説明

パケット管理装置およびパケット管理方法

【課題】端末装置間でのパケット損失をより確実に検出すること。
【解決手段】パケット管理装置3cが備えるサーバ装置2側の計測部は、受信したサーバ装置2からクライアント装置1b宛のパケットの数を計測する。パケット管理装置3bが備えるクライアント装置1b側の計測部は、ネットワーク4を介してクライアント装置1b宛に送信するパケットの数を計測する。パケット管理装置3cのコマンドラインインタフェースは、パケット管理装置3cが備えるサーバ装置2側の計測部の計測結果と、パケット管理装置3bが備えるクライアント装置1b側の計測部の計測結果とに基づいて、パケットの消失結果を示す情報を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパケット管理装置およびパケット管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークにおいて通信エラーが発生した場合、パケットをキャプチャして通信エラーの原因を特定する技術が知られている。
例えば、品質測定に用いる品質測定用パケットを任意の測定拠点に配置された送信側プローブと受信側プローブとの間で送受信し、測定拠点間のパケット損失率を算出する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−58906号公報
【特許文献2】特開2009−225089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した方法ではプローブ間でのパケット損失率は算出できるが、実際のパケットは例えばクライアント装置間や、クライアント装置−サーバ装置間等の端末装置間でやりとりされる。従って、前述した方法では、端末装置間でのパケット損失を一度に検出することは難しいという問題があった。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、端末装置間でのパケット損失をより確実に検出するパケット管理装置およびパケット管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、開示のパケット管理装置が提供される。このパケット管理装置は、第1のインタフェースと第1の計測部と作成部とを有している。
第1の計測部は、第1の装置側に設けられた第1のインタフェースを介して受信した第1の装置から第2の装置宛のパケットの数を計測する。
【0007】
作成部は、第1の計測部の計測結果と、当該パケット管理装置以外のパケット管理装置が備える第2の装置側に設けられた第2のインタフェースを介して送信する第1の装置から第2の装置宛のパケットの数を計測する第2の計測部の計測結果とに基づいて、パケットの消失結果を示す情報を作成する。
【発明の効果】
【0008】
端末装置間でのパケット損失をより確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態のネットワークシステムを示す図である。
【図2】ネットワーク管理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
【図3】パケット管理装置の機能を示すブロック図である。
【図4】調査開始コマンドを入力する際、モニタに表示されるコマンド画面の一例を説明する図である。
【図5】調査開始パケットを説明する図である。
【図6】パケット管理装置のメモリ領域に記憶される情報を説明する図である。
【図7】受領確認パケットを説明する図である。
【図8】調査データ表示コマンドを入力することによりモニタに表示されるコマンド画面の一例を説明する図である。
【図9】調査結果パケットを説明する図である。
【図10】調査結果確認コマンドを入力することによりモニタに表示されるコマンド画面の一例である。
【図11】調査データ削除コマンドを入力することによりモニタに表示されるコマンド画面の一例である。
【図12】第1の処理を示すフローチャートである。
【図13】第2の処理を示すフローチャートである。
【図14】第3の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態のパケット管理装置を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態のネットワークシステムを示す図である。
実施の形態のネットワークシステム10は、クライアント装置(コンピュータ)1a、1bが、それぞれパケット管理装置3a、3bを介してネットワーク4に接続されている。また、サーバ装置2が、パケット管理装置3cを介してネットワーク4に接続されている。なお、クライアント装置1a、パケット管理装置3a間、クライアント装置1b、パケット管理装置3b間、およびサーバ装置2、パケット管理装置3a間は、それぞれネットワーク4とは異なるネットワーク4a、4b、4cにより接続されている。
【0011】
例えば、クライアント装置1aからサーバ装置2へのアクセスは、パケット管理装置3a、ネットワーク4、パケット管理装置3cを介して行われる。
パケット管理装置3a、3b、3cは、それぞれ同等の機能を有している。パケット管理装置3aは、パケット管理装置3a、3c間を通るクライアント装置1aとサーバ装置2間のパケットを計数する機能を有している。また、パケット管理装置3bは、パケット管理装置3b、3c間を通るクライアント装置1bとサーバ装置2間のパケットを計数する機能を有している。また、パケット管理装置3cは、パケット管理装置3a、3c間を通るクライアント装置1aとサーバ装置2間のパケットを計数する機能と、パケット管理装置3b、3c間を通るクライアント装置1bとサーバ装置2間のパケットを計数する機能を有している。また、パケット管理装置3a、3b、3cは、例えばルータやレイヤー3スイッチ等が有する機能も有している。
【0012】
