パターン化された伝導体を備える、雷保護シート
雷保護システムは典型的に、航空機の外側表面上で使用するために提供され、これは複数の丘形状にパターン化された導電性フィルム(30)を含む落保護シートの使用を含む。雷保護シートは、非導電性弁別層(60)を導電性フィルムの上に更に含んでもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示内容の全体を参照することにより本明細書に援用する米国特許仮出願第61/170352号(2009年4月17日出願)の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、複数の丘形状にパターン形成され、典型的に航空機の外側表面上で使用するための導電性フィルムを含む雷保護シートに関する。
【背景技術】
【0003】
飛行中の飛行機の落雷は希有な現象ではない。民間輸送航空機への落雷は、1年で航空機1台当たり約1回になると予測されている。航空工学における現在、より軽量な材料、より少ない機械システム、及びより多くの電子システムを使用する傾向にある。電子システムは機械システムよりも、例えば落雷によって生じる電磁妨害の影響を受けることが多い。最近では、航空機用、これと並んで風力発電機、自動車、スポーツ用品、家具、バス、トラック、及び硬質で軽量の材料、又は部材の強化が有益である他の用途の、より多くの部材を製造するために、非導電性又は部分的に導電性の繊維強化樹脂マトリックス材料が使用されている。これらのより軽量な構造物は、従来のアルミニウム構造体よりも雷に対して、効果の弱い保護を提供する。
【0004】
雷捕捉場所における状況は過酷である。航空機の雷捕捉に関して、200クーロンを超える電荷移行で200,000アンペアもの高い過渡電流が予想される。(SAE ARP5412 Revision A,Aircraft Lightning Environment and Related Test Waveforms,SAE International,01−Nov−1999.)風力発電機の雷捕捉は、地理的な位置及び高さによって大きく変化するが、300クーロンもの高い電荷移行で100,000アンペアもの高い過渡電流が予想される。(Technical Report 61400−24,Wind Turbine Generator Systems−Part 24:Lightning Protection,International Electrotechnical Commission,1st edition 2002−07。)落雷カラムにおけるプラズマの温度は、約28,000°K(27,727℃)であると推定されている。(「A numerical modeling of an electric arc and its interaction with the anode:part III.Application to the interaction of a lightning strike and an aircraft in flight」(F Lago、J J Gonzalez、P Freton、F Uhlig、N Lucius及びG P Piau)2006 J.Phys.D:Appl.Phys.39 2294〜2310。)落雷によって生じる損傷のほとんどは、雷のアーク内の高温及び材料のオーム加熱によって生じる、落雷場所での過剰なレベルの熱によるものである。
【0005】
一部の研究者は、金属化織布、金属化紙、固体金属フィルム、小孔金属フィルム、金属線、金属メッシュ、金属粒子、エキスパンドメタルホイル、炭素粒子、又は炭素繊維などの導電性層を含む、落保護システムの使用を報告している。一部の発明者は、イオン性外側層(例えば塗装層など)を含む雷保護システムの使用を報告している。落雷はしばしば、捕捉部位にて保護機構を破壊し、最新の軽量構造体にかなり重大な損傷を引き起こす。これは、費用のかかる構造体の修理、及び関連するサービスの中断を余儀なくさせる。以下の参照はこのような技術に関する:国際公開第2005/032812(A)号、米国特許出願公開第2006/051592(A1)号、国際公開第2007/048426(A)号、米国特許出願公開第2008/142238(A1)、同第2004/0069895号、米国特許第4,920,163号、欧州特許第0227122(A)号、米国特許第7,277,266(B1)号、米国特許出願公開第2007/0236855(A1)号、国際公開第2007/123700(A1)号、米国特許出願公開第2007/0230085(A1)号、欧州特許第1,935,784(A2)号、国際公開第2008/040936(A1)号、米国特許第4,352,142号、国際公開第2008/076851(A1)号、米国特許出願公開第2007/0141927(A1)号、同第2008/0145555(A1)号、欧州特許第1,944,236(A2)号、米国特許出願公開第2008/0170349(A1)号、フランス特許出願公開第2,720,214(A1)号、米国特許出願公開第2007/0258182(A1)号、同第2007/0093163(A1)号、米国特許出願公開第2007/0201179(A1)号、米国特許第5,127,601号、同第3,989,984号、国際公開第2008/015082(A1)号、同第2008/006377(A1)号、同第2008/046186(A1)、同第2007/142354(A1)号、同第2008/048705(A2)、同第2008/056123(A1)号、欧州特許第1,935,631(A3)号、ロシア特許第2,263,581号、同第2,217,320(C1)号、国際公開第2002/076430(A)号、ロシア特許第2,192,991(C)号、欧州特許第1,011,182(A1)号、同第0,900,647(A)号、同第629,549(A)号、ドイツ特許出願公告第102006046002(B4)号、欧州特許第163,805(A1)号、米国特許第5,132,168(A)号、米国特許第3,755,713(A)号、及び米国特許出願公開第2006/0143920(A1)号。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡潔に、本開示は、実質連続的な厚さtの導電性フィルムを含み、この導電性フィルムは、tより大きい、いくつかの実施形態ではtの3倍より大きい、いくつかの実施形態ではtの10倍より大きい、高さhを有する、複数の丘形状にパターン化されている、雷保護シートを提供する。いくつかの実施形態では、tは0.001〜100マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、tは0.01〜10マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、hは6マイクロメートル〜1mmである。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、50g/m2未満の重さである導電性材料の量を含む。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、上記の実質連続的な導電性フィルム以外の導電性層を含まず、これは厚さtを有し、tよりも大きい高さhを有する複数の丘形状にパターン化されている。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、0.001〜100マイクロメートルの厚さを有する、実質連続的な導電性フィルム以外の導電性層を含まない。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、0.01〜10マイクロメートルの厚さを有する、実質連続的な導電性フィルム以外の導電性層を含まない。雷保護シートは、連続的な導電性フィルムの下に非導電性支持層を更に含み、この支持層は、導電性フィルムと実質同じ丘形状のパターンを有する。雷保護シートは、非導電性弁別層を導電性フィルムの上に更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、弁別層は、導電性フィルムの部分を被覆してもよく、ここでは丘形状は弁別層によって被覆されない頂部を含む。いくつかの実施形態では、弁別層は、導電性フィルムを被覆してもよい。雷保護シートは、接着層を更に含んでもよい。雷保護シート接着層を含まなくてもよい。雷保護シートは、1つ以上のイオン性塗装層を更に含んでもよい。
【0007】
別の態様において、本開示は、上記の雷保護シートを有する航空機の複合材料構造体を提供する。
【0008】
本開示は概して、様々な「層」及び/又は「フィルム」を含む雷保護「シート」に関し、雷保護シートは、「構造体」、典型的に、航空機又は宇宙船の表面に保護を提供する。
【0009】
フィルム又は層に関して本明細書で使用されるとき、「実質連続的な」は、例えば締結具、通路等に関して、偶発的又は偶然の孔若しくは隙間以外の、フィルム又は層を貫通する孔若しくは隙間の繰り返しパターンを有さないことを意味する。フィルム又は層に関して、「本質的に連続的な」は、締結具、通路等に関して、偶発的又は偶然の孔若しくは隙間以外の、フィルム又は層を貫通する孔若しくは隙間を有さないことを意味する。
【0010】
フィルムに関して本明細書で使用されるとき、「厚さ」は、フィルムのいずれかのパターン化に関係なく、フィルムの面に直交して測定された平均厚さを意味し、適切な場合は、パターン化前の、本開示の実践で使用されるフィルムの公称厚さであるようにとられてもよい。
【0011】
本明細書で使用されるとき、フィルム又は層内の「丘形状」は、より低い高さの領域によって包囲されている高さにおける局所的な最大値を意味し、(高さはシートの全体的な平面に直交して測定される)(すなわち、下層の表面の屈曲若しくは湾曲を追従する屈曲又は湾曲に関係なく)を意味し、正の高さはシートの構造体の面から離れる方向である。丘形状には、錐体、半球、こぶ、3面、4面若しくはそれより多い面のピラミッド、又は前述のいずれかの硬質若しくは軟質の縁の付いた錐台を挙げることができるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるとき、丘形状の高さhは、局所的な最大値と、360°にわたって平均化された隣接する局所的な最小値との間の高さにおける差を意味する。いくつかの実施形態では、丘形状はまた、くぼみ付きの錐台、例えば「火山」、又は二分割されたトーラス形状を挙げることができるがこれに限定されず、その場合には、丘形状の高さhは、丘形状の縁部で測定される。
【0012】
本明細書で使用されるとき、フィルム若しくは層における「谷形状」は、より大きな高さの領域によって包囲されている、高さにおける局所的な最小値を意味する。谷形状には、反転させた錐体、反転させた半球、反転させたこぶ、3面、4面若しくはそれより多い面の反転させたピラミッド、又は前述のいずれかの硬質若しくは軟質の縁の付いた錐台を挙げることができるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるとき、谷形状の深さは、局所的な最小値と、360°にわたって平均化された隣接する局所的な最大値との間の高さにおける差を意味する。いくつかの実施形態では、谷形状は、反転させたくぼみ付きの錐台を挙げることができるが、これに限定されず、その場合には、谷形状の深さは、谷形状の最も深い点で測定される。
【0013】
本明細書で使用されるとき、フィルム又は層における「隆起部と溝部の形状」は、交互の隆起部及び溝部含み、これは線状、湾曲状、又は角度が付いていてもよい。いくつかの実施形態では、隆起部と溝部の形状は枝分かれしていてもよい。いくつかの実施形態では、隆起部と溝部の形状は閉じた形状形成してもよい。本明細書で使用されるとき、所与の点における隆起形状の高さhは、局所的な最大値と、その点における隆起部に垂直な線に沿った、隣接する局所的な高さの最小値の平均との間の高さにおける差を意味する。本明細書で使用されるとき、溝部上の所与の点における溝部の形状の深さdは、局所的な最小値と、その点における溝部に垂直な線に沿った、隣接する局所的な高さの最大値の平均との間の高さにおける差を意味する。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「導電性」は少なくとも、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、銀、金、チタン、クロム、プラチナ、ベリリウム、マグネシウム、鉄等の、これらの金属状態における金属の特徴と同じぐらい高い、高導電率を有することを意味する。
【0015】
本明細書で使用されるとき、「非導電性」は、典型的に室温の半導体及び絶縁体を含むが、いくつかの実施形態では、室温の絶縁体のみを含み、半導体は含まない、金属状態における金属の特徴よりも低い、室温における低い導電率を有することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示による雷保護システムの概略的な断面図。
【図2】本開示による複数の丘形状にパターン化されたフィルムの区分の直交する突出部。
【図3A】以下の比較実施例1Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図3B】以下の比較実施例2Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図3C】以下の比較実施例3Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図3D】以下の比較実施例4Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図3E】以下の比較実施例5Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図4】以下の実施例6に記載される、本開示による雷保護システムの概略断面図。
【図5】以下の実施例7に記載される、本開示による雷保護システムの概略断面図。
【図6】以下の実施例8に記載される、本開示による雷保護システムの概略断面図。
【図7】以下の実施例9に記載される、本開示による雷保護システムの概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、複数の丘形状にパターン化され、典型的に航空機の外側表面上で使用するための導電性フィルムを含む雷保護シートを含む、雷保護システムを提供する。典型的に、本開示の雷保護システムを使用する航空機は、サービスの中断を余儀なくさせる修理を必要とすることなく、雷の衝撃に耐えることができる。典型的に、本開示の雷保護システムを使用する航空機は、航空機構造体への損傷もなく、雷の衝撃に耐えることができる。いくつかの実施形態では、本開示の雷保護システムを使用する航空機は、雷保護シートの導電性フィルムへの損傷もなく、雷の衝撃に耐えることができる。
【0018】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、典型的に航空機又は宇宙船の表面である構造体20上にある雷保護シート10を含んでもよい。雷保護シート10は、高さhを有する、複数の丘形状40にパターン化された、厚さtを有する導電性フィルム30を含む。図1及び2に示された実施形態では、丘形状は、幅wを有し、かつ距離dによって分離されている矩形(正方形)の錐台である。以下の「実施例」に記載された実施形態のいくつかでは、丘形状は、dが本質的にゼロであり、wはx及びyの両方向において11〜15ミル(0.28〜0.38mm)で変化するのを除いては、図1及び2に示されたものと同様の矩形の錐台である。以下の「実施例」に記載された実施形態のいくつかでは、矩形の錐台の平均高さhは、25ミル(0.635mm)であり、矩形の錐台の平坦な頂部は約4ミル(0.1mm)の平均幅を有する。他の実施形態において、丘形状は円錐、半球、又はこぶであってもよい。他の実施形態において、丘形状は、3面、4面、又はそれより多い面のピラピッドであってもよい。他の実施形態において、丘形状は、硬質若しくは軟質の縁の付いた円錐、半球、又はこぶであってもよい。他の実施形態において、丘形状は、3面、4面、又はそれより多い面の、硬質若しくは軟質の縁の付いた錐台であってもよい。他の実施形態において、丘形状は、くぼみ付きの錐台、又は前述の、例えば「火山」若しくは二分割されたトーラス形状のいずれかであってもよい。丘形状40の分布は順序付けられてもよく、繰り返しであってもよく、無秩序であってもよく、無作為であってもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0019】
導電性フィルム30は、任意の好適な材料で作製されてよい。典型的に、導電性フィルム30は、金属材料を含む。典型的に、導電性フィルム30は、金属を含む。典型的に、導電性フィルム30は、高い導電率、低密度、及び高い耐腐食性などの好ましいバランスを有する材料を含む。有用な金属には、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、銀、金、チタン、クロム、プラチナ、ベリリウム、マグネシウム、鉄等、並びにこれらの金属合金を挙げることができるが、これらに限定されない。典型的に、導電性フィルム30は、実質連続的である。いくつかの実施形態では、導電性フィルム30は、本質的に連続的である。いくつかの実施形態では、導電性フィルム30は連続的である。
【0020】
導電性フィルム30の厚さtは、任意の好適な厚さであってもよい。より低い厚さは、より小さな重量を生じさせることができる。厚さtは、典型的に1mm未満、より典型的に100マイクロメートル未満、より典型的に50マイクロメートル未満、及び典型的に10マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、厚さtは5マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、厚さtは2マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、厚さtは1マイクロメートル未満である。厚さtは典型的に、少なくとも0.001マイクロメートル、より典型的に少なくとも0.01マイクロメートル、及びより典型的に少なくとも0.1マイクロメートルである。
【0021】
丘形状40の高さhは、導電性フィルム30の厚さtより大きい。より典型的に高さhはtの1.5倍より大きい。より典型的に高さhはtの2倍より大きい。より典型的に高さhはtの3倍より大きい。より典型的に高さhはtの5倍より大きい。より典型的に高さhはtの10倍より大きい。より典型的に高さhはtの20倍より大きい。より典型的に高さhはtの50倍より大きい。より典型的に高さhはtの100倍より大きい。
【0022】
丘形状40の高さhは、任意の好適な高さであってもよい。丘形状40の高さhは典型的に0.1マイクロメートル〜10mm、より典型的に1マイクロメートル〜2mm、及びより典型的に6マイクロメートル〜1mmである。丘形状40の幅wは、任意の好適な幅であってもよい。丘形状40の幅wは典型的に1マイクロメートル〜50mm、より典型的に10マイクロメートル〜10mm、及びより典型的に20マイクロメートル〜1mmである。丘形状のピッチpは、幅wに丘形状の間の距離dを足したものに等しい。丘形状40のピッチpは、任意の好適なピッチであってもよい。丘形状40のピッチpは典型的に、10マイクロメートル〜50mm、より典型的に50マイクロメートル〜10mm、及びより典型的に200マイクロメートル〜1mmである。
【0023】
構造体20は、任意の好適な材料、典型的に航空機又は風力タービン構造体で使用される材料のものであってもよく、これは金属、木材、ポリマー、炭素粒子若しくは繊維、ガラス粒子若しくは繊維、上記の1つ以上を含む複合材料等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0024】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、所望により導電性フィルム30を支持する支持層50を含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持層50は導電性フィルム30の下面に一致する。いくつかの実施形態では(図示せず)、支持層50は、丘形状40の下面のみを充填し、導電性フィルム30の下には延在しない。支持層50は、任意の好適な材料で作製されてよい。典型的に、支持層50は、例えばセラミックス、高分子若しくは繊維材料、又は粒子、繊維若しくは成形充填剤を更に含み得るこれらの組み合わせなど、これらに限定されない非導電性材料で作製される。有用な材料にはエポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、フルオロポリマー、シリコーンを挙げることができるがこれらに限定されず、また、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、スズ酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸バリウム、酸化セシウム、酸化ランタン、酸化チタン、酸化亜鉛、炭素、シリカ、若しくはアラミドを含む添加剤、又は添加剤の組み合わせを更に挙げることができる。いくつかの実施形態では、支持層50は接着剤を含まない。いくつかの実施形態では、支持層50は未硬化ポリマーを含まない。いくつかの実施形態では、支持層50は感圧接着剤を含まない。
