説明

パターンド媒体およびその製造方法、ならびに磁気記録装置

【課題】バースト信号のSN比が高く、耐久性にも優れたパターンド媒体を提供する。
【解決手段】基板と、前記基板上に凸状の磁性パターンおよび前記凸状の磁性パターン間に埋め込まれた非磁性体を含む磁気記録層とを有し、前記磁性パターンの表面から、クロストラック方向またはダウントラック方向に沿って隣り合う磁性パターン間の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さをDb、前記磁性パターンの表面から、磁性パターンに囲まれた部分の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さをDaとして、前記深さDaが前記深さDbよりも大きいことを特徴とするパターンド媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンド媒体およびその製造方法、ならびに前記パターンド媒体を有する磁気記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクドライブ(HDD)に組み込まれる磁気記録媒体において、隣接トラック間の干渉によりトラック密度の向上が妨げられるという問題が顕在化している。特に記録ヘッド磁界のフリンジ効果による書きにじみの低減は重要な技術課題である。
【0003】
このような問題に対して、記録トラック間を物理的に分離するディスクリートトラック型パターンド媒体(DTR媒体)が提案されている。DTR媒体では、記録時に隣接トラックの情報を消去するサイドイレース現象、再生時に隣接トラックの情報を読み出すサイドリード現象などを低減できるため、トラック密度を高めることができる。したがって、DTR媒体は高記録密度を提供しうる磁気記録媒体として期待されている。
【0004】
従来、DTR媒体は、基板上に成膜された強磁性層をエッチングして記録トラックなどの磁性パターンを形成した後、バイアススパッタリング法により、磁性パターン間の凹部に非磁性体としてSiO2を埋め込み、エッチバックして表面を平坦化するという方法により製造されている(非特許文献1参照)。
【0005】
このような方法が採用されているのは、表面の凹凸が大きすぎると、磁気ヘッドの浮上特性が不安定になると考えられていたためである。そこで、磁性パターン間の凹部に非磁性体を埋め込んで表面を平坦化することにより、ヘッドの浮上特性が不安定になるという問題を解決している。
【非特許文献1】IEEE Trans. Magn., Vol. 40, pp. 2510 (2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、DTR媒体の表面を平坦化すると、磁気ヘッドの浮上量が大きくなり、バースト信号の信号ノイズ比(SN比)が低下するという問題がある。また、DTR媒体の表面が平坦であると、磁気ヘッドの媒体表面への衝突(ヘッドクラッシュ)の際に、媒体表面から潤滑剤が枯渇しやすくなり、媒体に傷がついてドライブの寿命が短くなるという問題もある。
【0007】
本発明の目的は、バースト信号のSN比が高く、耐久性にも優れたパターンド媒体および磁気記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るパターンド媒体は、基板と、前記基板上に凸状の磁性パターンおよび前記凸状の磁性パターン間に埋め込まれた非磁性体を含む磁気記録層とを有し、前記磁性パターンの表面から、クロストラック方向またはダウントラック方向に沿って隣り合う磁性パターン間の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さをDb、前記磁性パターンの表面から、磁性パターンに囲まれた部分の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さをDaとして、前記深さDaが前記深さDbよりも大きいことを特徴とする。
【0009】
本発明の他の態様に係るパターンド媒体の製造方法は、基板上に磁性膜を成膜した後、前記磁性膜上にレジストを塗布し、上記のパターンド媒体の凸状の磁性パターンに対応する凹状のパターンが形成されたスタンパを、前記レジストに押し付けて、前記磁性パターンに対応する凸状のレジストパターンを形成し、前記凸状のレジストパターンをマスクとして前記磁性膜をエッチングして凸状の磁性パターンを形成した後、前記レジストパターンを剥離し、基板バイアスを印加することなく、スパッタリングにより非磁性体を成膜して磁性パターン間に非磁性体を埋め込み、前記非磁性体をエッチバックすることを特徴とする。
【0010】
本発明のさらに他の態様に係る磁気記録装置は、上記のパターンド媒体を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バースト信号のSN比が高く、耐久性にも優れたパターンド媒体および磁気記録装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1(a)に本発明の一実施形態に係るパターンド媒体の平面図を示す。図1(a)に示すように、磁気ディスク1上には、磁気ディスク1の内径部と外径部との間に、円弧状に形成された複数のサーボ領域2が形成されている。サーボ領域2の間の領域が、記録トラックを含むデータ領域3として用いられる。
【0013】
図1(b)にサーボ領域2の一部を拡大した平面図を示す。図1(b)に示すように、サーボ領域2には、プリアンブル部21、アドレス部22、バースト部23が含まれる。図1(b)においてハッチングを施したバーストマークなどの領域は凸状の磁性パターンからなり、凸状の磁性パターン間に非磁性体が埋め込まれている。
【0014】
図2(a)の平面図に、4つのバーストマーク25が配置されている個所を拡大して示す。図2(b)に図2(a)のB−B線に沿う断面図、図2(c)に図2(a)のC−C線に沿う断面図をそれぞれ示す。図2(b)に示すように、バーストマーク25の表面から、クロストラック方向またはダウントラック方向に沿って隣り合うバーストマーク25間の中央部に埋め込まれた非磁性体26の表面までの深さをDbとする。図2(c)に示すように、バーストマーク25の表面から、4つのバーストマーク25に囲まれた部分(対角位置にあるバーストマーク25間)の中央部に埋め込まれた非磁性体26の表面までの深さをDaとする。本発明の実施形態においては、深さDaが深さDbよりも大きくなっている。
【0015】
なお、バーストマーク25上に保護層27が形成されている場合には、バーストマーク25間に埋め込まれた非磁性体26の表面までの深さを、必ずしも厳密にバーストマーク25表面から測定する必要はなく、保護層27表面から測定してもよい。本発明の実施形態においては、上述した深さの差(Da−Db)が重要なので、深さの測定の基準となる表面が、バーストマーク25表面であっても保護層27表面であっても問題にならない。
【0016】
図2(b)および(c)に示したように、バーストマーク25間に埋め込まれた非磁性体26の表面に凹部が形成されていると、磁気ヘッドの浮上量を適度に下げることができ、バースト信号のSN比を高くすることができる。
【0017】
また、図2(b)および(c)に示したように、非磁性体26の表面に二段階の凹部が形成されていると、媒体表面に従来よりも多くの潤滑剤を保持することができるので、ヘッドクラッシュ耐性を向上できる。以下、この効果について、より詳細に説明する。
