パターニングされた位相差フィルム及びその製造方法
本発明は、基材と;前記基材上に形成され、配向処理方式及び配向方向が異なる第1配向膜及び第2配向膜と;前記第1配向膜及び第2配向膜の上部に形成される液晶物質層と;を含み、前記液晶物質層は、前記第1配向膜により配向される第1領域及び前記第2配向膜により配向される第2領域にパターニングされた位相差フィルムを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像表示装置などに使用されるパターニングされた位相差フィルム及びその製造方法に関し、より詳細には、異なる方式で配向処理される2種の配向膜を利用して製造されるパターニングされた位相差フィルム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元立体映像は、既存の2次元平面映像とは異なって、人が見て感じる実際映像と類似していて、視覚情報の質的水準をさらに向上させる新しい概念の映像である。一般的に、人間が3次元の立体感を感じる原因は、右眼と左眼が視差をもって事物を認知するからであると知られている。すなわち、人間の2つの眼は、約65mmの間隔をもって離れて位置するので、互いに若干異なる方向の映像を見るようになり、この際、発生した両眼視差により立体感を認識するようになる。したがって、観察者の両眼に視差がある映像を入力させる方法で立体映像を具現することができる。
【0003】
従来の立体映像表示装置は、大きく、偏光めがねを使用する方式と、偏光めがねを使用しない方法とに分けられる。これらのうち、偏光めがね方式の立体映像表示装置は、異なる偏光特性を有する左眼用映像と右眼用映像を排出し、偏光めがねに偏光板などを付着し、左眼レンズには左眼用映像のみ透視されるようにし、右眼用レンズには、右眼用映像のみ透視されるようにして、立体感を感じさせる方式である。このような偏光めがね方式は、めがねをかけなければならないという短所があるが、相対的に視野角制約が少なくて、且つ製作が容易であるという長所を有している。
【0004】
従来の偏光めがね方式の立体映像表示装置は、一般的に、左眼用映像を生成する左眼用映像表示部と、右眼用映像を生成する右眼用映像表示部とが交互に配置された映像表示部と、前記映像表示部で生成された左眼用映像と右眼用映像の偏光状態を変化させる偏光部とで構成される。
【0005】
この際、前記偏光部は、偏光板自体が左眼用映像表示部及び右眼用映像表示部に対応するようにパターニングされているか、または偏光板に左眼用映像表示部及び右眼用映像表示部に各々対応するようにパターニングされた位相差板(光学フィルタ)を付着する方法で形成される。
【0006】
一方、上記のようなパターニングされた偏光板または位相差板は、TAC(TriAcetyl Cellulose、トリアセチルセルロース)フィルムとヨード処理した延伸PVA(Poly Vinyl Alcohol)フィルムを積層した偏光板または位相差フィルムをフォトレジストを被覆し、所定の部分を露光した後、水酸化カリウム溶液で処理し、一定の部分に位相差遅延機能を消失させる方法で製造されることができる。しかし、このような従来の方法は、化学的エッチングによる複雑な製造段階を進行しなければならないし、その結果、生産コストが高くて且つ生産性が低いという問題点があった。
【0007】
パターニングされた光学フィルタを製造する他の方法として、基材上に位相遅延層を形成した後、レーザーまたはグラインダーなどで位相遅延層を一部除去する方法がある。しかし、この方法の場合、精密なパターニングが難しく、レーザーエッチング時に位相遅延層に損傷が発生し、不良が発生しやすいという問題点があった。
【0008】
また、前記方法の場合、偏光板または位相差板のパターンが映像表示部のピクセルに正確に対応するように形成することが容易でなく、位相差板のパターンと映像表示部のピクセルの不一致に起因してクロストーク発生率が高いという問題点があった。
【0009】
したがって、前述のような問題点を解決するために、基材上に配向膜及び/または位相差層を形成する液晶物質を所定のパターンで印刷することによって、パターニングされた光学フィルタを製造する方法が提案された。より具体的には、基材上に配向膜を所定のパターンで印刷した後、この配向膜をラビング処理または光配向処理した後、その上に液晶層を形成するか、または基材上に全面的に配向膜を印刷した後、この配向膜をマスクなどを利用して所定のパターンで配向処理した後、その上に液晶層を形成する方法でパターニングされた光学フィルタを製造することができる。または、基材上に全面的に配向膜を印刷し、全面的に配向処理した後、液晶層を所定のパターンで印刷する方法でパターニングされた光学フィルタを製造することもできる。前記のように、印刷法を利用してパターニングされた光学フィルタを製造する方法の場合、映像表示部のピクセルと光学フィルタのパターンの一致性を高めることができるという点から有利な面がある。しかし、前記方法で製造された光学フィルタは、液晶層が特定の方向に配向された部分(以下、配向部)と配向されていない部分(以下、非配向部)とが交互に配列される形式で製造されるが、非配向部の場合、光学性能が配向部に比べて顕著に低下するため、前記のような方法で製造された光学フィルタを使用する場合、映像表示装置の画質が全般的に低下するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述のような問題点を解決するためのものであって、その目的は、製造工程が単純であり、製造コストが安価であり、工程効率に優れていると共に、優れた光学性能を有する新しい構造のパターニングされた位相差フィルム及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様による位相差フィルムは、基材と;前記基材上に形成され、配向処理方式及び配向方向が異なる第1配向膜及び第2配向膜と;前記第1配向膜及び第2配向膜の上部に形成される液晶物質層と;を含み、前記液晶物質層は、前記第1配向膜により配向される第1領域及び前記第2配向膜により配向される第2領域にパターニングされたことを特徴とする。
【0012】
この際、前記液晶物質層は、ストライプまたは碁盤パターンでパターニングされることができ、前記第1配向膜と第2配向膜は、その配向方向が互いに垂直であることが好ましく、前記液晶物質層は、λ/4位相遅延層であることが好ましい。
【0013】
一方、本発明の一具現例によれば、前記第1配向膜は、基材の一面に全面的に形成され、前記第2配向膜は、第1配向膜上に一定のパターンで形成されることができる。この際、前記第1配向膜がラビング配向膜なら、前記第2配向膜は、光配向膜であることが好ましく、前記第1配向膜が光配向膜なら、前記第2配向膜は、ラビング配向膜であることが好ましい。
【0014】
本発明の他の具現例によれば、前記第1配向膜は、前記基材の一面に一定のパターンで形成され、前記第2配向膜は、前記基材上の前記第1配向膜が形成されない領域に形成されることができる。この際、前記第1配向膜がラビング配向膜なら、前記第2配向膜は、光配向膜であることが好ましく、前記第1配向膜が光配向膜なら、前記第2配向膜は、ラビング配向膜であることが好ましい。
【0015】
また、本発明の他の態様による位相差フィルムは、その表面が第1配向方向にラビング処理された基材と;前記基材のラビング処理された表面上に一定のパターンで形成される第2配向方向に配向処理された光配向膜と;前記基材及び光配向膜の上部に形成される液晶物質層と;を含み、前記液晶物質層は、前記ラビング処理された基材により配向された第1領域及び前記光配向膜により配向された第2領域にパターニングされたことを特徴とする。
【0016】
この際、前記液晶物質層は、ストライプまたは碁盤パターンでパターニングされることができ、前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直であることが好ましく、前記液晶物質層は、λ/4位相遅延層であることが好ましい。
【0017】
また、本発明のさらに他の態様による位相差フィルムの製造方法は、第1基材上に第1配向膜用材料を塗布する段階と;前記第1配向膜用材料を第1配向方向に配向処理し、第1配向膜を形成する段階と;前記第1基材または前記第1配向膜上に第2配向膜用材料を塗布する段階と;前記第2配向膜用材料を第2配向方向に配向処理し、第2配向膜を形成する段階と;前記第1配向膜及び第2配向膜上に液晶物質を塗布し硬化させて、パターニングされた液晶物質層を形成する段階と;を含むことを特徴とする。
【0018】
この際、前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直であることが好ましく、前記第1配向膜用材料を塗布する段階及び前記第2配向膜用材料を塗布する段階のうち少なくとも1つは、印刷法により行われることが好ましい。
【0019】
また、前記本発明の製造方法は、一面に粘着層が形成された第2基材を用意する段階と;前記第2基材の粘着層を前記第1基材上のパターニングされた液晶物質層上に付着させる段階と;前記第2基材と第1基材を分離し、第2基材上にパターニングされた液晶物質層を転写する段階と;をさらに含むことができる。
【0020】
一方、前記本発明の製造方法の一具現例によれば、前記第1配向膜用材料は、前記基材上に全面的に塗布され、前記第2配向膜用材料は、前記第1配向膜上に一定のパターンで塗布されることができる。
【0021】
この際、前記第1配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、前記第1配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われ、前記第2配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、前記第2配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われることができる。
【0022】
または、前記第1配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、前記第1配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われ、前記第2配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、前記第2配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われることができる。
【0023】
前記本発明の製造方法の他の具現例によれば、前記第1配向膜用材料は、前記第1基材上に一定のパターンで塗布され、前記第2配向膜用材料は、前記第1基材上の第1配向膜が形成されない領域に塗布されることができる。
【0024】
この際、前記第1配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、前記第1配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われ、前記第2配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、前記第2配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われることができる。
【0025】
または、前記第1配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、前記第1配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われ、前記第2配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、前記第2配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われることができる。
【0026】
また、本発明のさらに他の態様による位相差フィルムの製造方法は、第1基材表面を第1配向方向にラビング処理する段階と;前記ラビング処理された第1基材表面上に光配向膜用材料を一定のパターンに塗布する段階と;前記光配向膜用材料に第2配向方向に偏光されたUVを照射し、光配向膜を形成する段階と;前記ラビング処理された第1基材表面及び光配向膜上に液晶物質を塗布し硬化させて、液晶物質層を形成する段階と;を含むことを特徴とする。
【0027】