パケット管理装置3cには、ネットワーク管理装置5がコンソールケーブル等で接続されている。ネットワーク管理装置5は、ネットワーク管理者の操作により、パケット管理装置3cに対しパケットロス(損失)の調査を指示したり、指示の結果得られたパケットロスの情報をネットワーク管理装置5に接続されたモニタに表示したりする。
【0013】
以下の説明では、サーバ装置のIPアドレスが「10.50.1.100」、クライアント装置1bのIPアドレスが「10.50.2.100」、パケット管理装置3cのIPアドレスが「10.1.1.1」、パケット管理装置3bのIPアドレスが「10.1.1.2」、パケット管理装置3aのIPアドレスが「10.1.1.3」であるものとする。
【0014】
図2は、ネットワーク管理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。ネットワーク管理装置5は、CPU51によって装置全体が制御されている。CPU51には、バス58を介してRAM52と複数の周辺機器が接続されている。
【0015】
RAM52は、ネットワーク管理装置5の主記憶装置として使用される。RAM52には、CPU51に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM52には、CPU51による処理に使用する各種データが格納される。
【0016】
バス58に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)53、グラフィック処理装置54、入力インタフェース55、ドライブ装置56、および通信インタフェース57がある。
【0017】
ハードディスクドライブ53は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ハードディスクドライブ53は、ネットワーク管理装置5の二次記憶装置として使用される。ハードディスクドライブ53には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
【0018】
グラフィック処理装置54には、モニタ54aが接続されている。グラフィック処理装置54は、CPU51からの命令に従って、画像をモニタ54aの画面に表示させる。モニタ54aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた液晶表示装置等が挙げられる。
【0019】
入力インタフェース55には、キーボード55aとマウス55bとが接続されている。入力インタフェース55は、キーボード55aやマウス55bから送られてくる信号をCPU51に送信する。なお、マウス55bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等が挙げられる。
【0020】
ドライブ装置56は、例えば、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された光ディスクや、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の持ち運び可能な記録媒体に記録されたデータの読み取りを行う。例えば、ドライブ装置56が光学ドライブ装置である場合、レーザ光等を利用して、光ディスク200に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク200には、Blu−ray(登録商標)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等が挙げられる。
【0021】
通信インタフェース57は、パケット管理装置3cに接続されている。
次に、パケット管理装置3a〜3cの機能を説明する。以下、パケット管理装置3bが有する機能を説明するが、パケット管理装置3a、3cもパケット管理装置3bが有する機能と同等の機能を有している。
【0022】
図3は、パケット管理装置の機能を示すブロック図である。
パケット管理装置3bは、CPU31と、RAM32と、インタフェース33a、33b、33c、33dと、計測部34a、34b、34c、34dと、コマンドラインインタフェース35とを有している。
【0023】
CPU31は、パケット管理装置3bの全体を制御する。このCPU31には、パケット転送処理を司るパケット転送処理部31aが設けられている。このパケット転送処理部31aは、インタフェース33a、33b、33c、33d間のパケットの転送(受け渡し)を制御する。CPU31には、図示しないバスを介してRAM32が接続されている。
【0024】
RAM32は、パケット管理装置3bの主記憶装置として使用される。RAM32には、CPU31に実行させるアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM32には、CPU31による処理に使用する各種データが格納される。
【0025】
RAM32は、記憶部の一例である。RAM32には、CPU31のパケット転送処理において計測部34a、34b、34c、34dそれぞれが有するパケットロス調査部、およびコマンドラインインタフェース35が作成する情報を一時的に記憶するメモリ領域32aが設けられている。
【0026】
インタフェース33a、33b、33c、33dは、クライアント装置1bおよびサーバ装置2間のパケットを中継する。
計測部34a、34b、34c、34dは、それぞれインタフェース33a、33b、33c、33dに対応して設けられている。計測部34a、34b、34c、34dは、それぞれ同等の機能を有している。例えば計測部34aは、パケットフィルタ341aと、統計情報を記憶する統計情報記憶部342aと、パケットロスを調査するパケットロス調査部343aとを有している。
【0027】
パケットフィルタ341aは、IPアドレスやポート番号等の情報に基づいて、インタフェース33aが受信したパケットを中継(許可)するべきか、それとも遮断(拒否)するべきかの判断を行う。
【0028】
統計情報記憶部342aは、インタフェース33aが送受信したパケット数をそれぞれ統計情報として記憶する。