【0018】
媒体表面のカーボン保護層上に塗布される潤滑剤には、カーボンに比較的強く結合したボンディング層と、ボンディング層上で比較的自由に動けるフリー層とがあると考えられている。ヘッドクラッシュの際に、潤滑剤のボンディング層が微量に剥ぎ取られ媒体表面から失われても、フリー層の潤滑剤が補充されれば、ドライブの機能に支障はない。しかし、ヘッドクラッシュの頻度が高くなると、媒体表面から失われる潤滑剤が多くなり、最終的には潤滑剤が枯渇してしまう。このように潤滑剤がなくなった個所で媒体表面にヘッドが触れると、媒体に傷がつきドライブが機能しなくなる。
【0019】
本発明の実施形態に係るパターンド媒体では、バースト部に埋め込まれた非磁性体の表面に二段階の深さで凹部が形成されているので、表面積が広く、主に深い凹部(図2c図示)に多くの潤滑剤が保持される。このため、ヘッドクラッシュの際に潤滑剤が媒体表面から失われても、深い凹部に保持されている潤滑剤が容易に補充される。したがって、本発明の実施形態に係るパターンド媒体は、従来のパターンド媒体と比較して、ヘッドクラッシュが起こっても潤滑剤が枯渇しにくく、ドライブの信頼性が高くなる。
【0020】
本発明の実施形態において、深さの差(Da−Db)は10nm以下であることが好ましい。(Da−Db)が10nmを超えると、媒体上での磁気ヘッドの浮上特性が不安定になり、磁気ヘッドが振動するようになる。本発明の実施形態において、深さの差(Da−Db)は1nm以上であることが好ましい。(Da−Db)が1nm未満であると、媒体表面にそれほど多くの潤滑剤を保持することができないため、ヘッドクラッシュ耐性を向上することができない。
【0021】
本発明の実施形態に係るパターンド媒体は、ディスクリートトラック(DTR)媒体、ディスクリートビット媒体、ナノパターンド媒体のいずれでもよい。図3、図4および図5を参照して、これらのパターンド媒体を説明する。
【0022】
図3に、本発明の実施形態に係るディスクリートトラック媒体の周方向に沿う平面図を示す。図1(b)と同様に、図3のサーボ領域2には、プリアンブル部21、アドレス部22、バースト部23が含まれる。図3に示すように、データ領域3にはディスクリートトラック31が含まれる。
【0023】
図3に示すDTR媒体のディスクリートトラック31は、直径8nm程度の物理粒径を持つグラニュラーな磁性粒子を含む強磁性層がダウントラック方向に延びた構造を有する。このディスクリートトラック31に記録を行うと、1つの記録マークには数百個の磁性粒子が含まれるが、記録マークエッジは磁性粒子径に依存してジグザク構造となる。このため、DTR媒体では、ダウントラック方向において磁性粒子径に応じた遷移ノイズが避けられない。この遷移ノイズを低減できるパターンド媒体として、ディスクリートビット媒体が提案されている。
【0024】
図4に、本発明の実施形態に係るディスクリートビット媒体の周方向に沿う平面図を示す。図4のデータ領域3では、強磁性層がクロストラック方向において物理的に分断されているだけでなくダウントラック方向においても物理的に分断されたディスクリートビット32が形成されている。ディスクリートビット媒体では上述した遷移ノイズを大幅に低減することができる。
【0025】
ディスクリートビット型パターン媒体は、電子線リソグラフィーを利用して形成されたスタンパを用いてインプリント法により作製する。しかし、ディスクリートビットのサイズが50nm以下になると電子線描画そのものが困難になる。そこで、さらに微細なビットを形成するには、自己組織化現象を利用した方法が用いられる。たとえばジブロックコポリマーを相分離させてパターンを配列制御させる自己組織化法(AASA: Artificially Assisted Self-Assembling)を用いることにより、微細なパターンを形成することができる。このような方法を利用して作製されるパターンド媒体は、ナノパターンド媒体と呼ばれる。
【0026】
図5に、本発明の実施形態に係るナノパターンド媒体の周方向に沿う平面図を示す。図5のデータ領域3に形成される記録トラックは、凸状の磁性パターンで形成された磁性ドット33がダウントラック方向にピッチPで配列されたサブトラックを2列含み、2つのサブトラック上の磁性ドット33の位置が前記ピッチPの1/2だけシフトしている。
【0027】
以下、本発明の実施形態に係るインプリントリソグラフィーを用いたパターンド媒体の製造方法について説明する。本発明の実施形態に係るパターンド媒体は、基板上に磁性膜を成膜した後、前記磁性膜上にレジストを塗布し、バーストマークに対応する凹状のパターンが形成されたスタンパを前記レジストに押し付けて、前記バーストマークに対応する凸状のレジストパターンを形成し、前記凸状のレジストパターンをマスクとして前記磁性膜をエッチングして凸状のバーストマークを形成した後、前記レジストパターンを剥離し、基板バイアスを印加することなく、スパッタリングにより非磁性体を成膜してバーストマーク間に非磁性体を埋め込み、前記非磁性体をエッチバックする方法により製造される。
【0028】
ここで、対比のために、インプリントリソグラフィーを用いた従来のパターンド媒体の代表的な製造方法について説明する。従来の方法では、強磁性層に設けられた凹部に非磁性体を埋め込んでバーストマークを形成するので、バーストマークに相当する凸状パターンを有するスタンパを使用する。まず、基板上に強磁性層を成膜し、強磁性層上にレジストを塗布する。バーストマークに相当する凸状パターンを有するスタンパをレジストに押し付けて、レジストにスタンパのパターンを転写してレジストパターンを形成する。レジストパターンをマスクとして、強磁性層をエッチングした後、強磁性層の凹部に非磁性体を埋め込む。その後、非磁性体をエッチバックして、非磁性体からなるバーストマークを形成する。
【0029】
従来、このような方法が採用されていた理由は以下の通りである。上記のようにレジストに対してバーストマークに対応する凸状パターンを有するスタンパを押し付けると、バーストマーク相当領域の上から排除すべきレジストの量が少ないため、インプリント工程を良好に実施できる。これに対して、従来のスタンパと逆転させた、バーストマークに相当する凹状パターンを有するスタンパを使用してインプリント工程を行うと、排除すべきレジストが多いためレジストをうまく排除することができないと考えられていた。しかし、本発明者らの研究によれば、インプリント工程において圧力を適切に設定すれば、バーストマークに相当する凹状パターンを有するスタンパを使用してもレジストを良好に排除できることがわかった。
【0030】
図6(a)に、本発明の実施形態において用いられるスタンパ40の斜視図を示す。このスタンパ40には、バーストマークに対応して凹部パターンが形成されている。図6(b)に、図6(a)のスタンパ40をレジスト41に押し付けることにより形成されたバーストマークに相当する凸状パターン42を示す。後述するように、レジスト41の凸状パターン42の下にある強磁性層がバーストマークおよびディスクリートトラック(またはディスクリートビット)などの磁性パターンとして用いられる。
【0031】
そして、磁性パターン間に埋め込まれる非磁性体の表面に二段階の深さで凹部を形成するには、基板バイアスを印加せずにスパッタリングにより非磁性体を成膜して、バーストマーク間に非磁性体を埋め込む。
【0032】
