パケットネットワークを介するファクシミリ送信
【課題】既存のシステムの欠点の少なくとも1つを除去又は軽減する新規な方法及びシステムを提供する。
【解決手段】FoIPサーバが、ゲートウェイと企業のバックエンドシステムとの間のファックス通信を仲介する。上記ゲートウェイは、VoIP可能型であって、PSTN及び企業ネットワークに接続されると共に、PSTNファックス通話とIP上ファックス通話との間を仲介する。上記FoIPサーバは、上記FoIP通話と、メッセージ転送エージェント(MTA)、顧客関係管理(CRM)、文書管理、ウェブサービス、メインフレーム又はファックス能力を必要とする特化されたアプリケーションのような企業のバックエンドシステムとの間を仲介する。
【解決手段】FoIPサーバが、ゲートウェイと企業のバックエンドシステムとの間のファックス通信を仲介する。上記ゲートウェイは、VoIP可能型であって、PSTN及び企業ネットワークに接続されると共に、PSTNファックス通話とIP上ファックス通話との間を仲介する。上記FoIPサーバは、上記FoIP通話と、メッセージ転送エージェント(MTA)、顧客関係管理(CRM)、文書管理、ウェブサービス、メインフレーム又はファックス能力を必要とする特化されたアプリケーションのような企業のバックエンドシステムとの間を仲介する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ(ファックス)送信に係り、更に詳細にはパケットネットワークを介するファックスの送信に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の20年にわたり、ファクシミリ(ファックス)は文書を電子的に送信するための成功した手段となっている。インターネット及びEメイルの出現により、ファックスはEメイルにより急速に置換されるかのように見える。しかしながら、斯かる2つの技術が当分の間共存することは明らかである。
【0003】
図1はインターネットメッセージ手段を備えるようなオフィス環境でのファックスマシンの今日の配置法を示している。ファックスサーバ2は公衆交換電話ネットワーク(PSTN)4にT1/E1のような複数の専用回線により接続されている。PSTN4は、ファックスサーバ2に関する限り“外界”であり、入ってくるファックスのソースであると共に出てゆくファックスの受信側(sink)である。ファックスサーバ2はパケットネットワーク6にも接続され、該ネットワークは複数のユーザ(例えば、16で示す)に対する接続を提供する。このようにして、ファックスサーバ2は法人が雇用者に対してエクスチェンジ(Exchange)、ノーツ(Notes)、SMTP及び他のバックエンド(後置)アプリケーションのようなEメイルアーキテクチャを介して机上ファックス処理能力を提供するのを可能にする。ファックスサーバ2は、ファックスバック(fax-back)取引確認、ファックス放送又は自動化フォーム(書式)処理を提供するためにも使用することができる。
【0004】
ファックスサーバ2は、ユーザにより送信されるファックス情報間での変換を行うために特化されたインターフェースカード14を必要とする。文書がファックスサーバ2に到達すると、ファックスサーバ2は該文書を、PSTN
4を介して送信するのに適したフォーマットに変換する。最後に、ファックスサーバ2は該変換された文書を自身の専用インターフェースカード14を介してPSTN 4上に送信する。逆に、ファックスサーバ2に到達するファックスに対しては、ファックスサーバ2は宛先ユーザを識別し、当該入力ファックス送信を上記宛先ユーザへの配信に適したフォーマットに変換し、該変換された文書を内部IPネットワークを介して上記宛先ユーザに送信する。
【0005】
今日の普通の企業においては、ユーザは、内部IPネットワーク6を介してファックスサーバ2に接続されるのみならず、該内部IPネットワーク6をグローバルインターネット12に接続する相互ネットワーク化ゲートウェイ8にも接続されている。ゲートウェイ8は、ユーザ16が、グローバルインターネット12に接続された他者(例えば、18で示す)と電子的に通信するのを可能にする。斯様な電子的通信は、蓄積交換(store and forward)メッセージ(例えば、Eメイル)、リアルタイム単方向通信(例えば、生のTV)、リアルタイム双方向通信(例えば、インターネット電話等)を含むことができる。
【0006】
ゲートウェイ8は典型的にはインターネットサービスプロバイダ(ISP)10に接続されるが、該インターネットサービスプロバイダは基本的には大きなゲートウェイ又はPSTNである。ゲートウェイ8とISP
10又はPSTNとの間の接続は、典型的には、ファックスサーバ2とPSTN 4との間の接続と同様に専用のT1/E1回線を介して確立される。
【0007】
第1の組の専用T1/E1回線はファックス機能を提供するために必要であり、第2の組の専用T1/E1回線はインターネットアクセス機能を提供するために必要であることは明らかである。2つの組の専用電話/データ回線の使用は維持するのが高価であり、更に、何れかの組の回線がアイドル状態である一方、他方の組が最大容量で使用されているというような状況が生じる可能性がある。このような状況においては、使用程度の低い組の回線の容量は無駄となる。PSTNとインターフェースするための専用ハードウェアの必要性は、企業にとり更なる無視できない経費となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、ファックスに基づく通信ツールを他の通信ツールとIPネットワークを介して調和的に統合することができる新たなシステムを設けることが望ましい。
【0009】
本発明の目的は、既存のシステムの欠点の少なくとも1つを除去又は軽減する新規な方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ゲートウェイであって、該ゲートウェイを介してファックスメッセージを送受信するためにパケット型の通信プロトコルを使用して前記PSTNに接続されるようなゲートウェイと、企業のサービスインフラストラクチャとの間を仲介するサーバを使用する。
【0011】
本発明の一態様によれば、ファックスメッセージを配信する通信システムであって、各々がメッセージを送信及び受信するための1以上のメッセージ転送エージェント(MTA)と、パケットネットワークと、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)と前記パケットネットワークとを接続するゲートウェイと、前記パケットネットワークを介して前記ゲートウェイと通信を確立すると共に前記MTAと前記PSTNに接続されたファックス端末との間でファックスメッセージをやりとりするサーバとを有するような通信システムが提供される。
【0012】
本発明の他の態様によれば、通信ネットワークにおいてファックスメッセージを処理する方法が提供される。該通信ネットワークは、1以上のメッセージ転送エージェント(MTA)と、パケットネットワークと、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)と前記パケットネットワークとを接続する1以上のゲートウェイと、前記MTAと前記PSTNに接続されたファックス端末との間でファックスメッセージをやりとりする1以上のサーバとを含む。そして、該方法は、前記端末にファックスが到達した場合に該端末上のファックス通話を扱うサーバを選択するステップと、前記ゲートウェイと前記選択されたサーバとの間のセッション及び前記ファックスを前記PSTN上に送信する前記ファックス端末と前記サーバとの間のセッションを確立するステップと、前記ファックスを前記ファックス端末から前記選択されたサーバへ送信するステップと、前記ファックスに関係する情報をメディアデータベースに記憶するステップと、前記セッションを終了させるステップと、前記サーバにおいて前記サーバ上の入力ファックスのためのMTAの宛先アドレスを決定するステップと、前記サーバを前記MTAに接続して前記入力ファックスのメッセージを送信するステップと、前記サーバにおいて前記選択されたMTAと互換性のあるフォーマットのメッセージを前記記憶された情報に基づいて作成するステップと、前記作成されたメッセージを前記MTAに転送するステップとを含んでいる。
【0013】
本発明の更なる態様によれば、通信ネットワークにおいてファックスメッセージを処理する方法が提供される。該方法は、前記MTAから前記サーバにメッセージ(該メッセージにはファイル文書が添付されている)を受信するステップと、前記メッセージの情報を取り出すステップと、前記情報をデータベースに記憶するステップと、当該ファックスを送信する送信者がファックスを送信することを許可されているかを検証すると共に前記ファックスを受信する受信者が有効であるかを検証するステップと、送信者情報を完成させるステップと、前記ファイル文書を元のフォーマットから所定のフォーマットに変換するステップと、前記サーバと前記ゲートウェイとの間でセッションを確立するステップと、前記所定のフォーマットで書かれた前記ファックスの内容を前記サーバから前記ゲートウェイに送信するステップとを含んでいる。
【0014】
本発明の他の態様及び特徴は、当業者にとっては、好ましい実施例の下記の詳細な説明を添付図面と共に参照することにより容易に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、図面を参照する以下の説明から更に理解されるであろう。
【0016】
図2は、本発明の一実施例による通信ネットワーク100を示している。該通信ネットワーク100は、FoIP(IP上リアルタイムファックス:Real Time Fax Over IP)サーバ102、ゲートウェイ104及びメッセージシステム(messaging system)106を含んでいる。
【0017】
FoIPサーバ102は、IPネットワーク108を介してゲートウェイ104と通信する。ゲートウェイ104はPSTN
4上のファックスマシン110と通信する。FoIPサーバ102は、(複数の)ゲートウェイ104と(複数の)企業バックエンドシステム(例えば、メッセージシステム106)との間のファックス通信を仲介することができる。
【0018】
ゲートウェイ104はネットワーク間の入口として作用する。該ゲートウェイは、PSTN
4からのファックス通話及びIP通話を介してのファックスを仲介することができる。例えば、会社のネットワーク内の又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)におけるトラフィックを制御するコンピュータはゲートウェイノードである。ゲートウェイは、ゲートウェイ104に到達する所与のデータパケットを方向付けするルータ、及び所与のパケットに対してゲートウェイ104に入る又は出る実際の経路を提供するスイッチの両者に関連付けることができる。
【0019】
以下の説明においては、ゲートウェイ104はVoIPゲートウェイであり、該ゲートウェイはPSTN
4からの通話を、H.323、SIP若しくはMGCP又は他の通知(signaling)プロトコルを使用してVoIP通話に変換する。例えば、VoIPゲートウェイには、PSTN
4に対するT1/E1インターフェース及びIPネットワーク108に対する100Mbのイーサネット(登録商標)インターフェースが備えられる。VoIPゲートウェイは、発呼者/着呼者の音声を伝送するために例えばG.711、G.729及びG.723等の“音声エンコーダ及びデコーダ(vocodec)”を使用する。vocodecは人の音声を伝送することに特化されたカードである。同様の態様で、ゲートウェイはT.30メッセージ(即ち、通信するためにファックスマシンにより使用される言語)を伝送するために特化されたコーデック、T.38も使用する。ゲートウェイ104は、シスコ・システム・インクのモデル2600シリーズ、3600シリーズ、MC3810、7200、7750及びAS5300(商標)とすることができる。これらのゲートウェイは、VoIPカード、PSTNインターフェースカード及びネットワークインターフェースを使用する。ゲートウェイ104は、会社のネットワーク又はイーサネット(登録商標)上の何れかにおいてT.38認識端末(例えば、T.38ファックスマシン)又は他のFoIPサーバ102により置換することができる。