【0025】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、所望により、導電性フィルム30の上に弁別層60を含んでもよい。いくつかの実施形態では、弁別層60は導電性フィルム30の上面に一致する。いくつかの実施形態では(図示せず)、支持層50は丘形状40の間の体積のみを充填し、丘形状40の頂部を被覆しない。弁別層60は、任意の好適な材料で作製されてよい。典型的に、弁別層60は、典型的に空気よりも高い、より典型的に5kV/mmより高い、より典型的に10kV/mmよりも高い、及びいくつかの実施形態では、25kV/mmよりも高い、高絶縁破壊強度を典型的に備える、非導電性材料で作製される。有用な材料には、セラミックス、高分子若しくは繊維材料、又は粒子、繊維若しくは成形充填剤を更に含み得るこれらの組み合わせなどを挙げることができるが、これらに限定されない。有用な材料には、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、フルオロポリマーを更に挙げることができるが、これらに限定されず、また、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、スズ酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸バリウム、酸化セシウム、酸化ランタン、酸化チタン、酸化亜鉛、炭素、シリカ、又はアラミドを含む添加剤又は添加剤の組み合わせ挙げることができる。
【0026】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、所望により、1つ以上の追加の表面層70、例えば塗装層を含んでもよい。追加の表面層70は、パターン化された又はパターン化されていない塗装など、これに限定されない任意の好適な材料で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、イオン性塗装層である、1つ以上の追加の表面層70を含む。このようなイオン性塗装層は、例えば、落雷中に存在する熱又は電流の適用により蒸発する成分を含み、これによって落雷捕捉点の他の場所に対するマイグレーションへの耐性を瞬間的に低減することができる、落雷の領域における雷保護シートの上に、導電性蒸気を提供する。このような成分には、イオン性顔料、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、オルトチタン酸亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、酒石酸セシウム、シュウ酸バリウム、セシウム塩、バリウム塩、又は酒石酸セシウムなどを挙げることができるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、追加の表面層70は、弁別層60よりも低い絶縁破壊強度、典型的に弁別層60の絶縁破壊強度の90%未満、より典型的に弁別層60の絶縁破壊強度の75%未満、及びより典型的に弁別層60の絶縁破壊強度の50%未満を有する材料から作製される。追加の表面層70は、概ね平面(図示の通り)又は構造化されている(図示せず)外面を、例えば均一又は不均一なリブレット又は目盛の形態で有してもよい。かかるパターン化された構造体は、例えば米国特許第5,133,516号に教示されている摩擦抵抗を低減するために、ノイズを低減するために、又は他の目的のために使用されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、弁別層60及び追加の表面層70の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、弁別層60及び追加の表面層70は、異なる組成物を有さなければならない。
【0028】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、1つ以上の追加の導電性層80を所望により含んでもよい。追加の導電性層80は、任意の好適な材料で、典型的に金属材料で、より典型的に金属で作製されてもよい。典型的に、導電性層80は、高い導電率、低密度、及び高い耐腐食性などの、好ましいバランスを有する材料を含む。典型的な金属には、銅、アルミ、ニッケル、亜鉛、銀、金等、並びにこれらの金属合金を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、追加の導電性層80は、支持層50によって導電性フィルム30から分離されてもよい。いくつかの実施形態では(図示せず)、追加の導電性層80は、導電性フィルム30と電気的に接続してもよい。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、追加の導電性層80を含まない。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、tより大きい、より典型的に2tより大きい、より典型的に10tより大きい、及び、より典型的に20tより大きい高さhを有する、複数の丘形状にパターン化されていない導電性層を含まない。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、tより大きい、より典型的に2tより大きい、及び、より典型的に10tより大きい高さhを有する、複数の丘形状にパターン化された、実質連続的な導電性フィルムでない導電性層を含まない。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、tより大きい、より典型的に2tより大きい、より典型的に10tより大きい、及び、より典型的に20tよりも大きい高さhを有する、複数の丘形状にパターン化された、本質的に連続的な導電性フィルムでない導電性層を含まない。
【0029】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、1つ以上の追加の非導電性層90を、所望により含んでもよい。追加の非導電層90は、電流、熱、又は両方の伝達に対する更なる絶縁を提供するのに有用であり得る。追加の非導電層90は、下層の構造体20が導電性であり、及び/又は本発明の雷保護システムに使用されている材料とガルバーニ的に不適合である場合には有用であり得る。追加の非導電層90は、セラミックス、高分子若しくは繊維材料、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない任意の材料で作製されてもよく、これは更に微粒子、繊維又は整形された充填材を含んでもよい。有用な材料には、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、フルオロポリマー、シリコーンを更に含んでもよいが、これらに限定されず、また、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム(strontium, titanat)、スズ酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸バリウム、酸化セシウム、酸化ランタン、酸化チタン、酸化亜鉛、炭素、シリカ、若しくはアラミドを含む添加剤、又は添加剤の組み合わせを更に挙げることができる。いくつかの実施形態では、追加の非導電性層90は接着剤を含まない。いくつかの実施形態では、追加の非導電性層90は未硬化ポリマーを含まない。いくつかの実施形態では、追加の非導電性層90は感圧接着剤を含まない。
【0030】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、1つ以上の接着層100を所望により含んでもよい。接着層100は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、硬化性接着剤等が挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な接着剤材料で作製されてもよく、これらにはエポキシ、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスルフィド、ポリチオエーテル、又はシリコーン接着剤を挙げることができる。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、接着層を含まない。雷保護シートが接着層を含む実施形態では、シートには、構造体へのシートの適用前に、接着層から取り除かれるべき剥離ライナー(図示せず)が備わっていてもよい。いくつかの実施形態では、構造体へのシートの適用前又は後にシートから取り除かれるべき、汚染、取り扱いによる損傷、又は変形から、いずれか若しくは両方の表面を保護するために、シートにはライナー(図示せず)が備わっていてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、支持層50及び追加の非導電層90の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、支持層50及び追加の非導電層90は、異なる組成物を有さなければならない。いくつかの実施形態では、支持層50及び接着層100の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、支持層50及び接着層100は、異なる組成物を有さなければならない。いくつかの実施形態では、追加の非導電層90及び接着層100の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、追加の非導電層90及び接着層100は、異なる組成物を有さなければならない。いくつかの実施形態では、支持層50、追加の非導電層90、及び接着層100の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、支持層50、追加の非導電層90、及び接着層100は、異なる組成物を有さなければならない。
【0032】
典型的に、本開示の雷保護システムは軽量である。いくつかの実施形態では、雷保護システムは、100g/m2未満、いくつかの実施形態では50g/m2未満、いくつかの実施形態では25g/m2未満、いつくかの実施形態では15g/m2未満、いくつかの実施形態では10g/m2未満の重さである。雷保護シートは典型的に、少なくとも1g/m2未満の重さである。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、50g/m2未満、いくつかの実施形態では35g/m2未満、いくつかの実施形態では20g/m2未満、いくつかの実施形態では10g/m2未満、いくつかの実施形態では4g/m2未満の重さである導電性材料の量を含む。雷保護シートは典型的に、少なくとも0.5g/m2の導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、雷保護シートの構成要素を形成する複数の丘形状にパターン化された導電性フィルムは、50g/m2未満、いくつかの実施形態では35g/m2未満、いくつかの実施形態では20g/m2未満、いくつかの実施形態では10g/m2未満、いくつかの実施形態では4g/m2未満の重さである。雷保護シートの構成要素を形成する複数の丘形状にパターン化された導電性フィルムは典型的に、少なくとも0.5g/m2の重さである。
【0033】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、本開示による雷保護システムが、落雷時において、多重の捕捉点を促進することによって、並びに捕捉点の急速なマイグレーションを促進することによって、航空機構造体及び/又は航空機自体への損傷を防ぐよう機能することができると考える。いくつかの実施形態では、落雷捕捉点(典型的に丘形状)に雷を捕捉するときに、伝導度が隣接する分別部、コーティング、及び/又は空気を通るものよりも、コンダクタを通るものの方が低くなるまで、落雷捕捉点での又は落雷捕捉点を包囲する導電性フィルムの電気伝導度が急速に低下する(典型的に熱によって)ように、導電性フィルムの特定の熱、熱伝導率、密度、厚さ若しくは面積、導電率、及び蒸発温度の特性を組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、イオン性外側層は、落雷の瞬間に捕捉点付近の空気中の伝導度を一時的に上昇させることにより、この効果を高めることができる。いくつかの実施形態では、これは、導電性フィルムの温度がその蒸発温度を超える前に、捕捉点のマイグレーションを生じさせる。いくつかの実施形態では、これは、下層の航空機構造体の材料の温度が、その蒸発温度を超える前に、捕捉点のマイグレーションを生じさせる。いくつかの実施形態では、これは、下層の航空機構造体の材料の温度が、そのガラス転移温度を超える前に、捕捉点のマイグレーションを生じさせる。いくつかの実施形態では、これは、下層の航空機構造体の材料の温度が、その損傷閾値温度を超える前に、捕捉点のマイグレーションを生じさせる。
【0034】
本開示による雷保護システムは、任意の好適な方法によって作製されてもよい。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、アップリケとして作製され、既存の航空機の部材に取り付けられてもよい。いくつかのこのような実施形態では、雷保護シートは、部材に取り付けるための接着層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護シートは、部材の製造時に航空機部材に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護シートは、部材に一体として航空機部材の製造時に製造される。
【0035】
本開示による雷保護シートが複合部材を保護するいくつかの実施形態では、雷保護シートは、効果前に、プリプレグ又は同様な複合材料構成要素の層に沿って、ツール内に積層され、これによって雷保護シートは部材に一体化する。典型的に、雷保護シートは、部材の最も外側の層を形成するように、ツール内に積層される最初の層又はツール内に積層される最後の層である。いくつかの実施形態では、部材の外側表面から最も遠い、雷保護シートの最下層は、接着剤を含み、これはいくつかの実施形態では、未硬化ポリマーであってもよく、いくつかの実施形態では部分的に硬化したポリマーであってもよく、又はいくつかの実施形態では硬化性ポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、部材の外側表面から最も遠い、雷保護シートの最下層は、接着剤を含まないいくつかの実施形態では、部材の外側表面から最も遠い、雷保護シートの最下層は、未硬化ポリマーを含まない。
【0036】
本開示による複数の丘形状にパターン化された導電性フィルムは、任意の好適な方法によって作製されてもよい。いくつかの実施形態では、既存のフィルムは、任意の好適な方法、例えば、鍛造、エンボス加工、カレンダー加工、鋳造、機械加工等によってパターン化されてもよい。そのようにパターン化されたフィルムは次いで、任意の好適な手段によって他の層と組み合わされてもよく、これには、積層、コーティング、噴霧塗布、印刷方法等による、固体材料の層、可鍛性材料の層、材料の液体若しくは懸濁液等の層の導入を挙げることができる。いくつかの実施形態では、支持層は、任意の好適な方法、例えば鍛造、エンボス加工、カレンダー加工、鋳造、機械加工等によってパターン化されてもよく、導電性フィルムの材料は、化学蒸着、電気めっき、蒸着、オイルの適用等を含む、任意の好適な方法によって、パターン化された支持層に添加されてもよい。追加層は、積層、コーティング、噴霧塗布、印刷方法等によって、固体材料の層、可鍛性材料の層、材料の液体、溶液若しくは懸濁液等など、任意の好適な形体で添加されてもよい。
【0037】
本開示の雷保護システムは、飛行体、宇宙飛行体、風力発電機、自動車、バス、トラック、又は雷保護、電磁干渉遮蔽若しくは静電荷制御が、別の非導電性材料又は部分的に導電性材料上に必要とされる任意の他の用途に使用されてもよい。本開示の雷保護システムはまた、飛行体、宇宙飛行体、風力発電機、自動車、バス、トラック、又は雷保護、電磁干渉遮蔽若しくは静電荷制御が所望される任意の他の用途に適用されてもよい。
【0038】
本開示の目的及び利点は以下の実施例によって更に例証されるが、これらの実施例に引用される具体的な物質及び量、並びにその他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0039】
特に断らないかぎり、全ての試薬は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,WI)より入手したか、又は販売されるものであり、あるいは公知の方法で合成することができるものである。
【0040】
実施例1C〜5C(比較)及び6〜9
複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)
以下の方法で硬化するために、硬化性エポキシ接着樹脂を有する複合材料の試験片を調製した。2B仕上げを有する12ゲージのステンレス鋼合金304のシートを2ft×2ft(0.61m×0.61m)にトリミングすることによって平板状のツールを作製した。1ミル(25マイクロメートル)の離型無孔PTFEフィルム(Northern Fiber Glass Sales,Inc.からHTF−621として入手可能)をツールに貼付して、フィルムの縁部及び角に貼付した耐熱性テープでその上に固着させた。材料の各層を、実施例の本文に記載の順序及び配列でツールに適用した。層をそれぞれ、最初にツールに貼付してから、ライナーなしで手で順に重ねて、最上部の層の上に、直径1.5インチ(3.8cm)の木製のローラを手で圧力を加えながら移動させて、層のそれぞれをその前の層と固結させた。4層毎に、以下に記載の有孔離形フィルムの層、次に以下に記載の通気層の層で部材及びツールを覆い、部材を、3M製のScotchlite(商標)Vacuum Applicator Model VAL−1の中で完全な真空下で3分間、ツールに対して圧縮し、その後に通気層及び有孔離形フィルムを除去し、更なる層をこの部材に追加した。Pilot Silver Markerを使用して部材の露出面上の、部材の1つの縁部に沿って一意の名前を適用して、各クーポンに永久的にマーク付けした。Precision Fabrics Groupから60001/049/0009として入手可能な剥離層を、クーポンの露出面が完全に覆われるように、しわを含まないで適用した。Richmond Aircraft ProductsからA5000として入手可能な離型有孔フィルムを、クーポンが完全に覆われるように、しわを含まないで適用した。熱電対をクーポンの2インチ(5.1cm)以内でツールに取り付けた。以下に記載のオートクレーブのベッドに無孔離形フィルムの層を適用して、ツールが載置されている領域を覆った。ツール及び部材を、以下で説明するオートクレーブの底部に置いて、真空バッグのシールテープの連続的なビードを、テープからツールまでの距離が少なくとも3インチ(7.6cm)になるように、オートクレーブの底部に直接貼付した。真空バッグ密封テープにかからないように、オートクレーブのベッドの上の露出した無孔離形フィルムを折曲げる又はトリミングした。10オンス/yd2(342g/m2)の不織布ポリエステルのフェルトブリーザープライ(Richmond Aircraft ProductsからRC3000−10として入手可能)を、部材及びツールの上に被せて、四方が真空バッグのシールテープの2インチ(5.1cm)以内に広がるように、オートクレーブの底部に置いた。3ミル(76.2マイクロメートル)のナイロン製高温バギングフィルム(Richmond Aircraft ProductsからHS8171として入手可能)を、部材及びツールが覆われるように、及び四方が真空バッグのシールテープまで広がる又は真空バッグのシールテープを越えて広がるように、オートクレーブの底部に緩やかに置いた。少なくとも1つの真空ポート組立体を真空バッグの中の通気層の上に設置し、フィルムを真空バッグ密封テープに押圧して真空バッグをオートクレーブのベッドの全ての縁部に沿って封止させた。
【0041】
複合部材の硬化
硬化性エポキシ接着樹脂を備える複合材料の試験片を以下の方式で硬化した。上記の「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に従って硬化するために、硬化性エポキシ接着樹脂を備える各複合材料の試験片を調製した。以下に記載のオートクレーブ内の真空システムに真空ポートアセンブリを取り付け、部材、ツール、離形フィルム、及び通気層を完全な真空下で最低5分間圧密化した。熱電対を、オートクレーブ中の真空システムに取り付けた。次に、部品を、制御された温度及び圧力の条件下で、1つはThermal Equipment Corporation製で、もう1つはASC Process Systems製の2つのオートクレーブのうちの1つで、以下で説明する圧力及び温度のプロファイルを使用して、硬化させた。オートクレーブ内部の圧力は、80psi(551.6kPa)まで上昇させ、温度は、ラギング付き熱電対(lagging thermocouple)の温度が177℃に達するまで、温度を5°F/分(2.5℃/分)で上昇させた。圧力を80psi〜90psi(551.6〜620.5kPa)に保持し、温度を177℃〜182℃で120分間保持した。ラギング付き熱電対の温度が44℃に達するまで、温度を5°F/分(2.75℃/分)の制御された速度で減少させた。ラギング付き熱電対の温度が66°に到達するまで、圧力を80psi〜90psi(551.6〜620.5kPa)に維持し、次いで、オートクレーブ内の圧力及び真空バッグ下の真空は大気に排出した。硬化した複合材料の試験片をオートクレーブ、バッグ及びツールから取り出した。