本発明の実施形態に係る製造方法を用いれば、バーストマークが凸状の磁性パターンで形成されるため、強磁性層の加工時にサイドエッチングの効果が現れ、電子線リソグラフィーにより形成されたスタンパ上のバーストマークに相当する凹状パターンのサイズよりも、凸状の磁性パターンからなるバーストマークのサイズを縮小することができる。このように、縮小されたサイズの磁性パターンからなるバーストマークを有するパターンド媒体に対して、磁気ヘッドによりバーストマークを検出する場合、隣接するバーストマークの信号を明確に区別できるので、ヘッド位置決め精度が向上する。
【0033】
図7(a)〜(h)を参照して、本発明の実施形態に係るディスクリートトラック媒体(またはディスクリートビット媒体)の製造方法を具体的に説明する。
【0034】
ガラス基板51上に、厚さ120nmのCoZrNbからなる軟磁性下地層、厚さ20nmのRuからなる配向制御層、厚さ20nmのCoCrPt−SiO2からなる強磁性層52、厚さ4nmのカーボン(C)からなる保護層53を順次成膜する。ここでは、簡略化のために、軟磁性下地層および配向制御層は図示していない(図7a)。
【0035】
保護層53上に、レジスト54として厚さ100nmのスピンオングラス(SOG)をスピンコーティングする。このレジスト54に対向するようにスタンパ71を配置する(図7b)。図6(a)に示したように、このスタンパ71にはバーストマークに対応して凹部パターンが形成されている。このスタンパ71を用いてインプリントを行い、スタンパ71の凹部に対応して、レジスト54の凸部54aを形成する(図7c)。後述するように、レジスト54の凸部54aの下にある強磁性層52がバーストマークおよびディスクリートトラック(またはディスクリートビット)などの磁性パターンとして用いられる。
【0036】
ICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置でエッチングを行い、パターン化されたレジスト54の凹部の底に残っているレジスト残渣を除去する。このときの条件は、たとえば、プロセスガスとしてCF4を用い、チャンバー圧を2mTorr、コイルのRFパワーとプラテンのRFパワーをそれぞれ100W、エッチング時間を30秒とする(図7d)。
【0037】
残ったレジストパターン(SOG)を耐エッチングマスクとして、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンでイオンミリングを行い、厚さ20nmの強磁性層52をエッチングする(図7e)。このときの条件は、たとえば、プロセスガスとしてArを用い、マイクロ波パワーを800W、加速電圧を500V、エッチング時間を3分とする。このエッチングにより形成される凸状の磁性パターンがバーストマークやディスクリートトラック(またはディスクリートビット)などとして用いられる。この工程において、凸状の磁性パターンはその周囲がサイドエッチングされるので、電子ビームリソグラフィにより加工されたスタンパの凹部の設計値よりも小さいバーストマークを形成することができる。その後、RIE装置でレジスト(SOG)を剥離する。このときの条件は、たとえば、プロセスガスとしてCF4ガスを用い、チャンバー圧を100mTorr、パワーを100Wとする。
【0038】
HDD用スパッタリング装置でスパッタリングを行い、非磁性体55として厚さ100nmのカーボン(C)を成膜し、磁性パターン間の凹部に埋め込む(図7f)。このときの条件は、たとえば、チャンバー圧を0.67Pa、パワーを500Wとし、基板バイアスを印加しない。チャンバー圧は1Pa以下が好ましく、0.5〜0.3Paがより好ましい。このように基板バイアスを印加せずに非磁性体55を磁性パターン間の凹部に埋め込むことにより、非磁性体55の表面には位置によって二段階の深さで凹部が形成される。これに対して、基板にバイアスを印加してバイアススパッタリングを行うと、非磁性体の平坦性が向上するため、所望の表面構造を形成することができない。
【0039】
ECRイオンガンでイオンミリングを行い、非磁性体55をエッチバックする(図7g)。このときの条件は、たとえば、プロセスガスとしてArを用い、マイクロ波パワーを800W、加速電圧を700V、エッチング時間を5分とする。また、Q−MASS(四重極式質量分析計)を用い、強磁性層に含まれるCoが検出された時点をエッチバックの終点にしてもよい。この結果、図2(b)および(c)に示したように、バーストマークの表面から非磁性体55の表面までの深さが、位置によってDaおよびDbの二段階になっている表面構造を形成することができる。
【0040】
CVD(化学気相堆積法)により再びカーボン(C)を堆積して保護層56を形成する(図7h)。さらに、保護層56上に潤滑剤を塗布してパターンド媒体(ディスクリートトラック媒体またはディスクリートビット媒体)を得る。
【0041】
次に、図8(a)〜(h)を参照して、本発明の実施形態に係るナノパターンド媒体の製造方法を具体的に説明する。なお、ディスクリートトラック媒体(またはディスクリートビット媒体)の製造方法とナノパターンド媒体の製造方法とでは、データ領域(記録トラック)の形成方法が異なるので、図8(a)〜(h)にはデータ領域を示している。
【0042】
ガラス基板51上に、厚さ120nmのCoZrNbからなる軟磁性下地層、厚さ20nmのRuからなる配向制御層、厚さ20nmのCoCrPt−SiO2からなる強磁性層52を順次成膜する。ここでは、簡略化のために、軟磁性下地層および配向制御層は図示していない。強磁性層52上に、レジスト64として厚さ100nmのノボラック系フォトレジストS1801(シプレイ社)をスピンコーティングする。このレジスト64に対向するようにスタンパ72を配置する(図8a)。このスタンパ72には、バーストマークに対応して凹部パターンが形成されている。このスタンパ72を用いてインプリントを行い、スタンパ72の凹部に対応して、レジスト64の凸部64aを形成する(図8b)。紫外線照射および160℃でのベークを行い、インプリントにより凸部64aが形成されたレジスト64を硬化させる。
【0043】
図8に示すデータ領域には、以下において説明するように、レジスト64の凸部64a間の凹部内にナノパターンが配列した記録トラックが形成される。
【0044】
レジスト64上に、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−PMMA)ジブロックコポリマーを有機溶剤に溶解した溶液をスピンコーティングして自己組織化膜65を形成する(図8c)。約140〜200℃でアニールして、自己組織化膜65を相分離させ、PS相66中に直径約40nmのPMMA粒子67が約80nmのピッチで三角格子を組んで配列した海島構造を形成する(図8d)。この自己組織化現象を用いたナノパターン形成方法は、通常のパターン形成方法、たとえばEB描画、フォトリソグラフィー、X線リソグラフィー、近接場光リソグラフィー、干渉露光法、FIB(focused ion beam)などに比べると、短時間で大面積のナノパターンを安価に形成できる点で有利である。
【0045】
酸素プラズマ処理により、PMMA粒子67のみを選択的に除去して穴を形成する(図8e)。PMMA粒子の除去された穴にSOG68を埋め込む(図8f)。ICPエッチング装置で酸素プラズマ処理を行い、SOG68で覆われた部分以外のPS相66およびレジスト64を除去する(図8g)。残ったSOG68を耐エッチングマスクとして、イオンミリングを行い、厚さ20nmの強磁性層52をエッチングする(図8h)。RIE装置でSOG68を剥離する。
