説明

パケット転送装置およびパケット転送方法

【課題】経路の有効性をネットワークの運用中に確認すること。
【解決手段】受信部1aは、パケットを受信する。抽出部1bは、受信したパケットのうち、検証対象の経路を検証するテストパケット7aを抽出する。記憶部1cは、受信部1aが受信したパケットの転送先の経路を示す第1の経路情報と第1の経路情報に示されるパケットの転送先の経路を検証対象の経路に切り替える第2の経路情報とを記憶する。決定部1dは、抽出部1bによりテストパケット7aが抽出されると記憶部1cに記憶されている第2の経路情報に基づいてテストパケット7aの転送先の経路を決定する。転送部1eは、決定部1dが決定した経路に従ってテストパケット7aを転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパケット転送装置およびパケット転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パケット技術の進歩によりキャリア領域に対してもパケット転送方式の適用が進んでいる。また、ネットワーク構成として配線効率や障害回避の点で有利なリング型ネットワークが主流であり、中でもMPLS(Multi-Protocol Label Switching)等のラベルスイッチング方式を適用したリング型ネットワークが広く適用されつつある。
【0003】
キャリア領域での適用には高い信頼性が必要であり、障害発生時の回避手段としてSDH(Synchronous Digital Hierarchy)/SONET(Synchronous Optical NETwork)技術で標準的なUPSR(Unidirectional Path Switched Ring)やBLSR(Bidirectional Line Switched Ring)方式と同様な障害回避技術がMPLSネットワークでも提案されている。
【0004】
BLSR方式は現用パスに障害が発生した時点でリング上の現用パスとは逆方向に設定した予備パスにパケットを迂回させるため、障害発生前には予備パスにパケットは流れていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−217904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
BLSR方式では、前述した通り障害が発生した時点で予備パスにパケットを流すため、事前に予備パスの有効性を確認することができない。
なお、ラベルスイッチング方式を適用したリング型ネットワークについて説明したが、パケットを転送する他のネットワークにも同様の問題がある。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、経路の有効性をネットワークの運用中に確認できるパケット転送装置およびパケット転送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、開示のパケット転送装置が提供される。このパケット転送装置は、同一ネットワーク内の宛先装置に対しパケットを送信する経路を複数有する装置であり、受信部と抽出部と記憶部と決定部と転送部とを有している。
【0009】
受信部は、パケットを受信する。
抽出部は、受信したパケットのうち、検証対象の経路を検証するテストパケットを抽出する。
【0010】
記憶部は、受信部が受信したパケットの転送先の経路を示す第1の経路情報と第1の経路情報に示されるパケットの転送先の経路を検証対象の経路に切り替える第2の経路情報とを記憶する。
【0011】
決定部は、抽出部によりテストパケットが抽出されると記憶部に記憶されている第2の経路情報に基づいてテストパケットの転送先の経路を決定する。
転送部は、決定部が決定した経路に従ってテストパケットを転送する。
【発明の効果】
【0012】
経路の有効性をネットワークの運用中に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態のパケット転送装置の概要を示す図である。
【図2】第2の実施の形態のネットワークシステムを示す図である。
【図3】第2の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
【図4】第2の実施の形態のノードのハードウェアの一構成例を示す図である。
【図5】ノードの機能を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態のラベルテーブルを示す図である。
【図7】障害回避制御部が備える回避経路情報を示す図である。
【図8】予備パステストを開始するときの予備パステスト制御部の処理を示すフローチャートである。
【図9】予備パステスト時の各ノードの処理を示すフローチャートである。
【図10】ノード間で実際に障害が発生したときのネットワークシステムの動作を説明する図である。
【図11】ノード間で実際に障害が発生したときのラベルテーブルの書き換えを説明する図である。
【図12】ノード間で実際に障害が発生したときのラベルテーブルの書き換えを説明する図である。
【図13】現用パスの始点ノードから予備パステストを実施した時の様子を示す図である。
【図14】予備パステスト用パケットが障害発生ポイントの隣接ノードに達したときの様子を示す図である。
【図15】予備パスに迂回した予備パステスト用パケットが順次予備パスのノードを経由して転送される様子を示す図である。
【図16】予備パスを迂回してきた予備パステスト用パケットが障害発生ポイントに隣接するノードに達した様子を示す図である。
【図17】現用パスに戻った予備パステスト用パケットがそのまま現用パスの続きを流れ、パス終端ノードに達した様子を示す図である。
【図18】第3の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
【図19】第3の実施の形態のネットワークシステムの予備パステストの動作を説明する図である。
【図20】第4の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
【図21】第4の実施の形態のネットワークシステムの予備パステスト実施時の動作を示す図である。
【図22】第5の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
【図23】第5の実施の形態の予備パステストを開始するときの予備パステスト制御部の処理を示すフローチャートである。
【図24】第5の実施の形態の予備パステスト時の各ノードの処理を示すフローチャートである。
【図25】経路切り替えノード記録処理を示すフローチャートである。
【図26】第5の実施の形態の具体例の現用パスのみ通過した場合の予備パステスト用パケットのデータの遷移を説明する図である。
【図27】第5の実施の形態の具体例の現用パスと予備パスとを通過した場合の予備パステスト用パケットのデータの遷移を説明する図である。
【図28】第6の実施の形態のネットワークシステムを示す図である。
【図29】第6の実施の形態のラベルテーブルおよび障害回避経路管理テーブルを示す図である。
【図30】第6の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
【図31】第6の実施の形態のネットワークシステムの予備パステストの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、実施の形態のパケット転送装置の概要について説明し、その後、実施の形態をより具体的に説明する。
【0015】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態のパケット転送装置の概要を示す図である。
図1に示すネットワークシステム10は、環状のネットワークを形成する複数のパケット転送装置(コンピュータ)1、2、3、4と、パケット転送装置1に接続されているパケット転送装置5と、パケット転送装置4に接続されているパケット転送装置6を有している。
【0016】
ネットワークシステム10内では、各パケット転送装置間にてパケットを送信した装置から宛先の装置へのパケットの転送が行われる。
以下、パケット転送装置5からパケット転送装置6へのパケットの転送を例に、ネットワークシステム10の動作を説明する。
【0017】
パケット転送装置5とパケット転送装置6との間には、パケットを送信する第1の経路と第2の経路が存在する。
第1の経路は、パケット転送装置1からパケット転送装置2、4を経由して、パケット転送装置6に到達する経路である。第2の経路は、パケット転送装置1からパケット転送装置3、4を経由して、パケット転送装置6に到達する経路である。以下の説明では、第1の経路が主経路であり、第2の経路が、主経路に何らかの異常が発生したときの代替経路(副経路)であるものとして説明する。
【0018】
パケット転送装置5が送信するパケットには、検証対象の経路を検証するテストパケット7aと、テストパケット7a以外のパケット7bとが存在する。本実施の形態では、第2の経路を検証対象の経路とする。第2の経路を検証する場合、パケット転送装置5は、擬似的にパケット転送装置1とパケット転送装置2との間の経路が使用できないことを示す情報(経路不使用情報)を含むテストパケット7aを生成する。そして、生成したテストパケット7aをパケット転送装置1に送信する。
【0019】
パケット転送装置1は、受信部1aと、抽出部1bと、記憶部1cと、決定部1dと、転送部1eとを有している。
受信部1aは、パケット転送装置5が送信するパケットを受信する。
【0020】
テストパケット7a、パケット7bには、それぞれラベルaが含まれている。
ラベルは、パケット転送装置1がパケット転送装置5から受け取ったパケットを別のパケット転送装置に転送する際の経路選択情報となるものである。あるパケット転送装置がパケットを受信すると、パケット内の経路情報にラベルを付加して次のパケット転送装置に転送する。次のパケット転送装置は、パケットについているラベルを見て、どのパケット転送装置に転送するべきかを判断し、判断結果のパケット転送装置にパケットを転送する。
【0021】
