説明

バーコード読み取り装置、およびバーコード読み取り方法

【課題】この発明は、バーコードを長期に亘って安定して読み取ることができ読み取り率を高めることができるバーコード読み取り装置、およびバーコード読み取り方法を提供することを課題とする。
【解決手段】バーコード読み取り装置は、バーコードの複数本の線分Bと同じ方向に延びた細長いマスクを用いてノイズ成分を除去するメディアンフィルターを有する。マスクの長さは、ノイズ領域Nの直径に略相当する画素数をP1とした場合、P1×2−1[個]の画素を並べた長さを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、郵便書状に印刷されたバーコードを読み取るバーコード読み取り装置、およびバーコード読み取り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーコード読み取り装置として、はがきなどの郵便書状の表面に蛍光インクで印刷されたバーコードを読み取る装置が知られている。この種のバーコード読み取り装置では、蛍光インクで印刷されたバーコードに励起光を照射してバーコードを発光させ、特定の色成分を選択的に透過するフィルターを通してバーコードを検出し、検出した画像データに基づいてバーコードを読み取る。
【0003】
特に、この種のバーコード読み取り装置として、複数の蛍光バーコードを同時に撮像して認識する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このバーコード読み取り装置では、特に、撮像した画像データの垂直射影と水平射影を作成して蛍光バーコードを認識している。
【0004】
ところで、郵便書状の表面にこの種の蛍光バーコードを印刷する場合、例えば図6に示すようにバーコードの周りに蛍光インクの飛び散りを生じる場合がある。このようなインク飛散は、インクを吐出させるヘッドの目詰まりやプリンタの不具合に起因するものと考えられる。従って、通常、このようなインク飛散を防止するため、定期的にヘッドの目詰まりなどをメンテナンスしている。
【0005】
しかしながら、メンテナンスの合間で図6に示すようなインク飛散が生じてしまうと、上述した従来のバーコード読み取り装置では、例えば図7に示すようにバーコードの垂直射影と水平射影を作成する際に、飛び散った蛍光インクがノイズ成分となり、バーコードの読み取りに支障をきたす。つまり、ノイズ成分が一定量を超えてしまうと、バーコードが存在する領域自体を検出できなくなったり、バーコードを正常に認識できなくなったりしてしまう。
【0006】
或いは、図8に示すように、バーコード領域をスキャンしてバーコードを検出する方法を採用した場合であっても、飛散したインクをバーコードの一部として誤検知してしまう可能性がある。このような場合、バーコードの読み取りが不安定となり、読み取り率が低下してしまう。
【0007】
また、このようなインク飛散は、上述したヘッド目詰まりなどのプリンタの不具合に起因して起こるため、定期的なメンテナンスを必要とするが、インク飛散によるノイズ量の程度は、このようなメンテナンス時に目視により判断する以外になく、バーコード読み取り不良によってリジェクトされる郵便書状の枚数が増加したときに始めてインクの飛散量が増大したことを判断することになる。このため、メンテナンスの適切な時期を判断できずに、バーコードの読み取り結果の信頼性が低かった。
【特許文献1】特開平9−319821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、バーコードを長期に亘って安定して読み取ることができ読み取り率を高めることができるバーコード読み取り装置、およびバーコード読み取り方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のバーコード読み取り装置は、第1の方向に延び且つ該第1の方向と略直交する第2の方向に離間して並んだ複数本の線分を有するバーコードを撮像する撮像装置と、この撮像装置で撮像した画像を、上記第1の方向に連続して並んだ複数個の画素領域を区画する細長いマスクを用いて走査し、このマスク内の複数個の画素領域の出力レベルの中央値を1画素分の画像データとして出力するメディアンフィルターと、このメディアンフィルターを用いて出力された画像データに基づいて上記バーコードを読み取る読み取り部と、を有する。
【0010】