【0046】
これ以降は図7(f)〜(h)と同様の工程を行うので、図8には図示を省略し、図7(f)〜(h)を参照して簡単に説明する。HDD用スパッタ装置でスパッタリングを行い、非磁性体55として厚さ100nmのカーボン(C)を成膜し、磁性パターン間の凹部に埋め込む(図7f)。イオンミリングを行い、非磁性体55をエッチバックする(図7g)。CVD(化学気相堆積法)により再びカーボン(C)を堆積して保護層56を形成する(図7h)。さらに、保護層56上に潤滑剤を塗布してパターンド媒体(ナノパターンド媒体)を得る。
【0047】
次に、本発明の実施形態において用いられる材料について説明する。
【0048】
<基板>
基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板などを用いることができる。ガラス基板としては、アモルファスガラスおよび結晶化ガラスが用いられる。アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げられる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスが挙げられる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが挙げられる。基板としては、上述した金属基板や非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。
【0049】
なお、以下においては、基板上への薄膜の形成方法としてスパッタリング法のみを説明しているが、真空蒸着法や電解メッキ法などを用いても同様の効果を得ることができる。
【0050】
<軟磁性下地層>
軟磁性下地層(SUL)は、垂直磁磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性下地層には、Fe、NiまたはCoを含む材料を用いることができる。このような材料として、FeCo系合金たとえばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。Feを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。軟磁性下地層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、TiおよびYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることもできる。Co合金には80at%以上のCoが含まれることが好ましい。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。
【0051】
軟磁性下地層の下に、軟磁性下地層の結晶性の向上または基板との密着性の向上のために、さらに下地層を設けてもよい。こうした下地層の材料としては、Ti、Ta、W、Cr、Pt、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。軟磁性下地層と記録層との間に、非磁性体からなる中間層を設けてもよい。中間層は、軟磁性下地層と記録層との交換結合相互作用を遮断し、記録層の結晶性を制御する、という2つの作用を有する。中間層の材料としては、Ru、Pt、Pd、W、Ti、Ta、Cr、Si、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
【0052】
スパイクノイズ防止のために軟磁性下地層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmのRuを挿入することで反強磁性結合させてもよい。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性層とを交換結合させてもよい。交換結合力を制御するために、Ru層の上下に磁性膜(たとえばCo)または非磁性膜(たとえばPt)を積層してもよい。
【0053】
<磁気記録層>
垂直磁気記録層としては、Coを主成分とし、少なくともPtを含み、さらに酸化物を含む材料を用いることが好ましい。垂直磁気記録層は、必要に応じて、Crを含んでいてもよい。酸化物としては、特に酸化シリコン、酸化チタンが好適である。垂直磁気記録層は、層中に磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)が分散していることが好ましい。この磁性粒子は、垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造であることが好ましい。このような構造を形成することにより、垂直磁気記録層の磁性粒子の配向および結晶性を良好なものとし、結果として高密度記録に適した信号ノイズ比(SN比)を得ることができる。このような構造を得るためには、含有させる酸化物の量が重要となる。
【0054】
垂直磁気記録層の酸化物含有量は、Co、Cr、Ptの総量に対して、3mol%以上12mol%以下であることが好ましく、5mol%以上10mol%以下であることがより好ましい。垂直磁気記録層の酸化物含有量として上記範囲が好ましいのは、垂直磁気記録層を形成した際、磁性粒子の周りに酸化物が析出し、磁性粒子を分離させ、微細化させることができるためである。酸化物の含有量が上記範囲を超えた場合、酸化物が磁性粒子中に残留し、磁性粒子の配向性、結晶性を損ね、さらには、磁性粒子の上下に酸化物が析出し、結果として磁性粒子が垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造が形成されなくなるため好ましくない。酸化物の含有量が上記範囲未満である場合、磁性粒子の分離、微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号ノイズ比(SN比)が得られなくなるため好ましくない。
【0055】
垂直磁気記録層のCr含有量は、0at%以上16at%以下であることが好ましく、10at%以上14at%以下であることがより好ましい。Cr含有量として上記範囲が好ましいのは、磁性粒子の一軸結晶磁気異方性定数Kuを下げすぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られるためである。Cr含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子のKuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁性粒子の結晶性、配向性が悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなるため好ましくない。
【0056】
垂直磁気記録層のPt含有量は、10at%以上25at%以下であることが好ましい。Pt含有量として上記範囲が好ましいのは、垂直磁性層に必要なKuが得られ、さらに磁性粒子の結晶性、配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られるためである。Pt含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子中にfcc構造の層が形成され、結晶性、配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。Pt含有量が上記範囲未満である場合、高密度記録に適した熱揺らぎ特性に十分なKuが得られないため好ましくない。