パケット転送装置1は、記憶部1cが記憶するラベルに従って、テストパケット7a、パケット7bに含まれるラベルを書き換える機能を有している。このラベルは、経路が設定される度に書き換えられる。
【0022】
抽出部1bは、受信したパケットの中からテストパケット7aを抽出する。
記憶部1cは、受信部1aが受信したテストパケット7aおよびパケット7bの転送先の経路を示す第1の経路情報が記憶されているテーブル1c1を有している。図1では、第1の経路情報は、パケット7bの転送先が第1の経路である場合は、ラベルaをラベルbに変更する情報を有している。
【0023】
また、記憶部1cは、テストパケット7aに含まれる経路不使用情報に応じてテストパケット7aが通過する経路を検証対象の経路に切り替える第2の経路情報が記憶されているテーブル1c2を有している。図1では、第2の経路情報は、経路不使用箇所が第1の経路である場合は、ラベルaをラベルcに変更し、経路不使用箇所が第2の経路である場合は、ラベルaをラベルbに変更する情報を有している。
【0024】
決定部1dは、抽出部1bによりテストパケット7aが抽出されると記憶部1cに記憶されている第2の経路情報に基づいてテストパケット7aの転送先の経路を決定する。
本実施の形態では、テストパケット7aにはパケット転送装置1とパケット転送装置2との間の経路が使用できないことを示す経路不使用情報が含まれているので、決定部1dは、第2の経路を転送先の経路に決定する。具体的には、テストパケット7aに含まれるラベルaをラベルcに変更することを決定する。
【0025】
転送部1eは、決定部1dが決定した経路に従ってテストパケット7aを転送する。具体的には、テストパケット7aに含まれるラベルaをラベルcに変更し、変更したテストパケット7aを転送する。
【0026】
また、決定部1dは、テーブル1c1に記憶されている第1の経路情報に基づいて、パケット7bについても転送先の経路を決定することができる。本実施の形態では第1の経路が主経路であるため、ラベルaをラベルbに変更することを決定する。
【0027】
転送部1eは、決定部1dが決定した経路に従ってパケット7bを転送する。具体的には、パケット7bに含まれるラベルaをラベルbに変更し、変更したパケット7bを転送する。
【0028】
次に、図1を参照してパケット転送装置1の動作を説明する。抽出部1bが、受信部1aが受信したパケットの中から経路不使用情報が含まれているテストパケット7aを抽出すると、決定部1dは、テーブル1c2を参照し、テストパケット7aに含まれるラベルaをラベルcに変更することを決定する。転送部1eは、テストパケット7aに含まれるラベルaをラベルcに変更し、変更したテストパケット7aを転送する。転送の結果、テストパケット7aはパケット転送装置3に転送される。
【0029】
テストパケット7aを受信したパケット転送装置3は、テストパケット7aに含まれるラベルcをラベルeに変更し、変更したテストパケット7aを転送する。転送の結果、テストパケット7aはパケット転送装置4に転送される。テストパケット7aを受信したパケット転送装置4は、テストパケット7aに含まれるラベルeをラベルfに変更し、変更したテストパケット7aを転送する。転送の結果、テストパケット7aは、パケット転送装置6に転送される。
【0030】
また、パケット転送装置1は、テーブル1c1に記憶されている転送先の情報に基づいて、パケット7bを転送する。図1では、パケット7bに経路不使用箇所の情報が含まれていない場合は、テーブル1c1の第1の経路の欄に記憶されている転送先の情報に基づいてラベルaをラベルbに変更し、変更したパケット7bを転送する。転送の結果、パケット7bはパケット転送装置2に転送される。
【0031】
パケット7bを受信したパケット転送装置2は、パケット7bに含まれるラベルbをラベルdに変更し、変更したパケット7bを転送する。転送の結果、パケット7bはパケット転送装置4に転送される。
【0032】
パケット7bを受信したパケット転送装置4は、パケット7bに含まれるラベルdをラベルfに変更し、変更したパケット7bを転送する。転送の結果、パケット7bはパケット転送装置6に転送される。
【0033】
このパケット転送装置1によれば、テストパケット7aを転送する際も第1の経路を流れるパケット7bには影響を与えることがない。このため、ネットワークシステム10の運用中にも経路の有効性を確認することができる。これにより、ネットワークの信頼性を向上させることができる。
【0034】
また、受信部1a、抽出部1b、決定部1d、転送部1eは、パケット転送装置1が有するCPU(Central Processing Unit)が備える機能により実現することができる。また、記憶部1cは、パケット転送装置1が有するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等が備えるデータ記憶領域により実現することができる。
【0035】
以下、実施の形態をより具体的に説明する。
<第2の実施の形態>
図2は、第2の実施の形態のネットワークシステムを示す図である。
【0036】
本実施の形態のネットワークシステム100は、MPLS−TP(Transport Profile)ネットワークである。
図2中のノード(Node)N1〜ノードN8はネットワークシステム100上のノードを示し、各ノード間を結ぶ線はパケットが流れる物理回線を示している。
【0037】
ノードN1は、ネットワークシステム100において、ラベルスイッチングパス(LSP:Label Switching Path)方式でパケットを転送する始点または終点となるノードであり、パケットの転送にラベルスイッチング方式を用いない(ネットワークシステム100には属しない)ノンラベルスイッチネットワーク200に接続されている。
【0038】
ノードN6は、ネットワークシステム100においてラベルスイッチングパス方式でパケットを転送する始点または終点となるノードであり、ラベルスイッチング方式を用いない(ネットワークシステム100には属しない)ノンラベルスイッチネットワーク300に接続されている。
【0039】
ノードN2、N3、N4、N5、N8、N7は、環状のネットワーク(リングネットワーク)を形成している。
各ノードの周りに示す番号#1、#2、および#3は、物理回線のポート番号である。
【0040】
ネットワークシステム100は、パケットの転送経路として、現用パスと予備パスの2つが設定されている。
現用パスとは、ノードN1からノードN6にパケットを転送する際のノードN2とノードN3との間、ノードN3とノードN4との間、または、ノードN4とノードN5との間に障害が発生していないときのパケットの転送経路を言う。
【0041】
この図2ではノードN1が現用パスの始点ノードであり、途中ノードN2、ノードN3、ノードN4、ノードN5を経由して終点ノードのノードN6に到達する。
また、予備パスとは、ノードN1からノードN6にパケットを転送する際のノードN2とノードN3との間、ノードN3とノードN4との間、または、ノードN4とノードN5との間に障害が発生したときのパケットの転送経路を言う。
【0042】
このように、ネットワークシステム100では、障害を回避する経路も予め決められており、各ノードには予め予備パスを設定し、障害発生時に即座に回避経路が使えるようにしている。なお、ここでいう障害とは、ノード間の物理回線の切断や、ノード自体の故障を含む。
【0043】
図2に示すW1〜W5は、現用パスの各ノード間で転送されるパケットに付与されるラベルを示し、太い実線の矢印の向きは、現用パスの流れる方向を示す。
P1〜P6は、予備パスの各ノード間で転送されるパケットに付与されるラベルを示し、点線の矢印の向きは予備パスの流れる方向を示す。
【0044】
予備パスは、現用パスとは逆周りに各ノードを循環する環状に設定されている。また、予備パスには、通常(無障害)時はパケットが流れていない。この予備パスは、各ノードに予め登録されている。
【0045】
ネットワークシステム100は、現用パスのうち、環を形成するノードのノード間、つまり、ノードN2とノードN3との間、ノードN3とノードN4との間、または、ノードN4とノードN5との間で障害が発生した場合、障害が発生したポイント(以下、障害発生ポイントと言う)の両側のノードで現用パスと予備パスとを切り替えて障害が発生したポイントを迂回して障害を回避する。
【0046】
また、ネットワークシステム100は、予備パスが正常に機能するか否かを確認するテストを実行する機能を有している。
予備パスのテストを行う場合、ノードN1は、予備パスのテスト用のパケット(以下、予備パステスト用パケットと言う)を作成し、ノードN2に送出する。予備パスが正常に機能していれば、前述した予備パスを経由してノードN6に到着する。他方、予備パスに異常があれば、予備パステスト用パケットは、ノードN6に到着しない。
【0047】
図3は、第2の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
予備パステスト用パケットTP1には、ラベル、種別、開始ノードおよび疑似障害発生ポイントを示す情報を記憶する領域F1〜F4が用意されている。
【0048】
領域F1には、ラベルを識別する情報が設定される。図3では、ラベルW1が設定されている。
領域F2には、当該パケットが、予備パステスト用パケットであることをノードN2〜N8に識別させる情報が設定される。本実施の形態では「T」が設定されている。
【0049】
領域F3には、送信を開始したノードを識別する情報が設定される。図3では、ノードN1を識別する「Node1」が設定されている。
領域F4には、後述する装置管理部11から通知された擬似的に障害を発生させる箇所を識別する情報が設定される。図3では、ノードN3のポート#2とノードN4のポート#1との間に擬似的に障害が発生したことを識別する「Node3 #2 / Node4 #1」が設定されている。
【0050】
なお、領域F4に設定する擬似的に障害を発生させる箇所を識別する情報は、この他にも、各ノード間のリンク毎にユニークに示されたラベルやMIP(Maintenance Intermediate Point) ID等、ネットワーク内や管理パス区間内で障害を発生させる箇所を識別できる情報が挙げられる。
【0051】
次に、各ノードのハードウェア構成を説明する。