この際、前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直であることが好ましく、前記光配向膜用材料を一定のパターンで塗布する段階は、印刷法により行われることが好ましい。
【0028】
また、前記本発明の位相差フィルム製造方法は、一面に粘着層が形成された第2基材を用意する段階と;前記第2基材の粘着層を前記第1基材上の液晶物質層上に付着させる段階と;前記第2基材を第1基材と分離し、第2基材上にパターニングされた液晶物質層を転写する段階と;をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、異なる配向方式の配向膜を利用することによって、フォトリソグラフィー法のような多段階工程を経ることなく、簡単な方法でパターン化された位相差フィルムを形成することができる。
【0030】
また、本発明の場合、配向膜の塗布時に印刷法を利用するので、線幅などの調節が容易であり、多様な形態のパターニングが可能であり、レーザーエッチングなどと異なって直接接触がないため、不良率が少なくて且つ工程効率に優れている。
【0031】
また、本発明の位相差フィルムの場合、液晶物質層に非配向部がないので、優れた光学性能を実現することができる。
【0032】
また、本発明は、液晶物質層のみを他のフィルムに転写させることによって、位相差フィルムの光学性能をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のパターニングされた位相差フィルムの第1実施例を示す図である。
【図2】図1に示された本発明の位相差フィルムの製造方法を示す図である。
【図3】本発明のパターニングされた位相差フィルムの第2実施例を示す図である。
【図4】図3に示された本発明の位相差フィルムの製造方法を示す図である。
【図5】本発明のパターニングされた位相差フィルムの第3実施例を示す図である。
【図6】図5に示された本発明の位相差フィルムの製造方法を示す図である。
【図7】パターニングされた液晶物質層を他のフィルムに転写する方法を示す図である。
【図8】ストライプ形態でパターニングされた位相差フィルムを示す図である。
【図9】碁盤形態でパターニングされた位相差フィルムを示す図である。
【図10】本発明のパターニングされた位相差フィルムの偏光顕微鏡写真である。
【図11】本発明の位相差フィルムの第1配向膜と第2配向膜の境界領域を示す写真である。
【図12】本発明の第1実施例によるパターニング位相差フィルムを含む偏光板を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例によるパターニング位相差フィルムを含む偏光板を示す図である。
【図14】本発明の第3実施例によるパターニング位相差フィルムを含む偏光板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。
本発明者は、絶え間ない研究を繰り返した結果、異なる方式で形成される2種の配向膜を利用することによって、製造工程が単純であり、不良率が少なくて、且つ優れた光学性能を有するパターニングされた位相差フィルムを製造することができることを知見し、本発明を完成した。
【0035】
以下、本発明のパターニングされた位相差フィルムをさらに詳しく説明する。
図1及び図3には、本発明のパターニングされた位相差フィルムの実施例が示されている。図1及び図3に示されたように、本発明の位相差フィルムは、基材10、第1配向膜20、第2配向膜30及び液晶物質層40を備えてなり、前記第1配向膜と第2配向膜は、配向処理方式及び配向方向が互いに異なっていて、前記液晶物質層は、前記第1配向膜により配向された第1領域40a及び前記第2配向膜により配向された第2領域40bにパターニングされたことを特徴とする。
【0036】
この際、前記基材10としては、例えば、当該技術分野において一般的に知られているプラスチック基材が使用されることができる。使用可能な基材の例としては、これらに限定するものではないが、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ノルボルネン誘導体などのシクロオレフインポリマーよりなる基材などを挙げることができる。
【0037】
前記基材10は、面内位相差及び厚さ方向位相差がほとんどない等方性基材であるか、または面内位相差なしに厚さ方向の位相差値だけを有することが好ましい。より具体的には、前記基材は、面内位相差値(In−Plane Retardation、Rin)が0nm〜30nm程度、好ましくは、0〜20nm、より好ましくは、0〜10nm程度であり、厚さ方向位相差値(Thickness direction Retardation、Rth)の絶対値が0nm〜300nm程度、好ましくは、0〜200nm、より好ましくは、0〜100nm程度であることが好ましい。
【0038】
この際、前記面内位相差値Rin及び厚さ方向位相差値Rthは、下記数式(1)及び(2)により定義された値を意味する。
(1)面内位相差値 Rin=(nx−ny)×d
(2)厚さ方向位相差値 Rth=(nz−nx)×d
【0039】
前記数式(1)及び(2)で、nxは、フィルム面内で最大の屈折率を有する方向での屈折率を意味し、nyは、前記nxに垂直な方向の屈折率を意味し、nzは、厚さ方向の屈折率を意味する。
【0040】
一方、前記基材10の厚さは、特に限定されるものではないが、一般的に30〜100ミクロン程度であることが好ましい。
【0041】
次に、前記第1配向膜20と第2配向膜30は、異なる配向処理方式を有し、その配向方向も異なることを特徴とする。
【0042】
例えば、第1配向膜20が光配向膜なら、第2配向膜30としてラビング配向膜を使用し、第1配向膜20がラビング配向膜なら、第2配向膜30として光配向膜を使用することが好ましい。このように処理方式が異なる配向膜を使用する場合、一方の配向膜の処理方法が他方の配向膜に影響を及ぼさないため、マスクやフォトレジストのような複雑な過程を経ることなく、異なる配向方向を有する配向膜を容易に形成することができる。例えば、ラビング配向膜にUV偏光を照射するとしても、配向膜の配向方向が変わらず、逆に光配向膜にラビング処理をする場合も同様である。したがって、ラビング配向膜を塗布した後、第1配向方向にラビング処理をしてラビング配向膜を形成し、その上に一定の間隔で光配向膜用高分子膜を塗布し、第1配向方向と異なる第2配向方向に偏光されたUV偏光を照射する方法で、異なる配向方向を有する第1配向膜と第2配向膜を形成することができる。
【0043】
この際、前記第1配向膜20と第2配向膜30の配向方向は、互いに垂直であることが好ましい。
【0044】
前記液晶物質層40は、前記第1配向膜20及び第2配向膜30の上部に形成され、第1配向膜20により配向された第1領域40a及び第2配向膜30により配向された第2領域40bにパターニングされる。配向膜の上に液晶物質を塗布すれば、液晶物質は、配向膜の配向方向に沿って配向され、前述したように、本発明において、第1配向膜20と第2配向膜30は、配向方向が異なるので、その上に液晶物質層40を形成すれば、異なる方向に配向された液晶物質層40が交互に形成され、その結果、パターニングされた位相差層を形成することができるようになる。
【0045】
この際、前記液晶物質層40のパターンは、第2配向膜30の塗布パターンによって決定される。第2配向膜がストライプ形状で塗布された場合には、図8に示されたようなストライプパターンの液晶物質層が形成され、第2配向膜が碁盤形状で塗布された場合には、図9に示されたような碁盤パターンの液晶物質層が形成されるようになる。
【0046】
一方、前記液晶物質層40は、その厚さによって多様な位相差を有することができ、好ましくは、λ/4位相差遅延層であることができる。前記液晶層40がλ/4位相差遅延層の場合、入射光源が線偏光の場合には、円偏光に変え、また。入射光源が円偏光の場合には、線偏光に変える役目を行い、このような機能は、3次元立体映像表示に有用に使用されることができるからである。
【0047】
一方、本発明の位相差フィルムは、図1に示されたように、第1配向膜20が基材10の一面に全面的に形成され、前記第1配向膜20の上部に第2配向膜30が一定のパターンで形成されるように製造されることができる。または、図3に示されたように、基材10上に第1配向膜20と第2配向膜30が交互に形成されることもできる。すなわち、第1配向膜20が前記基材10の一面に一定のパターンで形成され、第2配向膜30は、第1配向膜20が形成されていない領域に形成されることができる。
【0048】
一方、図2には、図1に示された位相差フィルムの製造方法が、図4には、図3に示された位相差フィルムの製造方法が示されている。図2及び図4に示されたように、本発明の位相差フィルムの製造方法は、(1)第1配向膜用材料塗布段階、(2)第1配向膜形成段階、(3)第2配向膜用材料塗布段階、(4)第2配向膜形成段階及び5液晶物質層形成段階を備えてなることができる。
【0049】
この際、前記第1配向膜用材料は、図2に示されたように、第1基材10の一面に全面的に塗布されることもでき、図4に示されたように、第1基材10の一面に一定のパターンに塗布されることもできる。
【0050】
まず、図2に示されたように、第1配向膜用材料が第1基材の一面に全面的に塗布される場合を説明する。まず、第1基材10の一面に第1配向膜用材料を全面的に塗布する。この際、前記第1配向膜材料は、ラビング配向膜用材料または光配向膜用材料であることができる。
【0051】
第1基材10上に第1配向膜材料が全面的に塗布されれば、これを配向処理し、第1配向膜を形成する。この時、配向膜処理方法は、使用された第1配向膜材料によって適切な方法で行われる。すなわち、第1配向膜材料がラビング配向膜用材料の場合には、前記ラビング配向膜用材料を塗布した後、ラビング布を用いて一定の方向(第1配向方向)に擦ってラビング処理する方式(ラビング配向方式)で第1配向膜を形成し、第1配向膜材料が光配向膜用材料の場合には、材料を塗布した後、その上に一定の方向(第1配向方向)に偏光されたUVを照射する方式(光配向方式)で第1配向膜を形成する。
【0052】
前述のような方法で第1配向膜20が形成された後、その上に第2配向膜用材料を塗布する。この際、前記第2配向膜用材料は、全面的に塗布せず、一定のパターンを形成するように塗布する。例えば、一定の間隔で配置されたストライプパターンや、碁盤形態で塗布することができる。上記のように、第2配向膜材料を第1配向膜上に一定のパターンで選択的に塗布すれば、第1基材10の表面には、第1配向膜20と第2配向膜30が交互に配置されるようになる。
【0053】
一方、前記第1配向膜用材料及び/または第2配向膜用材料は、印刷方式により塗布されることができる。印刷方式で配向膜用材料を塗布する場合、マスクやフォトレジスト工程のような複雑な工程を経ることなく、所望の位置にのみ必要な物質を塗布することができるという長所がある。また、不要な所に材料を浪費しないため、製造コストが低価であり、印刷パターン変化を通じて形成しようとするパターンの線幅などを簡単に調節することができるという長所がある。
【0054】
一方、前記第2配向膜用材料としては、第1配向膜用材料とは異なる方式で配向処理されるものを使用する。すなわち、第1配向膜用材料が光配向膜用材料の場合には、第2配向膜用材料としてラビング配向膜用材料を使用し、第1配向膜用材料がラビング配向膜用材料の場合には、第2配向膜用材料として光配向膜用材料を使用する。
【0055】
一方、第2配向膜の形成段階は、使用された第2配向膜用材料によって適切な方法で行われる。すなわち、第2配向膜材料がラビング配向膜用材料の場合には、材料を塗布した後、ラビング布を用い一定の方向(第2配向方向)に擦ってラビング処理する方式(ラビング配向方式)で第2配向膜を形成し、第2配向膜材料が光配向膜用材料の場合には、材料を塗布した後、その上に一定の方向(第2配向方向)に偏光されたUVを照射する方式(光配向方式)で第2配向膜を形成する。
【0056】
この際、前記第2配向膜の配向方向は、第1配向膜の配向方向と異なるように形成され、好ましくは、垂直するように形成される。前述したように、第1配向膜と第2配向膜は、配向処理方式が異なるので、第1配向膜が表面に露出していても、第2配向膜の処理時に影響を受けない。したがって、第2配向膜が形成された後、基材の表面には、第1配向方向に配向された第1配向膜と第2配向方向に配向された第2配向膜が交互に配置されるようになる。
【0057】
