説明

パウチホルダー

【課題】多くの手間を要することなく、着脱可能に容易にパウチを装着できると共に、パウチと共に傾倒させて、パウチに収容された内容液をスムーズに注出できるパウチホルダーを提供する。
【解決手段】胴部11bの下部が装着されてパウチ11を立設させる胴部保持部14と、胴部保持部14の装着口14aの周縁部の対向する部分から上方に延設して、開放側を下方に向けた略コの字形状を備えるように設けられた、線状棒状部材を曲折加工することによって形成された周縁フレーム枠部15とからなる。周縁フレーム枠部15は、少なくとも一方の上端角部が斜辺部15aによって斜めに切り欠かれていると共に、斜辺部15aには、当該斜辺部15aにおいて線状棒状部材をこれの傾斜方向Xと交差する横方向に窪ませて曲折することで、パウチ11の注出ノズル部11aを係止して位置決めするノズル保持部16が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチホルダーに関し、特にパウチを装着した状態から、パウチと共に傾倒させてパウチの注出ノズル部から内容液を注出させるパウチホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
パウチは、例えば前後一対の正面フィルム部と、底面フィルム部とからなり、好ましくはこれらのフィルム部の周縁部分をシール接合することによって形成されて、内容液を収容する胴部と、胴部から内容液を注出させる注出ノズル部とを備える袋状の容器である。パウチは、簡易な詰替え用の容器として多用されていると共に、例えば注出ノズル部にポンプ装置等を取り付けることで、吐出容器として用いることも可能である。
【0003】
一方、パウチは、可撓性に富んだフィルム材料を用いて形成されることから、例えば詰替え作業の際に変形し易く、特に内容量が2L程度の営業用の詰替え用の容器として用いる場合には、不安定な状態になり易い。すなわち、例えばパウチの胴部を把持して詰替え作業を行う際に、パウチが折れてしまうため、パウチと被詰替え容器との双方を片手で持って詰替え作業を行うことが困難になって、内容液をこぼしやすくなる。手を離して被詰替え容器を置いた状態で、パウチを両手で持って詰替えようとしても、被詰替え容器が不安定な状態となって、やはり内容液をこぼしやすくなる。被詰替え容器の口部が狭かったり、内容液が低粘度のものであると、さらに内容液をこぼしやすくなる。
【0004】
また、内容液の残量が少なくなると、注出ノズル部がふらふらしやすくなると共に、内容液の注出をコントロールし難くなって、さらに内容液をこぼしやすくなる。
【0005】
これに対して、上端部に押出ポンプやスパウトを備えるパウチを、安定した立設状態で保持できるようにすると共に、押出ポンプによる内容液の吐出操作や、スパウトからの内容液の注出操作を容易に行えるようにする、詰替え用容器の保持具やパウチホルダーが開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これらの特許文献に記載の発明では、例えば金属製の線状棒状部材を曲折加工等することで形成されたフレーム状の保持具やパウチホルダーにパウチを装着して、当該パウチを安定した立設状態で保持できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−86564号公報
【特許文献2】特開2005−263244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の保持具や特許文献2のパウチホルダーでは、一対のフレーム状の支持部材や一対のフレーム状の縦型フレー材の間に、上方又は下方からパウチを装着すると共に、パウチの上端部に設けられた押出ポンプやスパウトを、一対の支持部材の上端部中央部分の間や一対の縦型フレー材の上端部中央部分の間に挟み込むようにして固定することで、パウチを立設させた状態に保持するものであることから、パウチが例えば2L程度の内用量の大きなものであると、装着する操作に多くの手間がかかることになる。
【0008】
また、注出ノズル部(スパウト)をパウチホルダーの上端部中央部分に固定すると、パウチを傾けて内容液を注出させる際に、垂直方向に対して90°以上パウチホルダーと共に傾倒させる必要があることから、内用量が例えば2L程度のパウチであると、重量や容量が大きくなるため、パウチと共にパウチホルダーを傾倒させて注出ノズル部から内容液をスムーズに注出させることが困難になる。