図4は、第2の実施の形態のノードのハードウェアの一構成例を示す図である。ノードN1は、CPU101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス105を介してRAM102と複数の周辺機器が接続されている。
【0052】
RAM102は、ノードN1の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
【0053】
バス105に接続されている周辺機器としては、フラッシュメモリ(Flash Memory)103、NPU(Network Processor Unit)104がある。
フラッシュメモリ103は、ノードN1の二次記憶装置として使用される。フラッシュメモリ103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。
【0054】
NPU104は、ネットワーク関連の処理を実行する専用のプロセッサである。NPU104は、後述するラベルテーブルを記憶するRAM104aを有している。NPU104にはイーサネット(登録商標)PHY106が接続されている。
【0055】
イーサネットPHY106は、衝突検出機能、ジャバー保護機能、コード変換機能、シリアル・パラレル変換機能を有している。
衝突検出機能は、PHYが送出したパケットがコリジョンを発生させた場合、送信端末にコリジョンが発生したことを知らせる機能である。
【0056】
ジャバー保護機能は、PHYに接続されているノードが、何らかの障害により異常に長い(例えば20ms以上)信号を送信しようとした場合、PHYが強制的に送信を中断する機能である。
【0057】
コード変換機能は、ノードから送信される符号コードと、ケーブル上の符号コードを変換する機能である。
シリアル・パラレル変換機能は、ノードから送信されるパラレル信号とケーブル上のシリアル信号を変換する機能である。
【0058】
イーサネットPHY106には、XFP(10(X) Gigabit Small Form Factor Pluggable)107a、107b、107c、107dが接続されている。
XFP107a、107b、107c、107dは、光―電気変換モジュールで、光レベルの障害検出機能を担っている。
【0059】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、図3にはノードN1のハードウェア構成を示したが、ノードN2〜N8も同様のハードウェア構成である。
【0060】
このようなハードウェア構成のノードN1内には、以下のような機能が設けられる。
図5は、ノードの機能を示すブロック図である。
ノードN1は、装置管理部11と、ラベルテーブル記憶部12と、ラベルスイッチ処理部13と、障害回避制御部14と、管理パケット処理部15と、予備パステスト制御部16と、管理パケット挿入部17a、17bと、管理パケット抽出部18a、18bと、障害検出部19a、19bとを有している。
【0061】
ここで、図5中左側の入力ポートおよび出力ポートは、ノンラベルスイッチネットワーク200に接続され、右側の入力ポートおよび出力ポートは、ノードN2に接続されている。
【0062】
装置管理部11は、各機能部を統率し、ノードN1全体の監視・設定を管理する。具体的には、装置管理部11は、予備パステスト機能に関してテストする障害発生ポイントを指定してテストの開始を予備パステスト制御部16に指示する。
【0063】
また、装置管理部11は、予備パステスト制御部16からテスト結果の通知を受け取ると、ノードN1に接続される図示しないモニタ等にテスト結果を表示することができる。
なお、モニタに表示する情報は、例えば、予備パステストを開始したノード、障害発生ポイント、予備パステストの終端ノード、予備パステスト用パケット到着時刻等が挙げられる。
【0064】
ラベルテーブル記憶部12は、ラベルスイッチング用のラベルをテーブル化して管理するラベルテーブルを記憶する。
図6は、第2の実施の形態のラベルテーブルを示す図である。
【0065】
図6では、各ノードが備える全てのラベルテーブルをまとめて表している。例えば、ラベルテーブル12aは、ラベルテーブル記憶部12が記憶するラベルテーブルである。ラベルテーブル22aは、ノードN2のラベルテーブル記憶部が記憶するラベルテーブルである。
【0066】
各ラベルテーブルには、現用パスおよび予備パスの欄が設けられている。
現用パスの欄、および、予備パスの欄には、各ノードにおける経路情報が登録されている。各経路情報は、それぞれ各ノードが受信したパケットの入力元のポートと、受信したパケットに付されているラベル、および、パケットの送信先のポートと送信するパケットに付すラベルの組み合わせを有している。この経路情報によりパケットスイッチに対する転送方向を定義している。
【0067】
各ラベルテーブル12a〜82aに設定された経路情報は、パケットの転送処理に反映される。例えば、ラベルテーブル12aの現用パスの欄には、ノンラベルスイッチネットワーク200のPort#xから受け取ったパケットに付すラベルがW1であり、出力先のポートはポート#1であることが設定されている。
【0068】
このように各ノードが備えるラベルテーブル12a〜82aに経路情報が登録されていることでハードウェアによる高速なラベルスイッチングを行うことができ、各ノード間でパケットを高速に転送することができる。
【0069】
再び図5に戻って説明する。
ラベルスイッチ処理部13は、受信したパケットのポートとラベル情報に基づいてラベルテーブル12aを検索し、入力条件に合致する経路情報を読み出す。そして、その経路情報が示す出力先のポートとラベルを認識することで入出力ポート間でのパケットの転送、およびラベルの付け替え(ラベルスイッチング)を行う。
【0070】
但し、予備パステスト用パケットTP1は管理用パケットとして取り扱われ、管理パケット抽出部18a、18bによって抽出される。抽出された予備パステスト用パケットTP1は、管理パケット処理部15に送られる。このため、予備パステスト用パケットTP1はラベルスイッチ処理部13には入らない。
【0071】
障害回避制御部14は、障害検出部19a、19bが障害を検出した際にはラベルテーブル12aに登録されている経路情報を、障害回避用の経路情報(障害回避経路情報)に書き換える。書き換えにより、以降ノードN1が受信するパケットの経路が、障害回避経路に切り替わる。
【0072】
なお、障害検出時に切り替わる経路は、通常(無障害)時にラベルテーブル12aに設定された経路情報の中で、入力ポート、または出力ポートが障害発生ポートに合致する経路である。
【0073】
この障害回避制御部14には、障害回避経路情報が予め設定されている。
図7は、障害回避制御部が備える回避経路情報を示す図である。
本実施の形態では、障害回避経路情報はテーブル化されている。
【0074】
図7では、各ノードが備える障害回避経路管理テーブル14a〜84aをまとめて表している。例えば、障害回避経路管理テーブル14aは、障害回避制御部14が記憶するテーブルである。障害回避経路管理テーブル24aは、ノードN2の障害回避制御部が記憶するテーブルである。
【0075】
各障害回避経路管理テーブルには、ポート#1障害回避経路情報およびポート#2障害回避経路情報の欄が設けられている。
例えば、障害回避経路管理テーブル34aの障害回避ポート#1障害回避経路情報の欄およびポート#2障害回避経路情報の欄には、それぞれラベルテーブル32aに設定されている現用パスまたは予備パスを書き換える障害回避経路情報が設定されている。
【0076】
このように、現用パスから予備パスへ迂回する経路の分岐点、および予備パスから現用パスに流れを戻す点(合流点)に該当するノードでは通常時に現用パスのパケットの流れに影響を与えないために障害回避経路情報を予めラベルテーブル32aに設定せず、ノードN3の障害発生時に障害回避制御部14がラベルテーブル32aを書き換えることによって障害回避経路への切り替えを行う。
【0077】
再び図5に戻って説明する。
また、障害回避制御部14は、予備パステスト時に予備パステスト制御部16から予備パステスト用パケットTP1に含まれる条件の合致の問い合わせを受け付けると、障害回避経路管理テーブル14aを検索し、条件に合致する障害回避経路情報を予備パステスト制御部16に通知する。条件は、障害発生ポート、入力ポート、および入力時のラベル情報である。
【0078】
ここで、障害回避制御部14は、予備パステスト時にはラベルテーブル12aを書き換えない点が、実際に障害が発生したときの処理とは異なっている。
管理パケット処理部15は、管理パケット抽出部18a、18bが抽出した管理用パケットを解析する。そして、管理用パケットに含まれる内容に従い各種の保守処理を装置管理部11に指示し、必要に応じて応答を返す。
【0079】
また、管理パケット処理部15は、予備パステスト用パケットTP1を受信した場合、予備パステスト用パケットTP1を受信した旨を予備パステスト制御部16に通知する。また、予備パステスト制御部16からの予備パステスト用パケットTP1の送信指示を受け付けると、予備パステスト用パケットTP1を生成する。そして、生成した予備パステスト用パケットTP1の送信を管理パケット挿入部17aまたは管理パケット挿入部17bに指示する。
【0080】
予備パステスト制御部16は、予備パステスト開始時の予備パステスト用パケットTP1の生成・送信指示、および予備パステスト用パケットTP1受信時の経路確認、パケット転送・終端処理を行う。
【0081】
具体的には、予備パステスト制御部16は、予備パステスト用パケットTP1の生成時には、装置管理部11から指定された擬似障害発生ポイントを示す情報を予備パステスト用パケットTP1に格納する。そして、予備パステスト用パケットTP1の送信を管理パケット処理部15に指示する。
【0082】
また、予備パステスト制御部16は、予備パステスト用パケットTP1を受信したときは、パケット内に示される障害発生ポイントが自ノードのポートに該当するか否かチェックする。そして、障害発生ポイントが自ノードのポートに該当しない場合は、ラベルテーブル記憶部12に記憶されている経路情報を参照して予備パステスト用パケットTP1の転送を管理パケット処理部15に指示する。他方、障害発生ポイントが自ノードのポートに該当する場合は障害回避制御部14に障害回避経路情報を問い合わせて取得し、管理パケット処理部15に障害回避経路情報に従った予備パステスト用パケットTP1の転送を指示する。