次に、前記交互に形成された第1配向膜20と第2配向膜30上に反応性液晶物質を塗布した後、熱または光を照射して架橋させる方法で液晶物質層40を形成する。反応性液晶は、光または熱により周辺の液晶モノマーが互いに重合しながら、液晶ポリマーを形成する物質を言うもので、反応性液晶モノマーの重合反応を起こす反応基であるアクリレート基が付着されたもののうちから選択される1種以上を使用することができる。代表的な例としては、マーク社のRM(Reactive Mesogen)や、BASF社のLC242などを挙げることができる。
【0058】
上記のような反応性液晶物質を第1配向膜20と第2配向膜30上に塗布し、硬化させれば、前述したように、下部に位置する配向膜により異なる方向に配向された、パターニングされた液晶物質層40を得ることができる。
【0059】
次に、図4に示されたように、第1配向膜材料が第1基材10の一面に一定のパターンで塗布される場合を説明する。
【0060】
まず、第1基材10の一面に第1配向膜用材料を、一定のパターン、例えば、一定の間隔で配置されたストライプパターンや、碁盤形態で塗布する。この時、前記第1配向膜材料は、ラビング配向膜用または光配向膜用材料であることができ、前記第1配向膜用材料の塗布は、これに限定するものではないが、印刷法により行われることが好ましい。
【0061】
その後、第1配向膜材料の種類によって適切な方法で配向処理し、第1配向膜20を形成する。すなわち、第1配向膜材料がラビング配向膜用の場合には、ラビング布で一定の方向(第1配向方向)に擦ってラビング処理する方式(ラビング配向方式)で第1配向膜を形成し、第1配向膜材料が光配向膜用の場合には、一定の方向(第1配向方向)に偏光されたUVを照射する方式(光配向方式)で第1配向膜を形成する。
【0062】
前述のような方法で第1配向膜20を形成した後、第1配向膜が形成されていない領域に第2配向膜材料を選択的に塗布した後、第2配向膜材料の種類によって適切な方法で配向処理し、第2配向膜30を形成する。
【0063】
この際、前記第2配向膜用材料としては、第1配向膜用材料とは異なる方式に配向処理されるものを使用する。例えば、第1配向膜材料がラビング配向膜用の場合には、第2配向膜材料で光配向膜用を使用することが好ましく、第1配向膜材料が光配向膜用の場合には、第2配向膜材料としてラビング配向膜用を使用することが好ましい。各々の配向膜材料の配向処理方法及び配向方向などと関連した具体的な内容は、図2で説明したものと同一なので、説明を省略する。
【0064】
また、前記第2配向膜材料の塗布は、これに限定するものではないが、印刷法により行われることが好ましい。
【0065】
以上の過程を経て第1配向膜20と第2配向膜30を形成すれば、第1基材10の表面には、図4に示されたように、第1配向膜20と第2配向膜30が交互に配置されるようになる。前記交互に形成された第1配向膜20と第2配向膜30上に反応性液晶物質を塗布した後、熱または光を照射して架橋させる方法で液晶物質層40を形成する。液晶物質の種類及びその形成方法は、前述したことと同一なので、説明を省略する。
【0066】
一方、図5には、本発明のパターニングされた位相差フィルムの他の実施例が示されている。図5に示されたように、本発明の位相差フィルムは、ラビング処理された基材100、前記基材上に一定のパターンで選択的に形成される光配向膜200及び液晶物質層300を備えてなることができる。ラビング処理が可能な基材を使用する場合には、配向膜を1つだけ形成すればよいので、さらに簡単な方法でパターニングされた位相差フィルムを製造することができるという長所がある。
【0067】
前記ラビング処理が可能な基材100は、面内位相差値(In−Plane Retardation、Rin)が0nm〜30nm程度、好ましくは0〜20nm、より好ましくは0〜10nm程度であり、厚さ方向位相差値(Thickness direction Retardation、Rth)の絶対値が0nm〜300nm程度、好ましくは0〜200nm、より好ましくは0〜100nm程度であることが好ましい。前記ラビング処理が可能な基材100としては、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートなどが使用されることができ、このような基材を使用する場合、基材の表面をラビング布などで一定の方向(第1配向方向)に擦ってラビング処理することができる。このようなラビング処理を進行すれば、前記基材上に液晶を塗布した時、ラビング方向に液晶が配向されるようになる。
【0068】
その後、前記ラビング処理された基材表面上に前記第1配向方向と異なる第2配向方向に処理された光配向膜200を形成する。この時、前記光配向膜は、前記基材の全面に形成されず、一定のパターンで選択的に形成される。また、前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直であることが好ましい。
【0069】
上記のように、ラビング処理された基材100の表面上に光配向膜200を選択的に形成すれば、第1配向方向を有するラビング処理された基材100と第2配向方向を有する光配向膜200が交互に露出し、その上に液晶物質を塗布すれば、図5に示されたように、第1配向方向に配向された第1領域300a及び第2配向方向に配向された第2領域300bにパターニングされた液晶物質層300a、300bを形成することができるようになる。
【0070】
図6には、図5に示された本発明の位相差フィルムの製造方法が示されている。
本発明の光学フィルタ製造方法は、図6に示されたように、(1)ラビング処理段階、(2)光配向膜塗布段階、(3)光配向膜形成段階、(4)液晶物質層形成段階を備えてなることができる。
【0071】
まず、基材100の表面をラビング布などを用いて一定の方向(第1配向方向)に擦ってラビング処理する。その後、基材表面のラビング処理が完了すれば、その上に光配向膜材料を塗布する。この時、前記光配向膜材料は、全面的に塗布せず、一定のパターンを形成するように選択的に塗布する。例えば、一定の間隔で配置されたストライプパターンや、碁盤形態で塗布することができ、これは、印刷法により行われることができる。
【0072】
次に、前記光配向膜材料に一定の方向(第2配向方向)に偏光されたUVを照射し、光配向膜200を形成する。
【0073】
この際、前記光配向膜200の配向方向(第2配向方向)は、基材100表面のラビング方向(第1配向方向)と異なり、好ましくは、互いに垂直である。一方、光配向膜200が全面的に形成されず、一定の間隔で選択的に形成されているので、基材表面には、ラビング処理された部分と光配向膜部分が交互に配置されるようになる。
【0074】
次に、前記基材100及び光配向膜200上に反応性液晶物質を塗布した後、熱または光を照射して架橋させる方法で液晶物質層300を形成する。液晶物質の種類及びその形成方法は、前述したことと同一なので説明を省略する。
【0075】
一方、図7には、本発明の製造方法のさらに他の実施例が示されている。図7に示されたように、前記本発明の製造方法は、前記図2、図4及び図6に示された方法でパターニングされた位相差フィルムを製造した後、パターニングされた液晶物質層のみを他のフィルムに転写する段階をさらに備えてなることができる。
【0076】
より具体的に説明すれば、本発明の製造方法は、前述したパターニングされた位相差フィルムの製造方法を利用して液晶層がパターニングされた第1基材を製造した後、これとは別に一面に粘着層が形成された第2基材を用意し、前記第2基材の粘着層を前記第1基材上のパターニングされた液晶物質層上に付着させた後、前記第2基材と第1基材を分離し、第2基材上にパターニングされた液晶物質層を転写する方法で行われることができる。
【0077】
一方、図7には、第1基材として、図3に示されたように、第1配向膜10と第2配向膜20が交互に形成された位相差フィルムを使用する場合が示されているが、これは、例示的なものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、本発明では、第1基材として、図1に示されたような構成の位相差フィルムや、図5に示されたような構成の位相差フィルムを使用してもよい。この際、前記第1基材の製造方法は、前述したパターニングされた位相差フィルムの製造方法と同一なので、具体的な説明を省略する。
【0078】
一方、前記粘着層60が形成された第2基材50は、プラスチック基材、例えば、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ノルボルネン誘導体などのシクロオレフインポリマー基材上に粘着樹脂を塗布するか、または粘着シートを付着する方法で用意することができる。粘着層60が形成された第2基材50を用意すれば、前記第2基材の粘着層60部分を第1基材10の液晶物質層40に付着させた後、前記第2基材50から第1基材10を分離し、第2基材50の粘着層60上に第1基材10のパターニングされた液晶物質層40を転写させる。
【0079】
位相差フィルムにおいて位相差を発生させる部分は、液晶物質層であり、その他、他の部分、すなわち基材や配向膜階は、光学的に何らの役目をも行わない。むしろ、このような基材や配向膜層が一定の厚さ以上に厚いか、または位相差を有する場合には、位相差フィルムの性能を低下させる要因として作用することができる。したがって、図2、図4及び図6に示されたような製造工程により位相差フィルムを形成した後、パターニングされた液晶物質層のみを他のフィルムに転写させることによって、光学的にさらに正確で且つ優れた性能を有する位相差フィルムを形成することができる。
【0080】
前述のような方法で製造された本発明の位相差フィルムは、偏光板に付着し、光学フィルタとして有用に使用されることができる。図12〜図14には、本発明のパターニングされた位相差フィルムが付着した偏光板の多様な具現例が記載されている。図12〜図14に示されたように、本発明のパターニングされた位相差フィルムは、液晶物質層40、300が偏光板500と対面するように配置され、必須的なものではないが、必要に応じて偏光板500と液晶物質層40、300との間に粘着層600が介在されることができる。
【0081】
前述のような本発明の位相差フィルムを含む前記偏光板は、立体表示装置に有用に使用されることができる。
【0082】
以下では、具体的な実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
【0083】
(実施例)
ポリビニルアルコール、多官能性単量体であるトリス[2−アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレートとペンタエリスリトールトリアクリレート、そして光開始剤であるイガキュア2959を水とエチルアルコールが50:50重量比で混合された混合溶媒に各々2重量%、0.7重量%、0.3重量%、及び0.25重量%の濃度で溶解させて、ラビング配向膜用材料を製造した。
【0084】
前記ラビング配向膜用材料をトリアセチルセルロース(TAC)基材の上に乾燥後の厚さが約0.1ミクロンとなるようにワイヤバー(wire bar)を用いて塗布した後、100℃乾燥オーブンで2分間熱風乾燥させ、80W/cm高圧水銀ランプを利用して3m/分の速度で1回紫外線照射して硬化し、硬化された配向膜表面をラビング処理し、第1配向膜を形成した。
【0085】
次に、光反応性重合体である5−ノルボルネン−2−メチル−(4−メトキシシンナーメート)と多官能性モノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、そして光開始剤であるイガキュア907(スイス、Ciba−Geigy社)をシクロペンタノンに各々2重量%、2重量%、0.5重量%の濃度で溶解させ、光配向膜用材料を製造した。
【0086】
前記光配向膜用材料を前記第1配向膜の上に乾燥後の厚さが約0.1ミクロンとなるように300ミクロン間隔でストライプ形態で印刷した後、70℃乾燥オーブンで2分間熱風乾燥させた。
【0087】
その後、光源として80W/cm強さの高圧水銀ランプを使用し、Moxtek社のワイヤグリッド偏光板を利用して偏光された紫外線を照射し、3m/分の速度で前記光配向膜を1回露光させて、第1配向膜の配向方向に対して垂直に配向された第2配向膜を形成した。
【0088】
平面配向が可能な重合性液晶化合物であるBASF社のLC242 95重量%と光開始剤であるイガキュア907(スイス、Ciba−Geigy社)5重量%よりなる固形分を25重量%の含量で溶解させ、重合性液晶物質を製造した。
【0089】
前述のように製造された重合性液晶物質を前記第1配向膜と第2配向膜の上に乾燥後の厚さが約1ミクロンとなるように塗布し、80℃乾燥オーブンで2分間熱風乾燥した後、80W/cm強さの高圧水銀ランプで3m/分の速度で1回紫外線を照射し、硬化させることによって、位相差フィルムを製作した。