【0020】
ゲートウェイ104は上記ファックスとT.30セッションを確立する。当該セッションに関する如何なる判断をも行う代わりに、ゲートウェイ104は全てをFoIPサーバ102に送り、該FoIPサーバ102は該T.30セッションを終了する。
【0021】
FoIPサーバ102はファックスを受信及び送信するためのVoIPエンドポイントである。FoIPサーバ102は、FoIP通話及びメッセージ転送エージェント(MTA)、例えばメッセージシステム106を仲介する。FoIPサーバ102は、通話を確立するために、H.323、SIP(セッション開始プロトコル)、MGCP(メディアゲートウェイ制御プロトコル)のような標準の通知プロトコルを使用する。FoIPサーバ102はVoIPネットワークの一部である。FoIPサーバ102は、自身の通知プロトコルをH.323、SIP及びMGCPに限定するものではなく、他の通知プロトコルも使用することができる。FoIPサーバ102は、T.38を使用してゲートウェイ104とファックスを交換する。FoIPサーバ102は、統合された通信(Eメイル、ファックス、音声)のファックス部分を提供する。
【0022】
以下、FoIPサーバ102及びゲートウェイ104により使用されるプロトコルを詳細に説明する。T.30は国際通信ユニオン(ITU)により承認された標準プロトコルで、ファックスマシンがアナログ回線上で如何にして一緒に通信を行うかを規定している。図3に示すように、PSTN
4上のファックスマシン110A及び110BはT.30プロトコルを用いて互いに通信する。
【0023】
H.323はITUにより承認された標準プロトコルで、オーディオビジュアル会議データが如何にしてネットワークを介して伝送されるかを規定している。H.323はビデオ会議の下部セットである、ネットワークを介しての音声通話のために普通に使用される。SIPはセッションを確立するための標準のIETF汎用プロトコル(generic
protocol)で、最も普通な用途の1つはVoIP通話を確立することである。MGCPはPSTN通話を、パケットネットワークを介して伝送される通話に変換するために使用されるプロトコルである。
【0024】
T.38は、ITUにより承認された標準プロトコル“IPネットワークを介してのリアルタイムグループ3ファクシミリ通信のための手順”であり、T.30メッセージが如何にしてパケットネットワーク上を伝送することができるかを規定している。T.38の範囲は、T.30装置(例えば、ファックスマシン)に対するパケットネットワーク上での通信手段を提供することである。T.38コーデックは、ファックスマシン言語(即ち、ファックス端末間で交換されるT.30メッセージ)を伝送するために特化されている。T.38仕様は、パケットネットワークエンドポイント間の通信を確立するための如何なる手段も提供しない。H.323、SIP及びMGCPのようなVoIPプロトコルは、斯かる目的のために使用されるよう設計されている。T.38は、ファックスマシン間で交換されるT.30メッセージをパケットネットワークを介して伝送するためのトンネル処理技術を主に指定する。
【0025】
FoIPサーバ102とゲートウェイ104との間でのパケットネットワークを介してのファックス送信は図4に示されるように図示することができる。図4を参照すると、ステップ31において、VoIP通話がFoIPサーバ102とゲートウェイ104との間でH.323、SIP又はMGCPを使用して確立される。ステップ32において、T.30(ファックスマシン対ファックスマシンの)トンネルセッションがT.38を使用して確立される。ステップ33においては、T.30のデータ交換(ファックス送信)がT.38を使用して生じる。ステップ34では、上記T.30セッションがT.38を使用して切断される。ステップ35においては、上記VoIP通話がH.323、SIP又はMGCPを使用して切断される。
【0026】
図2を参照すると、FoIPサーバ102及びゲートウェイ104は図4のものと同様の態様で通話を確立する。
【0027】
FoIPサーバ102は、例えばT.38及びT.30のような標準の通知を処理するための1以上のプロセッサを有している。FoIPサーバ102は、例えば発呼者識別(ID)番号、発呼者ID名、発呼者番号、ゲートウェイアドレス、日付及び時間、持続時間、伝送速度、頁数、CSID(通話加入者ID)及びDMTF(デュアルトーンマルチ周波数)等の全ての利用可能なトランザクション情報を捕捉する機能を有している。FoIPサーバ102はファックスメディア情報及びトランザクションを記憶すると共に、例えばHTTP(ハイパーテキスト伝送プロトコル)等のプロトコルを介してのデータに対する遠隔アクセスを提供する。上記ファックスメディア情報はメディアデータベース309(図13)に記憶される。
【0028】
FoIPサーバ102は複数の同時的ファックス通話を扱う。各々に対して、FoIPサーバ102内で作成された仮想T.30エンジンがファックス端末をシミュレーションする。全ての出力ファックスは経路決め/配信されるまで行列待ちされ、これらファックスは後に取り出すために記録保管(アーカイブ)される。
【0029】
FoIPサーバ102は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に記憶されたプログラム要素内に含まれる一連の命令に従って動作する計算装置として具現化することができる。上記一連の命令は上記計算装置に対して、例えば入力ファックスの受信、出力ファックスの送信の場合のような種々の状況下で、どのように反応すべきかを指示する。
【0030】
メッセージシステム106はサーバ112を含んでいる。メッセージシステム106は、エンドユーザ(例えば、デスクトップパーソナルコンピュータ114)とインターフェースすると共に、これらユーザが電子メッセージ(メイル)をユーザフレンドリなフォーマットで完成し及び取り込むのを可能にするような機能を有している。該サーバ112は、マイクロソフト社のエクスチェンジ(商標)、IBM社のロータスドミノ(商標)又はSMTP(メイル転送プロトコル)型サーバとすることができる。メッセージシステム106は、メイルを配信するためにマイクロソフトアウトルック(商標)又はロータスノーツ(商標)を使用することができる。メッセージシステム106は、複数のネットワークにわたり分散することが可能な幾つかのメッセージサーバ112からなることができる。
【0031】
通信システム100は、2以上のゲートウェイ104と通信することができると共に、2以上のFoIPサーバ102を含むことができる。
【0032】
以下、FoIPサーバ102とゲートウェイ104との間で通話を確立するための処理を説明する。図5は図2の通信システム100の入力ファックスのシナリオを示している。図6は、図2の通信システム100の出力ファックスのシナリオを示している。FoIPサーバ102及びゲートウェイ104は、所与の電話番号に対してどちらのゲートウェイ/FoIPサーバが使用されるべきかを決定するためにゲートキーパ(H.323を使用する場合)又はプロキシ/レジストラ(registrar)(SIPを使用する場合)を使用することができる。例えば、VoIP通話を確立する前に、H.323エンドポイント(ゲートウェイ/FoIPサーバ)はゲートキーパ(図示略)に対して、当該通話を処理する責任を負うエンドポイントのIPアドレスを要求することができる。該要求に応答して、上記ゲートキーパはIPアドレスを供給する。他の例として、上記FoIPサーバ又はゲートウェイは、どのエンドポイントがどの番号を扱うかを決定するためにローカルダイヤルプランを有することができる。
【0033】
図5を参照して、H.323、SIP又はMGCPを使用した“入力ファックスのシナリオ”を説明する。ゲートウェイ104は、番号XXXXに関してPSTNインターフェース上でファックス通話を受信する。次いで、ゲートウェイ104は、ゲートキーパに対して(H.323の場合のみ)、該番号XXXXを扱う装置のIPアドレスを要求することができる。他の例として、該ゲートウェイは自身のローカルダイヤルプランを使用して、上記番号XXXXを扱う装置のIPアドレスを決定することもできる。ゲートウェイ104は、この特定されたIPアドレスを持つFoIPサーバに対して通話を確立する。
【0034】
次に、図6を参照して、H.323/SIP/MGCPを使用した“出力ファックスのシナリオ”を説明する。FoIPサーバ102は、番号YYYYに送信されるファックスを有している。FoIPサーバ102は、ゲートキーパに対して(H.323の場合のみ)、該番号YYYYを扱う装置のIPアドレスを要求することができる。他の例として、該FoIPサーバは自身のローカルダイヤルプランを使用して、上記番号YYYYを扱う装置のIPアドレスを決定することもできる。次いで、FoIPサーバ102は、この特定されたIPアドレスを持つゲートウェイとの通話を確立する。
【0035】
次に、図2の通信システム100においてPSTN 4から入力ファックスを受信する処理を詳細に説明する。最初に、ゲートウェイ104は、前記“入力ファックスのシナリオ(図5)”に従いファックスを受信すべきFoIPサーバ102との通話を確立する。図7を参照すると、ステップ130において、FoIPサーバ102は上記ファックスに対応するIPパケットをゲートウェイ104から受信する。ステップ132において、FoIPサーバ102は該入力ファックスを記録保管する。ステップ134において、FoIPサーバ102は当該通話の間において収集された情報(例えば、着呼番号、発呼番号、CSID等)に基づいて、メッセージシステム100における当該ファックスを受信すべきユーザのアドレスを決定する。ステップ136において、FoIPサーバ102はメイルメッセージを作成し、ステップ138においてメッセージシステム106に送信する。メッセージシステム106におけるセンダ(sender:例えば、マイクロソフトのアウトルック、ロータスノーツ)は上記メイルメッセージを適切なユーザメイルボックスに配信する。例えば、FoIPサーバ102からユーザへの上記メイルメッセージは下記の情報を含むことができる:
1.上記センダは当該メッセージがFoIPシステムから到来したことを示す;
2.件名は当該ファックスに関する情報(着呼番号、発呼番号、CSID、頁数)からなる;
3.本文は当該トランザクションに関する情報(受信時間、持続時間、頁番号、等々)を含む;
4.当該メイルは受信ファックスをtiffフォーマットで含むような1つの添付物を含む。該添付物は、Wand imagingのようなTiffビューワを用いて見ることができる;
5.オプションとして、当該Eメイルは上記トランザクション情報を特化されたフォーム及びフォーマットを用いて表示するために使用することが可能な他の情報を含むこともできる。
【0036】
次に、図2の通信システム100からPSTN 4へファックスを送信する処理を詳細に説明する。エンドユーザは、自身のメイルクライアント(例えば、マイクロソフトのアウトルック又はロータスノーツ)を使用してメイルメッセージを作成するが、該メイルメッセージはファックスを作成するための全ての情報を含むであろう。例えば、該メイルメッセージの内容は以下の方法で翻訳することができる:
1.選択される受信者はEメイルアドレスの代わりにファックス番号を表し、これらファックス番号はFoIPサーバに中継される;
2.Eメイルの件名は、ファックスの件名となる;
3.Eメイルの本文はファックスカバー頁のコメントとして挿入される;
4.添付文書はファックスフォーマットに変換され、当該ファックスに(上記カバーシートの後に)付加される;
5.オプションとして、特にファックス送信に対する設定を指定するために特別なコードを使用することができる;
6.オプションとして、特にファックス送信に対する設定を指定するために特化されたフォームを使用することができる。
【0037】