【0083】
また、予備パステスト制御部16は、ノードN1が予備パステストの終端ノードに該当する場合に予備パステスト用パケットTP1を受信すると、予備パステストの結果を装置管理部11に通知する。
【0084】
管理パケット挿入部17a、17bは、管理パケット処理部15が生成した管理パケットを受け取り、指定された出力ポートに挿入し送出する。
管理パケット抽出部18a、18bは、入力ポートから管理パケットを抽出して管理パケット処理部15に渡す。
【0085】
障害検出部19a、19bは入力ポートまたは出力ポートのリンク障害を検出して障害回避制御部14に通知する。
なお、ノードN2〜N8もノードN1と同様の機能を有している。以下の説明では、各ノードが有する機能を、ノードの符号に対応付けて説明する。例えば、ノードN2が有する機能を、装置管理部21、ラベルテーブル記憶部22、ラベルスイッチ処理部23、障害回避制御部24、管理パケット処理部25、予備パステスト制御部26、管理パケット挿入部27a、27b、管理パケット抽出部28a、28b、障害検出部29a、29bとして説明する。また、ノードN3が有する機能を装置管理部31、・・・、障害検出部39a、39bとして説明する。
【0086】
次に、予備パステストを開始するときの予備パステスト制御部16の処理を説明する。
図8は、第2の実施の形態の予備パステストを開始するときの予備パステスト制御部の処理を示すフローチャートである。
【0087】
[ステップS1] 予備パステスト制御部16は、装置管理部11から対象パスおよび障害ポイントが指定された予備パステスト開始を受け付ける。その後、ステップS2に遷移する。
【0088】
[ステップS2] 予備パステスト制御部16は、ラベルテーブル12aの対象パスのノードN1の欄を検索し、経路情報が存在するか否かを判断する。経路情報が存在する場合(ステップS2のYes)、ステップS3に遷移する。経路情報が存在しない場合(ステップS2のNo)、ステップS5に遷移する。
【0089】
[ステップS3] 予備パステスト制御部16は、経路情報に基づいて、予備パステスト用パケットTP1を生成する。その後、ステップS4に遷移する。
[ステップS4] 予備パステスト制御部16は、生成した予備パステスト用パケットTP1の転送を管理パケット処理部15に指示する。その後、図8の処理を終了する。
【0090】
[ステップS5] 予備パステスト制御部16は、予備パステスト開始の失敗を装置管理部11に通知する。その後、図8の処理を終了する。
以上で図8の処理の説明を終了する。
【0091】
次に、予備パステスト時のノードN2〜N8の処理を説明する。以下、ノードN2〜N8を代表して、ノードN2の予備パステスト時の処理を説明する。
図9は、予備パステスト時の各ノードの処理を示すフローチャートである。
【0092】
[ステップS11] 管理パケット処理部25は、管理パケット抽出部28aが抽出した予備パステスト用パケットTP1を受け取り、パケット内容を解析する。その後、ステップS12に遷移する。
【0093】
[ステップS12] 予備パステスト制御部26は、ステップS11の解析の結果、疑似障害発生ポイントが自ノードに接するリンクに該当するか否かを判断する。疑似障害発生ポイントが自ノードに接するリンクに該当すると判断した場合(ステップS12のYes)、ステップS13に遷移する。疑似障害発生ポイントが自ノードに接するリンクに該当しないと判断した場合(ステップS12のNo)、ステップS16に遷移する。
【0094】
[ステップS13] 予備パステスト制御部26は、障害ポート、受信ポート、および受信ラベルを通知して障害回避経路情報を障害回避制御部24に問い合わせる。その後、ステップS14に遷移する。
【0095】
[ステップS14] 障害回避制御部24は、障害回避経路管理テーブル24aを参照し、条件に合致する障害回避経路情報が設定されているか否かを判断する。条件に合致する障害回避経路情報が障害回避経路管理テーブル24aに設定されている場合(ステップS14のYes)、ステップS15に遷移する。条件に合致する障害回避経路情報が障害回避経路管理テーブル24aに設定されていない場合(ステップS14のNo)、ステップS16に遷移する。
【0096】
[ステップS15] 予備パステスト制御部26は、経路情報の設定に従って、現用パスから予備パス、または、予備パスから現用パスに経路を切り替えて、管理パケット処理部15に予備パステスト用パケットTP1の転送を指示する。その後、図9の処理を終了する。
【0097】
[ステップS16] 障害回避制御部24は、ラベルテーブル22aを検索し、予備パステスト用パケットTP1を受信したポートおよびラベルに合致する経路情報が存在するか否かを判断する。合致する経路情報が存在する場合(ステップS16のYes)、ステップS17に遷移する。合致する経路情報が存在しない場合(ステップS16のNo)、ステップS21に遷移する。
【0098】
[ステップS17] 障害回避制御部24は、ステップS16にて合致した経路情報に、転送先のポートとラベルが設定されているか否かを判断する。転送先のポートとラベルが設定されている場合(ステップS17のYes)、ステップS18に遷移する。転送先のポートとラベルが設定されていない場合(ステップS17のNo)、ステップS19に遷移する。
【0099】
[ステップS18] 障害回避制御部24は、予備パステスト用パケットTP1のラベルを、ステップS16にて合致した経路情報に設定されているラベルに書き換える。そして、ステップS16にて合致した経路情報に設定されているポートにパケットを転送する。その後、図9の処理を終了する。
【0100】
[ステップS19] 予備パステスト制御部26は、転送先のポートはネットワークシステム100の終端ノードのポートか否かを判断する。転送先のポートがネットワークシステム100の終端ノードのポートである場合(ステップS19のYes)、ステップS20に遷移する。転送先のポートがネットワークシステム100の終端ノードのポートではない場合(ステップS19のNo)、ステップS21に遷移する。
【0101】
[ステップS20] 予備パステスト制御部26は、予備パステスト結果の成功を装置管理部21に通知する。その後、図9の処理を終了する。
[ステップS21] 予備パステスト制御部26は、予備パステスト結果の失敗を装置管理部21に通知する。その後、図9の処理を終了する。
【0102】
以上で、図9の処理の説明を終了する。
次に、ノードN3のポート#2とノードN4のポート#1間で実際に障害が発生したときのネットワークシステム100の動作を説明する。
【0103】
図10は、ノード間で実際に障害が発生したときのネットワークシステムの動作を説明する図であり、図11、図12は、ノード間で実際に障害が発生したときのラベルテーブルの書き換えを説明する図である。
【0104】
ノードN3は、ポート#2に接続されている障害検出部39aが障害を検出すると、障害回避制御部34は、図11に示すように、ラベルテーブル32aの予備パスの欄に設定されている経路情報を、障害回避経路管理テーブル34aのポート#2障害回避経路情報の欄に設定されている障害回避経路情報に書き換える。また、障害回避制御部34は、ラベルテーブル32aの現用パスの欄に設定されている経路情報を消去する。これにより、現用パスから予備パスへ経路を切り替え、パケットを予備パスに迂回させる。
【0105】
また、ノードN4は、ポート#1に接続されている障害検出部49bが障害を検出すると、障害回避制御部44は、図12に示すように、ラベルテーブル42aの予備パスの欄に設定されている経路情報を、障害回避経路管理テーブル44aのポート#1障害回避経路情報の欄に設定されている障害回避経路情報に書き換える。また、障害回避制御部44は、ラベルテーブル42aの現用パスの欄に設定されている経路情報を消去する。これにより、予備パスから現用パスへ経路を切り替え、パケットを現用パスに戻している。
【0106】
その他のノードN1、N2、N5〜N8では、各ノードのラベルテーブルに設定されている既存の現用・予備パスの設定で無障害時と同様に転送することで、図10に示すような障害回避経路が形成される。
【0107】
次に、このネットワークシステム100の予備パステスト実施時の動作を説明する。
図13は、現用パスの始点ノードから予備パステストを実施した時の様子を示す図である。
【0108】
本具体例では、ノードN3とノードN4間のリンク障害が発生したことを想定し、擬似障害発生ポイントを、ノードN3とノードN4間に設定する。
図13に示すように、ノードN1は、予備パステスト用パケットTP1を生成する。具体的には、ノードN1は、領域F2に「T」、領域F3に「N1」、領域F4に「W3」を格納し、領域F1に「W1」を付与した予備パステスト用パケットTP1を生成する。そして、管理パケット処理部15は、生成した予備パステスト用パケットTP1をノードN1のポート#1より送出する。
【0109】
予備パステスト用パケットTP1を受信したノードN2の予備パステスト制御部26は、予備パステスト用パケットTP1の内容を確認し、障害発生ポイントが自ノードN2に接しているか否かを判断する。本具体例では、領域F4に「W3」(実際にはW3ラベルの値ではなく、図3のテストパケット例の通り「N3#2、N4#1」)が格納されているので、予備パステスト制御部26は、障害発生ポイントが自ノードN2に接していないと判断する。
【0110】
予備パステスト制御部26は、ラベルテーブル22aに設定されている経路情報に従って予備パステスト用パケットTP1を次ノードに転送するよう管理パケット処理部25に指示する。具体的には、図6に示すラベルテーブル22aの現用パスのノードN2の経路情報「(#3−W1)→(#2−W2)」に従い、予備パステスト用パケットTP1の領域F1のラベルを「W1」から「W2」に交換してポート#2に送出する。
【0111】
図14は、予備パステスト用パケットが障害発生ポイントの隣接ノードに達したときの様子を示す図である。