【0042】
実施例1C(比較例):硬化後に適用したポリウレタン含浸エキスパンドアルミホイルを備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Aを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、ポリウレタン樹脂、及びエキスパンドアルミホイルを準備し、使用して、比較用複合材料の試験片(201)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネル(221)を以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維をツールに適用した。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化させた。導電性メッシュ241を含む層は、以下の通り表面に接合させた。DexmetからExmet 4AL8−080として入手可能な、厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のエキスパンドアルミホイルを、部材上に平坦に配置し、供されたポリウレタン樹脂で以下の方式で飽和させた。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、Dow ChemicalからTone2221として入手可能な50部のCarprolactone Diol、Degussaから入手可能な、41部の4,4−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、Sigma−Aldrichから入手可能な9部の1,4−ブタンジオール、Alfa−Aesarから入手可能な1部より多いジ−n−ブチルスズジラウレートを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、金属メッシュの上にたっぷりと流し込み、樹脂及び全体的な表面を被覆するためのポリエステルのライナーを作製した。3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、ポリエステルライナーとプラスチックパネルとの間に溶液を拡げ、金属メッシュに含浸させ、余分な樹脂を除去した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で24時間硬化させた。
【0043】
実施例2C(比較用):硬化前に適用した、織り込まれたワイヤを有する層を備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Bを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、織り込まれたリン青銅ワイヤ、及びポリウレタン塗装を準備し、使用して、複合材料の試験片(202)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。ツールに最初に適用したのは、Toray(242)からFL6676U−37E 965として入手可能な炭素繊維の全てのトウと織り合わされ(1cm当たり約4トウ(1インチ当たり約10トウ))、直径0.10mm(004in)のリン酸銅ワイヤを備えるエポキシ樹脂含浸平織グラファイト布地だった。次いで適用したのは、TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(222)を形成する12層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維だった。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化した。塗装コーティング(291)は、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用した。まず、硬化したパネルを、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、導電性エポキシプライマーコートを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG Industriesから528×310として入手可能な、同じ部数の導電性プライマーベース、及び9910×464として入手可能な活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で不粘着状態まで乾燥させた。プライマー適用の24時間以内に、ポリウレタン塗装コートを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、PPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤、及びPPG IndustriesからCA8800ST1として入手可能な1部のシンナーを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移動し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用した。塗装コーティング(291)は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で最低7日間乾燥させた。
【0044】
実施例3C(比較例):硬化前に適用した、エキスパンド銅ホイルを含む、エポキシ接着フィルムを備える炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Cを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エキスパンド銅ホイルを備える表面フィルム、及びポリウレタン塗装を準備し、使用して複合材料の試験片(203)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。まずツールに、エキスパンド銅ホイルを備える、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF191XS 045として入手可能なエポキシ接着フィルムの層(243)を0.045lbs./ft2(2.15Pa)で適用した。次いで、104ガラス不織布スクリムの層(261)を適用した。TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(223)を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維が次に適用された。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化した。塗装コーティング(292)は、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用した。まず、硬化したパネルを、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、導電性エポキシプライマーコートを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG Industriesから528×310として入手可能な、同じ部数の導電性プライマーベース、及び9910×464として入手可能な活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で不粘着状態まで乾燥させた。プライマー適用の24時間以内に、ポリウレタン塗装コート(292)を以下の方式で適用した。ポリマー溶液を以下の通り調製した。PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、PPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤、及びPPG IndustriesからCA8800ST1として入手可能な1部のシンナーを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移動し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用した。塗装コーティング(292)は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で最低7日間乾燥させた。
【0045】
実施例4C(比較例):硬化後に適用したエキスパンドアルミホイルを含むアップリケを備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Dを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維及び導電性アップリケを準備し、使用して、複合材料の試験片(204)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネル(224)を以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維(224)をツールに適用した。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化させた。
【0046】
接着層(281)、エキスパンドアルミホイル(これはDexmetからExmet 4AL8−080として入手可能な、厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のエキスパンドアルミホイルだった)を含む導電性層(244)、及び表面層(293)を含む導電性アップリケ(262)を作製し、以下の通り表面に接合させた。
【0047】
導電性アップリケ(262)を以下の通り作製した。灰色のフルオロポリマーフィルム裏材は、97%(w/w)の透明なDYNEON THV 500及び3%(w/w)の灰色に着色されたDYNEON THV 200を有するペレットの均一な混合物を押出成形機に供給することによって調製した(この着色された材料は、得られる灰色の裏材の色が、Federal Standard 595B,Color #36320の仕様に準拠するように、Americhem,Incorporated(Elgin,Ill)によって調製された)。1.9cmのスクリュー直径及び20.3cmのダイの幅を有するHaake押出成形機を使用し、スクリュー速度165rpm及びウェブ速度15m/分を採用して、ペレットを厚さ51マイクロメートルのポリエステルのキャリアウェブフィルム上のフィルムに押出した。押出成形機のダイは、キャリアから約1.9cm離して保った。押出成形機は、以下の通りに設定した3つのゾーンを有した:ゾーン1は224℃、ゾーン2は243℃、ゾーン3は246℃。ダイの温度は246℃に設定した。得られる押出フィルムは、厚さ43.2マイクロメートル+/−12マイクロメートルを有した。得られるフィルムの裏材は、次いでActon Technologies,Inc.(Pittston,Pa.)によって、彼らのFLUOROETCHプロセスを使用し、処理した。次いで、アクリルポリマー溶液を調製した。より具体的には、以下の成分を1Lの細口瓶に添加した:70重量部のイソオクチルアクリレート(IOA)、56重量部のエチルアクリレート、14重量部のアクリル酸(AA)、260グラムのエチルアセテート、及び0.42グラムの過酸化ベンゾイル熱反応開始剤。このモノマー溶液は、1L/分の速度で、2分間、窒素パージした。瓶を密封し、59℃の回転水槽に24時間配置した。21%の固体溶液となるように、得られるポリマー溶液をヘプタンで希釈した。次いで、トルエン中の5%(w/w)溶液のN,N’−ビス−1,2−プロピレンイソフタルアミド(propyleneisophthalamide)を2.1部を添加し、最終的なポリマー溶液を、次いで、灰色のフルオロポリマーフィルム裏材の処理された表面上に注ぎ、ナイフオーバーベッドコーティングステーションを使用してコーティングした。ナイフとベッドの間の隙間は、フルオロポリマーフィルム裏材とポリエステルキャリアウェブの組み合わされた厚さよりも大きい71マイクロメートルになるように設定した。コーティングした裏材を、以下の通りに設定した3つのゾーンを有する12mの対流式オーブン内で乾燥させた:ゾーン1は41℃、ゾーン2は60℃、ゾーン3は82℃。コーティングした裏材を、コーティングステーション及び乾燥オーブンの両方で1.52m/分で通過させた。乾燥後、フィルムの裏材及び硬化した接着剤の組み合わされた厚さは、約58.2マイクロメートルであり、約15マイクロメートルの接着剤の厚さを示している。厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のエキスパンドアルミホイル(Dexmetから、Exmet 4AL8−080として入手可能な)を、硬化したポリマー溶液に、2.5ft/分(0.76m/分)の速度で一緒に、Geppert Engineering Inc.のラミネータのニップ内に、4インチ(10.2cm)のゴムローラーを使用して、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で供給することによってラミネートし、エキスパンドアルミホイルを硬化したポリマー溶液内に組み込んだ。上記の通り調製した最終的な接着ポリマー溶液の追加の量を次いで、エキスパンドアルミホイルの露出した表面上に注ぎ、ナイフオーバーベッドコーティングステーションを使用してコーティングし、エキスパンドアルミホイルを飽和状態にし、被覆した。ナイフとベッドの間の隙間は、フルオロポリマーフィルム裏材と、ポリエステルキャリアウェブと、エキスパンドアルミホイルとの組み合わされた厚さよりも大きい、381マイクロメートルになるように設定した。コーティングした裏材を、以下の通りに設定した3つのゾーンを有する12mの対流式オーブン内で乾燥させた:ゾーン1は41℃、ゾーン2は60℃、ゾーン3は82℃。コーティングした裏材を、コーティングステーション及び乾燥オーブンの両方で1.52m/分で通過させた。乾燥後、フィルムの裏材、エキスパンドアルミホイル、及び硬化した接着剤ポリマーの組み合わされた厚さは、約254マイクロメートルであり、約51マイクロメートルの接着剤の厚さを示している。厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のポリエチレンの暫定保護ライナーを、露出した接着剤に軽い圧力でラミネートした。
【0048】
導電性アップリケ(262)を以下の通り適用した。まず、硬化したパネル(224)を、イソプロピルアルコールを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、プラスチックパネルを被覆するように導電性アップリケ(262)をトリミングし、保護ライナーを、アップリケ上の感圧接着剤から取り外した。アップリケ(262)の接着面は、まず、複合体パネル(224)の洗浄された表面と、パネルの1つの縁部に沿って、次いで、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルの全体表面にわたって徐々に嵌合させ、空気を抜き、接着剤と基材の密着した接触を確保した。アップリケの接着は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で24時間、構築させた。
【0049】
実施例5C(比較例):硬化前に適用した多層のエポキシ接着フィルム及びニッケルコーティングされたグラファイト繊維紙を備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Eを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及びニッケルコーティングされたグラファイト繊維不織紙を準備し、使用して複合材料の試験片(205)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。まずツールに、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 035として入手可能なエポキシフィルムの層(263)を、0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。接着剤の上に、厚さ10.5ミル(266.7マイクロメートル)の、Hollingsworth & Voseから、グレード8000838のニッケルカーボンペーパーとして入手可能なニッケルコーティングされたグラファイト繊維不織紙(245)を47g/m2で配置した。エポキシ接着剤フィルム(263)及びニッケルコーティングしたグラファイト繊維不織紙(245)の追加層を、ニッケルコーティングされたグラファイト繊維不織紙(245)及びエポキシ接着剤フィルム(263)の3つの層がツール上で適所に配置されるまで、交互に配置した。次いで適用したのは、TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(225)を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維だった。この組立体の硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化し、硬化パネルを作った。
【0050】
実施例6:硬化前に適用された、くぼみ付きアルミニウムプレートを備える炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図4を参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及びくぼみを有するアルミニウムプレートを準備し、使用して複合材料の試験片を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを準備した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。ツールにまず適用したのは、TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維だった(226)。次いで適用したのは、DexmetからExmet 4AL8−080として入手可能な、厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のエキスパンドアルミホイル(246)であった。次いで、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 035として入手可能な、支持層(264)を形成するエポキシフィルムの2層を0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。接着剤の上には、アルミニウムシート(247)が配置され、これは、連邦仕様QQ−A−250/11による厚さ8ミル(203.2マイクロメートル)のアルミニウムシート6061−0であり、面において直径2mm、及び高さ20ミル(508マイクロメートル)を有し円錐と成形され、交互の列に配置され、中心から中心まで4.5mm離間され、支持層(264)から外側に面する隆起したくぼみを備える、くぼみ(248)を含む。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化させた。ポリウレタンバリアコーティング(265)を、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用し、アルミニウムシート(247)におけるくぼみ(248)間の空間を全体的に充填した。まず、硬化したパネル上のアルミニウムの表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、ポリウレタンのコーティングを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液は、アルミニウムの上にたっぷりと流し込んだ。3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、各くぼみの基部から頂部まで完全に、しかし、各くぼみの頂部は被覆しないように、くぼみ間の空間を充填した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。
【0051】