また、本発明のバーコード読み取り方法は、第1の方向に延び且つ該第1の方向と略直交する第2の方向に離間して並んだ複数本の線分を有するバーコードを撮像する撮像工程と、この撮像工程で撮像した画像を、上記第1の方向に連続して並んだ複数個の画素領域を区画する細長いマスクを用いて走査し、このマスク内の複数個の画素領域の出力レベルの中央値を1画素分の画像データとして出力するフィルタリング工程と、このフィルタリング工程で出力された画像データに基づいて上記バーコードを読み取る読み取り工程と、を有する。
【0011】
上記発明によると、バーコードの複数の線分と同じ方向に延びた細長いマスクを用いて撮像した画像を走査してマスク内の複数個の画素領域の出力レベルの中央値を出力し、この出力された画像データに基づいてバーコードを読み取るようにしたため、マスクの長さを適当な長さに設定することで、バーコードの線分より短いバーコード以外のノイズ成分を容易に除去でき、バーコードを長期に亘って安定して読み取ることができ、読み取り率を高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明のバーコード読み取り装置は、上記のような構成および作用を有しているので、バーコードを長期に亘って安定して読み取ることができ読み取り率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の第1の実施の形態に係るバーコード読み取り装置10(以下、単に読み取り装置10と称する)の構成ブロック図を示してある。読み取り装置10は、図中矢印T方向に搬送される郵便書状Mの表面に蛍光インクで印刷されているバーコードCに対し、郵便書状Mの表面に略垂直な方向から励起光を照射する照明2、バーコードCから励起発光される蛍光を撮像するカメラ4(撮像装置)、カメラ4に入射される光のうちバーコードCの発光波長帯域の光を選択的に透過するフィルター3、フィルター3を透過する拡散光をカメラ4に集光するレンズ5、カメラ4で撮像した画像からバーコードC以外のノイズ成分を除去(フィルタリング)するためのメディアンフィルター6、およびメディアンフィルター6にてノイズ成分の除去された画像データに基づいてバーコードCを読み取る読み取り部8を有する。
【0014】
郵便書状Mの表面に印刷されたバーコードCは、郵便書状Mの搬送方向T(第2の方向)と略直交する幅方向(第1の方向)に延びた複数本の略同じ長さの線分Bを有し、複数本の線分Bを搬送方向Tに沿って互いに離間し且つ平行に並べて形成されている。このバーコードCは、その線分間の間隔や搬送方向Tに沿った線分の太さを変えることで、種々のデータをコード化している。例えば、郵便書状Mに印刷するバーコードCの場合、その郵便書状Mの宛先住所や郵便番号などの情報がコード化されたものとなる。
【0015】
蛍光インクを用いて郵便書状Mの表面に上述したバーコードCを印刷する場合、通常、ここでは図示しないインクジェットプリンタを用いるが、ヘッドの目詰まりやプリンタの動作不良などにより、例えば図6に示すようにバーコードCの周りにインクの飛び散りを生じることが知られている。このため、ヘッドの目詰まりの清掃などプリンタの定期的なメンテナンスが必要となる。
【0016】
しかし、従来は、定期的なメンテナンスのときにインクの飛び散りの程度を目視により確認してヘッドの目詰まりをクリーニングしているため、適切なメンテナンス時期を判断することができずにインク飛散が増大し、正常なバーコードCの読み取りができなくなり、読み取り結果の信頼性が低くなる問題があった。このため、本実施の形態では、マスク形状を工夫したメディアンフィルター6を用いてバーコードC以外のノイズ成分をデータ上で除去し、バーコードCだけを安定して読み取るようにした。
【0017】
郵便書状Mの表面にランディングして付着する蛍光インクの形状は、飛散するインク滴の形状(略球形)に依存して略円形となり、1方向(第1の方向)に長い複数本の線分Bを有するバーコードCを印刷する場合には、円形のドットを第1の方向に繋げて線分Bを形成する。すなわち、バーコードC以外に郵便書状Mに付着するノイズ領域N(図2)の形状も、大きさは異なるものの略円形となる。つまり、バーコードCの第1の方向に長い各線分Bと比較して、ノイズ領域Nの長さが第1の方向に関して極めて短くなることになる。本発明者等は、この点に着目して、第1の方向に短いノイズ領域Nを効果的に除去できる第1の方向に細長いマスクを有するメディアンフィルター6を考案した。
【0018】
具体的には、除去したいノイズ成分、すなわちバーコードC(線分B)の読み取りの障害となる略円形のノイズ領域N、およびバーコードCをカメラ4で撮像した画像(例えば図2に例示する画像)において、除去したいノイズ領域Nの第1の方向に沿った最大画素数をP1[個]とした場合、少なくともP1×2−1[個]の第1の方向に連続した画素領域を区画する細長いマスクを用意し、このマスクを用いて全画像を走査して、各走査位置においてマスク内の複数の画素領域の出力レベルの中央値を出力するようにした。