パケットロス調査部343aは、コマンドラインインタフェース35からの通知に応じて調査開始時刻以後、調査終了時刻までパケットロスの調査を行う。パケットロス調査部343aは、例えば、クライアント装置1bがサーバ装置2にデータを送信する際に作成したパケットをインタフェース33aを介して受け取ると、パケット転送処理部31aがパケットの出力先としてインタフェース33cを指定する。そして、受け取ったパケットをインタフェース33cから出力する。この際、パケットロス調査部343aおよびパケットロス調査部343cがパケットロスを調査する。以下、調査開始時刻以後、調査終了時刻までの時間を「パケット調査時間」とも言う。そして、調査結果をメモリ領域32aに記憶する。
【0029】
コマンドラインインタフェース35は、パケット管理装置3cから送信される各種パケットに応じて、メモリ領域32aにパケットに含まれるデータを設定したり、メモリ領域32aに記憶されているデータを削除したりする。また、コマンドラインインタフェース35は、パケット管理装置3cから送られてくる各種パケットに応じて、メモリ領域32aに記憶された情報を、パケット管理装置3cに送信する。
【0030】
次に、パケット管理装置3a、3b、3cに所定の処理を実行させるため、ネットワーク管理者がネットワーク管理装置5に入力する各種コマンドを説明する。各種コマンドの一例として、調査開始コマンド(research)、調査データ表示コマンド(show research)、調査結果表示コマンド(research result)、および調査データ削除コマンド(delete research)が挙げられる。
【0031】
<調査開始コマンド>
図4は、調査開始コマンドを入力する際、モニタに表示されるコマンド画面の一例を説明する図である。
【0032】
調査開始コマンドは、パケット管理装置3a〜3cのうち、パケットロスの調査を希望するパケット管理装置にパケットロスの調査を実行させる際に、ネットワーク管理者がネットワーク管理装置5に入力するコマンドである。
【0033】
図4に示すコマンド画面61は、ネットワーク管理者がネットワーク管理装置5を操作して入力する調査開始コマンドの一例である。コマンド画面61の3行目には、ネットワーク管理者が、調査開始コマンド「research」を入力したことが表示されている。また、コマンド画面61には、調査開始コマンドとともに、採取対象パケット宛先IPアドレス(Destination Address)「10.50.2.100」、採取対象パケット宛先ポート番号(Destination Port)「5050」、依頼先IPアドレス(Agent Address)「10.1.1.2」、依頼先インタフェース(Agent Interface)「0」、採取対象パケット送信元IPアドレス(Source Address)「10.50.1.100」、採取対象パケット送信元ポート番号(Source Port)「5050」、依頼元IPアドレス(Requester Address)「10.1.5.1」、依頼元インタフェース(Requester Interface)「0」、調査開始時刻(Start Time)「2011/1/1.10:00:00」、調査終了時刻(End Time)「2011/1/2.10:00:00」、およびプロトコル番号「4」を入力したことが表示されている。なお、採取対象パケット送信元IPアドレスは、調査対象のパケットの送信元の機器のIPアドレスである。採取対象パケット宛先IPアドレスは、調査対象のパケットの宛先の機器のIPアドレスである。また、依頼先インタフェース「0」は、依頼先のインタフェースを識別する番号であり、例えば「0」はLANを示す。また、図4に示す調査開始時刻は、2011年1月1日10時00分00秒を示す。プロトコル番号は、調査対象のパケットのプロトコルを識別する番号であり、例えば「4」は、IPプロトコルを示す。
【0034】
なお、コマンド画面61に表示された調査開始コマンドは、サーバ装置2のポート「5050」からクライアント装置のポート「5050」に所定のプロトコルにより届くパケットの調査を、依頼元のパケット管理装置3c、依頼先のパケット管理装置3b間において2011年1月1日10時00分00秒から2011年1月2日10時00分00秒まで実行させることを示している。
【0035】
ネットワーク管理装置5は、ネットワーク管理者がコマンドを入力する度に、リサーチ番号を採番し、調査開始コマンドに関連づける。図4では、ネットワーク管理者が入力した情報にリサーチ番号「No:5」が関連づけられたことを示している。
【0036】
ネットワーク管理者が入力した情報を確定すると、ネットワーク管理装置5は、調査開始パケットをパケット管理装置3cに送信する。
図5は、調査開始パケットを説明する図である。
【0037】
調査開始パケットP1には、ネットワーク管理者が入力した情報を記憶する領域が設定されている。なお、調査開始パケットP1の上部に示す0から31までの数字は、ビット(bit)を示している。コマンド種別の欄には、調査開始コマンド「research」を識別する情報が設定される。依頼先フラグの欄には、パケット調査依頼を受けたことを示す依頼先フラグが設定される。リサーチ番号の欄には、リサーチ番号を識別する情報が設定される。依頼元IPアドレスの欄には、依頼元IPアドレスが設定される。依頼先IPアドレスの欄には依頼先IPアドレスが設定される。依頼元インタフェースの欄には、依頼元インタフェースが設定される。依頼先インタフェースの欄には、依頼先インタフェースが設定される。採取対象パケット送信元IPアドレスの欄には、送信元IPアドレスが設定される。採取対象パケット宛先IPアドレスの欄には、宛先IPアドレスが設定される。採取対象パケット宛先ポート番号の欄には宛先ポート番号が設定される。採取対象パケット送信元ポート番号の欄には、送信元ポートが設定される。採取対象パケットプロトコル番号の欄には、プロトコル番号が設定される。調査開始時刻の欄には、調査開始時刻が設定される。調査終了時刻の欄には、調査終了時刻が設定される。