実施例7:一体化アルミニウム蒸気コーティングした構造体を備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図5を参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及び蒸着アルミニウムを準備し、使用して複合材料の試料片を調製した(207)。硬化した繊維強化プラスチックパネルを準備した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。まずツールに適用し、フィルムの縁部及び角に耐熱テープで適用して、基部にわたって14ミル(355.6マイクロメートル)、及びフィルムの露出した面において40ミル(1016マイクロメートル)〜56ミル(1422.4マイクロメートル)である、深さ22ミル(558.8マイクロメートル)の四辺形錐台の様々なパターンを備える構造体を有する表面を備えるフィルムをその上に固定した。フィルムは、参照により本明細書に援用される米国特許第5,152,917号に記載された方式で作製した。フィルムは、Loctiteから700NCとして入手可能な離型剤を用いて大まかに拭き取り、このツールに適用する前に周囲条件(22℃、相対湿度50%)で1/2時間、垂直に吊り下げた。このパターンフィルムに対して、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 0.35として入手可能な、支持層(266)を形成するエポキシフィルムの3層を0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(227)を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維をツールに適用した。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化した。パターンフィルムを取り外し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッドの変動するパターンを備える、接着剤が多く付いた表面をパネル上に残した。Dentonの蒸着チャンバを使用して、厚さ8マイクロメートルのアルミニウムフィルム(248)をパネルの構造化表面に適用し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッド(249)を有する導電性構造体表面を備える硬化したパネルを作る。ポリウレタンバリアコーティング(267)を、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用し、表面構造体の基部と頂部との間にある体積を全体的に充填した。まず、硬化したパネル上の表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、ポリウレタンのコーティングを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、構造化表面の上にたっぷりと流し込み、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルにわたって溶液を拡げ、表面構造体の基部と頂点との間の体積のある形状を、完全に、しかしそれぞれの丘形状の頂部は被覆しないように充填した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。ポリウレタン塗装(294、295)の2つのコートを次いで、以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、PPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤、及びPPG IndustriesからCA8800ST1として入手可能な1部のシンナーを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移動し、2つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用した。塗装コーティングは、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で最低7日間乾燥させた。
【0052】
実施例8:一体化アルミニウム蒸気コーティングした構造体を備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図6を参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及び蒸着アルミニウムを準備し、使用して複合材料の試料片(208)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを準備した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。基部にわたって14ミル(355.6マイクロメートル)、及びフィルムの露出した面において40ミル(1016マイクロメートル)〜56ミル(1422.4マイクロメートル)である、深さ22ミル(558.8マイクロメートル)の四辺形錐台の様々なパターンを備える構造体を有する表面を備えるフィルムをまずツールに適用し、フィルムの縁部及び角に耐熱テープで適用して、その上に固定した。フィルムは、参照により本明細書に援用される米国特許第5,152,917号に記載された方式で作製した。フィルムは、Loctiteから700NCとして入手可能な離型剤を用いて大まかに拭き取り、このツールに適用する前に周囲条件(22℃、相対湿度50%)で1/2時間、垂直に吊り下げた。このパターンフィルムに対して、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 0.35として入手可能な、支持層(268)を形成するエポキシフィルムの3層を0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単方向性グラファイト繊維(228)をツールに適用した。このアセンブリ内の硬化性樹脂は、硬化したパネルを作製するために、上記の「複合部材の硬化」で記載されたように硬化された。パターンフィルムを取り外し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッドの変動するパターンを備える、接着剤が多く付いた表面をパネル上に残した。Dentonの蒸着チャンバを使用して、厚さ8マイクロメートルのアルミニウムフィルム(250)をパネルの構造化表面に適用し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッド(251)を有する導電性構造体表面を備える硬化したパネルを作る。ポリウレタンバリアコーティング(269)を、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用し、基部と表面構造体の頂部との間にある体積を全体的に充填した。まず、硬化したパネル上の表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、ポリウレタンのコーティングを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、構造化表面の上にたっぷりと流し込み、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルにわたって溶液を拡げ、表面構造体の基部と頂点との間の体積のある形状を、完全に、しかしそれぞれの丘形状の頂部は被覆しないように充填した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。ポリウレタン塗装(296)の1つのコートを次いで、以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、PPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤、及びPPG IndustriesからCA8800ST1として入手可能な1部のシンナーを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移動し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用した。塗装コーティングは、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で最低7日間乾燥させた。
【0053】
実施例9:一体化アルミニウム蒸気コーティング構造体、及びアルカリ塩含有のイオン性塗装オーバーコートを備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図7を参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及び蒸着アルミニウムを準備し、使用して複合材料の試料片(209)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを準備した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。まずツールに適用し、フィルムの縁部及び角に耐熱テープで適用して、基部にわたって14ミル(355.6マイクロメートル)、及びフィルムの露出した面において40ミル(1016マイクロメートル)〜56ミル(1422.4マイクロメートル)である、深さ22ミル(558.8マイクロメートル)の四辺形錐台の様々なパターンを備える構造体を有する表面を備えるフィルムをその上に固定した。フィルムは、参照により本明細書に援用される米国特許第5,152,917号に記載された方式で作製した。フィルムは、Loctiteから700NCとして入手可能な離型剤を用いて大まかに拭き取り、このツールに適用する前に周囲条件(22℃、相対湿度50%)で1/2時間、垂直に吊り下げた。このパターンフィルムに対して、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 0.35として入手可能な、支持層(270)を形成するエポキシフィルムの3層を0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。ツールに適用したのはTorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(229)を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維だった。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化した。パターンフィルムを取り外し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッドの変動するパターンを備える、接着剤が多く付いた表面をパネル上に残した。Dentonの蒸着チャンバを使用して、厚さ8マイクロメートルのアルミニウムフィルム(252)をパネルの構造化表面に適用し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッド(253)を有する導電性構造体表面を備える硬化したパネルを作る。ポリウレタンバリアコーティング(271)を、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用し、基部と表面構造体の頂部との間にある体積を全体的に充填した。まず、硬化したパネル上の表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。アルカリ塩含有のポリウレタン塗装(297)の1つのコートを次いで、以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な4部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な2部の活性剤、並びに1部の硝酸セシウム粉末を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、構造化表面の上にたっぷりと流し込み、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルにわたって溶液を拡げ、表面構造体の基部と頂点との間の体積のある形状を、完全に、しかしそれぞれの丘形状の頂部は被覆しないように充填した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。
【0054】
実施例1C〜5C(比較)及び6〜9の評価
硬化の後、SAE ARP5416 Aircraft Lightning Test Methodsによる落雷電流試験の直接的な影響を、以下の通りいくつかのパネル上で実施した。試料1C〜5C及び6〜9からのクーポンをダイヤモンド・ソーで16インチ(40.6cm)×16インチ(40.6cm)の試験片にトリミングし、試験固定具に設置した。アルミニウムのバーを各パネルの外周部までクランプさせ、銀めっきさせた銅ブレイドを用いて試験固定具に電気的に接続した。ジェット拡散(jet-divering)試験電極を試験パネルの中心近くに、パネルの表面から約1インチ(2.5cm)に伸ばす。各パネルには、電流構成要素Cを移動させるために、約200クーロンの少なくとも1回の放電を、SAE ARP5412 Aircraft Lightning Environment and Related Test Waveformsに記載のように実施した。それぞれの損傷した領域の表面は16倍で検査した。各パネルはダイヤモンド・ソーを用いて、損傷した領域にわたって切断し、研磨砥粒1200の研磨材で研磨し、50倍以上で顕微鏡により損傷を観察した。表1は、試験結果と、比較のために、各試料における導電性材料の重量を示す。
【0055】
【表1】
【0056】
捕捉の質<1>
SS=単一の静止した捕捉。アークは試験パネル上の単一部位上に捕捉され、試験を通じて同じ部位に捕捉されたままだった。
【0057】
MS=複数の静止した捕捉。アークは試験パネル上の複数の部位に捕捉され、試験を通じてこれらの同じ部位に捕捉されたままだった。
【0058】
SM=ゆっくりと移動している、単一の捕捉。アークは試験パネル上の単一部位に捕捉され、試験中にいくつかのインターバルで、時折、他の単一部位に移動した。
【0059】
MRM=複数の急速に移動している捕捉。アークは試験パネル上の複数の部位に捕捉され、試験を通じて有効な部位の間を急速に移動した。
【0060】
実施例10C(比較)、11及び12
これらのタイプの試験クーポンを表IIに記載の通り作製した。
【0061】
【表2】
【0062】
試料11及び12の試験クーポンを以下のように作製した。頂点にわたって4ミル(101.6マイクロメートル)、及び基部にわたって11ミル(279.4マイクロメートル)〜15ミル(381マイクロメートル)である、25ミル(635マイクロメートル)高さの四辺形錐台の変化するパターンを備える構造体を有する表面を有する、布地で裏打ちされた酸化アルミニウムフィルム(Trizact(商標)Abrasive Beltsとして、3Mから入手可能)を準備した。パネルの構造化表面に、Denton蒸着チャンバを使用して、0.1マイクロメートルの金属フィルムを適用し、導電性構造化表面を備えるパネルを作製した。金属は、実施例11のクーポンに対しては銅であり、実施例12のクーポン対してはアルミニウムだった。ポリウレタンバリアコーティングを、実施例10C、11及び12のクーポンの全ての表面に、以下の方式で適用し、表面構造体の基部と頂部との間にある体積を全体的に充填した。まず、パネル上の表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、ポリウレタンのコーティングを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、構造化表面の上にたっぷりと流し込み、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルにわたって溶液を拡げた。実施例11及び12の場合には、溶液は、表面構造体の基部と頂点との間の体積を完全に充填したが、各丘形状の頂部は被覆しなかった。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。
【0063】
各タイプの複数のクーポンを作製し、表IIIに記録したように試験した。各クーポンを、電極と試験クーポンとの間に3から4.5mmの空隙をフィルム試料を受容することができるように修正したPhenix TechnologiesのModel LD60 Liquid Dielectric Test Setに配置した。電極と試験クーポンとの間の空隙にわたってアークが作られるまで、3000ボルト/秒の速度で上昇させる電圧で、電位を印加した。電位の値及びアーク事象の持続時間は、アークが生じた瞬間に記録した。視覚的な電磁範囲で動作する高速カメラ操作を使用して、プログレッシブ方式のフレームで事象を捕捉した。高速写真を使用して、アーク事象中に試験パネル上の別個の捕獲場所の数を査定した。クーポンへの損傷を、視覚検査により評価した。結果を表IIIに示す。
【0064】
【表3】
【0065】
電気アークは、非導電性塗装で均一にコーティングされているパネルに捕捉されたものよりも、別個の選択的に導電性部位を備えるパネルに、著しく多い点で捕捉された。1から20〜60まで捕捉場所の数を増加させるによって、局所的な電流密度は98%も低減され得る。これは、保護システムの厚さ又は重量において、対応する低減を可能にし得る。それはまた、より軽量又はよりコストがかからないが、それ以外の場合では構造体を、電流及びその事象中に生成された熱から構造体を保護することができない導電性材料を使用する機会も作ることができる。
【0066】
本開示の様々な修正及び変更は、本開示の範囲及び原理から逸脱することなく当業者には明白であり、また、本発明は、上記で説明した例示的な実施形態に不当に限定して理解すべきではない。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示内容の全体を参照することにより本明細書に援用する米国特許仮出願第61/170352号(2009年4月17日出願)の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、複数の丘形状にパターン形成され、典型的に航空機の外側表面上で使用するための導電性フィルムを含む雷保護シートに関する。
【背景技術】
【0003】
飛行中の飛行機の落雷は希有な現象ではない。民間輸送航空機への落雷は、1年で航空機1台当たり約1回になると予測されている。航空工学における現在、より軽量な材料、より少ない機械システム、及びより多くの電子システムを使用する傾向にある。電子システムは機械システムよりも、例えば落雷によって生じる電磁妨害の影響を受けることが多い。最近では、航空機用、これと並んで風力発電機、自動車、スポーツ用品、家具、バス、トラック、及び硬質で軽量の材料、又は部材の強化が有益である他の用途の、より多くの部材を製造するために、非導電性又は部分的に導電性の繊維強化樹脂マトリックス材料が使用されている。これらのより軽量な構造物は、従来のアルミニウム構造体よりも雷に対して、効果の弱い保護を提供する。
【0004】
雷捕捉場所における状況は過酷である。航空機の雷捕捉に関して、200クーロンを超える電荷移行で200,000アンペアもの高い過渡電流が予想される。(SAE ARP5412 Revision A,Aircraft Lightning Environment and Related Test Waveforms,SAE International,01−Nov−1999.)風力発電機の雷捕捉は、地理的な位置及び高さによって大きく変化するが、300クーロンもの高い電荷移行で100,000アンペアもの高い過渡電流が予想される。(Technical Report 61400−24,Wind Turbine Generator Systems−Part 24:Lightning Protection,International Electrotechnical Commission,1st edition 2002−07。)落雷カラムにおけるプラズマの温度は、約28,000°K(27,727℃)であると推定されている。(「A numerical modeling of an electric arc and its interaction with the anode:part III.Application to the interaction of a lightning strike and an aircraft in flight」(F Lago、J J Gonzalez、P Freton、F Uhlig、N Lucius及びG P Piau)2006 J.Phys.D:Appl.Phys.39 2294〜2310。)落雷によって生じる損傷のほとんどは、雷のアーク内の高温及び材料のオーム加熱によって生じる、落雷場所での過剰なレベルの熱によるものである。
【0005】