【0009】
本発明は、特に内容量が大きなパウチでも、多くの手間を要することなく、着脱可能に容易に装着することができると共に、パウチと共に傾倒させて、パウチに収容された内容液を注出ノズル部からスムーズに注出させることのできるパウチホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前後一対の正面フィルム部を含み、該一対の正面フィルム部の周縁部分の少なくとも一部をシール接合して形成された、胴部と、該胴部から突出して設けられた注出ノズル部とを備えるパウチを装着した状態から、該パウチと共に傾倒させて前記注出ノズル部から内容液を注出させるパウチホルダーであって、前記胴部の下部が装着されて前記パウチを立設させる胴部保持部と、該胴部保持部の装着口の周縁部の対向する部分から上方に延設して、開放側を下方に向けた略コの字形状を備えるように設けられた、線状棒状部材を曲折加工することによって形成された周縁フレーム枠部とからなり、該周縁フレーム枠部は、少なくとも一方の上端角部が斜辺部によって斜めに切り欠かれた前記略コの字形状を備えていると共に、前記斜辺部には、当該斜辺部において前記線状棒状部材をこれの傾斜方向と交差する横方向に窪ませて曲折することで、前記パウチの前記注出ノズル部を係止して位置決めするノズル保持部が形成されているパウチホルダーを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のパウチホルダによれば、特に内容量が大きなパウチでも、多くの手間を要することなく、着脱可能に容易に装着することができると共に、パウチと共に傾倒させて、パウチに収容された内容液を注出ノズル部からスムーズに注出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係るパウチホルダーを、パウチを装着した状態で示す正面図である。
【図2】本発明の好ましい一実施形態に係るパウチホルダーの斜視図である。
【図3】(a)は本発明の好ましい一実施形態に係るパウチホルダーの正面図、(b)は右側面図である。
【図4】本発明の好ましい一実施形態に係るパウチホルダーに、パウチを装着する状況を説明する斜視図である。
【図5】本発明の好ましい一実施形態に係るパウチホルダーをパウチと共に傾倒させて、内容液を注出させる状況を説明する斜視図である。
【図6】(a)〜(c)は、パウチホルダーの他の形態を例示する正面図である。
【図7】パウチホルダーの他の形態を例示する斜視図である。
【図8】パウチホルダーの他の形態を例示する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2に示す本発明の好ましい一実施形態に係るパウチホルダー10は、パウチ11として、例えば営業用の食器用手洗い液体洗剤を内容液として収容した、内容量が例えば2L程度の大容量の詰替え用のパウチ11を、着脱可能に装着して、パウチ11と共に傾倒させることで、パウチ11の注出ノズル部11aから内容液をスムーズに、且つ安定した状態で注出できるようにするものである。すなわち、パウチ11は、可撓性に富んだフィルム材料を用いて形成されることから、特に大容量のものであると、これを把持して詰替え作業を行う際に変形しやすく、胴部11bが折れてしまったり、注出ノズル部11aがふらふらして内容液をこぼしやすくなる。本実施形態のパウチホルダー10は、このような変形しやすいパウチ11を、着脱可能に容易に装着させて、安定した立設状態で保持できるようにすると共に、注出ノズル部11aを容易に位置決めさせて、内容液をスムーズに、且つ安定した状態で注出できるようにする機能を備える。
【0014】
そして、本実施形態のパウチホルダー10は、前後一対の正面フィルム部12を含み、これらの一対の正面フィルム部12の周縁部分の少なくとも一部を周縁シール部13としてシール接合して形成された、胴部11bと、胴部11bから突出して設けられた注出ノズル部11aとを備えるパウチ11を装着した状態から、パウチ11と共に傾倒させて注出ノズル部11aから内容液を注出させるホルダーであって(図5参照)、胴部11bの下部が装着されてパウチ11を立設させる胴部保持部14と、胴部保持部14の装着口14aの周縁部の対向する部分から上方に延設して、開放側を下方に向けた略コの字形状を備えるように設けられた、線状棒状部材を曲折加工することによって形成された周縁フレーム枠部15とからなる。