【0038】
パケット管理装置3cのコマンドラインインタフェースは、調査開始パケットP1をネットワーク管理装置5から受信すると、調査開始パケットP1に含まれる依頼元IPアドレスおよび依頼先IPアドレスの欄を参照する。そして、依頼元IPアドレスの欄に含まれる依頼元IPアドレスを有するパケット管理装置および依頼先IPアドレスの欄に含まれる依頼先IPアドレスを有するパケット管理装置に調査開始パケットP1を転送する。例えば、図4に示すコマンド画面61の内容が含まれた調査開始パケットP1であれば、依頼元IPアドレス「10.1.5.1」に基づいて、パケット管理装置3cは、当該パケット管理装置3cが依頼元のパケット管理装置であることを認識する。認識すると、パケット管理装置3cは、調査開始パケットP1に含まれる情報をメモリ領域に記憶する。また、パケット管理装置3cは、依頼先IPアドレス「10.1.1.2」を有するパケット管理装置3bに調査開始パケットP1を転送する。調査開始パケットP1を受け取ったパケット管理装置3bは、調査開始パケットP1に含まれる情報をメモリ領域32aに記憶する。この処理により、調査開始パケットP1に含まれる情報(同じ情報)が、パケット管理装置3b、3cそれぞれのメモリ領域に記憶される。
【0039】
図6は、パケット管理装置のメモリ領域に記憶される情報を説明する図である。
コマンドラインインタフェース35は、調査開始パケットP1を受け取る度に、RAM32内に1つのメモリ領域32aを確保する。各メモリ領域32aには、それぞれ調査開始パケットP1に応じた調査内容データ321が設定される。各調査内容データ321は、依頼先フラグ(16ビット)、リサーチ番号(32ビット)、依頼元IPアドレス(32ビット)、依頼先IPアドレス(32ビット)、依頼元インタフェース(16ビット)、依頼先インタフェース(16ビット)、採取対象パケット送信元IPアドレス(32ビット)、採取対象パケット宛先IPアドレス(32ビット)、採取対象パケット宛先ポート番号(16ビット)、採取対象パケット送信元ポート番号(16ビット)、採取対象パケットプロトコル番号(8ビット)、調査開始時刻(38ビット)、調査終了時刻(38ビット)、調査状態(7ビット)、依頼種別(7ビット)、宛先パケット量カウンタ(64ビット)、および送信元パケット量カウンタ(64ビット)が設定される。なお、調査状態は、調査準備中を示す「1」、調査中を示す「2」、調査完了を示す「3」のいずれかが設定される。この調査状態は、計測部34a〜34dが備えるパケットロス調査部が、調査開始時刻および調査終了時刻に基づいて決定する。具体的には、調査開始時刻より前の時刻では、調査状態を「1」に設定する。調査開始時刻以後、調査終了時刻以前の時刻では調査状態を「2」に設定する。調査終了時刻より後の時刻では調査状態を「3」に設定する。また、依頼種別には、当該メモリ領域32aを備えるパケット管理装置が、依頼元のパケット管理装置であることを示す「1」、当該メモリ領域32aを備えるパケット管理装置が、依頼先のパケット管理装置であることを示す「2」のいずれかが設定される。また、宛先パケット量カウンタは、調査期間内にパケット管理装置3bが受信した宛先IPアドレス宛のパケットの数を計数するカウンタである。また、送信元パケット量カウンタは、調査期間内にパケット管理装置3bが受信した送信元IPアドレス宛のパケットの数を計数するカウンタである。なお、当該メモリ領域32aを備えるパケット管理装置が、依頼元のパケット管理装置であるか、依頼先のパケット管理装置であるかは、調査開始パケットP1に含まれる依頼元IPアドレスおよび依頼先IPアドレスと、当該パケット管理装置のIPアドレスを比較することにより判断する。すなわち、当該パケット管理装置のIPアドレスが調査開始パケットP1に含まれる依頼元IPアドレスに一致すれば、当該パケット管理装置が、依頼元のパケット管理装置であると判断する。また、当該パケット管理装置のIPアドレスが調査開始パケットP1に含まれる依頼先IPアドレスに一致すれば、当該パケット管理装置が、依頼先のパケット管理装置であると判断する。
【0040】
ところで、調査開始パケットP1を受け取ったパケット管理装置3bは、受領確認用のパケット(以下、「受領確認パケット」と言う)をパケット管理装置3cに転送するようにしてもよい。
【0041】
図7は、受領確認パケットを説明する図である。
受領確認パケットP2の調査開始パケットP1と同様の名称の欄には、調査開始パケットP1にて説明した情報と同じ情報が設定される。状況の欄には、調査開始パケットP1を受理したことを示す情報または、ネットワークが確立していない等の理由により、調査ができない状態であることを示す情報が設定される。
【0042】
<調査データ表示コマンド>
次に、調査データ表示コマンドを説明する。調査データ表示コマンドは、今までに入力した調査開始コマンドの内容、および調査開始コマンドによるパケットロスの調査の進捗を、調査開始パケットP1を送信したパケット管理装置から取得する際に、ネットワーク管理者がネットワーク管理装置5に入力するコマンドである。例えば、調査データ表示コマンドを受け付けたパケット管理装置3cは、リサーチ番号毎に調査の進捗を示す調査確認パケット(図示せず)を作成する。この調査確認パケットは、調査開始パケットP1と同様の情報に加え、調査状態の情報も含まれている。
【0043】
調査確認パケットを作成したパケット管理装置3cは、作成した調査確認パケットを、パケット管理装置3cのコマンドラインインタフェースを介してネットワーク管理装置5に送る。調査確認パケットを受信したネットワーク管理装置5は、調査確認パケットに含まれる情報をモニタ54aに表示する。
【0044】
図8は、調査データ表示コマンドを入力することによりモニタに表示されるコマンド画面の一例を説明する図である。