【0019】
これにより、例えば、直径が3画素分の大きさを有する円形のノイズ領域Nを、少なくとも3×2−1=5[個]の画素領域を第1の方向に繋げたマスクを介して検出したとき、いずれの走査位置においても、5つの画素領域の出力レベルの中央値はピークレベルに対してかなり低いレベルとなる。つまり、ノイズ領域の長さP1に対して少なくとも長さP1×2−1のマスクを用いて画像を走査し、且つ各走査位置においてマスク内の複数の画素領域の出力レベルの中央値を出力することで、直径P1のノイズ領域Nを効果的にフィルタリングできることになる。
【0020】
ノイズ領域Nを除去するためには少なくとも上述した長さ以上の細長いマスクを用いることで除去可能であるが、マスク長を必要以上に長くすると、読み取り対象であるバーコードCの一部を除去してしまう可能性がある。このため、マスクの長さには上限がある。例えば、バーコードCの第1の方向に延びた複数本の線分Bに着目すると、バーコードCがスキューしている場合を考慮しても、最大スキュー時における第1の方向に沿ったバーコードCの最大画素数をP2とした場合、マスクが区画する画素領域の個数は、P2×2−1[個]より少ない数である必要がある。一方、バーコードCの複数本の線分B間の谷間に着目すると、バーコードCがスキューしている場合を考慮しても、最大スキュー時における第1の方向に沿ったバーコードCの最小画素数をP3とした場合、マスクが区画する画素領域の個数は、P3×2−1[個]より少ない数である必要がある。
【0021】
図2には、メディアンフィルター6を用いたノイズ除去方法の具体例を説明するための画像例を示してある。ここでは、カメラ4で撮像した画像例として、第1の方向(図中矢印j方向)に沿った長さが略11画素分に相当し、第2の方向(図中矢印i方向)に沿った幅が略4画素分に相当する2本の線分Bが、5画素ピッチでスキューした状態を例示してあり、合わせて、直径が最大で略4画素分に相当する略円形の4つのノイズ領域Nを例示してある。
【0022】
この場合、除去したいノイズ領域Nの第1の方向に沿った最大画素数P1は4[個]となり、使用するメディアンフィルター6の適切なマスク長は、4×2−1=7[個]の画素領域を第1の方向に繋げた長さとなる。また、この場合、スキューを考慮したバーコードCの第1の方向に沿った最大画素数P2は11[個]であり、マスク長は、11×2−1=21[個]より少ない数だけ画素領域を繋げた長さになっている。このため、このマスクを用いてフィルタリングをかけた場合、バーコードCの線分Bを不所望に除去してしまうことはない。
【0023】
このように7画素分の長さのマスクを有するメディアンフィルター6を用いてノイズ領域Nを除去する前のカメラ4で撮像したままの画像(図2に示す画像)を検出した各画素の出力レベルをB(i,j)とし、メディアンフィルター6を用いてノイズ領域Nを除去した後の画像を検出した各画素の出力レベルをA(i,j)とした場合、A(i,j)は、B(i−3,j)からB(i+3,j)までの7画素分の出力レベルのうちの中央値となる。
【0024】
図2では、例えば図中X列にある複数の画素の出力レベルを、メディアンフィルター6を用いたフィルタリング前の出力レベルB(i,X)とフィルタリング後の出力レベルA(i,X)とで比較して図示してある。また、例えば図中Y行にある複数の画素の出力レベルを、メディアンフィルター6を用いたフィルタリング前の出力レベルB(Y,j)とフィルタリング後の出力レベルA(Y,j)とで比較して図示してある。これによると、図中矢印i方向およびj方向に関し、いずれの場合もフィルタリング後のノイズ領域Nの出力レベルだけが大幅に低下しているのが分かる。このため、ノイズ成分を除去するためのしきい値のレベルを適切に設定することで、ノイズ領域Nの画像データを効果的に除去することができることになる。
【0025】
以上のように、本実施の形態によると、バーコードCの線分Bと同じ方向に延びたマスクを有するメディアンフィルター6を用いることで、飛散したインクドットによるノイズ成分を効果的に除去できる。そして、このようにしてノイズ成分を効果的に除去した画像データを用いて、読み取り部8にてバーコードCを読み取ることにより、ノイズ成分の有無によらず、バーコードCを安定して確実に読み取ることができ、読み取り率を高めることができ、信頼性を高めることができる。
【0026】