予備パステスト制御部36は、予備パステスト用パケットTP1の内容を確認し、障害発生ポイントが自ノードN3に接しているか否かを判断する。本具体例では、領域F4に「W3」が格納されているので、予備パステスト制御部36は、予備パステスト用パケットTP1に含まれる障害発生ポイントがノードN3に接するリンク(ポート)の障害であると判断する。このため、予備パステスト制御部36は、予備パステスト用パケットTP1に対する障害回避経路を障害回避制御部34に問い合わせる。そして、予備パステスト制御部36は、問い合わせにより得られた障害回避経路に予備パステスト用パケットTP1を転送するよう管理パケット処理部35に指示する。
【0112】
具体的には、予備パステスト制御部36は、予備パステスト用パケットTP1の情報により、障害発生ポート=#2、入力ポート=#1、ラベル=W2の条件で回避経路を障害回避制御部34に問い合わせる。障害回避制御部34は、障害回避経路管理テーブル34aのポート#2障害回避経路情報の欄に設定されている障害回避経路情報「(#1−W2)→(#1−P1)」が入力ポートおよびラベルに合致するため、この障害回避経路情報を予備パステスト制御部36に返す。予備パステスト制御部36は、予備パステスト用パケットTP1のラベル「W2」を「P1」に交換してポート#1から送出するよう管理パケット処理部35に指示する。
【0113】
ここでは障害回避制御部34は、ラベルテーブル32aの情報を予備パス迂回用に書き換える訳ではないので、予備パスに転送されるパケットはあくまでも予備パステスト用パケットTP1のみである。予備パステスト用パケットTP1以外のパケットは、ラベルスイッチ処理部33がラベル「W2」を「W3」に交換し、現用パス側、すなわち、ノードN4に転送する。
【0114】
図15は、予備パスに迂回した予備パステスト用パケットが順次予備パスのノードを経由して転送される様子を示す図である。
ノードN2、ノードN7、ノードN8およびノードN5は、予備パステスト用パケットTP1を受信すると、予備パステスト用パケットTP1の内容を確認する。ノードN2、ノードN7、ノードN8およびノードN5は、障害発生ポイントが自ノードに接していないため、各ノードが備えるラベルテーブルに予め設定されている予備パスの経路情報に従って、予備パステスト用パケットTP1を次のノードに転送する。
【0115】
図16は、予備パスを迂回してきた予備パステスト用パケットが障害発生ポイントに隣接するノードに達した様子を示す図である。
予備パステスト用パケットTP1を受信したノードN4の予備パステスト制御部46は、予備パステスト用パケットTP1が示す障害発生ポイントが、ノードN4に接するリンク(ポート)の障害であるため、受信した予備パステスト用パケットTP1に対する障害回避経路を障害回避制御部44に問い合わせる。そして応答に含まれる障害回避経路にパケットを転送するよう管理パケット処理部45に指示する。
【0116】
具体的には、予備パステスト制御部46は予備パステスト用パケットTP1の情報により、障害発生ポート=#1、入力ポート=#2、ラベル=P5の条件で障害回避経路を障害回避制御部44に問い合わせる。障害回避制御部44は、障害回避経路管理テーブル44aのポート#1障害回避経路情報の欄に設定されている障害回避経路情報(#2−P5)→(#2−W4)が、入力ポートおよびラベル条件に合致するため、この障害回避経路情報を予備パステスト制御部46に返す。予備パステスト制御部46は、予備パステスト用パケットTP1のラベルを「P5」から「W4」に交換してポート#2から送出するよう管理パケット処理部45に指示する。
【0117】
図17は、現用パスに戻った予備パステスト用パケットがそのまま現用パスの続きを流れ、パス終端ノードに達した様子を示す図である。
予備パステスト用パケットTP1を受信したノードN6は、予備パステスト用パケットTP1が到着したことを装置管理部61に通知する。装置管理部61は、外部端末等に予備パステストの成功を表示する。
【0118】
以上述べたように、ネットワークシステム100によれば、予備パステスト用パケットTP1をパスの始点から流し、指定した擬似障害発生ポイントを迂回して回避する予備パスの経路を経由して最終的にパスの終点ノードでテスト結果を通知することにより、予備パスの有効性を確認できる。
【0119】
また、予備パステスト中も現用パスを流れる通常のサービストラフィックには影響を与えることなく予備パスの疎通テストができるため、運用開始後も適宜予備回線の有効性を確認することが可能となる。これにより予備パスの有効性を容易に確認することができ、ネットワークの信頼性を向上させることができる。
【0120】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態のネットワークシステムについて説明する。
以下、第3の実施の形態のネットワークシステムについて、前述した第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0121】
上述した第2の実施の形態では、現用パスの始点ノードから終点ノードまでの一方向の経路に対する予備パステスト方法を説明した。しかし、ネットワーク上のトラフィックのパスは両終端ノード間で双方向の流れを持ち、かつ上下線共に同じ経路を設定するケースが多い。その場合、同じ障害ポイントについて上下線双方向を一度にテストできた方がより便利である。
【0122】
第3の実施の形態のネットワークシステム100は、第2の実施の形態のパスを順方向としたときの、逆方向のパスに対しても自動的にテストを実施することができるシステムである。
【0123】
本実施の形態のネットワークシステム100は、予備パステスト用パケットに含まれる情報が、第2の実施の形態のネットワークシステム100と異なっている。
図18は、第3の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
【0124】
本実施の形態の予備パステスト制御部16が生成する予備パステスト用パケットTP2には、終端ノードに到達したことを返信パケットによって開始ノード側に示すため、終端ノードを識別する情報を格納する領域F5が追加されている。なお、終端ノードに到達するまでは、領域F5には情報は設定されない(空白である)。
【0125】
図19は、第3の実施の形態のネットワークシステムの予備パステストの動作を説明する図である。
テスト開始時にノードN1が予備パステスト用パケットTP2を送信すること以外は、ノードN1からノードN6への予備パステスト用パケットTP2の予備パステストの動作および経路は第2の実施の形態と同じである。以下、ノードN1からノードN6への予備パステスト用パケットTP2の経路を「往路」と言う。
【0126】
終端ノードであるノードN6が、予備パステスト用パケットTP2を受信すると、ノードN6は、予備パステスト用パケットTP2をノードN1に返信する。具体的には、予備パステスト制御部66は、返信する予備パステスト用パケットTP2の種別を格納する領域F2、開始ノード障害発生ポイントを格納する領域F4にはノードN6が受信した予備パステスト用パケットTP2と同じ情報を格納する。そして、受信時に空白であった終端ノードを格納する領域F5には終端ノードである自ノードN6を識別する「N6」を格納する。そしてラベル「W5」を付与してノードN6のポート#1より送出する。
【0127】
ノードN6から送出された予備パステスト用パケットTP2は、往路の説明と同様に往路と同じ経路の各ノードの経路情報をチェックしながら予備パスを通過して、回線や設定に問題が無ければ最終的にノードN1に戻って来る。
【0128】
予備パステスト用パケットTP2を受信したノードN1は、予備パステスト用パケットTP2の領域F5を確認することで、終端ノードへの到達が確認できる。予備パステストが到着したことを装置管理部11に通知する。装置管理部11は、外部端末等に予備パステストの成功を表示する。
【0129】
ここで、ノードN1は、送信を開始したノードを識別する情報を格納する領域F3にノードN1が格納されているため、予備パステスト用パケットTP2を返信しない。これにより、テストを開始したノードN1に戻った予備パステスト用パケットTP2を再び返信すること(キャッチボール処理)を抑制することができる。
【0130】
この第3の実施の形態のネットワークシステム100によれば、第2の実施の形態のネットワークシステム100と同様の効果が得られる。
そして、第3の実施の形態のネットワークシステム100によれば、さらに、ノードN1では自ノードから予備パステストを開始しているので、ノードN6との間の双方向のパスに対してテストが完了したことを報告することができる。
【0131】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態のネットワークシステムについて説明する。
以下、第4の実施の形態のネットワークシステムについて、前述した第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0132】
第2の実施の形態では、ネットワーク上の障害発生ポイントを回線上の一箇所に限定していたが、本実施の形態では、ノードの障害や複数区間の障害に対する回避テストを実施する点が第2の実施の形態とは異なっている。すなわち、ノードに障害が発生した場合は、障害が発生したノードの両端の経路が使用不能になる。
【0133】
図20は、第4の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
本実施の形態の予備パステスト制御部16は、予備パステスト用パケットTP1の擬似障害発生ポイントを格納する領域F4に、異なるリンクでの2箇所の疑似障害発生ポイントを指定する。
【0134】
そして、各ノードは、受信した予備パステスト用パケットTP1に含まれる全ての擬似障害発生ポイントについて、それぞれ自ノードに接するか否かを判定する。
図21は、第4の実施の形態のネットワークシステムの予備パステスト実施時の動作を示す図である。
【0135】
図21では、ノードN4のノード障害、またはノードN3−ノードN4間とノードN4−ノードN5間の2箇所の回線障害を想定して予備パステストを実施する例を示している。
【0136】