コマンド画面62の3行目には、ネットワーク管理者が、調査データ表示コマンド「show research」を入力したことが表示されている。そして、コマンド画面62の4行目以降には、調査データ表示コマンド「show research」の入力によりパケット管理装置3cから受け取った調査確認パケットに含まれる情報が表示されている。表示されている情報には、調査開始コマンドに含まれる情報に加え、調査状態(Status)を示す情報が追加されている。図8に示すコマンド画面62では、調査確認パケットに含まれる調査状態が「3」であることを示す「Finish」が表示されている。なお、調査確認パケットに含まれる調査状態が「1」である場合、「Standby」が表示される。調査確認パケットに含まれる調査状態が「2」である場合、「During」が表示される。
【0045】
また、特定のリサーチ番号を指定して調査確認パケットの受け取りを希望する調査データ表示コマンドを入力することもできる。例えばネットワーク管理者が、リサーチ番号5の調査確認パケットの受け取りを希望する場合には、調査データ表示コマンド「show research 5」を入力する。
【0046】
<調査結果確認コマンド>
次に、調査結果確認コマンドを説明する。調査結果確認コマンドは、パケット管理装置3a、3b、3cが、今までに実行したパケットロスの調査結果を示すデータを、調査開始コマンドを送ったパケット管理装置から取得する際に、ネットワーク管理者がネットワーク管理装置5に入力するコマンドである。例えば、調査結果確認コマンドを受け付けたパケット管理装置3cは、リサーチ番号毎に調査結果を示す調査結果パケットを作成する。
【0047】
調査結果パケットP3の作成に際し、パケット管理装置3cは、パケット管理装置3bのコマンドラインインタフェース35に対し、リサーチ番号毎の調査内容データ321に含まれる宛先パケット量カウンタのカウンタ値の送信を要求する。そして、コマンドラインインタフェース35は、リサーチ番号に関連づけられた宛先パケット量カウンタのカウンタ値を受信すると、受信した宛先パケット量カウンタのカウンタ値を含めた調査結果パケットP3を作成する。すなわち、調査結果パケットP3に含まれるのは、パケット管理装置3cのメモリ領域に記憶された調査内容データ321の送信元パケット量カウンタのカウンタ値と、パケット管理装置3bのメモリ領域32aに記憶された調査内容データ321の宛先パケット量カウンタのカウンタ値である。
【0048】
図9は、調査結果パケットを説明する図である。
調査結果パケットP3のメモリ領域32aと同じ名称の欄には、メモリ領域32aの説明時に説明した情報と同じ情報が設定される。採取対象パケット送信統計情報の欄には、依頼元IPアドレスを備えるパケット管理装置のメモリ領域32aの送信元パケット量カウンタに記憶されたカウンタ数、が設定される。採取対象パケット受信統計情報の欄には、依頼先IPアドレスを備えるパケット管理装置のメモリ領域32aの宛先パケット量カウンタに記憶されたカウンタ数が設定される。
【0049】
パケット管理装置3cは、作成した調査結果パケットP3をネットワーク管理装置5に送る。調査結果パケットP3を受信したネットワーク管理装置5は、調査結果パケットP3に含まれる情報をモニタ104aに表示する。なお、調査結果確認コマンドを受け付けたパケット管理装置3bは、パケットロスの調査が完了していない場合、調査未完了通知を、調査結果パケットP3を送信したパケット管理装置3cに返すようにしてもよい。調査未完了通知を受け取ったパケット管理装置3cは、コマンド画面に何も表示しない、または、調査未完了である旨を示す情報をモニタ54aに表示することができる。
【0050】
図10は、調査結果確認コマンドを入力することによりモニタに表示されるコマンド画面の一例である。
図10に示すコマンド画面63の3行目には、ネットワーク管理者が、調査確認結果コマンド「research result 5」を入力したことが表示されている。そして、コマンド画面63の4行目以降には、調査確認結果コマンド「research result 5」の入力によりパケット管理装置3cから受け取った調査結果パケットP3に含まれる情報が表示されている。調査開始時刻(Start Time)には、調査開始コマンドにより指定された調査開始時刻が設定されている。調査終了時刻(End Time)には、調査開始コマンドにより指定された調査終了時刻が設定されている。
【0051】
また、コマンド画面63には、Type、IP Address、Port、Interface、Target PacketsおよびLost Packetsの欄が設定されている。横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
【0052】
Typeの欄には、パケット送信元のクライアント装置またはサーバ装置を示す「Src」およびパケット宛先のクライアント装置またはサーバ装置を示す「Dst」が設定されている。
【0053】
Typeの欄に「Src」が設定されたIP Addressの欄には、調査結果パケットP3に含まれる採取対象パケット送信元IPアドレスが表示されている。Typeの欄に「Dst」が設定されたIP Addressの欄には、調査結果パケットP3に含まれる採取対象パケット宛先IPアドレスが表示されている。
【0054】
Typeの欄に「Src」が設定されたPortの欄には、調査結果パケットP3に含まれる採取対象パケット送信元ポート番号が表示されている。Typeの欄に「Dst」が設定されたPortの欄には、調査結果パケットP3に含まれる採取対象パケット宛先ポート番号が表示されている。
【0055】
Typeの欄に「Src」が設定されたInterfaceの欄には、調査結果パケットP3に含まれる依頼元インタフェースが表示されている。Typeの欄に「Dst」が設定されたInterfaceの欄には、調査結果パケットP3に含まれる依頼先インタフェースが表示されている。
【0056】