一部の研究者は、金属化織布、金属化紙、固体金属フィルム、小孔金属フィルム、金属線、金属メッシュ、金属粒子、エキスパンドメタルホイル、炭素粒子、又は炭素繊維などの導電性層を含む、落保護システムの使用を報告している。一部の発明者は、イオン性外側層(例えば塗装層など)を含む雷保護システムの使用を報告している。落雷はしばしば、捕捉部位にて保護機構を破壊し、最新の軽量構造体にかなり重大な損傷を引き起こす。これは、費用のかかる構造体の修理、及び関連するサービスの中断を余儀なくさせる。以下の参照はこのような技術に関する:国際公開第2005/032812(A)号、米国特許出願公開第2006/051592(A1)号、国際公開第2007/048426(A)号、米国特許出願公開第2008/142238(A1)、同第2004/0069895号、米国特許第4,920,163号、欧州特許第0227122(A)号、米国特許第7,277,266(B1)号、米国特許出願公開第2007/0236855(A1)号、国際公開第2007/123700(A1)号、米国特許出願公開第2007/0230085(A1)号、欧州特許第1,935,784(A2)号、国際公開第2008/040936(A1)号、米国特許第4,352,142号、国際公開第2008/076851(A1)号、米国特許出願公開第2007/0141927(A1)号、同第2008/0145555(A1)号、欧州特許第1,944,236(A2)号、米国特許出願公開第2008/0170349(A1)号、フランス特許出願公開第2,720,214(A1)号、米国特許出願公開第2007/0258182(A1)号、同第2007/0093163(A1)号、米国特許出願公開第2007/0201179(A1)号、米国特許第5,127,601号、同第3,989,984号、国際公開第2008/015082(A1)号、同第2008/006377(A1)号、同第2008/046186(A1)、同第2007/142354(A1)号、同第2008/048705(A2)、同第2008/056123(A1)号、欧州特許第1,935,631(A3)号、ロシア特許第2,263,581号、同第2,217,320(C1)号、国際公開第2002/076430(A)号、ロシア特許第2,192,991(C)号、欧州特許第1,011,182(A1)号、同第0,900,647(A)号、同第629,549(A)号、ドイツ特許出願公告第102006046002(B4)号、欧州特許第163,805(A1)号、米国特許第5,132,168(A)号、米国特許第3,755,713(A)号、及び米国特許出願公開第2006/0143920(A1)号。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡潔に、本開示は、実質連続的な厚さtの導電性フィルムを含み、この導電性フィルムは、tより大きい、いくつかの実施形態ではtの3倍より大きい、いくつかの実施形態ではtの10倍より大きい、高さhを有する、複数の丘形状にパターン化されている、雷保護シートを提供する。いくつかの実施形態では、tは0.001〜100マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、tは0.01〜10マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、hは6マイクロメートル〜1mmである。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、50g/m2未満の重さである導電性材料の量を含む。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、上記の実質連続的な導電性フィルム以外の導電性層を含まず、これは厚さtを有し、tよりも大きい高さhを有する複数の丘形状にパターン化されている。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、0.001〜100マイクロメートルの厚さを有する、実質連続的な導電性フィルム以外の導電性層を含まない。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、0.01〜10マイクロメートルの厚さを有する、実質連続的な導電性フィルム以外の導電性層を含まない。雷保護シートは、連続的な導電性フィルムの下に非導電性支持層を更に含み、この支持層は、導電性フィルムと実質同じ丘形状のパターンを有する。雷保護シートは、非導電性弁別層を導電性フィルムの上に更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、弁別層は、導電性フィルムの部分を被覆してもよく、ここでは丘形状は弁別層によって被覆されない頂部を含む。いくつかの実施形態では、弁別層は、導電性フィルムを被覆してもよい。雷保護シートは、接着層を更に含んでもよい。雷保護シート接着層を含まなくてもよい。雷保護シートは、1つ以上のイオン性塗装層を更に含んでもよい。
【0007】
別の態様において、本開示は、上記の雷保護シートを有する航空機の複合材料構造体を提供する。
【0008】
本開示は概して、様々な「層」及び/又は「フィルム」を含む雷保護「シート」に関し、雷保護シートは、「構造体」、典型的に、航空機又は宇宙船の表面に保護を提供する。
【0009】
フィルム又は層に関して本明細書で使用されるとき、「実質連続的な」は、例えば締結具、通路等に関して、偶発的又は偶然の孔若しくは隙間以外の、フィルム又は層を貫通する孔若しくは隙間の繰り返しパターンを有さないことを意味する。フィルム又は層に関して、「本質的に連続的な」は、締結具、通路等に関して、偶発的又は偶然の孔若しくは隙間以外の、フィルム又は層を貫通する孔若しくは隙間を有さないことを意味する。
【0010】
フィルムに関して本明細書で使用されるとき、「厚さ」は、フィルムのいずれかのパターン化に関係なく、フィルムの面に直交して測定された平均厚さを意味し、適切な場合は、パターン化前の、本開示の実践で使用されるフィルムの公称厚さであるようにとられてもよい。
【0011】
本明細書で使用されるとき、フィルム又は層内の「丘形状」は、より低い高さの領域によって包囲されている高さにおける局所的な最大値を意味し、(高さはシートの全体的な平面に直交して測定される)(すなわち、下層の表面の屈曲若しくは湾曲を追従する屈曲又は湾曲に関係なく)を意味し、正の高さはシートの構造体の面から離れる方向である。丘形状には、錐体、半球、こぶ、3面、4面若しくはそれより多い面のピラミッド、又は前述のいずれかの硬質若しくは軟質の縁の付いた錐台を挙げることができるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるとき、丘形状の高さhは、局所的な最大値と、360°にわたって平均化された隣接する局所的な最小値との間の高さにおける差を意味する。いくつかの実施形態では、丘形状はまた、くぼみ付きの錐台、例えば「火山」、又は二分割されたトーラス形状を挙げることができるがこれに限定されず、その場合には、丘形状の高さhは、丘形状の縁部で測定される。
【0012】
本明細書で使用されるとき、フィルム若しくは層における「谷形状」は、より大きな高さの領域によって包囲されている、高さにおける局所的な最小値を意味する。谷形状には、反転させた錐体、反転させた半球、反転させたこぶ、3面、4面若しくはそれより多い面の反転させたピラミッド、又は前述のいずれかの硬質若しくは軟質の縁の付いた錐台を挙げることができるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるとき、谷形状の深さは、局所的な最小値と、360°にわたって平均化された隣接する局所的な最大値との間の高さにおける差を意味する。いくつかの実施形態では、谷形状は、反転させたくぼみ付きの錐台を挙げることができるが、これに限定されず、その場合には、谷形状の深さは、谷形状の最も深い点で測定される。
【0013】
本明細書で使用されるとき、フィルム又は層における「隆起部と溝部の形状」は、交互の隆起部及び溝部含み、これは線状、湾曲状、又は角度が付いていてもよい。いくつかの実施形態では、隆起部と溝部の形状は枝分かれしていてもよい。いくつかの実施形態では、隆起部と溝部の形状は閉じた形状形成してもよい。本明細書で使用されるとき、所与の点における隆起形状の高さhは、局所的な最大値と、その点における隆起部に垂直な線に沿った、隣接する局所的な高さの最小値の平均との間の高さにおける差を意味する。本明細書で使用されるとき、溝部上の所与の点における溝部の形状の深さdは、局所的な最小値と、その点における溝部に垂直な線に沿った、隣接する局所的な高さの最大値の平均との間の高さにおける差を意味する。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「導電性」は少なくとも、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、銀、金、チタン、クロム、プラチナ、ベリリウム、マグネシウム、鉄等の、これらの金属状態における金属の特徴と同じぐらい高い、高導電率を有することを意味する。
【0015】
本明細書で使用されるとき、「非導電性」は、典型的に室温の半導体及び絶縁体を含むが、いくつかの実施形態では、室温の絶縁体のみを含み、半導体は含まない、金属状態における金属の特徴よりも低い、室温における低い導電率を有することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示による雷保護システムの概略的な断面図。
【図2】本開示による複数の丘形状にパターン化されたフィルムの区分の直交する突出部。
【図3A】以下の比較実施例1Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図3B】以下の比較実施例2Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図3C】以下の比較実施例3Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図3D】以下の比較実施例4Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図3E】以下の比較実施例5Cに記載される、先行技術による雷保護システムの概略断面図。
【図4】以下の実施例6に記載される、本開示による雷保護システムの概略断面図。
【図5】以下の実施例7に記載される、本開示による雷保護システムの概略断面図。
【図6】以下の実施例8に記載される、本開示による雷保護システムの概略断面図。
【図7】以下の実施例9に記載される、本開示による雷保護システムの概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、複数の丘形状にパターン化され、典型的に航空機の外側表面上で使用するための導電性フィルムを含む雷保護シートを含む、雷保護システムを提供する。典型的に、本開示の雷保護システムを使用する航空機は、サービスの中断を余儀なくさせる修理を必要とすることなく、雷の衝撃に耐えることができる。典型的に、本開示の雷保護システムを使用する航空機は、航空機構造体への損傷もなく、雷の衝撃に耐えることができる。いくつかの実施形態では、本開示の雷保護システムを使用する航空機は、雷保護シートの導電性フィルムへの損傷もなく、雷の衝撃に耐えることができる。
【0018】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、典型的に航空機又は宇宙船の表面である構造体20上にある雷保護シート10を含んでもよい。雷保護シート10は、高さhを有する、複数の丘形状40にパターン化された、厚さtを有する導電性フィルム30を含む。図1及び2に示された実施形態では、丘形状は、幅wを有し、かつ距離dによって分離されている矩形(正方形)の錐台である。以下の「実施例」に記載された実施形態のいくつかでは、丘形状は、dが本質的にゼロであり、wはx及びyの両方向において11〜15ミル(0.28〜0.38mm)で変化するのを除いては、図1及び2に示されたものと同様の矩形の錐台である。以下の「実施例」に記載された実施形態のいくつかでは、矩形の錐台の平均高さhは、25ミル(0.635mm)であり、矩形の錐台の平坦な頂部は約4ミル(0.1mm)の平均幅を有する。他の実施形態において、丘形状は円錐、半球、又はこぶであってもよい。他の実施形態において、丘形状は、3面、4面、又はそれより多い面のピラピッドであってもよい。他の実施形態において、丘形状は、硬質若しくは軟質の縁の付いた円錐、半球、又はこぶであってもよい。他の実施形態において、丘形状は、3面、4面、又はそれより多い面の、硬質若しくは軟質の縁の付いた錐台であってもよい。他の実施形態において、丘形状は、くぼみ付きの錐台、又は前述の、例えば「火山」若しくは二分割されたトーラス形状のいずれかであってもよい。丘形状40の分布は順序付けられてもよく、繰り返しであってもよく、無秩序であってもよく、無作為であってもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0019】
導電性フィルム30は、任意の好適な材料で作製されてよい。典型的に、導電性フィルム30は、金属材料を含む。典型的に、導電性フィルム30は、金属を含む。典型的に、導電性フィルム30は、高い導電率、低密度、及び高い耐腐食性などの好ましいバランスを有する材料を含む。有用な金属には、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、銀、金、チタン、クロム、プラチナ、ベリリウム、マグネシウム、鉄等、並びにこれらの金属合金を挙げることができるが、これらに限定されない。典型的に、導電性フィルム30は、実質連続的である。いくつかの実施形態では、導電性フィルム30は、本質的に連続的である。いくつかの実施形態では、導電性フィルム30は連続的である。
【0020】
導電性フィルム30の厚さtは、任意の好適な厚さであってもよい。より低い厚さは、より小さな重量を生じさせることができる。厚さtは、典型的に1mm未満、より典型的に100マイクロメートル未満、より典型的に50マイクロメートル未満、及び典型的に10マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、厚さtは5マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、厚さtは2マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、厚さtは1マイクロメートル未満である。厚さtは典型的に、少なくとも0.001マイクロメートル、より典型的に少なくとも0.01マイクロメートル、及びより典型的に少なくとも0.1マイクロメートルである。
【0021】
丘形状40の高さhは、導電性フィルム30の厚さtより大きい。より典型的に高さhはtの1.5倍より大きい。より典型的に高さhはtの2倍より大きい。より典型的に高さhはtの3倍より大きい。より典型的に高さhはtの5倍より大きい。より典型的に高さhはtの10倍より大きい。より典型的に高さhはtの20倍より大きい。より典型的に高さhはtの50倍より大きい。より典型的に高さhはtの100倍より大きい。
【0022】
丘形状40の高さhは、任意の好適な高さであってもよい。丘形状40の高さhは典型的に0.1マイクロメートル〜10mm、より典型的に1マイクロメートル〜2mm、及びより典型的に6マイクロメートル〜1mmである。丘形状40の幅wは、任意の好適な幅であってもよい。丘形状40の幅wは典型的に1マイクロメートル〜50mm、より典型的に10マイクロメートル〜10mm、及びより典型的に20マイクロメートル〜1mmである。丘形状のピッチpは、幅wに丘形状の間の距離dを足したものに等しい。丘形状40のピッチpは、任意の好適なピッチであってもよい。丘形状40のピッチpは典型的に、10マイクロメートル〜50mm、より典型的に50マイクロメートル〜10mm、及びより典型的に200マイクロメートル〜1mmである。
【0023】
構造体20は、任意の好適な材料、典型的に航空機又は風力タービン構造体で使用される材料のものであってもよく、これは金属、木材、ポリマー、炭素粒子若しくは繊維、ガラス粒子若しくは繊維、上記の1つ以上を含む複合材料等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0024】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、所望により導電性フィルム30を支持する支持層50を含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持層50は導電性フィルム30の下面に一致する。いくつかの実施形態では(図示せず)、支持層50は、丘形状40の下面のみを充填し、導電性フィルム30の下には延在しない。支持層50は、任意の好適な材料で作製されてよい。典型的に、支持層50は、例えばセラミックス、高分子若しくは繊維材料、又は粒子、繊維若しくは成形充填剤を更に含み得るこれらの組み合わせなど、これらに限定されない非導電性材料で作製される。有用な材料にはエポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、フルオロポリマー、シリコーンを挙げることができるがこれらに限定されず、また、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、スズ酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸バリウム、酸化セシウム、酸化ランタン、酸化チタン、酸化亜鉛、炭素、シリカ、若しくはアラミドを含む添加剤、又は添加剤の組み合わせを更に挙げることができる。いくつかの実施形態では、支持層50は接着剤を含まない。いくつかの実施形態では、支持層50は未硬化ポリマーを含まない。いくつかの実施形態では、支持層50は感圧接着剤を含まない。
【0025】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、所望により、導電性フィルム30の上に弁別層60を含んでもよい。いくつかの実施形態では、弁別層60は導電性フィルム30の上面に一致する。いくつかの実施形態では(図示せず)、支持層50は丘形状40の間の体積のみを充填し、丘形状40の頂部を被覆しない。弁別層60は、任意の好適な材料で作製されてよい。典型的に、弁別層60は、典型的に空気よりも高い、より典型的に5kV/mmより高い、より典型的に10kV/mmよりも高い、及びいくつかの実施形態では、25kV/mmよりも高い、高絶縁破壊強度を典型的に備える、非導電性材料で作製される。有用な材料には、セラミックス、高分子若しくは繊維材料、又は粒子、繊維若しくは成形充填剤を更に含み得るこれらの組み合わせなどを挙げることができるが、これらに限定されない。有用な材料には、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、フルオロポリマーを更に挙げることができるが、これらに限定されず、また、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、スズ酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸バリウム、酸化セシウム、酸化ランタン、酸化チタン、酸化亜鉛、炭素、シリカ、又はアラミドを含む添加剤又は添加剤の組み合わせ挙げることができる。
【0026】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、所望により、1つ以上の追加の表面層70、例えば塗装層を含んでもよい。追加の表面層70は、パターン化された又はパターン化されていない塗装など、これに限定されない任意の好適な材料で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、イオン性塗装層である、1つ以上の追加の表面層70を含む。このようなイオン性塗装層は、例えば、落雷中に存在する熱又は電流の適用により蒸発する成分を含み、これによって落雷捕捉点の他の場所に対するマイグレーションへの耐性を瞬間的に低減することができる、落雷の領域における雷保護シートの上に、導電性蒸気を提供する。このような成分には、イオン性顔料、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、オルトチタン酸亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、酒石酸セシウム、シュウ酸バリウム、セシウム塩、バリウム塩、又は酒石酸セシウムなどを挙げることができるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、追加の表面層70は、弁別層60よりも低い絶縁破壊強度、典型的に弁別層60の絶縁破壊強度の90%未満、より典型的に弁別層60の絶縁破壊強度の75%未満、及びより典型的に弁別層60の絶縁破壊強度の50%未満を有する材料から作製される。追加の表面層70は、概ね平面(図示の通り)又は構造化されている(図示せず)外面を、例えば均一又は不均一なリブレット又は目盛の形態で有してもよい。かかるパターン化された構造体は、例えば米国特許第5,133,516号に教示されている摩擦抵抗を低減するために、ノイズを低減するために、又は他の目的のために使用されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、弁別層60及び追加の表面層70の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、弁別層60及び追加の表面層70は、異なる組成物を有さなければならない。