【0057】
垂直磁気記録層は、Co、Cr、Pt、酸化物のほかに、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reから選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、磁性粒子の微細化を促進し、または結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。上記元素の合計の含有量は、8at%以下であることが好ましい。8at%を超えた場合、磁性粒子中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子の結晶性、配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
【0058】
垂直磁気記録層としては、CoPt系合金、CoCr系合金、CoPtCr系合金、CoPtO、CoPtCrO、CoPtSi、CoPtCrSi、ならびにPt、Pd、Rh、およびRuからなる群より選択された少なくとも一種を主成分とする合金とCoとの多層構造、さらに、これらにCr、BおよびOを添加したCoCr/PtCr、CoB/PdB、CoO/RhOなどを使用することもできる。
【0059】
垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは5ないし60nm、より好ましくは10ないし40nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。垂直磁気記録層の厚さが5nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。垂直磁気記録層の厚さが40nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。垂直磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることが好ましい。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。垂直磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
【0060】
<保護層>
保護層は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で設けられる。保護層の材料としては、たとえばC、SiO2、ZrO2を含むものが挙げられる。保護層の厚さは1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。カーボンは、sp2結合炭素(グラファイト)とsp3結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp3結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの成膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp3結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものはダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護層として利用されている。CVD(chemical vapor deposition)法によるDLCの成膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp3結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
【0061】
次に、本発明の実施形態において用いられる好適な製造条件について説明する。
【0062】
<インプリント>
基板の表面にレジストをスピンコート法で塗布し、スタンパを押し付けることにより、レジストにスタンパのパターンを転写する。レジストとしては、たとえば一般的なノボラック系のフォトレジストや、スピンオングラス(SOG)を用いることができる。サーボ情報と記録トラックに対応する凹凸パターンが形成されたスタンパの凹凸面を、基板のレジストに対向させる。このとき、ダイセットの下板にスタンパ、基板、バッファ層を積層し、ダイセットの上板で挟み、たとえば2000barで60秒間プレスする。インプリントによってレジストに形成されるパターンの凹凸高さはたとえば60〜70nmである。この状態で60秒程度の保持することにより、排除すべきレジストを移動させる。また、スタンパにフッ素系の剥離材を塗布することで、スタンパをレジストから良好に剥離することができる。
【0063】
<残渣除去>
RIE(反応性イオンエッチング)により、レジストの凹部の底に残存している残差を除去する。このとき、レジストの材料に応じて適切なプロセスガスを用いる。プラズマソースは、低圧で高密度プラズマを生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)が好適であるが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマや、一般的な並行平板型RIE装置を用いてもよい。
【0064】
<強磁性層エッチング>
残渣を除去した後、レジストパターンをエッチングマスクとして用い、強磁性層を加工する。強磁性層の加工には、Arイオンビームを用いたエッチング(Arイオンミリング)が好適であるが、Clガス、またはCOとNH3の混合ガスを用いたRIEでもよい。COとNH3の混合ガスを用いたRIEの場合、エッチングマスクにはTi、Ta、Wなどのハードマスクを用いる。RIEを用いた場合、凸状の磁性パターンの側壁にテーパが付きにくい。いかなる材料でもエッチング可能なArイオンミリングで強磁性層を加工する場合、たとえば加速電圧を400Vとし、イオン入射角度を30°から70°まで変化させてエッチングを行うと、凸状の磁性パターンの側壁にテーパが付きにくい。ECRイオンガンを用いたミリングにおいては、静止対向型(イオン入射角90°)でエッチングすると、凸状の磁性パターンの側壁にテーパが付きにくい。
【0065】
本発明の実施形態においては、バーストマークを凸状の磁性パターンで形成しているので、サイドエッチングが起こると、バーストマークの寸法が縮小する。この場合、電子線リソグラフィーによって形成されるスタンパのパターンよりも小さいパターンを形成できるという効果が得られる。したがって、ある程度サイドエッチングが起こる条件で強磁性層をエッチングしてもよい。
【0066】
<レジスト剥離>
強磁性層をエッチングした後、レジストを剥離する。レジストとして一般的なフォトレジストを用いた場合、酸素プラズマ処理を行うことによって容易に剥離することができる。具体的には、酸素アッシング装置を用い、たとえばチャンバー圧を1Torr、パワーを400Wとし、処理時間を5分としてフォトレジストを剥離する。レジストとしてSOGを用いた場合、フッ素系ガスを用いたRIEでSOGを剥離する。フッ素系ガスとしてはCF4やSF6が好適である。なお、フッ素系ガスが大気中の水と反応してHF、H2SO4などの酸が生じることがあるため、水洗を行うことが好ましい。
【0067】
<凹凸埋め込み>