【0015】
周縁フレーム枠部15は、図3(a)、(b)にも示すように、少なくとも一方の上端角部(本実施形態では一方の上端角部)が斜辺部15aによって斜めに切り欠かれた、開放側を下方に向けた略コの字形状を備えていると共に、斜辺部15aには、当該斜辺部15aにおいて線状棒状部材をこれの傾斜方向Xと交差する横方向に窪ませて曲折することで、パウチ11の注出ノズル部11aを係止して位置決めするノズル保持部16が形成されている。
【0016】
また、本実施形態のパウチホルダー10では、胴部保持部14の装着口14aの周縁部の対向する部分から上方に延設する一対の周縁フレーム枠部15,15’が、略全長に亘って、間隔をおいて好ましくは平行に並んで配置されて設けられており、一方の周縁フレーム枠部15の斜辺部15aに、当該斜辺部15aにおいて線状棒状部材をこれの傾斜方向Xと交差する横方向として、他方の周縁フレーム枠部15’の斜辺部15a’側に窪ませて曲折することで、ノズル保持部16が形成されている。
【0017】
さらに、本実施形態のパウチホルダー10では、周縁フレーム枠部15,15’の斜辺部15a,15a’が形成された側の一方の縦辺部15c,15c’とは反対側の他方の縦辺部15d,15d’に接合されて、線状棒状部材を曲折加工することによって形成された取っ手部17a,17a’が取り付けられている。
【0018】
本実施形態では、パウチホルダー10に着脱可能に装着されるパウチ11は、上述のように、液体洗剤を内容液として収容した、内容量が例えば2L程度の詰替え用の袋容器であり、前後一対の正面フィルム部12を含んで形成された市販されている公知のものである。すなわち、パウチ11は、可撓性を備えるフィルム材料として、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂や、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂や、ナイロン等のポリアミド樹脂などによる厚さ80〜250μm程度のシート状の積層フィルム材料を用いて形成されている。パウチ11は、好ましくは前後一対の正面フィルム部12と底面フィルム部(図示せず)とからなり、正面フィルム部12の上縁部12b、側縁部12c,12d及び斜縁部12aを含むこれらの周縁部分を周縁シール部13としてシール接合することで、内容液が収容された胴部11bと、収容された内容液を注出させる注出ノズル部11aとを備える立体形状に形成されている。
【0019】
また、パウチ11は、例えば横幅が150〜250mm程度、縦幅が250〜350mm程度の大きさの、縦長の略矩形の正面形状を備えるように形成されると共に、内容液を収容した状態で、胴部11bが、例えば80〜120mm程度の前後方向の厚さを備えるように形成されている。
【0020】
さらに、パウチ11には、略矩形の正面形状の正面フィルム部12の一方の上端角部を斜めに切り取るようにして、斜縁部12aが形成されている。斜縁部12aには、当該斜縁部12aの中央部分から斜め上方に突出して、胴部11bと連通する注出ノズル部11aが形成されている。注出ノズル部11aの先端には、スパウト部材18が取り付けられており、またスパウト部材18の注出口を閉塞して、キャップ部材19が着脱可能に装着されている。
【0021】
そして、本実施形態では、パウチホルダー10は、胴部保持部14を含めた全体が、線状棒状部材として、例えば直径が3〜4mm程度の太さの金属製の丸棒を用いて形成されている。すなわち、パウチホルダー10は、金属製の丸棒からなる線状棒状部材に曲折加工や切断加工や溶接加工等を施すことで、胴部保持部14を含めた全体がフレーム枠形状となるように形成されている。
【0022】
本実施形態では、パウチホルダー10の胴部保持部14は、例えば長円形状を有する上下一対のリングフレーム20a,20bを、上下に間隔を置いて平行に配置した状態で、連結縦フレーム21,21’を用いて連結することによって形成されている。すなわち、胴部保持部14は、長円形状の対向する部分として、長軸方向に対向する両側の円弧形状部の先端部分において、各々、一対の連結縦フレーム21,21’を用いて上側リングフレーム20aと下側リングフレーム20bとを互いに連結することによって、フレーム枠形状となるように形成されている。また、下側リングフレーム20bには、長円形状の両側の直線部分に両端部を支持させて、これの内側開口を横断する一対の底部横フレーム22が、好ましくは長円形状の短軸方向と平行に配置されて取り付けられている。パウチホルダー10にパウチ11が装着された際に、これらの底部横フレーム22の上にパウチ11の底部が載置されることで、パウチ11が立設状態に保持される。