Typeの欄に「Src」が設定されたTarget Packetsの欄には、調査結果パケットP3に含まれる採取対象パケット送信統計情報が表示されている。Typeの欄に「Dst」が設定されたTarget Packetsの欄には、調査結果パケットP3に含まれる採取対象パケット受信統計情報が表示されている。
【0057】
Lost Packetsの欄には、ロスしたパケットの数が表示されている。なお、ロスしたパケットの数は、採取対象パケット送信統計情報のパケット数から採取対象パケット受信統計情報のパケット数を減算したものである。
【0058】
<調査データ削除コマンド>
次に、調査データ削除コマンドを説明する。調査データ削除コマンドは、調査開始パケットP1に基づきパケット調査を行っているパケット管理装置のメモリ領域から、指定したリサーチ番号の調査開始パケットP1に関する情報を削除させる際にネットワーク管理者がネットワーク管理装置5に入力するコマンドである。
【0059】
図11は、調査データ削除コマンドを入力することによりモニタに表示されるコマンド画面の一例である。
図11に示すコマンド画面64の3行目には、ネットワーク管理者が、リサーチ番号1の調査開始パケットP1に関するデータの削除を希望したことを示す「delete research1」が表示されている。
【0060】
例えば調査データ削除コマンドを受け付けたパケット管理装置3bは、削除対象のリサーチ番号1のデータをメモリ領域32aから削除する。また、調査データ削除コマンドを受け付けたパケット管理装置3bは、他のメモリ領域32aのリサーチ番号を1つ減らす。
【0061】
また、コマンド画面64の6行目には、ネットワーク管理者が、リサーチ番号4の調査内容データ321の表示を希望する調査データ表示コマンド「show research 4」を入力したことが表示されている。そして、コマンド画面62の7行目以降には、調査データ表示コマンド「show research 4」の入力によりパケット管理装置3cから受け取った調査データが表示されている。なお、リサーチ番号1の調査データを削除したため、リサーチ番号5だった調査内容データ321のリサーチ番号は、4になる。
【0062】
次に、パケット管理装置3a〜3cの処理を説明する。
パケット管理装置3cのコマンドラインインタフェースは、調査開始パケットP1をネットワーク管理装置5から受信すると、調査開始パケットP1に含まれる依頼元IPアドレスおよび依頼先IPアドレスの欄を参照する。そして、依頼元IPアドレスの欄に含まれる依頼元IPアドレスを有するパケット管理装置、および依頼先IPアドレスの欄に含まれる依頼先IPアドレスを有するパケット管理装置に調査開始パケットP1を転送する。
【0063】
また、依頼元IPアドレスの欄に含まれる依頼元IPアドレスを有するパケット管理装置、および依頼先IPアドレスの欄に含まれる依頼先IPアドレスを有するパケット管理装置がパケット管理装置3c自身である場合は、後述する第3の処理を行う。
【0064】
調査開始パケットP1を受信したパケット管理装置3a〜3cのコマンドラインインタフェースは、調査開始パケットP1に応じた調査内容データ321をメモリ領域に記憶する。そして、調査開始パケットP1を受け取ったパケット管理装置3a〜3cのパケット転送処理部は、以下に示す第1の処理を繰り返し実行する。以下、一例として、パケット管理装置3bが、図4に示すコマンド画面61により入力された内容の調査開始パケットP1を受信したときの処理(第1の処理)を説明する。
【0065】
図12は、第1の処理を示すフローチャートである。
[ステップS1] パケット転送処理部31aは、各メモリ領域32aに記憶されている調査内容データ321のうち、現在の時刻が調査開始時刻以後の調査内容データ321が存在するか否かを判断する。現在の時刻が調査開始時刻以後の調査内容データ321が存在する場合(ステップS1のYes)、ステップS2に遷移する。現在の時刻が調査開始時刻以後の調査内容データ321が存在しない場合(ステップS1のNo)、ステップS1の処理を繰り返し実行する。
【0066】
[ステップS2] パケット転送処理部31aは、現在の時刻が、ステップS1の条件を満たした調査内容データ321の調査終了時刻以後か否かを判断する。現在の時刻が、ステップS1の条件を満たした調査内容データ321の調査終了時刻以後である場合(ステップS2のYes)、ステップS3に遷移する。現在の時刻が、ステップS1の条件を満たした調査内容データ321の調査終了時刻以後ではない場合、すなわち、現在の時刻が調査終了時刻より前である場合(ステップS2のNo)、ステップS6に遷移する。
【0067】
[ステップS3] パケット転送処理部31aは、調査内容データ321に含まれる宛先IPアドレスを備えるクライアント装置1bを確認する。そして、クライアント装置1bに接続されているインタフェース33aに対応するパケットロス調査部343aがONか(動作しているか)否かを判断する。パケットロス調査部343aがONである場合(ステップS3のYes)、ステップS4に遷移する。パケットロス調査部343aがOFFである場合(ステップS3のNo)、ステップS1に遷移し、ステップS1以降の処理を繰り返し実行する。
【0068】
[ステップS4] パケット転送処理部31aは、ステップS1およびステップS2の条件を満たした調査内容データ321に含まれる依頼先フラグをOFFに設定する。その後、ステップS5に遷移する。
【0069】
[ステップS5] パケット転送処理部31aは、ステップS1およびステップS2の条件を満たした調査内容データ321に対応する調査結果パケットP3を作成する。そして、作成した調査結果パケットP3を、調査内容データ321に含まれる依頼元IPアドレスを備えるパケット管理装置3cに送信する。その後、ステップS1に遷移し、ステップS1以降の処理を繰り返し実行する。
【0070】
[ステップS6] パケット転送処理部31aは、パケットロス調査部343aがOFFに設定されているか否かを判断する。パケットロス調査部343aがOFFに設定されている場合(ステップS6のYes)、ステップS7に遷移する。パケットロス調査部343aがOFFに設定されていない場合(ステップS6のNo)、ステップS1に遷移し、ステップS1以降の処理を繰り返し実行する。