【0028】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、1つ以上の追加の導電性層80を所望により含んでもよい。追加の導電性層80は、任意の好適な材料で、典型的に金属材料で、より典型的に金属で作製されてもよい。典型的に、導電性層80は、高い導電率、低密度、及び高い耐腐食性などの、好ましいバランスを有する材料を含む。典型的な金属には、銅、アルミ、ニッケル、亜鉛、銀、金等、並びにこれらの金属合金を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、追加の導電性層80は、支持層50によって導電性フィルム30から分離されてもよい。いくつかの実施形態では(図示せず)、追加の導電性層80は、導電性フィルム30と電気的に接続してもよい。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、追加の導電性層80を含まない。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、tより大きい、より典型的に2tより大きい、より典型的に10tより大きい、及び、より典型的に20tより大きい高さhを有する、複数の丘形状にパターン化されていない導電性層を含まない。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、tより大きい、より典型的に2tより大きい、及び、より典型的に10tより大きい高さhを有する、複数の丘形状にパターン化された、実質連続的な導電性フィルムでない導電性層を含まない。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、tより大きい、より典型的に2tより大きい、より典型的に10tより大きい、及び、より典型的に20tよりも大きい高さhを有する、複数の丘形状にパターン化された、本質的に連続的な導電性フィルムでない導電性層を含まない。
【0029】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、1つ以上の追加の非導電性層90を、所望により含んでもよい。追加の非導電層90は、電流、熱、又は両方の伝達に対する更なる絶縁を提供するのに有用であり得る。追加の非導電層90は、下層の構造体20が導電性であり、及び/又は本発明の雷保護システムに使用されている材料とガルバーニ的に不適合である場合には有用であり得る。追加の非導電層90は、セラミックス、高分子若しくは繊維材料、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない任意の材料で作製されてもよく、これは更に微粒子、繊維又は整形された充填材を含んでもよい。有用な材料には、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、フルオロポリマー、シリコーンを更に含んでもよいが、これらに限定されず、また、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム(strontium, titanat)、スズ酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸バリウム、酸化セシウム、酸化ランタン、酸化チタン、酸化亜鉛、炭素、シリカ、若しくはアラミドを含む添加剤、又は添加剤の組み合わせを更に挙げることができる。いくつかの実施形態では、追加の非導電性層90は接着剤を含まない。いくつかの実施形態では、追加の非導電性層90は未硬化ポリマーを含まない。いくつかの実施形態では、追加の非導電性層90は感圧接着剤を含まない。
【0030】
図1及び2を参照して、本開示による雷保護システムは、1つ以上の接着層100を所望により含んでもよい。接着層100は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、硬化性接着剤等が挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な接着剤材料で作製されてもよく、これらにはエポキシ、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスルフィド、ポリチオエーテル、又はシリコーン接着剤を挙げることができる。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、接着層を含まない。雷保護シートが接着層を含む実施形態では、シートには、構造体へのシートの適用前に、接着層から取り除かれるべき剥離ライナー(図示せず)が備わっていてもよい。いくつかの実施形態では、構造体へのシートの適用前又は後にシートから取り除かれるべき、汚染、取り扱いによる損傷、又は変形から、いずれか若しくは両方の表面を保護するために、シートにはライナー(図示せず)が備わっていてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、支持層50及び追加の非導電層90の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、支持層50及び追加の非導電層90は、異なる組成物を有さなければならない。いくつかの実施形態では、支持層50及び接着層100の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、支持層50及び接着層100は、異なる組成物を有さなければならない。いくつかの実施形態では、追加の非導電層90及び接着層100の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、追加の非導電層90及び接着層100は、異なる組成物を有さなければならない。いくつかの実施形態では、支持層50、追加の非導電層90、及び接着層100の機能及び特性は、単一層内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、支持層50、追加の非導電層90、及び接着層100は、異なる組成物を有さなければならない。
【0032】
典型的に、本開示の雷保護システムは軽量である。いくつかの実施形態では、雷保護システムは、100g/m2未満、いくつかの実施形態では50g/m2未満、いくつかの実施形態では25g/m2未満、いつくかの実施形態では15g/m2未満、いくつかの実施形態では10g/m2未満の重さである。雷保護シートは典型的に、少なくとも1g/m2未満の重さである。いくつかの実施形態では、雷保護シートは、50g/m2未満、いくつかの実施形態では35g/m2未満、いくつかの実施形態では20g/m2未満、いくつかの実施形態では10g/m2未満、いくつかの実施形態では4g/m2未満の重さである導電性材料の量を含む。雷保護シートは典型的に、少なくとも0.5g/m2の導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、雷保護シートの構成要素を形成する複数の丘形状にパターン化された導電性フィルムは、50g/m2未満、いくつかの実施形態では35g/m2未満、いくつかの実施形態では20g/m2未満、いくつかの実施形態では10g/m2未満、いくつかの実施形態では4g/m2未満の重さである。雷保護シートの構成要素を形成する複数の丘形状にパターン化された導電性フィルムは典型的に、少なくとも0.5g/m2の重さである。
【0033】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、本開示による雷保護システムが、落雷時において、多重の捕捉点を促進することによって、並びに捕捉点の急速なマイグレーションを促進することによって、航空機構造体及び/又は航空機自体への損傷を防ぐよう機能することができると考える。いくつかの実施形態では、落雷捕捉点(典型的に丘形状)に雷を捕捉するときに、伝導度が隣接する分別部、コーティング、及び/又は空気を通るものよりも、コンダクタを通るものの方が低くなるまで、落雷捕捉点での又は落雷捕捉点を包囲する導電性フィルムの電気伝導度が急速に低下する(典型的に熱によって)ように、導電性フィルムの特定の熱、熱伝導率、密度、厚さ若しくは面積、導電率、及び蒸発温度の特性を組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、イオン性外側層は、落雷の瞬間に捕捉点付近の空気中の伝導度を一時的に上昇させることにより、この効果を高めることができる。いくつかの実施形態では、これは、導電性フィルムの温度がその蒸発温度を超える前に、捕捉点のマイグレーションを生じさせる。いくつかの実施形態では、これは、下層の航空機構造体の材料の温度が、その蒸発温度を超える前に、捕捉点のマイグレーションを生じさせる。いくつかの実施形態では、これは、下層の航空機構造体の材料の温度が、そのガラス転移温度を超える前に、捕捉点のマイグレーションを生じさせる。いくつかの実施形態では、これは、下層の航空機構造体の材料の温度が、その損傷閾値温度を超える前に、捕捉点のマイグレーションを生じさせる。
【0034】
本開示による雷保護システムは、任意の好適な方法によって作製されてもよい。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護システムは、アップリケとして作製され、既存の航空機の部材に取り付けられてもよい。いくつかのこのような実施形態では、雷保護シートは、部材に取り付けるための接着層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護シートは、部材の製造時に航空機部材に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本開示による雷保護シートは、部材に一体として航空機部材の製造時に製造される。
【0035】
本開示による雷保護シートが複合部材を保護するいくつかの実施形態では、雷保護シートは、効果前に、プリプレグ又は同様な複合材料構成要素の層に沿って、ツール内に積層され、これによって雷保護シートは部材に一体化する。典型的に、雷保護シートは、部材の最も外側の層を形成するように、ツール内に積層される最初の層又はツール内に積層される最後の層である。いくつかの実施形態では、部材の外側表面から最も遠い、雷保護シートの最下層は、接着剤を含み、これはいくつかの実施形態では、未硬化ポリマーであってもよく、いくつかの実施形態では部分的に硬化したポリマーであってもよく、又はいくつかの実施形態では硬化性ポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、部材の外側表面から最も遠い、雷保護シートの最下層は、接着剤を含まないいくつかの実施形態では、部材の外側表面から最も遠い、雷保護シートの最下層は、未硬化ポリマーを含まない。
【0036】
本開示による複数の丘形状にパターン化された導電性フィルムは、任意の好適な方法によって作製されてもよい。いくつかの実施形態では、既存のフィルムは、任意の好適な方法、例えば、鍛造、エンボス加工、カレンダー加工、鋳造、機械加工等によってパターン化されてもよい。そのようにパターン化されたフィルムは次いで、任意の好適な手段によって他の層と組み合わされてもよく、これには、積層、コーティング、噴霧塗布、印刷方法等による、固体材料の層、可鍛性材料の層、材料の液体若しくは懸濁液等の層の導入を挙げることができる。いくつかの実施形態では、支持層は、任意の好適な方法、例えば鍛造、エンボス加工、カレンダー加工、鋳造、機械加工等によってパターン化されてもよく、導電性フィルムの材料は、化学蒸着、電気めっき、蒸着、オイルの適用等を含む、任意の好適な方法によって、パターン化された支持層に添加されてもよい。追加層は、積層、コーティング、噴霧塗布、印刷方法等によって、固体材料の層、可鍛性材料の層、材料の液体、溶液若しくは懸濁液等など、任意の好適な形体で添加されてもよい。
【0037】
本開示の雷保護システムは、飛行体、宇宙飛行体、風力発電機、自動車、バス、トラック、又は雷保護、電磁干渉遮蔽若しくは静電荷制御が、別の非導電性材料又は部分的に導電性材料上に必要とされる任意の他の用途に使用されてもよい。本開示の雷保護システムはまた、飛行体、宇宙飛行体、風力発電機、自動車、バス、トラック、又は雷保護、電磁干渉遮蔽若しくは静電荷制御が所望される任意の他の用途に適用されてもよい。
【0038】
本開示の目的及び利点は以下の実施例によって更に例証されるが、これらの実施例に引用される具体的な物質及び量、並びにその他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0039】
特に断らないかぎり、全ての試薬は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,WI)より入手したか、又は販売されるものであり、あるいは公知の方法で合成することができるものである。
【0040】
実施例1C〜5C(比較)及び6〜9
複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)
以下の方法で硬化するために、硬化性エポキシ接着樹脂を有する複合材料の試験片を調製した。2B仕上げを有する12ゲージのステンレス鋼合金304のシートを2ft×2ft(0.61m×0.61m)にトリミングすることによって平板状のツールを作製した。1ミル(25マイクロメートル)の離型無孔PTFEフィルム(Northern Fiber Glass Sales,Inc.からHTF−621として入手可能)をツールに貼付して、フィルムの縁部及び角に貼付した耐熱性テープでその上に固着させた。材料の各層を、実施例の本文に記載の順序及び配列でツールに適用した。層をそれぞれ、最初にツールに貼付してから、ライナーなしで手で順に重ねて、最上部の層の上に、直径1.5インチ(3.8cm)の木製のローラを手で圧力を加えながら移動させて、層のそれぞれをその前の層と固結させた。4層毎に、以下に記載の有孔離形フィルムの層、次に以下に記載の通気層の層で部材及びツールを覆い、部材を、3M製のScotchlite(商標)Vacuum Applicator Model VAL−1の中で完全な真空下で3分間、ツールに対して圧縮し、その後に通気層及び有孔離形フィルムを除去し、更なる層をこの部材に追加した。Pilot Silver Markerを使用して部材の露出面上の、部材の1つの縁部に沿って一意の名前を適用して、各クーポンに永久的にマーク付けした。Precision Fabrics Groupから60001/049/0009として入手可能な剥離層を、クーポンの露出面が完全に覆われるように、しわを含まないで適用した。Richmond Aircraft ProductsからA5000として入手可能な離型有孔フィルムを、クーポンが完全に覆われるように、しわを含まないで適用した。熱電対をクーポンの2インチ(5.1cm)以内でツールに取り付けた。以下に記載のオートクレーブのベッドに無孔離形フィルムの層を適用して、ツールが載置されている領域を覆った。ツール及び部材を、以下で説明するオートクレーブの底部に置いて、真空バッグのシールテープの連続的なビードを、テープからツールまでの距離が少なくとも3インチ(7.6cm)になるように、オートクレーブの底部に直接貼付した。真空バッグ密封テープにかからないように、オートクレーブのベッドの上の露出した無孔離形フィルムを折曲げる又はトリミングした。10オンス/yd2(342g/m2)の不織布ポリエステルのフェルトブリーザープライ(Richmond Aircraft ProductsからRC3000−10として入手可能)を、部材及びツールの上に被せて、四方が真空バッグのシールテープの2インチ(5.1cm)以内に広がるように、オートクレーブの底部に置いた。3ミル(76.2マイクロメートル)のナイロン製高温バギングフィルム(Richmond Aircraft ProductsからHS8171として入手可能)を、部材及びツールが覆われるように、及び四方が真空バッグのシールテープまで広がる又は真空バッグのシールテープを越えて広がるように、オートクレーブの底部に緩やかに置いた。少なくとも1つの真空ポート組立体を真空バッグの中の通気層の上に設置し、フィルムを真空バッグ密封テープに押圧して真空バッグをオートクレーブのベッドの全ての縁部に沿って封止させた。
【0041】
複合部材の硬化
硬化性エポキシ接着樹脂を備える複合材料の試験片を以下の方式で硬化した。上記の「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に従って硬化するために、硬化性エポキシ接着樹脂を備える各複合材料の試験片を調製した。以下に記載のオートクレーブ内の真空システムに真空ポートアセンブリを取り付け、部材、ツール、離形フィルム、及び通気層を完全な真空下で最低5分間圧密化した。熱電対を、オートクレーブ中の真空システムに取り付けた。次に、部品を、制御された温度及び圧力の条件下で、1つはThermal Equipment Corporation製で、もう1つはASC Process Systems製の2つのオートクレーブのうちの1つで、以下で説明する圧力及び温度のプロファイルを使用して、硬化させた。オートクレーブ内部の圧力は、80psi(551.6kPa)まで上昇させ、温度は、ラギング付き熱電対(lagging thermocouple)の温度が177℃に達するまで、温度を5°F/分(2.5℃/分)で上昇させた。圧力を80psi〜90psi(551.6〜620.5kPa)に保持し、温度を177℃〜182℃で120分間保持した。ラギング付き熱電対の温度が44℃に達するまで、温度を5°F/分(2.75℃/分)の制御された速度で減少させた。ラギング付き熱電対の温度が66°に到達するまで、圧力を80psi〜90psi(551.6〜620.5kPa)に維持し、次いで、オートクレーブ内の圧力及び真空バッグ下の真空は大気に排出した。硬化した複合材料の試験片をオートクレーブ、バッグ及びツールから取り出した。
【0042】
実施例1C(比較例):硬化後に適用したポリウレタン含浸エキスパンドアルミホイルを備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Aを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、ポリウレタン樹脂、及びエキスパンドアルミホイルを準備し、使用して、比較用複合材料の試験片(201)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネル(221)を以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維をツールに適用した。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化させた。導電性メッシュ241を含む層は、以下の通り表面に接合させた。DexmetからExmet 4AL8−080として入手可能な、厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のエキスパンドアルミホイルを、部材上に平坦に配置し、供されたポリウレタン樹脂で以下の方式で飽和させた。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、Dow ChemicalからTone2221として入手可能な50部のCarprolactone Diol、Degussaから入手可能な、41部の4,4−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、Sigma−Aldrichから入手可能な9部の1,4−ブタンジオール、Alfa−Aesarから入手可能な1部より多いジ−n−ブチルスズジラウレートを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、金属メッシュの上にたっぷりと流し込み、樹脂及び全体的な表面を被覆するためのポリエステルのライナーを作製した。3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、ポリエステルライナーとプラスチックパネルとの間に溶液を拡げ、金属メッシュに含浸させ、余分な樹脂を除去した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で24時間硬化させた。
【0043】