【0090】
図10には、前記実施例により製造した位相差フィルムの偏光顕微鏡写真が示されている。また、図11には、前記実施例のラビング配向膜と光配向膜領域の境界面を拡大撮影した写真が示されている。
【符号の説明】
【0091】
10 基材
20 第1配向膜
30 第2配向膜
40 液晶物質層
100 ラビング処理された基材
200 光配向膜
300 液晶物質層
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像表示装置などに使用されるパターニングされた位相差フィルム及びその製造方法に関し、より詳細には、異なる方式で配向処理される2種の配向膜を利用して製造されるパターニングされた位相差フィルム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元立体映像は、既存の2次元平面映像とは異なって、人が見て感じる実際映像と類似していて、視覚情報の質的水準をさらに向上させる新しい概念の映像である。一般的に、人間が3次元の立体感を感じる原因は、右眼と左眼が視差をもって事物を認知するからであると知られている。すなわち、人間の2つの眼は、約65mmの間隔をもって離れて位置するので、互いに若干異なる方向の映像を見るようになり、この際、発生した両眼視差により立体感を認識するようになる。したがって、観察者の両眼に視差がある映像を入力させる方法で立体映像を具現することができる。
【0003】
従来の立体映像表示装置は、大きく、偏光めがねを使用する方式と、偏光めがねを使用しない方法とに分けられる。これらのうち、偏光めがね方式の立体映像表示装置は、異なる偏光特性を有する左眼用映像と右眼用映像を排出し、偏光めがねに偏光板などを付着し、左眼レンズには左眼用映像のみ透視されるようにし、右眼用レンズには、右眼用映像のみ透視されるようにして、立体感を感じさせる方式である。このような偏光めがね方式は、めがねをかけなければならないという短所があるが、相対的に視野角制約が少なくて、且つ製作が容易であるという長所を有している。
【0004】
従来の偏光めがね方式の立体映像表示装置は、一般的に、左眼用映像を生成する左眼用映像表示部と、右眼用映像を生成する右眼用映像表示部とが交互に配置された映像表示部と、前記映像表示部で生成された左眼用映像と右眼用映像の偏光状態を変化させる偏光部とで構成される。
【0005】
この際、前記偏光部は、偏光板自体が左眼用映像表示部及び右眼用映像表示部に対応するようにパターニングされているか、または偏光板に左眼用映像表示部及び右眼用映像表示部に各々対応するようにパターニングされた位相差板(光学フィルタ)を付着する方法で形成される。
【0006】
一方、上記のようなパターニングされた偏光板または位相差板は、TAC(TriAcetyl Cellulose、トリアセチルセルロース)フィルムとヨード処理した延伸PVA(Poly Vinyl Alcohol)フィルムを積層した偏光板または位相差フィルムをフォトレジストを被覆し、所定の部分を露光した後、水酸化カリウム溶液で処理し、一定の部分に位相差遅延機能を消失させる方法で製造されることができる。しかし、このような従来の方法は、化学的エッチングによる複雑な製造段階を進行しなければならないし、その結果、生産コストが高くて且つ生産性が低いという問題点があった。
【0007】
パターニングされた光学フィルタを製造する他の方法として、基材上に位相遅延層を形成した後、レーザーまたはグラインダーなどで位相遅延層を一部除去する方法がある。しかし、この方法の場合、精密なパターニングが難しく、レーザーエッチング時に位相遅延層に損傷が発生し、不良が発生しやすいという問題点があった。
【0008】
また、前記方法の場合、偏光板または位相差板のパターンが映像表示部のピクセルに正確に対応するように形成することが容易でなく、位相差板のパターンと映像表示部のピクセルの不一致に起因してクロストーク発生率が高いという問題点があった。
【0009】
したがって、前述のような問題点を解決するために、基材上に配向膜及び/または位相差層を形成する液晶物質を所定のパターンで印刷することによって、パターニングされた光学フィルタを製造する方法が提案された。より具体的には、基材上に配向膜を所定のパターンで印刷した後、この配向膜をラビング処理または光配向処理した後、その上に液晶層を形成するか、または基材上に全面的に配向膜を印刷した後、この配向膜をマスクなどを利用して所定のパターンで配向処理した後、その上に液晶層を形成する方法でパターニングされた光学フィルタを製造することができる。または、基材上に全面的に配向膜を印刷し、全面的に配向処理した後、液晶層を所定のパターンで印刷する方法でパターニングされた光学フィルタを製造することもできる。前記のように、印刷法を利用してパターニングされた光学フィルタを製造する方法の場合、映像表示部のピクセルと光学フィルタのパターンの一致性を高めることができるという点から有利な面がある。しかし、前記方法で製造された光学フィルタは、液晶層が特定の方向に配向された部分(以下、配向部)と配向されていない部分(以下、非配向部)とが交互に配列される形式で製造されるが、非配向部の場合、光学性能が配向部に比べて顕著に低下するため、前記のような方法で製造された光学フィルタを使用する場合、映像表示装置の画質が全般的に低下するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述のような問題点を解決するためのものであって、その目的は、製造工程が単純であり、製造コストが安価であり、工程効率に優れていると共に、優れた光学性能を有する新しい構造のパターニングされた位相差フィルム及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様による位相差フィルムは、基材と;前記基材上に形成され、配向処理方式及び配向方向が異なる第1配向膜及び第2配向膜と;前記第1配向膜及び第2配向膜の上部に形成される液晶物質層と;を含み、前記液晶物質層は、前記第1配向膜により配向される第1領域及び前記第2配向膜により配向される第2領域にパターニングされたことを特徴とする。
【0012】
この際、前記液晶物質層は、ストライプまたは碁盤パターンでパターニングされることができ、前記第1配向膜と第2配向膜は、その配向方向が互いに垂直であることが好ましく、前記液晶物質層は、λ/4位相遅延層であることが好ましい。
【0013】
一方、本発明の一具現例によれば、前記第1配向膜は、基材の一面に全面的に形成され、前記第2配向膜は、第1配向膜上に一定のパターンで形成されることができる。この際、前記第1配向膜がラビング配向膜なら、前記第2配向膜は、光配向膜であることが好ましく、前記第1配向膜が光配向膜なら、前記第2配向膜は、ラビング配向膜であることが好ましい。
【0014】
本発明の他の具現例によれば、前記第1配向膜は、前記基材の一面に一定のパターンで形成され、前記第2配向膜は、前記基材上の前記第1配向膜が形成されない領域に形成されることができる。この際、前記第1配向膜がラビング配向膜なら、前記第2配向膜は、光配向膜であることが好ましく、前記第1配向膜が光配向膜なら、前記第2配向膜は、ラビング配向膜であることが好ましい。
【0015】
また、本発明の他の態様による位相差フィルムは、その表面が第1配向方向にラビング処理された基材と;前記基材のラビング処理された表面上に一定のパターンで形成される第2配向方向に配向処理された光配向膜と;前記基材及び光配向膜の上部に形成される液晶物質層と;を含み、前記液晶物質層は、前記ラビング処理された基材により配向された第1領域及び前記光配向膜により配向された第2領域にパターニングされたことを特徴とする。
【0016】
この際、前記液晶物質層は、ストライプまたは碁盤パターンでパターニングされることができ、前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直であることが好ましく、前記液晶物質層は、λ/4位相遅延層であることが好ましい。
【0017】
また、本発明のさらに他の態様による位相差フィルムの製造方法は、第1基材上に第1配向膜用材料を塗布する段階と;前記第1配向膜用材料を第1配向方向に配向処理し、第1配向膜を形成する段階と;前記第1基材または前記第1配向膜上に第2配向膜用材料を塗布する段階と;前記第2配向膜用材料を第2配向方向に配向処理し、第2配向膜を形成する段階と;前記第1配向膜及び第2配向膜上に液晶物質を塗布し硬化させて、パターニングされた液晶物質層を形成する段階と;を含むことを特徴とする。
【0018】
この際、前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直であることが好ましく、前記第1配向膜用材料を塗布する段階及び前記第2配向膜用材料を塗布する段階のうち少なくとも1つは、印刷法により行われることが好ましい。
【0019】
また、前記本発明の製造方法は、一面に粘着層が形成された第2基材を用意する段階と;前記第2基材の粘着層を前記第1基材上のパターニングされた液晶物質層上に付着させる段階と;前記第2基材と第1基材を分離し、第2基材上にパターニングされた液晶物質層を転写する段階と;をさらに含むことができる。
【0020】
一方、前記本発明の製造方法の一具現例によれば、前記第1配向膜用材料は、前記基材上に全面的に塗布され、前記第2配向膜用材料は、前記第1配向膜上に一定のパターンで塗布されることができる。
【0021】
この際、前記第1配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、前記第1配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われ、前記第2配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、前記第2配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われることができる。
【0022】
または、前記第1配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、前記第1配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われ、前記第2配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、前記第2配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われることができる。
【0023】
前記本発明の製造方法の他の具現例によれば、前記第1配向膜用材料は、前記第1基材上に一定のパターンで塗布され、前記第2配向膜用材料は、前記第1基材上の第1配向膜が形成されない領域に塗布されることができる。
【0024】
この際、前記第1配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、前記第1配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われ、前記第2配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、前記第2配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われることができる。
【0025】
または、前記第1配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、前記第1配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われ、前記第2配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、前記第2配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われることができる。
【0026】
また、本発明のさらに他の態様による位相差フィルムの製造方法は、第1基材表面を第1配向方向にラビング処理する段階と;前記ラビング処理された第1基材表面上に光配向膜用材料を一定のパターンに塗布する段階と;前記光配向膜用材料に第2配向方向に偏光されたUVを照射し、光配向膜を形成する段階と;前記ラビング処理された第1基材表面及び光配向膜上に液晶物質を塗布し硬化させて、液晶物質層を形成する段階と;を含むことを特徴とする。