図8を参照すると、ステップ140において、上記メイルメッセージは上記メイルクライアントからメッセージシステム106のサーバ112へ送信される。ステップ142において、メッセージシステム106は受信者のアドレスを調べて、FoIPサーバに伝送されるファックス番号を含んでいるかを見つける。上記アドレスがファックス番号を含んでいる場合、メッセージシステム106は各メイルを適切なFoIPサーバへ送信する。ステップ144において、FoIPサーバ102が上記メイルを受信すると、該FoIPサーバ102は当該ファックス送信に関する全ての情報を抽出し、各ファックスに対応するファックス処理待ち行列へのエントリを作成する。ステップ146において、FoIPサーバ102はカバー頁を作成し、添付文書をtiffフォーマットに変換する。これが一旦完了すると、当該ファックストランザクションは、当該送信を扱うことが可能な最初のVoIPゲートウェイへ送信される準備が整う。次いで、FoIPサーバ102は“出力ファックスのシナリオ(図6)”で記載したステップに従って、IPネットワークを介し当該ファックスを送信する。このトランザクションが成功したら、上記ファックス待ち行列の該エントリは完了と印され、記録保管される。当該トランザクションが失敗である場合は、FoIPサーバ102は該トランザクションを“再試行待ち”と印して或る遅延の後に再送信するか、再試行がプログラムされていない場合は“失敗”と印される。この場合、当該トランザクションは記録保管される。
【0038】
図2においては、FoIPサーバ102はメッセージシステム106と通信している。しかしながら、FoIPサーバ102及び例えばCRM(顧客関係管理)、文書管理、ウェブサービス、メインフレーム又は特化されたアプリケーション等のバックエンドアプリケーションが、斯かるバックエンドアプリケーションをファックス可能にするように特別に設計されたAPIと通信することもできる。
【0039】
図9は、図2に示した通信システム100の他の例を示している。図9の通信システム100において、FoIPサーバ102は、メッセージシステム106A(例えば、エクスチェンジ、ノーツ、SMTP)、CRMアプリケーション152、ウェブサービス154、メインフレーム156、フォーム処理アプリケーション、文書管理又は特化されたアプリケーションのような企業バックエンドシステム150と通信する。FoIPサーバ102はバックエンドシステム150からファックス要求を受け、ファックストランザクションをバックエンドシステム150にリポートする。FoIPサーバ102はFoIP通話とバックエンドシステム150との間の仲介をする。
【0040】
入力ファックスは、メッセージシステム106A、他のバックエンドシステムに、又は直接ユーザに自動的に経路決めされる。図9におけるFoIPサーバ102は、メッセージを統合する機能を有している。
【0041】
次に、図9の通信システム100においてPSTN 4から入力ファックスを受信する処理を詳細に説明する。図10を参照すると、ステップ160において、ゲートウェイ104は、PSTN
4に接続されたゲートウェイ電話インターフェース上でファックス通話を受信する。ステップ162において、ゲートウェイ104は、該ファックス通話を扱うパケットネットワーク上のエンドポイント(FoIPサーバ)を、該ゲートウェイのダイヤルプラン又は集中化サービス(centralize service)から得られるダイヤルプランに基づいて決定する。H.323が使用される場合、ゲートキーパ(図示略)が上記“集中化サービス”として作用する。SIPが使用される場合は、プロキシ/レジストラ設備(図示略)が“集中化サービス”として作用する。FoIPサーバ102がエンドポイントであると仮定する。
【0042】
ステップ164において、ゲートウェイ104と選択されたFoIPサーバ102との間の通話セッションが、標準の通知プロトコルを使用して確立される。通話確立が失敗すると、ゲートウェイ104は前記ダイヤルプランを使用して、新たな代替FoIPサーバを決定する。ステップ166においては、ゲートウェイ104と選択されたFoIP102サーバとの間のメディアセッションがITUのT.38プロトコルを使用して確立される。該メディアセッションの確立が失敗すると、ゲートウェイ104はダイヤルプランを使用して新たな代替FoIPサーバを決定する。ステップ168において、当該通話を開始したPSTN
4上のファックス端末とFoIPサーバ102との間のT.30ファックスセッションが確立される。ステップ170において、T.30プロトコルに従って、PSTN 4上のファックス端末とFoIPサーバ102との間で当該ファックスが転送される。
【0043】
ステップ172においては、FoIPサーバ102は当該ファックスメディアをメディアデータベース(図示略)内の1又は複数のファイルに記憶する。ステップ174において、上記T.30セッション、T.38及び通話セッションが終了される。ステップ176において、FoIPサーバ102は全てのトランザクション情報及びURLを、上記ファックスメディアを含むファイルに記憶する。
【0044】
ステップ178において、FoIPサーバ102は、上記トランザクション情報に基づいて、当該入力ファックスの宛先アドレス及びMTAを決定する。ステップ180において、FoIPサーバ102は当該入力ファックスメッセージを転送するために上記MTAに接続される。ステップ182において、FoIPサーバ102は上記の選択されたMTAと互換性のあるフォーマットでメッセージを作成する。該メッセージは、ファックスメディアファイル(ネーティブなtiffファックスフォーマット又は変換による何らかの他のフォーマットの)、マシン読み取り可能なコードでのトランザクション情報(当該メッセージに埋め込まれる)、人が読み取り可能なテキスト(当該メッセージの題名及び本文に埋め込まれる)及び人が読み取り可能なグラフィック(メディアファイル添付物に埋め込まれる)を含む。ステップ184において、FoIPサーバ102は上記の作成されたメッセージを上記MTAに送信する。
【0045】
ゲートウェイ104がT.38認識端末(例えば、T.38ファックス端末)(図示略)により置換される場合、ステップ160及び162は図11に示すようなステップ190及び192により置換される。図11を参照すると、ステップ190においては、T.38認識端末が文書を走査する一方、宛先はキーボード又はタッチスクリーン等の端末入力インターフェースから入力される。ステップ192において、当該ファックス通話を扱うパケットネットワーク上のエンドポイントが、端末のダイヤルプラン又は集中化サービスから得られるダイヤルプラン及びユーザにより入力された上記情報に基づいて決定される。
【0046】
次に、図9の通信システム100からPSTN 4へ出力ファックスを送信する処理を詳細に説明する。図12を参照すると、ステップ200において、FoIPサーバ102は、ファックスオプション、送信者情報及びファックス受信者リストを記述した埋め込みコードを含むメッセージ、並びに該メッセージに添付されたファイル文書のリストを受信する。ステップ202において、FoIPサーバ102は上記メッセージから全ての埋め込まれたコード及び添付されたファイルを取り出す。ステップ204において、FoIPサーバ102は送信者、ファックスオプション、受信者及びファックスすべき文書をFoIPデータベース(例えば、メディアデータベース)に記憶する。
【0047】
ステップ206において、FoIPサーバ102は当該送信者がファックスを送信することを許可されているかを、外部の電話帳(ディレクトリ)から又は当該FoIPサーバの内部ディレクトリから検証する。当該送信者がファックスすることを許可されていない場合は、当該トランザクションは拒否され、該送信者に通知される。
【0048】
ステップ208において、FoIPサーバ102は受信者の宛先が有効であるかを検証する。受信者の宛先が有効でない場合は、該宛先に対するトランザクションは拒否され、送信者に通知される。ステップ210において、FoIPサーバ102は当該通信システム100の外部の集中ディレクトリから追加の情報を取り込むことにより送信者情報を完成させる。ステップ212において、FoIPサーバ102は、上記ファイル文書を、ネイティブアプリケーションを使用することによりネイティブフォーマットからtiffフォーマットに変換する。該アプリケーションと関連させて、プリンタドライバ、コマンドライン変換器、内部変換エンジン又は特化された変換APIを使用することもできる。
【0049】
ステップ214において、FoIPサーバ102は各受信者に対して送信者及び受信者情報を用いてtiffのカバーシートを作成する。ステップ216において、FoIPサーバ102と前記ゲートウェイとの間のセッションが確立される。ステップ218において、該ゲートウェイへ上記tiffフォーマット情報が送信される。
【0050】
図13は、図2及び図9に示すFoIPサーバ102の一例を示している。図13に示すFoIPサーバ102はSMTPゲートウェイ300及びエクスチェンジゲートウェイ302を有し、これらは外部メッセージシステム、即ちSMTPメッセージシステム326及びエクスチェンジメッセージシステム352に対するインターフェースを提供する。これら外部メッセージシステムはネットワークを介して遠隔的にアクセスすることができる。SMTPゲートウェイ300及びエクスチェンジゲートウェイ302は、エンドユーザがPSTN上へファックスを送信し、及びファックストランザクションのメイル通知を受信するのを可能にする。
【0051】
一例として、FoIPサーバ102は以下及び図13に示すような構成要素からなっている。該FoIPサーバはファックスドライバ304及びXMLゲートウェイ306を含んでいる。ファックスドライバ304は、T.38ゲートウェイ104と通信して、PSTN 4へファックスを送信し、PSTN 4からファックスを受信する。XMLゲートウェイ306はXMLの外向け(outbound)ファックス文書を処理する。例えば、これらXML文書は、FoIPサーバ102に対して、FoIPサーバ102のバックエンドアプリケーションにより走査されるファイルシステムディレクトリに、又はhttpを介して転送される。
【0052】
ファックスアーカイブデータベース308が該FoIPサーバ102に対して設けられている。該ファックスアーカイブデータベース308は、該FoIP内に配置されるか、又はIPネットワーク上に配置されて遠隔的にアクセスされる。例えば、該データベースはJDBC(Java(登録商標) DataBase Connectivity)を介してアクセスすることができる。ファックスアーカイブデータベース308は全ての完了したファックスのトランザクションの詳細を記憶するために使用される。ファックス情報をアーカイブ(記録保管)するために、アーカイブ要素310が設けられる。
【0053】
PSTN 4からのファックスメディアはメディア記憶データベース309に記憶される。メディア記憶データベース309は、FoIPファイルシステム上にローカルに、又はIPネットワーク上で遠隔ファイルシステムにインストールすることができる。該メディア記憶データベース309は、出力ファックスを発生するために使用される全ての文書(例えば、マイクロソフトワード(商標)、マイクロソフトエクセル(商標)、テキスト、カバーシート等)、出力ファックスtiff及び入力ファックスtiffを含む。
【0054】
FoIPサーバ102は、更に、他のシステム構成要素に対し内部的機能を提供するコンフィギュレーションマネージャ314、CoConfig316及び故障許容部(fault tolerance)318を含んでいる。コンフィギュレーションマネージャ314及びCoConfig316は、システム用コンフィギュレーション及び会社用コンフィギュレーションを各々含んでいる。故障許容部318は全ての構成要素及び可能性のある故障を監視し、メカニズム上の故障及び要素選択処理(component
election process)を管理する。コンフィギュレーションマネージャ314、CoConfig316及び故障許容部318は、コンフィギュレーションデータベース320、CoConfigデータベース322及びサービス状態データベース324と各々通信して、関連する情報を取得する。
【0055】