実施例2C(比較用):硬化前に適用した、織り込まれたワイヤを有する層を備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Bを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、織り込まれたリン青銅ワイヤ、及びポリウレタン塗装を準備し、使用して、複合材料の試験片(202)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。ツールに最初に適用したのは、Toray(242)からFL6676U−37E 965として入手可能な炭素繊維の全てのトウと織り合わされ(1cm当たり約4トウ(1インチ当たり約10トウ))、直径0.10mm(004in)のリン酸銅ワイヤを備えるエポキシ樹脂含浸平織グラファイト布地だった。次いで適用したのは、TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(222)を形成する12層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維だった。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化した。塗装コーティング(291)は、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用した。まず、硬化したパネルを、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、導電性エポキシプライマーコートを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG Industriesから528×310として入手可能な、同じ部数の導電性プライマーベース、及び9910×464として入手可能な活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で不粘着状態まで乾燥させた。プライマー適用の24時間以内に、ポリウレタン塗装コートを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、PPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤、及びPPG IndustriesからCA8800ST1として入手可能な1部のシンナーを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移動し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用した。塗装コーティング(291)は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で最低7日間乾燥させた。
【0044】
実施例3C(比較例):硬化前に適用した、エキスパンド銅ホイルを含む、エポキシ接着フィルムを備える炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Cを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エキスパンド銅ホイルを備える表面フィルム、及びポリウレタン塗装を準備し、使用して複合材料の試験片(203)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。まずツールに、エキスパンド銅ホイルを備える、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF191XS 045として入手可能なエポキシ接着フィルムの層(243)を0.045lbs./ft2(2.15Pa)で適用した。次いで、104ガラス不織布スクリムの層(261)を適用した。TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(223)を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維が次に適用された。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化した。塗装コーティング(292)は、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用した。まず、硬化したパネルを、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、導電性エポキシプライマーコートを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG Industriesから528×310として入手可能な、同じ部数の導電性プライマーベース、及び9910×464として入手可能な活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で不粘着状態まで乾燥させた。プライマー適用の24時間以内に、ポリウレタン塗装コート(292)を以下の方式で適用した。ポリマー溶液を以下の通り調製した。PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、PPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤、及びPPG IndustriesからCA8800ST1として入手可能な1部のシンナーを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移動し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用した。塗装コーティング(292)は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で最低7日間乾燥させた。
【0045】
実施例4C(比較例):硬化後に適用したエキスパンドアルミホイルを含むアップリケを備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Dを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維及び導電性アップリケを準備し、使用して、複合材料の試験片(204)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネル(224)を以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維(224)をツールに適用した。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化させた。
【0046】
接着層(281)、エキスパンドアルミホイル(これはDexmetからExmet 4AL8−080として入手可能な、厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のエキスパンドアルミホイルだった)を含む導電性層(244)、及び表面層(293)を含む導電性アップリケ(262)を作製し、以下の通り表面に接合させた。
【0047】
導電性アップリケ(262)を以下の通り作製した。灰色のフルオロポリマーフィルム裏材は、97%(w/w)の透明なDYNEON THV 500及び3%(w/w)の灰色に着色されたDYNEON THV 200を有するペレットの均一な混合物を押出成形機に供給することによって調製した(この着色された材料は、得られる灰色の裏材の色が、Federal Standard 595B,Color #36320の仕様に準拠するように、Americhem,Incorporated(Elgin,Ill)によって調製された)。1.9cmのスクリュー直径及び20.3cmのダイの幅を有するHaake押出成形機を使用し、スクリュー速度165rpm及びウェブ速度15m/分を採用して、ペレットを厚さ51マイクロメートルのポリエステルのキャリアウェブフィルム上のフィルムに押出した。押出成形機のダイは、キャリアから約1.9cm離して保った。押出成形機は、以下の通りに設定した3つのゾーンを有した:ゾーン1は224℃、ゾーン2は243℃、ゾーン3は246℃。ダイの温度は246℃に設定した。得られる押出フィルムは、厚さ43.2マイクロメートル+/−12マイクロメートルを有した。得られるフィルムの裏材は、次いでActon Technologies,Inc.(Pittston,Pa.)によって、彼らのFLUOROETCHプロセスを使用し、処理した。次いで、アクリルポリマー溶液を調製した。より具体的には、以下の成分を1Lの細口瓶に添加した:70重量部のイソオクチルアクリレート(IOA)、56重量部のエチルアクリレート、14重量部のアクリル酸(AA)、260グラムのエチルアセテート、及び0.42グラムの過酸化ベンゾイル熱反応開始剤。このモノマー溶液は、1L/分の速度で、2分間、窒素パージした。瓶を密封し、59℃の回転水槽に24時間配置した。21%の固体溶液となるように、得られるポリマー溶液をヘプタンで希釈した。次いで、トルエン中の5%(w/w)溶液のN,N’−ビス−1,2−プロピレンイソフタルアミド(propyleneisophthalamide)を2.1部を添加し、最終的なポリマー溶液を、次いで、灰色のフルオロポリマーフィルム裏材の処理された表面上に注ぎ、ナイフオーバーベッドコーティングステーションを使用してコーティングした。ナイフとベッドの間の隙間は、フルオロポリマーフィルム裏材とポリエステルキャリアウェブの組み合わされた厚さよりも大きい71マイクロメートルになるように設定した。コーティングした裏材を、以下の通りに設定した3つのゾーンを有する12mの対流式オーブン内で乾燥させた:ゾーン1は41℃、ゾーン2は60℃、ゾーン3は82℃。コーティングした裏材を、コーティングステーション及び乾燥オーブンの両方で1.52m/分で通過させた。乾燥後、フィルムの裏材及び硬化した接着剤の組み合わされた厚さは、約58.2マイクロメートルであり、約15マイクロメートルの接着剤の厚さを示している。厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のエキスパンドアルミホイル(Dexmetから、Exmet 4AL8−080として入手可能な)を、硬化したポリマー溶液に、2.5ft/分(0.76m/分)の速度で一緒に、Geppert Engineering Inc.のラミネータのニップ内に、4インチ(10.2cm)のゴムローラーを使用して、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で供給することによってラミネートし、エキスパンドアルミホイルを硬化したポリマー溶液内に組み込んだ。上記の通り調製した最終的な接着ポリマー溶液の追加の量を次いで、エキスパンドアルミホイルの露出した表面上に注ぎ、ナイフオーバーベッドコーティングステーションを使用してコーティングし、エキスパンドアルミホイルを飽和状態にし、被覆した。ナイフとベッドの間の隙間は、フルオロポリマーフィルム裏材と、ポリエステルキャリアウェブと、エキスパンドアルミホイルとの組み合わされた厚さよりも大きい、381マイクロメートルになるように設定した。コーティングした裏材を、以下の通りに設定した3つのゾーンを有する12mの対流式オーブン内で乾燥させた:ゾーン1は41℃、ゾーン2は60℃、ゾーン3は82℃。コーティングした裏材を、コーティングステーション及び乾燥オーブンの両方で1.52m/分で通過させた。乾燥後、フィルムの裏材、エキスパンドアルミホイル、及び硬化した接着剤ポリマーの組み合わされた厚さは、約254マイクロメートルであり、約51マイクロメートルの接着剤の厚さを示している。厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のポリエチレンの暫定保護ライナーを、露出した接着剤に軽い圧力でラミネートした。
【0048】
導電性アップリケ(262)を以下の通り適用した。まず、硬化したパネル(224)を、イソプロピルアルコールを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、プラスチックパネルを被覆するように導電性アップリケ(262)をトリミングし、保護ライナーを、アップリケ上の感圧接着剤から取り外した。アップリケ(262)の接着面は、まず、複合体パネル(224)の洗浄された表面と、パネルの1つの縁部に沿って、次いで、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルの全体表面にわたって徐々に嵌合させ、空気を抜き、接着剤と基材の密着した接触を確保した。アップリケの接着は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で24時間、構築させた。
【0049】
実施例5C(比較例):硬化前に適用した多層のエポキシ接着フィルム及びニッケルコーティングされたグラファイト繊維紙を備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図3Eを参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及びニッケルコーティングされたグラファイト繊維不織紙を準備し、使用して複合材料の試験片(205)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを以下の通り準備した。上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)」に記載の通りに以下の材料を組み立てて、調製した。まずツールに、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 035として入手可能なエポキシフィルムの層(263)を、0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。接着剤の上に、厚さ10.5ミル(266.7マイクロメートル)の、Hollingsworth & Voseから、グレード8000838のニッケルカーボンペーパーとして入手可能なニッケルコーティングされたグラファイト繊維不織紙(245)を47g/m2で配置した。エポキシ接着剤フィルム(263)及びニッケルコーティングしたグラファイト繊維不織紙(245)の追加層を、ニッケルコーティングされたグラファイト繊維不織紙(245)及びエポキシ接着剤フィルム(263)の3つの層がツール上で適所に配置されるまで、交互に配置した。次いで適用したのは、TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(225)を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維だった。この組立体の硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化し、硬化パネルを作った。
【0050】
実施例6:硬化前に適用された、くぼみ付きアルミニウムプレートを備える炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図4を参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及びくぼみを有するアルミニウムプレートを準備し、使用して複合材料の試験片を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを準備した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。ツールにまず適用したのは、TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維だった(226)。次いで適用したのは、DexmetからExmet 4AL8−080として入手可能な、厚さ4ミル(101.6マイクロメートル)のエキスパンドアルミホイル(246)であった。次いで、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 035として入手可能な、支持層(264)を形成するエポキシフィルムの2層を0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。接着剤の上には、アルミニウムシート(247)が配置され、これは、連邦仕様QQ−A−250/11による厚さ8ミル(203.2マイクロメートル)のアルミニウムシート6061−0であり、面において直径2mm、及び高さ20ミル(508マイクロメートル)を有し円錐と成形され、交互の列に配置され、中心から中心まで4.5mm離間され、支持層(264)から外側に面する隆起したくぼみを備える、くぼみ(248)を含む。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化させた。ポリウレタンバリアコーティング(265)を、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用し、アルミニウムシート(247)におけるくぼみ(248)間の空間を全体的に充填した。まず、硬化したパネル上のアルミニウムの表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、ポリウレタンのコーティングを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液は、アルミニウムの上にたっぷりと流し込んだ。3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、各くぼみの基部から頂部まで完全に、しかし、各くぼみの頂部は被覆しないように、くぼみ間の空間を充填した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。
【0051】
実施例7:一体化アルミニウム蒸気コーティングした構造体を備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図5を参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及び蒸着アルミニウムを準備し、使用して複合材料の試料片を調製した(207)。硬化した繊維強化プラスチックパネルを準備した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。まずツールに適用し、フィルムの縁部及び角に耐熱テープで適用して、基部にわたって14ミル(355.6マイクロメートル)、及びフィルムの露出した面において40ミル(1016マイクロメートル)〜56ミル(1422.4マイクロメートル)である、深さ22ミル(558.8マイクロメートル)の四辺形錐台の様々なパターンを備える構造体を有する表面を備えるフィルムをその上に固定した。フィルムは、参照により本明細書に援用される米国特許第5,152,917号に記載された方式で作製した。フィルムは、Loctiteから700NCとして入手可能な離型剤を用いて大まかに拭き取り、このツールに適用する前に周囲条件(22℃、相対湿度50%)で1/2時間、垂直に吊り下げた。このパターンフィルムに対して、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 0.35として入手可能な、支持層(266)を形成するエポキシフィルムの3層を0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(227)を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維をツールに適用した。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化した。パターンフィルムを取り外し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッドの変動するパターンを備える、接着剤が多く付いた表面をパネル上に残した。Dentonの蒸着チャンバを使用して、厚さ8マイクロメートルのアルミニウムフィルム(248)をパネルの構造化表面に適用し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッド(249)を有する導電性構造体表面を備える硬化したパネルを作る。ポリウレタンバリアコーティング(267)を、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用し、表面構造体の基部と頂部との間にある体積を全体的に充填した。まず、硬化したパネル上の表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、ポリウレタンのコーティングを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、構造化表面の上にたっぷりと流し込み、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルにわたって溶液を拡げ、表面構造体の基部と頂点との間の体積のある形状を、完全に、しかしそれぞれの丘形状の頂部は被覆しないように充填した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。ポリウレタン塗装(294、295)の2つのコートを次いで、以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、PPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤、及びPPG IndustriesからCA8800ST1として入手可能な1部のシンナーを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移動し、2つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用した。塗装コーティングは、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で最低7日間乾燥させた。
【0052】