現用パスの始点ノードであるノードN1の予備パステスト制御部16は、領域F2に「T」、領域F3に「N1」、領域F4に2箇所の障害発生ポイント「W3、W4」を格納し、領域F1に「W1」を付与した予備パステスト用パケットTP1を生成する。そして、管理パケット処理部15は、生成した予備パステスト用パケットTP1をノードN1のポート#1より送出する。
【0137】
予備パステスト用パケットTP1を受信したノードN2の予備パステスト制御部26は、予備パステスト用パケットTP1の内容を確認し、障害発生ポイントが自ノードN2に接しているか否かを判断する。本具体例では、領域F4に「W3」が格納されているので、予備パステスト制御部26は、障害発生ポイントが自ノードN2に接していないと判断する。
【0138】
予備パステスト制御部26は、ラベルテーブル22aの現用パスに設定されている経路情報に従って、ラベルを「W1」から「W2」に交換する。そして、管理パケット処理部25は、予備パステスト用パケットTP1を次のノードに転送する。
【0139】
予備パステスト用パケットTP1を受信した予備パステスト制御部36は、予備パステスト用パケットTP1の内容を確認し、障害発生ポイントが自ノードN3に接しているか否かを判断する。本具体例では、領域F4に予備パステスト用パケットTP1が示す障害発生ポイントの1つ「W3」が格納されているので、予備パステスト用パケットTP1に含まれる障害発生ポイントがノードN3に接するリンク(ポート)の障害であると判断する。
【0140】
このため、予備パステスト制御部36は、予備パステスト用パケットTP1に対する障害回避経路を障害回避制御部34に問い合わせる。そして、予備パステスト制御部36は、問い合わせにより得られた障害回避経路情報のポートおよびラベルに従って予備パステスト用パケットTP1を転送するよう管理パケット処理部35に指示する。
【0141】
予備パステスト用パケットTP1を受信したノードN5の予備パステスト制御部56は、予備パステスト用パケットTP1の内容を確認し、障害発生ポイントが自ノードN5に接しているか否かを判断する。本具体例では、領域F4に予備パステスト用パケットが示す障害発生ポイントの1つ「W4」が格納されているので、予備パステスト用パケットTP1に含まれる障害発生ポイントがノードN5に接するリンク(ポート)の障害であると判断する。
【0142】
このため、予備パステスト制御部56は、予備パステスト用パケットTP1に対する障害回避経路を障害回避制御部54に問い合わせる。そして、予備パステスト制御部56は、問い合わせにより得られた障害回避経路情報のポートおよびラベルに従って予備パステスト用パケットTP1を転送するよう管理パケット処理部55に指示する。
【0143】
その後、予備パステスト用パケットTP1を受信したノードN6は、予備パステストが到着したことを装置管理部61に通知し、装置管理部61は、外部端末等に予備パステストの成功を表示する。
【0144】
この第4の実施の形態のネットワークシステム100によれば、第2の実施の形態のネットワークシステム100と同様の効果が得られる。
そして、第4の実施の形態のネットワークシステム100によれば、さらに、ノード障害や複数区間の障害に対する回避テストを実施することができる。
【0145】
<第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態のネットワークシステムについて説明する。
以下、第5の実施の形態のネットワークシステムについて、前述した第2〜第4の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0146】
第5の実施の形態では、予備パスを通過したかどうかを識別する情報を記録する点が、第2〜第4の実施の形態と異なっている。
図22は、第5の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
【0147】
第5の実施の形態の予備パステスト制御部16は、以下の3種類の情報を格納する領域F6〜F8を備える予備パステスト用パケットTP3を生成する。
領域F6には、現用パスから予備パスへの分岐ノードを識別する情報(以下、分岐ノード識別情報と言う)が格納される。本実施の形態では、自ノードのIDを格納する。
【0148】
領域F7には、予備パスから現用パスへの合流ノードを識別する情報(以下、合流ノード識別情報と言う)が格納される。本実施の形態では、自ノードのIDを格納する。
領域F8には、パスの始点から終点までの間に経由するノードの数が格納される。
【0149】
各ノードの予備パステスト制御部は、予備パステスト用パケットを受信した際、現用パスから予備パスに転送を決めた場合に領域F6に自ノードのIDを格納する。逆に、予備パスから現用パスに転送を決めた場合は領域F7に自ノードのIDを格納する。
【0150】
また、各ノードの予備パステスト制御部は、受信した予備パステスト用パケットの領域F8のノード数を1カウントアップして次のノードに転送する。
次に、第5の実施の形態の予備パステスト開始ノードのパケット送信処理を説明する。
【0151】
図23は、第5の実施の形態の予備パステストを開始するときの予備パステスト制御部の処理を示すフローチャートである。
[ステップS1] 予備パステスト制御部16は、装置管理部11から対象パスおよび障害ポイントが指定された予備パステスト開始を受け付ける。その後、ステップS2に遷移する。
【0152】
[ステップS2] 予備パステスト制御部16は、ラベルテーブル12aの対象パスのノードN1の欄を検索し、経路情報が存在するか否かを判断する。経路情報が存在する場合(ステップS2のYes)、ステップS3aに遷移する。経路情報が存在しない場合(ステップS2のNo)、ステップS5に遷移する。
【0153】
[ステップS3a] 予備パステスト制御部16は、予備パステスト用パケットTP3の情報を生成する。このとき、領域F6、F7は、空白とする。また、領域F8には「0」を設定する。その後、ステップS4に遷移する。
【0154】
[ステップS4] 予備パステスト制御部16は、生成した予備パステスト用パケットの転送を管理パケット処理部15に指示する。その後、図23の処理を終了する。
[ステップS5] 予備パステスト制御部16は、予備パステスト開始の失敗を装置管理部11に通知する。その後、図23の処理を終了する。
【0155】
次に、第5の実施の形態の予備パステスト時のノードN2〜N8の処理を説明する。以下、ノードN2〜N8を代表して、ノードN2の予備パステスト時の処理を説明する。
図24は、第5の実施の形態の予備パステスト時の各ノードの処理を示すフローチャートである。
【0156】
[ステップS11] 管理パケット処理部25は、管理パケット抽出部28aが抽出した予備パステスト用パケットTP3を受け取り、パケット内容を解析する。その後、ステップS11aに遷移する。
【0157】
[ステップS11a] 予備パステスト制御部26は、経由ノード数記録処理を行う。具体的には、受信した予備パステスト用パケットTP3の領域F8に格納されているノード数を1カウントアップして更新する。その後、ステップS12に遷移する。
【0158】
[ステップS12] 予備パステスト制御部26は、ステップS11の解析の結果、疑似障害発生ポイントが自ノードに接するリンクに該当するか否かを判断する。疑似障害発生ポイントが自ノードに接するリンクに該当すると判断した場合(ステップS12のYes)、ステップS13に遷移する。疑似障害発生ポイントが自ノードに接するリンクに該当しないと判断した場合(ステップS12のNo)、ステップS16に遷移する。
【0159】
[ステップS13] 予備パステスト制御部26は、障害ポート、受信ポート、および受信ラベルを通知して障害回避経路情報を障害回避制御部24に問い合わせる。その後、ステップS14に遷移する。
【0160】
[ステップS14] 障害回避制御部24は、障害回避経路管理テーブル24aを参照し、条件に合致する障害回避経路情報が設定されているか否かを判断する。条件に合致する障害回避経路情報が障害回避経路管理テーブル24aに設定されている場合(ステップS14のYes)、ステップS14aに遷移する。条件に合致する障害回避経路情報が障害回避経路管理テーブル24aに設定されていない場合(ステップS14のNo)、ステップS16に遷移する。
【0161】
[ステップS14a] 予備パステスト制御部26は、経路切り替えノード記録処理を行う。その後、ステップS15に遷移する。
[ステップS15] 予備パステスト制御部26は、経路情報の設定に従って、現用パスから予備パス、または、予備パスから現用パスに経路を切り替えて、管理パケット処理部15に予備パステスト用パケットTP3の転送を指示する。その後、図24の処理を終了する。
【0162】
[ステップS16] 障害回避制御部24は、ラベルテーブル22aを検索し、予備パステスト用パケットTP3を受信したポートおよびラベルに合致する経路情報が存在するか否かを判断する。合致する経路情報が存在する場合(ステップS16のYes)、ステップS17に遷移する。合致する経路情報が存在しない場合(ステップS16のNo)、ステップS21に遷移する。
【0163】
[ステップS17] 障害回避制御部24は、ステップS16にて合致した経路情報に、転送先のポートとラベルが設定されているか否かを判断する。転送先のポートとラベルが設定されている場合(ステップS17のYes)、ステップS18に遷移する。転送先のポートとラベルが設定されていない場合(ステップS17のNo)、ステップS19に遷移する。
【0164】
[ステップS18] 障害回避制御部24は、予備パステスト用パケットTP3のラベルを、ステップS16にて合致した経路情報に設定されているラベルに書き換える。そして、ステップS16にて合致した経路情報に設定されているポートにパケットを転送する。その後、図9の処理を終了する。
【0165】
[ステップS19] 予備パステスト制御部26は、転送先のポートはネットワークシステム100の終端ノードのポートか否かを判断する。転送先のポートがネットワークシステム100の終端ノードのポートである場合(ステップS19のYes)、ステップS20に遷移する。転送先のポートがネットワークシステム100の終端ノードのポートではない場合(ステップS19のNo)、ステップS21に遷移する。
【0166】