FoIPサーバ102は、更に、セッションマネージャ326及びhttpサーバ328を含んでいる。セッションマネージャ326はMMCスナップイン(マイクロソフト社の商標)356のような遠隔管理ツール及び/又はAPIに対するシステムアクセスを許可/拒否する。httpサーバ328は、ウェブブラウザ360又はバックエンドアプリケーションからのウェブアクセス要求をFoIP構成要素に中継するために使用される。
【0056】
FoIPサーバ102は、更に、ファックスマネージャ330、ファックス待ち行列332、ファックス待ち行列データベース334、ファックスフォルダ仲介部336、ドキュメントラスタライザ338、メディア記憶部340を含んでいる。ファックスマネージャ330は、ファックスを処理するための全ての知能を含んでいる。ファックス待ち行列332は、ファックス待ち行列データベース334へのアクセスを制御する。ファックスフォルダ仲介部336は、ファックスリストに対する遠隔クライアントのアクセスを補助する。メディア記憶部340は、ファックスマネージャ330の命令に基づいてファックスメディアをメディア記憶データベース309から読み取ると共に、これらを記憶する。ドキュメントラスタライザ338はメディア記憶部340内の文書をファックスに変換する。
【0057】
本発明の実施例によれば、ファックスサーバ、即ちFoIPサーバは、PSTNを経由することなくT.38ファックスマシンと通信する。このように、ファックス送信を配信するためにPSTNとインターフェースするための特化された回路ファックスカードは、最早必要とされない。更に、PSTNに接続されたゲートウェイを介して、音声サービス及びファックスサービスを配信するために同一のTelcoT1/E1/アナログインターフェースが共用されるので、この場合も如何なる特別な回路ファックスカードを用いずに、回線上の利用可能な帯域幅の一層効率的な使用が可能となる。例えば、音声サービスはIP
PBX(対話的音声応答)、IP IVR(対話的音声応答)及びIP UM(統合されたメッセージ)とすることができる。また、当該FoIPサービスは、音声サービスを配信するために既に配備されたインフラストラクチャ(ゲートウェイ104)及びメッセージシステム106Aを、再使用することができ、その逆も成り立つ。
【0058】
本発明の実施例によれば、VoIPシステムと関連して使用されるFoIPサーバは、Eメイル、音声メイル及びファックスに関して、これらメッセージをユーザのメイルボックス内で利用可能にすることにより、単一ユーザ的体験を提供する。
【0059】
以上、本発明の特定の実施例を示し説明したが、斯様な実施例に対しては本発明の真の範囲から逸脱することなく種々変更及び変形をなすことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、ファックスマシンの従来の配置を示す概念図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例による通信ネットワークを示す概念図である。
【図3】図3は、PSTN上のT.30ファックスマシンを示す概念図である。
【図4】図4は、図2におけるパケットネットワークを介して通話を確立する処理の一例を示す概念図である。
【図5】図5は、図2の通信システムにおける入力ファックスのデータの流れを示す概念図である。
【図6】図6は、図2の通信システムにおける出力ファックスのデータの流れを示す概念図である。
【図7】図7は、図2の通信システムにおいてPSTN4から入力ファックスを受信する処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図2の通信システムからPSTNへファックスを送信する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図2の通信ネットワークの他の例を示す概念図である。
【図10】図10は、図9の通信システムにおいてPSTNから入力ファックスを受信する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図10に示した処理の他の例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、図9の通信システムからPSTNへ出力ファックスを送信する処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図2及び図9のFoIPサーバの一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0061】
4 PSTN
100 通信ネットワーク
102 FoIPサーバ
104 ゲートウェイ
106 メッセージシステム
106A メッセージシステム
108 IPネットワーク
110 ファックスマシン
112 サーバ
114 デスクトップパーソナルコンピュータ
150 バックエンドシステム
152 CRMアプリケーション
154 ウェブサービス
156 メインフレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ(ファックス)送信に係り、更に詳細にはパケットネットワークを介するファックスの送信に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の20年にわたり、ファクシミリ(ファックス)は文書を電子的に送信するための成功した手段となっている。インターネット及びEメイルの出現により、ファックスはEメイルにより急速に置換されるかのように見える。しかしながら、斯かる2つの技術が当分の間共存することは明らかである。
【0003】
図1はインターネットメッセージ手段を備えるようなオフィス環境でのファックスマシンの今日の配置法を示している。ファックスサーバ2は公衆交換電話ネットワーク(PSTN)4にT1/E1のような複数の専用回線により接続されている。PSTN4は、ファックスサーバ2に関する限り“外界”であり、入ってくるファックスのソースであると共に出てゆくファックスの受信側(sink)である。ファックスサーバ2はパケットネットワーク6にも接続され、該ネットワークは複数のユーザ(例えば、16で示す)に対する接続を提供する。このようにして、ファックスサーバ2は法人が雇用者に対してエクスチェンジ(Exchange)、ノーツ(Notes)、SMTP及び他のバックエンド(後置)アプリケーションのようなEメイルアーキテクチャを介して机上ファックス処理能力を提供するのを可能にする。ファックスサーバ2は、ファックスバック(fax-back)取引確認、ファックス放送又は自動化フォーム(書式)処理を提供するためにも使用することができる。
【0004】
ファックスサーバ2は、ユーザにより送信されるファックス情報間での変換を行うために特化されたインターフェースカード14を必要とする。文書がファックスサーバ2に到達すると、ファックスサーバ2は該文書を、PSTN
4を介して送信するのに適したフォーマットに変換する。最後に、ファックスサーバ2は該変換された文書を自身の専用インターフェースカード14を介してPSTN 4上に送信する。逆に、ファックスサーバ2に到達するファックスに対しては、ファックスサーバ2は宛先ユーザを識別し、当該入力ファックス送信を上記宛先ユーザへの配信に適したフォーマットに変換し、該変換された文書を内部IPネットワークを介して上記宛先ユーザに送信する。
【0005】
今日の普通の企業においては、ユーザは、内部IPネットワーク6を介してファックスサーバ2に接続されるのみならず、該内部IPネットワーク6をグローバルインターネット12に接続する相互ネットワーク化ゲートウェイ8にも接続されている。ゲートウェイ8は、ユーザ16が、グローバルインターネット12に接続された他者(例えば、18で示す)と電子的に通信するのを可能にする。斯様な電子的通信は、蓄積交換(store and forward)メッセージ(例えば、Eメイル)、リアルタイム単方向通信(例えば、生のTV)、リアルタイム双方向通信(例えば、インターネット電話等)を含むことができる。
【0006】
ゲートウェイ8は典型的にはインターネットサービスプロバイダ(ISP)10に接続されるが、該インターネットサービスプロバイダは基本的には大きなゲートウェイ又はPSTNである。ゲートウェイ8とISP
10又はPSTNとの間の接続は、典型的には、ファックスサーバ2とPSTN 4との間の接続と同様に専用のT1/E1回線を介して確立される。
【0007】
第1の組の専用T1/E1回線はファックス機能を提供するために必要であり、第2の組の専用T1/E1回線はインターネットアクセス機能を提供するために必要であることは明らかである。2つの組の専用電話/データ回線の使用は維持するのが高価であり、更に、何れかの組の回線がアイドル状態である一方、他方の組が最大容量で使用されているというような状況が生じる可能性がある。このような状況においては、使用程度の低い組の回線の容量は無駄となる。PSTNとインターフェースするための専用ハードウェアの必要性は、企業にとり更なる無視できない経費となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、ファックスに基づく通信ツールを他の通信ツールとIPネットワークを介して調和的に統合することができる新たなシステムを設けることが望ましい。
【0009】
本発明の目的は、既存のシステムの欠点の少なくとも1つを除去又は軽減する新規な方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ゲートウェイであって、該ゲートウェイを介してファックスメッセージを送受信するためにパケット型の通信プロトコルを使用して前記PSTNに接続されるようなゲートウェイと、企業のサービスインフラストラクチャとの間を仲介するサーバを使用する。
【0011】
本発明の一態様によれば、ファックスメッセージを配信する通信システムであって、各々がメッセージを送信及び受信するための1以上のメッセージ転送エージェント(MTA)と、パケットネットワークと、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)と前記パケットネットワークとを接続するゲートウェイと、前記パケットネットワークを介して前記ゲートウェイと通信を確立すると共に前記MTAと前記PSTNに接続されたファックス端末との間でファックスメッセージをやりとりするサーバとを有するような通信システムが提供される。
【0012】
本発明の他の態様によれば、通信ネットワークにおいてファックスメッセージを処理する方法が提供される。該通信ネットワークは、1以上のメッセージ転送エージェント(MTA)と、パケットネットワークと、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)と前記パケットネットワークとを接続する1以上のゲートウェイと、前記MTAと前記PSTNに接続されたファックス端末との間でファックスメッセージをやりとりする1以上のサーバとを含む。そして、該方法は、前記端末にファックスが到達した場合に該端末上のファックス通話を扱うサーバを選択するステップと、前記ゲートウェイと前記選択されたサーバとの間のセッション及び前記ファックスを前記PSTN上に送信する前記ファックス端末と前記サーバとの間のセッションを確立するステップと、前記ファックスを前記ファックス端末から前記選択されたサーバへ送信するステップと、前記ファックスに関係する情報をメディアデータベースに記憶するステップと、前記セッションを終了させるステップと、前記サーバにおいて前記サーバ上の入力ファックスのためのMTAの宛先アドレスを決定するステップと、前記サーバを前記MTAに接続して前記入力ファックスのメッセージを送信するステップと、前記サーバにおいて前記選択されたMTAと互換性のあるフォーマットのメッセージを前記記憶された情報に基づいて作成するステップと、前記作成されたメッセージを前記MTAに転送するステップとを含んでいる。
【0013】