【0023】
ここで、リングフレーム20a,20bは、好ましくはパウチホルダー10に装着されるパウチ11の胴部11bの横断面形状と近似する、これよりも一回り大きな長円形状を備えている。これによって、上側リングフレーム20aの内側開口を装着口14aとして、パウチ11の胴部11bの下部を胴部保持部14にスムーズに装着することが可能になる。またパウチ11の底部を下側リングフレーム20bの底部横フレーム22の上に載置して、胴部11bの下部が胴部保持部14に装着された際に、上側リングフレーム20aによって胴部11bの周囲を支持することで、パウチ11を安定した立設状態に保持することが可能になる。
【0024】
また、本実施形態では、上側リングフレーム20aは、下側リングフレーム20bからの取付け高さが、下側リングフレーム20bから周縁フレーム枠部15,15’の上辺部15b,15b’までの高さの1/5〜1/2程度となるように取り付けられていて、胴部保持部14には、パウチ11の胴部11bの下部のみが装着されるようになっている。これによって、パウチ11を、周縁フレーム枠部15,15’と上側リングフレーム20aとによって囲まれる広い面積の装着空間と、上側リングフレーム20aの内側の装着口14aとを介して、パウチホルダー10の斜め側方から、スムーズにパウチホルダー10に装着することが可能になる(図4参照)。また周縁フレーム枠部15,15’と上側リングフレーム20aとによって囲まれる広い面積の装着空間を介して、パウチ11をパウチホルダー10から斜め側方に向けてスムーズに取り出すことが可能になる。
【0025】
そして、本実施形態では、周縁フレーム枠部15,15’は、胴部保持部14の連結縦フレーム21,21’を形成する線状棒状部材を、上側リングフレーム20aよりも上方に延設させることで、当該連結縦フレーム21,21’と連続させて設けられている。これによって、周縁フレーム枠部15,15’は、胴部保持部14の上側リングフレーム20aによる装着口14aの周縁部の対向する部分として、長円形状の長軸方向に対向する両側の円弧形状部の先端部分から上方に延設して、開放側を下方に向けた略コの字形状を備えるように配置される。
【0026】
本実施形態では、周縁フレーム枠部15,15’は、長円形状のリングフレーム20a,20bの一方の円弧形状部に取り付けられた連結縦フレーム21,21’と連続する一方の縦辺部15c,15c’と、他方の円弧形状部に取り付けられた連結縦フレーム21,21’と連続する他方の縦辺部15d,15d’と、他方の縦辺部15d,15d’の上端部から直角横方向に折れ曲がってリングフレーム20a,20bと平行に配置された上辺部15b,15b’と、一方の縦辺部15c,15c’の上端部と上辺部15b,15b’の先端部とを斜めに連結する斜辺部15a,15a’とからなり、開放側を下方に向けた略コの字形状を備えると共に、胴部保持部14の連結縦フレーム21,21’及び下側リングフレーム20bと一体となって、パウチホルダー10に装着されるパウチ11の周縁部の形状に沿った、縦長の略矩形の枠形状を備えるように設けられる。
【0027】
また、本実施形態では、胴部保持部14の装着口14aの周縁部から上方に延設して、一対の周縁フレーム枠部15,15’が、斜辺部15a,15a’を除く略全長に亘って、例えば25〜45mm程度の間隔をおいて好ましくは平行に並んで配置されて設けられている。また一方の周縁フレーム枠部15の斜辺部15aには、当該斜辺部15aにおいて、線状棒状部材を他方の周縁フレーム枠部15’の斜辺部15a’側に例えば半長円形状に窪ませて曲折することで、パウチ11の注出ノズル部11aをスパウト部材18と共に横方向から着脱可能に装着して位置決めさせることが可能な形状の、ノズル保持部16が形成されている。
【0028】