【0027】
この際、前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直であることが好ましく、前記光配向膜用材料を一定のパターンで塗布する段階は、印刷法により行われることが好ましい。
【0028】
また、前記本発明の位相差フィルム製造方法は、一面に粘着層が形成された第2基材を用意する段階と;前記第2基材の粘着層を前記第1基材上の液晶物質層上に付着させる段階と;前記第2基材を第1基材と分離し、第2基材上にパターニングされた液晶物質層を転写する段階と;をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、異なる配向方式の配向膜を利用することによって、フォトリソグラフィー法のような多段階工程を経ることなく、簡単な方法でパターン化された位相差フィルムを形成することができる。
【0030】
また、本発明の場合、配向膜の塗布時に印刷法を利用するので、線幅などの調節が容易であり、多様な形態のパターニングが可能であり、レーザーエッチングなどと異なって直接接触がないため、不良率が少なくて且つ工程効率に優れている。
【0031】
また、本発明の位相差フィルムの場合、液晶物質層に非配向部がないので、優れた光学性能を実現することができる。
【0032】
また、本発明は、液晶物質層のみを他のフィルムに転写させることによって、位相差フィルムの光学性能をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のパターニングされた位相差フィルムの第1実施例を示す図である。
【図2】図1に示された本発明の位相差フィルムの製造方法を示す図である。
【図3】本発明のパターニングされた位相差フィルムの第2実施例を示す図である。
【図4】図3に示された本発明の位相差フィルムの製造方法を示す図である。
【図5】本発明のパターニングされた位相差フィルムの第3実施例を示す図である。
【図6】図5に示された本発明の位相差フィルムの製造方法を示す図である。
【図7】パターニングされた液晶物質層を他のフィルムに転写する方法を示す図である。
【図8】ストライプ形態でパターニングされた位相差フィルムを示す図である。
【図9】碁盤形態でパターニングされた位相差フィルムを示す図である。
【図10】本発明のパターニングされた位相差フィルムの偏光顕微鏡写真である。
【図11】本発明の位相差フィルムの第1配向膜と第2配向膜の境界領域を示す写真である。
【図12】本発明の第1実施例によるパターニング位相差フィルムを含む偏光板を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例によるパターニング位相差フィルムを含む偏光板を示す図である。
【図14】本発明の第3実施例によるパターニング位相差フィルムを含む偏光板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。
本発明者は、絶え間ない研究を繰り返した結果、異なる方式で形成される2種の配向膜を利用することによって、製造工程が単純であり、不良率が少なくて、且つ優れた光学性能を有するパターニングされた位相差フィルムを製造することができることを知見し、本発明を完成した。
【0035】
以下、本発明のパターニングされた位相差フィルムをさらに詳しく説明する。
図1及び図3には、本発明のパターニングされた位相差フィルムの実施例が示されている。図1及び図3に示されたように、本発明の位相差フィルムは、基材10、第1配向膜20、第2配向膜30及び液晶物質層40を備えてなり、前記第1配向膜と第2配向膜は、配向処理方式及び配向方向が互いに異なっていて、前記液晶物質層は、前記第1配向膜により配向された第1領域40a及び前記第2配向膜により配向された第2領域40bにパターニングされたことを特徴とする。
【0036】
この際、前記基材10としては、例えば、当該技術分野において一般的に知られているプラスチック基材が使用されることができる。使用可能な基材の例としては、これらに限定するものではないが、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ノルボルネン誘導体などのシクロオレフインポリマーよりなる基材などを挙げることができる。
【0037】
前記基材10は、面内位相差及び厚さ方向位相差がほとんどない等方性基材であるか、または面内位相差なしに厚さ方向の位相差値だけを有することが好ましい。より具体的には、前記基材は、面内位相差値(In−Plane Retardation、Rin)が0nm〜30nm程度、好ましくは、0〜20nm、より好ましくは、0〜10nm程度であり、厚さ方向位相差値(Thickness direction Retardation、Rth)の絶対値が0nm〜300nm程度、好ましくは、0〜200nm、より好ましくは、0〜100nm程度であることが好ましい。
【0038】
この際、前記面内位相差値Rin及び厚さ方向位相差値Rthは、下記数式(1)及び(2)により定義された値を意味する。
(1)面内位相差値 Rin=(nx−ny)×d
(2)厚さ方向位相差値 Rth=(nz−nx)×d
【0039】
前記数式(1)及び(2)で、nxは、フィルム面内で最大の屈折率を有する方向での屈折率を意味し、nyは、前記nxに垂直な方向の屈折率を意味し、nzは、厚さ方向の屈折率を意味する。
【0040】
一方、前記基材10の厚さは、特に限定されるものではないが、一般的に30〜100ミクロン程度であることが好ましい。
【0041】
次に、前記第1配向膜20と第2配向膜30は、異なる配向処理方式を有し、その配向方向も異なることを特徴とする。
【0042】
例えば、第1配向膜20が光配向膜なら、第2配向膜30としてラビング配向膜を使用し、第1配向膜20がラビング配向膜なら、第2配向膜30として光配向膜を使用することが好ましい。このように処理方式が異なる配向膜を使用する場合、一方の配向膜の処理方法が他方の配向膜に影響を及ぼさないため、マスクやフォトレジストのような複雑な過程を経ることなく、異なる配向方向を有する配向膜を容易に形成することができる。例えば、ラビング配向膜にUV偏光を照射するとしても、配向膜の配向方向が変わらず、逆に光配向膜にラビング処理をする場合も同様である。したがって、ラビング配向膜を塗布した後、第1配向方向にラビング処理をしてラビング配向膜を形成し、その上に一定の間隔で光配向膜用高分子膜を塗布し、第1配向方向と異なる第2配向方向に偏光されたUV偏光を照射する方法で、異なる配向方向を有する第1配向膜と第2配向膜を形成することができる。
【0043】
この際、前記第1配向膜20と第2配向膜30の配向方向は、互いに垂直であることが好ましい。
【0044】
前記液晶物質層40は、前記第1配向膜20及び第2配向膜30の上部に形成され、第1配向膜20により配向された第1領域40a及び第2配向膜30により配向された第2領域40bにパターニングされる。配向膜の上に液晶物質を塗布すれば、液晶物質は、配向膜の配向方向に沿って配向され、前述したように、本発明において、第1配向膜20と第2配向膜30は、配向方向が異なるので、その上に液晶物質層40を形成すれば、異なる方向に配向された液晶物質層40が交互に形成され、その結果、パターニングされた位相差層を形成することができるようになる。
【0045】
この際、前記液晶物質層40のパターンは、第2配向膜30の塗布パターンによって決定される。第2配向膜がストライプ形状で塗布された場合には、図8に示されたようなストライプパターンの液晶物質層が形成され、第2配向膜が碁盤形状で塗布された場合には、図9に示されたような碁盤パターンの液晶物質層が形成されるようになる。
【0046】
一方、前記液晶物質層40は、その厚さによって多様な位相差を有することができ、好ましくは、λ/4位相差遅延層であることができる。前記液晶層40がλ/4位相差遅延層の場合、入射光源が線偏光の場合には、円偏光に変え、また。入射光源が円偏光の場合には、線偏光に変える役目を行い、このような機能は、3次元立体映像表示に有用に使用されることができるからである。
【0047】
一方、本発明の位相差フィルムは、図1に示されたように、第1配向膜20が基材10の一面に全面的に形成され、前記第1配向膜20の上部に第2配向膜30が一定のパターンで形成されるように製造されることができる。または、図3に示されたように、基材10上に第1配向膜20と第2配向膜30が交互に形成されることもできる。すなわち、第1配向膜20が前記基材10の一面に一定のパターンで形成され、第2配向膜30は、第1配向膜20が形成されていない領域に形成されることができる。
【0048】
一方、図2には、図1に示された位相差フィルムの製造方法が、図4には、図3に示された位相差フィルムの製造方法が示されている。図2及び図4に示されたように、本発明の位相差フィルムの製造方法は、(1)第1配向膜用材料塗布段階、(2)第1配向膜形成段階、(3)第2配向膜用材料塗布段階、(4)第2配向膜形成段階及び5液晶物質層形成段階を備えてなることができる。
【0049】
この際、前記第1配向膜用材料は、図2に示されたように、第1基材10の一面に全面的に塗布されることもでき、図4に示されたように、第1基材10の一面に一定のパターンに塗布されることもできる。
【0050】
まず、図2に示されたように、第1配向膜用材料が第1基材の一面に全面的に塗布される場合を説明する。まず、第1基材10の一面に第1配向膜用材料を全面的に塗布する。この際、前記第1配向膜材料は、ラビング配向膜用材料または光配向膜用材料であることができる。
【0051】
第1基材10上に第1配向膜材料が全面的に塗布されれば、これを配向処理し、第1配向膜を形成する。この時、配向膜処理方法は、使用された第1配向膜材料によって適切な方法で行われる。すなわち、第1配向膜材料がラビング配向膜用材料の場合には、前記ラビング配向膜用材料を塗布した後、ラビング布を用いて一定の方向(第1配向方向)に擦ってラビング処理する方式(ラビング配向方式)で第1配向膜を形成し、第1配向膜材料が光配向膜用材料の場合には、材料を塗布した後、その上に一定の方向(第1配向方向)に偏光されたUVを照射する方式(光配向方式)で第1配向膜を形成する。
【0052】
前述のような方法で第1配向膜20が形成された後、その上に第2配向膜用材料を塗布する。この際、前記第2配向膜用材料は、全面的に塗布せず、一定のパターンを形成するように塗布する。例えば、一定の間隔で配置されたストライプパターンや、碁盤形態で塗布することができる。上記のように、第2配向膜材料を第1配向膜上に一定のパターンで選択的に塗布すれば、第1基材10の表面には、第1配向膜20と第2配向膜30が交互に配置されるようになる。
【0053】
一方、前記第1配向膜用材料及び/または第2配向膜用材料は、印刷方式により塗布されることができる。印刷方式で配向膜用材料を塗布する場合、マスクやフォトレジスト工程のような複雑な工程を経ることなく、所望の位置にのみ必要な物質を塗布することができるという長所がある。また、不要な所に材料を浪費しないため、製造コストが低価であり、印刷パターン変化を通じて形成しようとするパターンの線幅などを簡単に調節することができるという長所がある。
【0054】
一方、前記第2配向膜用材料としては、第1配向膜用材料とは異なる方式で配向処理されるものを使用する。すなわち、第1配向膜用材料が光配向膜用材料の場合には、第2配向膜用材料としてラビング配向膜用材料を使用し、第1配向膜用材料がラビング配向膜用材料の場合には、第2配向膜用材料として光配向膜用材料を使用する。
【0055】
一方、第2配向膜の形成段階は、使用された第2配向膜用材料によって適切な方法で行われる。すなわち、第2配向膜材料がラビング配向膜用材料の場合には、材料を塗布した後、ラビング布を用い一定の方向(第2配向方向)に擦ってラビング処理する方式(ラビング配向方式)で第2配向膜を形成し、第2配向膜材料が光配向膜用材料の場合には、材料を塗布した後、その上に一定の方向(第2配向方向)に偏光されたUVを照射する方式(光配向方式)で第2配向膜を形成する。
【0056】
この際、前記第2配向膜の配向方向は、第1配向膜の配向方向と異なるように形成され、好ましくは、垂直するように形成される。前述したように、第1配向膜と第2配向膜は、配向処理方式が異なるので、第1配向膜が表面に露出していても、第2配向膜の処理時に影響を受けない。したがって、第2配向膜が形成された後、基材の表面には、第1配向方向に配向された第1配向膜と第2配向方向に配向された第2配向膜が交互に配置されるようになる。
【0057】