[ステップS20] 予備パステスト制御部26は、予備パステスト結果の成功を装置管理部21に通知する。その後、図24の処理を終了する。
[ステップS21] 予備パステスト制御部26は、予備パステスト結果の失敗を装置管理部21に通知する。その後、図24の処理を終了する。
【0167】
以上で、図24の処理の説明を終了する。
次に、ステップS14aの経路切り替えノード記録処理を詳しく説明する。
図25は、経路切り替えノード記録処理を示すフローチャートである。
【0168】
[ステップS14a1] 予備パステスト制御部16は、分岐ノード識別情報が領域F6に格納されているか否かを判断する。分岐ノード識別情報が領域F6に格納されている場合(ステップS14a1のYes)、ステップS14a2に遷移する。分岐ノード識別情報が領域F6に格納されていない場合(ステップS14a1のNo)、ステップS14a3に遷移する。
【0169】
[ステップS14a2] 予備パステスト制御部16は、受信した予備パステスト用パケットTP3の領域F7に合流ノード識別情報として自ノードのIDを設定する。その後、経路切り替えノード記録処理を終了する。
【0170】
[ステップS14a3] 予備パステスト制御部16は、受信した予備パステスト用パケットTP3の領域F6に分岐ノード識別情報として自ノードのIDを設定する。その後、経路切り替えノード記録処理を終了する。
【0171】
以上で経路切り替えノード記録処理の説明を終了する。
次に、第5の実施の形態のネットワークシステム100の予備パステスト実施時の動作を、具体例を用いて説明する。
【0172】
具体例では、第2の実施の形態と同様に、ノードN3とノードN4間のリンク障害が発生したことを想定し、擬似障害発生ポイントを、ノードN3とノードN4間に設定する。
図26は、第5の実施の形態の具体例の現用パスのみ通過した場合の予備パステスト用パケットのデータの遷移を説明する図である。
【0173】
図26に示すテーブルT1は、予備パステストを実施した場合において、予備パステスト用パケットTP3が現用パスのみを通過した場合の各領域にそれぞれ格納される情報の遷移を示している。
【0174】
テーブルT1に示す経由ノードの欄は、予備パステスト用パケットTP3が経由するノードを識別する情報を示している。分岐ノードの欄は、予備パステスト用パケットTP3の領域F6に格納される分岐ノード識別情報を示している。合流ノードの欄は、予備パステスト用パケットTP3の領域F7に格納される合流ノード識別情報を示している。経由ノード数の欄は、予備パステスト用パケットTP3の領域F8に格納されるノード数を示している。
【0175】
仮に、予備パステスト用パケットTP3が、現用パスのみを通過した場合、現用パスと予備パスの間の経路の変更が無いため、予備パステスト用パケットTP3の領域F6、および領域F7には何も情報が格納されずに終点のノードN6に到達する。また、領域F8のノード数は、ノードを経由する度にインクリメントされる。
【0176】
図27は、第5の実施の形態の具体例の現用パスと予備パスとを通過した場合の予備パステスト用パケットのデータの遷移を説明する図である。
テーブルT2は、具体例の予備パステストを実施した場合において、予備パステスト用パケットTP3が予備パスを経由した場合の領域F6、F7、F8にそれぞれ格納される情報の遷移を示している。
【0177】
ノードN3で現用パスから予備パスへ予備パステスト用パケットTP3を迂回させているため、ノードN3経由時に予備パステスト制御部36は、予備パステスト用パケットTP3の領域F6に「ノードN3」を格納する。また、ノードN4で予備パスから現用パスに戻しているため、ノードN4経由時に予備パステスト制御部46は、予備パステスト用パケットTP3の領域F7に「ノードN4」を格納する。これにより、終点のノードN6に到達した時点では分岐ノードと合流ノードの間で予備パスを経由したことを確認することができる。
【0178】
さらに、各ノードは、予備パステスト用パケットTP3を転送するときに、予備パステスト用パケットTP3の領域F8のノード数をインクリメントするので、終点のノードN6は、予備パスを経由した場合と経由しない場合との経路とコストの差を確認することができる。
【0179】
この第5の実施の形態のネットワークシステム100によれば、第2の実施の形態のネットワークシステム100と同様の効果が得られる。
そして、第5の実施の形態のネットワークシステム100によれば、さらに、予備パステスト結果の報告として予備パスを通過したかどうか判断することができる。
【0180】
<第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態のネットワークシステムについて説明する。
以下、第6の実施の形態のネットワークシステムについて、前述した第5の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0181】
図28は、第6の実施の形態のネットワークシステムを示す図である。
第5の実施の形態では、リングネットワークにおける予備パステストについて説明したが、第6の実施の形態のネットワークシステム100aは、ノードN1〜N6が、網の目状のネットワーク(メッシュネットワーク)を形成している点が異なっている。
【0182】
メッシュネットワークでは、各ノード間のリンクが増えることからパス経路も多岐に渡る。しかし、MPLS−TP方式ではリングネットワークと同様に基本的に現用パスのあるポイントで障害発生した場合の回避経路となる予備パスは予め決められている。このため、各ノードに設定済み、または切り替え用に設定している予備パスをチェックしながら予備パステスト用パケットによって経路をトレースすることができる。
【0183】
但し、メッシュネットワークではリングネットワークの障害回避方式とは異なり、障害発生ポイント手前のノードで予備パスに迂回した後に、再び障害の影響を受けない直近の現用パスに戻るとは限らない。
【0184】
図28に示す予備パスは、ノードN2とノードN3との間のリンク障害に対して、予備経路のノードN5、N6をこの順に経由した後、ノードN3には向かわずに、直接終点ノードであるノードN4に向かっている。
【0185】
これは、メッシュネットワークのトポロジーを活用してコストの低い最短経路を設定しているためであり、ネットワークを運用する上でもこのように経路が設定されるのが一般的である。
【0186】
図29は、第6の実施の形態のラベルテーブルおよび障害回避経路管理テーブルを示す図である。
図29では、各ノードが備える全てのラベルテーブルおよび障害回避経路管理テーブルを表している。
【0187】
ノードN4のラベルテーブル42bの現用パスの欄、および予備パスの欄に示すように、それぞれ経路情報(ポート#2、ラベルW3)、経路情報(ポート#1、ラベルP3)どちらのパスから受信したパケットも終端ポート#yに合流するようになっている。
【0188】
このためノードN4では経路の切り替え、つまり、ラベルテーブル42bの書換えを実施しなくてもパケットを受信でき、障害回避経路管理テーブル44bには障害回避経路情報が設定されていない。これは、予備パスの始点にあたるノードN2で送信方向を切り替えているため、通常(無障害)時に予備パスにパケット流入することがないという前提の上に成り立っている。
【0189】
図30は、第6の実施の形態の予備パステスト用パケットを示す図である。
前述したように、メッシュネットワークでは現用パスと予備パスが合流するノードでの経路の切り替えが無いので、第6の実施の形態の予備パステスト用パケットTP4は、予備パステスト用パケットTP3に比べ、予備パスから現用パスへの合流ノード用の領域F7が省略されている。また、予備パステストの終端ノードの結果判定において合流ノードの情報が欠如していても失敗とはみなさないようにする。
【0190】
図31は、第6の実施の形態のネットワークシステムの予備パステストの動作を説明する図である。
予備パステストの開始ノードであるノードN1、および障害発生ポイントに接するノードN2、予備パスの中継ノードであるノードN5、およびノードN6についてはリングネットワークの場合と同じ処理を行う。
【0191】
予備パステストの終端ノードであるノードN4の管理パケット抽出部48aは、予備パステスト用パケットTP4をポート#1、ラベルP3で受信する。予備パステスト用パケットTP4の受信を通知された予備パステスト制御部46は、ラベルテーブル42bを検索する。すると、予備パステスト用パケットTP4に含まれるポートおよびラベルが、予備パスのノードN4に格納されている経路情報((#1−P3)→(#y ))に合致することから、自ノードN4が予備パステストの終端ノードであることを認識し、装置管理部41に予備パステストの結果を通知する。
【0192】
この第6の実施の形態のネットワークシステム100aによれば、第5の実施の形態のネットワークシステム100と同様の効果が得られる。
そして、第6の実施の形態のネットワークシステム100aによれば、さらに、メッシュネットワークにも適用可能である。
【0193】
以上、本発明のパケット転送装置およびパケット転送方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0194】
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、パケット転送装置1またはノードN1〜N8が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。磁気記憶装置には、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等が挙げられる。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)/RW(ReWritable)等が挙げられる。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等が挙げられる。
【0195】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0196】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0197】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【0198】