胴部保持部14の装着口14aの周縁部から上方に延設して、一対の周縁フレーム枠部15,15’が並んで配置されて設けられていることで、パウチ11をパウチホルダー10に装着した際に、パウチ11の特に上部の周縁シール部13を一対の周縁フレーム枠部15,15’の間の間隔部分に臨ませて配置することが可能になって、より安定した状態でパウチ11を保持することが可能になる。また、例えば詰替え時に内容液の量が少なくなって、パウチ11と共にパウチホルダー10を傾ける際の傾倒角度が大きくなっても、パウチ11の周縁シール部13が一対の周縁フレーム枠部15,15’の間の間隔部分に臨んで配置されていることで、これらの周縁フレーム枠部15,15’に挟まれて周縁シール部13が大きく横ズレしなくなるので、さらに安定した状態で内容液の詰替え作業を行うことが可能になる。なお、周縁フレーム枠部15,15’は本実施形態では平行に、すなわち相互の角度が0度で並んで配置されているが、平行に配置される必要は必ずしもなく、周縁フレーム枠部15,15’が直線状の場合、相互の角度が好ましくは30度以下となるように並んで配置されていればよい。また、一方または双方の周縁フレーム枠15,15’の全部あるいは一部が波状になっていてもよい。
【0029】
さらに、本実施形態では、周縁フレーム枠部15,15’の斜辺部15a,15a’が形成された側の一方の縦辺部15c,15c’とは反対側の他方の縦辺部15d,15d’に接合されて、取っ手部材17が取り付けられている。本実施形態では、取っ手部材17は、胴部保持部14や周縁フレーム枠部15,15’と同様に、例えば金属製の丸棒からなる線状棒状部材を、図2や図3(a)、(b)に示す所定の形状に曲折加工することによって形成されている。取っ手部材17は、一対の他方の縦辺部15d,15d’に跨って配置されると共に、溶接等を介して接合固定されて、他方の縦辺部15d,15d’に一体として取り付けられる。
【0030】
また、本実施形態では、取っ手部材17による取っ手部17a,17a’は、他方の縦辺部15d,15d’から周縁フレーム枠部15,15’の内側に突出して取り付けられている。取っ手部17a,17a’が周縁フレーム枠部15,15’の内側に突出して取り付けられていることで、取っ手部を周縁フレーム枠部15,15’の外側に突出して設けた場合と比較して、取っ手部17a,17a’を把持する位置を、装着されたパウチ11の重心側に近づけることが可能になり、これによってパウチ11と共にパウチホルダー10を持ち上げて傾倒角度を調整する際のモーメント力を低減して、さらに安定した状態で内容液の詰替え作業を行うことが可能になる。
【0031】
ここで、取っ手部材17が一対の他方の縦辺部15d,15d’に跨って配置されることで、一対の取っ手部17a,17a’は、一対の周縁フレーム枠部15,15’の一対の他方の縦辺部15d,15d’から、各々内側に突出して取り付けられることになる。一対の取っ手部17a,17a’が一対の他方の縦辺部15d,15d’から各々突出して取り付けられることで、一対の取っ手部17a,17a’の間に相当の間隔(厚み)が保持されることになり、このような一対の取っ手部17a,17a’間の厚みによって取っ手部17a,17a’を把持しやすくなって、さらに安定した状態でパウチ11をパウチホルダー10と共に持ち上げたり傾倒させたりすることが可能になる。
【0032】
そして、上述の構成を備える本実施液体のパウチホルダー10によれば、内容量が例えば2L程度の大きなパウチ11であっても、多くの手間を要することなく、着脱可能に容易に装着することができると共に、パウチ11と共に傾倒させて、パウチ11に収容された内容液を注出ノズル部11aからスムーズに注出させることができる。
【0033】
すなわち、本実施液体によれば、パウチホルダー10は、胴部11bの下部が装着されてパウチ11を立設させる胴部保持部14と、胴部保持部14の装着口14aの周縁部から上方に延設して、開放側を下方に向けた略コの字形状を備えるように設けられた線状棒状部材による周縁フレーム枠部15,15’とからなり、また一方の周縁フレーム枠部15の上端角部の斜辺部15aには、線状棒状部材を横方向に窪ませて曲折することでノズル保持部16が設けられている。これによって、内容量の大きなパウチ11であっても、図4に示すように、開放側を下方に向けた略コの字形状の周縁フレーム枠部15,15’と、装着口14aとによって囲まれる広い面積の装着空間を介して、パウチホルダー10の斜め側方からパウチ11をスムーズに差し入れて、パウチ11の胴部11bの下部を胴部保持部14に装着させることで、パウチ11を安定した立設状態で容易に保持することが可能になる。