次に、前記交互に形成された第1配向膜20と第2配向膜30上に反応性液晶物質を塗布した後、熱または光を照射して架橋させる方法で液晶物質層40を形成する。反応性液晶は、光または熱により周辺の液晶モノマーが互いに重合しながら、液晶ポリマーを形成する物質を言うもので、反応性液晶モノマーの重合反応を起こす反応基であるアクリレート基が付着されたもののうちから選択される1種以上を使用することができる。代表的な例としては、マーク社のRM(Reactive Mesogen)や、BASF社のLC242などを挙げることができる。
【0058】
上記のような反応性液晶物質を第1配向膜20と第2配向膜30上に塗布し、硬化させれば、前述したように、下部に位置する配向膜により異なる方向に配向された、パターニングされた液晶物質層40を得ることができる。
【0059】
次に、図4に示されたように、第1配向膜材料が第1基材10の一面に一定のパターンで塗布される場合を説明する。
【0060】
まず、第1基材10の一面に第1配向膜用材料を、一定のパターン、例えば、一定の間隔で配置されたストライプパターンや、碁盤形態で塗布する。この時、前記第1配向膜材料は、ラビング配向膜用または光配向膜用材料であることができ、前記第1配向膜用材料の塗布は、これに限定するものではないが、印刷法により行われることが好ましい。
【0061】
その後、第1配向膜材料の種類によって適切な方法で配向処理し、第1配向膜20を形成する。すなわち、第1配向膜材料がラビング配向膜用の場合には、ラビング布で一定の方向(第1配向方向)に擦ってラビング処理する方式(ラビング配向方式)で第1配向膜を形成し、第1配向膜材料が光配向膜用の場合には、一定の方向(第1配向方向)に偏光されたUVを照射する方式(光配向方式)で第1配向膜を形成する。
【0062】
前述のような方法で第1配向膜20を形成した後、第1配向膜が形成されていない領域に第2配向膜材料を選択的に塗布した後、第2配向膜材料の種類によって適切な方法で配向処理し、第2配向膜30を形成する。
【0063】
この際、前記第2配向膜用材料としては、第1配向膜用材料とは異なる方式に配向処理されるものを使用する。例えば、第1配向膜材料がラビング配向膜用の場合には、第2配向膜材料で光配向膜用を使用することが好ましく、第1配向膜材料が光配向膜用の場合には、第2配向膜材料としてラビング配向膜用を使用することが好ましい。各々の配向膜材料の配向処理方法及び配向方向などと関連した具体的な内容は、図2で説明したものと同一なので、説明を省略する。
【0064】
また、前記第2配向膜材料の塗布は、これに限定するものではないが、印刷法により行われることが好ましい。
【0065】
以上の過程を経て第1配向膜20と第2配向膜30を形成すれば、第1基材10の表面には、図4に示されたように、第1配向膜20と第2配向膜30が交互に配置されるようになる。前記交互に形成された第1配向膜20と第2配向膜30上に反応性液晶物質を塗布した後、熱または光を照射して架橋させる方法で液晶物質層40を形成する。液晶物質の種類及びその形成方法は、前述したことと同一なので、説明を省略する。
【0066】
一方、図5には、本発明のパターニングされた位相差フィルムの他の実施例が示されている。図5に示されたように、本発明の位相差フィルムは、ラビング処理された基材100、前記基材上に一定のパターンで選択的に形成される光配向膜200及び液晶物質層300を備えてなることができる。ラビング処理が可能な基材を使用する場合には、配向膜を1つだけ形成すればよいので、さらに簡単な方法でパターニングされた位相差フィルムを製造することができるという長所がある。
【0067】
前記ラビング処理が可能な基材100は、面内位相差値(In−Plane Retardation、Rin)が0nm〜30nm程度、好ましくは0〜20nm、より好ましくは0〜10nm程度であり、厚さ方向位相差値(Thickness direction Retardation、Rth)の絶対値が0nm〜300nm程度、好ましくは0〜200nm、より好ましくは0〜100nm程度であることが好ましい。前記ラビング処理が可能な基材100としては、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートなどが使用されることができ、このような基材を使用する場合、基材の表面をラビング布などで一定の方向(第1配向方向)に擦ってラビング処理することができる。このようなラビング処理を進行すれば、前記基材上に液晶を塗布した時、ラビング方向に液晶が配向されるようになる。
【0068】
その後、前記ラビング処理された基材表面上に前記第1配向方向と異なる第2配向方向に処理された光配向膜200を形成する。この時、前記光配向膜は、前記基材の全面に形成されず、一定のパターンで選択的に形成される。また、前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直であることが好ましい。
【0069】
上記のように、ラビング処理された基材100の表面上に光配向膜200を選択的に形成すれば、第1配向方向を有するラビング処理された基材100と第2配向方向を有する光配向膜200が交互に露出し、その上に液晶物質を塗布すれば、図5に示されたように、第1配向方向に配向された第1領域300a及び第2配向方向に配向された第2領域300bにパターニングされた液晶物質層300a、300bを形成することができるようになる。
【0070】
図6には、図5に示された本発明の位相差フィルムの製造方法が示されている。
本発明の光学フィルタ製造方法は、図6に示されたように、(1)ラビング処理段階、(2)光配向膜塗布段階、(3)光配向膜形成段階、(4)液晶物質層形成段階を備えてなることができる。
【0071】
まず、基材100の表面をラビング布などを用いて一定の方向(第1配向方向)に擦ってラビング処理する。その後、基材表面のラビング処理が完了すれば、その上に光配向膜材料を塗布する。この時、前記光配向膜材料は、全面的に塗布せず、一定のパターンを形成するように選択的に塗布する。例えば、一定の間隔で配置されたストライプパターンや、碁盤形態で塗布することができ、これは、印刷法により行われることができる。
【0072】
次に、前記光配向膜材料に一定の方向(第2配向方向)に偏光されたUVを照射し、光配向膜200を形成する。
【0073】
この際、前記光配向膜200の配向方向(第2配向方向)は、基材100表面のラビング方向(第1配向方向)と異なり、好ましくは、互いに垂直である。一方、光配向膜200が全面的に形成されず、一定の間隔で選択的に形成されているので、基材表面には、ラビング処理された部分と光配向膜部分が交互に配置されるようになる。
【0074】
次に、前記基材100及び光配向膜200上に反応性液晶物質を塗布した後、熱または光を照射して架橋させる方法で液晶物質層300を形成する。液晶物質の種類及びその形成方法は、前述したことと同一なので説明を省略する。
【0075】
一方、図7には、本発明の製造方法のさらに他の実施例が示されている。図7に示されたように、前記本発明の製造方法は、前記図2、図4及び図6に示された方法でパターニングされた位相差フィルムを製造した後、パターニングされた液晶物質層のみを他のフィルムに転写する段階をさらに備えてなることができる。
【0076】
より具体的に説明すれば、本発明の製造方法は、前述したパターニングされた位相差フィルムの製造方法を利用して液晶層がパターニングされた第1基材を製造した後、これとは別に一面に粘着層が形成された第2基材を用意し、前記第2基材の粘着層を前記第1基材上のパターニングされた液晶物質層上に付着させた後、前記第2基材と第1基材を分離し、第2基材上にパターニングされた液晶物質層を転写する方法で行われることができる。
【0077】
一方、図7には、第1基材として、図3に示されたように、第1配向膜10と第2配向膜20が交互に形成された位相差フィルムを使用する場合が示されているが、これは、例示的なものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、本発明では、第1基材として、図1に示されたような構成の位相差フィルムや、図5に示されたような構成の位相差フィルムを使用してもよい。この際、前記第1基材の製造方法は、前述したパターニングされた位相差フィルムの製造方法と同一なので、具体的な説明を省略する。
【0078】
一方、前記粘着層60が形成された第2基材50は、プラスチック基材、例えば、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ノルボルネン誘導体などのシクロオレフインポリマー基材上に粘着樹脂を塗布するか、または粘着シートを付着する方法で用意することができる。粘着層60が形成された第2基材50を用意すれば、前記第2基材の粘着層60部分を第1基材10の液晶物質層40に付着させた後、前記第2基材50から第1基材10を分離し、第2基材50の粘着層60上に第1基材10のパターニングされた液晶物質層40を転写させる。
【0079】
位相差フィルムにおいて位相差を発生させる部分は、液晶物質層であり、その他、他の部分、すなわち基材や配向膜階は、光学的に何らの役目をも行わない。むしろ、このような基材や配向膜層が一定の厚さ以上に厚いか、または位相差を有する場合には、位相差フィルムの性能を低下させる要因として作用することができる。したがって、図2、図4及び図6に示されたような製造工程により位相差フィルムを形成した後、パターニングされた液晶物質層のみを他のフィルムに転写させることによって、光学的にさらに正確で且つ優れた性能を有する位相差フィルムを形成することができる。
【0080】
前述のような方法で製造された本発明の位相差フィルムは、偏光板に付着し、光学フィルタとして有用に使用されることができる。図12〜図14には、本発明のパターニングされた位相差フィルムが付着した偏光板の多様な具現例が記載されている。図12〜図14に示されたように、本発明のパターニングされた位相差フィルムは、液晶物質層40、300が偏光板500と対面するように配置され、必須的なものではないが、必要に応じて偏光板500と液晶物質層40、300との間に粘着層600が介在されることができる。
【0081】
前述のような本発明の位相差フィルムを含む前記偏光板は、立体表示装置に有用に使用されることができる。
【0082】
以下では、具体的な実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
【0083】
(実施例)
ポリビニルアルコール、多官能性単量体であるトリス[2−アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレートとペンタエリスリトールトリアクリレート、そして光開始剤であるイガキュア2959を水とエチルアルコールが50:50重量比で混合された混合溶媒に各々2重量%、0.7重量%、0.3重量%、及び0.25重量%の濃度で溶解させて、ラビング配向膜用材料を製造した。
【0084】
前記ラビング配向膜用材料をトリアセチルセルロース(TAC)基材の上に乾燥後の厚さが約0.1ミクロンとなるようにワイヤバー(wire bar)を用いて塗布した後、100℃乾燥オーブンで2分間熱風乾燥させ、80W/cm高圧水銀ランプを利用して3m/分の速度で1回紫外線照射して硬化し、硬化された配向膜表面をラビング処理し、第1配向膜を形成した。
【0085】
次に、光反応性重合体である5−ノルボルネン−2−メチル−(4−メトキシシンナーメート)と多官能性モノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、そして光開始剤であるイガキュア907(スイス、Ciba−Geigy社)をシクロペンタノンに各々2重量%、2重量%、0.5重量%の濃度で溶解させ、光配向膜用材料を製造した。
【0086】
前記光配向膜用材料を前記第1配向膜の上に乾燥後の厚さが約0.1ミクロンとなるように300ミクロン間隔でストライプ形態で印刷した後、70℃乾燥オーブンで2分間熱風乾燥させた。
【0087】
その後、光源として80W/cm強さの高圧水銀ランプを使用し、Moxtek社のワイヤグリッド偏光板を利用して偏光された紫外線を照射し、3m/分の速度で前記光配向膜を1回露光させて、第1配向膜の配向方向に対して垂直に配向された第2配向膜を形成した。
【0088】
平面配向が可能な重合性液晶化合物であるBASF社のLC242 95重量%と光開始剤であるイガキュア907(スイス、Ciba−Geigy社)5重量%よりなる固形分を25重量%の含量で溶解させ、重合性液晶物質を製造した。
【0089】