本発明の更なる態様によれば、通信ネットワークにおいてファックスメッセージを処理する方法が提供される。該方法は、前記MTAから前記サーバにメッセージ(該メッセージにはファイル文書が添付されている)を受信するステップと、前記メッセージの情報を取り出すステップと、前記情報をデータベースに記憶するステップと、当該ファックスを送信する送信者がファックスを送信することを許可されているかを検証すると共に前記ファックスを受信する受信者が有効であるかを検証するステップと、送信者情報を完成させるステップと、前記ファイル文書を元のフォーマットから所定のフォーマットに変換するステップと、前記サーバと前記ゲートウェイとの間でセッションを確立するステップと、前記所定のフォーマットで書かれた前記ファックスの内容を前記サーバから前記ゲートウェイに送信するステップとを含んでいる。
【0014】
本発明の他の態様及び特徴は、当業者にとっては、好ましい実施例の下記の詳細な説明を添付図面と共に参照することにより容易に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、図面を参照する以下の説明から更に理解されるであろう。
【0016】
図2は、本発明の一実施例による通信ネットワーク100を示している。該通信ネットワーク100は、FoIP(IP上リアルタイムファックス:Real Time Fax Over IP)サーバ102、ゲートウェイ104及びメッセージシステム(messaging system)106を含んでいる。
【0017】
FoIPサーバ102は、IPネットワーク108を介してゲートウェイ104と通信する。ゲートウェイ104はPSTN
4上のファックスマシン110と通信する。FoIPサーバ102は、(複数の)ゲートウェイ104と(複数の)企業バックエンドシステム(例えば、メッセージシステム106)との間のファックス通信を仲介することができる。
【0018】
ゲートウェイ104はネットワーク間の入口として作用する。該ゲートウェイは、PSTN
4からのファックス通話及びIP通話を介してのファックスを仲介することができる。例えば、会社のネットワーク内の又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)におけるトラフィックを制御するコンピュータはゲートウェイノードである。ゲートウェイは、ゲートウェイ104に到達する所与のデータパケットを方向付けするルータ、及び所与のパケットに対してゲートウェイ104に入る又は出る実際の経路を提供するスイッチの両者に関連付けることができる。
【0019】
以下の説明においては、ゲートウェイ104はVoIPゲートウェイであり、該ゲートウェイはPSTN
4からの通話を、H.323、SIP若しくはMGCP又は他の通知(signaling)プロトコルを使用してVoIP通話に変換する。例えば、VoIPゲートウェイには、PSTN
4に対するT1/E1インターフェース及びIPネットワーク108に対する100Mbのイーサネット(登録商標)インターフェースが備えられる。VoIPゲートウェイは、発呼者/着呼者の音声を伝送するために例えばG.711、G.729及びG.723等の“音声エンコーダ及びデコーダ(vocodec)”を使用する。vocodecは人の音声を伝送することに特化されたカードである。同様の態様で、ゲートウェイはT.30メッセージ(即ち、通信するためにファックスマシンにより使用される言語)を伝送するために特化されたコーデック、T.38も使用する。ゲートウェイ104は、シスコ・システム・インクのモデル2600シリーズ、3600シリーズ、MC3810、7200、7750及びAS5300(商標)とすることができる。これらのゲートウェイは、VoIPカード、PSTNインターフェースカード及びネットワークインターフェースを使用する。ゲートウェイ104は、会社のネットワーク又はイーサネット(登録商標)上の何れかにおいてT.38認識端末(例えば、T.38ファックスマシン)又は他のFoIPサーバ102により置換することができる。
【0020】
ゲートウェイ104は上記ファックスとT.30セッションを確立する。当該セッションに関する如何なる判断をも行う代わりに、ゲートウェイ104は全てをFoIPサーバ102に送り、該FoIPサーバ102は該T.30セッションを終了する。
【0021】
FoIPサーバ102はファックスを受信及び送信するためのVoIPエンドポイントである。FoIPサーバ102は、FoIP通話及びメッセージ転送エージェント(MTA)、例えばメッセージシステム106を仲介する。FoIPサーバ102は、通話を確立するために、H.323、SIP(セッション開始プロトコル)、MGCP(メディアゲートウェイ制御プロトコル)のような標準の通知プロトコルを使用する。FoIPサーバ102はVoIPネットワークの一部である。FoIPサーバ102は、自身の通知プロトコルをH.323、SIP及びMGCPに限定するものではなく、他の通知プロトコルも使用することができる。FoIPサーバ102は、T.38を使用してゲートウェイ104とファックスを交換する。FoIPサーバ102は、統合された通信(Eメイル、ファックス、音声)のファックス部分を提供する。
【0022】
以下、FoIPサーバ102及びゲートウェイ104により使用されるプロトコルを詳細に説明する。T.30は国際通信ユニオン(ITU)により承認された標準プロトコルで、ファックスマシンがアナログ回線上で如何にして一緒に通信を行うかを規定している。図3に示すように、PSTN
4上のファックスマシン110A及び110BはT.30プロトコルを用いて互いに通信する。
【0023】
H.323はITUにより承認された標準プロトコルで、オーディオビジュアル会議データが如何にしてネットワークを介して伝送されるかを規定している。H.323はビデオ会議の下部セットである、ネットワークを介しての音声通話のために普通に使用される。SIPはセッションを確立するための標準のIETF汎用プロトコル(generic
protocol)で、最も普通な用途の1つはVoIP通話を確立することである。MGCPはPSTN通話を、パケットネットワークを介して伝送される通話に変換するために使用されるプロトコルである。
【0024】
T.38は、ITUにより承認された標準プロトコル“IPネットワークを介してのリアルタイムグループ3ファクシミリ通信のための手順”であり、T.30メッセージが如何にしてパケットネットワーク上を伝送することができるかを規定している。T.38の範囲は、T.30装置(例えば、ファックスマシン)に対するパケットネットワーク上での通信手段を提供することである。T.38コーデックは、ファックスマシン言語(即ち、ファックス端末間で交換されるT.30メッセージ)を伝送するために特化されている。T.38仕様は、パケットネットワークエンドポイント間の通信を確立するための如何なる手段も提供しない。H.323、SIP及びMGCPのようなVoIPプロトコルは、斯かる目的のために使用されるよう設計されている。T.38は、ファックスマシン間で交換されるT.30メッセージをパケットネットワークを介して伝送するためのトンネル処理技術を主に指定する。
【0025】
FoIPサーバ102とゲートウェイ104との間でのパケットネットワークを介してのファックス送信は図4に示されるように図示することができる。図4を参照すると、ステップ31において、VoIP通話がFoIPサーバ102とゲートウェイ104との間でH.323、SIP又はMGCPを使用して確立される。ステップ32において、T.30(ファックスマシン対ファックスマシンの)トンネルセッションがT.38を使用して確立される。ステップ33においては、T.30のデータ交換(ファックス送信)がT.38を使用して生じる。ステップ34では、上記T.30セッションがT.38を使用して切断される。ステップ35においては、上記VoIP通話がH.323、SIP又はMGCPを使用して切断される。
【0026】
図2を参照すると、FoIPサーバ102及びゲートウェイ104は図4のものと同様の態様で通話を確立する。
【0027】
FoIPサーバ102は、例えばT.38及びT.30のような標準の通知を処理するための1以上のプロセッサを有している。FoIPサーバ102は、例えば発呼者識別(ID)番号、発呼者ID名、発呼者番号、ゲートウェイアドレス、日付及び時間、持続時間、伝送速度、頁数、CSID(通話加入者ID)及びDMTF(デュアルトーンマルチ周波数)等の全ての利用可能なトランザクション情報を捕捉する機能を有している。FoIPサーバ102はファックスメディア情報及びトランザクションを記憶すると共に、例えばHTTP(ハイパーテキスト伝送プロトコル)等のプロトコルを介してのデータに対する遠隔アクセスを提供する。上記ファックスメディア情報はメディアデータベース309(図13)に記憶される。
【0028】
FoIPサーバ102は複数の同時的ファックス通話を扱う。各々に対して、FoIPサーバ102内で作成された仮想T.30エンジンがファックス端末をシミュレーションする。全ての出力ファックスは経路決め/配信されるまで行列待ちされ、これらファックスは後に取り出すために記録保管(アーカイブ)される。
【0029】
FoIPサーバ102は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に記憶されたプログラム要素内に含まれる一連の命令に従って動作する計算装置として具現化することができる。上記一連の命令は上記計算装置に対して、例えば入力ファックスの受信、出力ファックスの送信の場合のような種々の状況下で、どのように反応すべきかを指示する。
【0030】
メッセージシステム106はサーバ112を含んでいる。メッセージシステム106は、エンドユーザ(例えば、デスクトップパーソナルコンピュータ114)とインターフェースすると共に、これらユーザが電子メッセージ(メイル)をユーザフレンドリなフォーマットで完成し及び取り込むのを可能にするような機能を有している。該サーバ112は、マイクロソフト社のエクスチェンジ(商標)、IBM社のロータスドミノ(商標)又はSMTP(メイル転送プロトコル)型サーバとすることができる。メッセージシステム106は、メイルを配信するためにマイクロソフトアウトルック(商標)又はロータスノーツ(商標)を使用することができる。メッセージシステム106は、複数のネットワークにわたり分散することが可能な幾つかのメッセージサーバ112からなることができる。
【0031】
通信システム100は、2以上のゲートウェイ104と通信することができると共に、2以上のFoIPサーバ102を含むことができる。
【0032】
以下、FoIPサーバ102とゲートウェイ104との間で通話を確立するための処理を説明する。図5は図2の通信システム100の入力ファックスのシナリオを示している。図6は、図2の通信システム100の出力ファックスのシナリオを示している。FoIPサーバ102及びゲートウェイ104は、所与の電話番号に対してどちらのゲートウェイ/FoIPサーバが使用されるべきかを決定するためにゲートキーパ(H.323を使用する場合)又はプロキシ/レジストラ(registrar)(SIPを使用する場合)を使用することができる。例えば、VoIP通話を確立する前に、H.323エンドポイント(ゲートウェイ/FoIPサーバ)はゲートキーパ(図示略)に対して、当該通話を処理する責任を負うエンドポイントのIPアドレスを要求することができる。該要求に応答して、上記ゲートキーパはIPアドレスを供給する。他の例として、上記FoIPサーバ又はゲートウェイは、どのエンドポイントがどの番号を扱うかを決定するためにローカルダイヤルプランを有することができる。
【0033】
図5を参照して、H.323、SIP又はMGCPを使用した“入力ファックスのシナリオ”を説明する。ゲートウェイ104は、番号XXXXに関してPSTNインターフェース上でファックス通話を受信する。次いで、ゲートウェイ104は、ゲートキーパに対して(H.323の場合のみ)、該番号XXXXを扱う装置のIPアドレスを要求することができる。他の例として、該ゲートウェイは自身のローカルダイヤルプランを使用して、上記番号XXXXを扱う装置のIPアドレスを決定することもできる。ゲートウェイ104は、この特定されたIPアドレスを持つFoIPサーバに対して通話を確立する。
【0034】