【0034】
また、例えばパウチ11の胴部11bの下部を胴部保持部14に装着した後に、パウチ11の注出ノズル部11aを、キャップ部材19が装着されたスパウト部材18と共に、パウチ11をパウチホルダー10に差し入れた側から、一方の周縁フレーム枠部15の斜辺部15aに設けられたノズル保持部16に横方向に差し込んで係止させることで、注出ノズル部11aを、斜辺部15aから斜め上方に向けて突出させた状態で容易に位置決めさせることが可能になる。
【0035】
さらに、本実施形態によれば、開放側を下方に向けた略コの字形状を備える一方の周縁フレーム枠部15の上端角部の斜辺部15aにノズル保持部16が設けられていて、このノズル保持部16に係止させることで、パウチ11の注出ノズル部11aが斜辺部15aから斜め上方に向けて突出した状態で位置決め配置されるので、例えばパウチ11から内容液を詰替える際に、図5に示すように、パウチホルダー10をパウチ11と共に、垂直方向に対して90°以上の大きな角度で傾倒させなくても、注出ノズル部11aから内容液を容易に注出できるので、内容液をスムーズに且つ安定した状態で注出させることが可能になる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、パウチホルダーに着脱可能に装着されるパウチは、液体洗剤を内容液として収容するものである必要は必ずしも無く、食用の液体や燃料用の液体等、その他の種々の液体を内容液として収容するものであっても良い。また、詰替え用のパウチでなくても良く、内用量が例えば2L程度以上のパウチでなくても良い。小さな内容量のパウチの場合、その大きさに合った大きさにパウチホルダーを形成することで、本発明を適用することができる。注出ノズル部はパウチの上端角部から斜め上方に向けて突出していなくても良く、上端中央部分から注出ノズル部が上方に向けて突出しているパウチであっても良い。
【0037】
また、周縁フレーム枠部は、胴部保持部の装着口の周縁部から上方に延設して、平行に一対設けられている必要は必ずしも無く、ノズル保持部を備える周縁フレーム枠部が一本のみ設けられていても良い。周縁フレーム枠部の両側の上端角部に各々斜辺部が設られていて、これらにノズル保持部を各々形成することで、パウチの注出ノズル部を選択的に係止できるようにすることもできる。
【0038】
取っ手部は、縦辺部から周縁フレーム枠部の内側に突出させて取り付ける必要は必ずしも無く、図6(a)に示すように、取っ手部17a,17a’は、他方の縦辺部15d,15d’から外側に突出させて取り付けることもできる。図6(b)に示すように、例えば20°の傾斜角度を有するように取り付けることもできる。図6(c)に示すように、縦辺部15d,15d’の上部を内側に食い込ませるように折り曲げて形成することもでき、これによって一対の縦辺部15d,15d’の間に、パウチ11の周縁シール部13を臨ませやすくすることができる。
【0039】
また、取っ手部17a,17a’は、図7に示すように、他方の縦辺部15d,15d’から内側及び外側に突出させて設けることもできる。すなわち、取っ手部17a,17a’は、他方の縦辺部15d,15d’から周縁フレーム枠部15,15’の内側に突出して設けられた人差し指の中程部分の押さえふくらみ部23と、他方の縦辺部15d,15d’から周縁フレーム枠部15,15’の外側に突出して設けられた、人差し指と親指との間の根元部分の押さえふくらみ部24及び中指と薬指と小指とによる握りふくらみ部25とを含んで形成することもできる。これによって、さらに安定した状態で取っ手部17a,17a’を把持することが可能になる。人差し指と親指との間の根元部分の押さえふくらみ部24と中指と薬指と小指とによる握りふくらみ部25の内側に、指が差し込まれるのを回避するためのジャマ棒26を設けておくこともできる。
【0040】
さらに、胴部保持部は、線状棒状部材を用いてフレーム枠形状に形成する必要は必ずしもなく、例えば図7に示すように、合成樹脂製の有底筒状の胴部保持部14’とすることもできる。胴部保持部やリングフレームは、その平面形状が長円形状となっている必要は必ずしなく、楕円形状や矩形形状等の、その他の平面形状を有していても良い。周縁フレーム枠部や胴部保持部を形成する線状棒状部材は、金属製の丸棒の他、合成樹脂製の棒状部材等であっても良い。なお、胴部保持部を線状棒状部材を用いてフレーム枠形状に形成することで、胴部保持部の内部に水やゴミが残ったり堆積するのを効果的に回避することが可能になる。