前述のように製造された重合性液晶物質を前記第1配向膜と第2配向膜の上に乾燥後の厚さが約1ミクロンとなるように塗布し、80℃乾燥オーブンで2分間熱風乾燥した後、80W/cm強さの高圧水銀ランプで3m/分の速度で1回紫外線を照射し、硬化させることによって、位相差フィルムを製作した。
【0090】
図10には、前記実施例により製造した位相差フィルムの偏光顕微鏡写真が示されている。また、図11には、前記実施例のラビング配向膜と光配向膜領域の境界面を拡大撮影した写真が示されている。
【符号の説明】
【0091】
10 基材
20 第1配向膜
30 第2配向膜
40 液晶物質層
100 ラビング処理された基材
200 光配向膜
300 液晶物質層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材;
前記基材上に形成され、配向処理方式及び配向方向が異なる第1配向膜及び第2配向膜;及び
前記第1配向膜及び第2配向膜の上部に形成される液晶物質層を含み、
前記液晶物質層は、前記第1配向膜により配向された第1領域及び前記第2配向膜により配向された第2領域にパターニングされている、パターニングされた位相差フィルム。
【請求項2】
前記基材は、面内位相差値が0〜30nmであり、厚さ方向位相差値の絶対値が0〜300nmである、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項3】
前記基材は、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン及びシクロオレフインポリマーよりなる群から選択される、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項4】
前記液晶物質層は、ストライプまたは碁盤パターンでパターニングされている、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項5】
前記第1配向膜の配向方向と第2配向膜の配向方向が互いに垂直である、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項6】
前記液晶物質層は、λ/4位相遅延層である、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項7】
前記第1配向膜は、前記基材の一面に全面的に形成され、
前記第2配向膜は、前記第1配向膜上に一定のパターンで形成される、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項8】
前記第1配向膜は、ラビング配向膜であり、
前記第2配向膜は、光配向膜である、請求項7に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項9】
前記第1配向膜は、光配向膜であり、
前記第2配向膜は、ラビング配向膜である、請求項7に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項10】
前記第1配向膜は、前記基材の一面に一定のパターンで形成され、
前記第2配向膜は、前記基材上の前記第1配向膜が形成されていない領域に形成される、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項11】
前記第1配向膜は、ラビング配向膜であり、
前記第2配向膜は、光配向膜である、請求項10に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項12】
前記第1配向膜は、光配向膜であり、
前記第2配向膜は、ラビング配向膜である、請求項10に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項13】
その表面が第1配向方向にラビング処理された基材;
前記基材のラビング処理された表面上に一定のパターンで形成される、第2配向方向に配向処理された光配向膜;及び
前記基材及び光配向膜の上部に形成される液晶物質層を含み、
前記液晶物質層は、前記ラビング処理された基材により配向された第1領域及び前記光配向膜により配向された第2領域にパターニングされた位相差フィルム。
【請求項14】
前記基材は、面内位相差値が0〜30nmであり、厚さ方向位相差値の絶対値が0〜300nmである、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項15】
前記基材は、トリアセチルセルロース及びポリエチレンテレフタレートよりなる群から選択される、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項16】
前記液晶物質層は、ストライプまたは碁盤パターンでパターニングされた、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項17】
前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直である、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項18】
前記液晶物質層は、λ/4位相遅延層である、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載のパターニングされた位相差フィルムを含む偏光板。
【請求項20】
請求項19の偏光板を含む立体表示装置。
【請求項21】
第1基材上に第1配向膜用材料を塗布する段階;
前記第1配向膜用材料を第1配向方向に配向処理し、第1配向膜を形成する段階;
前記第1基材または前記第1配向膜上に第2配向膜用材料を塗布する段階;
前記第2配向膜用材料を第2配向方向に配向処理し、第2配向膜を形成する段階;及び
前記第1配向膜及び第2配向膜上に液晶物質を塗布し硬化させて、パターニングされた液晶物質層を形成する段階を含む位相差フィルムの製造方法。
【請求項22】
前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直である、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項23】
前記第1配向膜用材料を塗布する段階及び前記第2配向膜用材料を塗布する段階のうち少なくとも1つは、印刷法で行われる、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項24】
一面に粘着層が形成された第2基材を用意する段階;
前記第2基材の粘着層を前記第1基材上のパターニングされた液晶物質層上に付着させる段階;及び
前記第2基材を第1基材と分離させて、パターニングされた液晶物質層を前記第2基材上に転写する段階をさらに含む、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項25】
前記第1配向膜用材料は、前記第1基材上に全面的に塗布され、
前記第2配向膜用材料は、前記第1配向膜上に一定のパターンに塗布される、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項26】
前記第1配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、
前記第1配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われ、
前記第2配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、
前記第2配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われる、請求項25に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項27】
前記第1配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、
前記第1配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われ、
前記第2配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、
前記第2配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われる、請求項25に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項28】
前記第1配向膜用材料は、前記第1基材上に一定のパターンで塗布され、
前記第2配向膜用材料は、前記第1基材上の第1配向膜が形成されていない領域に塗布される、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項29】
前記第1配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、
前記第1配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われ、
前記第2配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、
前記第2配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われる、請求項28に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項30】
前記第1配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、
前記第1配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われ、
前記第2配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、
前記第2配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われる、請求項28に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項31】
第1基材表面を第1配向方向にラビング処理する段階;
前記ラビング処理された第1基材表面上に光配向膜用材料を一定のパターンで塗布する段階;
前記光配向膜用材料に第2配向方向に偏光されたUVを照射し、光配向膜を形成する段階;及び
前記ラビング処理された第1基材表面及び光配向膜上に液晶物質を塗布し硬化させて、液晶物質層を形成する段階を含む位相差フィルムの製造方法。
【請求項32】
前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直である、請求項31に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項33】
前記光配向膜用材料を一定のパターンで塗布する段階は、印刷法により行われる、請求項31に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項34】
一面に粘着層が形成された第2基材を用意する段階;
前記第2基材の粘着層を前記第1基材上のパターニングされた液晶物質層上に付着させる段階;及び
前記第2基材を第1基材から分離させて、第2基材上にパターニングされた液晶物質層を転写する段階をさらに含む、請求項31に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項35】
前記第1基材は、面内位相差値が0〜30nmであり、厚さ方向位相差値の絶対値が0〜300nmである、請求項21に記載のパターニングされた位相差フィルムの製造方法。
【請求項36】
前記第1基材は、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン及びシクロオレフインポリマーよりなる群から選択される、請求項21に記載のパターニングされた位相差フィルムの製造方法。
【請求項37】
前記第1基材は、トリアセチルセルロース及びポリエチレンテレフタレートよりなる群から選択される、請求項31に記載のパターニングされた位相差フィルムの製造方法。
【請求項38】
前記第2基材は、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン及びシクロオレフインポリマーよりなる群から選択される、請求項24または34に記載のパターニングされた位相差フィルムの製造方法。
【請求項1】
基材;