以上の第1〜第6の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 同一ネットワーク内の宛先装置に対しパケットを送信する経路を複数有するパケット転送装置において、
パケットを受信する受信部と、
受信した前記パケットのうち、検証対象の経路を検証するテストパケットを抽出する抽出部と、
前記受信部が受信したパケットの転送先の経路を示す第1の経路情報と前記第1の経路情報に示される前記パケットの転送先の経路を前記検証対象の経路に切り替える第2の経路情報とを記憶する記憶部と、
前記抽出部により前記テストパケットが抽出されると前記記憶部に記憶されている前記第2の経路情報に基づいて前記テストパケットの転送先の経路を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記経路に従って前記テストパケットを転送する転送部と、
を有することを特徴とするパケット転送装置。
【0199】
(付記2) 前記テストパケットは、前記ネットワークに擬似的に設定した経路不使用箇所の情報を含み、
前記決定部は、前記経路不使用箇所の情報と前記記憶部に記憶されている前記第2の経路情報に基づいて前記テストパケットの転送先の経路を決定することを特徴とする付記1記載のパケット転送装置。
【0200】
(付記3) 前記決定部は、前記テストパケットに含まれる前記経路不使用箇所の情報により当該パケット転送装置が経路不使用箇所に接しているか否かを判断し、接していると判断したときに前記第2の経路情報に基づいて前記テストパケットが通過する経路を前記検証対象の経路に切り替えることを特徴とする付記2記載のパケット転送装置。
【0201】
(付記4) 前記テストパケットを生成する生成部を有することを特徴とする付記1記載のパケット転送装置。
(付記5) 前記テストパケットは、前記テストパケットの宛先のパケット転送装置を識別する情報を格納する宛先情報格納領域を含み、
当該パケット転送装置が前記テストパケットの宛先であることを識別すると、前記宛先情報格納領域に当該パケット転送装置を識別する情報を格納した前記テストパケットを前記ネットワークに送信する識別部をさらに有することを特徴とする付記1記載のパケット転送装置。
【0202】
(付記6) 前記テストパケットは、前記テストパケットの送信を開始したパケット転送装置を識別する情報を格納する送信先情報格納領域を含み、
前記識別部は、前記送信先情報格納領域に格納された情報に基づいて当該パケット転送装置が前記テストパケットの送信を開始したパケット転送装置であることを識別すると、前記テストパケットの送信を行わないことを特徴とする付記5記載のパケット転送装置。
【0203】
(付記7) 前記テストパケットは、複数の経路不使用箇所の情報を有することを特徴とする付記1記載のパケット転送装置。
(付記8) 前記テストパケットは、経路記憶領域を有し、
前記決定部は、前記テストパケットの経路を決定するときに経路を切り替えた前記パケット転送装置を識別する情報を前記経路記憶領域に記憶することを特徴とする付記1記載のパケット転送装置。
【0204】
(付記9) 前記経路記憶領域は、予め定められた第1の経路から第2の経路に経路を切り替えた前記パケット転送装置を識別する情報を記憶する第1の経路記憶領域と、前記第2の経路から前記第1の経路に経路を切り替えた前記パケット転送装置を識別する情報を記憶する第2の経路記憶領域とを有し、
前記決定部は、前記第1の経路から前記第2の経路に経路を切り替えるときに前記パケット転送装置を識別する情報を前記第1の経路記憶領域に記憶し、前記第2の経路から前記第1の経路に経路を切り替えるときに前記パケット転送装置を識別する情報を前記第2の経路記憶領域に記憶することを特徴とする付記8記載のパケット転送装置。
【0205】
(付記10) 前記テストパケットは、パケット転送時に経由した装置の数を格納するカウンタ領域を含み、
前記決定部は、転送する前記テストパケットの前記カウンタ領域をインクリメントすることを特徴とする付記1記載のパケット転送装置。
【0206】
(付記11) 同一ネットワーク内の宛先装置に対しパケットを送信する経路を複数有するパケット転送方法において、
パケットを受信し、
受信した前記パケットのうち、検証対象の経路を検証するテストパケットを抽出し、
前記テストパケットが抽出されると、受信したパケットの転送先の経路を示す第1の経路情報に示される前記パケットの転送先の経路を前記検証対象の経路に切り替える第2の経路情報に基づいて前記テストパケットの転送先の経路を決定し、
決定した前記経路に従って前記テストパケットを転送する、
ことを特徴とするパケット転送方法。
【符号の説明】
【0207】
1、2、3、4、5、6 パケット転送装置
1a 受信部
1b 抽出部
1c 記憶部
1d 決定部
1e 転送部
7a テストパケット
7b パケット
10、100、100a ネットワークシステム
11、21、31、41、61 装置管理部
12 ラベルテーブル記憶部
12a〜82a、12b〜62b ラベルテーブル
13、23、33 ラベルスイッチ処理部
14、24、34、44、54 障害回避制御部
14a〜84a、14b〜64b 障害回避経路管理テーブル
15、25、35、45、55 管理パケット処理部
16、26、36、46、56、66 予備パステスト制御部
17a、17b、27a、27b 管理パケット挿入部
18a、18b、28a、28b、48a 管理パケット抽出部
19a、19b、29a、29b、39a、39b、49 障害検出部
200、300 ノンラベルスイッチネットワーク
F1〜F8 領域
N1〜N8 ノード
TP1〜TP4 予備パステスト用パケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一ネットワーク内の宛先装置に対しパケットを送信する経路を複数有するパケット転送装置において、
パケットを受信する受信部と、
受信した前記パケットのうち、検証対象の経路を検証するテストパケットを抽出する抽出部と、
前記受信部が受信したパケットの転送先の経路を示す第1の経路情報と前記第1の経路情報に示される前記パケットの転送先の経路を前記検証対象の経路に切り替える第2の経路情報とを記憶する記憶部と、
前記抽出部により前記テストパケットが抽出されると前記記憶部に記憶されている前記第2の経路情報に基づいて前記テストパケットの転送先の経路を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記経路に従って前記テストパケットを転送する転送部と、
を有することを特徴とするパケット転送装置。
【請求項2】
前記テストパケットは、前記ネットワークに擬似的に設定した経路不使用箇所の情報を含み、
前記決定部は、前記経路不使用箇所の情報と前記記憶部に記憶されている前記第2の経路情報に基づいて前記テストパケットの転送先の経路を決定することを特徴とする請求項1記載のパケット転送装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記テストパケットに含まれる前記経路不使用箇所の情報により当該パケット転送装置が経路不使用箇所に接しているか否かを判断し、接していると判断したときに前記第2の経路情報に基づいて前記テストパケットが通過する経路を前記検証対象の経路に切り替えることを特徴とする請求項2記載のパケット転送装置。
【請求項4】
前記テストパケットを生成する生成部を有することを特徴とする請求項1記載のパケット転送装置。
【請求項5】
前記テストパケットは、前記テストパケットの宛先のパケット転送装置を識別する情報を格納する宛先情報格納領域を含み、
当該パケット転送装置が前記テストパケットの宛先であることを識別すると、前記宛先情報格納領域に当該パケット転送装置を識別する情報を格納した前記テストパケットを前記ネットワークに送信する識別部をさらに有することを特徴とする請求項1記載のパケット転送装置。
【請求項6】
前記テストパケットは、前記テストパケットの送信を開始したパケット転送装置を識別する情報を格納する送信先情報格納領域を含み、
前記識別部は、前記送信先情報格納領域に格納された情報に基づいて当該パケット転送装置が前記テストパケットの送信を開始したパケット転送装置であることを識別すると、前記テストパケットの送信を行わないことを特徴とする請求項5記載のパケット転送装置。
【請求項7】
前記テストパケットは、経路記憶領域を有し、
前記決定部は、前記テストパケットの経路を決定するときに経路を切り替えた前記パケット転送装置を識別する情報を前記経路記憶領域に記憶することを特徴とする請求項1記載のパケット転送装置。
【請求項8】
前記経路記憶領域は、予め定められた第1の経路から第2の経路に経路を切り替えた前記パケット転送装置を識別する情報を記憶する第1の経路記憶領域と、前記第2の経路から前記第1の経路に経路を切り替えた前記パケット転送装置を識別する情報を記憶する第2の経路記憶領域とを有し、
前記決定部は、前記第1の経路から前記第2の経路に経路を切り替えるときに前記パケット転送装置を識別する情報を前記第1の経路記憶領域に記憶し、前記第2の経路から前記第1の経路に経路を切り替えるときに前記パケット転送装置を識別する情報を前記第2の経路記憶領域に記憶することを特徴とする請求項7記載のパケット転送装置。
【請求項9】
同一ネットワーク内の宛先装置に対しパケットを送信する経路を複数有するパケット転送方法において、
パケットを受信し、
受信した前記パケットのうち、検証対象の経路を検証するテストパケットを抽出し、
前記テストパケットが抽出されると、受信したパケットの転送先の経路を示す第1の経路情報に示される前記パケットの転送先の経路を前記検証対象の経路に切り替える第2の経路情報に基づいて前記テストパケットの転送先の経路を決定し、
決定した前記経路に従って前記テストパケットを転送する、
ことを特徴とするパケット転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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