次に、図6を参照して、H.323/SIP/MGCPを使用した“出力ファックスのシナリオ”を説明する。FoIPサーバ102は、番号YYYYに送信されるファックスを有している。FoIPサーバ102は、ゲートキーパに対して(H.323の場合のみ)、該番号YYYYを扱う装置のIPアドレスを要求することができる。他の例として、該FoIPサーバは自身のローカルダイヤルプランを使用して、上記番号YYYYを扱う装置のIPアドレスを決定することもできる。次いで、FoIPサーバ102は、この特定されたIPアドレスを持つゲートウェイとの通話を確立する。
【0035】
次に、図2の通信システム100においてPSTN 4から入力ファックスを受信する処理を詳細に説明する。最初に、ゲートウェイ104は、前記“入力ファックスのシナリオ(図5)”に従いファックスを受信すべきFoIPサーバ102との通話を確立する。図7を参照すると、ステップ130において、FoIPサーバ102は上記ファックスに対応するIPパケットをゲートウェイ104から受信する。ステップ132において、FoIPサーバ102は該入力ファックスを記録保管する。ステップ134において、FoIPサーバ102は当該通話の間において収集された情報(例えば、着呼番号、発呼番号、CSID等)に基づいて、メッセージシステム100における当該ファックスを受信すべきユーザのアドレスを決定する。ステップ136において、FoIPサーバ102はメイルメッセージを作成し、ステップ138においてメッセージシステム106に送信する。メッセージシステム106におけるセンダ(sender:例えば、マイクロソフトのアウトルック、ロータスノーツ)は上記メイルメッセージを適切なユーザメイルボックスに配信する。例えば、FoIPサーバ102からユーザへの上記メイルメッセージは下記の情報を含むことができる:
1.上記センダは当該メッセージがFoIPシステムから到来したことを示す;
2.件名は当該ファックスに関する情報(着呼番号、発呼番号、CSID、頁数)からなる;
3.本文は当該トランザクションに関する情報(受信時間、持続時間、頁番号、等々)を含む;
4.当該メイルは受信ファックスをtiffフォーマットで含むような1つの添付物を含む。該添付物は、Wand imagingのようなTiffビューワを用いて見ることができる;
5.オプションとして、当該Eメイルは上記トランザクション情報を特化されたフォーム及びフォーマットを用いて表示するために使用することが可能な他の情報を含むこともできる。
【0036】
次に、図2の通信システム100からPSTN 4へファックスを送信する処理を詳細に説明する。エンドユーザは、自身のメイルクライアント(例えば、マイクロソフトのアウトルック又はロータスノーツ)を使用してメイルメッセージを作成するが、該メイルメッセージはファックスを作成するための全ての情報を含むであろう。例えば、該メイルメッセージの内容は以下の方法で翻訳することができる:
1.選択される受信者はEメイルアドレスの代わりにファックス番号を表し、これらファックス番号はFoIPサーバに中継される;
2.Eメイルの件名は、ファックスの件名となる;
3.Eメイルの本文はファックスカバー頁のコメントとして挿入される;
4.添付文書はファックスフォーマットに変換され、当該ファックスに(上記カバーシートの後に)付加される;
5.オプションとして、特にファックス送信に対する設定を指定するために特別なコードを使用することができる;
6.オプションとして、特にファックス送信に対する設定を指定するために特化されたフォームを使用することができる。
【0037】
図8を参照すると、ステップ140において、上記メイルメッセージは上記メイルクライアントからメッセージシステム106のサーバ112へ送信される。ステップ142において、メッセージシステム106は受信者のアドレスを調べて、FoIPサーバに伝送されるファックス番号を含んでいるかを見つける。上記アドレスがファックス番号を含んでいる場合、メッセージシステム106は各メイルを適切なFoIPサーバへ送信する。ステップ144において、FoIPサーバ102が上記メイルを受信すると、該FoIPサーバ102は当該ファックス送信に関する全ての情報を抽出し、各ファックスに対応するファックス処理待ち行列へのエントリを作成する。ステップ146において、FoIPサーバ102はカバー頁を作成し、添付文書をtiffフォーマットに変換する。これが一旦完了すると、当該ファックストランザクションは、当該送信を扱うことが可能な最初のVoIPゲートウェイへ送信される準備が整う。次いで、FoIPサーバ102は“出力ファックスのシナリオ(図6)”で記載したステップに従って、IPネットワークを介し当該ファックスを送信する。このトランザクションが成功したら、上記ファックス待ち行列の該エントリは完了と印され、記録保管される。当該トランザクションが失敗である場合は、FoIPサーバ102は該トランザクションを“再試行待ち”と印して或る遅延の後に再送信するか、再試行がプログラムされていない場合は“失敗”と印される。この場合、当該トランザクションは記録保管される。
【0038】
図2においては、FoIPサーバ102はメッセージシステム106と通信している。しかしながら、FoIPサーバ102及び例えばCRM(顧客関係管理)、文書管理、ウェブサービス、メインフレーム又は特化されたアプリケーション等のバックエンドアプリケーションが、斯かるバックエンドアプリケーションをファックス可能にするように特別に設計されたAPIと通信することもできる。
【0039】
図9は、図2に示した通信システム100の他の例を示している。図9の通信システム100において、FoIPサーバ102は、メッセージシステム106A(例えば、エクスチェンジ、ノーツ、SMTP)、CRMアプリケーション152、ウェブサービス154、メインフレーム156、フォーム処理アプリケーション、文書管理又は特化されたアプリケーションのような企業バックエンドシステム150と通信する。FoIPサーバ102はバックエンドシステム150からファックス要求を受け、ファックストランザクションをバックエンドシステム150にリポートする。FoIPサーバ102はFoIP通話とバックエンドシステム150との間の仲介をする。
【0040】
入力ファックスは、メッセージシステム106A、他のバックエンドシステムに、又は直接ユーザに自動的に経路決めされる。図9におけるFoIPサーバ102は、メッセージを統合する機能を有している。
【0041】
次に、図9の通信システム100においてPSTN 4から入力ファックスを受信する処理を詳細に説明する。図10を参照すると、ステップ160において、ゲートウェイ104は、PSTN
4に接続されたゲートウェイ電話インターフェース上でファックス通話を受信する。ステップ162において、ゲートウェイ104は、該ファックス通話を扱うパケットネットワーク上のエンドポイント(FoIPサーバ)を、該ゲートウェイのダイヤルプラン又は集中化サービス(centralize service)から得られるダイヤルプランに基づいて決定する。H.323が使用される場合、ゲートキーパ(図示略)が上記“集中化サービス”として作用する。SIPが使用される場合は、プロキシ/レジストラ設備(図示略)が“集中化サービス”として作用する。FoIPサーバ102がエンドポイントであると仮定する。
【0042】
ステップ164において、ゲートウェイ104と選択されたFoIPサーバ102との間の通話セッションが、標準の通知プロトコルを使用して確立される。通話確立が失敗すると、ゲートウェイ104は前記ダイヤルプランを使用して、新たな代替FoIPサーバを決定する。ステップ166においては、ゲートウェイ104と選択されたFoIP102サーバとの間のメディアセッションがITUのT.38プロトコルを使用して確立される。該メディアセッションの確立が失敗すると、ゲートウェイ104はダイヤルプランを使用して新たな代替FoIPサーバを決定する。ステップ168において、当該通話を開始したPSTN
4上のファックス端末とFoIPサーバ102との間のT.30ファックスセッションが確立される。ステップ170において、T.30プロトコルに従って、PSTN 4上のファックス端末とFoIPサーバ102との間で当該ファックスが転送される。
【0043】
ステップ172においては、FoIPサーバ102は当該ファックスメディアをメディアデータベース(図示略)内の1又は複数のファイルに記憶する。ステップ174において、上記T.30セッション、T.38及び通話セッションが終了される。ステップ176において、FoIPサーバ102は全てのトランザクション情報及びURLを、上記ファックスメディアを含むファイルに記憶する。
【0044】
ステップ178において、FoIPサーバ102は、上記トランザクション情報に基づいて、当該入力ファックスの宛先アドレス及びMTAを決定する。ステップ180において、FoIPサーバ102は当該入力ファックスメッセージを転送するために上記MTAに接続される。ステップ182において、FoIPサーバ102は上記の選択されたMTAと互換性のあるフォーマットでメッセージを作成する。該メッセージは、ファックスメディアファイル(ネーティブなtiffファックスフォーマット又は変換による何らかの他のフォーマットの)、マシン読み取り可能なコードでのトランザクション情報(当該メッセージに埋め込まれる)、人が読み取り可能なテキスト(当該メッセージの題名及び本文に埋め込まれる)及び人が読み取り可能なグラフィック(メディアファイル添付物に埋め込まれる)を含む。ステップ184において、FoIPサーバ102は上記の作成されたメッセージを上記MTAに送信する。
【0045】
ゲートウェイ104がT.38認識端末(例えば、T.38ファックス端末)(図示略)により置換される場合、ステップ160及び162は図11に示すようなステップ190及び192により置換される。図11を参照すると、ステップ190においては、T.38認識端末が文書を走査する一方、宛先はキーボード又はタッチスクリーン等の端末入力インターフェースから入力される。ステップ192において、当該ファックス通話を扱うパケットネットワーク上のエンドポイントが、端末のダイヤルプラン又は集中化サービスから得られるダイヤルプラン及びユーザにより入力された上記情報に基づいて決定される。
【0046】
次に、図9の通信システム100からPSTN 4へ出力ファックスを送信する処理を詳細に説明する。図12を参照すると、ステップ200において、FoIPサーバ102は、ファックスオプション、送信者情報及びファックス受信者リストを記述した埋め込みコードを含むメッセージ、並びに該メッセージに添付されたファイル文書のリストを受信する。ステップ202において、FoIPサーバ102は上記メッセージから全ての埋め込まれたコード及び添付されたファイルを取り出す。ステップ204において、FoIPサーバ102は送信者、ファックスオプション、受信者及びファックスすべき文書をFoIPデータベース(例えば、メディアデータベース)に記憶する。
【0047】
ステップ206において、FoIPサーバ102は当該送信者がファックスを送信することを許可されているかを、外部の電話帳(ディレクトリ)から又は当該FoIPサーバの内部ディレクトリから検証する。当該送信者がファックスすることを許可されていない場合は、当該トランザクションは拒否され、該送信者に通知される。
【0048】
ステップ208において、FoIPサーバ102は受信者の宛先が有効であるかを検証する。受信者の宛先が有効でない場合は、該宛先に対するトランザクションは拒否され、送信者に通知される。ステップ210において、FoIPサーバ102は当該通信システム100の外部の集中ディレクトリから追加の情報を取り込むことにより送信者情報を完成させる。ステップ212において、FoIPサーバ102は、上記ファイル文書を、ネイティブアプリケーションを使用することによりネイティブフォーマットからtiffフォーマットに変換する。該アプリケーションと関連させて、プリンタドライバ、コマンドライン変換器、内部変換エンジン又は特化された変換APIを使用することもできる。
【0049】