【符号の説明】
【0041】
10 パウチホルダー
10a 底部
11 パウチ
11a 注出ノズル部
11b 胴部
12 正面フィルム部
12a 斜縁部
12b 上縁部
12c 側縁部
12d 側縁部
13 周縁シール部
14,14’ 胴部保持部
14a 装着口
15 一方の周縁フレーム枠部
15’ 他方の周縁フレーム枠部
15a,15a’ 斜辺部
15b,15b’ 上辺部
15c,15c’ 一方の縦辺部
15d,15d’ 他方の縦辺部
16 ノズル保持部
17 取っ手部材
17a,17a’ 取っ手
20a 上側リングフレーム
20b 下側リングフレーム
21,21’ 連結縦フレーム
22 底部横フレーム
23 人差し指の中程部分の押さえふくらみ部
24 人差し指と親指との間の根元部分の押さえふくらみ部
25 握りふくらみ部
26 ジャマ棒
X 斜辺部の傾斜方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後一対の正面フィルム部を含み、該一対の正面フィルム部の周縁部分の少なくとも一部をシール接合して形成された、胴部と、該胴部から突出して設けられた注出ノズル部とを備えるパウチを装着した状態から、該パウチと共に傾倒させて前記注出ノズル部から内容液を注出させるパウチホルダーであって、
前記胴部の下部が装着されて前記パウチを立設させる胴部保持部と、該胴部保持部の装着口の周縁部の対向する部分から上方に延設して、開放側を下方に向けた略コの字形状を備えるように設けられた、線状棒状部材を曲折加工することによって形成された周縁フレーム枠部とからなり、
該周縁フレーム枠部は、少なくとも一方の上端角部が斜辺部によって斜めに切り欠かれた前記略コの字形状を備えていると共に、前記斜辺部には、当該斜辺部において前記線状棒状部材をこれの傾斜方向と交差する横方向に窪ませて曲折することで、前記パウチの前記注出ノズル部を係止して位置決めするノズル保持部が形成されているパウチホルダー。
【請求項2】
前記胴部保持部の装着口の周縁部の対向する部分から上方に延設する一対の前記周縁フレーム枠部が、略全長に亘って並んで配置されて設けられており、
一方の前記周縁フレーム枠部の前記斜辺部に、当該斜辺部において前記線状棒状部材をこれの傾斜方向と交差する横方向として、他方の前記周縁フレーム枠部の前記斜辺部側に窪ませて曲折することで、前記ノズル保持部が形成されている請求項1記載のパウチホルダー。
【請求項3】
前記周縁フレーム枠部の前記斜辺部が形成された側の一方の縦辺部とは反対側の他方の縦辺部に接合されて、線状棒状部材を曲折加工することによって形成された取っ手部が取り付けられている請求項1又は2記載のパウチホルダー。
【請求項4】
前記取っ手部は、前記他方の縦辺部から前記周縁フレーム枠部の内側に突出して取り付けられている請求項3記載のパウチホルダー。
【請求項5】
前記取っ手部は、前記他方の縦辺部から前記周縁フレーム枠部の外側に突出して取り付けられている請求項3記載のパウチホルダー。
【請求項6】
前記取っ手部は、前記他方の縦辺部から前記周縁フレーム枠部の内側に突出して設けられた人差し指の中程部分の押さえふくらみ部と、前記他方の縦辺部から前記周縁フレーム枠部の外側に突出して設けられた、人差し指と親指との間の根元部分の押さえふくらみ部及び中指と薬指と小指とによる握りふくらみ部とを含んで形成されている請求項3記載のパウチホルダー。
【請求項7】
一対の前記周縁フレーム枠部が略全長に亘って平行に配置されて設けられており、前記取っ手部は、一対の前記周縁フレーム枠部の一対の前記他方の縦辺部から、各々内側又は外側に突出して取り付けられている請求項3〜6のいずれか1項に記載のパウチホルダー。
【請求項8】
前記胴部保持部は、線状棒状部材を用いてフレーム枠形状に形成されている請求項1〜7のいずれか1項記載のパウチホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−32172(P2013−32172A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168875(P2011−168875)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】