レジスト剥離後、非磁性体で凹凸の埋め込みを行う。非磁性材料は、SiO2、TiOx、Al23などの酸化物、Si34、AlN、TiNなどの窒化物、TiCなどの炭化物、BNなどの硼化物、C、Siなどの単体などから幅広く選択できる。このとき、基板バイアスを印加せずにスパッタリングを行うと、非磁性体の表面には位置によって二段階の深さで凹部が形成される。また、チャンバー圧は1Pa以下が好ましく、0.5〜0.3Paがより好ましい。たとえば、チャンバー圧を0.67Paとし、カーボンターゲットに500WのDCパワーを印加し、基板バイアスを印加せずにスパッタリングを行ってカーボンを埋め込み、所望の表面構造を形成する。
【0068】
<非磁性体エッチバック>
強磁性膜上にあるカーボン保護層が露出するまでエッチバックを行う。このエッチバックプロセスは、たとえばArイオンミリングを用いて行うことができる。SiO2などのシリコン系の非磁性体を用いた場合には、フッ素系ガスを用いたRIEによりエッチバックを行ってもよい。また、ECRイオンガンを用いて非磁性体をエッチバックしてもよい。
【0069】
<保護層形成および後処理>
エッチバック後、カーボン保護層を形成する。カーボン保護層は、CVD法、スパッタ法、または真空蒸着法により成膜することができる。CVD法によれば、sp3結合炭素を多く含むDLC膜が形成される。保護層上に潤滑剤を塗布する。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
【0070】
<自己組織化材料>
ナノパターンド媒体を製造する場合には、図8(c)および(d)の工程で説明したように、たとえばジブロックコポリマーからなる自己組織化材料を用いる。
【0071】
ブロックコポリマーとは、たとえば、繰り返し単位Aを有するポリマー鎖と繰り返し単位Bを有するポリマー鎖が−(AA・・AA)−(BB・・BB)−というように、ブロックをなして結合したコポリマーである。ブロックコポリマーを熱処理すると、Aポリマーが凝集したA相とBポリマーが凝集したB相が相分離した構造をとる。相分離構造の形態としては、たとえば、A相とB相が交互に規則正しく現れる「ラメラ」構造、一方の相が棒状をなす「シリンダー」構造、一方の相が球状に分布する「海島」構造などがある。ブロックコポリマーを用いて適切なミクロ相分離構造を形成するには、2つのポリマー相の体積分率を適切に調整する。AポリマーおよびBポリマーには任意のポリマーを用いることができるが、ドライエッチングレートの差が大きな組み合わせを選択するのが好適である。具体的には、比較的エッチング耐性のある芳香族ポリマー(たとえばポリスチレンPS、ポリビニルナフタレン、ポリαメチルスチレン、ポリビニルピリジンなど)と、ドライエッチングレートの速いアクリル系のポリマー(たとえばポリメチルメタクリレートPMMA、ポリt−ブチルメタクリレートなど)との組み合わせが好ましい。PS−PMMAのジブロックコポリマーの場合、ドライエッチング耐性の違いを利用して、PMMA相のみを選択的に除去することができる。一方、PS−ポリビニルピリジンのジブロックコポリマーはきれいな海島構造に相分離するが、ドライエッチング耐性に違いがほとんどないため、エッチングマスクとして利用することが困難である。
【0072】
海島構造をなすミクロ相分離構造のドット直径やピッチは、AポリマーとBポリマーの分子量で制御できる。たとえばPS−PMMAジブロックコポリマーの場合、PSの分子量を172000、PMMAの分子量を41500にすると、PMMAドットの直径を40nm、ピッチを80nmにすることができる。2つのポリマーの分子量を減らすと構造も小さくなる。たとえば、PSの分子量を43000、PMMAの分子量を10000にすると、PMMAドットの直径を10nm、ピッチを29nmにすることができる。
【0073】
次に、本発明の実施形態に係る磁気記録装置について説明する。図9に、本発明の実施形態に係る磁気記録装置(ハードディスクドライブHDD)の斜視図を示す。この磁気記録装置100は、筐体101の内部に、磁気ディスク102と、磁気ヘッドを組み込んだスライダ104と、ヘッドサスペンションアッセンブリ(アクチュエータアーム106およびサスペンション105)と、ボイスコイルモータ(VCM)108と、回路基板(図示せず)とを備える。筐体101の上面にはカバー109がかぶせられる。
【0074】
磁気ディスク102は、本発明の実施形態に係るパターンド媒体である。磁気ディスク102はスピンドルモータ103に取り付けられて回転され、垂直磁気記録方式により各種のディジタルデータが記録される。アクチュエータアームアーム106はピボット107に取り付けられている。サスペンション105はアクチュエータアームアーム106の先端に取り付けられている。スライダ104はサスペンション105の下面に支持され、スライダ104に組み込まれた磁気ヘッドを磁気ディスク102の記録面に対向させる。磁気ヘッドはいわゆる複合型ヘッドであり、単磁極構造のライトヘッドと、シールド間にGMR膜やTMR膜などを設けたリードヘッドとを含む。VCM108によってアクチュエータアームアーム106を駆動し、磁気ヘッドを磁気ディスク102の任意の半径位置に位置決めする。回路基板(図示せず)はヘッドICを備え、VCM108の駆動信号および磁気ヘッドの読み書き制御のための制御信号などを生成する。
【0075】
パターンド媒体を搭載する磁気記録装置は、ヘッドクラッシュしやすく、寿命が短いことが問題になっていた。本発明の実施形態に係る磁気記録装置は、搭載されているパターンド媒体の表面の潤滑剤の濡れ性がよいため、ヘッドクラッシュに強い。
【実施例】
【0076】
実施例1
電子線リソグラフィーにより、サーボ領域のプリアンブル、アドレスおよびバーストの各マークだけを凹パターンで形成したスタンパを用意した。このスタンパを用い、図7に示した方法でパターンド媒体を作製した。このパターンド媒体では、サーボ領域に凸状の磁性パターンが形成され、データ領域にはパターンが存在しない。作製されたパターンド媒体におけるバーストマークのサイズは一辺180nmであった。
【0077】
原子間力顕微鏡(AFM)により、このパターンド媒体の表面の凹凸を測定した。図2(c)に示される、バーストマークの表面から4つのバーストマークに囲まれた部分の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さDaは10nmであった。図2(b)に示される、バーストマークの表面からクロストラック方向またはダウントラック方向に沿って隣り合うバーストマーク間の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さDbは5nmであった。
【0078】
このパターンド媒体を組み込んだハードディスクドライブ(HDD)を作製し、ヘッド出力をオシロスコープで観察した。その結果、バースト信号の振幅は60mAであった。100℃でヒートランテストを1週間にわたって行った後、再びヘッド出力をオシロスコープで観察した。その結果、バースト信号の振幅は60mAであり、変化は認められなかった。このように、ヒートランテスト後にも、バースト信号に劣化がないことがわかった。また、ドライブの破損もなかった。
【0079】
比較例1
実施例1と同じスタンパを用い、磁性パターン間に非磁性体を埋め込む工程(図7f)をバイアススパッタ法に変更した。それ以外は実施例1と同様にして従来のパターンド媒体を作製した。
【0080】