次に、図3乃至図5を参照して、インクの飛散量に基づいて適切なメンテナンス時期を検出してオペレータに対して報知する方法について説明する。図3には、この発明の第2の実施の形態に係るバーコード読み取り装置20(以下、単に読み取り装置20と称する)の構成ブロック図を示してあり、図4には、インクの飛散量を検出する方法を説明するための画像例を示してあり、図5には、適切なメンテナンス時期を検出して報知する方法を説明するためのフローチャートを示してある。
【0027】
図3に示すように、読み取り装置20は、カメラ4で撮像したノイズ成分を除去する前の画像データから取得した各画素の出力レベルB(i,j)とメディアンフィルター6を用いてノイズ成分を除去した後の画像データから取得した各画素の出力レベルA(i,j)との差分から、インクの飛散量を検出するインク飛散ノイズ検知部22(検出部)(以下、単にノイズ検知部22と称する)を有する。このノイズ検知部22以外の構成は、上述した第1の実施の形態の読み取り装置10と同じであるため、ここでは同様に機能する構成要素に同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0028】
図5に示すように、ノイズ検知部22は、装置の電源投入時などの適当なタイミングで、ノイズ成分除去前のカメラ4で撮像した画像の出力レベルB(i,j)とノイズ成分除去後のメディアンフィルター6を通過した画像の出力レベルA(i,j)の差分C(i,j)を演算し(ステップ1)、この差分C(i,j)に基づいて、当該バーコードCを印刷したインクジェットプリンタ(図示せず)のメンテナンス時期を判断する。
【0029】
このとき、ノイズ検知部22は、図4に示すように、演算した差分出力C(i,j)を予め用意したしきい値で2値化し(図5、ステップ2)、しきい値を超えた画素数を係数し(ステップ3)、係数結果を予め用意した基準値と比較して基準値を超えた場合にメンテナンスが必要であることを判定する(ステップ4)。メンテナンスの必要性が判定された場合には、ブザー24等の報知部によりその旨がオペレータに対して報知される。
【0030】
例えば、図4に示す画像のX列について着目すると、ノイズ成分を除去する前の各画素の出力レベルB(i,X)とノイズ成分を除去した後の各画素の出力レベルA(i,X)との差分レベルC(i,X)は、ノイズ領域Nを投影した位置で比較的大きくなっており、この部分で予め設定したしきい値を超える画素が3つあることが分かる。一方、図中Y行について着目すると、ノイズ成分を除去する前の各画素の出力レベルB(Y,j)とノイズ成分を除去した後の各画素の出力レベルA(Y,j)との差分レベルC(Y,j)も、ノイズ領域Nを投影した位置で比較的大きくなっており、この部分で予め設定したしきい値を超える画素が4つあることが分かる。
【0031】
このようにしてしきい値を超える画素数を係数して、全画像に亘って係数したノイズ成分の画素数が基準値を超えた場合に、メンテナンスが必要であることを判断し、オペレータに報知するようにしている。
【0032】
以上のように、本実施の形態によると、ノイズ成分をフィルタリングする前の画像とフィルタリング後の画像の出力レベルの差分を演算して、しきい値と比較することでノイズ成分の程度を判定でき、適切なメンテナンス時期を判断してオペレータに対して放置することができる。これにより、飛散するインクによるノイズ成分が読み取り結果に影響を及ぼす程度に達する前に、適切なタイミングでメンテナンスを実施でき、読み取り結果の信頼性を高めることができる。
【0033】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0034】
例えば、上述した実施の形態では、バーコードCの線分Bと同じ第1の方向に連続した複数の画素領域を区画する細長いマスクを用いた場合について説明したが、これに限らず、第1の方向と直交する第2の方向に関して複数の画素領域を区画すべく繋げたマスクを用いても良い。この場合、第2の方向に沿ったマスクの画素数は1個に限らず複数個とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態に係るバーコード読み取り装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】図1の読み取り装置に組み込まれたメディアンフィルターを用いたノイズ除去方法を説明するための図。
【図3】適切なメンテナンス時期を判断するための本発明の第2の実施の形態に係るバーコード読み取り装置の概略構成を示すブロック図。
【図4】ノイズ成分の程度を検出する方法を説明するための図。
【図5】適切なメンテナンス時期を判定して放置する方法を説明するためのフローチャート。