実施例8:一体化アルミニウム蒸気コーティングした構造体を備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図6を参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及び蒸着アルミニウムを準備し、使用して複合材料の試料片(208)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを準備した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。基部にわたって14ミル(355.6マイクロメートル)、及びフィルムの露出した面において40ミル(1016マイクロメートル)〜56ミル(1422.4マイクロメートル)である、深さ22ミル(558.8マイクロメートル)の四辺形錐台の様々なパターンを備える構造体を有する表面を備えるフィルムをまずツールに適用し、フィルムの縁部及び角に耐熱テープで適用して、その上に固定した。フィルムは、参照により本明細書に援用される米国特許第5,152,917号に記載された方式で作製した。フィルムは、Loctiteから700NCとして入手可能な離型剤を用いて大まかに拭き取り、このツールに適用する前に周囲条件(22℃、相対湿度50%)で1/2時間、垂直に吊り下げた。このパターンフィルムに対して、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 0.35として入手可能な、支持層(268)を形成するエポキシフィルムの3層を0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。TorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単方向性グラファイト繊維(228)をツールに適用した。このアセンブリ内の硬化性樹脂は、硬化したパネルを作製するために、上記の「複合部材の硬化」で記載されたように硬化された。パターンフィルムを取り外し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッドの変動するパターンを備える、接着剤が多く付いた表面をパネル上に残した。Dentonの蒸着チャンバを使用して、厚さ8マイクロメートルのアルミニウムフィルム(250)をパネルの構造化表面に適用し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッド(251)を有する導電性構造体表面を備える硬化したパネルを作る。ポリウレタンバリアコーティング(269)を、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用し、基部と表面構造体の頂部との間にある体積を全体的に充填した。まず、硬化したパネル上の表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、ポリウレタンのコーティングを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、構造化表面の上にたっぷりと流し込み、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルにわたって溶液を拡げ、表面構造体の基部と頂点との間の体積のある形状を、完全に、しかしそれぞれの丘形状の頂部は被覆しないように充填した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。ポリウレタン塗装(296)の1つのコートを次いで、以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、PPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤、及びPPG IndustriesからCA8800ST1として入手可能な1部のシンナーを、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液をリザーバに移動し、1つのコートを、市販の大容量低圧噴霧器を使用して表面に適用した。塗装コーティングは、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で最低7日間乾燥させた。
【0053】
実施例9:一体化アルミニウム蒸気コーティング構造体、及びアルカリ塩含有のイオン性塗装オーバーコートを備える、炭素繊維強化プラスチック複合材料構造体
図7を参照して、エポキシ樹脂含浸炭素繊維、エポキシ接着剤フィルム、及び蒸着アルミニウムを準備し、使用して複合材料の試料片(209)を調製した。硬化した繊維強化プラスチックパネルを準備した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。まずツールに適用し、フィルムの縁部及び角に耐熱テープで適用して、基部にわたって14ミル(355.6マイクロメートル)、及びフィルムの露出した面において40ミル(1016マイクロメートル)〜56ミル(1422.4マイクロメートル)である、深さ22ミル(558.8マイクロメートル)の四辺形錐台の様々なパターンを備える構造体を有する表面を備えるフィルムをその上に固定した。フィルムは、参照により本明細書に援用される米国特許第5,152,917号に記載された方式で作製した。フィルムは、Loctiteから700NCとして入手可能な離型剤を用いて大まかに拭き取り、このツールに適用する前に周囲条件(22℃、相対湿度50%)で1/2時間、垂直に吊り下げた。このパターンフィルムに対して、3Mから3M(商標)Scotch−Weld(商標)Structural Adhesive Film AF 555U 0.35として入手可能な、支持層(270)を形成するエポキシフィルムの3層を0.035lbs./ft2(1.68Pa)で適用した。ツールに適用したのはTorayからP2353U 19 152として入手可能な、基材(229)を形成する13層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維だった。この組立体で硬化性樹脂剤を、上記の「複合部材の硬化」に説明されるように硬化した。パターンフィルムを取り外し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッドの変動するパターンを備える、接着剤が多く付いた表面をパネル上に残した。Dentonの蒸着チャンバを使用して、厚さ8マイクロメートルのアルミニウムフィルム(252)をパネルの構造化表面に適用し、高さ22ミル(558.8マイクロメートル)の、頂部が面取りされた正方形のピラミッド(253)を有する導電性構造体表面を備える硬化したパネルを作る。ポリウレタンバリアコーティング(271)を、硬化したパネルの表面に以下の方式で適用し、基部と表面構造体の頂部との間にある体積を全体的に充填した。まず、硬化したパネル上の表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。アルカリ塩含有のポリウレタン塗装(297)の1つのコートを次いで、以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な4部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な2部の活性剤、並びに1部の硝酸セシウム粉末を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、構造化表面の上にたっぷりと流し込み、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルにわたって溶液を拡げ、表面構造体の基部と頂点との間の体積のある形状を、完全に、しかしそれぞれの丘形状の頂部は被覆しないように充填した。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。
【0054】
実施例1C〜5C(比較)及び6〜9の評価
硬化の後、SAE ARP5416 Aircraft Lightning Test Methodsによる落雷電流試験の直接的な影響を、以下の通りいくつかのパネル上で実施した。試料1C〜5C及び6〜9からのクーポンをダイヤモンド・ソーで16インチ(40.6cm)×16インチ(40.6cm)の試験片にトリミングし、試験固定具に設置した。アルミニウムのバーを各パネルの外周部までクランプさせ、銀めっきさせた銅ブレイドを用いて試験固定具に電気的に接続した。ジェット拡散(jet-divering)試験電極を試験パネルの中心近くに、パネルの表面から約1インチ(2.5cm)に伸ばす。各パネルには、電流構成要素Cを移動させるために、約200クーロンの少なくとも1回の放電を、SAE ARP5412 Aircraft Lightning Environment and Related Test Waveformsに記載のように実施した。それぞれの損傷した領域の表面は16倍で検査した。各パネルはダイヤモンド・ソーを用いて、損傷した領域にわたって切断し、研磨砥粒1200の研磨材で研磨し、50倍以上で顕微鏡により損傷を観察した。表1は、試験結果と、比較のために、各試料における導電性材料の重量を示す。
【0055】
【表1】
【0056】
捕捉の質<1>
SS=単一の静止した捕捉。アークは試験パネル上の単一部位上に捕捉され、試験を通じて同じ部位に捕捉されたままだった。
【0057】
MS=複数の静止した捕捉。アークは試験パネル上の複数の部位に捕捉され、試験を通じてこれらの同じ部位に捕捉されたままだった。
【0058】
SM=ゆっくりと移動している、単一の捕捉。アークは試験パネル上の単一部位に捕捉され、試験中にいくつかのインターバルで、時折、他の単一部位に移動した。
【0059】
MRM=複数の急速に移動している捕捉。アークは試験パネル上の複数の部位に捕捉され、試験を通じて有効な部位の間を急速に移動した。
【0060】
実施例10C(比較)、11及び12
これらのタイプの試験クーポンを表IIに記載の通り作製した。
【0061】
【表2】
【0062】
試料11及び12の試験クーポンを以下のように作製した。頂点にわたって4ミル(101.6マイクロメートル)、及び基部にわたって11ミル(279.4マイクロメートル)〜15ミル(381マイクロメートル)である、25ミル(635マイクロメートル)高さの四辺形錐台の変化するパターンを備える構造体を有する表面を有する、布地で裏打ちされた酸化アルミニウムフィルム(Trizact(商標)Abrasive Beltsとして、3Mから入手可能)を準備した。パネルの構造化表面に、Denton蒸着チャンバを使用して、0.1マイクロメートルの金属フィルムを適用し、導電性構造化表面を備えるパネルを作製した。金属は、実施例11のクーポンに対しては銅であり、実施例12のクーポン対してはアルミニウムだった。ポリウレタンバリアコーティングを、実施例10C、11及び12のクーポンの全ての表面に、以下の方式で適用し、表面構造体の基部と頂部との間にある体積を全体的に充填した。まず、パネル上の表面を、メチルエチルケトンを用いて拭き取り洗浄し、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で10分間乾燥させた。次いで、ポリウレタンのコーティングを以下の方式で適用した。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、PPG IndustriesからCA8800/I1050として入手可能な2部のポリウレタンベース、及びPPG IndustriesからCA8800として入手可能な1部の活性剤を、1Lの細口瓶に添加した。溶液を周囲条件(22℃、相対湿度50パーセント)で、3分間、木製の舌圧子を用いて攪拌混合した。溶液を、構造化表面の上にたっぷりと流し込み、3MからPA−1として入手可能なプラスチックアプリケータを使用して、パネルにわたって溶液を拡げた。実施例11及び12の場合には、溶液は、表面構造体の基部と頂点との間の体積を完全に充填したが、各丘形状の頂部は被覆しなかった。ポリウレタン樹脂は、周囲条件(22℃、相対湿度50%)で4日間硬化させた。
【0063】
各タイプの複数のクーポンを作製し、表IIIに記録したように試験した。各クーポンを、電極と試験クーポンとの間に3から4.5mmの空隙をフィルム試料を受容することができるように修正したPhenix TechnologiesのModel LD60 Liquid Dielectric Test Setに配置した。電極と試験クーポンとの間の空隙にわたってアークが作られるまで、3000ボルト/秒の速度で上昇させる電圧で、電位を印加した。電位の値及びアーク事象の持続時間は、アークが生じた瞬間に記録した。視覚的な電磁範囲で動作する高速カメラ操作を使用して、プログレッシブ方式のフレームで事象を捕捉した。高速写真を使用して、アーク事象中に試験パネル上の別個の捕獲場所の数を査定した。クーポンへの損傷を、視覚検査により評価した。結果を表IIIに示す。
【0064】
【表3】
【0065】
電気アークは、非導電性塗装で均一にコーティングされているパネルに捕捉されたものよりも、別個の選択的に導電性部位を備えるパネルに、著しく多い点で捕捉された。1から20〜60まで捕捉場所の数を増加させるによって、局所的な電流密度は98%も低減され得る。これは、保護システムの厚さ又は重量において、対応する低減を可能にし得る。それはまた、より軽量又はよりコストがかからないが、それ以外の場合では構造体を、電流及びその事象中に生成された熱から構造体を保護することができない導電性材料を使用する機会も作ることができる。
【0066】
本開示の様々な修正及び変更は、本開示の範囲及び原理から逸脱することなく当業者には明白であり、また、本発明は、上記で説明した例示的な実施形態に不当に限定して理解すべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質連続的な厚さtの導電性フィルムを含み、前記導電性フィルムは、tより大きい高さhを有する複数の丘形状にパターン化されている、雷保護シート。
【請求項2】
hはtの3倍より大きい、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項3】
hはtの10倍より大きい、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項4】
tは0.001〜100マイクロメートルである、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項5】
tは0.01〜10マイクロメートルである、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項6】
hは6マイクロメートル〜1mmである、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項7】
50g/m2未満の重さである導電性材料の量を含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項8】
実質連続的な厚さtの導電性フィルム以外の導電性層を含まず、前記導電性フィルムは、tより大きい高さhを有する複数の丘形状にパターン化されている、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項9】
0.001〜100マイクロメートルの厚さを有する実質連続的な導電性フィルム以外の導電性層を含まない、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項10】
前記連続的な導電性フィルムの下に非導電性支持層を更に含み、該支持層は、前記導電性フィルムと実質同じ丘形状のパターンを有する、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項11】
非導電性弁別層を前記導電性フィルムの上に更に含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項12】
前記導電性フィルムの部分を被覆する非導電性弁別層を更に含み、前記丘形状は前記弁別層によって被覆されない頂部を含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項13】
前記導電性フィルムを被覆する非導電性弁別層を更に含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項14】
前記非導電性弁別層がイオン性顔料を含む、請求項11に記載の雷保護シート。
【請求項15】
接着層を更に含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項16】
接着層を含まない、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項17】
イオン性塗装層を含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項18】
請求項1に記載の雷保護シートを有する、航空機の複合材料構造体。
【請求項19】
tは0.001〜100マイクロメートルである、請求項3に記載の雷保護シート。
【請求項20】
tは0.01〜10マイクロメートルである、請求項3に記載の雷保護シート。
【請求項21】
請求項1に記載の雷保護シートを有する、風力発電機の構造体。
【請求項1】
実質連続的な厚さtの導電性フィルムを含み、前記導電性フィルムは、tより大きい高さhを有する複数の丘形状にパターン化されている、雷保護シート。
【請求項2】
hはtの3倍より大きい、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項3】
hはtの10倍より大きい、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項4】
tは0.001〜100マイクロメートルである、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項5】
tは0.01〜10マイクロメートルである、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項6】
hは6マイクロメートル〜1mmである、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項7】
50g/m2未満の重さである導電性材料の量を含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項8】
実質連続的な厚さtの導電性フィルム以外の導電性層を含まず、前記導電性フィルムは、tより大きい高さhを有する複数の丘形状にパターン化されている、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項9】
0.001〜100マイクロメートルの厚さを有する実質連続的な導電性フィルム以外の導電性層を含まない、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項10】
前記連続的な導電性フィルムの下に非導電性支持層を更に含み、該支持層は、前記導電性フィルムと実質同じ丘形状のパターンを有する、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項11】
非導電性弁別層を前記導電性フィルムの上に更に含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項12】
前記導電性フィルムの部分を被覆する非導電性弁別層を更に含み、前記丘形状は前記弁別層によって被覆されない頂部を含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項13】
前記導電性フィルムを被覆する非導電性弁別層を更に含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項14】
前記非導電性弁別層がイオン性顔料を含む、請求項11に記載の雷保護シート。
【請求項15】
接着層を更に含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項16】
接着層を含まない、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項17】
イオン性塗装層を含む、請求項1に記載の雷保護シート。
【請求項18】
請求項1に記載の雷保護シートを有する、航空機の複合材料構造体。
【請求項19】
tは0.001〜100マイクロメートルである、請求項3に記載の雷保護シート。
【請求項20】
tは0.01〜10マイクロメートルである、請求項3に記載の雷保護シート。
【請求項21】
請求項1に記載の雷保護シートを有する、風力発電機の構造体。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2012−524382(P2012−524382A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506230(P2012−506230)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/031263
【国際公開番号】WO2010/121044
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/031263
【国際公開番号】WO2010/121044
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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