AFMにより、パターンド媒体の表面の凹凸を測定したところ、Da=Db=0であり、表面は平坦であった。
【0081】
このパターンド媒体を組み込んだハードディスクドライブ(HDD)を作製し、ヘッド出力をオシロスコープで観察した。その結果、バースト信号の振幅は40mAであった。100℃でヒートランテストを行ったところ、4日でドライブが破損してしまった。
【0082】
実施例1のパターンド媒体は表面に適度な凹凸があるので、表面が平坦な比較例1のパターンド媒体と比較して磁気ヘッドの浮上量が低くなる。このため、実施例1のパターンド媒体では、比較例1のパターンド媒体よりも振幅の大きいバースト信号が得られる。また、バースト部に二段階の深さで凹部が形成されている実施例1のパターンド媒体を用いたドライブでは、ヘッドと媒体との接触が起こった場合にバースト部の表面の深い凹部に保持されている潤滑剤が長期間にわたって補充されるので、ドライブの破損が生じにくく信頼性が高い。これに対して、表面が平坦な比較例1のパターンド媒体を用いたドライブでは、ヘッドクラッシュが起こった場合に潤滑剤の補充がうまくなされず、媒体表面から早期に潤滑剤が枯渇するため、ドライブの破損が生じやすく信頼性が低い。
【0083】
実施例2
電子線リソグラフィーにより、サーボ領域のプリアンブル、アドレスおよびバーストの各マークならびに記録トラックを凹パターンで形成したスタンパを用意した。このスタンパを用い、図7に示した方法でディスクリートトラック媒体を作製した。作製されたディスクリートトラック媒体におけるバーストマークのサイズは一辺180nmであり、トラック幅は150nmであった。
【0084】
AFMにより、このディスクリートトラック媒体の表面の凹凸を測定したところ、Da=10nm、Db=5nmであった。記録トラック部の断面は図2(b)と同様であり、記録トラックの表面から記録トラック間の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さは、前記深さDbと同じく5nmであった。
【0085】
このディスクリートトラック媒体を組み込んだハードディスクドライブ(HDD)を作製し、ヘッド出力をオシロスコープで観察した。その結果、バースト信号の振幅は60mAであった。100℃でヒートランテストを1週間にわたって行った後、再びヘッド出力をオシロスコープで観察した。その結果、バースト信号の振幅は60mAであり、変化は認められなかった。このように、ヒートランテスト後にも、バースト信号に劣化がないことがわかった。また、ドライブの破損もなかった。
【0086】
比較例2
電子線リソグラフィーにより、記録トラックのみを凹パターンで形成したスタンパを用意した。このスタンパを用い、実施例2と同様な方法でディスクリートトラック媒体を作製した。
【0087】
記録トラック部の断面は図2(b)と同様であり、記録トラックの表面から記録トラック間の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さは5nmであった。
【0088】
このディスクリートトラック媒体を組み込んだハードディスクドライブ(HDD)を作製し、100℃でヒートランテストを行ったところ、6日目にドライブが破損した。
【0089】
記録トラック間に凹部が形成されている比較例2のディスクリートトラック媒体を用いたドライブではヘッドクラッシュが起こった場合に記録トラック間の凹部に保持されている潤滑剤が補充されるので、表面が平坦な比較例1のパターンド媒体を用いたドライブと比較して、ヘッドクラッシュ耐性が向上している。また、バースト部に二段階の深さで凹部が形成されている実施例2のディスクリートトラック媒体を用いたドライブは、比較例2のディスクリートトラック媒体を用いたドライブと比較して、さらにヘッドクラッシュ耐性が向上している。
【0090】
実施例3
電子線リソグラフィーにより、サーボ領域のプリアンブル、アドレスおよびバーストの各マークならびに記録トラックのディスクリートビットを凹パターンで形成したスタンパを用意した。このスタンパを用い、図7に示した方法により、図4に示したディスクリートビット媒体を作製した。作製されたディスクリートビット媒体におけるバーストマークのサイズは一辺180nmであり、ディスクリートビットのサイズは150nm×50nmであった。
【0091】
このディスクリートビット媒体では、記録トラック部もバースト部と同様の断面構造となっていた。すなわち、ディスクリートビットの表面からクロストラック方向またはダウントラック方向に沿って隣り合うディスクリートビット間の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さをDb、ディスクリートビットの表面から4つのディスクリートビットに囲まれた部分の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さをDaとして、深さDaが深さDbよりも深くなっていた。
【0092】
このディスクリートビット媒体を組み込んだハードディスクドライブ(HDD)を作製し、ヘッド出力をオシロスコープで観察した。その結果、バースト信号の振幅は60mAであった。100℃でヒートランテストを1週間にわたって行った後、再びヘッド出力をオシロスコープで観察した。その結果、バースト信号の振幅は60mAであり、変化は認められなかった。このように、ヒートランテスト後にも、バースト信号に劣化がないことがわかった。また、ドライブの破損もなかった。
【0093】
実施例4
図8に示した方法により、図5に示したように、サーボ領域のプリアンブル、アドレスおよびバーストの各マークならびに記録トラックの磁性ドットが凸状の磁性パターンで形成されたナノパターンド媒体を作製した。各々の記録トラックは、直径40nmの磁性ドットがダウントラック方向にピッチPで配列したサブトラックを2列含み、2つのサブトラック上の磁性ドットの位置はピッチPの1/2だけシフトしている。バーストマークのサイズは一辺180nmであった。
【0094】
このディスクリートトラック媒体を組み込んだハードディスクドライブ(HDD)を作製し、ヘッド出力をオシロスコープで観察した。その結果、バースト信号の振幅は60mAであった。100℃でヒートランテストを1週間にわたって行った後、再びヘッド出力をオシロスコープで観察した。その結果、バースト信号の振幅は60mAであり、変化は認められなかった。このように、ヒートランテスト後にも、バースト信号に劣化がないことがわかった。また、ドライブの破損もなかった。
【0095】
実施例5
実施例2で説明した通りの方法で、ディスクリートトラック媒体を作製した。AFMにより、このディスクリートトラック媒体の表面の凹凸を測定したところ、Da=10nm、Db=5nmであった。
【0096】
レーザードップラー振動計(LDV)を用い、このディスクリートトラック媒体に対する記録再生ヘッドの振動を観測した。その結果、図10(a)に示したスペクトルが得られた。このスペクトルは、ヘッドの振動がないことを示している。
【0097】
図7(f)に示した、スパッタリングにより磁性パターン間に非磁性体としてカーボンを埋め込む工程において、カーボンの膜厚を変化させた以外は実施例2で説明した通りの方法で、深さDaと深さDbを調整し、(Da−Db)の値が異なる種々のディスクリートトラック媒体を作製した。
【0098】
LDVを用い、これらのディスクリートトラック媒体に対する記録再生ヘッドの振動を観測した。その結果、(Da−Db)≦10nmではヘッドの振動が見られないことがわかった。