【図6】バーコードを印刷したときのインクの飛び散り状態を示す図。
【図7】図6のように飛び散ったノイズ成分を含む画像を従来の方法によって処理した場合における不具合を説明するための図。
【図8】バーコード領域をスキャンしてバーコードを検出した場合における従来の不具合を説明するための図。
【符号の説明】
【0036】
2…照明、3…フィルター、4…カメラ、5…レンズ、6…メディアンフィルター、8…読み取り部、10、20…バーコード読み取り装置、22…インク飛散ノイズ検知部、24…ブザー、M…郵便書状。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延び且つ該第1の方向と略直交する第2の方向に離間して並んだ複数本の線分を有するバーコードを撮像する撮像装置と、
この撮像装置で撮像した画像を、上記第1の方向に連続して並んだ複数個の画素領域を区画する細長いマスクを用いて走査し、このマスク内の複数個の画素領域の出力レベルの中央値を1画素分の画像データとして出力するメディアンフィルターと、
このメディアンフィルターを用いて出力された画像データに基づいて上記バーコードを読み取る読み取り部と、
を有することを特徴とするバーコード読み取り装置。
【請求項2】
上記マスクは、上記撮像装置で撮像した画像のうち上記バーコードの読み取りの障害となるノイズ領域の上記第1の方向に沿った最大画素数をP1とした場合、少なくともP1×2−1[個]の上記第1の方向に連続した画素領域を区画する長さを有することを特徴とする請求項1に記載のバーコード読み取り装置。
【請求項3】
上記マスクが区画する画素領域の個数は、上記バーコードの最大スキュー時における上記第1の方向に沿った最大画素数をP2とした場合、P2×2−1[個]より少ない数であることを特徴とする請求項2に記載のバーコード読み取り装置。
【請求項4】
上記マスクが区画する画素領域の個数は、上記バーコードの最大スキュー時における上記第1の方向に沿った最小画素数をP3とした場合、P3×2−1[個]より少ない数であることを特徴とする請求項2に記載のバーコード読み取り装置。
【請求項5】
上記メディアンフィルターを用いて出力された画像データの出力値と該メディアンフィルターを通さずに上記撮像装置で撮像したままの画像データの出力値との差分に基づいて、上記バーコードを印刷したプリンタのメンテナンス時期を検出する検出部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のバーコード読み取り装置。
【請求項6】
上記検出部で検出したメンテナンス時期を報知する報知部をさらに有することを特徴とする請求項5に記載のバーコード読み取り装置。
【請求項7】
第1の方向に延び且つ該第1の方向と略直交する第2の方向に離間して並んだ複数本の線分を有するバーコードを撮像する撮像工程と、
この撮像工程で撮像した画像を、上記第1の方向に連続して並んだ複数個の画素領域を区画する細長いマスクを用いて走査し、このマスク内の複数個の画素領域の出力レベルの中央値を1画素分の画像データとして出力するフィルタリング工程と、
このフィルタリング工程で出力された画像データに基づいて上記バーコードを読み取る読み取り工程と、
を有することを特徴とするバーコード読み取り方法。
【請求項8】
上記マスクは、上記撮像工程で撮像した画像のうち上記バーコードの読み取りの障害となるノイズ領域の上記第1の方向に沿った最大画素数をP1とした場合、P1×2−1[個]の上記第1の方向に連続した画素領域を区画する長さを有することを特徴とする請求項7に記載のバーコード読み取り方法。
【請求項9】
上記マスクが区画する画素領域の個数は、上記バーコードの最大スキュー時における上記第1の方向に沿った最大画素数をP2とした場合、P2×2−1[個]より少ない数であることを特徴とする請求項8に記載のバーコード読み取り方法。
【請求項10】
上記マスクが区画する画素領域の個数は、上記バーコードの最大スキュー時における上記第1の方向に沿った最小画素数をP3とした場合、P3×2−1[個]より少ない数であることを特徴とする請求項8に記載のバーコード読み取り方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−84218(P2008−84218A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265974(P2006−265974)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】