【0071】
[ステップS7] パケット転送処理部31aは、計測部34a〜34dが有するパケットロス調査部をONに設定する。この処理により、計測部34a〜34dが有するパケットロス調査部は、パケットロスの調査を開始する。その後、ステップS1に遷移し、ステップS1以降の処理を繰り返し実行する。
【0072】
第1の処理後に調査開始パケットP1を受信した各パケット管理装置は、時刻の同期を取る処理を行う。また、第1の処理後に調査開始パケットP1を受信したパケット管理装置3bの各パケットロス調査部は、以下に示す第2の処理を実行する。以下、一例として、インタフェース33cがパケットを受信した場合のパケット管理装置3bの処理(第2の処理)を説明する。この例では、サーバ装置2が第1の装置の一例であり、クライアント装置1bが第2の装置の一例である。また、インタフェース33cが第1のインタフェースの一例であり、計測部34cが第1の計測部の一例である。
【0073】
図13は、第2の処理を示すフローチャートである。
[ステップS11] パケットロス調査部343cは、インタフェース33cが受信したパケットのコマンド種別に基づいて、インタフェース33cが受信したパケットが、パケット管理装置3aまたはパケット管理装置3cが送信した調査結果パケットP3か否かを判断する。受信したパケットが調査結果パケットP3である場合(ステップS11のYes)、ステップS12に遷移する。受信したパケットが調査結果パケットP3ではない場合(ステップS11のNo)、ステップS13に遷移する。
【0074】
[ステップS12] パケットロス調査部343cは、受信したパケット(すなわち、調査結果パケットP3)のリサーチ番号と同じリサーチ番号を備えるメモリ領域32aの調査内容データ321を特定する。そして、特定した調査内容データ321を、受信した調査結果パケットP3のパケット内容で更新する。その後、図10の処理を終了する。
【0075】
[ステップS13] パケットロス調査部343cは、インタフェース33cが受信したパケットが調査対象のパケットか否かを判断する。具体的には、各メモリ領域32aに記憶されている調査内容データ321を参照する。そして、各調査内容データ321および受信したパケットそれぞれの宛先IPアドレス、宛先ポート番号、送信元IPアドレスおよび送信元ポート番号を比較する。そして、宛先IPアドレス、宛先ポート番号、送信元IPアドレスおよび送信元ポート番号の全てが一致する調査内容データ321が存在すると、受信したパケットが調査対象のパケットであると判断する。以下、宛先IPアドレス、宛先ポート番号、送信元IPアドレスおよび送信元ポート番号の全てが一致した調査内容データ321を、「対象調査内容データ321」と言う。受信したパケットが調査対象のパケットである場合(ステップS13のYes)、ステップS14に遷移する。受信したパケットが調査対象のパケットではない場合(ステップS13のNo)、ステップS16に遷移する。
【0076】
[ステップS14] パケットロス調査部343cは、対象調査内容データ321に設定されている調査開始時刻と調査終了時刻に基づいて、現在時刻がパケット調査時間内か否かを判断する。現在時刻がパケット調査時間内である場合(ステップS14のYes)、ステップS15に遷移する。現在時刻がパケット調査時間内ではない場合(ステップS14のNo)、ステップS18に遷移する。
【0077】
[ステップS15] パケットロス調査部343cは、対象調査内容データ321の宛先パケット量カウンタをインクリメントする。その後、ステップS18に遷移する。
[ステップS16] パケットロス調査部343cは、パケットに含まれるコマンド種別の内容に基づいて、インタフェース33cが受信したパケットが調査開始パケットP1か否かを判断する。受信したパケットが調査開始パケットP1である場合(ステップS16のYes)、ステップS17に遷移する。受信したパケットが調査開始パケットP1ではない場合(ステップS16のNo)、ステップS18に遷移する。
【0078】
[ステップS17] パケットロス調査部343cは、メモリ領域32aを作成する。そして、作成したメモリ領域32aに調査開始パケットP1に対応する調査内容データ321を記憶する。また、調査内容データ321の依頼先フラグをONに設定する。その後、図10の処理を終了する。
【0079】
[ステップS18] パケットロス調査部343cは、受信したパケットをパケットロス調査部343aに送る。その後、図10の処理を終了する。
次に、パケットロス調査部343c、またはコマンドラインインタフェース35からパケットを受け取ったパケットロス調査部343aの処理(第3の処理)を説明する。
【0080】
図14は、第3の処理を示すフローチャートである。
[ステップS21] パケットロス調査部343aは、パケットが調査対象のパケットか否かを判断する。なお、調査対象のパケットか否かの判断方法は、図13のステップS13にて述べた方法と同じ方法を用いることができる。パケットが調査対象のパケットである場合(ステップS21のYes)、ステップS22に遷移する。パケットが調査対象のパケットではない場合(ステップS21のNo)、ステップS24に遷移する。
【0081】
[ステップS22] パケットロス調査部343aは、対象調査内容データ321に設定されている調査開始時刻と調査終了時刻に基づいて、現在時刻がパケット調査時間内か否かを判断する。現在時刻がパケット調査時刻である場合(ステップS22のYes)、ステップS23に遷移する。現在時刻がパケット調査時刻ではない場合(ステップS22のNo)、ステップS26に遷移する。
【0082】
[ステップS23] パケットロス調査部343aは、対象調査内容データ321の送信元パケット量カウンタをインクリメントする。その後、ステップS26に遷移する。