ステップ214において、FoIPサーバ102は各受信者に対して送信者及び受信者情報を用いてtiffのカバーシートを作成する。ステップ216において、FoIPサーバ102と前記ゲートウェイとの間のセッションが確立される。ステップ218において、該ゲートウェイへ上記tiffフォーマット情報が送信される。
【0050】
図13は、図2及び図9に示すFoIPサーバ102の一例を示している。図13に示すFoIPサーバ102はSMTPゲートウェイ300及びエクスチェンジゲートウェイ302を有し、これらは外部メッセージシステム、即ちSMTPメッセージシステム326及びエクスチェンジメッセージシステム352に対するインターフェースを提供する。これら外部メッセージシステムはネットワークを介して遠隔的にアクセスすることができる。SMTPゲートウェイ300及びエクスチェンジゲートウェイ302は、エンドユーザがPSTN上へファックスを送信し、及びファックストランザクションのメイル通知を受信するのを可能にする。
【0051】
一例として、FoIPサーバ102は以下及び図13に示すような構成要素からなっている。該FoIPサーバはファックスドライバ304及びXMLゲートウェイ306を含んでいる。ファックスドライバ304は、T.38ゲートウェイ104と通信して、PSTN 4へファックスを送信し、PSTN 4からファックスを受信する。XMLゲートウェイ306はXMLの外向け(outbound)ファックス文書を処理する。例えば、これらXML文書は、FoIPサーバ102に対して、FoIPサーバ102のバックエンドアプリケーションにより走査されるファイルシステムディレクトリに、又はhttpを介して転送される。
【0052】
ファックスアーカイブデータベース308が該FoIPサーバ102に対して設けられている。該ファックスアーカイブデータベース308は、該FoIP内に配置されるか、又はIPネットワーク上に配置されて遠隔的にアクセスされる。例えば、該データベースはJDBC(Java(登録商標) DataBase Connectivity)を介してアクセスすることができる。ファックスアーカイブデータベース308は全ての完了したファックスのトランザクションの詳細を記憶するために使用される。ファックス情報をアーカイブ(記録保管)するために、アーカイブ要素310が設けられる。
【0053】
PSTN 4からのファックスメディアはメディア記憶データベース309に記憶される。メディア記憶データベース309は、FoIPファイルシステム上にローカルに、又はIPネットワーク上で遠隔ファイルシステムにインストールすることができる。該メディア記憶データベース309は、出力ファックスを発生するために使用される全ての文書(例えば、マイクロソフトワード(商標)、マイクロソフトエクセル(商標)、テキスト、カバーシート等)、出力ファックスtiff及び入力ファックスtiffを含む。
【0054】
FoIPサーバ102は、更に、他のシステム構成要素に対し内部的機能を提供するコンフィギュレーションマネージャ314、CoConfig316及び故障許容部(fault tolerance)318を含んでいる。コンフィギュレーションマネージャ314及びCoConfig316は、システム用コンフィギュレーション及び会社用コンフィギュレーションを各々含んでいる。故障許容部318は全ての構成要素及び可能性のある故障を監視し、メカニズム上の故障及び要素選択処理(component
election process)を管理する。コンフィギュレーションマネージャ314、CoConfig316及び故障許容部318は、コンフィギュレーションデータベース320、CoConfigデータベース322及びサービス状態データベース324と各々通信して、関連する情報を取得する。
【0055】
FoIPサーバ102は、更に、セッションマネージャ326及びhttpサーバ328を含んでいる。セッションマネージャ326はMMCスナップイン(マイクロソフト社の商標)356のような遠隔管理ツール及び/又はAPIに対するシステムアクセスを許可/拒否する。httpサーバ328は、ウェブブラウザ360又はバックエンドアプリケーションからのウェブアクセス要求をFoIP構成要素に中継するために使用される。
【0056】
FoIPサーバ102は、更に、ファックスマネージャ330、ファックス待ち行列332、ファックス待ち行列データベース334、ファックスフォルダ仲介部336、ドキュメントラスタライザ338、メディア記憶部340を含んでいる。ファックスマネージャ330は、ファックスを処理するための全ての知能を含んでいる。ファックス待ち行列332は、ファックス待ち行列データベース334へのアクセスを制御する。ファックスフォルダ仲介部336は、ファックスリストに対する遠隔クライアントのアクセスを補助する。メディア記憶部340は、ファックスマネージャ330の命令に基づいてファックスメディアをメディア記憶データベース309から読み取ると共に、これらを記憶する。ドキュメントラスタライザ338はメディア記憶部340内の文書をファックスに変換する。
【0057】
本発明の実施例によれば、ファックスサーバ、即ちFoIPサーバは、PSTNを経由することなくT.38ファックスマシンと通信する。このように、ファックス送信を配信するためにPSTNとインターフェースするための特化された回路ファックスカードは、最早必要とされない。更に、PSTNに接続されたゲートウェイを介して、音声サービス及びファックスサービスを配信するために同一のTelcoT1/E1/アナログインターフェースが共用されるので、この場合も如何なる特別な回路ファックスカードを用いずに、回線上の利用可能な帯域幅の一層効率的な使用が可能となる。例えば、音声サービスはIP
PBX(対話的音声応答)、IP IVR(対話的音声応答)及びIP UM(統合されたメッセージ)とすることができる。また、当該FoIPサービスは、音声サービスを配信するために既に配備されたインフラストラクチャ(ゲートウェイ104)及びメッセージシステム106Aを、再使用することができ、その逆も成り立つ。
【0058】
本発明の実施例によれば、VoIPシステムと関連して使用されるFoIPサーバは、Eメイル、音声メイル及びファックスに関して、これらメッセージをユーザのメイルボックス内で利用可能にすることにより、単一ユーザ的体験を提供する。
【0059】
以上、本発明の特定の実施例を示し説明したが、斯様な実施例に対しては本発明の真の範囲から逸脱することなく種々変更及び変形をなすことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、ファックスマシンの従来の配置を示す概念図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例による通信ネットワークを示す概念図である。
【図3】図3は、PSTN上のT.30ファックスマシンを示す概念図である。
【図4】図4は、図2におけるパケットネットワークを介して通話を確立する処理の一例を示す概念図である。
【図5】図5は、図2の通信システムにおける入力ファックスのデータの流れを示す概念図である。
【図6】図6は、図2の通信システムにおける出力ファックスのデータの流れを示す概念図である。
【図7】図7は、図2の通信システムにおいてPSTN4から入力ファックスを受信する処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図2の通信システムからPSTNへファックスを送信する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図2の通信ネットワークの他の例を示す概念図である。
【図10】図10は、図9の通信システムにおいてPSTNから入力ファックスを受信する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図10に示した処理の他の例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、図9の通信システムからPSTNへ出力ファックスを送信する処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図2及び図9のFoIPサーバの一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0061】
4 PSTN
100 通信ネットワーク
102 FoIPサーバ
104 ゲートウェイ
106 メッセージシステム
106A メッセージシステム
108 IPネットワーク
110 ファックスマシン
112 サーバ
114 デスクトップパーソナルコンピュータ
150 バックエンドシステム
152 CRMアプリケーション
154 ウェブサービス
156 メインフレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファックスメッセージを配信する通信システムにおけるサーバであって、該通信システムはメッセージを送信及び受信するメッセージ転送エージェント(MTA)と、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)を接続するゲートウェイとを含み、該PSTNは第1ファックス端末を有し、前記サーバは前記MTAと通信すると共にパケットネットワークを介して前記ゲートウェイと通信し、前記サーバが、
前記ゲートウェイとの通信を、通知プロトコルを用いて確立するセッションマネージャと、
前記ゲートウェイとファックスデータを交換するファックスドライバであって、前記第1ファックス端末から発するファックス通話を終端する第2ファックス端末をシミュレーションするようなファックスドライバと、
前記MTAと互換性のあるフォーマットでファックスメッセージを作成する内部ゲートウェイと、
前記MTAの宛先アドレスを決定すると共に、前記内部ゲートウェイを介して該MTAに接続するファックスマネージャと、
ファックスデータを取り出し、メディアデータベースに記憶するメディア記憶部と、
を有するサーバ。
【請求項2】
前記内部ゲートウェイが、SMTPゲートウェイ、エクスチェンジゲートウェイ及びXMLゲートウェイのうちの1つであるような請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記MTAが、SMTPメッセージシステム、エクスチェンジメッセージシステム及びウェブブラウザのうちの1つであるような請求項1に記載のサーバ。
【請求項4】
通信ネットワークにおけるサーバにおいてファックスメッセージを受信する方法であって、該通信ネットワークはメッセージを送信及び受信するメッセージ転送エージェント(MTA)と、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)を接続するゲートウェイとを含み、該PSTNは第1ファックス端末を有し、前記サーバは前記MTAと通信すると共にパケットネットワークを介して前記ゲートウェイと通信し、該方法が、
前記MTAと前記第1ファックス端末との間でファックスメッセージをやりとりするために前記ゲートウェイに対して第2ファックス端末をシミュレーションするステップと、
前記ゲートウェイとの第1セッションを、通知プロトコルを用いて確立するステップと、
前記第1ファックス端末と前記サーバとの間の第2セッションを確立するステップと、
前記ファックスメッセージを前記第1ファックス端末から受信するステップと、
前記ファックスメッセージに関する情報をメディアデータベースに記憶するステップと、
前記ファックスメッセージのためのMTAの宛先アドレスを決定するステップと、
前記ファックスメッセージを送信するために前記MTAに接続するステップと、
前記記憶された情報に基づいて、前記MTAと互換性のあるフォーマットの第1メッセージを作成するステップと、
前記第1メッセージを送信するために前記MTAに接続するステップと、
前記第1メッセージを前記MTAに送信するステップと、
を有する方法。
【請求項5】
前記第1セッションがT.38セッションであるような請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2セッションがT.30セッションであるような請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記MTAから、添付されたファイル文書を有するような第2メッセージを受信するステップと、