前記基材上に形成され、配向処理方式及び配向方向が異なる第1配向膜及び第2配向膜;及び
前記第1配向膜及び第2配向膜の上部に形成される液晶物質層を含み、
前記液晶物質層は、前記第1配向膜により配向された第1領域及び前記第2配向膜により配向された第2領域にパターニングされている、パターニングされた位相差フィルム。
【請求項2】
前記基材は、面内位相差値が0〜30nmであり、厚さ方向位相差値の絶対値が0〜300nmである、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項3】
前記基材は、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン及びシクロオレフインポリマーよりなる群から選択される、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項4】
前記液晶物質層は、ストライプまたは碁盤パターンでパターニングされている、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項5】
前記第1配向膜の配向方向と第2配向膜の配向方向が互いに垂直である、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項6】
前記液晶物質層は、λ/4位相遅延層である、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項7】
前記第1配向膜は、前記基材の一面に全面的に形成され、
前記第2配向膜は、前記第1配向膜上に一定のパターンで形成される、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項8】
前記第1配向膜は、ラビング配向膜であり、
前記第2配向膜は、光配向膜である、請求項7に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項9】
前記第1配向膜は、光配向膜であり、
前記第2配向膜は、ラビング配向膜である、請求項7に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項10】
前記第1配向膜は、前記基材の一面に一定のパターンで形成され、
前記第2配向膜は、前記基材上の前記第1配向膜が形成されていない領域に形成される、請求項1に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項11】
前記第1配向膜は、ラビング配向膜であり、
前記第2配向膜は、光配向膜である、請求項10に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項12】
前記第1配向膜は、光配向膜であり、
前記第2配向膜は、ラビング配向膜である、請求項10に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項13】
その表面が第1配向方向にラビング処理された基材;
前記基材のラビング処理された表面上に一定のパターンで形成される、第2配向方向に配向処理された光配向膜;及び
前記基材及び光配向膜の上部に形成される液晶物質層を含み、
前記液晶物質層は、前記ラビング処理された基材により配向された第1領域及び前記光配向膜により配向された第2領域にパターニングされた位相差フィルム。
【請求項14】
前記基材は、面内位相差値が0〜30nmであり、厚さ方向位相差値の絶対値が0〜300nmである、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項15】
前記基材は、トリアセチルセルロース及びポリエチレンテレフタレートよりなる群から選択される、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項16】
前記液晶物質層は、ストライプまたは碁盤パターンでパターニングされた、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項17】
前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直である、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項18】
前記液晶物質層は、λ/4位相遅延層である、請求項13に記載のパターニングされた位相差フィルム。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載のパターニングされた位相差フィルムを含む偏光板。
【請求項20】
請求項19の偏光板を含む立体表示装置。
【請求項21】
第1基材上に第1配向膜用材料を塗布する段階;
前記第1配向膜用材料を第1配向方向に配向処理し、第1配向膜を形成する段階;
前記第1基材または前記第1配向膜上に第2配向膜用材料を塗布する段階;
前記第2配向膜用材料を第2配向方向に配向処理し、第2配向膜を形成する段階;及び
前記第1配向膜及び第2配向膜上に液晶物質を塗布し硬化させて、パターニングされた液晶物質層を形成する段階を含む位相差フィルムの製造方法。
【請求項22】
前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直である、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項23】
前記第1配向膜用材料を塗布する段階及び前記第2配向膜用材料を塗布する段階のうち少なくとも1つは、印刷法で行われる、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項24】
一面に粘着層が形成された第2基材を用意する段階;
前記第2基材の粘着層を前記第1基材上のパターニングされた液晶物質層上に付着させる段階;及び
前記第2基材を第1基材と分離させて、パターニングされた液晶物質層を前記第2基材上に転写する段階をさらに含む、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項25】
前記第1配向膜用材料は、前記第1基材上に全面的に塗布され、
前記第2配向膜用材料は、前記第1配向膜上に一定のパターンに塗布される、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項26】
前記第1配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、
前記第1配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われ、
前記第2配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、
前記第2配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われる、請求項25に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項27】
前記第1配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、
前記第1配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われ、
前記第2配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、
前記第2配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われる、請求項25に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項28】
前記第1配向膜用材料は、前記第1基材上に一定のパターンで塗布され、
前記第2配向膜用材料は、前記第1基材上の第1配向膜が形成されていない領域に塗布される、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項29】
前記第1配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、
前記第1配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われ、
前記第2配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、
前記第2配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われる、請求項28に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項30】
前記第1配向膜用材料は、光配向膜用材料であり、
前記第1配向膜を形成する段階は、光配向処理により行われ、
前記第2配向膜用材料は、ラビング配向膜用材料であり、
前記第2配向膜を形成する段階は、ラビング処理により行われる、請求項28に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項31】
第1基材表面を第1配向方向にラビング処理する段階;
前記ラビング処理された第1基材表面上に光配向膜用材料を一定のパターンで塗布する段階;
前記光配向膜用材料に第2配向方向に偏光されたUVを照射し、光配向膜を形成する段階;及び
前記ラビング処理された第1基材表面及び光配向膜上に液晶物質を塗布し硬化させて、液晶物質層を形成する段階を含む位相差フィルムの製造方法。
【請求項32】
前記第1配向方向と第2配向方向は、互いに垂直である、請求項31に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項33】
前記光配向膜用材料を一定のパターンで塗布する段階は、印刷法により行われる、請求項31に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項34】
一面に粘着層が形成された第2基材を用意する段階;
前記第2基材の粘着層を前記第1基材上のパターニングされた液晶物質層上に付着させる段階;及び
前記第2基材を第1基材から分離させて、第2基材上にパターニングされた液晶物質層を転写する段階をさらに含む、請求項31に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項35】
前記第1基材は、面内位相差値が0〜30nmであり、厚さ方向位相差値の絶対値が0〜300nmである、請求項21に記載のパターニングされた位相差フィルムの製造方法。
【請求項36】
前記第1基材は、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン及びシクロオレフインポリマーよりなる群から選択される、請求項21に記載のパターニングされた位相差フィルムの製造方法。
【請求項37】
前記第1基材は、トリアセチルセルロース及びポリエチレンテレフタレートよりなる群から選択される、請求項31に記載のパターニングされた位相差フィルムの製造方法。
【請求項38】
前記第2基材は、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン及びシクロオレフインポリマーよりなる群から選択される、請求項24または34に記載のパターニングされた位相差フィルムの製造方法。
【図1】
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図4】
【図6】
【図11】
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図4】
【図6】
【図11】
【公表番号】特表2013−508769(P2013−508769A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535114(P2012−535114)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007055
【国際公開番号】WO2011/049326
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007055
【国際公開番号】WO2011/049326
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】
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