【0099】
比較例3
図7(f)に示した、スパッタリングにより磁性パターン間に非磁性体としてカーボンを埋め込む工程において、カーボンの膜厚を50nmとした以外は、実施例2で説明した通りの方法でディスクリートトラック媒体を作製した。AFMにより、このディスクリートトラック媒体の表面の凹凸を測定したところ、Da=20nm、Db=8nmであった。
【0100】
LDVを用い、このディスクリートトラック媒体に対する記録再生ヘッドの振動を観測した。その結果、図10(b)に示したスペクトルが得られた。図10(b)には、約9kHzの周波数で明瞭な振動ピークが出現している。これは、4200rpmでディスクを回転した際に、1周あたり180個のサーボセクタで磁気ヘッドが落ち込み、上下方向に振動していることによる。磁気ヘッドが振動していると、ヘッドクラッシュの原因になるばかりか、サーボ信号のSN比を劣化させる原因になるため、製品として使用することができない。
【0101】
実施例6
実施例2で説明した通りの方法で、ディスクリートトラック媒体を作製した。作製されたディスクリートトラック媒体におけるバーストマークのサイズは一辺180nmであり、トラック幅は150nmであった。
【0102】
バースト信号によるサーボ評価を行ったところ、ヘッド位置決め精度は8nmであった。これは、磁気記録装置として十分な位置決め精度である。
【0103】
比較例4
バーストマークに対応する凸状のパターンを形成したスタンパを用いた以外は実施例2で説明した通りの方法で、ディスクリートトラック媒体を作製した。
【0104】
このディスクリートトラック媒体では、バーストマークは強磁性層に設けられた凹部に埋め込まれた非磁性体で形成されている。作製されたディスクリートトラック媒体におけるバーストマークのサイズは一辺220nmであり、トラック幅は150nmであった。
【0105】
バースト信号によるサーボ評価を行ったところ、ヘッド位置決め精度は20nmと悪化した。これは、磁性パターンを加工する工程でサイドエッチングが起こり、スタンパに描画されたパターンよりもディスクリートトラック媒体に形成されるパターンの方が、サイズが大きくなるためである。バーストマークのサイズが大きいと、互いに隣接する2つのバーストマークの信号の境界が不明瞭になり、ヘッド位置決め精度が大幅に悪化する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施形態に係るパターンド媒体の平面図、およびそのサーボ領域の一部を拡大した平面図。
【図2】4つのバーストマークが配置されている個所を拡大して示す平面図、その平面図のB−B線に沿う断面図、およびその平面図のC−C線に沿う断面図。
【図3】本発明の実施形態に係るディスクリートトラック媒体の周方向に沿う平面図。
【図4】本発明の実施形態に係るディスクリートビット媒体の周方向に沿う平面図。
【図5】本発明の実施形態に係るナノパターンド媒体の周方向に沿う平面図。
【図6】本発明の実施形態において用いられるスタンパの斜視図、およびレジストに形成されたバーストマークに相当する凸状パターンを示す斜視図。
【図7】本発明の実施形態に係るディスクリートトラック媒体(またはディスクリートビット媒体)の製造方法を示す断面図。
【図8】本発明の実施形態に係るナノパターンド媒体の製造方法を示す断面図。
【図9】本発明の実施形態に係る磁気記録装置の斜視図。
【図10】実施例5および比較例3のディスクリートトラック媒体に対する記録再生ヘッドの振動をレーザードップラー振動計により観測したスペクトルを示す図。
【符号の説明】
【0107】
1…磁気ディスク、2…サーボ領域、3…データ領域、21…プリアンブル部、22…アドレス部、23…バースト部、25…バーストマーク、26…非磁性体、27…保護層、31…ディスクリートトラック、32…ディスクリートビット、33…磁性ドット、40…スタンパ、41…レジスト、42…凸状パターン、51…ガラス基板、52…強磁性層、53…保護層、54…レジスト、55…非磁性体、56…保護層、64…レジスト、65…自己組織化膜、66…PS相、67…PMMA粒子、68…SOG、71、72…スタンパ、100…磁気記録装置、101…筐体、102…磁気ディスク、103…スピンドル、104…スライダ、105…サスペンション、106…アクチュエータアーム、107…ピボット、108…ボイスコイルモータ(VCM)、109…カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に凸状の磁性パターンおよび前記凸状の磁性パターン間に埋め込まれた非磁性体を含む磁気記録層とを有し、
前記磁性パターンの表面から、クロストラック方向またはダウントラック方向に沿って隣り合う磁性パターン間の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さをDb、前記磁性パターンの表面から、磁性パターンに囲まれた部分の中央部に埋め込まれた非磁性体の表面までの深さをDaとして、前記深さDaが前記深さDbよりも大きいことを特徴とするパターンド媒体。
【請求項2】
前記磁気記録層は、凸状の磁性パターンで形成されたバーストマークを有することを特徴とする請求項1に記載のパターンド媒体。
【請求項3】
前記磁気記録層は、凸状の磁性パターンで形成されたディスクリートトラックを有することを特徴とする請求項1または2に記載のパターンド媒体。
【請求項4】
前記磁気記録層は、凸状の磁性パターンで形成されたディスクリートビットを含む記録トラックを有することを特徴とする請求項1または2に記載のパターンド媒体。
【請求項5】
前記磁気記録層は、凸状の磁性パターンで形成された磁性ドットがダウントラック方向にピッチPで配列されたサブトラックを複数列含み隣接する2つのサブトラック上の磁性ドットの位置が前記ピッチPの1/2だけシフトしている記録トラックを有することを特徴とする請求項1または2に記載のパターンド媒体。
【請求項6】
前記深さの差(Da−Db)が1nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のパターンド媒体。
【請求項7】
基板上に磁性膜を成膜した後、前記磁性膜上にレジストを塗布し、
請求項1に記載のパターンド媒体の凸状の磁性パターンに対応する凹状のパターンが形成されたスタンパを、前記レジストに押し付けて、前記磁性パターンに対応する凸状のレジストパターンを形成し、
前記凸状のレジストパターンをマスクとして前記磁性膜をエッチングして凸状の磁性パターンを形成した後、前記レジストパターンを剥離し、
基板バイアスを印加することなく、スパッタリングにより非磁性体を成膜して磁性パターン間に非磁性体を埋め込み、
前記非磁性体をエッチバックする
ことを特徴とする請求項1に記載のパターンド媒体の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載のパターンド媒体を有することを特徴とする磁気記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−250091(P2007−250091A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72857(P2006−72857)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】