前記第2メッセージの情報を取り出すステップと、
該情報をデータベースに記憶するステップと、
前記第2メッセージの送信者の認可を検証するステップと、
受信者の有効性を検証するステップと、
送信者情報を完成させるステップと、
前記ファイル文書を所定のフォーマットの第2ファックスに変換するステップと、
前記ゲートウェイに対して第3セッションを確立するステップと、
前記所定のフォーマットの第2ファックスを前記ゲートウェイに送信するステップと、
を更に有するような請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記受信するステップが、ファックスオプションを記述した埋め込みコードを含む前記第2メッセージ、前記送信者情報及びファックス受信者のリスト並びに該メッセージに添付されたファイル文書のリストを受信するステップを更に含んでいるような請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記MTAがバックエンドアプリケーションにより置換され、前記サーバがIP上リアルタイムファックス(FoIP)通話と前記バックエンドアプリケーションとの間の仲介を行い、該バックエンドアプリケーションが顧客関係管理(CRM)アプリケーション、ウェブサービス、メインフレーム、フォーム処理アプリケーション、文書管理、特化されたアプリケーション及びこれらの組み合わせを含む群から選択されるような請求項4に記載の方法。
【請求項10】
通信ネットワークにおけるサーバにおいてファックスメッセージを受信する方法であって、該通信ネットワークがメッセージを送信及び受信するメッセージ転送エージェント(MTA)と、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)を接続するゲートウェイとを含み、該PSTNが第1ファックス端末を有し、前記サーバが前記MTAと通信すると共にパケットネットワークを介して前記ゲートウェイと通信するような方法を実施するためにコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムをエンコードした、前記コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体において、前記コンピュータプログラムが、
前記MTAと前記第1ファックス端末との間でファックスメッセージをやりとりするために前記ゲートウェイに対して第2ファックス端末をシミュレーションするコード手段と、
前記ゲートウェイとの第1セッションを、通知プロトコルを用いて確立するコード手段と、
前記第1ファックス端末と前記サーバとの間の第2セッションを確立するコード手段と、
前記ファックスメッセージを前記第1ファックス端末から受信するコード手段と、
前記ファックスメッセージに関する情報をメディアデータベースに記憶するコード手段と、
前記ファックスメッセージのためのMTAの宛先アドレスを決定するコード手段と、
前記ファックスメッセージを送信するために前記MTAに接続するコード手段と、
前記記憶された情報に基づいて、前記MTAと互換性のあるフォーマットの第1メッセージを作成するコード手段と、
前記第1メッセージを送信するために前記MTAに接続するコード手段と、
前記第1メッセージを前記MTAに送信するコード手段と、
を有する記憶媒体。
【請求項1】
ファックスメッセージを配信する通信システムにおけるサーバであって、該通信システムはメッセージを送信及び受信するメッセージ転送エージェント(MTA)と、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)を接続するゲートウェイとを含み、該PSTNは第1ファックス端末を有し、前記サーバは前記MTAと通信すると共にパケットネットワークを介して前記ゲートウェイと通信し、前記サーバが、
前記ゲートウェイとの通信を、通知プロトコルを用いて確立するセッションマネージャと、
前記ゲートウェイとファックスデータを交換するファックスドライバであって、前記第1ファックス端末から発するファックス通話を終端する第2ファックス端末をシミュレーションするようなファックスドライバと、
前記MTAと互換性のあるフォーマットでファックスメッセージを作成する内部ゲートウェイと、
前記MTAの宛先アドレスを決定すると共に、前記内部ゲートウェイを介して該MTAに接続するファックスマネージャと、
ファックスデータを取り出し、メディアデータベースに記憶するメディア記憶部と、
を有するサーバ。
【請求項2】
前記内部ゲートウェイが、SMTPゲートウェイ、エクスチェンジゲートウェイ及びXMLゲートウェイのうちの1つであるような請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記MTAが、SMTPメッセージシステム、エクスチェンジメッセージシステム及びウェブブラウザのうちの1つであるような請求項1に記載のサーバ。
【請求項4】
通信ネットワークにおけるサーバにおいてファックスメッセージを受信する方法であって、該通信ネットワークはメッセージを送信及び受信するメッセージ転送エージェント(MTA)と、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)を接続するゲートウェイとを含み、該PSTNは第1ファックス端末を有し、前記サーバは前記MTAと通信すると共にパケットネットワークを介して前記ゲートウェイと通信し、該方法が、
前記MTAと前記第1ファックス端末との間でファックスメッセージをやりとりするために前記ゲートウェイに対して第2ファックス端末をシミュレーションするステップと、
前記ゲートウェイとの第1セッションを、通知プロトコルを用いて確立するステップと、
前記第1ファックス端末と前記サーバとの間の第2セッションを確立するステップと、
前記ファックスメッセージを前記第1ファックス端末から受信するステップと、
前記ファックスメッセージに関する情報をメディアデータベースに記憶するステップと、
前記ファックスメッセージのためのMTAの宛先アドレスを決定するステップと、
前記ファックスメッセージを送信するために前記MTAに接続するステップと、
前記記憶された情報に基づいて、前記MTAと互換性のあるフォーマットの第1メッセージを作成するステップと、
前記第1メッセージを送信するために前記MTAに接続するステップと、
前記第1メッセージを前記MTAに送信するステップと、
を有する方法。
【請求項5】
前記第1セッションがT.38セッションであるような請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2セッションがT.30セッションであるような請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記MTAから、添付されたファイル文書を有するような第2メッセージを受信するステップと、
前記第2メッセージの情報を取り出すステップと、
該情報をデータベースに記憶するステップと、
前記第2メッセージの送信者の認可を検証するステップと、
受信者の有効性を検証するステップと、
送信者情報を完成させるステップと、
前記ファイル文書を所定のフォーマットの第2ファックスに変換するステップと、
前記ゲートウェイに対して第3セッションを確立するステップと、
前記所定のフォーマットの第2ファックスを前記ゲートウェイに送信するステップと、
を更に有するような請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記受信するステップが、ファックスオプションを記述した埋め込みコードを含む前記第2メッセージ、前記送信者情報及びファックス受信者のリスト並びに該メッセージに添付されたファイル文書のリストを受信するステップを更に含んでいるような請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記MTAがバックエンドアプリケーションにより置換され、前記サーバがIP上リアルタイムファックス(FoIP)通話と前記バックエンドアプリケーションとの間の仲介を行い、該バックエンドアプリケーションが顧客関係管理(CRM)アプリケーション、ウェブサービス、メインフレーム、フォーム処理アプリケーション、文書管理、特化されたアプリケーション及びこれらの組み合わせを含む群から選択されるような請求項4に記載の方法。
【請求項10】
通信ネットワークにおけるサーバにおいてファックスメッセージを受信する方法であって、該通信ネットワークがメッセージを送信及び受信するメッセージ転送エージェント(MTA)と、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)を接続するゲートウェイとを含み、該PSTNが第1ファックス端末を有し、前記サーバが前記MTAと通信すると共にパケットネットワークを介して前記ゲートウェイと通信するような方法を実施するためにコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムをエンコードした、前記コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体において、前記コンピュータプログラムが、
前記MTAと前記第1ファックス端末との間でファックスメッセージをやりとりするために前記ゲートウェイに対して第2ファックス端末をシミュレーションするコード手段と、
前記ゲートウェイとの第1セッションを、通知プロトコルを用いて確立するコード手段と、
前記第1ファックス端末と前記サーバとの間の第2セッションを確立するコード手段と、
前記ファックスメッセージを前記第1ファックス端末から受信するコード手段と、
前記ファックスメッセージに関する情報をメディアデータベースに記憶するコード手段と、
前記ファックスメッセージのためのMTAの宛先アドレスを決定するコード手段と、
前記ファックスメッセージを送信するために前記MTAに接続するコード手段と、
前記記憶された情報に基づいて、前記MTAと互換性のあるフォーマットの第1メッセージを作成するコード手段と、
前記第1メッセージを送信するために前記MTAに接続するコード手段と、
前記第1メッセージを前記MTAに送信するコード手段と、
を有する記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−172846(P2008−172846A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77001(P2008−77001)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【分割の表示】特願2003−565160(P2003−565160)の分割
【原出願日】平成15年1月23日(2003.1.23)
【出願人】(504290309)サゲム−インタースター インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SAGEM−INTERSTAR INC.
【住所又は居所原語表記】455 Fenelon,Bureau 112,Montoreal,Quebec,H9S 5T8 Canada
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【分割の表示】特願2003−565160(P2003−565160)の分割
【原出願日】平成15年1月23日(2003.1.23)
【出願人】(504290309)サゲム−インタースター インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SAGEM−INTERSTAR INC.
【住所又は居所原語表記】455 Fenelon,Bureau 112,Montoreal,Quebec,H9S 5T8 Canada
【Fターム(参考)】
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