0035】
このような構成を有する本例の無線通信モジュール80および無線通信装置85によれば、周波数選択性の優れたバンドパスフィルタ821を用いて通信信号の濾波を行うことから、ノイズを低減することができるため、通信品質が高い高性能な無線通信モジュール80および無線通信装置85を得ることができる。
【0036】
(変形例)
本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
【0037】
上述した実施の形態の第1,第2の例においては、2つの1/2波長共振器21,22を用いてバンドパスフィルタを構成した例を示したが、これに限定されるものではない。2つ以上の任意の個数の1/2波長共振器を用いてバンドパスフィルタを構成することができる。但し、共振器数の増加は大型化を招くので、通常は10個程度以下にするのがよい。
【0038】
また、上述した実施の形態の第1,第2の例においては、第2の信号伝達経路に90°移相器31を設けることによって、第1の信号伝達経路を通過する信号と第2の信号伝達経路を通過する信号との位相差を90°にした例を示したが、これに限定されるものではない。第1の信号伝達経路を通過する信号と第2の信号伝達経路を通過する信号との位相差が90°であればよく、例えば、第1の信号伝達経路に100°移相器を設けるとともに、第2の信号伝達経路に10°移相器を設けるようにしても構わない。第3の信号伝達経路および第4の信号伝達経路についても同様である。
【0039】
さらに、上述した実施の形態の第1,第2の例においては、1/2波長共振器21,22がキャパシタで接続されて互いに電磁気的に結合される例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、インダクタで接続されて電磁気的に結合されてもよく、電界および磁界の両方によって電磁気的に結合されるようにしても構わない。
【0040】
またさらに、上述した実施の形態の第1,第2の例においては、入力端子11と入力段の共振器21とがキャパシタを介して接続され、出力端子12と出力段の共振器22とがキャパシタを介して接続された例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、インダクタを介して接続されてもよく、電界および磁界の両方によって接続されるようにしても構わない。
【実施例】
【0041】
次に、本発明のバンドパスフィルタの具体例について説明する。
【0042】
図1および図2に示した本発明の実施の形態の第1および第2の例のバンドパスフィルタの電気特性と、本発明の実施の形態の第2の例のバンドパスフィルタから移相器31,32およびキャパシタ42,44を取り除いた構成を備える、図4に示した比較例のバンドパスフィルタの電気特性とをシミュレーションによって算出した。
【0043】
このシミュレーションにおいて、1/2波長共振器21,22は、内導体の半径(外径)が1.5mmで、外導体の半径(外径)が9mmで、その間の誘電体の比誘電率が11.7である同軸共振器を使用した。また、移相器31,32は、特性インピーダンスが50Ωで1.85GHzにおいて1/4波長の長さになる理想線路を使用した。
【0044】
本発明の実施の形態の第1の例のバンドパスフィルタにおいては、1/2波長共振器21,22の長さを21.83mmとし、キャパシタ41〜44のキャパシタンスを0.264pFとし、キャパシタ45,46のキャパシタンスを0.028pFとした。
【0045】
本発明の実施の形態の第2の例のバンドパスフィルタにおいては、1/2波長共振器21,22の長さを21.87mmとし、キャパシタ41,43のキャパシタンスを0.261pFとし、キャパシタ42,44のキャパシタンスを0.256pFとし、キャパシタ45のキャパシタンスを0.056pFとした。
【0046】
比較例のバンドパスフィルタにおいては、1/2波長共振器21,22の長さを22.76mmとし、キャパシタ41,43のキャパシタンスを0.298pFとし、キャパシタ45のキャパシタンスを0.053pFとした。
【0047】
本発明の実施の形態の第1の例のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を図5のグラフに示し、本発明の実施の形態の第2の例のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を図6のグラフに示し、比較例のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を図7のグラフに示す。これらのグラフにおいて、横軸は周波数であり、縦軸は減衰量であり、フィルタの通過特性(S21)の周波数による変化を示している。
【0048】
図7に示すグラフによれば、比較例のバンドパスフィルタでは、通過帯域である1.85GHz付近に加えて、その2倍の周波数である3.7GHz付近においても電気信号が殆ど減衰することなく通過してしまい、通過帯域より高周波側における減衰量が不足していることがわかる。
【0049】
これに対して、図5および図6に示すグラフによれば、本発明の実施の形態の第1および第2の例のバンドパスフィルタでは、通過帯域の2倍の周波数である3.7GHz付近の減衰量が−40dB以上確保されており、通過帯域より高周波側の広い周波数範囲に渡って減衰量が充分に確保されていることがわかる。これにより本発明の有効性が確認できた。
【符号の説明】
【0050】
11:入力端子
12:出力端子
21:入力段の共振器
22:出力段の共振器
31,32:移相器
80:無線通信モジュール
81:ベースバンド部
82:RF部
821:バンドパスフィルタ
84:アンテナ
85:無線通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数の信号を通過させるバンドパスフィルタであって、
入力端子および出力端子と、
入力段の共振器および出力段の共振器を少なくとも有するとともに、相互に電磁気的に結合される複数の1/2波長共振器と、
前記入力端子と前記入力段の共振器の一方端側とを接続する第1の信号伝達経路と、
前記入力端子と前記入力段の共振器の他方端側とを接続する第2の信号伝達経路と、
前記出力端子と前記出力段の共振器の一方端側とを接続する第3の信号伝達経路と、
前記出力端子と前記出力段の共振器の他方端側とを接続する第4の信号伝達経路とを備え、
前記第1の信号伝達経路を通過する信号と前記第2の信号伝達経路を通過する信号との位相差が、前記所定の周波数において90°に設定されており、
前記第3の信号伝達経路を通過する信号と前記第4の信号伝達経路を通過する信号との位相差が、前記所定の周波数において90°に設定されていることを特徴とするバンドパスフィルタ。
【請求項2】
通過する信号の位相を前記所定の周波数において90°シフトさせる移相器が、前記第1の信号伝達経路および前記第2の信号伝達経路の一方ならびに前記第3の信号伝達経路および前記第4の信号伝達経路の一方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
【請求項3】
請求項1に記載のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部とを備えることを特徴とする無線通信モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の無線通信モジュールと、前記RF部に接続されたアンテナとを備えることを特徴とする無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−138720(P2012−138720A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288999(P2010−288999)
【出願日】平成22年12月25日(2010.12.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】