[ステップS24] パケットロス調査部343aは、パケットに含まれるコマンド種別の内容に基づいて、計測部34aから送られてきたパケットが調査開始パケットP1か否かを判断する。計測部34aから送られてきたパケットが調査開始パケットP1である場合(ステップS24のYes)、ステップS25に遷移する。計測部34aから送られてきたパケットが調査開始パケットP1ではない場合(ステップS24のNo)、ステップS26に遷移する。
【0083】
[ステップS25] パケットロス調査部343aは、調査開始パケットP1に対応するメモリ領域32aを作成する。そして、作成したメモリ領域32aに調査開始パケットP1に対応する調査内容データ321を記憶する。また、調査内容データ321の依頼先フラグをONに設定する。その後、図11の処理を終了する。
【0084】
[ステップS26] パケットロス調査部343aは、パケットロス調査部343cから送られてきたパケットを、インタフェース33aから転送する。その後、図11の処理を終了する。
【0085】
以上述べたように、ネットワークシステム10によれば、受信した調査対象のパケットに基づき宛先パケット量カウンタのカウンタ値をインクリメントし、送信する調査対象のパケットに基づき送信元パケット量カウンタのカウンタ値をインクリメントするようにした。そして、両カウンタ値を比較することにより、パケットのロスを計数するようにした。従って、パケット調査時間におけるパケット管理装置3cが受信したパケットの数およびパケット管理装置3bが転送するパケットの数を一度の設定で測定することができる。従って、パケット調査を簡略化することができる。また、パケット管理装置3cが転送するパケットの数も測定するため、ネットワーク4内のパケットの数だけを測定する場合に比べ、パケットロスをより確実に検出することができる。また、ネットワークを通過するパケットの中から調査対象のパケットを特定し、特定したパケットを測定するので、例えば品質測定用に用意した特殊なパケットを用いなくても、パケットの数を測定することができる。
【0086】
以上、本発明のパケット管理装置およびパケット管理方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0087】
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、パケット管理装置3a〜3cそれぞれが有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。磁気記憶装置には、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等が挙げられる。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RW等が挙げられる。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等が挙げられる。
【0088】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0089】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0090】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【符号の説明】
【0091】
1a、1b クライアント装置
2 サーバ装置
3a、3b、3c パケット管理装置
4、4a、4b、4c ネットワーク
5 ネットワーク管理装置
10 ネットワークシステム
31a パケット転送処理部
32a メモリ領域
321 調査内容データ
33a〜33d インタフェース
34a〜34d 計測部
341a パケットフィルタ
342a 統計情報記憶部
343a、343c パケットロス調査部
54a モニタ
61〜64 コマンド画面
P1 調査開始パケット
P2 受領確認パケット
P3 調査結果パケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置側に設けられた第1のインタフェースと、
前記第1のインタフェースを介して受信した前記第1の装置から第2の装置宛のパケットの数を計測する第1の計測部と、
前記第1の計測部の計測結果と、当該パケット管理装置以外のパケット管理装置が備える前記第2の装置側に設けられた第2のインタフェースを介して送信する前記第1の装置から第2の装置宛のパケットの数を計測する第2の計測部の計測結果とに基づいて、前記パケットの消失結果を示す情報を作成する作成部と、
を有することを特徴とするパケット管理装置。
【請求項2】
当該パケット管理装置は、前記パケットの受信に先立って送信される前記パケットの送信元を識別する情報と前記パケットの送信先を識別する情報を記憶する第1の記憶部をさらに有し、
当該パケット管理装置以外の前記パケット管理装置は、前記パケットの受信に先立って送信される前記パケットの送信元を識別する情報と前記パケットの送信先を識別する情報を記憶する第2の記憶部をさらに有し、
前記第1の計測部および前記第2の計測部は、前記記憶部に記憶された前記送信元を識別する情報と前記送信先を識別する情報に一致するパケットの数を計測することを特徴とする請求項1記載のパケット管理装置。
【請求項3】
コンピュータが、
第1の装置側に設けられた第1のインタフェースを介して受信した前記第1の装置から第2の装置宛のパケットの第1の数を計測し、
当該パケット管理装置以外のパケット管理装置が計測した、前記第2の装置側に設けられた第2のインタフェースを介して送信される前記第1の装置から第2の装置宛のパケットの第2の数と、前記第1の数とに基づいて、前記パケットの消失結果を示す情報を作成する、
ことを特徴とするパケット管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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